説明

光加入者端末装置

【課題】 光加入者端末装置が光信号から変換した電気信号の周波数変換が必要な場合でも、光加入者端末装置の設置作業や配線作業を簡易化することができる
【解決手段】 正規の周波数帯とは異なる周波数帯に周波数変換された第1のテレビジョン信号を含む第2テレビジョン信号に基づいて生成され、光ファイバケーブル6を伝送された光信号を光電気変換器4が受信し、第1のテレビジョン信号に相当する第3テレビジョン信号を含む、第2のテレビジョン信号に相当する第4テレビジョン信号を出力する。コンバータ部24が第4テレビジョン信号から第3テレビジョン信号を分波して、正規の周波数帯の第5テレビジョン信号に周波数変換する。1つの筐体内に光電気変換装置4とコンバータ部24とが収容されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光共同受信システムにおいて加入者宅に設置される光加入者端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光共同受信システムでは、例えば特許文献1に開示されているように、建築物の屋上等に設置される受信点施設において、VHF帯の電波とUHF帯の信号と、BS・CSアンテナから出力される中間周波数帯の信号とを合成し、光送信機で光信号に変換し、光ファイバケーブルに送出する。光ファイバケーブルによって受信機側施設に伝送された光信号は、光受信機で電気信号に変換されて出力される。
【0003】
【特許文献1】特開2005−303748号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、光送信機として長距離光伝送が可能な外部変調型のものを使用すると、これは770MHz程度までの高周波信号しか扱えないので、1GHz帯の衛星放送中間周波信号や衛星通信中間周波信号は、そのままでは光信号に変換できない。そこで、衛星放送中間周波信号や衛星通信中間周波信号を、770MHzよりも低い周波数帯に周波数変換して、周波数変換後の信号を光信号に変換している。この光信号を加入者側で受信視聴する場合、光受信機で電気信号に変換した後、アップコンバータによって1GHz帯にアップコンバートしている。
【0005】
しかし、光受信機の他に、アップコンバータを設けなければならず、その上に光受信機とアップコンバータとを同軸ケーブル等の伝送線路で接続しなければならない。
【0006】
本発明は、光信号から変換した電気信号の周波数変換が必要な場合でも、設置作業や配線作業を簡易化できる光加入者端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の光加入者端末装置は、光電変換手段を有している。この光電変換手段は光信号を受信する。この光信号は、正規の周波数帯とは異なる周波数帯に周波数変換された第1のテレビジョン信号を含む第2テレビジョン信号に基づいて生成され、光伝送路を伝送されたものである。第1テレビジョン信号としては、例えば衛星放送中間周波信号や衛星通信中間周波信号を周波数変換したものがある。第2のテレビジョン信号は、例えば上述した衛星放送中間周波信号や衛星通信中間周波信号の周波数変換したものの他に、地上波テレビジョン放送信号や共同受信システムの自主放送信号を含むものである。光電変換手段は、第1のテレビジョン信号に相当する第3テレビジョン信号を含む、第2のテレビジョン信号に相当する第4テレビジョン信号を出力する。第3テレビジョン信号も例えば上述した衛星放送中間周波信号や衛星通信中間周波信号を周波数変換したものであり、第4テレビジョン信号は、上述した衛星放送中間周波信号や衛星通信中間周波信号の周波数変換したものの他に、地上波テレビジョン放送信号や共同受信システムの自主放送信号を含むものである。周波数変換手段が、光電変換手段の第4テレビジョン信号から第3テレビジョン信号を分波して、前記正規の周波数帯の第5テレビジョン信号に周波数変換する。例えば元の衛星放送中間周波信号や衛星通信中間周波信号に周波数変換する。この光電変換手段と周波数変換手段とが、1つの筐体内に収容されている。
【0008】
このように構成された光加入者端末装置によれば、非加入者端末装置のみで、周波数変換前のテレビジョン信号を得ることができる。従って、光電変換手段と周波数変換手段とを別個に用意したり、これらを接続したりする必要が無く、設置作業や配線作業を容易化することができる。
【0009】
さらに、第5テレビジョン信号と第4テレビジョン信号とを合成手段によって合成して出力することもできる。このように構成すると、周波数変換されていない第4テレビジョン信号と正規の周波数帯に戻したものである第5テレビジョン信号とを合成した状態で出力できるので、1本の伝送線路でこれらを受信手段に伝送することができる。
【0010】
これに加えて、合成手段に供給される第4テレビジョン信号は、フィルタ手段によって第3テレビジョン信号を除去したものとすることができる。このように構成すると、第4テレビジョン信号中の不要な第3テレビジョン信号を除去しているので、周波数の有効利用を図ることができる上に、例えば第4のテレビジョン信号を増幅手段で増幅する場合、増幅手段での歪みの発生を減少させたり、増幅手段を高出力化することが可能となる。
【0011】
前記光電変換手段からの第4テレビジョン信号は、自動利得調整手段によって自動利得調整することができる。この場合、自動利得調整後の第4テレビジョン信号から第3テレビジョン信号が分波される。このように構成すると、少なくとも第3テレビジョン信号に基づく第5テレビジョン信号の信号レベルを一定に維持することができるし、第5テレビジョン信号と第4テレビジョン信号とを合成する場合でも、両テレビジョン信号の信号レベルを一定に維持することができ、個別にレベル調整する必要がない。
【0012】
また、第2テレビジョン信号は、第1テレビジョン信号の他に、正規の周波数帯の第6テレビジョン信号を含むことができる。例えば第6テレビジョン信号としては、地上波テレビジョン放送信号や自主放送信号が該当する。この場合、第4テレビジョン信号は、第6テレビジョン信号に相当する第7テレビジョン信号も含む。例えば光電変換手段からの出力信号として地上波テレビジョン放送信号や自主放送信号も出力される。更に、前記光信号には、第2テレビジョン信号の他に光制御信号も含まれ、前記光電変換手段は、前記光制御信号に対応する制御信号も出力する。抽出手段、例えばフィルタ手段が第6テレビジョン信号を第4テレビジョン信号から抽出する。この抽出手段で抽出された第6テレビジョン信号と前記周波数変換手段からの第5テレビジョン信号とのうち前記制御信号によって指示されたものを出力手段が出力する。出力手段としては、抽出手段と周波数変換手段との出力信号のうち選択されたもの(いずれか一方が選択される場合も、双方が選択される場合もある。)を通過させる通過手段を使用することができる。或いは、抽出手段の出力信号を通過させる通過手段を設け、この通過手段による通過、非通過の切換と周波数変換手段の動作、非動作を切換手段によって切り換えるものを使用することもできる。
【0013】
このように構成すると、第6テレビジョン信号と第5テレビジョン信号とのうち選択されたもの、例えば双方または一方を出力することができ、要求されている状況に応じた出力状態とすることができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、光加入者端末装置において、光信号から変換した電気信号の周波数変換が必要な場合でも、設置作業や配線作業を簡易化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の第1の実施形態の光加入者端末装置2は、全ての構成要素が1つの筐体内に収容されており、図1に示すように光電変換手段、例えば光電気変換器4を有している。光電気変換器4として、例えばAPDを使用したものを使用できる。光電気変換器4には、光伝送路、例えば光ファイバケーブル6を介してヘッドエンド(図示せず)から光信号が伝送されている。
【0016】
光信号は、第2のテレビジョン信号に基づいて発生したものである。第2のテレビジョン信号は、第6テレビジョン信号、例えば地上波テレビジョン放送信号、自主放送信号を含み、これに加えて第1テレビジョン信号を含むものである。第2のテレビジョン信号の周波数帯は、例えば70MHz乃至770MHzである。第1テレビジョン信号は、例えば衛星放送受信用アンテナで受信した衛星放送信号をこの衛星放送受信用アンテナに付属するコンバータによって周波数変換した衛星放送中間周波信号を、更に周波数変換した変換衛星放送中間周波信号である。衛星放送中間周波信号は、例えば1035MHz乃至1332MHzと1GHz帯の周波数帯が正規の周波数帯である。これを周波数変換したものが変換衛星放送中間周波信号である。その周波数変換は、衛星放送中間周波信号の周波数帯よりも低く、地上波テレビジョン放送信号や自主放送信号の周波数帯内で使用されていない周波数帯、例えば238MHz乃至383MHzの周波数帯へ行われている。これは、上述したように光送信機の仕様の関係上、770MHzよりも高い周波数帯の衛星放送中間周波数信号をそのまま光信号に変換できないからである。なお、この変換衛星放送中間周波信号は、図2(a)に示すように、各衛星放送信号のうちデジタル放送を行っている4波、BS−1、BS−3、BS−13、BS−15の中間周波信号を周波数変換したものである。ヘッドエンド側での周波数変換と端末側の周波数変換との関係上、衛星放送中間周波信号としては周波数が高いBS−15の変換衛星放送中間周波信号の周波数帯を最も低く、衛星放送中間周波信号としては周波数が最も低いBS−1の変換衛星放送中間周波信号の周波数帯を最も高く選択してある。このように周波数選択することによって、効率よく周波数変換を行える。
【0017】
この光信号を光電気変換器4が、第4のテレビジョン信号に変換する。第4のテレビジョン信号は、上述した第2のテレビジョン信号に相当するもので、第7テレビジョン信号、例えば70MHz乃至770MHzの地上波テレビジョン放送信号や自主放送信号を含んでいる。この第4のテレビジョン信号中に、第3のテレビジョン信号が含まれている。第3のテレビジョン信号は、上述した第1のテレビジョン信号に相当するもので、238MHz乃至383MHzの周波数の変換衛星放送中間周波信号である。
【0018】
この第4のテレビジョン信号を含む光信号レベルに応じた電圧は、自動利得調整手段、例えば光AGC回路8に供給される。光AGC回路8は、光電気変換器4に入力される信号レベルに基づいて、光AGC回路8から出力する第4のテレビジョン信号のレベルを予め定めた一定レベルに維持するものである。この一定レベルに維持された第4のテレビジョン信号中には、当然に第3のテレビジョン信号も含まれている。
【0019】
この光AGC回路8から出力された第4のテレビジョン信号は、増幅手段、例えば増幅器10によって一定利得で増幅された後、1分岐器12に供給される。1分岐器12の出力信号は、複数段の増幅手段、例えば3段の一定利得の増幅器14、16、18によって増幅された後、第4のテレビジョン信号のみを通過させるフィルタ、例えば遮断周波数が770MHzよりも幾分高いローパスフィルタ20を介して合成手段、例えば合成器22に供給される。
【0020】
一方、1分岐器12の分岐出力側に分岐された第4のテレビジョン信号は、周波数変換手段、例えばコンバータ部24に供給される。コンバータ部24は、第4のテレビジョン信号から第3のテレビジョン信号である各変換衛星放送中間周波信号を分波し、これらを第5のテレビジョン信号、例えば元の周波数帯の衛星放送中間周波信号にアップコンバートするものである。コンバータ部24は、2つのコンバータ24aと24bとを有している。
【0021】
コンバータ24aは、各変換衛星放送中間周波信号のうち周波数帯が238MHz乃至306MHzと低い周波数帯の2波(BS―15、BS−13に相当するもの)を1264MHz乃至1332MHzの元の周波数帯の衛星放送中間周波信号に周波数変換するものであり、1分岐器12の分岐出力から各変換衛星放送中間周波信号のうち低い周波数帯の2波を抽出するフィルタ手段、例えばバンドパスフィルタ26aを有している。このバンドパスフィルタ26aの通過帯域は上述した238MHz乃至306MHzである。
【0022】
このバンドパスフィルタ26aの出力信号は、増幅手段、例えば増幅器28aによって増幅され、ミキサ30aに供給される。ミキサ30aには、局部発振手段、例えば局部発振器32aから例えば周波数が1570MHzの局部発振信号が供給されている。ミキサ32aは、バンドパスフィルタ24aの238MHz乃至306MHzの信号を1264MHz乃至1332MHzの信号に周波数変換する。即ち、BS−15、BS−13に相当する変換衛星放送中間周波信号を同衛星放送中間周波信号にアップコンバートする。
【0023】
このミキサ30aの出力信号は、衛星放送中間周波信号を通過させるフィルタ手段、例えば通過帯域が1264MHz乃至1332MHzのバンドパスフィルタ34aによって不要な信号が除去され、増幅手段、例えば増幅器36aによって増幅される。増幅器36aの出力信号は、BS−15、BS−13に相当する衛星放送中間周波信号を通過させるフィルタ、例えば1264MHz以上の周波数の信号を通過させるハイパスフィルタ38aを介して合成器22に供給される。
【0024】
同様に、各変換衛星放送中間周波信号のうち周波数帯が315MHz乃至383MHzと高い周波数帯の2波(BS−3、BS−1に相当するもの)を1035MHz乃至1103MHzの元の周波数帯の衛星放送中間周波信号に、コンバータ24bが周波数変換する。コンバータ24bも、バンドパスフィルタ26b、増幅器28b、ミキサ30b、局部発振器32b、バンドパスフィルタ34b、増幅器36bを有し、ハイパスフィルタに代えてバンドパスフィルタ38bを用いている。バンドパスフィルタ26bの通過帯域は、315MHz乃至383MHz、局部発振器32bの局部発振信号の発振周波数は1418MHz、バンドパスフィルタ34b、38bの通過帯域は1035MHz乃至1103MHzである。コンバータ24bによって元の周波数帯に変換された1035MHz乃至1103MHzの2波の衛星放送中間周波信号は、合成器22に供給される。
【0025】
合成器22は、ローパスフィルタ20から供給された70MHz乃至770MHzの第4テレビジョン信号である地上波テレビジョン放送信号や自主放送信号と、ハイパスフィルタ38a、バンドパスフィルタ38bから供給された第5のテレビジョン信号である衛星放送中間周波信号とを合成して、出力端子40に出力する。
【0026】
図2(a)は、光電変換器4の出力を表したもので、同図(b)は出力端子40から出力されるこの光加入者端末装置2の出力を表したものである。両者の比較から明らかなように変換衛星放送中間周波信号が元の衛星放送中間周波信号に周波数変換されている。
【0027】
このように1台の光加入者端末装置2において、変換衛星放送中間周波信号を元の周波数帯の衛星放送中間周波信号に周波数変換しているので、光加入者端末装置の他にコンバータを別途用意する必要が無く、また光加入者端末装置とコンバータとを配線する必要もない。
【0028】
図3は、本発明の第2の実施形態の光加入者端末装置2aのブロック図で、増幅器16、18の間に、238MHz乃至383MHzの変換衛星放送中間周波信号を除去するフィルタ、例えばバンドエリミネータフィルタ42が設置されている以外、図1の光加入者端末装置と同一の構成である。同一部分には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0029】
図4は、この光加入者端末装置2aの出力端子40の出力を示したもので、バンドエリミネータフィルタ42を設けているので、地上波テレビジョン放送信号及び自主放送信号の周波数帯域において、238MHz乃至383MHzの変換衛星放送中間周波信号が除去されている。その結果、地上波テレビジョン放送信号及び自主放送信号に存在する波数が減少し、増幅器16、18での歪みが減少し、増幅器16、18での出力レベルを大きくすることができる。また、238MHz乃至383MHzの周波数帯域が空いたので、この周波数帯域を他の信号を伝送する周波数帯域として使用することができる。
【0030】
図5は、本発明の第3の実施形態の光加入者端末装置2bのブロック図で、制御回路50と、オン/オフ回路52、54、56とからなる出力選択手段を設けた以外、図1の実施形態の光加入者端末装置と同一の構成である。同一部分には同一符号を付して、その説明を省略する。制御回路50には、1分岐器12から分岐信号が供給されている。オン/オフ回路52は、ローパスフィルタ20と合成器22との間に設けられ、オン/オフ回路54はハイパスフィルタ38aと合成器22との間に設けられ、オン/オフ回路56はバンドパスフィルタ38bと合成器22との間に設けられている。これらオン/オフ回路52、54、56のうち制御回路50の出力信号によって指示されたものがオンとされ、他がオフとされる。オン/オフ回路52、54、56としては、制御回路50からの出力信号の供給によって高周波抵抗値が変化するPINダイオードや、制御回路50からの出力信号の供給によって切り換えられるリレー回路を使用することができる。
【0031】
この光加入者端末装置2bでは、光ファイバ6を介してヘッドエンドから伝送される光信号中には光制御信号が含まれている。光制御信号は、ヘッドエンドにおいて生成された制御信号をヘッドエンドで変換したもので、制御信号は、地上波テレビジョン放送信号や自主放送信号及び衛星放送中間周波信号のうち出力するものを指示する指示データで、搬送波を変調したものである。
【0032】
光ファイバ6を介してヘッドエンドから伝送された光信号が光電気変換部4に供給されることによって、光電気変換部4から出力される出力信号には、地上波テレビジョン放送信号や自主放送信号と、変換衛星放送中間周波信号の他に、光制御信号に対応する制御信号が含まれ、この制御信号を含む光電気変換部4の出力信号は、光AGC回路8、増幅器10及び1分岐器12を介して制御回路50に供給され、ここで制御信号が抽出され、支持データが復調される。この指示データに基づいて制御回路50が出力信号を発生し、オン/オフ回路52、54、56に供給される。その結果、オン/オフ回路52、54、56のうち指示データによって指定されたものがオンとされ、他がオフとされる。例えば地上波テレビジョン放送信号や自主放送信号のみを出力する場合には、オン/オフ回路52のみがオンとされる。また、地上波テレビジョン放送信号や自主放送信号と衛星放送中間周波信号とが出力される場合には、全てのオン/オフ回路52、54、56がオンとされる。
【0033】
このようにヘッドエンドから指示されたもののみが出力されるので、この光加入者端末装置を使用している家庭が結んでいる受信契約に従った信号をこの光加入者端末装置から出力することができ、不正視聴を防止することができる。このような制御が可能なのは、単に光信号を光電気変換部4で電気信号に変換して、そのまま家庭内の処理回路に供給するのではなく、この電気信号を地上波テレビジョン放送信号や自主放送信号と、変換衛星放送中間周波信号とに分けて、変換衛星放送中間周波信号はコンバータ24によって衛星放送中間周波信号に周波数変換しているからである。
【0034】
上記の3つの実施形態では、変換衛星放送中間周波信号の周波数帯域を238MHz乃至306MHzとしたが、これに限ったものではなく、ヘッドエンド側の光送信機で光信号に変換可能な周波数帯域の空き帯域であれば任意の帯域を使用することができる。また、上記の2つの実施形態では、光電気変換器4からの信号を用いて利得を制御する光AGC回路8を使用したが、これに限ったものではなく、例えば光電気変換器4の出力信号を用いて利得を制御するAGC回路を使用することもできる。上記の実施形態のでは2台のコンバータ24a、24bを設け、これらにそれぞれ2波の変換衛星放送中間周波信号を衛星放送中間周波信号に変換させたが、1台のコンバータによって4波全ての変換衛星放送中間周波信号を衛星放送中間周波信号に変換することもできる。また、上記の両実施形態では、変換衛星放送中間周波信号の周波数変換を行ったが、これに限ったものではなく、例えば衛星通信受信用アンテナに付属するコンバータから出力された衛星通信中間周波信号を70MHz乃至770MHzの周波数帯内の空き周波数帯に周波数変換した変換衛星通信中間周波信号を光信号に変換して伝送されたものを、電気信号に変換し、更に衛星通信中間周波信号に周波数変換することもできる。第3の実施形態では、オン/オフ回路52、54、56を使用したが、オン/オフ回路54、56を設けずに、例えば局部発振器32a、32bの電源供給を制御回路50によってオン/オフすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第1の実施形態の光加入者端末装置のブロック図である。
【図2】図1の光加入者端末装置の光電変換器の出力及びこの光加入者端末装置の出力の周波数特性図である。
【図3】本発明の第2の実施形態の光加入者端末装置のブロック図である。
【図4】図3の光加入者端末装置の出力の周波数特性図である。
【図5】本発明の第3の実施形態の光加入者端末装置のブロック図である。
【符号の説明】
【0036】
2 2a 光加入者端末装置
4 光電気変換器(光電変換手段)
22 合成器(合成手段)
24 コンバータ部(周波数変換手段)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
正規の周波数帯とは異なる周波数帯に周波数変換された第1のテレビジョン信号を含む第2テレビジョン信号に基づいて生成され、光伝送路を伝送された光信号を受信し、第1のテレビジョン信号に相当する第3テレビジョン信号を含む、第2のテレビジョン信号に相当する第4テレビジョン信号を出力する光電変換手段と、
この光電変換手段の第4テレビジョン信号から第3テレビジョン信号を分波して、前記正規の周波数帯の第5テレビジョン信号に周波数変換する周波数変換手段とを、
1つの筐体内に収容した光加入者端末装置。
【請求項2】
請求項1記載の光加入者端末装置において、第5テレビジョン信号と第4テレビジョン信号とを合成手段によって合成して出力する光加入者端末装置。
【請求項3】
請求項2記載の光加入者端末装置において、前記合成手段に供給される第4テレビジョン信号は、フィルタ手段によって第3テレビジョン信号が除去されている光加入者端末装置。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれか記載の光加入者端末装置において、前記光電変換手段からの第4テレビジョン信号は、自動利得調整手段によって自動利得調整され、自動利得調整後の第4テレビジョン信号から第3テレビジョン信号が分波される光加入者端末装置。
【請求項5】
請求項1乃至4いずれか記載の光加入者端末装置において、第2テレビジョン信号は、第1テレビジョン信号の他に、正規の周波数帯の第6テレビジョン信号も含み、第4テレビジョン信号は、第6テレビジョン信号に相当する第7テレビジョン信号も含み、前記光信号には、第2テレビジョン信号の他に光制御信号も含み、前記光電変換手段は、前記光制御信号に対応する制御信号も出力し、
第6テレビジョン信号を第4テレビジョン信号から抽出する抽出手段と、
この抽出手段で抽出された第6テレビジョン信号と前記周波数変換手段からの第5テレビジョン信号とのうち前記制御信号によって指示されたものを出力する出力手段とを、
具備する光加入者端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−79191(P2008−79191A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−258501(P2006−258501)
【出願日】平成18年9月25日(2006.9.25)
【出願人】(000109668)DXアンテナ株式会社 (394)
【Fターム(参考)】