光ディスク装置
【課題】回折構造を有する対物レンズで色収差があっても安定した記録や再生が可能な光ディスク装置のサーボ制御を提供する。
【解決手段】光ディスク装置は光源102から出射される光ビームの強度を制御する出射強度制御回路と、対物レンズ105と光検出器108と、フォーカスエラー信号を生成するサーボ信号生成回路とを備え、光ビームの強度である第一の光ビーム強度から第一の光ビーム強度とは異なる第二の光ビーム強度まで変化させる際、第一の光ビーム強度と第二の光ビーム強度の間の強度である第三の光ビーム強度に一旦変化させるように出射強度制御回路を制御するコントロール回路を備える。コントロール回路は、第一の光ビーム強度から記第三の光ビーム強度に光ビームの強度を変化させる際フォーカスエラー信号の変化が所定の範囲を超えないように出射強度制御回路を制御させる。
【解決手段】光ディスク装置は光源102から出射される光ビームの強度を制御する出射強度制御回路と、対物レンズ105と光検出器108と、フォーカスエラー信号を生成するサーボ信号生成回路とを備え、光ビームの強度である第一の光ビーム強度から第一の光ビーム強度とは異なる第二の光ビーム強度まで変化させる際、第一の光ビーム強度と第二の光ビーム強度の間の強度である第三の光ビーム強度に一旦変化させるように出射強度制御回路を制御するコントロール回路を備える。コントロール回路は、第一の光ビーム強度から記第三の光ビーム強度に光ビームの強度を変化させる際フォーカスエラー信号の変化が所定の範囲を超えないように出射強度制御回路を制御させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
光ディスクの再生または記録可能な光ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、特許文献1(特開平3−141039)では、FEにオフセットを付与する色収差補正手段が記載されている。また、特許文献2(特開2004−199768)では、光学部品により色収差を発生させない色収差補正手段が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−141039
【特許文献2】特開2004−199768
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光ディスクでは、BD(Blu-ray Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、CD(Compact Disc)などが規格化されている。このような光ディスクを記録または再生する光ディスク装置では、光源である半導体レーザダイオード(以下LD)から出射した光ビームを対物レンズにより光ディスクに集光し、光ディスクで反射した光ビームを光検出器で検出し、トラックエラー信号(以下TEと記す)やフォーカスエラー信号(以下FEと記す)などを生成し、光ディスク上で所定の位置に光ビームが集光されるように対物レンズの位置をサーボ制御している。
その光ディスク装置では、光ディスクに情報を記録する際に、LDから出射した光ビームを瞬時に所定強度まで上げる必要がある。LDから出射した光ビームの強度を以下ではLD強度と記す。LD強度を上げると、LDから出射した光ビームは波長が変化するため、光ディスク上に集光された光ビームには色収差が発生し、合焦点位置からフォーカスがずれ、デフォーカス状態となる。斯様な瞬時の色収差は、サーボ制御可能な周波数より高いため、デフォーカスにより所定時間の記録品質の劣化を引き起こす。
光ディスク装置に具備されている光学部品は波長により屈折率が変わる分散特性が少なからずあり、波長が変わることで、光学部品を通過するときの光路が変化し、それが、上記の色収差となる。特に対物レンズは、焦点距離が1mmから3mm程度と短いため、レンズの曲率半径が小さく色収差を発生させる主要因となっている。
上記したBDとDVDなどの複数の規格を1個の対物レンズで実現するには、NA(Numerical Aperture)やカバーガラスの厚みなどの誤差を補正する必要があり、回折現象を用いなければならない。通常回折現象は、波長ずれによる回折角度の変化が大きい。このため、回折現象を用いる対物レンズでは、上記した色収差が大きく発生する。
【0005】
さて、斯様な色収差が大きい対物レンズを用いる場合、特許文献1のようにFEにオフセットを付与すると、FEのオフセットが大きすぎトラック制御が不能となる、また対物レンズが加速しすぎてフォーカス制御が不安定になるなど新しい課題が発生する。特許文献2のような光学部品を用いると、その光学部品で不要な光ビームが外乱として発生する、透過効率が低い、コストUPが回避できない等の課題がある。
本発明では、回折現象を用いた対物レンズで発生する色収差においても、安定した記録や再生が可能な光ディスク装置を簡素な構成で実現するサーボ制御を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、その一例として特許請求の範囲に記載の構成により達成できる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、安価な光ディスク装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例1における光学ヘッド101の概略構成図を示す。
【図2】実施例1における色収差を説明する概略図を示す。
【図3】実施例1におけるFEを説明する図を示す。
【図4】実施例1における光ディスク装置001の制御方法を説明する図を示す。
【図5】実施例1における光ディスク装置001の動作フローを説明する図を示す。
【図6】実施例1における光ディスクの面振れとFEの関係を説明する図を示す。
【図7】実施例1におけるアクチュエータ駆動信号を説明する図を示す。
【図8】実施例1における光ディスク装置001を説明する概略構成図を示す。
【図9】実施例1における欠陥処理を説明する図を示す。
【図10】実施例2における光ディスク装置の制御方法を説明する図を示す。
【図11】実施例2における光ディスク装置の動作フローを説明する図を示す。
【図12】実施例3における光ディスク装置の制御方法を説明する図を示す。
【図13】実施例3における光ディスク装置の動作フローを説明する図を示す。
【図14】実施例4における回転速度の制御方法1を説明する図を示す。
【図15】実施例4における回転速度の制御方法2を説明する図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図に示す実施例に基づいて詳細に説明するが、これによりこの本発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0010】
本発明における実施例1について図を用い説明する。ここでは記録する際の動作を例に光ディスク装置001について説明する。
まず光ディスク装置001内に具備されている光学ヘッド101について説明する。図1は、光学ヘッド101の概略構成図を示す図である。LD102から光ビームが発散光として出射される。光ディスクの情報の記録または情報の再生を行うには、半導体レーザを用いるのが一般的であり、LD102は所定の波長で出射する半導体レーザである。LD102から出射した光ビームは光ビームスプリッタ103に入射する。光ビームスプリッタ103は、入射した光ビームの所定のLD強度を透過させ、その残りを反射させる、すなわち光ビームを2本に分岐する光学素子である。このような機能は例えば、ハーフプリズム、偏光性プリズムなどで実現できる。光ビームスプリッタ103に入射した光ビームのうち反射した光ビームはコリメートレンズ109へ進行し、透過した光ビームは光強度検知器であるフロントモニタ105へ進行する。
さて、一般的にLD強度は注入する信号量に比例するが、そのLD強度は、個別のオフセットが大きい、周辺温度により変化するなどの課題がある。光ディスクの再生、特に記録する際には光ディスクへ照射するLD強度を正確に制御しなければならない。このため、光学ヘッド101は、光ビームスプリッタ103を透過し分岐されたLD強度をフロントモニタ105にて検出することで、光ディスク上のLD強度が所定値になるようフィードバック制御できる構成になっている。
コリメートレンズ109に進行した光ビームはコリメートレンズ109により略平行な光ビームに変換される。コリメートレンズ109を通過した光ビームは対物レンズ105により光ディスク(図示無し)の情報面に集光照射される。対物レンズ105は対物レンズ駆動装置であるアクチュエータ106に搭載されており、少なくとも光ディスクの情報面にあるトラックと直交する方向と光ディスクの情報面の法線方向(図中紙面上下方向)とに駆動できる構成になっている。なお、トラックと直交する方向はTEによるトラック制御、およびレンズシフト時の駆動に用いられ、情報面の法線方向はFEによるフォーカス制御に用いられる。 光ディスクで反射した光ビームは、対物レンズ105、コリメートレンズ109、光ビームスプリッタ1 光ディスクで反射した光ビームは、対物レンズ105、コリメートレンズ109、光ビームスプリッタ103、検出光学素子107を通過し、光検出器108にて検出される。検出光学素子107は、非点収差方式によるFEやプッシュプル方式によるTEを生成するために非点収差を付与する光学素子である。このような光学素子は、シリンドリカルレンズなどで実現できるものである。光検出器108からは、FE、TE、再生信号など必要な光ディスクの光学情報が信号として出力される。なお、光学ヘッドの構成は、FEやTEが生成できれば、どのような構成であっても構わなく、非点収差方式やプッシュプル方式と異なるFEやTEの生成方式を用いたものであっても良い。
【0011】
次に図2を用い色収差について説明する。図2は、光ディスク002と対物レンズ105の関係を図示したものである。図2Aに示すようにコリメートレンズ109を出射した光ビーム121は、対物レンズ105により光ディスク002へ照射される。このとき、光ディスク002上で合焦点となっている。さて、例えばLD強度を大きくすると、図2Bに示すように対物レンズ105を通過した光ビーム121は、光ディスク002よりも遠く(図中上側)で合焦点となるような光ビームに変換される。これは、LD強度を大きくしたため、LDの波長が長波長側へと変化し、対物レンズ105の波長依存性により、仮想的に焦点距離が伸びるためである。この現象を本実施例において色収差と呼ぶ。前述の通り回折現象を用いた対物レンズは色収差が原理的に大きく発生する。斯様な色収差が発生したとき、光ディスク装置では、再生や記録できなくなるのはもちろんのこと、トラック制御やフォーカス制御のどちらのサーボ制御も不能になる。このため、図2Cに示すように対物レンズ105を光ディスク002から遠ざけることで、再度光ディスク上で光ビームが合焦点となるよう制御する必要がある。さて、対物レンズ105が光ディスク002へ近づく方向をインフォーカスとし、対物レンズ105が光ディスク002から遠ざかる方向をアウトフォーカスと定義する。
【0012】
次に図3を用いフォーカス制御について説明する。図3はFEを示す図である。横軸は、対物レンズ105の光ディスク法線方向の位置であり、紙面右側は、インフォーカスになる方向である。FE130は、図3に示すように通常S字カーブとなる。そのS字の中間である位置が合焦点131を示す。合焦点131からインフォーカスになると、FE130は正側(紙面上)に、合焦点位置からアウトフォーカスになると、FE130は負側(紙面下)に変位する。デフォーカス状態になるとプッシュプル方式などによるTEはその信号振幅がデフォーカスの量に拠って減少する。TEは所定の振幅より小さくなるとトラック制御ができなくなるため、トラック制御が可能なFEの範囲をTE許容範囲137とする。制御系の構成によるが、通常TEの振幅が−6dBとなるとトラック制御が不能となる。このため、例えばTE許容範囲137はマージンを含め−4dBとなる範囲と設定すると良い。
【0013】
フォーカス制御は、FEが負となると対物レンズを動かしFEが正となるようにアクチュエータを制御することである。逆にFEが正となると対物レンズを動かしFEが負となるようにアクチュエータを制御することでもある。このようにフォーカス制御では、常にFEが合焦点131となるように制御するものである。例えば、LD強度を上昇させ色収差が発生し点133までFEが変位したとする。このときFEが正であるため、対物レンズをFEが負に変位する方向(矢印134)、すなわちアウトフォーカスする方向にアクチュエータは制御され、合焦点131へ戻る。斯様なフォーカス制御では、合焦点131からFEの変位量に応じて合焦点131へ戻るまでの時間を要する。また、点133は、TE許容範囲137の範囲を超えるため、トラック制御は不能になる。つまり、トラック制御を一度OFFしたことと同じなので、再度トラック制御を開始するため、指定のトラックを探す必要がある。このような動作には時間を要する。前述した回折現象を用いた対物レンズでは、色収差が大きく発生するため、点135までFEが変位することがある。この場合もFEが正であるため、対物レンズをFEが負に変位する方向(矢印136)、すなわちインフォーカスする方向にアクチュエータは制御されてしまう。すなわち光ディスク装置は合焦点131に戻れなくなり、フォーカス制御が不能状態になる。上記のようにトラック制御およびフォーカス制御が不能にならないように光ディスク装置では、サーボ制御しなければならない。
【0014】
次に図4を用いて記録時の光ディスク装置001の制御方法について説明する。図4は、LD強度を再生時のI0から記録時の目標のLD強度であるI3まで上げるときの光ディスク装置001における制御例を示すものである。図4は横軸に時刻、縦軸にAがLD強度、BがFE、Cがアクチュエータ駆動信号、Dが対物レンズ位置をとったものである。また、紙面右側は時刻が進んでいることを示している。対物レンズ位置は正(紙面上側)がインフォーカス側の位置に相当する。紙面右側は時刻が経過する方向になっている。
【0015】
図では、時刻Tsより前のとき、フォーカス制御、トラック制御がされている状態を想定している。すなわち時刻Tsより前のとき、LD強度140は再生時のものでI0、フォーカス制御中のためFE141は合焦点FEjであり、アクチュエータ駆動信号142は所定値A0、対物レンズ位置は所定値L0とした。なお矢印はTE許容範囲137を示すもので、FEpがTE許容範囲137の上限を超えない範囲で設定し、FEnがTE許容範囲137の下限を超えない範囲で設定した値を示すものである。
時刻Tsに記録の命令を光ディスク装置001が受けると、フォーカス制御を一時停止し、アクチュエータ駆動信号142にアウトフォーカスとなるように所定のA1の信号を入力する。入力されたアクチュエータ駆動信号142により、対物レンズ位置143はL0からアウトフォーカス側へ移動する。このとき、FE141は対物レンズ位置143の位置に応じて負側へと変位する。
FE141がFEnに達したとき、すなわち時刻t1のとき、LD強度140をI0からI1へ上昇させる。I1へ上昇させた瞬間、光ビームには色収差が発生する。その色収差によるデフォーカスはサーボ制御可能な周波数帯域より早いため、FE141は、正であるFEpまで一瞬で変位することになる。光ディスク装置001は、LD強度と色収差によるFEの変位量の関係を事前に学習させておく。そして事前に学習してあるデータから、FE141がFEpを超えない範囲でLD強度140を上昇させる。
時刻t1でLD強度140を上昇させる動作中もアクチュエータ駆動信号142はA1の信号が入力され続けている。このため、対物レンズ位置143はアウトフォーカス側へ移動し続ける。その対物レンズ位置の移動に伴いFE141はFEpから負側へと変位する。なお、LD強度140を上昇させたとき、色収差によりFE141は変位するが、対物レンズ位置143は、アクチュエータ駆動信号142のみに依存し、色収差の影響は受けない。
【0016】
時刻t2を経てFE141が再びFEnに達したとき、すなわち時刻t3のとき、LD強度140をI1からI2へ上昇させる。I2へ上昇させた瞬間、上記同様にFE141は、FEpまで一瞬で変位する。時刻t3でLD強度140を上昇させたときもアクチュエータ駆動信号142はA1の信号が入力され続けており、対物レンズ位置143は、アウトフォーカス側への移動を続ける。その対物レンズ位置の移動に伴いFE141もFEpから負側へと変位する。
時刻t4を経てFE141が3回目のFEnに達したとき、すなわち時刻t5のとき、LD強度140をI2からI3へ上昇させる。I3へ上昇させた瞬間、同様に光ビームには色収差が発生する。目標のLD強度140であるI3となったとき、フォーカス制御を開始する必要がある。I2からI3へ上昇させるとき、FE141がFEpでなくFEjに変位するようにLD強度140を上昇させる。
時刻t5のとき、アクチュエータ駆動信号142はA1からA0に戻した後、フォーカス制御を開始させる。対物レンズ位置143は、時刻t5のタイミングでアクチュエータ駆動信号142の信号が無くなるため、フォーカス制御が開始された位置のL1で止まる。
【0017】
上記のように制御することで、トラック制御は不能になることなく、LD強度を目標まで上昇させることが可能になる。なお、LD強度140をI2からI3まで上昇させるとき、必要なLD強度の上昇量がFEnからFEjまで変位するより小さい場合は、もちろんFE141がFEnに達するまで待つ必要は無く、FEjとFEnの間の値にLD強度140を上昇させてもなんら構わない。また、実施例では、I0からI3まで3回のステップでLD強度を上昇させる例を説明したが、2回や4回のステップであってもなんら構わない。FE141がTE許容範囲137を超えないようモニタする制御であればどのような制御でも良い。
【0018】
次に図5を用いて動作フローについて説明する。図5は、記録時にLD強度を上昇させるフローを図示したものである。最初に光ディスク装置001は記録の動作を開始させる命令を受ける(符号150)。次にフォーカス制御を停止させる(符号151)。次にアクチュエータ駆動信号を注入する(符号152)。次にFEをモニタし、TE許容範囲137を超えない範囲で設定した値となるまで待たせる(符号153)。FEが設定値になったとき、LD強度を上昇させる(符号154)。このとき、フロントモニタでLD強度をモニタする。(符号155)。LD強度が目標に達していない場合、再度FEをモニタし、TE許容範囲137を超えない範囲で設定した値となるまで待たせる(符号153)。そして、FEが設定値になったとき、LD強度を上昇させる(符号154)。このフローを繰り返し、フロントモニタでLD強度が目標値になった場合(符号155)、アクチュエータに駆動する信号を止める(符号156)。その次に、フォーカス制御を開始させる(符号157)。
以上で、目標のLD強度に達し、かつフォーカス制御もトラック制御も正常であり、記録を開始できる(符号158)。
【0019】
図6に光ディスクの面振れとFEの関係を示す。光ディスクでは、製造の誤差や、光ディスク装置への光ディスクの取り付け誤差等により、光ディスクの回転周期でデフォーカスに相当する面振れが発生する。この面振れにより回転周期Tで、FE160は図のように変位する。上記では、簡単のため面振れを無視して原理的な動作について説明した。FE160は、常に面振れにより変位するものであるため、実際の光ディスク装置では、面振れによるFEの変位を事前に学習し、アクチュエータ駆動信号142に面振れによる信号を重畳して動作させると良い。光ディスクの面振れを考慮することで、光ディスクの回転位置による上記したLD強度の上昇フローの失敗を無くすことができる。
【0020】
図7は、アクチュエータ駆動信号170を示す。アクチュエータ駆動信号170は、アクチュエータ駆動信号142の変形例である。アクチュエータは対物レンズの重さで初動が遅くなり、単純な矩形信号を入力するだけでは線形な対物レンズの移動が実現できない。このため、初動の速度を向上させるため、図7のアクチュエータ駆動信号170のように開始直後の駆動信号を大きくすると良い。上記した光ディスクの面振れによる信号をアクチュエータ駆動信号170などに重畳してやることで、さらに正確な制御が可能になる。
【0021】
次に図8を用い光ディスク装置001について説明する。図8は光ディスク装置001の概略構成図を示す図である。光ディスク装置001内には、光ディスク002がスピンドル003に固定されており、スピンドル003は光ディスク002を回転させる機能を有する。また光ディスク装置001内には、ガイドバー030があり、光学ヘッド101はそのガイドバー030に沿って、光ディスク002の所定半径位置にアクセスすることができる。
ホスト、例えばパソコンなどの光ディスク装置を用いる情報家電装置から光ディスク002の情報を再生する旨の指示が光ディスク装置001内のコントロール回路009へ入力されると、コントロール回路009は、スピンドルモータ駆動回路008を駆動し、スピンドル003を駆動することで光ディスク002の回転を開始する。次にコントロール回路009はLD制御回路006を駆動し、光学ヘッド101内のLDを点灯させる。このときフロントモニタ回路004は、LD強度をモニタする。コントロール回路009はLD制御回路006を駆動し、光ヘッド101内のフロントモニタ回路004から得られるLD強度をLD制御回路006にフィードバックし、再生のLD強度で点灯させる。次にコントロール回路009はアクチュエータ駆動回路005を駆動させ、光学ヘッド101内のアクチュエータを高さ方向に駆動させる。光学ヘッド101の光検出器から検出された信号は信号生成回路007に送られ、FEとTEのサーボ信号を生成する。生成されたサーボ信号はコントロール回路009から必要に応じて、アクチュエータ駆動回路005へ送られ光学ヘッド101内のアクチュエータを駆動し、フォーカス制御、トラック制御の順でサーボ制御を行い、光ディスク002の所定トラックへ光ビームを集光照射させる。その後、光学ヘッド101内の光検出器からの検出信号は情報信号再生回路(図示無し)で情報信号が再生され、その情報信号がホストに出力される。 光ディスク装置001は、フロントモニタ回路004から得られるLD強度と、FEの変位量の関係をデータ保存回路011に持たせておく。また、TE許容範囲もデータ保存回路011へ記憶させておく。
【0022】
光ディスク装置001は、フロントモニタ回路004から得られるLD強度と、FEの変位量の関係をデータ保存回路011に持たせておく。また、TE許容範囲もデータ保存回路011へ記憶させておく。
さて、ホストから光ディスク002へ情報を記録するという指示がコントロール回路009へ入力されると、上記再生のときと同様に再生信号が得られるまでの動作を行う。この時、コントロール回路009は、回転周期に応じたFEの変位をデータ保存回路011に学習し記憶させる。 コントロール回路009は、アクチュエータ駆動回路005を駆動し、フォーカス制御をOFFにして、アクチュエータを下降させる。コントロール回路009はFEをモニタし、決定したフローに従い、TE許容範囲を超えないようにLD制御回路006を駆動させ、段階的にLD強度を上昇させる。
コントロール回路009は、決定したフローで、LD強度が目標値に達したことをフロントモニタで確認すると、アクチュエータ駆動 コントロール回路009は、アクチュエータ駆動回路005を駆動し、フォーカス制御をOFFにして、アクチュエータを下降させる。コントロール回路009はFEをモニタし、決定したフローに従い、TE許容範囲を超えないようにLD制御回路006を駆動させ、段階的にLD強度を上昇させる。
コントロール回路009は、決定したフローで、LD強度が目標値に達したことをフロントモニタで確認すると、アクチュエータ駆動回路005を駆動し、アクチュエータの下降させる指令を止めフォーカス制御を開始させる。コントロール回路009は、フォーカス制御を開始させた後、光ディスク002に記録信号に応じてLD制御回路006を制御し、LD強度を高速に変化させ記録を実施する。高速にLD強度を変化させながら記録する際の色収差によるデフォーカスも平均化される。このため、LD強度の平均値を大きく変化させる際に、上記した色収差の影響を高速にLD強度を変化させながら記録する際の色収差によるデフォーカスも平均化される。このため、LD強度の平均値を大きく変化させる際に、上記した色収差の影響を考慮すれば良い。
コントロール回路009は、記録信号に応じ光学ヘッド101のアクセス制御や、光ディスク002の回転制御なども行いながら記録を実施する。また、記録終了時はLD強度を下げるが、その時色収差によりFEは正の方向の変位が発生する。このため、LD強度を下げるときに、上記と同様の動作を行うことで、正常な再生状態に戻すことができる。また例えば、記録終了と同時にフォーカス制御をOFFにして光ディスクから一気に遠ざけるようにアクチュエータを駆動しても良い。この制御によれば、光ディスクと対物レンズが衝突するのを完全に防止できる。
上記のように光ディスク装置001の回路を駆動させることで、ホストから受けた記録情報を光ディスク002へ記録することができる。
【0023】
図9を用い欠陥処理について説明する。図9は、光ディスクのトラックを図示したものである。光ディスクの回転方向は矢印197で図示した。光ディスクには、トラック190、191、192がある。例えば、記録する際に、LD強度を上昇させるまで、すなわち、時刻Tsから時刻Twまでの間トラック190、192には、データとして意味を成さない領域195、196などが発生する。このため、この領域195を欠陥として登録する。欠陥の登録としては、所定の記録信号の最後に欠陥情報を追加して記録するなどで実現できる。また例えば、光ディスクに欠陥登録を可能な範囲があれば、そこに記録しても良い。
【実施例2】
【0024】
本発明における実施例2について図を用い説明する。ここでは実施例1とは異なる記録の動作について説明する。
図10を用いて記録時の光ディスク装置の制御方法について説明する。図10は、LD強度を再生時のI0から目標のI3まで上げるときの光ディスク装置における制御例を示すものである。図10は、図4同様の図であり、同様の点の説明は割愛する。まず、時刻Tsより前のとき、LD強度240は再生時のものでI0、フォーカス制御中のためFE241は合焦点FEjであり、アクチュエータ駆動信号242は所定値A0、対物レンズ位置は初期値L0とした。
【0025】
時刻Tsに記録の命令を光ディスク装置が受けると、フォーカス制御を一時停止し、アクチュエータ駆動信号242にアウトフォーカスとなるように所定のA1の信号を入力する。入力されたアクチュエータ駆動信号242により、対物レンズ位置243は、L0からアウトフォーカス側へ移動する。このとき、FE241は対物レンズ位置243の位置に応じて負側へと変位する。
FE241がFEnに達したとき、すなわち時刻t1のとき、LD強度240をI0からI1へ上昇させる。I1へ上昇させた瞬間、光ビームには色収差が発生する。このためFE241は、正の方向であるFEj側へ一瞬に変位する。光ディスク装置は、LD強度と色収差によるFEの変位量の関係を事前に学習させておく。このため、FE241がFEjに近づくようにLD強度240を上昇させることができる。
時刻t1でLD強度240を上昇させた直後にアクチュエータ駆動信号242はFEj付近であるため、フォーカス制御が直ちに開始できる。
【0026】
フォーカス制御が安定する時刻t2まで、光ディスク装置は待ち、時刻t2になった後、フォーカス制御を一時停止して、アクチュエータ駆動信号242にアウトフォーカスとなるように再度A1の信号を入力する。上記同様に、対物レンズ位置243はL0からアウトフォーカス側へ移動する。また、FE241は対物レンズ位置243の位置に応じて負側へと変位する。
FE241が再びFEnに達したとき、すなわち時刻t3のときLD強度240をI1からI2へ上昇させる。I2へ上昇させた瞬間、上記同様にFE241は、FEj側へ一瞬で変位する。
時刻t2でLD強度240を上昇させた直後にアクチュエータ駆動信号242はFEj付近であるため、フォーカス制御が開始できる。
【0027】
フォーカス制御が安定する時刻t4まで、光ディスク装置は待ち、時刻t4になった後、フォーカス制御を一時停止して、アクチュエータ駆動信号242にアウトフォーカスとなるように3回目となるA1の信号を入力する。このため、対物レンズ位置243は、L0からアウトフォーカス側へ移動し、FE241は対物レンズ位置243の位置に応じて負側へと変位する。
FE241がFEnに達したとき、すなわち時刻t5のとき、LD強度240をI2からI3へ上昇させる。I2へ上昇させた瞬間、上記同様にFE241は、FEj側へ一瞬で変位する。
時刻t5でLD強度240を上昇させた直後にアクチュエータ駆動信号242はFEj付近であるため、また安定したフォーカス制御がすぐに開始できる。フォーカス制御が安定する時刻Twまで、光ディスク装置は待ち、記録を開始する。
【0028】
上記制御においてもトラック制御が不能となることなく、LD強度を目標まで上昇させることができる。実施例1と異なり、フォーカス制御のON、OFFを切り替えるため、時刻は要するが、フォーカス制御がOFFとなる時刻が短いため、実施例1より、安定した制御であると言える。
なお、LD強度240をI2から目標のI3まで上昇させるとき、必要なLD強度の上昇量がFEnからFEjまで変位するより小さい場合は、もちろんFE241がFEnになるまで待つ必要は無く、FEjとFEnの間の値にLD強度240を上昇させてもなんら構わない。
また、実施例では、I0からI3まで3ステップでLD強度を上昇させる例を説明したが、2ステップや4ステップであってもなんら構わなく、FE241をモニタしTE許容範囲137を超えないようにすれば良い。
また、時刻Tsと時刻t1の間でのアクチュエータ駆動信号242に対するFE241の変位をデータとして光ディスク装置が記憶することで、FEをモニタすることなく、アクチュエータ駆動信号242を注入したあと時刻Tsと時刻t1の間の時刻だけ待つという手段でも上記は実現できる。
【0029】
次に図11を用いて動作フローについて説明する。図11は、記録時にLD強度を上昇させるフローを図示したものである。また、この動作フローにおける光ディスク装置は、時刻Tsと時刻t1の間でのアクチュエータ駆動信号242に対するFE241の変位をデータとして記憶していることを想定している。
光ディスク装置は記録の動作を開始させる命令を受ける(符号250)。次にフォーカス制御を停止させる(符号251)。次にアクチュエータ駆動信号を注入する(符号252)。所定時間を空けてLD強度を上昇させる(符号253)。続けてアクチュエータ駆動信号への注入を停止し(符号257)、フォーカス制御を開始する(符号254)。このとき、フロントモニタでLD強度をモニタする(符号255)。LD強度が目標に達していない場合、再度フォーカス制御をOFFして、符号251から255までをLD強度が目標に達するまで繰り返す。フロントモニタで目標のLD強度になった後(符号255)、記録を開始させる(符号256)
時刻Tsと時刻T1の間でのFE241の変位をデータとして持たせたことで、FEをモニタすることなく、目標のLD強度まで上昇させることが可能である。すなわち時刻は要するものの実施例1よりも簡単に制御ができるといえる。
【実施例3】
【0030】
本発明における実施例3について図を用い説明する。ここでは実施例1とは異なる記録の動作について説明する。
図12を用いて記録時の光ディスク装置の制御方法について説明する。図12は、LD強度を再生時のI0から目標のI3まで上げるときの光ディスク装置における制御例を示すものである。図12は、図4同様の図であり、同様の点の説明は割愛する。まず、時刻Tsより前のとき、LD強度340は再生時のものでI0、フォーカス制御中のため、FE341は合焦点FEjであり、アクチュエータ駆動信号342は所定値A0、対物レンズ位置は初期値L0とする。
時刻Tsに記録の命令を光ディスク装置が受けると、光ディスク装置は、LD強度340をI0からI1へ上昇させる。光ディスク装置は、LD強度と色収差によるFEの変位量の関係を事前に学習させておき、フォーカス制御が不能にならない範囲、すなわちFEがFEpを超えない範囲で、I0とI1の差分を設定する。LD強度340をI1へ上昇させた瞬間、色収差により、FE341は、正の方向へと動く。実施例3ではフォーカス制御を続ける状態を想定している。このため、FEはFEjを目指したフォーカス制御がなされる。この時アクチュエータ駆動信号342は、FEの波形に応じてFEjとFEpの差分信号の逆信号として出力される。対物レンズ位置343は、アクチュエータ駆動信号342の信号に対応して、その位置を変える。
【0031】
光ディスク装置は、フォーカス制御が安定するt1まで時間を置き、LD強度340をI1からI2へ上昇させる。LD強度340をI2へ上昇させた瞬間、同様にFE341は、正の方向へと変位し、その直後にFEjを目指したフォーカス制御がなされる。この時アクチュエータ駆動信号342は、前記同様に、FEの波形に応じてFEjとFEpの差分信号の逆信号として出力される。対物レンズ位置343は、アクチュエータ駆動信号342の信号に対応して、その位置を変える。
【0032】
光ディスク装置は、フォーカス制御が安定するt2まで時間を置き、LD強度340をI2から目標のI3へ上昇させる。LD強度340をI3へ上昇させた瞬間、前記同様にFE341は、正の方向へと変位し、その直後にFEjを目指したフォーカス制御がなされる。この時アクチュエータ駆動信号342は、前記同様に、FEの波形に応じてFEjとFEpの差分信号の逆信号として出力される。 対物レンズ位置343は、アクチュエータ駆動信号342の信号に対応して、その位置がL1まで変わる。フォーカス制御が安定する時刻Twまで、光ディスク装置は待ち、記録を開始する。
【0033】
上記のように制御することで、フォーカス制御と、トラック制御をしたまま、LD強度を目標まで上昇させることが可能になる。実施例1や2と異なり、フォーカス制御を続けるため、フォーカス制御が安定するまでの待ち時間を要するが、フォーカス制御の切り替えが無い分、実施例1や2より、簡素な制御であると言える。ここでも、TE許容範囲137を超えないようにLD強度の上昇量を設定することが重要である。
【0034】
次に図13を用いて動作フローについて説明する。図13は、LD強度を上昇させるフローを図示したものである。
光ディスク装置は記録の動作を開始させる命令を受ける(符号350)。次にLD強度を上昇させる(符号351)。次にフロントモニタでLD強度をモニタする(符号352)。LD強度が目標に達していない場合、フォーカス制御が安定する時間だけ空けて再度LD強度を上昇させる(符号350)という具合に目標に達するまで繰り返す。フロントモニタでLD強度が目標値になった後(符号352)、記録を開始できる(符号353)
上記のように、FEをモニタすることなく、かつフォーカス制御のON、OFFをすることなく目標のLD強度まで上昇させることが可能となる。すなわち時間は要するものの実施例1、2よりも簡単な制御であると言える。
【実施例4】
【0035】
本発明における実施例4について図を用い説明する。ここでは実施例1において説明した欠陥を減らす方法について説明する。
図14を用いて記録する際の光ディスクの回転制御方法1について説明する。図14は、横軸が時刻、縦軸が光ディスクの回転速度を示したグラフである。欠陥の領域を小さくするためには、記録開始可能までの時間Tsと時刻Twの間の時間光ディスクの回転速度を下げると、仮想的に欠陥の領域を小さくできる。このため、図の回転速度401で示すように、記録開始する時刻Tsの上記した他処理を開始すると同時に光ディスクの回転速度を下げる。そして、記録のLD強度となるときに元の光ディスクの回転速度となるように変える。このように回転速度を可変とすることで、欠陥の領域を小さくすることが可能となる。
【0036】
次に図15に回転制御の変形例である光ディスクの回転制御方法2について説明する。図15も図14同様の図である。これは再生と記録のときの回転速度が異ならせた場合を想定している。仮想的に欠陥の領域を小さくするため、回転速度402で示すように再生調整は低速で行い、記録のLD強度となるときに所定の光ディスクの回転速度となるように変える。このように回転速度を可変とすることで、欠陥の領域を小さくすることが可能となる。
【0037】
図14、図15で示したように光ディスクの回転速度を落とすことで、実質的な欠陥領域を小さくすることが出来る。
【0038】
本実施形態の光ディスク装置は、上記した様に記録するLD強度となった後、すなわちTwから記録を開始するとしたが、もちろん記録は、記録開始Tsから開始しても良い。この場合は、TsからTwの間は後で再生できない領域となるため、所定の記録データの記録が終了した後にTsからTwの時刻のデータを再度記録するような処理をしても良い。
また、本実施例においては、LD強度を上昇させるときの動作を説明したが、逆にLD強度を下降させるときに用いてもなんら構わない。LD強度を変化させるときの動作であれば、本実施例に記載した内容に限るものではなく、記録から再生に戻る際の動作などに適用してもなんらかまわない。
また、実施例における光学ヘッドはLDが1個の構成で説明したが、もちろんLDが2個や3個の構成であっても良い。例えば、BD、DVD、CDなど3個のメディアに対応した回折現象を用いる互換の対物レンズを搭載した光学ヘッドでは、色収差が大きいことが課題として上げられる。斯様な光学ヘッドには、本発明は有効であると言える。
【0039】
以上説明したように、実施例における光ディスク装置は、光ビームを出射する光源、すなわちLDと、光ビームを光ディスクへ集光する対物レンズと、LDから出射されるLD強度を制御する出射強度制御回路、すなわちLD制御回路とを少なくとも備えている。
【0040】
また、実施例における光ディスク装置は、所定のLD強度である第一の光ビーム強度、すなわちI0からI0とは異なる第二の光ビーム強度、すなわちI3まで変化させるとき、第一の光ビーム強度と第二の光ビーム強度の間の強度、すなわちI1やI2を経てから変化させるようにLD制御回路を制御するコントロール回路を備えている。
【0041】
また、実施例における光ディスク装置は、光ディスクを反射した光ビームを受光する光検出器と、その光検出器からFEを生成するサーボ信号生成回路、すなわち信号生成回路とを備え、コントロール回路は、強度を1回変化させる際に、FEの変化が所定の範囲1、すなわちTE許容範囲に抑えるようにLD制御回路を制御させる。
【0042】
また、実施例における光ディスク装置は、対物レンズの位置を少なくとも光ディスクの法線方向と半径方向に駆動できる対物レンズ駆動装置、すなわちアクチュエータと、アクチュエータを制御するアクチュエータ駆動回路とを備え、信号生成回路は、光検出器から
TEを生成する機能を備えさせ、コントロール回路は、TEに基づき光ビームを所定のトラックに追従させるようにアクチュエータ駆動回路を制御する機能を備えさせ、TE許容範囲は、アクチュエータ駆動回路でトラックに追従できる範囲とする。
【0043】
また、TE許容範囲は、TEの振幅が半分となる範囲よりも小さく設定させる。
【0044】
また、実施例1ないし2における光ディスク装置のコントロール回路は、I0からI3まで変化させるとき、LD制御回路によりLD強度を変化させる時刻と同時または先に対物レンズが光ディスクの法線方向に駆動するようにアクチュエータ駆動回路を制御させる機能を有している。
また、実施例1の光ディスク装置では、TE許容範囲の一方を第一の閾値、すなわちFEn、他方を第二の閾値、すなわちFEpとすると、I0からI3まで変化させるとき、コントロール回路は、対物レンズが光ディスクの法線方向に駆動するようにアクチュエータ駆動回路を制御し、FEnまでFEが変化したときに、FEpまでFEが変化するようにLD制御回路によりLD強度を変化させる機能を有している。
【0045】
また、実施例1の光ディスク装置では、対物レンズが光ディスクの法線方向に駆動したときにFEがFEnまたはFEpとなるのに必要なLD制御回路の制御量を記憶するデータ保存回路を備え、I0からI3まで変化させるとき、コントロール回路はデータ保存回路から制御量を読み出し、アクチュエータ駆動回路を制御した後に、LD制御回路によりLD強度を変化させる機能を有している。
【0046】
また、実施例の光ディスク装置では、光ディスクへ記録する際に、I0を再生に必要なLD強度、I3を記録に必要なLD強度とすると、I0からI3へ変化させる間に光ディスクの回転速度を少なくとも1回変化させる機能を有している。
【0047】
また、実施例の光ディスク装置では、光ディスクへ記録する際に、I0を再生に必要なLD強度、I3を記録に必要なLD強度とすると、I0からI3へ変化させる間に光ビームが照射されたトラックの領域を欠陥領域として扱う機能を有する。
【0048】
また、実施例の光ディスク装置では、光ビームから出射したLD強度を検知する光強度検知器、すなわちフロントモニタを備え、コントロール回路は、フロントモニタからの信号によりLD制御回路を制御する機能を有している。
【符号の説明】
【0049】
001・・・光ディスク装置
002・・・光ディスク
101・・・光学ヘッド
102・・・LD
104・・・フロントモニタ
105・・・対物レンズ
108・・・光検出器
106・・・アクチュエータ
【技術分野】
【0001】
光ディスクの再生または記録可能な光ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、特許文献1(特開平3−141039)では、FEにオフセットを付与する色収差補正手段が記載されている。また、特許文献2(特開2004−199768)では、光学部品により色収差を発生させない色収差補正手段が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−141039
【特許文献2】特開2004−199768
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光ディスクでは、BD(Blu-ray Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、CD(Compact Disc)などが規格化されている。このような光ディスクを記録または再生する光ディスク装置では、光源である半導体レーザダイオード(以下LD)から出射した光ビームを対物レンズにより光ディスクに集光し、光ディスクで反射した光ビームを光検出器で検出し、トラックエラー信号(以下TEと記す)やフォーカスエラー信号(以下FEと記す)などを生成し、光ディスク上で所定の位置に光ビームが集光されるように対物レンズの位置をサーボ制御している。
その光ディスク装置では、光ディスクに情報を記録する際に、LDから出射した光ビームを瞬時に所定強度まで上げる必要がある。LDから出射した光ビームの強度を以下ではLD強度と記す。LD強度を上げると、LDから出射した光ビームは波長が変化するため、光ディスク上に集光された光ビームには色収差が発生し、合焦点位置からフォーカスがずれ、デフォーカス状態となる。斯様な瞬時の色収差は、サーボ制御可能な周波数より高いため、デフォーカスにより所定時間の記録品質の劣化を引き起こす。
光ディスク装置に具備されている光学部品は波長により屈折率が変わる分散特性が少なからずあり、波長が変わることで、光学部品を通過するときの光路が変化し、それが、上記の色収差となる。特に対物レンズは、焦点距離が1mmから3mm程度と短いため、レンズの曲率半径が小さく色収差を発生させる主要因となっている。
上記したBDとDVDなどの複数の規格を1個の対物レンズで実現するには、NA(Numerical Aperture)やカバーガラスの厚みなどの誤差を補正する必要があり、回折現象を用いなければならない。通常回折現象は、波長ずれによる回折角度の変化が大きい。このため、回折現象を用いる対物レンズでは、上記した色収差が大きく発生する。
【0005】
さて、斯様な色収差が大きい対物レンズを用いる場合、特許文献1のようにFEにオフセットを付与すると、FEのオフセットが大きすぎトラック制御が不能となる、また対物レンズが加速しすぎてフォーカス制御が不安定になるなど新しい課題が発生する。特許文献2のような光学部品を用いると、その光学部品で不要な光ビームが外乱として発生する、透過効率が低い、コストUPが回避できない等の課題がある。
本発明では、回折現象を用いた対物レンズで発生する色収差においても、安定した記録や再生が可能な光ディスク装置を簡素な構成で実現するサーボ制御を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、その一例として特許請求の範囲に記載の構成により達成できる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、安価な光ディスク装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例1における光学ヘッド101の概略構成図を示す。
【図2】実施例1における色収差を説明する概略図を示す。
【図3】実施例1におけるFEを説明する図を示す。
【図4】実施例1における光ディスク装置001の制御方法を説明する図を示す。
【図5】実施例1における光ディスク装置001の動作フローを説明する図を示す。
【図6】実施例1における光ディスクの面振れとFEの関係を説明する図を示す。
【図7】実施例1におけるアクチュエータ駆動信号を説明する図を示す。
【図8】実施例1における光ディスク装置001を説明する概略構成図を示す。
【図9】実施例1における欠陥処理を説明する図を示す。
【図10】実施例2における光ディスク装置の制御方法を説明する図を示す。
【図11】実施例2における光ディスク装置の動作フローを説明する図を示す。
【図12】実施例3における光ディスク装置の制御方法を説明する図を示す。
【図13】実施例3における光ディスク装置の動作フローを説明する図を示す。
【図14】実施例4における回転速度の制御方法1を説明する図を示す。
【図15】実施例4における回転速度の制御方法2を説明する図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図に示す実施例に基づいて詳細に説明するが、これによりこの本発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0010】
本発明における実施例1について図を用い説明する。ここでは記録する際の動作を例に光ディスク装置001について説明する。
まず光ディスク装置001内に具備されている光学ヘッド101について説明する。図1は、光学ヘッド101の概略構成図を示す図である。LD102から光ビームが発散光として出射される。光ディスクの情報の記録または情報の再生を行うには、半導体レーザを用いるのが一般的であり、LD102は所定の波長で出射する半導体レーザである。LD102から出射した光ビームは光ビームスプリッタ103に入射する。光ビームスプリッタ103は、入射した光ビームの所定のLD強度を透過させ、その残りを反射させる、すなわち光ビームを2本に分岐する光学素子である。このような機能は例えば、ハーフプリズム、偏光性プリズムなどで実現できる。光ビームスプリッタ103に入射した光ビームのうち反射した光ビームはコリメートレンズ109へ進行し、透過した光ビームは光強度検知器であるフロントモニタ105へ進行する。
さて、一般的にLD強度は注入する信号量に比例するが、そのLD強度は、個別のオフセットが大きい、周辺温度により変化するなどの課題がある。光ディスクの再生、特に記録する際には光ディスクへ照射するLD強度を正確に制御しなければならない。このため、光学ヘッド101は、光ビームスプリッタ103を透過し分岐されたLD強度をフロントモニタ105にて検出することで、光ディスク上のLD強度が所定値になるようフィードバック制御できる構成になっている。
コリメートレンズ109に進行した光ビームはコリメートレンズ109により略平行な光ビームに変換される。コリメートレンズ109を通過した光ビームは対物レンズ105により光ディスク(図示無し)の情報面に集光照射される。対物レンズ105は対物レンズ駆動装置であるアクチュエータ106に搭載されており、少なくとも光ディスクの情報面にあるトラックと直交する方向と光ディスクの情報面の法線方向(図中紙面上下方向)とに駆動できる構成になっている。なお、トラックと直交する方向はTEによるトラック制御、およびレンズシフト時の駆動に用いられ、情報面の法線方向はFEによるフォーカス制御に用いられる。 光ディスクで反射した光ビームは、対物レンズ105、コリメートレンズ109、光ビームスプリッタ1 光ディスクで反射した光ビームは、対物レンズ105、コリメートレンズ109、光ビームスプリッタ103、検出光学素子107を通過し、光検出器108にて検出される。検出光学素子107は、非点収差方式によるFEやプッシュプル方式によるTEを生成するために非点収差を付与する光学素子である。このような光学素子は、シリンドリカルレンズなどで実現できるものである。光検出器108からは、FE、TE、再生信号など必要な光ディスクの光学情報が信号として出力される。なお、光学ヘッドの構成は、FEやTEが生成できれば、どのような構成であっても構わなく、非点収差方式やプッシュプル方式と異なるFEやTEの生成方式を用いたものであっても良い。
【0011】
次に図2を用い色収差について説明する。図2は、光ディスク002と対物レンズ105の関係を図示したものである。図2Aに示すようにコリメートレンズ109を出射した光ビーム121は、対物レンズ105により光ディスク002へ照射される。このとき、光ディスク002上で合焦点となっている。さて、例えばLD強度を大きくすると、図2Bに示すように対物レンズ105を通過した光ビーム121は、光ディスク002よりも遠く(図中上側)で合焦点となるような光ビームに変換される。これは、LD強度を大きくしたため、LDの波長が長波長側へと変化し、対物レンズ105の波長依存性により、仮想的に焦点距離が伸びるためである。この現象を本実施例において色収差と呼ぶ。前述の通り回折現象を用いた対物レンズは色収差が原理的に大きく発生する。斯様な色収差が発生したとき、光ディスク装置では、再生や記録できなくなるのはもちろんのこと、トラック制御やフォーカス制御のどちらのサーボ制御も不能になる。このため、図2Cに示すように対物レンズ105を光ディスク002から遠ざけることで、再度光ディスク上で光ビームが合焦点となるよう制御する必要がある。さて、対物レンズ105が光ディスク002へ近づく方向をインフォーカスとし、対物レンズ105が光ディスク002から遠ざかる方向をアウトフォーカスと定義する。
【0012】
次に図3を用いフォーカス制御について説明する。図3はFEを示す図である。横軸は、対物レンズ105の光ディスク法線方向の位置であり、紙面右側は、インフォーカスになる方向である。FE130は、図3に示すように通常S字カーブとなる。そのS字の中間である位置が合焦点131を示す。合焦点131からインフォーカスになると、FE130は正側(紙面上)に、合焦点位置からアウトフォーカスになると、FE130は負側(紙面下)に変位する。デフォーカス状態になるとプッシュプル方式などによるTEはその信号振幅がデフォーカスの量に拠って減少する。TEは所定の振幅より小さくなるとトラック制御ができなくなるため、トラック制御が可能なFEの範囲をTE許容範囲137とする。制御系の構成によるが、通常TEの振幅が−6dBとなるとトラック制御が不能となる。このため、例えばTE許容範囲137はマージンを含め−4dBとなる範囲と設定すると良い。
【0013】
フォーカス制御は、FEが負となると対物レンズを動かしFEが正となるようにアクチュエータを制御することである。逆にFEが正となると対物レンズを動かしFEが負となるようにアクチュエータを制御することでもある。このようにフォーカス制御では、常にFEが合焦点131となるように制御するものである。例えば、LD強度を上昇させ色収差が発生し点133までFEが変位したとする。このときFEが正であるため、対物レンズをFEが負に変位する方向(矢印134)、すなわちアウトフォーカスする方向にアクチュエータは制御され、合焦点131へ戻る。斯様なフォーカス制御では、合焦点131からFEの変位量に応じて合焦点131へ戻るまでの時間を要する。また、点133は、TE許容範囲137の範囲を超えるため、トラック制御は不能になる。つまり、トラック制御を一度OFFしたことと同じなので、再度トラック制御を開始するため、指定のトラックを探す必要がある。このような動作には時間を要する。前述した回折現象を用いた対物レンズでは、色収差が大きく発生するため、点135までFEが変位することがある。この場合もFEが正であるため、対物レンズをFEが負に変位する方向(矢印136)、すなわちインフォーカスする方向にアクチュエータは制御されてしまう。すなわち光ディスク装置は合焦点131に戻れなくなり、フォーカス制御が不能状態になる。上記のようにトラック制御およびフォーカス制御が不能にならないように光ディスク装置では、サーボ制御しなければならない。
【0014】
次に図4を用いて記録時の光ディスク装置001の制御方法について説明する。図4は、LD強度を再生時のI0から記録時の目標のLD強度であるI3まで上げるときの光ディスク装置001における制御例を示すものである。図4は横軸に時刻、縦軸にAがLD強度、BがFE、Cがアクチュエータ駆動信号、Dが対物レンズ位置をとったものである。また、紙面右側は時刻が進んでいることを示している。対物レンズ位置は正(紙面上側)がインフォーカス側の位置に相当する。紙面右側は時刻が経過する方向になっている。
【0015】
図では、時刻Tsより前のとき、フォーカス制御、トラック制御がされている状態を想定している。すなわち時刻Tsより前のとき、LD強度140は再生時のものでI0、フォーカス制御中のためFE141は合焦点FEjであり、アクチュエータ駆動信号142は所定値A0、対物レンズ位置は所定値L0とした。なお矢印はTE許容範囲137を示すもので、FEpがTE許容範囲137の上限を超えない範囲で設定し、FEnがTE許容範囲137の下限を超えない範囲で設定した値を示すものである。
時刻Tsに記録の命令を光ディスク装置001が受けると、フォーカス制御を一時停止し、アクチュエータ駆動信号142にアウトフォーカスとなるように所定のA1の信号を入力する。入力されたアクチュエータ駆動信号142により、対物レンズ位置143はL0からアウトフォーカス側へ移動する。このとき、FE141は対物レンズ位置143の位置に応じて負側へと変位する。
FE141がFEnに達したとき、すなわち時刻t1のとき、LD強度140をI0からI1へ上昇させる。I1へ上昇させた瞬間、光ビームには色収差が発生する。その色収差によるデフォーカスはサーボ制御可能な周波数帯域より早いため、FE141は、正であるFEpまで一瞬で変位することになる。光ディスク装置001は、LD強度と色収差によるFEの変位量の関係を事前に学習させておく。そして事前に学習してあるデータから、FE141がFEpを超えない範囲でLD強度140を上昇させる。
時刻t1でLD強度140を上昇させる動作中もアクチュエータ駆動信号142はA1の信号が入力され続けている。このため、対物レンズ位置143はアウトフォーカス側へ移動し続ける。その対物レンズ位置の移動に伴いFE141はFEpから負側へと変位する。なお、LD強度140を上昇させたとき、色収差によりFE141は変位するが、対物レンズ位置143は、アクチュエータ駆動信号142のみに依存し、色収差の影響は受けない。
【0016】
時刻t2を経てFE141が再びFEnに達したとき、すなわち時刻t3のとき、LD強度140をI1からI2へ上昇させる。I2へ上昇させた瞬間、上記同様にFE141は、FEpまで一瞬で変位する。時刻t3でLD強度140を上昇させたときもアクチュエータ駆動信号142はA1の信号が入力され続けており、対物レンズ位置143は、アウトフォーカス側への移動を続ける。その対物レンズ位置の移動に伴いFE141もFEpから負側へと変位する。
時刻t4を経てFE141が3回目のFEnに達したとき、すなわち時刻t5のとき、LD強度140をI2からI3へ上昇させる。I3へ上昇させた瞬間、同様に光ビームには色収差が発生する。目標のLD強度140であるI3となったとき、フォーカス制御を開始する必要がある。I2からI3へ上昇させるとき、FE141がFEpでなくFEjに変位するようにLD強度140を上昇させる。
時刻t5のとき、アクチュエータ駆動信号142はA1からA0に戻した後、フォーカス制御を開始させる。対物レンズ位置143は、時刻t5のタイミングでアクチュエータ駆動信号142の信号が無くなるため、フォーカス制御が開始された位置のL1で止まる。
【0017】
上記のように制御することで、トラック制御は不能になることなく、LD強度を目標まで上昇させることが可能になる。なお、LD強度140をI2からI3まで上昇させるとき、必要なLD強度の上昇量がFEnからFEjまで変位するより小さい場合は、もちろんFE141がFEnに達するまで待つ必要は無く、FEjとFEnの間の値にLD強度140を上昇させてもなんら構わない。また、実施例では、I0からI3まで3回のステップでLD強度を上昇させる例を説明したが、2回や4回のステップであってもなんら構わない。FE141がTE許容範囲137を超えないようモニタする制御であればどのような制御でも良い。
【0018】
次に図5を用いて動作フローについて説明する。図5は、記録時にLD強度を上昇させるフローを図示したものである。最初に光ディスク装置001は記録の動作を開始させる命令を受ける(符号150)。次にフォーカス制御を停止させる(符号151)。次にアクチュエータ駆動信号を注入する(符号152)。次にFEをモニタし、TE許容範囲137を超えない範囲で設定した値となるまで待たせる(符号153)。FEが設定値になったとき、LD強度を上昇させる(符号154)。このとき、フロントモニタでLD強度をモニタする。(符号155)。LD強度が目標に達していない場合、再度FEをモニタし、TE許容範囲137を超えない範囲で設定した値となるまで待たせる(符号153)。そして、FEが設定値になったとき、LD強度を上昇させる(符号154)。このフローを繰り返し、フロントモニタでLD強度が目標値になった場合(符号155)、アクチュエータに駆動する信号を止める(符号156)。その次に、フォーカス制御を開始させる(符号157)。
以上で、目標のLD強度に達し、かつフォーカス制御もトラック制御も正常であり、記録を開始できる(符号158)。
【0019】
図6に光ディスクの面振れとFEの関係を示す。光ディスクでは、製造の誤差や、光ディスク装置への光ディスクの取り付け誤差等により、光ディスクの回転周期でデフォーカスに相当する面振れが発生する。この面振れにより回転周期Tで、FE160は図のように変位する。上記では、簡単のため面振れを無視して原理的な動作について説明した。FE160は、常に面振れにより変位するものであるため、実際の光ディスク装置では、面振れによるFEの変位を事前に学習し、アクチュエータ駆動信号142に面振れによる信号を重畳して動作させると良い。光ディスクの面振れを考慮することで、光ディスクの回転位置による上記したLD強度の上昇フローの失敗を無くすことができる。
【0020】
図7は、アクチュエータ駆動信号170を示す。アクチュエータ駆動信号170は、アクチュエータ駆動信号142の変形例である。アクチュエータは対物レンズの重さで初動が遅くなり、単純な矩形信号を入力するだけでは線形な対物レンズの移動が実現できない。このため、初動の速度を向上させるため、図7のアクチュエータ駆動信号170のように開始直後の駆動信号を大きくすると良い。上記した光ディスクの面振れによる信号をアクチュエータ駆動信号170などに重畳してやることで、さらに正確な制御が可能になる。
【0021】
次に図8を用い光ディスク装置001について説明する。図8は光ディスク装置001の概略構成図を示す図である。光ディスク装置001内には、光ディスク002がスピンドル003に固定されており、スピンドル003は光ディスク002を回転させる機能を有する。また光ディスク装置001内には、ガイドバー030があり、光学ヘッド101はそのガイドバー030に沿って、光ディスク002の所定半径位置にアクセスすることができる。
ホスト、例えばパソコンなどの光ディスク装置を用いる情報家電装置から光ディスク002の情報を再生する旨の指示が光ディスク装置001内のコントロール回路009へ入力されると、コントロール回路009は、スピンドルモータ駆動回路008を駆動し、スピンドル003を駆動することで光ディスク002の回転を開始する。次にコントロール回路009はLD制御回路006を駆動し、光学ヘッド101内のLDを点灯させる。このときフロントモニタ回路004は、LD強度をモニタする。コントロール回路009はLD制御回路006を駆動し、光ヘッド101内のフロントモニタ回路004から得られるLD強度をLD制御回路006にフィードバックし、再生のLD強度で点灯させる。次にコントロール回路009はアクチュエータ駆動回路005を駆動させ、光学ヘッド101内のアクチュエータを高さ方向に駆動させる。光学ヘッド101の光検出器から検出された信号は信号生成回路007に送られ、FEとTEのサーボ信号を生成する。生成されたサーボ信号はコントロール回路009から必要に応じて、アクチュエータ駆動回路005へ送られ光学ヘッド101内のアクチュエータを駆動し、フォーカス制御、トラック制御の順でサーボ制御を行い、光ディスク002の所定トラックへ光ビームを集光照射させる。その後、光学ヘッド101内の光検出器からの検出信号は情報信号再生回路(図示無し)で情報信号が再生され、その情報信号がホストに出力される。 光ディスク装置001は、フロントモニタ回路004から得られるLD強度と、FEの変位量の関係をデータ保存回路011に持たせておく。また、TE許容範囲もデータ保存回路011へ記憶させておく。
【0022】
光ディスク装置001は、フロントモニタ回路004から得られるLD強度と、FEの変位量の関係をデータ保存回路011に持たせておく。また、TE許容範囲もデータ保存回路011へ記憶させておく。
さて、ホストから光ディスク002へ情報を記録するという指示がコントロール回路009へ入力されると、上記再生のときと同様に再生信号が得られるまでの動作を行う。この時、コントロール回路009は、回転周期に応じたFEの変位をデータ保存回路011に学習し記憶させる。 コントロール回路009は、アクチュエータ駆動回路005を駆動し、フォーカス制御をOFFにして、アクチュエータを下降させる。コントロール回路009はFEをモニタし、決定したフローに従い、TE許容範囲を超えないようにLD制御回路006を駆動させ、段階的にLD強度を上昇させる。
コントロール回路009は、決定したフローで、LD強度が目標値に達したことをフロントモニタで確認すると、アクチュエータ駆動 コントロール回路009は、アクチュエータ駆動回路005を駆動し、フォーカス制御をOFFにして、アクチュエータを下降させる。コントロール回路009はFEをモニタし、決定したフローに従い、TE許容範囲を超えないようにLD制御回路006を駆動させ、段階的にLD強度を上昇させる。
コントロール回路009は、決定したフローで、LD強度が目標値に達したことをフロントモニタで確認すると、アクチュエータ駆動回路005を駆動し、アクチュエータの下降させる指令を止めフォーカス制御を開始させる。コントロール回路009は、フォーカス制御を開始させた後、光ディスク002に記録信号に応じてLD制御回路006を制御し、LD強度を高速に変化させ記録を実施する。高速にLD強度を変化させながら記録する際の色収差によるデフォーカスも平均化される。このため、LD強度の平均値を大きく変化させる際に、上記した色収差の影響を高速にLD強度を変化させながら記録する際の色収差によるデフォーカスも平均化される。このため、LD強度の平均値を大きく変化させる際に、上記した色収差の影響を考慮すれば良い。
コントロール回路009は、記録信号に応じ光学ヘッド101のアクセス制御や、光ディスク002の回転制御なども行いながら記録を実施する。また、記録終了時はLD強度を下げるが、その時色収差によりFEは正の方向の変位が発生する。このため、LD強度を下げるときに、上記と同様の動作を行うことで、正常な再生状態に戻すことができる。また例えば、記録終了と同時にフォーカス制御をOFFにして光ディスクから一気に遠ざけるようにアクチュエータを駆動しても良い。この制御によれば、光ディスクと対物レンズが衝突するのを完全に防止できる。
上記のように光ディスク装置001の回路を駆動させることで、ホストから受けた記録情報を光ディスク002へ記録することができる。
【0023】
図9を用い欠陥処理について説明する。図9は、光ディスクのトラックを図示したものである。光ディスクの回転方向は矢印197で図示した。光ディスクには、トラック190、191、192がある。例えば、記録する際に、LD強度を上昇させるまで、すなわち、時刻Tsから時刻Twまでの間トラック190、192には、データとして意味を成さない領域195、196などが発生する。このため、この領域195を欠陥として登録する。欠陥の登録としては、所定の記録信号の最後に欠陥情報を追加して記録するなどで実現できる。また例えば、光ディスクに欠陥登録を可能な範囲があれば、そこに記録しても良い。
【実施例2】
【0024】
本発明における実施例2について図を用い説明する。ここでは実施例1とは異なる記録の動作について説明する。
図10を用いて記録時の光ディスク装置の制御方法について説明する。図10は、LD強度を再生時のI0から目標のI3まで上げるときの光ディスク装置における制御例を示すものである。図10は、図4同様の図であり、同様の点の説明は割愛する。まず、時刻Tsより前のとき、LD強度240は再生時のものでI0、フォーカス制御中のためFE241は合焦点FEjであり、アクチュエータ駆動信号242は所定値A0、対物レンズ位置は初期値L0とした。
【0025】
時刻Tsに記録の命令を光ディスク装置が受けると、フォーカス制御を一時停止し、アクチュエータ駆動信号242にアウトフォーカスとなるように所定のA1の信号を入力する。入力されたアクチュエータ駆動信号242により、対物レンズ位置243は、L0からアウトフォーカス側へ移動する。このとき、FE241は対物レンズ位置243の位置に応じて負側へと変位する。
FE241がFEnに達したとき、すなわち時刻t1のとき、LD強度240をI0からI1へ上昇させる。I1へ上昇させた瞬間、光ビームには色収差が発生する。このためFE241は、正の方向であるFEj側へ一瞬に変位する。光ディスク装置は、LD強度と色収差によるFEの変位量の関係を事前に学習させておく。このため、FE241がFEjに近づくようにLD強度240を上昇させることができる。
時刻t1でLD強度240を上昇させた直後にアクチュエータ駆動信号242はFEj付近であるため、フォーカス制御が直ちに開始できる。
【0026】
フォーカス制御が安定する時刻t2まで、光ディスク装置は待ち、時刻t2になった後、フォーカス制御を一時停止して、アクチュエータ駆動信号242にアウトフォーカスとなるように再度A1の信号を入力する。上記同様に、対物レンズ位置243はL0からアウトフォーカス側へ移動する。また、FE241は対物レンズ位置243の位置に応じて負側へと変位する。
FE241が再びFEnに達したとき、すなわち時刻t3のときLD強度240をI1からI2へ上昇させる。I2へ上昇させた瞬間、上記同様にFE241は、FEj側へ一瞬で変位する。
時刻t2でLD強度240を上昇させた直後にアクチュエータ駆動信号242はFEj付近であるため、フォーカス制御が開始できる。
【0027】
フォーカス制御が安定する時刻t4まで、光ディスク装置は待ち、時刻t4になった後、フォーカス制御を一時停止して、アクチュエータ駆動信号242にアウトフォーカスとなるように3回目となるA1の信号を入力する。このため、対物レンズ位置243は、L0からアウトフォーカス側へ移動し、FE241は対物レンズ位置243の位置に応じて負側へと変位する。
FE241がFEnに達したとき、すなわち時刻t5のとき、LD強度240をI2からI3へ上昇させる。I2へ上昇させた瞬間、上記同様にFE241は、FEj側へ一瞬で変位する。
時刻t5でLD強度240を上昇させた直後にアクチュエータ駆動信号242はFEj付近であるため、また安定したフォーカス制御がすぐに開始できる。フォーカス制御が安定する時刻Twまで、光ディスク装置は待ち、記録を開始する。
【0028】
上記制御においてもトラック制御が不能となることなく、LD強度を目標まで上昇させることができる。実施例1と異なり、フォーカス制御のON、OFFを切り替えるため、時刻は要するが、フォーカス制御がOFFとなる時刻が短いため、実施例1より、安定した制御であると言える。
なお、LD強度240をI2から目標のI3まで上昇させるとき、必要なLD強度の上昇量がFEnからFEjまで変位するより小さい場合は、もちろんFE241がFEnになるまで待つ必要は無く、FEjとFEnの間の値にLD強度240を上昇させてもなんら構わない。
また、実施例では、I0からI3まで3ステップでLD強度を上昇させる例を説明したが、2ステップや4ステップであってもなんら構わなく、FE241をモニタしTE許容範囲137を超えないようにすれば良い。
また、時刻Tsと時刻t1の間でのアクチュエータ駆動信号242に対するFE241の変位をデータとして光ディスク装置が記憶することで、FEをモニタすることなく、アクチュエータ駆動信号242を注入したあと時刻Tsと時刻t1の間の時刻だけ待つという手段でも上記は実現できる。
【0029】
次に図11を用いて動作フローについて説明する。図11は、記録時にLD強度を上昇させるフローを図示したものである。また、この動作フローにおける光ディスク装置は、時刻Tsと時刻t1の間でのアクチュエータ駆動信号242に対するFE241の変位をデータとして記憶していることを想定している。
光ディスク装置は記録の動作を開始させる命令を受ける(符号250)。次にフォーカス制御を停止させる(符号251)。次にアクチュエータ駆動信号を注入する(符号252)。所定時間を空けてLD強度を上昇させる(符号253)。続けてアクチュエータ駆動信号への注入を停止し(符号257)、フォーカス制御を開始する(符号254)。このとき、フロントモニタでLD強度をモニタする(符号255)。LD強度が目標に達していない場合、再度フォーカス制御をOFFして、符号251から255までをLD強度が目標に達するまで繰り返す。フロントモニタで目標のLD強度になった後(符号255)、記録を開始させる(符号256)
時刻Tsと時刻T1の間でのFE241の変位をデータとして持たせたことで、FEをモニタすることなく、目標のLD強度まで上昇させることが可能である。すなわち時刻は要するものの実施例1よりも簡単に制御ができるといえる。
【実施例3】
【0030】
本発明における実施例3について図を用い説明する。ここでは実施例1とは異なる記録の動作について説明する。
図12を用いて記録時の光ディスク装置の制御方法について説明する。図12は、LD強度を再生時のI0から目標のI3まで上げるときの光ディスク装置における制御例を示すものである。図12は、図4同様の図であり、同様の点の説明は割愛する。まず、時刻Tsより前のとき、LD強度340は再生時のものでI0、フォーカス制御中のため、FE341は合焦点FEjであり、アクチュエータ駆動信号342は所定値A0、対物レンズ位置は初期値L0とする。
時刻Tsに記録の命令を光ディスク装置が受けると、光ディスク装置は、LD強度340をI0からI1へ上昇させる。光ディスク装置は、LD強度と色収差によるFEの変位量の関係を事前に学習させておき、フォーカス制御が不能にならない範囲、すなわちFEがFEpを超えない範囲で、I0とI1の差分を設定する。LD強度340をI1へ上昇させた瞬間、色収差により、FE341は、正の方向へと動く。実施例3ではフォーカス制御を続ける状態を想定している。このため、FEはFEjを目指したフォーカス制御がなされる。この時アクチュエータ駆動信号342は、FEの波形に応じてFEjとFEpの差分信号の逆信号として出力される。対物レンズ位置343は、アクチュエータ駆動信号342の信号に対応して、その位置を変える。
【0031】
光ディスク装置は、フォーカス制御が安定するt1まで時間を置き、LD強度340をI1からI2へ上昇させる。LD強度340をI2へ上昇させた瞬間、同様にFE341は、正の方向へと変位し、その直後にFEjを目指したフォーカス制御がなされる。この時アクチュエータ駆動信号342は、前記同様に、FEの波形に応じてFEjとFEpの差分信号の逆信号として出力される。対物レンズ位置343は、アクチュエータ駆動信号342の信号に対応して、その位置を変える。
【0032】
光ディスク装置は、フォーカス制御が安定するt2まで時間を置き、LD強度340をI2から目標のI3へ上昇させる。LD強度340をI3へ上昇させた瞬間、前記同様にFE341は、正の方向へと変位し、その直後にFEjを目指したフォーカス制御がなされる。この時アクチュエータ駆動信号342は、前記同様に、FEの波形に応じてFEjとFEpの差分信号の逆信号として出力される。 対物レンズ位置343は、アクチュエータ駆動信号342の信号に対応して、その位置がL1まで変わる。フォーカス制御が安定する時刻Twまで、光ディスク装置は待ち、記録を開始する。
【0033】
上記のように制御することで、フォーカス制御と、トラック制御をしたまま、LD強度を目標まで上昇させることが可能になる。実施例1や2と異なり、フォーカス制御を続けるため、フォーカス制御が安定するまでの待ち時間を要するが、フォーカス制御の切り替えが無い分、実施例1や2より、簡素な制御であると言える。ここでも、TE許容範囲137を超えないようにLD強度の上昇量を設定することが重要である。
【0034】
次に図13を用いて動作フローについて説明する。図13は、LD強度を上昇させるフローを図示したものである。
光ディスク装置は記録の動作を開始させる命令を受ける(符号350)。次にLD強度を上昇させる(符号351)。次にフロントモニタでLD強度をモニタする(符号352)。LD強度が目標に達していない場合、フォーカス制御が安定する時間だけ空けて再度LD強度を上昇させる(符号350)という具合に目標に達するまで繰り返す。フロントモニタでLD強度が目標値になった後(符号352)、記録を開始できる(符号353)
上記のように、FEをモニタすることなく、かつフォーカス制御のON、OFFをすることなく目標のLD強度まで上昇させることが可能となる。すなわち時間は要するものの実施例1、2よりも簡単な制御であると言える。
【実施例4】
【0035】
本発明における実施例4について図を用い説明する。ここでは実施例1において説明した欠陥を減らす方法について説明する。
図14を用いて記録する際の光ディスクの回転制御方法1について説明する。図14は、横軸が時刻、縦軸が光ディスクの回転速度を示したグラフである。欠陥の領域を小さくするためには、記録開始可能までの時間Tsと時刻Twの間の時間光ディスクの回転速度を下げると、仮想的に欠陥の領域を小さくできる。このため、図の回転速度401で示すように、記録開始する時刻Tsの上記した他処理を開始すると同時に光ディスクの回転速度を下げる。そして、記録のLD強度となるときに元の光ディスクの回転速度となるように変える。このように回転速度を可変とすることで、欠陥の領域を小さくすることが可能となる。
【0036】
次に図15に回転制御の変形例である光ディスクの回転制御方法2について説明する。図15も図14同様の図である。これは再生と記録のときの回転速度が異ならせた場合を想定している。仮想的に欠陥の領域を小さくするため、回転速度402で示すように再生調整は低速で行い、記録のLD強度となるときに所定の光ディスクの回転速度となるように変える。このように回転速度を可変とすることで、欠陥の領域を小さくすることが可能となる。
【0037】
図14、図15で示したように光ディスクの回転速度を落とすことで、実質的な欠陥領域を小さくすることが出来る。
【0038】
本実施形態の光ディスク装置は、上記した様に記録するLD強度となった後、すなわちTwから記録を開始するとしたが、もちろん記録は、記録開始Tsから開始しても良い。この場合は、TsからTwの間は後で再生できない領域となるため、所定の記録データの記録が終了した後にTsからTwの時刻のデータを再度記録するような処理をしても良い。
また、本実施例においては、LD強度を上昇させるときの動作を説明したが、逆にLD強度を下降させるときに用いてもなんら構わない。LD強度を変化させるときの動作であれば、本実施例に記載した内容に限るものではなく、記録から再生に戻る際の動作などに適用してもなんらかまわない。
また、実施例における光学ヘッドはLDが1個の構成で説明したが、もちろんLDが2個や3個の構成であっても良い。例えば、BD、DVD、CDなど3個のメディアに対応した回折現象を用いる互換の対物レンズを搭載した光学ヘッドでは、色収差が大きいことが課題として上げられる。斯様な光学ヘッドには、本発明は有効であると言える。
【0039】
以上説明したように、実施例における光ディスク装置は、光ビームを出射する光源、すなわちLDと、光ビームを光ディスクへ集光する対物レンズと、LDから出射されるLD強度を制御する出射強度制御回路、すなわちLD制御回路とを少なくとも備えている。
【0040】
また、実施例における光ディスク装置は、所定のLD強度である第一の光ビーム強度、すなわちI0からI0とは異なる第二の光ビーム強度、すなわちI3まで変化させるとき、第一の光ビーム強度と第二の光ビーム強度の間の強度、すなわちI1やI2を経てから変化させるようにLD制御回路を制御するコントロール回路を備えている。
【0041】
また、実施例における光ディスク装置は、光ディスクを反射した光ビームを受光する光検出器と、その光検出器からFEを生成するサーボ信号生成回路、すなわち信号生成回路とを備え、コントロール回路は、強度を1回変化させる際に、FEの変化が所定の範囲1、すなわちTE許容範囲に抑えるようにLD制御回路を制御させる。
【0042】
また、実施例における光ディスク装置は、対物レンズの位置を少なくとも光ディスクの法線方向と半径方向に駆動できる対物レンズ駆動装置、すなわちアクチュエータと、アクチュエータを制御するアクチュエータ駆動回路とを備え、信号生成回路は、光検出器から
TEを生成する機能を備えさせ、コントロール回路は、TEに基づき光ビームを所定のトラックに追従させるようにアクチュエータ駆動回路を制御する機能を備えさせ、TE許容範囲は、アクチュエータ駆動回路でトラックに追従できる範囲とする。
【0043】
また、TE許容範囲は、TEの振幅が半分となる範囲よりも小さく設定させる。
【0044】
また、実施例1ないし2における光ディスク装置のコントロール回路は、I0からI3まで変化させるとき、LD制御回路によりLD強度を変化させる時刻と同時または先に対物レンズが光ディスクの法線方向に駆動するようにアクチュエータ駆動回路を制御させる機能を有している。
また、実施例1の光ディスク装置では、TE許容範囲の一方を第一の閾値、すなわちFEn、他方を第二の閾値、すなわちFEpとすると、I0からI3まで変化させるとき、コントロール回路は、対物レンズが光ディスクの法線方向に駆動するようにアクチュエータ駆動回路を制御し、FEnまでFEが変化したときに、FEpまでFEが変化するようにLD制御回路によりLD強度を変化させる機能を有している。
【0045】
また、実施例1の光ディスク装置では、対物レンズが光ディスクの法線方向に駆動したときにFEがFEnまたはFEpとなるのに必要なLD制御回路の制御量を記憶するデータ保存回路を備え、I0からI3まで変化させるとき、コントロール回路はデータ保存回路から制御量を読み出し、アクチュエータ駆動回路を制御した後に、LD制御回路によりLD強度を変化させる機能を有している。
【0046】
また、実施例の光ディスク装置では、光ディスクへ記録する際に、I0を再生に必要なLD強度、I3を記録に必要なLD強度とすると、I0からI3へ変化させる間に光ディスクの回転速度を少なくとも1回変化させる機能を有している。
【0047】
また、実施例の光ディスク装置では、光ディスクへ記録する際に、I0を再生に必要なLD強度、I3を記録に必要なLD強度とすると、I0からI3へ変化させる間に光ビームが照射されたトラックの領域を欠陥領域として扱う機能を有する。
【0048】
また、実施例の光ディスク装置では、光ビームから出射したLD強度を検知する光強度検知器、すなわちフロントモニタを備え、コントロール回路は、フロントモニタからの信号によりLD制御回路を制御する機能を有している。
【符号の説明】
【0049】
001・・・光ディスク装置
002・・・光ディスク
101・・・光学ヘッド
102・・・LD
104・・・フロントモニタ
105・・・対物レンズ
108・・・光検出器
106・・・アクチュエータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ビームを出射する光源と、
前記光ビームを光ディスクへ集光する対物レンズと、
前記光源から出射される光ビームの強度を制御する出射強度制御回路と、
を少なくとも備えた光ディスク装置であって、
前記出射強度制御回路により、所定の光ビームの強度である第一の光ビーム強度から該第一の光ビーム強度とは異なる第二の光ビーム強度まで光ビームの強度を変化させる際、
該第一の光ビーム強度と第二の光ビーム強度の間の強度である第三の光ビーム強度に一旦変化させるように前記出射強度制御回路を制御するコントロール回路を備えさせたことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
請求項1記載の光ディスク装置であって、
更に、前記光ディスクを反射した前記光ビームを受光する光検出器と、
該光検出器からフォーカスエラー信号を生成するサーボ信号生成回路と、を備え、
前記コントロール回路は、前記第一の光ビーム強度から前記第三の光ビーム強度に光ビームの強度を変化させる際、前記フォーカスエラー信号の変位が所定の範囲内となるように前記出射強度制御回路を制御させる機能を持たせたことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項3】
請求項2記載の光ディスク装置であって、
更に、前記対物レンズの位置を少なくとも前記光ディスクの法線方向と半径方向に駆動できる対物レンズ駆動装置と、
該対物レンズ駆動装置を制御する対物レンズ位置制御回路と、を備え、
前記サーボ信号生成回路は、前記光検出器からトラックエラー信号を生成する機能を備え、
前記コントロール回路は、前記トラックエラー信号に基づき前記光ビームを所定のトラックに追従させるように前記対物レンズ位置制御回路を制御する機能を備え、
前記所定の範囲は、前記対物レンズ位置制御回路でトラックに追従できる範囲としたことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項4】
請求項3記載の光ディスク装置であって、
前記所定の範囲は、前記トラックエラー信号の振幅が半分となる範囲よりも小さくしたことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項5】
請求項3記載の光ディスク装置であって、
前記コントロール回路は、前記第一の光ビーム強度から前記第二の光ビーム強度まで変化させる際、
前記対物レンズが前記光ディスクの法線方向に駆動する駆動開始時刻は、前記出射強度制御回路により強度を変化させる変化開始時刻と略同時か、又は該変化開始時刻よりも先であることを特徴とする光ディスク装置。
【請求項6】
請求項3記載の光ディスク装置であって、
前記所定の範囲の一端を第一の閾値、他端を第二の閾値とすると、
前記第一の光ビーム強度から前記第二の光ビーム強度まで変化させる際、
前記コントロール回路は、前記対物レンズが前記光ディスクの法線方向に駆動するように前記対物レンズ駆動装置を制御し、
前記出射強度制御回路は、前記フォーカスエラー信号が第一の閾値に到達すると略同時に、前記第二の閾値まで前記フォーカスエラー信号を変化させるように光ビームの強度を変化させること特徴とする光ディスク装置。
【請求項7】
請求項3記載の光ディスク装置であって、
前記所定の範囲の一端を第一の閾値、他端を第二の閾値とすると、
前記フォーカスエラー信号が前記第一の閾値または前記第二の閾値となるための前記出射強度制御回路の制御量を記憶するデータ保存回路を備え、
前記第一の光ビーム強度から前記第二の光ビーム強度まで変化させる際、
前記コントロール回路は、前記データ保存回路から前記制御量を読み出して前記対物レンズ駆動装置を制御した後に、前記出射強度制御回路により光ビームの強度を変化させること特徴とする光ディスク装置。
【請求項8】
請求項3ないし7記載の光ディスク装置であって、
前記光ディスクへ記録する際に、前記第一の光ビーム強度を再生に必要な強度とし、前記第二の光ビーム強度を記録に必要な強度とすると、
前記第一の光ビーム強度から前記第二の光ビーム強度へ変化させる間に、光ディスクの回転速度を少なくとも1回変化させることを特徴とする光ディスク装置。
【請求項9】
請求項3ないし7記載の光ディスク装置であって、
前記光ディスクへ記録する際に、前記第一の光ビーム強度を再生に必要な強度とし、前記第二の光ビーム強度を記録に必要な強度とすると、
前記第一の光ビーム強度から前記第二の光ビーム強度へ変化させる間に光ビームが照射されたトラックの領域を欠陥領域として扱うことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項10】
請求項8または9記載の光ディスク装置であって、
前記光ビームから出射した光ビームの強度を検知する光強度検知器を備え、
前記コントロール回路は、前記光強度検知器からの信号により前記出射強度制御回路を制御することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項1】
光ビームを出射する光源と、
前記光ビームを光ディスクへ集光する対物レンズと、
前記光源から出射される光ビームの強度を制御する出射強度制御回路と、
を少なくとも備えた光ディスク装置であって、
前記出射強度制御回路により、所定の光ビームの強度である第一の光ビーム強度から該第一の光ビーム強度とは異なる第二の光ビーム強度まで光ビームの強度を変化させる際、
該第一の光ビーム強度と第二の光ビーム強度の間の強度である第三の光ビーム強度に一旦変化させるように前記出射強度制御回路を制御するコントロール回路を備えさせたことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
請求項1記載の光ディスク装置であって、
更に、前記光ディスクを反射した前記光ビームを受光する光検出器と、
該光検出器からフォーカスエラー信号を生成するサーボ信号生成回路と、を備え、
前記コントロール回路は、前記第一の光ビーム強度から前記第三の光ビーム強度に光ビームの強度を変化させる際、前記フォーカスエラー信号の変位が所定の範囲内となるように前記出射強度制御回路を制御させる機能を持たせたことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項3】
請求項2記載の光ディスク装置であって、
更に、前記対物レンズの位置を少なくとも前記光ディスクの法線方向と半径方向に駆動できる対物レンズ駆動装置と、
該対物レンズ駆動装置を制御する対物レンズ位置制御回路と、を備え、
前記サーボ信号生成回路は、前記光検出器からトラックエラー信号を生成する機能を備え、
前記コントロール回路は、前記トラックエラー信号に基づき前記光ビームを所定のトラックに追従させるように前記対物レンズ位置制御回路を制御する機能を備え、
前記所定の範囲は、前記対物レンズ位置制御回路でトラックに追従できる範囲としたことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項4】
請求項3記載の光ディスク装置であって、
前記所定の範囲は、前記トラックエラー信号の振幅が半分となる範囲よりも小さくしたことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項5】
請求項3記載の光ディスク装置であって、
前記コントロール回路は、前記第一の光ビーム強度から前記第二の光ビーム強度まで変化させる際、
前記対物レンズが前記光ディスクの法線方向に駆動する駆動開始時刻は、前記出射強度制御回路により強度を変化させる変化開始時刻と略同時か、又は該変化開始時刻よりも先であることを特徴とする光ディスク装置。
【請求項6】
請求項3記載の光ディスク装置であって、
前記所定の範囲の一端を第一の閾値、他端を第二の閾値とすると、
前記第一の光ビーム強度から前記第二の光ビーム強度まで変化させる際、
前記コントロール回路は、前記対物レンズが前記光ディスクの法線方向に駆動するように前記対物レンズ駆動装置を制御し、
前記出射強度制御回路は、前記フォーカスエラー信号が第一の閾値に到達すると略同時に、前記第二の閾値まで前記フォーカスエラー信号を変化させるように光ビームの強度を変化させること特徴とする光ディスク装置。
【請求項7】
請求項3記載の光ディスク装置であって、
前記所定の範囲の一端を第一の閾値、他端を第二の閾値とすると、
前記フォーカスエラー信号が前記第一の閾値または前記第二の閾値となるための前記出射強度制御回路の制御量を記憶するデータ保存回路を備え、
前記第一の光ビーム強度から前記第二の光ビーム強度まで変化させる際、
前記コントロール回路は、前記データ保存回路から前記制御量を読み出して前記対物レンズ駆動装置を制御した後に、前記出射強度制御回路により光ビームの強度を変化させること特徴とする光ディスク装置。
【請求項8】
請求項3ないし7記載の光ディスク装置であって、
前記光ディスクへ記録する際に、前記第一の光ビーム強度を再生に必要な強度とし、前記第二の光ビーム強度を記録に必要な強度とすると、
前記第一の光ビーム強度から前記第二の光ビーム強度へ変化させる間に、光ディスクの回転速度を少なくとも1回変化させることを特徴とする光ディスク装置。
【請求項9】
請求項3ないし7記載の光ディスク装置であって、
前記光ディスクへ記録する際に、前記第一の光ビーム強度を再生に必要な強度とし、前記第二の光ビーム強度を記録に必要な強度とすると、
前記第一の光ビーム強度から前記第二の光ビーム強度へ変化させる間に光ビームが照射されたトラックの領域を欠陥領域として扱うことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項10】
請求項8または9記載の光ディスク装置であって、
前記光ビームから出射した光ビームの強度を検知する光強度検知器を備え、
前記コントロール回路は、前記光強度検知器からの信号により前記出射強度制御回路を制御することを特徴とする光ディスク装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−178202(P2012−178202A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−41096(P2011−41096)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000153535)株式会社日立メディアエレクトロニクス (452)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000153535)株式会社日立メディアエレクトロニクス (452)
【Fターム(参考)】
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