説明

光位相モニタ装置および光位相モニタ方法

【課題】光位相変調された高速の信号光の光位相を検出するとともに、光位相変調された信号光の品質をモニタすること。
【解決手段】光位相モニタ装置100は、光スイッチ101と、光位相検出回路102と、表示回路103と、を備える。光スイッチ101は、信号光104と制御光パルス105とを合波し、信号光104のうち、制御光パルス105と時間的に重複する部分を出力する。光位相検出回路102は、光スイッチ101から出力された出力光106の光位相を検出する。表示回路103は、光位相検出回路102が検出した光位相の情報を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位相変調された信号光の位相情報をモニタする光位相モニタ装置および光位相モニタ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光位相変調された信号光をモニタする装置としては、光信号を受光器で受光し、電気信号に変換した後に電気回路によって光位相を検出する装置がある。また、高速の波形モニタとして、電気および光のサンプリングオシロスコープが開発されている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−65857号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の電気サンプリングオシロスコープでは、受光器や表示回路を構成する電気回路の動作速度限界を超える高速の信号光が波形モニタに入力されると、この信号光の光位相をモニタすることができないという問題がある。また、上述した従来の電気サンプリングオシロスコープでは、光位相変調された信号光の光位相の設定値からのずれをモニタすることができない。このため、信号光の品質をモニタすることができないという問題がある。
【0005】
また、従来の光サンプリングオシロスコープは、電気サンプリングオシロスコープに比べて測定帯域は格段に向上する一方、光位相変調された信号光の信号光品質をモニタすることができない。このため、信号光の品質をモニタすることができないという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した問題点を解消するものであり、光位相変調された高速の信号光の光位相を検出するとともに、光位相変調された信号光の品質をモニタすることができる光位相モニタ装置および光位相モニタ方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる光位相モニタ装置は、信号光と制御光パルスとを合波し、当該信号光のうち、当該制御光パルスと時間的に重複する部分を出力する光スイッチと、前記光スイッチから出力された出力光の光位相を検出する位相検出手段と、前記位相検出手段が検出した前記光位相の情報を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、信号光を所定の時間間隔でサンプリングし、サンプリングした信号光の光位相を検出することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、光位相変調された高速の信号光の光位相を検出するとともに、光位相変調された信号光の品質をモニタすることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる光位相モニタ装置および光位相モニタ方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかる光位相モニタ装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、実施の形態1にかかる光位相モニタ装置100は、2値(0とπ)の光位相の位相変調方式によって変調された信号光の位相をモニタする光位相モニタ装置100である。光位相モニタ装置100は、光スイッチ101と、光位相検出回路102と、表示回路103と、を備えている。
【0012】
光スイッチ101は、信号光104と制御光パルス105(サンプリングパルス)とが入力されると、信号光104と制御光パルス105とを合波する。信号光104は、ここでは波長λs、繰り返し周波数fsとする。制御光パルス105は、ここでは波長λp、繰り返し周波数fpとする。
【0013】
光スイッチ101は、信号光104と制御光パルス105とが時間的に重複する時間幅の光を光位相検出回路102へ出力する。すなわち、光スイッチ101は、信号光を、制御光パルス105のピークタイミング毎の時間間隔でサンプリングして出力する。この場合、光スイッチ101から光位相検出回路102へ出力される出力光106の繰り返し周波数は、制御光パルス105と同じfpとなる。
【0014】
光位相検出回路102は、光スイッチ101から出力された出力光106の光位相を検出する。光位相検出回路102は、検出した光位相の情報を示す電気信号を表示回路103へ出力する。表示回路103は、光位相検出回路102から出力された光位相の情報を図示しない表示装置に表示する。具体的には、表示回路103は、光位相検出回路102から出力された電気信号を時間方向にトレースすることによって光位相モニタ装置100に入力された信号光104の位相情報を表示する。
【0015】
図2は、実施の形態1にかかる光位相モニタ装置の光位相検出回路の構成(その1)を示すブロック図である。ここでは、実施の形態1にかかる光位相モニタ装置100の光位相検出回路102は、光スイッチ101から出力された出力光106の光位相を光ヘテロダイン検波方式によって検出する。
【0016】
図2に示すように、実施の形態1にかかる光位相モニタ装置100の光位相検出回路102は、局発光源201と、合波部202と、受光器203と、倍周器(×2)204と、フィルタ部205と、分周器(÷2)206と、遅延部(τ)207と、乗算回路208と、を備えている。局発光源201は、局発光を合波部202へ出力する。合波部202は、光スイッチ101から出力された出力光106と局発光源201から出力された局発光とを合波し、合波光を受光器203へ出力する。
【0017】
受光器203は、合波部202から出力された合波光を受光し、電気信号に変換する。ここで、受光器203は、帯域を制限することにより、合波部202から出力された合波光のうち、光スイッチ101から出力された出力光106と局発光源201から出力された局発光との差周波信号(ビート信号)のみを出力する。受光器203は、この差周波信号を2分岐し、遅延部207および倍周器204へそれぞれ出力する。
【0018】
倍周器204は、受光器203から出力された差周波信号の周波数を倍の周波数に倍周する。これにより、光位相が0またはπの2値で位相変調された差周波信号は位相の値が一定であり倍周波数のキャリア信号に変換される。倍周器204は、倍周した差周波信号をフィルタ部205へ出力する。
【0019】
フィルタ部205は、倍周器204から出力された差周波信号のうちの倍周波数成分のみを抽出する。これにより、値が一定であり倍周波数のキャリア信号のみが抽出される。フィルタ部205は、抽出した差周波信号を分周器206へ出力する。分周器206は、フィルタ部から出力された差周波信号を半分の周波数に分周する。これにより、元の周波数で無変調のキャリア信号が生成される。分周器206は、分周した差周波信号を乗算回路208へ出力する。
【0020】
遅延部207は、受光器203から出力された差周波信号に所定の遅延量τを与えて乗算回路208へ出力する。ここで、遅延部207は、分周器206から出力された差周波信号と遅延部207から出力された差周波信号とが、タイミングが一致しながらミキシングされるように適切な遅延量τを差周波信号に与える。
【0021】
乗算回路208は、分周器206から出力された差周波信号(キャリア信号)と遅延部207から出力された差周波信号とを乗算する。これにより、光スイッチ101から出力された出力光106の位相情報を強度によって示す電気信号が生成される。乗算回路208は、乗算して得られた電気信号を光位相の情報として表示回路103(図1を参照)へ出力する。
【0022】
また、光スイッチ101から出力される出力光106と局発光源201から出力される局発光との偏光状態を最適検波状態に設定する偏光制御器などを設けてもよい。なお、上述した倍周器204と、フィルタ部205と、分周器206と、遅延部207と、乗算回路208と、は光同期受信回路を構成している。
【0023】
図3は、実施の形態1にかかる光位相モニタ装置の光位相検出回路の構成(その2)を示すブロック図である。ここでは、実施の形態1にかかる光位相モニタ装置100は、2値(0とπ)の光位相の差動位相変調方式(DPSK:Differential Phase Shift Keying)によって変調された信号光104の光位相をモニタする光位相モニタ装置である。
【0024】
また、この光位相モニタ装置100の光位相検出回路102は、光スイッチ101から出力された出力光106の光位相を光ホモダイン検波方式によって検出する。図3に示すように、光位相モニタ装置100の光位相検出回路102は、局発光源201と、合波部202と、分岐部301と、受光器302aと、受光器302bと、遅延部303aと、遅延部303bと、乗算回路304aと、乗算回路304bと、フィルタ部305aと、フィルタ部305bと、加算回路306と、を備えている。
【0025】
なお、光位相モニタ装置100の構成のうち、光位相検出回路102以外の構成については図1に示した光位相モニタ装置100の構成と同様であるため、ここでは説明を省略する。局発光源201は、局発光を合波部202へ出力する。合波部202は、光スイッチ101から出力された出力光106と局発光源201から出力された局発光とを合波し、合波光を分岐部301へ出力する。
【0026】
分岐部301は、合波部202から出力された合波光を2分岐する。分岐部301は、ここでは光カプラやハーフミラー等(90度ハイブリッド回路)によって構成されている。分岐部301は、分岐した分岐光のうち一方を受光器302aへ出力し、他方を受光器302bへ出力する。ここで、光カプラの性質により、受光器302bへ出力される分岐光は、受光器302aへ出力される分岐光に対して位相が90度ずれた状態となる。
【0027】
受光器302aは、分岐部301から出力された分岐光を受光し、電気信号に変換する。受光器302aは、変換した電気信号を2分岐し、分岐信号の一方を直接乗算回路304aへ出力し、他方を遅延部303aを介して乗算回路304aへ出力する。遅延部303aは、受光器302aから乗算回路304aへ出力される分岐信号を1ビット分の時間Tだけ遅延させる。
【0028】
同様に、受光器302bは、分岐部301から出力された分岐光を受光し、電気信号に変換する。受光器302bは、変換した電気信号を2分岐し、分岐信号の一方を直接乗算回路304bへ出力し、他方を遅延部303bを介して乗算回路304bへ出力する。遅延部303bは、受光器302bから乗算回路304bへ出力される分岐信号を1ビット分遅延させる。
【0029】
乗算回路304aは、受光器302aから直接出力された分岐信号と、受光器302aから遅延部303aを介して出力された分岐光と、を乗算する。乗算回路304aは、乗算して得られた電気信号をフィルタ部305aへ出力する。同様に、乗算回路304bは、受光器302bから直接出力された分岐光と、受光器302bから遅延部303bを介して出力された分岐光とを乗算する。乗算回路304bは、乗算して得られた電気信号をフィルタ部305bへ出力する。
【0030】
フィルタ部305aは、乗算回路304aから出力された電気信号のうち、所定の周波数成分のみを抽出する。ここでは、フィルタ部305aは、ローパスフィルタによって構成されており、乗算回路304aから出力された電気信号のうち、周波数fpを含む低周波成分のみを抽出する。フィルタ部305aは、抽出した電気信号(I−out)を加算回路306へ出力する。
【0031】
同様に、フィルタ部305bは、乗算回路304bから出力された電気信号のうち、所定の周波数成分のみを抽出する。ここでは、フィルタ部305bは、ローパスフィルタによって構成されており、乗算回路304bから出力された電気信号のうち、周波数fpを含む低周波成分のみを抽出する。フィルタ部305bは、抽出した電気信号(Q−out)を加算回路306へ出力する。
【0032】
加算回路306は、フィルタ部305aから出力された電気信号とフィルタ部305bから出力された電気信号とを加算する。これにより、光スイッチ101から出力された出力光106の位相情報を強度によって示す電気信号が生成される。加算回路306は、加算して得られた電気信号を光位相の情報として表示回路103(図1を参照)へ出力する。
【0033】
このように、分岐部301によって互いに位相が90度ずれた分岐光を生成し、検波を行った後それぞれの検波結果を加算回路306によって加算することにより、分岐部301に入力される合波光の位相状態にかかわらず安定して位相情報を得ることができる。なお、光スイッチ101から出力された出力光106と局発光源201から出力された局発光とは波長が一致している必要がある。また、本実施例において、I−outおよびQ−outの電気信号をデジタル処理することにより、入力信号光がD−QPSKの場合の4値の位相をモニタすることが可能である。
【0034】
図4は、実施の形態1にかかる光位相モニタ装置の光位相検出回路の構成(その3)を示すブロック図である。ここでは、光スイッチ101から出力される出力光106がRZ−DPSK信号光である場合について説明する。実施の形態1にかかる光位相モニタ装置100の光位相検出回路102は、ここではマッハツェンダ干渉計によって構成されている。
【0035】
光位相検出回路102は、分岐部401と、遅延部(T)402と、合波部403と、受光器(PD)404と、から構成されている。なお、光位相モニタ装置100の構成のうち、光位相検出回路102以外の構成については図1に示した光位相モニタ装置100の構成と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0036】
分岐部401は、光スイッチ101から出力される出力光106を2分岐する。ここで、光スイッチ101から出力される出力光106は、2値(0とπ)の光位相の差動位相変調方式で変調され、さらに強度変調によってRZパルス化されたRZ−DPSK信号光である。分岐部401は、分岐光の一方を直接合波部403へ出力し、他方を遅延部402を介して合波部403へ出力する。
【0037】
遅延部402は、分岐部401から合波部403へ出力される分岐光を1ビット分遅延させる。合波部403は、分岐部401から直接出力された分岐光と、分岐部401から遅延部402を介して出力された分岐光とを合波する。合波部403は、合波して得られた復調信号光を光位相の情報として受光器404へ出力する。
【0038】
受光器404は、合波部403から出力された復調信号光を電気信号に変換し、光位相の情報として表示回路103(図1を参照)へ出力する。受光器404は、ここではPD(Photo Diode)によって構成されている。
【0039】
このように、実施の形態1にかかる光位相モニタ装置100によれば、信号光104を所定の時間間隔でサンプリングし、サンプリングした信号光104の光位相を検出することができる。このため、この発明にかかる光位相モニタ装置および光位相モニタ方法によれば、光位相変調された高速の信号光の光位相を検出することができる。
【0040】
また、実施の形態1にかかる光位相モニタ装置100によれば、光位相変調された信号光104の光位相の設定値からのずれをモニタすることができる。このため、実施の形態1にかかる光位相モニタ装置100によれば、光位相変調された信号光104の品質をモニタすることができる。
【0041】
(実施の形態2)
図5は、実施の形態2にかかる光位相モニタ装置の構成を示すブロック図である。図5において、図1に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図5に示すように、実施の形態2にかかる光位相モニタ装置500は、実施の形態1にかかる光位相モニタ装置100の構成に加えて光パルス発生器501を備えている。
【0042】
光パルス発生器501は、光位相モニタ装置500に入力される、波長λs、周波数fsの信号光104に基づいて、周波数fsとわずかに異なる周波数fs+Δfs(ただし、Δfs≪fs)に同期した光パルス列を生成する。具体的には、光パルス発生器501は、光位相モニタ装置500に入力される信号光104を分岐して取得する。
【0043】
光パルス発生器501は、クロック再生器などを備えており、取得した信号光104から周波数fsのクロック信号を再生し、周波数fs+Δfsに同期した光パルス列を生成する。光パルス発生器501は、生成した光パルス列を上述した制御光パルス105として光スイッチ101へ出力する。
【0044】
この場合、光スイッチ101から出力される出力光106のパルスは、信号光104の周波数fsに対して十分に遅い周波数Δfとなる。光位相モニタ装置500に入力される信号光104が表示回路103を構成する電子回路の動作速度限界を超える高速信号光であっても、その信号光の光位相をモニタすることができる。
【0045】
図6は、実施の形態2にかかる光位相モニタ装置の構成の具体例(その1)を示すブロック図である。図6に示すように、実施の形態2にかかる光位相モニタ装置500は、ここではクロック再生部601と、分周部(1/N)602と、発信器603と、乗算回路604と、光パルス発生器501と、光スイッチ101と、光位相検出回路102と、表示回路103と、を備えている。
【0046】
クロック再生部601は、光位相モニタ装置500に入力される信号光104を分岐して取得し、取得した信号光104から基準周波数fsのクロック信号を再生する。クロック再生部601は、再生したクロック信号を分周部602へ出力する。分周部602は、クロック再生部601から出力されたクロック信号をfs/N(Nは正の整数)の周波数に分周する。ここで、光位相検出回路102や表示回路103の動作帯域に最適な周波数帯域となるようにNを設定する。分周部602は、分周した周波数fs/Nのクロック信号を乗算回路604へ出力する。
【0047】
発信器603は、周波数Δfsのクロック信号を生成して乗算回路604へ出力する。乗算回路604は、分周部602から出力された周波数fs/Nのクロック信号と発信器603から出力された周波数Δfsのクロック信号とを乗算して周波数fs/N+Δfsのクロック信号を生成する。乗算回路604は、生成した周波数fs/N+Δfsのクロック信号を光パルス発生器501へ出力する。
【0048】
光パルス発生器501は、乗算回路604から出力された周波数fs/N+Δfsのクロック信号に基づいて、波長λp、周波数fs/N+Δfsに同期した光パルス列を生成する。光パルス発生器501は、生成した光パルス列を上述した制御光パルス105として光スイッチ101へ出力する。
【0049】
図7は、実施の形態2にかかる光位相モニタ装置の構成の具体例(その2)を示すブロック図である。図7において、図6に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図7に示すように、実施の形態2にかかる光位相モニタ装置500は、クロック再生部601と、分周部602と、光パルス発生器501と、発信器701と、遅延部(τ)702と、光スイッチ101と、光位相検出回路102と、表示回路103と、を備えていてもよい。
【0050】
この場合、分周部602から光パルス発生器501へ周波数fs/Nのクロック信号を出力する。光パルス発生器501は、分周部602から出力された周波数fs/Nのクロック信号に基づいて、波長λp、周波数fs/Nに同期した光パルス列を生成する。光パルス発生器501は、生成した光パルス列を上述した制御光パルス105として遅延部702へ出力する。
【0051】
発信器701は、たとえば周波数Δfsのクロック信号を生成して遅延部702へ出力する。遅延部702は、光パルス発生器501から出力された周波数fs/Nの制御光パルス105を周期的に遅延させて光スイッチ101へ出力する。たとえば、遅延部702は、発信器701から出力されるクロック信号の周波数Δfsの周器で制御光パルス105を遅延させる。
【0052】
これにより、特に信号光104がDPSK変調されているような場合に、制御光パルス105に周期的な遅延を与えることで信号光104の1ビット間隔をカバーし、1ビット遅延検波を有効に用いることができる。
【0053】
図8は、実施の形態2にかかる光位相モニタ装置の光スイッチの構成の具体例(その1)を示すブロック図である。ここでは、実施の形態2にかかる光位相モニタ装置500の光スイッチ101は、光パラメトリック増幅ファイバスイッチである。図8に示すように、光スイッチ101は、合波部801と、非線形光ファイバ802と、偏光子803と、光フィルタ(BPF)804と、を備えている。
【0054】
合波部801は、光位相モニタ装置500に入力された信号光104と、光パルス発生器501から出力された制御光パルス105と、を合波して非線形光ファイバ802へ出力する。ここで、光位相モニタ装置500に入力された信号光104と光パルス発生器501から出力された制御光パルス105とは、互いに偏光方向が約45度異なるようにして合波部801へ入力される。
【0055】
非線形光ファイバ802は、合波部801から出力された信号光104と制御光パルス105との合波光を通過させて偏光子803へ出力する。非線形光ファイバ802は、四光波混合(FWM:Four−Wave Mixing)を発生させ、光パラメトリック増幅効果を有する。
【0056】
偏光子803は、非線形光ファイバ802から出力された合波光のうち、所定の偏光方向の成分のみを通過させて光フィルタ804へ出力する。所定の偏光方向は、ここでは、光位相モニタ装置500に入力されたときの信号光104を最適に遮断する偏光方向(ほぼ直交する方向)に設定する。
【0057】
光フィルタ804は、偏光子803から出力された合波光のうち所定の波長成分のみを抽出する。ここでは、光フィルタ804は、BPF(Band Pass Filter)によって構成されており、信号光104の波長λsの成分のみを抽出する。光フィルタ804は、抽出した合波光の成分を光位相検出回路102(図1などを参照)へ出力する。
【0058】
図9は、実施の形態2にかかる光位相モニタ装置の光スイッチの構成の具体例(その2)を示すブロック図である。図9において、図8に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図9に示すように、実施の形態2にかかる光位相モニタ装置500の光スイッチ101は、合波部801と、非線形光ファイバ802と、光フィルタ(BPF)901と、を備えていてもよい。
【0059】
光フィルタ901は、非線形光ファイバ802において発生した波長λcの四光波混合光(アイドラ光)を出力する。光フィルタ901は、BPFによって構成されており、波長λcの成分のみを抽出する。光フィルタ901は、抽出した四光波混合光(アイドラ光)を光位相検出回路102(図1などを参照)へ出力する。
【0060】
図10は、実施の形態2にかかる光位相モニタ装置の光スイッチを説明する図である。図8で説明したように、偏光子803は、光位相モニタ装置500に入力されたときの信号光104の偏光方向と直交する方向に設定されている。このため、信号光104のみが非線形光ファイバ802を通過した場合、信号光104は偏光子803によってすべて遮断される。
【0061】
一方、信号光104と制御光パルス105が時間的に同期して(二つの光パルスが時間的に重なって)非線形光ファイバ802を通過した場合、制御光パルス105のパワーを大きくしていくと、非線形光ファイバ802内の相互位相変調(XPM:Cross−Phase Modulation)によって信号光パルスの偏光状態が変化する。このため、信号光104の一部が偏光子803を通過するようになる。
【0062】
さらに制御光パルス105のパワーを大きくし、信号光104の位相が入力状態に対してπだけ変化させると、信号光104の偏光方向は光位相モニタ装置500に入力されたときの偏光方向に対して約90度回転し、偏光子803をほぼ100%通過するようになる。これにより、制御光パルス105のオン/オフによって信号光104をスイッチすることができる。
【0063】
このように、図8および図9に示した光スイッチ101のようにFWMにより発生する光パラメトリック増幅効果を利用することにより、光スイッチ101のスイッチング効率を飛躍的に向上させることができる。ここで、スイッチング効率とは、入力信号光パワーに対する出力信号光パワーの比である。
【0064】
したがって、上述した光位相モニタ装置500に上述した光スイッチ101を適用することで、スイッチされた信号光成分の出力パワーを飛躍的に増大することが可能となり、これにより光SN比(Signal to Noise ratio)の劣化がほとんどなく光位相のモニタを行うことができる。
【0065】
ここで、非線形光ファイバ802の長さをL、損失をαとする。非線形光ファイバ802によって入力信号光ES1から出力信号光ES2がスイッチされるとすると、理想的な位相整合条件下においては、変換効率ηS (|ES22/|ES12は、以下のように近似できる。
【0066】
【数1】

【0067】
ここで、Gは光パラメトリック利得であり、以下のように近似できる。
【0068】
【数2】

【数3】

【0069】
Pは入力制御光パワー、l(L)は非線形有効相互作用長である。また、非線形ファイバの3次元非線形計数は、以下のように示すことができる。
【0070】
【数4】

【0071】
ここで、cは光速、ωは光角周波数、n2は非線形屈折率、Aeffは有効モード断面積を示す。(1)および(2)式から明らかなように、信号光のスイッチング効率は、γPPl(L)の増大とともに大きくなる。用いる非線形光ファイバ802が決まれば、γとl(L)は一定値となるため、スイッチング効率はPPとともに大きくなる。
【0072】
さらに、非線形光ファイバ802を用いた光スイッチにおいては、XPMとFWMといった3次非線形光学効果を用いるが、これらの非線形光学効果は、いずれもフェムト秒オーダーの応答速度を有する高速現象である。したがって、本発明は、数10〜数100fsといった高い分解能での光位相情報の観測が可能である。
【0073】
光ファイバを用いた本発明の有効な実現には、3次非線形光学効果の発生に有利な構成が必要である。たとえば、FWMの発生は非線形光ファイバ802の波長分散に強く依存する。位相整合をとるためには、制御光パルス105の波長を非線形光ファイバ802の零分散波長λ0に一致させたり、あるいは零分散(または十分に小さな波長分散の)分散フラットファイバを用いたりするのが有効である。しかしながら、非線形光ファイバ802の所要長、信号光波長との波長間隔によっては、こうした要求を緩和することも可能である。
【0074】
以上のような光ファイバの例としては、光非線形ファイバ、フォトニック結晶ファイバ、コアにゲルマニウムやビスマスをドーブした非線形効果を高めた光ファイバが有効である。光ファイバ以外の非線形デバイスとしては、四光波混合用の半導体光アンプや量子ドット光アンプ、三光波混合用の擬似位相整合構造のLiNbO3(PPLN:Periodically Poled LN)やKTP等の2次非線形光学結晶などが適用可能である。
【0075】
また、非線形光ファイバを用いた場合に、二つの帯域をカバーする十分広い帯域に渡る四光波混合を実現するためには、信号光(波長λs)とアイドラ光(波長λc)の位相整合をとることが必要である。
【0076】
図11は、信号光とアイドラ光の位相整合の条件の一例を示す図である。図11において、横軸はファイバを、縦軸はファイバの分散を示している。ここでは、波長分散の符号が異なる複数のファイバを順次配置し、全体として平均分散が零となるようにした例を示している。また、十分大きな(たとえば最近のコアにゲルマニウムをドープし、モードフィールドを小さくして光強度を高めることにより、非線形光学効果の発生効率を高めた高非線形ファイバのような)非線形ファイバにおいては、所要長が短いために、波長分散の値が大きくても十分な効率の四光波混合を発生させることが可能となる場合がある。
【0077】
このような場合には、たとえば分散補償ファイバなどを用いて分散補償することによりさらに効率よく四光波混合を発生させることが可能である。図11に示した場合では、たとえばN=1,3,5,…の部分には非線形効果の大きな光ファイバを配置し、N=2,4,…の部分には非線形ファイバの分散を補償するための光ファイバを配置する。
【0078】
図12−1は、実施の形態2にかかる光位相モニタ装置の表示回路が表示する位相変調信号光の2値の光位相情報を示すグラフの例である。実施の形態2にかかる光位相モニタ装置500(実施の形態1にかかる光位相モニタ装置100も同様)の表示回路103は、図示しない表示装置に図12−1に示すような波形を表示する。これにより、光位相変調された信号光の光位相の設定値(0およびπ)からのずれをモニタすることができる。
【0079】
図12−2は、実施の形態2にかかる光位相モニタ装置の表示回路が表示する4相位相変調(QPSK)信号光の4値の光位相情報を示すグラフの例である。実施の形態2にかかる光位相モニタ装置500(実施の形態1にかかる光位相モニタ装置100も同様)の表示回路103は、図示しない表示装置に図12−2に示すような波形を表示する。これにより、光位相変調された信号光の光位相の設定値(0、π/2、3π/2およびπ)からのずれをモニタすることができるなお、図8〜図10に示した光スイッチ101の構成の具体例は実施の形態1にかかる光位相モニタ装置100にも適用可能である。
【0080】
このように、実施の形態2にかかる光位相モニタ装置500によれば、信号光104を所定の時間間隔でサンプリングし、サンプリングした信号光104の光位相を検出することができる。このため、実施の形態2にかかる光位相モニタ装置500によれば、光位相変調された高速の信号光の光位相を検出することができる。
【0081】
また、実施の形態2にかかる光位相モニタ装置500によれば、光位相変調された信号光104の光位相のずれをモニタすることができる。このため、実施の形態2にかかる光位相モニタ装置500によれば、光位相変調された信号光104の品質をモニタすることができる。
【0082】
また、実施の形態2にかかる光位相モニタ装置500によれば、光パルス発生器が出力する制御光パルス105の周波数を、信号光の周波数fsからずらした周波数fs+Δfsとすることで、光スイッチ101から出力される出力光106が周波数fsよりも遅い周波数Δfとなる。このため、光位相モニタ装置500に入力される信号光104が表示回路103を構成する電子回路の動作速度限界を超える高速信号光であっても、その信号光の光位相をモニタすることができる。
【0083】
以上説明したように、この発明にかかる光位相モニタ装置および光位相モニタ方法によれば、信号光を所定の時間間隔でサンプリングし、サンプリングした信号光の光位相を検出することができる。このため、この発明にかかる光位相モニタ装置および光位相モニタ方法によれば、光位相変調された高速の信号光の光位相を検出することができる。
【0084】
また、この発明にかかる光位相モニタ装置および光位相モニタ方法によれば、光位相変調された信号光の光位相の設定値からのずれをモニタすることができる。このため、この発明にかかる光位相モニタ装置および光位相モニタ方法によれば、光位相変調された信号光の品質をモニタすることができる。
【0085】
(付記1)信号光と制御光パルスとを合波し、当該信号光のうち、当該制御光パルスと時間的に重複する部分を出力する光スイッチと、
前記光スイッチから出力された出力光の光位相を検出する位相検出手段と、
前記位相検出手段が検出した前記光位相の情報を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする光位相モニタ装置。
【0086】
(付記2)前記位相検出手段は、前記光位相を光ヘテロダイン検波方式によって検出することを特徴とする付記1に記載の光位相モニタ装置。
【0087】
(付記3)前記位相検出手段は、
局発光を出力する局発光源と、
前記局発光源と前記光スイッチから出力された出力光とを乗算した差周波信号を電気信号に変換する受光器と、
前記受光器によって変換された電気信号に対して同期検波を行う同期検波手段と、
によって構成されていることを特徴とする付記2に記載の光位相モニタ装置。
【0088】
(付記4)前記同期検波手段は、
前記受光器によって変換された電気信号を分岐する分岐手段と、
前記分岐手段によって分岐された電気信号のうちの一方を倍の周波数に倍周する倍周手段と、
前記倍周手段によって倍周された電気信号から前記倍の周波数の成分を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された電気信号を半分の周波数に分周する分周手段と、
前記分岐手段によって分岐された電気信号のうちの他方に所定の遅延を与える遅延手段と、
前記分周手段によって分周された電気信号と、前記遅延手段によって遅延を与えられた電気信号と、を乗算して前記光位相の情報を出力する乗算手段と、
によって構成されていることを特徴とする付記3に記載の光位相モニタ装置。
【0089】
(付記5)前記位相検出手段は、前記光位相を光ホモダイン検波方式によって検出することを特徴とする付記1に記載の光位相モニタ装置。
【0090】
(付記6)前記位相検出手段は、
局発光を出力する局発光源と、
前記局発光源と前記光スイッチから出力された出力光とを合波する合波手段と、
前記合波手段によって合波された合波光を分岐する光カプラと、
前記光カプラによって分岐された分岐光のそれぞれに対して遅延検波を行う遅延検波手段と、
によって構成されていることを特徴とする付記5に記載の光位相モニタ装置。
【0091】
(付記7)前記遅延検波手段は、
前記光カプラによって分岐された第1分岐光を電気信号に変換する第1受光器と、
前記光カプラによって分岐された、前記第1分岐光とは位相が90度ずれた第2分岐光を電気信号に変換する第2受光器と、
前記第1受光器が変換した電気信号に対して遅延検波を行う第1遅延検波手段と、
前記第2受光器が変換した電気信号に対して遅延検波を行う第2遅延検波手段と、
前記第1遅延検波手段および前記第2遅延検波手段によって遅延検波されたそれぞれの電気信号を加算する加算手段と、
によって構成されていることを特徴とする付記6に記載の光位相モニタ装置。
【0092】
(付記8)前記位相検出手段は、マッハツェンダ干渉計によって構成されていることを特徴とする付記1に記載の光位相モニタ装置。
【0093】
(付記9)前記位相検出手段は、
前記光スイッチから出力された出力光を分岐する光カプラと、
前記光カプラによって分岐された第2分岐光を1ビット分遅延させる遅延手段と、
前記光カプラによって分岐された第1分岐光と前記遅延手段によって遅延させられた前記第2分岐光とを合波する合波手段と、
によって構成されていることを特徴とする付記8に記載の光位相モニタ装置。
【0094】
(付記10)前記制御光パルスを出力するパルス発生手段をさらに備えることを特徴とする付記1〜9のいずれか一つに記載の光位相モニタ装置。
【0095】
(付記11)前記パルス発生手段は、前記信号光を分岐して取得し、取得した信号光をクロック再生することによって前記制御光パルスを出力することを特徴とする付記10に記載の光位相モニタ装置。
【0096】
(付記12)前記パルス発生手段は、前記信号光の繰り返し周波数、または当該繰り返し周波数を分周した周波数の制御光パルスを出力することを特徴とする付記10または11に記載の光位相モニタ装置。
【0097】
(付記13)前記パルス発生手段は、前記信号光の繰り返し周波数から所定の周波数だけずれた周波数、または当該繰り返し周波数を分周した周波数から所定の周波数だけずれた周波数の制御光パルスを出力することを特徴とする付記10または11に記載の光位相モニタ装置。
【0098】
(付記14)前記光スイッチは、光パラメトリック増幅ファイバスイッチによって構成されていることを特徴とする付記1〜13のいずれか一つに記載の光位相モニタ装置。
【0099】
(付記15)前記光スイッチは、
前記信号光と制御光パルスとを合波する合波手段と、
前記合波手段によって合波された合波光を通過させる非線形光ファイバと、
前記非線形光ファイバを通過した合波光のうち、前記信号光の偏光方向とほぼ直交する偏光方向の成分のみを抽出する偏光子と、
によって構成されていることを特徴とする付記14に記載の光位相モニタ装置。
【0100】
(付記16)前記光スイッチは、
前記信号光と制御光パルスとを合波する合波手段と、
前記合波手段によって合波された合波光を通過させる非線形光ファイバと、
前記非線形光ファイバを通過した合波光のうち、前記非線形光ファイバにおいて発生する四光波混合光の波長成分のみを抽出するフィルタ手段と、
によって構成されていることを特徴とする付記14に記載の光位相モニタ装置。
【0101】
(付記17)前記非線形光ファイバは、フォトニック結晶ファイバによって構成されていることを特徴とする付記15または16に記載の光位相モニタ装置。
【0102】
(付記18)前記非線形光ファイバは、励起光パルスの波長付近において概略零分散となっていることを特徴とする付記15または16に記載の光位相モニタ装置。
【0103】
(付記19)信号光と制御光パルスとを合波し、当該信号光のうち、当該制御光パルスと時間的に重複する部分を出力するスイッチ工程と、
前記スイッチ工程から出力された出力光の光位相を検出する位相検出工程と、
前記位相検出工程が検出した前記光位相の情報を表示する表示工程と、
を含むことを特徴とする光位相モニタ方法。
【産業上の利用可能性】
【0104】
以上のように、この発明にかかる光位相モニタ装置および光位相モニタ方法は、位相変調された信号光の位相情報をモニタする光位相モニタ装置および光位相モニタ方法に有用であり、特に、高速の信号光の位相情報をモニタする場合に適している。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】実施の形態1にかかる光位相モニタ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1にかかる光位相モニタ装置の光位相検出回路の構成(その1)を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1にかかる光位相モニタ装置の光位相検出回路の構成(その2)を示すブロック図である。
【図4】実施の形態1にかかる光位相モニタ装置の光位相検出回路の構成(その3)を示すブロック図である。
【図5】実施の形態2にかかる光位相モニタ装置の構成を示すブロック図である。
【図6】実施の形態2にかかる光位相モニタ装置の構成の具体例(その1)を示すブロック図である。
【図7】実施の形態2にかかる光位相モニタ装置の構成の具体例(その2)を示すブロック図である。
【図8】実施の形態2にかかる光位相モニタ装置の光スイッチの構成の具体例(その1)を示すブロック図である。
【図9】実施の形態2にかかる光位相モニタ装置の光スイッチの構成の具体例(その2)を示すブロック図である。
【図10】実施の形態2にかかる光位相モニタ装置の光スイッチを説明する図である。
【図11】信号光とアイドラ光の位相整合の条件の一例を示す図である。
【図12−1】実施の形態2にかかる光位相モニタ装置の表示回路が表示する位相変調信号光の2値の光位相情報を示すグラフの例である。
【図12−2】実施の形態2にかかる光位相モニタ装置の表示回路が表示する4相位相変調信号光の4値の光位相情報を示すグラフの例である。
【符号の説明】
【0106】
100,500 光位相モニタ装置
101 光スイッチ
102 光位相検出回路
103 表示回路
104 信号光
105 制御光パルス
201 局発光源
202 合波部
203,302a,302b 受光器
204 倍周器
205 フィルタ部
206 分周器
207,303a,303b 遅延部
208,304a,304b 乗算回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号光と制御光パルスとを合波し、当該信号光のうち、当該制御光パルスと時間的に重複する部分を出力する光スイッチと、
前記光スイッチから出力された出力光の光位相を検出する位相検出手段と、
前記位相検出手段が検出した前記光位相の情報を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする光位相モニタ装置。
【請求項2】
前記位相検出手段は、前記光位相を光ヘテロダイン検波方式によって検出することを特徴とする請求項1に記載の光位相モニタ装置。
【請求項3】
前記位相検出手段は、
局発光を出力する局発光源と、
前記局発光源と前記光スイッチから出力された出力光とを乗算した差周波信号を電気信号に変換する受光器と、
前記受光器によって変換された電気信号に対して同期検波を行う同期検波手段と、
によって構成されていることを特徴とする請求項2に記載の光位相モニタ装置。
【請求項4】
前記位相検出手段は、前記光位相を光ホモダイン検波方式によって検出することを特徴とする請求項1に記載の光位相モニタ装置。
【請求項5】
前記位相検出手段は、
局発光を出力する局発光源と、
前記局発光源と前記光スイッチから出力された出力光とを合波する合波手段と、
前記合波手段によって合波された合波光を分岐する光カプラと、
前記光カプラによって分岐された分岐光のそれぞれに対して遅延検波を行う遅延検波手段と、
によって構成されていることを特徴とする請求項4に記載の光位相モニタ装置。
【請求項6】
前記位相検出手段は、マッハツェンダ干渉計によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光位相モニタ装置。
【請求項7】
前記制御光パルスを出力するパルス発生手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の光位相モニタ装置。
【請求項8】
前記パルス発生手段は、前記信号光の繰り返し周波数から所定の周波数だけずれた周波数、または当該繰り返し周波数を分周した周波数から所定の周波数だけずれた周波数の制御光パルスを出力することを特徴とする請求項7に記載の光位相モニタ装置。
【請求項9】
前記光スイッチは、光パラメトリック増幅ファイバスイッチによって構成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の光位相モニタ装置。
【請求項10】
信号光と制御光パルスとを合波し、当該信号光のうち、当該制御光パルスと時間的に重複する部分を出力するスイッチ工程と、
前記スイッチ工程から出力された出力光の光位相を検出する位相検出工程と、
前記位相検出工程が検出した前記光位相の情報を表示する表示工程と、
を含むことを特徴とする光位相モニタ方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12−1】
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【図12−2】
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【公開番号】特開2008−170525(P2008−170525A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−1316(P2007−1316)
【出願日】平成19年1月9日(2007.1.9)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】