説明

光学組成物、該組成物を用いて製造された集光シート及び集光シートの製造方法

【課題】集光シートの輝度上昇フィルムを形成するための、屈折率が通常1.55以上であり、組成成分が廉価で、且つ、製造時に環境に対しても優しい、光学組成物を提供する。
【解決手段】下記一般式[式中、RはO原子またはS原子であり、Rは(CO)の二価官能基であって、ここでnは1〜10の整数であり、RはH原子またはメチル基である]で示される第一の単量体と、アクリル基を有する第二の単量体とを、1:9〜9:1の重量割合で含有し、互いに重合可能である、光学組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学組成物及びその応用に関し、特に、輝度上昇フィルムの形成に用いられる光学組成物、並びに、該組成物を用いて製造された集光シート及び集光シートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
輝度上昇フィルム(brightness enhancement film,BEF)は、液晶ディスプレイ(LCD)におけるバックライトユニットからの光を屈折及び反射させながら使用者の視野範囲内に集中することができるものであるので、液晶ディスプレイまたは他の集光シートの面上に敷設されると、液晶ディスプレイの輝度を上昇させるだけでなく、バックライトユニットの発光の使用効率を高めて残光の熱に転化して液晶ディスプレイの品質を劣化させる可能性を下げ、液晶ディスプレイの寿命を長くさせる効果も有する。
【0003】
集光シートは一般に、アクリル系単量体を含む光学組成物(液体)を、光の透過できる基板に塗布して重合により硬化させ、該基板の面上に輝度上昇フィルムを形成することにより製造する。アクリル系単量体をベースとする輝度上昇フィルムは、集光シートに高屈折率を与え、その輝度を上昇させる。
【0004】
そして、現在までの研究によると、重合により硬化した輝度上昇フィルムの屈折率は、使用された光学組成物の重合前の屈折率と大差がなく、重合前の光学組成物の屈折率により直接評価してもよい。そして、輝度上昇フィルムの屈折率が評価されると、従来のものと大差のない基板を有する集光シートの屈折率も簡単に評価できる。
【0005】
例えば、フェニルチオ構造を持つアクリル系単量体をベースとして含む光学組成物は屈折率が高いので、重合により高屈折率の輝度上昇フィルムを形成できることが推測できる。
【0006】
現在までの実績をもっと詳しく考察すると、集光シートの輝度上昇フィルム形成に使われる光学組成物は、通常、高屈折率の、フェニルチオ構造を持つアクリル系単量体(例えば、フェニルチオエチルアクリレート;PTEA)をベースとして含む。また、ビスフェノールA構造のアクリル系単量体やエポキシアクリレートのオリゴマーを更に含有しているものもよく使用されている。しかし、このような光学組成物も、それによりなる輝度上昇フィルムも、如何に工夫されてもその屈折率が1.55未満である。
【0007】
ところで、前記高屈折率のフェニルチオ構造を持つアクリル系単量体の他に更に臭素置換基を有する高屈折率のオリゴマーを含有させることにより、高屈折率の輝度上昇フィルムや集光シートを製造する技術が提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6)。この技術によると、1.55〜1.6の高屈折率の輝度上昇フィルムを製造することが確かにできるが、その光学組成物中にハロゲン(臭素)が含まれているため、環境に悪い影響を与える恐れがあって敬遠されている。
【0008】
一方、ジフェニルサルファイド類のアクリル系単量体(例えば、4,4’−ビス(メタクロイルチオ)ジフェニルサルファイド)と他のアクリル系単量体とが含まれている光学組成物により輝度上昇フィルムや集光シートを形成する技術が特許文献7と特許文献8に開示されている。このような光学組成物で形成した輝度上昇フィルムは、屈折率が1.6を超えるほど高いだけでなく、環境に悪い影響を与えるハロゲンも含有していないが、ジフェニルサルファイド類のアクリル系単量体は、高価であるばかりでなく、通常使用されているアクリル系単量体に溶けることができないので、特定のアクリル系単量体と組み合わせなければ、輝度上昇フィルムや集光シートを製造することができず、コストの面からみれば、まだまだ実用化できない。
【特許文献1】US2006/0199095 A1号公報
【特許文献2】US2006/0069222 A1号公報
【特許文献3】US7087659 B2号公報
【特許文献4】US6833391 B1号公報
【特許文献5】US2004/0242720 A1号公報
【特許文献6】US2006/0293463 A1号公報
【特許文献7】EP0735062 A1号公報
【特許文献8】US5969867号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記のように、従来の、集光シートにおける輝度上昇フィルムを形成するための光学組成物や技術などの問題点を多方面から考察すると、本発明は、まず、集光シートの輝度上昇フィルムを形成するための、屈折率が通常1.55以上であり、組成成分が廉価で環境に対しても優しい、光学組成物を提供することを目的とする。
本発明は、また、その製造過程における輝度上昇フィルムの形成に前記光学組成物を使用した集光シート、及び、該集光シートの製造方法を提供することを更なる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明は、まず、下記一般式〔化1〕:
【化1】

[式中、RはO原子またはS原子であり、Rは(CO)の二価官能基であって、ここでnは1〜10の整数であり、RはH原子またはメチル基である]
で示される第一の単量体と、アクリル基を有する第二の単量体とを、1:9〜9:1の重量割合で含有し、互いに重合可能である、光学組成物を提供する。本発明はまた、前記光学組成物と光重合開始剤とを混合する工程、前記混合物を基板に塗布する工程、及び前記基板に塗布した混合物を硬化させる工程を含んでなる集光シートの製造方法を提供する。本発明は更に、該製造方法により製造した集光シート、即ち、基板と、前記基板上に形成された輝度上昇フィルムとを含んでなる集光シートも提供する。
【発明の効果】
【0011】
前記光学組成物、集光シート、及びその集光シートの製造方法に関わる本発明によると、本発明の組成物乃至該組成物により形成された輝度上昇フィルムは、通常1.55以上の屈折率を有し、この屈折率は、従来のハロゲンを含有する組成物、及びジフェニルサルファイド類のアクリル系単量体などの高価な化合物を含有する組成物からなるフィルムに匹敵する1.6以上にもなり得る(下記実施形態の実験データ(表2参照))。また、本発明の組成成分は廉価で環境に対しても優しいので、本発明のフィルムは非常に実用的であり、産業上の利用価値がかなり高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明の光学組成物は、下記一般式〔化1〕:
【化2】

[式中、RはO原子またはS原子であり、Rは(CO)の二価官能基であって、ここでnは1〜10の整数であり、RはH原子またはメチル基である]
で示される第一の単量体と、アクリル基を有する第二の単量体とを、1:9〜9:1の重量割合で含有する。
【0013】
第一の単量体は、RがS原子である場合、O原子の場合より屈折率が高い。
第二の単量体としては、通常の輝度上昇フィルムの製造に使われているアクリル系単量体を利用することができる。
この光学組成物は、第一と第二の単量体におけるアクリル基により重合できるので、集光シートの輝度上昇フィルムを構成することができる。
また、第一の単量体は高屈折率を有するが、粘度が非常に高いため、第二の単量体が第一の単量体の溶剤として存在し、光学組成物全体を重合反応が容易に行える液体状態(溶液)にする。従って、第二の単量体として、屈折率が1.45以上であって粘度が100cps以下であるものを使用することが好ましい。
そして、第一の単量体と第二の単量体との重量割合が9:1を超えると、組成物の粘度が高くなりすぎるので、組成物の重合操作が困難となる一方、割合が1:9より少ないと、組成物の屈折率が低くなりすぎる。そのため、第一の単量体と第二の単量体との重量割合が1:9〜9:1の範囲にあるのが望ましい。そして、その光学組成物の粘度は、40〜25000cpsの範囲にあるのが好ましく、50〜15000cpsの範囲にあるのがより好ましい。
【0014】
第一の単量体の例として、一般式〔化1〕におけるRがO原子、RがCO、RがH原子であり、1.615の高い屈折率を有する、9,9−ビス(4−(2−アクリロイルオキシエトキシル)フェニル)フルオレンが挙げられる。
【0015】
第二の単量体の例としては、モノアクリレート、モノメタクリレート、ジアクリレート、ジメタクリレートまたはそれらの一種以上の混合物が挙げられる。そのうち、モノアクリレート、モノメタクリレートまたはそれらの一種以上の混合物が好ましい。
【0016】
モノアクリレートの例としては、フェニルチオエチルアクリレート(PTEA)、2−フェノキシエチルアクリレート(PEA)、ナフタレニルチオエチルアクリレート(NTEA)、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、ヘキサデシルアクリレート、ネオペンチルグリコールプロポキシレートジアクリレート、ラウリルアクリレートまたはそれらの一種以上の混合物が挙げられる。そのうち、PTEA、PEA、NTEAまたはそれらの一種以上の混合物が好ましい。
【0017】
モノメタクリレートの例としては、2−フェノキシエチルメタクリレート(PEMA)、フェニルチオエチルメタクリレート(PTEMA)、メトキシポリエチレングリコールメタクリレートまたはそれらの一種以上の混合物が挙げられる。そのうち、PEMA、PTEMAまたはそれらの一種以上の混合物が好ましい。
【0018】
ジアクリレートの例としては、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、エトキシ化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、エトキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールジアクリレートまたはそれらの一種以上の混合物が挙げられる。
【0019】
ジメタクリレートの例としては、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートまたはそれらの一種以上の混合物が挙げられる。
【0020】
従って、前記第二の単量体は、PTEA、PEA、NTEA、PEMA、PTEMAまたはそれらの一種以上の混合物が好ましく、特にPTEA、PEA、NTEAまたはPTEMAがより好ましい。
【0021】
また、必要に応じ、組成物に、増粘剤、レべリング剤、滑剤、帯電防止剤、消泡剤または紫外線吸収剤などから選択される一種以上の添加剤を添加してもよい。
前記増粘剤として、脂肪族ウレタンジアクリレート、脂肪族ウレタントリアクリレート、低酸価接着促進剤またはそれらの一種以上の混合物を使用することが好ましい。
なお、光学組成物の屈折率にあまり影響を与えないために、前記添加剤を含有させる場合には、組成物全体を基準に10重量%以下とすることが好ましい。
【0022】
本発明の集光シートの製造方法として、例えば、本発明の光学組成物と光重合開始剤とを混合する工程、前記混合物を基板に塗布する工程、及び前記基板に塗布した混合物を硬化させる工程を含んでなる方法が挙げられる。
【0023】
前記光重合開始剤は、前記混合物全体の1〜15重量%の範囲となるように配合するのが好ましい。
光重合開始剤の例としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−(4−モルホリニル)−1−プロパノン、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノンまたはそれらの一種以上の混合物が挙げられる。
【0024】
前記硬化工程では、紫外線の照射により前記混合物を硬化させる。紫外線の照射は、240nm〜360nmの波長、1〜1000mJ/cm、特に、100〜500mJ/cmの照射量で行うことが好ましい。
【0025】
前記製造方法による本発明の集光シートは、基板と前記基板上に形成されている輝度上昇フィルムとを含んでなる。その輝度上昇フィルムは、本発明の光学組成物と光重合開始剤との液体混合物を前記基板上に塗布し、紫外線の照射によって硬化させることにより形成することができる。
【0026】
その輝度上昇フィルムは、10μm〜30μmの範囲の厚さであることが好ましい。
【0027】
その基板の例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(PC)またはポリメチルメタクリレート(PMMA)が挙げられる。基板の厚さは、16μm〜250μmの範囲にあるのが好ましい。
また、前記基板は、透明プラスチック材からなる底板と、前記底板上に形成されていて通過する光を散乱させることができる拡散フィルムとを含んでなる。
【実施例】
【0028】
以下、実施例と比較例を挙げて本発明の技術をより具体的に説明する。なお、実施例と比較例に使用された単量体や増粘剤、光重合開始剤、基板は、略号で記載されているが、それらの意味は以下の通りである。
【0029】
【表1】

【0030】
表2に示したように、まず実施例と比較例の各成分を混ぜて、各光学組成物を準備した。次に、光学組成物と光重合開始剤とを混合し、該混合物をPET基板に塗布し、波長240〜360nmの紫外線を10秒間照射することにより混合物を硬化させ、基板の上に25μmの輝度上昇フィルムを形成し、集光シートを得た。そして、実施例と比較例の各光学組成物と集光シートを次のような方法で評価した。評価した結果は、表2に示した通りである。
【0031】
〔評価方法〕
(1)光学組成物の粘度
25℃において、粘度計(ブルックフィールド(BROOKFIELD)社製、MODEL:DV−I+)で光学組成物の粘度を測定する。
(2)光学組成物の屈折率
20℃において、ABBE屈折計(ATAGO社製)で、光学組成物の波長589nmの光に対する屈折率を測定する。
(3)輝度上昇フィルムの基板に対する密着力
集光シートにおける輝度上昇フィルムの基板に対する密着力を、クロスカット剥離試験機(ZEHNTNER社製、MODEL:ZCC2087)で、ASTM D3359−02で規範されている方法に基づいて測定し、且つ、測定した密着力を、一番弱い密着力から一番強い密着力まで0B〜5Bの尺度で評価する。
密着力は、3Bの場合、剥離率が5〜15%であり、3Bまたはそれ以上で合格と見なされる。
(4)集光シートの輝度
EFUN Technology社製の、3420nitsの輝度をもつバックライトを備えているバックライトユニットを使用して、輝度計(トプコン社製、MODEL:SR3A)で集光シートの輝度を測定する。
(5)耐候性
集光シートの耐候性は、下記の熱テストと湿潤テストとに分けて評価する。
(a)熱テスト:集光シートを温度85℃のチャンバー内に500時間曝してから、その輝度を測定する。
(b)湿潤テスト:集光シートを温度65℃及び湿度95%のチャンバー内に500時間曝してから、その輝度を測定する。
【0032】
【表2】

【0033】
表2に示したデータから分かるように、実施例1〜7の特性は、比較例より遥かに優れていた。
【0034】
例えば、実施例の屈折率はすべて1.550以上であり、輝度はすべて5316〜5808nitsの範囲にある。比較例の屈折率は1.550未満の1.526であり、輝度は5095nitsである。
【0035】
また、実施例4では、増粘剤を使わなくても、その輝度上昇フィルムの基板との密着力は4Bの高い評価が得られた。即ち、ASTM D3359−02に基づく剥離試験によると、その輝度上昇フィルムは5%以下の低い剥離率を有する。
それに対し、比較例の場合では、増粘剤を使ったにもかかわらず、輝度上昇フィルムの基板との密着力は3Bの評価しか得られなかった。言うまでもないことだが、仮に増粘剤を添加しなければ、密着力はもっと弱いと判断できる。
【0036】
耐候性試験における熱テスト及び湿潤テストのデータをみてみると、テスト後の輝度は、実施例であっても、比較例であっても、いずれもテスト前の輝度に比べて若干低下したが、実施例のテスト後の輝度は、やはりテスト前の比較例の輝度より高いことが分かる。なお、集光シートの輝度は使用時間の経過と共に徐々に低下するので、元来の輝度が高い方が当然使用寿命もより長いことが分かる。そのため、本発明の集光シートは従来の集光シートより寿命が長いことが推測できる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
叙上のように、本発明の光学組成物は、1.55以上の屈折率を有し、従来のハロゲンを含有している組成物、及びジフェニルサルファイド類のアクリル系単量体などの高価な化合物を含有している組成物に匹敵する1.6以上の屈折率も有し得、集光シートの製造において、屈折率1.55以上または1.6以上の輝度上昇フィルムを形成する。また、該組成物は、廉価な成分からなり、製造時に環境に対して有害な状況も起こらないので、非常に実用的であり、有利である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式〔化1〕:
【化1】

[式中、RはO原子またはS原子であり、Rは(CO)の二価官能基であって、ここでnは1〜10の整数であり、RはH原子またはメチル基である]
で示される第一の単量体と、
アクリル基を有する第二の単量体とを、
1:9〜9:1の重量割合で含有し、互いに重合可能であることを特徴とする光学組成物。
【請求項2】
前記第二の単量体の屈折率が1.45以上であり、粘度が100cps以下であることを特徴とする請求項1に記載の光学組成物。
【請求項3】
前記第一の単量体は、9,9−ビス(4−(2−アクリロイルオキシエトキシル)フェニル)フルオレンであることを特徴とする請求項1に記載の光学組成物。
【請求項4】
前記第二の単量体は、モノアクリレート、モノメタクリレート、ジアクリレート及びジメタクリレートからなる群より選ばれた少なくとも一つの化合物であることを特徴とする請求項1に記載の光学組成物。
【請求項5】
前記モノアクリレートは、フェニルチオエチルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、ナフタレニルチオエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、ヘキサデシルアクリレート、ネオペンチルグリコールプロポキシレートジアクリレート及びラウリルアクリレートからなる群より選ばれた少なくとも一つの化合物であることを特徴とする請求項4に記載の光学組成物。
【請求項6】
前記モノメタクリレートは、2−フェノキシエチルメタクリレート、フェニルチオエチルメタクリレート及びメトキシポリエチレングリコールメタクリレートからなる群より選ばれた少なくとも一つの化合物であることを特徴とする請求項4に記載の光学組成物。
【請求項7】
前記ジアクリレートは、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、エトキシ化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート及びエトキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールジアクリレートからなる群より選ばれた少なくとも一つの化合物であることを特徴とする請求項4に記載の光学組成物。
【請求項8】
前記ジメタクリレートは、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート及び1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートからなる群より選ばれた少なくとも一つの化合物であることを特徴とする請求項4に記載の光学組成物。
【請求項9】
前記モノアクリレートは、フェニルチオエチルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート及びナフタレニルチオエチルアクリレートからなる群より選ばれた少なくとも一つの化合物であり、また、前記モノメタクリレートは、2−フェノキシエチルメタクリレート及びフェニルチオエチルメタクリレートからなる群より選ばれた少なくとも一つの化合物であることを特徴とする請求項4に記載の光学組成物。
【請求項10】
増粘剤、レべリング剤、滑剤、帯電防止剤、消泡剤及び紫外線吸収剤からなる群より選ばれた少なくとも一つを更に添加剤として含有することを特徴とする請求項1に記載の光学組成物。
【請求項11】
前記増粘剤は、脂肪族ウレタンジアクリレート、脂肪族ウレタントリアクリレート及び低酸価接着促進剤からなる群より選ばれた少なくとも一つであることを特徴とする請求項10に記載の光学組成物。
【請求項12】
前記添加剤は、組成物全体を基準に10重量%以下含まれていることを特徴とする請求項10に記載の光学組成物。
【請求項13】
請求項1に記載の光学組成物と光重合開始剤とを混合する工程、
前記混合物を基板に塗布する工程、及び
前記基板に塗布した混合物を硬化させる工程
を含んでなる集光シートの製造方法。
【請求項14】
前記混合工程において、前記光重合開始剤を、前記混合物全体を基準に1〜15重量%含有させることを特徴とする請求項13に記載の集光シートの製造方法。
【請求項15】
前記混合工程において、前記光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−(4−モルホリニル)−1−プロパノン、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド及び2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノンからなる群より選ばれた少なくとも一つの化合物を使用することを特徴とする請求項13に記載の集光シートの製造方法。
【請求項16】
基板と、
請求項1に記載の光学組成物と光重合開始剤との混合物を前記基板上に塗布して硬化させることにより形成された輝度上昇フィルム
とを含んでなることを特徴とする集光シート。
【請求項17】
前記輝度上昇フィルムは、10μm〜30μmの範囲の厚さであることを特徴とする請求項16に記載の集光シート。
【請求項18】
前記基板は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリカーボネート及びポリメチルメタクリレートからなる群から選ばれた材料から形成されたものであることを特徴とする請求項16に記載の集光シート。
【請求項19】
前記基板は、透明であるプラスチックの底板と、前記底板上に形成されていて通過する光を散乱させることができる拡散フィルムとを含んでなることを特徴とする請求項16に記載の集光シート。

【公開番号】特開2009−185272(P2009−185272A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−176535(P2008−176535)
【出願日】平成20年7月7日(2008.7.7)
【出願人】(508204043)迎輝科技股▲分▼有限公司 (1)
【Fターム(参考)】