説明

光ディスク記録再生装置

【課題】光ディスクが挿入されてから再生されるまでの間、マウント処理中である旨の表示に代え、当該光ディスクの記録内容を示すタイトル名などをディスプレイ装置に表示させることができる光ディスク記録再生装置を提供する。
【解決手段】RMDの空き領域に予めタイトル情報が記録されたDVDが挿入され、マウント処理が開始し、ここで、マウント処理が開始してからマウント処理が終了するまでの間に、再生リストキーが押下されてタイトル情報表示モードに設定されたとき、記録時に予めRMDの空き領域に記録されたタイトル情報が読み出され、ディスプレイ装置にタイトル情報を示す再生リストが表示される。これにより、マウント処理中であっても記録タイトルの内容を早く把握することができ、ユーザにとっては使い勝手が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクに情報を記録したり、光ディスクに記録された情報を再生したりする光ディスク記録再生装置に関し、特に、光ディスクに記録されているタイトル情報(番組情報)を表示させる処理に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の光ディスク記録再生装置(DVDレコーダ)においては、DVD(Digital Versatile Disc)に記録されたタイトル(番組)を再生する場合、次のような手順で行われる。
【0003】
先ず、ユーザは、例えばリモコンの電源キーを押下すると、装置内のシステムコントローラは、装置の電源をオンする。そして、タイトル(番組)が記録されたDVDが挿入されると、システムコントローラは、DVDが挿入されたことを検知して、マウント処理を開始させる。即ち、システムコントローラは、DVDを少しの時間だけ回転させると共に、光ピックアップを駆動させることにより、各種ディスク情報を読み出すまでの処理(例えば図2のPCAとRMAとリードイン領域の情報を読み出すまでの処理)であるマウント処理を開始させる。
【0004】
ここで、マウント処理が開始してからマウント処理が終了するまでの間は、待ち時間があるので、従来の光ディスク記録再生装置では、起動中(ローディング中)などのメッセージ表示をディスプレイ装置に行い、ユーザに知らせている。前記マウント処理が終了して、起動中の表示が消えた後、ユーザは、再生リストキーを押下すると、システムコントローラは、RMD領域から読み出したタイトル情報(番組情報)を再生リストとしてディスプレイ装置に表示させる。
【0005】
そして、ディスプレイ装置に表示された再生リストからユーザが再生させたいタイトル名が、ユーザによるリモコンの操作により選択・決定されたとき、システムコントローラは、タイトル情報(再生リスト)の表示を消去し、前記選択・決定されたタイトル名のタイトル(番組)をDVDのデータ領域から読み出して再生させ、ディスプレイ装置の再生映像を表示させると共に、再生音声をスピーカから出力させる。
【0006】
【特許文献1】特開2001−101840号公報
【特許文献2】特開2002−170361号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上のような処理により、従来の光ディスク記録再生装置は、DVDに記録されたタイトルを再生する場合、前述したように、マウント処理が開始してからマウント処理が終了するまでの間は、待ち時間があるので、起動中(ローディング中)などのメッセージ表示をディスプレイ装置に行って、現在、装置が起動中であることをユーザに知らせているが、ユーザにとってはマウント処理中の待ち時間が無駄になるという課題が生じる。
【0008】
なお、特許文献1の従来技術では、映像情報に関連した管理情報を、記録媒体に記録の映像情報本体とは別な高速アクセスが可能な場所に記録し、記録媒体の挿入時に管理情報を高速で読み出すことにより、記録内容を迅速に表示するようにしているが、記録媒体の挿入時に管理情報を高速で読み出し、記録内容を迅速に表示する処理は、前述したようなマウント処理中に行っているという開示がないので、マウント処理が開始してからマウント処理が終了するまでの時間が遅れて、この結果、再生開始時間が遅れるという課題が生じる。
【0009】
特許文献2の従来技術では、タイトルを管理するための管理領域を予め確保し、光ディスク挿入直後にユーザが必要とする情報を前記管理領域に記録することにより、光ディスク挿入時に全てのコンテンツタイトルを瞬時にユーザに提示するようにしているが、この従来技術も、前記全てのコンテンツタイトルの提示をマウント処理中に行っているという開示がないので、マウント処理が開始してからマウント処理が終了するまでの時間が遅れて、この結果、再生開始時間が遅れるという課題が生じる。
【0010】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、光ディスクが挿入されてから再生されるまでの間、マウント処理中である旨の表示に代え、当該光ディスクに記録されている内容を示すタイトル名などをディスプレイ装置に表示させることができる光ディスク記録再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、記録時に光ディスクのレコーディングマネージメントデータ領域の空き領域にタイトル情報を記録させるタイトル情報記録手段と、光ディスクが挿入されたことを検知してマウント処理を開始させるマウント処理開始手段と、マウント処理が開始してからマウント処理が終了するまでの間にタイトル情報をディスプレイ装置に表示させるためのタイトル情報表示モードに設定されたか否かを判定するタイトル情報表示モード判定手段と、前記タイトル情報表示モードに設定されたと判定されたとき、記録時に光ディスクのレコーディングマネージメントデータ領域の空き領域に予め記録されたタイトル情報を読み出すタイトル情報読出手段と、前記読み出されたタイトル情報をディスプレイ装置に表示させるタイトル情報表示手段と、前記タイトル情報をディスプレイ装置に表示している間に引き続く前記マウント処理で各種ディスク情報を前記レコーディングマネージメントデータ領域およびリードイン領域から読み出すディスク情報読出手段と、前記各種ディスク情報が読み出されてマウント処理が終了した後、ディスプレイ装置に表示されたタイトル情報から再生させたいタイトル名がユーザ操作により選択・決定されたとき、前記タイトル情報の表示を消去するタイトル情報消去手段と、前記タイトル情報の表示が消去された後、前記ユーザ操作により選択・決定されたタイトル名のタイトルを光ディスクから再生させる再生制御手段と、を有するシステムコントローラを備えたことを特徴とする光ディスク記録再生装置を提供する。
【0012】
この構成において、レコーディングマネージメントデータ領域(RMD領域)に予めタイトル情報が記録され、タイトルが記録された光ディスクが挿入されると、マウント処理開始手段は、光ディスクが挿入されたことを検知して、マウント処理を開始させる。ここで、マウント処理が開始してからマウント処理が終了するまでの間に、タイトル情報表示モード判定手段は、タイトル情報表示モードに設定されたか否かを判定する。前記タイトル情報表示モードに設定されたと判定されたとき、タイトル情報読出手段は、記録時に予めRMDの空き領域に記録されたタイトル情報を読み出す。
【0013】
次に、タイトル情報表示手段は、光ディスクのRMD領域から読み出されたタイトル情報をディスプレイ装置に表示させる。そして、前記タイトル情報がディスプレイ装置に表示されている間に、ディスク情報読出手段は、引き続く前記マウント処理で各種ディスク情報をRMD領域とリードイン領域から読み出す。前記各種ディスク情報が読み出されてマウント処理が終了した後、タイトル情報消去手段は、ディスプレイ装置に表示されたタイトル情報からユーザが再生させたいタイトル名が、ユーザ操作により選択・決定されたことを検知したとき、ディスプレイ装置に表示されているタイトル情報を消去する。そして、再生制御手段は、ユーザ操作により選択・決定されたタイトル名のタイトルを光ディスクから読み出して再生させる。
【0014】
この構成によれば、光ディスクが挿入されてから再生されるまでの間、マウント処理中である旨の表示に代え、当該光ディスクに記録されている内容を示すタイトル名などをディスプレイ装置に表示させることができるので、ユーザは、マウント処理の完了を待つ時間を有効に利用して、記録タイトルの内容を早く把握
することができる。また、タイトル情報がディスプレイ装置に表示されている間でも、各種ディスク情報の読み出しを行うことができるので、マウント処理の終了が遅くなることはなく、再生開始時間が遅れるようなことがない。
【0015】
請求項2の発明は、記録時に光ディスクのレコーディングマネージメントデータ領域の空き領域にタイトル情報を記録させるタイトル情報記録手段と、光ディスクが挿入されたことを検知してマウント処理を開始させるマウント処理開始手段と、マウント処理が開始してからマウント処理が終了するまでの間にタイトル情報をディスプレイ装置に表示させるためのタイトル情報表示モードに設定されたか否かを判定するタイトル情報表示モード判定手段と、前記タイトル情報表示モードに設定されたと判定されたとき、記録時に光ディスクのレコーディングマネージメントデータ領域の空き領域に予め記録されたタイトル情報を読み出すタイトル情報読出手段と、前記読み出されたタイトル情報をディスプレイ装置に表示させるタイトル情報表示手段と、を有するシステムコントローラを備えたことを特徴とする光ディスク記録再生装置を提供する。
【0016】
この構成において、レコーディングマネージメントデータ領域(RMD領域)に予めタイトル情報が記録され、タイトルが記録された光ディスクが挿入されると、マウント処理開始手段は、光ディスクが挿入されたことを検知して、マウント処理を開始させる。ここで、マウント処理が開始してからマウント処理が終了するまでの間に、タイトル情報表示モード判定手段は、タイトル情報表示モードに設定されたか否かを判定する。前記タイトル情報表示モードに設定されたと判定されたとき、タイトル情報読出手段は、記録時に予めRMDの空き領域に記録されたタイトル情報を読み出す。そして、タイトル情報表示手段は、光ディスクのRMD領域から読み出されたタイトル情報をディスプレイ装置に表示させる。
【0017】
この構成によれば、光ディスクが挿入されてから再生されるまでの間、マウント処理中である旨の表示に代え、当該光ディスクに記録されている内容を示すタイトル名などをディスプレイ装置に表示させることができるので、ユーザは、マウント処理の完了を待つ時間を有効に利用して、記録タイトルの内容を早く把握
することができる。
【0018】
請求項3の発明では、請求項2の発明において、前記システムコントローラは、前記タイトル情報をディスプレイ装置に表示している間に引き続く前記マウント処理で各種ディスク情報を前記レコーディングマネージメントデータ領域およびリードイン領域から読み出すディスク情報読出手段と、前記各種ディスク情報が読み出されてマウント処理が終了した後、ディスプレイ装置に表示されたタイトル情報から再生させたいタイトル名がユーザ操作により選択・決定されたとき、前記タイトル情報の表示を消去するタイトル情報消去手段と、前記タイトル情報の表示が消去された後、前記ユーザ操作により選択・決定されたタイトル名のタイトルを光ディスクから再生させる再生制御手段とを有することを特徴とする。
【0019】
したがって、前記システムコントローラは、ディスク情報読出処理、タイトル情報消去処理、および再生制御処理を実現でき、これにより、タイトル情報がディスプレイ装置に表示されている間でも、各種ディスク情報の読み出しを行うことができ、また、再生したいタイトルが選択・決定されれば、タイトル情報の表示を消去でき、再生したいタイトルを再生させることが可能になる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように本発明によれば、記録時に光ディスクのレコーディングマネージメントデータ領域の空き領域にタイトル情報を記録させるタイトル情報記録手段と、光ディスクが挿入されたことを検知してマウント処理を開始させるマウント処理開始手段と、マウント処理が開始してからマウント処理が終了するまでの間にタイトル情報をディスプレイ装置に表示させるためのタイトル情報表示モードに設定されたか否かを判定するタイトル情報表示モード判定手段と、前記タイトル情報表示モードに設定されたと判定されたとき、記録時に光ディスクのレコーディングマネージメントデータ領域の空き領域に予め記録されたタイトル情報を読み出すタイトル情報読出手段と、前記読み出されたタイトル情報をディスプレイ装置に表示させるタイトル情報表示手段と、前記タイトル情報をディスプレイ装置に表示している間に引き続く前記マウント処理で各種ディスク情報を前記レコーディングマネージメントデータ領域およびリードイン領域から読み出すディスク情報読出手段と、前記各種ディスク情報が読み出されてマウント処理が終了した後、ディスプレイ装置に表示されたタイトル情報から再生させたいタイトル名がユーザ操作により選択・決定されたとき、前記タイトル情報の表示を消去するタイトル情報消去手段と、前記タイトル情報の表示が消去された後、前記ユーザ操作により選択・決定されたタイトル名のタイトルを光ディスクから再生させる再生制御手段とを有するシステムコントローラを備えたので、光ディスクが挿入されてから再生されるまでの間、マウント処理中である旨の表示に代え、当該光ディスクに記録されている内容を示すタイトル名などをディスプレイ装置に表示させることができ、これにより、ユーザは、マウント処理の完了を待つ時間を有効に利用して、記録タイトルの内容を早く把握することができる。また、タイトル情報がディスプレイ装置に表示されている間でも、各種ディスク情報の読み出しを行うことができるので、マウント処理の終了が遅くなることはなく、再生開始時間が遅れるようなことがない。
【0021】
また、本発明によれば、記録時に光ディスクのレコーディングマネージメントデータ領域の空き領域にタイトル情報を記録させるタイトル情報記録手段と、光ディスクが挿入されたことを検知してマウント処理を開始させるマウント処理開始手段と、マウント処理が開始してからマウント処理が終了するまでの間にタイトル情報をディスプレイ装置に表示させるためのタイトル情報表示モードに設定されたか否かを判定するタイトル情報表示モード判定手段と、前記タイトル情報表示モードに設定されたと判定されたとき、記録時に光ディスクのレコーディングマネージメントデータ領域の空き領域に予め記録されたタイトル情報を読み出すタイトル情報読出手段と、前記読み出されたタイトル情報をディスプレイ装置に表示させるタイトル情報表示手段とを有するシステムコントローラを備えたので、光ディスクが挿入されてから再生されるまでの間、マウント処理中である旨の表示に代え、当該光ディスクに記録されている内容を示すタイトル名などをディスプレイ装置に表示させることができ、これにより、ユーザは、マウント処理の完了を待つ時間を有効に利用して、記録タイトルの内容を早く把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の一実施形態に係る光ディスク記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【0023】
図1において、この光ディスク記録再生装置は、装置全体を制御するシステムコントローラ22と、DVDまたはCDなどの光ディスク1を回転させるスピンドルモータ5と、光ディスク1に対して情報の書き込み/読み出しを光学的に行う光ピックアップ2と、この光ピックアップ2を光ディスク1の半径方向に移動させるためのスレッド3と、システムコントローラ22の指示に応じて、モータ駆動回路34を通じてスピンドルモータ5、およびスレッド3を駆動すると共に、光ピックアップ2に内蔵された対物レンズ(図示せず)を動かすことによりレーザ光の焦点位置を光ディスク1の記録面に対して垂直方向および水平方向に移動させる制御を行うサーボ制御部4とを備えている。
【0024】
また、この光ディスク記録再生装置は、光ディスク1の再生時に光ピックアップ2からの読取信号であるRF信号を増幅するRFアンプ6と、このRFアンプ6から出力されたRF信号をデジタルデータに変換した後に光ディスク1のデータフォーマットに応じた信号復調処理と誤り訂正処理を行って生成したデータをバッファメモリとしてのRAM7に格納するデジタル信号処理部8と、システムコントローラ22の指示に応じてデジタル信号処理部8から出力されたデータストリームの中からオーディオデータとサブピクチャデータとビデオデータとを分離するストリーム分離部9とを備えている。
【0025】
また、この光ディスク記録再生装置は、ストリーム分離部9から出力されたオーディオデータを入力して所定のデコード処理を行うオーディオデコーダ11と、このオーディオデコーダ11でのデコード処理を行うためにデータを一時的に格納するRAM10と、ストリーム分離部9から出力されたサブピクチャデータを入力して所定のデコード処理を行うサブピクチャデコーダ13と、このサブピクチャデコーダ13でのデコード処理を行うためにデータを一時的に格納するRAM12と、ストリーム分離部9から出力されたビデオデータを入力してMPEGなどでデコード処理を行うビデオデコーダ15と、このビデオデコーダ15でのデコード処理を行うためにデータを一時的に格納するRAM14とを備えている。
【0026】
また、この光ディスク記録再生装置は、システムコントローラ22の指示に応じてビデオデコーダ15から出力されたデータとサブピクチャデコーダ13から出力されたデータとを合成するビデオプロセッサ17と、このビデオプロセッサ17から出力された合成データを表示用のビデオ信号に変換して画像をディスプレイ装置20に表示させるビデオエンコーダ18と、オーディオデコーダ11から出力されたデータをアナログのオーディオ信号に変換して図示しない音声回路を介して例えばスピーカ19に供給するD/A変換器16とを備えている。
【0027】
また、この光ディスク記録再生装置は、システムコントローラ22に対して、記録指示を与えるための記録キー、再生指示を与えるための再生キー、記録や再生の停止指示を与えるための停止キーなど、各種操作キーを有するリモコン21と、このリモコン21の操作キーよりも少ない操作キーを有する本体操作部(図示せず)とを備えている。また、この光ディスク記録再生装置は、装置の各構成要素を制御したり、装置全体を制御したりするためのプログラムやデータなどが記憶されたフラッシュROM23と、このフラッシュROM23のプログラムやデータに従って演算処理を行いシステムコントローラ22を制御するCPU24と、このCPU24の演算処理に必要なデータを一時的に格納するRAM27と、フラッシュROM23に記憶されている操作内容などの情報をディスプレイ装置20に表示させる際にOSD(オンスクリーンディスプレイ)処理するOSD回路35とを備えている。
【0028】
また、この光ディスク記録再生装置は、アンテナ28に接続されデジタルチューナとアナログチューナの機能を有するチューナ29と、このチューナ29で選局されたテレビ放送の映像音声信号、あるいは図示しないテレビ受信機や他の映像音声出力機器からの映像音声信号をエンコードできるようにデジタルの映像音声データに変換するA/D変換回路30と、前記映像音声データをMPEGなどでエンコードするエンコーダ31と、前記エンコードした映像音声データ(以下エンコードデータと言う)を一時的に所定量だけ格納するバッファメモリとしてのRAM32と、記録データ変調回路25と接続するインターフェースであるATAPI(AT Attachment Packet Interface)33と、このATAPI33から送られてきたエンコードデータを光ディスク1に記録するために変調をかける記録データ変調回路25と、この記録データ変調回路25により変調された変調データに基づいて光ピックアップ2から出射するレーザ光を変調させるためのレーザ変調信号を光ピックアップ2に出力するレーザ変調回路26とを備えている。
【0029】
システムコントローラ22は、本実施形態の特徴とする構成要素として、記録時に光ディスク1のRMD領域の空き領域にタイトル情報を記録させるタイトル情報記録手段と、光ディスク1が挿入されたことを検知してマウント処理を開始させるマウント処理開始手段と、マウント処理が開始してからマウント処理が終了するまでの間にタイトル情報をディスプレイ装置20に表示させるためのタイトル情報表示モードに設定されたか否かを判定するタイトル情報表示モード判定手段と、前記タイトル情報表示モードに設定されたと判定されたとき、記録時に光ディスク1のRMD領域の空き領域に予め記録されたタイトル情報を読み出すタイトル情報読出手段と、前記読み出されたタイトル情報をディスプレイ装置20に表示させるタイトル情報表示手段と、前記タイトル情報をディスプレイ装置20に表示している間に引き続く前記マウント処理で各種ディスク情報をRMD領域およびリードイン領域から読み出すディスク情報読出手段と、前記各種ディスク情報が読み出されてマウント処理が終了した後、ディスプレイ装置20に表示されたタイトル情報から再生させたいタイトル名がユーザ操作により選択・決定されたとき、前記タイトル情報の表示を消去するタイトル情報消去手段と、前記タイトル情報の表示が消去された後、前記ユーザ操作により選択・決定されたタイトル名のタイトルを光ディスク1から再生させる再生制御手段とを有する。
【0030】
図2は本実施形態においてDVDにおける記録領域のフォーマットを説明するための構成図である。図2に示すようにDVDには、記録時のレーザパワーを最適化するためにテストデータを記録するテスト領域であるPCA(Power Calibration Area)、記録管理領域であるRMA(Recording Management Area)、DVDをアクセスするのに必要なパラメータが記録されるリードイン(Lead-in)領域、映像情報や音声情報などのデータが記録されるデータ領域、およびDVDをアクセスするのに必要なパラメータが記録されるリードアウト(Lead-out)領域が存在し、RMAには、RMAリードインのデータとRMD(Recording Management Data)が記録される。RMAリードインのデータには、ドライブ製造者IDやシリアル番号、ディスクIDなどを含む。また、RMDは、OPC(Optimum Power Control)関連情報やデータ領域情報、記録モード情報などを含む。RMDは、セット♯1〜セット♯28までの28個のセットで構成され、各セットは5個のブロックから構成される。
【0031】
各ブロックは、連結損失領域およびフィールド0〜フィールド14を含む。各ブロックの大きさは32KBであり、フィールド0〜フィールド14には、当該DVDが例えば、DVD−RWであれば、DVD−RWのモード(インクリメンタル・モード、ディスク・アットワンス・モード、オーバライト・モード)に応じて異なる情報が記録される。例えば、追記モードでありデータを順次追加記録でき、データの記録が完了したときに、その情報をRMAに記録する前記インクリメンタル・モードにおいては、フィールド0に共通情報、フィールド1にOPC情報やRMDセットのポインタ情報、フィールド2にユーザ指定データや消去操作情報が記録される。その消去操作情報とは、消去位置や消去回数を示す情報である。以上説明した各種情報は、本実施形態で言う各種ディスク情報に相当する。
【0032】
図3は本実施形態において記録時の処理を説明するためのフローチャートである。このフローチャートおよび図1、図2を参照して記録時の処理について説明する。
【0033】
先ず、ユーザが例えばリモコン21の電源キーを押下すると、システムコントローラ22は、装置の電源をオンする(ステップS1)。そして、記録可能なDVDが装置に挿入されると、システムコントローラ22は、DVDが挿入されたことを検知し(ステップS2)、この後、例えば、リモコン21の記録キーが押下されると、これにより、記録指示されたことを検知し(ステップS3)、サーボ制御部4およびモータ駆動回路34を介してスピンドルモータ5を駆動させることによりDVDを少しの時間だけ回転させると共に、サーボ制御部4を介して光ピックアップ2を駆動させ、DVDのPCAに対してテストデータを試し書きし、光ピックアップ2の記録時のレーザパワーを最適化した後、チューナ29で選局されたタイトル(番組)を記録開始させる。この際、システムコントローラ22のタイトル情報記録手段は、DVDのRMDの空き領域にタイトル情報(番組情報)を記録させる(ステップS4)。
【0034】
即ち、システムコントローラ22は、チューナ29で選局して受信したテレビ放送信号に含まれるタイトル情報(番組情報)を、チューナ29内の図示しない信号分離回路により取り出して、A/D変換回路30、エンコーダ31、RAM32、ATAPI33、記録データ変調回路25、レーザ変調回路26、および光ピックアップ2の各動作により、そのタイトル情報(番組情報)をDVDのRMDの空き領域にタイトル情報(番組情報)を書き込む。このタイトル情報(番組情報)は、例えば、デジタルテレビ放送においては、テレビ放送信号と共に送信されてきたEITの情報(番組情報)としてのタイトル名(番組名)やチャンネルや放送日時などを示す情報)であり、また、アナログテレビ放送においても、テレビ放送信号と共に送信されてきた番組情報としてのタイトル名(番組名)やチャンネルや放送日時などを示す。
【0035】
そして、そのタイトル(番組)の記録が終了すると(ステップS6)、システムコントローラ22は、DVDのRMAおよびリードイン領域に各種ディスク情報を記録させる(ステップS7)。なお、ファイナライズ処理を行う場合には、DVDのリードアウト領域にも、ディスク情報を記録させる。即ち、システムコントローラ22は、DVDにタイトル(番組)を記録した後に、再生させることを可能にするための必要な各種ディスク情報を、ATAPI33を介して記録データ変調回路25に入力し、記録データ変調回路25、レーザ変調回路26、および光ピックアップ2の各動作により、タイトル情報(番組情報)をDVDのRMAおよびリードイン領域に記録する。そして、システムコントローラ22は、RMAの領域およびリードイン領域への各種ディスク情報の記録が完了したと判定すると(ステップS8)、当該タイトル(当該テレビ場番組)に対する記録処理を終了させる。
【0036】
図4は本実施形態において再生時の処理を説明するためのフローチャートである。このフローチャートおよび図1、図2を参照して再生時の処理について説明する。
【0037】
先ず、ユーザが例えばリモコン21の電源キーを押下すると、システムコントローラ22は、装置の電源をオンする(ステップN1)。そして、RMD領域に予めタイトル情報(番組情報)が記録され、タイトル(番組)が記録されたDVDが挿入されると、システムコントローラ22のマウント処理開始手段は、DVDが挿入されたことを検知して(ステップN2)、マウント処理を開始させる(ステップN3)。即ち、マウント処理開始手段は、サーボ制御部4およびモータ駆動回路34を介してスピンドルモータ5を駆動させることによりDVDを少しの時間だけ回転させると共に、サーボ制御部4を介して光ピックアップ2を駆動させることにより、DVDから各種ディスク情報を読み出すまでの処理(図2に示すPCAとRMAとリードイン領域の各情報を読み出すまでの処理)であるマウント処理を開始させる。なお。RMAはRMAリードイン領域およびRMD領域を含む領域である。
【0038】
ここで、マウント処理が開始してからマウント処理が終了するまでの間に、システムコントローラ22のタイトル情報表示モード判定手段は、リモコン21の再生リストキーが押下されてタイトル情報(番組情報)をディスプレイ装置20に表示させるためのタイトル情報表示モードに設定されたか否かを判定する(ステップN4)。前記タイトル情報表示モードに設定されたと判定されたとき、システムコントローラ22のタイトル情報読出手段は、記録時に予めRMDの空き領域に記録されたタイトル情報(番組情報)を読み出す(ステップN5)。
【0039】
次に、システムコントローラ22のタイトル情報読出手段は、DVDのRMDの空き領域から読み出されたタイトル情報(番組情報)を再生リストとしてディスプレイ装置20に表示させる(ステップN6)。そして、前記タイトル情報(番組情報)がディスプレイ装置20に表示されている間に、システムコントローラ22のディスク情報読出手段は、引き続く前記マウント処理で各種ディスク情報をRMA(RMAリードイン領域およびRMD領域)とリードイン領域から読み出す(ステップN7)。
【0040】
前記各種ディスク情報が読み出されてマウント処理が終了した後、システムコントローラ22のタイトル情報消去手段は、ディスプレイ装置20に表示された再生リストからユーザが再生させたいタイトル名(番組名)が、ユーザによるリモコン21の操作により選択・決定されたことを検知したとき(ステップN8)、ディスプレイ装置20に表示されているタイトル情報(番組情報)を消去する(ステップN9)。即ち、タイトル情報消去手段は、タイトル情報(番組情報)を示す再生リストをディスプレイ装置20の画面から消去する。そして、システムコントローラ22の再生制御手段は、前記ユーザ操作により選択・決定されたタイトル名(番組名)のタイトル(番組)をDVDのデータ領域から読み出して再生させ、ディスプレイ装置20に再生映像を表示させると共に、再生音声をスピーカ19から出力させる(ステップN10)。そして、システムコントローラ22は、当該タイトル(当該番組)の再生が終了したと判定すると(ステップN11)、本処理を終了させる。
【0041】
ステップN4において、前記タイトル情報表示モードに設定されてないと判定されたときには、システムコントローラ22のディスク情報読出手段は、引き続くマウント処理で各種ディスク情報をRMA(RMAリードイン領域とRMD領域)およびリードイン領域から読み出す(ステップN12)。そして、前記マウント処理が終了した後、システムコントローラ22のタイトル情報表示モード判定手段は、リモコン21の再生リストキーが押下されてタイトル情報(番組情報)をディスプレイ装置20に表示させるためのタイトル情報表示モードに設定されたか否かを判定する(ステップN13)。前記タイトル情報表示モードに設定されたと判定されたとき、システムコントローラ22のタイトル情報読出手段は、RMD領域から読み出されたタイトル情報(番組情報)を再生リストとしてディスプレイ装置20に表示させる(ステップN14)。
【0042】
この場合、RMD領域に予めタイトル情報(番組情報)が記録されているDVDに対して再生を行うときは、RMD領域に予め記録されているタイトル情報(番組情報)を読み出すことにより、ディスプレイ装置20にタイトル情報(番組情報)が表示されるが、RMD領域に予めタイトル情報(番組情報)が記録されていないDVDに対して再生を行うときは、従来通りマウント処理を終えた後のRMD領域からタイトル情報(番組情報)を読み出すことにより、ディスプレイ装置20にタイトル情報(番組情報)が再生リストとして表示されることになる。
【0043】
次に、システムコントローラ22のタイトル情報消去手段は、ディスプレイ装置20に表示された再生リストからユーザが再生させたいタイトル(番組)のタイトル名(番組名)が、ユーザによるリモコン21の操作により選択・決定されたとき(ステップN8)、前記タイトル情報(再生リスト)の表示を消去する(ステップN9)。そして、システムコントローラ22の再生制御手段は、前記ユーザ操作により選択・決定されたタイトル名のタイトル(番組)をDVDのデータ領域から読み出して再生させ、ディスプレイ装置20の再生映像を表示させると共に、再生音声をスピーカ19から出力させ、再生が終了したと判定すると(ステップN11)、本処理を終了させる。
【0044】
以上説明したように本実施形態によれば、マウント処理中であっても、リモコン21の再生リストキーが押下されると、ディスプレイ装置20にタイトル情報を示す再生リストが表示されるので、記録タイトルの内容を早く把握することができ、ユーザにとっては使い勝手が向上する。また、タイトル情報がディスプレイ装置20に表示されている間でも、各種ディスク情報の読み出しを行うことができるので、マウント処理の終了が遅くなることはなく、再生開始時間が遅れるようなことがない。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、DVDレコーダなどの光ディスク記録再生装置に利用可能であり、タイトル情報を示す再生リストを早く表示させることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施形態に係る光ディスク記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】前記実施形態においてDVDにおける記録領域のフォーマットを説明するための構成図である。
【図3】前記実施形態において記録時の処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】前記実施形態において再生時の処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0047】
1 光ディスク
20 ディスプレイ装置
22 システムコントローラ(タイトル情報記録手段、マウント処理開始手段、タイトル情報表示モード判定手段、タイトル情報読出手段、タイトル情報表示手段、ディスク情報読出手段、タイトル情報消去手段、再生制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクに情報を記録したり、光ディスクに記録された情報を再生したりする光ディスク記録再生装置において、
記録時に光ディスクのレコーディングマネージメントデータ領域の空き領域にタイトル情報を記録させるタイトル情報記録手段と、
光ディスクが挿入されたことを検知してマウント処理を開始させるマウント処理開始手段と、
マウント処理が開始してからマウント処理が終了するまでの間にタイトル情報をディスプレイ装置に表示させるためのタイトル情報表示モードに設定されたか否かを判定するタイトル情報表示モード判定手段と、
前記タイトル情報表示モードに設定されたと判定されたとき、記録時に光ディスクのレコーディングマネージメントデータ領域の空き領域に予め記録されたタイトル情報を読み出すタイトル情報読出手段と、
前記読み出されたタイトル情報をディスプレイ装置に表示させるタイトル情報表示手段と、
前記タイトル情報をディスプレイ装置に表示している間に引き続く前記マウント処理で各種ディスク情報を前記レコーディングマネージメントデータ領域およびリードイン領域から読み出すディスク情報読出手段と、
前記各種ディスク情報が読み出されてマウント処理が終了した後、ディスプレイ装置に表示されたタイトル情報から再生させたいタイトル名がユーザ操作により選択・決定されたとき、前記タイトル情報の表示を消去するタイトル情報消去手段と、
前記タイトル情報の表示が消去された後、前記ユーザ操作により選択・決定されたタイトル名のタイトルを光ディスクから再生させる再生制御手段と、を有するシステムコントローラを備えたことを特徴とする光ディスク記録再生装置。
【請求項2】
光ディスクに情報を記録したり、光ディスクに記録された情報を再生したりする光ディスク記録再生装置において、
記録時に光ディスクのレコーディングマネージメントデータ領域の空き領域にタイトル情報を記録させるタイトル情報記録手段と、
光ディスクが挿入されたことを検知してマウント処理を開始させるマウント処理開始手段と、
マウント処理が開始してからマウント処理が終了するまでの間にタイトル情報をディスプレイ装置に表示させるためのタイトル情報表示モードに設定されたか否かを判定するタイトル情報表示モード判定手段と、
前記タイトル情報表示モードに設定されたと判定されたとき、記録時に光ディスクのレコーディングマネージメントデータ領域の空き領域に予め記録されたタイトル情報を読み出すタイトル情報読出手段と、
前記読み出されたタイトル情報をディスプレイ装置に表示させるタイトル情報表示手段と、を有するシステムコントローラを備えたことを特徴とする光ディスク記録再生装置。
【請求項3】
前記システムコントローラは、前記タイトル情報をディスプレイ装置に表示している間に引き続く前記マウント処理で各種ディスク情報を前記レコーディングマネージメントデータ領域およびリードイン領域から読み出すディスク情報読出手段と、
前記各種ディスク情報が読み出されてマウント処理が終了した後、ディスプレイ装置に表示されたタイトル情報から再生させたいタイトル名がユーザ操作により選択・決定されたとき、前記タイトル情報の表示を消去するタイトル情報消去手段と、
前記タイトル情報の表示が消去された後、前記ユーザ操作により選択・決定されたタイトル名のタイトルを光ディスクから再生させる再生制御手段と、を有することを特徴とする請求項2に記載の光ディスク記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−130195(P2008−130195A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−316512(P2006−316512)
【出願日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】