説明

光学活性硫黄架橋二核ルテニウム錯体及びその製造方法並びにかかる触媒を用いた光学活性化合物の製造方法及び新規光学活性化合物

【課題】 工業的に有用な新規な不斉合成用触媒及びそれを用いた新規な不斉合成反応を提供する。
【解決手段】 下記一般式(1)で示される新規な光学活性ルテニウム錯体を調製し、これを触媒として用いてプロパギルアルコール類とケトン類の不斉反応を行う。
【化1】


[式中のRSは、下記一般式(2)で表される基を示し、Cpはη−CMe(ペンタメチルシクロペンタジエン)を示す。
【化2】


(式中、Rは炭素数1〜10の直鎖又は分岐したアルキル基を示し、Rはフェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換フェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、置換フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基又は置換ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基を示す。)]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不斉合成用触媒として有用な光学活性ルテニウム錯体、その製法、それを触媒として用いた光学活性化合物の製造方法に関する。
【0002】
本発明の光学活性ルテニウム錯体を反応に用いて得られる光学活性化合物は、医薬・農薬中間体、電子材料用原料として有用である。
【背景技術】
【0003】
従来、下記一般式(9)又は一般式(10)で示される光学活性ルテニウム錯体、及びそれらを触媒として用いた不斉合成反応が知られている。
【0004】
【化1】

【0005】
【化2】

【0006】
[上記一般式(9)又は一般式(10)中、RSは、下記一般式(11)又は一般式(12)で表される基を示し、Cpはη−CMe(ペンタメチルシクロペンタジエン)を示す。
【0007】
【化3】

【0008】
【化4】

【0009】
(上記一般式(11)又は一般式(12)中、Rは炭素数1〜10の直鎖又は分岐したアルキル基を示し、Rはフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、炭素数3〜8からなるシクロアルキル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキル基で核が1〜5置換されたフェニル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキルオキシ基で核が1〜5置換されたフェニル基、ハロゲンで核が1〜5置換されたフェニル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキル基で核が1〜5置換された1−ナフチル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキルオキシ基で核が1〜5置換された1−ナフチル基、ハロゲンで核が1〜5置換された1−ナフチル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキル基で核が1〜5置換された2−ナフチル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキルオキシ基で核が1〜5置換された2−ナフチル基又はハロゲンで核が1〜5置換された2−ナフチル基を示す。)]
また、上記一般式(9)又は一般式(10)で示される触媒を用い、下記一般式(6)
【0010】
【化5】

【0011】
(式中、Rは炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐したアルキル基、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、炭素数3〜8からなるシクロアルキル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキル基で核が1〜5置換されたフェニル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキルオキシ基で核が1〜5置換されたフェニル基、ハロゲンで核が1〜5置換されたフェニル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキル基で核が1〜5置換された1−ナフチル基、炭素数1〜5の直鎖又は分岐したアルキルオキシ基で核が1〜5置換された1−ナフチル基、ハロゲンで核が1〜5置換された1−ナフチル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキル基で核が1〜5置換された2−ナフチル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキルオキシ基で核が1〜5置換された2−ナフチル基又はハロゲンで核が1〜5置換された2−ナフチル基を示す。)
で示されるプロパギルアルコールと下記一般式(7)
【0012】
【化6】

【0013】
(式中、R、Rは各々独立して、水素、炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐したアルキル基、炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐したアルキニル基、炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐したアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキル基で核が1〜5置換されたフェニル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルコキシ基で核が1〜5置換されたフェニル基、ハロゲン原子で核が1〜5置換されたフェニル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキル基で核が1〜5置換された1−ナフチル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルコキシ基で核が1〜5置換された1−ナフチル基、ハロゲン原子で核が1〜5置換された1−ナフチル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキル基で核が1〜5置換された2−ナフチル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルコキシ基で核が1〜5置換された2−ナフチル基又はハロゲン原子で核が1〜5置換された2−ナフチル基を示す。)
で示されるケトン類を反応させ、下記一般式(8)
【0014】
【化7】

【0015】
(上記式中、R、R、Rは前記に同じ定義であり、*は不斉炭素を示す。)
で示されるケトン誘導体を得る方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−265435号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、置換基Rとして置換フェニル基(ただし、フェニル環等の芳香族置換基を含むことはない。)を有することのある上記一般式(9)又は一般式(10)で示される光学活性ルテニウム錯体を触媒として用いた、上記一般式(6)で示されるプロパギルアルコールと上記一般式(7)示されるケトン類との反応により上記一般式(8)で示されるアセトン類を得る反応は、光学選択性は発現するものの、最高でも28%eeと低い光学選択性に留まり、実用的な方法ということができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明者らは、新規な光学活性触媒及びそれを用いた不斉合成反応の開発について鋭意検討した結果、下記一般式(1)
【0018】
【化8】

【0019】
[上記式中のRSは、下記一般式(2)で表される基を示し、Cpはη−CMe(ペンタメチルシクロペンタジエン)を示す。
【0020】
【化9】

【0021】
(上記式中、Rは炭素数1〜10の直鎖又は分岐したアルキル基を示し、Rはフェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換フェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、置換フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基又は置換ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基を示す。)]
で示される、置換基Rとしてフェニル環等の芳香族置換基で置換されたフェニル環を有する光学活性ルテニウム錯体からなる光学活性触媒を見出し、さらにそれを触媒として用いた反応において、高い不斉誘起が可能となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0022】
すなわち本発明は、以下に示すとおりの、光学活性硫黄架橋二核ルテニウム錯体及びその製造方法並びにかかる触媒を用いた光学活性化合物の製造方法及び新規光学活性化合物である。
【0023】
1.一般式(1)
【0024】
【化10】

【0025】
[上記式中のRSは、一般式(2)
【0026】
【化11】

【0027】
(上記式中、Rは炭素数1〜10の直鎖又は分岐したアルキル基を示し、Rはフェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換フェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、置換フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基又は置換ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基を示す。)
で表される基を示し、Cpはη−CMe(ペンタメチルシクロペンタジエン)を示す。]
で示される光学活性ルテニウム錯体。
【0028】
2.上記一般式(1)において、Rがエチル基、Rが2−メトキシ−5−フェニル基、2−メトキシ−5−(2−ナフチル)フェニル基、2−(2−プロポキシ)−5−フェニル基、2,5―ジフェニルフェニル基、2,3,5−トリフェニルフェニル基、2,3,5−(4−メチルフェニル)フェニル基又は2,3,5−(4−tert−ブチルフェニル)フェニル基であることを特徴とする上記1.記載の一般式(1)で示される光学活性ルテニウム錯体。
【0029】
3.一般式(3)
【0030】
【化12】

【0031】
(上記式中、Rは炭素数1〜10の直鎖又は分岐したアルキル基を示し、Rはフェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換フェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、置換フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基又は置換ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基を示す。)
で示される光学活性ジスルフィド化合物。
【0032】
4.上記一般式(3)において、Rがエチル基、Rが2−メトキシ−5−フェニル基、2−メトキシ−5−(2−ナフチル)フェニル基、2−(2−プロポキシ)−5−フェニル基、2,5―ジフェニルフェニル基、2,3,5−トリフェニルフェニル基、2,3,5−(4−メチルフェニル)フェニル基又は2,3,5−(4−tert−ブチルフェニル)フェニル基であることを特徴とする上記3.に記載の一般式(3)で示される光学活性ジスルフィド化合物。
【0033】
5.ビス[ペンタメチルシクロペンタジエニルルテニウムジクロライド](CpRuCl[ここで、Cpはη−CMe(ペンタメチルシクロペンタジエン)を示す。]と、一般式(3)
【0034】
【化13】

【0035】
(上記式中、Rは炭素数1〜10の直鎖又は分岐したアルキル基を示し、Rはフェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換フェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、置換フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基又は置換ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基を示す。)で示されるジスルフィド化合物を反応させることを特徴とする一般式(1)
【0036】
【化14】

【0037】
[上記式中のRSは、一般式(2)
【0038】
【化15】

【0039】
(上記式中、Rは炭素数1〜10の直鎖又は分岐したアルキル基を示し、Rはフェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換フェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、置換フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基又は置換ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基を示す。)
で表される基を示し、Cpはη−CMe(ペンタメチルシクロペンタジエン)を示す。]
で示される光学活性ルテニウム錯体の製造方法。
【0040】
6.一般式(4)
【0041】
【化14】

【0042】
(上記式中、Rは炭素数1〜10の直鎖又は分岐したアルキル基を示し、Rはフェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換フェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、置換フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基又は置換ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基を示す。)
で示される光学活性アルコール類。
【0043】
7.上記一般式(4)において、Rがエチル基、Rが2−メトキシ−5−フェニル基、2−メトキシ−5−(2−ナフチル)フェニル基、2−(2−プロポキシ)−5−フェニル基、2,5―ジフェニルフェニル基、2,3,5−トリフェニルフェニル基、2,3,5−(4−メチルフェニル)フェニル基又は2,3,5−(4−tert−ブチルフェニル)フェニル基であることを特徴とする上記6.に記載の一般式(4)で示される光学活性アルコール類。
【0044】
8.一般式(4)
【0045】
【化15】

【0046】
(上記式中、Rは炭素数1〜10の直鎖又は分岐したアルキル基を示し、Rはフェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換フェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、置換フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基又は置換ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基を示す。)
で示される光学活性アルコール類を、立体反転反応によりアセチルチオ基に置換し、次いで還元した後、酸化により2量化することを特徴とする一般式(3)
【0047】
【化16】

【0048】
(上記式中、Rは炭素数1〜10の直鎖又は分岐したアルキル基を示し、Rはフェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換フェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、置換フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基又は置換ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基を示す。)
で示される光学活性ジスルフィド類の製造方法。
【0049】
9.一般式(5)
【0050】
【化17】

【0051】
(上記式中、Rはフェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換フェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、置換フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基又は置換ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基を示す。)
で示されるアルデヒド類を不斉アルキル化することを特徴とする一般式(4)
【0052】
【化18】

【0053】
(上記式中、Rは炭素数1〜10の直鎖又は分岐したアルキル基を示し、Rはフェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換フェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、置換フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基又は置換ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基を示す。)
で示される光学活性アルコール類の製造方法。
【0054】
10.上記1.又は2.に記載の光学活性ルテニウム錯体からなる不斉合成反応用触媒。
【0055】
11.上記10.に記載の不斉合成反応用触媒の存在下、一般式(6)
【0056】
【化19】

【0057】
(上記式中、Rは炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐したアルキル基、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、炭素数3〜8からなるシクロアルキル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキル基で核が1〜5置換されたフェニル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキルオキシ基で核が1〜5置換されたフェニル基、ハロゲンで核が1〜5置換されたフェニル基、フェニル基で各が1〜5置換されたフェニル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキル基で核が1〜5置換された1−ナフチル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキルオキシ基で核が1〜5置換された1−ナフチル基、ハロゲンで核が1〜5置換された1−ナフチル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキル基で核が1〜5置換された2−ナフチル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキルオキシ基で核が1〜5置換された2−ナフチル基又はハロゲンで核が1〜5置換された2−ナフチル基を示す。)
で示されるプロパギルアルコール類と、一般式(7)
【0058】
【化20】

【0059】
(式中、R、Rは各々独立して、水素、炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐したアルキル基、炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐したアルキニル基、炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐したアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキル基で核が1〜5置換されたフェニル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルコキシ基で核が1〜5置換されたフェニル基、ハロゲン原子で核が1〜5置換されたフェニル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキル基で核が1〜5置換された1−ナフチル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルコキシ基で核が1〜5置換された1−ナフチル基、ハロゲン原子で核が1〜5置換された1−ナフチル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキル基で核が1〜5置換された2−ナフチル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルコキシ基で核が1〜5置換された2−ナフチル基又はハロゲン原子で核が1〜5置換された2−ナフチル基を示す。)
で示されるケトン類を反応させることを特徴とする一般式(8)
【0060】
【化21】

【0061】
(式中、R、R及びRは前記に同じ定義であり、*は不斉炭素を示す。)
で示されるケトン誘導体の製造方法。
【発明の効果】
【0062】
本発明によれば、新規な光学活性ルテニウム錯体及びその製法が提供される。また、本発明の光学活性ルテニウム錯体は、新規な不斉合成反応用触媒であり、それを用いて合成される光学活性化合物は、医薬・農薬中間体、電子材料用原料として有用であり、本発明は工業的に極めて有意義である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0063】
本発明の光学活性ルテニウム錯体は、下記一般式(1)で示される化合物である。
【0064】
【化22】

【0065】
[上記式中のRSは、下記一般式(2)で表される基を示し、Cpはη−CMe(ペンタメチルシクロペンタジエン)を示す。
【0066】
【化23】

【0067】
(上記式中、Rは炭素数1〜10の直鎖又は分岐したアルキル基を示し、Rはフェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換フェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、置換フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基又は置換ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基を示す。)]
本発明において、上記一般式(2)で示される基としては、具体的には、(1R)−1−(2−フェニルフェニル)エチル−1−チオ基、(1R)−1−(3−フェニルフェニル)エチル−1−チオ基、(1R)−1−(4−フェニルフェニル)エチル−1−チオ基、(1R)−1−(2,3−ジフェニルフェニル)エチル−1−チオ基、(1R)−1−(2,4−ジフェニルフェニル)エチル−1−チオ基(1R)−1−(2,5−ジフェニルフェニル)エチル−1−チオ基、(1R)−1−(2,6−ジフェニルフェニル)エチル−1−チオ基、(1R)−1−(3,4−ジフェニルフェニル)エチル−1−チオ基、(1R)−1−(3,5−ジフェニルフェニル)エチル−1−チオ基、(1R)−1−(2,3,4−トリフェニルフェニル)エチル−1−チオ基、(1R)−1−(2,3,5−トリフェニルフェニル)エチル−1−チオ基、(1R)−1−(2,3,6−トリフェニルフェニル)エチル−1−チオ基、(1R)−1−(2,4,5−トリフェニルフェニル)エチル−1−チオ基、(1R)−1−(2,4,6−トリフェニルフェニル)エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2−(2−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2−(3−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2−(4−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[3−(2−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[3−(3−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[3−(4−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[4−(2−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[4−(3−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[4−(4−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[(2,3−ビス(2−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[(2,3−ビス(3−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[(2,3−ビス(4−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,4−ビス(2−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,4−ビス(3−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,4−ビス(4−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,5−ビス(2−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,5−ビス(3−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,5−ビス(4−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,6−ビス(2−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,6−ビス(3−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,6−ビス(4−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[3,4−ビス(2−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[3,4−ビス(3−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[3,4−ビス(4−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[3,5−ビス(2−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[3,5−ビス(3−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[3,5−ビス(4−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,3,4−トリス(2−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,3,4−トリス(3−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,3,4−トリス(4−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,3,5−トリス(2−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,3,5−トリス(3−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,3,5−トリス(4−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,3,6−トリス(2−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,3,6−トリス(3−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,3,6−トリス(4−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,4,5−トリス(2−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,4,5−トリス(3−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,4,5−トリス(4−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,4,6−トリス(2−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,4,6−トリス(3−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,4,6−トリス(4−メチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,3,4−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,3,4−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,3,4−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,3,5−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,3,5−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,3,5−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,3,6−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,3,6−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,3,6−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,4,5−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,4,5−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,4,5−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,4,6−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,4,6−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,4,6−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2−(1−ナフチル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[3−(1−ナフチル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[4−(1−ナフチル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2,4−ビス(1−ナフチル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−(2−メトキシ−3−フェニルフェニル)エチル−1−チオ基、(1R)−1−(2−メトキシ−4−フェニルフェニル)エチル−1−チオ基、(1R)−1−(2−メトキシ−5−フェニルフェニル)エチル−1−チオ基、(1R)−1−(2−メトキシ−6−フェニルフェニル)エチル−1−チオ基、(1R)−1−(2−イソプロポキシ−3−フェニルフェニル)エチル−1−チオ基、(1R)−1−(2−イソプロポキシ−4−フェニルフェニル)エチル−1−チオ基、(1R)−1−(2−イソプロポキシ−5−フェニルフェニル)エチル−1−チオ基、(1R)−1−(2−イソプロポキシ−6−フェニルフェニル)エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2−メトキシ−3−(1−ナフチルフェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2−メトキシ−4−(1−ナフチル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2−メトキシ−5−(1−ナフチル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2−メトキシ−6−(1−ナフチル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2−イソプロポキシ−3−(1−ナフチル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2−イソプロポキシ−4−(1−ナフチル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2−イソプロポキシ−5−(1−ナフチル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−[2−イソプロポキシ−6−(1−ナフチル)フェニル]エチル−1−チオ基、(1R)−1−(2−フェニルフェニル)プロピル−1−チオ基、(1R)−1−(3−フェニルフェニル)プロピル−1−チオ基、(1R)−1−(4−フェニルフェニル)プロピル−1−チオ基、(1R)−1−(2,3−ジフェニルフェニル)プロピル−1−チオ基、(1R)−1−(2,4−ジフェニルフェニル)プロピル−1−チオ基、(1R)−1−(2,5−ジフェニルフェニル)プロピル−1−チオ基、(1R)−1−(2,6−ジフェニルフェニル)プロピル−1−チオ基、(1R)−1−(3,4−ジフェニルフェニル)プロピル−1−チオ基、(1R)−1−(3,5−ジフェニルフェニル)プロピル−1−チオ基、(1R)−1−(2,3,4−トリフェニルフェニル)プロピル−1−チオ基、(1R)−1−(2,3,5−トリフェニルフェニル)プロピル−1−チオ基、(1R)−1−(2,3,6−トリフェニルフェニル)プロピル−1−チオ基、(1R)−1−(2,4,5−トリフェニルフェニル)プロピル−1−チオ基、(1R)−1−(2,4,6−トリフェニルフェニル)プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2−(2−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2−(3−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2−(4−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[3−(2−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[3−(3−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[3−(4−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[4−(2−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[4−(3−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[4−(4−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[(2,3−ビス(2−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[(2,3−ビス(3−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[(2,3−ビス(4−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,4−ビス(2−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,4−ビス(3−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,4−ビス(4−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,5−ビス(2−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,5−ビス(3−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,5−ビス(4−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,6−ビス(2−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,6−ビス(3−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,6−ビス(4−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[3,4−ビス(2−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[3,4−ビス(3−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[3,4−ビス(4−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[3,5−ビス(2−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1

−チオ基、(1R)−1−[3,5−ビス(3−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[3,5−ビス(4−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,3,4−トリス(2−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,3,4−トリス(3−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,3,4−トリス(4−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,3,5−トリス(2−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,3,5−トリス(3−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,3,5−トリス(4−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,3,6−トリス(2−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,3,6−トリス(3−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,3,6−トリス(4−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,4,5−トリス(2−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,4,5−トリス(3−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,4,5−トリス(4−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,4,6−トリス(2−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,4,6−トリス(3−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,4,6−トリス(4−メチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,3,4−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,3,4−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,3,4−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,3,5−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,3,5−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,3,5−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,3,6−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,3,6−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,3,6−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,4,5−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,4,5−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,4,5−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,4,6−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,4,6−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,4,6−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2−(1−ナフチル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[3−(1−ナフチル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[4−(1−ナフチル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2,4−ビス(1−ナフチル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−(2−メトキシ−3−フェニルフェニル)プロピル−1−チオ基、(1R)−1−(2−メトキシ−4−フェニルフェニル)プロピル−1−チオ基、(1R)−1−(2−メトキシ−5−フェニルフェニル)プロピル−1−チオ基、(1R)−1−(2−メトキシ−6−フェニルフェニル)プロピル−1−チオ基、(1R)−1−(2−イソプロポキシ−3−フェニルフェニル)プロピル−1−チオ基、(1R)−1−(2−イソプロポキシ−4−フェニルフェニル)プロピル−1−チオ基、(1R)−1−(2−イソプロポキシ−5−フェニルフェニル)プロピル−1−チオ基、(1R)−1−(2−イソプロポキシ−6−フェニルフェニル)プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2−メトキシ−3−(1−ナフチルフェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2−メトキシ−4−(1−ナフチル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2−メトキシ−5−(1−ナフチル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2−メトキシ−6−(1−ナフチル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2−イソプロポキシ−3−(1−ナフチル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2−イソプロポキシ−4−(1−ナフチル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2−イソプロポキシ−5−(1−ナフチル)フェニル]プロピル−1−チオ基、(1R)−1−[2−イソプロポキシ−6−(1−ナフチル)フェニル]プロピル−1−チオ基等が挙げられる。
【0068】
本発明の上記一般式(1)で示される光学活性ルテニウム錯体の製法としては、特に限定するものではないが、例えば、以下の方法により簡便に製造することができる。
【0069】
すなわち、
(1)テトラキス[ペンタメチルシクロペンタジエニルルテニウムクロライド](CpRuCl)[ここで、Cpはη−CMe(ペンタメチルシクロペンタジエン)を示す。]と、下記一般式(3)
【0070】
【化24】

【0071】
(上記式中、Rは炭素数1〜10の直鎖又は分岐したアルキル基を示し、Rはフェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換フェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、置換フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基又は置換ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基を示す。)
で示されるジスルフィドを反応させることによって調製することができる。
【0072】
この場合、THF等の反応に不活性な溶媒中、テトラキス[ペンタメチルシクロペンタジエニルルテニウムクロライド]と前記したジスルフィドを、0℃〜100℃の温度範囲で、2〜24時間反応させることが好ましい。
【0073】
上記一般式(3)で示されるジスルフィド類の合成法としては、下記一般式(5)
【0074】
【化25】

【0075】
(上記式中、Rはフェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換フェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、置換フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基又は置換ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基を示す。)
で示されるアルデヒド類に不斉アルキル化反応を行い、下記一般式(4)
【0076】
【化26】

【0077】
(上記式中、Rは炭素数1〜10の直鎖又は分岐したアルキル基を示し、Rはフェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換フェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、置換フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基又は置換ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基を示す。)
で示される光学活性アルコール類を得た後、反転反応でアセチルチオ基を導入し、次いで還元により光学活性チオールを得、さらに酸化することにより、上記一般式(3)で示されるジスルフィドを得ることができる。
【0078】
本発明において、上記一般式(3)で示されるジスルフィド類としては、具体的には、(R,R)−ビス[1−(2−フェニルフェニル)−1−エチル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(3−フェニルフェニル)−1−エチル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(4−フェニルフェニル)−1−エチル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(2,3−ジフェニルフェニル)−1−エチル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(2,4−ジフェニルフェニル)−1−エチル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(2,5−ジフェニルフェニル)−1−エチル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(2,6−ジフェニルフェニル)−1−エチル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(3,4−ジフェニルフェニル)−1−エチル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(3,5−ジフェニルフェニル)−1−エチル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(2,3,4−トリフェニルフェニル)−1−エチル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(2,3,5−トリフェニルフェニル)−1−エチル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(2,3,6−トリフェニルフェニル)−1−エチル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(2,4,5−トリフェニルフェニル)−1−エチル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(2,4,6−トリフェニルフェニル)−1−エチル]ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2−(2−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2−(3−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2−(4−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[3−(2−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[3−(3−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[3−(4−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[4−(2−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[4−(3−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[4−(4−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[(2,3−ジ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[(2,3−ジ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[(2,3−ジ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,4−ジ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,4−ジ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,4−ジ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,5−ジ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,5−ジ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,5−ジ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,6−ジ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,6−ジ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,6−ジ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[3,4−ジ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[3,4−ジ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[3,4−ジ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[3,5−ジ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[3,5−ジ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[3,5−ジ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,3,4−トリ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,3,4−トリ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,3,4−トリ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,3,5−トリ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,3,5−トリス(3−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,3,5−トリ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,3,6−トリ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,3,6−トリ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,3,6−トリ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,4,5−トリ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,4,5−トリ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,4,5−トリ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,4,6−トリ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,4,6−トリ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,4,6−トリ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,3,4−トリ(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,3,5−トリ(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,3,6−トリ(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,3,6−トリ(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,4,5−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,4,6−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2−(1−ナフチル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[3−(1−ナフチル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[4−(1−ナフチル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,4−ジ(1−ナフチル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(2−メトキシ−3−フェニルフェニル)−1−エチル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(2−メトキシ−4−フェニルフェニル)−1−エチル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(2−メトキシ−5−フェニルフェニル)−1−エチル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(2−メトキシ−6−フェニルフェニル)−1−エチル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(2−イソプロポキシ−3−フェニルフェニル)−1−エチル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(2−イソプロポキシ−4−フェニルフェニル)−1−エチル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(2−イソプロポキシ−5−フェニルフェニル)−1−エチル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(2−イソプロポキシ−6−フェニルフェニル)−1−エチル]ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2−メトキシ−3−(1−ナフチル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2−メトキシ−4−(1−ナフチル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2−メトキシ−5−(1−ナフチル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2−メトキシ−6−(1−ナフチル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2−イソプロポキシ−3−(1−ナフチル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2−イソプロポキシ−4−(1−ナフチル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2−イソプロポキシ−5−(1−ナフチル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2−イソプロポキシ−6−(1−ナフチル)フェニル]−1−エチル}ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(2−フェニルフェニル)−1−プロピル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(3−フェニルフェニル)−1−プロピル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(4−フェニルフェニル)−1−プロピル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(2,3−ジフェニルフェニル)−1−プロピル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(2,4−ジフェニルフェニル)−1−プロピル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(2,5−ジフェニルフェニル)−1−プロピル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(2,6−ジフェニルフェニル)−1−プロピル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(3,4−ジフェニルフェニル)−1−プロピル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(3,5−ジフェニルフェニル)−1−プロピル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(2,3,4−トリフェニルフェニル)−1−プロピル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(2,3,5−トリフェニルフェニル)−1−プロピル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(2,3,6−トリフェニルフェニル)−1−プロピル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(2,4,5−トリフェニルフェニル)−1−プロピル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(2,4,6−トリフェニルフェニル)−1−プロピル]ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2−(2−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2−(3−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2−(4−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[3−(2−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[3−(3−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[3−(4−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[4−(2−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[4−(3−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[4−(4−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[(2,3−ジ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[(2,3−ジ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[(2,3−ジ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,4−ジ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,4−ジ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,4−ジ(4−メチルフェニル)フェニル

]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,5−ジ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,5−ジ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,5−ジ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,6−ジ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,6−ジ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,6−ジ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[3,4−ジ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[3,4−ジ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[3,4−ジ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[3,5−ジ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[3,5−ジ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[3,5−ジ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,3,4−トリ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,3,4−トリ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,3,4−トリ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,3,5−トリ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,3,5−トリス(3−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,3,5−トリ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,3,6−トリ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,3,6−トリ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,3,6−トリ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,4,5−トリ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,4,5−トリ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,4,5−トリ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,4,6−トリ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,4,6−トリ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,4,6−トリ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,3,4−トリ(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,3,5−トリ(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,3,6−トリ(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,3,6−トリ(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,4,5−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,4,6−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2−(1−ナフチル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[3−(1−ナフチル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[4−(1−ナフチル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2,4−ジ(1−ナフチル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(2−メトキシ−3−フェニルフェニル)−1−プロピル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(2−メトキシ−4−フェニルフェニル)−1−プロピル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(2−メトキシ−5−フェニルフェニル)−1−プロピル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(2−メトキシ−6−フェニルフェニル)−1−プロピル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(2−イソプロポキシ−3−フェニルフェニル)−1−プロピル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(2−イソプロポキシ−4−フェニルフェニル)−1−プロピル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(2−イソプロポキシ−5−フェニルフェニル)−1−プロピル]ジスルフィド、(R,R)−ビス[1−(2−イソプロポキシ−6−フェニルフェニル)−1−プロピル]ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2−メトキシ−3−(1−ナフチル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2−メトキシ−4−(1−ナフチル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2−メトキシ−5−(1−ナフチル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2−メトキシ−6−(1−ナフチル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2−イソプロポキシ−3−(1−ナフチル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2−イソプロポキシ−4−(1−ナフチル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2−イソプロポキシ−5−(1−ナフチル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド、(R,R)−ビス{1−[2−イソプロポキシ−6−(1−ナフチル)フェニル]−1−プロピル}ジスルフィド等が挙げられる。
【0079】
また、上記一般式(4)で示される光学活性アルコール類としては、具体的には、(S)−1−(2−フェニルフェニル)−1−エタノール、(S)−1−(3−フェニルフェニル)−1−エタノール、(S)−1−(4−フェニルフェニル)−1−エタノール、(S)−1−(2,3−ジフェニルフェニル)−1−エタノール、(S)−1−(2,4−ジフェニルフェニル)−1−エタノール、(S)−1−(2,5−ジフェニルフェニル)−1−エタノール、(S)−1−(2,6−ジフェニルフェニル)−1−エタノール、(S)−1−(3,4−ジフェニルフェニル)−1−エタノール、(S)−1−(3,5−ジフェニルフェニル)−1−エタノール、(S)−1−(2,3,4−トリフェニルフェニル)−1−エタノール、(S)−1−(2,3,5−トリフェニルフェニル)−1−エタノール、(S)−1−(2,3,6−トリフェニルフェニル)−1−エタノール、(S)−1−(2,4,5−トリフェニルフェニル)−1−エタノール、(S)−1−(2,4,6−トリフェニルフェニル)−1−エタノール、(S)−1−[2−(2−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2−(3−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2−(4−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[3−(2−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[3−(3−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[3−(4−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[4−(2−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[4−(3−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[4−(4−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[(2,3−ジ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[(2,3−ジ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[(2,3−ジ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2,4−ジ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2,4−ジ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2,4−ジ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2,5−ジ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2,5−ジ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2,5−ジ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2,6−ジ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2,6−ジ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2,6−ジ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[3,4−ジ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[3,4−ジ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[3,4−ジ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[3,5−ジ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[3,5−ジ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[3,5−ジ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2,3,4−トリ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2,3,4−トリ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2,3,4−トリ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2,3,5−トリ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2,3,5−トリス(3−メチルフェニル)フェニ]−1−エタノール、(S)−1−[2,3,5−トリ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2,3,6−トリ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2,3,6−トリ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2,3,6−トリ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2,4,5−トリ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2,4,5−トリ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2,4,5−トリ(4−メチルフェニル)フェニ]−1−エタノール、(S)−1−[2,4,6−トリ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2,4,6−トリ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2,4,6−トリ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2,3,4−トリ(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2,3,5−トリ(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2,3,6−トリ(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2,3,6−トリ(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2,4,5−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2,4,6−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2−(1−ナフチル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[3−(1−ナフチル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[4−(1−ナフチル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2,4−ジ(1−ナフチル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−(2−メトキシ−3−フェニルフェニル)−1−エタノール、(S)−1−(2−メトキシ−4−フェニルフェニル)−1−エタノール、(S)−1−(2−メトキシ−5−フェニルフェニル)−1−エタノール、(S)−1−(2−メトキシ−6−フェニルフェニル)−1−エタノール、(S)−1−(2−イソプロポキシ−3−フェニルフェニル)−1−エタノール、(S)−1−(2−イソプロポキシ−4−フェニルフェニル)−1−エタノール、(S)−1−(2−イソプロポキシ−5−フェニルフェニル)−1−エタノール、(S)−1−(2−イソプロポキシ−6−フェニルフェニル)−1−エタノール、(S)−1−[2−メトキシ−3−(1−ナフチルフェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2−メトキシ−4−(1−ナフチル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2−メトキシ−5−(1−ナフチル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2−メトキシ−6−(1−ナフチル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2−イソプロポキシ−3−(1−ナフチル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2−イソプロポキシ−4−(1−ナフチル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2−イソプロポキシ−5−(1−ナフチル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−[2−イソプロポキシ−6−(1−ナフチル)フェニル]−1−エタノール、(S)−1−(2−フェニルフェニル)−1−プロパノール、(S)−1−(3−フェニルフェニル)−1−プロパノール、(S)−1−(4−フェニルフェニル)−1−プロパノール、(S)−1−(2,3−ジフェニルフェニル)−1−プロパノール、(S)−1−(2,4−ジフェニルフェニル)−1−プロパノール、(S)−1−(2,5−ジフェニルフェニル)−1−プロパノール、(S)−1−(2,6−ジフェニルフェニル)−1−プロパノール、(S)−1−(3,4−ジフェニルフェニル)−1−プロパノール、(S)−1−(3,5−ジフェニルフェニル)−1−プロパノール、(S)−1−(2,3,4−トリフェニルフェニル)−1−プロパノール、(S)−1−(2,3,5−トリフェニルフェニル)−1−プロパノール、(S)−1−(2,3,6−トリフェニルフェニル)−1−プロパノール、(S)−1−(2,4,5−トリフェニルフェニル)−1−プロパノール、(S)−1−(2,4,6−トリフェニルフェニル)−1−プロパノール、(S)−1−[2−(2−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2−(3−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2−(4−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[3−(2−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[3−(3−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[3−(4−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[4−(2−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[4−(3−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[4−(4−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[(2,3−ジ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[(2,3−ジ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[(2,3−ジ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2,4−ジ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2,4−ジ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2,4−ジ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2,5−ジ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2,5−ジ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2,5−ジ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2,6−ジ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2,6−ジ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2,6−ジ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[3,4−ジ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[3,4−ジ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[3,4−ジ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[3,5−ジ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[3,5−ジ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[3,5−ジ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2,3,4−トリ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2,3,4−トリ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2,3,4−トリ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2,3,5−トリ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2,3,5−トリス(3−メチルフェニル)フェニ]−1−プロパノール、(S)−1−[2,3,5−トリ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2,3,6−トリ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2,3,6−トリ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2,3,6−トリ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2,4,5−トリ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2,4,5−トリ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2,4,5−トリ(4−メチルフェニル)フェニ]−1−プロパノール、(S)−1−[2,4,6−トリ(2−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2,4,6−トリ(3−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2,4,6−トリ(4−メチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2,3,4−トリ(4−tert−ブチルフェニ

ル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2,3,5−トリ(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2,3,6−トリ(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2,3,6−トリ(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2,4,5−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2,4,6−トリス(4−tert−ブチルフェニル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2−(1−ナフチル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[3−(1−ナフチル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[4−(1−ナフチル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2,4−ジ(1−ナフチル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−(2−メトキシ−3−フェニルフェニル)−1−プロパノール、(S)−1−(2−メトキシ−4−フェニルフェニル)−1−プロパノール、(S)−1−(2−メトキシ−5−フェニルフェニル)−1−プロパノール、(S)−1−(2−メトキシ−6−フェニルフェニル)−1−プロパノール、(S)−1−(2−イソプロポキシ−3−フェニルフェニル)−1−プロパノール、(S)−1−(2−イソプロポキシ−4−フェニルフェニル)−1−プロパノール、(S)−1−(2−イソプロポキシ−5−フェニルフェニル)−1−プロパノール、(S)−1−(2−イソプロポキシ−6−フェニルフェニル)−1−プロパノール、(S)−1−[2−メトキシ−3−(1−ナフチルフェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2−メトキシ−4−(1−ナフチル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2−メトキシ−5−(1−ナフチル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2−メトキシ−6−(1−ナフチル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2−イソプロポキシ−3−(1−ナフチル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2−イソプロポキシ−4−(1−ナフチル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2−イソプロポキシ−5−(1−ナフチル)フェニル]−1−プロパノール、(S)−1−[2−イソプロポキシ−6−(1−ナフチル)フェニル]−1−プロパノール等が挙げられる。
【0080】
本発明の上記一般式(1)で示される光学活性ルテニウム錯体は、調製後、単離同定し、そのまま不斉合成反応用の触媒として用いても良いし、後処理後、直ちに不斉合成反応用の触媒として用いてもよい。反応終了後の後処理法としては、特に限定するものではないが、安定な触媒については溶剤を留去、ジクロロメタンで抽出、次いで再結晶する等の方法により得ることができる。不安定な触媒については反応終了後、溶媒を留去し、そのまま次の反応に用いることが好ましい。
【0081】
本発明の光学活性ルテニウム錯体を不斉合成反応触媒として用いた一例として、下記一般式(6)
【0082】
【化27】

【0083】
(式中、Rは炭素数1〜10の直鎖又は分岐したアルキル基、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、炭素数3〜8からなるシクロアルキル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキル基で核が1〜5置換されたフェニル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキルオキシ基で核が1〜5置換されたフェニル基、ハロゲンで核が1〜5置換されたフェニル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキル基で核が1〜5置換された1−ナフチル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキルオキシ基で核が1〜5置換された1−ナフチル基、ハロゲンで核が1〜5置換された1−ナフチル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキル基で核が1〜5置換された2−ナフチル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキルオキシ基で核が1〜5置換された2−ナフチル基又はハロゲンで核が1〜5置換された2−ナフチル基を示す。)
で示されるプロパギルアルコール類と、下記一般式(7)
【0084】
【化28】

【0085】
(式中、R、Rは各々独立して、水素、炭素数1〜10の直鎖又は分岐したアルキル基、炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐したアルキニル基、炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐したアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキル基で核が1〜5置換されたフェニル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルコキシ基で核が1〜5置換されたフェニル基、ハロゲン原子で核が1〜5置換されたフェニル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキル基で核が1〜5置換された1−ナフチル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルコキシ基で核が1〜5置換された1−ナフチル基、ハロゲン原子で核が1〜5置換された1−ナフチル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキル基で核が1〜5置換された2−ナフチル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルコキシ基で核が1〜5置換された2−ナフチル基又はハロゲン原子で核が1〜5置換された2−ナフチル基を示す。)
で示されるケトン類を反応させることにより、下記一般式(8)
【0086】
【化29】

【0087】
(式中、R、R及びRは前記に同じ定義であり、*は不斉炭素を示す。)
で示されるケトン誘導体を得る方法につき、以下に説明する。
【0088】
本発明の方法において、上記一般式(6)で示される化合物としては、特に限定するものではないが、具体的には、3−ブチン−2−オール、1−ペンチン−3−オール、4−メチル−1−ペンチン−3−オール、4,4−ジメチル−1−ペンチン−3−オール、1−ヘキシン−3−オール、1−オクチン−3−オール、1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オール、1−フェニル−2−プロピン−1−オール、1−(2−メチルフェニル)−2−プロピン−1−オール、1−(3−メチルフェニル)−2−プロピン−1−オール、1−(4−メチルフェニル)−2−プロピン−1−オール、1−(2−クロロフェニル)−2−プロピン−1−オール、1−(3−クロロフェニル)−2−プロピン−1−オール、1−(4−クロロフェニル)−2−プロピン−1−オール、1−(1−ナフチル)−2−プロピン−1−オール、1−(2−ナフチル)−2−プロピン−1−オール等のプロパギルアルコール類が挙げられる。
【0089】
本発明の方法において、上記一般式(7)で示される化合物としては、特に規定するものではないが、例えば、アセトン、メチル エチルケトン、メチル tert−ブチルケトン、メチル ビニルケトン、ジエチルケトン、アセトフェノン、1−ナフトフェノン、2−ナフトフェノン等のケトン類が挙げられる。
【0090】
本発明の方法により生成する上記一般式(8)で示される化合物としては、上記一般式(6)で示されるプロパギルアルコール類と、上記一般式(7)で示されるケトン類を反応させて得られる化合物であればあらゆる化合物が包含され、特に限定するものではないが、例えば、4−メチル−5−ヘキシン−2−オン、4−イソプロピル−5−ヘキシン−2−オン、4−フェニル−5−ヘキシン−2−オン、4−(1−ナフチル)−5−ヘキシン−2−オン、4−(2−ナフチル)−5−ヘキシン−2−オン等が挙げられる。
【0091】
本発明の方法において、不斉合成反応における光学活性ルテニウム錯体の使用量は、特に限定するものではないが、反応に具するプロパギルアルコール類に対して、通常0.1〜50モル%使用される。
【0092】
本発明の方法に適用可能な溶剤としては、反応に不活性な溶剤であれば特に限定されない。反応に具するケトン類が、不斉合成反応における反応温度で液体であれば、そのケトン類を溶剤として用いても良い。
【0093】
本発明の方法において、反応温度及び時間は、反応に具する基質の種類により異なるため、特に限定するものではないが、通常−20℃〜100℃で1〜96時間の範囲で反応は完結する。
【0094】
本発明の方法においては、反応終了後、溶剤を留去し、次いでシリカゲル薄層クロマトグラフィーやカラムクロマトグラフィー等の定法により精製し、生成物を得る。
実施例
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【実施例1】
【0095】
(S)−1−(2,3,5−トリフェニルフェニル)−1−プロパノールの調製
フラスコに、(1R)−trans−N,N’−シクロヘキサンジイルビス(トリフルオロメタンスルフォンアミド(88.5mg、0.234mmol)、トルエン(6ml)及びテトラ(2−プロポキシ)チタン[IV](665mg、2.34mmol)を加え、40℃で20分攪拌した。これを−78℃に冷却し、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(1.0M、14ml、14mmol)を加え、次いで2,3,5−トリフェニルベンズアルデヒド(3.91g、11.7mmol)を加えた後、0℃に昇温し4時間反応を行った。
【0096】
反応終了後、塩酸(1M)を添加、分液し、水層はジエチルエーテルで抽出した。得られた有機層は硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧下濃縮した。得られた残査をシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製することにより目的物の(S)−1−(2,3,5−トリフェニルフェニル)−1−プロパノールを白色固体として得た(2.84g、7.8mmol、収率67%)。得られた目的物の光学純度はダイセル社製キラルパックODを用いた高速液体クロマトグラフィー(溶離液ヘキサン/2−プロパノール=96/4 vol/vol)で測定した結果、92%eeであった。
【0097】
外観:白色固体
H−NMR(CDCl)δ0.83(t,3H,J=7.6Hz),1.74(dq,1H,J=7.6 and 6.6Hz),1.84(d,1H,J=2.6Hz),4.62(dt,1H,J=2.6 and 6.6Hz),6.97−7.48(m,13H),7.56(d,J=2.0Hz),7.68−7.72(m,2H),7.89(d,1H,J=2.0Hz)。
【0098】
13C−NMR(CDCl)δ10.6,31.7,72.1,123.3,126.2,126.6,127.1,127.3,127.4,127.6,127.7,127.8,128.7,129.7,130.3,130.9,138.1,138.6,140.4,140.6141.6,142.1,143.4。
【0099】
HRMS 計算値C2724O[M]:364.1827、測定値:364.1826。
【実施例2】
【0100】
(R,R)−ビス[1−(2,3,5−トリフェニルフェニル)−1−プロピル]ジスルフィドの調製
100mlのフラスコに、トリフェニルフォスフィン(4.20g、16mmol)及びテトラヒドロフラン(以下、THFと略す、40ml)を入れ、攪拌しながら0℃とした後、これにジイソプロピル アゾジカルボキシレート(40%トルエン溶液、8.6ml、16mmol)を滴下した。0℃で30分攪拌の後、実施例1で得られた(S)−1−(2,3,5−トリフェニルフェニル)−1−プロパノール(2.84g、7.8mmol)、チオ酢酸(1.13ml、16mmol)のTHF(20ml)溶液を滴下し、次いで室温下で12時間反応を行った。反応終了後、飽和の炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄、得られた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、濃縮することにより残査を得た。得られた残査をシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製することにより(R)−1−(2,3,5−トリフェニルフェニル)−1−プロピル チオアセテート(1.48g、3.5mmol、収率45%)を白色固体として得た。
【0101】
水素化アルミニウムリチウム(394mg、10.5mmol)のジエチルエーテル(20ml)の溶液を0℃とし、これに(R)−1−(2,3,5−トリフェニルフェニル)−1−プロピル チオアセテート(1.48g、3.5mmol)のジエチルエーテル(10ml)の溶液を滴下した後、室温下で12時間反応を行った。反応終了後、塩酸(1M)で洗浄、水洗、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、濃縮し残査を得た。得られた残査をシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製することにより(R)−1−(2,3,5−トリフェニルフェニル)−1−プロピルチオール(727mg、1.91mmol、収率55%)を得た。
【0102】
室温下、(R)−1−(2,3,5−トリフェニルフェニル)−1−プロピルチオール(727mg、1.91mmol)のメタノール(20ml)溶液にヨウ素(727mg、2.87mmol)のメタノール(20ml)溶液を滴下した後、室温下、12時間反応を行った。反応終了後、溶液の色が消失するまでチオ硫酸ナトリウム(10%水溶液)を添加し、次いでジクロロメタンで抽出、得られた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、濃縮することにより残査を得た。得られた残査をシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製、エタノールから再結晶することにより目的物の(R,R)−ビス[1−(2,3,5−トリフェニルフェニル)−1−プロピル]ジスルフィド(534mg、0.70mmol、収率74%)を得た。
【0103】
外観:白色固体
H−NMR(CDCl)δ0.74(t,3H,J=7.6Hz),1.75−1.86(m,1H),2.06−2.16(m,1H),3.67(dd,1H,J=4.8 and 11Hz),6.89(d,1H,J=7.6Hz),7.03−7.69(m,16H)。
【0104】
13C−NMR(CDCl)δ12.2,27.7,51.0,124.6,126.1,126.6,127.1,127.3127.4,127.5,127.8,128.7,129.7,130.4,130.5,138.4,138.7,140.0,140.3,140.5,141.7,142.2。
【0105】
HRMS 計算値C5446[M]:758.3041、測定値:758.3044。
【実施例3】
【0106】
下記式(12)で示されるルテニウム錯体(1)の合成
【0107】
【化30】

【0108】
[上記式中、RSは、下記式(13)で示される基を示し、Cpはη−CMe(ペンタメチルシクロペンタジエン)を示す。]
【0109】
【化31】

【0110】
窒素置換した20mlのシュレンク管にルテニウム錯体(CpRuCl)(ここで、Cpは前記に同じ、65.8mg、0.061mmol)、THF(5ml)及び光学活性なジスルフィド(S,S)−1−(2,3,5−トリフェニルフェニル)プロピル−1−ジスルフィド(91.9mg、0.121mmol)を加えて、室温下、12時間攪拌した。反応終了後、溶媒を減圧下、留去し、黒紫色の固体を得た。質量分析の結果想定分子量C7476ClRu(M/Z=1302)に対し、塩素原子が1原子脱離した1302の測定結果を得た。
【実施例4】
【0111】
プロパギルアルコールとアセトンの反応
実施例3で調製したルテニウム錯体(1)(0.005mmol)とNHBF(0.010mmol)を入れたシュレンク管を窒素置換し、アセトン(3ml)を加え均一溶液とした後、1−フェニル−2−プロパギル−1−オール(0.100mmol)を添加し、還流下、6時間反応を行った。反応終了後、溶媒を留去、シリカゲル薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル/n−ヘキサン=10/90vol/vol)で精製することにより、目的物(0.0066mmol、収率66%)を得た。得られた生成物の光学選択性は、光学活性カラム(米国カドレック社製、GTA,30m)を用いて、ガスクロマトグラフィーで分析し、69%eeであった。
【実施例5】
【0112】
NHBF(0.010mmol)をNHPF(0.010mmol)、アセトン(3ml)をアセトン(1.5ml)に替えた以外、実施例2と同じ操作で反応を行ったところ、収率79%、69%eeで目的物を得た。
【0113】
実施例6〜実施例10
1−フェニル−2−プロパギル−1−オールを表1中に示したプロパギルアルコール類に替えた以外、実施例2と同じ操作で反応を行った。結果を表1中にあわせて示す。
【0114】
【表1】

【0115】
実施例11〜実施例15
下表2に示す、Rが異なる触媒を実施例1〜実施例3に従い調製し、触媒を替えた以外は実施例4と同じ操作で反応を行った。結果を表2中にあわせて示す。
【0116】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明の新規な光学活性ルテニウム錯体は、新規な不斉合成反応用触媒であり、それを用いて合成される光学活性化合物は、医薬・農薬中間体、電子材料用原料として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

[上記式中のRSは、一般式(2)
【化2】

(上記式中、Rは炭素数1〜10の直鎖又は分岐したアルキル基を示し、Rはフェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換フェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、置換フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基又は置換ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基を示す。)
で表される基を示し、Cpはη−CMe(ペンタメチルシクロペンタジエン)を示す。]
で示される光学活性ルテニウム錯体。
【請求項2】
一般式(1)において、Rがエチル基、Rが2−メトキシ−5−フェニル基、2−メトキシ−5−(2−ナフチル)フェニル基、2−(2−プロポキシ)−5−フェニル基、2,5―ジフェニルフェニル基、2,3,5−トリフェニルフェニル基、2,3,5−(4−メチルフェニル)フェニル基又は2,3,5−(4−tert−ブチルフェニル)フェニル基であることを特徴とする請求項1記載の一般式(1)で示される光学活性ルテニウム錯体。
【請求項3】
一般式(3)
【化3】

(上記式中、Rは炭素数1〜10の直鎖又は分岐したアルキル基を示し、Rはフェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換フェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、置換フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基又は置換ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基を示す。)
で示される光学活性ジスルフィド化合物。
【請求項4】
一般式(3)において、Rがエチル基、Rが2−メトキシ−5−フェニル基、2−メトキシ−5−(2−ナフチル)フェニル基、2−(2−プロポキシ)−5−フェニル基、2,5―ジフェニルフェニル基、2,3,5−トリフェニルフェニル基、2,3,5−(4−メチルフェニル)フェニル基又は2,3,5−(4−tert−ブチルフェニル)フェニル基であることを特徴とする請求項3に記載の一般式(3)で示される光学活性ジスルフィド化合物。
【請求項5】
ビス[ペンタメチルシクロペンタジエニルルテニウムジクロライド](CpRuCl[ここで、Cpはη−CMe(ペンタメチルシクロペンタジエン)を示す。]と、一般式(3)
【化4】

(上記式中、Rは炭素数1〜10の直鎖又は分岐したアルキル基を示し、Rはフェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換フェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、置換フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基又は置換ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基を示す。)
で示されるジスルフィド化合物を反応させることを特徴とする一般式(1)
【化5】

[上記式中のRSは、一般式(2)
【化6】

(上記式中、Rは炭素数1〜10の直鎖又は分岐したアルキル基を示し、Rはフェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換フェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、置換フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基又は置換ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基を示す。)
で表される基を示し、Cpはη−CMe(ペンタメチルシクロペンタジエン)を示す。]
で示される光学活性ルテニウム錯体の製造方法。
【請求項6】
一般式(4)
【化7】

(上記式中、Rは炭素数1〜10の直鎖又は分岐したアルキル基を示し、Rはフェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換フェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、置換フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基又は置換ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基を示す。)
で示される光学活性アルコール類。
【請求項7】
一般式(4)において、Rがエチル基、Rが2−メトキシ−5−フェニル基、2−メトキシ−5−(2−ナフチル)フェニル基、2−(2−プロポキシ)−5−フェニル基、2,5―ジフェニルフェニル基、2,3,5−トリフェニルフェニル基、2,3,5−(4−メチルフェニル)フェニル基又は2,3,5−(4−tert−ブチルフェニル)フェニル基であることを特徴とする請求項6に記載の一般式(4)で示される光学活性アルコール類。
【請求項8】
一般式(4)
【化8】

(上記式中、Rは炭素数1〜10の直鎖又は分岐したアルキル基を示し、Rはフェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換フェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、置換フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基又は置換ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基を示す。)
で示される光学活性アルコール類を、立体反転反応によりアセチルチオ基に置換し、次いで還元した後、酸化により2量化することを特徴とする一般式(3)
【化9】

(上記式中、Rは炭素数1〜10の直鎖又は分岐したアルキル基を示し、Rはフェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換フェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、置換フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基又は置換ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基を示す。)
で示される光学活性ジスルフィド類の製造方法。
【請求項9】
一般式(5)
【化10】

(上記式中、Rはフェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換フェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、置換フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基又は置換ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基を示す。)
で示されるアルデヒド類を不斉アルキル化することを特徴とする一般式(4)
【化11】

(上記式中、Rは炭素数1〜10の直鎖又は分岐したアルキル基を示し、Rはフェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換フェニル基で核が1〜5置換されたフェニル基、ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、置換ナフチル基で核が1〜5置換されたフェニル基、フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、置換フェニル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基、ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基又は置換ナフチル基で核が1〜4置換された2−アルコキシフェニル基を示す。)
で示される光学活性アルコール類の製造方法。
【請求項10】
請求項1又は請求項2に記載の光学活性ルテニウム錯体からなる不斉合成反応用触媒。
【請求項11】
請求項10に記載の触媒の存在下、一般式(6)
【化12】

(上記式中、Rは炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐したアルキル基、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、炭素数3〜8からなるシクロアルキル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキル基で核が1〜5置換されたフェニル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキルオキシ基で核が1〜5置換されたフェニル基、ハロゲンで核が1〜5置換されたフェニル基、フェニル基で各が1〜5置換されたフェニル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキル基で核が1〜5置換された1−ナフチル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキルオキシ基で核が1〜5置換された1−ナフチル基、ハロゲンで核が1〜5置換された1−ナフチル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキル基で核が1〜5置換された2−ナフチル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキルオキシ基で核が1〜5置換された2−ナフチル基又はハロゲンで核が1〜5置換された2−ナフチル基を示す。)
で示されるプロパギルアルコール類と、一般式(7)
【化13】

(式中、R、Rは各々独立して、水素、炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐したアルキル基、炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐したアルキニル基、炭素数1〜10の直鎖又は分岐したアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキル基で核が1〜5置換されたフェニル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルコキシ基で核が1〜5置換されたフェニル基、ハロゲン原子で核が1〜5置換されたフェニル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキル基で核が1〜5置換された1−ナフチル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルコキシ基で核が1〜5置換された1−ナフチル基、ハロゲン原子で核が1〜5置換された1−ナフチル基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐したアルキル基で核が1〜5置換された2−ナフチル基、炭素数1〜5の直鎖又は分岐したアルコキシ基で核が1〜5置換された2−ナフチル基又はハロゲン原子で核が1〜5置換された2−ナフチル基を示す。)
で示されるケトン類を反応させることを特徴とする一般式(8)
【化14】

(式中、R、R及びRは前記に同じ定義であり、*は不斉炭素を示す。)
で示されるケトン誘導体の製造方法。

【公開番号】特開2006−248915(P2006−248915A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−63876(P2005−63876)
【出願日】平成17年3月8日(2005.3.8)
【出願人】(504132272)国立大学法人京都大学 (1,269)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】