説明

光ヘッドおよび光ディスク装置

【課題】今後の光ディスクの多層化、高速化においては再生信号のS/N向上が必須であり、そのためには信号増幅が必要となる。
【解決手段】2つの光の光路差による調整が容易で信号増幅効果が高く、光学系の小型化に適した干渉型の光ヘッドおよび光ディスク装置を提供することができる。これにより多層光ディスクなど、各層の反射率を低くせざるを得ない場合や、再生速度が速く、信号に対して相対的なノイズが増加する場合などに、信号増幅によって再生信号品質を向上させることが可能となる。ディスクに照射しない光をディスク反射光と干渉させて信号増幅を行う光ディスク装置において、複数の干渉位相差を生じさせ、差動演算を行うための光学系を、角度選択性偏光変換素子によって小型化した。さらに、参照光反射ミラーとしてコーナーキューブプリズムを用いることにより、参照光の反射ミラー角度調整が不要となり、簡便に高精度の信号検出が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生信号の高S/N化に対応可能な光ヘッド並びに当該光ヘッドを搭載した光ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光情報記録媒体である光ディスクは、青色半導体レーザと高NA対応可能な対物レンズを用いるブルーレイディスクの製品化に至って、光学系の分解能としてはほぼ限界に達し、さらなる大容量化に向けては、今後、光ディスクの記録層の多層化が有力となると考えられる。この多層光ディスクにおいては各層からの検出光量をほぼ同等とすることが要求され、特定の層からの照射光の反射率は小さくならざるを得ない。ところが、光ディスクは大容量化とともにビデオなどのダビング速度の高速化が必要とされ、転送速度の高速化も続いており、そのままでは再生信号のS/N比が十分に確保できなくなりつつある。したがって、今後の多層化と高速化とを同時に進めていくためには、検出信号の高S/N化が必須となる。
【0003】
光ディスクの再生信号の高S/N化に関する技術は、たとえば特許文献1、特許文献2などに開示されている。いずれも光磁気ディスクの再生信号の高S/N化に関して、半導体レーザからの光を光ディスクに照射する前に分岐して、光ディスクに照射しない光を、光ディスクからの反射光と合波して干渉させることにより、微弱な信号の振幅を、光ディスクに照射しない光の光量を大きくすることによって増幅することを狙ったものである。光磁気ディスクの信号検出で従来用いられている偏光ビームスプリッタの透過光と反射光との差動検出では、本質的には、もとの入射偏光成分と光磁気ディスクによる偏光回転によって生じる入射偏光方向と直交する偏光成分とを干渉させて、入射偏光で直交偏光成分を増幅して検出を行うこととしている。したがって、もとの入射偏光成分を増大させれば信号を増大させることができるが、光ディスクに入射させる光強度は、データを消去したり上書きしたりしないようにするために、ある程度以下の強度に抑える必要がある。これに対して上記従来技術では、予め信号光と干渉させる光とを分離しておいて、これをディスクに集光せずに信号光と干渉させ、信号増幅のために干渉させる光の強度を、ディスク表面の光強度と関係なく強くできるようにしている。これにより原理的には光強度の許す範囲で、光強度を強くすればするほど、光検出器からの光電流を電圧変換するアンプのノイズや、光検出器で生じるショットノイズなどに比べたS/N比を高めることができる。
【0004】
特許文献1では、2つの光を干渉させて干渉強度を検出している。この際、干渉させるディスク非反射光の光路長を可変とし、干渉信号振幅の確保を狙っている。特許文献2では干渉強度検出に加えて差動検出も行っている。これにより信号に寄与しない各光の強度成分をキャンセルし、これらの光の持つノイズ成分をキャンセルして高S/N化を図っている。この場合の差動検出には、無偏光のビームスプリッタを用いている。
【0005】
【特許文献1】特開平5−342678号公報
【特許文献2】特開平6−223433号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来技術に用いられている干渉計の光学系は、いずれもマッハツェンダー型の光学系であり、光学部品の点数が多く、光学系の小型化に不向きである。マッハツェンダー型の干渉計の光学系は、最初に光を信号光と参照光とに分割する分割手段と、信号光に信号としての何らかの変調が加えられたのち、参照光と再び合波させて干渉させるための手段が異なる干渉計である。これに対して、最初に分割する手段に再び信号光と参照光を戻すことによって干渉させるのが、トワイマングリーンあるいはマイケルソン型の干渉計の光学系である。上記従来例においてマッハツェンダー型の光学系を用いる理由については、上記文献には詳しく述べられていないが、光磁気ディスクの信号光が偏光回転により生じるため、干渉させる光の偏光方向を調整するため、回転調整のできるλ/2板(λ:波長)を干渉させる光路中に、往復でなく、片道方向だけ透過させるように配置させる必要があったためと推測される。さらに他の問題として、2つの光の光路差を調整する方法が特に述べられておらず、実用には難があることが挙げられる。特許文献2には、この問題に対して、干渉させる光を得るための参照ミラーをディスク上に記録膜と離して設置することが述べられているが、これは新規格のディスクを提案するものであり、既存のディスクを高S/N化するものではない。
【0007】
さらに上記従来技術ではいずれも信号増幅のため、干渉強度が最大となるように信号光と参照光との光路差を波長の数分の1の精度で調整することが必要となる。しかし参照光をディスクに照射することなく、常にこの精度で参照ミラーの位置を調整するのは実際上極めて困難となる。
【0008】
上記課題に鑑み、本発明の目的は、2つの光の光路差を調整することが容易で、信号増幅効果が高く、光学系の小型化に適した、干渉型の光ヘッドおよび光ディスク装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的を達成するために、以下の手段を用いた。
【0010】
本発明の光ヘッドは基本的に、半導体レーザなどの光源と、この光源からの光を第1と第2の光束とに分割する偏光プリズムなどの第1の分割手段と、第1の光束を光情報記録媒体上に集光して照射する対物レンズなどの集光手段と、第2の光束を光情報記録媒体には集光せずに参照光として反射させる反射ミラーと、光情報記録媒体から反射した信号光と前記参照光とを再び第1の分割手段に導いて重ね合わせて干渉させた光を分割するとともに、分割されたそれぞれの光に含まれる信号光と参照光の位相関係を互いに異ならしめる第2の分割手段と、分割された光を検出する複数の検出手段とから構成される。このとき複数の検出手段である光検出器は、同一基板上に形成されていることが特徴となっている。これにより、光学系が大きくなることを防ぎ、安定に信号増幅が行えるとともに、光学系を小型に構成することが可能となる。
【0011】
さらに反射ミラーをコーナーキューブで置き換える。コーナーキューブは立方体の対向する頂点を結んだ対角線に垂直な面で立方体を切断し、切断面の方から光を入射させると、どのような入射角で光を入射させても反射光路の対称性から、反射光が必ず入射光と同じ方向に戻るという素子である。信号光と参照光とを干渉させるときに参照光が傾くと干渉によって生じる干渉縞が多数発生して干渉強度が平均化されて低下する。ところがコーナーキューブは上記の性質からコーナーキューブが傾いても反射光が傾かないので、このような干渉強度の低下を防ぐことができる。ただし、入射光と反射光の光軸を一致させるためにはキューブの頂点に光軸を調整させる必要がある。頂点や稜線に光を入射させると、面取り領域や微細なチッピングの影響により散乱光が発生するため、通常は頂点や稜線から光軸をずらして配置する。しかし本発明では光軸をずらさないようにするために、頂点や稜線の幅を入射させる光束径に対して可能な限り狭くして散乱を抑えて用いる。これにより調整が容易になるとともに、信号増幅効果を高く保つことができる。
【0012】
またさらに、第2の分割手段が光学系の小型化構成の鍵となっている。この分割手段は、無偏光の第3の分割手段と、第3の分割手段によって分割された、少なくとも2つの光の一方には作用せず、少なくとももう一方の光は円偏光に変換する同一基板からなる選択的偏光変換素子と、偏光分離素子とからなる。
【0013】
またさらに、第3の分割手段と、選択的偏光変換素子と、偏光分離素子とを個別に配置させず、一体に張り合わせて形成することにより、さらに光学系を小型に構成できるとともに、相互の位置ずれの影響などを解消することができる。
【0014】
またさらに、選択的偏光変換素子を、光軸方向に光学軸を有する異方性光学材料で構成することによって小型化することができる。異方性光学材料を用いない方法としてはたとえば、無偏光の第3の分割手段によって分割された光を光線の進行方向を異ならしめるだけでなく、空間的に完全に分離される位置まで偏光変換素子を光軸方向に離して配置させ、分離した光が偏光変換素子に入射する位置で互いに異なる位置に入射するようにすれば、それぞれの位置で偏光成分間に与える位相差を異ならしめることは可能である。しかし、これでは分割された光どうしが完全に分離するまでの距離を離す必要から光学系のサイズが大きくなってしまう。そこで、本発明では光軸方向に光学軸を有する一軸性異方性光学材料を用いる。この材料を板状に形成して偏光変換素子を形成することにより、素子に垂直に入射する光は偏光方向によらず位相差が生じないのに対し、傾いて入射する光は入射光軸と素子法線を含む平面内に電場が振動する偏光成分(P偏光)と、同平面に垂直な方向に電場が振動する偏光成分(S偏光)との間で、屈折率異方性の大きさ、入射角、素子厚さによって決まる位相差が生じる。そこで位相差が90°となるようにこれらのパラメータを設計することにより、空間的に分離はしていなくとも特定の入射角の光だけを選択的に円偏光とすることが可能となる。これにより、光軸方向に無偏光の第3の分割手段と偏光変換素子とを離して配置する必要がなくなり、光学系の小型化が実現できる。
【0015】
またさらに、光情報記録媒体上の信号光の焦点ずれを信号として検出する手段を有し、焦点ずれ信号によって第1の光束を集光して照射する手段を制御して焦点ずれを補償するとともに、コーナーキューブは光軸方向に可動でき、焦点ずれ信号によって信号光と参照光の光路差が光源の可干渉距離(コヒーレンス長)以内にあるように調整させる。これにより焦点制御により対物レンズが光軸方向に駆動され、第1の分割手段から光記録媒体までの光路長が光源のコヒーレンス長以上に変化する場合にも、信号光と参照光との干渉性を維持して、信号増幅効果を維持することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
2つの光の光路差を調整することが容易で、信号増幅効果が高く、光学系の小型化に適した、干渉型の光ヘッドおよび光ディスク装置を提供することができる。これにより、多層光ディスクなど、各層の反射率を低くせざるを得ない場合や、再生速度が速く、信号に対して相対的なノイズが増加する場合などに、信号増幅によって再生信号品質を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図を用いて本発明の実施形態を説明する。
【0018】
図1は本発明の基本的な実施形態である。半導体レーザ101からの光をコリメートレンズ102によって平行光として、λ/2板103を透過させて偏光プリズム104に入射させる。偏光プリズム104は分離面に入射するP偏光をほぼ100%透過し、S偏光をほぼ100%反射させる機能を有している。このときλ/2板の光軸周りの回転角度を調整することにより、一部の光をS偏光として偏光プリズム104を反射させ、一部の光をP偏光として透過させるようにすることができる。反射する光はλ/4板105を透過して円偏光に変換され、2次元アクチュエータ106に搭載された対物レンズ107により、光ディスク108上の記録膜に集光される。光ディスクからの反射光は同じ光路を戻り、対物レンズ107によって平行光とされ、λ/4板105により最初に入射したときとは90°偏光方向が回転した直線偏光となって偏光プリズム104に入射する。すると偏光が回転しているため、この光ディスク108からの反射光はP偏光となって偏光プリズム104を透過し、偏光プリズム113に入射する。一方、半導体レーザ101からの光のうち、偏光プリズム104を透過したP偏光は、光軸方向に可動する1次元アクチュエータ111に搭載されたコーナーキューブプリズム112に入射する。後で説明するように、コーナーキューブでの反射において偏光や位相が乱れるため、その補償素子122が挿入されている。この補償素子は、戻り光の偏光をS偏光にする役割を兼ねており、S偏光の戻り光が光軸を同じくして同じ光路を戻り、偏光プリズム104に入射する。すると偏光が回転しているため、このコーナーキューブプリズム112からの反射光は偏光プリズム104を反射し、光ディスク108からの反射光と重なり合って偏光プリズム113に入射する。ただし光ディスク108からの反射光とコーナーキューブプリズム112からの反射光は互いに直交する直線偏光となっている。偏光プリズム113は偏光プリズム104と異なり、P偏光の一部を透過させ、S偏光をほぼ100%反射させる機能を有する。これによりコーナーキューブプリズム112からの反射光はほぼ100%反射され、ディスクからの反射光は一部が偏光プリズム113を透過し、一部が反射される。反射された光は偏光位相変換分離素子114に入射し、光ディスク108からの反射光とコーナーキューブプリズム112からの反射光を重ねたまま、2つの光の干渉による位相差が異なる4つの光に分割されて、集光レンズ115により4分割光検出器116上に設けられた4つの受光部でそれぞれ別々に検出される。図では簡略化して2本の集光光束に分離集光されているように示しているが、実際は4本の集光光束となる。検出された信号からRF信号演算回路120により、再生RF信号(RFS)を出力する。一方、偏光プリズム113を透過した光ディスク108からの反射光は、集光レンズ117、シリンドリカルレンズ118により非点収差を与えられて4分割光検出器119に集光され、その出力信号からサーボ信号演算回路121により焦点ずれ信号(FES)とトラッキング誤差信号(TES)を出力する。焦点ずれ信号は対物レンズ107を搭載した2次元アクチュエータ106のフォーカス駆動端子にフィードバックされ焦点位置が閉ループ制御される。さらに同じ信号がコーナーキューブプリズム112を搭載した1次元アクチュエータ111にもフィードバックされ対物レンズ107と連動してコーナーキューブプリズム112も駆動される。これにより光ディスク108を反射した信号光と、コーナーキューブプリズム112を反射した参照光との光路差をほぼ0に保つことができる。通常の半導体レーザのコヒーレンス長は数10μmであるため、光路差の調整精度はこの範囲以下になっていればよい。トラッキング誤差信号は対物レンズ107を搭載した2次元アクチュエータのトラッキング駆動端子にフィードバックされ閉ループ制御される。
【0019】
図2は偏光位相変換分離素子114の構造と機能を説明する図である。偏光位相変換分離素子114は、無偏光素子としての無偏光回折格子203と、選択的変更変換素子としての角度選択性偏光変換素子204と、偏光分離素子としての偏光分離回折格子205とからなる。図1ではこれらが一体化された状態で図示したが、ここでは説明の便宜上分離して示している。機能としては、一体化されていても、分離されていても変わりはない。信号光偏光方向201と参照光偏光方向202とが直交するように信号光と参照光とが無偏光回折格子203に入射すると、偏光方向を問わずに2つの光はともに2つの異なる進行方向の光にそれぞれ分離する。これは無偏光回折格子203をブレーズ化することにより容易に可能である。一方は直進する0次光、他方は所定の回折角で回折する1次回折光である。次にこれらの光は角度選択性偏光変換素子204に入射すると、直進する0次光には何ら位相差を生じないが、傾いて入射した1次回折光は位相差を生じ、信号光と参照光とで回転方向が逆向きの円偏光に変換される。これは光学軸206が角度選択性偏光変換素子の面に対して垂直な一軸異方性を持っており、無偏光回折格子の回折光の回折方向が信号光偏光方向201と参照光偏光方向202とそれぞれ実質的に45度をなす方向になっていればよい。このようにすると角度選択性偏光変換素子204において信号光、参照光とも1次回折光がP偏光成分とS偏光成分とをそれぞれ均等に有することになり、屈折率異方性量(垂直方向屈折率と面内屈折率との差)と入射角とにより円偏光とするための位相差を一意的に決めることができる。さらに、角度選択性偏光変換素子204の出射光を偏光分離回折格子205に入射させる。偏光分離回折格子としてはたとえば日本登録特許公報第3832243号に記載された素子を用いることができる。これは、液晶や、ニオブ酸リチウム、水晶などの異方性材料によりブレーズ格子を形成することにより容易に実現できる。すなわち、偏光方向により屈折率が異なる材質であるため、ある偏光方向とそれと直交する偏光方向とで格子によって加わる位相分布が逆転するように配置すればよいのである。これにより1次回折光と、1次回折光が直交する偏光方向となるようにすることができる。あるいはウォラストンプリズムのような異方性光学結晶を張り合わせて作られる素子で代用してもよい。以上のようにして、分離された4つの光における信号光成分と参照光成分との干渉の位相差は、図中に示したように、0°、90°、180°、270°とすることができる。
【0020】
図3は図1の4分割光検出器116の受光部配置とRF信号演算回路120の配置と機能を示す図である。4分割光検出器166は図2に示した4つの光を受光するための4つの受光部301,302,303,304を有し、それぞれ位相差0°、90°、270°、180°の干渉位相差差の干渉強度を有する光を受光する。それぞれの出力を差動増幅器305、306によって差動演算を行ったのち、2乗加算平方根回路307によりRF信号を検出する。
【0021】
図4は、図2に示した偏光位相変換分離素子により、4つの光の干渉による位相差が0°、180°、90°、270°になることを説明するための図である。図中、Erefは参照光の電界ペクトル、Esigは信号光の電界ベクトルである。(a)は図2の直線偏光側の偏光状態、(b)は円偏光側の偏光状態である。参照光と信号光とは偏光方向が直交しているため、偏光分離回折格子によって分離される各偏光成分への射影ベクトルはPD1側で矢印が同じ向きとなり、PD2側で矢印が逆向きとなる。これによりPD1では参照光と信号光との位相差が0°、PD2では位相差が180°で干渉することになる。次に(b)では参照光と信号光とがともに回転方向の異なる円偏光となるため、それぞれのPD3側への射影ベクトルとPD4側への射影ベクトルとは、矢印の先端がベクトルを示す線分の端ではなく途中の位置にずれていることになる。このときの位相差が、それぞれ90°と270°になるのである。
【0022】
さらにこれらを数式で示し、図3に示した演算により再生RF信号が参照光によって増幅されることを説明する。PD1、PD2、PD3、PD4に入射する光の干渉強度はそれぞれ
【0023】
【数1】

【0024】
【数2】

【0025】
【数3】

【0026】
【数4】

【0027】
のように表せる。これらから、図3における差動増幅器305、306の出力信号Sig
1、Sig2は、
【0028】
【数5】

【0029】
【数6】

【0030】
のように表せる。したがってこれらの2乗和をとって平方根をとる演算を行うと、
【0031】
【数7】

【0032】
のように、再生信号の電界振幅が参照光の電界振幅で増幅された信号が検出できることになる。ここでこの2乗加算の演算を行うことにより、参照光と信号光とに位相差は最終的に得られる信号に影響しないことがわかる。したがって従来技術に述べられていたような、波長の数分の1という光路差調整が不要となるのである。なお、上記の平方根演算を行わずに、2つの作動信号の二乗和を出力としてもよい。平方根をとらない場合は信号光強度に比例した信号が得られるため、従来のCD,DVD、ブルーレイディスクと同じ信号波形が得られる。平方根をとる場合の出力は信号光強度の平方根に比例した出力となるため、従来の光磁気ディスク信号と同じ信号波形となる。
【0033】
図5は、角度選択性偏光変換素子204として、ニオブ酸リチウムを例として計算した光線入射角に対する偏光位相差の計算結果である。ここで面内屈折率は2.200、光軸方向屈折率は2.286、素子の厚さを1mmとして計算している。これにより入射角度を約4.5°程度になるように、無偏光回折格子の回折角を調整すれば、回折光だけを選択的に円偏光に変換することが可能であることがわかる。
【0034】
図6はコーナーキューブプリズムの反射面に入射する光が同じ光路を戻って反射されることを説明する図である。入射する光線は、基本的に3回反射して隣接する3面すべてを経由して反射される。図中の実線は光線、破線は光線の各面への射影であり、点線は反射位置を示すための補助線である。各面での光線の射影は平行四辺形の一部を形成しており、その対称性から、反射する光が同じ方向に反射されることがわかる。ただし入射する光と反射する光とが平行ではあるが、位置のずれはある。この問題を解消するためには光軸を頂点に向けて照射し、光束全体として位置ずれがないようにする必要がある。このとき、頂点や稜線での光の散乱が考えられるが、なるべくその影響を軽減するようにシャープなエッジを形成することが必要である。反射光には3つの稜線の影が現れるので、6本の稜線の像が観察できる。
【0035】
図7(a)はコーナーキューブプリズムを前面から眺めた図である。図中の太線は反射面の稜線であり、点線は以下の説明のための補助線である。コーナーキューブプリズムに入射する光は、前述のとおり3回反射して戻ってくるが、それぞれの反射は全反射であり、入射する偏光に依存した位相差が発生する。その結果、戻ってくる光は、入射光と異なる偏光になる。図7(a)(b)(c)が、それぞれの反射時における光線の偏光方向の軸を示している。図7(a)の6つの領域(1)から(6)に入射した光は、反射面に当たる順番が異なることから、互いに異なる偏光で戻ってくる。コーナーキューブプリズムからの戻り光を参照光として検出器に導くには、入射する場所によらずS偏光として戻ってくる必要がある。さらに、各領域からの戻り光は互いに位相が揃っていることが必要となる。これらの条件は、図8のように、領域(2)、(3)、(6)にのみ存在する。S偏光とP偏光とに適当な位相差を付ける位相板701と、入射光や反射光の全面が当たるλ/4板702と、領域毎に光学軸方向の異なる(ただし対角上の領域では同じ方向の)λ/2板703と、をこの順番に並べた偏光位相補償素子102により達成できる。例として、コーナーキューブプリズムの媒質がBK7、光の波長が405nmのときの設定値を表1にまとめた。位相板の位相差とは、P偏光に対するS偏光の遅延を表す。λ/4板、λ/2板の光学軸とは、入射方向から見たときの垂直方向に対するfast軸の方向である(反時計回りが正の方向)。
【0036】
【表1】

【0037】
図8は、別の実施形態として、トラッキング信号検出方式として差動プッシュプル法を用いる場合である。差動プッシュプル法では、ディスクに入射する光を回折格子801により3ビームとする。そしてディスク上のメインスポットを情報トラックに配置する場合、2つのサブスポットが隣接するトラック間に配置されるように回折格子801の回転調整を行う。ここでは参照光も3ビームとなるが、これも信号光のそれぞれに対応するビーム同士で干渉させて、トラッキング誤差信号も差動演算により増幅する。また焦点ずれ信号も回折格子801による0次光を4つの各干渉位相差でそれぞれ4分割検出することにより、非点収差法の焦点ずれ信号をやはり干渉差動検出により増幅する。これを1つにパッケージ化された光検出器802により受光し、信号演算回路803により信号演算を行う。
【0038】
図9は図3に対応し、信号光と参照光との干渉位相差0°、180°、90°、270°の4つの干渉光に対してそれぞれメインビーム用の4分割光検出器902、サブビーム用の2分割光検出器901、903、加算アンプ904、差動増幅器905、906を用い、各4つのRF信号(RFS1、RFS2、RFS3、RFS4)、焦点ずれ信号(FES1、FES2、FES3、FES4)、トラッキング誤差信号(TES1,TES2、TES3、TES4)を検出する回路構成を示している。これらの差動増幅回路などは図8の信号演算回路803の中に内蔵されている。
【0039】
図10は図9に示した各干渉位相差の信号から、それぞれ差動検出と2乗加算平方根演算とにより増幅信号を検出する回路構成を示す図である。これも差動アンプ1001により0°と180°、90°と270°の差動信号を求めた後に、二乗加算平方根演算回路1002により、それぞれRF信号、焦点ずれ信号、トラッキング誤差信号を求めることができる。このような構成とすると、多層ディスクなどの場合に、焦点が大きくずれた多層からの信号もれ込みに対して、検出すべき層からの光による信号を選択的に増幅でき、クロストーク低減に有利となる。
【0040】
図11は、図8に示した光学系を改良して、コーナーキューブプリズム112を対物レンズアクチュエータ1101に対物レンズ107といっしょに搭載している。このようにすると、フォーカスサーボがONの状態において対物レンズ107が光ディスク108の面振れに追随して光軸方向に駆動されても、コーナーキューブプリズム112も同時に駆動されるため、基本的に信号光と参照光の光路差が変化しないという利点がある。近年、対物レンズアクチュエータとしては、BD用対物レンズと、DVD/CD互換対物レンズをいっしょに搭載できる、いわゆる2レンズアクチュエータが実用化されている。このようなアクチュエータの一方のレンズ位置にコーナーキューブプリズム112を搭載すれば、容易に本実施形態を実現できる。このとき複数種類の光ディスクに対応するためには、対物レンズとしてはたとえばBD/DVD/CD3方式互換のレンズをもう一方のレンズ搭載位置に搭載して用いればよい。
【0041】
図12は図2に示した角度選択性円偏光板とは別の実施形態を示す図である。ここでは図2の無偏光回折格子203に変えて、偏光性回折格子1201を配置している。さらに角度選択性円偏光板204に変えて、第2の偏光性回折格子1202を配置している。それぞれの光学軸方位1203,1204が図中に示すように直交する配置となっている。それ以降の偏光性回折格子207は図2と同じ配置となる。このようにすると、第1の偏光性回折格子1201により光学軸1203に沿った直線偏光成分の光が一部だけ回折する。また第2の偏光性回折格子1202により光学軸1204に沿った直線偏光成分の光が一部だけ回折される。したがって第1、第2の偏光性回折格子で回折される光は相互に直交する偏光方向となっており、なおかつ格子配列の位相を図に示すように格子周期Pの1/4(90°)だけずらしてある。このようにすると回折光の位相も相互に90°ずれるので、2つの回折光を合成した偏光状態は円偏光状態となる。ここで回折光はそれぞれ1つしか表していないが、これは回折格子を階段格子や、鋸波状格子のようにブレーズ化することにより容易に実現できる。また第1、第2の偏光性回折格子でそれぞれ直交する偏光成分を同じ光量比だけ回折させることにすれば、回折しない光の偏光状態は最初に入射する光の偏光状態と同じままを維持させることができる。なおこれらの図では説明の便宜上素子を分離して表示しているが、実際の光学系ではこれらを張り合わせて一体化することができる。このような構成は図2の構成に比較して、無偏光回折格子が偏光性回折格子に置き換わるが、比較的高価な異方性光学結晶で形成した角度選択性円偏光板が、液晶固化などで容易に形成できる偏光性回折格子に置き換わるので、コストはやや軽減される。さらに角度選択性円偏光板では90°の位相差を生じさせるために、光線入射角を大きくするか素子厚さを厚くする必要があるが、本実施例では任意の格子ピッチで円偏光の位相差を実現することができ、素子小型化には有利である。
【0042】
図13は図11に示した実施形態において、λ/2板103を、偏光変換素子1300により置き換えた実施形態である。これにより偏光プリズム104を反射する信号光と透過する参照光の分離比を可変できる。これにより光ディスク108に記録する場合はすべての光を光ディスクに照射し、効率よく記録を行うとともに、再生時には参照光の強度比を大きくして信号を増幅して再生することができる。
【0043】
図14は図13における偏光変換素子1300を用いた場合の偏光状態と、信号光と参照光の強度比を示す図である。液晶素子への印加電圧を変化させることにより信号光の効率を100%とする状態から、参照光の強度比を大きくする再生時の状態まで偏光状態を変化させることができることを示している。液晶への印加電圧は交流電圧を印加させればよい。再生時の一例としてたとえば信号光と参照光の位相差を135°とした場合、信号光と参照光の比率を14.6%:85.4%と配分することができ、この場合にディスクの強度反射率が5%であるとすると、検出光学系に入射する参照光の信号光に対する比率が116倍となることを示している。このとき信号増幅率は10.8倍となる。
【0044】
図15、および図16は図13における偏光変換素子として液晶素子を用いる場合の素子構造を示す図である。液晶素子はガラス基板1501、1502によって液晶を挟んで、シーリング材1506でシーリングをした構造となっている。このときガラス基板1501と1502の大きさを異ならせておき、ガラス基板1501が露出した面から透明電極1503、1505が露出するようにする。透明電極1503はガラス基板1501の液晶側面にパターニングされており、透明電極1505はガラス基板1502の液晶側面にパターニングされた透明電極1504と導電性樹脂1507を介して、電気的接続をとるための電極となっている。液晶には透明電極1503と1504により交流電圧が印加されることにより、液晶のラビングプロセスにより方向付けられた2つの直交する方向の直線偏光間の位相差を変化させることができる。
【0045】
図16は図15の側面図である。液晶1601がガラス基板1501と1502に挟み込まれていることがわかる。
【0046】
図17は、図1に示した実施形態において、偏光位相補償素子122を偏光補償素子1701で置き換えた別の実施形態である。偏光補償素子1701は偏光位相補償素子122から位相板を取り除いたものであり、λ/4板1702とλ/2板1703とからなる。この場合、図7に示した(1)(4)(5)の領域と(2)(3)(6)の領域とで参照光の位相が異なるため、信号光との干渉度が低下する。しかし領域間の位相差が33.29度と小さいために、すべての領域で位相がそろっている場合に比べて干渉度は95%程度であり、十分な干渉信号を得ることが可能である。また、偏光位相補償素子122は、位相板やλ/2板の分割領域とコーナーキューブの領域とが光軸方向から見て重なっている必要があるため、コーナーキューブをアクチュエータ111に搭載する際に偏光位相補償素子122も一体としてアクチュエータ111に搭載する必要がある。そうでなければアクチュエータ111の駆動時に発生する位置ずれによって戻り光の偏光が変化し、干渉信号が変調を受けてしまうからである。ところが本実施例においてアクチュエータ111に搭載する必要があるのはλ/2板1703のみであり、λ/4板1702は領域分割がないためにアクチュエータと分離して配置することが可能である。このため、アクチュエータへ111の可動部の重量を抑え、特性の低下を抑えることが可能である。
【0047】
図18は、図11に示した実施形態において、偏光位相補償素子122を偏光補償素子1701で置き換えた別の実施形態である。この場合も図17に示した実施形態と同じく、偏光補償素子1701のうちλ/4板1702はアクチュエータ1101には搭載せず、λ/2板1702のみが搭載されている。これにより、アクチュエータの特性低下を抑えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明により、大容量多層高速光ディスクの再生信号が安定に、高品質で検出することが可能となり、大容量ビデオレコーダや、ハードディスクデータバックアップ装置、保存情報アーカイブ装置など、幅広い産業応用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の基本的な実施形態。
【図2】偏光位相変換分離素子説明図。
【図3】RF信号受光部と演算回路説明図。
【図4】干渉位相差説明図。
【図5】角度選択性偏光変換素子の入射角対位相差特性例。
【図6】コーナーキューブの反射光線の説明図。
【図7】コーナーキューブによる偏光回転を示す図。
【図8】差動プッシュプル法によるトラッキング検出を行なう実施形態。
【図9】各干渉位相差でのRF信号、焦点ずれ信号、トラッキング誤差信号を検出する構成を示す図。
【図10】差動検出による信号増幅を行なう回路構成を示す図。
【図11】コーナーキューブを対物レンズと共にアクチュエータに搭載する実施形態。
【図12】2枚の偏光性回折格子により角度選択性偏光変換素子を代替する実施形態。
【図13】図11に示した実施形態において、λ/2板103を、偏光変換素子1300により置き換えた実施形態。
【図14】図13における偏光変換素子1300を用いた場合の偏光状態と、信号光と参照光の強度比を示す図。
【図15】偏光変換素子として液晶素子を用いる場合の液晶素子構造。
【図16】図15の側面図。
【図17】図1に示した実施形態において、偏光位相補償素子122を偏光補償素子1701で置き換えた実施形態。
【図18】図11に示した実施形態において、偏光位相補償素子122を偏光補償素子1701で置き換えた実施形態。
【符号の説明】
【0050】
101:半導体レーザ、102:コリメートレンズ、103:λ/2板、104:偏光プリズム、105:λ/4板、106:2次元アクチュエータ、107:対物レンズ、108:光ディスク、109:スピンドルモータ、110:λ/4板、111:1次元アクチュエータ、112:コーナープリズム、113:偏光プリズム(S偏光反射率100%)、114:偏光位相変換分離素子、115:集光レンズ、116:4分割光検出器、117:集光レンズ、118:シリンドリカルレンズ、119:4分割光検出器、120:RF信号演算回路、121:サーボ信号演算回路、122:偏光方向補償素子、201:信号光偏光方向、202:参照光偏光方向、203:無偏光回折格子、204:角度選択性偏光変換素子、205:偏光分離回折格子、206:光学軸、207:光学軸、301、302、303、304:受光部、305、306:差動増幅器、307:2乗加算平方根演算回路、801:回折格子、802:光検出器、803:信号演算回路、901、903:2分割光検出器、902:4分割光検出器、904:加算アンプ、905、906、1001:差動増幅器、1002:二乗加算平方根演算回路、1101:対物レンズアクチュエータ、1102:反射プリズム、1201、1202:偏光性回折格子、1203、1204:光学軸。1300:偏光変換素子、1501、1502:ガラス基板、1503、1504、1505:透明電極、1506:シーリング材、1507:導電性樹脂、1601:液晶、1701:偏光補償素子、1702:λ/4板、1703:λ/2板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光情報記録媒体に光を照射し、前記光情報記録媒体からの反射光を検出する光ヘッドであって、
光源と、前記光源から出射された光を第1と第2の光束に分割する第1の分割手段と、
前記第1の光束を前記光情報記録媒体に集光する手段と、前記第2の光束を参照光として反射させる反射ミラーと、前記光情報記録媒体から反射した信号光と前記参照光との位相関係を互いに異ならしめる第2の分割手段と、前記第2の分割手段により分割された光を検出し、同一基板上に形成されている複数の検出器と、を有することを特徴とする光ヘッド。
【請求項2】
前記第2の分割手段が、前記光情報記録媒体から反射した前記信号光と前記参照光とを前記第1の分割手段に導いて重ね合わせて干渉させた光を分割し、分割されたそれぞれの光に含まれる前記信号光と前記参照光との位相関係を、互いに異ならしめることを特徴とする請求項1記載の光ヘッド。
【請求項3】
前記第2の分割手段が、無偏光素子、選択的偏光変換素子及び偏光分離素子からなることを特徴とする請求項1記載の光ヘッド。
【請求項4】
前記選択的偏光変換素子が、前記無偏光素子によって分割された少なくとも2つの光束の一つには作用せずに、少なくとも別の一つの光束を円偏光に変換することを特徴とする請求項3記載の光ヘッド。
【請求項5】
前記無偏光素子と、前記選択的偏光変換素子と、前記偏光分離素子とが一体に張り合わされて形成されていることを特徴とする請求項3記載の光ヘッド。
【請求項6】
前記選択的偏光変換素子が、光軸方向に光学軸を有する異方性光学材料で構成されて、円偏光に変換される光が前記光学軸に対して傾いて入射するように配置されていることを特徴とする請求項3記載の光ヘッド。
【請求項7】
前記異方性光学材料の厚さが、前記傾いて入射する光を円偏光とするように、その厚さが調整されていることを特徴とする請求項6記載の光ヘッド。
【請求項8】
前記第2の分割手段が、光学軸の直交する2つの偏光性回折格子と偏光分離素子からなることを特徴とする請求項1記載の光ヘッド。
【請求項9】
前記2つの偏光性回折格子を透過する光が直線偏光であり、回折される光が円偏光に変換されることを特徴とする請求項8記載の光ヘッド。
【請求項10】
前記2つの偏光性回折格子と偏光分離素子が一体に張り合わされて形成されていることを特徴とする請求項8記載の光ヘッド。
【請求項11】
前記2つの偏光性回折格子が格子の位相を相互に90°ずらして重ねられたことを特徴とする請求項8記載の光ヘッド。
【請求項12】
前記反射ミラーがコーナーキューブプリズムであって、前記コーナーキューブプリズムのキューブの頂点で光軸が調整されていることを特徴とする請求項1記載の光ヘッド。
【請求項13】
前記コーナーキューブプリズムの偏光、位相変化を補償する偏光位相補償素子が前記第2の光束中に挿入されていることを特徴とする請求項12記載の光ヘッド。
【請求項14】
前記第二の光束中に挿入されたλ/4板とλ/2板とで前記コーナーキューブの偏光変化が補償され、かつ前記λ/2板が前記アクチュエータに搭載されていることを特徴とする請求項13記載の光ヘッド。
【請求項15】
前記コーナーキューブプリズムが前記集光手段と一体として前記第1の分離手段に対して相対的に可動せしめるアクチュエータに搭載されていることを特徴とする請求項12記載の光ヘッド。
【請求項16】
前記反射ミラーが、前記第2の光束を、前記光情報記録媒体には集光しないように配置されていることを特徴とする請求項1記載の光ヘッド。
【請求項17】
光情報記録媒体に光を照射し、前記光情報記録媒体からの反射光を検出する光ヘッドを搭載する光ディスク装置であって、
前記光ヘッドは、光源と、前記光源から出射した光を第1と第2の光束に分割する第1の分割手段と、前記第1の光束を前記光情報記録媒体に集光する手段と、前記第2の光束を前記光情報記録媒体には集光せずに参照光として反射させる反射ミラーと、前記光情報記録媒体から反射した信号光と前記参照光との位相関係を互いに異ならしめる第2の分割手段とを有し、
前記光情報記録媒体に照射された信号光の焦点ずれを信号として検出する手段と、
前記焦点ずれ信号によって前記第1の光束を集光して照射する手段と、
前記照射手段を制御して前記焦点ずれを補償する手段と、
前記反射ミラーを光軸方向に可動する手段と、
前記焦点ずれ信号によって、前記信号光と前記参照光との光路差が光源のコヒーレンス長以内となるように前記反射ミラーを調整する手段と、
を有することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項18】
前記反射ミラーがキューブの頂点で光軸が調整されているコーナーキューブプリズムである光ヘッドを搭載していることを特徴とする請求項17記載の光ディスク装置。
【請求項19】
前記第二の光束中に挿入されたλ/4板とλ/2板とで前記コーナーキューブの偏光変化が補償され、かつ前記λ/2板が前記アクチュエータに搭載されていることを特徴とする請求項18記載の光ディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−310942(P2008−310942A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−250375(P2007−250375)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】