説明

光偏向器

【課題】光偏向器は、ビームをポリゴンミラーの各反射面の反射により感光体等へ走査する際における各鏡面のある基準面に対するバラツキを有している。画像形成を高画質化するためには、ポリゴンミラーの面倒れを高精度に調整する必要がある。
【解決手段】 固定軸の外側に回転可能に取り付けられたスリーブと、スリーブに固定されたフランジと、フランジ上に載置された弾性部材と、弾性部材上に載置されたポリゴンミラーと、ポリゴンミラーの上部にてスリーブに固定され、複数の調整ネジが取り付けられた押圧部材とを備え、調整ネジの先端をポリゴンミラーの上面に当接させて、ポリゴンミラーをフランジ側に押し付けた光偏向器において、調整ネジの数は3本以上であって、ポリゴンミラーの鏡面の面数を調整ネジの個数で除算した場合に整数となる数であり、調整ネジは押圧部材に等間隔で取り付け、調整ネジによりポリゴンミラーの面倒れ調整ができるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザープリンタやデジタル複写機等の画像形成装置に用いられる光偏向器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザープリンタやデジタル複写機等の画像形成装置に用いられる光偏向器としては、図19に示されるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この光偏向器は、ハウジング100に固定配設される円柱状の固定軸101と、この固定軸101に回転自在に支持される回転体110とを有している。
この回転体110は、固定軸101との間にわずかの隙間をもって配設されるスリーブ111と、このスリーブ111の上部内側に固定配設されるリング状のマグネット112と、スリーブ111の中央部外側に固定配設されるポリゴンミラー113と、スリーブ111の下部外側にフランジ114を介して固定配設されるリング状の駆動マグネット115とを備えている。
尚、符号116は、回転体110の重量の偏心を修正するためのバランスウェイト(図示せず)が取り付けられる溝である。
【0004】
また、固定軸101の上部外側には、回転体110に設けられたリング状マグネット112と対向するようにリング状マグネット102が固定配設されており、これらリング状マグネット102及び112によって回転体110をスラスト方向に軸受けするスラスト磁気軸受Sが構成されている。
【0005】
更に、ハウジング100には、回転体110に設けられたリング状の駆動マグネット115と対向するように鉄心コイル103が固定配設されており、これら駆動マグネット115及び鉄心コイル103によって回転体110を回転させるモータMが構成されている。
【0006】
また、回転体110のスリーブ111のうち、固定軸101と対向する内周面111aは、軸受面仕上げが施される一方、このスリーブ111の内周面111aと対向する固定軸101の外周面101aには図中破線で示すようにヘリングボーン状の溝104が形成されており、これらスリーブ111の内周面111a及び固定軸101の外周面101aに設けられた溝104によって、回転体110をラジアル方向に支持するラジアル動圧軸受Rが構成されている。
【0007】
この光偏向器では、モータMにより回転体110を回転させると、回転体110が、ラジアル動圧軸受Rにより固定軸101に対して一定距離(隙間)をもって非接触に支持されると共に、スラスト磁気軸受Sにより固定軸101に対して一定高さに支持されることとなる。これにより、スラスト方向の軸受として動圧軸受を用いるタイプのものより、光偏向器の高さを低くできるという利点がある。
また、回転体110の重心の位置を回転体110の略中心の位置にすることができるので、回転体110を安定して回転させることができる。
【0008】
この光偏向器は、一般に、面倒れという、ビームをポリゴンミラーの各反射面の反射により感光体等へ走査する際における各鏡面のある基準面に対するバラツキを有している。画像形成を高画質化するためには、ポリゴンミラーの面倒れを高精度に調整して無くす必要がある。
【0009】
この面倒れ調整を行うために、ポリゴンミラーの下面に取付座、上面に剛性板体を設け、この剛性板体を調整ビスで加圧する面倒れ調整機構を設けた光ビーム走査装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0010】
この光ビーム走査装置は、剛性材料だけでできているので、調整ビスによる剛性板体の加圧により、剛性板体を塑性変形させることによって、ポリゴンミラーの面倒れ調整を行うものである。
【0011】
【特許文献1】特開平5−71532号公報
【特許文献2】特開昭62−164984号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、調整ビスにより剛性板体を塑性変形させると、アルミニウムを主成分とするポリゴンミラーは塑性変形する。このため、ポリゴンミラーの鏡面の平面度が悪くなるという問題がある。
【0013】
また、複数の調整ビスによる面倒れの調整は、面倒れの調整が高精度になるにつれ、各調整ビスの可逆的な微調整(調整ビスを左右回転させることによる微調整)が必要になるが、剛性板体が塑性変形すると、可逆的な微調整ができないという問題がある。
【0014】
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、ポリゴンミラーの下面に弾性部材を設け、ポリゴンミラーの上面を調整ビスで押圧するという簡単な構成により、高精度な面倒れ調整を可能とする光偏向器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、固定軸の外側に回転可能に取り付けられたスリーブと、このスリーブに固定されたフランジと、このフランジの上に載置された弾性部材と、この弾性部材の上に載置され、複数の鏡面を有するポリゴンミラーと、このポリゴンミラーの上部にてスリーブに固定され、固定軸と平行に複数の調整ネジが取り付けられた押圧部材とを備え、調整ネジの先端をポリゴンミラーの上面に当接させて、ポリゴンミラーをフランジ側に押し付けた光偏向器に関する。
【0016】
そして、調整ネジの数は、3本以上であって、ポリゴンミラーの鏡面の面数を調整ネジの個数で除算した場合に整数となる数であり、調整ネジは、押圧部材に等間隔で取り付けられている。
【0017】
つまり、調整ネジの数M(M≧3)は、ポリゴンミラーの面数をNとすると、N÷M=整数となる場合のMである。例えば、ポリゴンミラーの面数N=6のときは、M=3であれば、N÷M=2(整数)となるので、調整ネジの数を3本とすることができる。また、M=6であっても、N÷M=1(整数)となるので、調整ネジの数を6本とすることができる。しかし、ポリゴンミラーの面数N=6のとき、M=4とすると、N÷M=1.5となり、整数とならないので、調整ネジの数を4本とすることはできない。
【0018】
本発明においては、上記の本数に加えて、各調整ネジが押圧部材に等間隔で取り付けられていることが必要である。つまり、前記した調整ネジの数が3本の場合だと、調整ネジは、120°間隔であることが必要であり、6本の場合は、60°間隔であることが必要である。一般式で表すと、調整ネジの本数をM(M≧3)とすると、調整ネジの間隔は、360°÷Mとなる。
【0019】
かかる構成の光偏向器は、光偏向器を組み立てた後であっても、調整ネジを微調整することにより、高精度な面倒れ調整ができる。ここで、面倒れとは、ポリゴンミラーの組立て精度や加工精度等が起因して生じる反射面の傾き誤差のことをいう。この面倒れが大きいと、ポリゴンミラーの反射面により反射したビームが感光体の結像面上に結像する位置が変化するので、画像品質に大きく影響することになる。
【0020】
また、本発明は、前記したスリーブが回転するタイプの光偏向器だけではなく、回転軸が回転するタイプの光偏向器にも適用することができる。すなわち、軸受の内側に回転可能に取り付けられた回転軸と、この回転軸に固定されたフランジと、このフランジの上に載置された弾性部材と、この弾性部材の上に載置され、複数の鏡面を有するポリゴンミラーと、このポリゴンミラーの上部にて回転軸またはフランジに固定され、固定軸と平行に複数の調整ネジが取り付けられた押圧部材とを備え、調整ネジの先端をポリゴンミラーの上面に当接させて、ポリゴンミラーをフランジ側に押し付けた光偏向器にも適用することができる。
【0021】
このタイプの光偏向器においても、前記したように、調整ネジの数は、3本以上であって、ポリゴンミラーの鏡面の面数を調整ネジの個数で除算した場合に整数となる数であり、調整ネジは、押圧部材に等間隔で取り付けられていることが必要である。
【0022】
かかる構成の光偏向器においても、前記したように、光偏向器を組み立てた後、調整ネジを微調整することにより、高精度な面倒れ調整ができる。
【0023】
また、前記した2タイプの光偏向器において、ポリゴンミラーの上面および下面に、剛性板を設けることが望ましい。ポリゴンミラーの上面に剛性板を設ける理由は、ポリゴンミラーの上面において調整ネジが3点以上当接しているので、この当接点におけるポリゴンミラーの変形を防止または分散するためである。
【0024】
ポリゴンミラーの下面に剛性板を設ける理由は、ポリゴンミラーの下面には弾性部材があるので、ポリゴンミラーと弾性部材の接点でのポリゴンミラーの変形を防止または分散するためである。
【0025】
このように、ポリゴンミラーの上面および下面に剛性板を設けることにより、調整ネジおよび弾性部材とポリゴンミラーの接点におけるポリゴンミラーの変形を防止または分散できる。このため、調整ネジおよび弾性部材とポリゴンミラーの接点に生じるポリゴンミラーの変形が原因で発生するポリゴンミラーの鏡面の変形(鏡面の平面度の悪化)を防止または極小化しつつ、調整ネジの微調整による高精度な面倒れ調整ができる。
【0026】
また、本発明は、前記した光偏向器において、押圧部材の下面中央部に突起部が形成されており、この突起部がポリゴンミラーまたは剛性板に載置されていても良い。
【0027】
かかる構成により、調整を要さない調整ネジは、ポリゴンミラーの上面または剛性板の上面との適切な距離を保つことができる。つまり、鏡面が6面であるポリゴンミラーに調整ネジが3本ある場合において、その内の1本の調整ネジを用いて面倒れ調整をしたと仮定した場合、他の2本の調整ネジの先端は、ポリゴンミラーまたは剛性板から離れていることが望ましい。なぜならば、何らかの理由により他の2本の調整ネジがポリゴンミラーまたは剛性板に当たると、面倒れが発生するからである。
【0028】
そこで、押圧部材の下面中央部に突起部を形成し、この突起部をポリゴンミラーまたは剛性板に載置することにより、突起部の高さ(軸方向の突出量)分、面倒れ調整に使用しなかった調整ネジの先端をポリゴンミラーまたは剛性板の上面から離間させることができる。
【0029】
また、本発明は、前記した光偏向器において、調整ネジの位置は、ポリゴンミラーの各鏡面間の各稜線部とポリゴンミラーの中心とを結ぶ各線上にしたものであっても良い。ここで、稜線部とは、ポリゴンミラーの外周に形成された鏡面間の境界部をいう。
【0030】
例えば、鏡面が6面あるポリゴンミラーの場合、稜線部は6個あるので、各稜線部とポリゴンミラーの中心とを結ぶ線は60°間隔で6本になる。そして、調整ネジが6本の場合、全ての調整ネジの先端が、前記した6本の線上に位置することになる。また、調整ネジが3本の場合は、3本の調整ネジが6本中120°間隔の3本の線上に位置することになる。
【0031】
かかる構成により、調整ネジの先端がポリゴンミラーに当接することにより生じるポリゴンミラーの変形は、稜線部の内側になる(鏡面から遠い)ので、鏡面の平面度への影響を少なくすることができる。
【0032】
また、本発明は、前記した光偏向器において、調整ネジは、ポリゴンミラーの鏡面の中央内側に位置させても良い。ここで、鏡面の中央内側とは、ポリゴンミラー側であって、1つの鏡面の両端部に存する稜線部から等距離にある位置をいう。
【0033】
かかる構成により、鏡面の内側を調整ネジで直接押すため、面倒れ調整をダイレクトに行うことができるので、面倒れの調整に要する時間を短縮することができる。
【0034】
また、本発明は、前記した光偏向器において、調整ネジにアロック加工を施しても良い。ここで、アロック加工とは、振動と衝撃に対してゆるみ止め効果が高く、数回くり返し使用可能な調整ネジのネジ部に対して施す処理のことをいう。
【0035】
ネジ部にアロック加工を施した調整ネジを用いることにより、調整ネジのネジ部のがたつきが無くなるので、調整ネジを微小な単位で回転させることができ、面倒れ調整をさらに高精度に行うことができる。
【0036】
また、本発明は、押圧部材における調整ネジが取り付けられる箇所に座ぐりを設け、この座ぐりに調整ネジの頭部を埋没させても良い。
【0037】
かかる構成により、押圧部材の上面から調整ネジの頭部が突出しないので、風損を低減することができる。なぜならば、調整ネジの頭部が押圧部材の上面から突出していると、空気の抵抗が発生し、回転体の回転にとってマイナスの要因に
なるからである。
【0038】
ここで、風損とは、回転する回転体が、その周囲の気体(通常は空気)が受ける抵抗に起因するエネルギーの損失をいう。この風損は、回転体の回転数が上がるに従い大きくなる。
【0039】
また、本発明は、弾性部材がポリゴンミラーまたは下部剛性板に接する点の真上に、調整ネジがポリゴンミラーまたは上部剛性板に接する点を位置させることが望ましい。
【0040】
この場合、ポリゴンミラーに加わる力点が上下方向で略同一となるので、面倒れ調整を高精度にすることができる。
【発明の効果】
【0041】
本発明により、光偏向器の組み立て後であっても、高精度な面倒れ調整ができる光偏向器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下に実施例を用いて、本発明を詳細に説明する。
【実施例1】
【0043】
本発明に係る第1実施例を図1および図2を用いて説明する。
図1は光偏向器の側部断面図、図2は図1における光偏向器の回転体の平面図である。尚、説明を分かり易くするため、図1において固定軸は断面にしていない。
【0044】
光偏向器1は、ハウジング2に図示しないネジ等で固定された円柱形状の固定軸3と、この固定軸3に回転自在に支持される回転体4とから構成されている。
【0045】
この回転体4は、固定軸3との間に僅かの隙間をもって挿入された円筒状のスリーブ5と、このスリーブ5の下部において固定されたフランジ8と、このフランジ8の凸部18上に置かれたリング形状の板バネ等の弾性部材9と、弾性部材9の上に置かれたリング形状の下部剛性板19と、この下部剛性板19上に置かれ、外周面に多数の鏡面20が形成されたポリゴンミラー7と、このポリゴンミラー7の上に置かれた上部剛性板11と、スリーブ5の上部で圧入又は焼嵌等により強制的にスリーブ5に嵌入した押圧部材6と、フランジ8に接着剤等で固定した駆動マグネット12とから構成されている。
【0046】
そして、この駆動マグネット12と、これを取り囲むように配設されたコイル16との間の磁気吸引力によりスラスト磁気軸受が構成されているので、回転体4は、常に浮上した状態に保たれている。
【0047】
また、駆動マグネット12には、リング状の溝15が形成されており、回転体4の偏心を修正するための接着剤からなるバランスウエイトを、溝15に取り付けることができる。
【0048】
そして、ポリゴンミラー7の内周面とスリーブ5の外周面には、隙間が設けられている。この隙間は、ポリゴンミラー7を面倒れ調整してもポリゴンミラー7の内周面がスリーブ5の外周面に当たらない間隔に設定されている。本実施例においては、5ミクロンの隙間が設けられている。
【0049】
また、リング状の押圧部材6には、略60度の間隔で6つのネジ孔が設けられており、このネジ孔のそれぞれに調整ネジ14が取り付けられている。この調整ネジ14の先端は、上部剛性板11の上面に当接されている。
【0050】
そして、調整ネジ14は、図2に示すように、各鏡面20間の各稜線部10と、ポリゴンミラー7の中心を結ぶ線上に位置している。このため、調整ネジ14がポリゴンミラー7を押圧する点が鏡面20から離れているので、調整ネジ14による押圧力によるポリゴンミラー7の鏡面20の変形を極小化することができる。
【0051】
これらの6つの調整ネジ14の少なくとも1つを、左右のいずれかの方向に回転させることにより、ポリゴンミラー7の全体が図1におけるA方向に傾き、ポリゴンミラー7の反射面の傾き(面倒れ)を微調整することができる。
【0052】
この際、ポリゴンミラー7の下面に取り付けられた下部剛性板19の下には、弾性部材9があるので、調整ネジ14を右回転して調整ネジの先端を下方に突き出すと、弾性部材9の変形量が大きくなる。つまり、弾性部材9がつぶれる方向に変形する。また、調整ネジ14を左回転して調整ネジの先端を上方に引っ込めると、弾性部材9の変形量が小さくなる。つまり、弾性部材9が元に戻る方向に変形する。
【0053】
このように、調整ネジ14を右または左に回転させて、調整ネジ14の先端を下方または上方に移動させると、調整ネジ14の先端の移動量に応じて弾性部材9が変形するので、ポリゴンミラー7自体が変形することが無く、ポリゴンミラー7の鏡面20の平面度が面倒れの調整作業により影響を受ける(悪化する)ことがない。
【0054】
また、調整ネジ14の先端の移動にポリゴンミラー7を追随させるために、調整ネジ14にポリゴンミラー7を押し付けるものとして弾性部材9を用いているので、弾性部材9に腐食処理が施されていれば、劣化がなく、回転体4の高速回転により発生した遠心力により弾性部材9が変形することがない。
【0055】
尚、ポリゴンミラー7の上下面に取り付けられている上部剛性板11および下部剛性板19は、ポリゴンミラー7が受ける調整ネジ14の力およびバネ部材9の力を受けるためのものであり、ポリゴンミラー7の変形を防止するためのものである。
【0056】
また、本実施例において、調整ネジ14のネジ部にアロック加工を施しても良い。この場合は、調整ネジのネジ部にナイロン樹脂が熔着されているので、調整ネジ14にがたつきが無い。このため、ポリゴンミラー7の鏡面20の面倒れ調整を高精度に行うことができる。
【0057】
さらに、本実施例においては、弾性部材9が下部剛性板19に接する点の真上に、調整ネジ14が上部剛性板11に接する点が位置しているので、ポリゴンミラー7に加わる力点が上下方向で略同一となっている。このため、高精度な面倒れ調整が実現している。
【実施例2】
【0058】
本発明の他の実施例を図3および図4を用いて詳細に説明する。
図3は光偏向器の側部断面図、図4は図3における光偏向器の回転体の平面図である。尚、説明を分かり易くするため、図3において固定軸は断面にしていない。また、実施例1に係る光偏向器と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0059】
本実施例2に係る光偏向器の実施例1との相違点は、調整ネジの本数を3本にした点のみである。
【0060】
図4に示すように、調整ネジ14は、各鏡面20間の各稜線部10とポリゴンミラー7の中心を結ぶ線上であって、120°の等間隔で押圧部材6に取り付けられている。このため、調整ネジ14によりポリゴンミラー7の面倒れ調整ができる。また、調整ネジ14とポリゴンミラー7の鏡面20が離れているので、調整ネジ14による押圧力によるポリゴンミラー7の鏡面20の変形を極小化することができる。
【実施例3】
【0061】
本発明の他の実施例を図5および図6を用いて詳細に説明する。
図5は光偏向器の側部断面図、図6は図5における光偏向器の回転体の平面図である。尚、説明を分かり易くするため、図5において固定軸は断面にしていない。また、実施例2に係る光偏向器と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0062】
本実施例3に係る光偏向器の実施例2との相違点は、調整ネジの位置をポリゴンミラーの鏡面の中央内側に位置させた点のみである。
【0063】
ここで、鏡面の中央内側とは、図6に示すように、1つの鏡面20(幅C)の両端部に存する稜線部10から等距離(B=C/2)にある位置と、ポリゴンミラー7の中心を結んだ線上のポリゴンミラー7側の位置をいう。
【0064】
調整ネジ14を120°の等間隔で鏡面20の中央内側に設けることにより、鏡面20の角度をダイレクトに調整することができるので、面倒れ調整時間を短縮することができる。すなわち、調整ネジ14が近傍にある鏡面20は、調整ネジ14の上下方向の移動量がそのまま鏡面20の面倒れの調整量となるので、短時間で面倒れ調整をすることができる。
【実施例4】
【0065】
本発明の他の実施例を図7を用いて詳細に説明する。
図7は、光偏向器の側部断面図である。尚、説明を分かり易くするため、図7において固定軸は断面にしていない。また、実施例2または実施例3に係る光偏向器と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0066】
本実施例4に係る光偏向器の実施例2または実施例3との相違点は、ポリゴンミラー7の上下面の剛性板を無くした点のみである。
【0067】
剛性板11および19が無いと、調整ネジ14および弾性部材9がポリゴンミラー7に接触する点において、ポリゴンミラー7が変形し、鏡面20の平面度が悪化する。
【0068】
しかし、鏡面20の平面度のスペックが緩やかな光偏向器については、かかる構成を採用することができ、面倒れ調整が高精度にでき、かつ、部品点数の少ない安価な光偏向器を提供することができる。
【実施例5】
【0069】
本発明の他の実施例を図8を用いて詳細に説明する。
図8は、光偏向器の側部断面図である。尚、説明を分かり易くするため、図8において固定軸は断面にしていない。また、実施例4に係る光偏向器と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0070】
本実施例5に係る光偏向器の実施例4との相違点は、調整ネジ14の本数を6本にした点と、押圧部材の下面の中央部に寸法Dの突起部を設けた点のみである。
【0071】
この押圧部材46に形成した突起部21でポリゴンミラー7を押圧しつつ、押圧部材46をスリーブ5の上部に圧入して固定することにより、ポリゴンミラー7の最初の面倒れ調整をしながら、ポリゴンミラー7を回転体4に固定することができる。
【0072】
その際、押圧部材46に60°の等間隔で設置した6本の調整ネジ14の先端が、図8の左側に示した調整ネジ14のように、押圧部材46の下面から突出しないようにすると、面倒れ調整で使用しない調整ネジ14の先端をポリゴンミラー7の上面から距離Dだけ常に離すことができる。
【0073】
そうすると、面倒れ調整に使用しない調整ネジ14の先端が何らかの理由によりポリゴンミラー7の上面に当たることにより、面倒れを発生させるという不具合を無くすことができる。
【0074】
尚、押圧部材46に形成した突起部21でポリゴンミラー7を押圧した後、面倒れを調整する場合は、言うまでもなく調整ネジ14を用いて行う(図8の右側の調整ネジ14)。
【実施例6】
【0075】
本発明の他の実施例を図9を用いて詳細に説明する。
図9は、光偏向器の側部断面図である。尚、説明を分かり易くするため、図9において固定軸は断面にしていない。また、実施例1に係る光偏向器と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0076】
本実施例6に係る光偏向器の実施例1との相違点は、押圧部材の下面に寸法Eの突起部を設けた点のみである。
【0077】
この場合、押圧部材46に形成した突起部21は、上部剛性板11の上面に当接することになるが、上部剛性板11、ポリゴンミラー7および下部剛性板19を押圧部材46によりフランジ8側に押し付けるので、本実施例においても、前記した実施例5と同じ効果を得ることができる。
【実施例7】
【0078】
本発明に係る第7実施例を図10および図11を用いて説明する。
図10は光偏向器の側部断面図、図11は図10における光偏向器の回転体の平面図である。尚、説明を分かり易くするため、図10において回転軸は断面にしていない。
【0079】
本実施例7に係る光偏向器の実施例1との相違点は、実施例1はスリーブが回転するタイプの光偏向器であるのに対し、本実施例は回転軸が回転するタイプの光偏向器である点である。
【0080】
すなわち、図10に示すように、光偏向器31は、ハウジング2に接着剤等で固定され、内部に2個のベアリング23を有する軸受35と、この軸受35に回転自在に支持される回転体34とから構成されている。
【0081】
この回転体34は、2個のベアリング23により回転可能に支持された回転軸22と、回転軸22の上部において固定されたフランジ38と、このフランジ38上に置かれたリング状の板バネ等の弾性部材9と、弾性部材9の上に置かれた下部剛性板19と、この下部剛性板19上に置かれた外周面に多数の鏡面20が形成されたポリゴンミラー7と、このポリゴンミラー7の上に置かれた上部剛性板11と、フランジ38の上部で圧入又は焼嵌等により強制的に嵌入した押圧部材6と、フランジ38に接着剤等で固定された駆動マグネット12とから構成されている。
【0082】
そして、ポリゴンミラー7の内周面と対向するフランジ38の外周面には、隙間が設けられている。この隙間は、ポリゴンミラー7を面倒れ調整してもポリゴンミラー7の内周面が、ポリゴンミラー7の内周面と対向するフランジ38の外周面に当たらない間隔に設定されている。本実施例においては、10ミクロン〜30ミクロンの隙間が設けられている。
【0083】
また、リング状の押圧部材6には、略60度の間隔で6つのネジ孔が設けられており、このネジ孔のそれぞれに調整ネジ14が取り付けられている。この調整ネジ14の先端は、上部剛性板11の上面に当接されている。
【0084】
そして、調整ネジ14は、図11に示すように、各鏡面20間の各稜線部10と、ポリゴンミラー7の中心を結ぶ線上に位置している。このため、調整ネジ14から鏡面20が離れているので、調整ネジ14による押圧力によるポリゴンミラー7の鏡面20の変形(平面度の悪化)を極小化することができる。
【0085】
これらの6つの調整ネジ14の少なくとも1つを、左右のいずれかの方向に回転させることにより、ポリゴンミラー7の全体が図10におけるA方向に傾き、ポリゴンミラー7の反射面の傾き(面倒れ)を微調整することができる。
【0086】
この際、ポリゴンミラー7の下面に取り付けられた下部剛性板19の下には、弾性部材9があるので、調整ネジ14を右回転して調整ネジの先端を下方に出すと、弾性部材9の変形量が大きくなる。つまり、弾性部材9がつぶれる方向に変形する。また、調整ネジ14を左回転して調整ネジの先端を上方に引っ込めると、弾性部材9の変形量が小さくなる。つまり、弾性部材9が元に戻る方向に変形する。
【0087】
このように、調整ネジ14を右または左に回転させて、調整ネジ14の先端を下方または上方に移動させると、調整ネジ14の先端の移動量に応じて弾性部材9が変形するので、ポリゴンミラー7自体が変形することが無く、ポリゴンミラー7の鏡面の精度が面倒れの調整作業により影響を受けることがない。
【0088】
以上説明したように、本発明は、実施例1に示したスリーブが回転するタイプの光偏向器のみならず、本実施例に示した回転軸が回転するタイプの光偏向器にも適用することができる。
【実施例8】
【0089】
本発明の他の実施例を図12および図13を用いて詳細に説明する。
図12は光偏向器の側部断面図、図13は図12における光偏向器の回転体の平面図である。尚、説明を分かり易くするため、図12において回転軸は断面にしていない。また、実施例7に係る光偏向器と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0090】
本実施例8に係る光偏向器の実施例7との相違点は、調整ネジの本数を3本にし、かつ、調整ネジをポリゴンミラーの鏡面の中央内側に位置させた点のみである。
【0091】
図13に示すように、3本の調整ネジ14は、1つの鏡面20(幅C)の両端部に存する稜線部10から等距離(B=C/2)にある位置と、ポリゴンミラー7の中心を結んだ線上のポリゴンミラー7側の位置に、120°の等間隔で取り付けられている。
【0092】
かかる構成により、鏡面20の角度をダイレクトに変えることができるので、面倒れ調整時間を短縮することができる。
【実施例9】
【0093】
本発明の他の実施例を図14を用いて詳細に説明する。
図14は、光偏向器の側部断面図である。尚、説明を分かり易くするため、図14において回転軸は断面にしていない。また、実施例7に係る光偏向器と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0094】
本実施例9に係る光偏向器の実施例7との相違点は、押圧部材をフランジにネジで固定し、かつ、押圧部材で上部剛性板を下方向に押圧した点のみである。
【0095】
かかる構成により、押圧部材36をフランジ38にネジ24で固定することにより、上部剛性板11、ポリゴンミラー7および下部剛性板19は、弾性部材9の弾性力によりフランジ38に固定することができる。
【0096】
それと同時に、フランジ38の下面に押圧部材36が当接しているので、ポリゴンミラー7の鏡面20の最初の面倒れ調整ができる。
【0097】
そして、その後の面倒れ調整が不要であれば、図14の左側の調整ネジ14のように、上部剛性板11の上面と、調整ネジ14の先端を離すことができる。そうすると、面倒れ調整に使用しない調整ネジ14の先端が何らかの理由により上部剛性板11の上面に当たることにより、鏡面20の面倒れを発生させるという不具合を無くすことができる。
【0098】
尚、押圧部材36でポリゴンミラー7等を押圧した後、面倒れを調整する場合は、言うまでもなく調整ネジ14を用いて行う(図14の右側の調整ネジ14)。
【0099】
尚、本実施例において、調整ネジ14のネジ部にアロック加工を施しても良い。この場合は、調整ネジのネジ部にナイロン樹脂が熔着されているので、調整ネジ14にがたつきが無い。このため、ポリゴンミラー7の鏡面20の面倒れ調整を高精度に行うことができる。
【0100】
さらに、本実施例においては、弾性部材9が下部剛性板19に接する点の真上に、調整ネジ14が上部剛性板11に接する点が位置しているので、ポリゴンミラー7に加わる力点が上下方向で略同一となっている。このため、高精度な面倒れ調整が実現している。
【実施例10】
【0101】
本発明の他の実施例を図15および図16を用いて詳細に説明する。
図15は光偏向器の側部断面図、図16は上部剛性板の斜視図である。尚、説明を分かり易くするため、図15において回転軸は断面にしていない。また、実施例9に係る光偏向器と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0102】
本実施例10に係る光偏向器の実施例9との相違点は、押圧部材の下面の中央部に突起部を形成し、この突起部でポリゴンミラー7を押圧した点のみである。
【0103】
実施例9では、押圧部材36により上部剛性板11を押圧しているので、上部剛性板11の加工精度が鏡面20の面倒れに影響する。しかし、本実施例10においては、押圧部材37がポリゴンミラー7を直接押圧しているので、ポリゴンミラー7の上に上部剛性板26を設けた場合であっても、上部剛性板26の加工精度がポリゴンミラー7の鏡面20の面倒れに影響することが無い。
【0104】
尚、上部剛性板26は、図16に示すように、複数の突出部27を設けることが望ましい。なぜなら、図15の左側に示した調整ネジ14のように、面倒れ調整をしない調整ネジ14がある場合、調整ネジ14が上部剛性板26を押圧しない箇所が生じるので、回転体4の回転時に上部剛性板26がばたついて、回転体4の回転性能を悪化することになるからである。
【0105】
図16に示すように、上部剛性板26に複数の突出部27を設けることにより、上部剛性板26をポリゴンミラー7と押圧部材37の間で固定することができる。尚、調整ネジ14は、突出部27を避けて上部剛性板26を押圧させるようにすべきことは言うまでもない。
【実施例11】
【0106】
本発明の他の実施例を図17を用いて詳細に説明する。
図17は、光偏向器の側部断面図である。尚、説明を分かり易くするため、図17において回転軸は断面にしていない。また、実施例9に係る光偏向器と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0107】
本実施例11に係る光偏向器の実施例9との相違点は、フランジを固定するためのネジと、面倒れを調整するための調整ネジの頭部をR面取りした点である。
【0108】
かかる構成により、押圧部材36の上面から突出した調整ネジ14の頭部により生じる風損を低減することができる。
【実施例12】
【0109】
本発明の他の実施例を図18を用いて詳細に説明する。
図18は、光偏向器の側部断面図である。尚、説明を分かり易くするため、図18において回転軸は断面にしていない。また、実施例10に係る光偏向器と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0110】
本実施例12に係る光偏向器の実施例10との相違点は、押圧部材における調整ネジが取り付けられる箇所に座ぐりを設け、この座ぐりに調整ネジの頭部を埋没させた点のみである。
【0111】
かかる構成により、押圧部材40の上面から調整ネジ14およびネジ24の頭部が突出しないので、調整ネジ14およびネジ24が原因で発生する風損を低減することができる。なぜならば、調整ネジ14およびネジ24の頭部が押圧部材の上面から突出していると、空気の抵抗が発生し、回転体の回転にとってマイナスの要因になるからである。
【0112】
前記した実施例は、説明のために例示したものであって、本発明としてはそれに限定されるものではなく、特許請求の範囲、発明の詳細な説明、及び図面の記載から当事者が認識する事ができる本発明の技術的思想に反しない限り、変更および付加が可能である。
【0113】
例えば、前記した実施例においては、ポリゴンミラー7として6つの鏡面をもつものを示したが、6面のポリゴンミラーのみならず、5面であっても8面であっても良い。また、調整ネジの本数は、3本以上であって、ポリゴンミラーの鏡面20の面数を調整ネジの個数で除算した場合に整数となる数であれば良く、3本または6本以外であっても良い。
【0114】
例えば、8面の鏡面を持つポリゴンミラーの場合は8本又は4本、9面の鏡面を持つポリゴンミラーの場合は9本又は3本、12面の鏡面を持つポリゴンミラーの場合は、12本、6本、4本又は3本となる。
【0115】
また、前記した実施例は、回転軸が回転するタイプの光偏向器と、スリーブが回転するタイプの光偏向器を示したが、本発明の基本的な構成である弾性部材、下部剛性板、ポリゴンミラー、上部剛性板、押圧部材、調整ネジを用いる点は共通している。したがって、回転軸が回転するタイプの光偏向器で説明した発明をスリーブが回転するタイプの光偏向器で説明していない場合や、スリーブが回転するタイプの光偏向器で説明した発明を回転軸が回転するタイプの光偏向器で説明していない場合があるが、かかる基本的な構成は、双方の光偏向器で実施することができる。
【0116】
例えば、実施例12で説明した押圧部材に座ぐりを設ける構成は、スリーブが回転するタイプの光偏向器では説明しなかったが、かかるタイプの光偏向器においても実施することができ、風損を低減することができるという効果を得ることができる。
【0117】
また、本発明においては、スリーブまたはフランジの外周面とポリゴンミラーの内周面に隙間を設けているが、面倒れ調整後の状態を長期に亘って維持するため、この隙間に接着剤を流し込んでスリーブにポリゴンミラーを強固に固定しても良い。さらに、接着剤としてUV接着剤を用いても良い。
【0118】
さらに、前記した実施例においては、コイル16と駆動マグネット12だけでスラスト磁気軸受を構成した光偏向器を示したが、例えば、固定軸3の上端部に磁性体を設け、スリーブ5の上端部にスラストマグネットを設けることによりスラスト磁気軸受を構成しても良い。
【0119】
また、前記した実施例においては、調整ネジ14の先端が平面であるものを示したが、面倒れ調整のし易さの観点から、調整ネジ14の先端の形状は、球形状であることが望ましい。なぜなら、調整ネジ14の先端が平だと、面でポリゴンミラーまたは上部剛性板を押圧することになるが、調整ネジの先端が球(半球)だと、点でポリゴンミラーまたは上部剛性板を押圧することになるからである。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明は、画像形成装置等に使用される光偏向器に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明に係る光偏向器の側部断面図である(実施例1)
【図2】本発明に係る光偏向器の回転体の平面図である(実施例1)
【図3】本発明に係る光偏向器の側部断面図である(実施例2)
【図4】本発明に係る光偏向器の回転体の平面図である(実施例2)
【図5】本発明に係る光偏向器の側部断面図である(実施例3)
【図6】本発明に係る光偏向器の回転体の平面図である(実施例3)
【図7】本発明に係る光偏向器の側部断面図である(実施例4)
【図8】本発明に係る光偏向器の側部断面図である(実施例5)
【図9】本発明に係る光偏向器の側部断面図である(実施例6)
【図10】本発明に係る光偏向器の側部断面図である(実施例7)
【図11】本発明に係る光偏向器の回転体の平面図である(実施例7)
【図12】本発明に係る光偏向器の側部断面図である(実施例8)
【図13】本発明に係る光偏向器の回転体の平面図である(実施例8)
【図14】本発明に係る光偏向器の側部断面図である(実施例9)
【図15】本発明に係る光偏向器の側部断面図である(実施例10)
【図16】上部剛性板の斜視図である(実施例10)
【図17】本発明に係る光偏向器の側部断面図である(実施例11)
【図18】本発明に係る光偏向器の側部断面図である(実施例12)
【図19】従来の光偏向器を説明する側部断面図である
【符号の説明】
【0122】
1 光偏向器
2 ハウジング
3 固定軸
4 回転体
5 スリーブ
6 押圧部材
7 ポリゴンミラー
8 フランジ
9 弾性部材
10 稜線部
11 剛性板
12 駆動マグネット
14 調整ネジ
19 剛性板
20 鏡面
21 突起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定軸の外側に回転可能に取り付けられたスリーブと、
該スリーブに固定されたフランジと、
該フランジの上に載置された弾性部材と、
該弾性部材の上に載置され、複数の鏡面を有するポリゴンミラーと、
該ポリゴンミラーの上部にて前記スリーブに固定され、前記固定軸と平行に複数の調整ネジが取り付けられた押圧部材とを備え、
前記調整ネジの先端を前記ポリゴンミラーの上面に当接させて、前記ポリゴンミラーを前記フランジ側に押し付けた光偏向器において、
前記調整ネジの数は、3本以上であって、前記ポリゴンミラーの前記鏡面の面数を前記調整ネジの個数で除算した場合に整数となる数であり、
前記調整ネジは、前記押圧部材に等間隔で取り付けられたことを特徴とする光偏向器
【請求項2】
軸受の内側に回転可能に取り付けられた回転軸と、
該回転軸に固定されたフランジと、
該フランジの上に載置された弾性部材と、
該弾性部材の上に載置され、複数の鏡面を有するポリゴンミラーと、
該ポリゴンミラーの上部にて前記フランジに固定され、前記固定軸と平行に複数の調整ネジが取り付けられた押圧部材とを備え、
前記調整ネジの先端を前記ポリゴンミラーの上面に当接させて、前記ポリゴンミラーを前記フランジ側に押し付けた光偏向器において、
前記調整ネジの数は、3本以上であって、前記ポリゴンミラーの前記鏡面の面数を前記調整ネジの個数で除算した場合に整数となる数であり、
前記調整ネジは、前記押圧部材に等間隔で取り付けられたことを特徴とする光偏向器
【請求項3】
前記ポリゴンミラーの上面に上部剛性板が設けられ、かつ、前記ポリゴンミラーの下面に下部剛性板が設けられた請求項1または請求項2に記載の光偏向器
【請求項4】
前記押圧部材は、下面中央部に突起部が形成されており、
該突起部が前記ポリゴンミラーまたは前記上部剛性板に載置された請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の光偏向器
【請求項5】
前記調整ネジの先端は、前記ポリゴンミラーの各前記鏡面間の各稜線部と前記ポリゴンミラーの中心とを結ぶ各線上に位置した請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の光偏向器
【請求項6】
前記調整ネジの先端は、前記ポリゴンミラーの前記鏡面の中央内側に位置した請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の光偏向器
【請求項7】
前記調整ネジは、アロック加工が施された請求項1〜6のいずれか一つに記載の光偏向器
【請求項8】
前記押圧部材は、前記調整ネジが取り付けられる箇所に座ぐりが設けられており、
該座ぐりに前記調整ネジの頭部が埋没した請求項1〜7のいずれか一つに記載の光偏向器
【請求項9】
前記弾性部材が前記ポリゴンミラーまたは前記下部剛性板に接する点の真上に、前記調整ネジが前記ポリゴンミラーまたは前記上部剛性板に接する点が位置した請求項1〜請求項8のいずれか一つに記載の光偏向器

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−304628(P2008−304628A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−150641(P2007−150641)
【出願日】平成19年6月6日(2007.6.6)
【出願人】(000251288)鈴鹿富士ゼロックス株式会社 (156)
【Fターム(参考)】