説明

光ファイバセンサシステムの位相変調信号の復調

位相変調信号を復調する復調装置150は、未変調入力信号に応答して同相(I)信号および直交位相(Q)信号を発生する直交信号発生器(QSG)157を備える。このQSGは入力信号の高速周波数追跡を提供し、入力信号の高周波数成分を除外する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は位相変調信号を復調する復調装置および復調装置を組み入れた光ファイバセンサシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
位相変調信号は非常に多くのシステム、例えば、通信システムおよびセンシングシステムにおいて生じる。このような信号の復調は典型的には、例えばホモダインまたはヘテロダイン検出の場合のように、復調器(例えば、ミキサ)において位相変調信号を未変調信号と結合して、変調信号の位相のみに左右される振幅または大きさを有する復調された出力信号を発生することを必要とする。多くの場合、(例えば、その未変調信号をセンサ付近の状況に合わせて位相変調を実行するセンサに送ることによって)変調信号を発生するためおよび変調信号と結合するために、同じ未変調信号が用いられる。光ファイバセンサの時間分割多重化(TDM)直列アレイにおいては、特定のセンサからの光パルスが、逆多重化による分析のために選択され、光検出器において検出され、得られた信号が未変調信号と一緒に復調器に入力され得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
復調器の一般的な1つのタイプは、復調を行うために、位相変調信号と実質的に同じ周波数の同相未変調信号(I)および直交(Q)未変調信号を入力することを必要とする位相直交復調器(phase−quadrature demodulator)である。通常、そういった信号は(例えば、ヒルベルト変換フィルタを用いることによって)単一の未変調信号から発生され、この場合、I信号およびQ信号を発生する手段は、単一の未変調信号の周波数(および故に変調信号の周波数)の変化に応答してこれらの信号の周波数を調節することができなければならない。調節の速度が遅過ぎると、復調器の出力は変調信号の位相を一貫して反映しない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的はこの問題を改善しようとすることにある。本発明の1態様によれば、この目的は、入力信号を受信し、これに応答して、入力信号と実質的に同じ周波数の同相(I)信号および直交位相(Q)信号を発生する直交信号発生器(QSG)によって達成され、このQSGは、
(i)入力信号の入力に応答して、入力信号の周波数と、I信号およびQ信号の周波数との間の差に比例する振幅または大きさを有する第1の中間信号を発生する第1の部分と、
(ii)第1の中間信号の入力に応答して、第1の中間信号の大きさの変動率に比例する大きさを有する第2の中間信号を発生する第2の部分と、
(iii)第2の中間信号の入力に応答してI信号およびQ信号を発生し、I信号およびQ信号の周波数を調節してこれらの周波数が入力信号の周波数に近づくようにし、I信号およびQ信号を第1の部分にフィードバックするようになされた信号発生器とを備える。
【0005】
第2の中間信号は入力信号の周波数とI信号およびQ信号の周波数との間の差の変動率に比例する振幅または大きさを有するので、I信号およびQ信号による入力信号の周波数追跡に加えてIおよびQの周波数の高速二次補正が提供される。
【0006】
QSGがデジタル電子機器に実装され、入力信号が前記第1の部分に入力される前に入力信号をデジタル化するようになされたアナログデジタル変換器(ADC)を更に備えることが都合がよい。
【0007】
第1の部分は、デジタル化された入力信号と、I信号およびQ信号を受信するようになされ、その出力がレートダウンコンバータの入力に接続され、その出力が入力信号の高周波数成分を除外するカットオフ周波数を有するデジタル微分器の入力に接続されたデジタル式位相直交復調器(DPQD)を備えることが好ましい。これは入力信号がより高い2つの周波数RF信号をミキサにおいて混合することによって得られる場合に特に有益である。混合プロセスの非線形性に起因する入力信号における高周波数雑音は、I信号およびQ信号には存在しない。別の信号を復調するためにI信号およびQ信号が復調器に入力される場合、復調器出力はこの雑音によって劣化されない。
【0008】
第2の部分は、都合よくは、
(i)第1の中間信号を受信するようになされた反転増幅器と、
(ii)第1の入力が増幅器の出力に接続された加算器と、
(iii)加算器の出力と加算器の第2の入力との間に接続される遅延手段とを備え、加算器の出力が信号発生器に入力される。
【0009】
始動中にシステムを安定して動作させるためには、第2の部分は、初期化スイッチおよび開始バッファを更に備えることが好ましく、前記スイッチは加算器の出力に接続され、遅延手段はスイッチの出力を加算器の第2の入力に接続し、初期化スイッチの出力は信号発生器に入力され、開始バッファによって制御可能になっている。この構成によって、システムの始動中に制御信号を信号発生器に供給することが可能となり、システムを安定した動作に集中させることができる。
【0010】
信号発生器は、第2の中間信号の入力に応答してI信号およびQ信号を発生するようになされたダイレクトデジタルシンセサイザ(DDS)であることが都合がよい。
【0011】
QSGはレートダウンコンバータおよび第2の信号発生器を更に供えてもよい。このダウンコンバータは、第2の中間信号を受信し、ダウンコンバートされた信号の入力に応答して第2のI出力信号およびQ出力信号を提供するようになされた第2の信号発生器にダウンコンバートされた信号を出力するようになされている。この構成は、それが用いられる別のシステム(例えば、直交位相復調器)とはQSGを異なるレートでクロックさせ、これにより大きな動作の柔軟性が得られる。第2の信号発生器はダイレクトデジタルシンセサイザであるのが都合がよい。
【0012】
本発明の別の態様は、本発明のQSGを備えた復調装置を提供する。本発明の復調装置は、QSGによって出力されたI信号およびQ信号を受信するようになされた直交位相復調器を更に備えることが好ましい。動作中、未変調信号がQSGに提供され、位相変調信号が直交位相復調器に入力される。復調装置の出力は、I信号およびQ信号が未変調信号を高速で周波数追跡することに起因して、高い精度および一貫性で変調信号の位相情報を反映する。
【0013】
本発明の更なる態様は、本発明の復調装置を備えた光ファイバセンシング装置を提供する。この光ファイバセンシング装置は、放射が対応する個々の光ファイバセンサを通過した後にアレイの入力に向けて放射を反射する反射手段を各々組み入れた実質的に同一の個々の光ファイバセンサの直列アレイを備えてもよい。各センサ内の光は、センサによって検出された振動に同調して位相変調され得る。
【0014】
各反射手段は、2つの個々の光ファイバセンサの間に結合された光ファイバ結合鏡であり得ることが都合がよい。
【0015】
個々のセンサの1つは、それがセンシング装置によって検出されるのに必要な信号のタイプを検出しないが、雑音を検出するように、(例えば、それを機械的に非感光性にすることによって)非感光性化されてもよい。完全に未変調な信号を用いる代わりに、このセンサからの信号を復調装置のQSGへの入力として用いることによって、低雑音信号が直交位相復調器の出力上で取得され得る。
【0016】
光ファイバセンサの直列アレイの呼びかけは、周波数差Ωを有する第1および第2のRF信号に応答して少なくとも部分的にコヒーレントな光パルス対を発生する手段とパルス対をアレイに入力する手段とを提供することによって実行され得る(各対のパルスは周波数差Ωおよび相対遅延τを有し、連続する反射手段からアレイの入力までの経路長の差は実質的にはcτ/2である(式中cは光ファイバ中のパルスの速度である))。パルス対が光ファイバセンサの直列アレイに入力されると、出力パルスのシリーズが取得される。特定のセンサを起点とするパルスが、時間逆多重化により分離され、そのセンサ付近の物理的状態などの情報を取得するために、その位相情報が位相復調によって復元され得る。
【0017】
光パルス対を発生する手段は、
(i)光ファイバ結合レーザと、
(ii)レーザの出力を分割してそれらの第1および第2の部分を提供する手段と、
(iii)第1および第2の部分をそれぞれ変調して、周波数ωおよびωをそれぞれ有する出力パルスの第1および第2のシリーズを発生するようになされた第1および第2の音響光学変調器と、
(iv)周波数ωのパルスと同時に発生された周波数ωのパルスに対して周波数ωの各パルスを遅延させる遅延ループと、
(v)出力ファイバと、
(vi)パルスの第1および第2のシリーズを出力ファイバに多重化する手段とを備え得ることが都合がよい。
【0018】
本発明の更に別の態様によれば、第1の位相変調信号(この変調は所望の信号および雑音に相応する)を復調する装置が提供され、この装置は、第1の位相変調信号および第2の位相変調信号(これらの変調は実質的には雑音のみに相応する)を受信するようになされた位相復調ユニットを備える。第1の信号の雑音特性と同じ雑音特性を有する信号を用いて第1の信号を復調すれば、位相復調ユニットの出力の雑音が低減される。
【0019】
この位相復調ユニットは、上記のような直交位相復調器およびQSGを備えることが好ましく、QSGは、第2の位相変調信号を受信し、それに相当するI信号およびQ信号を直交位相復調器に出力するようになされており、直交位相復調器は第1の位相変調信号を受信するようになされている。
【0020】
あるいは、この位相復調ユニットは、デジタル式直交位相復調器(DQPD)と、デジタル式電子機器に実装され、これに入力される信号をデジタル化するADCを含んだ本発明のQSGと、DQPDに入力される前に第1の位相変調信号をデジタル化するようになされたADCとを備えてもよく、このQSGは、第2の位相変調信号を受信し、これに相当するI信号およびQ信号をDQPDに出力するようになされている。
【0021】
あるいは、この位相復調ユニットは、直交位相復調器とヒルベルト変換フィルタを備えてもよく、ヒルベルト変換フィルタは、第2の位相変調信号を受信し、これに相当するI信号およびQ信号を直交位相復調器に出力するようになされており、直交位相復調器は第1の位相変調信号を受信するようになされている。
【0022】
この場合、位相復調器はDQPDであってもよく、この装置はDQPDおよびヒルベルト変換フィルタそれぞれに位相変調信号が入力される前に第1および第2の位相変調信号をデジタル化するようになされた第1および第2のADCを更に備える。
【0023】
本発明は光ファイバセンシング装置も提供する。この装置は第2の位相変調信号を発生するようになされた基準センサを備えることが好ましい。基準センサは実質的に同一の個々の光ファイバセンサの直列アレイに含まれた非感光性化された光ファイバセンサであることが都合がよく、第1の位相変調信号は基準センサ以外のアレイ内の光ファイバセンサの1つから取得される。この基準センサは、個々の光ファイバセンサが晒される雑音のみを検出するように、機械的に非感光性化され得る。
【0024】
個々の光ファイバセンサは各々、放射が対応する個々の光ファイバセンサを通過した後にアレイの入力に向けて放射を反射する反射手段を含んでもよい。各反射手段は、2つの個々の光ファイバセンサの間に結合されたファイバ結合鏡であることが都合がよい。
【0025】
この光ファイバセンシング装置は、光パルス対を発生し、このパルスを光ファイバセンサのアレイに入力する手段を備えてもよく、この手段は上記に示したようなものである。
【0026】
本発明の更なる態様は、入力信号から同相(I)信号および直交(Q)信号を発生する方法を提供し、I信号およびQ信号は入力信号と実質的に同じ周波数を有し、この方法は、
(i)入力信号とI信号およびQ信号との周波数の差に相当する振幅または大きさを有する第1の中間信号を発生するステップと、
(ii)第1の中間信号の振幅または大きさの変動率に相当する振幅または大きさを有する第2の中間信号を発生するステップと、
(iii)第2の中間信号を用いて、前記周波数が入力信号の周波数の方に逸れるように信号発生器によって出力されたI信号およびQ信号の周波数を制御するステップと、
(iv)ステップ(i)で用いられるようにI信号およびQ信号をフィードバックするステップとを含む。
【0027】
本発明の更に別の態様は、所望の信号および雑音に相当する位相変調を有する第1の位相変調信号を復調する方法を提供し、この方法は、
(i)雑音のみに相当する変調を有する第2の位相変調信号を取得するステップと、
(ii)第1および第2の位相変調信号を位相復調ユニットに入力するステップとを含む。
【0028】
本発明の実施形態が、単なる例示として、添付図面を参照して以下に記載される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
図1においては、本発明の時間分割多重化(TDM)光ファイバセンシング装置が全体的に100で示されている。この装置100は多様なセンシング用途、例えば、地震データまたは車両交通情報の収集あるいは周辺/エリア監視などの保安用途における未許可の人物の検知に使用され得る。
【0030】
装置100は、一端が光ファイバ113を介して(GaInAsP/lnP半導体レーザ104を含む)光源に結合されたセンサアレイ115を備える。センサアレイ115は、実質的に同一の10個の光ファイバセンサ118A〜118J、11個のカプラ116A〜116Kおよび11枚の鏡117A〜117Kの直列アレイを備える。(更に分かり易くするために、カプラ116C〜116I、鏡117C〜117Iおよびセンサ118C〜118Iは図1から省略されている。)。所与の光ファイバセンサ118の各端部は鏡117に結合されており、その鏡に結合された放射がファイバ113に向かって反射して戻される。例えばセンサ118Aは、一端がカプラ116Aを介して鏡117Aに結合され、他端がカプラ116Bを介して鏡117Bに結合されている。同様に、センサ118Jは、一端がカプラ116Jを介して鏡117Jに結合され、他端がカプラ116Kを介して鏡117Kに結合されている。鏡117は等しい長さの個々の光ファイバを介して個々のカプラ116に接続されている。センサアレイ115はカプラ114および出力ファイバ119を介して復調装置150の入力124に結合されている。
【0031】
装置100の光源は、RF回路102からのゲートされた信号(それぞれ122Cおよび122D)によって駆動される2個の音響光学変調器(ブラッグセル)108A、108Bに結合されたGaInAsP/lnPレーザ104を備えている。信号122Cおよび122Dの連続したバージョンも、復調システム150の個々の入力122A、122Bに供給される。
【0032】
波長1550nmの光学的放射がレーザ104から出力され、光ファイバ107に結合される。この放射は光カプラ106によって2つの部分に分割され、これらの部分がそれぞれファイバ109、111を介して個々のブラッグセル108A、108Bに送られる。ブラッグセル108A、108BはRF回路102によって駆動され、レーザ104からの入力放射を変調して、周波数ωおよびω(ω−ω=Ωは約数MHzである)をそれぞれ有するパルス化され周波数シフトされた出力放射を発生する。セル108Bから出力されたパルスは、遅延τ(例えば、数十ns)を導入する遅延ループ110によって、同時にセル108Aからパルス出力に対して遅延される(τ/2は、アレイ115内のカプラ116によって分割されたパルスの2つの部分がアレイ115に沿った連続する次の鏡に達するにかかる時間の差である)。例えば、τ/2は、カプラ116Aにおいて分割されたパルスの1つの部分が鏡117Aに達するのにかかる時間と他方の部分の一部がカプラ116Bを介して鏡117Bに達するのにかかる時間との間の差である。ブラッグセル108Aおよび遅延ループ110から出力されたパルスは、カプラ112を介してファイバ113に結合される。
【0033】
ファイバ113内の放射はこのように、パルス対のシリーズを含み、各対の第1のパルスは周波数ωを有し、各対の第2のパルスは周波数ωを有し、この第2のパルスは第1のパルスに対して遅延τだけ遅延されている(ここで、ω−ω=Ωは約数MHzであり、τは約数十nsである)。
【0034】
光ファイバ113を介してセンサアレイ115に入るパルスの特定の対は、カプラ116A〜116Kにおいて連続的に分割される。例えば、センサアレイ115に入力されたパルス対はカプラ116Aによって2対に分割される。つまり、一方の対は鏡117Aに送られ、ファイバ113に向かって反射して戻され、他方の対は個々のセンサ118Aを通過し、次いでカプラ117Bによってそれ自身が分割されて新しい2つのパルス対を発生する。これら2つの新しいパルス対の1つは鏡117Bによってファイバ113に向かって反射され戻される。カプラによって分割された直後にパルスが第1および第2の鏡に達するのにかかる時間の差はτ/2であるので、これらの連続する鏡によってファイバ113に向かって反射され戻されたパルス対は相対遅延τを有する。したがって、そのカプラによって再結合されると、第1の鏡によって反射された周波数ωのパルスは、第2の鏡によって反射された周波数ωのパルスと一時的に一致する。周波数差ω−ω=Ωであることに加えて、この一時的に一致するパルスは、第1の鏡と第2の鏡との間に位置決めされた個々のセンサによって導入される位相シフトに相当する位相差を有する。この位相情報は復調システム150に復元され、126において出力され、個々のセンサの場所の物理的状況に関する情報を提供する。例えば、この位相情報は、地震データを収集するためにアレイ115が配置された個々のセンサの加速度に相当すると考えられる。
【0035】
周波数ω、ωの各パルス対がアレイ115に入力された後、12個のパルスのシーケンスがアレイ115から出力され、光ファイバ119に結合される。この出力されたパルスは時間τだけ離間される。12個のパルスの第1のパルスは、鏡117Aによって反射された周波数ωのパルスである。第2のパルスから11番目のパルスまでの各々は、周波数ωの第2の成分パルスと一時的に整列された周波数ωの第1の成分パルスを含み、これら2つのパルスは、個々のセンサ118の反対端に位置決めされた鏡から反射されたものである。具体的には、周波数ωの第1の成分パルスはファイバ113から離れている個々のセンサの端部にある鏡から反射され、周波数ωの第2の成分パルスはファイバ113に最も近い個々のセンサの端部の鏡から反射される。第1の成分パルスと第2の成分パルスとの間の位相差は、個々のセンサ118内の第1の成分パルスの位相の変化から生じる。特定の出力シーケンス内の第i番目のパルス(2≦i≦11)はアレイ115内の(i−1)番目の個々のセンサからの位相情報を含む。12番目のパルスは鏡117Kから反射された周波数ωのパルスである。
【0036】
特定の個々のセンサから情報を収集するために、各出力シーケンスにおける対応するパルスが、出力パルスシーケンスを時間逆多重化することによって、ある時間間隔にわたって監視される。例えば、5番目の1つのセンサ118Eから情報を収集するために、各パルス出力シーケンスにおける6番目のパルスが監視される。逆多重化は復調システム150によって実行される。ブラッグセル108A、108Bは、アレイ115に入力されるパルス対の期間(すなわち、例えば周波数ωの連続するパルス間の遅延)が、セル108A、108Bによって出力される次のパルス対がアレイ115に導入される前に出力パルスのシリーズにおける12番目のパルスがアレイ115の外でファイバ119に結合されるのを確実にするのに十分に長いものになるように操作される。
【0037】
図2は復調装置150を模式的に示している。装置150内の信号の処理は、単一クロック(図示せず)の制御下でデジタル的に実行される。RF回路102からのRF信号はシステム150の入力122A、122Bに接続される。アレイ150からの光出力はシステム150の光入力124に結合され、検出器176によって検出される。検出器176からの出力は、アナログデジタル変換器(ADC)177によってデジタル化され、ハイパスフィルタ178によって濾波される。時間デマルチプレクサ179が、アレイ115における特定の個々のセンサからの情報を搬送しているパルスに呼びかけることを可能にする。アレイ115からの出力パルスの特定のシーケンスにおける第2のパルスから11番目のパルスのいずれかの場合、デマルチプレクサ179から出力される信号はcos(Ωt+φ+ε)として変動する(式中、Ω=ω−ωであり、φは呼びかけ中の特定の個々のセンサからの位相情報であり、εは差周波数Ωに関連し、位相変動φにおいて呼びかけ中の特定のセンサによって検出された位相雑音の結合された効果を表す位相項である)。この位相雑音は事実上1/fである。すなわち、この位相雑音は低周波数雑音である。デマルチプレクサ179の出力は、復調器ユニット156と同一である復調器ユニット170(デジタル式直交復調器)に入力される。
【0038】
復調器ユニット170が図3に詳細に示されている。ユニット170はデジタル式位相直交復調器(DPQD)であり、入力186、2つのミキサ188A、188B、2つのローパスフィルタ192A、192B、逆正接関数を実行するデバイス195、および出力126を備えている。186において入力されたデマルチプレクサ179からのcos(Ωt+φ+ε)形態の入力信号は、ミキサ188A、188Bの入力190A、190Bにそれぞれ入力されたcosΩtおよびsinΩt形態を有する等しい振幅の2つの未変調信号のそれぞれと混合される。ミキサ188Aから出力された振幅は、振幅がcos(φ+ε)に比例する成分を有する。ミキサ188Bからの出力は、振幅がsin(φ+ε)に比例する成分を有する。ローパスフィルタ192A、192Bは周波数2Ωの信号成分を除去する。ミキサ192A、192Bから出力された信号はデバイス195に入力され、復調器ユニット170の出力126(復調装置150の出力でもある)において、振幅が(φ+ε)に比例する信号を発生する。
【0039】
図2を参照すると、周波数Ωの2つの未変調信号が直交信号発生器(QSG)157を用いて発生される。QSG157の157Aの第1の部分は、第2の復調器156、レートコンバータ158、およびデジタル微分器160を備えている。QSG157の第2の部分157Bは、増幅器162、初期化スイッチ165、開始バッファ180、および遅延ユニット167を備えている。ダイレクトデジタルシンセサイザ(DDS)169はQSG157の第3の部分を形成する。QSG157への入力信号はRF回路102からの出力信号を混合することによって発生されて、周波数Ωの信号を発生し、これらの信号は復調システム150の入力122A、122Bに印加される。これらの信号はミキサ152において混合され、このミキサの出力はバンドパスフィルタ153に送られてその合計の周波数成分が除去され、得られた信号がADC154によってデジタル化される。ADC154からの出力はバンドパスフィルタ155に入力され、このフィルタの出力はQSG157の入力151に接続されている。QSG157は151における信号に相当する同相(I)信号および直交位相(Q)信号を発生し、これらの信号は復調器ユニット170に入力される未変調信号sinΩt、cosΩtである。
【0040】
復調器ユニット156は復調器ユニット170の構造と同じ構造を有する。復調器ユニット170の入力190A、190Bに入力された信号も、復調器ユニット156の対応する入力にフィードバックされる。復調器156からの出力はレートコンバータ158によって係数mによってダウンコンバートされ、次いで、ローパスデジタル微分器160に送られる。微分器160に入力される信号は復調器156のクロック周波数の1/mのレートである。QSG157の第1の部分157Aからの出力は、未変調信号190A、190Bと第1の部分157Aに入力される151における信号との間の周波数の差に比例する大きさを有する第1の中間信号である。
【0041】
QSG157の第1の部分157Aからの出力は増幅器162によって係数κにより増幅され、加算器164、初期化スイッチ165、および遅延機能167から成る第2の微分器に送られる。QSG157の第2の部分157Bの出力信号は、復調器ユニット170の入力190A、190Bおよび復調器ユニット156の同等の入力に入力されるためのサイン信号sinΩtおよびコサイン信号cosΩtを発生するダイレクトデジタルシンセサイザ(DDS)(または数値制御発振器)169を制御するのに用いられる第2の中間信号である。サイン信号sinΩtおよびコサイン信号cosΩtの周波数は、DDSに入力される信号によって制御される。QSG157の第2の部分157Bの出力は、第1の中間信号の大きさの変動率に比例する大きさを有する第2の中間信号である。
【0042】
復調器156の入力151における信号が復調器170の等価入力190A、190Bから復調器156にフィードバックされた信号の周波数とΔfだけ周波数が異なる場合、復調器156の出力は傾斜2πΔfを有する線形である。ダウンコンバータ158は、復調器156の出力信号のより高い周波数成分をデジタル微分器160の通過帯域の外に置くように動作する。このデジタル微分器は傾斜2πΔfおよび低周波数のAC成分を効率的にリターンする。微分器160によって通された雑音電力σdiffは、σdiff=(π/3)Fσε(式中、Fは微分器160のカットオフ周波数である)によって白雑音入力電力σεに関連付けられる。増幅器162は、時間tにおける初期化スイッチ165の出力εがε=εt−1−2|κ|πΔfによってその前のサイクルにおける(時間t−1における)出力εt−1に関連付けられるように、反転型、すなわちκ<0である。QSG157の第2の部分157Bは広帯域微分器として動作する。スイッチ165の出力はDDS169に入力され、したがって、復調器ユニット170のミキサに入力された信号の周波数を制御し、これらの信号も復調器156の同等のミキサにフィードバックされる。DDS169に入力された制御信号は傾斜2πΔfが変化するときのレートを表し、したがって高速二次補正および周波数追跡が提供される。始動中のQSG157の動作を安定させるために、スイッチ165が開の間に、初期化プリセット制御値が開始バッファ180によって初期化スイッチ165に供給される。
【0043】
復調システム150の動作中、DDS169によって出力され(sinΩtおよびcosΩtそれぞれに比例する)、190A、190Bにおいて復調器170に入力されたI信号およびQ信号は151においてQSG157に入力された信号の周波数Ωを追跡するが、それら周波数はミキサ152におけるミキシングによって発生される高周波数雑音を組み入れない。
【0044】
図4は図1装置に用いられる代替的復調装置250を模式的に示している。装置150のパーツに相当する装置250のパーツは、図1の相当するコンポーネントを示す参照符号とは値が100だけ異なる参照符号で示されている。装置250は図1のQSG157に相当するQSG257を有し、第1の部分257A、第2の部分257Bおよび第3の部分257Cを備えている。装置250は2つのクロック282、284によって制御され、QSG257の第3の部分257Cは2つのダイレクトデジタルシンセサイザ269A、269Bおよびレートコンバータ281を備えている。クロック282はADC254、バンドパスフィルタ255、復調器ユニット256およびDDS269Bのクロック速度を制御する。クロック284はADC277、復調器ユニット270およびDDS269Aのクロック速度を制御する。
【0045】
装置250の基本的機能は、図2の装置150の機能と同じである。アレイ115(図1)の光出力パルスは検出器276において検出され、ADC277によってデジタル化され、ハイパスフィルタ278によって濾波され、デマルチプレクサ279によって逆多重化される。デマルチプレクサ279の出力は、cos(Ωt+φ+ε)形態の信号を含み、この信号の位相成分φ+εは復調器ユニット270によって復元され、126において出力される。システム250の動作中、DDS269Bから出力されたI信号およびQ信号の周波数がQSG257への入力の周波数を追跡し、この入力は、RF回路102からの信号を混合し、濾波し、得られた合計の周波数成分を除去することによって発生される。装置150とは対照的に、初期化スイッチ265の出力は(直交信号発生器(QSG)257内でフィードバックを提供する)DDS269Bを制御するのに使用されるだけでなく、第2のレートコンバータ281によってレートコンバートもされ、続いて、クロック284と適合するクロック速度で第2のDDS269Aに入力される。コンバータ281も、装置250を操作する前にDDS269Aを制御するのに適した値に設定された係数λによって、スイッチ265からの信号を増幅/低減する。装置250はこれら2つの動作が異なるレートでクロックされるときに、周波数の追跡および復調の柔軟性を増強する。復調器ユニット270は、DDS269AからのI信号およびQ信号を受信する入力290A、290Bを有する。
【0046】
図5は本発明の別の復調装置350を模式的に示している。この装置は、アレイ115の個々のセンサ118の1つが、その他のセンサによって検出される雑音を検出することのできると同時に他のセンサによって検出され得る信号に機械的に非感光化されるときに、図1の装置に用いられるのにも適している。したがって、非感光化されたセンサは雑音のみを検出する基準センサである。システム350は、アレイ115の他のセンサの1つから取得された信号の位相に相当する低雑音出力信号を126において提供するように動作する。
【0047】
装置150のパーツに相当する装置350のパーツは、図1の相当するコンポーネントを示す参照符号とは値が200だけ異なる参照符号で示されている。復調装置350は単一の(光)入力124および出力126を有する。システム150、250とは対照的に、RF回路102からのブラッグセル駆動信号の入力は存在しない。アレイ115からの出力パルスは、上記のように、(376において)検出され、(377において)デジタル化され、(378において)ハイパスフィルタされ、(379において)逆多重化される。装置350は、第1の部分357Aおよび第2の部分357B、ならびに単一のDDS369から成る第3の部分を有する直交信号発生器357を備えている。
【0048】
基準センサからの信号はデマルチプレクサ379によって選択され、相当する同相(I)信号および直交(Q)信号を位相直交復調器370に出力する直交信号発生器(QSG)357に入力される。他のセンサからの信号は逐次的に逆多重化され、ループ357によって導入された処理遅延に等しい時間遅延だけ遅延手段381によって遅延された後に、復調器370に入力される。復調器に入力される信号の各々は同じ位相雑音成分を有しているので、またI信号およびQ信号は他の位相変調を含んでいないので、復調器370の出力は、出力信号がデマルチプレクサ379によって選択され、遅延手段381を介して復調器370に入力されるセンサにおいて信号に課された位相に密接に相当する。すなわち、QSG357に入力された信号はcos[Ωt+ε(t)]形態(式中、ε(t)はアレイ115の全センサによって検出された雑音に相当する)を有し、遅延手段381を介してDPQD370に入力された信号はcos[Ωt+φ(t)+ε(t)]形態(式中、φ(t)は検出されるのが望ましい位相変調である)を有する。復調に用いられる信号(すなわち、非感光化されたセンサからの信号)は雑音項も含むので、DPQD370から出力された信号は実質的には、φ(t)の関数のみである。
【0049】
図6は図1のシステムに用いられる本発明の別の復調装置450を示しており、装置450は装置350の代替物である。装置150のパーツに相当する装置450のパーツは、図1の相当するコンポーネントを示す参照符号とは値が300だけ異なる参照符号で示されている。図5の装置350と同様、装置450はセンサの1つがアレイ115の概ね近傍の雑音のみを検出する基準センサとして用いられるアレイ115と一緒に用いられることが意図される。基準センサを起点とする信号は、(479において)逆多重化され、451において、ローパスフィルタ497およびヒルベルト変換フィルタ498の両方を有するQSG457に入力される。フィルタ498は451において信号を90°位相シフトする。451における信号に相当する同相(I)信号および直交位相(Q)信号は、フィルタ497、498からそれぞれ出力され、復調器ユニット470内のミキサの入力に印加されて、アレイ115の他のセンサを起点とする信号が復調され、これらの信号はローパスフィルタ481を介して復調器470に入力される。基準センサを起点とする信号を用いてアレイの他のセンサを起点とする信号の復調を実行することにより、そうでない場合に126において出力に出現するであろう位相雑音が除去される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の時間分割多重化(TDM)光ファイバセンシング装置を示す略図である。
【図2】図1の装置に用いられる本発明の復調装置を示す略図である。
【図3】図2の装置に用いられる個々の復調器ユニットを示す図である。
【図4】図1の装置に用いられる本発明の復調装置を更に示す略図である。
【図5】雑音が低減された復調出力信号を提供する本発明の復調装置を更に示す略図である。
【図6】雑音が低減された復調出力信号を提供する本発明の復調装置を更に示す略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
変調が所望の信号および雑音に相当する第1の位相変調信号を復調する装置であって、装置は、第1の位相変調信号および変調が実質的に雑音のみに相当する第2の位相変調信号を受信するようになされた位相復調ユニットを備える、装置。
【請求項2】
位相復調ユニットが、直交位相復調器および請求項15に記載のQSGを備え、QSGは第2の位相変調信号を受信し、相当するI信号およびQ信号を直交位相復調器に出力するようになされており、直交位相復調器は第1の位相変調信号を受信するようになされた、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
位相復調ユニットが、デジタル式直交位相復調器(DQPD)と、請求項16から22のいずれかに記載のQSGと、DQPDに入力される前に第1の位相変調信号をデジタル化するようになされたADCとを備え、QSGは第2の位相変調信号を受信し、相当するI信号およびQ信号をDQPDに出力するようになされた、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
位相復調ユニットが、直交位相復調器とヒルベルト変換フィルタとを備え、ヒルベルト変換フィルタは第2の位相変調信号を受信し、相当するI信号およびQ信号を直交位相復調器に出力するようになされており、直交位相復調器は第1の位相変調信号を受信するようになされた、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
位相復調器がDQPDであり、DQPDおよびヒルベルト変換フィルタにそれぞれ入力される前に第1および第2の位相変調信号をデジタル化するようになされた第1および第2のADCを更に備える、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の復調装置を備える、光ファイバセンシング装置。
【請求項7】
第2の位相変調信号を発生するようになされた基準センサを備える、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
基準センサが実質的に同一の個々の光ファイバセンサの直列アレイに含まれる非感光化される光ファイバセンサであり、第1の位相変調信号が基準センサ以外のアレイの光ファイバセンサの1つから取得される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
基準センサが機械的に非感光化される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
光ファイバセンサ各々が、放射が対応する個々の光ファイバセンサを通過後にアレイの入力に向かって放射を反射する反射手段を組み入れる、請求項8または請求項9に記載の装置。
【請求項11】
各反射手段が2つの個々の光ファイバセンサ間に結合された光ファイバ結合鏡である、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
周波数差Ωを有する第1および第2のRF信号に応答して少なくとも部分的にコヒーレントな光パルス対を発生する手段と、パルス対をセンサに入力する手段とを更に備え、各対のパルスは周波数差Ωおよび相対遅延τを有し、連続する反射手段からアレイの入力までの経路長の差は実質的にはcτ/2であり、式中cは光ファイバ中のパルスの速度である、請求項10または請求項11に記載の装置。
【請求項13】
光パルス対を発生する手段が、
(i)光ファイバ結合レーザと、
(ii)レーザの出力を分割してそれらの第1および第2の部分を提供する手段と、
(iii)第1および第2の部分をそれぞれ変調して、周波数ωおよびωをそれぞれ有する出力パルスの第1および第2のシリーズを発生するようになされた第1および第2の音響光学変調器と、
(iv)周波数ωのパルスと同時に発生された周波数ωのパルスに対して周波数ωの各パルスを遅延させる遅延ループと、
(v)出力ファイバと、
(vi)パルスの第1および第2のシリーズを出力ファイバに多重化する手段とを備える、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
所望の信号および雑音に相当する位相変調を有する第1の位相変調信号を復調する方法であって、方法が、
(i)雑音のみに相当する変調を有する第2の位相変調信号を取得するステップと、
(ii)第1および第2の位相変調信号を位相復調ユニットに入力するステップとを含む、方法。
【請求項15】
入力信号を受信し、これに応答して、入力信号と実質的に同じ周波数の同相(I)信号および直交位相(Q)信号を発生する直交信号発生器(QSG)であって、QSGが、
(i)入力信号の入力に応答して、入力信号の周波数とI信号およびQ信号の周波数との間の差に比例する振幅または大きさを有する第1の中間信号を発生する第1の部分と、
(ii)第1の中間信号の入力に応答して、第1の中間信号の大きさの変動率に比例する大きさを有する第2の中間信号を発生する第2の部分と
(iii)第2の中間信号の入力に応答してI信号およびQ信号を発生し、I信号およびQ信号の周波数を調節してこれらの周波数が入力信号の周波数に近づくようにし、I信号およびQ信号を第1の部分にフィードバックするようになされた信号発生器とを備える、直交信号発生器。
【請求項16】
デジタル電子機器に実装され、前記第1の部分に入力される前に入力信号をデジタル化するようになされたアナログデジタル変換器(ADC)を更に備える、請求項15に記載のQSG。
【請求項17】
前記第1の部分が、デジタル化された入力信号とI信号およびQ信号を受信するようになされ、その出力がレートダウンコンバータの入力に接続され、この出力が入力信号の高周波数成分を除外するカットオフ周波数を有するデジタル微分器の入力に接続されたデジタル式位相直交復調器(DPQD)を備える、請求項16に記載のQSG。
【請求項18】
前記第2の部分が、
(i)第1の中間信号を受信するようになされた反転増幅器と、
(ii)第1の入力が増幅器の出力に接続された加算器と、
(iii)加算器の出力と加算器の第2の入力との間に接続される遅延手段とを備え、加算器の出力が信号発生器に入力される、請求項16または請求項17に記載のQSG。
【請求項19】
第2の部分が、初期化スイッチおよび開始バッファを更に備えており、初期化スイッチは加算器の出力に接続され、遅延手段はスイッチの出力を加算器の第2の入力に接続し、初期化スイッチの出力は信号発生器に入力され、開始バッファによって制御可能になっている、請求項18に記載のQSG。
【請求項20】
信号発生器が第2の中間信号の入力に応答してI信号およびQ信号を発生するようになされたダイレクトデジタルシンセサイザ(DDS)である、請求項16から19のいずれかに記載のQSG。
【請求項21】
レートダウンコンバータおよび第2の信号発生器を更に備えており、ダウンコンバータは、第2の中間信号を受信し、ダウンコンバートされた信号の入力に応答して第2のI出力信号およびQ出力信号を提供するようになされた第2の信号発生器にダウンコンバートされた信号を出力するようになされた、請求項16から20のいずれかに記載のQSG。
【請求項22】
第2の信号発生器がダイレクトデジタルシンセサイザ(DDS)である、請求項21に記載のQSG。
【請求項23】
請求項1から22のいずれかに記載のQSGを備える、復調装置。
【請求項24】
I信号およびQ信号を受信するようになされた直交位相復調器を更に備える、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
請求項23または請求項24に記載の復調装置を備える、光ファイバセンシング装置。
【請求項26】
放射が対応する個々の光ファイバセンサを通過した後にアレイの入力に向かって放射を反射する反射手段を各々組み入れた実質的に同一の個々の光ファイバセンサの直列アレイを更に備える、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
各反射手段が、2つの個々の光ファイバセンサの間に結合されたファイバ結合鏡である、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
個々のセンサの1つが、残りのセンサによって検出することが可能な信号に対してそのセンサを非感応化にするが、他のセンサによって検出され得る雑音をそのセンサが検出できるようにするようになされた手段を備える、請求項26または請求項27に記載の装置。
【請求項29】
周波数差Ωを有する第1および第2のRF信号に応答して少なくとも部分的にコヒーレントな光パルス対を発生する手段と、パルス対をアレイに入力する手段とを更に備え、各対のパルスが周波数差Ωおよび相対遅延τを有し、連続する反射手段からアレイの入力までの経路長の差が実質的にはcτ/2であり、式中cは光ファイバ中のパルスの速度である、請求項26から28のいずれかに記載の装置。
【請求項30】
光パルス対を発生する手段が、
(i)ファイバ結合レーザと、
(ii)レーザの出力を分割してそれらの第1および第2の部分を提供する手段と、
(iii)第1および第2の部分をそれぞれ変調して、周波数ωおよびωをそれぞれ有する出力パルスの第1および第2のシリーズを発生するようになされた第1および第2の音響光学変調器と、
(iv)周波数ωのパルスと同時に発生された周波数ωのパルスに対して周波数ωの各パルスを遅延させる遅延ループと、
(v)出力ファイバと、
(vi)パルスの第1および第2のシリーズを出力ファイバに多重化する手段とを備える、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
入力信号から同相(I)信号および直交(Q)信号を発生する方法であって、I信号およびQ信号が入力信号と実質的に同じ周波数を有し、方法が、
(i)入力信号とI信号およびQ信号との周波数の差に相当する振幅または大きさを有する第1の中間信号を発生するステップと、
(ii)第1の中間信号の振幅または大きさの変動率に相当する振幅または大きさを有する第2の中間信号を発生するステップと、
(iii)第2の中間信号を用いて、前記周波数が入力信号の周波数の方に逸れるように信号発生器によって出力されたI信号およびQ信号の周波数を制御するステップと、
(iv)ステップ(i)で用いられるようにI信号およびQ信号をフィードバックするステップとを含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−506311(P2009−506311A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−527502(P2008−527502)
【出願日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際出願番号】PCT/GB2006/003065
【国際公開番号】WO2007/023260
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(501352882)キネテイツク・リミテツド (93)
【Fターム(参考)】