光学式アブソリュート形ロータリエンコーダ
【課題】小型かつ簡易な構造で、回転位置の絶対値を精度良く検出することができる光学式アブソリュート形ロータリエンコーダを提供する。
【解決手段】透光部と遮光部との組合せで1つの絶対値を表すアブソリュートパターンを有する光学スケール4と、光学スケール4の一方の側に配置され、該光学スケール4に光を照射する発光部2a〜2eと、光学スケール4に対し発光部2a〜2eと同じ側に配置され、該光学スケール4の透光部を通過した光を受け入れる受光部3と、発光部2a〜2eから照射されて該透光部を通過した光を受光部3に導く導光手段5とを備える。光学スケール4と発光部2a〜2eとは相対的な回転運動を生ずる関係に配置され、且つ両者の相対的な回転運動の中心軸線上に受光部3が配置される。
【解決手段】透光部と遮光部との組合せで1つの絶対値を表すアブソリュートパターンを有する光学スケール4と、光学スケール4の一方の側に配置され、該光学スケール4に光を照射する発光部2a〜2eと、光学スケール4に対し発光部2a〜2eと同じ側に配置され、該光学スケール4の透光部を通過した光を受け入れる受光部3と、発光部2a〜2eから照射されて該透光部を通過した光を受光部3に導く導光手段5とを備える。光学スケール4と発光部2a〜2eとは相対的な回転運動を生ずる関係に配置され、且つ両者の相対的な回転運動の中心軸線上に受光部3が配置される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転位置を絶対位置として検出する光学式のアブソリュート形ロータリエンコーダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の光学式によるアブソリュート形のロータリエンコーダの例として、発光素子からの透過光に基づいて回転位置の絶対値を検出する光学式アブソリュート形ロータリエンコーダが用いられている(例えば、特許文献1参照)。このロータリエンコーダには、図10に示すように、発光素子102と、発光素子102を駆動する駆動回路101と、発光素子102からの出射光を平行光にするコリメータレンズ103と、回転位置情報が純2進コード又はグレイコード等の符号コードパターンのスリットとして複数のトラックの記録面に分けて記録された回転ディスク104とが備えられている。
【0003】
図11に示すように、回転ディスク104は、5つのトラック104a〜104eから構成される光学的記録面を有する。最外側トラック104aには、回転位置情報のLSB(最下位ビット)信号を表すスリットが記録され、内側のトラックほど上位のビット信号を表すスリットが記録され、最内側トラック104eにはMSB(最上位ビット)信号を表すスリットが記録されている。
【0004】
さらに、このロータリエンコーダには、回転ディスク104の回転中心に結合し、図示しない外部からの回転力を回転ディスク104に伝達する回転シャフト105と、回転ディスク104の各トラック104a〜104eのスリットを通ってきた透過光を各々光電変換する受光素子106a〜106eと、各受光素子106a〜106eの出力信号から回転位置の絶対値を検出するデコーダ回路107とを備えている。
【0005】
このロータリエンコーダでは、発光素子102から出射された光がコリメータレンズ103により平行光にされて、回転ディスク104の半径方向に線状に照射される。そして、このロータリエンコーダでは、回転ディスク104の各トラック104a〜104eのスリットを通ってきた透過光を受光素子106a〜106eで光電変換し、デコーダ回路107で透過光の有無を検出して回転位置の絶対値が得られる。
【特許文献1】特開平6−347292号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダでは、回転ディスク104の両側に、発光素子102と受光素子106a〜106eとをそれぞれ配置しなければならない。このため、回転ディスク104の一方の側に、発光素子とその駆動回路等の電気的回路や光学系部品を配置し、回転ディスク104の他方の側に、受光素子とその駆動回路やデコーダ回路等の電気的回路や光学系部品を配置することとなる。従って、電気的接続や光学的配置等の構造が複雑になってしまい、ロータリエンコーダを小型化することが困難である。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑み、小型かつ簡易な構造で、回転位置の絶対値を精度良く検出することができる光学式アブソリュート形ロータリエンコーダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダは、透光部と遮光部との組合せで1つの絶対値を表すアブソリュートパターンを有する光学スケールと、光学スケールに対し一方の側に配置され、該光学スケールに光を照射する発光部と、光学スケールに対し発光部と同じ側に配置され、該光学スケールの透光部を透過した光を受け入れる受光部と、発光部から照射されて透光部を通過した光を受光部に導く導光手段とを備え、光学スケールと発光部とは相対的な回転運動を生ずる関係に配置され、且つ両者の相対的な回転運動の中心軸線上に受光部が配置されることを特徴とする。
【0009】
本発明の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダによれば、光学スケールの受光部に対する回転位置に対応して、この回転位置の絶対値が、光学スケールの受光部に対向した部分の透光部と遮光部との連続した組合せで表されている。よって、この光学スケールの透光部を通過した光に基づいて、回転位置の絶対値が検出される。このとき、発光部と受光部とが光学スケールの同じ側に配置されているので、発光部と受光部とをその駆動回路等と共に同一の回路基板上に実装することができる。そして、発光部から照射されて光学スケールの透光部を通過した光を、導光手段により受光部へ効率良く導光することができる。従って、小型かつ簡易な構造の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダで、回転位置の絶対値を精度良く検出することができる。
【0010】
なお、発光部は、例えば複数の発光素子(発光ダイオード、レーザダイオード等)で構成され、受光部は、例えば1つの受光素子(フォトダイオード等)で構成される。
【0011】
また、光学スケールは、例えば円盤形状であり中心軸線周りに回転可能に設けられる。また、導光手段は、例えば回転体形状であり、その回転軸線が光学スケールの回転軸線と共通となるように配置する。
【0012】
また、本発明の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダにおいて、導光手段は、入射された光を全反射するように、該入射された光に対して所定角度で形成された第1の反射面と、該第1の反射面で反射された光を受光部に集光するように反射する曲面形状で形成された第2の反射面とを備えることが好ましい。
【0013】
この場合、発光部から光学ディスクに入射された光が第1の反射面により全反射され、この第1の反射面で全反射された光が第2の反射面により受光部に集光されるので、発光部から入射された光の損失を防止しつつ、入射された光を受光部に効率良く導光することができる。
【0014】
なお、導光手段を形成する材料としては、例えばアクリル等の、空気に比べて屈折率の大きい材料を用いる。これにより、入射角が所定の臨界角より大きい場合に全反射となる。
【0015】
また、本発明の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダにおいて、第1の反射面の所定角度は45°であることが好ましい。
【0016】
この場合、発光部から導光手段に入射された光は、該入射された光に対して90°の方向に全反射されるので、入射された光を光学スケールの回転軸線に向かって効率良く導光することができる。
【0017】
また、本発明の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダにおいて、第2の反射面の曲面形状は、受光部に対して焦点を有する放物面形状であることが好ましい。
【0018】
この場合、第2の反射面が放物面形状であり、第2の反射面に入射された光はその焦点に集光するように反射されるので、第1の反射面で全反射された光を受光部へ効率良く集光することができる。
【0019】
また、本発明の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダにおいて、導光手段は、第2の反射面で反射された光を受光部へ出射する該受光部を中心とした球面形状の出射面を備えることが好ましい。
【0020】
この場合、第2の反射面に入射された光は受光部に集光するように反射されていると共に、出射面は受光部を中心とする球面形状に形成されているので、第2の反射面によって反射された光は、すべて出射面に対して90°の角度で入射される。よって、第2の反射面で反射された光は、屈折・反射等の出射面の影響を受けずに出射面から出射されるので、入射された光を受光部へ効率良く集光することができる。
【0021】
また、本発明の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダにおいて、導光手段は、発光部から照射される光を平行光にして入射する放物面形状の入射面を備えることが好ましい。
【0022】
この場合、導光手段の入射面で、入射された光を平行光にすることができるので、例えば、発光素子がLED等でその出力光が放射特性を有する場合に、出力光を平行光にするためのコリメータレンズ等の光学系部品を備えたりすることなく、より簡易な構造で、入射された光を受光部へ効率良く導光することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
[第1実施形態]
図1に示すように、第1実施形態の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダは、アブソリュートパターンを有する回転ディスク4と、回転ディスク4に光を照射する複数の(本実施形態では5つの)発光素子2a〜2eと、発光素子2a〜2eから照射されて回転ディスク4を通過した光を受光する1つの受光素子3と、回転ディスク4を通過した光を受光素子3に導光する回転導光ディスク5とを備えている。なお、5つの発光素子2a〜2e、1つの受光素子3が、それぞれ本発明の発光部、受光部に相当する。また、図1は本実施形態の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダの横断面図である。
【0024】
図2には、図1の回転ディスク4のI−I線端面図を示す。回転ディスク(光学スケール)4は、その中心部に貫通孔が形成された円盤形状で、その表面が光学的記録面となっている。この光学的記録面は、複数の(本実施形態では5つの)同心円周状のトラック(信号が記録される所定幅の帯状の部分)4a〜4eから構成されている。回転ディスク4の5つのトラック4a〜4eには、それぞれ、光が通過するスリット(透光部)が部分的に形成されている。また、回転ディスク4のスリット以外の部分(遮光部)は、光を遮光するように形成されている。図1,図2においてスリット部分を斜線で示す。このように、信号がスリットとして回転ディスク4に記録されている。
【0025】
この回転ディスク4の5つのトラック4a〜4eのスリットにより、アブソリュートパターン(絶対値コードパターンともいう。)が構成されている。アブソリュートパターンは、1つの絶対値を示す所定のビット数の信号(本実施形態では5ビットの信号)を純2進コード又はグレイコード等の符号コードで表すコードパターンである。例えばスリットを「1」、遮光部を「0」として、回転ディスク4の半径方向における5つのトラック4a〜4eのスリットと遮光部との連続した組合せにより、回転位置情報に対応した1つの絶対値を示す5ビットの信号が表される。具体的には、最外側トラック4aには、回転位置情報のLSB(最下位ビット)信号を表すスリットが形成され、内側のトラックほど上位のビット信号を表すスリットが形成され、最内側トラック4eにはMSB(最上位ビット)信号を表すスリットが形成されている。
【0026】
5つの発光素子2a〜2e(例えばLED)と1つの受光素子3(例えばフォトダイオード)とは、いずれも、回転ディスク4の一方の側に配置された回路基板1上に実装されている。5つの発光素子2a〜2eは、5つのトラック4a〜4eにそれぞれ対向して、回転ディスク4の半径方向に並んで配置されている。また、受光素子3(例えばフォトダイオード)は、回転ディスク4の回転軸線17上に配置されている。
【0027】
なお、図示は省略するが、光学式アブソリュート形ロータリエンコーダには、発光素子2a〜2eを駆動する駆動回路や、受光素子3を駆動する駆動回路や、受光素子3の出力信号から回転位置の絶対値を検出するデコーダ回路も備えられている。そして、これらの電気的回路も回路基板1上に実装されている。
【0028】
回転導光ディスク(導光手段)5は回転体形状であり、その回転軸線が回転ディスク4の回転軸線17と共通となっている。この回転導光ディスク5の中心部には、図示しない外部からの回転力を回転導光ディスク5に伝達する回転シャフト6が連結されており、回転導光ディスク5は回転シャフト6を回転軸として回転する。このとき、回転ディスク4は、例えば回転導光ディスク5の後述の入射面12上に直接形成されるか、又は別体で形成されて回転導光ディスク5と連結される等して、回転導光ディスク5と一体的に回転するように設けられている。また、回路基板1は固定されている。よって、回転ディスク4と発光素子2a〜2eとは、相対的な回転運動を生ずる関係に配置されている。そして、回転軸線17は、回転ディスク4と発光素子2a〜2eとの相対的な回転運動の中心軸線に相当する。これにより、回転ディスク4が回転すると、この回転位置の絶対値が、発光素子2a〜2eの上部のトラック4a〜4eのスリットと遮光部との連続した組合せで表される。
【0029】
このとき、図2に示すスリットを有する回転ディスク4で表される回転位置のアブソリュートパターンは、純2進コードとなる。また、回転ディスク4の代わりに、図3に示すように、回転位置のアブソリュートパターンがグレイコードとして表される回転ディスク40を用いてもよい。この回転ディスク40は、図2の回転ディスク4と同様に、同心円周状のトラック40a〜40eで構成された光学的記録面を有する。この5つのトラック40a〜40eに形成されたスリットにより、回転位置のアブソリュートパターンがグレイコードとして表される。図4の表に、2種の回転ディスク4,40でそれぞれ表される回転位置のアブソリュートパターン(純2進コード,グレイコード)を、スリットを「1」、遮光部を「0」として表現した場合の信号を示す。この信号により、1回転を32分割して回転位置の絶対値が示される。
【0030】
また、回転導光ディスク5は、回転ディスク4の各トラック4a〜4eのスリットを通過した光を、受光素子3へ導光する光学的な導光構造を有する。図1では、3つの発光素子2b,2d,2eの上部のトラック4b,4d,4eにそれぞれスリットが形成されており、破線の矢印で示すように、これらのスリットを通過した光が回転導光ディスク5に入射されて、受光素子3へ導光されている。
【0031】
図5は図1と同様の横断面図で、回転導光ディスク5の導光構造について詳細に示した図である。図5では、5つの発光素子2a〜2eからそれぞれ照射された光が回転導光ディスク5に入射されて導光されている場合の光線軌跡を点線で示す。回転導光ディスク5は、発光素子2a〜2eから照射された光が入射される入射面12と、この入射面12から入射された光が反射される第1の反射面13と、この第1の反射面13で反射された光が受光素子3に集光されるように反射される第2の反射面14と、この第2の反射面14で反射された光が出射される出射面15とを備えている。
【0032】
この回転導光ディスク5は、その回転軸線17に対して回転対称な構造を有している。図6(a)は、回転導光ディスク5を斜め下側から見た斜視図、図6(b)は、回転導光ディスク5を斜め上側から見た斜視図である。図6(a)(b)に示すように、入射面12、第1の反射面13、第2の反射面14、出射面15は、それぞれ回転対称な面となっている。
【0033】
回転導光ディスク5の入射面12は、回転ディスク4の5つのトラック4a〜4eを挟んで、5つの発光素子2a〜2eに対向して配置されている。入射面12には、発光素子2a〜2eから照射されてトラック4a〜4eのスリットを通過した光がそれぞれ入射される。なお、入射面12には溝部12f〜12iが形成され、各発光素子2a〜2eから照射されて各トラック4a〜4eのスリットを通過して回転導光ディスク5に入射された光を、反射面13へ向かって効率良く導光する。
【0034】
第1の反射面13は、入射された光を全反射するように、該入射された光に対して所定角度で形成されている。具体的には、入射された光に対して45°の角度で形成されている。これにより、入射した光は第1の反射面13で入射した光に対して90°の角度で全反射し、回転軸線17方向へ導光される。
【0035】
ここで、図7に示すように、屈折率n1を持った媒質M1から、屈折率n2を持った媒質M2に向かって光が入射するとき、境界の法線に対する入射光の入射角をθ1とすると、媒質M2に入射した光は境界面の法線に対して屈折角θ2で屈折して入射する。このとき、スネルの法則により、
n1・sinθ1=n2・sinθ2 …(1)
の関係式が成り立つ。なお、境界面で生じる反射光の、境界の法線に対する角度θ3はθ3=−θ1である。
【0036】
また、図8に示すように、屈折率の高い媒質M2(屈折率n2)から屈折率の低い媒質M1(屈折率n1)へ光が入射する場合(n2>n1)には、所定の入射角θcrを超えると媒質M1へ向かって光が出ていくことができず全反射が生じる。この全反射が起こる入射角θcrを臨界角といい、θcr,n1,n2の間には
sinθcr=n1/n2 …(2)
の関係式が成り立つ。すなわち、臨界角θcrにおいて式(1)より屈折角θt=90°となっている。なお、反射光の角度θrは、θr=−θcrである。例えば、媒質M1を空気(n1=1.0)、媒質M2をアクリル(n2=1.49)とすると、臨界角θcrは42.2°となる。
【0037】
従って、回転導光ディスク5を形成する材料として、例えば空気に比べて屈折率が大きく、臨界角θcrが第1の反射面13の所定角度(例えば45°)より小さくなるような材料(例えばアクリル)を用いる。これにより、入射された光が第1の反射面13で全反射され、回転軸線17方向へ導光される。
【0038】
また、第2の反射面14は、第1の反射面13で反射された光を受光素子3に集光するように反射する曲面形状で形成されている。具体的には、受光素子3に対して焦点を有する放物面形状で形成されている。また、出射面15は、受光素子3を中心とする球面形状で形成されている。すなわち、第2の反射面で反射された光は、いずれも、出射面15に対して90°の角度で入射する。このとき、屈折率の違う媒質の境界面において、境界面に対して90°の角度で入射する場合には、式(1)よりそのまま90°の角度で出射されるので、第2の反射面14で反射された光は出射面15の影響を受けずに受光素子3に集光される。
【0039】
次に、本実施形態の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダの作動について説明する。まず、発光素子2a〜2eが駆動回路によりそれぞれ駆動され、各発光素子2a〜2eから出力された光が回転ディスク4の各トラック4a〜4eに照射される。このとき、回転ディスク4の回転位置に対応して、この回転位置の絶対値が、発光素子2a〜2eの上部のトラック4a〜4eのスリットと遮光部との連続した組合せで表されている。そして、発光素子2a〜2eの上部のトラック4a〜4eにスリットが形成されている場合には光が通過し、遮光部の場合には光が遮光される。
【0040】
各トラック4a〜4eの所定のスリットを通過した光は、回転導光ディスク5の入射面12に入射される。この入射された光は、第1の反射面13によって入射された光に対して90°の方向に全反射され、回転軸線17方向へ導光される。この第1の反射面13で反射された光は、第2の反射面14により受光素子3に集光するように反射され、この反射された光は出射面15を通って受光素子3に出射される。このとき、第2の反射面14は受光素子3を焦点とする放物面形状なので、第2の反射面14で反射された光は効率良く受光素子3に集光される。また、出射面15は受光素子3を中心とする球面形状なので、第2の反射面14によって反射された光は、すべて出射面15に対して90°の角度で入射され、屈折・反射等の出射面15の影響を受けずに、出射面15から出射されて受光素子3に集光される。
【0041】
受光素子3に集光された光は、受光素子3で受光されて電気信号に変換されて出力される。このとき、受光される光は各トラック4a〜4eの所定のスリットを通過した光を重ね合わせたものとなる。よって、各発光素子2a〜2eを異なる駆動信号、例えば時分割で駆動させて、受光素子3の出力信号をデコーダ回路で処理することにより回転位置の絶対値が検出される。
【0042】
本実施形態によれば、発光部と受光部とを同一の回路基板上に実装できると共に、発光部から照射されて回転ディスクのスリットを通過した光を回転導光ディスクにより受光部へ効率良く導光することができるので、小型かつ簡易な構造の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダで、回転位置の絶対値を精度良く検出することができる。
【0043】
なお、本実施形態において、例えば各発光素子2a〜2eから出力された光を平行光にして回転ディスク4の各トラック4a〜4eに照射するためのコリメータレンズ等の光学系部品を備えるようにしてもよい。この場合、これらの光学系部品も回路基板1上に実装することで、光学式アブソリュート形ロータリエンコーダを小型かつ簡易な構造とすることができる。
【0044】
また、本実施形態では、回転導光ディスクに連結した回転シャフトを介して、回転ディスクを発光素子に対して回転するものとしたが、他の実施形態として、回転シャフトを回路基板に連結して、発光素子を回転ディスクに対して回転させてもよい。この場合、発光素子と受光素子とがその駆動回路等と共に同一の回路基板1上に実装されているので容易に回転可能である。
【0045】
また、本実施形態では、回転導光ディスクと回転ディスクとを一体的に回転するものとしたが、他の実施形態として、回転ディスクのみを回転するものとしてもよい。
[第2実施形態]
図9(a)には、第2実施形態の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダの回転導光ディスク22と、発光部21と、受光部23との横断面図を示す。本実施形態は、第1実施形態の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダと、回転導光ディスク22の入射面22aの形状が相違するものである。以下の説明では、第1実施形態と同一の構成については、第1実施形態と同一の参照符号を用いて説明を省略する。
【0046】
本実施形態の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダでは、発光部21を構成する複数の発光素子として、平行光が出力される発光素子(例えばレーザダイオード等)が用いられる。そして、回転導光ディスク22の入射面22aは、全面が平面形状に形成されている。すなわち、入射面22aには、第1実施形態の入射面12(図5)のように、複数の発光素子2a〜2eからの入射光を反射面13へ効率良く導光するための溝部12f〜12iは形成されていない。他の構成は第1実施形態と同様である。
【0047】
図9(a)に、発光部21の発光素子から照射された光が、回転導光ディスク22に入射されて導光されている場合の光線軌跡を点線で示す。この光学式アブソリュート形ロータリエンコーダの作動では、発光部21の複数の発光素子から平行光が回転ディスク4の対向するトラック4a〜4eにそれぞれ照射される。そして、各トラック4a〜4eのスリットを通過した光が入射面22aから回転導光ディスク22に入射される。この入射された光は平行光であるから、第1実施形態のように溝部12f〜12iがなくとも効率良く第1の反射面13に導光される。他の作動は第1実施形態と同様である。
【0048】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、発光部と受光部とを同一の回路基板上に実装できると共に、発光部から照射されて回転ディスクのスリットを通過した光を回転導光ディスクにより受光部へ効率良く導光することができるので、小型かつ簡易な構造の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダで、回転位置の絶対値を精度良く検出することができる。さらに、本実施形態によれば、回転導光ディスクの入射面の全面が平面形状であるので、例えばレーザダイオード等の平行光が出力される発光素子を用いる場合に、より簡易な構造で、入射された光を受光部へ効率良く導光することができる。
[第3実施形態]
図9(b)には、第3実施形態の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダの回転導光ディスク25と、発光部24と、受光部26との横断面図を示す。本実施形態は、第1実施形態の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダと、回転導光ディスク25の入射面25aの形状が相違するものである。以下の説明では、第1実施形態と同一の構成については、第1実施形態と同一の参照符号を用いて説明を省略する。
【0049】
本実施形態の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダでは、発光部24を構成する複数の発光素子として、出力光が放射特性を有する発光素子(例えばLED等)が用いられる。そして、回転導光ディスク25の入射面25aは、発光部24の発光素子から照射された光を平行光にするような曲面形状(例えば、放物面レンズ形状)に形成されている。なお、入射面25aには、第1実施形態の入射面12のように、複数の発光素子2a〜2eからの入射光を反射面13へ効率良く導光するための溝部12f〜12iは形成されていない。他の構成は第1実施形態と同様である。
【0050】
図9(b)に、発光部24の発光素子から照射された光が、回転導光ディスク25に入射されて導光されている場合の光線軌跡を点線で示す。この光学式アブソリュート形ロータリエンコーダの作動では、発光部24の複数の発光素子から放射特性を有する出力光が回転ディスク4の対向するトラック4a〜4eにそれぞれ照射される。そして、各トラック4a〜4eのスリットを通過した光が入射面25aから回転導光ディスク25に入射される。このとき、入射された光は入射面25aで平行光にされるので、第1実施形態のように溝部12f〜12iがなくとも効率良く第1の反射面13に導光される。他の作動は第1実施形態と同様である。
【0051】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、発光部と受光部とを同一の回路基板上に実装できると共に、発光部から照射されて回転ディスクのスリットを通過した光を回転導光ディスクにより受光部へ効率良く導光することができるので、小型かつ簡易な構造の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダで、回転位置の絶対値を精度良く検出することができる。さらに、本実施形態によれば、回転導光ディスクの入射面で、入射された光を平行光にすることができるので、例えば、発光素子がLED等でその出力光が放射特性を有する場合に、出力光を平行光にするためのコリメータレンズ等の光学系部品を備えたり、回転導光ディスクの入射面に入射光を反射面13へ効率良く導光する溝部を設けたりすることなく、より簡易な構造で、入射された光を受光部へ効率良く導光することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1実施形態における光学式アブソリュート形ロータリエンコーダの構成を示す説明図。
【図2】図1の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダの回転ディスクのI−I線端面図。
【図3】図1の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダの他の回転ディスクの端面図。
【図4】図2及び図3の回転ディスクのアブソリュートパターンを示す説明図。
【図5】図1の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダの回転導光ディスクの構成を示す説明図。
【図6】図1の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダの回転導光ディスクの斜視図。
【図7】図1の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダの作動を示す説明図。
【図8】図1の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダの作動を示す説明図。
【図9】図1の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダの他の実施形態の構成を示す説明図。
【図10】従来の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダの構成を示す説明図。
【図11】図10の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダの回転ディスクのII−II線端面図。
【符号の説明】
【0053】
1…回路基板、2a〜2e…発光素子、3…受光素子、4,40…回転ディスク、4a〜4e,40a〜40e…トラック、5…回転導光ディスク、6…回転シャフト、12…入射面、12f〜12i…溝部、13…第1の反射面、14…第2の反射面、15…出射面、17…回転軸線、21…発光部(レーザダイオード)、22…回転導光ディスク、22a…入射面、23…受光部、24…発光部(LED)、25…回転導光ディスク、25a…入射面、26…受光部、
101…駆動回路、102…発光素子、103…コリメータレンズ、104…回転ディスク、104a〜104e…トラック、105…回転シャフト、106a〜106e…受光素子、107…デコーダ回路。
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転位置を絶対位置として検出する光学式のアブソリュート形ロータリエンコーダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の光学式によるアブソリュート形のロータリエンコーダの例として、発光素子からの透過光に基づいて回転位置の絶対値を検出する光学式アブソリュート形ロータリエンコーダが用いられている(例えば、特許文献1参照)。このロータリエンコーダには、図10に示すように、発光素子102と、発光素子102を駆動する駆動回路101と、発光素子102からの出射光を平行光にするコリメータレンズ103と、回転位置情報が純2進コード又はグレイコード等の符号コードパターンのスリットとして複数のトラックの記録面に分けて記録された回転ディスク104とが備えられている。
【0003】
図11に示すように、回転ディスク104は、5つのトラック104a〜104eから構成される光学的記録面を有する。最外側トラック104aには、回転位置情報のLSB(最下位ビット)信号を表すスリットが記録され、内側のトラックほど上位のビット信号を表すスリットが記録され、最内側トラック104eにはMSB(最上位ビット)信号を表すスリットが記録されている。
【0004】
さらに、このロータリエンコーダには、回転ディスク104の回転中心に結合し、図示しない外部からの回転力を回転ディスク104に伝達する回転シャフト105と、回転ディスク104の各トラック104a〜104eのスリットを通ってきた透過光を各々光電変換する受光素子106a〜106eと、各受光素子106a〜106eの出力信号から回転位置の絶対値を検出するデコーダ回路107とを備えている。
【0005】
このロータリエンコーダでは、発光素子102から出射された光がコリメータレンズ103により平行光にされて、回転ディスク104の半径方向に線状に照射される。そして、このロータリエンコーダでは、回転ディスク104の各トラック104a〜104eのスリットを通ってきた透過光を受光素子106a〜106eで光電変換し、デコーダ回路107で透過光の有無を検出して回転位置の絶対値が得られる。
【特許文献1】特開平6−347292号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダでは、回転ディスク104の両側に、発光素子102と受光素子106a〜106eとをそれぞれ配置しなければならない。このため、回転ディスク104の一方の側に、発光素子とその駆動回路等の電気的回路や光学系部品を配置し、回転ディスク104の他方の側に、受光素子とその駆動回路やデコーダ回路等の電気的回路や光学系部品を配置することとなる。従って、電気的接続や光学的配置等の構造が複雑になってしまい、ロータリエンコーダを小型化することが困難である。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑み、小型かつ簡易な構造で、回転位置の絶対値を精度良く検出することができる光学式アブソリュート形ロータリエンコーダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダは、透光部と遮光部との組合せで1つの絶対値を表すアブソリュートパターンを有する光学スケールと、光学スケールに対し一方の側に配置され、該光学スケールに光を照射する発光部と、光学スケールに対し発光部と同じ側に配置され、該光学スケールの透光部を透過した光を受け入れる受光部と、発光部から照射されて透光部を通過した光を受光部に導く導光手段とを備え、光学スケールと発光部とは相対的な回転運動を生ずる関係に配置され、且つ両者の相対的な回転運動の中心軸線上に受光部が配置されることを特徴とする。
【0009】
本発明の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダによれば、光学スケールの受光部に対する回転位置に対応して、この回転位置の絶対値が、光学スケールの受光部に対向した部分の透光部と遮光部との連続した組合せで表されている。よって、この光学スケールの透光部を通過した光に基づいて、回転位置の絶対値が検出される。このとき、発光部と受光部とが光学スケールの同じ側に配置されているので、発光部と受光部とをその駆動回路等と共に同一の回路基板上に実装することができる。そして、発光部から照射されて光学スケールの透光部を通過した光を、導光手段により受光部へ効率良く導光することができる。従って、小型かつ簡易な構造の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダで、回転位置の絶対値を精度良く検出することができる。
【0010】
なお、発光部は、例えば複数の発光素子(発光ダイオード、レーザダイオード等)で構成され、受光部は、例えば1つの受光素子(フォトダイオード等)で構成される。
【0011】
また、光学スケールは、例えば円盤形状であり中心軸線周りに回転可能に設けられる。また、導光手段は、例えば回転体形状であり、その回転軸線が光学スケールの回転軸線と共通となるように配置する。
【0012】
また、本発明の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダにおいて、導光手段は、入射された光を全反射するように、該入射された光に対して所定角度で形成された第1の反射面と、該第1の反射面で反射された光を受光部に集光するように反射する曲面形状で形成された第2の反射面とを備えることが好ましい。
【0013】
この場合、発光部から光学ディスクに入射された光が第1の反射面により全反射され、この第1の反射面で全反射された光が第2の反射面により受光部に集光されるので、発光部から入射された光の損失を防止しつつ、入射された光を受光部に効率良く導光することができる。
【0014】
なお、導光手段を形成する材料としては、例えばアクリル等の、空気に比べて屈折率の大きい材料を用いる。これにより、入射角が所定の臨界角より大きい場合に全反射となる。
【0015】
また、本発明の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダにおいて、第1の反射面の所定角度は45°であることが好ましい。
【0016】
この場合、発光部から導光手段に入射された光は、該入射された光に対して90°の方向に全反射されるので、入射された光を光学スケールの回転軸線に向かって効率良く導光することができる。
【0017】
また、本発明の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダにおいて、第2の反射面の曲面形状は、受光部に対して焦点を有する放物面形状であることが好ましい。
【0018】
この場合、第2の反射面が放物面形状であり、第2の反射面に入射された光はその焦点に集光するように反射されるので、第1の反射面で全反射された光を受光部へ効率良く集光することができる。
【0019】
また、本発明の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダにおいて、導光手段は、第2の反射面で反射された光を受光部へ出射する該受光部を中心とした球面形状の出射面を備えることが好ましい。
【0020】
この場合、第2の反射面に入射された光は受光部に集光するように反射されていると共に、出射面は受光部を中心とする球面形状に形成されているので、第2の反射面によって反射された光は、すべて出射面に対して90°の角度で入射される。よって、第2の反射面で反射された光は、屈折・反射等の出射面の影響を受けずに出射面から出射されるので、入射された光を受光部へ効率良く集光することができる。
【0021】
また、本発明の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダにおいて、導光手段は、発光部から照射される光を平行光にして入射する放物面形状の入射面を備えることが好ましい。
【0022】
この場合、導光手段の入射面で、入射された光を平行光にすることができるので、例えば、発光素子がLED等でその出力光が放射特性を有する場合に、出力光を平行光にするためのコリメータレンズ等の光学系部品を備えたりすることなく、より簡易な構造で、入射された光を受光部へ効率良く導光することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
[第1実施形態]
図1に示すように、第1実施形態の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダは、アブソリュートパターンを有する回転ディスク4と、回転ディスク4に光を照射する複数の(本実施形態では5つの)発光素子2a〜2eと、発光素子2a〜2eから照射されて回転ディスク4を通過した光を受光する1つの受光素子3と、回転ディスク4を通過した光を受光素子3に導光する回転導光ディスク5とを備えている。なお、5つの発光素子2a〜2e、1つの受光素子3が、それぞれ本発明の発光部、受光部に相当する。また、図1は本実施形態の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダの横断面図である。
【0024】
図2には、図1の回転ディスク4のI−I線端面図を示す。回転ディスク(光学スケール)4は、その中心部に貫通孔が形成された円盤形状で、その表面が光学的記録面となっている。この光学的記録面は、複数の(本実施形態では5つの)同心円周状のトラック(信号が記録される所定幅の帯状の部分)4a〜4eから構成されている。回転ディスク4の5つのトラック4a〜4eには、それぞれ、光が通過するスリット(透光部)が部分的に形成されている。また、回転ディスク4のスリット以外の部分(遮光部)は、光を遮光するように形成されている。図1,図2においてスリット部分を斜線で示す。このように、信号がスリットとして回転ディスク4に記録されている。
【0025】
この回転ディスク4の5つのトラック4a〜4eのスリットにより、アブソリュートパターン(絶対値コードパターンともいう。)が構成されている。アブソリュートパターンは、1つの絶対値を示す所定のビット数の信号(本実施形態では5ビットの信号)を純2進コード又はグレイコード等の符号コードで表すコードパターンである。例えばスリットを「1」、遮光部を「0」として、回転ディスク4の半径方向における5つのトラック4a〜4eのスリットと遮光部との連続した組合せにより、回転位置情報に対応した1つの絶対値を示す5ビットの信号が表される。具体的には、最外側トラック4aには、回転位置情報のLSB(最下位ビット)信号を表すスリットが形成され、内側のトラックほど上位のビット信号を表すスリットが形成され、最内側トラック4eにはMSB(最上位ビット)信号を表すスリットが形成されている。
【0026】
5つの発光素子2a〜2e(例えばLED)と1つの受光素子3(例えばフォトダイオード)とは、いずれも、回転ディスク4の一方の側に配置された回路基板1上に実装されている。5つの発光素子2a〜2eは、5つのトラック4a〜4eにそれぞれ対向して、回転ディスク4の半径方向に並んで配置されている。また、受光素子3(例えばフォトダイオード)は、回転ディスク4の回転軸線17上に配置されている。
【0027】
なお、図示は省略するが、光学式アブソリュート形ロータリエンコーダには、発光素子2a〜2eを駆動する駆動回路や、受光素子3を駆動する駆動回路や、受光素子3の出力信号から回転位置の絶対値を検出するデコーダ回路も備えられている。そして、これらの電気的回路も回路基板1上に実装されている。
【0028】
回転導光ディスク(導光手段)5は回転体形状であり、その回転軸線が回転ディスク4の回転軸線17と共通となっている。この回転導光ディスク5の中心部には、図示しない外部からの回転力を回転導光ディスク5に伝達する回転シャフト6が連結されており、回転導光ディスク5は回転シャフト6を回転軸として回転する。このとき、回転ディスク4は、例えば回転導光ディスク5の後述の入射面12上に直接形成されるか、又は別体で形成されて回転導光ディスク5と連結される等して、回転導光ディスク5と一体的に回転するように設けられている。また、回路基板1は固定されている。よって、回転ディスク4と発光素子2a〜2eとは、相対的な回転運動を生ずる関係に配置されている。そして、回転軸線17は、回転ディスク4と発光素子2a〜2eとの相対的な回転運動の中心軸線に相当する。これにより、回転ディスク4が回転すると、この回転位置の絶対値が、発光素子2a〜2eの上部のトラック4a〜4eのスリットと遮光部との連続した組合せで表される。
【0029】
このとき、図2に示すスリットを有する回転ディスク4で表される回転位置のアブソリュートパターンは、純2進コードとなる。また、回転ディスク4の代わりに、図3に示すように、回転位置のアブソリュートパターンがグレイコードとして表される回転ディスク40を用いてもよい。この回転ディスク40は、図2の回転ディスク4と同様に、同心円周状のトラック40a〜40eで構成された光学的記録面を有する。この5つのトラック40a〜40eに形成されたスリットにより、回転位置のアブソリュートパターンがグレイコードとして表される。図4の表に、2種の回転ディスク4,40でそれぞれ表される回転位置のアブソリュートパターン(純2進コード,グレイコード)を、スリットを「1」、遮光部を「0」として表現した場合の信号を示す。この信号により、1回転を32分割して回転位置の絶対値が示される。
【0030】
また、回転導光ディスク5は、回転ディスク4の各トラック4a〜4eのスリットを通過した光を、受光素子3へ導光する光学的な導光構造を有する。図1では、3つの発光素子2b,2d,2eの上部のトラック4b,4d,4eにそれぞれスリットが形成されており、破線の矢印で示すように、これらのスリットを通過した光が回転導光ディスク5に入射されて、受光素子3へ導光されている。
【0031】
図5は図1と同様の横断面図で、回転導光ディスク5の導光構造について詳細に示した図である。図5では、5つの発光素子2a〜2eからそれぞれ照射された光が回転導光ディスク5に入射されて導光されている場合の光線軌跡を点線で示す。回転導光ディスク5は、発光素子2a〜2eから照射された光が入射される入射面12と、この入射面12から入射された光が反射される第1の反射面13と、この第1の反射面13で反射された光が受光素子3に集光されるように反射される第2の反射面14と、この第2の反射面14で反射された光が出射される出射面15とを備えている。
【0032】
この回転導光ディスク5は、その回転軸線17に対して回転対称な構造を有している。図6(a)は、回転導光ディスク5を斜め下側から見た斜視図、図6(b)は、回転導光ディスク5を斜め上側から見た斜視図である。図6(a)(b)に示すように、入射面12、第1の反射面13、第2の反射面14、出射面15は、それぞれ回転対称な面となっている。
【0033】
回転導光ディスク5の入射面12は、回転ディスク4の5つのトラック4a〜4eを挟んで、5つの発光素子2a〜2eに対向して配置されている。入射面12には、発光素子2a〜2eから照射されてトラック4a〜4eのスリットを通過した光がそれぞれ入射される。なお、入射面12には溝部12f〜12iが形成され、各発光素子2a〜2eから照射されて各トラック4a〜4eのスリットを通過して回転導光ディスク5に入射された光を、反射面13へ向かって効率良く導光する。
【0034】
第1の反射面13は、入射された光を全反射するように、該入射された光に対して所定角度で形成されている。具体的には、入射された光に対して45°の角度で形成されている。これにより、入射した光は第1の反射面13で入射した光に対して90°の角度で全反射し、回転軸線17方向へ導光される。
【0035】
ここで、図7に示すように、屈折率n1を持った媒質M1から、屈折率n2を持った媒質M2に向かって光が入射するとき、境界の法線に対する入射光の入射角をθ1とすると、媒質M2に入射した光は境界面の法線に対して屈折角θ2で屈折して入射する。このとき、スネルの法則により、
n1・sinθ1=n2・sinθ2 …(1)
の関係式が成り立つ。なお、境界面で生じる反射光の、境界の法線に対する角度θ3はθ3=−θ1である。
【0036】
また、図8に示すように、屈折率の高い媒質M2(屈折率n2)から屈折率の低い媒質M1(屈折率n1)へ光が入射する場合(n2>n1)には、所定の入射角θcrを超えると媒質M1へ向かって光が出ていくことができず全反射が生じる。この全反射が起こる入射角θcrを臨界角といい、θcr,n1,n2の間には
sinθcr=n1/n2 …(2)
の関係式が成り立つ。すなわち、臨界角θcrにおいて式(1)より屈折角θt=90°となっている。なお、反射光の角度θrは、θr=−θcrである。例えば、媒質M1を空気(n1=1.0)、媒質M2をアクリル(n2=1.49)とすると、臨界角θcrは42.2°となる。
【0037】
従って、回転導光ディスク5を形成する材料として、例えば空気に比べて屈折率が大きく、臨界角θcrが第1の反射面13の所定角度(例えば45°)より小さくなるような材料(例えばアクリル)を用いる。これにより、入射された光が第1の反射面13で全反射され、回転軸線17方向へ導光される。
【0038】
また、第2の反射面14は、第1の反射面13で反射された光を受光素子3に集光するように反射する曲面形状で形成されている。具体的には、受光素子3に対して焦点を有する放物面形状で形成されている。また、出射面15は、受光素子3を中心とする球面形状で形成されている。すなわち、第2の反射面で反射された光は、いずれも、出射面15に対して90°の角度で入射する。このとき、屈折率の違う媒質の境界面において、境界面に対して90°の角度で入射する場合には、式(1)よりそのまま90°の角度で出射されるので、第2の反射面14で反射された光は出射面15の影響を受けずに受光素子3に集光される。
【0039】
次に、本実施形態の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダの作動について説明する。まず、発光素子2a〜2eが駆動回路によりそれぞれ駆動され、各発光素子2a〜2eから出力された光が回転ディスク4の各トラック4a〜4eに照射される。このとき、回転ディスク4の回転位置に対応して、この回転位置の絶対値が、発光素子2a〜2eの上部のトラック4a〜4eのスリットと遮光部との連続した組合せで表されている。そして、発光素子2a〜2eの上部のトラック4a〜4eにスリットが形成されている場合には光が通過し、遮光部の場合には光が遮光される。
【0040】
各トラック4a〜4eの所定のスリットを通過した光は、回転導光ディスク5の入射面12に入射される。この入射された光は、第1の反射面13によって入射された光に対して90°の方向に全反射され、回転軸線17方向へ導光される。この第1の反射面13で反射された光は、第2の反射面14により受光素子3に集光するように反射され、この反射された光は出射面15を通って受光素子3に出射される。このとき、第2の反射面14は受光素子3を焦点とする放物面形状なので、第2の反射面14で反射された光は効率良く受光素子3に集光される。また、出射面15は受光素子3を中心とする球面形状なので、第2の反射面14によって反射された光は、すべて出射面15に対して90°の角度で入射され、屈折・反射等の出射面15の影響を受けずに、出射面15から出射されて受光素子3に集光される。
【0041】
受光素子3に集光された光は、受光素子3で受光されて電気信号に変換されて出力される。このとき、受光される光は各トラック4a〜4eの所定のスリットを通過した光を重ね合わせたものとなる。よって、各発光素子2a〜2eを異なる駆動信号、例えば時分割で駆動させて、受光素子3の出力信号をデコーダ回路で処理することにより回転位置の絶対値が検出される。
【0042】
本実施形態によれば、発光部と受光部とを同一の回路基板上に実装できると共に、発光部から照射されて回転ディスクのスリットを通過した光を回転導光ディスクにより受光部へ効率良く導光することができるので、小型かつ簡易な構造の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダで、回転位置の絶対値を精度良く検出することができる。
【0043】
なお、本実施形態において、例えば各発光素子2a〜2eから出力された光を平行光にして回転ディスク4の各トラック4a〜4eに照射するためのコリメータレンズ等の光学系部品を備えるようにしてもよい。この場合、これらの光学系部品も回路基板1上に実装することで、光学式アブソリュート形ロータリエンコーダを小型かつ簡易な構造とすることができる。
【0044】
また、本実施形態では、回転導光ディスクに連結した回転シャフトを介して、回転ディスクを発光素子に対して回転するものとしたが、他の実施形態として、回転シャフトを回路基板に連結して、発光素子を回転ディスクに対して回転させてもよい。この場合、発光素子と受光素子とがその駆動回路等と共に同一の回路基板1上に実装されているので容易に回転可能である。
【0045】
また、本実施形態では、回転導光ディスクと回転ディスクとを一体的に回転するものとしたが、他の実施形態として、回転ディスクのみを回転するものとしてもよい。
[第2実施形態]
図9(a)には、第2実施形態の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダの回転導光ディスク22と、発光部21と、受光部23との横断面図を示す。本実施形態は、第1実施形態の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダと、回転導光ディスク22の入射面22aの形状が相違するものである。以下の説明では、第1実施形態と同一の構成については、第1実施形態と同一の参照符号を用いて説明を省略する。
【0046】
本実施形態の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダでは、発光部21を構成する複数の発光素子として、平行光が出力される発光素子(例えばレーザダイオード等)が用いられる。そして、回転導光ディスク22の入射面22aは、全面が平面形状に形成されている。すなわち、入射面22aには、第1実施形態の入射面12(図5)のように、複数の発光素子2a〜2eからの入射光を反射面13へ効率良く導光するための溝部12f〜12iは形成されていない。他の構成は第1実施形態と同様である。
【0047】
図9(a)に、発光部21の発光素子から照射された光が、回転導光ディスク22に入射されて導光されている場合の光線軌跡を点線で示す。この光学式アブソリュート形ロータリエンコーダの作動では、発光部21の複数の発光素子から平行光が回転ディスク4の対向するトラック4a〜4eにそれぞれ照射される。そして、各トラック4a〜4eのスリットを通過した光が入射面22aから回転導光ディスク22に入射される。この入射された光は平行光であるから、第1実施形態のように溝部12f〜12iがなくとも効率良く第1の反射面13に導光される。他の作動は第1実施形態と同様である。
【0048】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、発光部と受光部とを同一の回路基板上に実装できると共に、発光部から照射されて回転ディスクのスリットを通過した光を回転導光ディスクにより受光部へ効率良く導光することができるので、小型かつ簡易な構造の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダで、回転位置の絶対値を精度良く検出することができる。さらに、本実施形態によれば、回転導光ディスクの入射面の全面が平面形状であるので、例えばレーザダイオード等の平行光が出力される発光素子を用いる場合に、より簡易な構造で、入射された光を受光部へ効率良く導光することができる。
[第3実施形態]
図9(b)には、第3実施形態の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダの回転導光ディスク25と、発光部24と、受光部26との横断面図を示す。本実施形態は、第1実施形態の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダと、回転導光ディスク25の入射面25aの形状が相違するものである。以下の説明では、第1実施形態と同一の構成については、第1実施形態と同一の参照符号を用いて説明を省略する。
【0049】
本実施形態の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダでは、発光部24を構成する複数の発光素子として、出力光が放射特性を有する発光素子(例えばLED等)が用いられる。そして、回転導光ディスク25の入射面25aは、発光部24の発光素子から照射された光を平行光にするような曲面形状(例えば、放物面レンズ形状)に形成されている。なお、入射面25aには、第1実施形態の入射面12のように、複数の発光素子2a〜2eからの入射光を反射面13へ効率良く導光するための溝部12f〜12iは形成されていない。他の構成は第1実施形態と同様である。
【0050】
図9(b)に、発光部24の発光素子から照射された光が、回転導光ディスク25に入射されて導光されている場合の光線軌跡を点線で示す。この光学式アブソリュート形ロータリエンコーダの作動では、発光部24の複数の発光素子から放射特性を有する出力光が回転ディスク4の対向するトラック4a〜4eにそれぞれ照射される。そして、各トラック4a〜4eのスリットを通過した光が入射面25aから回転導光ディスク25に入射される。このとき、入射された光は入射面25aで平行光にされるので、第1実施形態のように溝部12f〜12iがなくとも効率良く第1の反射面13に導光される。他の作動は第1実施形態と同様である。
【0051】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、発光部と受光部とを同一の回路基板上に実装できると共に、発光部から照射されて回転ディスクのスリットを通過した光を回転導光ディスクにより受光部へ効率良く導光することができるので、小型かつ簡易な構造の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダで、回転位置の絶対値を精度良く検出することができる。さらに、本実施形態によれば、回転導光ディスクの入射面で、入射された光を平行光にすることができるので、例えば、発光素子がLED等でその出力光が放射特性を有する場合に、出力光を平行光にするためのコリメータレンズ等の光学系部品を備えたり、回転導光ディスクの入射面に入射光を反射面13へ効率良く導光する溝部を設けたりすることなく、より簡易な構造で、入射された光を受光部へ効率良く導光することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1実施形態における光学式アブソリュート形ロータリエンコーダの構成を示す説明図。
【図2】図1の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダの回転ディスクのI−I線端面図。
【図3】図1の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダの他の回転ディスクの端面図。
【図4】図2及び図3の回転ディスクのアブソリュートパターンを示す説明図。
【図5】図1の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダの回転導光ディスクの構成を示す説明図。
【図6】図1の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダの回転導光ディスクの斜視図。
【図7】図1の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダの作動を示す説明図。
【図8】図1の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダの作動を示す説明図。
【図9】図1の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダの他の実施形態の構成を示す説明図。
【図10】従来の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダの構成を示す説明図。
【図11】図10の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダの回転ディスクのII−II線端面図。
【符号の説明】
【0053】
1…回路基板、2a〜2e…発光素子、3…受光素子、4,40…回転ディスク、4a〜4e,40a〜40e…トラック、5…回転導光ディスク、6…回転シャフト、12…入射面、12f〜12i…溝部、13…第1の反射面、14…第2の反射面、15…出射面、17…回転軸線、21…発光部(レーザダイオード)、22…回転導光ディスク、22a…入射面、23…受光部、24…発光部(LED)、25…回転導光ディスク、25a…入射面、26…受光部、
101…駆動回路、102…発光素子、103…コリメータレンズ、104…回転ディスク、104a〜104e…トラック、105…回転シャフト、106a〜106e…受光素子、107…デコーダ回路。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光部と遮光部との組合せで1つの絶対値を表すアブソリュートパターンを有する光学スケールと、
前記光学スケールに対し一方の側に配置され、該光学スケールに光を照射する発光部と、
前記光学スケールに対し該発光部と同じ側に配置され、該光学スケールの透光部を透過した光を受け入れる受光部と、
前記発光部から照射されて前記透光部を通過した光を前記受光部に導く導光手段とを備え、
前記光学スケールと前記発光部とは相対的な回転運動を生ずる関係に配置され、且つ両者の相対的な回転運動の中心軸線上に前記受光部が配置されることを特徴とする光学式アブソリュート形ロータリエンコーダ。
【請求項2】
請求項1記載の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダにおいて、前記導光手段は、入射された光を全反射するように、該入射された光に対して所定角度で形成された第1の反射面と、該第1の反射面で反射された光を前記受光部に集光するように反射する曲面形状で形成された第2の反射面とを備えることを特徴とする光学式アブソリュート形ロータリエンコーダ。
【請求項3】
請求項2記載の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダにおいて、前記第1の反射面の所定角度は45°であることを特徴とする光学式アブソリュート形ロータリエンコーダ。
【請求項4】
請求項2又は3記載の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダにおいて、前記第2の反射面の曲面形状は、前記受光部に対して焦点を有する放物面形状であることを特徴とする光学式アブソリュート形ロータリエンコーダ。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか記載の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダにおいて、前記導光手段は、前記第2の反射面で反射された光を前記受光部へ出射する該受光部を中心とした球面形状の出射面を備えることを特徴とする光学式アブソリュート形ロータリエンコーダ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか記載の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダにおいて、前記導光手段は、前記発光部から照射される光を平行光にして入射する放物面形状の入射面を備えることを特徴とする光学式アブソリュート形ロータリエンコーダ。
【請求項1】
透光部と遮光部との組合せで1つの絶対値を表すアブソリュートパターンを有する光学スケールと、
前記光学スケールに対し一方の側に配置され、該光学スケールに光を照射する発光部と、
前記光学スケールに対し該発光部と同じ側に配置され、該光学スケールの透光部を透過した光を受け入れる受光部と、
前記発光部から照射されて前記透光部を通過した光を前記受光部に導く導光手段とを備え、
前記光学スケールと前記発光部とは相対的な回転運動を生ずる関係に配置され、且つ両者の相対的な回転運動の中心軸線上に前記受光部が配置されることを特徴とする光学式アブソリュート形ロータリエンコーダ。
【請求項2】
請求項1記載の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダにおいて、前記導光手段は、入射された光を全反射するように、該入射された光に対して所定角度で形成された第1の反射面と、該第1の反射面で反射された光を前記受光部に集光するように反射する曲面形状で形成された第2の反射面とを備えることを特徴とする光学式アブソリュート形ロータリエンコーダ。
【請求項3】
請求項2記載の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダにおいて、前記第1の反射面の所定角度は45°であることを特徴とする光学式アブソリュート形ロータリエンコーダ。
【請求項4】
請求項2又は3記載の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダにおいて、前記第2の反射面の曲面形状は、前記受光部に対して焦点を有する放物面形状であることを特徴とする光学式アブソリュート形ロータリエンコーダ。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか記載の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダにおいて、前記導光手段は、前記第2の反射面で反射された光を前記受光部へ出射する該受光部を中心とした球面形状の出射面を備えることを特徴とする光学式アブソリュート形ロータリエンコーダ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか記載の光学式アブソリュート形ロータリエンコーダにおいて、前記導光手段は、前記発光部から照射される光を平行光にして入射する放物面形状の入射面を備えることを特徴とする光学式アブソリュート形ロータリエンコーダ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−82958(P2008−82958A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−265259(P2006−265259)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】
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