説明

光ファイバケーブル及び光ファイバケーブルの引裂き方法

【課題】高密度ポリエチレン内層被覆と低密度ポリエチレン外層被覆とで外被(シース)を形成したときに、高密度ポリエチレン内層被覆を引き裂き構成として、引き裂き作業性のよい光ファイバケーブルを提供する。
【解決手段】高密度ポリエチレン内部シース31が、低密度ポリエチレン外部シース32内に長手方向にほぼ全体が埋設され、外方外側の一部が低密度ポリエチレン外部シース内に達した一組の紐状のセパレータ5を備え、一組の紐状のセパレータが、高密度ポリエチレン内部シースを短かい内部外被部31Aと長い内部外被部31Bとに区割し、短かい内部外被部を前記低密度ポリエチレン外部シースに一体化する一体化手段を備える。この一体化手段は、例えば外方外側に向けた、前記低密度ポリエチレン外部シースに埋没することで低密度ポリエチレン外部シースに一体化された突起7である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバケーブル及び光ファイバケーブルの引裂き方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示すように、従来複数本の光ファイバ心線と引裂紐をポリアミド樹脂の一次被覆層にて被覆し、更にその上から発泡ポリエチレンの二次被覆層にて被覆した光ファイバケーブル、あるいは更にその上に高密度ポリエチレンあるいは高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンを混合したものを最外被層とした光ファイバケーブルが知られている。
【0003】
特許文献2には、複数の光ファイバ心線をユニット材で一括被覆してなる光ファイバユニットの周上に、抗張力繊維からなる抗張力層を有し、この抗張力層の周上にシースを設けることが記載されている。このような構成の光ファイバケーブルによれば、光ファイバケーブルを構成する光ファイバテープ心線は、複数本の光ファイバテープ心線を樹脂で一括被覆した光ファイバユニットの形態となっているので、光ファイバテープ心線の形態のときよりも剛性が大きくなるという特徴が得られる。
【0004】
特許文献3には、複数の光ファイバ心線が収納された筒体の外側にシースを設け、このシース内にリップコードとテンションメンバを埋め込む構造が記載され、シースは内部シースと外部シースとから構成され、リップコードとテンションメンバがこの外部シースに埋め込まれることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−215946号公報
【特許文献2】特開平11−311730号公報
【特許文献3】特開2000−241681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、従来から光ファイバ心線に大きな圧縮力が作用して光ファイバケーブルの伝送損失が増加しないようにケーブルコアの周囲に高密度ポリエチレン内層被覆を形成し、その外側に低密度ポリエチレン外層被覆を形成して、柔軟性を保持することが行われて来た。そして、ケーブルコアの周囲のシースに引き裂き用のリップコード及び抗張力を付与するテンションメンバを埋設することが行われて来た。
【0007】
ケーブルコアの周囲に高密度ポリエチレン内層被覆を形成し、その外側に低密度ポリエチレン外層被覆を形成する構造を採用しようとしたときに、低密度ポリエチレン外層被覆は引き裂き易いが、高密度ポリエチレン内層被覆は引き裂きづらく、光ファイバ心線の引き出し作業をしづらいものとしている。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑み高密度ポリエチレン内層被覆と低密度ポリエチレン外層被覆とで外被(シース)を形成したときに、高密度ポリエチレン内層被覆を引き裂き構成に形成して、引き裂き作業性のよい光ファイバケーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、具体的には、複数の光ファイバ心線が収納された筒体の周囲に配置した充填材で形成したケーブルコアを有し、形成されたケーブルコアを収納するケーブルコア収納領域の外側にシースを備えた光ファイバケーブルにおいて、
前記シースが前記ケーブルコアに接してその周囲に設けられた硬度の高い内部シースと該硬度の高い内部シースに接してその周囲に設けられた硬度の低い外部シースの2層で形成され、
前記硬度の低い外部シースの内部、前記硬度の高い内部シースの内部もしくは該硬度の低い外部シースと前記硬度の高い内部シースとの間には長手方向に抗張力部材であるテンションメンバが埋め込まれ、
前記硬度の高い内部シースが、該硬度の高い内部シース内であって長手方向に内方内側の一部が前記ケーブルコア収納領域に近接配置され、外方外側の一部が前記硬度の低い外部シース内にまで達するようにして埋設された一組の紐状のセパレータを備え、
該一組の紐状のセパレータが、前記硬度の高い内部シースを短かい内部外被部と長い内部外被部とに区割し、
該短かい内部外被部を前記低密度ポリエチレン外部シースに一体化する一体化手段を備えること
を特徴とする光ファイバケーブルを提供する。
【0010】
本発明は、また、複数の光ファイバ心線が収納された筒体の周囲に配置した充填材で形成したケーブルコアを有し、形成されたケーブルコアを収納するケーブルコア収納領域の外側にシースを備えた光ファイバケーブルにおいて、
前記シースが前記ケーブルコアに接してその周囲に設けられた高密度ポリエチレン内部シースと該高密度ポリエチレン内部シースに接してその周囲に設けられた低密度ポリエチレン外部シースの2層で形成され、
前記低密度ポリエチレン外部シースの内部、前記高密度ポリエチレン内部シースの内部もしくは該低密度ポリエチレン外部シースと前記高密度ポリエチレン内部シースとの間には長手方向に抗張力部材であるテンションメンバが埋め込まれ、
前記高密度ポリエチレン内部シースが、該高密度ポリエチレン内部シース内であって長手方向に内方内側の一部が前記ケーブルコア収納領域に近接配置され、外方外側の一部が前記低密度ポリエチレン外部シース内にまで達するようにして埋設された一組の紐状のセパレータを備え、
該一組の紐状のセパレータが、前記高密度ポリエチレン内部シースを短かい内部外被部と長い内部外被部とに区割し、
該短かい内部外被部を前記低密度ポリエチレン外部シースに一体化する一体化手段を備えること
を特徴とする光ファイバケーブルを提供する。
【0011】
本発明は、また、上述した前記紐状のセパレータは、その内方内側の一部が前記ケーブルコア収納領域に接することを特徴とする光ファイバケーブルを提供する。
【0012】
本発明は、また、上述した前記一体化手段が、外方外側に向けた、前記低密度ポリエチレン外部シースに埋没することで低密度ポリエチレン外部シースに一体化された突起であること
を特徴とする光ファイバケーブルを提供する。
【0013】
本発明は、また、上述した前記突起が、逆台形状のくさび形状を形成することを特徴とする光ファイバケーブルを提供する。
【0014】
本発明は、また、上述したいずれかの光ファイバケーブルの引裂き方法において、
前記低密度ポリエチレン外部シースが引き裂かれることで2つに分離され、前記突起が埋没された側の低密度ポリエチレン外部シースが引張られることで、該一組のセパレータ間の短かい内部外被部が長い内部外被部から分離、除去され、切り離された短かい内部外被部が除去されると、光ファイバ心線取り出しのための取り出し空間部が形成されること
を特徴とする光ファイバケーブルから光ファイバの引裂き方法を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、上述したように、高密度ポリエチレン内部シースに一組の紐状のセパレータを設け、この一組の紐状のセパレータが、高密度ポリエチレン内部シースを短かい内部外被部と長い内部外被部とに区割し、この短かい内部外被部が、外方外側に向けた、低密度ポリエチレン外部シースに埋設することで低密度ポリエチレン外部シースに一体化された突起を備えるようにしたので、低密度ポリエチレン外部シースを引き裂いて2つに分離し、ケーブルコアから切り離すことを行うと、短かい内部外被部が、一体化手段、例えば突起が設けられていることによって突起を有する側の低密度ポリエチレン外部シースと共に短かい内部外被部が長い内部外被部からセパレータを境にして切り離されて、切り離され除去された跡に空間部を形成することができる。このように、この空間部を低密度ポリエチレン外部シースの切り裂き作業と同時に形成することができ、このようにして形成した空間を光ファイバ心線の取り出し用空間部として使用できるので、光ファイバ心線の取り出し作業を容易に行うことができることになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例の構成を断面で示す構成図。
【図2】光ファイバケーブルから光ファイバ心線を取り出すためのステップを示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は、本発明の実施例である光ファイバケーブルの構成を示す図である。
【0019】
図1において、光ファイバケーブル100は、複数の光ファイバ心線が収納された筒体1の周囲に配置した充填材で形成した、光ファイバ心線の集合体であるケーブルコア2、その外側に配置されたシース3を備える。ケーブルコア2は、充填材に他の部材を組み合わせて構成されてもよい。シース3は、ケーブルコア2を収納するケーブルコア収納領域の外側に形成される。
【0020】
シース3は、硬度の高い内部シースである高密度ポリエチレン内部シース(HDPE、以下、内部シースという)31と硬度の低い外部シースである低密度ポリエチレン外部シース(LDPE、以下、外部シースという)の2重層として形成される。
【0021】
内部シース31は、円筒状のケーブルコア収納領域に接してその周囲に設けられ、外部シース32は、内部シース31の外方に内部シース31に接してその周囲に設けられる。内部シース31の外層と外部シース32の内層が接触し、外部シース32の収縮を軽減する。
【0022】
内部シース31と外部シース32との間には長手方向に抗張力部材であるテンションメンバ4の一部が内部シース31と外部シース32の双方にそれぞれ埋め込まれて設けられる。図において、テンションメンバ4は、左右対象点に配設されている。テンションメンバ4は、内部シース31又は外部シース32内に埋設するようにして埋め込まれるようにしてもよい。図に示される配置によればテンションメンバ4の接着層を外部シース32に接着する構成となって製造し易く、かつ外部シース32の収縮を軽減することができる。
【0023】
以上の構成において、引き裂き紐5が内部シース31内に長手方向にほぼ全体が埋設され、外方外側の一部が外部シース32内に達するようにして設けられる。ほぼ全体が埋設されるとは、外方外側の一部が外部シース32内にまで達するが、内方内側はケーブルコア収納領域に達するか、ほぼ接触した状態にまで近接されるということである。紐状のセパレータ5は、一対からなり、図において、上部部分において近接配置される。この近接配置によって、内部シース31は、短かい内部外被部31Aと長い内部外被部31Bに分けられて形成される。双方の内部外被部31Aと31Bは、それぞれ内方内側の一部がケーブルコア2に接する。
【0024】
このような構成によって、内部シース31は、内部シース31内に長手方向にほぼ全体が埋没され、外方外側の一部が外部シース32に達した一組の紐状のセパレータ5を備えることになる。
【0025】
紐状のセパレータは、紐状であればよく、丸形、四角形あるいは他の形状に構成されてよい。
【0026】
紐状のセパレータとしては、高張力高分子繊維、鋼線、アルミニウム線、銅線等の金属線、ガラス繊維、綿条等を用いることができる。
【0027】
紐状のセパレータ5によって、区割りされることで形成された短かい内部外被部31Aは、外側外方に向けて突起7を備える。この突起7は、内部シース31が成形される時に一体的に成形され、逆台形状のくさび形状とされる。セパレータ5の形状は、逆台形状でなくてもよいがくさび形状とするのがよい。
【0028】
この突起7は、外部シース32に埋設して成形される。したがって、内部シース31及び外部シース32を成形したときに、突起7によって短かい内部外被部31は、その外側にある外部シース32と一体とされる。
【0029】
本例では、外部シース32と1組の紐状セパレータ5で区割された短かい内部外被部31Aとを一体化するのに外部シース32に埋設される突起7を用いているが、外部シース32と短かい内部外被部31Aとを一体化することができる他の手段を用いて外部シース32と短かい内部外被部31Aとを一体化するようにしてもよい。
【0030】
この場合の他の手段としては、接着樹脂を用いての一体化、接合される外部シース32と短かい内部外被部31Aとの融着等を用いることができる。しっかり固着するために、突起7を用いて埋没させる構造を採用するのが望ましい。
【0031】
このように、本実施例は、短かい内部外被部を低密度ポリエチレン外部シース31に一体化する一体化手段を備える。
【0032】
図2は、光ファイバケーブル100の引裂き方法及び光ファイバケーブル100から光ファイバ心線を引き出す方法を示す。
【0033】
図2において、図2(a)に示すように、通常切り裂きに用いられるカッタナイフ(図示せず)で、外部シース32の左右両側を引き裂く。本例の場合、左右両側に配置されたテンションメンバ4の配置位置で引き裂いている。この近傍、もしくは他の箇所であってもよい。この場合、カッタナイフの先端は内部シース31に当接するが、内部シースが高密度エチレン製であるので、内部シース31まで切り裂くことがない。
【0034】
図2(b)に示すように、外部シース32は上側外部シース32Aと下側外部シース部32Bに分離され、上側外部シース部32Aが内部シース31から引き離される。この状態では、内部シース31には、テンションメンバ4が保持される。
【0035】
上側外部シース部32Aが内部シース31から引き離されるとき、短かい内部外被部31Aは、突起7を介して上側外部シース部32Aと一体とされているので、一組の紐状のセパレータ5を境として長い内部外被部31Bから分離される。すなわち、上側外部シース部32Aと短かい内部外被部31Aは上側外部シース部32Aの分離という1つの作業によって一工程で同時に分離される。この時同時にセパレータ5を内部シース31から分離されることになる。
【0036】
短かい内部外被部31Aの分離に伴なって、短かい内部外被部31Aの跡には、空間部33が形成される。すなわち、上側外部シース部32Aの内部シース31からの分離作業によって、空間部33が一工程で同時に形成される。
【0037】
次に、図2(c)に示すように、上側外部シース部32A、短かい内部外被部31A及び一組の紐状セパレータを除去すると、空間部33が外方に開放される。この空間部33は、光ファイバケーブル100、すなわち筒体1から光ファイバ心線取り出し用の空間として使用される。
【0038】
内部シース31が、内部シース内に長手方向にほぼ全体が埋設され、外方外側の一部5Aが外部シース32内に達するようにした一組の紐状のセパレータ5を備え、かつ外部シース32と短かい内部外被部31Aを一体化する突起7を備えているので、内部シースが高密度ポリエチレン製でありながら容易に引き裂かれて空間部33が形成されることになる。
【0039】
このようにして空間部33を形成して、ケーブルコア収納領域からここに収納された光ファイバ心線が容易に外方に取り出されることになる。
【0040】
内部シース31が、内部シース内に長手方向にほぼ全体が埋没され、外方外側の一部が5Aが外部シース32内に達するようにした一組の紐状のセパレータ5を備えるようにしているので、内部シース31が高密度ポリエチレン製でありながら容易に引き裂かれて、短かい内部外被部31の跡に空間部33が形成されることになる。内部シース31をカッタナイフで切り裂くことは容易ではなく、筒体1あるいはこれに収納された光ファイバ心線を傷つけるおそれがあるが、内部シース31に一組の紐状のセパレータ5を予め組み込んで成形しておき、一組の紐状のセパレータ5によって区隔された領域に容易に空間部33を形成するようにすると、筒体1あるいは光ファイバ心線を傷つけることがない。また、ケーブルコア1内に紐を設けておく構成では筒体1あるいは光ファイバ心線を傷つけるおそれがあるが、本実施例によれば傷つけるおそれがない。そして、一組の紐状のセパレータ5の設定場所で空間部33の領域を決定することができるので、任意に空間の領域を容易に設定することができる。
【0041】
このように、この構造を採用すると、スロットレス構造であるが、Cスロットが存在すると同様な使い方が可能になる。
【0042】
また、この構造は、シースを2層構造として、高密度ポリエチレンシース及び低密度ポリエチレンシースの組み合わせを可能にして、圧縮性に強くかつ柔軟性のある光ファイバケーブルを提供することができる。
【0043】
また、光ファイバ心線取り出し作業の際に廃棄される内部シースは、一組の紐状のセパレータ5の幅の領域で定まる長さであるので、この長さを短くすることで環境に配慮した作業を可能にする。この作業に際しては、上述したように内部シースの一部を容易に切り裂くことができ、作業性を向上させることができる。
【0044】
この例では(a)→(b)→(c)の順に従って作業がなされるようにしたが、図2(d)に記載した構造を採用して(d)→(b)→(c)の順に従って作業がなされるようにしてもよい。
【0045】
図2(d)には、外部シース32に、左右両側の対象位置にノッチ6が形成された光ファイバケーブル100が記載されている。
【0046】
このようなノッチ6を形成しておくことによって図2(a)の場合に必要とされるカッタナイフを用いることなく外部シース32を上下2つに切り裂くことができる。このように外部シース32にノッチ6を形成すると引裂きし易くなる。
【0047】
図2に示す例は、次のようなステップで構成される。
【0048】
外部シース32を引き裂いて2つに分離して、一組の紐状のセパレータ5を内部シース31から露出させるステップ
紐5が引っ張られることで、一組の紐状のセパレータ間の短かい内部外被部31Aを長い内部外被部31Bから分離して、分離した短かい内部外被部31Bの跡に、光ファイバ心線取り出しのための空間部33を形成するステップ、及び
空間部33から筒体1内の光ファイバ心線を外部に取り出すステップ
以上のようにして、光ファイバケーブルの引裂き方法及び光ファイバ心線の取り出し方法が形成される。
【0049】
この実施例によれば、高密度ポリエチレン内部シースが、この高密度ポリエチレン内部シース内に長手方向にほぼ全体が埋設され、外方外側の一部が低密度ポリエチレン外部シース内に達した一組の紐状のセパレータを備える構成としたので、低密度ポリエチレン外部シースを引き裂いた時に、高密度ポリエチレン内部シース一組の紐状のセパレータを設けておくことによって、高密度ポリエチレン内部シースの一部を一工程で同時に引き裂くことで、引き裂き作業性を向上させることができる。
【0050】
また、この実施例によれば高密度ポリエチレン内部シースを引き裂いた時に、一組の紐状のセパレータの紐幅の長さで定まる任意の長さの領域の空間を形成することができ、引き裂き作業性をより向上させる。この空間幅を作業に必要な最小の幅とすることで廃棄される高密度ポリエチレン内部シースは作業に必要な最小長さとすることができ、環境に配慮した廃棄性の良好な光ファイバケーブルとすることができる。
【符号の説明】
【0051】
1…筒体、2…ケーブルコア、3…シース、4…テンションメンバ、5…紐状のセパレータ(一組の紐状のセパレータ)、7…突起、31…高密度ポリエチレン内部シース(内部シース)、32…低密度ポリエチレン外部シース(外部シース)、31A…短かい内部外被部、31B…長い内部外被部、33…空間部、100…光ファイバケーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光ファイバ心線が収納された筒体の周囲に配置した充填材で形成したケーブルコアを有し、形成されたケーブルコアを収納するケーブルコア収納領域の外側にシースを備えた光ファイバケーブルにおいて、
前記シースが前記ケーブルコアに接してその周囲に設けられた硬度の高い内部シースと該硬度の高い内部シースに接してその周囲に設けられた硬度の低い外部シースの2層で形成され、
前記硬度の低い外部シースの内部、前記硬度の高い内部シースの内部もしくは該硬度の低い外部シースと前記硬度の高い内部シースとの間には長手方向に抗張力部材であるテンションメンバが埋め込まれ、
前記硬度の高い内部シースが、該硬度の高い内部シース内であって長手方向に内方内側の一部が前記ケーブルコア収納領域に近接配置され、外方外側の一部が前記硬度の低い外部シース内にまで達するようにして埋設された一組の紐状のセパレータを備え、
該一組の紐状のセパレータが、前記硬度の高い内部シースを短かい内部外被部と長い内部外被部とに区割し、
該短かい内部外被部を前記低密度ポリエチレン外部シースに一体化する一体化手段を備えること
を特徴とする光ファイバケーブル。
【請求項2】
複数の光ファイバ心線が収納された筒体の周囲に配置した充填材で形成したケーブルコアを有し、形成されたケーブルコアを収納するケーブルコア収納領域の外側にシースを備えた光ファイバケーブルにおいて、
前記シースが前記ケーブルコアに接してその周囲に設けられた高密度ポリエチレン内部シースと該高密度ポリエチレン内部シースに接してその周囲に設けられた低密度ポリエチレン外部シースの2層で形成され、
前記低密度ポリエチレン外部シースの内部、前記高密度ポリエチレン内部シースの内部もしくは該低密度ポリエチレン外部シースと前記高密度ポリエチレン内部シースとの間には長手方向に抗張力部材であるテンションメンバが埋め込まれ、
前記高密度ポリエチレン内部シースが、該高密度ポリエチレン内部シース内であって長手方向に内方内側の一部が前記ケーブルコア収納領域に近接配置され、外方外側の一部が前記低密度ポリエチレン外部シース内にまで達するようにして埋設された一組の紐状のセパレータを備え、
該一組の紐状のセパレータが、前記高密度ポリエチレン内部シースを短かい内部外被部と長い内部外被部とに区割し、
該短かい内部外被部を前記低密度ポリエチレン外部シースに一体化する一体化手段を備えること
を特徴とする光ファイバケーブル。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記紐状のセパレータは、その内方内側の一部が前記ケーブルコア収納領域に接することを特徴とする光ファイバケーブル。
【請求項4】
請求項2において、前記一体化手段が、外方外側に向けた、前記低密度ポリエチレン外部シースに埋没することで低密度ポリエチレン外部シースに一体化された突起であること
を特徴とする光ファイバケーブル。
【請求項5】
請求項4において、前記突起が、逆台形状のくさび形状を形成することを特徴とする光ファイバケーブル。
【請求項6】
請求項4または5に記載したいずれかの光ファイバケーブルの引裂き方法において、
前記低密度ポリエチレン外部シースが引き裂かれることで2つに分離され、前記突起が埋没された側の低密度ポリエチレン外部シースが引張られることで、該一組のセパレータ間の短かい内部外被部が長い内部外被部から分離、除去され、切り離された短かい内部外被部が除去されると、光ファイバ心線取り出しのための取り出し空間部が形成されること
を特徴とする光ファイバケーブルから光ファイバの引裂き方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−83830(P2013−83830A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224239(P2011−224239)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(504026856)株式会社アドバンスト・ケーブル・システムズ (64)
【Fターム(参考)】