光学式情報読取装置
【課題】意図しない情報コードを読み取ってしまうことを抑制しつつ、読み取り速度を速くすることができる光学式情報読取装置を提供する。
【解決手段】マーカ光Mが読み取り面Rに投射された状態で、有効画素の中央部に設定された一次取り込み範囲H1に含まれる画素から信号を取り込む(S2)。そして、中心マーカ光MCの位置と取り込んだ画素の中心とのずれ量だけ、二次取り込み範囲の中心位置を初期位置から補正する(S5)。その後の二次取り込みは、範囲マーカ光MEが示すサイズと略一致するサイズを有し、S5で補正した位置を中心位置とする二次取り込み範囲H2から信号を取り込む(S7)。そして、この二次取り込みで取り込んだ信号を用いてデコード処理を行う。
【解決手段】マーカ光Mが読み取り面Rに投射された状態で、有効画素の中央部に設定された一次取り込み範囲H1に含まれる画素から信号を取り込む(S2)。そして、中心マーカ光MCの位置と取り込んだ画素の中心とのずれ量だけ、二次取り込み範囲の中心位置を初期位置から補正する(S5)。その後の二次取り込みは、範囲マーカ光MEが示すサイズと略一致するサイズを有し、S5で補正した位置を中心位置とする二次取り込み範囲H2から信号を取り込む(S7)。そして、この二次取り込みで取り込んだ信号を用いてデコード処理を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーコード(一次元コード)や、たとえばQRコード(登録商標)などの二次元コードを光学的に読み取る光学式情報読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光学式読取装置として、読み取り位置を示すマーカ光を照射するマーカ光投射手段を備えたものが知られている(たとえば、特許文献1)。マーカ光により読み取り位置が分かることから、情報コードを読み取ることができる適切な位置に光学式読取装置の位置を容易に合わせることができる。
【0003】
また、部品の寸法誤差や組み付け誤差により読み取り光軸とマーカ光軸とが僅かにずれてしまうことから、特許文献1では補正手段を備えている。詳しくは、読み取り手段の視野中心とマーカ光投射手段から投射されたマーカ光が示す読み取り中心とのずれ量を測定している。
【0004】
ずれ量は読み取り距離により異なるが、特許文献1では、ずれ量の測定は、たとえば、組み立て終了後に一度行うのみであり、ずれ量の測定時に、読み取り距離とずれ量との対応関係を示す演算式、および、マーカ光間隔と読み取り距離との関係を示す演算式も求めている。そして、コードを読み取る際には、マーカ光間隔から読み取り距離を求め、さらには、その読み取り距離からずれ量を求めている。そして、ずれ量だけ変位した位置に使用上の読み取り中心を設定する補正を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−85214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の技術は、ずれ量をマーカ光間隔から求めている。一方、コード読み取り用の画像を取り込む際にはマーカ光が邪魔となることから、マーカ光を消した状態で画像を取り込む必要がある。よって、特許文献1の技術は、コードを読み取る際、画像を2回取り込む必要がある。また、2つのマーカ光の間隔が比較的広いことから、ずれ量を測定するためには全画素を取り込む必要があり、また、コードを読み取るための画像を取得するためにも全画素を取り込む必要がある。従って、2回、全画素を取り込む必要があることから、コード読み取り速度を十分に高速化できないという問題があった。
【0007】
また、特許文献1の技術は、全画素を取り込んだ後に、デコード時にずれ量分だけ画像中心を仮想的にずらしている。全画素を取り込むため、マーカ光範囲の内外に関らず画素を取り込んでしまうことになる。よって、マーカ光範囲外の意図しない情報コードを読み取ってしまう可能性もある。
【0008】
また、コード読み取り時に、マーカ光間隔からずれ量を求めているが、マーカ光間隔を求めるためには、高価な距離センサが必要となるという問題もあった。
【0009】
本発明は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、意図しない情報コードを読み取ってしまうことを抑制しつつ、読み取り速度を速くすることができる光学式情報読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
その目的を達成するための請求項1記載の発明によれば、まず、一次取り込み手段により、マーカ光投射手段によってマーカ光が読み取り面に投射された状態で、有効画素の中央部に設定された一次取り込み範囲に含まれる画素から信号を取り込む。そして、一次取り込み手段によって信号を取り込んだ画素におけるマーカ光の位置と取り込んだ画素に含まれている視野中心とのずれ量に基づいて二次取り込み範囲の中心位置を決定する。
【0011】
このように、マーカ光の位置と取り込んだ画素に含まれている視野中心とのずれ量に基づいて二次取り込み範囲の中心位置を決定した後、コードを読み取るための二次取り込みを行う二次取り込み手段を実行する。そのため、マーカ光から外れている部分の像を取り込んでしまうことが抑制され、その結果、意図しない情報コードを読み取ってしまうという不都合が抑制される。
【0012】
また、一次取り込み手段で取り込む一次取り込み範囲は、有効画素の中央部に設定されており、有効画素の全部ではないことから、ずれ量を求めるためにも全画素を取り込む特許文献1のものに比べて、読み取り速度を高速化できる。
【0013】
また、請求項2記載の発明によれば、マーカ光投射手段は、読み取り中心を示す中心マーカ光に加えて、読み取り範囲を示す範囲マーカ光も読み取り面に投射し、二次取り込み手段で取り込む二次取り込み範囲は、範囲マーカ光が示すサイズと略一致するサイズとなっている。そのため、範囲マーカ光によって示される範囲の外にある意図しない情報コードを読み取ってしまう不都合が抑制される。なお、ここでのサイズが一致するとは、単に面積が一致するだけでなく、形状も一致することを意味する。
【0014】
また、請求項3記載の発明によれば、二次取り込み範囲の縦および横方向画素数が、それぞれ、有効画素の縦或いは横方向画素数から、一次取り込み範囲のサイズによって定まる縦あるいは横方向のずれ画素数の最大値を引いた画素数に設定されている。そのため、実際のずれ量がどのようであっても、二次取り込み範囲の中心および範囲を中心マーカ光および範囲マーカ光と一致させつつ、二次取り込み範囲、すなわち、情報コードの読み取り範囲を最も大きくすることができる。
【0015】
なお、一次取り込み範囲のサイズによって定まる縦あるいは横方向のずれ画素数の最大値とは、たとえば、一次取り込み範囲の中心が視野中心に設定されている場合には、一次取り込み範囲の縦あるいは横方向の画素数の1/2となる。
【0016】
また、請求項4記載の発明によれば、実際に読み取り面に投射された範囲マーカ光の大きさに基づいて二次取り込み範囲のサイズを決定する。そのため、二次取り込み範囲のサイズを、範囲マーカ光が示すサイズと精度よく一致させることができる。
【0017】
また、マーカ光投射手段が投射する範囲マーカ光が読み取り面において示す範囲は、有効画素によって検出される範囲であれば種々の範囲に設定することができる。たとえば、請求項5のように、一次取り込み範囲よりも大きく、且つ、エリアセンサの有効画素の1/2以下とすることもできる。前述のように、二次取り込み範囲は、範囲マーカ光が示すサイズと略一致するサイズであることから、請求項5記載の発明によれば、二次取り込み範囲も、エリアセンサの有効画素の1/2以下の小さい範囲となる。よって、高速の読取が可能となる。また、範囲マーカ光が読み取り面に示す範囲が小さいので、仮に、特許文献1のように、全画素を取り込んだ後に画像中心を仮想的にずらす技術の場合には、意図しない情報コードを多く取り込んでしまうことになる。そのため、意図しない情報コードを読み取ってしまう可能性が高くなる。しかし、この発明では、二次取り込み範囲は、範囲マーカ光が示すサイズと略一致するサイズであることから、意図しない情報コードを読み取ってしまうことも抑制できる。
【0018】
また、一次元コードを読み取る場合には、請求項6のように、二次取り込み範囲を矩形形状として、横方向の画素数はエリアセンサの横方向の有効画素数と同じとし、縦方向の画素数はエリアセンサの縦方向の有効画素数よりも小さくする。
【0019】
さらに、一次元コードを読み取る場合には、縦方向のずれ量のみを補正すればよい。そのため、請求項7のように、マーカ光投射手段は、読取範囲の上下方向の中心を示す直線形状のマーカ光を読み取り面に投射し、ずれ量補正手段は、一次取り込み手段によって信号を取り込んだ画素におけるマーカ光の位置と取り込んだ画素に含まれている視野中心との縦方向のずれ量に基づいて、二次取り込み範囲の中心行を決定するとよい。このようにすると、ずれ量補正手段における処理が簡単になる。
【0020】
また、請求項8のように、ずれ量補正手段は、輝度値が所定の閾値以上である画素をマーカ光の位置に決定するとよい。マーカ光が投射されている部分は明るくなっていることから、マーカ光が投射されている部分の画素は、信号を取り込んだ画素のうちでも輝度が高くなっている。そのため、輝度値が所定の閾値以上である画素をマーカ光の位置に決定することができるのである。また、輝度値と閾値とを比較するだけであることから、簡単にマーカ光の位置を決定することができる。
【0021】
また、請求項9のように、二次取り込み範囲は、開始アドレスと終了アドレスを指定することで設定することができ、この場合、ずれ量補正手段が決定したずれ量に基づいて、開始アドレスおよび終了アドレスを決定する。
【0022】
また、一次元コードを読み取る場合には、請求項10のように、開始行と読み取り行数を指定することで二次取り込み範囲を設定するようにしておき、ずれ量補正手段が決定したずれ量に基づいて、開始行を決定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係る光学式情報読取装置10のハウジング等の構成概要を示す部分縦断面図である。
【図2】実施形態に係る光学情報読取装置の回路部の構成概要を示すブロック図である。
【図3】マーカ投射器60の構成を示す説明図である。
【図4】マーカ投射器60によって読み取り面Rに投射されたマーカ光Mのパターンの一例を示す図である。
【図5】(A)は、マーカ光投射器60の光軸C1と、結像レンズ27の視野中心軸C2および画角θを示す図、(B)は、距離d1、d2、d3における中心マーカ光MCと結像レンズ27の視野中心軸C2との関係を示す図である。
【図6】全有効画素と二次取り込み範囲H2とを例示する図である。
【図7】全有効画素と一次取り込み範囲H1とを例示する図である。
【図8】制御回路40の処理内容を示すフローチャートである。
【図9】図8のステップS4で算出するずれ量(Δx、Δy)を説明する図である。
【図10】図8のステップS5で中心位置を補正した後の二次取り込み範囲Hの全体位置を例示した図である。
【図11】高速読み取りモードの二次取り込み範囲の一例を示す図である。
【図12】バーコード読み取りモードにおける二次取り込み範囲H2の一例を示す図である。
【図13】バーコード読み取りモードにおける直線状のマーカ光を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まず、本実施形態に係る光学式情報読取装置10の構成概要を図1及び図2に基づいて説明する。
【0025】
図1に示すように、光学式情報読取装置10は、丸みを帯びた薄型のほぼ矩形箱状なすハウジング本体11と、このハウジング本体11の下面ほぼ中央後端寄りにハウジング本体11に一体に形成されるグリップ部12と、からなるガンタイプのハウジングを備えている。このグリップ部12は、作業者が片手で把持可能な程度の外径に設定されており、当該グリップ部12を握った作業者の人差し指が当接する部位に、後述する照明光Lfやマーカ光Mの出射を指示するトリガースイッチ14が設けられている。
【0026】
ハウジング本体11の内部には、後述する回路部20が収容されており、またハウジング本体11の先端部には、照明光Lfを出射する発光ダイオード21が配置され、反射光Lrの入射を可能にする読取口11aが形成されている。なお、図1には、回路部20を構成するプリント配線板15,16や、このプリント配線板16に実装されるエリアセンサ23、結像レンズ27、マーカ光Mを投射するマーカ光投射器60等も図示されている。
【0027】
図2に示すように、回路部20は、主に、マーカ光投射器60、発光ダイオード21、エリアセンサ23、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、操作スイッチ42、液晶表示器46等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、電源スイッチ41、電池49等の電源系と、から構成されており、前述したプリント配線板15,16に実装あるいはハウジング本体11内に内装されている。
【0028】
光学系は、マーカ光投射器60、発光ダイオード21、エリアセンサ23、結像レンズ27等から構成されている。発光ダイオード21は、ハウジング本体11の読取口11aを介して読み取り面Rに向けて照明光Lfを照射可能に構成されている。この読み取り面Rには、一次元コードや二次元コードなどの情報コードが記録されている。なお、記録形態としては、印刷、刻印等がある。
【0029】
エリアセンサ23は、読み取り面Rに照射されて反射した反射光Lrを受光可能に構成されるもので、例えば、C−MOSやCCD等の固体撮像素子である受光素子を数10万から数100万個オーダでm行n列の2次元に配列して構成されている。受光素子は、受光した光を電気信号に変換して出力するものであり、以下では、画素と呼ぶこともある。
【0030】
このエリアセンサ23の受光面23aは、ハウジング本体11外から読取口11aを介して外観可能に位置しており、エリアセンサ23は、結像レンズ27を介して入射する入射光をこの受光面23aで受光可能にプリント配線板16に実装されている。
【0031】
結像レンズ27は、外部から読取口11aを介して入射する入射光を集光してエリアセンサ23の受光面23aに像を結像可能な結像光学系として機能するもので、例えば、鏡筒とこの鏡筒内に収容される複数の集光レンズとにより構成されている。本実施形態では、発光ダイオード21から照射された照明光Lfが情報コードに反射して読取口11aに入射する反射光Lrを集光することにより、エリアセンサ23の受光面23aにコード像を結像可能にしている。
【0032】
図3は、マーカ光投射器60の構成を示す説明図である。マーカ光投射器60は、情報コードの読み取り範囲を示すマーカ光Mを読み取り面Rに投射するもので、図3に示すように、レーザダイオード62とこのレーザダイオード62の出射側に設けられるコリメートレンズ64、マーカ光Mのパターンを形成可能な回折格子プレート66、所定形状のスリットが設けられた視野絞り68等とから構成されている。
【0033】
視野絞り68は、種々のスリット形状のものに切り替え可能に構成されており、このスリット形状を切り替えることにより、マーカ光Mのパターンを種々のパターンに切り替えることができる。なお、スリット形状を切り替えることによりマーカ光Mのパターンを切り替えられることは特開2008−191999号公報に詳しく説明されているので、ここでの説明は省略する。
【0034】
図4は、マーカ光投射器60によって読み取り面Rに投射されたマーカ光Mのパターンの一例を示す図である。図4に示されているマーカ光Mは、情報コードの読み取り範囲Eの四隅を示す4つのL字形状の範囲マーカ光MEと、読取範囲Eの上下或いは左右のいずれか少なくとも一方の中心を示す十字形状の中心マーカ光MCとから構成されている。このようにマーカ光Mが読み取り面Rに示されると、マーカ光Mによって示される範囲内に情報コードを位置させることで、情報コードを確実に取り込み範囲内に位置させることができる。
【0035】
なお、マーカ光Mはマーカ光投射器60から遠くなるほど広がるため、読み取り面Rまでの距離が遠いほどマーカ光Mは大きくなる。このマーカ光Mの広がりは、回折格子プレート66により調整されており、結像レンズ27の画角(レンズの光学中心が画面の対角をなす2点と作る角度、レンズによって明瞭に撮像できる範囲の角度)と同じとされている。そのため、読み取り距離が変化しても、範囲マーカ光MEが示す範囲の大きさと後述する二次取り込み範囲の大きさとの関係は変化しない。
【0036】
次に、図2に戻ってマイコン系の構成概要を説明する。マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、操作スイッチ42、LED43、ブザー44、液晶表示器46、通信インタフェース48等から構成されている。このマイコン系は、その名の通り、マイコン(情報処理装置)として機能し得る制御回路40およびメモリ35を中心に構成されるもので、前述した光学系によって撮像されたコード像の画像信号をハードウェア的およびソフトウェア的に信号処理し得るものである。また制御回路40は、当該光学式情報読取装置10の全体システムに関する制御も行っている。
【0037】
光学系のエリアセンサ23から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることで所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力されると、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、メモリ35に入力されて蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、エリアセンサ23およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0038】
メモリ35は、半導体メモリ装置で、例えばRAM(DRAM、SRAM等)やROM(EPROM、EEPROM等)がこれに相当する。またROMには、画像処理プログラムの他、マーカ光投射器60、発光ダイオード21、エリアセンサ23等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
【0039】
制御回路40は、光学式情報読取装置10全体を制御可能なマイコンで、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなるもので、メモリ35とともに情報処理装置を構成し得るもので情報処理機能を有する。この制御回路40は、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置(周辺装置)と接続可能に構成されており、電源スイッチ41、操作スイッチ42、LED43、ブザー44、液晶表示器46、通信インタフェース48、マーカ光投射器60等が接続されている。
【0040】
これにより、例えば、電源スイッチ41や操作スイッチ42の監視や管理、またインジケータとして機能するLED43の点灯・消灯、ビープ音やアラーム音を発生可能なブザー44の鳴動のオンオフ、さらには読み取った情報コードによるコード内容を画面表示可能な液晶表示器46の画面制御や外部機器とのシリアル通信を可能にする通信インタフェース48の通信制御、マーカ光投射器60からのマーカ光Mの投射制御等を可能にしている。なお、操作スイッチ42には、前述のトリガースイッチ14が含まれている。
【0041】
電源系は、電源スイッチ41、電池49等により構成されており、制御回路40により管理される電源スイッチ41のオンオフによって、上述した各装置や各回路に、電池49から供給される駆動電圧の導通や遮断が制御されている。なお、電池49は、所定の直流電圧を発生可能な2次電池で、例えば、リチウムイオン電池等がこれに相当する。
【0042】
図5(A)は、マーカ光投射器60の光軸C1と、結像レンズ27の視野中心軸C2および画角θを示す図であり、図5(B)は、距離d1、d2、d3における中心マーカ光MC(3つの中心マーカ光MCのうちの中央、すなわち上下および左右の中心を示すもの、以下の中心マーカ光MCも同じ)と結像レンズ27の視野中心軸C2との関係を示す図である。
【0043】
図5(A)に示すように、マーカ光投射器60の光軸C1と結像レンズ27の視野中心軸C2とは平行ではない。それら光軸C1と視野中心軸C2とは、距離d2では互いに一致するため、図5(B)に示すように、距離d2では、視野中心軸C2とマーカ光投射器60の光軸C1上に位置する中心マーカ光MCとは一致する。しかし、距離d2よりも手前(結像レンズ側)の例えば距離d1では、中心マーカ光MCは結像レンズ27の視野中心軸C2よりも上方に位置し、距離d2よりも遠方の例えば距離d3では、中心マーカ光MCは結像レンズ27の視野中心軸C2よりも下方に位置する。なお、図5(A)には、マーカ光投射器60から投射されたマーカ光Mの広がりは示されていないが、前述のように、この広がりは、結像レンズ27の画角θと合うようになっている。
【0044】
上記図5に示したように、中心マーカ光MCと結像レンズ27の視野中心軸C2との間には、距離d2を除き、ずれが存在する。従って、取り込み範囲を全有効画素とし、この取り込み範囲を示すように範囲マーカ光の大きさを設定すると、範囲マーカ光によって示されている範囲であるにもかかわらず、実際には取り込むことができない範囲が必ず存在し、また、範囲マーカ光によって示されている範囲の外であるにも関らず取り込まれてしまう範囲も必ず存在する。そのため、範囲マーカ光によって示される範囲外の意図しない情報コードを読み取ってしまう可能性がある。
【0045】
そこで、本実施形態では、中心マーカ光MCと結像レンズ27の視野中心軸C2との間のずれ量を考慮して、情報コードをデコードするために取り込む範囲(二次取り込み範囲H2)を、全有効画素よりも小さい範囲に設定する。また、二次取り込みの前に一次取り込みを行い、一次取り込みによって取り込んだ画像を用いてずれ量を算出する。
【0046】
図6は、全有効画素と二次取り込み範囲H2とを例示する図であり、図7は、全有効画素と一次取り込み範囲H1とを例示する図である。なお、これら図6、図7の例は、VGA(640画素×480画素)の場合である。
【0047】
図6に示されるように、二次取り込み範囲H2は、全有効画素よりもやや小さい範囲となっており、具体的には、590画素×430画素となっている。一方、図7に示されるように、一次取り込み範囲H1は100画素×100画素となっている。また、一次取り込み範囲H1は位置も予め固定されている。具体的には、一次取り込み範囲H1は、その中心が、全有効画素の中心(すなわち視野中心)に設定されている。一次取り込み範囲の大きさは、ずれ量の大きさを考慮して決定されており、ずれ量が大きくても中心マーカ光MCが一次取り込み範囲H1の中に入る大きさに設定されている。一方、本実施形態の二次取り込み範囲H2は、最大の取り込みサイズを確保するために、縦・横の画素数は、それぞれ、全有効画素の縦方向・横方向の画素数から一次取り込み範囲の縦方向・横方向の画素数を引いた画素数となっている。
【0048】
次に、このように構成された光学式情報読取装置10の作動を説明する。図8は制御回路40の処理内容を示すフローチャートである。この図8に示す処理は、例えば、電源スイッチ41がオンされて所定の自己診断処理等が正常終了し、作業者が、トリガースイッチ14を押圧しオンにすることで開始する。
【0049】
ステップS1では、照明光を照射するとともに、マーカ光Mを読み取り面Rに向けて投射した状態で露光を行う。詳しくは、制御回路40が同期信号を基準に発光ダイオード21、及び、マーカ光投射器60に発光信号を出力する。これにより、当該発光信号を受けた発光ダイオード21は照明光Lfを照射し、マーカ光投射器60はマーカ光Mを投射する。これにより、照明光Lf、マーカ光Mは読み取り面Rで反射し、それらの反射光Lrが読取口11aを介して結像レンズ27に入射して、エリアセンサ23の受光面23aは露光される。これら照明光の照射、マーカ光投射、露光は予め設定された時間行い、次のステップS2は、照明光の照射および露光の終了後に行う。マーカ光Mの投射時間は、照明光の照射時間と同じになっていてもよいし、また、次の照明光の照射の前までであれば、照明光の照射時間よりも長くてもよい。
【0050】
続くステップS2では、特許請求の範囲の一次取り込み手段に相当する処理である一次取り込み処理を行う。この一次取り込み処理は、電気信号を取り込む画素を、視野中央部に設定された前述の一次取り込み範囲に限定して、取り込みを行う処理である。
【0051】
続くステップS3では、ステップS2で信号を取り込んだ画素における中心マーカ光MCの位置を検出する。検出方法は、たとえば、画素毎に輝度値を決定し、その輝度値が所定の閾値以上となっている画素のうちの中心を中心マーカ光MCの位置として検出する。中心マーカ光MCは、照明の照度よりも格段に明るいため、輝度値が閾値以上となっている画素を調べるという簡単な処理により、その位置を検出することができる。
【0052】
続いて、ずれ量補正手段に相当する処理であるステップS4、S5を実行する。ステップS4では、ステップS3で検出した中心マーカ光MCの位置と、取り込んだ画素に含まれている視野中心(すなわち、本実施形態では取り込んだ画素の中心)とのずれ量(Δx、Δy)を算出する。図9は、このステップS4で算出するずれ量(Δx、Δy)を説明する図である。図9に示すように、横方向のずれ量Δxは、視野中心C2(正確には視野中心軸C2上の画素であるが、便宜上、このように記載する)と中心マーカ光MCの中心との横方向の位置の差であり、縦方向のずれ量Δyは、視野中心C2と中心マーカ光MCの中心との縦方向の位置の差である。なお、図9の例の場合、Δxは負、Δyは正となる。
【0053】
続くステップS5では、二次取り込み範囲H2の中心位置の補正を行う。詳しくは、二次取り込み範囲H2の中心位置は、初期値としては、前述の視野中心に設定されており、このステップS5では、二次取り込み範囲H2の中心位置を、初期値に対して、ステップS4で算出したずれ量(Δx、Δy)だけ移動させた位置に設定する。図10は、ステップS5で中心位置を補正した後の二次取り込み範囲H2の全体位置を例示した図であり、図において、「○」C2’が補正後の二次取り込み範囲H2の中心位置である。
【0054】
続くステップS6では、再び照明光を照射して露光を行う。ただし、前述のステップS1と異なり、このステップS6ではマーカ光Mは投射しない。続くステップS7では、二次取り込みを行う。この二次取り込みは、ステップS5で中心位置を補正した二次取り込み範囲H2の画素から信号を取り込む処理であり、開始アドレスと終了アドレスとを指定して信号の取り込みを行う。ここで、開始アドレスおよび終了アドレスの初期値を、それぞれ、(x1、y1)、(x2、y2)とすると、このステップS7で指定する開始アドレスおよび終了アドレスは、(x1+Δx、y1+Δy)、(x2+Δx、y2+Δy)となる。なお、このステップS7は特許請求の範囲の二次取り込み手段に対応する。
【0055】
続くステップS8は特許請求の範囲の読み取り手段に対応する処理であり、ステップS7で取り込んだ信号を用いてデコード処理を行う。そして、続くステップS9では、デコードに成功したか(デコードOKか)を判断する。この判断が否定判断の場合には、再びステップS1以降の処理を実行し、この判断が肯定判断となった場合には処理を終了する。
【0056】
以上、説明した本実施形態によれば、図8のステップS2を実行して、マーカ光Mが読み取り面Rに投射された状態で、有効画素の中央部に設定された一次取り込み範囲H1に含まれる画素から信号を取り込む。そして、信号を取り込んだ画素における中心マーカ光MCの位置と取り込んだ画素の中心(すなわち視野中心)とのずれ量(Δx、Δy)だけ、二次取り込み範囲の中心位置を初期位置から補正している。その後の二次取り込みは、範囲マーカ光MEが示すサイズと略一致するサイズを有し、ステップS5で補正した位置を中心位置とする二次取り込み範囲H2から信号を取り込む(ステップS7)。そのため、範囲マーカ光MEから外れている部分の像を取り込んでしまうことが抑制され、その結果、意図しない情報コードを読み取ってしまうという不都合が抑制される。
【0057】
また、マーカ光Mの位置と取り込んだ画素の中心とのずれ量に基づいて二次取り込み範囲の中心位置を決定しており、この決定には距離センサを必要としないので、装置を安価に構成できる。
【0058】
さらに、一次取り込み範囲H1は、有効画素の中央部に設定されており、有効画素の全部ではないことから、ずれ量を求めるためにも全画素を取り込む特許文献1のものに比べて、読み取り速度を高速化できる。
【0059】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、次の実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(変形例1)
光学式読取装置は、高速読み取りモードを備えていてもよい。高速読み取りモードとは、二次取り込み範囲H2の画素数を、全有効画素に対してかなり少なくしたモードであり、たとえば、二次取り込み範囲H2の画素数を全有効画素数の1/2以下としたモードである。
【0060】
図11は、高速読み取りモードの二次取り込み範囲H2の一例を示す図である。図11の例は、全有効画素数が1280画素×960画素であり、二次取り込み範囲H2は、640画素×480画素となっている。従って、画素数の比は1/4となっていることから、二次取り込みにおいて全有効画素を取り込む場合に比較して、取り込み時間は1/4となる。このような高速読み取りモードにおいても、前述の図8のステップS1〜S5の処理を実行することで、二次取り込み範囲H2の中心位置を決定する。すなわち、高速読み取りモードにおいても、一次取り込み範囲は100×100画素のみとしているので、一次取り込みにおいて全有効画素を取り込む場合と比較すると、取り込み時間は1/130となる。
【0061】
なお、この高速読み取りモードにおいて投射する範囲マーカ光MEは、高速読み取りモードにおける二次取り込み範囲の大きさと略一致する大きさとなっている。従って、前述の実施形態における範囲マーカ光MEとは大きさが異なる。よって、同一の装置において、複数種類のマーカ光Mを投射可能に構成する必要があるが、この方法としては、前述のように、視野絞り68のスリット形状を切り替える方法がある。
(変形例2)
また、光学式情報読取装置は、バーコード読み取りモードを備えていてもよい。バーコード読み取りモードでは二次取り込み範囲H2が帯状となっている。より詳しくは、バーコード読み取りモードにおける二次取り込み範囲H2は、横長の矩形形状であって、横方向の画素数がエリアセンサ23の横方向の有効画素と同じであり、縦方向の画素数がエリアセンサ23の縦方向の有効画素数よりも小さくなっているモードである。そして、情報コードとしてバーコードの読み取りを行う。
【0062】
また、バーコード読み取りモードでは、読み取り開始行と読み取り行数を指定することで二次取り込み範囲H2を指定してもよい。図12は、バーコード読み取りモードにおける二次取り込み範囲H2の一例を示す図である。この図12の例では、二次取り込み範囲H2のサイズ、すなわち、バーコード読み取りモードでは読み取り行数は200行に設定されている。
【0063】
また、この場合、補正量も、縦方向の情報すなわち行数のみでよいことになる。従って、図13に示すように、マーカ光Mは、直線形状のマーカ光Mでよい。図13の示すマーカ光Mは、読み取り範囲の上下方向の中心を示している。よって、二次取り込みでは、視野中心に対してΔyだけずらした位置を読み取り中心行として、その上下の200行を読み取ることになる。
【0064】
また、機械的構成は同じとし、このバーコード読み取りモードのみを備えたバーコード専用リーダを作製してもよい。
(その他の変形例)
また、前述の実施形態では、二次取り込み範囲H2のサイズは固定されていたが、範囲マーカ光MEの大きさに基づいて二次取り込み範囲H2のサイズを決定してもよい。この場合、二次取り込み範囲H2のサイズの決定するには、まず、範囲マーカ光MEが読み取り面Rに投射された状態で露光を行い、エリアセンサ23の全有効画素から信号を取得する。そして、取得した信号から画素毎の輝度値を解析することで、4隅の範囲マーカ光MEの位置を検出する。そして、4隅の範囲マーカ光MEの位置から、範囲マーカ光MEによって区画されるサイズを検出する。そして、このサイズを二次取り込み範囲のサイズに決定する。
【0065】
また、前述の実施形態では、閾値以上の輝度値となっている画素のうちの中心を中心マーカ光MCの位置として検出していたが、これに代えて、中心マーカ光MCの形状を検出し、検出した形状に基づいて中心マーカ光MCの位置を検出してもよい。
【符号の説明】
【0066】
10:光学式情報読取装置、 11:ハウジング本体、 11a:読取口、 12:グリップ部、 14:トリガースイッチ、 15:プリント配線板、 16:プリント配線板、 20:回路部、 21:発光ダイオード、 23:エリアセンサ、 23a:受光面、 27:結像レンズ、 31:増幅回路、 33:A/D変換回路、 35:メモリ、 36:アドレス発生回路、 38:同期信号発生回路、 40:制御回路、 41:電源スイッチ、 42:操作スイッチ、 43:LED、 44:ブザー、 46:液晶表示器、 48:通信インタフェース、 49:電池、 60:マーカ光投射器(マーカ光投射手段)、 62:レーザダイオード、 64:コリメートレンズ、 66:回折格子プレート、 68:視野絞り、 D:情報コード、 E:読取範囲、 H1:一次取り込み範囲、 H2:二次取り込み範囲、 Lf:照明光、 Lr:反射光、 M:マーカ光、 ME:範囲マーカ光、 MC:中心マーカ光、 R:読み取り面、 S2:一次取り込み手段、 S4、S5:ずれ量補正手段、 S7:二次取り込み手段、 S8:読み取り手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーコード(一次元コード)や、たとえばQRコード(登録商標)などの二次元コードを光学的に読み取る光学式情報読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光学式読取装置として、読み取り位置を示すマーカ光を照射するマーカ光投射手段を備えたものが知られている(たとえば、特許文献1)。マーカ光により読み取り位置が分かることから、情報コードを読み取ることができる適切な位置に光学式読取装置の位置を容易に合わせることができる。
【0003】
また、部品の寸法誤差や組み付け誤差により読み取り光軸とマーカ光軸とが僅かにずれてしまうことから、特許文献1では補正手段を備えている。詳しくは、読み取り手段の視野中心とマーカ光投射手段から投射されたマーカ光が示す読み取り中心とのずれ量を測定している。
【0004】
ずれ量は読み取り距離により異なるが、特許文献1では、ずれ量の測定は、たとえば、組み立て終了後に一度行うのみであり、ずれ量の測定時に、読み取り距離とずれ量との対応関係を示す演算式、および、マーカ光間隔と読み取り距離との関係を示す演算式も求めている。そして、コードを読み取る際には、マーカ光間隔から読み取り距離を求め、さらには、その読み取り距離からずれ量を求めている。そして、ずれ量だけ変位した位置に使用上の読み取り中心を設定する補正を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−85214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の技術は、ずれ量をマーカ光間隔から求めている。一方、コード読み取り用の画像を取り込む際にはマーカ光が邪魔となることから、マーカ光を消した状態で画像を取り込む必要がある。よって、特許文献1の技術は、コードを読み取る際、画像を2回取り込む必要がある。また、2つのマーカ光の間隔が比較的広いことから、ずれ量を測定するためには全画素を取り込む必要があり、また、コードを読み取るための画像を取得するためにも全画素を取り込む必要がある。従って、2回、全画素を取り込む必要があることから、コード読み取り速度を十分に高速化できないという問題があった。
【0007】
また、特許文献1の技術は、全画素を取り込んだ後に、デコード時にずれ量分だけ画像中心を仮想的にずらしている。全画素を取り込むため、マーカ光範囲の内外に関らず画素を取り込んでしまうことになる。よって、マーカ光範囲外の意図しない情報コードを読み取ってしまう可能性もある。
【0008】
また、コード読み取り時に、マーカ光間隔からずれ量を求めているが、マーカ光間隔を求めるためには、高価な距離センサが必要となるという問題もあった。
【0009】
本発明は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、意図しない情報コードを読み取ってしまうことを抑制しつつ、読み取り速度を速くすることができる光学式情報読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
その目的を達成するための請求項1記載の発明によれば、まず、一次取り込み手段により、マーカ光投射手段によってマーカ光が読み取り面に投射された状態で、有効画素の中央部に設定された一次取り込み範囲に含まれる画素から信号を取り込む。そして、一次取り込み手段によって信号を取り込んだ画素におけるマーカ光の位置と取り込んだ画素に含まれている視野中心とのずれ量に基づいて二次取り込み範囲の中心位置を決定する。
【0011】
このように、マーカ光の位置と取り込んだ画素に含まれている視野中心とのずれ量に基づいて二次取り込み範囲の中心位置を決定した後、コードを読み取るための二次取り込みを行う二次取り込み手段を実行する。そのため、マーカ光から外れている部分の像を取り込んでしまうことが抑制され、その結果、意図しない情報コードを読み取ってしまうという不都合が抑制される。
【0012】
また、一次取り込み手段で取り込む一次取り込み範囲は、有効画素の中央部に設定されており、有効画素の全部ではないことから、ずれ量を求めるためにも全画素を取り込む特許文献1のものに比べて、読み取り速度を高速化できる。
【0013】
また、請求項2記載の発明によれば、マーカ光投射手段は、読み取り中心を示す中心マーカ光に加えて、読み取り範囲を示す範囲マーカ光も読み取り面に投射し、二次取り込み手段で取り込む二次取り込み範囲は、範囲マーカ光が示すサイズと略一致するサイズとなっている。そのため、範囲マーカ光によって示される範囲の外にある意図しない情報コードを読み取ってしまう不都合が抑制される。なお、ここでのサイズが一致するとは、単に面積が一致するだけでなく、形状も一致することを意味する。
【0014】
また、請求項3記載の発明によれば、二次取り込み範囲の縦および横方向画素数が、それぞれ、有効画素の縦或いは横方向画素数から、一次取り込み範囲のサイズによって定まる縦あるいは横方向のずれ画素数の最大値を引いた画素数に設定されている。そのため、実際のずれ量がどのようであっても、二次取り込み範囲の中心および範囲を中心マーカ光および範囲マーカ光と一致させつつ、二次取り込み範囲、すなわち、情報コードの読み取り範囲を最も大きくすることができる。
【0015】
なお、一次取り込み範囲のサイズによって定まる縦あるいは横方向のずれ画素数の最大値とは、たとえば、一次取り込み範囲の中心が視野中心に設定されている場合には、一次取り込み範囲の縦あるいは横方向の画素数の1/2となる。
【0016】
また、請求項4記載の発明によれば、実際に読み取り面に投射された範囲マーカ光の大きさに基づいて二次取り込み範囲のサイズを決定する。そのため、二次取り込み範囲のサイズを、範囲マーカ光が示すサイズと精度よく一致させることができる。
【0017】
また、マーカ光投射手段が投射する範囲マーカ光が読み取り面において示す範囲は、有効画素によって検出される範囲であれば種々の範囲に設定することができる。たとえば、請求項5のように、一次取り込み範囲よりも大きく、且つ、エリアセンサの有効画素の1/2以下とすることもできる。前述のように、二次取り込み範囲は、範囲マーカ光が示すサイズと略一致するサイズであることから、請求項5記載の発明によれば、二次取り込み範囲も、エリアセンサの有効画素の1/2以下の小さい範囲となる。よって、高速の読取が可能となる。また、範囲マーカ光が読み取り面に示す範囲が小さいので、仮に、特許文献1のように、全画素を取り込んだ後に画像中心を仮想的にずらす技術の場合には、意図しない情報コードを多く取り込んでしまうことになる。そのため、意図しない情報コードを読み取ってしまう可能性が高くなる。しかし、この発明では、二次取り込み範囲は、範囲マーカ光が示すサイズと略一致するサイズであることから、意図しない情報コードを読み取ってしまうことも抑制できる。
【0018】
また、一次元コードを読み取る場合には、請求項6のように、二次取り込み範囲を矩形形状として、横方向の画素数はエリアセンサの横方向の有効画素数と同じとし、縦方向の画素数はエリアセンサの縦方向の有効画素数よりも小さくする。
【0019】
さらに、一次元コードを読み取る場合には、縦方向のずれ量のみを補正すればよい。そのため、請求項7のように、マーカ光投射手段は、読取範囲の上下方向の中心を示す直線形状のマーカ光を読み取り面に投射し、ずれ量補正手段は、一次取り込み手段によって信号を取り込んだ画素におけるマーカ光の位置と取り込んだ画素に含まれている視野中心との縦方向のずれ量に基づいて、二次取り込み範囲の中心行を決定するとよい。このようにすると、ずれ量補正手段における処理が簡単になる。
【0020】
また、請求項8のように、ずれ量補正手段は、輝度値が所定の閾値以上である画素をマーカ光の位置に決定するとよい。マーカ光が投射されている部分は明るくなっていることから、マーカ光が投射されている部分の画素は、信号を取り込んだ画素のうちでも輝度が高くなっている。そのため、輝度値が所定の閾値以上である画素をマーカ光の位置に決定することができるのである。また、輝度値と閾値とを比較するだけであることから、簡単にマーカ光の位置を決定することができる。
【0021】
また、請求項9のように、二次取り込み範囲は、開始アドレスと終了アドレスを指定することで設定することができ、この場合、ずれ量補正手段が決定したずれ量に基づいて、開始アドレスおよび終了アドレスを決定する。
【0022】
また、一次元コードを読み取る場合には、請求項10のように、開始行と読み取り行数を指定することで二次取り込み範囲を設定するようにしておき、ずれ量補正手段が決定したずれ量に基づいて、開始行を決定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係る光学式情報読取装置10のハウジング等の構成概要を示す部分縦断面図である。
【図2】実施形態に係る光学情報読取装置の回路部の構成概要を示すブロック図である。
【図3】マーカ投射器60の構成を示す説明図である。
【図4】マーカ投射器60によって読み取り面Rに投射されたマーカ光Mのパターンの一例を示す図である。
【図5】(A)は、マーカ光投射器60の光軸C1と、結像レンズ27の視野中心軸C2および画角θを示す図、(B)は、距離d1、d2、d3における中心マーカ光MCと結像レンズ27の視野中心軸C2との関係を示す図である。
【図6】全有効画素と二次取り込み範囲H2とを例示する図である。
【図7】全有効画素と一次取り込み範囲H1とを例示する図である。
【図8】制御回路40の処理内容を示すフローチャートである。
【図9】図8のステップS4で算出するずれ量(Δx、Δy)を説明する図である。
【図10】図8のステップS5で中心位置を補正した後の二次取り込み範囲Hの全体位置を例示した図である。
【図11】高速読み取りモードの二次取り込み範囲の一例を示す図である。
【図12】バーコード読み取りモードにおける二次取り込み範囲H2の一例を示す図である。
【図13】バーコード読み取りモードにおける直線状のマーカ光を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まず、本実施形態に係る光学式情報読取装置10の構成概要を図1及び図2に基づいて説明する。
【0025】
図1に示すように、光学式情報読取装置10は、丸みを帯びた薄型のほぼ矩形箱状なすハウジング本体11と、このハウジング本体11の下面ほぼ中央後端寄りにハウジング本体11に一体に形成されるグリップ部12と、からなるガンタイプのハウジングを備えている。このグリップ部12は、作業者が片手で把持可能な程度の外径に設定されており、当該グリップ部12を握った作業者の人差し指が当接する部位に、後述する照明光Lfやマーカ光Mの出射を指示するトリガースイッチ14が設けられている。
【0026】
ハウジング本体11の内部には、後述する回路部20が収容されており、またハウジング本体11の先端部には、照明光Lfを出射する発光ダイオード21が配置され、反射光Lrの入射を可能にする読取口11aが形成されている。なお、図1には、回路部20を構成するプリント配線板15,16や、このプリント配線板16に実装されるエリアセンサ23、結像レンズ27、マーカ光Mを投射するマーカ光投射器60等も図示されている。
【0027】
図2に示すように、回路部20は、主に、マーカ光投射器60、発光ダイオード21、エリアセンサ23、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、操作スイッチ42、液晶表示器46等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、電源スイッチ41、電池49等の電源系と、から構成されており、前述したプリント配線板15,16に実装あるいはハウジング本体11内に内装されている。
【0028】
光学系は、マーカ光投射器60、発光ダイオード21、エリアセンサ23、結像レンズ27等から構成されている。発光ダイオード21は、ハウジング本体11の読取口11aを介して読み取り面Rに向けて照明光Lfを照射可能に構成されている。この読み取り面Rには、一次元コードや二次元コードなどの情報コードが記録されている。なお、記録形態としては、印刷、刻印等がある。
【0029】
エリアセンサ23は、読み取り面Rに照射されて反射した反射光Lrを受光可能に構成されるもので、例えば、C−MOSやCCD等の固体撮像素子である受光素子を数10万から数100万個オーダでm行n列の2次元に配列して構成されている。受光素子は、受光した光を電気信号に変換して出力するものであり、以下では、画素と呼ぶこともある。
【0030】
このエリアセンサ23の受光面23aは、ハウジング本体11外から読取口11aを介して外観可能に位置しており、エリアセンサ23は、結像レンズ27を介して入射する入射光をこの受光面23aで受光可能にプリント配線板16に実装されている。
【0031】
結像レンズ27は、外部から読取口11aを介して入射する入射光を集光してエリアセンサ23の受光面23aに像を結像可能な結像光学系として機能するもので、例えば、鏡筒とこの鏡筒内に収容される複数の集光レンズとにより構成されている。本実施形態では、発光ダイオード21から照射された照明光Lfが情報コードに反射して読取口11aに入射する反射光Lrを集光することにより、エリアセンサ23の受光面23aにコード像を結像可能にしている。
【0032】
図3は、マーカ光投射器60の構成を示す説明図である。マーカ光投射器60は、情報コードの読み取り範囲を示すマーカ光Mを読み取り面Rに投射するもので、図3に示すように、レーザダイオード62とこのレーザダイオード62の出射側に設けられるコリメートレンズ64、マーカ光Mのパターンを形成可能な回折格子プレート66、所定形状のスリットが設けられた視野絞り68等とから構成されている。
【0033】
視野絞り68は、種々のスリット形状のものに切り替え可能に構成されており、このスリット形状を切り替えることにより、マーカ光Mのパターンを種々のパターンに切り替えることができる。なお、スリット形状を切り替えることによりマーカ光Mのパターンを切り替えられることは特開2008−191999号公報に詳しく説明されているので、ここでの説明は省略する。
【0034】
図4は、マーカ光投射器60によって読み取り面Rに投射されたマーカ光Mのパターンの一例を示す図である。図4に示されているマーカ光Mは、情報コードの読み取り範囲Eの四隅を示す4つのL字形状の範囲マーカ光MEと、読取範囲Eの上下或いは左右のいずれか少なくとも一方の中心を示す十字形状の中心マーカ光MCとから構成されている。このようにマーカ光Mが読み取り面Rに示されると、マーカ光Mによって示される範囲内に情報コードを位置させることで、情報コードを確実に取り込み範囲内に位置させることができる。
【0035】
なお、マーカ光Mはマーカ光投射器60から遠くなるほど広がるため、読み取り面Rまでの距離が遠いほどマーカ光Mは大きくなる。このマーカ光Mの広がりは、回折格子プレート66により調整されており、結像レンズ27の画角(レンズの光学中心が画面の対角をなす2点と作る角度、レンズによって明瞭に撮像できる範囲の角度)と同じとされている。そのため、読み取り距離が変化しても、範囲マーカ光MEが示す範囲の大きさと後述する二次取り込み範囲の大きさとの関係は変化しない。
【0036】
次に、図2に戻ってマイコン系の構成概要を説明する。マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、操作スイッチ42、LED43、ブザー44、液晶表示器46、通信インタフェース48等から構成されている。このマイコン系は、その名の通り、マイコン(情報処理装置)として機能し得る制御回路40およびメモリ35を中心に構成されるもので、前述した光学系によって撮像されたコード像の画像信号をハードウェア的およびソフトウェア的に信号処理し得るものである。また制御回路40は、当該光学式情報読取装置10の全体システムに関する制御も行っている。
【0037】
光学系のエリアセンサ23から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることで所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力されると、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、メモリ35に入力されて蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、エリアセンサ23およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0038】
メモリ35は、半導体メモリ装置で、例えばRAM(DRAM、SRAM等)やROM(EPROM、EEPROM等)がこれに相当する。またROMには、画像処理プログラムの他、マーカ光投射器60、発光ダイオード21、エリアセンサ23等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
【0039】
制御回路40は、光学式情報読取装置10全体を制御可能なマイコンで、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなるもので、メモリ35とともに情報処理装置を構成し得るもので情報処理機能を有する。この制御回路40は、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置(周辺装置)と接続可能に構成されており、電源スイッチ41、操作スイッチ42、LED43、ブザー44、液晶表示器46、通信インタフェース48、マーカ光投射器60等が接続されている。
【0040】
これにより、例えば、電源スイッチ41や操作スイッチ42の監視や管理、またインジケータとして機能するLED43の点灯・消灯、ビープ音やアラーム音を発生可能なブザー44の鳴動のオンオフ、さらには読み取った情報コードによるコード内容を画面表示可能な液晶表示器46の画面制御や外部機器とのシリアル通信を可能にする通信インタフェース48の通信制御、マーカ光投射器60からのマーカ光Mの投射制御等を可能にしている。なお、操作スイッチ42には、前述のトリガースイッチ14が含まれている。
【0041】
電源系は、電源スイッチ41、電池49等により構成されており、制御回路40により管理される電源スイッチ41のオンオフによって、上述した各装置や各回路に、電池49から供給される駆動電圧の導通や遮断が制御されている。なお、電池49は、所定の直流電圧を発生可能な2次電池で、例えば、リチウムイオン電池等がこれに相当する。
【0042】
図5(A)は、マーカ光投射器60の光軸C1と、結像レンズ27の視野中心軸C2および画角θを示す図であり、図5(B)は、距離d1、d2、d3における中心マーカ光MC(3つの中心マーカ光MCのうちの中央、すなわち上下および左右の中心を示すもの、以下の中心マーカ光MCも同じ)と結像レンズ27の視野中心軸C2との関係を示す図である。
【0043】
図5(A)に示すように、マーカ光投射器60の光軸C1と結像レンズ27の視野中心軸C2とは平行ではない。それら光軸C1と視野中心軸C2とは、距離d2では互いに一致するため、図5(B)に示すように、距離d2では、視野中心軸C2とマーカ光投射器60の光軸C1上に位置する中心マーカ光MCとは一致する。しかし、距離d2よりも手前(結像レンズ側)の例えば距離d1では、中心マーカ光MCは結像レンズ27の視野中心軸C2よりも上方に位置し、距離d2よりも遠方の例えば距離d3では、中心マーカ光MCは結像レンズ27の視野中心軸C2よりも下方に位置する。なお、図5(A)には、マーカ光投射器60から投射されたマーカ光Mの広がりは示されていないが、前述のように、この広がりは、結像レンズ27の画角θと合うようになっている。
【0044】
上記図5に示したように、中心マーカ光MCと結像レンズ27の視野中心軸C2との間には、距離d2を除き、ずれが存在する。従って、取り込み範囲を全有効画素とし、この取り込み範囲を示すように範囲マーカ光の大きさを設定すると、範囲マーカ光によって示されている範囲であるにもかかわらず、実際には取り込むことができない範囲が必ず存在し、また、範囲マーカ光によって示されている範囲の外であるにも関らず取り込まれてしまう範囲も必ず存在する。そのため、範囲マーカ光によって示される範囲外の意図しない情報コードを読み取ってしまう可能性がある。
【0045】
そこで、本実施形態では、中心マーカ光MCと結像レンズ27の視野中心軸C2との間のずれ量を考慮して、情報コードをデコードするために取り込む範囲(二次取り込み範囲H2)を、全有効画素よりも小さい範囲に設定する。また、二次取り込みの前に一次取り込みを行い、一次取り込みによって取り込んだ画像を用いてずれ量を算出する。
【0046】
図6は、全有効画素と二次取り込み範囲H2とを例示する図であり、図7は、全有効画素と一次取り込み範囲H1とを例示する図である。なお、これら図6、図7の例は、VGA(640画素×480画素)の場合である。
【0047】
図6に示されるように、二次取り込み範囲H2は、全有効画素よりもやや小さい範囲となっており、具体的には、590画素×430画素となっている。一方、図7に示されるように、一次取り込み範囲H1は100画素×100画素となっている。また、一次取り込み範囲H1は位置も予め固定されている。具体的には、一次取り込み範囲H1は、その中心が、全有効画素の中心(すなわち視野中心)に設定されている。一次取り込み範囲の大きさは、ずれ量の大きさを考慮して決定されており、ずれ量が大きくても中心マーカ光MCが一次取り込み範囲H1の中に入る大きさに設定されている。一方、本実施形態の二次取り込み範囲H2は、最大の取り込みサイズを確保するために、縦・横の画素数は、それぞれ、全有効画素の縦方向・横方向の画素数から一次取り込み範囲の縦方向・横方向の画素数を引いた画素数となっている。
【0048】
次に、このように構成された光学式情報読取装置10の作動を説明する。図8は制御回路40の処理内容を示すフローチャートである。この図8に示す処理は、例えば、電源スイッチ41がオンされて所定の自己診断処理等が正常終了し、作業者が、トリガースイッチ14を押圧しオンにすることで開始する。
【0049】
ステップS1では、照明光を照射するとともに、マーカ光Mを読み取り面Rに向けて投射した状態で露光を行う。詳しくは、制御回路40が同期信号を基準に発光ダイオード21、及び、マーカ光投射器60に発光信号を出力する。これにより、当該発光信号を受けた発光ダイオード21は照明光Lfを照射し、マーカ光投射器60はマーカ光Mを投射する。これにより、照明光Lf、マーカ光Mは読み取り面Rで反射し、それらの反射光Lrが読取口11aを介して結像レンズ27に入射して、エリアセンサ23の受光面23aは露光される。これら照明光の照射、マーカ光投射、露光は予め設定された時間行い、次のステップS2は、照明光の照射および露光の終了後に行う。マーカ光Mの投射時間は、照明光の照射時間と同じになっていてもよいし、また、次の照明光の照射の前までであれば、照明光の照射時間よりも長くてもよい。
【0050】
続くステップS2では、特許請求の範囲の一次取り込み手段に相当する処理である一次取り込み処理を行う。この一次取り込み処理は、電気信号を取り込む画素を、視野中央部に設定された前述の一次取り込み範囲に限定して、取り込みを行う処理である。
【0051】
続くステップS3では、ステップS2で信号を取り込んだ画素における中心マーカ光MCの位置を検出する。検出方法は、たとえば、画素毎に輝度値を決定し、その輝度値が所定の閾値以上となっている画素のうちの中心を中心マーカ光MCの位置として検出する。中心マーカ光MCは、照明の照度よりも格段に明るいため、輝度値が閾値以上となっている画素を調べるという簡単な処理により、その位置を検出することができる。
【0052】
続いて、ずれ量補正手段に相当する処理であるステップS4、S5を実行する。ステップS4では、ステップS3で検出した中心マーカ光MCの位置と、取り込んだ画素に含まれている視野中心(すなわち、本実施形態では取り込んだ画素の中心)とのずれ量(Δx、Δy)を算出する。図9は、このステップS4で算出するずれ量(Δx、Δy)を説明する図である。図9に示すように、横方向のずれ量Δxは、視野中心C2(正確には視野中心軸C2上の画素であるが、便宜上、このように記載する)と中心マーカ光MCの中心との横方向の位置の差であり、縦方向のずれ量Δyは、視野中心C2と中心マーカ光MCの中心との縦方向の位置の差である。なお、図9の例の場合、Δxは負、Δyは正となる。
【0053】
続くステップS5では、二次取り込み範囲H2の中心位置の補正を行う。詳しくは、二次取り込み範囲H2の中心位置は、初期値としては、前述の視野中心に設定されており、このステップS5では、二次取り込み範囲H2の中心位置を、初期値に対して、ステップS4で算出したずれ量(Δx、Δy)だけ移動させた位置に設定する。図10は、ステップS5で中心位置を補正した後の二次取り込み範囲H2の全体位置を例示した図であり、図において、「○」C2’が補正後の二次取り込み範囲H2の中心位置である。
【0054】
続くステップS6では、再び照明光を照射して露光を行う。ただし、前述のステップS1と異なり、このステップS6ではマーカ光Mは投射しない。続くステップS7では、二次取り込みを行う。この二次取り込みは、ステップS5で中心位置を補正した二次取り込み範囲H2の画素から信号を取り込む処理であり、開始アドレスと終了アドレスとを指定して信号の取り込みを行う。ここで、開始アドレスおよび終了アドレスの初期値を、それぞれ、(x1、y1)、(x2、y2)とすると、このステップS7で指定する開始アドレスおよび終了アドレスは、(x1+Δx、y1+Δy)、(x2+Δx、y2+Δy)となる。なお、このステップS7は特許請求の範囲の二次取り込み手段に対応する。
【0055】
続くステップS8は特許請求の範囲の読み取り手段に対応する処理であり、ステップS7で取り込んだ信号を用いてデコード処理を行う。そして、続くステップS9では、デコードに成功したか(デコードOKか)を判断する。この判断が否定判断の場合には、再びステップS1以降の処理を実行し、この判断が肯定判断となった場合には処理を終了する。
【0056】
以上、説明した本実施形態によれば、図8のステップS2を実行して、マーカ光Mが読み取り面Rに投射された状態で、有効画素の中央部に設定された一次取り込み範囲H1に含まれる画素から信号を取り込む。そして、信号を取り込んだ画素における中心マーカ光MCの位置と取り込んだ画素の中心(すなわち視野中心)とのずれ量(Δx、Δy)だけ、二次取り込み範囲の中心位置を初期位置から補正している。その後の二次取り込みは、範囲マーカ光MEが示すサイズと略一致するサイズを有し、ステップS5で補正した位置を中心位置とする二次取り込み範囲H2から信号を取り込む(ステップS7)。そのため、範囲マーカ光MEから外れている部分の像を取り込んでしまうことが抑制され、その結果、意図しない情報コードを読み取ってしまうという不都合が抑制される。
【0057】
また、マーカ光Mの位置と取り込んだ画素の中心とのずれ量に基づいて二次取り込み範囲の中心位置を決定しており、この決定には距離センサを必要としないので、装置を安価に構成できる。
【0058】
さらに、一次取り込み範囲H1は、有効画素の中央部に設定されており、有効画素の全部ではないことから、ずれ量を求めるためにも全画素を取り込む特許文献1のものに比べて、読み取り速度を高速化できる。
【0059】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、次の実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(変形例1)
光学式読取装置は、高速読み取りモードを備えていてもよい。高速読み取りモードとは、二次取り込み範囲H2の画素数を、全有効画素に対してかなり少なくしたモードであり、たとえば、二次取り込み範囲H2の画素数を全有効画素数の1/2以下としたモードである。
【0060】
図11は、高速読み取りモードの二次取り込み範囲H2の一例を示す図である。図11の例は、全有効画素数が1280画素×960画素であり、二次取り込み範囲H2は、640画素×480画素となっている。従って、画素数の比は1/4となっていることから、二次取り込みにおいて全有効画素を取り込む場合に比較して、取り込み時間は1/4となる。このような高速読み取りモードにおいても、前述の図8のステップS1〜S5の処理を実行することで、二次取り込み範囲H2の中心位置を決定する。すなわち、高速読み取りモードにおいても、一次取り込み範囲は100×100画素のみとしているので、一次取り込みにおいて全有効画素を取り込む場合と比較すると、取り込み時間は1/130となる。
【0061】
なお、この高速読み取りモードにおいて投射する範囲マーカ光MEは、高速読み取りモードにおける二次取り込み範囲の大きさと略一致する大きさとなっている。従って、前述の実施形態における範囲マーカ光MEとは大きさが異なる。よって、同一の装置において、複数種類のマーカ光Mを投射可能に構成する必要があるが、この方法としては、前述のように、視野絞り68のスリット形状を切り替える方法がある。
(変形例2)
また、光学式情報読取装置は、バーコード読み取りモードを備えていてもよい。バーコード読み取りモードでは二次取り込み範囲H2が帯状となっている。より詳しくは、バーコード読み取りモードにおける二次取り込み範囲H2は、横長の矩形形状であって、横方向の画素数がエリアセンサ23の横方向の有効画素と同じであり、縦方向の画素数がエリアセンサ23の縦方向の有効画素数よりも小さくなっているモードである。そして、情報コードとしてバーコードの読み取りを行う。
【0062】
また、バーコード読み取りモードでは、読み取り開始行と読み取り行数を指定することで二次取り込み範囲H2を指定してもよい。図12は、バーコード読み取りモードにおける二次取り込み範囲H2の一例を示す図である。この図12の例では、二次取り込み範囲H2のサイズ、すなわち、バーコード読み取りモードでは読み取り行数は200行に設定されている。
【0063】
また、この場合、補正量も、縦方向の情報すなわち行数のみでよいことになる。従って、図13に示すように、マーカ光Mは、直線形状のマーカ光Mでよい。図13の示すマーカ光Mは、読み取り範囲の上下方向の中心を示している。よって、二次取り込みでは、視野中心に対してΔyだけずらした位置を読み取り中心行として、その上下の200行を読み取ることになる。
【0064】
また、機械的構成は同じとし、このバーコード読み取りモードのみを備えたバーコード専用リーダを作製してもよい。
(その他の変形例)
また、前述の実施形態では、二次取り込み範囲H2のサイズは固定されていたが、範囲マーカ光MEの大きさに基づいて二次取り込み範囲H2のサイズを決定してもよい。この場合、二次取り込み範囲H2のサイズの決定するには、まず、範囲マーカ光MEが読み取り面Rに投射された状態で露光を行い、エリアセンサ23の全有効画素から信号を取得する。そして、取得した信号から画素毎の輝度値を解析することで、4隅の範囲マーカ光MEの位置を検出する。そして、4隅の範囲マーカ光MEの位置から、範囲マーカ光MEによって区画されるサイズを検出する。そして、このサイズを二次取り込み範囲のサイズに決定する。
【0065】
また、前述の実施形態では、閾値以上の輝度値となっている画素のうちの中心を中心マーカ光MCの位置として検出していたが、これに代えて、中心マーカ光MCの形状を検出し、検出した形状に基づいて中心マーカ光MCの位置を検出してもよい。
【符号の説明】
【0066】
10:光学式情報読取装置、 11:ハウジング本体、 11a:読取口、 12:グリップ部、 14:トリガースイッチ、 15:プリント配線板、 16:プリント配線板、 20:回路部、 21:発光ダイオード、 23:エリアセンサ、 23a:受光面、 27:結像レンズ、 31:増幅回路、 33:A/D変換回路、 35:メモリ、 36:アドレス発生回路、 38:同期信号発生回路、 40:制御回路、 41:電源スイッチ、 42:操作スイッチ、 43:LED、 44:ブザー、 46:液晶表示器、 48:通信インタフェース、 49:電池、 60:マーカ光投射器(マーカ光投射手段)、 62:レーザダイオード、 64:コリメートレンズ、 66:回折格子プレート、 68:視野絞り、 D:情報コード、 E:読取範囲、 H1:一次取り込み範囲、 H2:二次取り込み範囲、 Lf:照明光、 Lr:反射光、 M:マーカ光、 ME:範囲マーカ光、 MC:中心マーカ光、 R:読み取り面、 S2:一次取り込み手段、 S4、S5:ずれ量補正手段、 S7:二次取り込み手段、 S8:読み取り手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
読み取り面の2次元光学像を複数の画素によって電気信号に変換して出力するエリアセンサと、
そのエリアセンサから出力された電気信号に基づいて、読み取り面に記録された情報コードを読み取る読み取り手段と、
読み取り中心を少なくとも示すマーカ光を読み取り面に投射するマーカ光投射手段とを備えた光学式情報読取装置であって、
前記マーカ光投射手段によって前記マーカ光が読み取り面に投射された状態で、有効画素の中央部に設定された一次取り込み範囲に含まれる画素から信号を取り込む一次取り込み手段と、
その一次取り込み手段によって信号を取り込んだ画素における前記マーカ光の位置と取り込んだ画素に含まれている視野中心とのずれ量に基づいて、二次取り込み範囲の中心位置を決定するずれ量補正手段と、
前記マーカ光が消えた状態で、前記ずれ量補正手段が決定した中心位置、および、予め設定されたサイズから定まる二次取り込み範囲の画素から電気信号を取り込む二次取り込み手段とを備え
前記読み取り手段は、二次取り込み手段によって信号を取り込んだ画素に基づいて、情報コードを読み取ることを特徴とする光学式情報読取装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記マーカ光投射手段は、読み取り中心を示す中心マーカ光と、読み取り範囲を示す範囲マーカ光とを読み取り面に投射し、
前記ずれ量補正手段は、前記一次取り込み手段によって信号を取り込んだ画素における前記中心マーカ光の位置と取り込んだ画素に含まれている視野中心とのずれ量に基づいて、二次取り込み範囲の中心位置を決定し、
前記二次取り込み手段は、前記マーカ光が消えた状態で、前記ずれ量補正手段が決定した中心位置を取り込み中心とし、且つ、前記範囲マーカ光が示すサイズと略一致するサイズの二次取り込み範囲の画素から電気信号を取り込むことを特徴とする光学式情報読取装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記一次取り込み範囲および前記二次取り込み範囲は、いずれも矩形形状であって、
前記二次取り込み範囲の縦方向画素数は、前記有効画素の縦方向画素数から、前記一次取り込み範囲のサイズによって定まる縦方向のずれ画素数の最大値を引いた画素数に設定され、
前記二次取り込み範囲の横方向画素数は、前記有効画素の横方向画素数から、前記一次取り込み範囲のサイズによって定まる横方向のずれ画素数の最大値を引いた画素数に設定されていることを特徴とすることを特徴とする光学式情報読取装置。
【請求項4】
請求項2において、
前記範囲マーカ光が読み取り面に投射された状態で、前記エリアセンサの全有効画素から電気信号を取得することで、範囲マーカ光によって区画されるサイズを検出し、このサイズに基づいて、前記二次取り込み範囲のサイズを決定する二次取り込みサイズ決定手段を備え、
前記二次取り込み手段における二次取り込み範囲のサイズは、前記二次取り込みサイズ決定手段が決定したサイズであることを特徴とする光学式情報読取装置。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか1項において、
前記マーカ光投射手段が投射する範囲マーカ光が前記読み取り面に示す範囲が、前記一次取り込み範囲よりも大きく、且つ、前記エリアセンサの有効画素の1/2以下であることを特徴とする光学式情報読取装置。
【請求項6】
請求項1において、
前記二次取り込み範囲は矩形形状であって、横方向の画素数が、前記エリアセンサの横方向の有効画素数と同じである一方、縦方向の画素数が、前記エリアセンサの縦方向の有効画素数よりも小さくなっており、
前記読み取り手段は、前記情報コードとして一次元コードを読み取ることを特徴とする光学式情報読取装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記マーカ光投射手段は、読取範囲の上下方向の中心を示す直線形状のマーカ光を読み取り面に投射し、
前記ずれ量補正手段は、前記一次取り込み手段によって信号を取り込んだ画素における前記マーカ光の位置と取り込んだ画素に含まれている視野中心との縦方向のずれ量に基づいて、二次取り込み範囲の中心行を決定することを特徴とする光学式情報読取装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項において、
前記ずれ量補正手段は、前記一次取り込み手段によって信号を取り込んだ画素のうち、輝度値が所定の閾値以上である画素を前記マーカ光の位置に決定することを特徴とする光学式情報読取装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項において、
前記二次取り込み手段は、開始アドレスと終了アドレスを指定することで二次取り込み範囲を設定するようになっており、前記ずれ量補正手段が決定したずれ量に基づいて、前記開始アドレスおよび終了アドレスを決定することを特徴とする光学式情報読取装置。
【請求項10】
請求項6または7において、
前記二次取り込み手段は、開始行と読み取り行数を指定することで二次取り込み範囲を設定するようになっており、前記ずれ量補正手段が決定したずれ量に基づいて、前記開始行を決定することを特徴とする光学式情報読取装置。
【請求項1】
読み取り面の2次元光学像を複数の画素によって電気信号に変換して出力するエリアセンサと、
そのエリアセンサから出力された電気信号に基づいて、読み取り面に記録された情報コードを読み取る読み取り手段と、
読み取り中心を少なくとも示すマーカ光を読み取り面に投射するマーカ光投射手段とを備えた光学式情報読取装置であって、
前記マーカ光投射手段によって前記マーカ光が読み取り面に投射された状態で、有効画素の中央部に設定された一次取り込み範囲に含まれる画素から信号を取り込む一次取り込み手段と、
その一次取り込み手段によって信号を取り込んだ画素における前記マーカ光の位置と取り込んだ画素に含まれている視野中心とのずれ量に基づいて、二次取り込み範囲の中心位置を決定するずれ量補正手段と、
前記マーカ光が消えた状態で、前記ずれ量補正手段が決定した中心位置、および、予め設定されたサイズから定まる二次取り込み範囲の画素から電気信号を取り込む二次取り込み手段とを備え
前記読み取り手段は、二次取り込み手段によって信号を取り込んだ画素に基づいて、情報コードを読み取ることを特徴とする光学式情報読取装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記マーカ光投射手段は、読み取り中心を示す中心マーカ光と、読み取り範囲を示す範囲マーカ光とを読み取り面に投射し、
前記ずれ量補正手段は、前記一次取り込み手段によって信号を取り込んだ画素における前記中心マーカ光の位置と取り込んだ画素に含まれている視野中心とのずれ量に基づいて、二次取り込み範囲の中心位置を決定し、
前記二次取り込み手段は、前記マーカ光が消えた状態で、前記ずれ量補正手段が決定した中心位置を取り込み中心とし、且つ、前記範囲マーカ光が示すサイズと略一致するサイズの二次取り込み範囲の画素から電気信号を取り込むことを特徴とする光学式情報読取装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記一次取り込み範囲および前記二次取り込み範囲は、いずれも矩形形状であって、
前記二次取り込み範囲の縦方向画素数は、前記有効画素の縦方向画素数から、前記一次取り込み範囲のサイズによって定まる縦方向のずれ画素数の最大値を引いた画素数に設定され、
前記二次取り込み範囲の横方向画素数は、前記有効画素の横方向画素数から、前記一次取り込み範囲のサイズによって定まる横方向のずれ画素数の最大値を引いた画素数に設定されていることを特徴とすることを特徴とする光学式情報読取装置。
【請求項4】
請求項2において、
前記範囲マーカ光が読み取り面に投射された状態で、前記エリアセンサの全有効画素から電気信号を取得することで、範囲マーカ光によって区画されるサイズを検出し、このサイズに基づいて、前記二次取り込み範囲のサイズを決定する二次取り込みサイズ決定手段を備え、
前記二次取り込み手段における二次取り込み範囲のサイズは、前記二次取り込みサイズ決定手段が決定したサイズであることを特徴とする光学式情報読取装置。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか1項において、
前記マーカ光投射手段が投射する範囲マーカ光が前記読み取り面に示す範囲が、前記一次取り込み範囲よりも大きく、且つ、前記エリアセンサの有効画素の1/2以下であることを特徴とする光学式情報読取装置。
【請求項6】
請求項1において、
前記二次取り込み範囲は矩形形状であって、横方向の画素数が、前記エリアセンサの横方向の有効画素数と同じである一方、縦方向の画素数が、前記エリアセンサの縦方向の有効画素数よりも小さくなっており、
前記読み取り手段は、前記情報コードとして一次元コードを読み取ることを特徴とする光学式情報読取装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記マーカ光投射手段は、読取範囲の上下方向の中心を示す直線形状のマーカ光を読み取り面に投射し、
前記ずれ量補正手段は、前記一次取り込み手段によって信号を取り込んだ画素における前記マーカ光の位置と取り込んだ画素に含まれている視野中心との縦方向のずれ量に基づいて、二次取り込み範囲の中心行を決定することを特徴とする光学式情報読取装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項において、
前記ずれ量補正手段は、前記一次取り込み手段によって信号を取り込んだ画素のうち、輝度値が所定の閾値以上である画素を前記マーカ光の位置に決定することを特徴とする光学式情報読取装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項において、
前記二次取り込み手段は、開始アドレスと終了アドレスを指定することで二次取り込み範囲を設定するようになっており、前記ずれ量補正手段が決定したずれ量に基づいて、前記開始アドレスおよび終了アドレスを決定することを特徴とする光学式情報読取装置。
【請求項10】
請求項6または7において、
前記二次取り込み手段は、開始行と読み取り行数を指定することで二次取り込み範囲を設定するようになっており、前記ずれ量補正手段が決定したずれ量に基づいて、前記開始行を決定することを特徴とする光学式情報読取装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−38083(P2012−38083A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−177582(P2010−177582)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
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