説明

光ファイバ型計測システム

【課題】偏波保持ファイバの周囲温度や応力の大きさの変化前後で検出感度が変化しない光ファイバ型計測システムを提供する。
【解決手段】偏波保持ファイバ4を通過した光が入射するファラデー回転子53を設け、ファラデー回転子53の回転角を45度または略45度としたことで、偏波保持ファイバ4内を正方向に通過する光に与えられる位相差を、偏波保持ファイバ4内を逆方向に通過する光に与えられる位相差が打ち消すという効果が、周囲温度や応力の大きさの変化前後において得られ、これにより、偏波保持ファイバ4を逆方向に通過した楕円偏光は、変化前後で同じものとなるので、電界強度の検出感度が変化しないようにできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電界強度、磁界強度、温度あるいは圧力の大きさを光学的に検出する光ファイバ型計測システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電界強度を光学的に検出する光ファイバ型計測システムとしては、例えば、特許文献1と2に記載のものがある。
【0003】
図4は、従来の光ファイバ型計測システムの構成を示す図である。
【0004】
光源1で生成された直線偏光は、偏波保持ファイバ2を通過し、偏光処理装置3のアイソレータ301へ入射する。このアイソレータ301を通過した直線偏光は、偏光処理装置3のビームスプリッタ304で2つの直線偏光に分割され、その一方の直線偏光が、偏波保持ファイバ4へ入射する。
【0005】
この直線偏光は、偏波保持ファイバ4を通過し、光学センサ5の電気光学結晶54を伝搬し、誘電体反射膜541で反射される。この際、被測定電界の電界強度に応じた楕円形状の楕円偏光に変化され、逆向きに偏波保持ファイバ4へ入射する。この楕円偏光は偏波保持ファイバ4を逆向きに伝搬し、偏光処理装置3へ出射する。
【0006】
この楕円偏光の一部は、ビームスプリッタ304で反射し、偏光処理装置3の偏波コントローラ306を通過する。このとき偏波コントローラ306が偏光の偏光状態を変化させる。偏光状態が変化した偏光は、偏光処理装置3の偏光ビームスプリッタ307で2つの直線偏光に分割される。分割後の一方の直線偏光が、偏光処理装置3の差動増幅回路310内の光検出器311に入射する。分割後の他方の直線偏光は、差動増幅回路310内の光検出器312に入射する。
【0007】
光検出器311は、自身に入射した直線偏光をその光強度に応じた大きさの電気信号に変換して、これを差動増幅回路310内の差動アンプ313の一方の入力端子へ与える。光検出器312は、自身に入射した直線偏光をその光強度に応じた大きさの電気信号に変換して、これを差動アンプ313の他方の入力端子へ与える。
【0008】
差動アンプ313は、自身の両入力端子に与えられた電気信号の差分を増幅して電気信号検出器6に与える。これにより、被測定電界の電界強度が電気信号検出器6で検出される。
【特許文献1】特開2001−050908号公報
【特許文献2】特開2003−014801号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、偏波保持ファイバ4の周囲温度が変化したときや、例えば光学センサ5を3次元的に走査するときの偏波保持ファイバ4の曲がりなどにより偏波保持ファイバ4に働く応力の大きさが変化したときには、偏波保持ファイバ4内で光に与えられる位相差が変化し、これにより偏波保持ファイバ4を逆方向に通過した楕円偏光の偏光状態が変化するので、電気信号検出器6での検出値が変化してしまう。すなわち、周囲温度や応力の大きさの変化前後で、電界強度の検出感度が変化してしまう。例えば光学センサ5を3次元的に走査して電界強度の3次元的な分布を検出するときには、光学センサ5の位置により検出感度が変化してしまうので、正しい電界分布を検出することができない。なお、電気光学結晶54に代えて磁気光学結晶を用いることで、被測定磁界の磁界強度を検出するときや、電気光学結晶54に代えて圧光学(光弾性)結晶を用いることで、被測定圧力の大きさを検出するときにおいても、同様の事情がある。
【0010】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、偏波保持ファイバの周囲温度や応力の大きさの変化前後で検出感度が変化しない光ファイバ型計測システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、本発明は、偏波保持ファイバと、この偏波保持ファイバを通過した光が入射する旋光子と、この旋光子を通過した光が入射する結晶であって、光の偏光状態を電気的、磁気的または力学的に変化させる性質を有し、光を反射する反射手段が設けられた結晶と、この結晶と前記旋光子と前記偏波保持ファイバを逆方向に通過した光を検出する検出手段とを有し、前記旋光子の回転角が45度または略45度であることを特徴とする光ファイバ型計測システムをもって解決手段とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、偏波保持ファイバ内を正方向に通過する光に与えられる位相差を、偏波保持ファイバ内を逆方向に通過する光に与えられる位相差が打ち消すという効果が、周囲温度や応力の大きさの変化前後において得られ、これにより、偏波保持ファイバを逆方向に通過した楕円偏光は、変化前後で同じものとなるので、検出感度が変化しないようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、本実施の形態に係る光ファイバ型計測システムの構成を示す図である。このシステムは、このシステムを用いる場所に誘起された電界を被測定電界として、その被測定電界の電界強度を検出するものである。
【0015】
本実施の形態のシステムは、光源1と、光源1の光が入射する偏波保持ファイバ(Polarization Maintaining Fiber)2と、偏波保持ファイバ2を出射した光を光学処理し、その光の偏光状態が被測定電界で変化したときに、変化後の光を電気信号に変換する偏光処理装置3と、偏光処理装置3で光学処理された光が入射する偏波保持ファイバ4と、偏波保持ファイバ4を出射した光の偏光状態を被測定電界により変化させ、偏波保持ファイバ4に逆方向に入射させる光学センサ5と、偏波保持ファイバ4を逆方向に通過して、その光から偏光処理装置3が変換した電気信号を検出する電気信号検出器6とを備える。
【0016】
本実施の形態では、光源1が直線偏光を生成し、これが偏波保持ファイバ2の進相軸または遅相軸にのみ入射するようになっている。
【0017】
電気信号検出器6は、具体的には、ロックインアンプやスペクトルアナライザである。
【0018】
偏光処理装置3は、偏波保持ファイバ2を出射した光が入射するアイソレータ301と、アイソレータ301を出射した光が入射する偏波保持ファイバ302と、偏波保持ファイバ302を出射した光が通過するレンズ303と、レンズ303を通過した光の一部が通過するビームスプリッタであって、通過後の光の偏光状態が被測定電界で変化したときの、変化後の光の一部を反射するビームスプリッタ304と、ビームスプリッタ304を通過した光が通過するレンズであって、その光の偏光状態が変化したときの変化後の光が逆方向に通過するレンズ305と、ビームスプリッタ304で反射した光の偏光状態を変化させる偏波コントローラ306と、この偏光状態が変化した後の光を分割する偏光ビームスプリッタ307と、分割後の各光が通過するレンズ308およびレンズ309と、通過した各光の差分をその大きさに応じた大きさの電気信号に変換する差動増幅回路310を備える。
【0019】
アイソレータ301は、図示しない偏光ビームスプリッタ、ファラデー回転子、1/2波長板、1/4波長板などで構成される。
【0020】
偏波コントローラ306は、1/2波長板、1/4波長板などで構成される。
【0021】
差動増幅回路310は、偏光ビームスプリッタ307による分割後の一方の光を電気信号に変換する光検出器311と、偏光ビームスプリッタ307による分割後の他方の光を電気信号に変換する光検出器312と、各光検出器311、312で変換された電気信号を差動増幅する差動アンプ313を備える。差動増幅回路310は、例えば、バランスレシーバなどである。
【0022】
光学センサ5は、偏波保持ファイバ4を所定位置に案内するフェルール51と、フェルール51に案内された偏波保持ファイバ4から出射する光を平行光に整形するコリメータレンズ52と、コリメータレンズ52を通過した光を旋光させるファラデー回転子53と、被測定電界により光の偏光状態を変化させる電気光学結晶であって、ファラデー回転子53を出射した光を入射させ、反対側の誘電体反射膜541で反射させ、ファラデー回転子53へ出射させる電気光学結晶54を備える。電気光学結晶54は、旋光性を有しないものであり、そのファラデー回転子53側には誘電体反射防止膜542が形成されている。
【0023】
本実施の形態では、例えば、レンズ305を通過した直線偏光が偏波保持ファイバ4の進相軸と遅相軸へ均等に分割されるようになっている。かかる進相軸と遅相軸を位相軸と総称する。電気光学結晶54の進相軸と遅相軸(これらについても位相軸と総称する)は、例えば、偏波保持ファイバ4の位相軸に対して角度45度を有するように配置されている。
【0024】
次に、本実施の形態のシステムの動作を説明する。
【0025】
光源1で生成された直線偏光は、偏波保持ファイバ2を通過し、アイソレータ301へ入射する。このアイソレータ301を通過した直線偏光は、レンズ303を通過し、ビームスプリッタ304で2つの直線偏光に分割され、その一方の直線偏光がレンズ305を通過し、偏波保持ファイバ4の進相軸または遅相軸へ入射する。
【0026】
この直線偏光は、偏波保持ファイバ4を通過し、これを光学センサ5が、被測定電界の電界強度に応じた楕円形状の楕円偏光に変化させ、この楕円偏光が偏波保持ファイバ4に対し逆方向に入射する。この楕円偏光は偏波保持ファイバ4から逆方向に出射し、レンズ305を逆方向に通過する。
【0027】
この楕円偏光の一部は、ビームスプリッタ304で反射し、反射した偏光が偏波コントローラ306を通過し、このとき偏波コントローラ306が偏光の偏光状態を変化させる。偏光状態が変化した偏光は、偏光ビームスプリッタ307で2分割される。分割後の一方の偏光がレンズ308を通過し、その後、光検出器311に入射する。分割後の他方の偏光はレンズ309を通過し、その後、光検出器312に入射する。
【0028】
光検出器311は、自身に入射した偏光をその光強度に応じた大きさの電気信号に変換して、これを差動アンプ313の一方の入力端子へ与える。光検出器312は、自身に入射した偏光をその光強度に応じた大きさの電気信号に変換して、これを差動アンプ313の他方の入力端子へ与える。
【0029】
差動アンプ313は、自身の両入力端子に与えられた電気信号の差分を増幅して電気信号検出器6に与える。これにより、被測定電界の電界強度が電気信号検出器6で検出される。被測定電界が交流電界のときは、その位相と振幅が検出される。
【0030】
次に、偏波保持ファイバ4と光学センサ5での動作を説明する。
【0031】
図2は、偏波保持ファイバ4、ならびに光学センサ5を構成する各要素の斜視図である。図2では、光の伝搬方向をz軸に見立て、同様に偏波保持ファイバ4の遅相軸および進相軸をy軸およびx軸に見立てている。図3は、図2に示した各点における光の偏光状態を示す図である。図3では、z軸の正方向を見たときの偏光状態を示している。
【0032】
図3(a)は、図2中のA点すなわち偏波保持ファイバ4に入射する直線偏光の偏光状態を示すものである。この直線偏光は、偏波保持ファイバ4の遅相軸および進相軸に対して角度45度を有する。
【0033】
偏波保持ファイバ4に入射した直線偏光は偏波保持ファイバ4を通過し、コリメータレンズ52で平行光に整形され、コリメータレンズ52から出射する。
【0034】
図3(b)は、図2中のB点すなわちコリメータレンズ52を出射した偏光の偏光状態を示すものである。偏波保持ファイバ4に入射した直線偏光は、その時点で、偏波保持ファイバ4の遅相軸に偏波面を有する直線偏光と、偏波保持ファイバ4の進相軸に偏波面を有する直線偏光とに分割されるが、これら直線偏光に対し、偏波保持ファイバ4の周囲温度や偏波保持ファイバ4に働く応力の大きさに応じた位相差が与えられ、その位相差を維持したままコリメータレンズ52で平行光に整形されるので、コリメータレンズ52からは楕円偏光が出射する。また、図2中のA点の直線偏光は、偏波保持ファイバ4の遅相軸および進相軸に対して角度45度を有し、偏波保持ファイバ4とコリメータレンズ52は旋光性を有しないので、図3(b)の楕円長手方向は、偏波保持ファイバ4の、例えば進相軸から半時計回りで角度45度を有している。
【0035】
この楕円偏光はファラデー回転子53を通過する。電気光学結晶54は、ファラデー回転子53を通過した楕円偏光が反射するのを誘電体反射防止膜542で防止する。これにより、楕円偏光が電気光学結晶54に入射する。
【0036】
図3(c)は、図2中のC点すなわちファラデー回転子53を通過した楕円偏光の偏光状態を示すものである。ファラデー回転子53は、その内部の楕円偏光に対し、理想的には45度の回転角を例えば半時計回りで与える(旋光させる)。
【0037】
電気光学結晶54の位相軸が偏波保持ファイバ4の位相軸に対して角度45度を有するようにしたので、図3(c)の楕円長手方向は、電気光学結晶54の、例えば遅相軸から半時計回りで角度45度を有している。
【0038】
電気光学結晶54に入射した楕円偏光は、内部を通過して誘電体反射膜541で反射し、内部を逆方向に通過して誘電体反射防止膜542から出射する。
【0039】
図3(d)は、図2中のD点すなわち電気光学結晶54から出射した楕円偏光の偏光状態を示すものである。電気光学結晶54は、その内部の楕円偏光に対し、被測定電界の電界強度に応じた量の位相差を与えるので、図3(d)と図3(c)では、楕円形状が異なるが、電気光学結晶54に楕円偏光が入射する前(出射した後)の位置にファラデー回転子53を設けたことで、図3(c)と図3(d)の楕円長手方向は、電気光学結晶54の、例えば遅相軸から半時計回りで角度45度を有していることで、一致している。
【0040】
また、電気光学結晶54では、誘電体反射膜541での反射前の位相差が反射後の位相差により減少することがなく、逆に、反射前の位相差の2倍の位相差を与えることができる。つまり被測定電界による光の偏光変調度、ひいては被測定電界の電界強度の検出感度を最大化することができる。
【0041】
この電気光学結晶54から逆方向に出射した楕円偏光は、ファラデー回転子53を通過し逆方向に通過する。
【0042】
図3(e)は、図2中のE点すなわちファラデー回転子53を逆方向に通過した楕円偏光の偏光状態を示すものである。ファラデー回転子53は、その内部の楕円偏光に対し回転角を与える(旋光させる)。この回転角の絶対値は、正方向の偏光に対して与えた回転角の絶対値に等しい。つまり、ファラデー回転子53は、その内部の逆方向の楕円偏光に対し、前述の例では時計回りに45度の回転角を与える。よって、図3(e)の楕円長手方向は、図3(b)の楕円長手方向に対して角度90度を有している。
【0043】
図3(f)は、図2中のF点すなわち偏波保持ファイバ4を逆方向に通過した楕円偏光の偏光状態を示すものである。ファラデー回転子53を逆方向に通過した楕円偏光(図3(e))はコリメータレンズ52で偏波保持光ファイバ4に焦光され、この楕円偏光に対し、偏波保持ファイバ4の周囲温度や偏波保持ファイバ4に働く応力の大きさに応じた位相差が与えられる。
【0044】
図3(f)の楕円長手方向は、図3(b)の楕円長手方向に対し、角度90度を有している。よって、偏波保持ファイバ4内を逆方向に通過する光に与えられる位相差は、偏波保持ファイバ4内を正方向に通過する光に与えられる位相差で打ち消される。
【0045】
これにより、偏波保持ファイバ4から逆向きに出射された光の偏光状態は、電気光学結晶54に加えられる被測定電界に比例した形状となる。
【0046】
次に、偏波保持ファイバ4の周囲温度が変化したときや、曲げなどで偏波保持ファイバ4に働く応力の大きさが変化したときの動作を説明する。
【0047】
周囲温度や応力の大きさの変化後では、図3(b)の楕円変更が、例えば、円に一層近い形状の楕円偏光になる。
【0048】
また、図3(b)の楕円長手方向に対し、図3(f)の楕円長手方向は、角度90度を有している。
【0049】
これにより、偏波保持ファイバ4内を逆方向に通過する光に与えられる位相差は、偏波保持ファイバ4内を正方向に通過する光に与えられる位相差で打ち消される。
【0050】
よって、電気信号検出器6での検出値が変化しない。すなわち、周囲温度や応力の大きさの変化前後において、電界強度の検出感度が変化しないようにできる。
【0051】
以上説明したように、本実施の形態に係る光ファイバ型計測システムによれば、偏波保持ファイバ4と、偏波保持ファイバ4を通過した光が入射するファラデー回転子53と、ファラデー回転子53を通過した光が入射する結晶であって、光の偏光状態を電気的に変化させる性質を有し、光を反射する誘電体反射膜541が設けられた電気光学結晶54と、偏波保持ファイバ4を逆方向に通過した光を検出する偏光処理装置3とを有し、ファラデー回転子53の回転角を45度または略45度としたことで、偏波保持ファイバ4内を正方向に通過する光に与えられる位相差を、偏波保持ファイバ4内を逆方向に通過する光に与えられる位相差が打ち消すという効果が、周囲温度や応力の大きさの変化前後において得られ、よって、電界強度の検出感度が変化しないようにできる。
【0052】
また、ファラデー回転子53の位相軸が電気光学結晶54の位相軸に対して角度45度または略45度を有することで、電気光学結晶54では反射前に与えた位相差の2倍の位相差を与えることができる。つまり被測定電界の電界強度の検出感度を最大化することができる。
【0053】
なお、本実施の形態は、本発明に係る実施の形態の一例であり、他の態様で発明を実施してもよい。
【0054】
具体的には、まず、本実施の形態では、ファラデー回転子53が与える回転角を45度としたが、実際には略45度としてもよく、これでも十分な効果が得られる。
【0055】
また、本実施の形態では、ファラデー回転子53の位相角が電気光学結晶54の位相角に対して角度45度を有することとしたが、実際には略45度で十分な効果が得られる。また、高い感度が必要ないときは、必ずしも45度または略45度でなくてもよい。
【0056】
また、ファラデー回転子に代えて、他の旋光子を用いてもよい。
【0057】
また、本実施の形態では、差動増幅を行ったが、一方の電気信号のみの増幅を行ってもよい。また、分割前の光を電気信号に変換増幅してもよい。
【0058】
また、本実施の形態では、誘電体反射膜541を設けたが、これに代えて、反射鏡を設けてもよい。
【0059】
また、本実施の形態では、被測定電界の電界強度を検出したが、電界強度の分布を例えば3次元的に検出してもよい。
【0060】
また、本実施の形態では、被測定電界の電界強度を電気光学結晶により検出したが、この電気光学結晶に代えて磁気光学結晶を用いることで、被測定磁界の磁界強度を検出してもよい。また、電気光学結晶に代えて圧光学(光弾性)結晶を用いることで、被測定圧力の大きさを検出してもよい。同様に温度を検出してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本実施の形態に係る光ファイバ型計測システムの構成を示す図である。
【図2】偏波保持ファイバ4、ならびに光学センサ5を構成する各要素の斜視図である。
【図3】図2に示した各点における光の偏光状態を示す図である。
【図4】従来の光ファイバ型計測システムの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0062】
1…光源
2、4…偏波保持ファイバ
3…偏光処理装置
5…光学センサ
6…電気信号検出器
53…ファラデー回転子
54…電気光学結晶
541…誘電体反射膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
偏波保持ファイバと、
この偏波保持ファイバを通過した光が入射する旋光子と、
この旋光子を通過した光が入射する結晶であって、光の偏光状態を電気的、磁気的または力学的に変化させる性質を有し、光を反射する反射手段が設けられた結晶と、
この結晶と前記旋光子と前記偏波保持ファイバを逆方向に通過した光を検出する検出手段と
を有し、
前記旋光子の回転角が45度または略45度であることを特徴とする光ファイバ型計測システム。
【請求項2】
前記旋光子の位相軸が前記結晶の位相軸に対して角度45度または略45度を有することを特徴とする請求項1記載の光ファイバ型計測システム。




































【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−57324(P2007−57324A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−241435(P2005−241435)
【出願日】平成17年8月23日(2005.8.23)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】