説明

光ディスク記録装置、記録データ伝送方法および半導体装置

【課題】伝送線路のチャンネル数の増加を抑制することができる光ディスク記録装置を提供することである。
【解決手段】本発明にかかる光ディスク記録装置は、記録信号から、レーザ光のパワーレベルに対応する記録パルス情報を生成する記録パルス情報生成部11と、記録パルス情報を符号化した記録コードを生成する記録コード生成部12と、記録コードを伝送する伝送線路2と、記録コードを復号する復号コード生成部33と、を備える。記録コード生成部12は、パワーレベルの遷移がそれぞれグレイコードを用いて表現された循環コードに基づいて記録コードを生成する。復号コード生成部33は、所定のタイミングにおけるパワーレベルに対応した記録コードと当該所定のタイミングにおけるパワーレベルの直前のパワーレベルに対応した記録コードとを用いて記録コードを復号する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光ディスク記録装置および記録信号伝送方法に関し、特に記録信号に応じた情報をレーザ光を用いて記録媒体に記録する光ディスク記録装置および当該記録信号の伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blue-ray Disc)に代表される光ディスク記録装置は、記録信号に応じたパルス状のレーザ光(以下、記録パルスともいう)を記録媒体(記録用光ディスク)に照射し、記録媒体の記録膜に記録マークを形成することで情報を記録する。このパルス状のレーザ光は、レーザの駆動電流に対応したパワーレベルとレーザ光を照射するタイミングとを示す記録パルス情報に基づき、光ピックアップ(OPU:Optical Pick Up)に搭載されたレーザダイオードドライバ(以下、LDD)がレーザダイオードを駆動することで生成される。
【0003】
光ディスク記録装置では、記録媒体の種類、記録マークおよびその間隔(スペース)の長さ、記録速度などの記録条件によって記録パルスを最適化する必要がある。このため、レーザ光のパワーレベルを多値化し、記録パルスのエッジ変化点を微小に制御する記録ストラテジと呼ばれる技術が用いられている。
【0004】
近年、光ディスク記録装置の技術分野では、記録速度の高速化や、ポータブル機器への搭載の増加に伴い、低電力化、小型化、および低価格化の必要性が高まってきている。一方、記録パルス情報は、光ディスク記録装置の基板上に搭載された信号処理LSIによって生成され、低電圧差動信号(以下、LVDS)を用いて、フレキシブルケーブルを介してLDDへ逐次伝送される。そして、近年、多値の記録パワーレベルが用いられるようになったことで、信号処理LSIからLDDへ伝送される記録パルス情報が増加し、これにより多チャンネルの伝送線路が必要となった。
【0005】
伝送線路のチャンネル数の増加は、光ディスク記録装置の小型化の妨げとなる。また、LVDS送信回路は一般的に1チャンネル当り3.5mAの電流を常時消費するため低電力化の妨げとなる。また、記録速度の高速化に従い記録パルス情報の周波数も高くなるが、フレキシブルケーブルによって伝送帯域が制限されるため、記録速度の向上の妨げとなる。
【0006】
特許文献1には、エラーレートを改善し、高品質な記録を実現可能な光ディスク記録装置に関する技術が開示されている。図23は、特許文献1に開示されている光ディスク記録装置を説明するためのブロック図である。特許文献1に開示されている光ディスク記録装置は、回路基板81と、伝送線路86と、光ピックアップ88とを備える。
【0007】
回路基板81は、ライトストラテジ生成回路83と、生成されたライトストラテジ信号を伝送するための低電圧差動信号(LVDS)ドライバ回路84と、を含む信号処理集積回路装置(DSP)82を備える。光ピックアップ88は、レーザダイオード(LD)91およびそれを駆動するレーザダイオードドライバ(LDD)89を備える。LDD89は複数の電流源90を備える。回路基板81が備えるDSP82と光ピックアップ88が備えるLDD89は、ライトストラテジ信号を伝送する伝送線路86を用いて接続されている。LVDSドライバ回路84の出力の差動間には、差動間抵抗85が設けられている。また、ライトストラテジ信号が供給されるLDD89には終端抵抗87が設けられている。
【0008】
特許文献1に開示されている光ディスク記録装置では、LVDSドライバ回路84の出力の差動間に差動間抵抗85を設けることで、伝送線路86のインピーダンス不整合に起因して発生する反射波を低減することができる。これにより、エラーレートを改善し、高品質な記録を実現可能な光ディスク記録装置を提供している。
【0009】
特許文献2には、レーザドライバに記録パルス情報を伝送する際に伝送線路数を減少させ、かつ高速記録において安定した記録性能を提供可能な光ディスク記録装置に関する技術が開示されている。
【0010】
図24は、特許文献2に開示されている光ディスク記録装置を示すブロック図である。特許文献2に開示されている光ディスク記録装置は、信号処理LSI(108)、伝送線路103、およびレーザドライバ104を備える。信号処理LSI(108)は、記録ストラテジテーブルメモリ314、記録ストラテジ生成回路315、マーク/スペース判定回路120、変調回路316、エンコード回路100、変換テーブルメモリ101、およびLVDS送信回路102を備える。
【0011】
レーザドライバ104は、LVDS受信回路105、変換テーブルメモリ106、デコード回路107、HF発生回路319、電流源回路304、およびスイッチ305〜309を備える。レーザダイオード302はレーザドライバ104で駆動される。そして、スピンドル301を用いて回転されている光ディスク300にレーザ光を照射することで、光ディスク300に情報が記録される。
【0012】
図24に示す光ディスク記録装置では、上位ホスト318から変調回路316に記録データが供給されると、信号処理LSI(108)内部の変調回路316から記録信号であるNRZと、NRZに同期した記録クロックCLKとがマーク/スペース判定回路120に出力される。マーク/スペース判定回路120は、NRZ、CLKが入力されるとマーク長、スペース長の判定を実施し、マーク、スペース情報を記録ストラテジ生成回路315に出力する。記録ストラテジ生成回路315は、入力されたマーク、スペース情報に対応した記録ストラテジの情報を、記録ストラテジテーブルメモリ314から読み出し、記録パルス情報L0、L1、L2、L3、およびHFonを生成する。
【0013】
図25は、図24に示す光ディスク記録装置の動作を示すタイミングチャートである。ここで、図25に示す記録信号200は変調回路316から出力されるNRZに対応し、記録マーク202は光ディスク300に形成される記録マークを示している。図25に示す記録パルス204は、記録パワーレベルPf、Pl、Pm、PsおよびPcを発生するタイミングと、高周波波形を重畳するタイミングとに分解できる。符号205〜208は、記録ストラテジ生成回路315からエンコード回路100に出力される記録パルス情報L0、L1、L2、L3、およびHFonの波形を示している。
【0014】
記録パルス情報L0、L1、L2、L3、およびHFonは、記録パルスのパワーレベルおよび変化のタイミングを示し、エンコード回路100に入力される。記録パルス情報L0、L1、L2、L3、およびHFonで示される各パルスの状態を、ビットの組み合わせで表すと、全体で5ビット32状態を取ることが可能である(図25のエンコード入力を参照)。しかし、図25に示すキャッスル型(5T Markに示す記録パルス形状)の場合、実際に記録パルスを生成するときに使用する記録パルスの状態をビットの組み合わせで表すと6状態となる。記録パルスの波形形状としては、ほかにマルチパルス形を用いた記録パターンがある。しかし、いずれも光ディスク記録に用いられる記録パルスの状態をビットの組み合わせで表したとしても高々8状態程度である。
【0015】
よって、図24に示す光ディスク記録装置では、エンコード回路100において、記録パルス情報L0、L1、L2、L3、およびHFonの組み合わせで示される5ビットのエンコード入力を3ビットのエンコード出力(図25のエンコード出力を参照)にエンコードしている。具体的には、変換テーブルメモリ101に記録パルスに対応した変換テーブルを格納しておき、記録ストラテジ生成回路315からの指令によって最適な変換テーブルを選択してエンコード回路100での変換を行う。なお、変換テーブルメモリ101に格納する変換テーブルは、光ディスク記録装置の制御を行うファームウェアなどでプログラマブルに設定可能な構成とする。
【0016】
変換された3ビットのエンコード出力は、LVDS送信回路102でLVDS信号に変換される。変換されたLVDS信号は信号処理LSI(108)から出力され、フレキシブルケーブルなどの伝送線路103を介して、光ピックアップ上に搭載されたLDD(104)のLVDS受信回路105に入力される。LVDS受信回路105で受信されたLVDS信号は、デコード回路107に入力される。デコード回路107では、信号処理LSI(108)内部で使用した変換テーブルと同様の変換テーブルをLDD内部の変換テーブルメモリ106から読み出して、入力されたエンコード出力からL0、L1、L2、L3、およびHFonの記録パルス情報を復元する。
【0017】
この処理を実現するため、LDD内部の変換テーブルメモリ106は、上記変換テーブルメモリ101と同様に光ディスク記録装置の制御を行うファームウェアなどでマイコン317からプログラマブルに設定可能な構成とし、変換テーブルメモリ101と同じ内容を登録しておく。このように信号処理LSIとLDDとの間の伝送信号をエンコードすることにより、従来はパルスタイミング情報を5本の記録パルス情報で伝送していたものを、コード化した3本のパルスでパルスタイミング情報を伝送することが可能となる。よって、伝送線路における信号線数の削減、および信号処理LSI、LDDのピン数削減が可能となる。
【0018】
また、特許文献2にかかる技術では、エンコードにグレイコードを使用している。グレイコードは、各コード値を状態としたときに状態遷移におけるビット変化を1ビットとするコードである。この状態遷移を図26に示す。記録パルスで取り得る記録パターンの主なものは、マルチパルスを用いたパルス列、キャッスル型のパルス列など数種類である。そして、これらの記録パターンは、パルス内のパワーレベルの変化がパターン化されているため、図26のグレイコードによる状態遷移に当てはめることが可能である。図25のタイミングチャートに示す5ビットのエンコード入力は、図25のタイミングチャートに示すエンコード出力のようにエンコードすることで、記録パルス情報をグレイコードで伝送することが可能である。Bit0、Bit1、Bit2はグレイコードを用いたときのエンコード出力の信号波形801〜803である。グレイコードでは状態遷移における変化が必ず1ビット、つまり1信号のみであるため、各エンコード出力信号の変化点、つまりエッジタイミングは重ならない。これにより、ビット信号間での位相、スキュー管理の問題を解決することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開2009−99233号公報
【特許文献2】特開2009−283095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
背景技術で説明したように、光ディスク記録装置では、記録信号に応じた情報をレーザ光を用いて記録媒体に記録する際に、記録条件に応じて記録パルスを最適化する記録ストラテジ技術が用いられている。この記録ストラテジ技術を用いる場合、レーザ光のパワーレベルを多値化する必要がある。しかしながら、レーザ光のパワーレベルを多値化すると、信号処理LSIからレーザダイオードドライバ(LDD)へ伝送される信号が増加するため、伝送線路の数(つまり、チャンネルの数)も増加するという問題がある。
【0021】
特許文献2に開示されている光ディスク記録装置では、エンコード回路100(図24参照)を用いることで、5ビットのエンコード入力を3ビットのエンコード出力にエンコードしている。これにより、伝送線路も5チャンネルから3チャンネルに減らすことができる。しかしながら、特許文献2にかかる技術を用いたとしても、伝送線路の数をこれよりも減らすことができない。具体的には、例えば5ビットの記録パルス情報を2チャンネルの伝送線路を用いて伝送することはできない。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明にかかる光ディスク記録装置は、記録信号に応じた情報をレーザ光を用いて記録媒体に記録する光ディスク記録装置であって、前記記録信号から、前記レーザ光のパワーレベルに対応する記録パルス情報を生成する記録パルス情報生成部と、前記記録パルス情報を符号化した記録コードを生成する記録コード生成部と、前記記録コードを伝送する伝送線路と、前記伝送された記録コードを復号して復号コードを生成する復号コード生成部と、を備える。前記記録コード生成部は、前記パワーレベルの遷移がそれぞれグレイコードを用いて表現された循環コードに基づいて前記記録コードを生成し、前記復号コード生成部は、所定のタイミングにおけるパワーレベルに対応した記録コードと当該所定のタイミングにおけるパワーレベルの直前のパワーレベルに対応した記録コードとを用いて前記記録コードを復号する。
【0023】
本発明にかかる光ディスク記録装置では、グレイコードを用いて表現された循環コードを用いると共に、直前のパワーレベルの状態を示す直前の記録コードをも含めて復号コードを生成しているので、伝送線路を介して伝送する際の信号のビット数を減らすことができる。
【0024】
本発明にかかる記録データ伝送方法は、記録信号に応じた情報をレーザ光を用いて記録媒体に記録する光ディスク記録装置における記録データ伝送方法であって、前記記録信号から、前記レーザ光のパワーレベルに対応する記録パルス情報を生成し、前記パワーレベルの遷移がそれぞれグレイコードを用いて表現された循環コードに基づいて、前記記録パルス情報を符号化した記録コードを生成し、前記記録コードを伝送し、所定のタイミングにおけるパワーレベルに対応した記録コードと当該所定のタイミングにおけるパワーレベルの直前のパワーレベルに対応した記録コードとを用いて、前記伝送された記録コードを復号して復号コードを生成する。
【0025】
本発明にかかる記録データ伝送方法では、グレイコードを用いて表現された循環コードを用いると共に、直前のパワーレベルの状態を示す直前の記録コードをも含めて復号コードを生成しているので、記録データを伝送する際の信号のビット数を減らすことができる。
【0026】
本発明にかかる半導体装置は、少なくとも5つの異なる状態をそれぞれ2ビットのデータに変換して出力する半導体装置であって、前記2ビットのデータは、前記状態が遷移した際のビットの変化が1ビットであり、現在の前記2ビットのデータと直前の前記2ビットのデータとに基づいて、現在の前記状態を特定可能であることを特徴とする半導体装置である。
【発明の効果】
【0027】
本発明により、伝送線路のチャンネル数の増加を抑制することができる光ディスク記録装置、記録データ伝送方法および半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】実施の形態1にかかる光ディスク記録装置を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1にかかる光ディスク記録装置が備える復号コード生成部を示す回路図である。
【図3】実施の形態1にかかる光ディスク記録装置の動作を示すタイミングチャートである(循環コードが第1の例の場合)。
【図4】実施の形態1にかかる光ディスク記録装置で用いられる循環コードの第1の例を示す図である。
【図5】記録パルス情報、パワーレベル、記録コード、および循環コードの関係の一例を示すテーブルである。
【図6】記録パルス情報、パワーレベル、および記録コードの関係を示すテーブルである。
【図7】復号コード、パワーレベル、およびパワーデータの関係の一例を示すテーブルである。
【図8】実施の形態1にかかる光ディスク記録装置で用いられる循環コードの第2の例を示す図である。
【図9】実施の形態1にかかる光ディスク記録装置の動作を示すタイミングチャートである(循環コードが第2の例の場合)。
【図10】実施の形態1にかかる光ディスク記録装置で用いられる循環コードの第3の例を示す図である。
【図11】実施の形態1にかかる光ディスク記録装置の動作を示すタイミングチャートである(循環コードが第3の例の場合)。
【図12】実施の形態1にかかる光ディスク記録装置で用いられる循環コードの第4の例を示す図である。
【図13】実施の形態1にかかる光ディスク記録装置の動作を示すタイミングチャートである(循環コードが第4の例の場合)。
【図14】実施の形態2にかかる光ディスク記録装置を示すブロック図である。
【図15】実施の形態2にかかる光ディスク記録装置が備える復号コード生成部を示す回路図である。
【図16】実施の形態2にかかる光ディスク記録装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図17】記録パルス情報、パワーレベル、出力コード、記録コード、および循環コードの関係の一例を示すテーブルである。
【図18】記録パルス情報、パワーレベル、出力コード、および記録コードの関係を示すテーブルである。
【図19】実施の形態2にかかる光ディスク記録装置で用いられる循環コードを示す図である。
【図20】実施の形態2にかかる光ディスク記録装置が備える記録コード生成部の動作を示すフローチャートである。
【図21】実施の形態2にかかる光ディスク記録装置が備える継続コード検出部の動作を示すフローチャートである。
【図22】伸張コード、復号コード、およびパワーレベルの関係を示すテーブルである。
【図23】特許文献1に開示されている技術を説明するための図である。
【図24】特許文献2に開示されている技術を説明するための図である。
【図25】特許文献2に開示されている技術を説明するための図である。
【図26】特許文献2に開示されている技術を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1にかかる光ディスク記録装置を示すブロック図である。本実施の形態にかかる光ディスク記録装置は、信号処理部1、伝送線路2、および光ピックアップ5を備える。光ピックアップ5には、レーザダイオードドライバ(LDD)3と当該LDD3で駆動されるレーザダイオード4とが搭載されている。
【0030】
信号処理部1は、記録パルス情報生成部11、記録コード生成部12、および低電圧差動信号(LVDS)送信部13、14を備える。
【0031】
記録パルス情報生成部11は、記録信号が供給されると、レーザ光のパワーレベルに対応する記録パルス情報PK2、PK1、WR、BS、およびHFを生成し、記録コード生成部12に出力する。ここで、記録信号は上位回路(不図示)から供給される信号であり、記録マークを記録媒体上に形成するための信号である。図3に、記録媒体上に形成される記録マークの形状と、当該記録マークを形成する際に記録パルス情報生成部11に供給される記録信号を示す。
【0032】
記録パルス情報は、図3に示すように、多値化したパワーレベル(OV、LP、MD、ER、CL、高周波波形重畳であり、この場合のパワーレベルの数は6である)を出力可能な記録パルスを、5ビットの信号(PK2、PK1、WR、BS、およびHF)に変換した信号である。この記録パルスは記録ストラテジ技術を用いて生成される。具体的には、図5に示すように、パワーレベルが"高周波波形重畳"の場合は、記録パルス情報(PK2、PK1、WR、BS、HF)を(0、0、0、1、1)とし、パワーレベルが"ER"の場合は(0、0、0、1、0)とし、パワーレベルが"OV"の場合は(1、1、1、1、0)とし、パワーレベルが"MD"の場合は(0、0、1、1、0)とし、パワーレベルが"LP"の場合は(0、1、1、1、0)とし、パワーレベルが"CL"の場合は(0、0、0、0、0)とする。
【0033】
図3に示す記録パルスはレーザダイオード4から出力されるレーザの波形に対応している。図3に示す記録信号(5T Mark)に対応する記録パルスの波形形状を一般的にキャッスル形と呼ぶ。また、記録信号(3T Mark)に示される記録パルスの波形形状を一般的にモノ形とよぶ。ここでTとは、CD、DVDおよびBDにおける最小基準時間を指し、3T Markは最小基準時間の3倍、5T Markは最小基準時間の5倍の時間である。なお、5T Markを形成する場合は、キャッスル形の記録パターンを用いる場合のほかに、記録媒体の種類、記録速度などの記録条件によって、モノ形やマルチパルス形を用いる場合もあり、3Tも同様に、モノ形の記録パターンのほか、マルチパルス形を用いる場合がある。
【0034】
なお、本実施の形態にかかる光ディスク記録装置では、例として記録パルス情報生成部11で生成される記録パルス情報を5ビットの情報としているが、記録パルス情報のビット数はこれに限定されることはなく任意に決定することができる。
【0035】
記録コード生成部12は、記録パルス情報生成部11で生成された記録パルス情報を符号化した記録コードRC1、RC2を生成する。例えば、記録コード生成部12は、記録パルス情報をパワーレベル数の平方根よりも少ないビット数で符号化することができる。本実施の形態にかかる光ディスク記録装置では、5ビットの記録パルス情報PK2、PK1、WR、BS、およびHFを符号化して、2ビットの記録コードRC1、RC2を生成している。この際、パワーレベル(OV、LP、MD、ER、CL、高周波波形重畳)の遷移がそれぞれグレイコードを用いて表現された循環コードが用いられる。
【0036】
図4は、本実施の形態にかかる光ディスク記録装置で用いられる循環コードの第1の例を示す図である。図4に示す各循環コードは、記録パルスの各パワーレベルを示しており、記録パルスのパワーレベルが次のパワーレベルに遷移する際、ビットの変化を1ビットとするグレイコードを使用している。例えば、高周波波形重畳の状態からパワーレベルERの状態に遷移する際、循環コードは"01"から"11"に遷移しており、この場合のビットの変化は1ビットである。
【0037】
記録コード生成部12は、例えば図5に示すテーブルを用いて、記録パルス情報(PK2、PK1、WR、BS、およびHF)を記録コードRC1、RC2に変換する。具体的には、記録パルス情報(PK2、PK1、WR、BS、HF)が(0、0、0、1、1)の時(パワーレベル:高周波波形重畳に対応)、記録コード(RC1、RC2)として(0、1)を生成し、記録パルス情報が(0、0、0、1、0)の時(ER)、記録コードとして(1、1)を生成し、記録パルス情報が(1、1、1、1、0)の時(OV)、記録コードとして(1、0)を生成し、記録パルス情報が(0、0、1、1、0)の時(MD)、記録コードとして(1、1)を生成し、記録パルス情報が(0、1、1、1、0)の時(LP)、記録コードとして(0、1)を生成し、記録パルス情報が(0、0、0、0、0)の時(CL)、記録コードとして(0、0)を生成する。
【0038】
なお、図5に示したテーブルは一例であり、一般的には図6に示すテーブルを用いることができる。図6に示したテーブルにおいて、記録コード(RC1、RC2)の"A"および"B"には、"0"または"1"の値を用いることができる。つまり、A="0"およびB="0"、A="0"およびB="1"、A="1"およびB="0"、またはA="1"およびB="1"を用いることができる。なお、A="0"およびB="1"を用いた場合は、図5に示したテーブルと同様となる。
【0039】
記録コード生成部12で生成された記録コードRC1、RC2はそれぞれ、LVDS送信部13、14に出力される。
【0040】
LVDS送信部13は、記録コードRC1が入力されると差動信号に変換し、伝送線路2を介してLVDS受信部31に出力する。同様に、LVDS送信部14は、記録コードRC2が入力されると差動信号に変換し、伝送線路2を介してLVDS受信部32に出力する。
【0041】
伝送線路2には、例えばフレキシブルケーブルが用いられる。一般的に、信号処理部1は光ディスク記録装置本体に固定されているのに対して、LDD3およびレーザダイオード4を搭載した光ピックアップ5は、記録媒体の任意の場所にアクセス可能に構成されている。よって、信号処理部1と、LDD3を含む光ピックアップ5とを接続する伝送線路2には、フレキシブルケーブルが用いられる。
【0042】
LDD3は、LVDS受信部31、32、復号コード生成部33、パワーレベル選択部34、デジタル−アナログ変換回路(以下、DAC)35、および終端抵抗36、37を備える。終端抵抗36、37は、LVDS受信部31、32のそれぞれの入力側に設けられている。
【0043】
LVDS受信部31は、LVDS送信部13から出力された差動信号が入力されると、2値化信号に変換した記録コードRC1を復号コード生成部33に出力する。同様に、LVDS受信部32は、LVDS送信部14から出力された差動信号が入力されると、2値化信号に変換した記録コードRC2を復号コード生成部33に出力する。
【0044】
復号コード生成部33は、伝送された記録コードを復号して復号コードを生成する。このとき、復号コード生成部33は、所定のタイミングにおけるパワーレベルに対応した記録コードと当該所定のタイミングにおけるパワーレベルの直前のパワーレベルに対応した記録コードとを用いて記録コードを復号する。
【0045】
図2は、復号コード生成部33の一例を示す回路図である。図2に示す復号コード生成部33は、クロック生成部XORと、記録コード保持部51と、を備える。クロック生成部XORは、例えば排他的論理和演算回路で構成することができる。クロック生成部XORは、各々の記録コードRC1、RC2が入力されたタイミングに基づいてクロックCLKを生成する。すなわち、クロック生成部XORは、記録コードRC1およびRC2の両方が"1"または"0"のときにクロックCLKとして"0"を出力し、記録コードRC1およびRC2のいずれか一方が"1"で、他方が"0"のときにクロックCLKとして"1"を出力する。
【0046】
記録コード保持部51は、クロック生成部XORで生成されたクロックCLKに応じて入力された各々の記録コードRC1、RC2を保持すると共に、当該保持した各々の記録コードRC1、RC2を復号コード20として出力する。記録コード保持部51は、第1のフリップフロップ(FF11、FF12)と、第2のフリップフロップ(FF21、FF22)と、切替部52とで構成することができる。
【0047】
第1のフリップフロップ(FF11、FF12)は、クロック生成部XORで生成されたクロックCLKの立ち下がりエッジで駆動すると共に、各々の記録コードRC1、RC2を保持し、当該保持した各々の記録コードRC1、RC2を切替部52に出力する。保持された記録コードRC1、RC2は、次回のクロックCLKの立ち下がりエッジまで保持される。
【0048】
第2のフリップフロップ(FF21、FF22)は、クロック生成部XORで生成されたクロックCLKの立ち上がりエッジで駆動すると共に、各々の記録コードRC1、RC2を保持し、当該保持した各々の記録コードRC1、RC2を切替部52に出力する。保持された記録コードRC1、RC2は、次回のクロックCLKの立ち上がりエッジまで保持される。
【0049】
切替部52は、第1のフリップフロップ(FF11、FF12)から出力された保持コードFF1Qと第2のフリップフロップ(FF21、FF22)から出力された保持コードFF2Qとの順位をクロックCLKに応じて切り替えて、順位を入れ替えた後の保持コードFF1Qおよび保持コードFF2Qを復号コード20として出力する。このとき、保持コードFF1Qおよび保持コードFF2Qはそれぞれ2ビットのデータ列であり、復号コード20は4ビットのデータ列である。
【0050】
すなわち、切替部52は、クロックCLKが"0"の場合には、保持コードFF2Qを上位2ビットに割り当て、保持コードFF1Qを下位2ビットに割り当てて出力する。一方、切替部52は、クロックCLKが"1"の場合には、保持コードFF1Qを上位2ビットに割り当て、保持コードFF2Qを下位2ビットに割り当てて出力する。
【0051】
パワーレベル選択部34は、復号コード生成部33で生成された復号コード20に応じたパワーレベルを選択する。図7は、復号コード20、パワーレベル、およびパワーデータの関係の一例を示す図である。ここで、各パワーデータはレーザダイオードのパワーレベルに対応するデジタルデータである。
【0052】
図7に示すように、復号コード20が(0、0、0、1)である場合(16進数で表記すると"1"となる)、パワーレベル選択部34は、パワーレベル"高周波波形重畳"に対応するパワーデータとして"LV1HF"を出力する。復号コード20が(0、1、1、1)である場合(16進数で表記すると"7"となる)、パワーレベル選択部34は、パワーレベル"ER"に対応するパワーデータとして"LV1"を出力する。復号コード20が(1、1、1、0)である場合(16進数で表記すると"E"となる)、パワーレベル選択部34は、パワーレベル"OV"に対応するパワーデータとして"LV4"を出力する。復号コード20が(1、0、1、1)である場合(16進数で表記すると"B"となる)、パワーレベル選択部34は、パワーレベル"MD"に対応するパワーデータとして"LV2"を出力する。復号コード20が(1、1、0、1)である場合(16進数で表記すると"D"となる)、パワーレベル選択部34は、パワーレベル"LP"に対応するパワーデータとして"LV3"を出力する。復号コード20が(0、1、0、0)である場合(16進数で表記すると"4"となる)、パワーレベル選択部34は、パワーレベル"CL"に対応するパワーデータとして"LV0"を出力する。復号コード20が(1、0、0、0)である場合(16進数で表記すると"8"となる)、パワーレベル選択部34は、パワーレベル"CL"に対応するパワーデータとして"LV0"を出力する。パワーレベル選択部34で選択されたパワーデータRPDは、DAC35に出力される。
【0053】
なお、本実施の形態にかかる光ディスク記録装置では、図7に示すように4ビットの復号コード20として、前の循環コード(上位2ビット)と後の循環コード(下位2ビット)において1ビットのみ変化するコードを用いている。例えば、図7に示す復号コード(0、0、0、1)は、上位2ビットである(0、0)と下位2ビットである(0、1)との間で1ビットのみ変化している。同様に、復号コード(0、1、1、1)は、上位2ビットである(0、1)と下位2ビットである(1、1)との間で1ビットのみ変化している。一方、例えば(0、0、1、1)は、上位2ビットである(0、0)と下位2ビットである(1、1)との間で2ビット変化しているので、復号コードとして用いない。また、例えば(0、1、0、1)は、上位2ビットである(0、1)と下位2ビットである(0、1)との間でビットの変化がないので、復号コードとして用いない。
【0054】
DAC35は、パワーレベル選択部34で選択されたパワーデータRPD(デジタルデータ)をレーザ駆動電流に変換し、当該駆動電流をレーザダイオード4に供給する。レーザダイオード4はDAC35から出力された駆動電流に応じたパワーレベルのレーザを記録媒体に照射することで、記録媒体の記録膜に記録マークを形成する。
【0055】
次に、本実施の形態にかかる光ディスク記録装置の動作について、図3に示すタイミングチャートを用いて説明する。図3に示すタイミングチャートでは、記録信号(5T Mark)に対応する記録マークを形成する際にキャッスル形の記録パルスを用いており、記録信号(3T Mark)に対応する記録マークを形成する際にモノ形の記録パルスを用いている。
【0056】
キャッスル形の記録パルスを用いて記録信号(5T Mark)に対応する記録マークを形成する場合の動作について説明する。キャッスル形の記録パルスの場合、図4の循環コードに示すように、高周波波形重畳(01)→ER(11)→OV(10)→MD(11)→LP(01)→CL(00)→高周波波形重畳(01)の順に循環コードおよびパワーレベルが遷移する。
【0057】
T1において、記録パルスのパワーレベルは"ER"となるので、図1に示す記録パルス情報生成部11は、記録パルス情報(PK2、PK1、WR、BS、HF)である(0、0、0、1、0)を記録コード生成部12に出力する。記録コード生成部12は、図5に示したテーブルを用いて記録パルス情報を変換し、記録コードRC1、RC2として(1、1)を出力する。このときの循環コードは、"11"である。この記録コードRC1、RC2は、LVDS送信部13、14、伝送線路2、およびLVDS受信部31、32を経由して復号コード生成部33に供給される。
【0058】
図2に示す復号コード生成部33のクロック生成部XORは、RC1="1"、RC2="1"であるので、クロックCLK="0"(立ち下がり)を出力する。第1のフリップフロップ(FF11、FF12)は、クロックCLKの立ち下がりエッジのタイミングで、記録コードRC1="1"、RC2="1"を保持コードFF1Q="11"として保持すると共に、当該保持コードFF1Q="11"を切替部52に出力する。
【0059】
切替部52は、クロックCLK="0"(立ち下がり)であるので、保持コードFF2Q="01"を上位2ビットに割り当て、保持コードFF1Q="11"を下位2ビットに割り当て、(0、1、1、1)(16進数で"7")を復号コード20として出力する。ここで、保持コードFF2Q="01"は、T1の直前のタイミングにおいて第2のフリップフロップ(FF21、FF22)に取り込まれた保持コードFF2Qであり、記録コードRC1="0"、RC2="1"に対応する保持コードである。
【0060】
パワーレベル選択部34は、復号コード生成部33から出力された復号コード20に対応するパワーデータ"LV1"を出力する。DAC35は、パワーレベル選択部34で選択されたパワーデータ"LV1"をレーザ駆動電流に変換し、当該駆動電流をレーザダイオード4に供給する。レーザダイオード4はDAC35から出力された駆動電流に応じたパワーレベルのレーザ光を記録媒体に照射する。
【0061】
T2において、記録パルスのパワーレベルは"OV"となるので、図1に示す記録パルス情報生成部11は、記録パルス情報(PK2、PK1、WR、BS、HF)である(1、1、1、1、0)を記録コード生成部12に出力する。記録コード生成部12は、図5に示したテーブルを用いて記録パルス情報を変換し、記録コードRC1、RC2として(1、0)を出力する。このときの循環コードは、"10"である。この記録コードRC1、RC2は、LVDS送信部13、14、伝送線路2、およびLVDS受信部31、32を経由して復号コード生成部33に供給される。
【0062】
図2に示す復号コード生成部33のクロック生成部XORは、RC1="1"、RC2="0"であるので、クロックCLK="1"(立ち上がり)を出力する。第2のフリップフロップ(FF21、FF22)は、クロックCLKの立ち上がりエッジのタイミングで、記録コードRC1="1"、RC2="0"を保持コードFF2Q="10"として保持すると共に、当該保持コードFF2Q="10"を切替部52に出力する。
【0063】
切替部52は、クロックCLK="1"(立ち上がり)であるので、保持コードFF1Q="11"を上位2ビットに割り当て、保持コードFF2Q="10"を下位2ビットに割り当てて、(1、1、1、0)(16進数で"E")を復号コード20として出力する。ここで、保持コードFF1Q="11"は、T1のタイミングにおいて第1のフリップフロップ(FF11、FF12)に取り込まれた保持コードFF1Qであり、記録コードRC1="1"、RC2="1"に対応する保持コードである。
【0064】
パワーレベル選択部34は、復号コード生成部33から出力された復号コード20に対応するパワーデータ"LV4"を出力する。DAC35は、パワーレベル選択部34で選択されたパワーデータ"LV4"をレーザ駆動電流に変換し、当該駆動電流をレーザダイオード4に供給する。レーザダイオード4はDAC35から出力された駆動電流に応じたパワーレベルのレーザ光を記録媒体に照射する。
【0065】
T3において、記録パルスのパワーレベルは"MD"となるので、図1に示す記録パルス情報生成部11は、記録パルス情報(PK2、PK1、WR、BS、HF)である(0、0、1、1、0)を記録コード生成部12に出力する。記録コード生成部12は、図5に示したテーブルを用いて記録パルス情報を変換し、記録コードRC1、RC2として(1、1)を出力する。このときの循環コードは、"11"である。この記録コードRC1、RC2は、LVDS送信部13、14、伝送線路2、およびLVDS受信部31、32を経由して復号コード生成部33に供給される。
【0066】
図2に示す復号コード生成部33のクロック生成部XORは、RC1="1"、RC2="1"であるので、クロックCLK="0"(立ち下がり)を出力する。第1のフリップフロップ(FF11、FF12)は、クロックCLKの立ち下がりエッジのタイミングで、記録コードRC1="1"、RC2="1"を保持コードFF1Q="11"として保持すると共に、当該保持コードFF1Q="11"を切替部52に出力する。
【0067】
切替部52は、クロックCLK="0"(立ち下がり)であるので、保持コードFF2Q="10"を上位2ビットに割り当て、保持コードFF1Q="11"を下位2ビットに割り当てて、(1、0、1、1)(16進数で"B")を復号コード20として出力する。ここで、保持コードFF2Q="10"は、T2のタイミングにおいて第2のフリップフロップ(FF21、FF22)に取り込まれた保持コードFF2Qであり、記録コードRC1="1"、RC2="0"に対応する保持コードである。
【0068】
パワーレベル選択部34は、復号コード生成部33から出力された復号コード20に対応するパワーデータ"LV2"を出力する。DAC35は、パワーレベル選択部34で選択されたパワーデータ"LV2"をレーザ駆動電流に変換し、当該駆動電流をレーザダイオード4に供給する。レーザダイオード4はDAC35から出力された駆動電流に応じたパワーレベルのレーザ光を記録媒体に照射する。
【0069】
T4において、記録パルスのパワーレベルは"LP"となるので、図1に示す記録パルス情報生成部11は、記録パルス情報(PK2、PK1、WR、BS、HF)である(0、1、1、1、0)を記録コード生成部12に出力する。記録コード生成部12は、図5に示したテーブルを用いて記録パルス情報を変換し、記録コードRC1、RC2として(0、1)を出力する。このときの循環コードは、"01"である。この記録コードRC1、RC2は、LVDS送信部13、14、伝送線路2、およびLVDS受信部31、32を経由して復号コード生成部33に供給される。
【0070】
図2に示す復号コード生成部33のクロック生成部XORは、RC1="0"、RC2="1"であるので、クロックCLK="1"(立ち上がり)を出力する。第2のフリップフロップ(FF21、FF22)は、クロックCLKの立ち上がりエッジのタイミングで、記録コードRC1="0"、RC2="1"を保持コードFF2Q="01"として保持すると共に、当該保持コードFF2Q="01"を切替部52に出力する。
【0071】
切替部52は、クロックCLK="1"(立ち上がり)であるので、保持コードFF1Q="11"を上位2ビットに割り当て、保持コードFF2Q="01"を下位2ビットに割り当てて、(1、1、0、1)(16進数で"D")を復号コード20として出力する。
【0072】
パワーレベル選択部34は、復号コード生成部33から出力された復号コード20に対応するパワーデータ"LV3"を出力する。DAC35は、パワーレベル選択部34で選択されたパワーデータ"LV3"をレーザ駆動電流に変換し、当該駆動電流をレーザダイオード4に供給する。レーザダイオード4はDAC35から出力された駆動電流に応じたパワーレベルのレーザ光を記録媒体に照射する。
【0073】
T5において、記録パルスのパワーレベルは"CL"となるので、図1に示す記録パルス情報生成部11は、記録パルス情報(PK2、PK1、WR、BS、HF)である(0、0、0、0、0)を記録コード生成部12に出力する。記録コード生成部12は、図5に示したテーブルを用いて記録パルス情報を変換し、記録コードRC1、RC2として(0、0)を出力する。このときの循環コードは、"00"である。この記録コードRC1、RC2は、LVDS送信部13、14、伝送線路2、およびLVDS受信部31、32を経由して復号コード生成部33に供給される。
【0074】
図2に示す復号コード生成部33のクロック生成部XORは、RC1="0"、RC2="0"であるので、クロックCLK="0"(立ち下がり)を出力する。第1のフリップフロップ(FF11、FF12)は、クロックCLKの立ち下がりエッジのタイミングで、記録コードRC1="0"、RC2="0"を保持コードFF1Q="00"として保持すると共に、当該保持コードFF1Q="00"を切替部52に出力する。
【0075】
切替部52は、クロックCLK="0"(立ち下がり)であるので、保持コードFF2Q="01"を上位2ビットに割り当て、保持コードFF1Q="00"を下位2ビットに割り当てて、(0、1、0、0)(16進数で"4")を復号コード20として出力する。
【0076】
パワーレベル選択部34は、復号コード生成部33から出力された復号コード20に対応するパワーデータ"LV0"を出力する。DAC35は、パワーレベル選択部34で選択されたパワーデータ"LV0"をレーザ駆動電流に変換し、当該駆動電流をレーザダイオード4に供給する。レーザダイオード4はDAC35から出力された駆動電流に応じたパワーレベルのレーザ光を記録媒体に照射する。
【0077】
T6において、記録パルスのパワーレベルは"高周波波形重畳"となるので、図1に示す記録パルス情報生成部11は、記録パルス情報(PK2、PK1、WR、BS、HF)である(0、0、0、1、1)を記録コード生成部12に出力する。記録コード生成部12は、図5に示したテーブルを用いて記録パルス情報を変換し、記録コードRC1、RC2として(0、1)を出力する。このときの循環コードは、"01"である。この記録コードRC1、RC2は、LVDS送信部13、14、伝送線路2、およびLVDS受信部31、32を経由して復号コード生成部33に供給される。
【0078】
図2に示す復号コード生成部33のクロック生成部XORは、RC1="0"、RC2="1"であるので、クロックCLK="1"(立ち上がり)を出力する。第2のフリップフロップ(FF21、FF22)は、クロックCLKの立ち上がりエッジのタイミングで、記録コードRC1="0"、RC2="1"を保持コードFF2Q="01"として保持すると共に、当該保持コードFF2Q="01"を切替部52に出力する。
【0079】
切替部52は、クロックCLK="1"(立ち上がり)であるので、保持コードFF1Q="00"を上位2ビットに割り当て、保持コードFF2Q="01"を下位2ビットに割り当てて、(0、0、0、1)(16進数で"1")を復号コード20として出力する。
【0080】
パワーレベル選択部34は、復号コード生成部33から出力された復号コード20に対応するパワーデータ"LV1HF"を出力する。DAC35は、パワーレベル選択部34で選択されたパワーデータ"LV1HF"をレーザ駆動電流に変換し、当該駆動電流をレーザダイオード4に供給する。レーザダイオード4はDAC35から出力された駆動電流に応じたパワーレベルのレーザ光を記録媒体に照射する。
【0081】
本実施の形態にかかる光ディスク記録装置では、このような動作によりキャッスル形の記録パルスを用いて記録信号(5T Mark)に対応する記録マークを形成することができる。
【0082】
また、記録信号(3T Mark)に対応するモノ形の記録パルスの場合(図3のT7〜T10に対応)、図4に示す循環コードに示すように、高周波波形重畳(01)→ER(11)→OV(10)→CL(00)→高周波波形重畳(01)の順に循環コードおよびパワーレベルが遷移する。なお、この場合の動作も、上記で説明した記録信号(5T Mark)に対応するキャッスル形の記録パルスの場合と同様であるので、重複した説明は省略する。
【0083】
また、上記で説明したキャッスル形の記録パルスでは、例えばT1における記録コードと、T3における記録コードが共に、RC1="1"、RC2="1"で同一である。しかしながら、本実施の形態にかかる光ディスク記録装置が有する復号コード生成部33は、所定のタイミングにおけるパワーレベルに対応した記録コードと当該所定のタイミングにおけるパワーレベルの直前のパワーレベルに対応した記録コードとを用いて前記記録コードを復号している。
【0084】
すなわち、T1において、切替部52は、保持コードFF2Q="01"を上位2ビットに割り当て、保持コードFF1Q="11"を下位2ビットに割り当てて、(0、1、1、1)(16進数で"7")を復号コード20として出力している。ここで、保持コードFF2Q="01"は、T1の直前のタイミングにおいて第2のフリップフロップ(FF21、FF22)に取り込まれた保持コードFF2Qであり、記録コードRC1="0"、RC2="1"に対応する保持コードである。
【0085】
また、T3において、切替部52は、保持コードFF2Q="10"を上位2ビットに割り当て、保持コードFF1Q="11"を下位2ビットに割り当てて、(1、0、1、1)(16進数で"B")を復号コード20として出力している。ここで、保持コードFF2Q="10"は、T2のタイミングにおいて第2のフリップフロップ(FF21、FF22)に取り込まれた保持コードFF2Qであり、記録コードRC1="1"、RC2="0"に対応する保持コードである。
【0086】
このように、本実施の形態にかかる光ディスク記録装置では、直前の記録コード(保持コード)を上位2ビットとして、復号コード20を生成しているので、T1における復号コード(0、1、1、1)とT3における復号コード(1、0、1、1)を異なるようにすることができる。
【0087】
背景技術で説明したように、光ディスク記録装置では、記録信号に応じた情報をレーザ光を用いて記録媒体に記録する際に、記録条件に応じて記録パルスを最適化する記録ストラテジ技術が用いられていた。この記録ストラテジ技術を用いる場合、レーザ光のパワーレベルを多値化する必要があった。しかしながら、レーザ光のパワーレベルを多値化すると、信号処理LSI(信号処理部)からレーザダイオードドライバ(LDD)へ伝送される信号が増加するため、伝送線路の数(つまり、チャンネルの数)も増加するという問題があった。そして、この伝送線路の数の増加により光ディスク記録装置を小型化するのが困難であるという問題があった。
【0088】
また、エラーレートの少ない高品質な記録を行うには、パワーレベルは、最低でも5値以上とする必要がある。しかしながら、例えば伝送線路の数が2チャンネルの場合、2ビットのデータ、つまり4値のパワーレベル(4=2)しか伝送することができない。特許文献2に開示されている光ディスク記録装置では、エンコード回路100(図24参照)を用いることで、5ビットのエンコード入力を3ビットのエンコード出力にエンコードしている。これにより、伝送線路も5チャンネルから3チャンネルに減らすことができる。しかしながら、特許文献2にかかる技術を用いたとしても、伝送線路の数をこれよりも減らすことができない。具体的には、例えば5ビットの記録パルス情報を2チャンネルの伝送線路を用いて伝送することはできない。この理由を以下で詳細に説明する。
【0089】
パワーレベルに関する情報を伝送するには0(L)および1(H)で示される2値化信号が用いられる。このとき、2値化データで表すことができる状態数は、1チャンネルであれば、0、1の2状態であり、2チャンネルであれば、00、01、10、11の4状態であり、3チャンネルであれば、000、001、010、011、100、101、110、111の8状態である。これを算術的に表現すると、1チャンネル(ビット)は2であるので2状態まで表現が可能であり、2チャンネル(ビット)は2 であるので4状態まで表現が可能であり、3チャンネル(ビット)は2であるので8状態まで表現が可能である(2値化信号なので、2が基数で、ビット数が指数となる)。よって、特許文献2に開示されている技術では、例えば5ビットの記録パルス情報を伝送するには3チャンネル必要となり、2チャンネルの伝送線路を用いて伝送することはできない。
【0090】
これに対して本実施の形態にかかる光ディスク記録装置では、図4に示す循環コードを用いると共に、直前のパワーレベルの状態を示す直前の記録コードをも含めて復号コード20を生成しているので、伝送線路2を介して伝送する際の信号のビット数を減らすことができる。
【0091】
すなわち、本実施の形態にかかる光ディスク記録装置では、記録コード生成部12において、パワーレベル数の平方根よりも少ないビット数で符号化した記録コードRC1、RC2を生成している。ここで、記録コードは、各パワーレベルがグレイコードで循環する循環コードを用いて生成されている。また、復号コード生成部33は、伝送された記録コード(循環コード)が変化する毎に循環コードを保持し、今回伝送された記録コードと前回伝送された記録コードとを用いて復号コードを生成している。よって、伝送線路2を介して伝送する際の信号のビット数を減らすことができるため、伝送線路2に用いられるフレキシブルケーブルの幅を細くすることができ、光ディスク記録装置を小型化することができる。また、本実施の形態にかかる光ディスク記録装置を用いることで、5値以上のパワーレベルのデータを2チャンネルの伝送線路を用いて伝送することができる。
【0092】
つまり、例えば、5状態のパワーレベル数を表現するためには、5の平方根が2.236・・・であることから、従来は2.236よりも大きい自然数である3ビット必要としていた。これに対して、本実施の形態にかかる光ディスク記録装置では、5状態のパワーレベル数を表現する際に、5の平方根よりも少ないビット数である2ビットで符号化することができる。
【0093】
更に、本実施の形態にかかる光ディスク記録装置では、信号処理部1とLDD3の端子数を削減することができるため、信号処理部1とLDD3の配置スペースを縮小でき、光ディスク記録装置のドライブ回路基板を小さくすることができる。
【0094】
また、本実施の形態にかかる光ディスク記録装置では、記録コードを伝送する伝送線路2のチャンネル数を減らすことができるので、光ディスク記録装置の消費電力を低減することができる。つまり、LVDS送信部は一般的に1チャンネル当り3.5mA程度の電流を常時消費するが、このLVDS送信部のチャンネル数を減らすことで光ディスク記録装置の消費電力を低減することができる。
【0095】
また、本実施の形態にかかる光ディスク記録装置では、記録コードを伝送する伝送線路2のチャンネル数を減らすことができるので、各伝送線路において生じる記録コードのパルスタイミングのズレを抑制することができる。よって、エラーレートの少ない高品質な記録を実現することができる。
【0096】
なお、特許文献2に開示されている技術においてもグレイコードが使用されているが、特許文献2にかかる技術では、伝送された信号を復号する際に、前回伝送された信号を用いていない。よって、特許文献2に開示されている技術を用いたとしても、本実施の形態にかかる光ディスク記録装置のように伝送線路のチャンネル数を減らすことはできない。
【0097】
次に、本実施の形態にかかる光ディスク記録装置の他の態様について説明する。図8は、本実施の形態にかかる光ディスク記録装置で用いられる循環コードの第2の例を示す図である。また、図9は、図8に示した循環コードの第2の例における、光ディスク記録装置の動作を示すタイミングチャートである。図8に示す循環コードの第2の例では、記録信号(3T Mark)に対応するモノ形の記録パルスが、高周波波形重畳(01)→ER(11)→LP(01)→CL(00)→高周波波形重畳(01)の順に遷移する点が図4に示した循環コードの第1の例と異なる。すなわち、図8に示した循環コードの第2の例では、図4に示した循環コードの第1の例におけるOV(10)をLP(01)に変更している。
【0098】
図9に示すタイミングチャートでは、T17からT18における記録パルスのパワーレベルがLPとなっている点が、図3に示した循環コードの第1の例におけるタイミングチャートと異なる。なお、図8に示した循環コードの第2の例における光ディスク記録装置の動作は、循環コードの第1の例において説明した光ディスク記録装置の動作と基本的に同様であるので、重複した説明は省略する。
【0099】
図10は、本実施の形態にかかる光ディスク記録装置で用いられる循環コードの第3の例を示す図である。また、図11は、図10に示した循環コードの第3の例における、光ディスク記録装置の動作を示すタイミングチャートである。図10に示す循環コードの第3の例では、記録信号(5T Mark)に対応するキャッスル形の記録パルスが、高周波波形重畳(01)→ER(11)→OV(10)→MD(11)→OV(10)→CL(00)→高周波波形重畳(01)の順に遷移する点が図4に示した循環コードの第1の例と異なる。すなわち、図10に示した循環コードの第3の例では、図4に示した循環コードの第1の例における、MD(11)後のLP(01)をOV(10)に変更している。
【0100】
また、図10に示す循環コードの第3の例では、記録信号(3T Mark)に対応するモノ形の記録パルスが、高周波波形重畳(01)→ER(11)→LP(01)→CL(00)→高周波波形重畳(01)の順に遷移する点が図4に示した循環コードの第1の例と異なる。すなわち、図4に示した循環コードの第1の例におけるOV(10)を、図8に示した循環コードの第3の例ではLP(01)に変更している。
【0101】
図11に示すタイミングチャートでは、T24からT25における記録パルスのパワーレベルがOVとなっている点、およびT28からT29における記録パルスのパワーレベルがLPとなっている点が、図3に示した循環コードの第1の例におけるタイミングチャートと異なる。なお、図10に示した循環コードの第3の例における光ディスク記録装置の動作は、循環コードの第1の例において説明した光ディスク記録装置の動作と基本的に同様であるので、重複した説明は省略する。
【0102】
図12は、本実施の形態にかかる光ディスク記録装置で用いられる循環コードの第4の例を示す図である。また、図13は、図12に示した循環コードの第4の例における、光ディスク記録装置の動作を示すタイミングチャートである。図12に示す循環コードの第4の例では、記録信号(4T Mark)に対応するキャッスル形の記録パルスが生成される点が、図4に示した循環コードの第1の例と異なる。ここで、記録信号(4T Mark)に対応するキャッスル形の記録パルスは、高周波波形重畳(01)→ER(11)→OV(10)→MD(11)→LP(01)→CL(00)→高周波波形重畳(01)の順に遷移する。
【0103】
また、図12に示す循環コードの第4の例では、記録信号(5T Mark)に対応するキャッスル形の記録パルスが、高周波波形重畳(01)→ER(11)→OV(10)→MD(11)→OV(10)→CL(00)→高周波波形重畳(01)の順に遷移する点が図4に示した循環コードの第1の例と異なる。すなわち、図12に示した循環コードの第4の例では、図4に示した循環コードの第1の例におけるMD(11)後のLP(01)をOV(10)に変更している。
【0104】
図13に示すタイミングチャートでは、T35からT40において記録信号(4T Mark)に対応するキャッスル形の記録パルスが生成される点、および記録信号(5T Mark)に対応するキャッスル形の記録パルスのT44からT45において、記録パルスのパワーレベルがOVとなっている点が、図3に示した循環コードの第1の例におけるタイミングチャートと異なる。なお、図12に示した循環コードの第4の例における光ディスク記録装置の動作は、循環コードの第1の例において説明した光ディスク記録装置の動作と基本的に同様であるので、重複した説明は省略する。
【0105】
以上で説明したように、本実施の形態にかかる発明により、信号処理部からレーザダイオードドライバ(LDD)へ伝送される記録パルス情報が増加したとしても、伝送線路のチャンネル数の増加を抑制することができる光ディスク記録装置および記録データ伝送方法を提供することができる。
【0106】
実施の形態2
次に、本発明の実施の形態2について説明する。図14は、本実施の形態にかかる光ディスク記録装置を示すブロック図である。本実施の形態にかかる光ディスク記録装置では、記録コード生成部17において継続コードを生成し、復号コード生成部38において複合コードを生成する際に継続コードを用いている点が、実施の形態1にかかる光ディスク記録装置と異なる。これ以外は実施の形態1にかかる光ディスク記録装置と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0107】
図14に示す本実施の形態にかかる光ディスク記録装置は、信号処理部6、伝送線路2、および光ピックアップ9を備える。光ピックアップ9には、レーザダイオードドライバ(LDD)8と当該LDD8で駆動されるレーザダイオード4とが搭載されている。
【0108】
信号処理部6は、記録パルス情報生成部16、記録コード生成部17、および低電圧差動信号(LVDS)送信部13、14を備える。
【0109】
記録パルス情報生成部16は、記録信号が供給されると、レーザ光のパワーレベルに対応する記録パルス情報PK2、PK1、WR、BS、およびMPを生成し、記録コード生成部17に出力する。ここで、記録信号は上位回路(不図示)から供給される信号であり、記録マークを記録媒体上に形成するための信号である。図16に、記録媒体上に形成される記録マークの形状と、当該記録マークを形成する際に記録パルス情報生成部16に供給される記録信号を示す。
【0110】
記録パルス情報は、図16に示すように、多値化したパワーレベル(OV、LP、MD、ER、CLであり、この場合のパワーレベルの数は5である)を出力可能な記録パルスを、5ビットの信号(PK2、PK1、WR、BS、およびMP)に変換した信号である。この記録パルスは記録ストラテジ技術を用いて生成される。具体的には、図17に示すように、パワーレベルが"CL"の場合は、記録パルス情報(PK2、PK1、WR、BS、MP)を(0、0、0、0、0)とし、パワーレベルが"ER"の場合は(0、0、0、1、0)とし、パワーレベルが"MD"の場合は(0、0、1、1、0)とし、パワーレベルが"OV"の場合は(1、1、1、1、0)または(1、1、1、1、1)とし、パワーレベルが"LP"の場合は(0、1、1、1、0)とする。
【0111】
また、図16に示す記録信号(4T Mark)に対応する記録パルスの波形形状を一般的にエル形と呼ぶ。なお、本実施の形態にかかる光ディスク記録装置では、例として記録パルス情報生成部16で生成される記録パルス情報を5ビットの情報としているが、記録パルス情報のビット数はこれに限定されることはなく任意に決定することができる。
【0112】
記録コード生成部17は、記録パルス情報生成部16で生成された記録パルス情報を符号化した記録コードRC1、RC2を生成する。例えば、記録コード生成部17は、記録パルス情報をパワーレベル数の平方根よりも少ないビット数で符号化することができる。本実施の形態にかかる光ディスク記録装置では、5ビットの記録パルス情報PK2、PK1、WR、BS、およびMPを符号化して、2ビットの記録コードRC1、RC2を生成している。この際、パワーレベル(OV、LP、MD、ER、CL)の遷移がそれぞれグレイコードを用いて表現された循環コード(図19参照)が用いられる。
【0113】
また、本実施の形態にかかる光ディスク記録装置では、各パワーレベル(OV、LP、MD、ER、CL)に対応した出力コード(出力コード0、出力コード2、出力コード3、および継続コード)が割り当てられる。そして、記録コード生成部17は、例えば図17に示すテーブルを用いて各出力コードに対応した記録コードRC1、RC2を生成する。つまり、図17に示すように、パワーレベルが"CL"の場合、出力コードである"出力コード0"に対応する記録コード(0、0)が生成され、パワーレベルが"ER"の場合、出力コードである"出力コード1"に対応する記録コード(0、1)が生成され、パワーレベルが"MD"の場合、出力コードである"出力コード2"に対応する記録コード(1、0)が生成される。パワーレベルが"OV"の場合、出力コードである"出力コード3"に対応する記録コード(1、1)、または出力コードである"継続コード"に対応する記録コード"(1、1)→(0、1)"が生成される。パワーレベルが"LP"の場合、出力コードである"継続コード"に対応する記録コード"(1、1)→(0、1)"が生成される。ここで、"(1、1)→(0、1)"は、(1、1)の後に(0、1)を出力することを示す。
【0114】
なお、図17に示したテーブルは一例であり、一般的には図18に示すテーブルを用いることができる。図18に示したテーブルにおいて、記録コード(RC1、RC2)の"A"および"B"には、"0"または"1"の値を用いることができる。つまり、A="0"およびB="0"、A="0"およびB="1"、A="1"およびB="0"、またはA="1"およびB="1"を用いることができる。なお、出力パターン1にA="0"およびB="0"を用いた場合は、図17に示した記録コードと同様となる。
【0115】
図19は、本実施の形態にかかる光ディスク記録装置で用いられる循環コードを示す図である。記録コード生成部17は、図19に示す循環コードに基づいて出力コード(つまり、記録コード)を出力する。この時の動作を、図19に示す循環コードおよび図20のフローチャートを用いて説明する。
【0116】
まず、記録パルスの波形形状がモノ形(図16の3T Markに対応)である場合の動作について説明する。記録コード生成部17は、記録パルス情報を入力し(ステップS1)、パワーレベルが"ER"の期間に"出力コード1"を出力する(ステップS2)。記録パルスの波形形状がモノ形であるので(ステップS3:Yes)、パワーレベルが"OV"の期間に"継続コード"を出力する(ステップS4)。その後、パワーレベルが"CL"の期間に"出力コード0"を出力する(ステップS9)。
【0117】
次に、記録パルスの波形形状がエル形(図16の4T Markに対応)である場合の動作について説明する。記録コード生成部17は、記録パルス情報を入力し(ステップS1)、パワーレベルが"ER"の期間に"出力コード1"を出力する(ステップS2)。記録パルスの波形形状がエル形であるので(ステップS3:No)、パワーレベルが"OV"の期間に"出力コード3"を出力する(ステップS5)。次に、パワーレベルが"MD"の期間に"出力コード2"を出力する(ステップS6)。そして、記録パルスの波形形状がエル形であるので(ステップS7:No)、パワーレベルが"CL"の期間に"出力コード0"を出力する(ステップS9)。
【0118】
次に、記録パルスの波形形状がキャッスル形(図16の5T Markに対応)である場合の動作について説明する。記録コード生成部17は、記録パルス情報を入力し(ステップS1)、パワーレベルが"ER"の期間に"出力コード1"を出力する(ステップS2)。記録パルスの波形形状がキャッスル形であるので(ステップS3:No)、パワーレベルが"OV"の期間に"出力コード3"を出力する(ステップS5)。次に、パワーレベルが"MD"の期間に"出力コード2"を出力する(ステップS6)。そして、記録パルスの波形形状がキャッスル形であるので(ステップS7:Yes)、パワーレベルが"LP"の期間に"継続コード"を出力する(ステップS8)。その後、パワーレベルが"CL"の期間に"出力コード0"を出力する(ステップS9)。
【0119】
記録コード生成部17で生成された記録コードRC1、RC2(つまり、出力コード)は、LVDS送信部13、14、伝送線路2、およびLVDS受信部31、32を経由して復号コード生成部38に供給される。
【0120】
復号コード生成部38は、伝送された記録コードを復号して復号コード20を生成する。図15は、復号コード生成部38の一例を示す回路図である。図15に示す復号コード生成部38は、クロック生成部XORと、記録コード保持部61と、継続コード検出部63とを備える。クロック生成部XORは、例えば排他的論理和演算回路で構成することができる。クロック生成部XORは、各々の記録コードRC1、RC2が入力されたタイミングに基づいてクロックCLKを生成する。すなわち、クロック生成部XORは、記録コードRC1およびRC2の両方が"1"または"0"のときにクロックCLKとして"0"を出力し、記録コードRC1およびRC2のいずれか一方が"1"で、他方が"0"のときにクロックCLKとして"1"を出力する。
【0121】
記録コード保持部61は、クロック生成部XORで生成されたクロックCLKに応じて入力された各々の記録コードRC1、RC2を保持すると共に、当該保持した各々の記録コードRC1、RC2を伸張コード19として出力する。記録コード保持部61は、第1のフリップフロップ(FF11、FF12)と、第2のフリップフロップ(FF21、FF22)と、切替部62とで構成することができる。
【0122】
第1のフリップフロップ(FF11、FF12)は、クロック生成部XORで生成されたクロックCLKの立ち下がりエッジで駆動すると共に、各々の記録コードRC1、RC2を保持し、当該保持した各々の記録コードRC1、RC2を切替部62に出力する。保持された記録コードRC1、RC2は、次回のクロックCLKの立ち下がりエッジまで保持される。
【0123】
第2のフリップフロップ(FF21、FF22)は、クロック生成部XORで生成されたクロックCLKの立ち上がりエッジで駆動すると共に、各々の記録コードRC1、RC2を保持し、当該保持した各々の記録コードRC1、RC2を切替部62に出力する。保持された記録コードRC1、RC2は、次回のクロックCLKの立ち上がりエッジまで保持される。
【0124】
切替部62は、第1のフリップフロップ(FF11、FF12)から出力された保持コードFF1Qと第2のフリップフロップ(FF21、FF22)から出力された保持コードFF2Qとの順位をクロックCLKに応じて切り替えて、順位を入れ替えた後の保持コードFF1Qおよび保持コードFF2Qを伸張コード19として出力する。このとき、保持コードFF1Qおよび保持コードFF2Qはそれぞれ2ビットのデータ列であり、伸張コード19は4ビットのデータ列である。
【0125】
すなわち、切替部62は、クロックCLKが"0"の場合には、保持コードFF2Qを上位2ビットに割り当て、保持コードFF1Qを下位2ビットに割り当てて出力する。一方、切替部62は、クロックCLKが"1"の場合には、保持コードFF1Qを上位2ビットに割り当て、保持コードFF2Qを下位2ビットに割り当てて出力する。
【0126】
継続コード検出部63は、切替部62から出力された伸張コード19を入力し、当該伸張コード19に基づき複合コード20を生成する。図21は、継続コード検出部63の動作を説明するためのフローチャートである。継続コード検出部63は、伸張コード19を入力し(ステップS11)、当該伸張コード19が変化したか否かを検出する(ステップS12)。入力した伸張コード19が変化した場合(ステップS12:Yes)、入力した伸張コード19が継続コードであるか否かを検出する(ステップS13)。入力した伸張コード19が継続コードではない場合(ステップS13:No)、入力した伸張コード19を複合コード20としてそのまま出力する(ステップS14)。一方、入力した伸張コード19が継続コードである場合(ステップS13:Yes)、具体的には、伸張コード19が(1、1、0、1)(16進数で"D")である場合、直前の伸張コード19を継続して複合コード20として出力する(ステップS15)。図22は、伸張コード19、復号コード20、およびパワーレベルの関係を示すテーブルである。
【0127】
例えば、図16のT51において、伸張コード19は(0、1、1、1)(16進数で"7")であるので、継続コード検出部63はこの伸張コード19は継続コードではないと判断する(ステップS13:No)。よって、継続コード検出部63は入力した伸張コード19である"7"を複合コード20としてそのまま出力する(ステップS14)。一方、図16のT52において、伸張コード19は(1、1、0、1)(16進数で"D")であるので、継続コード検出部63はこの伸張コード19を継続コードであると判断する(ステップS13:Yes)。この場合、継続コード検出部63は直前の伸張コード19である"7"を継続して複合コード20として出力する(ステップS15)。
【0128】
次に、本実施の形態にかかる光ディスク記録装置の動作について、図16に示すタイミングチャートを用いて説明する。図16に示すタイミングチャートでは、記録信号(3T Mark)に対応する記録マークを形成する際にモノ形の記録パルスを用いており、記録信号(4T Mark)に対応する記録マークを形成する際にエル形の記録パルスを用いており、記録信号(5T Mark)に対応する記録マークを形成する際にキャッスル形の記録パルスを用いている。
【0129】
以下では、モノ形の記録パルスを用いて記録信号(3T Mark)に対応する記録マークを形成する場合の動作について説明する。モノ形の記録パルスの場合、図19の循環コードに示すように、ER(01)→OV(11)→OV(01)→CL(00)→ER(01)の順に循環コードおよびパワーレベルが遷移する。
【0130】
T51において、記録パルスのパワーレベルは"ER"から"OV"となるので、図14に示す記録パルス情報生成部16は、記録パルス情報(PK2、PK1、WR、BS、MP)である(1、1、1、1、1)を記録コード生成部17に出力する。記録コード生成部17は、図17に示したテーブルを用いて記録パルス情報を出力コード(この場合は、"継続コード")に変換し、"継続コード"の前半のコードに対応する記録コード(1、1)を出力する。このときの循環コードは、"11"である。この記録コードRC1、RC2は、LVDS送信部13、14、伝送線路2、およびLVDS受信部31、32を経由して復号コード生成部38に供給される。
【0131】
図15に示す復号コード生成部38のクロック生成部XORは、RC1="1"、RC2="1"であるので、クロックCLK="0"(立ち下がり)を出力する。第1のフリップフロップ(FF11、FF12)は、クロックCLKの立ち下がりエッジのタイミングで、記録コードRC1="1"、RC2="1"を保持コードFF1Q="11"として保持すると共に、当該保持コードFF1Q="11"を切替部62に出力する。
【0132】
切替部62は、クロックCLK="0"(立ち下がり)であるので、保持コードFF2Q="01"を上位2ビットに割り当て、保持コードFF1Q="11"を下位2ビットに割り当て、(0、1、1、1)(16進数で"7")を伸張コード19として出力する。継続コード検出部63は、切替部62から出力された伸張コード19を入力し、当該伸張コード19が継続コード(1、1、0、1)(16進数で"D")であるか否かを検出する。この場合、伸張コード19は(0、1、1、1)(16進数で"7")であり、継続コードではないので、継続コード検出部63は、入力した伸張コード19を複合コード20としてそのまま出力する。なお、この場合は"継続コード"の前半のコードしか伝送されていないため、継続コード検出部63は継続コードを検出しない。
【0133】
パワーレベル選択部34は、復号コード生成部38から出力された復号コード20に対応するパワーデータを出力する。DAC35は、パワーレベル選択部34で選択されたパワーデータをレーザ駆動電流に変換し、当該駆動電流をレーザダイオード4に供給する。レーザダイオード4はDAC35から出力された駆動電流に応じたパワーレベルのレーザ光を記録媒体に照射する。
【0134】
T52において、記録コード生成部17は、出力コードが"継続コード"であるので、"継続コード"の後半のコードに対応する記録コード(0、1)を出力する。このときの循環コードは、"01"である。この記録コードRC1、RC2は、LVDS送信部13、14、伝送線路2、およびLVDS受信部31、32を経由して復号コード生成部38に供給される。
【0135】
図15に示す復号コード生成部38のクロック生成部XORは、RC1="0"、RC2="1"であるので、クロックCLK="1"(立ち上がり)を出力する。第2のフリップフロップ(FF21、FF22)は、クロックCLKの立ち上がりエッジのタイミングで、記録コードRC1="0"、RC2="1"を保持コードFF2Q="01"として保持すると共に、当該保持コードFF2Q="01"を切替部62に出力する。
【0136】
切替部62は、クロックCLK="1"(立ち上がり)であるので、保持コードFF1Q="11"を上位2ビットに割り当て、保持コードFF2Q="01"を下位2ビットに割り当て、(1、1、0、1)(16進数で"D")を伸張コード19として出力する。継続コード検出部63は、切替部62から出力された伸張コード19を入力する。そして、継続コード検出部63は、入力した伸張コード19が継続コード(1、1、0、1)(16進数で"D")であるので、直前の伸張コード19である(0、1、1、1)(16進数で"7")を継続して複合コード20として出力する。
【0137】
パワーレベル選択部34は、復号コード生成部38から出力された復号コード20に対応するパワーデータを出力する。DAC35は、パワーレベル選択部34で選択されたパワーデータをレーザ駆動電流に変換し、当該駆動電流をレーザダイオード4に供給する。レーザダイオード4はDAC35から出力された駆動電流に応じたパワーレベルのレーザ光を記録媒体に照射する。
【0138】
T53において、記録パルスのパワーレベルは"OV"から"CL"となるので、図14に示す記録パルス情報生成部16は、記録パルス情報(PK2、PK1、WR、BS、MP)である(0、0、0、0、0)を記録コード生成部17に出力する。記録コード生成部17は、図17に示したテーブルを用いて記録パルス情報を出力コード(この場合は、"出力コード0")に変換し、"出力コード0"に対応する記録コードRC1、RC2として(0、0)を出力する。このときの循環コードは、"00"である。この記録コードRC1、RC2は、LVDS送信部13、14、伝送線路2、およびLVDS受信部31、32を経由して復号コード生成部38に供給される。
【0139】
図15に示す復号コード生成部38のクロック生成部XORは、RC1="0"、RC2="0"であるので、クロックCLK="0"(立ち下がり)を出力する。第1のフリップフロップ(FF11、FF12)は、クロックCLKの立ち下がりエッジのタイミングで、記録コードRC1="0"、RC2="0"を保持コードFF1Q="00"として保持すると共に、当該保持コードFF1Q="00"を切替部62に出力する。
【0140】
切替部62は、クロックCLK="0"(立ち下がり)であるので、保持コードFF2Q="01"を上位2ビットに割り当て、保持コードFF1Q="00"を下位2ビットに割り当て、(0、1、0、0)(16進数で"4")を伸張コード19として出力する。継続コード検出部63は、切替部62から出力された伸張コード19を入力し、当該伸張コード19が継続コード(1、1、0、1)(16進数で"D")であるか否かを検出する。この場合、伸張コード19は継続コードではないので、継続コード検出部63は、入力した伸張コード19を複合コード20としてそのまま出力する。
【0141】
パワーレベル選択部34は、復号コード生成部38から出力された復号コード20に対応するパワーデータを出力する。DAC35は、パワーレベル選択部34で選択されたパワーデータをレーザ駆動電流に変換し、当該駆動電流をレーザダイオード4に供給する。レーザダイオード4はDAC35から出力された駆動電流に応じたパワーレベルのレーザ光を記録媒体に照射する。
【0142】
T54において、記録パルスのパワーレベルは"CL"から"ER"となるので、図14に示す記録パルス情報生成部16は、記録パルス情報(PK2、PK1、WR、BS、MP)である(0、0、0、1、0)を記録コード生成部17に出力する。記録コード生成部17は、図17に示したテーブルを用いて記録パルス情報を出力コード(この場合は、"出力コード1")に変換し、"出力コード1"に対応する記録コードRC1、RC2として(0、1)を出力する。このときの循環コードは、"01"である。この記録コードRC1、RC2は、LVDS送信部13、14、伝送線路2、およびLVDS受信部31、32を経由して復号コード生成部38に供給される。
【0143】
図15に示す復号コード生成部38のクロック生成部XORは、RC1="0"、RC2="1"であるので、クロックCLK="1"(立ち上がり)を出力する。第2のフリップフロップ(FF21、FF22)は、クロックCLKの立ち上がりエッジのタイミングで、記録コードRC1="0"、RC2="1"を保持コードFF2Q="01"として保持すると共に、当該保持コードFF2Q="01"を切替部62に出力する。
【0144】
切替部62は、クロックCLK="1"(立ち上がり)であるので、保持コードFF1Q="00"を上位2ビットに割り当て、保持コードFF2Q="01"を下位2ビットに割り当て、(0、0、0、1)(16進数で"1")を伸張コード19として出力する。継続コード検出部63は、切替部62から出力された伸張コード19を入力し、当該伸張コード19が継続コード(1、1、0、1)(16進数で"D")であるか否かを検出する。この場合、伸張コード19は継続コードではないので、継続コード検出部63は、入力した伸張コード19を複合コード20としてそのまま出力する。
【0145】
パワーレベル選択部34は、復号コード生成部38から出力された復号コード20に対応するパワーデータを出力する。DAC35は、パワーレベル選択部34で選択されたパワーデータをレーザ駆動電流に変換し、当該駆動電流をレーザダイオード4に供給する。レーザダイオード4はDAC35から出力された駆動電流に応じたパワーレベルのレーザ光を記録媒体に照射する。
【0146】
本実施の形態にかかる光ディスク記録装置では、このような動作によりモノ形の記録パルスを用いて記録信号(3T Mark)に対応する記録マークを形成することができる。
【0147】
また、記録信号(4T Mark)に対応するエル形の記録パルスの場合(図16のT55〜T58に対応)、図19に示す循環コードに示すように、ER(01)→OV(11)→OV(01)→CL(00)→ER(01)の順に循環コードおよびパワーレベルが遷移する。また、記録信号(5T Mark)に対応するキャッスル形の記録パルスの場合(図16のT59〜T64に対応)、図19に示す循環コードに示すように、ER(01)→OV(11)→MD(10)→LP(11)→LP(01)→CL(00)→ER(01)の順に循環コードおよびパワーレベルが遷移する。なお、これらの場合における動作も、上記で説明した記録信号(3T Mark)の記録パルスの場合と同様であるので、重複した説明は省略する。
【0148】
以上で説明した本実施の形態にかかる光ディスク記録装置では、図19に示した循環コードを用いると共に、直前のパワーレベルの状態を示す直前の記録コードをも含めて復号コード20を生成している。更に、継続コードを使用し、この継続コードを継続コード検出部63で検出した場合には直前のパワーレベルを継続して発生するように複合コードを生成している。よって、本実施の形態にかかる光ディスク記録装置を用いることで、伝送線路2を介して伝送する際の信号のビット数を減らすことができる。
【0149】
また、現在、多くの種類の記録媒体が発売されており、このため記録マークを形成する記録膜の材質や特性なども多種多様となっている。更に、記録速度、記録環境(温度等)、レーザを発光するピックアップの種類も含めると、多様な記録パルス(パワーレベル、パルス間隔)による記録が必要となる。
【0150】
本実施の形態にかかる光ディスク記録装置では記録パルスの記録パターンの数を増やすことができるので、このような多様な記録媒体への記録を可能にすることができる。
【0151】
以上、本発明を上記実施形態に即して説明したが、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0152】
1、6 信号処理部
2 伝送線路
3、8 レーザダイオードドライバ
4 レーザダイオード
5、9 光ピックアップ
11、16 記録パルス情報生成部
12、17 記録コード生成部
13、14 LVDS送信部
19 伸張コード
20 複合コード
31、32 LVDS受信部
33、38 復号コード生成部
34 パワーレベル選択部
35 DAC
36、38 終端抵抗
51、61 記録コード保持部
52、62 切替部
63 継続コード検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録信号に応じた情報をレーザ光を用いて記録媒体に記録する光ディスク記録装置であって、
前記記録信号から、前記レーザ光のパワーレベルに対応する記録パルス情報を生成する記録パルス情報生成部と、
前記記録パルス情報を符号化した記録コードを生成する記録コード生成部と、
前記記録コードを伝送する伝送線路と、
前記伝送された記録コードを復号して復号コードを生成する復号コード生成部と、を備え、
前記記録コード生成部は、前記パワーレベルの遷移がそれぞれグレイコードを用いて表現された循環コードに基づいて前記記録コードを生成し、
前記復号コード生成部は、所定のタイミングにおけるパワーレベルに対応した記録コードと当該所定のタイミングにおけるパワーレベルの直前のパワーレベルに対応した記録コードとを用いて前記記録コードを復号する、
光ディスク記録装置。
【請求項2】
前記記録コードのビット数は、前記レーザ光のパワーレベル数の平方根よりも少ないビット数である、請求項1に記載の光ディスク記録装置。
【請求項3】
前記復号コードに応じたパワーレベルを選択するパワーレベル選択部を更に備える、請求項1または2に記載の光ディスク記録装置。
【請求項4】
前記復号コード生成部は、
前記各々の記録コードが入力されたタイミングに基づいてクロックを生成するクロック生成部と、
前記クロックに応じて入力された前記各々の記録コードを保持すると共に、当該保持した各々の記録コードを前記復号コードとして出力する記録コード保持部と、
を備える請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光ディスク記録装置。
【請求項5】
前記記録コード生成部は、直前のパワーレベルを継続して出力することを示す継続コードを前記記録コードを用いて出力可能に構成されており、
前記復号コード生成部は、前記継続コードが検出された場合、前記直前のパワーレベルに対応した復号コードを出力する、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光ディスク記録装置。
【請求項6】
前記復号コード生成部は、
前記各々の記録コードが入力されたタイミングに基づいてクロックを生成するクロック生成部と、
前記クロックに応じて入力された前記各々の記録コードを保持すると共に、当該保持した各々の記録コードを伸張コードとして出力する記録コード保持部と、
前記伸張コードを入力し、当該伸張コードの中に前記継続コードを検出した場合、前記直前のパワーレベルに対応した伸張コードを前記復号コードとして出力し、前記伸張コードの中に前記継続コードを検出しない場合、前記伸張コードを前記復号コードとして出力する継続コード検出部と、
を備える請求項5に記載の光ディスク記録装置。
【請求項7】
前記記録コード保持部は、
前記クロックの立ち下がりエッジで駆動すると共に、前記各々の記録コードを保持し、当該保持した各々の記録コードを出力する第1のフリップフロップと、
前記クロックの立ち上がりエッジで駆動すると共に、前記各々の記録コードを保持し、当該保持した各々の記録コードを出力する第2のフリップフロップと、
前記第1および第2のフリップフロップから出力された各々の記録コードの順位を前記クロックに応じて切り替える切替部と、
を備える請求項4または6に記載の光ディスク記録装置。
【請求項8】
前記切替部は、
前記クロックの立ち下がりエッジにおいて、前記第2のフリップフロップから出力された前記各々の記録コードを上位ビットに割り当て、前記第1のフリップフロップから出力された前記各々の記録コードを下位ビットに割り当て、
前記クロックの立ち上がりエッジにおいて、前記第1のフリップフロップから出力された前記各々の記録コードを上位ビットに割り当て、前記第2のフリップフロップから出力された前記各々の記録コードを下位ビットに割り当てる、
請求項7に記載の光ディスク記録装置。
【請求項9】
前記記録パルス情報生成部および前記記録コード生成部を含む信号処理部と、
前記復号コード生成部を備えるレーザダイオードドライバおよび前記レーザ光を放射するレーザダイオードを含み、前記記録媒体の任意の場所にアクセス可能に構成された光ピックアップと、を備え、
前記信号処理部と前記光ピックアップとを接続する前記伝送線路としてフレキシブルケーブルが用いられている、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の光ディスク記録装置。
【請求項10】
前記記録パルス情報は、
前記記録媒体に記録する際の前記レーザ光のパワーレベルが1つである波形形状に対応する情報と、
前記記録媒体に記録する際の前記レーザ光のパワーレベルが2つである波形形状に対応する情報と、
前記記録媒体に記録する際の前記レーザ光のパワーレベルが3つである波形形状に対応する情報と、を含む、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の光ディスク記録装置。
【請求項11】
前記記録パルス情報生成部で生成された記録パルス情報が5ビットのデータ列である場合、前記符号化された記録コードは2ビットのデータ列である、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の光ディスク記録装置。
【請求項12】
記録信号に応じた情報をレーザ光を用いて記録媒体に記録する光ディスク記録装置における記録データ伝送方法であって、
前記記録信号から、前記レーザ光のパワーレベルに対応する記録パルス情報を生成し、
前記パワーレベルの遷移がそれぞれグレイコードを用いて表現された循環コードに基づいて、前記記録パルス情報を符号化した記録コードを生成し、
前記記録コードを伝送し、
所定のタイミングにおけるパワーレベルに対応した記録コードと当該所定のタイミングにおけるパワーレベルの直前のパワーレベルに対応した記録コードとを用いて、前記伝送された記録コードを復号して復号コードを生成する、
記録データ伝送方法。
【請求項13】
前記記録コードのビット数は、前記レーザ光のパワーレベル数の平方根よりも少ないビット数である、請求項12に記載の記録データ伝送方法。
【請求項14】
更に、前記復号コードに応じたパワーレベルを選択する、請求項12または13に記載の記録データ伝送方法。
【請求項15】
前記復号コードを生成する際に、
前記各々の記録コードが入力されたタイミングに基づいてクロックを生成し、
前記クロックに応じて入力された前記各々の記録コードを保持し、当該保持した各々の記録コードを前記復号コードとして出力する、
請求項12乃至14のいずれか一項に記載の記録データ伝送方法。
【請求項16】
直前のパワーレベルを継続して出力することを示す継続コードを前記記録コードとして出力し、
前記記録コードを復号する際に前記継続コードが検出された場合、前記直前のパワーレベルに対応した復号コードを出力する、
請求項12乃至14のいずれか一項に記載の記録データ伝送方法。
【請求項17】
前記復号コードを生成する際に、
前記各々の記録コードが入力されたタイミングに基づいてクロックを生成し、
前記クロックに応じて入力された前記各々の記録コードを保持し、当該保持した各々の記録コードを伸張コードとして出力し、
前記伸張コードの中に前記継続コードを検出した場合、前記直前のパワーレベルに対応した伸張コードを前記復号コードとして出力し、前記伸張コードの中に前記継続コードを検出しない場合、前記伸張コードを前記復号コードとして出力する、
請求項16に記載の記録データ伝送方法。
【請求項18】
少なくとも5つの異なる状態をそれぞれ2ビットのデータに変換して出力する半導体装置であって、
前記2ビットのデータは、前記状態が遷移した際のビットの変化が1ビットであり、
現在の前記2ビットのデータと直前の前記2ビットのデータとに基づいて、現在の前記状態を特定可能であることを特徴とする半導体装置。
【請求項19】
前記2ビットのデータは、前記状態の遷移をグレイコードを用いて表現することで生成されたデータである、請求項18に記載の半導体装置。
【請求項20】
前記半導体装置は、前記状態を所定の状態遷移に基いて前記2ビットのデータに変換することを特徴とする請求項18に記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2012−252749(P2012−252749A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125362(P2011−125362)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】