光学的情報検証機
【課題】複数表示された情報コードの検証時間を短縮し得る光学的情報検証機を提供する。
【解決手段】用紙12の表示面13には、検証対象である各情報コードC1a〜C1cのコード種別および表示面13に対する表示位置が特定情報として含まれるラベルフォーマットコードC1oが、表示面13に対して特定の位置に表示されている。そして、撮像画像に含まれる各情報コードC1a〜C1cは、当該撮像画像に含まれるラベルフォーマットコードC1oをデコードして得られる特定情報に基づいて、検証される。
【解決手段】用紙12の表示面13には、検証対象である各情報コードC1a〜C1cのコード種別および表示面13に対する表示位置が特定情報として含まれるラベルフォーマットコードC1oが、表示面13に対して特定の位置に表示されている。そして、撮像画像に含まれる各情報コードC1a〜C1cは、当該撮像画像に含まれるラベルフォーマットコードC1oをデコードして得られる特定情報に基づいて、検証される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示媒体の表示面上に複数表示された情報コードを検証する光学的情報検証機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示媒体の表示面上に複数表示された情報コードを検証する光学的情報検証機に関する技術として、下記特許文献1に示す印字装置が知られている。この印字装置は、印字すべき全ての情報コードのビットデータを作業領域に生成し、情報コードのドット数等に応じて当該情報コードが印字領域内あるか否かを判断し、印字領域オーバーと判定された情報コードが黒データに置き換えられる。これにより、印字領域をオーバーした情報コードは黒く塗りつぶされて印字されるため、目視での印字領域オーバーの確認を容易にしている。
【0003】
また、下記特許文献2に示すバーコードプリンターでは、印刷されたバーコードラベルを検証するバーコード検証装置が設けられており、このバーコード検証装置により印刷されたバーコードのバー幅データ等が求められると、このバー幅データ等に基づいて当該バーコードが規格外であるかを検証している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−154709号公報
【特許文献2】特開平02−225074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した特許文献1または特許文献2に示すような構成では、表示媒体の表示面に表示される不特定多数の情報コードを検証する場合、表示面を撮像した撮像画像のどの位置にどの種別の情報コードが表示されているか不明であるため、上記撮像画像に含まれる情報コードを特定するために時間がかかってしまう。そのため、不特定多数の情報コードを検証する場合には、検証時間が長くなるという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、複数表示された情報コードの検証時間を短縮し得る光学的情報検証機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1の光学的情報検証機では、表示媒体の表示面上に複数表示された情報コードを撮像する撮像手段と、前記撮像手段により撮像された撮像画像に含まれる前記各情報コードの表示状態を検証する検証手段と、を備える光学的情報検証機であって、前記撮像画像に含まれる前記情報コードをデコード可能なデコード手段を備え、前記表示媒体には、他の情報コードのコード種別および前記表示面に対する表示位置の少なくともいずれか一方が特定情報として含まれる特定コードが、前記表示面に対して特定の位置に表示され、前記検証手段は、前記撮像画像に含まれる前記他の情報コードを、当該撮像画像に含まれる前記特定コードを前記デコード手段によりデコードして得られる前記特定情報に基づいて、検証することを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の光学的情報検証機において、前記表示媒体の前記特定情報を特定するための特定番号と、この特定番号にて特定される前記特定情報とが、関連付けられて記憶される記憶手段を備え、前記特定コードには、前記特定番号のみが含まれ、前記検証手段は、前記撮像画像に含まれる前記他の情報コードを、当該撮像画像に含まれる前記特定コードを前記デコード手段によりデコードして得られる前記特定番号に対して関連付けられて前記記憶手段に記憶された前記特定情報に基づいて、検証することを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2に記載の光学的情報検証機において、前記検証手段は、前記特定コードをデコードして得られる前記特定番号に対応する前記特定情報が前記記憶手段に記憶されていない場合には、前記撮像画像に含まれる前記他の情報コードを、前記特定情報に基づくことなく検証し、この検証時に取得された前記特定情報は、当該特定コードの前記特定番号に関連付けられて前記記憶手段に記憶されることを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1に記載の光学的情報検証機において、前記特定コードには、さらに前記他の情報コードに含まれる予定のデータおよびそのデータの桁数の少なくとも一方が照合情報として含まれ、前記デコード手段により前記他の情報コードがデコードされたデコード結果を、前記デコード手段により前記特定コードをデコードして得られる前記照合情報に基づいて照合する照合手段を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項4に記載の光学的情報検証機において、前記表示媒体の前記特定情報を特定するための特定番号と、この特定番号にて特定される前記特定情報および前記照合情報とが、関連付けられて記憶される記憶手段を備え、前記特定コードには、前記特定番号のみが含まれ、前記検証手段は、前記撮像画像に含まれる前記他の情報コードを、当該撮像画像に含まれる前記特定コードを前記デコード手段によりデコードして得られる前記特定番号に対して関連付けられて前記記憶手段に記憶された前記特定情報に基づいて検証し、前記照合手段は、前記デコード手段により前記他の情報コードがデコードされたデコード結果を、前記デコード手段により前記特定コードをデコードして得られる前記特定番号に対して関連付けられて前記記憶手段に記憶された前記照合情報に基づいて照合することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明では、表示媒体には、他の情報コードのコード種別および表示面に対する表示位置の少なくともいずれか一方が特定情報として含まれる特定コードが、表示面に対して特定の位置に表示されている。そして、撮像画像に含まれる他の情報コードは、当該撮像画像に含まれる特定コードをデコード手段によりデコードして得られる特定情報に基づいて、検証手段により検証される。
【0013】
これにより、不特定多数の他の情報コードを検証する場合であっても、特定コードをデコードすることで、当該他の情報コードのコード種別および表示面に対する表示位置の少なくともいずれか一方が特定情報として特定されるため、この特定情報により検証対象が明確になり検証に必要な時間を短縮することができる。
したがって、複数表示された不特定多数の情報コードの検証時間を短縮することができる。
【0014】
請求項2の発明では、表示媒体の上記特定情報を特定するための特定番号と、この特定番号にて特定される特定情報とが、記憶手段に関連付けられて記憶されている。また、特定コードには、特定番号のみが含まれている。そして、撮像画像に含まれる他の情報コードは、当該撮像画像に含まれる特定コードから得られる特定番号に対して関連付けられて記憶手段に記憶された特定情報に基づいて、検証される。
【0015】
このように、特定コードに特定番号のみを含める場合でも記憶手段に予め記憶された特定情報により検証対象が明確になり検証時間が短縮されるので、特定コードとして必要な情報量を低減することができる。
【0016】
請求項3の発明では、特定コードをデコードして得られる特定番号に対応する特定情報が、記憶手段に記憶されていない場合には、撮像画像に含まれる他の情報コードが、特定情報に基づくことなく検証手段により検証される。そして、この検証時に取得された特定情報は、当該特定コードの特定番号に関連付けられて記憶手段に記憶される。
【0017】
これにより、特定情報が予め記憶されていない情報コードが検証されると、その検証時に取得された特定情報がその特定番号に関連付けられて記憶されるため、次にその特定番号が含まれる特定コードが読み取られると関連付けられて記憶された特定情報を用いることで、検証時間を短縮することができる。
【0018】
請求項4の発明では、特定コードには、上記特定情報に加えて、さらに他の情報コードに含まれる予定のデータおよびそのデータの桁数の少なくとも一方が照合情報として含まれている。そして、照合手段により、デコード手段により他の情報コードがデコードされたデコード結果が、デコード手段により特定コードをデコードして得られる上記照合情報に基づいて照合される。
【0019】
これにより、上記照合情報に基づいて、他の情報コードをデコードしたデコード結果が照合されるので、各情報コードに対する検証時間を短縮するとともに照合作業を円滑に実施することができる。
【0020】
請求項5の発明では、表示媒体の上記特定情報を特定するための特定番号と、この特定番号にて特定される特定情報および照合情報とが、記憶手段に関連付けられて記憶されている。また、特定コードには、特定番号のみが含まれている。そして、撮像画像に含まれる他の情報コードは、当該撮像画像に含まれる特定コードから得られる特定番号に対して関連付けられて記憶手段に記憶された特定情報に基づいて検証される。さらに、他の情報コードをデコードしたデコード結果は、特定コードをデコードして得られる特定番号に対して関連付けられて記憶手段に記憶された照合情報に基づいて照合される。
【0021】
このように、特定コードに特定番号のみを含める場合でも、記憶手段に予め記憶された特定情報により検証対象が明確になり検証時間が短縮されるとともに、記憶手段に記憶された照合情報により照合作業が円滑に実施されるので、特定コードとして必要な情報量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1実施形態に係る光学的情報検証機と用紙との関係を概略的に示す説明図である。
【図2】第1実施形態における各情報コードが表示された表示面を例示する説明図である。
【図3】図2のラベルフォーマットコードに含まれる特定情報を示す説明図である。
【図4】図1の光学的情報検証機の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】第1実施形態において制御部にて実施される検証処理の流れを例示するフローチャートである。
【図6】第1実施形態の変形例における各情報コードが表示された表示面を例示する説明図である。
【図7】図6のラベルフォーマットコードに含まれる特定情報を示す説明図である。
【図8】第2実施形態における各情報コードが表示された表示面を例示する説明図である。
【図9】第2実施形態において制御部にて実施される検証処理の流れを例示するフローチャートである。
【図10】第3実施形態においてラベルフォーマットコードに含まれる特定情報を示す説明図である。
【図11】第3実施形態において制御部にて実施される検証処理の流れを例示するフローチャートである。
【図12】第4実施形態において制御部にて実施される検証処理の流れを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[第1実施形態]
以下、本発明の光学的情報検証機を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る光学的情報検証機20と用紙12との関係を概略的に示す説明図である。図2は、第1実施形態における各情報コードが表示された表示面13を例示する説明図である。図3は、図2のラベルフォーマットコードC1oに含まれる特定情報を示す説明図である。図4は、図1の光学的情報検証機20の電気的構成を示すブロック図である。
【0024】
第1実施形態に係る光学的情報検証機20は、表示媒体に表示された複数の一次元コードや二次元コード等の情報コードを1つの画像として撮像し、この撮像画像に含まれる各情報コードを自動的に検証するための検証機である。ここで、検証とは、表示面に表示された各情報コードの表示状態が正しい状態であるか否か、例えば、黒と白の比率や縦横の比率が正しい状態であるか否か等を確認することをいう。本第1実施形態では、図1および図2に示すように、プリンタ11により表示媒体としての用紙12の表示面13に印刷(表示)された3つの情報コードC1a〜C1cが検証対象であり、プリンタ11により用紙12が複数印刷され、これら各用紙12が順次光学的情報検証機20に送られて都度検証されることとなる。
【0025】
ここで、用紙12の表示面13に表示される情報コードについて説明すると、図2に示すように、用紙12の表示面13には、検証対象の情報コードC1a〜C1cのほかに、ラベルフォーマットコードC1oが特定の位置(図2では右上)に印刷されている。このラベルフォーマットコードC1oには、図3に例示するフォーマットNoと表示面13に表示される各情報コードのコード種別および表示面13に対する表示位置とが特定情報として含まれている。すなわち、表示面13のラベルフォーマットコードC1oをデコードしたデコード結果に応じて、当該表示面13に印刷された他の情報コードC1a〜C1cのコード種別と表示位置とが特定されることとなる。なお、図2に示す情報コードC1aの特定情報は図3に示すコード1のコード種別および表示位置(左上座標および右下座標)に対応し、図2に示す情報コードC1bの特定情報は図3に示すコード2のコード種別および表示位置に対応し、図2に示す情報コードC1cの特定情報は図3に示すコード3のコード種別および表示位置に対応する。また、ラベルフォーマットコードC1oおよびフォーマットNoは、特許請求の範囲に記載の「特定コード」および「特定番号」の一例に相当する。
【0026】
図4に示すように、光学的情報検証機20は、主に、画像を撮像する図示しないカメラを備える撮像部22と、図示しない入力キーを備える入力部23と、情報を記憶する記憶部24と、液晶表示器を備える表示部25と、これらを制御する制御部21とを備えている。撮像部22により撮像された撮像画像や制御部21により処理された情報データおよび検証処理を実施するためのプログラムなどは、記憶部24に記憶されるように構成されている。これにより、当該光学的情報検証機20は、用紙12の表示面13に印刷された各情報コードを撮像して検証する検証処理を実施可能な装置として構成される。なお、撮像部22および記憶部24は、特許請求の範囲に記載の「撮像手段」および「記憶手段」の一例に相当する。
【0027】
次に、本第1実施形態における制御部21による検証処理について、図を用いて説明する。図5は、第1実施形態において制御部21にて実施される検証処理の流れを例示するフローチャートである。
まず、電源ON状態になり所定の初期設定がなされた後に、検証対象である用紙12が光学的情報検証機20の撮像部22に対して所定の位置に配置されると、図5のステップS101にて撮像処理がなされ、各情報コードC1a〜C1cおよびラベルフォーマットコードC1oを含めた用紙12の表示面13が撮像部22により1つの撮像画像として取得される。
【0028】
次に、ステップS103において、ラベルフォーマットコードC1oのデコード処理がなされる。この処理では、ステップS101にて撮像された撮像画像に含まれるラベルフォーマットコードC1oに対して公知のデコード処理がなされる。このラベルフォーマットコードC1oは、上述したように表示面13の特定の位置に印刷されているため、ラベルフォーマットコードC1oの位置が明確で無い場合と比較して、上記デコード処理に必要な時間を短縮することができる。また、ステップS103を実行する制御部21は、特許請求の範囲に記載の「デコード手段」の一例に相当する。
【0029】
続いて、ステップS105において特定情報取得処理がなされ、ラベルフォーマットコードC1oのデコード結果に基づいて、図3に示す特定情報、すなわち、各情報コードのコード種別および表示面13に対する表示位置と、フォーマットNoとが取得される。このように特定情報が取得されると、ステップS107において、最初の情報コード(図2のC1a、図3のコード1)に対して個別に検証処理がなされる。この処理では、撮像画像のうち取得されたコード1の表示位置に相当する画像に対して情報コードC1aを特定し、この特定された情報コードC1aに対して上記コード種別等に基づいて、その表示状態が正しい状態であるか否かについて検証される。そして、情報コードC1aの検証結果が良好であると、次の情報コードC1bを検証するためステップS109にてNoと判定されて、次のコードである情報コードC1bや情報コードC1cについて上記情報コードC1aと同様の検証処理がステップS107にてなされる。なお、ステップS107における検証結果が良好で無い場合には、その旨が液晶表示器等により報知される。また、ステップS107を実行する制御部21は、特許請求の範囲に記載の「撮像手段」の一例に相当する。
【0030】
このようにして、各情報コードC1a〜C1cの検証が終了すると、ステップS109にてYesと判定されて、ステップS111にて、ステップS105にて取得されたフォーマットNoが記憶部24に記憶されているか否かについて判定される。ここで、フォーマットNoが記憶部24に記憶されていなければ、ステップS111にてNoと判定されて、ステップS113にて記憶処理がなされる。この記憶処理では、ステップS105にて取得されたフォーマットNoと、各情報コードC1a〜C1cのコード種別および表示面13に対する表示位置とが関連付けられて記憶部24に記憶されて、当該用紙12に対する検証処理が終了する。一方、フォーマットNoが記憶部24に記憶されていればステップS111にてYesと判定されて、当該用紙12に対する検証処理が終了する。
【0031】
以上説明したように、本第1実施形態に係る光学的情報検証機20では、用紙12の表示面13には、検証対象である各情報コードC1a〜C1cのコード種別および表示面13に対する表示位置が特定情報として含まれるラベルフォーマットコードC1oが、表示面13に対して特定の位置に表示されている。そして、撮像画像に含まれる各情報コードC1a〜C1cは、当該撮像画像に含まれるラベルフォーマットコードC1oをデコードして得られる特定情報に基づいて、検証される。
【0032】
これにより、不特定多数の情報コードを検証する場合であっても、ラベルフォーマットコードC1oをデコードすることで、当該各情報コードのコード種別および表示面13に対する表示位置が特定情報として特定されるため、この特定情報により検証対象が明確になり検証に必要な時間を短縮することができる。たとえ用紙12が連続用紙として次々に送られてかつその表示内容が異なる場合であっても検証に必要な時間を確実に短縮することができる。
したがって、複数表示された不特定多数の情報コードの検証時間を短縮することができる。なお、検証対象によっては、ラベルフォーマットコードには、特定情報として、各情報コードのコード種別のみが含まれてもよいし、各情報コードの表示面13に対する表示位置のみが含まれてもよい。
【0033】
図6は、第1実施形態の変形例における各情報コードが表示された表示面を例示する説明図である。図7は、図6のラベルフォーマットコードに含まれる特定情報を示す説明図である。
第1実施形態の変形例として、図6に示す用紙12の表示面13に表示される各情報コードC2a,C2bが検証対象である場合には、以下の様になされる。まず、撮像された撮像画像において表示面13に対して特定の位置に表示されるラベルフォーマットコードC2oがデコードされると、図7に例示する各情報コードC2a,C2bの特定情報(コード種別および表示位置)が取得される。この特定情報に基づいて各情報コードC2a,C2bを撮像画像にて特定して検証することで、検証時間を短縮することができる。この変形例における表示面13に対するラベルフォーマットコードC2oの位置と、上記第1実施形態における表示面13に対するラベルフォーマットコードC1oの位置とは、双方とも表示面13の特定位置(図中右上)に設定されるため、様々なラベルフォーマットコードをデコードする場合でも容易にラベルフォーマットコードの位置が特定されるので、上記検証処理に必要な時間を削減することができる。
【0034】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る光学的情報検証機について図8および図9を参照して説明する。図8は、第2実施形態における各情報コードC1a〜C1cが表示された表示面13を例示する説明図である。図9は、第2実施形態において制御部21にて実施される検証処理の流れを例示するフローチャートである。
【0035】
本第2実施形態に係る光学的情報検証機20では、ラベルフォーマットコードC3oにはフォーマットNoのみが含まれ、記憶部24には予めフォーマットNoとこのフォーマットNoにて特定される上記特定情報とが関連付けられて記憶される点が、上記第1実施形態に係る光学的情報検証機と異なる。したがって、上述した第1実施形態の光学的情報検証機と実質的に同一の構成部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0036】
本第2実施形態では、ラベルフォーマットコードC3oにはフォーマットNoのみが含まれているため、ラベルフォーマットコードとして必要な情報量が小さいので、図8に例示するように、当該ラベルフォーマットコードC3oとしてバーコードが採用されている。また、記憶部24には、予めフォーマットNoとこのフォーマットNoにて特定される上記特定情報、すなわち、各情報コードのコード種別および表示面13に対する表示位置とが関連付けられて予め記憶されている。
【0037】
以下、本第2実施形態における制御部21による検証処理について、図9のフローチャートを用いて説明する。
上記第1実施形態における検証処理と同様に、図9のステップS201にて撮像処理がなされてステップS203にてラベルフォーマットコードC3oのデコード処理がなされると、フォーマットNoが取得される。次に、ステップS205において、ステップS203にて取得したフォーマットNoが記憶部24に記憶されているか否かについて判定される。
【0038】
ここで、ステップS203にて取得したフォーマットNoが記憶部24に記憶されている場合には(S205でYes)、ステップS207にて特定情報読出処理がなされ、フォーマットNoに対して関連付けられて記憶部24に記憶された特定情報(コード種別および表示位置)が読み出される。続いて、ステップS209において個別検証処理がなされ、ステップS207にて読み出された特定情報に基づいて、上記第1実施形態と同様に、表示面13に表示された各情報コードの検証処理が個別に実施される。
【0039】
一方、ステップS203にて取得したフォーマットNoが記憶部24に記憶されていない場合には(S205でNo)、表示面13に表示された各情報コードを特定するための特定情報が取得できないため、ステップS213において画像解析処理がなされる。この処理では、ステップS201にて撮像された撮像画像の表示面13に対応する領域を全て解析して情報コードと認識される領域が抽出される。そして、ステップS215にて、個別検証処理がなされ、ステップS213にて抽出された領域にいずれかの情報コードが存在するものとして、上述のような特定情報に基づくことなく、検証処理がなされる。
【0040】
そして、個別検証処理が終了すると(S217でYes)、ステップS219において、記憶処理がなされる。この処理では、ステップS215による個別検証処理時に取得・使用された各情報コードのコード種別と表示面13に対する表示位置とが特定情報として、ステップS203にて取得したフォーマットNoと関連付けられて、記憶部24に記憶される。
【0041】
以上説明したように、本第2実施形態に係る光学的情報検証機20では、表示面13の上記特定情報を特定するためのフォーマットNoと、このフォーマットNoにて特定される特定情報とが、記憶部24に関連付けられて記憶されている。また、ラベルフォーマットコードC1oには、フォーマットNoのみが含まれている。そして、撮像画像に含まれる各情報コードC1a〜C1cは、当該撮像画像に含まれるラベルフォーマットコードC3oから得られるフォーマットNoに対して関連付けられて記憶部24に記憶された特定情報に基づいて、検証される。
【0042】
このように、ラベルフォーマットコードC3oにフォーマットNoのみを含める場合でも記憶部24に予め記憶された特定情報により検証対象が明確になり検証時間が短縮されるので、ラベルフォーマットコードC3oとして必要な情報量を低減することができる。
【0043】
また、本第2実施形態に係る光学的情報検証機20では、ラベルフォーマットコードC3oをデコードして得られるフォーマットNoに対応する特定情報が、記憶部24に記憶されていない場合には、撮像画像に含まれる各情報コードC1a〜C1cが、特定情報に基づくことなく検証される。そして、この検証時に取得された特定情報は、当該フォーマットNoに関連付けられて記憶部24に記憶される。
【0044】
これにより、特定情報が記憶されていない情報コードが検証されると、その検証時に取得された特定情報がそのフォーマットNoに関連付けられて記憶されるため、次にそのフォーマットNoが含まれるラベルフォーマットコードC3oが読み取られると関連付けられて記憶された特定情報を用いることで、検証時間を短縮することができる。
【0045】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る光学的情報検証機について図10および図11を参照して説明する。図10は、第3実施形態においてラベルフォーマットコードC4oに含まれる特定情報を示す説明図である。図11は、第3実施形態において制御部にて実施される検証処理の流れを例示するフローチャートである。
【0046】
本第3実施形態に係る光学的情報検証機20では、ラベルフォーマットコードC4oに含まれる特定情報に基づいて各情報コードC1a〜C1cの検証処理を実施するとともに、ラベルフォーマットコードC4oに含まれる照合情報に基づいて各情報コードC1a〜C1cの照合処理を実施する点が、上記第1実施形態に係る光学的情報検証機と異なる。したがって、上述した第1実施形態の光学的情報検証機と実質的に同一の構成部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0047】
図10に示すように、本第3実施形態では、ラベルフォーマットコードC4oには、フォーマットNoと、各情報コードのコード種別および表示面13に対する表示位置としての特定情報と、これら各情報コードに含まれる予定のデータおよびそのデータの桁数等としての照合情報とが含まれている。そして、本第3実施形態の検証処理では、この照合情報を用いることで、個別検証処理がなされた情報コードに対して、データの整合性を確認するための照合処理を実施している。なお、照合情報としては、図10のコード2の情報に示すように、白黒反転情報や表裏情報が含まれてもよい。
【0048】
以下、本第3実施形態における制御部21による検証処理について、図11のフローチャートを用いて説明する。
上記第1実施形態における検証処理と同様に、図11のステップS301にて撮像処理がなされると、ステップS303にてラベルフォーマットコードC4oのデコード処理がなされる。次に、ステップS305にて情報取得処理がなされ、フォーマットNoと、特定情報(各情報コードのコード種別および表示位置)と、照合情報(各情報コードの予定データおよびそのデータ桁数)とが取得される。
【0049】
このように特定情報および照合情報が取得されると、ステップS307にて最初の情報コードC1aに対して個別検証処理がなされた後、ステップS309にてこの検証処理がなされた情報コードに対してデコード処理がなされる。続いて、ステップS311にて個別照合処理がなされ、上記デコード結果により取得されたデータおよびそのデータ桁数と、ステップS305にて照合情報として取得された情報コードの予定データおよびそのデータ桁数との照合がなされる。そして、情報コードに対する検証結果および照合結果が良好であると、次の情報コードを検証・照合するためステップS313にてNoと判定されて、2つ目以降の情報コードについて上述のように個別検証処理および個別照合処理がなされる。なお、上記検証結果または照合結果が良好で無い場合には、その旨が液晶表示器等により報知される。
【0050】
このようにして、各情報コードの検証および照合が終了すると、ステップS313にてYesと判定されて、ステップS315にて、ステップS305にて取得されたフォーマットNoが記憶部24に記憶されているか否かについて判定される。ここで、フォーマットNoが記憶部24に記憶されていなければ、ステップS315にてNoと判定されて、ステップS317にて記憶処理がなされる。この記憶処理では、ステップS305にて取得されたフォーマットNoと、特定情報および照合情報とが関連付けられて記憶部24に記憶されて、当該用紙12に対する検証処理が終了する。一方、フォーマットNoが記憶部24に記憶されていればステップS315にてYesと判定されて、当該用紙12に対する検証処理が終了する。
【0051】
以上説明したように、本第3実施形態に係る光学的情報検証機20では、ラベルフォーマットコードC4oには、上記特定情報に加えて、さらに各情報コードC1a〜C1cに含まれる予定のデータおよびそのデータの桁数が照合情報として含まれている。そして、各情報コードC1a〜C1cがデコードされたデコード結果が、ラベルフォーマットコードC4oをデコードして得られる上記照合情報に基づいて照合される。
【0052】
これにより、上記照合情報に基づいて、各情報コードC1a〜C1cをデコードしたデコード結果が照合されるので、各情報コードC1a〜C1cに対する検証時間を短縮するとともに照合作業を円滑に実施することができる。なお、照合対象によっては、ラベルフォーマットコードには、照合情報として、各情報コードの予定データのみが含まれてもよいし、データ桁数のみが含まれてもよい。
【0053】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る光学的情報検証機について図8および図12を参照して説明する。図12は、第4実施形態において制御部21にて実施される検証処理の流れを例示するフローチャートである。
【0054】
本第4実施形態に係る光学的情報検証機20では、ラベルフォーマットコードにはフォーマットNoのみが含まれ、記憶部24には予めフォーマットNoとこのフォーマットNoにて特定される上記特定情報および照合情報とが関連付けられて記憶される点が、上記第2実施形態に係る光学的情報検証機と異なる。したがって、上述した第2実施形態の光学的情報検証機と実質的に同一の構成部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0055】
本第4実施形態では、ラベルフォーマットコードにはフォーマットNoのみが含まれているため、ラベルフォーマットコードとして必要な情報量が小さいので、上記第2実施形態と同様に、当該ラベルフォーマットコードC3oとしてバーコードが採用されている(図8参照)。また、記憶部24には、予めフォーマットNoと、このフォーマットNoにて特定される特定情報(コード種別および表示位置)および照合情報(予定データおよびそのデータ桁数)とが関連付けられて記憶されている。
【0056】
以下、本第4実施形態における制御部21による検証処理について、図12のフローチャートを用いて説明する。
上記第2実施形態における検証処理と同様に、図12のステップS401にて撮像処理がなされてステップS403にてラベルフォーマットコードC3oのデコード処理がなされると、フォーマットNoが取得される。次に、ステップS405において、ステップS403にて取得したフォーマットNoが記憶部24に記憶されているか否かについて判定される。
【0057】
ここで、ステップS403にて取得したフォーマットNoが記憶部24に記憶されている場合には(S405でYes)、ステップS407にて情報読出処理がなされ、フォーマットNoに対して関連付けられて記憶部24に記憶された特定情報(コード種別および表示位置)および照合情報(予定データおよびそのデータ桁数)が読み出される。続いて、ステップS409にて最初の情報コードに対して個別検証処理がなされた後、ステップS411にてこの検証処理がなされた情報コードに対してデコード処理がなされる。続いて、ステップS413にて個別照合処理がなされ、上記デコード結果により取得されたデータおよびそのデータ桁数と、ステップS407にて読み出された情報コードの予定データおよびそのデータ桁数との照合がなされる。そして、情報コードに対する検証結果および照合結果が良好であると、次の情報コードを検証・照合するためステップS415にてNoと判定されて、2つ目以降の情報コードについて上述のように個別検証処理および個別照合処理がなされる。
【0058】
一方、ステップS403にて取得したフォーマットNoが記憶部24に記憶されていない場合には(S405でNo)、表示面13に表示された各情報コードを特定するための特定情報が取得できないため、上記第2実施形態と同様にステップS417にて画像解析処理がなされた後、ステップS419にて特定情報に基づくことなく個別検証処理がなされる。そして、個別検証処理が終了すると(S421でYes)、ステップS423にて記憶処理がなされ、ステップS419による個別検証処理時に取得・使用された各情報コードのコード種別と表示面13に対する表示位置とが特定情報として、ステップS403にて取得したフォーマットNoと関連付けられて、記憶部24に記憶される。
【0059】
なお、ステップS403にて取得したフォーマットNoが記憶部24に記憶されていないことから照合情報が取得できない場合には、上述した照合処理を実施することなく当該検証処理が終了する。この場合、ステップS419による個別検証処理時に取得・使用された各情報コードをデコードすることで得られるデータおよびそのデータ桁数を、照合情報として、フォーマットNoと関連付けて記憶部24に記憶してもよい。
【0060】
以上説明したように、本第4実施形態に係る光学的情報検証機20では、フォーマットNoと、このフォーマットNoにて特定される特定情報および照合情報とが、記憶部24に関連付けられて記憶されている。また、ラベルフォーマットコードC3oには、フォーマットNoのみが含まれている。そして、撮像画像に含まれる各情報コードC1a〜C1cは、当該撮像画像に含まれるラベルフォーマットコードC3oから得られるフォーマットNoに対して関連付けられて記憶部24に記憶された特定情報に基づいて検証される。さらに、各情報コードC1a〜C1cをデコードしたデコード結果は、ラベルフォーマットコードC3oをデコードして得られるフォーマットNoに対して関連付けられて記憶部24に記憶された照合情報に基づいて照合される。
【0061】
このように、ラベルフォーマットコードC3oにフォーマットNoのみを含める場合でも、記憶部24に予め記憶された特定情報により検証対象が明確になり検証時間が短縮されるとともに、記憶部24に記憶された照合情報により照合作業が円滑に実施されるので、ラベルフォーマットコードC3oとして必要な情報量を低減することができる。
【0062】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記各実施形態と同等の作用・効果が得られる。
(1)光学的情報検証機20の検証対象としては、用紙の表示面に印刷される各情報コードに限らず、例えば、液晶画面等の表示媒体の表示面に表示される各情報コードであってもよい。
【0063】
(2)上述した特定情報は、各情報コードのコード種別および表示面13に対する表示位置に限らず、例えば、セルサイズやバー幅など、検証処理に際し有効な情報であってもよい。また、これらの情報の組み合わせであってもよい。
【0064】
(3)上述した照合情報は、各情報コードに含まれる予定のデータおよびそのデータの桁数に限らず、例えば、セルサイズやバー幅、コードのバージョンなど、照合処理に際し有効な情報であってもよい。また、これらの情報の組み合わせであってもよい。
【符号の説明】
【0065】
12…用紙(表示媒体)
13…表示面
20…光学的情報検証機
21…制御部
22…撮像部(撮像手段)
24…記憶部
C1o,C2o,C3o,C4o…ラベルフォーマットコード(特定コード)
C1a〜C1c,C2a〜C2c…情報コード
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示媒体の表示面上に複数表示された情報コードを検証する光学的情報検証機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示媒体の表示面上に複数表示された情報コードを検証する光学的情報検証機に関する技術として、下記特許文献1に示す印字装置が知られている。この印字装置は、印字すべき全ての情報コードのビットデータを作業領域に生成し、情報コードのドット数等に応じて当該情報コードが印字領域内あるか否かを判断し、印字領域オーバーと判定された情報コードが黒データに置き換えられる。これにより、印字領域をオーバーした情報コードは黒く塗りつぶされて印字されるため、目視での印字領域オーバーの確認を容易にしている。
【0003】
また、下記特許文献2に示すバーコードプリンターでは、印刷されたバーコードラベルを検証するバーコード検証装置が設けられており、このバーコード検証装置により印刷されたバーコードのバー幅データ等が求められると、このバー幅データ等に基づいて当該バーコードが規格外であるかを検証している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−154709号公報
【特許文献2】特開平02−225074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した特許文献1または特許文献2に示すような構成では、表示媒体の表示面に表示される不特定多数の情報コードを検証する場合、表示面を撮像した撮像画像のどの位置にどの種別の情報コードが表示されているか不明であるため、上記撮像画像に含まれる情報コードを特定するために時間がかかってしまう。そのため、不特定多数の情報コードを検証する場合には、検証時間が長くなるという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、複数表示された情報コードの検証時間を短縮し得る光学的情報検証機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1の光学的情報検証機では、表示媒体の表示面上に複数表示された情報コードを撮像する撮像手段と、前記撮像手段により撮像された撮像画像に含まれる前記各情報コードの表示状態を検証する検証手段と、を備える光学的情報検証機であって、前記撮像画像に含まれる前記情報コードをデコード可能なデコード手段を備え、前記表示媒体には、他の情報コードのコード種別および前記表示面に対する表示位置の少なくともいずれか一方が特定情報として含まれる特定コードが、前記表示面に対して特定の位置に表示され、前記検証手段は、前記撮像画像に含まれる前記他の情報コードを、当該撮像画像に含まれる前記特定コードを前記デコード手段によりデコードして得られる前記特定情報に基づいて、検証することを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の光学的情報検証機において、前記表示媒体の前記特定情報を特定するための特定番号と、この特定番号にて特定される前記特定情報とが、関連付けられて記憶される記憶手段を備え、前記特定コードには、前記特定番号のみが含まれ、前記検証手段は、前記撮像画像に含まれる前記他の情報コードを、当該撮像画像に含まれる前記特定コードを前記デコード手段によりデコードして得られる前記特定番号に対して関連付けられて前記記憶手段に記憶された前記特定情報に基づいて、検証することを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2に記載の光学的情報検証機において、前記検証手段は、前記特定コードをデコードして得られる前記特定番号に対応する前記特定情報が前記記憶手段に記憶されていない場合には、前記撮像画像に含まれる前記他の情報コードを、前記特定情報に基づくことなく検証し、この検証時に取得された前記特定情報は、当該特定コードの前記特定番号に関連付けられて前記記憶手段に記憶されることを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1に記載の光学的情報検証機において、前記特定コードには、さらに前記他の情報コードに含まれる予定のデータおよびそのデータの桁数の少なくとも一方が照合情報として含まれ、前記デコード手段により前記他の情報コードがデコードされたデコード結果を、前記デコード手段により前記特定コードをデコードして得られる前記照合情報に基づいて照合する照合手段を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項4に記載の光学的情報検証機において、前記表示媒体の前記特定情報を特定するための特定番号と、この特定番号にて特定される前記特定情報および前記照合情報とが、関連付けられて記憶される記憶手段を備え、前記特定コードには、前記特定番号のみが含まれ、前記検証手段は、前記撮像画像に含まれる前記他の情報コードを、当該撮像画像に含まれる前記特定コードを前記デコード手段によりデコードして得られる前記特定番号に対して関連付けられて前記記憶手段に記憶された前記特定情報に基づいて検証し、前記照合手段は、前記デコード手段により前記他の情報コードがデコードされたデコード結果を、前記デコード手段により前記特定コードをデコードして得られる前記特定番号に対して関連付けられて前記記憶手段に記憶された前記照合情報に基づいて照合することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明では、表示媒体には、他の情報コードのコード種別および表示面に対する表示位置の少なくともいずれか一方が特定情報として含まれる特定コードが、表示面に対して特定の位置に表示されている。そして、撮像画像に含まれる他の情報コードは、当該撮像画像に含まれる特定コードをデコード手段によりデコードして得られる特定情報に基づいて、検証手段により検証される。
【0013】
これにより、不特定多数の他の情報コードを検証する場合であっても、特定コードをデコードすることで、当該他の情報コードのコード種別および表示面に対する表示位置の少なくともいずれか一方が特定情報として特定されるため、この特定情報により検証対象が明確になり検証に必要な時間を短縮することができる。
したがって、複数表示された不特定多数の情報コードの検証時間を短縮することができる。
【0014】
請求項2の発明では、表示媒体の上記特定情報を特定するための特定番号と、この特定番号にて特定される特定情報とが、記憶手段に関連付けられて記憶されている。また、特定コードには、特定番号のみが含まれている。そして、撮像画像に含まれる他の情報コードは、当該撮像画像に含まれる特定コードから得られる特定番号に対して関連付けられて記憶手段に記憶された特定情報に基づいて、検証される。
【0015】
このように、特定コードに特定番号のみを含める場合でも記憶手段に予め記憶された特定情報により検証対象が明確になり検証時間が短縮されるので、特定コードとして必要な情報量を低減することができる。
【0016】
請求項3の発明では、特定コードをデコードして得られる特定番号に対応する特定情報が、記憶手段に記憶されていない場合には、撮像画像に含まれる他の情報コードが、特定情報に基づくことなく検証手段により検証される。そして、この検証時に取得された特定情報は、当該特定コードの特定番号に関連付けられて記憶手段に記憶される。
【0017】
これにより、特定情報が予め記憶されていない情報コードが検証されると、その検証時に取得された特定情報がその特定番号に関連付けられて記憶されるため、次にその特定番号が含まれる特定コードが読み取られると関連付けられて記憶された特定情報を用いることで、検証時間を短縮することができる。
【0018】
請求項4の発明では、特定コードには、上記特定情報に加えて、さらに他の情報コードに含まれる予定のデータおよびそのデータの桁数の少なくとも一方が照合情報として含まれている。そして、照合手段により、デコード手段により他の情報コードがデコードされたデコード結果が、デコード手段により特定コードをデコードして得られる上記照合情報に基づいて照合される。
【0019】
これにより、上記照合情報に基づいて、他の情報コードをデコードしたデコード結果が照合されるので、各情報コードに対する検証時間を短縮するとともに照合作業を円滑に実施することができる。
【0020】
請求項5の発明では、表示媒体の上記特定情報を特定するための特定番号と、この特定番号にて特定される特定情報および照合情報とが、記憶手段に関連付けられて記憶されている。また、特定コードには、特定番号のみが含まれている。そして、撮像画像に含まれる他の情報コードは、当該撮像画像に含まれる特定コードから得られる特定番号に対して関連付けられて記憶手段に記憶された特定情報に基づいて検証される。さらに、他の情報コードをデコードしたデコード結果は、特定コードをデコードして得られる特定番号に対して関連付けられて記憶手段に記憶された照合情報に基づいて照合される。
【0021】
このように、特定コードに特定番号のみを含める場合でも、記憶手段に予め記憶された特定情報により検証対象が明確になり検証時間が短縮されるとともに、記憶手段に記憶された照合情報により照合作業が円滑に実施されるので、特定コードとして必要な情報量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1実施形態に係る光学的情報検証機と用紙との関係を概略的に示す説明図である。
【図2】第1実施形態における各情報コードが表示された表示面を例示する説明図である。
【図3】図2のラベルフォーマットコードに含まれる特定情報を示す説明図である。
【図4】図1の光学的情報検証機の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】第1実施形態において制御部にて実施される検証処理の流れを例示するフローチャートである。
【図6】第1実施形態の変形例における各情報コードが表示された表示面を例示する説明図である。
【図7】図6のラベルフォーマットコードに含まれる特定情報を示す説明図である。
【図8】第2実施形態における各情報コードが表示された表示面を例示する説明図である。
【図9】第2実施形態において制御部にて実施される検証処理の流れを例示するフローチャートである。
【図10】第3実施形態においてラベルフォーマットコードに含まれる特定情報を示す説明図である。
【図11】第3実施形態において制御部にて実施される検証処理の流れを例示するフローチャートである。
【図12】第4実施形態において制御部にて実施される検証処理の流れを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[第1実施形態]
以下、本発明の光学的情報検証機を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る光学的情報検証機20と用紙12との関係を概略的に示す説明図である。図2は、第1実施形態における各情報コードが表示された表示面13を例示する説明図である。図3は、図2のラベルフォーマットコードC1oに含まれる特定情報を示す説明図である。図4は、図1の光学的情報検証機20の電気的構成を示すブロック図である。
【0024】
第1実施形態に係る光学的情報検証機20は、表示媒体に表示された複数の一次元コードや二次元コード等の情報コードを1つの画像として撮像し、この撮像画像に含まれる各情報コードを自動的に検証するための検証機である。ここで、検証とは、表示面に表示された各情報コードの表示状態が正しい状態であるか否か、例えば、黒と白の比率や縦横の比率が正しい状態であるか否か等を確認することをいう。本第1実施形態では、図1および図2に示すように、プリンタ11により表示媒体としての用紙12の表示面13に印刷(表示)された3つの情報コードC1a〜C1cが検証対象であり、プリンタ11により用紙12が複数印刷され、これら各用紙12が順次光学的情報検証機20に送られて都度検証されることとなる。
【0025】
ここで、用紙12の表示面13に表示される情報コードについて説明すると、図2に示すように、用紙12の表示面13には、検証対象の情報コードC1a〜C1cのほかに、ラベルフォーマットコードC1oが特定の位置(図2では右上)に印刷されている。このラベルフォーマットコードC1oには、図3に例示するフォーマットNoと表示面13に表示される各情報コードのコード種別および表示面13に対する表示位置とが特定情報として含まれている。すなわち、表示面13のラベルフォーマットコードC1oをデコードしたデコード結果に応じて、当該表示面13に印刷された他の情報コードC1a〜C1cのコード種別と表示位置とが特定されることとなる。なお、図2に示す情報コードC1aの特定情報は図3に示すコード1のコード種別および表示位置(左上座標および右下座標)に対応し、図2に示す情報コードC1bの特定情報は図3に示すコード2のコード種別および表示位置に対応し、図2に示す情報コードC1cの特定情報は図3に示すコード3のコード種別および表示位置に対応する。また、ラベルフォーマットコードC1oおよびフォーマットNoは、特許請求の範囲に記載の「特定コード」および「特定番号」の一例に相当する。
【0026】
図4に示すように、光学的情報検証機20は、主に、画像を撮像する図示しないカメラを備える撮像部22と、図示しない入力キーを備える入力部23と、情報を記憶する記憶部24と、液晶表示器を備える表示部25と、これらを制御する制御部21とを備えている。撮像部22により撮像された撮像画像や制御部21により処理された情報データおよび検証処理を実施するためのプログラムなどは、記憶部24に記憶されるように構成されている。これにより、当該光学的情報検証機20は、用紙12の表示面13に印刷された各情報コードを撮像して検証する検証処理を実施可能な装置として構成される。なお、撮像部22および記憶部24は、特許請求の範囲に記載の「撮像手段」および「記憶手段」の一例に相当する。
【0027】
次に、本第1実施形態における制御部21による検証処理について、図を用いて説明する。図5は、第1実施形態において制御部21にて実施される検証処理の流れを例示するフローチャートである。
まず、電源ON状態になり所定の初期設定がなされた後に、検証対象である用紙12が光学的情報検証機20の撮像部22に対して所定の位置に配置されると、図5のステップS101にて撮像処理がなされ、各情報コードC1a〜C1cおよびラベルフォーマットコードC1oを含めた用紙12の表示面13が撮像部22により1つの撮像画像として取得される。
【0028】
次に、ステップS103において、ラベルフォーマットコードC1oのデコード処理がなされる。この処理では、ステップS101にて撮像された撮像画像に含まれるラベルフォーマットコードC1oに対して公知のデコード処理がなされる。このラベルフォーマットコードC1oは、上述したように表示面13の特定の位置に印刷されているため、ラベルフォーマットコードC1oの位置が明確で無い場合と比較して、上記デコード処理に必要な時間を短縮することができる。また、ステップS103を実行する制御部21は、特許請求の範囲に記載の「デコード手段」の一例に相当する。
【0029】
続いて、ステップS105において特定情報取得処理がなされ、ラベルフォーマットコードC1oのデコード結果に基づいて、図3に示す特定情報、すなわち、各情報コードのコード種別および表示面13に対する表示位置と、フォーマットNoとが取得される。このように特定情報が取得されると、ステップS107において、最初の情報コード(図2のC1a、図3のコード1)に対して個別に検証処理がなされる。この処理では、撮像画像のうち取得されたコード1の表示位置に相当する画像に対して情報コードC1aを特定し、この特定された情報コードC1aに対して上記コード種別等に基づいて、その表示状態が正しい状態であるか否かについて検証される。そして、情報コードC1aの検証結果が良好であると、次の情報コードC1bを検証するためステップS109にてNoと判定されて、次のコードである情報コードC1bや情報コードC1cについて上記情報コードC1aと同様の検証処理がステップS107にてなされる。なお、ステップS107における検証結果が良好で無い場合には、その旨が液晶表示器等により報知される。また、ステップS107を実行する制御部21は、特許請求の範囲に記載の「撮像手段」の一例に相当する。
【0030】
このようにして、各情報コードC1a〜C1cの検証が終了すると、ステップS109にてYesと判定されて、ステップS111にて、ステップS105にて取得されたフォーマットNoが記憶部24に記憶されているか否かについて判定される。ここで、フォーマットNoが記憶部24に記憶されていなければ、ステップS111にてNoと判定されて、ステップS113にて記憶処理がなされる。この記憶処理では、ステップS105にて取得されたフォーマットNoと、各情報コードC1a〜C1cのコード種別および表示面13に対する表示位置とが関連付けられて記憶部24に記憶されて、当該用紙12に対する検証処理が終了する。一方、フォーマットNoが記憶部24に記憶されていればステップS111にてYesと判定されて、当該用紙12に対する検証処理が終了する。
【0031】
以上説明したように、本第1実施形態に係る光学的情報検証機20では、用紙12の表示面13には、検証対象である各情報コードC1a〜C1cのコード種別および表示面13に対する表示位置が特定情報として含まれるラベルフォーマットコードC1oが、表示面13に対して特定の位置に表示されている。そして、撮像画像に含まれる各情報コードC1a〜C1cは、当該撮像画像に含まれるラベルフォーマットコードC1oをデコードして得られる特定情報に基づいて、検証される。
【0032】
これにより、不特定多数の情報コードを検証する場合であっても、ラベルフォーマットコードC1oをデコードすることで、当該各情報コードのコード種別および表示面13に対する表示位置が特定情報として特定されるため、この特定情報により検証対象が明確になり検証に必要な時間を短縮することができる。たとえ用紙12が連続用紙として次々に送られてかつその表示内容が異なる場合であっても検証に必要な時間を確実に短縮することができる。
したがって、複数表示された不特定多数の情報コードの検証時間を短縮することができる。なお、検証対象によっては、ラベルフォーマットコードには、特定情報として、各情報コードのコード種別のみが含まれてもよいし、各情報コードの表示面13に対する表示位置のみが含まれてもよい。
【0033】
図6は、第1実施形態の変形例における各情報コードが表示された表示面を例示する説明図である。図7は、図6のラベルフォーマットコードに含まれる特定情報を示す説明図である。
第1実施形態の変形例として、図6に示す用紙12の表示面13に表示される各情報コードC2a,C2bが検証対象である場合には、以下の様になされる。まず、撮像された撮像画像において表示面13に対して特定の位置に表示されるラベルフォーマットコードC2oがデコードされると、図7に例示する各情報コードC2a,C2bの特定情報(コード種別および表示位置)が取得される。この特定情報に基づいて各情報コードC2a,C2bを撮像画像にて特定して検証することで、検証時間を短縮することができる。この変形例における表示面13に対するラベルフォーマットコードC2oの位置と、上記第1実施形態における表示面13に対するラベルフォーマットコードC1oの位置とは、双方とも表示面13の特定位置(図中右上)に設定されるため、様々なラベルフォーマットコードをデコードする場合でも容易にラベルフォーマットコードの位置が特定されるので、上記検証処理に必要な時間を削減することができる。
【0034】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る光学的情報検証機について図8および図9を参照して説明する。図8は、第2実施形態における各情報コードC1a〜C1cが表示された表示面13を例示する説明図である。図9は、第2実施形態において制御部21にて実施される検証処理の流れを例示するフローチャートである。
【0035】
本第2実施形態に係る光学的情報検証機20では、ラベルフォーマットコードC3oにはフォーマットNoのみが含まれ、記憶部24には予めフォーマットNoとこのフォーマットNoにて特定される上記特定情報とが関連付けられて記憶される点が、上記第1実施形態に係る光学的情報検証機と異なる。したがって、上述した第1実施形態の光学的情報検証機と実質的に同一の構成部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0036】
本第2実施形態では、ラベルフォーマットコードC3oにはフォーマットNoのみが含まれているため、ラベルフォーマットコードとして必要な情報量が小さいので、図8に例示するように、当該ラベルフォーマットコードC3oとしてバーコードが採用されている。また、記憶部24には、予めフォーマットNoとこのフォーマットNoにて特定される上記特定情報、すなわち、各情報コードのコード種別および表示面13に対する表示位置とが関連付けられて予め記憶されている。
【0037】
以下、本第2実施形態における制御部21による検証処理について、図9のフローチャートを用いて説明する。
上記第1実施形態における検証処理と同様に、図9のステップS201にて撮像処理がなされてステップS203にてラベルフォーマットコードC3oのデコード処理がなされると、フォーマットNoが取得される。次に、ステップS205において、ステップS203にて取得したフォーマットNoが記憶部24に記憶されているか否かについて判定される。
【0038】
ここで、ステップS203にて取得したフォーマットNoが記憶部24に記憶されている場合には(S205でYes)、ステップS207にて特定情報読出処理がなされ、フォーマットNoに対して関連付けられて記憶部24に記憶された特定情報(コード種別および表示位置)が読み出される。続いて、ステップS209において個別検証処理がなされ、ステップS207にて読み出された特定情報に基づいて、上記第1実施形態と同様に、表示面13に表示された各情報コードの検証処理が個別に実施される。
【0039】
一方、ステップS203にて取得したフォーマットNoが記憶部24に記憶されていない場合には(S205でNo)、表示面13に表示された各情報コードを特定するための特定情報が取得できないため、ステップS213において画像解析処理がなされる。この処理では、ステップS201にて撮像された撮像画像の表示面13に対応する領域を全て解析して情報コードと認識される領域が抽出される。そして、ステップS215にて、個別検証処理がなされ、ステップS213にて抽出された領域にいずれかの情報コードが存在するものとして、上述のような特定情報に基づくことなく、検証処理がなされる。
【0040】
そして、個別検証処理が終了すると(S217でYes)、ステップS219において、記憶処理がなされる。この処理では、ステップS215による個別検証処理時に取得・使用された各情報コードのコード種別と表示面13に対する表示位置とが特定情報として、ステップS203にて取得したフォーマットNoと関連付けられて、記憶部24に記憶される。
【0041】
以上説明したように、本第2実施形態に係る光学的情報検証機20では、表示面13の上記特定情報を特定するためのフォーマットNoと、このフォーマットNoにて特定される特定情報とが、記憶部24に関連付けられて記憶されている。また、ラベルフォーマットコードC1oには、フォーマットNoのみが含まれている。そして、撮像画像に含まれる各情報コードC1a〜C1cは、当該撮像画像に含まれるラベルフォーマットコードC3oから得られるフォーマットNoに対して関連付けられて記憶部24に記憶された特定情報に基づいて、検証される。
【0042】
このように、ラベルフォーマットコードC3oにフォーマットNoのみを含める場合でも記憶部24に予め記憶された特定情報により検証対象が明確になり検証時間が短縮されるので、ラベルフォーマットコードC3oとして必要な情報量を低減することができる。
【0043】
また、本第2実施形態に係る光学的情報検証機20では、ラベルフォーマットコードC3oをデコードして得られるフォーマットNoに対応する特定情報が、記憶部24に記憶されていない場合には、撮像画像に含まれる各情報コードC1a〜C1cが、特定情報に基づくことなく検証される。そして、この検証時に取得された特定情報は、当該フォーマットNoに関連付けられて記憶部24に記憶される。
【0044】
これにより、特定情報が記憶されていない情報コードが検証されると、その検証時に取得された特定情報がそのフォーマットNoに関連付けられて記憶されるため、次にそのフォーマットNoが含まれるラベルフォーマットコードC3oが読み取られると関連付けられて記憶された特定情報を用いることで、検証時間を短縮することができる。
【0045】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る光学的情報検証機について図10および図11を参照して説明する。図10は、第3実施形態においてラベルフォーマットコードC4oに含まれる特定情報を示す説明図である。図11は、第3実施形態において制御部にて実施される検証処理の流れを例示するフローチャートである。
【0046】
本第3実施形態に係る光学的情報検証機20では、ラベルフォーマットコードC4oに含まれる特定情報に基づいて各情報コードC1a〜C1cの検証処理を実施するとともに、ラベルフォーマットコードC4oに含まれる照合情報に基づいて各情報コードC1a〜C1cの照合処理を実施する点が、上記第1実施形態に係る光学的情報検証機と異なる。したがって、上述した第1実施形態の光学的情報検証機と実質的に同一の構成部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0047】
図10に示すように、本第3実施形態では、ラベルフォーマットコードC4oには、フォーマットNoと、各情報コードのコード種別および表示面13に対する表示位置としての特定情報と、これら各情報コードに含まれる予定のデータおよびそのデータの桁数等としての照合情報とが含まれている。そして、本第3実施形態の検証処理では、この照合情報を用いることで、個別検証処理がなされた情報コードに対して、データの整合性を確認するための照合処理を実施している。なお、照合情報としては、図10のコード2の情報に示すように、白黒反転情報や表裏情報が含まれてもよい。
【0048】
以下、本第3実施形態における制御部21による検証処理について、図11のフローチャートを用いて説明する。
上記第1実施形態における検証処理と同様に、図11のステップS301にて撮像処理がなされると、ステップS303にてラベルフォーマットコードC4oのデコード処理がなされる。次に、ステップS305にて情報取得処理がなされ、フォーマットNoと、特定情報(各情報コードのコード種別および表示位置)と、照合情報(各情報コードの予定データおよびそのデータ桁数)とが取得される。
【0049】
このように特定情報および照合情報が取得されると、ステップS307にて最初の情報コードC1aに対して個別検証処理がなされた後、ステップS309にてこの検証処理がなされた情報コードに対してデコード処理がなされる。続いて、ステップS311にて個別照合処理がなされ、上記デコード結果により取得されたデータおよびそのデータ桁数と、ステップS305にて照合情報として取得された情報コードの予定データおよびそのデータ桁数との照合がなされる。そして、情報コードに対する検証結果および照合結果が良好であると、次の情報コードを検証・照合するためステップS313にてNoと判定されて、2つ目以降の情報コードについて上述のように個別検証処理および個別照合処理がなされる。なお、上記検証結果または照合結果が良好で無い場合には、その旨が液晶表示器等により報知される。
【0050】
このようにして、各情報コードの検証および照合が終了すると、ステップS313にてYesと判定されて、ステップS315にて、ステップS305にて取得されたフォーマットNoが記憶部24に記憶されているか否かについて判定される。ここで、フォーマットNoが記憶部24に記憶されていなければ、ステップS315にてNoと判定されて、ステップS317にて記憶処理がなされる。この記憶処理では、ステップS305にて取得されたフォーマットNoと、特定情報および照合情報とが関連付けられて記憶部24に記憶されて、当該用紙12に対する検証処理が終了する。一方、フォーマットNoが記憶部24に記憶されていればステップS315にてYesと判定されて、当該用紙12に対する検証処理が終了する。
【0051】
以上説明したように、本第3実施形態に係る光学的情報検証機20では、ラベルフォーマットコードC4oには、上記特定情報に加えて、さらに各情報コードC1a〜C1cに含まれる予定のデータおよびそのデータの桁数が照合情報として含まれている。そして、各情報コードC1a〜C1cがデコードされたデコード結果が、ラベルフォーマットコードC4oをデコードして得られる上記照合情報に基づいて照合される。
【0052】
これにより、上記照合情報に基づいて、各情報コードC1a〜C1cをデコードしたデコード結果が照合されるので、各情報コードC1a〜C1cに対する検証時間を短縮するとともに照合作業を円滑に実施することができる。なお、照合対象によっては、ラベルフォーマットコードには、照合情報として、各情報コードの予定データのみが含まれてもよいし、データ桁数のみが含まれてもよい。
【0053】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る光学的情報検証機について図8および図12を参照して説明する。図12は、第4実施形態において制御部21にて実施される検証処理の流れを例示するフローチャートである。
【0054】
本第4実施形態に係る光学的情報検証機20では、ラベルフォーマットコードにはフォーマットNoのみが含まれ、記憶部24には予めフォーマットNoとこのフォーマットNoにて特定される上記特定情報および照合情報とが関連付けられて記憶される点が、上記第2実施形態に係る光学的情報検証機と異なる。したがって、上述した第2実施形態の光学的情報検証機と実質的に同一の構成部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0055】
本第4実施形態では、ラベルフォーマットコードにはフォーマットNoのみが含まれているため、ラベルフォーマットコードとして必要な情報量が小さいので、上記第2実施形態と同様に、当該ラベルフォーマットコードC3oとしてバーコードが採用されている(図8参照)。また、記憶部24には、予めフォーマットNoと、このフォーマットNoにて特定される特定情報(コード種別および表示位置)および照合情報(予定データおよびそのデータ桁数)とが関連付けられて記憶されている。
【0056】
以下、本第4実施形態における制御部21による検証処理について、図12のフローチャートを用いて説明する。
上記第2実施形態における検証処理と同様に、図12のステップS401にて撮像処理がなされてステップS403にてラベルフォーマットコードC3oのデコード処理がなされると、フォーマットNoが取得される。次に、ステップS405において、ステップS403にて取得したフォーマットNoが記憶部24に記憶されているか否かについて判定される。
【0057】
ここで、ステップS403にて取得したフォーマットNoが記憶部24に記憶されている場合には(S405でYes)、ステップS407にて情報読出処理がなされ、フォーマットNoに対して関連付けられて記憶部24に記憶された特定情報(コード種別および表示位置)および照合情報(予定データおよびそのデータ桁数)が読み出される。続いて、ステップS409にて最初の情報コードに対して個別検証処理がなされた後、ステップS411にてこの検証処理がなされた情報コードに対してデコード処理がなされる。続いて、ステップS413にて個別照合処理がなされ、上記デコード結果により取得されたデータおよびそのデータ桁数と、ステップS407にて読み出された情報コードの予定データおよびそのデータ桁数との照合がなされる。そして、情報コードに対する検証結果および照合結果が良好であると、次の情報コードを検証・照合するためステップS415にてNoと判定されて、2つ目以降の情報コードについて上述のように個別検証処理および個別照合処理がなされる。
【0058】
一方、ステップS403にて取得したフォーマットNoが記憶部24に記憶されていない場合には(S405でNo)、表示面13に表示された各情報コードを特定するための特定情報が取得できないため、上記第2実施形態と同様にステップS417にて画像解析処理がなされた後、ステップS419にて特定情報に基づくことなく個別検証処理がなされる。そして、個別検証処理が終了すると(S421でYes)、ステップS423にて記憶処理がなされ、ステップS419による個別検証処理時に取得・使用された各情報コードのコード種別と表示面13に対する表示位置とが特定情報として、ステップS403にて取得したフォーマットNoと関連付けられて、記憶部24に記憶される。
【0059】
なお、ステップS403にて取得したフォーマットNoが記憶部24に記憶されていないことから照合情報が取得できない場合には、上述した照合処理を実施することなく当該検証処理が終了する。この場合、ステップS419による個別検証処理時に取得・使用された各情報コードをデコードすることで得られるデータおよびそのデータ桁数を、照合情報として、フォーマットNoと関連付けて記憶部24に記憶してもよい。
【0060】
以上説明したように、本第4実施形態に係る光学的情報検証機20では、フォーマットNoと、このフォーマットNoにて特定される特定情報および照合情報とが、記憶部24に関連付けられて記憶されている。また、ラベルフォーマットコードC3oには、フォーマットNoのみが含まれている。そして、撮像画像に含まれる各情報コードC1a〜C1cは、当該撮像画像に含まれるラベルフォーマットコードC3oから得られるフォーマットNoに対して関連付けられて記憶部24に記憶された特定情報に基づいて検証される。さらに、各情報コードC1a〜C1cをデコードしたデコード結果は、ラベルフォーマットコードC3oをデコードして得られるフォーマットNoに対して関連付けられて記憶部24に記憶された照合情報に基づいて照合される。
【0061】
このように、ラベルフォーマットコードC3oにフォーマットNoのみを含める場合でも、記憶部24に予め記憶された特定情報により検証対象が明確になり検証時間が短縮されるとともに、記憶部24に記憶された照合情報により照合作業が円滑に実施されるので、ラベルフォーマットコードC3oとして必要な情報量を低減することができる。
【0062】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記各実施形態と同等の作用・効果が得られる。
(1)光学的情報検証機20の検証対象としては、用紙の表示面に印刷される各情報コードに限らず、例えば、液晶画面等の表示媒体の表示面に表示される各情報コードであってもよい。
【0063】
(2)上述した特定情報は、各情報コードのコード種別および表示面13に対する表示位置に限らず、例えば、セルサイズやバー幅など、検証処理に際し有効な情報であってもよい。また、これらの情報の組み合わせであってもよい。
【0064】
(3)上述した照合情報は、各情報コードに含まれる予定のデータおよびそのデータの桁数に限らず、例えば、セルサイズやバー幅、コードのバージョンなど、照合処理に際し有効な情報であってもよい。また、これらの情報の組み合わせであってもよい。
【符号の説明】
【0065】
12…用紙(表示媒体)
13…表示面
20…光学的情報検証機
21…制御部
22…撮像部(撮像手段)
24…記憶部
C1o,C2o,C3o,C4o…ラベルフォーマットコード(特定コード)
C1a〜C1c,C2a〜C2c…情報コード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示媒体の表示面上に複数表示された情報コードを撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された撮像画像に含まれる前記各情報コードの表示状態を検証する検証手段と、
を備える光学的情報検証機であって、
前記撮像画像に含まれる前記情報コードをデコード可能なデコード手段を備え、
前記表示媒体には、他の情報コードのコード種別および前記表示面に対する表示位置の少なくともいずれか一方が特定情報として含まれる特定コードが、前記表示面に対して特定の位置に表示され、
前記検証手段は、前記撮像画像に含まれる前記他の情報コードを、当該撮像画像に含まれる前記特定コードを前記デコード手段によりデコードして得られる前記特定情報に基づいて、検証することを特徴とする光学的情報検証機。
【請求項2】
前記表示媒体の前記特定情報を特定するための特定番号と、この特定番号にて特定される前記特定情報とが、関連付けられて記憶される記憶手段を備え、
前記特定コードには、前記特定番号のみが含まれ、
前記検証手段は、前記撮像画像に含まれる前記他の情報コードを、当該撮像画像に含まれる前記特定コードを前記デコード手段によりデコードして得られる前記特定番号に対して関連付けられて前記記憶手段に記憶された前記特定情報に基づいて、検証することを特徴とする請求項1に記載の光学的情報検証機。
【請求項3】
前記検証手段は、前記特定コードをデコードして得られる前記特定番号に対応する前記特定情報が前記記憶手段に記憶されていない場合には、前記撮像画像に含まれる前記他の情報コードを、前記特定情報に基づくことなく検証し、
この検証時に取得された前記特定情報は、当該特定コードの前記特定番号に関連付けられて前記記憶手段に記憶されることを特徴とする請求項2に記載の光学的情報検証機。
【請求項4】
前記特定コードには、さらに前記他の情報コードに含まれる予定のデータおよびそのデータの桁数の少なくとも一方が照合情報として含まれ、
前記デコード手段により前記他の情報コードがデコードされたデコード結果を、前記デコード手段により前記特定コードをデコードして得られる前記照合情報に基づいて照合する照合手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の光学的情報検証機。
【請求項5】
前記表示媒体の前記特定情報を特定するための特定番号と、この特定番号にて特定される前記特定情報および前記照合情報とが、関連付けられて記憶される記憶手段を備え、
前記特定コードには、前記特定番号のみが含まれ、
前記検証手段は、前記撮像画像に含まれる前記他の情報コードを、当該撮像画像に含まれる前記特定コードを前記デコード手段によりデコードして得られる前記特定番号に対して関連付けられて前記記憶手段に記憶された前記特定情報に基づいて検証し、
前記照合手段は、前記デコード手段により前記他の情報コードがデコードされたデコード結果を、前記デコード手段により前記特定コードをデコードして得られる前記特定番号に対して関連付けられて前記記憶手段に記憶された前記照合情報に基づいて照合することを特徴とする請求項4に記載の光学的情報検証機。
【請求項1】
表示媒体の表示面上に複数表示された情報コードを撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された撮像画像に含まれる前記各情報コードの表示状態を検証する検証手段と、
を備える光学的情報検証機であって、
前記撮像画像に含まれる前記情報コードをデコード可能なデコード手段を備え、
前記表示媒体には、他の情報コードのコード種別および前記表示面に対する表示位置の少なくともいずれか一方が特定情報として含まれる特定コードが、前記表示面に対して特定の位置に表示され、
前記検証手段は、前記撮像画像に含まれる前記他の情報コードを、当該撮像画像に含まれる前記特定コードを前記デコード手段によりデコードして得られる前記特定情報に基づいて、検証することを特徴とする光学的情報検証機。
【請求項2】
前記表示媒体の前記特定情報を特定するための特定番号と、この特定番号にて特定される前記特定情報とが、関連付けられて記憶される記憶手段を備え、
前記特定コードには、前記特定番号のみが含まれ、
前記検証手段は、前記撮像画像に含まれる前記他の情報コードを、当該撮像画像に含まれる前記特定コードを前記デコード手段によりデコードして得られる前記特定番号に対して関連付けられて前記記憶手段に記憶された前記特定情報に基づいて、検証することを特徴とする請求項1に記載の光学的情報検証機。
【請求項3】
前記検証手段は、前記特定コードをデコードして得られる前記特定番号に対応する前記特定情報が前記記憶手段に記憶されていない場合には、前記撮像画像に含まれる前記他の情報コードを、前記特定情報に基づくことなく検証し、
この検証時に取得された前記特定情報は、当該特定コードの前記特定番号に関連付けられて前記記憶手段に記憶されることを特徴とする請求項2に記載の光学的情報検証機。
【請求項4】
前記特定コードには、さらに前記他の情報コードに含まれる予定のデータおよびそのデータの桁数の少なくとも一方が照合情報として含まれ、
前記デコード手段により前記他の情報コードがデコードされたデコード結果を、前記デコード手段により前記特定コードをデコードして得られる前記照合情報に基づいて照合する照合手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の光学的情報検証機。
【請求項5】
前記表示媒体の前記特定情報を特定するための特定番号と、この特定番号にて特定される前記特定情報および前記照合情報とが、関連付けられて記憶される記憶手段を備え、
前記特定コードには、前記特定番号のみが含まれ、
前記検証手段は、前記撮像画像に含まれる前記他の情報コードを、当該撮像画像に含まれる前記特定コードを前記デコード手段によりデコードして得られる前記特定番号に対して関連付けられて前記記憶手段に記憶された前記特定情報に基づいて検証し、
前記照合手段は、前記デコード手段により前記他の情報コードがデコードされたデコード結果を、前記デコード手段により前記特定コードをデコードして得られる前記特定番号に対して関連付けられて前記記憶手段に記憶された前記照合情報に基づいて照合することを特徴とする請求項4に記載の光学的情報検証機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−204093(P2011−204093A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−71870(P2010−71870)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
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