説明

光ファイバケーブル

【課題】蝉の産卵管から光ファイバを防護し、接続作業の低下を防止することを目的とする。
【解決手段】中心部に配置した1本以上の光ファイバ3と、この光ファイバ3の長手方向に直交した2方向のうちの一方向に平行で、かつ前記光ファイバ3の中心をとおる直線上の前記光ファイバの両側に前記光ファイバ3の長手方向に延伸して配置した一対の抗張力体5と、前記光ファイバ3と一対の抗張力体5との外周上一体的に被覆したショアD硬度が53以下からなる第1外被7と、からなる長尺の光エレメント部9を構成する光ファイバケーブルであって、前記2方向のうちの他方向に平行で、かつ前記光ファイバ3の中心をとおる直線を含んだ前記第1外被7の上、下の表面から第1外被7の内部にショアD硬度が55以上からなる第2外被11が形成されていると共に、第1外被7と第2外被11とがくっついて一体的に形成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光ファイバケーブルに関し、特に1本以上の例えば光ファイバ心線などからなる光ファイバを小規模ビルあるいは一般家庭に引き込む際の電柱間に架設する光ファイバドロップケーブルあるいは小規模ビルあるいは一般家庭に引き込むための光ファイバケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、FTTH(Fiber to the Home)すなわち、家庭またはオフィスでも超高速データ等の高速広帯域情報を送受できるようにするために、電話局から延線されたアクセス系の光ファイバケーブルから、ビルあるいは一般住宅などの加入者宅へ例えば光ファイバ心線などからなる光ファイバが引き落とされて、これを配線するために光ファイバドロップケーブルが用いられている。つまり、光ファイバドロップケーブルは電柱上の幹線ケーブルの分岐クロージャから家庭内へ光ファイバを引き込む際に用いられ、主に、光ファイバドロップケーブル(屋外線)や、より長い布設径間長に適用するために支持線サイズをUPした少心光架空ケーブルが使用されている。
【0003】
特許文献1、非特許文献1で知られているように、例えば、図3を参照するに、従来の光ファイバドロップケーブル101としては、例えば中心部に配置した1本以上の光ファイバ心線などからなる光ファイバ103と、この光ファイバ103の長手方向(図3において紙面に対して直交する方向)に直交した2方向のうちの一方向(図3において左右方向)に平行で、かつ前記光ファイバ103の中心をとおる直線上の前記光ファイバ103の両側に光ファイバ103の長手方向に延伸して配置した例えばアラミド繊維FRPなどからなる一対の抗張力体105と、前記光ファイバ103と一対の抗張力体105との外周上を被覆した例えば断面形状が矩形形状でノンハロゲン難燃シースなどの樹脂からなる外被107と、からなる長尺の光エレメント部109を構成している。
【0004】
この光エレメント部109において、前記光ファイバ103の上、下の前記外被107内に前記光ファイバ103の一定の距離をおいて平板状の介在物111が設けられている。
【0005】
前記長尺の光エレメント部109と、この光エレメント部109における前記外被107の左側に首部113を介して例えば鋼線などからなる支持線115を被覆した樹脂からなる外被117で一体化された支持線部119と、で長尺の光ファイバドロップケーブル101が構成されている。
【0006】
前記介在物111を前記光ファイバ103の上、下の前記外被107内に前記光ファイバ103の一定の距離をおいて設けていることで、クマゼミが産卵管を前記外被107に刺し、光ファイバ103を断線させる障害が発生するのを防いでいる。
【0007】
また、クマゼミの産卵管被害を対策した光ファイバドロップケーブル121としては、図4に示されているものが使用されている。図4において、光ファイバドロップケーブル121としては、例えば中心部に配置した1本以上の光ファイバ心線などからなる光ファイバ103と、この光ファイバ103の長手方向(図4において紙面に対して直交する方向)に直交した2方向のうちの一方向に平行で、前記光ファイバ103の中心をとおる直線上の両側に前記光ファイバ103の長手方向へ延伸して配置した例えばアラミド繊維FRPなどからなる一対の抗張力体105と、前記光ファイバ103と一対の抗張力体105との外周上を被覆した例えば断面形状が矩形形状で低摩擦性、耐磨耗性を有する高強度の樹脂からなる外被107と、からなる長尺の光エレメント部109を構成している。
【0008】
前記長尺の光エレメント部109と、この光エレメント部109における前記外被107の左側に首部113を介して例えば鋼線などからなる支持線115を被覆した樹脂からなる外被117で一体化された支持線部119と、で長尺の光ファイバドロップケーブル121が構成されている。
【0009】
前記光エレメント部109において、前記光ファイバ103の上、下の前記外被107の表面にはノッチ部123が形成されている。
【0010】
前記外被107を低摩擦性、耐磨耗性を有する高強度の樹脂からなっていることにより、産卵管が外被107に刺さらないように対策を講じたものである。
【0011】
また、特許文献2に知られているように、外被を2層構造とし、内層の外被の硬度ショアDを65以上、厚さを0.15mm以上とした構造もすでに知られている。
【特許文献1】特開2002−90591号公報
【特許文献2】特開2007−127848号公報
【非特許文献1】電子情報通信学会講演論文集 2007年ソサイエティ大会B−10−7
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、上述した特許文献1、非特許文献1のごとき、図3に示した光ファイバケーブル101では、光ファイバ103の取り出し作業時に介在物111が邪魔となる。また、光ファイバ103の取り出し時に外被107より出てきた介在物111を切断除去するなどの手間が掛かるなどの問題がある。
【0013】
また、上述した図4に示した光ファイバケーブル121では、高強度の外被107を使用しているため、樹脂製外被把持部材のオニ目、楔が、高強度の外被107に充分に噛み込むことができず、外被107の把持強度が低下するという問題がある。また、外被107が硬くなるため、外被107を引き裂く際に要する引き裂き力が上昇し、光ファイバ103の口出し性、支持線部119と光エレメント部109の分離性などの作業性が低下する。外被把持部材の取り付け性や口出し作業性を考慮して外被材の強度を選定すると、耐クマゼミ性効果が低減してしまう。
【0014】
さらに、特許文献2においては、保護材として、ポリアミド系熱可塑性樹脂のほか、ABS樹脂、ACS樹脂、AES樹脂、ABS/PVCアロイ、ASA樹脂、エチレン-塩化ビニル共重合体、フッ素系樹脂、ポリアミドイミド、ポリアリレート、オレフィンビニルアルコール共重合体、フェノール樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリチオエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ノルボルネン樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリ塩化ビニルなどが挙げられている。一方、光ファイバドロップケーブルの外被材は、紫外線に対する耐候性や耐燃焼性の要求、ノンハロゲン化の要求などから、オレフィン系熱可塑性樹脂(ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体など)を主成分として、カーボンブラック、難燃剤として水酸化マグネシウムなどを配合したものが一般的に使用されている。特許文献2に好適事例として適用されているポリアミド系樹脂をはじめとするこれら保護材は、光ファイバドロップケーブルの外被材として使用されておる難燃オレフィン系樹脂と相溶性に乏しく、融点が異なることから、押出し加工時に熱融着させることが困難である。また、特許文献2の事例のように、保護材の短径面にノッチを設けた構造は、ケーブル部本体の外被材の長幅方向の中央部にノッチを設けても、外層外被材のノッチ部を引裂くと同時に保護材を引裂いて、ファイバ心線を取り出すことが不可能であり、外層外被を引裂いた後に、さらに保護材を引裂いて、光ファイバ心線を取り出す必要があり、従来の光ファイバドロップケーブルに比べて作業性が悪くなるという問題がある。
【0015】
この発明は上述の課題を解決するために、蝉の産卵管から光ファイバを防護し、接続作業の低下を防止することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の発明が解決しようとする課題を達成するために、この発明の光ファイバケーブルは、中心部に配置した1本以上の光ファイバと、
この光ファイバの長手方向に直交した2方向のうちの一方向に平行で、かつ前記光ファイバの中心をとおる直線上の前記光ファイバの両側に前記光ファイバの長手方向に延伸して配置した一対の抗張力体と、
前記光ファイバと一対の抗張力体との外周上一体的に被覆したショアD硬度が53以下の第1外被と、
からなる長尺の光エレメント部を構成する光ファイバケーブルであって、
前記2方向のうちの他方向に平行で、かつ前記光ファイバの中心をとおる直線を含んだ前記第1外被の上、下の表面から第1外被の内部にショアD硬度が55以上の第2外被が形成されていると共に、前記第1外被と前記第2外被とがくっついて一体的に形成され、前記第2外被の厚さが表面から0.3mm以上、0.6mm以下であることを特徴とするものである。
【0017】
この発明の光ファイバケーブルは、前記光ファイバケーブルにおいて、前記光エレメント部に、支持線を外被で被覆した長尺の支持線部が互いに平行に一体化されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
以上のごとき課題を解決するための手段から理解されるように、この発明によれば、前記ショアD硬度が53以下からなる第1外被内にあって、ショアD硬度が55以上の第2外被が形成されていると共に、前記第1外被と前記第2外被とがくっついて一体的に形成されていることにより、前記第2外被によりクマゼミなどのセミの産卵管から光ファイバを保護することができる。また、前記第2外被の厚さを表面から0.3mm以上、0.6mm以下とし、第1外被のショアD硬度を53以下とすることにより、クロージャ、コネクタにより第1外被を把持する際、そのオニ目、楔が容易に第1外被に刺さり、安定した把持力を確保し、光ファイバ心線の優れた取出し性を有することができる。
【0019】
従来のような介在物を用いていないため、光ファイバ取り出し作業時に、介在物により作業性が低下することがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0021】
図1を参照するに、光ファイバドロップケーブル1としては、中心部に配置した1本以上の例えば光ファイバ心線などからなる光ファイバ3と、この光ファイバ3の長手方向(図1において紙面に対して直交した方向)に直交した2方向(X軸、Y軸方向)のうちの一方向のX軸方向(図1において左右方向)に平行で、かつ前記光ファイバ3の中心をとおる直線のX軸上の前記光ファイバ3の両側に前記光ファイバ3の長手方向と同方向へ延伸して配置した例えばアラミド繊維FRPなどからなる一対の抗張力体5と、前記光ファイバ3と一対の抗張力体5との外周上一体的に被覆したノンハロゲン難燃シースからなる第1外被7と、からなる長尺の光エレメント部9で構成されている。
【0022】
前記2方向のうちの他方向のY軸方向に平行で、かつ前記光ファイバ3の中心をとおる直線のY軸を含んだ前記第1外被7の上、下の表面7Aから第1外被7の内部にショアD硬度が55以上からなる第2外被11が形成されていると共に、前記第1外被7と前記第2外被11とがくっついて一体的に形成されている。
【0023】
前記光エレメント部9には、首部13を介して例えば鋼線などからなる支持線15を被覆した外被17からなる長尺の支持線部19が互いに平行に一体化されている。なお、この実施の形態では前記外被17は前記第1外被7の材料と同じものが使用されている。
【0024】
上記構成により、クマゼミが産卵管を第1外被7に刺した場合でも、前記2方向のうちの他方向のY軸方向に平行で、かつ前記光ファイバ3の中心をとおる直線のY軸を含んだ前記第1外被7の上、下の表面7Aから第1外被7の内部に前記第1外被7の硬度より高硬度の第2外被11が形成されていることにより、クマゼミの産卵管から光ファイバ3を断線させることなく、保護することができる。また、前記第1外被7としてノンハロゲン難燃シースを用いていることにより、クロージャ、コネクタにより外層外被7を把持する際、そのオニ目、楔等が容易に第1外被7に刺さり、安定した把持力を確保できる。
【0025】
前記第1外被7に従来の光ファイバケーブルと同等の低硬度の外被材を使用し、第1外被7の部分にコネクタ、クロージャの外被把持部材を噛ませることで、従来の光ファイバケーブルと同等の把持力を維持することができる。
【0026】
前記第2外被11にショアD硬度55以上の高硬度外被材を被覆する。この高硬度外被材によって、光ファイバ3の周囲を遮蔽することで、クマゼミの産卵管から光ファイバ3を保護する。この第2外被11と第1外被7は共に熱可塑性樹脂からなり、第1外被7はショアD硬度53以下のエチレン系共重合体を主成分としたノンハロゲン難燃樹脂、第2外被11はショアD硬度55以上の例えばショアD硬度63の難燃ポリオレフィン樹脂とした。押出し成型形時に熱融着により、第2外被11と第1外被7の接合面を融着させて一体化させている。
【0027】
これにより、第1外被7、第2外被11を工具を用いて一括して引き裂くことができる。図3に示した介在物111を有した光ファイバドロップケーブル101のような、外被107と光ファイバ3を保護する介在物111を個々に処理する必要がなく、心線取り出し作業性に優れている。
【0028】
次に、第2外被11についてのクマゼミの産卵管被害に対する有効性について。検証した結果を述べる。
【0029】
ショアD硬度の異なる4種類のポリオレフィン系樹脂を用いて図1に示した光ファイバドロップケーブル1を試作し、夏季に実際にクマゼミが出現する樹木に前記光ファイバドロップケーブル1を2ヶ月設置し、撤去後、産卵管の刺し傷の個数、深さを計測した。その結果は、表1に示したとおりである。
【表1】

【0030】
表1から分かるように、ショアD硬度50の外被107を外被を被覆した従来のケーブルでは、55個/100mの刺し傷が確認され、それらの傷の最大深さは1.1mmであった。これに対して、ショアD硬度が55以上の樹脂A、B、Cはいずれも刺し傷が少なく、傷の深さは0.2mm以下であった。また、ショアD硬度が高いほど、刺し傷が少なくなることが確認された。
【0031】
したがって、図1に示した光ファイバドロップケーブル1における第2外被11は、ショアD硬度が55以上で、第2外被11の表面から0.3mm以上厚みで被覆することにより、光ファイバ3を保護することが可能となる。また、望ましくはショアD硬度が63以上であれば、さらに刺し傷が少なくなり、信頼性を有することになる。なお、第2外被11の幅は、斜め方向から産卵管を刺された場合にも、光ファイバ3を遮蔽できる構成が必要であることから、光ファイバケーブル1の長手方向に直交し、且つ前記光ファイバ3の中心を通る直線のX軸とその前記直線のX軸が前記光ファイバ3の両側に配置された一対の抗張力体5の各外周と交差する前記光ファイバ3の各交点の長さAよりもを第2外被11の幅Bを長く(B≧A)することが望ましい。なお、第2外被11の厚さが表面から0.6mmを超えた厚さでは、光ファイバ3の取り出し性が劣化する。また、第1外被7が硬すぎると、樹脂製の外被把持部材が第1外被7に食い込まないという問題がある。第1外被7のショアD硬度とコネクタ外被把持部材の取付け性は、表2のとおりである。第2外被11の厚みと第1外被7のショアD硬度による光ファイバ心線の取り出し性への影響は、表3のとおりである。
【表2】

【表3】

【0032】
この結果から分かるように、第2外被11のショアD硬度が55以上、厚さが0.3mm以上、かつ、第1外被7のショアD硬度が53以下であれば、第2外被11によりクマゼミの産卵管から光ファイバ3を保護し、クロージャ、コネクタにより第1外被7を把持する際、そのオニ目、楔が容易に第1外被7に刺さり、安定した外被把持部材の把持力を確保し、光ファイバ3の取り出し性が良好な光ファイバケーブル1を得ることができる。また、望ましくは、第2外被11のショアD硬度が63以上で厚さを0.3mm以上、0.6mm以下とし、第1外被7のショアD硬度が48以下であれば、さらに、クマゼミ産卵管による刺し傷数をさらに低減してより高い信頼性を有し、外被把持部材の把持力を確保し、光ファイバ3の取り出し性が良好な光ファイバケーブル1を得ることができる。
【0033】
また、光ファイバケーブル1の第1外被7の機械的強度を確保し、第2外被11と第1外被7を一括して引裂いて光ファイバ3を取り出すためには、第1外被7と第2外被11は、押出し加工時に容易にくっついて一体化することが必要である。この光ファイバケーブル1に用いる第1外被7の材料としては、紫外線に対する耐候性、耐燃焼性、耐環境性等の要求から、オレフィン系熱可塑性ノンハロゲン難燃樹脂(ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリレート共重合体などを主成分として、紫外線劣化対策としてカーボンブラック、難燃剤として水酸化マグネシウムなどのノンハロゲン系難燃剤を配合したもの)が好適である。また、第2外被11の材料としては、押出し時の熱で第1外被7と容易にくっつくものとして、高密度ポリエチレン、或いはオレフィン系熱可塑性樹脂に、高密度ポリエチレン、高分子量ポリエチレン、環状ポリオレフィン、ポリプロピレンなどを配合して高硬度化し、紫外線劣化対策としてカーボンブラック、耐燃焼性としてノンハロゲン系難燃剤を配合したものが好適である。
【0034】
以上のことから、前記ショアD硬度が53以下の第1外被7内にあって、第1外被7の硬度より高硬度のショアD硬度が55以上の第2外被11が形成されていると共に、前記第1外被7と前記第2外被11とがくっついて一体的に形成されていることにより、前記第2外被11によりクマゼミなどのセミの産卵管から光ファイバ3を保護することができる。また、第1外被7に例えばノンハロゲン難燃シースなどのショアD硬度が53以下からなるものを用いることにより、クロージャ、コネクタにより第1外被7を把持する際、そのオニ目、楔が容易に第1外被7に刺さり、安定した把持力を確保することができる。
【0035】
従来のような介在物を用いていないため、光ファイバ取り出し作業時に、介在物により作業性が低下することがない。
【0036】
上述した図1は光ファイバケーブル1について説明したが、図1において光エレメント部9の長径面のほぼ中央に、外被引裂き用溝(ノッチ)21を設けた図2についても、この発明は適用可能である。表1から分かるようにショアD硬度が55以上の第2外被11におけるクマゼミ産卵管の刺し傷の深さが0.2mmであったことから、図2に示す光ファイバケーブルにおいても、第2外被11のノッチ下部分21の最小厚さを含む厚さが0.3mm以上であれば、クマゼミの産卵管から光ファイバ心線を保護することが可能である。
【0037】
上述した図1、2は光ファイバドロップケーブル1について説明したが、図1、2において支持線部21がないインドア光ファイバケーブルにも本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】この発明の光ファイバケーブルを示す断面図である。
【図2】この発明の他の光ファイバケーブルを示す断面図である。
【図3】従来の光ファイバケーブルを示す断面図である。
【図4】従来の他の光ファイバケーブルを示す断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 光ファイバドロップケーブル
3 光ファイバ
5 抗張力体
7 第1外被
9 光エレメント部
11 第2外被
13 首部
15 支持線
17 外被
19 支持線部
21 外被引裂き用溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心部に配置した1本以上の光ファイバと、
この光ファイバの長手方向に直交した2方向のうちの一方向に平行で、かつ前記光ファイバの中心をとおる直線上の前記光ファイバの両側に前記光ファイバの長手方向に延伸して配置した一対の抗張力体と、
前記光ファイバと一対の抗張力体との外周上一体的に被覆したショアD硬度が53以下からなる第1外被と、
からなる長尺の光エレメント部を構成する光ファイバケーブルであって、
前記2方向のうちの他方向に平行で、かつ前記光ファイバの中心をとおる直線を含んだ前記第1外被の上、下の表面から第1外被の内部にショアD硬度が55以上の第2外被が形成されていると共に、前記第1外被と前記第2外被とがくっついて一体的に形成され、前記第2外被の厚さが表面から0.3mm以上、0.6mm以下であることを特徴とする光ファイバケーブル。
【請求項2】
前記光エレメント部に、支持線を外被で被覆した長尺の支持線部が互いに平行に一体化されていることを特徴とする請求項1記載の光ファイバケーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−39050(P2010−39050A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−199661(P2008−199661)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】