光ネットワークシステム、光多重装置、および受信装置
【課題】高密度な情報多重伝送ができる。
【解決手段】伝送路1には、搬送光が伝搬している。光多重装置2の制御光生成部2aは、強度変調された光をデータ信号によって変調した制御光を生成する。合波器2bは、伝送路1中の非線形光学媒質1aにおいて、搬送光を制御光により変調するために制御光を搬送光に合波する。伝送路1を伝搬している搬送光は、非線形光学媒質1aにおいて、制御光に基づき変調される。
【解決手段】伝送路1には、搬送光が伝搬している。光多重装置2の制御光生成部2aは、強度変調された光をデータ信号によって変調した制御光を生成する。合波器2bは、伝送路1中の非線形光学媒質1aにおいて、搬送光を制御光により変調するために制御光を搬送光に合波する。伝送路1を伝搬している搬送光は、非線形光学媒質1aにおいて、制御光に基づき変調される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、搬送光に情報を多重する光ネットワークシステム、光多重装置、および受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報を光多重伝送する技術として、WDM(Wavelength Division Multiplexing)がある。WDMは、異なる波長の光信号を多重化し、1本の光ファイバで複数の情報を伝送することができる。
【0003】
なお、従来、送信局と、受信局との間に、光伝送路を介して敷設される中継局に、送信局からの入力信号光および励起光を非線形光学媒質に供給する信号光/励起光供給手段と、非線形光学媒質に供給された入力信号光および励起光により発生した出力信号光および位相共役光を抽出する信号光/位相共役光抽出手段とを有する位相共役光発生装置と、励起光を中継局固有の監視データにより変調する変調手段を備え、変調された監視データを含む位相共役光を受信局へ送信することを特徴とする位相共役光を用いた中継局が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3436310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、WDMでは、信号光の設定波長精度および光合分波器の分解能の制限により高密度多重化が困難であるため、多重する光信号数に制限があった。
本件はこのような点に鑑みてなされたものであり、より多数の情報を高密度に多重伝送することができる光ネットワークシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、光ネットワークシステムが提供される。この光ネットワークシステムは、搬送光が伝搬する伝送路と、前記伝送路中に設けられる光多重装置と、を備え、前記光多重装置は、強度(正弦波)変調された光をデータ信号によって変調した制御光を生成する制御光生成部と、前記伝送路中の非線形光学媒質において前記搬送光を前記制御光により変調するために前記制御光を前記搬送光に合波する合波器と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
開示のシステムによれば、情報を高密度に多重伝送できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施の形態に係る光ネットワークシステムを示した図である。
【図2】第2の実施の形態に係る光ネットワークシステムを示した図である。
【図3】光多重装置のブロック図である。
【図4】制御光生成部のブロック図である。
【図5】第3の実施の形態に係る制御光生成部のブロック図である。
【図6】第4の実施の形態に係る制御光生成部のブロック図である。
【図7】第5の実施の形態に係る制御光生成部のブロック図である。
【図8】第6の実施の形態に係る制御光生成部のブロック図である。
【図9】第7の実施の形態に係る受信装置のブロックを示した図である。
【図10】第8の実施の形態に係る受信装置のブロックを示した図である。
【図11】第9の実施の形態に係る受信装置のブロックを示した図である。
【図12】第10の実施の形態に係る受信装置のブロックを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る光ネットワークシステムを示した図である。図1に示すように、光ネットワークシステムは、伝送路1および光多重装置2を有している。光多重装置2は、制御光生成部2aおよび合波器2bを有している。
【0010】
伝送路1には、搬送光が伝搬している。搬送光は、例えば、CW(Continuous Wave)光である。
制御光生成部2aは、強度変調された光をデータ信号によって変調した制御光を生成する。例えば、制御光生成部2aは、光周波数の異なる2つの光を合波し、その2つの光周波数差の周波数で光強度変調されたビート光を生成する。そして、制御光生成部2aは、生成したビート光をデータ信号で光強度変調した制御光を生成する。
【0011】
合波器2bは、伝送路1中の非線形光学媒質1aにおいて、搬送光を制御光により変調するために制御光と搬送光を合波する。非線形光学媒質1aは、例えば、伝送路1を形成している光ファイバである。伝送路1を伝搬している搬送光は、非線形光学媒質1aにおいて、例えば、制御光に基づき相互位相変調される。
【0012】
このように、光ネットワークシステムは、強度変調された光をデータ信号によって変調し、制御光を生成する。そして、光ネットワークシステムは、生成した制御光で伝送路を伝搬している搬送光を変調するようにした。これにより、搬送光は、制御光に基づいて情報を高密度に多重伝送することができる。
【0013】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図2は、第2の実施の形態に係る光ネットワークシステムを示した図である。図2に示すように、光ネットワークシステムは、光多重装置11a,11b,…,11n、受信装置12、および伝送路13を有している。光多重装置11a,11b,…,11nおよび受信装置12は、伝送路13中に設けられている。伝送路13は、例えば、非線形光学媒質の光ファイバである。
【0014】
伝送路13には、搬送光が伝搬している。搬送光は、CW光である。または、搬送光は、光多重装置11a,11b,…,11nによって多重される制御光の光強度の周波数に比べ、十分低いビットレートで変調されたベースバンド変調信号光である。
【0015】
光多重装置11a,11b,…,11nには、例えば、図示しない装置から搬送光によって伝送しようとするデータ信号が送られてくる。データ信号は、例えば、電気信号で送られてくる。光多重装置11a,11b,…,11nのそれぞれは、異なる光強度周波数の光を生成し、生成した光を送られてきたデータ信号によって変調して制御光を生成する。光多重装置11a,11b,…,11nは、データ信号によって変調した制御光を搬送光に合波する。
【0016】
搬送光は、合波された制御光の光強度に応じて変調される。例えば、搬送光は、非線形光学媒質により、制御光の光強度に応じて相互位相変調される。
受信装置12は、伝送路13を伝搬する搬送光を受信し、復調処理を行って、光多重装置11a,11b,…,11nから送られるデータ信号を得る。
【0017】
図2には、伝送路13を伝搬する搬送光の光スペクトル14a,14b,14c,14nが示してある。光スペクトルの横軸は光周波数を示し、縦軸はパワーを示す。また、図2には、光多重装置11a,11b,…,11nによって搬送光に合波される制御光の電気スペクトル15a,15b,15nが示してある。電気スペクトルの横軸は周波数を示し、縦軸はパワーを示す。
【0018】
光スペクトルに示すνCは、伝送路13を伝搬する搬送光の光周波数を示している。電気スペクトルに示すf1,f2,fNは、光多重装置11a,11b,11nによって生成される制御光の光強度周波数を示している。
【0019】
搬送光は、合波された制御光の光強度に応じて変調される。これにより、伝送路13を伝搬する搬送光の光スペクトルは、図2の光スペクトル14b,14c,14nに示すようになる。
【0020】
すなわち、図2の光ネットワークシステムは、光多重装置11a,11b,…,11nのそれぞれにおいて、異なる光強度周波数の光を生成してこれをデータ信号で変調し、搬送光に多重することによって(以下では周波数分割多重と呼ぶこともある)、搬送光と各制御光の間で相対的な高精度の波長制御をすることなく多重することができる。
【0021】
図3は、光多重装置のブロック図である。図3に示すように、光多重装置20は、制御光生成部21、光合波器22、光相互変調器23、および光フィルタ24を有している。光多重装置20は、伝送路中に設けられている。伝送路には、搬送光EC(j)が伝搬している。
【0022】
図3には、搬送光EC(j)の光スペクトル31が示してある。また、図3には、光多重装置20によって制御光が多重された搬送光EC(j+1)の光スペクトル32が示してある。また、図3には、制御光生成部21が出力する制御光ESjの電気スペクトル33が示してある。光スペクトル31〜32の横軸は光周波数を示し、縦軸はパワーを示す。電気スペクトル33の横軸は周波数を示し、縦軸はパワーを示す。
【0023】
図3のνCは、搬送光ECの光周波数を示している。周波数fSは、制御光の光強度周波数を示している。なお、図中のjは、光多重装置20が光ネットワークシステムにおいて、j番目に制御光を搬送光に多重することを示している。
【0024】
制御光生成部21は、周波数fSで光強度変調された光(例えば、光強度が周波数fSで一定に変化する光)を生成する。以下では、周波数fSを光サブキャリア周波数と呼び、周波数fSで強度変調された光をサブキャリア光と呼ぶことがある。
【0025】
制御光生成部21には、図示していないが、例えば、搬送光EC(j)で伝送するデータ信号が入力される。制御光生成部21は、生成したサブキャリア光をデータ信号で変調した制御光ESjを生成する。以下では、制御光ESjを光サブキャリア変調信号と呼ぶことがある。
【0026】
光合波器22は、伝送路を伝搬している搬送光EC(j)と、制御光生成部21で生成された光サブキャリア変調信号とを合波する。
光相互変調器23には、合波された搬送光EC(j)と光サブキャリア変調信号とが入力される。光相互変調器23は、非線形光学媒質によって、搬送光EC(j)を光サブキャリア変調信号により光相互変調し、搬送光EC(j)に光サブキャリア変調信号を多重する。
【0027】
非線形光学媒質による光相互変調としては、相互位相変調による光位相変調や光パラメトリック効果による光強度変調などを用いることができる。非線形光学媒質としては、例えば、光ファイバ、周期分極反転ニオブ酸リチウム、半導体光増幅器、シリコン細線導波路等の高屈折率差光導波路を用いることができる。なお、伝送路の光ファイバを利用して、搬送光EC(j)を光サブキャリア変調信号により光相互変調してもよい。
【0028】
光フィルタ24は、波長λCの光を通過させるフィルタである。波長λCは、搬送光EC(j)の波長である。すなわち、光フィルタ24は、光合波器22によって合波された制御光が後段に伝搬しないようにする。
【0029】
図4は、制御光生成部のブロック図である。図4に示すように、制御光生成部は、光源41a,41b、光合波器42、および光強度変調器43を有している。
図4には、光強度変調器43から出力される光サブキャリア変調信号の光スペクトルを示した光スペクトル51が示してある。光スペクトル51の横軸は光周波数を示し、縦軸はパワーを示す。また、図4には、光強度変調器43から出力される光サブキャリア変調信号の波形を示した波形52が示してある。波形52の横軸は時間を示し、縦軸はパワーを示す。
【0030】
光源41a,41bは、異なる光周波数ν1,ν2のCW光を出力する。
光合波器42は、光源41a,41bから出力される光を合波する。これにより、光合波器42からは、次の式(1)で示す周波数で強度変調されたサブキャリア光が出力される。
【0031】
f=|ν1−ν2| …(1)
すなわち、光合波器42からは、光源41a,41bから出力される光の光周波数差の周波数で強度変調されたビート光(サブキャリア光)が出力される。例えば、波形52の実線で示すように、光合波器42からは、周波数fで強度変調されたサブキャリア光が出力される。
【0032】
光強度変調器43には、図示しない装置から、伝送路で伝送しようとするデータ信号が送られてくる。データ信号は、例えば、電気信号である。光強度変調器43は、光合波器42から出力されるサブキャリア光をデータ信号によって強度変調し、光サブキャリア変調信号を出力する。
【0033】
例えば、光強度変調器43は、波形52の実線波形に示すような光サブキャリア変調信号を出力する。波形52に示す点線は、光強度変調器43に送られてくるデータ信号の波形を示している。この光サブキャリア変調信号の光スペクトルは、光スペクトル51に示すようになる。
【0034】
光強度変調器43から出力される光サブキャリア変調信号は、例えば、図3で示した光合波器22に入力され、搬送光に合波される。光サブキャリア変調信号は、搬送光と同一の偏波となるように制御して搬送光に合波される。
【0035】
光強度変調器43は、例えば、ニオブ酸リチウム光変調器またはEA(Electro Absorption)変調器である。または、光強度変調器43は、光ファイバ、周期分極反転ニオブ酸リチウム、半導体光増幅器、シリコン細線導波路などの非線形光学媒質である。光強度変調器43は、非線形光学媒質の場合、送られてくるデータ信号をE/O変換し、E/O変換したデータ信号によって光合波器42から出力されるサブキャリア光を強度変調する。または、光強度変調器43は、送られてくるデータ信号が光信号の場合、直接非線形光学媒質に入力し、サブキャリア光を強度変調する。
【0036】
このように、光ネットワークシステムは、ビート光(サブキャリア光)を生成してデータ信号によって変調し、光サブキャリア変調信号を生成する。そして、光ネットワークシステムは、生成した光サブキャリア変調信号で、伝送路を伝搬している搬送光を変調するようにした。これにより、搬送光は、光サブキャリア変調信号の光強度に基づいた広帯域な変調によりデータ信号を伝送することができる。
【0037】
例えば、図2の光スペクトル14nに示すように、周波数分割多重するので、テラヘルツ級の広い帯域を確保することが可能となる。
また、電気信号のサブキャリア信号を生成してこれをデータ信号で変調し、データ信号で変調した電気信号のサブキャリア信号で制御光を生成することも考えられる。しかしこの場合、高い周波数の高周波発振器が必要となり、広帯域な周波数分割多重が困難である。これに対し、図4の制御光生成部では、二つの光源の出力光周波数の制御によってビート光を生成してこれをデータ変調するので、広帯域な周波数分割多重が可能となる。
【0038】
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第3の実施の形態では、制御光生成部のブロックが第2の実施の形態と異なる。なお、第3の実施の形態における光ネットワークシステムは、図2と同様であり、その説明を省略する。また、光多重装置は、図3と同様であり(制御光生成部のブロックは異なる)、その説明を省略する。
【0039】
図5は、第3の実施の形態に係る制御光生成部のブロック図である。図5に示すように、制御光生成部は、光源61a,61b、光強度変調器62、および光合波器63を有している。
【0040】
図5には、光合波器63から出力される光サブキャリア変調信号の光スペクトルを示した光スペクトル71が示してある。光スペクトル71の横軸は光周波数を示し、縦軸はパワーを示す。また、図5には、光合波器63から出力される光サブキャリア変調信号の波形を示した波形72が示してある。波形72の横軸は時間を示し、縦軸はパワーを示す。
【0041】
光源61a,61bは、異なる光周波数νCW,νSのCW光を出力する。
光強度変調器62には、図示しない装置から、伝送路で伝送しようとするデータ信号が送られてくる。光強度変調器62は、光源61bから出力される光を、データ信号によって強度変調し、光合波器63に出力する。
【0042】
光強度変調器62は、例えば、ニオブ酸リチウム光変調器またはEA変調器である。または、光強度変調器62は、非線形光学媒質である。光強度変調器62は、非線形光学媒質の場合、送られてくるデータ信号をE/O変換し、E/O変換されたデータ信号によって光源61bから出力される光を強度変調する。または、光強度変調器62は、送られてくるデータ信号が光信号の場合、直接非線形光学媒質に入力し、光源61bから出力される光を強度変調する。
【0043】
光合波器63は、光源61aから出力される光と、光強度変調器62から出力される光とを合波する。光合波器63の出力する光の光スペクトルは、光スペクトル71に示すようになる。光源61aから出力される光と、光強度変調器62から出力される光と合波することによって、光合波器63からは、次の式(2)で示す光サブキャリア周波数を有する光サブキャリア変調信号が出力される。
【0044】
f=|νCW−νS| …(2)
すなわち、光合波器63からは、光源61a,61bから出力される光の光周波数差の周波数で強度変調されたサブキャリア光をデータ信号で強度変調した光サブキャリア変調信号が出力される。
【0045】
例えば、光合波器63からは、波形72の実線に示すような光サブキャリア変調信号が出力される。波形72に示す点線波形は、光強度変調器62に送られてくるデータ信号の波形を示している。
【0046】
光合波器63から出力される光サブキャリア変調信号は、例えば、図3で示した光合波器22に入力され、搬送光に合波される。光サブキャリア変調信号は、搬送光と同一の偏波となるように制御して搬送光に合波される。
【0047】
このように、制御光生成部は、光源から出力される光をデータ信号で変調し、他の光源から出力される光と合波することによっても、光サブキャリア変調信号を出力することができる。
【0048】
[第4の実施の形態]
次に、第4の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第2の実施の形態および第3の実施の形態では、単一の光サブキャリア変調信号を搬送光に合波するようにした。第4の実施の形態では、複数の互いに独立な光サブキャリア変調信号を多重して搬送光に合波する。なお、第4の実施の形態における光ネットワークシステムは、図2と同様であり、その説明を省略する。また、光多重装置は、図3と同様であり(制御光生成部のブロックは異なる)、その説明を省略する。
【0049】
図6は、第4の実施の形態に係る制御光生成部のブロック図である。図6に示すように、制御光生成部は、光源81a,81b,…,81n、光強度変調器82a,…,82m、および光合波器83を有している。
【0050】
図6には、光合波器83から出力する光の光スペクトルを示した光スペクトル91が示してある。光スペクトル91の横軸は光周波数を示し、縦軸はパワーを示す。
光源81a,81b,…,81nは、異なる光周波数νCW,νS1,…,νSnのCW光を出力する。
【0051】
光強度変調器82a,…,82mには、図示しない装置から、伝送路で伝送しようとするデータ信号D1,…,Dnが送られてくる。データ信号D1,…,Dnは、例えば、図示しない異なる装置から送信され、または、図示しない1つの装置から送信される。
【0052】
光強度変調器82aは、光源81bから出力される光を、データ信号D1によって強度変調し、光合波器83に出力する。以下同様にして、光強度変調器82mは、光源81nから出力される光を、データ信号Dnによって強度変調し、光合波器83に出力する。
【0053】
光強度変調器82a,…,82mは、例えば、ニオブ酸リチウム光変調器またはEA変調器である。または、光強度変調器82a,…,82mは、非線形光学媒質である。光強度変調器82a,…,82mは、非線形光学媒質の場合、送られてくるデータ信号をE/O変換し、E/O変換したデータ信号によって光源81b,…,81nから出力される光を強度変調する。または、光強度変調器82a,…,82mは、送られてくるデータ信号が光信号の場合、直接非線形光学媒質に入力し、光源81b,…,81nから出力される光を強度変調する。
【0054】
光合波器83は、光源81aから出力される光と、光強度変調器82a,…,82mから出力される光とを合波する。光合波器83から出力する光スペクトルは、光スペクトル91に示すようになる。光源81aから出力される光と、光強度変調器82a,…,82mから出力される光と合波することによって、光合波器83からは、次の式(3)で示す光サブキャリア周波数を有するn個の光サブキャリア変調信号が出力される。式(3)のjは、1〜n(nは光源81b〜81nの数)の値をとる。
【0055】
fj=|νCW−νSj| …(3)
すなわち、光合波器83からは、光源81aと光源81b,…,81nとから出力される光の光周波数差の周波数で正弦波変調されたサブキャリア光をデータ信号D1,…,Dnで強度変調し、それらを多重した光サブキャリア変調信号が出力される。光合波器83から出力される光サブキャリア変調信号は、例えば、図3で示した光合波器22に入力され、搬送光に合波される。光サブキャリア変調信号は、搬送光と同一の偏波となるように制御して搬送光に合波される。
【0056】
なお、多重化された光サブキャリア変調信号は、瞬時光パワーが高くなり、非線形光学媒質内でクロストークが増大する。そこで、例えば、光合波器83の出力に光分散媒質を設け、光合波器83から出力される光サブキャリア変調信号を、光分散媒質に透過させるようにしてもよい。これにより、非線形光学媒質内でのクロストーク増大を抑制することができる。
【0057】
このように、制御光生成部は、複数の異なる光周波数の光を出力する光源を備え、それらの光を複数のデータで変調して合波することによって、多重化した光サブキャリア変調信号を生成することもできる。
【0058】
[第5の実施の形態]
次に、第5の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第5の実施の形態では、モード同期レーザを用いて光サブキャリア変調信号を生成する。なお、第5の実施の形態における光ネットワークシステムは、図2と同様であり、その説明を省略する。また、光多重装置は、図3と同様であり(制御光生成部のブロックは異なる)、その説明を省略する。
【0059】
図7は、第5の実施の形態に係る制御光生成部のブロック図である。図7に示すように、制御光生成部は、モード同期レーザ101および光強度変調器102を有している。
図7には、モード同期レーザ101から出力される光の光スペクトル111が示してある。光スペクトル111の横軸は光周波数を示し、縦軸はパワーを示す。また、図7には、光強度変調器102から出力される光の光スペクトル112が示してある。光スペクトル112の横軸は光周波数を示し、縦軸はパワーを示す。また、図7には、光強度変調器102から出力される光サブキャリア変調信号の波形を示した波形113が示してある。波形113の横軸は時間を示し、縦軸はパワーを示す。
【0060】
モード同期レーザ101からは、図7の光スペクトル111に示す繰り返し周波数fmの光(サブキャリア光)が出力される。すなわち、モード同期レーザ101からは、繰り返し周波数fmの光が出力される。
【0061】
光強度変調器102には、図示しない装置から、伝送路で伝送しようとするデータ信号が送られてくる。光強度変調器102は、モード同期レーザ101から出力されるサブキャリア光を、データ信号によって強度変調し、光サブキャリア変調信号を出力する。
【0062】
例えば、光強度変調器102は、波形113の実線波形に示すような光サブキャリア変調信号を出力する。波形113に示す点線は、光強度変調器102に送られてくるデータ信号の波形を示している。
【0063】
光強度変調器102から出力される光サブキャリア変調信号は、例えば、図3で示した光合波器22に入力され、搬送光に合波される。光サブキャリア変調信号は、搬送光と同一の偏波となるように制御して搬送光に合波される。
【0064】
光強度変調器102は、例えば、ニオブ酸リチウム光変調器またはEA変調器である。または、光強度変調器102は、非線形光学媒質である。光強度変調器102は、非線形光学媒質の場合、送られてくるデータ信号をE/O変換し、E/O変換したデータ信号によってモード同期レーザ101から出力されるサブキャリア光を強度変調する。または、光強度変調器102は、送られてくるデータ信号が光信号の場合、直接非線形光学媒質に入力し、モード同期レーザ101から出力されるサブキャリア光を強度変調する。
【0065】
このように、制御光生成部は、レーザの緩和振動周波数による帯域の制限を受けないモード同期レーザを用いて、高い周波数の光サブキャリア変調信号を生成することができる。
【0066】
[第6の実施の形態]
次に、第6の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第6の実施の形態では、短パルスを発生する光源と光時間分割多重器とを用いて、サブキャリア光を生成する。なお、第6の実施の形態における光ネットワークシステムは、図2と同様であり、その説明を省略する。また、光多重装置は、図3と同様であり(制御光生成部のブロックは異なる)、その説明を省略する。
【0067】
図8は、第6の実施の形態に係る制御光生成部のブロック図である。図7に示すように、制御光生成部は、パルス光源121、光時間分割多重器122、および光強度変調器123を有している。
【0068】
図8には、パルス光源121から出力されるパルス光の波形を示した波形131が示してある。波形131の横軸は時間を示し、縦軸はパワーを示す。また、図8には、光時間分割多重器122から出力される光の波形を示した波形132が示してある。波形132の横軸は時間を示し、縦軸はパワーを示す。また、図8には、光強度変調器123から出力される光サブキャリア変調信号の波形を示した波形133が示してある。横軸は時間を示し、縦軸はパワーを示す。
【0069】
パルス光源121は、波形131に示すように、繰り返し周波数fPのパルス光を出力する。パルス光の幅は、繰り返し周波数fPに対して十分狭い短パルス光である。
光時間分割多重器122は、1:kの光時間分割多重器である。光時間分割多重器122は、パルス光源121から出力されるパルス光を、繰り返し周波数fP×kの周波数に変換して出力する。例えば、光時間分割多重器122は、波形132に示すような、繰り返し周波数fP×kのパルス光を出力する。
【0070】
光強度変調器123には、図示しない装置から、伝送路で伝送しようとするデータ信号が送られてくる。光強度変調器123は、光時間分割多重器122から出力されるパルス光(サブキャリア光)を、データ信号によって強度変調し、光サブキャリア変調信号を出力する。
【0071】
例えば、光強度変調器123は、波形133の実線波形に示すような光サブキャリア変調信号を出力する。波形133に示す点線は、光強度変調器123に送られてくるデータ信号の波形を示している。
【0072】
光強度変調器123から出力される光サブキャリア変調信号は、例えば、図3で示した光合波器22に入力され、搬送光に合波される。光サブキャリア変調信号は、搬送光と同一の偏波となるように制御して搬送光に合波される。
【0073】
光強度変調器123は、例えば、ニオブ酸リチウム光変調器またはEA変調器である。または、光強度変調器123は、非線形光学媒質である。光強度変調器123は、非線形光学媒質の場合、送られてくるデータ信号をE/O変換し、E/O変換したデータ信号によって光時間分割多重器122から出力されるサブキャリア光を強度変調する。または、光強度変調器123は、送られてくるデータ信号が光信号の場合、直接非線形光学媒質に入力し、光時間分割多重器122から出力されるサブキャリア光を強度変調する。
【0074】
このように、制御光生成部は、パルス光を生成し、光時間分割多重器で繰り返し周波数(光サブキャリア周波数)を制御して光サブキャリア変調信号を生成することもできる。
[第7の実施の形態]
次に、第7の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第7の実施の形態では、光ネットワークシステムの受信装置について説明する。なお、第7の実施の形態における光ネットワークシステムは、図2と同様であり、その説明を省略する。
【0075】
図9は、第7の実施の形態に係る受信装置のブロックを示した図である。図9に示すように、受信装置は、光分波器141、局所発振光源142a,…,142n、光カプラ143a,…,143n、フォトディテクタ144a,…,144n、帯域透過フィルタ145a,…,145n、および包絡線検波器146a,…,146nを有している。図9の受信装置は、光ヘテロダイン検波によりダウンコンバージョンし、搬送光に含まれるデータ信号を復調する。
【0076】
図9に示す受信装置は、例えば、図2に示す受信装置12に対応し、伝送路を伝搬する光が入力される。図2では、受信装置は、伝送路中に設けられているが、例えば、光カプラなどによって伝送路の光を一部分岐して受信装置に出力するようにしてもよい。
【0077】
光分波器141には、伝搬路を伝送している搬送光が入力される。搬送光には、光周波数νX1,…,νXnの光が多重されている。以下、光分波器141に入力される搬送光を多重光信号と呼ぶことがある。
【0078】
多重光信号の光周波数νX1,…,νXnは、例えば、図6で説明した光源81b,…,81nの光の光周波数νS1,…,νSnに対応した次の式(4)で示す光周波数である。式(4)のjは、1〜n(nは光源81b〜81nの数)の値をとる。
【0079】
νXj=νc±|νCW−νSj| … (4)
または、図4で説明した光源41a、41bの光周波数ν1,ν2の光周波数の差fは、他の光サブキャリア変調信号に重なって搬送光に多重されないよう、光多重装置ごとに異なる。例えば、伝送路中に複数設けられる図4の光多重装置は、異なる光サブキャリア周波数f1,…,fnの光を生成して光サブキャリア変調信号を生成する。多重光信号の光周波数νX1,…,νXnは、この場合の複数の光多重装置の光サブキャリア周波数f1,…,fnに対応した次の式(5)で示す光周波数である。式(5)のjは、1〜n(nは多重されているデータ信号の数)の値をとる。
【0080】
νXj=νc±fj … (5)
光多重装置の制御光生成部が図5、図7、および図8で説明した制御光生成部の場合も同様である。
【0081】
光分波器141は、多重光信号をn分割して、それぞれを光カプラ143a,…,143nに出力する。
局所発振光源142a,…,142nは、光周波数νl1,…,νlnの光を出力する。
【0082】
光カプラ143a,…,143nには、光分波器141によって分波された光と、局所発振光源142a,…,142nの出力する光が入力される。光カプラ143a,…,143nは、光分波器141によって分波された光と、局所発振光源142a,…,142nの光とを合波して、フォトディテクタ144a,…,144nに出力する。
【0083】
フォトディテクタ144a,…,144nは、光カプラから出力される光の光パワーを電気信号に変換する。
帯域透過フィルタ145a,…,145nのそれぞれは、フォトディテクタ144a,…,144nから出力される電気信号から一つの信号成分を抽出する。帯域透過フィルタ145a,…,145nのそれぞれは、次の式(6)に示す周波数を有する信号を透過させ、余計な周波数の信号を除去する。式(6)のkは、1〜n(nは多重されているデータ信号の数)の値をとる。
【0084】
fik=|νlk−νXk| …(6)
帯域透過フィルタ145a,…,145nの透過帯域は、例えば、式(6)に示す周波数fikに合わせる。
【0085】
包絡線検波器146a,…,146nは、帯域透過フィルタ145a,…,145nから出力される信号の包絡線を検波する。これにより、受信装置は、光多重装置から送信されたデータ信号を得ることができる。
【0086】
このように、受信装置は、搬送光を分配し、局所発振光源142a,…,142nの出力する光と合波する。そして、受信装置は、合波した光のパワーをフォトディテクタ144a,…,144nで電気信号に変換し、帯域透過フィルタにより信号を抽出し、包絡線検波器146a,…,146nで包絡線検波することにより、データ信号を得ることができる。
【0087】
[第8の実施の形態]
次に、第8の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第8の実施の形態では、受信装置は、受信した多重光信号をフォトディテクタで電気信号に変換し、分波器で分配する。そして、分配された電気信号を帯域透過フィルタで分離し、データ信号を得る。
【0088】
図10は、第8の実施の形態に係る受信装置のブロックを示した図である。図10に示すように、受信装置は、フォトディテクタ151、分配器152、帯域透過フィルタ153a,…,153n、および包絡線検波器154a,…,154nを有している。
【0089】
図10には、フォトディテクタ151に入力される多重光信号の光スペクトル161が示してある。光スペクトル161の横軸は光周波数を示し、縦軸はパワーを示す。また、図10には、フォトディテクタ151から出力される信号の電気スペクトル162が示してある。電気スペクトル162の横軸は周波数を示し、縦軸はパワーを示す。
【0090】
フォトディテクタ151には、光スペクトル161に示す光周波数を有する多重光信号が入力される。フォトディテクタ151は、入力される多重光信号の光パワーを電気信号に変換する。従って、フォトディテクタ151からは、電気スペクトル162に示す周波数を有する電気信号が出力される。
【0091】
分配器152は、フォトディテクタ151から出力される信号をN個(N:多重光信号に多重されているデータ信号の数)に分配し、帯域透過フィルタ153a,…,153nに出力する。
【0092】
帯域透過フィルタ153a,…,153nのそれぞれは、次の式(7)に示す周波数の信号を透過させる。式(7)のkは、1〜n(nは多重されているデータ信号の数)の値をとる。
【0093】
fik=|νCW−νXk| …(7)
すなわち、帯域透過フィルタ153a,…,153nの透過帯域は、複数の光多重装置のそれぞれで生成される光サブキャリア変調信号の光サブキャリア周波数に合わせられる。これによって、帯域透過フィルタ153a,…,153nからは、搬送光に多重された光サブキャリア変調信号の電気信号が得られる。
【0094】
包絡線検波器154a,…,154nは、帯域透過フィルタ153a,…,153nから出力される信号の包絡線を検波する。これにより、受信装置は、光多重装置から送信されたデータ信号を得ることができる。
【0095】
このように、搬送光をフォトディテクタ151で電気信号に変換して複数に分配する。そして、分配した電気信号から光サブキャリア周波数を有する信号を抽出して包絡線検波することにより、データ信号を得ることができる。
【0096】
[第9の実施の形態]
次に、第9の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第9の実施の形態では、受信装置は、光分波器で多重光信号を所定の波長(光周波数)で分波し、フォトディテクタで電気信号に変換してデータ信号を得る。
【0097】
図11は、第9の実施の形態に係る受信装置のブロックを示した図である。図11に示すように、受信装置は、光波長分波器171およびフォトディテクタ172a,…,172nを有している。
【0098】
光波長分波器171には、光周波数νX1,…,νXnを有する多重光信号が入力される。光波長分波器171は、多重光信号を光周波数νX1,…,νXnのそれぞれの光に分波する。
【0099】
フォトディテクタ172a,…,172nは、光波長分波器171によって波長(光周波数)分波された光の光パワーを電気信号に変換する。これにより、フォトディテクタ172a,…,172nからは、光多重装置から送信されたデータ信号を得ることができる。
【0100】
このように、受信装置は、搬送光を光波長分波器171によって光多重装置で生成した光サブキャリア変調信号の光サブキャリア周波数f1,…,fnに対応した式(5)で示される光周波数νX1,…,νXnで分波する。そして、受信装置は、分波した光の光パワーをフォトディテクタ172a,…,172nによって電気信号に変換することにより、データ信号を得ることができる。
【0101】
[第10の実施の形態]
次に、第10の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第10の実施の形態では、受信装置は、多重光信号を光波長分波器により複数の信号を含む光周波数群で分離し、それぞれを光ヘテロダイン検波によりダウンコンバージョンする。受信装置は、ダウンコンバージョンした信号を分配器で分配し、分配した信号をそれぞれ変換したサブキャリア周波数に対応した帯域透過フィルタにより分離し、検波器によってデータ信号を得る。
【0102】
図12は、第10の実施の形態に係る受信装置のブロックを示した図である。図12に示すように、受信装置は、光波長分波器181、局所発振光源182a,…,182m、光カプラ183a,…,183m、フォトディテクタ184a,…,184m、分配器185a,…,185m、帯域透過フィルタ186a,…,186n,…,188a,…188n、および包絡線検波器187a,…,187n,…,189a,…,189nを有している。
【0103】
局所発振光源182a,…,182m、光カプラ183a,…,183m、フォトディテクタ184a,…,184m、分配器185a,…,185mはそれぞれ、光波長分波器181によって多重光信号が光周波数群の光に分離される数分、設けられる。帯域透過フィルタ186a,…,186nは、分配器185aによって信号が分配される数分(光周波数群に含まれる光サブキャリア変調信号の数分)設けられ、同様に、帯域透過フィルタ188a,…188nも、分配器185mによって信号が分配される数分設けられる。包絡線検波器187a,…,187n,…,189a,…,189nは、帯域透過フィルタ186a,…,186n,…,188a,…188nに対応して設けられる。
【0104】
光波長分波器181には、光周波数νX11,…,νX1n,…,νXm1,…,νXmnを含む多重光信号が入力される。光周波数νX11,…,νX1nの光は、例えば、図6に示す制御光生成部を有する光多重装置によって搬送光に多重された光である。以下同様に、光周波数νXm1,…,νXmnの光は、図6に示す制御光生成部を有する別の光多重装置によって搬送光に多重された光である。
【0105】
光波長分波器181は、多重光信号を光周波数群の光に分離する。例えば、光波長分波器181は、光周波数νX11,…,νX1nの光を多重光信号から分離して光カプラ183aに出力し、以下同様にして、光周波数νXm1,…,νXmnの光を多重光信号から分離して光カプラ183mに出力する。
【0106】
局所発振光源182a,…,182mは、光周波数νl1,…,νlmの光を出力する。
光カプラ183a,…,183mには、光波長分波器181によって分波された光と、局所発振光源182a,…,182mの光が入力される。光カプラ183a,…,183mは、光波長分波器181によって分波された光と、局所発振光源182a,…,182mの光とを合波して、フォトディテクタ184a,…,184mに出力する。
【0107】
フォトディテクタ184a,…,184mは、光カプラ183a,…,183mから出力される光の光パワーを電気信号に変換する。
分配器185a,…,185mは、フォトディテクタ184a,…,184mから出力される信号を分配する。分配器185a,…,185mのそれぞれは、光波長分波器181によって分波された光に含まれる光サブキャリア変調信号の数分、信号を分配する。
【0108】
帯域透過フィルタ186a,…,186n,…,188a,…188nのそれぞれは、次の式(8)に示す周波数の信号を透過させる。式(8)のjは、1〜m(mは局所発振光源182a,…,182mの数)の値をとる。kは、1〜n(nは光波長分波器181によって分波された光に含まれる光サブキャリア変調信号の数)の値をとる。
【0109】
fjk=|νlj−νXjk| …(8)
すなわち、帯域透過フィルタ186a,…,186n,…,188a,…188nの透過帯域は、局所発振光源182a,…,182mの出力する光の光周波数と、複数の光多重装置のそれぞれの光源の光周波数との差の周波数に合わせられる。つまり、帯域透過フィルタ186a,…,186n,…,188a,…188nの透過帯域は、光サブキャリア周波数に対応した周波数に合わせられる。これによって、帯域透過フィルタ186a,…,186n,…,188a,…188nからは、搬送光に多重された光サブキャリア変調信号の電気信号が得られる。
【0110】
包絡線検波器187a,…,187n,…,189a,…,189nは、帯域透過フィルタ186a,…,186n,…,188a,…188nから出力される信号の包絡線を検波する。これにより、受信装置は、光多重装置から送信されたデータ信号を得ることができる。
【0111】
このように、受信装置は、多重光信号を光分波器により複数の信号を含む光周波数群に分離し、それぞれを光ヘテロダイン検波によりダウンコンバージョンする。そして、受信装置は、ダウンコンバージョンした信号を分配器により分配し、分配した信号を光サブキャリア周波数に対応した透過帯域の帯域透過フィルタによって分離し、検波器に検波することにより、データ信号を得ることができる。
【0112】
以上の実施の形態に開示された技術には、以下の付記に示す技術が含まれる。
(付記1) 搬送光が伝搬する伝送路と、
前記伝送路中に設けられる光多重装置と、を備え、
前記光多重装置は、
強度変調された光をデータ信号によって変調した制御光を生成する制御光生成部と、
前記伝送路中の非線形光学媒質において前記搬送光を前記制御光により変調するために前記制御光を前記搬送光に合波する合波器と、
を有することを特徴とする光ネットワークシステム。
【0113】
(付記2) 前記光多重装置は、前記伝送路中に複数設けられ、
それぞれの前記光多重装置の前記制御光生成部は、異なる周波数で前記強度変調された光を生成することを特徴とする付記1記載の光ネットワークシステム。
【0114】
(付記3) 前記制御光生成部は、
第1の光を出力する第1の光源と、
前記第1の光と光周波数の異なる第2の光を出力する第2の光源と、
前記第1の光と前記第2の光とを合波し、前記強度変調された光を出力する強度光生成合波器と、
前記強度光生成合波器から出力される前記強度変調された光を前記データ信号によって変調する変調器と、
を有することを特徴とする付記1または2記載の光ネットワークシステム。
【0115】
(付記4) 前記制御光生成部は、
第1の光を出力する第1の光源と、
前記第1の光と光周波数の異なる第2の光を出力する第2の光源と、
前記第2の光を前記データ信号によって変調する変調器と、
前記第1の光と前記変調器から出力される光とを合波し、前記制御光を出力する制御光生成合波器と、
を有することを特徴とする付記1または2記載の光ネットワークシステム。
【0116】
(付記5) 前記制御光生成部は、
光を出力する第1の光源と、
前記第1の光源が出力する光と光周波数が異なる光を出力する複数の第2の光源と、
複数の前記第2の光源から出力される光を複数の異なる前記データ信号によって変調する複数の変調器と、
前記第1の光源から出力される光と前記複数の変調器から出力される光とを合波し、前記制御光を出力する制御光生成合波器と、
を有することを特徴とする付記1または2記載の光ネットワークシステム。
【0117】
(付記6) 前記制御光生成部は、モード同期レーザによって前記強度変調された光を出力することを特徴とする付記1または2記載の光ネットワークシステム。
(付記7) 前記制御光生成部は、
パルス光を出力するパルス光源と、
前記パルス光の繰り返し周波数を変更し、前記強度変調された光を出力する光時間分割多重器と、
を有することを特徴とする付記1または2記載の光ネットワークシステム。
【0118】
(付記8) 前記搬送光を分配する分波器と、
局所光を出力する複数の局所発振光源と、
前記分波器で分波された光と前記局所発振光源の出力する前記局所光とを合波する複数の局所光合波器と、
前記局所光合波器から出力される光を電気信号に変換する複数のフォトディテクタと、
前記電気信号から一つの信号成分を抽出する複数のフィルタと、
を有する受信装置と、
をさらに有することを特徴とする付記1または2記載の光ネットワークシステム。
【0119】
(付記9) 前記搬送光を電気信号に変換するフォトディテクタと、
前記電気信号を分配する分配器と、
分配された前記電気信号を前記強度変調された光の光強度周波数で透過させる複数のフィルタと、
を有する受信装置と、
をさらに有することを特徴とする付記1または2記載の光ネットワークシステム。
【0120】
(付記10) 前記搬送光を光周波数で分波する分波器と、
前記分波器から出力される光を電気信号に変換する複数のフォトディテクタと、
を有する受信装置と、
をさらに有することを特徴とする付記1または2記載の光ネットワークシステム。
【0121】
(付記11) 前記搬送光を光周波数群で分波する分波器と、
局所光を出力する複数の局所発振光源と、
前記分波器で分波された光と前記局所発振光源の出力する前記局所光とを合波する複数の局所光合波器と、
前記局所光合波器から出力される光を電気信号に変換する複数のフォトディテクタと、
前記電気信号を分配する複数の分配器と、
分配された前記電気信号を前記強度変調された光の光強度周波数に対応する周波数で透過させる複数のフィルタと、
を有する受信装置と、
をさらに有することを特徴とする付記1または2記載の光ネットワークシステム。
【0122】
(付記12) 強度変調された光をデータ信号によって変調した制御光を生成する制御光生成部と、
伝送路を伝搬している搬送光を非線形光学媒質において前記制御光により変調するために前記制御光を前記搬送光に合波する合波器と、
を有することを特徴とする光多重装置。
【0123】
(付記13) 強度変調された光をデータ信号によって変調した制御光と合波され、伝送路中の非線形光学媒質において変調された搬送光を分配する分波器と、
局所光を出力する複数の局所発振光源と、
前記分波器で分波された光と前記局所発振光源の出力する前記局所光とを合波する複数の局所光合波器と、
前記局所光合波器から出力される光を電気信号に変換する複数のフォトディテクタと、
前記電気信号から一つの信号成分を抽出する複数のフィルタと、
を有することを特徴とする受信装置。
【符号の説明】
【0124】
1 伝送路
1a 非線形光学媒質
2 光多重装置
2a 制御光生成部
2b 合波器
【技術分野】
【0001】
本件は、搬送光に情報を多重する光ネットワークシステム、光多重装置、および受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報を光多重伝送する技術として、WDM(Wavelength Division Multiplexing)がある。WDMは、異なる波長の光信号を多重化し、1本の光ファイバで複数の情報を伝送することができる。
【0003】
なお、従来、送信局と、受信局との間に、光伝送路を介して敷設される中継局に、送信局からの入力信号光および励起光を非線形光学媒質に供給する信号光/励起光供給手段と、非線形光学媒質に供給された入力信号光および励起光により発生した出力信号光および位相共役光を抽出する信号光/位相共役光抽出手段とを有する位相共役光発生装置と、励起光を中継局固有の監視データにより変調する変調手段を備え、変調された監視データを含む位相共役光を受信局へ送信することを特徴とする位相共役光を用いた中継局が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3436310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、WDMでは、信号光の設定波長精度および光合分波器の分解能の制限により高密度多重化が困難であるため、多重する光信号数に制限があった。
本件はこのような点に鑑みてなされたものであり、より多数の情報を高密度に多重伝送することができる光ネットワークシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、光ネットワークシステムが提供される。この光ネットワークシステムは、搬送光が伝搬する伝送路と、前記伝送路中に設けられる光多重装置と、を備え、前記光多重装置は、強度(正弦波)変調された光をデータ信号によって変調した制御光を生成する制御光生成部と、前記伝送路中の非線形光学媒質において前記搬送光を前記制御光により変調するために前記制御光を前記搬送光に合波する合波器と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
開示のシステムによれば、情報を高密度に多重伝送できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施の形態に係る光ネットワークシステムを示した図である。
【図2】第2の実施の形態に係る光ネットワークシステムを示した図である。
【図3】光多重装置のブロック図である。
【図4】制御光生成部のブロック図である。
【図5】第3の実施の形態に係る制御光生成部のブロック図である。
【図6】第4の実施の形態に係る制御光生成部のブロック図である。
【図7】第5の実施の形態に係る制御光生成部のブロック図である。
【図8】第6の実施の形態に係る制御光生成部のブロック図である。
【図9】第7の実施の形態に係る受信装置のブロックを示した図である。
【図10】第8の実施の形態に係る受信装置のブロックを示した図である。
【図11】第9の実施の形態に係る受信装置のブロックを示した図である。
【図12】第10の実施の形態に係る受信装置のブロックを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る光ネットワークシステムを示した図である。図1に示すように、光ネットワークシステムは、伝送路1および光多重装置2を有している。光多重装置2は、制御光生成部2aおよび合波器2bを有している。
【0010】
伝送路1には、搬送光が伝搬している。搬送光は、例えば、CW(Continuous Wave)光である。
制御光生成部2aは、強度変調された光をデータ信号によって変調した制御光を生成する。例えば、制御光生成部2aは、光周波数の異なる2つの光を合波し、その2つの光周波数差の周波数で光強度変調されたビート光を生成する。そして、制御光生成部2aは、生成したビート光をデータ信号で光強度変調した制御光を生成する。
【0011】
合波器2bは、伝送路1中の非線形光学媒質1aにおいて、搬送光を制御光により変調するために制御光と搬送光を合波する。非線形光学媒質1aは、例えば、伝送路1を形成している光ファイバである。伝送路1を伝搬している搬送光は、非線形光学媒質1aにおいて、例えば、制御光に基づき相互位相変調される。
【0012】
このように、光ネットワークシステムは、強度変調された光をデータ信号によって変調し、制御光を生成する。そして、光ネットワークシステムは、生成した制御光で伝送路を伝搬している搬送光を変調するようにした。これにより、搬送光は、制御光に基づいて情報を高密度に多重伝送することができる。
【0013】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図2は、第2の実施の形態に係る光ネットワークシステムを示した図である。図2に示すように、光ネットワークシステムは、光多重装置11a,11b,…,11n、受信装置12、および伝送路13を有している。光多重装置11a,11b,…,11nおよび受信装置12は、伝送路13中に設けられている。伝送路13は、例えば、非線形光学媒質の光ファイバである。
【0014】
伝送路13には、搬送光が伝搬している。搬送光は、CW光である。または、搬送光は、光多重装置11a,11b,…,11nによって多重される制御光の光強度の周波数に比べ、十分低いビットレートで変調されたベースバンド変調信号光である。
【0015】
光多重装置11a,11b,…,11nには、例えば、図示しない装置から搬送光によって伝送しようとするデータ信号が送られてくる。データ信号は、例えば、電気信号で送られてくる。光多重装置11a,11b,…,11nのそれぞれは、異なる光強度周波数の光を生成し、生成した光を送られてきたデータ信号によって変調して制御光を生成する。光多重装置11a,11b,…,11nは、データ信号によって変調した制御光を搬送光に合波する。
【0016】
搬送光は、合波された制御光の光強度に応じて変調される。例えば、搬送光は、非線形光学媒質により、制御光の光強度に応じて相互位相変調される。
受信装置12は、伝送路13を伝搬する搬送光を受信し、復調処理を行って、光多重装置11a,11b,…,11nから送られるデータ信号を得る。
【0017】
図2には、伝送路13を伝搬する搬送光の光スペクトル14a,14b,14c,14nが示してある。光スペクトルの横軸は光周波数を示し、縦軸はパワーを示す。また、図2には、光多重装置11a,11b,…,11nによって搬送光に合波される制御光の電気スペクトル15a,15b,15nが示してある。電気スペクトルの横軸は周波数を示し、縦軸はパワーを示す。
【0018】
光スペクトルに示すνCは、伝送路13を伝搬する搬送光の光周波数を示している。電気スペクトルに示すf1,f2,fNは、光多重装置11a,11b,11nによって生成される制御光の光強度周波数を示している。
【0019】
搬送光は、合波された制御光の光強度に応じて変調される。これにより、伝送路13を伝搬する搬送光の光スペクトルは、図2の光スペクトル14b,14c,14nに示すようになる。
【0020】
すなわち、図2の光ネットワークシステムは、光多重装置11a,11b,…,11nのそれぞれにおいて、異なる光強度周波数の光を生成してこれをデータ信号で変調し、搬送光に多重することによって(以下では周波数分割多重と呼ぶこともある)、搬送光と各制御光の間で相対的な高精度の波長制御をすることなく多重することができる。
【0021】
図3は、光多重装置のブロック図である。図3に示すように、光多重装置20は、制御光生成部21、光合波器22、光相互変調器23、および光フィルタ24を有している。光多重装置20は、伝送路中に設けられている。伝送路には、搬送光EC(j)が伝搬している。
【0022】
図3には、搬送光EC(j)の光スペクトル31が示してある。また、図3には、光多重装置20によって制御光が多重された搬送光EC(j+1)の光スペクトル32が示してある。また、図3には、制御光生成部21が出力する制御光ESjの電気スペクトル33が示してある。光スペクトル31〜32の横軸は光周波数を示し、縦軸はパワーを示す。電気スペクトル33の横軸は周波数を示し、縦軸はパワーを示す。
【0023】
図3のνCは、搬送光ECの光周波数を示している。周波数fSは、制御光の光強度周波数を示している。なお、図中のjは、光多重装置20が光ネットワークシステムにおいて、j番目に制御光を搬送光に多重することを示している。
【0024】
制御光生成部21は、周波数fSで光強度変調された光(例えば、光強度が周波数fSで一定に変化する光)を生成する。以下では、周波数fSを光サブキャリア周波数と呼び、周波数fSで強度変調された光をサブキャリア光と呼ぶことがある。
【0025】
制御光生成部21には、図示していないが、例えば、搬送光EC(j)で伝送するデータ信号が入力される。制御光生成部21は、生成したサブキャリア光をデータ信号で変調した制御光ESjを生成する。以下では、制御光ESjを光サブキャリア変調信号と呼ぶことがある。
【0026】
光合波器22は、伝送路を伝搬している搬送光EC(j)と、制御光生成部21で生成された光サブキャリア変調信号とを合波する。
光相互変調器23には、合波された搬送光EC(j)と光サブキャリア変調信号とが入力される。光相互変調器23は、非線形光学媒質によって、搬送光EC(j)を光サブキャリア変調信号により光相互変調し、搬送光EC(j)に光サブキャリア変調信号を多重する。
【0027】
非線形光学媒質による光相互変調としては、相互位相変調による光位相変調や光パラメトリック効果による光強度変調などを用いることができる。非線形光学媒質としては、例えば、光ファイバ、周期分極反転ニオブ酸リチウム、半導体光増幅器、シリコン細線導波路等の高屈折率差光導波路を用いることができる。なお、伝送路の光ファイバを利用して、搬送光EC(j)を光サブキャリア変調信号により光相互変調してもよい。
【0028】
光フィルタ24は、波長λCの光を通過させるフィルタである。波長λCは、搬送光EC(j)の波長である。すなわち、光フィルタ24は、光合波器22によって合波された制御光が後段に伝搬しないようにする。
【0029】
図4は、制御光生成部のブロック図である。図4に示すように、制御光生成部は、光源41a,41b、光合波器42、および光強度変調器43を有している。
図4には、光強度変調器43から出力される光サブキャリア変調信号の光スペクトルを示した光スペクトル51が示してある。光スペクトル51の横軸は光周波数を示し、縦軸はパワーを示す。また、図4には、光強度変調器43から出力される光サブキャリア変調信号の波形を示した波形52が示してある。波形52の横軸は時間を示し、縦軸はパワーを示す。
【0030】
光源41a,41bは、異なる光周波数ν1,ν2のCW光を出力する。
光合波器42は、光源41a,41bから出力される光を合波する。これにより、光合波器42からは、次の式(1)で示す周波数で強度変調されたサブキャリア光が出力される。
【0031】
f=|ν1−ν2| …(1)
すなわち、光合波器42からは、光源41a,41bから出力される光の光周波数差の周波数で強度変調されたビート光(サブキャリア光)が出力される。例えば、波形52の実線で示すように、光合波器42からは、周波数fで強度変調されたサブキャリア光が出力される。
【0032】
光強度変調器43には、図示しない装置から、伝送路で伝送しようとするデータ信号が送られてくる。データ信号は、例えば、電気信号である。光強度変調器43は、光合波器42から出力されるサブキャリア光をデータ信号によって強度変調し、光サブキャリア変調信号を出力する。
【0033】
例えば、光強度変調器43は、波形52の実線波形に示すような光サブキャリア変調信号を出力する。波形52に示す点線は、光強度変調器43に送られてくるデータ信号の波形を示している。この光サブキャリア変調信号の光スペクトルは、光スペクトル51に示すようになる。
【0034】
光強度変調器43から出力される光サブキャリア変調信号は、例えば、図3で示した光合波器22に入力され、搬送光に合波される。光サブキャリア変調信号は、搬送光と同一の偏波となるように制御して搬送光に合波される。
【0035】
光強度変調器43は、例えば、ニオブ酸リチウム光変調器またはEA(Electro Absorption)変調器である。または、光強度変調器43は、光ファイバ、周期分極反転ニオブ酸リチウム、半導体光増幅器、シリコン細線導波路などの非線形光学媒質である。光強度変調器43は、非線形光学媒質の場合、送られてくるデータ信号をE/O変換し、E/O変換したデータ信号によって光合波器42から出力されるサブキャリア光を強度変調する。または、光強度変調器43は、送られてくるデータ信号が光信号の場合、直接非線形光学媒質に入力し、サブキャリア光を強度変調する。
【0036】
このように、光ネットワークシステムは、ビート光(サブキャリア光)を生成してデータ信号によって変調し、光サブキャリア変調信号を生成する。そして、光ネットワークシステムは、生成した光サブキャリア変調信号で、伝送路を伝搬している搬送光を変調するようにした。これにより、搬送光は、光サブキャリア変調信号の光強度に基づいた広帯域な変調によりデータ信号を伝送することができる。
【0037】
例えば、図2の光スペクトル14nに示すように、周波数分割多重するので、テラヘルツ級の広い帯域を確保することが可能となる。
また、電気信号のサブキャリア信号を生成してこれをデータ信号で変調し、データ信号で変調した電気信号のサブキャリア信号で制御光を生成することも考えられる。しかしこの場合、高い周波数の高周波発振器が必要となり、広帯域な周波数分割多重が困難である。これに対し、図4の制御光生成部では、二つの光源の出力光周波数の制御によってビート光を生成してこれをデータ変調するので、広帯域な周波数分割多重が可能となる。
【0038】
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第3の実施の形態では、制御光生成部のブロックが第2の実施の形態と異なる。なお、第3の実施の形態における光ネットワークシステムは、図2と同様であり、その説明を省略する。また、光多重装置は、図3と同様であり(制御光生成部のブロックは異なる)、その説明を省略する。
【0039】
図5は、第3の実施の形態に係る制御光生成部のブロック図である。図5に示すように、制御光生成部は、光源61a,61b、光強度変調器62、および光合波器63を有している。
【0040】
図5には、光合波器63から出力される光サブキャリア変調信号の光スペクトルを示した光スペクトル71が示してある。光スペクトル71の横軸は光周波数を示し、縦軸はパワーを示す。また、図5には、光合波器63から出力される光サブキャリア変調信号の波形を示した波形72が示してある。波形72の横軸は時間を示し、縦軸はパワーを示す。
【0041】
光源61a,61bは、異なる光周波数νCW,νSのCW光を出力する。
光強度変調器62には、図示しない装置から、伝送路で伝送しようとするデータ信号が送られてくる。光強度変調器62は、光源61bから出力される光を、データ信号によって強度変調し、光合波器63に出力する。
【0042】
光強度変調器62は、例えば、ニオブ酸リチウム光変調器またはEA変調器である。または、光強度変調器62は、非線形光学媒質である。光強度変調器62は、非線形光学媒質の場合、送られてくるデータ信号をE/O変換し、E/O変換されたデータ信号によって光源61bから出力される光を強度変調する。または、光強度変調器62は、送られてくるデータ信号が光信号の場合、直接非線形光学媒質に入力し、光源61bから出力される光を強度変調する。
【0043】
光合波器63は、光源61aから出力される光と、光強度変調器62から出力される光とを合波する。光合波器63の出力する光の光スペクトルは、光スペクトル71に示すようになる。光源61aから出力される光と、光強度変調器62から出力される光と合波することによって、光合波器63からは、次の式(2)で示す光サブキャリア周波数を有する光サブキャリア変調信号が出力される。
【0044】
f=|νCW−νS| …(2)
すなわち、光合波器63からは、光源61a,61bから出力される光の光周波数差の周波数で強度変調されたサブキャリア光をデータ信号で強度変調した光サブキャリア変調信号が出力される。
【0045】
例えば、光合波器63からは、波形72の実線に示すような光サブキャリア変調信号が出力される。波形72に示す点線波形は、光強度変調器62に送られてくるデータ信号の波形を示している。
【0046】
光合波器63から出力される光サブキャリア変調信号は、例えば、図3で示した光合波器22に入力され、搬送光に合波される。光サブキャリア変調信号は、搬送光と同一の偏波となるように制御して搬送光に合波される。
【0047】
このように、制御光生成部は、光源から出力される光をデータ信号で変調し、他の光源から出力される光と合波することによっても、光サブキャリア変調信号を出力することができる。
【0048】
[第4の実施の形態]
次に、第4の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第2の実施の形態および第3の実施の形態では、単一の光サブキャリア変調信号を搬送光に合波するようにした。第4の実施の形態では、複数の互いに独立な光サブキャリア変調信号を多重して搬送光に合波する。なお、第4の実施の形態における光ネットワークシステムは、図2と同様であり、その説明を省略する。また、光多重装置は、図3と同様であり(制御光生成部のブロックは異なる)、その説明を省略する。
【0049】
図6は、第4の実施の形態に係る制御光生成部のブロック図である。図6に示すように、制御光生成部は、光源81a,81b,…,81n、光強度変調器82a,…,82m、および光合波器83を有している。
【0050】
図6には、光合波器83から出力する光の光スペクトルを示した光スペクトル91が示してある。光スペクトル91の横軸は光周波数を示し、縦軸はパワーを示す。
光源81a,81b,…,81nは、異なる光周波数νCW,νS1,…,νSnのCW光を出力する。
【0051】
光強度変調器82a,…,82mには、図示しない装置から、伝送路で伝送しようとするデータ信号D1,…,Dnが送られてくる。データ信号D1,…,Dnは、例えば、図示しない異なる装置から送信され、または、図示しない1つの装置から送信される。
【0052】
光強度変調器82aは、光源81bから出力される光を、データ信号D1によって強度変調し、光合波器83に出力する。以下同様にして、光強度変調器82mは、光源81nから出力される光を、データ信号Dnによって強度変調し、光合波器83に出力する。
【0053】
光強度変調器82a,…,82mは、例えば、ニオブ酸リチウム光変調器またはEA変調器である。または、光強度変調器82a,…,82mは、非線形光学媒質である。光強度変調器82a,…,82mは、非線形光学媒質の場合、送られてくるデータ信号をE/O変換し、E/O変換したデータ信号によって光源81b,…,81nから出力される光を強度変調する。または、光強度変調器82a,…,82mは、送られてくるデータ信号が光信号の場合、直接非線形光学媒質に入力し、光源81b,…,81nから出力される光を強度変調する。
【0054】
光合波器83は、光源81aから出力される光と、光強度変調器82a,…,82mから出力される光とを合波する。光合波器83から出力する光スペクトルは、光スペクトル91に示すようになる。光源81aから出力される光と、光強度変調器82a,…,82mから出力される光と合波することによって、光合波器83からは、次の式(3)で示す光サブキャリア周波数を有するn個の光サブキャリア変調信号が出力される。式(3)のjは、1〜n(nは光源81b〜81nの数)の値をとる。
【0055】
fj=|νCW−νSj| …(3)
すなわち、光合波器83からは、光源81aと光源81b,…,81nとから出力される光の光周波数差の周波数で正弦波変調されたサブキャリア光をデータ信号D1,…,Dnで強度変調し、それらを多重した光サブキャリア変調信号が出力される。光合波器83から出力される光サブキャリア変調信号は、例えば、図3で示した光合波器22に入力され、搬送光に合波される。光サブキャリア変調信号は、搬送光と同一の偏波となるように制御して搬送光に合波される。
【0056】
なお、多重化された光サブキャリア変調信号は、瞬時光パワーが高くなり、非線形光学媒質内でクロストークが増大する。そこで、例えば、光合波器83の出力に光分散媒質を設け、光合波器83から出力される光サブキャリア変調信号を、光分散媒質に透過させるようにしてもよい。これにより、非線形光学媒質内でのクロストーク増大を抑制することができる。
【0057】
このように、制御光生成部は、複数の異なる光周波数の光を出力する光源を備え、それらの光を複数のデータで変調して合波することによって、多重化した光サブキャリア変調信号を生成することもできる。
【0058】
[第5の実施の形態]
次に、第5の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第5の実施の形態では、モード同期レーザを用いて光サブキャリア変調信号を生成する。なお、第5の実施の形態における光ネットワークシステムは、図2と同様であり、その説明を省略する。また、光多重装置は、図3と同様であり(制御光生成部のブロックは異なる)、その説明を省略する。
【0059】
図7は、第5の実施の形態に係る制御光生成部のブロック図である。図7に示すように、制御光生成部は、モード同期レーザ101および光強度変調器102を有している。
図7には、モード同期レーザ101から出力される光の光スペクトル111が示してある。光スペクトル111の横軸は光周波数を示し、縦軸はパワーを示す。また、図7には、光強度変調器102から出力される光の光スペクトル112が示してある。光スペクトル112の横軸は光周波数を示し、縦軸はパワーを示す。また、図7には、光強度変調器102から出力される光サブキャリア変調信号の波形を示した波形113が示してある。波形113の横軸は時間を示し、縦軸はパワーを示す。
【0060】
モード同期レーザ101からは、図7の光スペクトル111に示す繰り返し周波数fmの光(サブキャリア光)が出力される。すなわち、モード同期レーザ101からは、繰り返し周波数fmの光が出力される。
【0061】
光強度変調器102には、図示しない装置から、伝送路で伝送しようとするデータ信号が送られてくる。光強度変調器102は、モード同期レーザ101から出力されるサブキャリア光を、データ信号によって強度変調し、光サブキャリア変調信号を出力する。
【0062】
例えば、光強度変調器102は、波形113の実線波形に示すような光サブキャリア変調信号を出力する。波形113に示す点線は、光強度変調器102に送られてくるデータ信号の波形を示している。
【0063】
光強度変調器102から出力される光サブキャリア変調信号は、例えば、図3で示した光合波器22に入力され、搬送光に合波される。光サブキャリア変調信号は、搬送光と同一の偏波となるように制御して搬送光に合波される。
【0064】
光強度変調器102は、例えば、ニオブ酸リチウム光変調器またはEA変調器である。または、光強度変調器102は、非線形光学媒質である。光強度変調器102は、非線形光学媒質の場合、送られてくるデータ信号をE/O変換し、E/O変換したデータ信号によってモード同期レーザ101から出力されるサブキャリア光を強度変調する。または、光強度変調器102は、送られてくるデータ信号が光信号の場合、直接非線形光学媒質に入力し、モード同期レーザ101から出力されるサブキャリア光を強度変調する。
【0065】
このように、制御光生成部は、レーザの緩和振動周波数による帯域の制限を受けないモード同期レーザを用いて、高い周波数の光サブキャリア変調信号を生成することができる。
【0066】
[第6の実施の形態]
次に、第6の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第6の実施の形態では、短パルスを発生する光源と光時間分割多重器とを用いて、サブキャリア光を生成する。なお、第6の実施の形態における光ネットワークシステムは、図2と同様であり、その説明を省略する。また、光多重装置は、図3と同様であり(制御光生成部のブロックは異なる)、その説明を省略する。
【0067】
図8は、第6の実施の形態に係る制御光生成部のブロック図である。図7に示すように、制御光生成部は、パルス光源121、光時間分割多重器122、および光強度変調器123を有している。
【0068】
図8には、パルス光源121から出力されるパルス光の波形を示した波形131が示してある。波形131の横軸は時間を示し、縦軸はパワーを示す。また、図8には、光時間分割多重器122から出力される光の波形を示した波形132が示してある。波形132の横軸は時間を示し、縦軸はパワーを示す。また、図8には、光強度変調器123から出力される光サブキャリア変調信号の波形を示した波形133が示してある。横軸は時間を示し、縦軸はパワーを示す。
【0069】
パルス光源121は、波形131に示すように、繰り返し周波数fPのパルス光を出力する。パルス光の幅は、繰り返し周波数fPに対して十分狭い短パルス光である。
光時間分割多重器122は、1:kの光時間分割多重器である。光時間分割多重器122は、パルス光源121から出力されるパルス光を、繰り返し周波数fP×kの周波数に変換して出力する。例えば、光時間分割多重器122は、波形132に示すような、繰り返し周波数fP×kのパルス光を出力する。
【0070】
光強度変調器123には、図示しない装置から、伝送路で伝送しようとするデータ信号が送られてくる。光強度変調器123は、光時間分割多重器122から出力されるパルス光(サブキャリア光)を、データ信号によって強度変調し、光サブキャリア変調信号を出力する。
【0071】
例えば、光強度変調器123は、波形133の実線波形に示すような光サブキャリア変調信号を出力する。波形133に示す点線は、光強度変調器123に送られてくるデータ信号の波形を示している。
【0072】
光強度変調器123から出力される光サブキャリア変調信号は、例えば、図3で示した光合波器22に入力され、搬送光に合波される。光サブキャリア変調信号は、搬送光と同一の偏波となるように制御して搬送光に合波される。
【0073】
光強度変調器123は、例えば、ニオブ酸リチウム光変調器またはEA変調器である。または、光強度変調器123は、非線形光学媒質である。光強度変調器123は、非線形光学媒質の場合、送られてくるデータ信号をE/O変換し、E/O変換したデータ信号によって光時間分割多重器122から出力されるサブキャリア光を強度変調する。または、光強度変調器123は、送られてくるデータ信号が光信号の場合、直接非線形光学媒質に入力し、光時間分割多重器122から出力されるサブキャリア光を強度変調する。
【0074】
このように、制御光生成部は、パルス光を生成し、光時間分割多重器で繰り返し周波数(光サブキャリア周波数)を制御して光サブキャリア変調信号を生成することもできる。
[第7の実施の形態]
次に、第7の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第7の実施の形態では、光ネットワークシステムの受信装置について説明する。なお、第7の実施の形態における光ネットワークシステムは、図2と同様であり、その説明を省略する。
【0075】
図9は、第7の実施の形態に係る受信装置のブロックを示した図である。図9に示すように、受信装置は、光分波器141、局所発振光源142a,…,142n、光カプラ143a,…,143n、フォトディテクタ144a,…,144n、帯域透過フィルタ145a,…,145n、および包絡線検波器146a,…,146nを有している。図9の受信装置は、光ヘテロダイン検波によりダウンコンバージョンし、搬送光に含まれるデータ信号を復調する。
【0076】
図9に示す受信装置は、例えば、図2に示す受信装置12に対応し、伝送路を伝搬する光が入力される。図2では、受信装置は、伝送路中に設けられているが、例えば、光カプラなどによって伝送路の光を一部分岐して受信装置に出力するようにしてもよい。
【0077】
光分波器141には、伝搬路を伝送している搬送光が入力される。搬送光には、光周波数νX1,…,νXnの光が多重されている。以下、光分波器141に入力される搬送光を多重光信号と呼ぶことがある。
【0078】
多重光信号の光周波数νX1,…,νXnは、例えば、図6で説明した光源81b,…,81nの光の光周波数νS1,…,νSnに対応した次の式(4)で示す光周波数である。式(4)のjは、1〜n(nは光源81b〜81nの数)の値をとる。
【0079】
νXj=νc±|νCW−νSj| … (4)
または、図4で説明した光源41a、41bの光周波数ν1,ν2の光周波数の差fは、他の光サブキャリア変調信号に重なって搬送光に多重されないよう、光多重装置ごとに異なる。例えば、伝送路中に複数設けられる図4の光多重装置は、異なる光サブキャリア周波数f1,…,fnの光を生成して光サブキャリア変調信号を生成する。多重光信号の光周波数νX1,…,νXnは、この場合の複数の光多重装置の光サブキャリア周波数f1,…,fnに対応した次の式(5)で示す光周波数である。式(5)のjは、1〜n(nは多重されているデータ信号の数)の値をとる。
【0080】
νXj=νc±fj … (5)
光多重装置の制御光生成部が図5、図7、および図8で説明した制御光生成部の場合も同様である。
【0081】
光分波器141は、多重光信号をn分割して、それぞれを光カプラ143a,…,143nに出力する。
局所発振光源142a,…,142nは、光周波数νl1,…,νlnの光を出力する。
【0082】
光カプラ143a,…,143nには、光分波器141によって分波された光と、局所発振光源142a,…,142nの出力する光が入力される。光カプラ143a,…,143nは、光分波器141によって分波された光と、局所発振光源142a,…,142nの光とを合波して、フォトディテクタ144a,…,144nに出力する。
【0083】
フォトディテクタ144a,…,144nは、光カプラから出力される光の光パワーを電気信号に変換する。
帯域透過フィルタ145a,…,145nのそれぞれは、フォトディテクタ144a,…,144nから出力される電気信号から一つの信号成分を抽出する。帯域透過フィルタ145a,…,145nのそれぞれは、次の式(6)に示す周波数を有する信号を透過させ、余計な周波数の信号を除去する。式(6)のkは、1〜n(nは多重されているデータ信号の数)の値をとる。
【0084】
fik=|νlk−νXk| …(6)
帯域透過フィルタ145a,…,145nの透過帯域は、例えば、式(6)に示す周波数fikに合わせる。
【0085】
包絡線検波器146a,…,146nは、帯域透過フィルタ145a,…,145nから出力される信号の包絡線を検波する。これにより、受信装置は、光多重装置から送信されたデータ信号を得ることができる。
【0086】
このように、受信装置は、搬送光を分配し、局所発振光源142a,…,142nの出力する光と合波する。そして、受信装置は、合波した光のパワーをフォトディテクタ144a,…,144nで電気信号に変換し、帯域透過フィルタにより信号を抽出し、包絡線検波器146a,…,146nで包絡線検波することにより、データ信号を得ることができる。
【0087】
[第8の実施の形態]
次に、第8の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第8の実施の形態では、受信装置は、受信した多重光信号をフォトディテクタで電気信号に変換し、分波器で分配する。そして、分配された電気信号を帯域透過フィルタで分離し、データ信号を得る。
【0088】
図10は、第8の実施の形態に係る受信装置のブロックを示した図である。図10に示すように、受信装置は、フォトディテクタ151、分配器152、帯域透過フィルタ153a,…,153n、および包絡線検波器154a,…,154nを有している。
【0089】
図10には、フォトディテクタ151に入力される多重光信号の光スペクトル161が示してある。光スペクトル161の横軸は光周波数を示し、縦軸はパワーを示す。また、図10には、フォトディテクタ151から出力される信号の電気スペクトル162が示してある。電気スペクトル162の横軸は周波数を示し、縦軸はパワーを示す。
【0090】
フォトディテクタ151には、光スペクトル161に示す光周波数を有する多重光信号が入力される。フォトディテクタ151は、入力される多重光信号の光パワーを電気信号に変換する。従って、フォトディテクタ151からは、電気スペクトル162に示す周波数を有する電気信号が出力される。
【0091】
分配器152は、フォトディテクタ151から出力される信号をN個(N:多重光信号に多重されているデータ信号の数)に分配し、帯域透過フィルタ153a,…,153nに出力する。
【0092】
帯域透過フィルタ153a,…,153nのそれぞれは、次の式(7)に示す周波数の信号を透過させる。式(7)のkは、1〜n(nは多重されているデータ信号の数)の値をとる。
【0093】
fik=|νCW−νXk| …(7)
すなわち、帯域透過フィルタ153a,…,153nの透過帯域は、複数の光多重装置のそれぞれで生成される光サブキャリア変調信号の光サブキャリア周波数に合わせられる。これによって、帯域透過フィルタ153a,…,153nからは、搬送光に多重された光サブキャリア変調信号の電気信号が得られる。
【0094】
包絡線検波器154a,…,154nは、帯域透過フィルタ153a,…,153nから出力される信号の包絡線を検波する。これにより、受信装置は、光多重装置から送信されたデータ信号を得ることができる。
【0095】
このように、搬送光をフォトディテクタ151で電気信号に変換して複数に分配する。そして、分配した電気信号から光サブキャリア周波数を有する信号を抽出して包絡線検波することにより、データ信号を得ることができる。
【0096】
[第9の実施の形態]
次に、第9の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第9の実施の形態では、受信装置は、光分波器で多重光信号を所定の波長(光周波数)で分波し、フォトディテクタで電気信号に変換してデータ信号を得る。
【0097】
図11は、第9の実施の形態に係る受信装置のブロックを示した図である。図11に示すように、受信装置は、光波長分波器171およびフォトディテクタ172a,…,172nを有している。
【0098】
光波長分波器171には、光周波数νX1,…,νXnを有する多重光信号が入力される。光波長分波器171は、多重光信号を光周波数νX1,…,νXnのそれぞれの光に分波する。
【0099】
フォトディテクタ172a,…,172nは、光波長分波器171によって波長(光周波数)分波された光の光パワーを電気信号に変換する。これにより、フォトディテクタ172a,…,172nからは、光多重装置から送信されたデータ信号を得ることができる。
【0100】
このように、受信装置は、搬送光を光波長分波器171によって光多重装置で生成した光サブキャリア変調信号の光サブキャリア周波数f1,…,fnに対応した式(5)で示される光周波数νX1,…,νXnで分波する。そして、受信装置は、分波した光の光パワーをフォトディテクタ172a,…,172nによって電気信号に変換することにより、データ信号を得ることができる。
【0101】
[第10の実施の形態]
次に、第10の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第10の実施の形態では、受信装置は、多重光信号を光波長分波器により複数の信号を含む光周波数群で分離し、それぞれを光ヘテロダイン検波によりダウンコンバージョンする。受信装置は、ダウンコンバージョンした信号を分配器で分配し、分配した信号をそれぞれ変換したサブキャリア周波数に対応した帯域透過フィルタにより分離し、検波器によってデータ信号を得る。
【0102】
図12は、第10の実施の形態に係る受信装置のブロックを示した図である。図12に示すように、受信装置は、光波長分波器181、局所発振光源182a,…,182m、光カプラ183a,…,183m、フォトディテクタ184a,…,184m、分配器185a,…,185m、帯域透過フィルタ186a,…,186n,…,188a,…188n、および包絡線検波器187a,…,187n,…,189a,…,189nを有している。
【0103】
局所発振光源182a,…,182m、光カプラ183a,…,183m、フォトディテクタ184a,…,184m、分配器185a,…,185mはそれぞれ、光波長分波器181によって多重光信号が光周波数群の光に分離される数分、設けられる。帯域透過フィルタ186a,…,186nは、分配器185aによって信号が分配される数分(光周波数群に含まれる光サブキャリア変調信号の数分)設けられ、同様に、帯域透過フィルタ188a,…188nも、分配器185mによって信号が分配される数分設けられる。包絡線検波器187a,…,187n,…,189a,…,189nは、帯域透過フィルタ186a,…,186n,…,188a,…188nに対応して設けられる。
【0104】
光波長分波器181には、光周波数νX11,…,νX1n,…,νXm1,…,νXmnを含む多重光信号が入力される。光周波数νX11,…,νX1nの光は、例えば、図6に示す制御光生成部を有する光多重装置によって搬送光に多重された光である。以下同様に、光周波数νXm1,…,νXmnの光は、図6に示す制御光生成部を有する別の光多重装置によって搬送光に多重された光である。
【0105】
光波長分波器181は、多重光信号を光周波数群の光に分離する。例えば、光波長分波器181は、光周波数νX11,…,νX1nの光を多重光信号から分離して光カプラ183aに出力し、以下同様にして、光周波数νXm1,…,νXmnの光を多重光信号から分離して光カプラ183mに出力する。
【0106】
局所発振光源182a,…,182mは、光周波数νl1,…,νlmの光を出力する。
光カプラ183a,…,183mには、光波長分波器181によって分波された光と、局所発振光源182a,…,182mの光が入力される。光カプラ183a,…,183mは、光波長分波器181によって分波された光と、局所発振光源182a,…,182mの光とを合波して、フォトディテクタ184a,…,184mに出力する。
【0107】
フォトディテクタ184a,…,184mは、光カプラ183a,…,183mから出力される光の光パワーを電気信号に変換する。
分配器185a,…,185mは、フォトディテクタ184a,…,184mから出力される信号を分配する。分配器185a,…,185mのそれぞれは、光波長分波器181によって分波された光に含まれる光サブキャリア変調信号の数分、信号を分配する。
【0108】
帯域透過フィルタ186a,…,186n,…,188a,…188nのそれぞれは、次の式(8)に示す周波数の信号を透過させる。式(8)のjは、1〜m(mは局所発振光源182a,…,182mの数)の値をとる。kは、1〜n(nは光波長分波器181によって分波された光に含まれる光サブキャリア変調信号の数)の値をとる。
【0109】
fjk=|νlj−νXjk| …(8)
すなわち、帯域透過フィルタ186a,…,186n,…,188a,…188nの透過帯域は、局所発振光源182a,…,182mの出力する光の光周波数と、複数の光多重装置のそれぞれの光源の光周波数との差の周波数に合わせられる。つまり、帯域透過フィルタ186a,…,186n,…,188a,…188nの透過帯域は、光サブキャリア周波数に対応した周波数に合わせられる。これによって、帯域透過フィルタ186a,…,186n,…,188a,…188nからは、搬送光に多重された光サブキャリア変調信号の電気信号が得られる。
【0110】
包絡線検波器187a,…,187n,…,189a,…,189nは、帯域透過フィルタ186a,…,186n,…,188a,…188nから出力される信号の包絡線を検波する。これにより、受信装置は、光多重装置から送信されたデータ信号を得ることができる。
【0111】
このように、受信装置は、多重光信号を光分波器により複数の信号を含む光周波数群に分離し、それぞれを光ヘテロダイン検波によりダウンコンバージョンする。そして、受信装置は、ダウンコンバージョンした信号を分配器により分配し、分配した信号を光サブキャリア周波数に対応した透過帯域の帯域透過フィルタによって分離し、検波器に検波することにより、データ信号を得ることができる。
【0112】
以上の実施の形態に開示された技術には、以下の付記に示す技術が含まれる。
(付記1) 搬送光が伝搬する伝送路と、
前記伝送路中に設けられる光多重装置と、を備え、
前記光多重装置は、
強度変調された光をデータ信号によって変調した制御光を生成する制御光生成部と、
前記伝送路中の非線形光学媒質において前記搬送光を前記制御光により変調するために前記制御光を前記搬送光に合波する合波器と、
を有することを特徴とする光ネットワークシステム。
【0113】
(付記2) 前記光多重装置は、前記伝送路中に複数設けられ、
それぞれの前記光多重装置の前記制御光生成部は、異なる周波数で前記強度変調された光を生成することを特徴とする付記1記載の光ネットワークシステム。
【0114】
(付記3) 前記制御光生成部は、
第1の光を出力する第1の光源と、
前記第1の光と光周波数の異なる第2の光を出力する第2の光源と、
前記第1の光と前記第2の光とを合波し、前記強度変調された光を出力する強度光生成合波器と、
前記強度光生成合波器から出力される前記強度変調された光を前記データ信号によって変調する変調器と、
を有することを特徴とする付記1または2記載の光ネットワークシステム。
【0115】
(付記4) 前記制御光生成部は、
第1の光を出力する第1の光源と、
前記第1の光と光周波数の異なる第2の光を出力する第2の光源と、
前記第2の光を前記データ信号によって変調する変調器と、
前記第1の光と前記変調器から出力される光とを合波し、前記制御光を出力する制御光生成合波器と、
を有することを特徴とする付記1または2記載の光ネットワークシステム。
【0116】
(付記5) 前記制御光生成部は、
光を出力する第1の光源と、
前記第1の光源が出力する光と光周波数が異なる光を出力する複数の第2の光源と、
複数の前記第2の光源から出力される光を複数の異なる前記データ信号によって変調する複数の変調器と、
前記第1の光源から出力される光と前記複数の変調器から出力される光とを合波し、前記制御光を出力する制御光生成合波器と、
を有することを特徴とする付記1または2記載の光ネットワークシステム。
【0117】
(付記6) 前記制御光生成部は、モード同期レーザによって前記強度変調された光を出力することを特徴とする付記1または2記載の光ネットワークシステム。
(付記7) 前記制御光生成部は、
パルス光を出力するパルス光源と、
前記パルス光の繰り返し周波数を変更し、前記強度変調された光を出力する光時間分割多重器と、
を有することを特徴とする付記1または2記載の光ネットワークシステム。
【0118】
(付記8) 前記搬送光を分配する分波器と、
局所光を出力する複数の局所発振光源と、
前記分波器で分波された光と前記局所発振光源の出力する前記局所光とを合波する複数の局所光合波器と、
前記局所光合波器から出力される光を電気信号に変換する複数のフォトディテクタと、
前記電気信号から一つの信号成分を抽出する複数のフィルタと、
を有する受信装置と、
をさらに有することを特徴とする付記1または2記載の光ネットワークシステム。
【0119】
(付記9) 前記搬送光を電気信号に変換するフォトディテクタと、
前記電気信号を分配する分配器と、
分配された前記電気信号を前記強度変調された光の光強度周波数で透過させる複数のフィルタと、
を有する受信装置と、
をさらに有することを特徴とする付記1または2記載の光ネットワークシステム。
【0120】
(付記10) 前記搬送光を光周波数で分波する分波器と、
前記分波器から出力される光を電気信号に変換する複数のフォトディテクタと、
を有する受信装置と、
をさらに有することを特徴とする付記1または2記載の光ネットワークシステム。
【0121】
(付記11) 前記搬送光を光周波数群で分波する分波器と、
局所光を出力する複数の局所発振光源と、
前記分波器で分波された光と前記局所発振光源の出力する前記局所光とを合波する複数の局所光合波器と、
前記局所光合波器から出力される光を電気信号に変換する複数のフォトディテクタと、
前記電気信号を分配する複数の分配器と、
分配された前記電気信号を前記強度変調された光の光強度周波数に対応する周波数で透過させる複数のフィルタと、
を有する受信装置と、
をさらに有することを特徴とする付記1または2記載の光ネットワークシステム。
【0122】
(付記12) 強度変調された光をデータ信号によって変調した制御光を生成する制御光生成部と、
伝送路を伝搬している搬送光を非線形光学媒質において前記制御光により変調するために前記制御光を前記搬送光に合波する合波器と、
を有することを特徴とする光多重装置。
【0123】
(付記13) 強度変調された光をデータ信号によって変調した制御光と合波され、伝送路中の非線形光学媒質において変調された搬送光を分配する分波器と、
局所光を出力する複数の局所発振光源と、
前記分波器で分波された光と前記局所発振光源の出力する前記局所光とを合波する複数の局所光合波器と、
前記局所光合波器から出力される光を電気信号に変換する複数のフォトディテクタと、
前記電気信号から一つの信号成分を抽出する複数のフィルタと、
を有することを特徴とする受信装置。
【符号の説明】
【0124】
1 伝送路
1a 非線形光学媒質
2 光多重装置
2a 制御光生成部
2b 合波器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送光が伝搬する伝送路と、
前記伝送路中に設けられる光多重装置と、を備え、
前記光多重装置は、
強度変調された光をデータ信号によって変調した制御光を生成する制御光生成部と、
前記伝送路中の非線形光学媒質において前記搬送光を前記制御光により変調するために前記制御光を前記搬送光に合波する合波器と、
を有することを特徴とする光ネットワークシステム。
【請求項2】
前記光多重装置は、前記伝送路中に複数設けられ、
それぞれの前記光多重装置の前記制御光生成部は、異なる周波数で前記強度変調された光を生成することを特徴とする請求項1記載の光ネットワークシステム。
【請求項3】
前記制御光生成部は、
第1の光を出力する第1の光源と、
前記第1の光と光周波数の異なる第2の光を出力する第2の光源と、
前記第1の光と前記第2の光とを合波し、前記強度変調された光を出力する強度光生成合波器と、
前記強度光生成合波器から出力される前記強度変調された光を前記データ信号によって変調する変調器と、
を有することを特徴とする請求項1または2記載の光ネットワークシステム。
【請求項4】
前記制御光生成部は、
第1の光を出力する第1の光源と、
前記第1の光と光周波数の異なる第2の光を出力する第2の光源と、
前記第2の光を前記データ信号によって変調する変調器と、
前記第1の光と前記変調器から出力される光とを合波し、前記制御光を出力する制御光生成合波器と、
を有することを特徴とする請求項1または2記載の光ネットワークシステム。
【請求項5】
前記制御光生成部は、
光を出力する第1の光源と、
前記第1の光源が出力する光と光周波数が異なる光を出力する複数の第2の光源と、
複数の前記第2の光源から出力される光を複数の異なる前記データ信号によって変調する複数の変調器と、
前記第1の光源から出力される光と前記複数の変調器から出力される光とを合波し、前記制御光を出力する制御光生成合波器と、
を有することを特徴とする請求項1または2記載の光ネットワークシステム。
【請求項6】
前記搬送光を分配する分波器と、
局所光を出力する複数の局所発振光源と、
前記分波器で分波された光と前記局所発振光源の出力する前記局所光とを合波する複数の局所光合波器と、
前記局所光合波器から出力される光を電気信号に変換する複数のフォトディテクタと、
前記電気信号から一つの信号成分を抽出する複数の帯域透過フィルタと、
を有する受信装置と、
をさらに有することを特徴とする請求項1または2記載の光ネットワークシステム。
【請求項7】
前記搬送光を電気信号に変換するフォトディテクタと、
前記電気信号を分配する分配器と、
分配された前記電気信号を前記強度変調された光の光強度周波数で透過させる複数のフィルタと、
を有する受信装置と、
をさらに有することを特徴とする請求項1または2記載の光ネットワークシステム。
【請求項8】
前記搬送光を光周波数で分波する分波器と、
前記分波器から出力される光を電気信号に変換する複数のフォトディテクタと、
を有する受信装置と、
をさらに有することを特徴とする請求項1または2記載の光ネットワークシステム。
【請求項9】
強度変調された光をデータ信号によって変調した制御光を生成する制御光生成部と、
伝送路を伝搬している搬送光を非線形光学媒質において前記制御光により変調するために前記制御光を前記搬送光に合波する合波器と、
を有することを特徴とする光多重装置。
【請求項10】
強度変調された光をデータ信号によって変調した制御光と合波され、伝送路中の非線形光学媒質において変調された搬送光を分配する分波器と、
局所光を出力する複数の局所発振光源と、
前記分波器で分波された光と前記局所発振光源の出力する前記局所光とを合波する複数の局所光合波器と、
前記局所光合波器から出力される光を電気信号に変換する複数のフォトディテクタと、
前記電気信号から一つの信号成分を抽出する複数のフィルタと、
を有することを特徴とする受信装置。
【請求項1】
搬送光が伝搬する伝送路と、
前記伝送路中に設けられる光多重装置と、を備え、
前記光多重装置は、
強度変調された光をデータ信号によって変調した制御光を生成する制御光生成部と、
前記伝送路中の非線形光学媒質において前記搬送光を前記制御光により変調するために前記制御光を前記搬送光に合波する合波器と、
を有することを特徴とする光ネットワークシステム。
【請求項2】
前記光多重装置は、前記伝送路中に複数設けられ、
それぞれの前記光多重装置の前記制御光生成部は、異なる周波数で前記強度変調された光を生成することを特徴とする請求項1記載の光ネットワークシステム。
【請求項3】
前記制御光生成部は、
第1の光を出力する第1の光源と、
前記第1の光と光周波数の異なる第2の光を出力する第2の光源と、
前記第1の光と前記第2の光とを合波し、前記強度変調された光を出力する強度光生成合波器と、
前記強度光生成合波器から出力される前記強度変調された光を前記データ信号によって変調する変調器と、
を有することを特徴とする請求項1または2記載の光ネットワークシステム。
【請求項4】
前記制御光生成部は、
第1の光を出力する第1の光源と、
前記第1の光と光周波数の異なる第2の光を出力する第2の光源と、
前記第2の光を前記データ信号によって変調する変調器と、
前記第1の光と前記変調器から出力される光とを合波し、前記制御光を出力する制御光生成合波器と、
を有することを特徴とする請求項1または2記載の光ネットワークシステム。
【請求項5】
前記制御光生成部は、
光を出力する第1の光源と、
前記第1の光源が出力する光と光周波数が異なる光を出力する複数の第2の光源と、
複数の前記第2の光源から出力される光を複数の異なる前記データ信号によって変調する複数の変調器と、
前記第1の光源から出力される光と前記複数の変調器から出力される光とを合波し、前記制御光を出力する制御光生成合波器と、
を有することを特徴とする請求項1または2記載の光ネットワークシステム。
【請求項6】
前記搬送光を分配する分波器と、
局所光を出力する複数の局所発振光源と、
前記分波器で分波された光と前記局所発振光源の出力する前記局所光とを合波する複数の局所光合波器と、
前記局所光合波器から出力される光を電気信号に変換する複数のフォトディテクタと、
前記電気信号から一つの信号成分を抽出する複数の帯域透過フィルタと、
を有する受信装置と、
をさらに有することを特徴とする請求項1または2記載の光ネットワークシステム。
【請求項7】
前記搬送光を電気信号に変換するフォトディテクタと、
前記電気信号を分配する分配器と、
分配された前記電気信号を前記強度変調された光の光強度周波数で透過させる複数のフィルタと、
を有する受信装置と、
をさらに有することを特徴とする請求項1または2記載の光ネットワークシステム。
【請求項8】
前記搬送光を光周波数で分波する分波器と、
前記分波器から出力される光を電気信号に変換する複数のフォトディテクタと、
を有する受信装置と、
をさらに有することを特徴とする請求項1または2記載の光ネットワークシステム。
【請求項9】
強度変調された光をデータ信号によって変調した制御光を生成する制御光生成部と、
伝送路を伝搬している搬送光を非線形光学媒質において前記制御光により変調するために前記制御光を前記搬送光に合波する合波器と、
を有することを特徴とする光多重装置。
【請求項10】
強度変調された光をデータ信号によって変調した制御光と合波され、伝送路中の非線形光学媒質において変調された搬送光を分配する分波器と、
局所光を出力する複数の局所発振光源と、
前記分波器で分波された光と前記局所発振光源の出力する前記局所光とを合波する複数の局所光合波器と、
前記局所光合波器から出力される光を電気信号に変換する複数のフォトディテクタと、
前記電気信号から一つの信号成分を抽出する複数のフィルタと、
を有することを特徴とする受信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−49937(P2012−49937A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−191694(P2010−191694)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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