説明

光モジュールおよびFPCホルダ

【課題】FPCと回路基板との接続部における剥離を防ぐ。
【解決手段】光モジュール1は、回路基板4、TOSA5、第1FPC7およびFPCホルダ10を備え、FPCホルダ10は、主面4aに沿って側面11aから延びる第1部分12a、端面4cに沿って第1部分12aから延びる第2部分12b、および、裏面4bに沿って第2部分12bから延びる第3部分12cからなる第1アーム12と、主面4aに向かって突出する突出部13bを有する第2アーム13と、主面4aに沿って側面11aから延びる第4部分14a、端面4cに沿って第4部分14aから延びる第5部分14b、および、裏面4bに沿って第5部分14bから延びる第6部分14cからなる第3アーム14と、を備え、突出部13bは、主面4aに接続された一端部とTOSA5に接続された他端部との間に設けられた配線部7cを主面4aに押し当てる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光モジュールおよびFPCホルダに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、光モジュールにおいて、回路基板と光サブアセンブリ(OSA:Optical Sub-assembly)とがフレキシブルプリント基板(FPC:Flexible Printed Circuit)によって接続される構造がある。この構造においては、回路基板と光サブアセンブリとの間の空間に、FPCが曲げられて収容される。FPCでは、通常、その端子が回路基板のパッドに半田によって接続される。このFPCと回路基板との半田接続部には、FPCの接続作業などの組み立て工程、又は、曲げられた状態のFPCによって、力が加わる場合がある。この場合、半田接続部において剥離が生じる可能性がある。
【0003】
このような問題に対して、下記特許文献1には、FPCの曲げを制限するようにリードデバイスを実装することによって、半田付け部の剥離を防ぐ構造が開示されている。下記特許文献2には、FPCを回路基板とステープルとの間に挟み、ステープルを回路基板に固定する構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−199083号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/0245118号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1および2に開示された技術においては、以下の問題点が存在する。すなわち、特許文献1に開示された技術では、リードデバイスが回路の一部を構成しない場合には、FPCを押さえるためだけにリードデバイスを回路基板に設けることになる。この場合、回路基板にリードデバイスのためのスルーホールを設ける必要がある。また、リードデバイスが設けられたスルーホールに半田付けをする工程など回路基板の製造工程の工数が増加する。特許文献2に開示された技術では、回路基板にステープルのポストのための孔を設ける必要がある。
【0006】
そこで本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、回路基板の部品実装スペースを減らすことなく、FPCと回路基板との接続部における剥離を防ぐ構造を有する光モジュールおよびFPCホルダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る光モジュールは、(a)リジッド基板と、(b)光サブアセンブリと、(c)リジッド基板と光サブアセンブリとを接続するフレキシブルプリント基板と、(d)フレキシブルプリント基板をリジッド基板の主面に押し当てるFPCホルダと、を備える。FPCホルダは、第1方向に延びる本体部と、第1方向と交差して本体部から延びる第1アーム、第2アームおよび第3アームと、を備え、第1アームは、第1部分、第2部分および第3部分からなり、第1部分は、主面に沿って第1方向と交差する第2方向に、本体部から延びており、第2部分は、リジッド基板の端面に沿って第2方向に交差する第3方向に、第1部分から延びており、第3部分は、リジッド基板の裏面に沿って第2部分から本体部に向かう第4方向に、第2部分から延びており、第3アームは、第4部分、第5部分および第6部分からなり、第4部分は、主面に沿って第1方向と交差する第5方向に、本体部から延びており、第5部分は、端面に沿って第5方向に交差する第6方向に、第4部分から延びており、第6部分は、裏面に沿って第5部分から本体部に向かう第7方向に、第5部分から延びており、第2アームは、第1アームおよび第3アームの間に配置され、第2アームは、主面に向かって突出する突出部を有し、フレキシブルプリント基板は、リジッド基板の主面に接続された一端部と、光アセンブリに接続された他端部と、一端部と他端部との間に設けられた配線部とを有し、突出部は、フレキシブルプリント基板の配線部を主面に押し当てることを特徴とする。
【0008】
本発明に係るFPCホルダは、第1方向に延びる本体部と、本体部の一側面に設けられ、第1方向と交差して延びる第1アーム、第2アームおよび第3アームと、を備え、第1アームは、第1部分、第2部分および第3部分からなり、第1部分は、第1方向と交差する第2方向に一側面から延びており、第2部分は、第1方向と第2方向とによって規定される面に交差する第3方向に、第1部分から延びており、第3部分は、第2部分から本体部に向かう第4方向に、第2部分から延びており、第3アームは、第4部分、第5部分および第6部分からなり、第4部分は、第1方向と交差する第5方向に一側面から延びており、第5部分は、第1方向と第5方向とによって規定される面に交差する第6方向に、第4部分から延びており、第6部分は、第5部分から本体部に向かう第7方向に、第5部分から延びており、第2アームは、第1アームおよび第3アームの間に配置され、第2アームは、第3部分および第6部分に挟まれた領域に向かって突出する突出部を有することを特徴とする。
【0009】
この光モジュールおよびFPCホルダにおいては、第1アームおよび第3アームによってFPCホルダがリジッド基板に固定される。また、配線部において、第2アームによってフレキシブルプリント基板がリジッド基板の主面に押し当てられる。このため、リジッド基板に孔などを設けることなく、フレキシブルプリント基板とリジッド基板との接合部に引張り荷重が直接加わることを抑制できる。その結果、回路基板の部品実装スペースを減らすことなく、フレキシブルプリント基板とリジッド基板との接合部における剥離を防ぐことが可能となる。
【0010】
本体部は、主面に当接するように設けられた一対の脚部を有することが好ましい。この場合、一対の脚部によって、FPCホルダの本体部とフレキシブルプリント基板との接触を防止できる。このため、FPCに設けられた信号線のインピーダンスが、FPCホルダによって変化することを抑制できる。
【0011】
本体部は、一端部の上に設けられ、一対の脚部は、一端部の両側において主面に当接することが好ましい。この場合、一対の脚部によって、FPCホルダの本体部と、フレキシブルプリント基板とリジッド基板との接合部との接触を防止できる。このため、FPCに設けられた信号線のインピーダンスが、FPCホルダによって変化することを抑制できる。
【0012】
第1部分および第4部分のいずれか一方は、主面に向かって延びる突起を有し、主面には、突起に対向する位置に開口部が設けられていることが好ましい。この場合、突起と開口部とが嵌合することにより、FPCホルダをリジッド基板にさらに確実に固定できる。
【0013】
FPCホルダは樹脂からなり、第3部分および第6部分の間隔は、フレキシブルプリント基板の幅よりも小さいことが好ましい。この場合、第3部分と第6部分との間隔がフレキシブルプリント基板の幅よりも小さいことにより、FPCホルダを取り付けた後、FPCホルダがリジッド基板から外れることを抑制できる。
【0014】
突出部は、リジッド基板の主面から離れるように湾曲する曲面を有することが好ましい。この場合、曲面に沿ってフレキシブルプリント基板を曲げることができ、フレキシブルプリント基板に加わる力を分散することができる。このため、フレキシブルプリント基板を曲げることによる、フレキシブルプリント基板の信号線の断線を抑制できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、回路基板の部品実装スペースを減らすことなく、FPCと回路基板との接続部における剥離を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態に係る光モジュールを分解して概略的に示す上方斜視図である。
【図2】図1のFPCホルダ周辺の拡大図である。
【図3】FPCの接続方法を示す図である。
【図4】図1のFPCホルダの構造を概略的に示す上方斜視図である。
【図5】図1のFPCホルダの構造を概略的に示す下方斜視図である。
【図6】(a)は図1のFPCホルダの構造を概略的に示す正面図、(b)は図1のFPCホルダの構造を概略的に示す右側面図である。
【図7】図1のFPCホルダの構造を概略的に示す平面図である。
【図8】回路基板4に取り付けられたFPCホルダ10を概略的に示す図である。
【図9】図8のIX−IX線に沿っての断面図である。
【図10】図1のFPCホルダとFPCとの位置関係を説明するための図である。
【図11】図1の回路基板の裏面から見たFPCホルダを概略的に示す図である。
【図12】図1のFPCホルダとハウジングとの位置関係を説明するための図である。
【図13】図1のFPCホルダの取付過程を説明するための図である。
【図14】図13の後続の過程を説明するための図である。
【図15】(a)はFPCホルダ取付前の一部拡大図、(b)はFPCホルダ取付後の一部拡大図である。
【図16】(a)は変形例に係るFPCホルダの構造を概略的に示す上方斜視図、(b)は変形例に係るFPCホルダの構造を概略的に示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0018】
図1は、本実施形態に係る光モジュールを分解して概略的に示す上方斜視図である。図2は、図1に示された光モジュールの一部を拡大して示す図である。光モジュール1は、ホスト装置(不図示)に取り付けられ、光通信に用いられるモジュールである。図1および図2に示されるように、光モジュール1は、上ハウジング2と、下ハウジング3と、回路基板4と、光送信サブアセンブリ(Transmitter Optical Sub-Assembly;以下、「TOSA」という。)5と、光受信サブアセンブリ(Receiver Optical Sub-Assembly;以下、「ROSA」という。)6と、第1フレキシブルプリント基板(以下、「第1FPC」という。)7と、第2フレキシブルプリント基板(以下、「第2FPC」という。)8と、フレキシブルプリント基板ホルダ(以下、「FPCホルダ」という。)10とを備えている。以下の説明において、光モジュール1の上下、前後、左右とは、上ハウジング2側を上、下ハウジング3側を下、TOSA5およびROSA6が配置されている側を前としたときの方位を意味するものとする。
【0019】
上ハウジング2および下ハウジング3は、前後方向に長尺な筐体であって、その内部に回路基板4、TOSA5、ROSA6、第1FPC7、第2FPC8およびFPCホルダ10などの光モジュール1の構成部品を保持するための筐体である。上ハウジング2および下ハウジング3は、例えば亜鉛などの金属によって構成される。上ハウジング2は、下ハウジング3の上部を覆う蓋として機能し、下ハウジング3は、底面および側壁として機能する。
【0020】
回路基板4は、リジッド基板であって、主面4a、裏面4bおよび端面4cを有する。主面4aおよび裏面4bには、複数の回路部品41が実装されている。端面4cは、TOSA5の後端に対向する面である。回路基板4では、回路部品41によって、光モジュール1の外部から伝送されてきた電気信号に対して所定の処理が行われ、この処理された信号がTOSA5に送信される。また、回路基板4では、回路部品41によって、ROSA6から受信した信号に対して所定の処理が行われ、この処理された信号が電気信号として光モジュール1の外部に伝送される。また、主面4aには、第1FPC7を電気的に接続するための複数の接続端子42と、第2FPC8を電気的に接続するための複数の接続端子43とが設けられている。さらに、主面4aには、開口部44が設けられてもよい。この開口部44は、FPCホルダ10を位置決めするための孔である。
【0021】
TOSA5は、回路基板4から受信した電気信号を光信号に変換し、変換した光信号を光ファイバを介して光モジュール1の外部へ送信するための光サブアセンブリである。TOSA5は、回路基板4からの電気信号を受信するための複数のリードピン5aを有する。ROSA6は、光モジュール1の外部から光ファイバを介して受信した光信号を電気信号に変換するための光サブアセンブリである。ROSA6は、変換した電気信号を回路基板4に伝送するための複数のリードピン6aを有する。
【0022】
第1FPC7は、帯状に延びるフレキシブルプリント基板であって、回路基板4とTOSA5とを互いに接続する。第1FPC7の一端部には、複数の接続端子7aが設けられ、他端部には、複数の接続孔7bが設けられる。また、第1FPC7は、一端部と他端部との間に設けられた配線部7cを有する。接続端子7aの各々は、回路基板4の接続端子42に半田付けにより接続される。接続孔7bの各々は、TOSA5のリードピン5aに半田付けにより接続される。配線部7cは、信号線が配置された部分であって、その表面がカバー層によって覆われている。また、第1FPC7は、回路基板4の端面4cとTOSA5との間に曲げられて収容される。第1FPC7は、特性に影響を及ぼさない程度に短くする必要がある。このため、第1FPC7は、一端部において回路基板4の主面4a(A面)に接続され、配線部7cにおいて主面4aよりも上方に曲げられ、そしてさらに配線部7cにおいてU字状に湾曲するように下方に折り返されて、他端部においてTOSA5に接続される、所謂A面接続上回しで配置される。回路基板4からの電気信号は、第1FPC7を介してTOSA5に伝送される。
【0023】
第2FPC8は、帯状に延びるフレキシブルプリント基板であって、回路基板4とROSA6とを互いに接続する。第2FPC8の一端部には、複数の接続端子8aが設けられ、他端部には、複数の接続孔8bが設けられる。また、第2FPC8は、一端部と他端部との間に設けられた配線部8cを有する。接続端子8aの各々は、回路基板4の接続端子43に半田付けにより接続される。接続孔8bの各々は、ROSA6のリードピン6aに半田付けにより接続される。配線部8cは、信号線が配置された部分であって、その表面がカバー層によって覆われている。また、第2FPC8は、回路基板4の端面4cとROSA6との間に曲げられて収容される。具体的には、第2FPC8は、一端部において回路基板4の主面4aに接続され、配線部8cにおいて回路基板4よりも下方に曲げられ、そしてさらに配線部8cにおいてU字状に湾曲するように上方に折り返されて、他端部においてROSA6に接続される。このように、第2FPC8は、所謂A面接続下回しで配置される。ROSA6によって変換された電気信号は、第2FPC8を介して回路基板4に伝送される。なお、TOSA5およびROSA6は、下ハウジング3の前側に左右方向に並んで収容されている。
【0024】
ここで、FPCの接続方法について説明する。図3は、FPCの接続方法を示す図である。FPCは、その両端部に設けられた端子近傍までカバー層に覆われている。FPCは、このカバー層によって機械的に保護されるため、カバー層に覆われている部分では折り曲げに強い。しかしながら、カバー層に覆われていない部分において折り曲げられた場合、FPCに設けられた配線が破断するおそれがある。図3の(a)に示されるように、A面下回し接続によって第1FPC7がTOSA5および回路基板4に接続された場合、基板端によって第1FPC7の折れ曲がり位置7eが制限され、基板端よりも第1FPC7の接続端子7a側において第1FPC7が折れ曲がることを抑制できる。また、第1FPC7の接続端子7aと回路基板4の接続端子42との半田接続部には、第1FPC7を回路基板4から引き剥がす方向の力が加わらない。このため、特段の理由がなければこの接続方法を用いるのが好ましい。第2FPC8はこの方法により接続されている。
【0025】
しかしながら、第1FPC7が接続されるTOSA5には発熱が大きい素子が内蔵されている。また、発光素子が熱の影響を受けて、発光パワーの低下や、発光波長の変化などが生じ、通信品質の変化が生じる場合がある。このため、放熱経路を確保しておく必要があり、TOSA5の上面5c、およびこの上面5cと接するハウジングを経由して外部へ放熱をすることが考えられる。また、放熱経路の近くに発光素子を配置することによって、発熱素子の温度の安定化を図ることができる。一方、発光素子には高周波信号を送受信するための端子5bが接続されており、この高周波信号の伝送経路をなるべく短くすることが好ましい。このため、第1FPC7は、上回し接続によって回路基板4およびTOSA5に接続されるのが好ましい。
【0026】
ここで、上回し接続によって第1FPC7を回路基板4およびTOSA5に接続した場合、カバー層によって覆われていない部分において第1FPC7が折り曲がることを抑制する必要がある。このため、図3の(b)に示されるように、回路基板4の裏面4b(B面)に接続端子42を設け、裏面4bにおいて接続端子7aと接続端子42とを半田接続する、所謂B面上回し接続によって第1FPC7を回路基板4およびTOSA5に接続することが考えられる。しかし、回路部品41は主面4aに実装されるため、接続端子42が設けられた裏面4bから主面4aに向けてビア46を介して接続することになる。このビア46を介した接続は、インピーダンス不整合の要因となるため高周波信号の伝送にとっては好ましくない。
【0027】
したがって、図3の(c)に示されるように、第1FPC7は、A面上回し接続によって回路基板4およびTOSA5に接続されることが、高周波信号の伝送のためには最も有利である。しかし、この接続方法では、第1FPC7の折れ曲がり位置7eを制限する部材が存在しないため、第1FPC7がカバー層によって覆われている部分(配線部7c)において折り曲がるとは限らない。しかも、第1FPC7が主面4aから引き剥がされる方向に向けて曲がっているため、第1FPC7を回路基板4の主面4aから引き剥がす方向の力が加わる場合があり、接続端子7aと接続端子42との半田接続部の信頼性に悪影響を及ぼすおそれがある。そこで、後述のFPCホルダ10によって、第1FPC7の折れ曲がり位置7eを配線部7cに制限し、接続端子7aと接続端子42との半田接続部の信頼性に悪影響を及ぼすことを防止する。
【0028】
FPCホルダ10は、第1FPC7を回路基板4の主面4aに押し当てるための絶縁性を有する部材であって、例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド)又はPOM(ポリオキシメチレン)などの樹脂から構成されている。ここで、図4〜図7を用いて、FPCホルダ10について詳細に説明する。図4は、FPCホルダ10の構造を概略的に示す上方斜視図である。図5は、FPCホルダ10の構造を概略的に示す下方斜視図である。図6の(a)はFPCホルダ10の構造を概略的に示す正面図、(b)はFPCホルダ10の構造を概略的に示す右側面図である。図7は、FPCホルダ10の構造を概略的に示す平面図である。図4〜図7に示されるように、FPCホルダ10は、本体部11と、第1アーム12と、第2アーム13と、第3アーム14とを備える。
【0029】
本体部11は、第1方向A1に延びる長尺の部分であって、側面11a(一側面)と下面11bとを有する柱状の形状を呈している。第1アーム12は、本体部11の側面11aに設けられ、第1方向A1と交差して延びる。この第1アーム12は、第1部分12aと、第2部分12bと、第3部分12cとからなり、略U字状に折り返された形状を呈している。第1部分12aは、第1方向A1と交差する第2方向A2に、側面11aから延びる柱状の部分であって、その長さLは、例えば5.3mm程度である。また、第1部分12aは、第1下面12rを有する。第2部分12bは、第1方向A1と第2方向A2とによって規定される面に交差する第3方向A3に、第1部分12aから延びる柱状の部分である。この第2部分12bは、下面11bよりも下方まで延びている。また、第2部分12bは、側面11aと対向する第1内側面12sを有する。第3部分12cは、第2部分12bから本体部11に向かう第4方向A4に、第2部分12bから延びる柱状の部分であって、その長さは例えば2.5mm程度である。また、第3部分12cは、第1下面12rと互いに対向する第1上面12tを有する。このように、第1アーム12は、第1部分12aの第1下面12rと第2部分12bの第1内側面12sと第3部分12cの第1上面12tとによって、回路基板4の端部を保持するように構成されている。
【0030】
第3アーム14は、本体部11の側面11aに設けられ、第1方向A1と交差して延びる。この第3アーム14は、第4部分14aと、第5部分14bと、第6部分14cとからなり、略U字状に折り返された形状を呈している。第4部分14aは、第1方向A1と交差する第5方向A5に、側面11aから延びる柱状の部分であって、その長さLは、5.3mm程度である。また、第4部分14aは、第3下面14rを有する。第5部分14bは、第1方向A1と第5方向A5とによって規定される面に交差する第6方向A6に、第4部分14aから延びる柱状の部分である。この第5部分14bは、下面11bよりも下方まで延びている。また、第5部分14bは、側面11aと対向する第3内側面14sを有する。第6部分14cは、第5部分14bから本体部11に向かう第7方向A7に、第5部分14bから延びる柱状の部分であって、その長さは例えば2.5mm程度である。また、第6部分14cは、第3下面14rと互いに対向する第3上面14tを有する。このように、第3アーム14は、第4部分14aの第3下面14rと第5部分14bの第3内側面14sと第6部分14cの第3上面14tとによって、回路基板4の端部を保持するように構成されている。また、第1アーム12の第1部分12aと第3アーム14の第4部分14aとの間隔WARMは、少なくとも第1FPC7の幅WFPCよりも大きい。
【0031】
第2アーム13は、本体部11の側面11aに設けられ、第1方向A1と交差して延びる。また、第2アーム13は、第1アーム12と第3アーム14との間に配置されている。この第2アーム13は、第7部分13aと、突出部13bとを備える。第7部分13aは、第1方向A1と交差する第8方向A8に、側面11aから延びる柱状の部分であって、その長さLは、3.35mm程度である。突出部13bは、第1方向A1と第8方向A8とによって規定される面に交差する第9方向A9に突出する部分である。この突出部13bは、下面11bよりも下方まで延び、第3部分12cおよび第6部分14cに挟まれた領域に向かって突出している。また、突出部13bは、第2下面13rを有し、第2下面13rから第8方向A8に進むにつれ徐々に第9方向A9と反対方向に湾曲した形状(例えば、曲率がR1.0mmの曲面)を有する。第2下面13rの幅は、第1FPC7の幅の半分以上であるのが好ましく、例えば第1FPC7の幅が3.6mmの場合、2.5mm程度である。また、第2下面13rの長さは、例えば曲げ半径を1mm以上確保するために、1.6mm程度である。このように、第2アーム13は、突出部13bの第2下面13rによって、第1FPC7を回路基板4の主面4aに押し当てるように構成されている。
【0032】
なお、第2方向A2、第5方向A5および第8方向A8のうち2以上は、同じ方向であってもよい。また、第4方向A4および第7方向A7は、同じ方向であってもよい。さらに、第2方向A2と第4方向A4とは、互いに反対の方向であってもよく、第5方向A5と第7方向A7とは、互いに反対の方向であってもよい。本実施形態においては、第2方向A2、第5方向A5および第8方向A8は、略同じ方向である。また、第4方向A4および第7方向A7は、略同じ方向である。そして、第2方向A2と第4方向A4とは、互いに反対の方向であり、第5方向A5と第7方向A7とは、互いに反対の方向である。また、第2方向A2、第5方向A5および第8方向A8は、側面11aに対して略直交する方向である。また、第9方向A9は、第1方向A1と第8方向A8とによって規定される面に対して略直交する方向である。また、第3方向A3および第6方向A6は、下方に進むに従い内側に向かうように傾斜している。
【0033】
また、本体部11の下面11bの高さと第1部分12aの第1下面12rの高さとの差、下面11bの高さと突出部13bの第2下面13rの高さとの差および下面11bの高さと第4部分14aの第3下面14rの高さとの差は、略同じである。また、下面11bの高さと第3部分12cの第1上面12tの高さとの差および下面11bの高さと第6部分14cの第3上面14tの高さとの差は、略同じである。さらに、本体部11の側面11aから第2部分12bの第1内側面12sまでの距離および側面11aから第5部分14bの第3内側面14sまでの距離は、略同じである。また、第7部分13aの長さL2は、第1部分12aの長さL1および第4部分14aの長さL3より短い。また、第3部分12cの長さおよび第6部分14cの長さは、取付性に影響を与えない程度の長さであって、第3部分12cの先端と第6部分14cの先端とを結ぶ直線Bが、上述の位置P1、位置P2および位置P3によって規定される三角形と交差する長さである。このように、本実施形態において、FPCホルダ10は、本体部11の長手方向の中心において、本体部11の長手方向に直交する面に対して略対称な形状を有する。
【0034】
FPCホルダ10は、一対の脚部15,16をさらに備えてもよい。脚部15,16は、本体部11の長手方向の両端部にそれぞれ設けられ、本体部11の下面11bから下方に突出する部分である。脚部15と脚部16との間隔WLEGは、少なくとも第1FPC7の幅WFPCよりも大きく、幅WFPCよりも1.4〜2.0mm程度大きいのが好ましい。脚部15,16は、下面11bからの長さHが略同じである。この長さHは、下面11bから第3部分12cの第1上面12tまでの距離および下面11bから第6部分14cの第3上面14tまでの距離よりも短く、下面11bから第1部分12aの第1下面12rまでの距離および下面11bから第4部分14aの第3下面14rまでの距離と同程度である。
【0035】
また、FPCホルダ10は、突起17をさらに備えてもよい。突起17は、第1部分12aの第1下面12rおよび第4部分14aの第3下面14rの少なくともいずれか一方に設けられ、第1下面12r又は第3下面14rから下方に突出する部分である。この突起17は、FPCホルダ10の位置決めのために用いられ、回路基板4の主面4aに設けられた開口部44に嵌合するように構成されている。突起17は、複数設けてもよいが、突起17が開口部44に嵌合されたことを確認するためのクリック感、および、スペースの制約により、本実施形態では、第3下面14rに設けられている。
【0036】
続いて、回路基板4に取り付けた状態でのFPCホルダ10について詳細に説明する。図8は、回路基板4に取り付けられたFPCホルダ10を概略的に示す図である。図9は、図8の(b)のIX−IX線に沿っての断面図である。図10は、FPCホルダ10と第1FPC7との位置関係を説明するための図である。図11は、回路基板4の裏面4bから見た第1FPC7を概略的に示す図である。図12は、FPCホルダ10と上ハウジング2との位置関係を説明するための図である。
【0037】
図8〜図12に示されるように、FPCホルダ10が回路基板4に取り付けられた状態において、本体部11は回路基板4の端面4cと略平行に延在し、回路基板4の接続端子42と第1FPC7の接続端子7aとの接合部の上に位置している。そして、第1アーム12の第1部分12a、第2アーム13の第7部分13aおよび第3アーム14の第4部分14aは、本体部11の側面11aから端面4cに向かって、回路基板4の主面4aに沿って延びている。また、第1アーム12の第2部分12bおよび第3アーム14の第5部分14bは、主面4aから裏面4bに向かう方向に、端面4cに沿って延びている。さらに、第1アーム12の第3部分12cおよび第3アーム14の第6部分14cは、端面4cから本体部11に向かう方向に、回路基板4の裏面4bに沿って延びている。そして、第2アーム13の突出部13bは、主面4aに向かって延びている。
【0038】
さらに詳細に説明すると、第1部分12aの第1下面12rおよび第4部分14aの第3下面14rは主面4aに当接し、第2部分12bの第1内側面12sおよび第5部分14bの第3内側面14sは端面4cに当接し、第3部分12cの第1上面12tおよび第6部分14cの第3上面14tは裏面4bに当接している。また、第2部分12bの第1内側面12sおよび第5部分14bの第3内側面14sは端面4cに当接している。また、第1FPC7は、突出部13bの外形に沿うように配置されている。
【0039】
一対の脚部15,16は、第1FPC7の接続端子7aと接続端子42との接合部の左右両側において、回路基板4の主面4aに当接している。ここで、FPCホルダ10の誘電率は、空気の誘電率とは異なる。このため、回路基板4の接続端子42と第1FPC7の接続端子7aとの接合部と、FPCホルダ10との距離が小さい場合、接合部を通る信号線のインピーダンスが設計値に対して変化し、伝送特性に悪影響を及ぼすことがある。このため、図10に示されるように、FPCホルダ10は、回路基板4の接続端子42と第1FPC7の接続端子7aとの接合部から、所定の距離を隔てている。具体的には、脚部15と接続端子42との距離D1、脚部16と接続端子42との距離D2および本体部11の下面11bと接合部との距離D3はそれぞれ、FPCホルダ10による信号線のインピーダンスへの影響が無視できる程度の距離であって、0.7mm以上であることが好ましく、例えば1.0mm程度である。また、第1部分12aは第1下面12rに段部を有し、第4部分14aは第3下面14rに段部を有する。この段部によって、第1部分12aと接合部との距離および第4部分14aと接合部との距離を確保している。
【0040】
また、図11に示されるように、第1アーム12の第3部分12cと第3アーム14の第6部分14cとの間隔WHOLD(例えば、3.05mm)は、第1FPC7の配線部7cの左右方向の幅WFPC(例えば、3.6mm)より小さい。
【0041】
図12に示されるように、上ハウジング2は、FPCホルダ10の第1アーム12の外形に沿った壁部2aを有する。光モジュール1が組み立てられた状態において、第1アーム12の第1外側面12eは、壁部2aの壁面2bに当接している。また、回路基板4は、端面4cから前方に延びる突出部4eを有する。この突出部4eは、FPCホルダ10の取付位置に隣り合って設けられ、端面4cと交差する側面4fを有する。第3アーム14の第3外側面14eは、この側面4fに当接している。
【0042】
続いて、FPCホルダ10の取付方法について説明する。図13および図14は、FPCホルダ10の取付過程を説明するための図である。まず、図13の(a)に示されるように、回路基板4の主面4aと第1FPC7の一面7eとが対向するようにして、回路基板4の主面4aに設けられた接続端子42に第1FPC7の接続端子7aを合わせる。そして、接続端子42と接続端子7aとを半田付けして、回路基板4の主面4aに第1FPC7の一端部を接合する。次に、第1FPC7の接続孔7bにTOSA5のリードピン5aを第1FPC7の他面7dから挿入する。そして、接続孔7bとリードピン5aとを半田付けして、TOSA5の後端部に第1FPC7の他端部を接合する。続いて、TOSA5が回路基板4よりも下方に位置するように、第1FPC7の配線部7cを折り曲げる。そして、第1アーム12、第2アーム13および第3アーム14をTOSA5側、本体部11を回路基板4側、第3部分12cおよび第6部分14cを下にして、FPCホルダ10を第1FPC7の上側から取り付ける。具体的には、回路基板4とTOSA5との間において、第1アーム12と第3アーム14とによって配線部7cを挟むようにして、FPCホルダ10を下方に移動する。
【0043】
そして、図13の(b)に示されるように、第2下面13rが配線部7cに当接する位置(あるいは、一対の脚部15,16が回路基板4の主面4aに当接する位置)までFPCホルダ10を下方に移動する。次に、FPCホルダ10をTOSA5から回路基板4に向かう方向に移動する。このとき、第1アーム12の第1部分12aおよび第3部分12cと、第3アーム14の第4部分14aおよび第6部分14cとによって、それぞれ回路基板4の端部を挟むようにFPCホルダ10を移動する。そして、図14の(a)に示されるように、第2部分12bの第1内側面12sと第5部分14bの第3内側面14sとが回路基板4の端面4cに当接する位置までFPCホルダ10を移動する。
【0044】
続いて、図14の(b)に示されるように、TOSA5が回路基板4の主面4aよりも上方に位置するように、第1FPC7の配線部7cを折り曲げる。このとき、突出部13bの外形に沿うように配線部7cを折り曲げる。以上にようにして、FPCホルダ10が回路基板4に取り付けられる。
【0045】
FPCホルダ10を回路基板4に取り付けた後、回路基板4およびTOSA5を含む構成部品を下ハウジング3に収容する。そして、上ハウジング2によって下ハウジング3の開口を覆うことにより、光モジュール1が組み立てられる。
【0046】
続いて、光モジュール1の作用効果を説明する。図15の(a)はFPCホルダ10の取付前の光モジュール1の一部拡大図、(b)はFPCホルダ10取付後の光モジュール1の一部拡大図である。図15の(a)に示されるように、回路基板4の端面4cとTOSA5後端との間の比較的狭い空間に、第1FPC7がA面接続上回しで配置されているため、FPCホルダ10を取り付けていない場合、第1FPC7の反力によって、第1FPC7の一端部と回路基板4との接合部に上方向の引張り荷重が発生する。この引張り荷重は、第1FPC7の接続端子7aと回路基板4の接続端子42とが接合されている部分に集中する。このため、引張り荷重により、第1FPC7の一端部と回路基板4との接合部が剥離するおそれがある。また、第1FPC7の接続端子42付近(一端部)は、カバー層に覆われていないため、接続端子42付近において第1FPC7が曲げられることにより、第1FPC7の配線が破断する場合がある。
【0047】
一方、図15の(b)に示されるように、FPCホルダ10を回路基板4に取り付けた場合、第2アーム13の突出部13bによって、第1FPC7の配線部7cが回路基板4の主面4aに押し当てられる。このため、突出部13bと接する位置において、第1FPC7に引張り荷重が加わる。したがって、第1FPC7と回路基板4との接合部に直接引張り荷重が加わることを抑制できる。その結果、第1FPC7と回路基板4との接合部の剥離を防ぐことが可能となる。また、突出部13bは、第2下面13rから前方に向かって主面4aから徐々に離れるように湾曲した形状を有する。このため、第1FPC7を突出部13bの外形に沿うように曲げることによって、第1FPC7に加わる引張り荷重を分散できる。また、配線部7cは、カバー層に覆われているため、引張り荷重により第1FPC7の信号線が破断するのを抑制できる。
【0048】
また、第1部分12aの第1下面12rおよび第4部分14aの第3下面14rは主面4aに当接し、第2部分12bの第1内側面12sおよび第5部分14bの第3内側面14sは端面4cに当接し、第3部分12cの第1上面12tおよび第6部分14cの第3上面14tは裏面4bに当接している。このため、第1アーム12および第3アーム14によって、FPCホルダ10は、回路基板4に対して上下方向に固定される。特に、第3部分12cの第1上面12tと第6部分14cの第3上面14tとが裏面4bに当接することによって、第1FPC7の反力によってFPCホルダ10が持ち上げられるのを抑制できる。したがって、突出部13bは、第1FPC7を主面4aにしっかりと押し当てることが可能となり、第1FPC7と回路基板4との接合部に直接引張り荷重が加わることを抑制できる。
【0049】
第2部分12bの第1内側面12sおよび第5部分14bの第3内側面14sは端面4cに当接しているため、FPCホルダ10が後ろ方向に移動するのを抑制できる。また、第1FPC7が突出部13bの外形に沿うように配置されているため、FPCホルダ10が前方向に移動するのを抑制できる。このように、FPCホルダ10は、回路基板4に対して前後方向に固定される。さらに、図12に示されるように、第1アーム12の第1外側面12eは上ハウジング2の壁面2bに当接しているため、FPCホルダ10が右方向に移動するのを抑制できる。図8、図11および図12に示されるように、第3アーム14の第3外側面14eは回路基板4の突出部4eの側面4fに当接しているため、FPCホルダ10が左方向に移動するのを抑制できる。このように、FPCホルダ10は、回路基板4に対して左右方向に固定される。以上のように、FPCホルダ10は、回路基板4に対して固定されている。このため、第1FPC7の反力によってFPCホルダ10が持ち上げられる方向に力が加わった場合、FPCホルダ10の位置がずれるのを防止でき、突出部13bによって配線部7cを回路基板4の主面4aに確実に押し当てることが可能となる。
【0050】
FPCホルダ10は、樹脂製で弾性を有している。このため、FPCホルダ10を回路基板4に取り付けるときに第1アーム12および第3アーム14が撓む。したがって、回路基板4と第1FPC7とを接合し、第1FPC7とTOSA5とを接合した後でもFPCホルダ10を回路基板4に取り付けることができる。すなわち、FPCホルダ10は回路基板4にスナップフィットされる。なお、図11に示されるように、間隔WHOLDが幅WFPCより小さいことにより、FPCホルダ10を回路基板4に取り付けた後、FPCホルダ10の重さなどにより外れることを抑制できる。また、間隔WHOLDは幅WFPCよりも大きくてもよい。この場合、FPCホルダ10が弾性を有するか否かに関わらず、回路基板4と第1FPC7とを接合し、第1FPC7とTOSA5とを接合した後でもFPCホルダ10を回路基板4に取り付けることができる。
【0051】
図7に示されるように、FPCホルダ10は、一対の脚部15,16(位置P1および位置P2)において回路基板4の主面4aと当接し、突出部13b(位置P3)において第1FPC7に当接する。このように、3点で当接することにより、安定して第1FPC7を押さえることができる。第7部分13aの長さL2は、第1部分12aの長さL1および第4部分14aの長さL3より短い。このため、FPCホルダ10の取付の作業性を確保できる。また、長さL2は、できる限り長くすることで、単位長さ当たりの変位を減らし、応力を分散させることが可能となる。その結果、耐クリープ性が向上し、FPCホルダ10に用いる樹脂の選択の幅が広がる。また、第3部分12cの長さおよび第6部分14cの長さは、取付性に影響を与えない程度の長さであって、第3部分12cの先端と第6部分14cの先端とを結ぶ直線Bが、上述の位置P1、位置P2および位置P3によって規定される三角形と交差する長さである。このようにすることで、主面4a側の3点(位置P1、位置P2および位置P3)における荷重を、裏面4b側において第3部分12cおよび第6部分14cにより受けることができる。
【0052】
[変形例]
図16の(a)は変形例に係るFPCホルダの構造を概略的に示す上方斜視図、(b)は変形例に係るFPCホルダの構造を概略的に示す正面図である。FPCホルダ10では、第2部分12bおよび第5部分14bは、下方に進むに従い内側に向かうように傾斜しているのに対して、第2部分22bは、本体部21の延在方向および第1部分22aの延在方向によって規定される面に略直交する方向に延びている。同様に、第5部分24bは、本体部21の延在方向および第4部分24aの延在方向によって規定される面に略直交する方向に延びている。
【0053】
このように、FPCホルダ20の形状は、FPCホルダ10の形状よりも単純であるため、FPCホルダ20は、FPCホルダ10よりも製造性に優れる。一方、図6の(a)のS12−S12線に沿っての第2部分12bの断面における断面積および図6の(a)のS14−S14線に沿っての第5部分14bの断面における断面積は、図16の(b)のS22−S22線に沿っての第2部分22bの断面における断面積および図16の(b)のS24−S24線に沿っての第5部分24bの断面における断面積よりも大きいことから、FPCホルダ10は、FPCホルダ20よりも強度を有する。
【0054】
なお、本発明に係る光モジュールおよびFPCホルダは上記実施形態に記載したものに限定されない。例えば、FPCホルダ10の各部の形状は、一例を示したに過ぎず、これに限定されない。本体部11、第1部分12a、第2部分12b、第3部分12c、第4部分14a、第5部分14bおよび第6部分14cの形状は、柱状としているが、他の形状であってもよい。また、第1アーム12および第3アーム14は、第1FPC7が接合された回路基板4に取り付け可能な形状であればよく、第2アーム13は、第1FPC7を回路基板4の主面4aに押し当て可能な形状であればよい。少なくとも、第1内側面12sおよび第3内側面14sが端面4cに当接し、第1上面12tおよび第3上面14tが裏面4bに当接するとともに、突出部13bが配線部7cに当接する形状であればよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
以上説明したように、本実施形態によれば、回路基板の部品実装スペースを減らすことなく、FPCと回路基板との半田接続部における剥離を防ぐことが可能となる。
【符号の説明】
【0056】
1…光モジュール、4…回路基板、4a…主面、4b…裏面、4c…端面、5…TOSA、7…第1FPC、7a…接続端子、7b…接続孔、7c…配線部、10,20…FPCホルダ、11,21…本体部、11a,21a…側面、12,22…第1アーム、12a,22a…第1部分、12b,22b…第2部分、12c,22c…第3部分、13,23…第2アーム、13b,23b…突出部、14,24…第3アーム、14a,24a…第4部分、14b,24b…第5部分、14c,24c…第6部分、15,16,25,26…脚部、17,27…突起、44…開口部、A1…第1方向、A2…第2方向、A3…第3方向、A4…第4方向、A5…第5方向、A6…第6方向、A7…第7方向。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リジッド基板と、
光サブアセンブリと、
前記リジッド基板と前記光サブアセンブリとを接続するフレキシブルプリント基板と、
前記フレキシブルプリント基板を前記リジッド基板の主面に押し当てるFPCホルダと、
を備える光モジュールであって、
前記FPCホルダは、第1方向に延びる本体部と、前記第1方向と交差して前記本体部から延びる第1アーム、第2アームおよび第3アームと、を備え、
前記第1アームは、第1部分、第2部分および第3部分からなり、
前記第1部分は、前記主面に沿って前記第1方向と交差する第2方向に、前記本体部から延びており、
前記第2部分は、前記リジッド基板の端面に沿って前記第2方向に交差する第3方向に、前記第1部分から延びており、
前記第3部分は、前記リジッド基板の裏面に沿って前記第2部分から前記本体部に向かう第4方向に、前記第2部分から延びており、
前記第3アームは、第4部分、第5部分および第6部分からなり、
前記第4部分は、前記主面に沿って前記第1方向と交差する第5方向に、前記本体部から延びており、
前記第5部分は、前記端面に沿って前記第5方向に交差する第6方向に、前記第4部分から延びており、
前記第6部分は、前記裏面に沿って前記第5部分から前記本体部に向かう第7方向に、前記第5部分から延びており、
前記第2アームは、前記第1アームおよび前記第3アームの間に配置され、
前記第2アームは、前記主面に向かって突出する突出部を有し、
前記フレキシブルプリント基板は、前記リジッド基板の前記主面に接続された一端部と、前記光サブアセンブリに接続された他端部と、前記一端部と前記他端部との間に設けられた配線部とを有し、
前記突出部は、前記フレキシブルプリント基板の前記配線部を前記主面に押し当てることを特徴とする光モジュール。
【請求項2】
前記本体部は、前記主面に当接するように設けられた一対の脚部を有することを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
【請求項3】
前記本体部は、前記一端部の上に設けられ、
前記一対の脚部は、前記一端部の両側において前記主面に当接することを特徴とする請求項2に記載の光モジュール。
【請求項4】
前記第1部分および前記第4部分のいずれか一方は、前記主面に向かって延びる突起を有し、
前記主面には、前記突起に対向する位置に開口部が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の光モジュール。
【請求項5】
前記FPCホルダは樹脂からなり、
前記第3部分および前記第6部分の間隔は、前記フレキシブルプリント基板の幅よりも小さいことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の光モジュール。
【請求項6】
前記突出部は、前記主面から離れるように湾曲する曲面を有することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の光モジュール。
【請求項7】
第1方向に延びる本体部と、
前記本体部の一側面に設けられ、前記第1方向と交差して延びる第1アーム、第2アームおよび第3アームと、
を備え、
前記第1アームは、第1部分、第2部分および第3部分からなり、
前記第1部分は、前記第1方向と交差する第2方向に前記一側面から延びており、
前記第2部分は、前記第1方向と前記第2方向とによって規定される面に交差する第3方向に、前記第1部分から延びており、
前記第3部分は、前記第2部分から前記本体部に向かう第4方向に、前記第2部分から延びており、
前記第3アームは、第4部分、第5部分および第6部分からなり、
前記第4部分は、前記第1方向と交差する第5方向に前記一側面から延びており、
前記第5部分は、前記第1方向と前記第5方向とによって規定される面に交差する第6方向に、前記第4部分から延びており、
前記第6部分は、前記第5部分から前記本体部に向かう第7方向に、前記第5部分から延びており、
前記第2アームは、前記第1アームおよび前記第3アームの間に配置され、
前記第2アームは、前記第3部分および前記第6部分に挟まれた領域に向かって突出する突出部を有することを特徴とするFPCホルダ。

【図3】
image rotate

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2013−92689(P2013−92689A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235248(P2011−235248)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】