説明

光学式検出装置、表示システム及び情報処理システム

【課題】受光信号を補正することで、対象物を精度良く検出することができる光学式検出装置、表示システム及び情報処理システム等を提供すること。
【解決手段】光学式検出装置100は、照射光LTを出射する照射部EUと、少なくとも照射光LTが検出エリアRDETに存在する対象物OBにより反射されることによる反射光LRを受光する受光部RUと、受光部RUからの受光信号の補正処理を行う補正部130と、補正部130からの補正後の受光信号に基づいて、対象物OBの位置情報を検出する検出部110とを含む。補正部130は、検出エリアRDETに対象物OBが存在しない状態での受光信号に基づいて、補正前の受光信号に含まれる暗電流成分及びデフォールト光成分を低減する補正処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学式検出装置、表示システム及び情報処理システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、パーソナルコンピューター、カーナビゲーション装置、券売機、銀行の端末などの電子機器では、近年、表示部の前面にタッチパネルが配置された位置検出機能付きの表示装置が用いられる。この表示装置によれば、ユーザーは、表示部に表示された画像を参照しながら、表示画像のアイコン等をポインティングすることで、情報を入力することなどが可能になる。このような表示装置における位置検出方式としては、例えば、特許文献1には、表示エリアに沿ってライトガイドを設け、複数の光源からライトガイドを介して照射光を照射し、その照射光が対象物で反射されることによる反射光を受光部で受光し、その受光結果に基づいて対象物の位置を検出する方式が開示されている。
【0003】
しかし、このような光学式検出装置では、受光部が受光する光には、照射光が対象物以外の物から反射されることで生じるデフォールト光が含まれてしまう。受光結果にデフォールト光成分が含まれるために、対象物の位置情報を精度良く検出することが難しいなどの問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−295318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の幾つかの態様によれば、受光信号を補正することで、対象物を精度良く検出することができる光学式検出装置、表示システム及び情報処理システム等を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、照射光を出射する照射部と、少なくとも前記照射光が検出エリアに存在する対象物により反射されることによる反射光を受光する受光部と、前記受光部からの受光信号の補正処理を行う補正部と、前記補正部からの補正後の受光信号に基づいて、前記対象物の位置情報を検出する検出部とを含み、前記補正部は、前記検出エリアに前記対象物が存在しない状態での受光信号に基づいて、補正前の受光信号に含まれる暗電流成分及びデフォールト光成分を低減する補正処理を行う光学式検出装置に関係する。
【0007】
本発明の一態様によれば、光学式検出装置は、暗電流成分及びデフォールト光成分が低減された補正後の受光信号に基づいて対象物の位置情報を検出することができる。その結果、対象物の位置情報を精度良く検出することなどが可能になる。
【0008】
また本発明の一態様では、前記受光部は、前記対象物を検出する第1の受光素子と、暗電流を検出する第2の受光素子とを有し、前記補正部は、前記受光信号として、前記第1の受光素子からの第1の受光信号と、前記第2の受光素子からの第2の受光信号とを受け、前記第1の受光信号と前記第2の受光信号とに基づいて、前記補正処理を行ってもよい。
【0009】
このようにすれば、補正部は、第2の受光信号から暗電流成分の信号を検出することができるから、第1の受光信号に含まれる暗電流成分を低減することができる。
【0010】
また本発明の一態様では、前記補正部は、前記第1の受光信号と前記第2の受光信号との差分から求められた前記デフォールト光成分と、前記第2の受光信号から求められた前記暗電流成分とに基づいて、前記補正処理を行ってもよい。
【0011】
このようにすれば、補正部は、検出エリアに対象物が存在しない状態で、第1の受光信号と第2の受光信号とからデフォールト光成分と暗電流成分とを求めておき、検出エリアに対象物が存在する状態での第1の受光信号に対して補正処理を行うことができる。
【0012】
また本発明の一態様では、前記補正部は、前記第1の受光信号に対応する第1の信号と前記第2の受光信号に対応する第2の信号との差分信号を生成する第1の差分信号生成回路と、前記差分信号を保持する保持回路と、前記第1の受光信号に対応する前記第1の信号と、前記保持回路が保持する保持信号及び前記第2の受光信号に対応する前記第2の信号との差分信号を生成する第2の差分信号生成回路とを有してもよい。
【0013】
このようにすれば、補正部は、第1の信号から保持信号及び第2の信号を差し引くことができるから、デフォールト光成分及び暗電流成分を低減することができる。
【0014】
また本発明の一態様では、前記補正部は、前記第1の受光信号を増幅し、増幅された信号を前記第1の信号として出力する第1の増幅回路と、前記第2の受光信号を増幅し、増幅された信号を前記第2の信号として出力する第2の増幅回路とを有してもよい。
【0015】
このようにすれば、補正部は、第1、第2の受光信号を増幅した第1、第2の信号に基づいて補正処理を行うことができるから、精度の良い補正処理を行うことができる。
【0016】
また本発明の一態様では、前記第2の差分信号生成回路は、前記検出エリアに存在する前記対象物を検出する対象物検出期間には、前記検出部に対して前記補正後の受光信号を出力してもよい。
【0017】
このようにすれば、検出部は、補正後の受光信号に基づいて対象物の位置情報を検出することができるから、精度の高い位置情報検出などが可能になる。
【0018】
また本発明の一態様では、前記照射部は、第1の期間では、第1の照射光強度分布を有する第1の照射光を出射し、第2の期間では、前記第1の照射光強度分布とは異なる第2の照射光強度分布を有する第2の照射光を出射し、前記補正部は、前記保持回路として、前記第1の期間での前記保持信号を保持する第1の保持回路と、前記第2の期間での前記保持信号を保持する第2の保持回路とを有してもよい。
【0019】
このようにすれば、照射部は、異なる2つの照射光強度分布を交互に形成することができるから、環境光などの外乱光の影響を抑えて、より精度の高い対象物の検出などが可能になる。また補正部は、第1の期間でのデフォールト光成分と第2の期間でのデフォールト光成分とを区別して検出し、別々に保持することができるから、受光信号をさらに精度良く補正することができる。
【0020】
また本発明の一態様では、前記照射部は、第1の期間では、第1の照射光強度分布を有する第1の照射光を出射し、第2の期間では、前記第1の照射光強度分布とは異なる第2の照射光強度分布を有する第2の照射光を出射してもよい。
【0021】
このようにすれば、照射部は、異なる2つの照射光強度分布を交互に形成することができるから、環境光などの外乱光の影響を抑えて、より精度の高い対象物の検出などが可能になる。
【0022】
また本発明の一態様では、前記照射部は、光源光を出射する光源部と、前記光源部からの前記光源光を曲線状の導光経路に沿って導光する曲線形状のライトガイドと、前記ライトガイドの外周側から出射される前記光源光を受け、曲線形状の前記ライトガイドの内周側から外周側へと向かう方向に前記照射光の照射方向を設定する照射方向設定部とを含んでもよい。
【0023】
このようにすれば、光源部からの光源光に基づいて、曲線形状のライトガイドの外周側へと向かう方向に照射光を出射することができる。
【0024】
本発明の他の態様は、上記いずれかに記載の光学式検出装置と、画像を表示する表示装置とを含む表示システムに関係する。
【0025】
本発明の他の態様は、上記いずれかに記載の光学式検出装置と、前記光学式検出装置からの検出情報に基づいて処理を行う情報処理装置と、前記情報処理装置からの画像データに基づいて画像を表示する表示装置とを含む情報処理システムに関係する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1(A)、図1(B)は、光学式検出装置の基本的な構成例。
【図2】補正部の第1の構成例。
【図3】補正部の第2の構成例。
【図4】図4(A)、図4(B)は、補正部の第1の構成例の信号波形の一例。
【図5】図5(A)、図5(B)は、補正部の第2の構成例の信号波形の一例。
【図6】照射部の第1の構成例。
【図7】図7(A)、図7(B)は、照射部の第2の構成例。
【図8】図8(A)〜図8(C)は、照射部の第2の構成例により出射される照射光を説明する図。
【図9】図9(A)、図9(B)は、光学式検出装置による位置情報を検出する手法を説明する図。
【図10】図10(A)、図10(B)は、表示システム及び情報処理システムの構成例。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0028】
1.光学式検出装置
図1(A)、図1(B)に本実施形態の光学式検出装置の基本的な構成例を示す。本実施形態の光学式検出装置100は、照射部EU、受光部RU、検出部110、制御部120、補正部130を含む。なお、本実施形態の光学式検出装置100は図1(A)、図1(B)の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素に置き換えたり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
【0029】
本実施形態の光学式検出装置100は、図1(A)に示すようにスクリーン20(表示部)の前方側(Z軸方向側)に設定された検出エリアRDETにおいて、ユーザーの指やタッチペンなどの対象物OBを光学的に検出する。
【0030】
ここでX−Y平面とは、例えば表示部20によって規定される対象面(表示面)に沿った平面である。対象面とは、検出エリアRDETの設定対象となる面であって、例えば情報処理装置のディスプレイの表示面、或いは投射型表示装置(プロジェクター)の投影面、或いはデジタルサイネージにおけるディスプレイ面などである。
【0031】
検出エリアRDETとは、対象物OBが検出されるエリア(領域)であって、具体的には、例えば照射光が対象物OBに反射されることによる反射光を、受光部RUが受光して、対象物OBを検出することができるエリアである。より具体的には、受光部RUが反射光を受光して対象物OBを検出することが可能であって、かつ、その検出精度について、許容できる範囲の精度が確保できるエリアである。
【0032】
照射部EUは、対象物OBを検出するための照射光LTを出射する。具体的には、照射部EUは、第1の期間では第1の照射光LT1を出射し、第2の期間では第2の照射光LT2を出射する。第1の照射光LT1と第2の照射光LT2とは、照射光の強度分布が異なる。第1の期間と第2の期間とは、交互に設けられる。
【0033】
照射部EUは、例えばライトガイド及び第1、第2の光源部を含む。第1、第2の光源部は、LED(発光ダイオード)等の発光素子を有し、例えば赤外光(可視光領域に近い近赤外線)の光源光を出射する。そしてこの光源光に基づいて、照射光LTが出射される。なお、照射部EUの詳細な構成及び照射光強度分布については、後述する。
【0034】
照射部EUの形状は、中心角が180度である半円形状に限定されるものではなく、中心角が180度より小さい扇形形状であってもよい。また、半円又は扇形の曲線部分(弧の部分)は、円弧(真円の一部)でなくてもよい。例えば楕円等の一部であってもよい。
【0035】
受光部RUは、照射部EUから出射した照射光LTが検出エリアRDETに存在する対象物OBにより反射されることによる反射光LRを受光する。また、受光部RUは、上記の反射光LR以外に、照射光LTが対象物OB以外の物により反射された光、即ちデフォールト光を受光する。このデフォールト光は、照射部EUから出射した照射光LTが、対象物OB以外の物(例えば、スクリーン20や光学式検出装置100を支持する支持部材など)に反射されて受光部RUに入射する光である。従って、検出エリアRDETに対象物OBが存在しても、或いは非存在であっても、デフォールト光は変化しない。この受光部RUは、例えばフォトダイオードやフォトトランジスターなどの受光素子により実現できる。
【0036】
受光部RUは、対象物OBを検出する第1の受光素子と、暗電流を検出する第2の受光素子とを含む。第1の受光素子は、上述したように対象物OBからの反射光LR及びデフォールト光を受光するためのものであり、例えば光が入射できるスリット等を備えた筐体内に格納される。第2の受光素子は、暗電流を検出するためのものであり、例えば光が入射しないように密閉された筐体内に格納される。この暗電流は、光が入射しない環境であっても受光素子から生成される電流であって、光の入射の有無に関わらず発生する電流である。
【0037】
なお、受光部RUは、照射部EUの半円形状の中心に配置されてもよい。
【0038】
補正部130は、受光部RUからの受光信号を受けて、受光信号の補正処理を行う。具体的には、補正部130は、受光信号として、第1の受光素子からの第1の受光信号と、第2の受光素子からの第2の受光信号とを受け、第1の受光信号と第2の受光信号とに基づいて、補正処理を行う。
【0039】
即ち補正部130は、検出エリアRDETに対象物OBが存在しない状態での受光信号に基づいて、補正前の受光信号に含まれる暗電流成分及びデフォールト光成分を低減する補正処理を行う。そして、検出部110に対して補正後の受光信号を出力する。なお、補正部130の詳細な構成及び動作については、後述する。
【0040】
検出部110は、補正部130からの補正後の受光信号に基づいて、対象物OBの位置情報を検出する。この検出部110の機能は、アナログ回路等を有する集積回路装置や、マイクロコンピューター上で動作するソフトウェア(プログラム)などにより実現できる。なお、なお、位置情報を検出する手法については、後述する。
【0041】
ここで対象物の位置情報(位置特定情報)とは、対象物の位置を特定する情報であればよく、対象物の位置座標には限定されず、例えば対象物の位置を特定するための角度等であってもよい。
【0042】
制御部120は、光学式検出装置100の各種の制御処理を行う。具体的には照射部EUが有する発光素子の発光制御などを行う。この制御部120は照射部EU、検出部110、補正部130に電気的に接続されている。制御部120の機能は、集積回路装置やマイクロコンピューター上で動作するソフトウェアなどにより実現できる。例えば制御部120は、照射部EUが第1、第2の光源部を含む場合に、第1、第2の光源部を交互に発光させる制御を行う。
【0043】
図2に、本実施形態の補正部130の第1の構成例を示す。補正部130の第1の構成例は、第1、第2の増幅回路AMP1、AMP2、第1、第2の差分信号生成回路DF1、DF2及び保持回路HLを含む。なお、本実施形態の補正部130は図2の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素に置き換えたり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
【0044】
補正部130は、受光信号として、第1の受光素子PD1からの第1の受光信号VR1と、第2の受光素子PD2からの第2の受光信号VR2とを受け、第1の受光信号VR1と第2の受光信号VR2とに基づいて、補正処理を行う。具体的には、補正部130は、第1の受光信号VR1と第2の受光信号VR2との差分から求められたデフォールト光成分と、第2の受光信号VR2から求められた暗電流成分とに基づいて、補正処理を行う。
【0045】
第1の増幅回路AMP1は、第1の受光信号VR1を増幅し、増幅された信号を第1の受光信号に対応する第1の信号VQ5として出力する。また、第2の増幅回路AMP2は、第2の受光信号VR2を増幅し、増幅された信号を第2の受光信号に対応する第2の信号VQ6として出力する。
【0046】
第1の増幅回路AMP1は、オペアンプOP5、キャパシターC1a、C1b及び抵抗素子R5a、R5bを含む。キャパシターC1a、C1bは、受光素子PD1からの受光信号のうち直流成分を遮断して、交流成分を通過させる。抵抗素子R5a、R5bは、第1の増幅回路AMP1の増幅率を設定するためのものである。第2の増幅回路AMP2も、AMP1と同様の構成とすることができる。
【0047】
第1の差分信号生成回路DF1は、第1の受光信号VR1に対応する第1の信号VQ5と第2の受光信号VR2に対応する第2の信号VQ6との差分信号VQ1(=VQ5−VQ6)を生成する。第1の差分信号生成回路DF1は、オペアンプOP1及び抵抗素子R1a〜R1dを含む。抵抗素子R1a〜R1dの各抵抗値は、2つの入力信号VQ5、VQ6の電圧範囲において、所望の動作特性が得られるように設定される。
【0048】
保持回路HLは、DF1からの差分信号VQ1の電圧レベルをキャパシターC4により保持(ホールド)する。そしてオペアンプOP4により、保持された電圧と同じ電圧レベルの信号を保持信号VHLとして出力する。このオペアンプOP4は、利得が1である増幅器(ボルテージフォロワー)として動作する。スイッチ回路SWは、デフォールト光検出期間においてオン状態に設定され、対象物検出期間においてオフ状態に設定される。即ち、保持回路HLは、デフォールト光検出期間においてDF1からの差分信号VQ1を受けて、VQ1の電圧レベルをキャパシターC4に保持する。そして、対象物検出期間では保持されたVQ1と同じ電圧レベルの信号VHLを出力する。スイッチ回路SWのオン・オフ制御は、制御部120からの制御信号SCNにより行われる。
【0049】
デフォールト光検出期間は、デフォールト光を検出するための期間であって、この期間には検出エリアRDETに対象物OBが存在しない。また、対象物検出期間は、検出エリアRDETに存在する対象物OBを検出するための期間である。デフォールト光検出期間は、対象物検出期間の前に設けられる。また、1つの対象物検出期間と次の対象物期間との間に設けることもできる。例えば、対象物検出期間において対象物が検出されない状態が一定時間継続した場合には、制御部120の制御によりデフォールト光検出期間に移行し、デフォールト光検出期間の終了後に再び対象物検出期間に復帰することができる。
【0050】
第2の差分信号生成回路DF2は、第1の受光信号VR1に対応する第1の信号VQ5と保持回路HLが保持する保持信号VHLとの差分信号VQ2(=VQ5−VHL)を生成する。そして信号VQ2と第2の受光信号VR2に対応する第2の信号VQ6との差分信号VQ3(=VQ2−VQ6)を生成し、検出部110に出力する。第2の差分信号生成回路DF2は、オペアンプOP2、抵抗素子R2a〜R2d、オペアンプOP3及び抵抗素子R3a〜R3dを含む。抵抗素子R2a〜R2dの各抵抗値は、2つの入力信号VQ5、VHLの電圧範囲において、OP2の所望の動作特性が得られるように設定される。抵抗素子R3a〜R3dの各抵抗値は、2つの入力信号VQ2、VQ6の電圧範囲において、OP3の所望の動作特性が得られるように設定される。
【0051】
図2に示した本実施形態の補正部130によれば、以下のように受光信号の補正処理を行うことができる。
【0052】
デフォールト光検出期間では、第1の受光素子PD1が受光したデフォールト光による受光信号VR1を第1の増幅回路AMP1により増幅して、第1の信号VQ5を得る。また第2の受光素子PD2からの暗電流による信号VR2を増幅して、第2の信号VQ6を得る。そして、第1の差分信号生成回路DF1により、差分信号VQ1=VQ5−VQ6を生成し、保持回路HLによりVQ1と同じ電圧レベルを保持信号VHLとして保持する。こうすることで、受光信号VR1(VR1を増幅した信号VQ5)から暗電流成分VR2(VR2を増幅した信号VQ6)を差し引くことができるから、デフォールト光による信号(デフォールト光成分)に対応する信号を精度良く検出することができる。
【0053】
対象物検出期間では、第1の受光素子PD1が受光した対象物OBからの反射光LRを含む光による受光信号VR1を第1の増幅回路AMP1により増幅して、第1の信号VQ5を得る。また第2の受光素子PD2からの暗電流による信号VR2を増幅して、第2の信号VQ6を得る。そして、第2の差分信号生成回路DF2により、差分信号VQ2=VQ5−VHLを得て、さらに差分信号VQ3=VQ2−VQ6を得る。こうすることで、受光信号VR1(VR1を増幅した第1の信号VQ5)からデフォールト光成分に対応する信号VHL及び暗電流成分VR2(VR2を増幅した第2の信号VQ6)を差し引くことができるから、受光信号VR1を精度良く補正することができる。
【0054】
なお、図2に示す第2の差分信号生成回路DF2では、先に第1の信号VQ5と保持信号VHLとの差分信号VQ2を生成し、次にVQ2と第2の信号VQ6との差分信号を生成しているが、この順序を逆にしてもよい。即ち、先に第1の信号VQ5と第2の信号VQ6との差分信号VQ2’を生成し、次にVQ2’と保持信号VHLとの差分信号を生成してもよい。
【0055】
図3に、本実施形態の補正部130の第2の構成例を示す。第2の構成例は、保持回路HLとして、第1、第2の保持回路HL1、HL2を含む。それ以外の構成要素については、図2に示した第1の構成例と同様である。
【0056】
第1の保持回路HL1は、オペアンプOP41、キャパシターC41及びスイッチ回路SW1a、SW1bを含む。オペアンプOP41及びキャパシターC41の動作は、図2の保持回路HLと同様である。スイッチ回路SW1aは、デフォールト光検出期間の第1の期間ではオン状態に設定され、それ以外の期間ではオフ状態に設定される。また、スイッチ回路SW1bは、対象物検出期間の第1の期間ではオン状態に設定され、それ以外の期間ではオフ状態に設定される。従って、第1の保持回路HL1は、第1の期間での保持信号VHL1を保持する。
【0057】
第2の保持回路HL2は、オペアンプOP42、キャパシターC42及びスイッチ回路SW2a、SW2bを含む。オペアンプOP42及びキャパシターC42の動作は、図2の保持回路HLと同様である。スイッチ回路SW2aは、デフォールト光検出期間の第2の期間ではオン状態に設定され、それ以外の期間ではオフ状態に設定される。また、スイッチ回路SW2bは、対象物検出期間の第2の期間ではオン状態に設定され、それ以外の期間ではオフ状態に設定される。従って、第2の保持回路HL2は、第2の期間での保持信号VHL2を保持する。
【0058】
このようにして、第1の保持回路HL1は、デフォールト光検出期間の第1の期間に出射される第1の照射光LT1によるデフォールト光成分に対応する信号の電圧レベルを保持することができる。また、第2の保持回路HL2は、デフォールト光検出期間の第2の期間に出射される第2の照射光LT1によるデフォールト光成分に対応する信号の電圧レベルを保持することができる。こうすることで、補正部130は、対象物検出期間の第1の期間では、第1の保持回路HL1に保持された信号VHL1を用いて補正処理を行い、対象物検出期間の第2の期間では、第2の保持回路HL2に保持された信号VHL2を用いて補正処理を行うことができる。
【0059】
後述するように、第1の期間に出射される第1の照射光LT1と第2の期間に出射される第2の照射光LT2とは、異なる照射光強度分布を有する。そのために、受光部RUが第1の期間に受光するデフォールト光による信号と第2の期間に受光するデフォールト光による信号とは異なる場合がある。このような場合でも、図3に示す補正部130の第2の構成例によれば、第1の期間のデフォールト光成分と第2の期間のデフォールト光成分とを区別して検出し、保持することができるから、受光信号をさらに精度良く補正することができる。
【0060】
図4(A)、図4(B)は、補正部130の第1の構成例(図2)の信号波形の一例である。図4(A)、図4(B)には、第1、第2の光源部LSU1、LSU2を発光させる発光電流ILS1、ILS2及び信号VQ1、VQ2、VQ3、VQ5、VQ6、VHLを示す。図4(A)は、デフォールト光検出期間の信号波形であり、図4(B)は、対象物検出期間の信号波形である。
【0061】
図4(A)、図4(B)に示すように、第1の期間T1に第1の光源部LSU1が発光することで第1の照射光LT1が出射され、第2の期間T2に第2の光源部LSU2が発光することで第2の照射光LT2が出射される。第1、第2の期間T1、T2は交互に設けられる。
【0062】
デフォールト光検出期間では、検出エリアRDETには対象物OBが存在しないから、第1の受光素子PD1からの第1の受光信号VR1は、デフォールト光成分と暗電流成分とを含む。第1の受光信号VR1を増幅した第1の信号VQ5は、図4(A)に示すように、デフォールト光成分に対応する信号VDと暗電流成分に対応する信号V0との和(VD+V0)になる。ここで、第1の期間T1と第2の期間T2ではデフォールト光成分に対応する信号VDが等しいか、或いは両者の差は無視できる程度に小さいものとする。
【0063】
また、第2の受光素子PD2からの第2の受光信号VR2は、暗電流成分のみを含み、従って第2の受光信号VR2を増幅した第2の信号VQ6は、暗電流成分に対応する信号V0になる。そしてVQ5とVQ6との差分信号VQ1は、VQ1=VQ5−VQ6=VDとなり、デフォールト光成分に対応する信号VDを取り出すことができる。保持回路HLのスイッチ回路SWは、デフォールト光検出期間ではオン状態に設定されるから、信号VDの電圧レベルは保持回路HLによって保持される。デフォールト光検出期間の終了後には、スイッチ回路SWはオフ状態に設定され、保持信号VHLはデフォールト光成分に対応する信号VDの電圧レベルを保持し続ける。
【0064】
図4(A)に示すデフォールト光検出期間では、第1、第2の期間T1、T2は共に5回設けられているが、この回数に限定されるものではない。保持回路HLのキャパシターC4が完全に充電され、信号VDの電圧レベルが確実に保持できる回数であればよい。
【0065】
なお、保持回路HLのスイッチ回路SWは、デフォールト光検出期間の第1の期間T1にオン状態に設定されてもよいし、デフォールト光検出期間の第2の期間T2にオン状態に設定されてもよい。或いは、デフォールト光検出期間の第1の期間T1及び第2の期間T2にオン状態に設定されてもよい。
【0066】
一方、対象物検出期間では、検出エリアRDETに対象物OBが存在するから、第1の受光素子PD1からの第1の受光信号VR1は、対象物OBによる反射光LRとデフォールト光成分と暗電流成分とを含む。第1の受光信号VR1を増幅した第1の信号VQ5は、図4(B)に示すように、反射光LRに対応する信号VX1(又はVX2)とデフォールト光成分に対応する信号VDと暗電流成分に対応する信号V0との和(VX1+VD+V0又はVX2+VD+V0)になる。ここでVX1は第1の期間T1での反射光LRに対応する信号であり、VX2は第2の期間T2での反射光LRに対応する信号である。
【0067】
また、第2の受光素子PD2からの第2の受光信号VR2は、暗電流成分のみを含み、従って第2の受光信号VR2を増幅した第2の信号VQ6は、暗電流成分に対応する信号V0になる。保持信号VHLは、対象物検出期間においても、デフォールト光成分に対応する信号VDの電圧レベルを保持しているから、VQ5とVHLとの差分信号VQ2は、第1の期間T1ではVQ2=VQ5−VHL=VX1+V0となり、第2の期間ではVQ2=VX2+V0となる。そしてVQ2とVQ6との差分信号VQ3は、第1の期間T1ではVQ3=VQ2−VQ6=VX1となり、第2の期間ではVQ3=VX2となる。このようにして、第1の受光信号VR1に含まれるデフォールト光成分と暗電流成分とを取り除く、或いは低減することができる。
【0068】
なお、図4(B)では、先にVQ5とVQ6との差分信号VQ2を生成し、次にVQ2とVHLとの差分信号VQ3を生成しているが、この順序とは逆に、先にVQ5とVHLとの差分信号VQ2’を生成し、次にVQ2’とVQ6との差分信号VQ3を生成してもよい。
【0069】
本実施形態の補正部130による補正処理を行わない場合、例えば第1の受光信号VR1を増幅した第1の信号VQ5をそのまま検出部110に出力する場合には、検出部110に入力可能な信号レベルの範囲(ダイナミックレンジ)を大きく設定する必要がある。そのために、対象物検出に有効な信号成分であるVX1とVX2との差分信号の信号レベルのダイナミックレンジに対する比が小さくなり、その結果、検出部110における位置情報検出の精度を低下させるおそれがある。
【0070】
一方、本実施形態の補正部130による補正処理を行った場合では、デフォールト光成分と暗電流成分とを取り除いた信号VQ3を検出部110に出力することができるから、ダイナミックレンジを小さく設定することができる。このようにすることで、VX1とVX2との差分信号の信号レベルのダイナミックレンジに対する比を大きくすることができ、その結果、検出部110における位置情報検出の精度をより高くすることが可能になる。
【0071】
図5(A)、図5(B)は、補正部130の第2の構成例(図3)の信号波形の一例である。図5(A)、図5(B)には、第1、第2の光源部LSU1、LSU2を発光させる発光電流ILS1、ILS2及び信号VQ1、VQ2、VQ3、VQ5、VQ6、VHL1、VHL2を示す。図5(A)は、デフォールト光検出期間の信号波形であり、図5(B)は、対象物検出期間の信号波形である。
【0072】
上述したように、第2の構成例(図3)では、第1の保持回路HL1が、第1の期間T1におけるデフォールト光成分に対応する信号VD1を保持することができる。また、第2の保持回路HL2が、第2の期間T2におけるデフォールト光成分に対応する信号VD2を保持することができる。
【0073】
デフォールト光検出期間では、第1の受光信号VR1を増幅した第1の信号VQ5は、図5(A)に示すように、第1の期間ではVD1とV0との和(VD1+V0)になり、第2の期間ではVD2とV0との和(VD2+V0)になる。また、第2の受光素子PD2からの第2の受光信号VR2は、暗電流成分のみを含み、従って第2の受光信号VR2を増幅した第2の信号VQ6は、暗電流成分に対応する信号V0になる。そしてVQ5とVQ6との差分信号VQ1は、第1の期間T1ではVQ1=VQ5−VQ6=VD1となり、第2の期間T2ではVQ1=VD2となる。
【0074】
第1の保持回路HL1のスイッチ回路SW1aは、デフォールト光検出期間の第1の期間T1ではオン状態に設定されるから、信号VD1の電圧レベルは第1の保持回路HL1によって保持される。また、第2の保持回路HL2のスイッチ回路SW2aは、デフォールト光検出期間の第2の期間T2ではオン状態に設定されるから、信号VD2の電圧レベルは第2の保持回路HL2によって保持される。
【0075】
対象物検出期間では、第1の受光信号VR1を増幅した信号VQ5は、図5(B)に示すように、反射光LRに対応する信号VX1(又はVX2)とデフォールト光成分に対応する信号VD1(又はVD2)と暗電流成分に対応する信号V0との和(VX1+VD1+V0又はVX2+VD2+V0)になる。
【0076】
第1の保持回路HL1のスイッチ回路SW1bは、対象物検出期間の第1の期間T1ではオン状態に設定されるから、第1の期間T1では保持信号VHL1が差分信号生成回路DF2に出力される。また、第2の保持回路HL2のスイッチ回路SW2bは、対象物検出期間の第2の期間T2ではオン状態に設定されから、第2の期間T2では保持信号VHL2が差分信号生成回路DF2に出力される。
【0077】
こうすることで、差分信号生成回路DF2が出力する差分信号VQ2は、第1の期間T1ではVQ2=VQ5−VHL1=VX1+V0となり、第2の期間ではVQ2=VX2+V0となる。そしてVQ2とVQ6との差分信号VQ3は、第1の期間T1ではVQ3=VQ2−VQ6=VX1となり、第2の期間ではVQ3=VX2となる。このようにして、第1の受光信号VR1に含まれるデフォールト光成分と暗電流成分とを取り除く、或いは低減することができる。
【0078】
このように、本実施形態の補正部130の第2の構成例によれば、第1の期間T1のデフォールト光成分と第2の期間T2のデフォールト光成分とを区別して検出し、別々に保持することができるから、受光信号をさらに精度良く補正することができる。
【0079】
以上説明したように、本実施形態の光学式検出装置100によれば、補正部130による補正処理を行うことで、補正前の受光信号に含まれる暗電流成分及びデフォールト光成分を低減することができる。また、補正部130による補正処理を行うことで、検出部110のダイナミックレンジに対する、対象物検出に有効な信号成分の信号レベルの比を大きくすることができる。その結果、対象物の位置情報検出の精度をより高くすることが可能になる。
【0080】
2.照射部
図6に、本実施形態の照射部EUの第1の構成例を示す。照射部EUの第1の構成例は、第1、第2の光源部LSU1、LSU2と、ライトガイドLGと、照射方向設定部LEを含む。また反射シートRSを含む。そして照射方向設定部LEはプリズムシートPS及びルーバーフィルムLFを含む。なお、本実施形態の照射部EUは、図6の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素に置き換えたり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
【0081】
光源部LSU1、LSU2は、光源光を出射するものであり、LED(発光ダイオード)等の発光素子を有する。この光源部LSU1、LSU2は例えば赤外光(可視光領域に近い近赤外線)の光源光を放出する。即ち、光源部LSU1、LSU2が発光する光源光は、ユーザーの指やタッチペン等の対象物により効率的に反射される波長帯域の光や、外乱光となる環境光にあまり含まれない波長帯域の光であることが望ましい。具体的には、人体の表面での反射率が高い波長帯域の光である850nm付近の波長の赤外光や、環境光にあまり含まれない波長帯域の光である950nm付近の赤外光などである。
【0082】
第1の光源部LSU1は、図6のF1に示すようライトガイドLGの一端側に設けられる。また第2の光源部LSU2は、F2に示すようにライトガイドLGの他端側に設けられる。そして第1の光源部LSU1が、ライトガイドLGの一端側(F1)の光入射面に対して光源光を出射することで、第1の照射光LT1を出射し、第1の照射光強度分布LID1を形成(設定)する。一方、第2の光源部LSU2が、ライトガイドLGの他端側(F2)の光入射面に対して第2の光源光を出射することで、第2の照射光LT2を出射し、第1の照射光強度分布LID1とは強度分布が異なる第2の照射光強度分布LID2を形成する。このように照射部EUは、強度分布が異なる照射光を出射することができる。
【0083】
ライトガイドLG(導光部材)は、光源部LSU1、LSU2が発光した光源光を導光するものである。例えばライトガイドLGは、光源部LSU1、LSU2からの光源光を曲線状の導光経路に沿って導光し、その形状は曲線形状になっている。具体的には図6ではライトガイドLGは円弧形状になっている。なお図6ではライトガイドLGはその中心角が180度の円弧形状になっているが、中心角が180度よりも小さい円弧形状であってもよい。ライトガイドLGは、例えばアクリル樹脂やポリカーボネートなどの透明な樹脂部材等により形成される。
【0084】
ライトガイドLGの外周側及び内周側の少なくとも一方には、ライトガイドLGからの光源光の出光効率を調整するための加工が施されている。加工手法としては、例えば反射ドットを印刷するシルク印刷方式や、スタンパーやインジェクションで凹凸を付ける成型方式や、溝加工方式などの種々の手法を採用できる。
【0085】
プリズムシートPSとルーバーフィルムLFにより実現される照射方向設定部LEは、ライトガイドLGの外周側に設けられ、ライトガイドLGの外周側(外周面)から出射される光源光を受ける。そして曲線形状(円弧形状)のライトガイドLGの内周側から外周側へと向かう方向に照射方向が設定された照射光LT1、LT2を出射する。即ち、ライトガイドLGの外周側から出射される光源光の方向を、ライトガイドLGの例えば法線方向(半径方向)に沿った照射方向に設定(規制)する。これにより、ライトガイドLGの内周側から外周側に向かう方向に、照射光LT1、LT2が放射状に出射されるようになる。
【0086】
このような照射光LT1、LT2の照射方向の設定は、照射方向設定部LEのプリズムシートPSやルーバーフィルムLFなどにより実現される。例えばプリズムシートPSは、ライトガイドLGの外周側から低視角で出射される光源光の方向を、法線方向側に立ち上げて、出光特性のピークが法線方向になるように設定する。またルーバーフィルムLFは、法線方向以外の方向の光(低視角光)を遮光(カット)する。
【0087】
このように本実施形態の照射部EUによれば、ライトガイドLGの両端に光源部LSU1、LSU2を設け、これらの光源部LSU1、LSU2を交互に点灯させることで、2つの照射光強度分布を形成することができる。すなわちライトガイドLGの一端側の強度が高くなる照射光強度分布LID1と、ライトガイドLGの他端側の強度が高くなる照射光強度分布LID2を交互に形成することができる。
【0088】
図7(A)、図7(B)に本実施形態の照射部EUの第2の構成例を示す。照射部EUの第2の構成例は、曲線CUR1、CUR2に沿って配置される第1〜第n(nは2以上の整数)の発光素子LD1〜LDnを含む。なお、本実施形態の照射部EUは図7(A)、図7(B)の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素に置き換えたり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
【0089】
図7(A)に示すように、n個の発光素子のうちの第1〜第m(mは1<m<nである整数)の発光素子LD1〜LDmは、第1の曲線CUR1に沿って配置される。また、n個の発光素子のうちの第m+1〜第nの発光素子LDm+1〜LDnは、第1の曲線CUR1とは離れて位置する第2の曲線CUR2に沿って配置される。
【0090】
第1の曲線CUR1の一端に第1の発光素子LD1が配置され、他端に第mの発光素子LDmが配置される。また、第2の曲線CUR2の一端に第m+1の発光素子LDm+1が配置され、他端に第nの発光素子LDnが配置される。
【0091】
第1〜第nの発光素子LD1〜LDnは、例えば赤外光(可視光領域に近い近赤外線)を出射するLED(発光ダイオード)等であって、曲線CUR1、CUR2に沿って配置され、光源光をそれぞれ出射する。曲線CUR1、CUR2は円弧線であってもよいし、曲率半径が変化する曲線であってもよい。また、各発光素子の配置間隔は等間隔であってもよいし、変化する間隔であってもよい。
【0092】
以下の説明のために、図7(A)に示すように、第1、第2、第3の方向D1、D2、D3を定義しておく。すなわち、曲線CUR1、CUR2の他端から一端へ向かう方向を第2の方向D2とし、第2の方向D2に垂直で曲線CUR1、CUR2の内側から外側に向かう方向を第1の方向D1とする。そして第1、第2の方向D1、D2に垂直な方向を第3の方向D3とする。
【0093】
第1の曲線CUR1と第2の曲線CUR2とは、互いに交差せず、離れた位置に配置される。具体的には、例えば第1の曲線CUR1と第2の曲線CUR2とは、第3の方向D3において分離して配置される。第1の曲線CUR1と第2の曲線CUR2との第3の方向D3における距離(間隔)は、一定であってもよいし、変化してもよい。
【0094】
図7(B)は、照射部EUの第2の構成例を第2の方向D2から見た図である。第1〜第mの発光素子LD1〜LDmは、第1の照射基準面SL1に沿って光源光をそれぞれ出射する。また、第m+1〜第nの発光素子LDm+1〜LDnは、第2の照射基準面SL2に沿って光源光をそれぞれ出射する。第1、第2の照射基準面SL1、SL2は、照射部EUが照射光を出射する方向を規定するための仮想的な面であって、これら照射基準面SL1、SL2に沿って照射光が出射される。
【0095】
ただし、各発光素子からの光源光は一定の角度で広がりを持つから、その光源光に基づいて出射される照射光も、照射基準面SL1、SL2の面内に限定されず、照射基準面SL1、SL2を基準として第3の方向D3及びその反対方向に一定の広がりを持つ。
【0096】
なお、以降の説明において、第1〜第mの発光素子LD1〜LDmをまとめて第1の発光素子群と記載し、第m+1〜第nの発光素子LDm+1〜LDnをまとめて第2の発光素子群と記載する。
【0097】
図8(A)〜図8(C)は、照射部EUの第2の構成例により出射される照射光を説明する図である。図8(A)〜図8(C)では、例えば第1の発光素子群として第1〜第13の発光素子LD1〜LD13を含み、第2の発光素子群として第14〜第26の発光素子LD14〜LD26を含む構成例について示す。
【0098】
図8(A)に、第1の期間に出射される第1の照射光LT1を示す。第1の期間では、第1の発光素子群(LD1〜LD13)は、第1の曲線CUR1の一端から他端に向かうにつれて、各発光素子の光量が低くなる第1の光源光LS1−1〜LS1−13を出射する。例えば、LD1は光源光LS1−1を出射し、次のLD2はLD1よりも光量が低い光源光LS1−2を出射し、次のLD3はLD2よりも光量が低い光源光LS1−3を出射する。そして最後のLD13はLD12よりも光量の低い光源光LS1−13を出射する。すなわち、第1の曲線CUR1の一端からは最も光量の高い光源光が出射され、一端から他端に向かって徐々に光量が減少し、他端からは最も光量の低い光源光が出射される。
【0099】
このようにして、第1の期間では第1の光源光LS1−1〜LS1−13が出射され、これに基づいて第1の曲線CUR1の一端から他端に向かうにつれて、照射光の強度が低くなる第1の照射光LT1が出射される。その結果、第1の期間では、第1の照射光強度分布LID1が形成される。第1の照射光LT1は、各発光素子から出射された第1の光源光LS1−1〜LS1−13が合成された光である。
【0100】
図8(B)に、第2の期間に出射される第2の照射光LT2を示す。第2の期間では、第2の発光素子群(LD14〜LD26)は、第2の曲線CUR2の一端から他端に向かうにつれて、各発光素子の光量が高くなる第2の光源光LS2−14〜LS2−26を出射する。例えば、LD14は光源光LS2−14を出射し、次のLD15はLD14よりも光量が高い光源光LS2−15を出射し、次のLD16はLD15よりも光量が高い光源光LS2−16を出射する。そして最後のLD26はLD25よりも光量の高い光源光LS2−26を出射する。すなわち、第2の曲線CUR2の一端からは最も光量の低い光源光が出射され、一端から他端に向かって徐々に光量が増加し、他端からは最も光量の高い光源光が出射される。
【0101】
このようにして、第2の期間では第2の光源光LS2−14〜LS2−26が出射され、これに基づいて第2の曲線CUR2の一端から他端に向かうにつれて、照射光の強度が高くなる第2の照射光LT2が出射される。その結果、第2の期間では、第1の照射光強度分布LID1とは異なる第2の照射光強度分布が形成される。第2の照射光LT2は、各発光素子から出射された第2の光源光LS2−14〜LS2−26が合成された光である。
【0102】
図8(C)に示すように、第1、第2の照射光LT1、LT2は、第1、第2の照射基準面SL1、SL2に沿って照射されるが、上述したように、照射光LT1、LT2が照射される範囲は第1、第2の照射基準面SL1、SL2の面内に限定されず、照射基準面SL1、SL2を基準として第3の方向D3及びその反対方向に一定の広がりを持つ。
【0103】
以上説明したように、本実施形態の照射部EUによれば、第1の期間では第1の照射光強度分布を形成し、第2の期間では第1の照射光強度分布とは異なる第2の照射光強度分布を形成することができる。後述するように、本実施形態の光学式検出装置では、これらの強度分布の異なる照射光による対象物の反射光を受光することで、環境光などの外乱光の影響を最小限に抑えた、より精度の高い対象物の検出が可能になる。即ち、外乱光に含まれる赤外成分を相殺することが可能になり、この赤外成分が対象物の検出に及ぼす悪影響を最小限に抑えることが可能になる。
【0104】
3.位置情報検出の手法
図9(A)、図9(B)は、本実施形態の光学式検出装置による位置情報を検出する手法を説明する図である。
【0105】
図9(A)のE1は、第1の照射光強度分布LID1において、第1の照射光LT1の照射方向の角度と、その角度での照射光LT1の強度(光度、放射強度)との関係を示す図である。図9(A)のE1では、照射方向が図9(B)のDD1の方向(左方向)である場合に強度が最も高くなる。一方、DD3の方向(右方向)である場合に強度が最も低くなり、DD2の方向ではその中間の強度になる。具体的には方向DD1から方向DD3への角度変化に対して照射光の強度は単調減少しており、例えばリニアー(直線的)に変化している。
【0106】
また図9(A)のE2は、第2の照射光強度分布LID2において、第2の照射光LT2の照射方向の角度と、その角度での照射光LT2の強度との関係を示す図である。図9(A)のE2では、照射方向が図9(B)のDD3の方向である場合に強度が最も高くなる。一方、DD1の方向である場合に強度が最も低くなり、DD2の方向ではその中間の強度になる。具体的には方向DD3から方向DD1への角度変化に対して照射光の強度は単調減少しており、例えばリニアーに変化している。なお図9(A)では照射方向の角度と強度の関係はリニアーな関係になっているが、本実施形態はこれに限定されず、例えば双曲線の関係等であってもよい。
【0107】
そして図9(B)に示すように、角度θの方向DDBに対象物OBが存在したとする。すると、第1の期間において第1の照射光強度分布LID1を形成した場合(E1の場合)には、図9(A)に示すように、DDB(角度θ)の方向に存在する対象物OBの位置での強度はINTaになる。一方、第2の期間において第2の照射光強度分布LID2を形成した場合(E2の場合)には、DDBの方向に存在する対象物OBの位置での強度はINTbになる。従って、これらの強度INTa、INTbの関係を求めることで、対象物OBの位置する方向DDB(角度θ)を特定できる。
【0108】
このような強度INTa、INTbの関係を求めるために、本実施形態では、受光部RUが、照射光強度分布LID1を形成した際の対象物OBの反射光(第1の反射光)を受光する。この時の反射光の検出受光量をGaとした場合に、このGaが強度INTaに対応するようになる。また受光部RUが、照射光強度分布LID2を形成した際の対象物OBの反射光(第2の反射光)を受光する。この時の反射光の検出受光量をGbとした場合に、このGbが強度INTbに対応するようになる。従って、検出受光量GaとGbの関係が求まれば、強度INTa、INTbの関係が求まり、対象物OBの位置する方向DDBを求めることができる。
【0109】
例えば光源部LSU1の制御量(例えば電流量)、変換係数、放出光量を、各々、Ia、k、Eaとする。また光源部LSU2の制御量(電流量)、変換係数、放出光量を、各々、Ib、k、Ebとする。すると下式(1)、(2)が成立する。
【0110】
Ea=k・Ia (1)
Eb=k・Ib (2)
また光源部LSU1からの光源光(第1の光源光)の減衰係数をfaとし、この光源光に対応する反射光(第1の反射光)の検出受光量をGaとする。また光源部LSU2からの光源光(第2の光源光)の減衰係数をfbとし、この光源光に対応する反射光(第2の反射光)の検出受光量をGbとする。すると下式(3)、(4)が成立する。
【0111】
Ga=fa・Ea=fa・k・Ia (3)
Gb=fb・Eb=fb・k・Ib (4)
従って、検出受光量Ga、Gbの比は下式(5)のように表せる。
【0112】
Ga/Gb=(fa/fb)・(Ia/Ib) (5)
ここでGa/Gbは、受光部RUでの受光結果から特定することができ、Ia/Ibは、照射部EUの制御量から特定することができる。そして図9(A)の強度INTa、INTbと減衰係数fa、fbとは一意の関係にある。例えば減衰係数fa、fbが小さな値となり、減衰量が大きい場合は、強度INTa、INTbが小さいことを意味する。一方、減衰係数fa、fbが大きな値となり、減衰量が小さい場合は、強度INTa、INTbが大きいことを意味する。従って、上式(5)から減衰率の比fa/fbを求めることで、対象物の方向、位置等を求めることが可能になる。
【0113】
より具体的には、一方の制御量IaをImに固定し、検出受光量の比Ga/Gbが1になるように、他方の制御量Ibを制御する。例えば光源部LSU1、LSU2を逆相で交互に点灯させる制御を行い、検出受光量の波形を解析し、検出波形が観測されなくなるように(Ga/Gb=1になるように)、他方の制御量Ibを制御する。そして、この時の他方の制御量Ib=Im・(fa/fb)から、減衰係数の比fa/fbを求めて、対象物の方向、位置等を求める。
【0114】
また下式(6)、(7)のように、Ga/Gb=1になると共に制御量IaとIbの和が一定になるように制御してもよい。
【0115】
Ga/Gb=1 (6)
Im=Ia+Ib (7)
上式(6)、(7)を上式(5)に代入すると下式(8)が成立する。
【0116】
Ga/Gb=1=(fa/fb)・(Ia/Ib)
=(fa/fb)・{(Im−Ib)/Ib} (8)
上式(8)より、Ibは下式(9)のように表される。
【0117】
Ib={fa/(fa+fb)}・Im (9)
ここでα=fa/(fa+fb)とおくと、上式(9)は下式(10)のように表され、減衰係数の比fa/fbは、αを用いて下式(11)のように表される。
【0118】
Ib=α・Im (10)
fa/fb=α/(1−α) (11)
従って、Ga/Gb=1になると共にIaとIbの和が一定値Imになるように制御すれば、そのときのIb、Imから下式(10)によりαを求め、求められたαを上式(11)に代入することで、減衰係数の比fa/fbを求めることができる。これにより、対象物の方向、位置等を求めることが可能になる。そしてGa/Gb=1になると共にIaとIbの和が一定になるように制御することで、外乱光の影響等を相殺することが可能になり、検出精度の向上を図れる。
【0119】
上記の説明では、照射部EUの第1の構成例(図6)を例として説明したが、第2の構成例(図7(A)、図7(B))についても同様な手法で対象物OBの位置する方向(角度θ)を特定できる。第2の構成例では、第1の発光素子群(LD1〜LDm)が上記の第1の光源部LSU1に相当し、第2の発光素子群(LDm+1〜LDn)が上記の第2の光源部LSU2に相当する。
【0120】
4.表示システム及び情報処理システム
図10(A)、図10(B)に、本実施形態の表示システム及び情報処理システムの構成例を示す。図10(A)に示す表示システムの構成例は、光学式検出装置100及び表示装置10を含む。また、図10(A)に示す情報処理システムの構成例は、光学式検出装置100、表示装置10及び情報処理装置200を含む。
【0121】
情報処理装置200は、例えばパーソナルコンピューター(PC)などであって、光学式検出装置100からの検出情報に基づいて処理を行う。光学式検出装置100と情報処理装置200とは、USBケーブルUSBCを介して電気的に接続される。表示装置10は、例えば投射型表示装置(プロジェクター)などであって、情報処理装置200からの画像データに基づいて、表示部(スクリーン)20に画像を表示する。ユーザーは、表示部20に表示された画像を参照しながら、表示画像のアイコン等をポインティングすることで、情報処理装置200に対して必要な情報を入力することができる。
【0122】
なお、図10(A)では、光学式検出装置100が表示部20に取り付けられているが、他の場所に取り付けることもできる。例えば、光学式検出装置100を表示装置10に取り付けてもよいし、天井や壁などに取り付けてもよい。また、表示装置10としては、投射型表示装置(プロジェクター)に限定されるものではなく、例えばデジタルサイネージ用表示装置であってもよい。
【0123】
図10(B)に示す情報処理システムの構成例では、表示装置10として情報処理装置200(PC)に内蔵されたディスプレイ220が用いられる。光学式検出装置100はディスプレイ220に着脱可能であって、USBケーブルUSBCを介して情報処理装置200と電気的に接続される。
【0124】
上述したように、本実施形態の光学式検出装置100によれば、補正部130による補正処理を行うことで、補正前の受光信号に含まれる暗電流成分及びデフォールト光成分を低減することができる。また、補正部130による補正処理を行うことで、検出部110のダイナミックレンジに対する、対象物検出に有効な信号成分の信号レベルの比を大きくすることができる。その結果、対象物の位置情報検出の精度をより高くすることが可能になる。さらに表示システム及び情報処理システムに適用した場合に、例えばユーザーが指で描いた文字を正確に検出することが可能になるから、情報処理装置200に対して手書き文字により情報を入力することなどが可能になる。
【0125】
なお、以上のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例は全て本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また光学式検出装置、表示システム及び情報処理システムの構成、動作も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0126】
EU 照射部、RU 受光部、LSU1、LSU2 第1、第2の光源部、
LT、LT1、LT2 照射光、LR 反射光、
LG ライトガイド、RS 反射シート、PS プリズムシート、
LF ルーバーフィルム、LE 照射方向設定部、
LID1、LID2 第1、第2の照射光強度分布、RDET 検出エリア、
OB 対象物、AMP1、AMP2 第1、第2の増幅回路、
DF1、DF2 第1、第2の差分信号生成回路、HL 保持回路、
PD1、PD2 第1、第2の受光素子、
10 表示装置、20 表示部、100 光学式検出装置、110 検出部、
120 制御部、130 補正部、200 情報処理装置、220 ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照射光を出射する照射部と、
少なくとも前記照射光が検出エリアに存在する対象物により反射されることによる反射光を受光する受光部と、
前記受光部からの受光信号の補正処理を行う補正部と、
前記補正部からの補正後の受光信号に基づいて、前記対象物の位置情報を検出する検出部とを含み、
前記補正部は、前記検出エリアに前記対象物が存在しない状態での受光信号に基づいて、補正前の受光信号に含まれる暗電流成分及びデフォールト光成分を低減する補正処理を行うことを特徴とする光学式検出装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記受光部は、
前記対象物を検出する第1の受光素子と、暗電流を検出する第2の受光素子とを有し、
前記補正部は、
前記受光信号として、前記第1の受光素子からの第1の受光信号と、前記第2の受光素子からの第2の受光信号とを受け、
前記第1の受光信号と前記第2の受光信号とに基づいて、前記補正処理を行うことを特徴とする光学式検出装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記補正部は、
前記第1の受光信号と前記第2の受光信号との差分から求められた前記デフォールト光成分と、前記第2の受光信号から求められた前記暗電流成分とに基づいて、前記補正処理を行うことを特徴とする光学式検出装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記補正部は、
前記第1の受光信号に対応する第1の信号と前記第2の受光信号に対応する第2の信号との差分信号を生成する第1の差分信号生成回路と、
前記差分信号を保持する保持回路と、
前記第1の受光信号に対応する前記第1の信号と、前記保持回路が保持する保持信号及び前記第2の受光信号に対応する前記第2の信号との差分信号を生成する第2の差分信号生成回路とを有することを特徴とする光学式検出装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記補正部は、
前記第1の受光信号を増幅し、増幅された信号を前記第1の信号として出力する第1の増幅回路と、
前記第2の受光信号を増幅し、増幅された信号を前記第2の信号として出力する第2の増幅回路とを有することを特徴とする光学式検出装置。
【請求項6】
請求項4又は5において、
前記第2の差分信号生成回路は、
前記検出エリアに存在する前記対象物を検出する対象物検出期間には、前記検出部に対して前記補正後の受光信号を出力することを特徴とする光学式検出装置。
【請求項7】
請求項4乃至6のいずれかにおいて、
前記照射部は、
第1の期間では、第1の照射光強度分布を有する第1の照射光を出射し、
第2の期間では、前記第1の照射光強度分布とは異なる第2の照射光強度分布を有する第2の照射光を出射し、
前記補正部は、
前記保持回路として、
前記第1の期間での前記保持信号を保持する第1の保持回路と、
前記第2の期間での前記保持信号を保持する第2の保持回路とを有することを特徴とする光学式検出装置。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれかにおいて、
前記照射部は、
第1の期間では、第1の照射光強度分布を有する第1の照射光を出射し、
第2の期間では、前記第1の照射光強度分布とは異なる第2の照射光強度分布を有する第2の照射光を出射することを特徴とする光学式検出装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかにおいて、
前記照射部は、
光源光を出射する光源部と、
前記光源部からの前記光源光を曲線状の導光経路に沿って導光する曲線形状のライトガイドと、
前記ライトガイドの外周側から出射される前記光源光を受け、曲線形状の前記ライトガイドの内周側から外周側へと向かう方向に前記照射光の照射方向を設定する照射方向設定部とを含むことを特徴とする光学式検出装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の光学式検出装置と、
画像を表示する表示装置とを含むことを特徴とする表示システム。
【請求項11】
請求項1乃至9のいずれかに記載の光学式検出装置と、
前記光学式検出装置からの検出情報に基づいて処理を行う情報処理装置と、
前記情報処理装置からの画像データに基づいて画像を表示する表示装置とを含むことを特徴とする情報処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−221079(P2012−221079A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−84236(P2011−84236)
【出願日】平成23年4月6日(2011.4.6)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】