説明

光回線終端装置用の携帯用送信装置

【課題】光回線終端装置から離れた位置で当該光回線終端装置に関する情報を確認することができる、光回線終端装置用の携帯用送信装置を提供すること。
【解決手段】携帯用送信装置200は、光送信機から光伝送路を介して送信された光信号を受信してRF信号に変換する光回線終端装置10に対して、情報の送信を行う携帯用送信装置200であって、光回線終端装置10を操作するための操作指令を受け付ける操作部と、操作部によって受け付けた操作指令を光回線終端装置10に対して送信する送受信部を備える。例えば、操作指令は、光回線終端装置10にて検出された光信号の受信レベルを特定するための情報を光回線終端装置10から外部に出力させるための指令である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光回線終端装置用の携帯用送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、光通信技術の進展に伴い、光ケーブルを用いた光伝送システムが普及している。この光伝送システムによれば、数10km程度の無中継伝送が可能となるため、伝送システムを容易に広域化できる。この光伝送システムは、概略的には、送信者側に配置した光送信機と、受信者側に配置した光回線終端装置(ONU:Optical Network Unit)とを、光ケーブルにて構成された光伝送路を介して接続して構成されている。そして、送信者側においてTV信号や告知放送信号を混合し、この混合された電気信号を光送信機によって光信号に変換し、この光信号を光伝送路を介して光回線終端装置に送信する。この光回線終端装置では、光信号を電気信号(RF信号)に変換して、TV受像機や告知放送受信機に出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−174211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、光回線終端装置を受信者側に設置する際、光送信機から光伝送路を介して光回線終端装置に入力される光信号のレベルを確認する必要があった。この光回線終端装置に入力される光信号のレベルの確認は、作業者が入力される光信号のレベルを確認することができないため、具体的には別途用意した光パワーメータを光伝送路に接続して光信号のレベルを計測することにより行われていた。そのため、例えば建物の高い位置(例えば建物の屋根付近の外壁等)に光回線終端装置が設置された後、メンテナンス等のために光信号のレベルを確認する場合には、作業者が光回線終端装置の設置場所に上って、光伝送路から一旦光回線終端装置を取り外し、光パワーメータを光伝送路に接続して光信号のレベルを計測した後、再度光回線終端装置を光伝送路に接続する必要があり、作業が煩雑となっていた。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、光回線終端装置から離れた位置で当該光回線終端装置に関する情報を確認することができる、光回線終端装置用の携帯用送信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置は、光送信機から光伝送路を介して送信された光信号を受信して電気信号に変換する光回線終端装置に対して、情報の送信を行う携帯用送信装置であって、前記光回線終端装置を操作するための操作指令の入力を受け付ける受付手段と、前記受付手段によって受け付けられた操作指令を前記光回線終端装置に対して送信する送信手段とを備える。
【0007】
請求項2に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置は、請求項1に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置において、前記操作指令は、前記光回線終端装置にて検出された前記光信号の受信レベルを特定するための情報を、当該光回線終端装置から外部に出力させるための指令である。
【0008】
請求項3に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置は、請求項1又は2に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置において、前記受付手段は、前記光回線終端装置において前記電気信号の出力レベルの調整を行うための調整量の入力を受け付けるレベル調整量設定受付手段と、前記レベル調整量設定受付手段によって受け付けられた調整量に基づいて前記電気信号の出力レベルを調整するように、前記光回線終端装置を操作するための操作指令の入力を受け付けるレベル調整受付手段とを備え、前記送信手段は、前記レベル調整受付手段によって受け付けられた操作指令を前記光回線終端装置に対して送信する。
【0009】
請求項4に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置は、請求項1から3のいずれか一項に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置において、前記受付手段は、前記光回線終端装置を一意に識別するためのアドレスの入力を受け付けるアドレス設定受付手段と、前記アドレス設定受付手段によって受け付けられたアドレスと前記光回線終端装置に記憶されたアドレスとが合致した場合に、当該光回線終端装置に関する情報を外部に出力するように、当該光回線終端装置を操作するための操作指令の入力を受け付けるアドレス照合受付手段とを備え、前記送信手段は、前記アドレス照合受付手段によって受け付けられた操作指令を前記光回線終端装置に対して送信する。
【0010】
請求項5に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置は、請求項1から4のいずれか一項に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置において、前記受付手段は、前記光回線終端装置を一意に識別するためのアドレスの入力を受け付けるアドレス設定受付手段と、前記光回線終端装置に記憶されたアドレスを前記アドレス設定受付手段によって受け付けられたアドレスに変更するように、当該光回線終端装置を操作するための操作指令の入力を受け付けるアドレス変更受付手段を備え、前記送信手段は、前記アドレス変更受付手段によって受け付けられた操作指令を前記光回線終端装置に対して送信する。
【0011】
請求項6に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置は、請求項1から5のいずれか一項に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置において、前記光回線終端装置から当該光回線終端装置に関する情報を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信した前記光回線終端装置に関する情報を出力する出力手段とを備える。
【0012】
請求項7に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置は、請求項6に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置において、前記光回線終端装置に関する情報は、前記光回線終端装置にて検出された前記光信号の受信レベルを特定するための情報である。
【0013】
請求項8に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置は、請求項6又は7に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置において、前記光回線終端装置に関する情報は、前記光回線終端装置の制御状態に関する制御状態情報である。
【0014】
請求項9に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置は、請求項6から8のいずれか一項に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置において、前記光回線終端装置に関する情報は、前記光回線終端装置にて実行された制御の履歴に関する制御履歴情報である。
【0015】
請求項10に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置は、請求項6から9のいずれか一項に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置において、前記光回線終端装置に関する情報は、前記光回線終端装置を一意に識別するために当該光回線終端装置に記憶されたアドレスである。
【0016】
請求項11に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置は、請求項6から10のいずれか一項に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置において、前記受付手段にて受け付けられた操作指令に関する情報を記憶する記憶手段を備え、前記受付手段は、前記記憶手段に記憶された前記操作指令に関する情報を出力するように、当該携帯用送信装置を操作するための操作指令の入力を受け付ける出力受付手段を備え、前記出力手段は、前記出力受付手段によって受け付けられた操作指令に基づいて、前記記憶手段に記憶された前記操作指令に関する情報を出力する。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置によれば、光回線終端装置を操作するための操作指令が光回線終端装置に対して送信されるので、作業者が光回線終端装置から離れた位置で当該光回線終端装置を操作することができ、当該光回線終端装置に関する作業の効率化を図ることができる。
【0018】
請求項2に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置によれば、光回線終端装置にて検出された光信号の受信レベルを特定するための情報が光回線終端装置から外部に出力されるので、作業者が光回線終端装置から離れた位置で当該光回線終端装置の光信号の受信レベルを確認することができる。
【0019】
請求項3に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置によれば、電気信号の出力レベルの調整を行うための調整量が光回線終端装置に送信され、この調整量に基づいて光回線終端装置において電気信号の出力レベルの調整が行われるので、作業者が光回線終端装置から離れた位置で当該光回線終端装置の電気信号の出力レベルを容易に調整することができ、当該光信号の受信レベルの調整作業の効率化を図ることができる。
【0020】
請求項4に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置によれば、送信手段から送信されたアドレスと光回線終端装置に記憶されたアドレスとが合致した場合に、光回線終端装置に関する情報が外部に出力されるので、複数の携帯用送信装置が近接して配置されているような場合であっても、特定の光回線終端装置に関する情報を確認することができ、光回線終端装置に関する情報の確認作業の効率化を図ることができる。
【0021】
請求項5に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置によれば、送信手段から送信されたアドレスによって光回線終端装置に記憶されたアドレスが変更されるので、作業者が光回線終端装置から離れた位置で当該光回線終端装置に記憶されたアドレスを容易に変更することができ、アドレスの変更作業を効率的に行うことができる。
【0022】
請求項6に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置によれば、光回線終端装置に関する情報が携帯用送信装置によって受信されて出力されるので、作業者が光回線終端装置から離れた位置で当該光回線終端装置に関する情報を容易に確認することができる。
【0023】
請求項7に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置によれば、光回線終端装置の光信号の受信レベルを特定するための情報が携帯用送信装置によって受信されて出力されるので、作業者が光回線終端装置から離れた位置で当該光回線終端装置の光信号の受信レベルを容易に確認することができる。
【0024】
請求項8に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置によれば、光回線終端装置の制御状態情報が携帯用送信装置によって受信されて出力されるので、作業者が光回線終端装置から離れた位置で当該光回線終端装置の制御状態を確認することができる。
【0025】
請求項9に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置によれば、光回線終端装置の制御履歴情報が携帯用送信装置によって受信されて出力されるので、作業者が光回線終端装置から離れた位置で当該光回線終端装置の制御履歴を確認することができる。
【0026】
請求項10に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置によれば、光回線終端装置のアドレスが携帯用送信装置によって受信されて出力されるので、作業者が光回線終端装置から離れた位置で当該光回線終端装置のアドレスを確認することができる。
【0027】
請求項11に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置によれば、受付手段にて受け付けられた操作指令に関する情報が出力されるので、作業者が受付手段にて受け付けられた操作指令を事後的に確認することができ、例えば携帯用送信装置又は光回線終端装置にエラーが発生した場合に、そのエラーの原因を一層特定し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、実施の形態1に係る告知放送システムの全体構成を示す図である。
【図2】実施の形態1に係る光回線終端装置を示す図であり、(a)は正面図、(b)は底面図、(c)は側面図である。
【図3】図2に示す光回線終端装置の電気的構成を機能概念的に示したブロック図である。
【図4】実施の形態1に係る携帯用送信装置の外観構成を示す外観図である。
【図5】図4に示す携帯用送信装置の電気的構成を機能概念的に示したブロック図である。
【図6】実施の形態1に係る光回線終端装置及び携帯用送信装置が実行する表示処理の概略例を示したフローチャートである。
【図7】実施の形態2に係る光回線終端装置の電気的構成を機能概念的に示したブロック図である。
【図8】切替部の詳細を示す概略図である。
【図9】実施の形態2に係る携帯用送信装置の外観構成を示す外観図である。
【図10】図9に示す携帯用送信装置の電気的構成を機能概念的に示したブロック図である。
【図11】実施の形態2に係る光回線終端装置及び携帯用送信装置が実行するアドレス表示処理のフローチャートである。
【図12】実施の形態2に係る光回線終端装置及び携帯用送信装置が実行する受信レベル等表示処理のフローチャートである。
【図13】実施の形態2に係る光回線終端装置及び携帯用送信装置が実行する設定変更処理のフローチャートである。
【図14】実施の形態2に係る携帯用送信装置が実行する出力処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る光回線終端装置用の携帯用送信装置の各実施の形態を詳細に説明する。ただし、これら各実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0030】
〔実施の形態1〕
最初に、実施の形態1について説明する。この形態は、光回線終端装置にて検出された光信号の受信レベルを特定するための情報を出力手段に出力させる形態である。
【0031】
(構成)
最初に、各実施の形態に係るシステムの構成を説明する。図1は、実施の形態1に係る告知放送システムの全体構成を示す図である。
【0032】
図1に示すように、告知放送システム1は、各住戸に配置された光回線終端装置10と、当該光回線終端装置10に対して情報の入出力を行う光回線終端装置用の携帯用送信装置200を備えて構成されている。このうち、住宅の外部から引き込まれた光ケーブル2は当該住宅の外壁に設置された光回線終端装置10に接続されている。また、この光回線終端装置10から引き出された同軸ケーブル3は当該住宅内に設置されたデジタルTV4と接続されている。
【0033】
(構成−光回線終端装置)
まず、図1に示した光回線終端装置10の構成について説明する。図2は実施の形態1に係る光回線終端装置10を示す図であり、(a)は正面図、(b)は底面図、(c)は側面図である。なお、以下の説明においては、図2のX方向を左右方向、図2のY方向を上下方向、図2のZ方向を前後方向とする。また図3は、図2に示す光回線終端装置10の電気的構成を機能概念的に示したブロック図である。
【0034】
光回線終端装置10は、図2に示す筐体20の内部に、図3に示すPD(Photo Diode)30、増幅部40、出力端子50、送受信部60、表示部70、及び制御部80を備えている。
【0035】
筐体20は、光回線終端装置10の構造体であり、PD30、増幅部40、出力端子50、送受信部60、表示部70、及び制御部80を外部から保護する保護手段である。この筐体20は、図2に示すように、一側面を開放した略箱形状のベース部21と、このベース部21をその開放面側から略覆うカバー部22とを備えて構成されており、カバー部22はその上端部近傍位置においてベース部21に対して回動自在に軸支されている。カバー部22を閉じてベース部21を略覆った状態において、これらベース部21とカバー部22との対向位置には一対の引き込み口23が形成され、この引き込み口23を介して、光ファイバ(図示省略)を筐体20の内部に引込むことができ、あるいは、筐体20の内部から外部に光ファイバを引き出すことができる。また、引き込み口23の側方には、一対の端子孔24が形成されており、この端子孔24を介して、出力端子50(例えば、テレビ信号出力端子や同軸コネクタ等)が筐体20の外部に露出され、この出力端子50に信号ケーブル(以下、同軸ケーブル3)を接続することができる。
【0036】
図3に示すように、PD30は、光送信機(図示省略)から光伝送路(図示省略)を介して送信された光信号を電気信号(以下「RF信号」)に変換する光電変換手段である。PD30は、RF信号を増幅部40及び制御部80に出力する。
【0037】
増幅部40は、PD30から出力されたRF信号を増幅する増幅手段であり、例えば公知のAGC(Automatic Gain Control)回路を用いて構成され、制御部80によって制御される。
【0038】
出力端子50は、増幅部40にて増幅されたRF信号を光回線終端装置10の外部機器(例えばセットトップボックス)に出力する。
【0039】
送受信部60は、携帯用送信装置200から後述する操作指令を受信する受信手段であると共に、光回線終端装置10にて検出された光信号の受信レベルを特定するための情報を携帯用送信装置200に対して送信する送信手段である。この送受信部60は、例えば赤外線通信用の受光部及び送光部等を用いて構成される(後述する携帯用送信装置200の送受信部210も同様)。
【0040】
表示部70は、制御部80による制御に基づき情報を表示する表示手段である。この表示部70としては、例えばLED(Light Emitting Diode)を用いることができる。この表示部70は、図2(b)に示すように、例えば筐体20の下面に外部から視認可能に配置されている。本実施の形態では、この表示部70として、光回線終端装置10の電源のON/OFFを示すLED71(図2(b)における「PWR」)、RF信号の出力状態を示すLED72(図2(b)における「RF」)、及び光信号の受信状態を示すLED73(図2(b)における「OPT」)が設けられているものとする。
【0041】
制御部80は、光回線終端装置10の各部を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである(後述する携帯用送信装置200の制御部260も同様)。
【0042】
この制御部80は、機能概念的に、検出部81を備えている。検出部81は、光回線終端装置10における光信号の受信レベルを検出する検出手段である。この制御部80によって実行される処理の詳細については後述する。
【0043】
(構成−携帯用送信装置)
次に、図1に示した携帯用送信装置200の構成を説明する。図4は、実施の形態1に係る携帯用送信装置200の外観構成を示す外観図である。図5は、図4に示す携帯用送信装置200の電気的構成を機能概念的に示したブロック図である。
【0044】
図4に示すように、携帯用送信装置200は、掌サイズの平板型の筐体(本体)を備えて構成されている。この筺体は、当該筺体の一方の端部に送受信部210を備えており、当該筐体表側に操作部220及び表示部240を備えている。また、図5に示すように、携帯用送信装置200は、筐体の内部に送受信部210、操作部220、表示部240、電源部250、及び制御部260を備えている。
【0045】
操作部220は、光回線終端装置10を操作するための操作指令を受け付ける受付手段であり、例えば公知の押しボタン式のスイッチ等を用いて構成される。ここで、光回線終端装置10を操作するための操作指令とは、例えば光回線終端装置10にて検出された光信号の受信レベルを特定するための情報を送信するように、光回線終端装置10を操作するための操作指令を意味する。
【0046】
送受信部210は、操作部220によって受け付けた操作指令を光回線終端装置10に対して送信する送信手段であると共に、光回線終端装置10にて検出された光信号の受信レベルを特定するための情報を受信する受信手段である。
【0047】
表示部240は、送受信部210によって受信した情報であって、光回線終端装置10にて検出された光信号の受信レベルを特定するための情報を表示する出力手段であり、例えば公知の1つのLED(Light Emitting Diode)を用いて構成される。
【0048】
電源部250は、携帯用送信装置200の各部に電力を供給する電池であり、例えば公知の乾電池や充電池を用いて構成される。
【0049】
制御部260は、携帯用送信装置200の各部を制御する制御手段である。この制御部260によって実行される処理の詳細については後述する。
【0050】
(処理)
次に、上述のように構成された光回線終端装置10及び携帯用送信装置200が実行する処理について説明する。図6は、実施の形態1に係る光回線終端装置10及び携帯用送信装置200が実行する表示処理の概略例を示したフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。この表示処理は、光回線終端装置10にて検出された光信号の受信レベルに関する情報を表示部70、240に出力する処理である。この表示処理は、例えば、光回線終端装置10及び携帯用送信装置200に電源が投入された場合に自動的に起動される。
【0051】
表示処理が起動されると、携帯用送信装置200の制御部260は、光信号の受信レベルを特定するための情報を送信するように、光回線終端装置10を操作するための操作指令を、操作部220が受け付けたか否かを監視する(SA1)。
【0052】
ここで、作業者によって操作部220が押し下げられることで、操作部220が上述した操作指令を受け付けた場合(SA1、Yes)、携帯用送信装置200の制御部260は、上述した操作指令に関する指令信号を送受信部210によって光回線終端装置10に対して送信させる(SA2)。
【0053】
一方、光回線終端装置10の制御部80は、送受信部60がSA2にて送信された指令信号を受信した否かを監視する(SB1)。ここで、送受信部60がSA2にて送信された指令信号を受信したと判定された場合(SB1、Yes)、光回線終端装置10の検出部81は、PD30にて変換されたRF信号に基づいて、光回線終端装置10における光信号の受信レベルを検出する(SB2)。
【0054】
次に、光回線終端装置10の制御部80は、SB2にて検出された光信号の受信レベルを特定する情報を表示部70に表示させる(SB3)。光信号の受信レベルに対応する情報を表示させる表示部70としては、例えば図2(b)における「OPT」のLED73を用いる。
【0055】
この表示部70による具体的な表示形態は任意であり、例えば、光回線終端装置10の制御部80は、光信号の受信レベルに対応する回数にて「OPT」のLED73を点滅等させてもよい。具体的には、TV受像機に映像障害が生じる程に、受信レベルが過大である場合(例えば、受信レベルが−1dBm以上の場合)には「OPT」のLED73を所定周期の倍の周期にて12回点滅させた後、点灯させる。また、TV受像機に映像を適切に表示できる程に、受信レベルが適正である場合(例えば、受信レベルが−20dBm以上から−1dBm未満の場合)においては、受信レベルが−2dBm以上から−1dBm未満の場合には「OPT」のLED73を1回点滅させた後、点灯させる。そしてこれ以降、受信レベルが−3dBm以上から−2dBm未満の場合には「OPT」のLED73を所定周期にて2回点滅させた後、点灯させるというように、受信レベルが1dBm下がる毎に点滅回数を1つずつ増やしながら、「OPT」のLED73を所定周期にて所定回数点滅させた後、点灯させる。また、TV受像機に映像を表示することが困難な程に、受信レベルが過小である場合(例えば、受信レベルが−20dBm未満の場合)には「OPT」のLED73を消灯させる。このように、受信レベルに対応する回数や周期にて「OPT」のLED73を点滅等させることにより、作業者は光回線終端装置10から離れた位置で光信号の受信レベルを確認することができる。
【0056】
SA4の処理において、「OPT」のLED73を点滅等させるが、例えば作業者が光回線終端装置10から遠く離れた位置にいたり、あるいは光回線終端装置10の周辺に作業者の視界を妨げる障害物が存在することによって、作業者が当該「OPT」のLED73の点滅等を確認できない場合がある。このような場合でも、作業者が携帯用送信装置200の表示部240によって光信号の受信レベルを確認できるように、携帯用送信装置200及び光回線終端装置10において以下の処理が行われる。まず、光回線終端装置10の制御部80は、SB2にて検出された光信号の受信レベルに関する情報を送受信部60によって携帯用送信装置200に対して送信させる(SB4)。
【0057】
一方、携帯用送信装置200の制御部260は、送受信部210が光回線終端装置10からSB2にて検出された光信号の受信レベルを特定するための情報を受信したか否かを監視する(SA3)。
【0058】
ここで、送受信部210が光回線終端装置10からSB2にて検出された光信号の受信レベルを特定するための情報を受信した場合(SA3、Yes)、携帯用送信装置200の制御部260は、受信した光信号の受信レベルを特定するための情報を表示部240に表示させる(SA4)。例えば、携帯用送信装置200の制御部260は、上述した「OPT」のLED73の表示形態と同様に、光信号の受信レベルに対応する回数や周期にて表示部240を点滅等させる。このように、受信レベルに対応する回数や周期にて携帯用送信装置200の表示部240を点滅等させることにより、作業者は光回線終端装置10から離れた位置で光信号の受信レベルを確認することができる。
【0059】
(効果)
このように実施の形態1によれば、携帯用送信装置200の送受信部210は光回線終端装置10から当該光回線終端装置10にて検出された光信号の受信レベルを特定するための情報を受信し、携帯用送信装置200の表示部240は送受信部210によって受信した当該光信号の受信レベルを特定するための情報を表示するので、作業者が当該光回線終端装置10から離れた位置で当該光信号の受信レベルを確認することができ、当該光信号の受信レベルの確認作業の効率化を図ることができる。
【0060】
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2について説明する。この形態は、特定の光回線終端装置に対して当該光回線終端装置に関する情報を出力手段に出力させたり、又は設定変更を行わせたりする形態である。なお、実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0061】
(構成−光回線終端装置)
まず、実施の形態2に係る光回線終端装置10の構成について説明する。図7は実施の形態2に係る光回線終端装置10の電気的構成を機能概念的に示したブロック図である。光回線終端装置10は、筐体20の内部に、図7に示すPD30、増幅部40、切替部90、ATT(減衰回路:Attenuator)100、出力端子50、送受信部60、表示部70、制御部80、記憶部110を備えている。なお、PD30、増幅部40、出力端子50、及び送受信部60の構成については実施の形態1の光回線終端装置10におけるPD30、増幅部40、出力端子50、及び送受信部60と同様であるので、特記する部分を除き説明を省略する。
【0062】
切替部90は、ATT100に出力する電気信号に含まれる放送帯域の切替を行うものである。図8は、切替部90の詳細を示す概略図である。図8に示すように、切替部90は、セパレータ91、増幅器92a、92b、93a、93b、スイッチ94、95及びミキサ96を備えて構成されている。セパレータ91は、増幅部40にて増幅されたRF信号を、CATV帯域(70〜770MHz)のRF信号と、BS/CS帯域(1000〜2602MHz)のRF信号とに分配する分配手段である。このセパレータ91は、CATV帯域のRF信号を増幅器92aに向けて出力し、BS/CS帯域のRF信号を増幅器92bに向けて出力する。増幅器92a、92bはセパレータ91から分配されたRF信号の出力レベルの予備増幅を行う予備増幅手段である。増幅器93aは予備増幅後の増幅を行い、増幅器93bは予備増幅後の増幅を行う増幅手段である。スイッチ94は、増幅器93aとミキサ96との接続を開閉することによって、増幅器93aにて増幅されたRF信号の出力レベルをミキサ96に送信し又は送信しないようにする切替手段である。スイッチ95は、増幅器93bとミキサ96との接続を開閉することによって、増幅器93bにて増幅されたRF信号の出力レベルをミキサ96に送信し又は送信しないようにする切替手段である。ミキサ96は、増幅器93a、93bにて増幅されたRF信号を合成する合成手段である。
【0063】
図7に戻り、ATT100は、切替部にて放送帯域が切り替えられたRF信号の出力レベルを一定の減衰量だけ減衰させる減衰手段である。
【0064】
制御部80は、機能概念的に、検出部81、レベル調整部82、及びアドレス変更部83を備えている。レベル調整部82は、ATT100におけるRF信号の出力レベルの減衰量を調整するために、ATT100の設定を変更する出力レベル調整手段である。アドレス変更部83は、後述する記憶部110に記憶されたアドレスを変更するためのアドレス変更手段である。また、制御部80は、切替部90に制御信号を出力することで、切替部90からATT100への出力帯域幅を設定可能である。また、制御部80は、PD30から出力されるRF信号の出力レベルと、ATT100から出力されるRF信号(出力端子50から出力されるRF信号)の出力レベルを、携帯用送信装置200に送信する機能を備える。
【0065】
記憶部110は、当該光回線終端装置10を一意に識別するためのアドレスや当該光回線終端装置10にて実行された後述する制御履歴情報等を記憶する記憶手段である。この記憶部110は、書き換え可能な記録媒体を用いて構成され、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性記録媒体を用いて構成される。
【0066】
(構成−携帯用送信装置)
次に、携帯用送信装置200の構成について説明する。図9は実施の形態2に係る携帯用送信装置200の外観構成を示す外観図である。図10は図9に示す携帯用送信装置200の電気的構成を機能概念的に示したブロック図である。
【0067】
図9に示すように、携帯用送信装置200は、筺体を備えて構成されている。この筺体は、当該筺体の一方の端部に送受信部210を備えており、筐体表側に操作部220及び表示部240を備えている。また、図10に示すように、携帯用送信装置200は、筐体の内部に送受信部210、操作部220、表示部240、情報書込部270、電源部250、制御部260、及び記憶部280を備えている。なお、送受信部210、電源部250、及び制御部260の構成については実施の形態1の携帯用送信装置200における送受信部210、電源部250、及び制御部260と同様であるので、特記する部分を除き説明を省略する。
【0068】
操作部220は、光回線終端装置10を操作するための操作指令を受け付ける受付手段である。図9に示すように、この操作部220は、アドレス設定スイッチ221、アドレス表示ボタン222、アドレス照合ボタン223、アドレス変更ボタン224、ATT選択スイッチ225、ATT切り替えボタン226、レベル選択スイッチ227、レベル確認ボタン228、制御状態確認ボタン229、制御履歴確認ボタン230、及び操作指令出力ボタン231を備えて構成されている。
【0069】
アドレス設定スイッチ221は、光回線終端装置10に記憶されたアドレスを当該携帯用送信装置200に対して設定するためのアドレス設定受付手段である。アドレス表示ボタン222は、光回線終端装置10が当該光回線終端装置10に記憶されたアドレスを当該携帯用送信装置200に対して送信するように、当該光回線終端装置10を操作するための操作指令を受け付けるアドレス送信受付手段である。アドレス照合ボタン223は、光回線終端装置10が光信号の受信レベルを特定するための情報、RF信号の出力レベルを特定するための情報、後述する受信状態情報、又は後述する受信履歴情報を送信するように、当該光回線終端装置10を操作するための操作指令を受け付けるアドレス照合受付手段である。アドレス変更ボタン224は、光回線終端装置10が当該光回線終端装置10に記憶されたアドレスをアドレス設定スイッチ221にて設定されたアドレスに変更するように、当該光回線終端装置10を操作するための操作指令を受け付けるアドレス変更受付手段である。これらアドレス設定スイッチ221、アドレス表示ボタン222、及びアドレス照合ボタン223は、例えば公知の押しボタン式のスイッチ等を用いて構成される。
【0070】
ATT選択スイッチ225は、光回線終端装置10にて変換されたRF信号の出力レベルの調整に用いられる調整量(例えば0dB又は−15dB)を当該光回線終端装置10に対して設定するためのレベル調整量設定受付手段であり、例えば公知のスライド式のスイッチ等を用いて構成される。ATT切り替えボタン226は、光回線終端装置10がATT選択スイッチ225にて設定された調整量に基づいてRF信号の出力レベルを調整するように、当該光回線終端装置10を操作するための操作指令を受け付けるレベル調整受付手段であり、例えば公知の押しボタン式のスイッチ等を用いて構成される。
【0071】
レベル選択スイッチ227は、光回線終端装置10からRF信号の出力レベルを特定するための情報と光信号の受信レベルを特定するための情報のうちのどちらを送信させるかを選択するためのレベル選択手段であり、例えば公知のスライド式のスイッチ等を用いて構成される。レベル確認ボタン228は、光回線終端装置10がATT選択スイッチ225にて選択されたRF信号の出力レベルを特定するための情報又は光信号の受信レベルを特定するための情報を当該携帯用送信装置200に対して送信するように、当該光回線終端装置10を操作するための操作指令を受け付けるレベル送信受付手段であり、例えば公知の押しボタン式のスイッチ等を用いて構成される。
【0072】
制御状態確認ボタン229は、光回線終端装置10が現在の制御状態に関する制御状態情報を当該携帯用送信装置200に対して送信するように、当該光回線終端装置10を操作するための操作指令を受け付ける制御状態送信受付手段であり、例えば公知の押しボタン式のスイッチ等を用いて構成される。この制御状態情報には、例えばRF信号における放送帯域が制限されていない状態(すなわち、CATV放送及びBS/CS放送が行われている状態)で、光回線終端装置10が当該RF信号を出力していることを示す情報、RF信号に含まれる放送帯域がすべて制限された状態(すなわち、CATV放送及びBS/CS放送が停止された状態)で、光回線終端装置10が当該RF信号を出力していることを示す情報、RF信号における放送帯域のうちCATV帯域が制限された状態(すなわち、CATV放送のみが停止された状態)で、光回線終端装置10が当該RF信号を出力していることを示す情報、RF信号における放送帯域のうちBS/CS帯域が制限された状態(すなわち、BS/CS放送のみが停止された状態)で、光回線終端装置10が当該RF信号を出力していることを示す情報等が含まれる。
【0073】
制御履歴確認ボタン230は、光回線終端装置10が当該光回線終端装置10にて実行された制御の履歴に関する制御履歴情報を当該携帯用送信装置200に対して送信するように、当該光回線終端装置10を操作するための操作指令を受け付ける制御履歴送信受付手段であり、例えば公知の押しボタン式のスイッチ等を用いて構成される。この制御履歴情報には、例えば上述した光回線終端装置10の制御状態が変更された日ごとの当該制御状態の履歴に関する情報等が含まれる。
【0074】
操作指令出力ボタン231は、当該携帯用送信装置200が記憶部280に記憶された操作指令に関する情報を出力するように、当該携帯用送信装置200を操作するための操作指令を受け付ける出力受付手段であり、例えば公知の押しボタン式のスイッチ等を用いて構成される。この操作指令に関する情報には、例えば、アドレス設定スイッチ221にて設定された光回線終端装置10のアドレス(あるいは告知放送を受信している加入者に設定された加入者番号等)やATT選択スイッチ225にて設定されたRF信号の出力レベルを調整するための調整量等に関する情報、レベル確認ボタン228、制御状態確認ボタン229等のON/OFFの切り替えを示す情報等が含まれる。また、図示は省略するが、操作部220は、光回線終端装置10の切替部90からATT100への出力帯域幅を設定するための操作機能を備えている。
【0075】
表示部240は、アドレス表示部241、レベル表示部242、送信表示部243、及び受信表示部244を備えて構成されている。アドレス表示部241は、光回線終端装置10から受信した当該光回線終端装置10に記憶されたアドレスを表示したり、又はアドレス設定スイッチ221にて設定されたアドレスを表示するアドレス表示手段であり、例えば公知の6桁の7セグメントLED等を用いて構成される。レベル表示部242は、光回線終端装置10から受信したRF信号の出力レベルを特定するための情報又は光信号の受信レベルを特定するための情報を表示するレベル表示手段であり、例えば公知の4桁の7セグメントLED等を用いて構成される。送信表示部243は、送受信部210が当該携帯用送信装置200から操作指令等を送信した旨を表示する送信表示手段である。受信表示部244は、送受信部210が光回線終端装置10から光信号の受信レベルを特定するための情報、RF信号の出力レベルを特定するための情報、後述する受信状態情報、又は後述する受信履歴情報を受信した旨等を表示する受信表示手段である。これら送信表示部243又は受信表示部244は、例えば1つのLED等を用いて各々構成される。
【0076】
情報書込部270は、各種記録媒体に対して、記憶部280に記憶された情報や光回線終端装置10から受信した情報等の書き込みを行う情報書込手段である。この情報書込部270が書き込みを行うことができる記録媒体の種類は任意であるが、例えばUSBメモリ、SDカード等の可搬型の記録媒体が該当する。なお、表示部240及び情報書込部270は、特許請求の範囲における出力手段を構成するものである。
【0077】
記憶部280は、操作部220にて受け付けた操作指令に関する情報を記憶する記憶手段である。この記憶部280は、書き換え可能な記録媒体(例えばフラッシュメモリ等の不揮発性記録媒体等)を用いて構成されており、当該書き換え可能な記録媒体には公知の出力形式(例えばCSV形式等)で操作部220にて受け付けた操作指令に関する情報が書き込まれる。
【0078】
(処理)
次に、上述のように構成された光回線終端装置10又は携帯用送信装置200が実行する処理について説明する。この処理は、アドレス表示処理、受信レベル等表示処理、設定変更処理、及び出力処理に大別される。
【0079】
(処理−アドレス表示処理)
最初に、アドレス表示処理について説明する。図11は実施の形態2に係る光回線終端装置10及び携帯用送信装置200が実行するアドレス表示処理のフローチャートである。このアドレス表示処理は、受信レベル等表示処理や設定変更処理を実行する前に、受信レベル等表示処理や設定変更処理の処理対象となる光回線終端装置10のアドレスを表示する処理である。このアドレス表示処理は、例えば、光回線終端装置10及び携帯用送信装置200に電源が投入された場合に起動される。なお、SC2、SC4、SD1は、図6のSA2、SA3、SB1とそれぞれ同じであるので、その説明を省略する。
【0080】
アドレス表示処理が起動されると、携帯用送信装置200の制御部260は、光回線終端装置10に記憶されたアドレスを携帯用送信装置200に対して送信するように、光回線終端装置10を操作するための操作指令を、アドレス表示ボタン222が受け付けたか否かを監視する(SC1)。
【0081】
また、SC2の処理後、携帯用送信装置200の制御部260は、SC2にて指令信号を送信した旨を送信表示部243によって表示(例えば点滅等)させる(SC3)。
【0082】
また、SD1の処理において、光回線終端装置10の送受信部60がSC2にて送信された指令信号を受信したと判定された場合(SD1、Yes)、光回線終端装置10の制御部80は、記憶部110に記憶されたアドレスを携帯用送信装置200に対して送受信部60によって送信させる(SD2)。
【0083】
また、SC4の処理において、携帯用送信装置200の送受信部210がSD2にて光回線終端装置10から送信されたアドレスを受信した場合(SC4、Yes)、携帯用送信装置200の制御部260は、SC4にてアドレスを受信した旨を受信表示部244によって表示(例えば点滅等)させる(SC5)。次いで、携帯用送信装置200の制御部260は、SC4にて受信したアドレスをアドレス表示部241に表示させる(例えば、光回線終端装置10のアドレスが121461の場合、アドレス表示部241によって「121461」を表示させる)(SC6)。このように、携帯用送信装置200のアドレス表示部241に光回線終端装置10から受信したアドレスを表示させることにより、作業者は光回線終端装置10から離れた位置で光回線終端装置10のアドレスを確認することができる。
【0084】
(処理−受信レベル等表示処理)
次に、受信レベル等表示処理について説明する。図12は実施の形態2に係る光回線終端装置10及び携帯用送信装置200が実行する受信レベル等表示処理のフローチャートである。この受信レベル等表示処理は、アドレス表示部241に表示されたアドレスを有する光回線終端装置10の光信号の受信レベルを特定するための情報、RF信号の出力レベルを特定するための情報、制御状態情報、又は制御履歴情報を表示する処理である。この受信レベル等表示処理は、例えば光回線終端装置10及び携帯用送信装置200に電源が投入された場合に起動される。なお、SE4,SE6、SF1は、図11のSC3,SC5、SD1とそれぞれ同じであるので、その説明を省略する。
【0085】
図12に示すように、携帯用送信装置200の制御部260は、当該アドレス表示処理の対象となった光回線終端装置10のアドレスが作業者によってアドレス設定スイッチ221を介して入力されたか否か(あるいは、アドレス表示処理によって、光回線終端装置10のアドレスが携帯用送信装置200のアドレス表示部241に表示されているか否か)を監視する(SE1)。
【0086】
ここで、光回線終端装置10のアドレスが作業者によってアドレス設定スイッチ221を介して入力された場合(あるいは、アドレス表示処理によって、光回線終端装置10のアドレスが携帯用送信装置200のアドレス表示部241に表示された場合)(SE1、Yes)、携帯用送信装置200の制御部260は、アドレス設定スイッチ221にて設定されたアドレス(あるいは、アドレス表示処理によって、携帯用送信装置200のアドレス表示部241に表示されたアドレス)と光回線終端装置10に記憶されたアドレスとが合致した場合に、作業者によってレベル選択スイッチ227を介して選択された光信号の受信レベルを特定するための情報又はRF信号の出力レベルを特定するための情報を送信するように、当該光回線終端装置10を操作するための操作指令を、レベル確認ボタン228が受け付けたか否かを監視する(SE2)。あるいは、携帯用送信装置200の制御部260は、制御状態情報を送信するように、当該光回線終端装置10を操作するための操作指令を、制御状態確認ボタン229が受け付けたか否かを監視する(SE2)。あるいは、携帯用送信装置200の制御部260は、制御履歴情報を送信するように、当該光回線終端装置10を操作するための操作指令を、制御履歴確認ボタン230が受け付けたか否かを監視する(SE2)。
【0087】
ここで、作業者によって操作部220が押し下げられることで、操作部220が上述した操作指令を受け付けた場合(SE2、Yes)、携帯用送信装置200の制御部260は、アドレス設定スイッチ221にて設定されたアドレスを含めた信号であって、上述した操作指令に関する指令信号を送受信部210によって光回線終端装置10に対して送信させる(SE3)。
【0088】
また、SF1の処理において、光回線終端装置10の送受信部60がSE3にて送信された指令信号を受信したと判定された場合(SF1、Yes)、光回線終端装置10の制御部80は、指令信号に含まれるアドレス設定スイッチ221にて設定されたアドレスと光回線終端装置10に記憶されたアドレスとが合致するか否かを判定する(SF2)。その結果、アドレス設定スイッチ221にて設定されたアドレスと光回線終端装置10に記憶されたアドレスとが合致しない場合(SF2、No)、光回線終端装置10の制御部80は、この処理を終了する。
【0089】
一方、アドレス設定スイッチ221にて設定されたアドレスと光回線終端装置10に記憶されたアドレスとが合致した場合(SF2、Yes)、SF1にて受信された指令信号が上述した光信号の受信レベル又はRF信号の出力レベルの送信に関する信号であった場合には、光回線終端装置10の検出部81は、PD30にて変換されたRF信号に基づいて、光信号の受信レベルを検出したり、又は当該RF信号の出力レベルを検出する(SF3)。そして、光回線終端装置10の制御部80は、SF3にて検出された光信号の受信レベルを特定するための情報又はRF信号の出力レベルを特定するための情報を送受信部60によって携帯用送信装置200に対して送信させる(SF4)。あるいは、SF1にて受信された指令信号が上述した制御状態の送信に関する信号であった場合に、光回線終端装置10の検出部81は、各スイッチの切替状態に基づいて、当該光回線終端装置10の現在の制御状態を特定し(SF3)、当該特定された制御状態に関する制御状態情報を送受信部60によって携帯用送信装置200に対して送信させる(SF4)。あるいは、SF1にて受信された指令信号が上述した制御履歴の送信に関する信号であった場合に、光回線終端装置10の制御部80は、記憶部110に記憶された制御履歴の全部又は一部(例えば、制御履歴のうち直近3カ月前までの制御履歴等)を特定し(SF3)、当該特定された制御履歴の全部又は一部に関する制御履歴情報を、送受信部60によって携帯用送信装置200に対して送信させる(SF4)。
【0090】
また、SE4の処理後、SE5の処理において、携帯用送信装置200の送受信部210が光信号の受信レベルを特定するための情報又はRF信号の出力レベルを特定するための情報等を受信した場合、携帯用送信装置200の制御部260は、当該光信号の受信レベルを特定するための情報又はRF信号の出力レベルを特定するための情報をレベル表示部242に表示させる(例えば、光信号の受信レベルが−8.00dBmの場合、レベル表示部242によって「−8.00」を表示させる)(SE6)。あるいは、携帯用送信装置200の送受信部210が制御状態情報を受信した場合、携帯用送信装置200の制御部260は、当該制御状態情報をレベル表示部242に表示させる(SE7)。この表示は、7セグメント表示器で表示可能な文字や記号を組み合わせて構成された所定の表示内容をレベル表示部242に出力させることで行われる。例えば、RF信号における放送帯域が制限されていない状態の場合、レベル表示部242によって「ALL」を表示させる。また、RF信号における放送帯域がすべて制限された状態の場合、レベル表示部242によって「−−−−」を表示させる。また、RF信号における放送帯域のうちCATV帯域が制限された状態の場合、レベル表示部242によって「CA」を表示させる。また、RF信号における放送帯域のうちBS/CS帯域が制限された状態の場合、レベル表示部242によって「BSCS」を表示させる。あるいは、携帯用送信装置200の送受信部210が制御履歴情報を受信した場合、携帯用送信装置200の制御部260は、当該制御履歴情報を情報書込部270によって所定の記録媒体に出力させる(例えば、携帯用送信装置200の送受信部210が光回線終端装置10から制御履歴情報と併せて、当該制御履歴情報に対応する情報であって、光回線終端装置10の制御状態が変更された日付を示す制御日付情報を受信した場合に、制御日付情報(例えば2010年11月23日等)と、制御履歴情報(例えばRF信号における放送帯域がすべて制限された状態であったこと等)とを相互に関連づけて所定の記録媒体に出力させる)(SE7)。このように、特定の光回線終端装置10における光信号の受信レベルを特定する情報、RF信号の出力レベルを特定する情報、若しくは制御状態情報をレベル表示部242によって表示させることにより、又は制御履歴情報を情報書込部270によって所定の記録媒体に出力させることにより、作業者が当該光回線終端装置10から離れた位置で当該光回線終端装置10における光信号の受信レベル、RF信号の出力レベル、制御状態、又は制御履歴を確認することができる。また、この表示処理においては、光信号の受信レベル等と同様に、切替部90におけるATT100への出力帯域幅の設定状態が制御履歴情報に含まれており、光回線終端装置10のレベル表示部242によって出力帯域幅の設定状態が表示される。なお、この表示処理においては、PD30から出力されるRF信号の出力レベルに代えて、ATT100から出力されるRF信号の出力レベルを表示するように、携帯用送信装置200から光回線終端装置10に指令信号を送信し、この指令信号に基づいて光回線終端装置10から送信されたATT100のRF信号の出力レベルを、レベル表示部242によって表示させるようにしてもよい。あるいは、これらPD30から出力されるRF信号の出力レベルと、ATT100のRF信号の出力レベルとの両方を表示するようにしてもよく、この場合には、例えば、これら2つの出力レベルを所定順序で交互にレベル表示部242によって表示させるようにしてもよい。このようにATT100のRF信号の出力レベルを表示させることで、この出力レベルを参考に、後述する設定変更処理におけるATT100の設定変更を行うことができる。
【0091】
(処理−設定変更処理)
次に、設定変更処理について説明する。図13は実施の形態2に係る光回線終端装置10及び携帯用送信装置200が実行する設定変更処理のフローチャートである。この設定変更処理は、光回線終端装置10の記憶部110に記憶されたアドレスを変更したり、RF信号の出力レベルを調整する処理である。この設定変更処理は、例えば光回線終端装置10及び携帯用送信装置200に電源が投入された場合に起動される。なお、SG1、SG3,SG4、SH1−SH2は、図12のSE1、SE3,SE4、SF1−SF2とそれぞれ同じであるので、その説明を省略する。
【0092】
SG1の処理において、作業者によって光回線終端装置10のアドレスがアドレス設定スイッチ221に入力された場合(SG1、Yes)、携帯用送信装置200の制御部260は、光回線終端装置10の記憶部110に記憶されたアドレスを、作業者によってアドレス設定スイッチ221を介して設定されたアドレス(例えばこのアドレスが「567890」)に変更するように、当該光回線終端装置10を操作するための操作指令を受け付けるアドレス変更ボタン224を監視する(SG2)。あるいは、携帯用送信装置200の制御部260は、光回線終端装置10が作業者によってATT選択スイッチ225を介して選択されたRF信号の出力レベルの調整量(例えば−15dB)に基づいてRF信号の出力レベルを調整するように、当該光回線終端装置10を操作するための操作指令を受け付けるATT切り替えボタン226を監視する(SG2)。
【0093】
また、SH2の処理において、アドレス設定スイッチ221にて設定されたアドレスと光回線終端装置10に記憶されたアドレスとが合致した場合(SH2、Yes)、SH1にて受信された指令信号がアドレス変更に関する信号であった場合には、光回線終端装置10のアドレス変更部83は、記憶部110に記憶されたアドレスを、SG2にてアドレス設定スイッチ221を介して設定されたアドレスに変更する(例えば、記憶部110に記憶されたアドレスを「121461」から「567890」に変更する)(SH3)。そして、光回線終端装置10の制御部80は、SH3にて光回線終端装置10に記憶されたアドレスが変更された旨を送受信部60によって携帯用送信装置200に対して送信させる(SH4)。あるいは、SH1にて受信された指令信号がRF信号の出力レベルの調整に関する信号であった場合には、光回線終端装置10のレベル調整部82は、SG2にてATT選択スイッチ225を介して選択されたRF信号の出力レベルの調整量に基づいてATT100の設定を変更する(例えば、ATT100から出力されるRF信号の出力レベルが95dBの場合、当該RF信号の出力レベルから15dB差し引いた値である80dBとなるように、ATT100の設定を変更する)(SH3)。そして、光回線終端装置10の制御部80は、SH3にて光回線終端装置10のRF信号の出力レベルが調整された旨を、送受信部60によって携帯用送信装置200に対して送信させる(SH4)。
【0094】
また、SG5の処理において、携帯用送信装置200の送受信部210がSH4にて送信された光回線終端装置10に記憶されたアドレスが変更された旨又は光回線終端装置10のRF信号の出力レベルが調整された旨等を受信した場合(SG5、Yes)、携帯用送信装置200の制御部260は、SG5にて光回線終端装置10に記憶されたアドレスが変更された旨又はSG5にて光回線終端装置10のRF信号の出力レベルが調整された旨を受信表示部244に表示(例えば点灯等)させる(SG6)。このように、アドレス変更ボタン224によって受け付けた操作指令を特定の光回線終端装置10に対して送信したり、又はATT切り替えボタン226によって受け付けた操作指令を当該光回線終端装置10に対して送信することにより、作業者が当該光回線終端装置10から離れた位置で当該光回線終端装置10に記憶されたアドレスを容易に変更することができ、又は当該光回線終端装置10のRF信号の出力レベルを容易に調整することができる。また、これらRF信号の出力レベルの調整と同様に、光回線終端装置10の切替部90からATT100への出力帯域幅を設定する操作指令の入力が携帯用送信装置200によって受け付けられた場合、制御部260は、アドレス設定スイッチ221にて設定されたアドレスを含めた信号であって、上述した操作指令に関する指令信号を送受信部210によって光回線終端装置10に対して送信させる。そして、光回線終端装置10の制御部80は、指令信号に含まれたアドレスが記憶部110に記憶されたアドレスに合致した場合には、当該指令信号に基づいて切替部90の出力帯域幅を設定し、出力帯域幅が設定された旨の信号を、送受信部60によって携帯用送信装置200に対して送信させる。この信号を受信した携帯用送信装置200の制御部260は、出力帯域幅が設定された旨を受信表示部244に表示させる。
【0095】
(処理−出力処理)
次に、出力処理について説明する。図14は実施の形態2に係る携帯用送信装置200が実行する出力処理のフローチャートである。この出力処理は、アドレス表示処理、受信レベル等表示処理、又は設定変更処理を実行した後に、これら処理において操作部220を介して受け付けられた操作指令に関する情報を出力する処理である。この出力処理は、例えば、アドレス表示処理、受信レベル等表示処理、若しくは設定変更処理が終了した後、又は光回線終端装置10及び携帯用送信装置200に電源が投入された場合に起動される(以下では、アドレス表示処理をした後について説明する)。
【0096】
図14に示すように、携帯用送信装置200の制御部260は、記憶部280に記憶された操作指令に関する情報(例えば、アドレス表示処理にて操作部220にて受け付けられた操作指令に関する情報等)を出力するように、当該携帯用送信装置200を操作するための操作指令を、操作指令出力ボタン231が受け付けたか否かを監視する(SI1)。
【0097】
ここで、操作指令出力ボタン231が携帯用送信装置200の記憶部280に記憶された操作指令に関する情報を出力する操作指令を受け付けた場合(SI1、Yes)、携帯用送信装置200の制御部260は、SI1にて受け付けた操作指令に基づいて記憶部280に記憶された操作指令に関する情報を、情報書込部270によって記憶媒体に出力させる(例えば、携帯用送信装置200が操作指令を受け付けた日付に関する情報(例えば2010年12月2日等)と、操作指令に関する情報(例えばアドレス設定スイッチ221がOFFからONに切り替えられたこと等)とを相互に関連づけて所定の記録媒体に出力させる)(SI2)。このように、操作指令出力ボタン231によって受け付けた操作指令に基づいて携帯用送信装置200の記憶部280に記憶された操作指令に関する情報を出力することにより、携帯用送信装置200の操作部220に受け付けられた操作指令を事後的に確認することができる。
【0098】
(効果)
このように実施の形態2によれば、携帯用送信装置200の送受信部210はアドレス表示ボタン222によって受け付けた操作指令を光回線終端装置10に対して送信すると共に、当該光回線終端装置10に記憶されたアドレスを受信し、携帯用送信装置200のアドレス表示部241は送受信部210によって受信した当該光回線終端装置10に記憶されたアドレスを表示するので、作業者が当該光回線終端装置10から離れた位置で当該光回線終端装置10に記憶されたアドレスを確認することができ、例えば携帯用送信装置200でアドレスを設定してから光回線終端装置10に対する操作を行う場合に、当該光回線終端装置10に対する操作を確実に行うことができる。
【0099】
また、携帯用送信装置200の送受信部210はアドレス照合ボタン223によって受け付けた操作指令を光回線終端装置10に対して送信すると共に、アドレス設定スイッチ221にて設定されたアドレスと合致するアドレスが記憶された光回線終端装置10から当該光回線終端装置10にて検出された光信号の受信レベルを特定するための情報を受信し、携帯用送信装置200のレベル表示部242は、送受信部210によって受信した当該光信号の受信レベルを特定するための情報を表示するので、作業者が特定の光回線終端装置10から離れた位置で当該光信号の受信レベルを確認することができ、当該光信号の受信レベルの確認作業の効率化を図ることができる。
【0100】
また、携帯用送信装置200の送受信部210は、光回線終端装置10から制御状態情報を受信し、携帯用送信装置200のレベル表示部242は、送受信部210によって受信した制御状態情報を表示するので、作業者が当該光回線終端装置10から離れた位置で当該光回線終端装置10の制御状態を確認することができる。
【0101】
また、携帯用送信装置200の送受信部210は光回線終端装置10から制御履歴情報を受信し、携帯用送信装置200の情報書込部270は送受信部210によって受信した制御履歴情報を所定の記録媒体に出力するので、作業者が当該光回線終端装置10から離れた位置で当該光回線終端装置10の制御履歴を確認することができ、例えば携帯用送信装置200又は光回線終端装置10にエラーが発生した場合に、そのエラーの原因を特定し易くなる。
【0102】
また、携帯用送信装置200の送受信部210は、ATT切り替えボタン226によって受け付けた操作指令を光回線終端装置10に対して送信するので、作業者が当該光回線終端装置10から離れた位置で当該光回線終端装置10のRF信号の出力レベルを容易に調整することができ、当該光信号の受信レベルの確認作業の効率化を一層図ることができる。
【0103】
また、携帯用送信装置200の送受信部210は、アドレス変更ボタン224によって受け付けた操作指令を光回線終端装置10に対して送信するので、作業者が当該光回線終端装置10から離れた位置で当該光回線終端装置10に記憶されたアドレスを容易に変更することができ、アドレスの変更作業を効率的に行うことができる。
【0104】
携帯用送信装置200の情報書込部270は、操作指令出力ボタン231によって受け付けた操作指令に基づいて携帯用送信装置200の記憶部280に記憶された操作指令に関する情報を出力するので、携帯用送信装置200の操作部220に受け付けられた操作指令を事後的に確認することができ、例えば携帯用送信装置200又は光回線終端装置10にエラーが発生した場合に、そのエラーの原因を一層特定し易くなる。
【0105】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0106】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0107】
(携帯用送信装置と光回線終端装置との相互間の情報の送信及び受信について)
上記実施の形態では、携帯用送信装置200から光回線終端装置10に対して各種の情報を送信し、かつ、光回線終端装置10から携帯用送信装置200に対して各種の情報を送信しているが、少なくとも、携帯用送信装置200から光回線終端装置10に対する送信を行うことができればよく、携帯用送信装置200における情報の受信機能や出力機能は省略してもよい。例えば、光回線終端装置10における光信号の受信レベル等の情報を、当該光回線終端装置10の表示部70で表示することで、作業者はこれらの情報を、光回線終端装置から離れた位置で確認することができる。
【0108】
(表示部について)
実施の形態1では、携帯用送信装置200の表示部240が1つのLEDを用いて構成されると説明したが、例えば、この表示部240が1桁の7セグメント表示を行う7セグメントLEDを用いて構成されてもよい。このような表示部240によって、光信号の受信レベルを特定する情報を表示させる方法としては、例えば、光信号の受信レベルが−1.23dBmの場合に、この表示部240によって、「−」「1.」、「2」、「3」を順に表示させる方法等がある。
【0109】
(受信レベル等表示処理及び設定変更処理について)
実施の形態2では、受信レベル等表示処理及び設定変更処理において、アドレス設定スイッチ221にて設定されたアドレスと光回線終端装置10に記憶されたアドレスとが合致した場合に、光回線終端装置10から光信号の受信レベルを特定する情報等を送信したり、光回線終端装置10に記憶されたアドレスの変更等を行うと説明したが、これに限られない。例えば、光回線終端装置10においてアドレスの照合を行わずに、上述した光信号の受信レベルを特定する情報等を送信したり、アドレスの変更等を行えるようにしてもよい(すなわち、受信レベル等表示処理においてSE1、SF2の処理を省略してもよく、設定変更処理においてSG1、SH2の処理を省略してもよい)。
【0110】
(受信レベル等表示処理について)
実施の形態2では、携帯用送信装置200の送受信部210が制御履歴情報を受信した場合、携帯用送信装置200の制御部260は、当該制御履歴情報を情報書込部270によって所定の記録媒体に出力させると説明したが、例えば、当該制御履歴情報をレベル表示部242に表示させてもよい。具体的には、携帯用送信装置200の送受信部210が光回線終端装置10から制御履歴情報と併せて、当該制御履歴情報に対応する制御日付情報を受信した場合に、携帯用送信装置200の制御部260は、この制御日付情報に基づいて、光回線終端装置10の制御状態が変更されてからの経過日数を算出する。そして、携帯用送信装置200の制御部260は、レベル表示部242によって、光回線終端装置10の制御状態が変更されてからの経過日数を示す数字及びドットを組み合わせたものを経過日数の古い順に表示させた後、制御履歴情報に基づいて光回線終端装置10の制御状態を順次表示させ、これらの表示を順に行わせる(例えば、80日前にRF信号における放送帯域がすべて制限された状態であった場合、30日前にRF信号における放送帯域のうちCATV帯域が制限された状態であった場合、及び5日前にRF信号における放送帯域のうちBS/CS帯域が制限された状態であった場合、レベル表示部242によって、「80.」、「−−−−」、「30.」、「CA」、「5.」、「BSCS」を順に表示させる)。
【符号の説明】
【0111】
1 告知放送システム
2 光ケーブル
3 同軸ケーブル
4 デジタルTV
10 光回線終端装置
20 筐体
21 ベース部
22 カバー部
23 引き込み口
24 端子孔
30 PD
40 増幅部
50 出力端子
60、210 送受信部
70、240 表示部
71、72、73 LED
80、260 制御部
81 検出部
82 レベル調整部
83 アドレス変更部
90 切替部
91 セパレータ
92a、92b、93a、93b 増幅器
94、95 スイッチ
96 ミキサ
100 ATT
110、280 記憶部
200 携帯用送信装置
220 操作部
221 アドレス設定スイッチ
222 アドレス表示ボタン
223 アドレス照合ボタン
224 アドレス変更ボタン
225 ATT選択スイッチ
226 ATT切り替えボタン
227 レベル選択スイッチ
228 レベル確認ボタン
229 制御状態確認ボタン
230 制御履歴確認ボタン
231 操作指令出力ボタン
241 アドレス表示部
242 レベル表示部
243 送信表示部
244 受信表示部
250 電源部
270 情報書込部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光送信機から光伝送路を介して送信された光信号を受信して電気信号に変換する光回線終端装置に対して、情報の送信を行う携帯用送信装置であって、
前記光回線終端装置を操作するための操作指令の入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって受け付けられた操作指令を前記光回線終端装置に対して送信する送信手段と、
を備えた光回線終端装置用の携帯用送信装置。
【請求項2】
前記操作指令は、前記光回線終端装置にて検出された前記光信号の受信レベルを特定するための情報を、当該光回線終端装置から外部に出力させるための指令である、
請求項1に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置。
【請求項3】
前記受付手段は、
前記光回線終端装置において前記電気信号の出力レベルの調整を行うための調整量の入力を受け付けるレベル調整量設定受付手段と、
前記レベル調整量設定受付手段によって受け付けられた調整量に基づいて前記電気信号の出力レベルを調整するように、前記光回線終端装置を操作するための操作指令の入力を受け付けるレベル調整受付手段とを備え、
前記送信手段は、前記レベル調整受付手段によって受け付けられた操作指令を前記光回線終端装置に対して送信する、
請求項1又は2に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置。
【請求項4】
前記受付手段は、
前記光回線終端装置を一意に識別するためのアドレスの入力を受け付けるアドレス設定受付手段と、
前記アドレス設定受付手段によって受け付けられたアドレスと前記光回線終端装置に記憶されたアドレスとが合致した場合に、当該光回線終端装置に関する情報を外部に出力するように、当該光回線終端装置を操作するための操作指令の入力を受け付けるアドレス照合受付手段とを備え、
前記送信手段は、前記アドレス照合受付手段によって受け付けられた操作指令を前記光回線終端装置に対して送信する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置。
【請求項5】
前記受付手段は、
前記光回線終端装置を一意に識別するためのアドレスの入力を受け付けるアドレス設定受付手段と、
前記光回線終端装置に記憶されたアドレスを前記アドレス設定受付手段によって受け付けられたアドレスに変更するように、当該光回線終端装置を操作するための操作指令の入力を受け付けるアドレス変更受付手段を備え、
前記送信手段は、前記アドレス変更受付手段によって受け付けられた操作指令を前記光回線終端装置に対して送信する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置。
【請求項6】
前記光回線終端装置から当該光回線終端装置に関する情報を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信した前記光回線終端装置に関する情報を出力する出力手段と、
を備える請求項1から5のいずれか一項に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置。
【請求項7】
前記光回線終端装置に関する情報は、前記光回線終端装置にて検出された前記光信号の受信レベルを特定するための情報である、
請求項6に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置。
【請求項8】
前記光回線終端装置に関する情報は、前記光回線終端装置の制御状態に関する制御状態情報である、
請求項6又は7に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置。
【請求項9】
前記光回線終端装置に関する情報は、前記光回線終端装置にて実行された制御の履歴に関する制御履歴情報である、
請求項6から8のいずれか一項に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置。
【請求項10】
前記光回線終端装置に関する情報は、前記光回線終端装置を一意に識別するために当該光回線終端装置に記憶されたアドレスである、
請求項6から9のいずれか一項に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置。
【請求項11】
前記受付手段にて受け付けられた操作指令に関する情報を記憶する記憶手段を備え、
前記受付手段は、前記記憶手段に記憶された前記操作指令に関する情報を出力するように、当該携帯用送信装置を操作するための操作指令の入力を受け付ける出力受付手段を備え、
前記出力手段は、前記出力受付手段によって受け付けられた操作指令に基づいて、前記記憶手段に記憶された前記操作指令に関する情報を出力する、
請求項6から10のいずれか一項に記載の光回線終端装置用の携帯用送信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−191515(P2012−191515A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−54601(P2011−54601)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(000003403)ホーチキ株式会社 (792)
【Fターム(参考)】