説明

光ディスク媒体とその記録方法、記録装置

【課題】グルーブレスディスクを記録再生する際に、記録位置の精度向上と、記録密度の向上が実現できる光ディスク媒体、光ディスク装置、光ディスク記録方法を提供する。
【解決手段】記録用領域を有する記録層とガイド層とを設けた光ディスク媒体で、ガイド層は交互に配置された複数のランドとグルーブとから成る領域を有し、ランドもしくはグルーブのいずれかにガイド層上のアドレス情報を表すピット構造を設け、記録時にこれを検出して、記録開始位置を定める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザを用いて光ディスクに情報を記録する光ディスク装置、光ディスク記録方法、または光ディスク媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、Blu-ray Disc(TM)規格の光ディスクにおいて、記録容量を増加させるために3層や4層の記録層を有する光ディスクが開発され、規格化が行われた。今後更なる大容量化を目的として、より多数の記録層を有する光ディスクの開発が行われると予想されている。たとえば非特許文献1では、トラッキングサーボ制御を行うための物理的な溝構造を持つ層(以下、ガイド層)をもうけ、記録再生を行う層(記録層)にはランド/グルーブ構造を有さない光ディスク(グルーブレスディスク)が示されており、記録層を多数積層する場合でも製造が容易であるとされている。一方で、例えば特許文献1に記載されているように、ランド/グルーブ構造を有する従来の光ディスクではランド/グルーブ構造にアドレス情報や記録クロックの基準となる情報が重畳されており、これを基準として記録位置や記録クロックの制御を行っている。
【0003】
グルーブレスディスクを対象とする特許文献2には「再生信号処理回路2は、前記受光器PD1の出力信号(複数の光電変換号)に基づいて、アドレス情報、同期情報、フォーカスエラー信号及びトラックエラー信号などを取得する。」と記載されている(段落0068)。ここで、「PD1」とは「ガイド層からの反射光を受光する光検出器」として示されている(段落0123)。また、「前記ガイドトラック層Sには、案内用として溝が形成されている場合について説明したが、これに限らず、例えば、案内用のピット(プリピット)が形成されていても良い。また、溝とプリピットの両方が形成されていても良い。」と記載されている(段落0118)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−236574号公報
【特許文献2】特開2007−200427号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】M. Ogasawara et.al.、 "16 Layers Write Once Disc with a Separated Guide Layer"、ISOM2010、Th-L-07
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のようなグルーブレスディスクを記録再生する際の課題のひとつとして、ディスクの記録層にランド/グルーブ構造が存在しないため、従来の光ディスクの方法では記録層からは記録位置や記録クロックの基準となる信号を得られないことが挙げられる。
【0007】
特許文献2には、上述のようにガイド層からの反射光の出力信号に基づいて、アドレス情報、同期情報などを取得する、ということが記載されている。
【0008】
しかし、特許文献2には、光ディスクにどのようなアドレス情報を配置するか、そしてそのアドレス情報をどのように検出するかなどの具体的な記載はない。
【0009】
ところで、記録層用のレーザは、光スポット径を小さくして記録密度を大きくできるように、なるべく波長の小さいものが適用されるが、主としてサーボ処理を目的とするガイド層用のレーザは、記録層用のレーザと比較して波長が長くスポット径が大きいものが用いられる。このため、ガイド層のトラック構造に関して、従来の多くの光ディスク媒体と同様にランド(レーザ光の入射方向からみて凹となる側)とグルーブ(レーザ光の入射方向からみて凸となる側)のいずれかのみにトラッキングを行う方式とすると、従来の記録層上に案内溝が存在する方式の光ディスクと比較して記録層上のトラックピッチが大きくなり、一層あたりの記録データ量が低下する。
【0010】
一方で、このような案内溝構造を適用すると、ガイド層用の光スポット径と比してトラックピッチが小さくなるので、トラッキングしている半径位置の案内溝に隣接する案内溝からのクロストークが大きくなる。
【0011】
そこで、本発明の目的は、グルーブレスディスクを記録再生する際に、記録位置の精度向上と、記録密度の向上が実現できる光ディスク媒体、光ディスク装置、光ディスク記録方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題は、例えば、光ディスク媒体がガイド層のランドもしくはグルーブのいずれかにアドレス情報を表すピット構造を設ける領域を有することにより解決される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、グルーブレスディスクを記録再生する際に、記録位置の精度向上と、記録密度の向上が実現できる光ディスク媒体、光ディスク装置、光ディスク記録方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】コントローラ201の構成
【図2】本発明に従う光ディスク装置の一実施例を示すブロック構成
【図3】光ディスク102の構造
【図4】光ディスク102を挿入時の光ディスク装置101の処理フロー
【図5】ガイド層上のトラック配置
【図6】ガイド層のトラック構造の概略
【図7】1ウォブル周期だけ抜粋したトラックの概略図
【図8】記録処理方法のシーケンス
【図9】ウォブル検出手段616の一例
【図10】PLL617の構成の一例
【図11】ピット検出手段606の一例
【図12】データ検出手段の一例
【図13】和信号用データ検出手段1104の動作の概略
【図14】差信号用データ検出手段1103の動作の概略
【図15】ピット検出手段606の別の一例
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、本発明の実施の形態の詳細を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0016】
(本発明の実施の形態の詳細)
図2は、本発明に従う光ディスク装置の一実施例を示すブロック構成図である。
【0017】
光ディスク装置101は装置に装着された光ディスク102にレーザ光を照射することで情報の記録または再生を行い、SATA(Serial Advanced Technology Attachment)などのインターフェースを通じてPC(Personal Computer)などのホスト103と通信を行う。
【0018】
光ディスク102の構造を図3に例示する。光ディスク102はトラック(ガイド溝)の構造を持つガイド層と、トラックの構造を持たないN個の記録層(N≧1、Nは自然数)を有する。光ディスク装置101は対物レンズ311によって、記録層とガイド層にレーザスポットを生じることができる。
【0019】
本光ディスク装置101は、コントローラ201と信号処理部202と、光ピックアップ203と、光ピックアップ203を光ディスク102の半径方向に移動するスライダモータ204と、スライダモータ204を駆動するスライダ駆動手段205と、光ピックアップ203中に備えられた球面収差補正素子309を駆動するための収差補正駆動手段206と、光ディスク102を回転するためのスピンドルモータ207と、スピンドルモータ207の回転に同期した信号を生成する回転信号生成手段208と、スピンドルモータ207を回転させるための回転信号を生成するスピンドル制御手段209と、スピンドル制御手段209が生成する回転信号に応じてスピンドルモータ207を駆動するスピンドル駆動手段210と、光ディスク102の記録層と記録層に対して合焦するレーザスポットの位置ずれ量を示すフォーカス誤差信号を生成するフォーカス誤差信号生成手段211と、フォーカス誤差信号に応じてフォーカス駆動信号を生成するフォーカス制御手段212と、フォーカス駆動信号に応じて光ピックアップ203中に備えられたアクチュエータ312を駆動するフォーカス駆動手段213と、光ディスク102のガイド層上のトラックとレーザスポットとの位置ずれ量を示すトラッキング誤差信号を生成するトラッキング誤差信号生成手段214と、トラッキング誤差信号に応じてトラッキング駆動信号を生成するトラッキング制御手段215と、トラッキング駆動信号に応じてアクチュエータ312を駆動するトラッキング駆動手段216と、光ディスク102のガイド層とガイド層に対して合焦するレーザスポットの位置ずれ量を示すリレーレンズ誤差信号を生成するリレーレンズ誤差信号生成手段217と、リレーレンズ誤差信号に応じたリレーレンズ駆動信号を生成するリレーレンズ制御手段218と、リレーレンズ駆動信号に応じてリレーレンズ321を駆動するリレーレンズ駆動手段219を備えている。
【0020】
光ピックアップ203は、たとえば405nmと650nmなど波長の異なる2つの光学系を備えている。まず、405nmの光学系について再生時の動作を説明する。レーザドライバ301は、コントローラ201によって制御されており、レーザダイオード302を駆動する電流を出力する。この駆動電流は、レーザノイズを抑制するために数百MHzの高周波重畳が印加されている。レーザダイオード302は、駆動電流に応じた波形で波長405nmのレーザ光を出射する。出射されたレーザ光はコリメータレンズ303にて平行光となり、ビームスプリッタ304で一部が反射し、集光レンズ305によってパワーモニタ306に集光する。パワーモニタ306は、レーザ光の強度に応じた電流または電圧をコントローラ201にフィードバックする。これによって光ディスク102の記録層に集光するレーザ光の強度が、たとえば2mWなど所望の値に保持される。一方、ビームスプリッタ304を透過したレーザ光は偏光ビームスプリッタ307にて反射し、ダイクロイックミラー308を透過する。ダイクロイックミラー308は特定の波長の光を反射し、その他の波長の光を透過する光学素子である。ここでは波長405nmの光を透過し、650nmの光を反射するものとする。ダイクロイックミラー308を透過したレーザ光は、収差補正駆動手段206にて駆動される球面収差補正素子309によって収束・発散が制御され、1/4波長板310にて円偏光となり、対物レンズ311によって光ディスク102の記録層に集光する。対物レンズ311は、アクチュエータ312によって位置制御される。光ディスク102によって反射したレーザ光は、光ディスク102に記録された情報に応じて強度が変調される。1/4波長板310にて直線偏光となり、ダイクロイックミラー308および球面収差補正素子309を経て、偏光ビームスプリッタ307を透過する。透過したレーザ光は、集光レンズ313によってディテクタ314に集光する。ディテクタ314はレーザ光の強度を検出し、これに応じた信号を信号処理部202に出力する。信号処理部202は、ディテクタ314から出力された再生信号に対し増幅、等化、復号などの処理を行い、復号したデータをコントローラ201に出力する。コントローラ201はデータをホスト103に出力する。
【0021】
またフォーカス誤差信号生成手段211は、ディテクタ314から出力された信号から、記録層に対するフォーカス誤差信号を生成する。フォーカス制御手段212はコントローラ201からの指令信号により、フォーカス誤差信号に対応したフォーカス駆動信号をフォーカス駆動手段213に出力する。フォーカス駆動手段213はフォーカス駆動信号に応じて、アクチュエータ312をディスク面に垂直な方向に駆動する。上述したようにフォーカス制御手段212とフォーカス駆動手段213が動作することで、光ディスク102の記録層に照射されたレーザスポットが常に記録層で合焦するようにフォーカス制御が行われる。
【0022】
記録を行う際には、ホスト103からコントローラ201へと記録データが入力される。コントローラ201は、入力されたデータに対応した記録波形をレーザドライバ301へ出力する。レーザドライバ301は、記録波形に応じた駆動電流をレーザダイオード302に出力し、レーザダイオード302が対応した波形でレーザ光を出射することで光ディスク102の記録層に記録が行われる。
【0023】
次に、650nmの光学系について説明する。本光学系については、記録時と再生時での動作の差異はない。405nmの光学系と同様に、レーザドライバ301がレーザダイオード315を駆動し、レーザダイオード315は波長650nmのレーザ光を出射する。レーザ光の一部は、コリメータレンズ316、ビームスプリッタ317、集光レンズ318を経て、パワーモニタ319にてパワーがモニタされる。モニタしたパワーをコントローラ201にフィードバックすることで、光ディスク102のガイド層に集光するレーザ光の強度が、たとえば3mWなど所望のパワーに保持される。ビームスプリッタ317を透過したレーザ光は、偏光ビームスプリッタ320を透過し、リレーレンズ321にて収束・発散の制御が行われる。リレーレンズ321を経たレーザ光は、ダイクロイックミラー308にて反射し、1/4波長板310を経て、対物レンズ311により光ディスク102のガイド層に集光する。光ディスク102にて反射したレーザ光を偏光ビームスプリッタ320にて反射し、集光レンズ322にてディテクタ323に集光する。
【0024】
トラッキング誤差信号生成手段214は、ディテクタ323から出力された信号から、光ディスク102のガイド層に対するトラッキング誤差信号を生成する。トラッキング制御手段215はコントローラ201からの指令信号により、トラッキング誤差信号に応じたトラッキング駆動信号を生成する。トラッキング駆動手段216はトラッキング駆動信号に応じてアクチュエータ312をディスクの半径方向に駆動する。上述したようにトラッキング制御手段215とトラッキング駆動手段216が動作することで、光ディスク102のガイド層に照射されたレーザスポットが常にガイド層上のトラックを追従するようにトラッキング制御が行われる。
【0025】
また、リレーレンズ誤差信号生成手段217は、ディテクタ323から出力された信号から、光ディスク102のガイド層に対するフォーカス方向の誤差信号であるリレーレンズ誤差信号を生成する。リレーレンズ制御手段218はコントローラ201からの指令信号により、リレーレンズ誤差信号に応じたリレーレンズ駆動信号を生成する。リレーレンズ駆動手段219はリレーレンズ駆動信号に応じてリレーレンズ321を駆動する。リレーレンズ321を駆動することで、ガイド層に対して合焦するレーザスポットの合焦位置が変化し、記録層とガイド層の位置の差異を補償することができる。上述したようにリレーレンズ制御手段218とリレーレンズ駆動手段219が動作することで、光ディスク102のガイド層に照射されたレーザスポットが常にガイド層で合焦するようにリレーレンズ制御が行われる。
【0026】
またスライダ駆動手段205、収差補正駆動手段206、スピンドル制御手段209に関しても、コントローラ201からの指令信号により動作する。
【0027】
なお、ここではレーザダイオード302とレーザダイオード315を駆動するために同一のレーザドライバ301を用いたが、それぞれのレーザダイオードに固有のレーザドライバを備えても良い。また、球面収差補正素子309は、405nmの光学系および650nmの光学系の両方に影響する位置に配置されてもよく、たとえば1/4波長板310とダイクロイックミラー308の間に設置しても良い。
【0028】
図4に光ディスク装置101に光ディスク102を挿入時の光ディスク装置101の処理フローを示した。
【0029】
S401で光ディスク102を光ディスク装置101に挿入すると、S402で光ディスク装置101はディスクの有無の確認やディスク種別の確認を行う。このとき、たとえば光ディスク装置101は光ディスク102にレーザ光を照射して、反射光によって認識を行うことができる。
【0030】
次にS403では、挿入された光ディスク102に対して、光ディスク装置101内の各種パラメータを好適するための調整処理を行う。各種パラメータとは、たとえばフォーカス制御手段212やトラッキング制御手段215内に含まれる増幅器の増幅率を光ディスク102の反射率にあわせて調節することなどが挙げられる。
【0031】
各種調整を行った後、S404で光ディスク102の管理情報を読み出す。 S405まで処理が進むと、記録または再生可能な状態となり、ホスト103からのコマンドに応じて記録または再生を行うことができる。
【0032】
調整処理S403のタイミングはこれに限るものではなく、一部の調整処理を管理情報読み出しS404の後などに行ってもよい。
【0033】
次に、本実施例の光ディスク102におけるガイド層の構造を、図5、図6、図7を用いて説明する。
(本実施例の光ディスク102のガイド層の概要)
図5は、本実施例の光ディスク102のガイド層上のトラック配置の概略を表している。トラックはディスク中心に対して螺旋状に設けられた、ランド(レーザ光の入射する側からみて凹部)とグルーブ(レーザ光の入射する側からみて凸部)からなり、周回内の一箇所の回転角の位置において、ランドとグルーブが入れ替わる配置となっている。本実施例では、光ディスク102はランド及びグルーブにトラッキングを行う案内溝構造の媒体とする。ランドとグルーブは、半径方向に対して概ね同一の幅を有する。これにより、光ディスク装置101での記録再生時は、ディスク1回転ごとにトラッキング位置がランドとグルーブの間で切り替わる構造となる。なお、本発明はこれに限られず、複数箇所の回転角の位置において、ランドとグルーブが入れ替わる配置としてもよい。このようなガイド層にトラッキングしながら記録層上に記録を行えば、記録層上のマーク列は、ガイド層のランド中心-グルーブ中心間の距離と略同一のトラックピッチを有し、従来の多くの光ディスク製品と同様のらせん状のトラックが得られる。
【0034】
図6は本実施例における光ディスク102のガイド層のトラック構造の一例の概略を表す。トラックは半径方向に微小に蛇行している。以下ではこの蛇行構造をウォブルと表記する。ウォブル周期はディスクの回転角度に対して一定であり、隣接するグルーブおよびランド全てが同位相で蛇行させる。一方で、トラック幅は極めて小さいので、近傍のトラックにおいては、ウォブル周期は接線方向に対して近似的に一定とみなせる。またウォブル周期は、ディスクの記録再生処理時の回転速度において、トラッキングサーボ処理が追従できない程度に短い長さとなるようにする。本実施例では、このガイド層のトラックのウォブル周期を参照して記録クロックを生成する。なお、ウォブル成分は、トラッキング時においてプッシュプル信号(差信号)として検出可能である。プッシュプル信号は、トラッキングサーボにおける誤差信号としても用いられる信号であり、ランド側にトラッキングする場合とグルーブ側にトラッキングする場合とで、振幅極性を反転させて用いる。このため、トラッキング位置の案内溝の極性がランドかグルーブかによって、トラッキング誤差信号の極性制御と、ピット検出方法の切り替え制御とを連動させて行う。
【0035】
また、グルーブとランドのいずれか一方にピットを配置する。図6はランドに配置した例である。以下ではランド側にピットを配置した場合を例に説明するが、グルーブに設けてもよい。ここで、ガイド層では波長が長くスポット径の大きいガイド層用レーザを用いて記録層と略同一間隔の狭いトラックを走査することから、記録層や従来光ディスクよりも大きなクロストークが発生するため、影響を軽減するためにグルーブとランドのいずれか一方のみにピットを配置することとしている。
【0036】
ピットはトラックの前後の位置と比較して、一定の微小量だけ、高さを変えた微小構造である。本実施例では、このピット列の有無を判別することによりアドレス情報を検出する。すなわち、ランドにトラッキングしているときは、当該トラックのピットからアドレス情報を判別し、グルーブにトラッキングしているときは、内周もしくは外周に隣接するトラックのピットからアドレス情報を判別する。
【0037】
また、アドレス情報に加えて、次のトラック極性の切りかえ位置までの距離情報を加え、トラッキング極性に合わせて各処理を切りかえるタイミングの制御時に参照できるようにしてもよい。以下では纏めてアドレス情報と表記する。
【0038】
ピットの有無による戻り光の変化は、ディテクタ上の光スポットの強度分布の変化により検出可能であるが、トラッキングしているトラックそのものにピットが存在している場合と、隣接トラックにピットが存在している場合とで、異なる検出方法を適用する。
【0039】
ランドにトラッキングしているときは、ディテクタ上の総光量の変化により検出可能である。光強度の変化方向は主としてガイド用のレーザ光波長と溝深さ、ピットの高さ、媒体の光学定数などに依存するが、グルーブの高さに合わせれば、隣接しているグルーブからの回折光と当該位置からの反射光の位相がそろうことから、戻り光強度が大きくなる。以下では、このようにピット位置においては前後よりも戻り光の強度が大きくなるものとする。
【0040】
また、グルーブにトラッキングしているときは、隣接ランドにピットが存在している場所において、ディスク102の半径方向に対応したディテクタ上の光スポット強度分布が非対称となる。このため、プッシュプル信号として検出することが可能である。
【0041】
すなわち、ピットが配置される側にトラッキングを行っているときは和信号から検出する当該トラックのピットからアドレス情報を検出し、ピットが配置される側にトラッキングを行っているときはプッシュプル信号(差信号)から検出した隣接トラックのピットからアドレス情報を得ることが可能となる。
【0042】
ただし、グルーブを挟んだ両方のランドに同時にピットが存在すると、ディテクタ上の光スポット強度分布が非対称にならないので、この方法は適用できない。このため、グルーブを挟んだ両方のランドにおけるピットは、トラックの円周方向に対して同一位置にならないように配置する。
【0043】
なお、光ディスク102の全周においてウォブル周期を回転角度に対して一定とすると、内周側と外周側において一周期あたりの円周方向の長さが半径位置に比例して大きな差異が生じ、外周での記録密度が低下する。このため、半径方向にいくつかの領域に分割し、その領域内において蛇行周期を回転角度に対して一定とするとよい。このとき、各領域によってピットを配置する側のトラック極性を替えてもよい。このようにすると、トラッキングを行っている位置が領域の境界を通過するタイミングにおいて、トラッキング誤差信号の極性とは連動せずに差信号と和信号の両方のピット検出信号の振幅がともに逆方向に大きく変化するので、この変化を検出することにより、アドレス情報が検出できなくとも記録領域の切り替わりを判別できる。
【0044】
図7は1ウォブル周期だけ抜粋したトラックの概略図である。
【0045】
配置するピットの長さは、蛇行周期よりも十分に小さくする。また、蛇行周期内で配置されるピット配置位相を予め定めておく。これは、あらかじめピット有無の判定を行うタイミングを規定しておくことにより、他のタイミングで欠陥やノイズで発生する信号を誤ってピットと判別するのを防ぐためである。また、たとえば、同一周回内のピット配置位相は一定にしておくとともに、図7のように、半径方向に奇数番目のランドと、偶数番目のランドで異なるピット配置位相とするように定めると、グルーブを挟んだ両方のランドにおけるピットが、トラックの円周方向に対して同一位置にならないように配置することが可能である。
【0046】
また、一ウォブル周期の円周方向の長さと、記録層上の記録マークの1bitあたりの円周方向の長さとの比も、予め定めておく必要がある。以下ではこの比をNch(整数)とおく。すなわち、1周期のウォブルのトラック長さの間にNchビットのマークを記録する。
【0047】
以上、本実施例における光ディスクによれば、ガイド層のグルーブとランドのいずれか一方にピットを配置することで、ランド及びグルーブのアドレス情報を検出可能となる。これにより、クロストークの影響を緩和しつつ、記録密度の向上が図れる。さらに、グルーブ(またはランド)を挟んだ両方のランド(またはグルーブ)におけるピットは、トラックの円周方向に対して同一位置にならないように配置することにより、よりクロストークの影響を緩和することができる。
【0048】
次に、本実施例の光ディスク装置101に用いるコントローラ201の構成に関して、図1を用いて説明する。
(コントローラ201の一実施例)
図1は、以上に述べた光ディスク102の記録再生を行うことを可能とするコントローラ201の一例である。
【0049】
コントローラ201は、ホストインターフェース手段601、バッファメモリ制御手段602、バッファメモリ603、マイクロプロセッサ604、トラッキング極性信号生成手段605、ピット検出手段606、アドレス判別手段607、記録タイミング信号生成手段608、再生データ復調手段613、記録データ変調手段614、発光信号生成手段615、ウォブル検出手段616、PLL617をそれぞれ備える。
【0050】
611は記録層用出射光、612は記録層からの戻り光、609はガイド層用出射光、610はガイド層からの戻り光、618はトラッキング極性制御信号、619はピット検出処理制御信号を示している。
【0051】
ホストインターフェース手段601は、ホスト103からのライトコマンドを受けて、バッファメモリ制御手段602を介してバッファメモリ603に記録データを格納するとともに、マイクロプロセッサ604にライトコマンドが発行されたことを示す信号を伝達する。
【0052】
記録データ変調手段614は、バッファメモリ603に格納された記録データに対して、誤り訂正符号の付加や変調処理などを行い、光ディスク102上に記録を行うための形式に変換した記録データを生成する。
【0053】
マイクロプロセッサ604は、図示しないプログラムメモリに格納されたシーケンスに基づいて、光ディスク装置101全体の制御を行う。記録処理時はライトコマンドの受信を受けてディスク上の光スポットがライトを行う記録位置近傍に移動するようにスライダ駆動手段205を設定し、さらに移動が完了するとともにトラッキング制御手段に対して、トラッキングを開始するように設定を行う。一方で、記録タイミング信号生成手段608に対しては、記録を開始するアドレス情報を与える。
【0054】
トラッキング極性信号生成手段605は、ピット検出手段606とトラッキング制御手段215に対して、トラッキング位置の極性(ランドとグルーブのいずれか)を示す指示信号を与える。これは、光ディスク装置のトラッキングサーボ処理で一般的に用いられる、プッシュプル信号によるトラッキング誤差信号では、ランドにトラッキングしたい場合と、グルーブにトラッキングしたい場合で、信号の極性を反転する必要があるためである。トラッキングが成功し、アドレス情報が検出可能な状態であれば、アドレス情報を参照して指示信号を生成する。トラッキングの開始直後、アドレス情報が検出されるまでは極性が不明であるが、この期間はピット検出手段606とトラッキング制御手段215とに同一極性を表す信号を初期値として与える。これにより、トラッキング開始位置のトラックもしくは近接するトラックのうち、初期値として与えた極性を有する位置からトラッキングを開始し、然る後にアドレス情報の検出を行うことが可能になる。
【0055】
ウォブル検出手段616はガイド層からの戻り光610を検出するディテクタ323の出力から、ウォブル信号を検出する。PLL617は、ウォブル信号に位相同期した逓倍クロックを生成し、記録クロックとして出力する。
【0056】
ピット検出手段606はガイド層からの戻り光610を検出するディテクタ323の出力から、ガイド層のランドに配置されたピットを検出するものである。前述のように、ピットの検出に用いる手法は、トラッキング位置の極性により異なる。このため、トラッキング極性信号生成手段605からのトラッキング位置の極性(ランドとグルーブのいずれか)を示す指示信号を受けて、トラッキング位置の極性に適合した検出方法を選択して適用する。
【0057】
アドレス判別手段607は、ピット検出手段606で検出したピットに基づき、トラッキング位置のアドレス情報を判別する。
【0058】
記録タイミング信号生成手段608は、マイクロプロセッサ604からの記録を開始するアドレス情報と、アドレス判別手段607からのアドレス情報を受けて、ガイド層上の光スポットが記録開始位置を通過するとともに記録開始タイミング信号を発光信号生成手段615に出力する。
【0059】
発光信号生成手段615は、光ディスク102に記録するデータパターンに応じた記録波形をLDD301に対して送信する。記録データ変調手段614により生成された記録データから記録するデータパターンに応じた記録波形を生成し、記録タイミング信号生成手段608からの記録開始タイミング信号が得られたタイミングで、LDD301への送信を開始する。送信する転送レートは、PLL617からの記録クロックの周波数に従う。
【0060】
次に、本実施例の光ディスク装置101に用いた記録処理方法のシーケンスの概略に関して、図8を用いて説明する。
(光ディスク装置101の記録処理シーケンスの実施例)
図8は、以上に述べた光ディスク102の記録再生を行うことを可能とする光ディスク装置101の記録処理シーケンスの一例の流れ図である。
【0061】
S801は、ガイド層用レーザからの光スポットをガイド層にフォーカシングするステップである。
【0062】
S802は記録層レーザを目標層にフォーカシングするステップである。
【0063】
S803はトラッキング制御手段215およびピット検出手段606に対して与えるトラッキング極性情報を初期化するステップである。
【0064】
S804は光ディスク102上の記録を行う半径位置の近傍に光スポットが位置するようにスレッドを駆動するステップである。
【0065】
S805はガイド層上の案内溝にトラッキングを開始するステップである。
【0066】
S816はガイド層上の案内溝へのトラッキングを開始するとともに、ガイド層のウォブルの検出と、ウォブル検出信号からの記録クロック生成を開始するステップである。
【0067】
S806はガイド層のアドレス検出を行うステップである。
【0068】
S807はガイド層から得られるアドレス情報を基づいたトラッキング極性の自動切換を開始するステップである。
【0069】
S808は、S806で得られたアドレス情報から、移動目標とする半径位置範囲内に移動できたか否かを判断するステップである。もし目標とする半径位置に到達していないと判断された場合は、ステップS803の前段に戻り、再度半径位置の移動を行う。
【0070】
S809は記録開始アドレスを記録タイミング信号生成手段608に与えるステップである。なお、図示を省略したが、ライトコマンドを受信後、S809が開始するまでの間で、記録データの変調処理が完了している必要がある。もし完了していない場合は、適当量の待ち処理を挿入する。
【0071】
S810は記録開始位置を判別するためにガイド層からアドレス情報を検出するステップである
S811はステップS810で得られたアドレス情報をもとに記録開始位置か否かを判別するステップである。記録開始位置に到達するまではステップS810に戻り、記録開始位置に到達するとともにステップS812に遷移する。また図示していないが、記録開始位置よりも後の場所に位置すると判断される場合は、ステップS803の前に遷移する。
【0072】
S812は記録開始位置に到達するとともに、記録データに応じた発光波形・出力での発光を開始するように記録層用レーザを制御するステップである。
【0073】
S813は記録中において、所望の位置にトラッキングされていることを確認するためにガイド層のアドレス情報を検出するステップである。
【0074】
S814は、ステップS813で得られたアドレス情報の連続性をもとに、所望の位置にトラッキングされているかどうかを判断するステップである。もし連続性が損なわれたと判断された場合においては、何らかの要因により別のトラックに不意に移動したものと考えられるので、記録処理を停止し、記録層用レーザの出射光量を、再生時用のものに切り替える。
【0075】
S815は記録を行うデータがすべて完了したことを確認するステップである。完了していないと判断された場合は、ステップS813の前にもどる。完了したと判断された場合は記録層用レーザの出射光量を、再生時用のものに切り替えて、記録処理を終了する。
【0076】
以上本実施例の光ディスク装置、光ディスク記録方法によれば、ガイド層のランドとグルーブの両方にトラッキングを行う場合であっても、アドレス情報の検出が可能となる。これにより、記録位置の精度向上と、記録密度の向上が実現できる。
【0077】
次に、光ディスク記録装置のコントローラ102の構成要素とその動作に関して、より詳細に説明する。
(ウォブル検出手段616の一例)
図9はウォブル検出手段616の一例である。
【0078】
901はディテクタ323上の光スポットである。902は差信号演算回路である。
903、904、907はいずれも乗算器である。911はウォブル原信号である。912はウォブル位相同期信号である。913は反転ウォブル位相同期信号である。914はコンパレータである。915はセレクタである。916はウォブルキャリア信号である。
【0079】
ディテクタ323はガイド層からの戻り光を検出するためのものであり、少なくとも光ディスク102の半径方向に対応した方向に分割されているものを用いる。図中では、接線方向にも2分割された4分割構成としている。なお、本発明はこれに限られず、例えば16分割構成としてもよい。差信号演算回路902はディテクタ323の各エレメントの検出信号からプッシュプル信号を得るための演算を行う。具体的には図中の4分割検出器のエレメントA,B,C,Dの各々の検出信号に対して、(A+D)-(B+C)の演算を行って、結果を出力する。なお、検出対象とするウォブル信号の周波数成分は、単一の周波数もしくはその近傍の周波数に限定されるので、差信号演算回路902の出力にバンドパスフィルタなどを設けてもよい。
【0080】
ウォブル原信号911は、ガイド層上のウォブルの蛇行量と相似な変動をなす信号である。ただし、一般にトラックの蛇行量は微小であるため,品質が十分に得られないことが多いので、更にキャリア抽出処理を加える。
【0081】
各乗算器(903、904、907)と、各ローパスフィルタ(905、906)、ループフィルタ908、VCO909、π/2移相器910の各要素は、いわゆるコスタスループとよばれるキャリア復調回路を成す。その出力であるウォブル位相同期信号912は、ウォブル原信号911と同一周波数となる。
【0082】
乗算器903,904の出力はそれぞれ、ウォブル原信号911に対するウォブル位相同期信号912の位相誤差量θの余弦成分cosθと正弦成分sinθに対してウォブル周波数の2倍の周波数を有する成分が加算された信号出力される。
【0083】
ローパスフィルタ(905、906)はこれらのウォブル周波数の2倍の周波数を有する成分を十分に抑圧できるカットオフ特性とする。乗算器907の出力は位相誤差量の2倍の位相量の正弦成分(sin(2θ)/2)が検出され、位相誤差信号として用いる。ループフィルタ908はループ特性を安定化するための補償器である。VCO909は電圧制御発信器であり、入力信号の大きさに基づいた周波数の信号を出力する。VCO909からはウォブル位相同期信号912は、ウォブル原信号911と同一周波数を有する信号が得られる。ただし、位相誤差信号の感度特性(sin(2θ)/2)が位相誤差量に対してπの周期をことにより、ウォブル位相同期信号912としてウォブル原信号911と同位相の信号が得られる場合に加えて、反転した位相の信号が得られる場合が存在する。
【0084】
コンパレータ914, セレクタ915は、ウォブル原信号911と同一周波数かつ同一位相の信号を選択するためのものである。セレクタ915にはウォブル位相同期信号912と、その反転信号である反転ウォブル位相同期信号913が入力され、これらの一方を選択して出力する。選択を制御する信号はコンパレータ914から供給される。
【0085】
コンパレータ914はウォブル位相同期信号912とウォブル原信号911との位相関係を判断するためのものである。たとえば、ローパスフィルタ905の出力信号cosθは位相誤差θ=0のとき正値1、θ=πのとき負値-1となる。これを基準電位(通例0V)と比較して極性を判別した結果を出力し、セレクタ915に供給すると、ウォブル原信号911と同一周波数かつ同一位相の信号としてウォブルキャリア信号916を得ることができる。
(PLL617の構成の一例)
図10はPLL617の構成の一例であり、内部に位相誤差検出手段1001、ループフィルタ1002、VCO(電圧制御発振器)1003、分周器1004をそれぞれ有する。また、916はウォブルキャリア信号、1005はウォブル同期クロック、1005はウォブル逓倍クロックである。
【0086】
PLL617の主とする入力信号はウォブルキャリア信号916であり、光ディスク102のガイド層のウォブルに位相同期した信号である。また、主とする出力はVCO1003から出力されるウォブル逓倍クロック1005である。
【0087】
位相誤差検出手段1001では、分周器1004によってウォブル逓倍クロック1005を分周して得たウォブル同期クロック1005と、ウォブルキャリア信号916との位相比較を行い、その位相差量に応じた大きさの位相誤差信号をループフィルタ1002へ出力する。ループフィルタ1002はPLL617のなすフィードバックループを安定化させる目的で設けられる周波数特性補償手段であり、ウォブル同期クロック1005とウォブルキャリア信号916との位相誤差が小さくなるようにVCO1003に制御信号を与える。この結果として、分周手段1004の出力となるウォブル同期クロック1005の周波数と位相はウォブルキャリア信号916が一致する。このとき、分周器1004の入力であるウォブル逓倍クロック1005の周波数は、ウォブル同期クロック1005に対して分周器1004の分周比の逆数だけ逓倍したものとなる。具体的には、分周器1004の分周比を1/Nとすると、ウォブル逓倍クロック1005として、ウォブル同期クロック1005のN倍の周波数のクロックが得られる。N = Nchとすれば、1bitの記録マーク長を通過する間に1クロックに相当するクロックを発生できるので、分周器1004の分周比を1/Nchもしくは 1/nNch (nは自然数)として、1bitの記録マーク長の通過時間内にちょうど整数個のクロックを発生させる。
【0088】
斯様にして得られるウォブル逓倍クロック1005を記録クロックとして発光信号生成手段615に供給する。
(ピット検出手段606の一例)
図11はピット検出手段606の一実施例である。
【0089】
1101は差信号演算回路、1102は和信号演算回路、1103は差信号用データ検出手段、1104は和信号用データ検出手段、1105は切替手段、1106はアドレスデータ信号であり、ピット検出手段606は内部にこれらを有する。また、323はガイド層からの戻り光を検出するディテクタ、901はディテクタ323上に形成される光スポットである。
【0090】
差信号演算回路1101はグルーブにトラッキングしているときに隣接するランドに存在するピットを検出するための信号を得るものであり、ディテクタ323の各エレメントの検出信号からプッシュプル信号を得るための演算を行う。差信号演算回路902と共用してもよい。
【0091】
和信号演算回路1102は、ランドにトラッキングしているときに当該トラック上に存在するピットを検出するための信号を得るものであり、ディテクタ323の各エレメントの検出信号の和信号を得る。
【0092】
差信号用データ検出手段1103は差信号演算回路1101で得られた信号から隣接トラックに存在するピットを検出し、検出されたピットに列に従ったデータ信号を切替手段1105に出力する。一方で、和信号用データ検出手段1104は和信号演算回路1102で得られた信号から隣接トラックに存在するピットを検出し、検出されたピットに列に従ったデータ信号を切替手段1105に出力する。
【0093】
切替手段1105は、トラッキング極性信号生成手段605からのピット検出処理制御信号619にしたがって、グルーブにトラッキングしている間は差信号用データ検出手段1103からのデータを選択し、アドレスデータ信号1106として後段に出力し、ランドにトラッキングしている間は和信号用データ検出手段1104からのデータを選択し、アドレスデータ信号1106として後段に出力する。
(和信号用データ検出手段1104および差信号用データ検出手段1103の一例)
図12、図13、図14を用いて和信号用データ検出手段1104および差信号用データ検出手段1103の一例を説明する。
【0094】
和信号用データ検出手段1104および差信号用データ検出手段1103は、ともに図12に示す構成で実現することが可能である。
【0095】
図13は、和信号用データ検出手段1104の動作の概略を表している。図14は、差信号用データ検出手段1103の動作の概略を表している。
【0096】
1201は和信号用データ検出手段1104もしくは差信号用データ検出手段1103で処理された演算出力信号である。
【0097】
1204はコンパレータである。1205は閾値信号生成手段である。1206は閾値信号である。1207はピット検出用ゲート信号である。1208はANDゲートである。1209はピット検出信号である。1213はベースレベル信号である。1214はピークレベル信号である。1215はカウント値である。1216はウォブル基準位相信号である。
【0098】
まず、図12、図13を用いて和信号用データ検出手段1102の動作を説明する。
【0099】
和信号演算回路1102は内部にローパスフィルタ1202と、ピークレベル検出回路1214と、コンパレータ1204と、閾値信号生成手段1205と、ANDゲート1208と、基準位相タイミング信号生成手段1210と、カウンタ回路1211と、ピット検出用ゲート信号生成手段1212とを有する。
【0100】
大別すると、和信号1201からピットに対応したパルス信号を得る処理部と、雑音等によるピットの無い位置での誤検出を防止するためのゲート信号を生成するための処理部に二分される。
【0101】
ローパスフィルタ1202、ピークレベル検出回路1214、コンパレータ1204、閾値信号生成手段1205は、和信号1201からピットに対応したパルス信号を得る処理部を形成する。また、基準位相タイミング信号生成手段1210、カウンタ回路1211、ピット検出用ゲート信号生成手段1211、ANDゲート1208の各要素は、雑音等によるピットの無い位置での誤検出を防止するためのゲート信号を生成するための処理部を形成する。
【0102】
和信号1201はランドにトラッキング中において、ピット位置を通過するとパルス状に戻り光強度が大きくなる。ローパスフィルタ1202は和信号用データ検出手段1104からの信号に対してパルス状の強度変化成分を平滑化することにより、実質的にピットの無い部位での信号と同等の信号レベルを有するベースレベル信号1213を生成して、閾値信号生成手段1205に供給する。ピークレベル検出回路1214は、和信号に対してピークホールド処理を行い、パルスの高さに相当するピークレベル信号1214を閾値信号生成手段1205に供給する。閾値信号生成手段1205は、ローパスフィルタ1202からのベースレベル信号1213とピークレベル検出回路1203からのピークレベル信号1214の間の概ね中間のレベルの閾値信号1206をコンパレータ1204に供給する。コンパレータ1204は和信号1201と閾値信号1206を比較し、和信号1201のほうが大きいときに高い信号レベルとなる矩形波パルス信号をANDゲート1208に出力する。
【0103】
基準位相タイミング信号生成手段1210はウォブルキャリア信号916の蛇行周期のうち、特定の位相を示すウォブル基準位相信号1216を生成する。例えば負レベルから正レベルに変化するゼロクロスタイミングに一定幅のパルス信号を発生させカウンタ回路1211に供給する。カウンタ回路1211はウォブル逓倍クロック1006のタイミングで値をインクリメントし、前記の基準位相を表すパルス信号のタイミングで値をリセットするカウンタである。これによりウォブルキャリア信号916の位相がカウント値1215で表されることになる。ピット検出用ゲート信号生成手段1212は、カウンタ回路1211のカウント値1215を受けて、ピットが配置される位相の前後においてアクティブとなるピット検出用ゲート信号1207を生成する。ANDゲート1208は、コンパレータ1204からの矩形波パルスとピット検出用ゲート信号1207とのAND信号を生成する。このようにして、和信号用データ検出手段1104を用いてピットに対応したパルス信号が得られる。
【0104】
一方の差信号用データ検出手段1103の動作も、入力される演算出力信号に現れるパルス成分の方向が、振幅の大きい側と小さい側の両方に現れる点以外は同様である。なお、パルス成分の方向は、トラッキングを行っているグルーブに対する、ピットが存在しているランドの隣接方向(内周側か、外周側)によって決まるので、いずれか一方(図14では振幅が大きくなる側の例を示した)のパルスを検出するようにすれば、隣接するランドに存在するピットを検出可能である。このようにして、差信号用データ検出手段1103からピットに対応したパルス信号が得られる。
【0105】
以上に述べた第一の実施例の光ディスク媒体、光ディスク装置ならびに光ディスク記録方法によれば、クロストークの影響を緩和しつつ、記録密度の向上が図れる。
【0106】
また、ガイド層の概一定周期で蛇行したトラックから、蛇行量に応じて検出した信号を更に逓倍化することにより記録クロックを得ることが可能になる。また、トラック上に配置したピットによって、ガイド層上の位置を表す、アドレス情報を記録することにより、記録処理時に、このガイド層上のアドレス情報を参照して、記録層上の記録位置を定めることが可能になる。
【実施例2】
【0107】
実施例2としてピット検出手段606の別の一例を示す。ピット検出手段606以外の部分は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
【0108】
図15はピット検出手段606の図11とは別の構成例である。
【0109】
図15の構成では、図11の構成で別に設けている和信号用データ検出手段1104、差信号用データ検出手段1103をデータ検出手段1501に統合する。
【0110】
すなわち、図11の構成で和信号用データ検出手段1104、差信号用データ検出手段1103の後段に設けられた切りかえ手段1105に代わりに、和信号演算回路1102および差信号演算回路1101とデータ検出手段1501との間に切替手段1506を設け、トラッキング極性信号生成手段605からのピット検出処理制御信号619にしたがってトラッキング位置に応じた方の出力を選択してデータ検出手段1501に出力し、アドレスデータ信号1106を生成する。
【0111】
ところで、データ検出手段1501ではトラッキング位置がランドかグルーブかによって入力信号が切り替わるのに対応して、ピークレベル信号1214、ベースレベル信号1213、閾値信号1206の適正な信号レベルなどの処理パラメータが異なる。そこで、和信号用パラメータ格納手段1502、差信号用パラメータ格納手段1503を設け、ピット検出処理制御信号619によって制御される切替手段1504により、データ検出手段1501に与える処理パラメータを切り替えるようにする。和信号用パラメータ格納手段1502、差信号用パラメータ格納手段1503は、レジスタで形成してもよいし、メモリーで形成してもよい。
【0112】
以上に述べた第二の実施例の光ディスク媒体、光ディスク装置ならびに光ディスク記録方法によれば、実施例1と同様の効果を得ることが出来る。
【0113】
さらに、和信号用のデータ検出手段1104と差信号用のデータ検出手段1103をデータ検出手段1501にまとめるため、図11の構成と同等の処理を、第一の実施例より小さな装置で行うことが可能である。
【0114】
なお、以上に記した実施例1、実施例2では、より大きい記録密度を実現できる方式として、ガイド層上のランドとグルーブの両方にトラッキングする方法を適用した例を説明したが、本実施例に記した光ディスク記録装置および光ディスク記録方法は、より簡単なランドとグルーブの一方のみにトラッキングする場合においても対応可能であることはいうまでもない。
【0115】
また、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【0116】
さらに、上記の各構成は、それらの一部又は全部が、ハードウェアで構成されても、プロセッサでプログラムが実行されることにより実現されるように構成されてもよい。また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【0117】
また、上記実施の形態では、光ディスク記録装置を例に説明したが、光ディスク記録再生装置であっても良く、光ディスクドライブ装置をはじめとしたデータ記録再生装置の記録処理に本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0118】
101 光ディスク装置
102 光ディスク
103 ホスト
201 コントローラ
202 信号処理部
203 光ピックアップ
204 スライダモータ
205 スライダ駆動手段
206 収差補正駆動手段
207 スピンドルモータ
208 回転信号生成手段
209 スピンドル制御手段
210 スピンドル駆動手段
211 フォーカス誤差信号生成手段
212 フォーカス制御手段
213 フォーカス駆動手段
214 トラッキング誤差信号生成手段
215 トラッキング制御手段
216 トラッキング駆動手段
217 リレーレンズ誤差信号生成手段
218 リレーレンズ制御手段
219 リレーレンズ駆動手段
301 レーザドライバ
302 レーザダイオード
303 コリメータレンズ
304 ビームスプリッタ
305 集光レンズ
306 パワーモニタ
307 偏光ビームスプリッタ
308 ダイクロイックミラー
309 球面収差補正素子
310 1/4波長板
311 対物レンズ
312 アクチュエータ
313 集光レンズ
314 ディテクタ
315 レーザダイオード
316 コリメータレンズ
317 ビームスプリッタ
318 集光レンズ
319 パワーモニタ
320 偏光ビームスプリッタ
321 リレーレンズ
322 集光レンズ
323 ディテクタ
601 ホストインターフェース手段
602 バッファメモリ制御手段
603 バッファメモリ
604 マイクロプロセッサ
605 トラッキング極性信号生成手段
606 ピット検出手段
607 アドレス判別手段
608 記録タイミング信号生成手段
609 ガイド層用出射光
610 ガイド層からの戻り光
611 記録層用出射光
612 記録層からの戻り光
613 再生データ復調手段
614 記録データ変調手段
615 発光信号生成手段
616 ウォブル検出手段
617 PLL
618 トラッキング極性制御信号
619 ピット検出処理制御信号
901 光スポット
902 差信号演算回路
903 乗算器
904 乗算器
905 ローパスフィルタ
906 ローパスフィルタ
907 乗算器
908 ループフィルタ
909 VCO
910 π/2移相器
911 ウォブル原信号
912 ウォブル位相同期信号
913 反転ウォブル位相同期信号
914 コンパレータ
915 セレクタ
916 ウォブルキャリア信号
1001 位相誤差検出手段
1002 ループフィルタ
1003 VCO
1004 分周器
1005 ウォブル同期クロック
1005 ウォブル逓倍クロック
1101 差信号演算回路
1102 和信号演算回路
1103 差信号用データ検出手段
1104 和信号用データ検出手段
1105 切替手段
1106 アドレスデータ信号
1201 演算出力信号
1202 ベースレベル検出回路
1203 ピークレベル検出回路
1204 コンパレータ
1205 閾値信号生成手段
1206 閾値信号
1207 ピット検出用ゲート信号
1208 ANDゲート
1209 ピット検出信号
1210 基準位相タイミング信号生成手段
1211 カウンタ回路
1212 ピット検出用ゲート信号生成手段
1213 ベースレベル信号
1214 ピークレベル信号
1215 カウント値
1216 ウォブル基準位相信号
1501 データ検出手段
1502 和信号用パラメータ格納手段
1503 差信号用パラメータ格納手段
1504 切替手段
1505 切替手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を記録可能な光ディスク媒体であって、
記録用領域を有する記録層と、
ガイド層と、を有し、
前記ガイド層は、交互に配置された複数のランドとグルーブとから成る領域を有し、
前記領域において、前記ランド及び前記グルーブのいずれか一方にピットが設けられ、該ピットの配置によって、前記ガイド層上の位置を表すアドレス情報が記録されていることを特徴とする光ディスク媒体。
【請求項2】
請求項1に記載の光ディスク媒体であって、
前記ランドまたは前記グルーブに配置される前記ピットは、トラックの円周方向に対して同一位置にならないように配置されることを特徴とする光ディスク媒体。
【請求項3】
請求項2に記載の光ディスク媒体であって、
前記複数のランド、または前記複数のグルーブに配置される前記ピットの配置位相は互いに異なることを特徴とする光ディスク媒体。
【請求項4】
請求項3に記載の光ディスク媒体であって、
前記ランドと前記グルーブの半径方向の幅が同一であり、
前記記録層に形成される記録マークは、前記ランドと前記グルーブの両方に沿って記録されることを特徴とする光ディスク媒体。
【請求項5】
請求項4に記載の光ディスク媒体であって、
前記ランドと前記グルーブとが1周ごとに入れ替わることを特徴とする光ディスク媒体。
【請求項6】
記録用領域を有する記録層とガイド層とを有する光ディスク媒体に情報の記録を行う光ディスク装置であって、
前記記録層へ光スポットを照射する第1のレーザと、
前記記録層からの戻り光を検出する第1のディテクタと、
前記ガイド層へ光スポットを照射する第2のレーザと、
前記ガイド層からの戻り光を検出する第2のディテクタと、
前記第2のディテクタにより検出された信号に基づいて、前記ガイド層の光スポットのトラッキング方向について制御するトラッキング制御部と、
前記第2のディテクタにより検出された信号に基づいて、前記光ディスク媒体が有するピットを検出するピット検出部と、
前記ピット検出部が出力する信号に基づいてアドレス情報を得るアドレス情報検出部と、を具備し、
前記ピットが配置されているランドまたはグルーブにトラッキング制御をしている場合と、前記ピットが配置されていないランドまたはグルーブにトラッキング制御をしている場合とで、前記ピット検出部が出力する信号を異ならせることを特徴とする光ディスク装置。
【請求項7】
請求項6記載の光ディスク装置であって、
前記第2のディテクタは複数の領域に分割されており、
前記ピットが配置されていないランドまたはグルーブにトラッキング制御をしている場合、前記ピット検出部が出力する信号は、前記複数の領域の強度の差に対応する信号を出力することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項8】
請求項7記載の光ディスク装置であって、
前記ピットが配置されているランドまたはグルーブにトラッキング制御をしている場合、前記複数の領域の強度の和に対応する信号を出力することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項9】
請求項8記載の光ディスク装置であって、
前記ランドまたは前記グルーブの蛇行量に応じた信号を検出するウォブル検出部と、
前記ウォブル検出部により検出された信号に基づいて記録クロックを生成する記録クロック生成部と、
前記記録クロックに基づいて前記第1のレーザの発光波形を生成する発行波形生成部と、を備え、
前記アドレス情報検出部により得られたアドレスに基づく第1の記録層上の位置にて、前記生成された第1のレーザの発光波形を用いて情報が記録されることを特徴とする光ディスク装置。
【請求項10】
請求項9記載の光ディスク装置であって、
トラキングを行なう位置がランドかグルーブかを示す信号を生成し、出力するトラッキング極性信号生成部を備えることを特徴とする光ディスク装置。
【請求項11】
請求項10記載の光ディスク装置であって、
前記ガイド層はランドとグルーブが一周おきに入れ替わる構造を成しており、
前記アドレス情報には、ランドとグルーブとが入れ替わるまでの間の距離情報をさらに含むものであって、
前記トラッキング極性信号生成部は、前記アドレス検出部の検出したアドレス情報に基づいて、極性制御信号を制御することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項12】
記録用領域を有する記録層とガイド層とを有する光ディスク媒体に情報の記録を行う光ディスク記録方法であって、
前記記録層へ光スポットを照射するステップと、
前記記録層からの戻り光を検出するステップと、
前記ガイド層へ光スポットを照射するステップと、
前記ガイド層からの戻り光を検出するステップと、
前記ガイド層からの戻り光を検出するステップにより検出された信号に基づいて、前記ガイド層の光スポットのトラッキング方向について制御するステップと、
前記ガイド層からの戻り光を検出するステップにより検出された信号に基づいて、前記光ディスク媒体が有するピットを検出するステップと、
前記ピットを検出するステップにて出力する信号に基づいてアドレス情報を取得するステップと、
前記アドレス情報に基づいた前記記録層の位置にて、情報を記録するステップと、を備え、
前記ピットが配置されているランドまたはグルーブにトラッキング制御をしている場合と、前記ピットが配置されていないランドまたはグルーブにトラッキング制御をしている場合とで、前記ピットを検出するステップにて出力する信号を異ならせることを特徴とする光ディスク記録方法。
【請求項13】
請求項12記載の光ディスク記録方法であって、
前記ガイド層からの戻り光を検出するステップでは、複数の領域に分割されたディテクタを用いて該検出が行なわれ、
前記ピットが配置されていないランドまたはグルーブにトラッキング制御をしている場合、前記ピット検出部が出力する信号は、前記複数の領域の強度の差に対応する信号を出力することを特徴とする光ディスク記録方法。
【請求項14】
請求項13記載の光ディスク記録方法であって、
前記ピットが配置されているランドまたはグルーブにトラッキング制御をしている場合、前記複数の領域の強度の和に対応する信号を出力することを特徴とする光ディスク記録方法。
【請求項15】
請求項14記載の光ディスク記録方法であって、
前記ランドまたは前記グルーブの蛇行量に応じた信号を検出するステップと、
前記ウォブル検出部により検出された信号に基づいて記録クロックを生成するステップと、
前記記録クロックに基づいて前記第1のレーザの発光波形を生成するステップと、を備え、
前記アドレス情報に基づく第1の記録層上の位置にて、前記生成された第1のレーザの発光波形を用いて情報が記録されることを特徴とする光ディスク記録方法。
【請求項16】
請求項15記載の光ディスク記録方法であって、
トラキングを行なう位置がランドかグルーブかを示す信号を生成し、出力するステップを備えることを特徴とする光ディスク記録方法。
【請求項17】
請求項16記載の光ディスク記録方法であって、
前記サーボ層はランドとグルーブが一周おきに入れ替わる構造を成しており、
前記アドレス情報には、ランドとグルーブとが入れ替わるまでの間の距離情報をさらに含むものであって、
前記アドレス情報に基づいて、極性制御信号を制御することを特徴とする光ディスク記録方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2013−12266(P2013−12266A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143676(P2011−143676)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】