説明

光学絞り装置

【課題】小型な光学絞り装置、特に細径の内視鏡に適用可能な光学絞り装置を提供すること。
【解決手段】イオン伝導高分子部材110はイオン含有ポリマー110aによって構成され、かつ円弧形状を有し、外部電圧源120は、イオン伝導高分子部材110の弦長を変化させ、イオン伝導高分子部材110の弦長の変化によってイオン伝導高分子部材110が結合された駆動軸106の回転軸105に対する相対的な位置変化により円環状外周部104aが変位し、絞り部材104が回転軸105を中心に回転することによって、開口111の一部が円環状外周部104aによって遮蔽されることで開口111の開口径が変化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的な絞り装置、特に小型な光学絞り装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、固体撮像素子を用いた内視鏡装置では、固定焦点・固定絞りの光学系を用いるのが一般的であった。一方、半導体製造技術の進展に伴い、微細な画素を有する固体撮像素子が内視鏡にも適用可能となってきている。このような微細画素の個体撮像素子は、撮影対象までの距離による焦点位置の変化に敏感である。内視鏡装置による観察、検査では、撮影対象、例えば体腔内の壁面や患部までの距離を常に一定に維持することは難しい。このため、従来の光学系を備える内視鏡装置では、微細画素の特徴を活かした高精細画像を得るのは難しい状態にある。
【0003】
この問題を回避するには、以下の(1)、(2)の2つの方法がある。
(1)レンズの一部または全部を撮影対象までの距離に応じて変位させる焦点調節機能を付加する方法
(2)光学系自体は固定焦点として、遠点の撮影対象に対して適正な結象が得られるように焦点調節しておき、近点撮影時には開口径を小さくして焦点深度を増大させることで良好な結像を得る方法
【0004】
上述の(2)の方法の場合、可変絞り機構が必要となる。このため、近点撮影時には個体撮像素子に到達する光量が減少するといった問題がある。ここで、一般的に先端部の照明装置の光によって撮影する内視鏡において、近点撮像時には十分な光量が確保できる。このため、近点撮像時の光量減少は大きな問題とはならない。
【0005】
このように、内視鏡装置において、微細画素の撮像素子の性能を活かすには、レンズ駆動装置及び可変絞り装置の少なくともいずれか一方が必要となる。光学的な性能の観点からは、(1)の方法が優れている。しかしながら、細径の内視鏡にレンズ駆動装置を組み込むのはかなり難しい。
【0006】
このため、細径の内視鏡に対しては、超小型の可変絞り装置を適用することが望まれる。内視鏡に適用可能な超小型な可変絞り装置の例は、例えば特許文献1に提案されている。
【0007】
特許文献1に開示されている構成について、図21、22を用いて説明する。光軸Lを中心として回転するリング状の回転円板36が設けられている。回転円板36の一面には、移動体37が設けられている。そして、移動体37には、積層型圧電素子38が取付け固定されている。
【0008】
圧電素子38の伸縮軸方向は、光軸Lを中心とする仮想円の接線方向に向けて設置されている。圧電素子38は、圧電素子枠39に形成した溝40内に配置されている。
【0009】
そして、移動体37は、回転円板36と一体となって実質的な回転移動体を構成している。また、移動体37は、鏡筒21の枠部41の壁面に圧接して摺動するように取り付けられている。さらに、回転円板36は、圧電素子枠39の壁面に対しても圧接して摺動するように取り付けられている。このように、鏡筒21の枠部41及び圧電素子枠39は、一体的な静止部材を構成している。これにより、圧電素子38に上述したような駆動電圧を印加することにより回転円板36を回転できる。
【0010】
絞り羽根35は、3枚の羽根部材を等間隔に配置して構成されている。各絞り羽根35は、絞り押え部材40aによって押えられている。そして、各絞り羽根35は、絞り押え部材40aに立設された支持ピン41aによって中間部分が枢着されている。
【0011】
絞り羽根35の基端は、回転円板36に立設した駆動ピン42に連結されている。回転円板36を回転すると、支持ピン41aを中心として絞り羽根35が回転する。これにより、絞り量を調節できる。
【0012】
回転円板36には、圧電素子枠39と絞り押え部材40との間に架設したピン43を嵌め込むガイド孔44が設けられている。そして、ガイド孔44の両端でピン43の移動を規制し、回転円板36の回動範囲を規制するように構成されている。
【0013】
【特許文献1】特許第3204793号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上述したような構成の可変絞りは、小型の圧電振動子を用いている。これによって、一般的なスチルカメラなどに用いられる電磁アクチュエータを用いた可変絞りと比較すると、大幅な小型化が可能となる。このため、比較的太径の内視鏡には十分に適用可能である。
【0015】
しかしながら、慣性駆動に変位量を得るために必要な積層型圧電振動子の小型化には限界がある。さらに、絞りの駆動のために、絞り羽根にリンクした回転板が必要となってしまう。このため、積層型圧電振動子を、細径の内視鏡に適用するのは困難であった。
【0016】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、小型な光学絞り装置、特に細径の内視鏡に適用可能な光学絞り装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明によれば、光学開口を備えた絞り環と、回転軸と駆動軸と遮蔽部とを備えた絞り部材と、駆動軸に結合して絞り部材を回転軸を中心に回転させるアクチュエータと、アクチュエータを制御する制御手段と、を有し、アクチュエータは弾性部材によって構成され、かつ円弧形状を有し、制御手段は、アクチュエータの弦長を変化させ、アクチュエータの弦長の変化によって、アクチュエータが結合された駆動軸の回転軸に対する相対的な位置変化により遮蔽部が変位し、絞り部材が回転軸を中心に回転することによって、光学開口の一部が遮蔽部によって遮蔽されることで光学開口の開口径が変化することを特徴とする光学絞り装置を提供できる。
【0018】
また、本発明の好ましい態様によれば、円弧形状のアクチュエータの一端は駆動軸に結合され、アクチュエータの他端は絞り環に対して固定された部材に結合されていることが望ましい。
【0019】
また、本発明の好ましい態様によれば、絞り部材は、2つの部材からなる一対の絞り部材が配置されて構成され、円弧形状のアクチュエータの両端は、それぞれの絞り部材の駆動軸に結合されていることが望ましい。
【0020】
また、本発明の好ましい態様によれば、円弧形状のアクチュエータの端部は、絞り部材の駆動軸に対して回転可能な状態で結合されていることが望ましい。
【0021】
また、本発明の好ましい態様によれば、円弧形状のアクチュエータの端部は、絞り環に対して固定された部材に回転可能な状態で結合していることが望ましい。
【0022】
また、本発明の好ましい態様によれば、円弧形状のアクチュエータは、イオンを含有した高分子材料で構成され、円弧の中心側の第1面と、第1面に対向する第2面に一対の電極が形成され、制御手段によって電極間に電圧を印加してイオンを移動させ、弦長を変化させることが望ましい。
【0023】
また、本発明によれば、光学開口を備えた絞り環と、回転軸と駆動軸と遮蔽部とを備えた絞り部材と、駆動軸に結合して絞り部材を回転軸を中心に回転させるアクチュエータと、アクチュエータを制御する制御手段と、を有し、アクチュエータは弾性部材によって構成され、かつ光学開口に沿った形状を有し、制御手段は、アクチュエータの光学開口に沿った形状における所定の2点間の距離を変化させ、アクチュエータの光学開口に沿った形状における所定の2点間の距離の変化によってアクチュエータが結合された駆動軸の回転軸に対する相対的な位置変化により遮蔽部が変位し、絞り部材が回転軸を中心に回転することによって、光学開口の一部が遮蔽部によって遮蔽されることで光学開口の開口径が変化することを特徴とする光学絞り装置を提供できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る光学絞り装置では、円弧形状のアクチュエータの弦長を変化させている。弦長の変化により、絞り部材が移動する。絞り部材の移動により、光学開口の開口径を変えることができる。このように、アクチュエータの弦長、換言すると曲率を変えるだけで良いため、構成を非常に単純化できる。この結果、小型な光学絞り装置、特に細径の内視鏡に適用可能な光学絞り装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に、本発明に係る光学絞り装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0026】
本発明の実施例1について図1から図9を用いて説明する。図1は、本実施例に係る光学絞り装置100の斜視構成を示している。上部基板101と下部基板102とは、スペーサ103によって一定の間隔を保持して対向して配置されている。両基板間の間隙に絞り部材104が配置されている。
【0027】
絞り部材104は、回転軸105を中心にして、上部基板101及び下部基板102の主面に沿った方向に回転可能である。また、絞り部材104に固定された駆動軸106と、スペーサ103に固定された固定軸107とが上部基板101から突出している。
【0028】
イオン伝導高分子部材110は、対向する両面に電極が形成され、円弧形状を有している。イオン伝導高分子部材110は、アクチュエータに対応する。イオン伝導高分子部材110の両方の弧端には、リング状部材108、109が固定されている。また、リング状部材108は、駆動軸106に挿入されている。さらに、リング状部材109は、固定軸107に挿入されている。
【0029】
次に、本実施例における各部品の組み付けについて、光学絞り装置100の分解図である図2及び図3を用いて説明する。図2は斜視構成を示し、図3は側面(断面)構成をそれぞれ示している。
【0030】
上部基板101及び下部基板102には、開放時の光学開口となる開口111と、回転軸105を挿入する回転軸穴113と、固定軸107を挿入させるための固定軸穴114と、駆動軸106を通すための円弧状の駆動軸穴115とがそれぞれ形成されている。上部基板101及び下部基板102は、絞り環に対応する。
【0031】
また、板状の絞り部材104には、回転軸105と駆動軸106とが圧入によって組み付けられている。また、絞り部材104には、絞り込み時の光学開口となる開口112が形成されている。さらに、スペーサ103には、固定軸107が圧入されている。また、回転軸105と駆動軸106とは、それぞれ上部基板101の上部に突出している。そして、この突出部にリング状部材108及び109がそれぞれ挿入される。
【0032】
図4は、上部基板101及び下部基板102を上面から見た構成を示している。ここで、回転軸穴113の径は、絞り部材104の回転軸105の径よりも僅かに大きいように形成されている。また、円弧状の駆動軸穴115の幅は、絞り部材104の駆動軸106の径よりも僅かに大きいように形成されている。このため、絞り部材104は、回転軸105を中心に円弧状の駆動軸穴115の長さによって規定される所定範囲で回転可能である。
【0033】
図5は、絞り部材104の上面構成を示している。開口112の円環状外周部104aの径は、上部基板101及び下部基板102の開口111よりも僅かに大きいように形成されている。
【0034】
次に、図6に基づいて、アクチュエータであるイオン伝導高分子部材110近傍の詳細な構成を説明する。イオン伝導高分子部材110は、対向する両面に電極を形成した円弧形状を有している。イオン伝導高分子部材110は、円弧形状の基材となるイオン含有ポリマー110aと、円弧形状の中心側の第1面に設けられた第1電極110bと、第1電極110bに対向する第2面に設けられた第2電極110cとの3層構造である。
【0035】
円弧形状の両端には、リング状部材108及びリング状部材109が組み付けられている。ここで模式的に図示したように、第1電極110bと第2電極110cとには、それぞれ極細のリード線118とリード線119とがそれぞれ接続されている。リード線118とリード線119とは、外部電圧源120に接続されている。
【0036】
外部電圧源120は、所定の電圧を出力する。所定の電圧により、第1電極110bと第2電極110cとの間に電位差を与えると、イオン含有ポリマー110aの陽イオンがカソード側に移動する。この結果、イオン含有ポリマー110aのカソード側が膨潤する。カソード側の膨潤により、円弧形状の曲率が変化する。これにより、円弧形状のイオン伝導高分子部材110の弦長が変化する。外部電圧源120は、制御手段に対応する。
【0037】
このように、本実施例では、外部電圧源120の出力電圧によってイオン伝導高分子部材110の弦長を所定範囲で変化させることができる。また、上述したように、リング状部材108の貫通孔116の径は、固定軸107の径よりも僅かに大きい。同様に、リング状部材109の貫通孔117の径は、駆動軸106の径よりも僅かに大きい。このため、リング状部材108は、固定軸107に対して回転可能である。同様に、リング状部材109は、駆動軸106に対して回転可能である。
【0038】
次に、図7、図8、図9に基づいて、本実施例の絞り機構の動作について説明する。なお、絞り部材104の動きの理解を容易にするため、上部基板101を省略した状態を図示する。また、特に図示しないが、イオン伝導高分子の第1電極110bと第2電極110cとには、それぞれ上述した極細のリード線が接続されている。そして、リード線は、外部の電圧源に接続されているものとする。
【0039】
図7は、第1電極110bに負電圧、第2電極110cに正電圧をそれぞれ印加した状態を示している。イオン含有ポリマー110aの第2電極110cの側が膨潤して、イオン伝導高分子部材110の弧長が小さくなる。これにより、駆動軸106を固定軸107との距離が小さくなるように変位させる。その結果、絞り部材104の円環部104aは、下部基板102の開口111を覆う位置に移動する。このとき、開口径は、開口112によって規定される。円環部104aは、遮蔽部に対応する。
【0040】
図8は、第1電極110bと第2電極110cとを等電位とした状態を示している。この状態では、図7の状態よりもイオン伝導高分子部材110の弧長が大きくなる。このため、絞り部材104の円環部104aは、下部基板102の開口111を部分的に覆う位置へ移動する。
【0041】
図9は、第1電極110bに正電圧、第2電極110cに負電圧をそれぞれ印加した状態を示している。このとき、イオン含有ポリマー110aの第1電極110bの側が膨潤して、イオン伝導高分子部材110の弧長が大きくなる。これにより、駆動軸106を固定軸107との距離が大きくなるように変位させる。その結果、絞り部材104の円環部104aは、下部基板102の開口111から退避した位置に移動する。このとき、開口径は開口111によって規定される。
【0042】
このように本実施例においては、第1電極110bと第2電極110cとに印加する電圧の正負を逆にするのみで、絞り開口を開口111の径と開口112の径とに切り替えることができる。本実施例のアクチュエータは、図6に示したような非常に単純な構成である。そして、慣性駆動式圧電アクチュエータや電磁式ロータリーソレノイドなどの回転型アクチュエータを用いる従来の方法と比較すると、本実施例のアクチュエータは大幅な小型化が可能である。
【0043】
さらに、本実施例の利点について説明する。絞り部材104の回転移動によって開口径を切り替えるに際して、固定軸107と駆動軸106との距離を変位させるだけで良い。このため、本実施例では、回転型のアクチュエータよりも構造が単純な伸縮型または湾曲型のアクチュエータを適用することができるという利点がある。
【0044】
また、本実施例では、円弧形状のアクチュエータの湾曲による弦長の変化を利用している。このため、単純な棒状またはプレート状のアクチュエータの伸縮を利用する場合と比較して、小さな歪みで大きな変位を得ることができるという利点がある。このことは、イオン伝導型アクチュエータ等のように素材の歪みによって変位するアクチュエータを用いる場合は特に大きな利点となる。
【0045】
また、本実施例では、イオン伝導高分子部材110(アクチュエータ)が円弧形状を有しているので、イオン伝導高分子部材110を絞り機構の外周部に沿って配置することが容易である。従って、絞りの開口111がイオン伝導高分子部材110自体によって遮蔽されないようにするための駆動軸106及び固定軸107の配置の自由度を大きくできるという利点がある。
【0046】
また、イオン伝導高分子部材110の両端に配置されたリング状部材108、109は、固定軸107及び駆動軸106に対して回転可能な状態で組み付けられている。このため、円弧形状のイオン伝導高分子部材110の湾曲変化(曲率変化)によって並進変位を得る場合、リング状部材108、109近傍の取り付け部においてイオン伝導高分子部材110に大きな歪みが発生しないという利点がある。
【0047】
また、イオン伝導高分子部材110を、固定軸107及び駆動軸106のうちの一方の軸に対しては固定し、他方の軸に対しては回転自由であると共に、並進方向に直交する方向に若干の変位自由度を持たせる構成とすることもできる。このような構成により、イオン伝導高分子部材110に大きな歪みが生じないという点では類似の効果を得ることができる。これは、例えばリング状部材108、109の開口を正円ではなく、並進変位の方向に直交する方向に長円の開口とすることで実現できる。
【0048】
なお、大きな歪みが発生しないという利点は、駆動軸106とスペーサ103とが回転自由に組み付けられて、駆動軸106が絞り部材104に回転自由に組み付けられている場合でも同様に得られる。これにより、絞りの開閉、即ち絞り部材104の並進移動に必要な力を非常に小さくすることができる。このため、イオン伝導高分子部材110(イオン伝導アクチュエータ)のサイズ、特に高さを小さくすることができる。この結果、光学絞り装置100の厚さを小さくできる。
【0049】
また、本実施例において、アクチュエータとしてイオン伝導アクチュエータを用いている。しかしながら、これに限られるものではなく、円弧形状に加工可能であり、かつ素材の歪みにより湾曲する形態のアクチュエータであれば、上述の利点のいくつかを享受できる。例としては、バイモルフ型の圧電アクチュエータや形状記憶合金が挙げられる。ただし、イオン伝導アクチュエータは、バイモルフ型の圧電アクチュエータや形状記憶合金と比較すると、駆動電圧が小さく、微細形状が比較的容易に得られる点で特に好適である。
【0050】
次に、本実施例の光学絞り装置100の寸法を以下に掲げる。
絞り開放時の開口径を規定する開口111の径・・・0.64mm
絞り込み時の開口径を規定する開口112の径・・・0.32mm
開口111の中心から回転軸105までの距離・・・0.9mm
回転軸105と駆動軸106の距離 ・・・0.4mm
【0051】
また、この時、絞り部材104が開口111から完全に退避するのに必要な絞り部材104の回転角は46度である。そして、その中間である回転角23度の時、駆動軸106の変位方向と開口111の方向とが正確に一致するように駆動軸106の位置を最適化する。この状態において、駆動軸106の位置に対して開口111の中心に対称な部位に固定軸105を配置したとき、固定軸107と駆動軸106との距離は、1.612mmとなる。これは回転角23度の時の値である。また、回転角0度(絞り込み時)と、回転角46度(絞り開放時)とにおける固定軸107と駆動軸106の距離は、それぞれ1.457mm、1.769mmとなる。
【0052】
また、回転角23度の時に円弧形状のイオン伝導高分子部材110の円周角を180度となるように設計すると、円周長は2.533mmとなる。ここで、イオン伝導高分子部材110の厚さ(第1電極101bと第2電極101cとの距離)を0.1mmとする。そして、イオン伝導高分子部材110の湾曲(曲率)が変化して回転角0度(絞り込み時)から回転角46度(絞り開放時)まで変化するときの表面歪みを計算すると1.20%となる。
【0053】
これに対して、単純な棒状の伸縮型アクチュエータにより固定軸107と駆動軸106との距離を変化させる場合、棒状の伸縮型アクチュエータの表面歪みは19.4%となる。両者を比較すると、円弧形状のイオン伝導高分子部材110を用いるときの表面歪みは、著しく小さな値である。
【0054】
このように、円弧形状の湾曲型アクチュエータを用いることによって非常に小さな歪みで絞りを駆動させることができる。このため、応答性やアクチュエータの選択肢の広さの点で大いに有利である。なお、一般的に湾曲型のアクチュエータは、同じ体積であれば伸縮型のアクチュエータよりも発生力は小さい。しかしながら、軽量の絞り部材を変位させるだけでよい絞り装置においては、この発生力の点は、あまり問題とならない。
【実施例2】
【0055】
次に、図10から図18を用いて本発明の実施例2に係る光学絞り装置200ついて説明する。図10は本実施例の光学絞り装置200の斜視構成を示している。図11は本実施例の光学絞り装置200の構造を示すために分解した状態を示している。実施例1と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0056】
下部基板201と、中間基板202と、上部基板203との3枚の基板が積層されている。そして、各基板の間隙については、下部基板201と中間基板202との間は一対の第1スペーサ208により規定され、中間基板202と上部基板203との間は一対の第2スペーサ214によって規定されている。
【0057】
絞り機構を駆動するアクチュエータは、対向する両面に電極を形成した円弧形状のイオン伝導高分子部材215である。そして、イオン伝導高分子部材215の両方の弧端に、それぞれリング状部材216とリング状部材217とが固定されている。
【0058】
絞り部材は、下部基板201と中間基板202の間に配置された第1絞り部材204と、中間基板202と上部基板203の間に配置された第2絞り部材210の2つの部材に分割されて構成されている。
【0059】
第1スペーサ208には、2つのスペーサ軸209が圧入されている。スペーサ軸209は、下部基板201の貫通孔223aと、中間基板202の貫通孔223bに挿入される。そして、スペーサ軸209は、中間基板202側では更に上部に突出し、第2スペーサ214に形成された貫通孔226及び上部基板203の貫通孔223cに挿入されている。
【0060】
このように、2つのスペーサ軸209によって、下部基板201と、中間基板202と、上部基板203との位置が規定されている。なお、2つの第1スペーサ208は、下部基板201と中間基板202とに接着されている。2つの第2スペーサ214は、中間基板202と上部基板203とに接着されている。また、下部基板201と、中間基板202と、上部基板203との中央部には、それぞれ開口218a、218b、219cが形成されている。
【0061】
下部基板201と中間基板202との間には、第1絞り部材204と第2駆動軸用リング206とが配置されている。第1絞り部材204には、第1回転軸205が圧入されている。また、第2駆動軸用リング206には、第2駆動軸207が圧入されている。
【0062】
第1回転軸205は、下部基板201の回転軸穴219aと、中間基板202の回転軸穴219bに挿入され、中間基板側では更に上部に突出し、上部基板203の回転軸穴219cに挿入されている。
【0063】
第2駆動軸207は、下部基板201の円弧状の駆動軸穴222aと、中間基板202の円弧状の駆動軸穴222bに挿入され、中間基板202側では更に上部に突出し、第2絞り部材210の駆動軸穴225に挿入されている。そして、第2駆動軸207は、さらに、その上部の上部基板203の円弧状の駆動軸穴222cに挿入され、更に上部に突出してリング状部材216に挿入されている。
【0064】
中間基板202と上部基板203との間には、第2絞り部材210と第1駆動軸用リング212とが配置されている。第2絞り部材210には、第2回転軸211が圧入されている。また、第1駆動軸用リング212には、第1駆動軸213が圧入されている。
【0065】
第2回転軸211は、中間基板202の回転軸穴221bと、上部基板203の回転軸穴221cに挿入されている。そして、第2回転軸211は、中間基板202側では更に下部に突出し、下部基板201の回転軸穴221aに挿入されている。
【0066】
第1駆動軸213は、中間基板202の円弧状の駆動軸穴220bと、上部基板203の円弧状の駆動軸穴220cに挿入されている。そして、第1駆動軸213は、中間基板202側では更に下部に突出し、第1絞り部材204の駆動軸穴224と、更にその下部の下部基板201の円弧状の駆動軸穴220aに挿入されている。また、第1駆動軸213は、上部基板201側でも更に上部に突出してリング状部材217に挿入されている。
【0067】
なお、円弧状の駆動軸穴222a、222b、222cの幅と、第2絞り部材210の駆動軸穴225の径とは、それぞれ第2駆動軸207の径よりも僅かに大きくなるように形成されている。
【0068】
また、円弧状の駆動軸穴220a、220b、220cの幅と、第1絞り部材204の駆動軸穴224の径とは、それぞれ第1駆動軸213の径よりも僅かに大きくなるように構成されている。
【0069】
さらに、回転軸穴219a、219b、219cの径は、第1絞り部材204の第1回転軸205の径よりも僅かに大きくなるように構成されている。また、回転軸穴221a、221b、221cの径は、第2絞り部材210の第2回転軸211の径よりも僅かに大きくなるように構成されている。
【0070】
上述の構成において、第1駆動軸213を円弧状の駆動軸穴220cに沿って上部基板203の中心方向に変位させる。これにより、第1絞り部材204を、第1回転軸205を中心にして下部基板201の主面に沿って回転変位させることができる。
【0071】
また、第2駆動軸207を円弧状の駆動軸穴222cに沿って上部基板203の中心方向に変位させる。これにより、第2絞り部材210を、第2回転軸211を中心にして中間基板202の主面に沿って回転変位させることができる。
【0072】
次に、図12に基づいて、本実施例の駆動用アクチュエータ部分について説明する。円弧形状のイオン伝導高分子部材215は、円弧の基材となるイオン含有ポリマー215aと、円弧の中心側の第1面に設けられた第1電極215bと、円弧の中心側の第1面に対向する第2面に設けられた第2電極215cとの3層構造を有している。
【0073】
イオン伝導高分子部材215の両端には、それぞれリング状部材216及びリング状部材217が組み付けられている。模式的に図示したように、第1電極215bと第2電極215cとには、それぞれ極細のリード線229、230が接続されている。リード線229、230は、外部電圧源231に接続されている。
【0074】
外部電圧源231は、所定の電圧を出力する。所定の電圧により、第1電極215bと第2電極215cとの間に電位差が発生する。これにより、イオン含有ポリマー215aの陽イオンがカソード側に移動する。この結果、イオン含有ポリマー215aのカソード側が膨潤する。このため、円弧形状のイオン伝導高分子部材215の曲率が変化して、弦長が変化する。このように、外部電圧源231の出力電圧によってイオン伝導高分子部材215の弦長を所定範囲で変化させることができる。
【0075】
また、リング状部材216の貫通孔227の径は、第2駆動軸207の径よりも僅かに大きくなるように形成されている。同様に、リング状部材217の貫通孔228の径は、第1駆動軸213の径よりも僅かに大きくなるように形成されている。このため、リング状部材216は、第2駆動軸207に対して回転可能である。また、リング状部材217は、第1駆動軸213に対して回転可能である。
【0076】
この構成により、イオン伝導高分子部材215の弦長を変化させて、第1駆動軸213を円弧状の駆動軸穴220cに沿って変位させることができる。同様に、第2駆動軸207を円弧状の駆動軸穴222cに沿って変位させることができる。これにより、第1絞り部材204を第1回転軸205を中心に回転させることができる。同様に、第2絞り部材210を第2回転軸211を中心に回転させることができる。
【0077】
次に、図13〜図18を用いて本実施例の光学絞り装置200の動作について説明する。図13は、絞り込まれた状態の斜視構成を示している。図14は、絞り込まれた状態の上面構成を示している。図15は、中間状態の斜視構成を示している。図16は、中間状態の上面構成を示している。図17は、開放時の状態の斜視構成を示している。図18は、開放時の状態の上面構成を示している。
【0078】
図13〜図18において、絞り羽根の状態を見やすくするために中間基板202と上部基板203との図示を省略している。また、特に図示しないが、イオン伝導高分子部材215の第1電極215bと第2電極215cとには、それぞれ上述した極細のリード線が接続されている。リード線は、外部の電圧源に接続されている。
【0079】
図13、図14は、第1電極215bに負電圧、第2電極215cに正電圧をそれぞれ印加した状態を示している。イオン含有ポリマー215aの第2電極215cの側が膨潤してイオン伝導高分子部材215の弧長が小さくなる。このため、イオン伝導高分子部材215は、第1駆動軸213と第2駆動軸207との距離が小さくなるように変位する。この結果、第1絞り部材204の半円状切り欠き部と第2絞り部材210の半円状切り欠き部とによって開口径は規定される。
【0080】
図15、図16は、第1電極110bと第2電極110cとを等電位とした状態を示している。この状態では、図13、図14の状態よりもイオン伝導高分子部材110の弧長が大きくなる。このため、第1絞り部材204と第2絞り部材210とは、下部基板202の開口218aを部分的に覆う状態となる。
【0081】
さらに、図17、図18は、第1電極215bに正電圧、第2電極215cに負電圧をそれぞれ印加した場合である。イオン含有ポリマー215aの第1電極215bの側が膨潤してイオン伝導高分子部材215の弧長が大きくなる。このため、イオン伝導高分子部材215は、第1駆動軸213と第2駆動軸207との距離が大きくなるように変位する。この結果、第1絞り部材204と第2絞り部材210とは、下部基板201の開口218aの上部から退避して光学絞り装置200の開口は開口218aによって規定される。
【0082】
このように、本実施例においては、第1電極110bと第2電極110cとに印加する電圧の正負を逆にするのみで、絞り開口を、開口218の径と、第1絞り部材204と第2絞り部材210の半円状切り欠き部で構成される径とに切り替えることができる。
【0083】
また、アクチュエータは、図12に示したような非常に単純な構成である。このため、本実施例の光学絞り装置200は、慣性駆動式圧電アクチュエータや電磁式ロータリーソレノイドなどの回転型アクチュエータを用いる従来の方法と比較すると大幅な小型化が可能である。
【0084】
さらに、本実施例では、一対の第1絞り部材204と第2絞り部材210との2つの部材で絞り部材を構成している。これにより、より少ない回転角で第1絞り部材204と第2絞り部材210とを開口218の上部から退避させることができる。
【0085】
次に、本実施例の数値例を以下に掲げる。開口218で規定される開放時の開口は、0.62mmである。また、第1絞り部材204と第2絞り部材210の半円状切り欠き部で構成される絞り込み時の径は、0.32mmである。これらの数値は、実施例1と同じである。
【0086】
さらに、開口218の中心から第1回転軸205及び第2回転軸211までの距離は0.7mmである。この値は、実施例1においては0.9mmである。本実施例では、この距離は、実施例1に比較して短いにもかかわらず、開放時から絞り込み時までの絞り部材の回転角は30度である。このように本実施例の回転角は、実施例1の回転角46度よりも小さい。この結果、実施例1の基板外形が2.2mmであるのに対して、実施例2の絞り外形は1.7mmと、より小さい外径を有する光学絞り装置200を実現できる。
【実施例3】
【0087】
図19は、本発明の実施例3に係る光学絞り装置300の斜視構成を示している。実施例1と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。本実施例では、イオン伝導高分子部材310は、開口111に沿った形状、例えば、板状(直線状)のイオン含有ポリマーを中央部310a近傍で折り曲げた形状を有している。
【0088】
イオン伝導高分子部材310の両端部には、それぞれリング状部材108、109が設けられている。そして、実施例1、実施例2と同様の原理により、2点間の距離、即ちリング状部材108、109間の距離を変化させることができる。
【0089】
本実施例のアクチュエータは、非常に単純な構成である。そして、慣性駆動式圧電アクチュエータや電磁式ロータリーソレノイドなどの回転型アクチュエータを用いる従来の方法と比較すると大幅な小型化が可能である。
【0090】
(変形例)
図20は、本実施例の変形例に係る光学絞り装置400の斜視構成を示している。本変形例において、イオン伝導高分子部材410は、正6角形を半分に切り取った形状、例えば台形形状の一部の形状を有している。このような形状によっても、実施例1、実施例2と同様の原理により、2点間の距離、即ちリング状部材108、109間の距離を変化させることができる。
【0091】
このため、非常に単純な構成のアクチュエータにより、光学絞り装置400の大幅な小型化が可能である。
【0092】
なお、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形例をとることができる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
以上のように、本発明に係る光学絞り装置は、小型な光学絞り装置、特に細径の内視鏡に有用な光学絞り装置に適している。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の実施例1に係る光学絞り装置の斜視構成を示す図である。
【図2】実施例1の光学絞り装置を分解したときの斜視構成を示す図である。
【図3】実施例1の光学絞り装置を分解したときの断面構成を示す図である。
【図4】実施例1の上部基板の概略構成を示す図である。
【図5】実施例1の絞り部材の概略構成を示す図である。
【図6】実施例1のイオン伝導高分子部材の概略構成を示す図である。
【図7】実施例1のイオン伝導高分子部材近傍の詳細な構成を示す図である。
【図8】実施例1のイオン伝導高分子部材近傍の詳細な構成を示す他の図である。
【図9】実施例1のイオン伝導高分子部材近傍の詳細な構成を示すさらに他の図である。
【図10】本発明の実施例2に係る光学絞り装置の斜視構成を示す図である。
【図11】実施例2に係る光学絞り装置を分解したときの斜視構成を示す図である。
【図12】実施例2のイオン伝導高分子部材近傍の詳細な構成を示す図である。
【図13】実施例2において絞り込まれた状態の斜視構成を示す図である。
【図14】実施例2において絞り込まれた状態の上面構成を示す図である。
【図15】実施例2において中間状態の斜視構成を示す図である。
【図16】実施例2において中間状態の上面構成を示す図である。
【図17】実施例2において開放状態の斜視構成を示す図である。
【図18】実施例2において開放状態の上面構成を示す図である。
【図19】本発明の実施例3に係る光学絞り装置の斜視構成を示す図である。
【図20】実施例3の変形例に係る光学絞り装置の斜視構成を示す図である。
【図21】従来技術の光学絞り装置の概略構成を示す図である。
【図22】従来技術の光学絞り装置の概略構成を示す他の図である。
【符号の説明】
【0095】
100 光学絞り装置
101 上部基板
102 下部基板
103 スペーサ
104 絞り部材
105 回転軸
106 駆動軸
107 固定軸
108、109 リング状部材
110 イオン伝導高分子材料
110a イオン含有ポリマー
110b 第1電極
110c 第2電極
111、112 開口
113 回転軸穴
114 固定軸穴
115 駆動軸穴
116 貫通穴
118、119 リード線
120 外部電圧源
200 光学絞り装置
201 下部基板
202 中間基板
203 上部基板
204 第1絞り部材
205 第1回転軸
206 第2駆動軸用リング
207 第2駆動軸
208 第1スペーサ
209 スペーサ軸
210 第2絞り部材
211 第2回転軸
212 第1駆動軸用リング
213 第1駆動軸
214 第2スペーサ
215 イオン伝導高分子部材
215a イオン含有ポリマー
215b 第1電極
215c 第2電極
216 リング状部材
217 リング状部材
218 開口
219a、219b、219c 回転軸穴
220a、220b、220c 駆動軸穴
221a、221b、221c 回転軸穴
222a、222b、222c 駆動軸穴
223a、223b、223c 貫通穴
224 駆動軸穴
225 駆動軸穴
226、227、228 貫通穴
229、230 リード線
231 外部電圧源
300 光学絞り装置
310 イオン伝導高分子材料
310a 中央部
400 光学絞り装置
410 イオン伝導高分子材料
21 鏡筒
35絞り羽根
36 回転円板
37 移動体
38 圧電素子
39 圧電素子枠
40 溝
40a 絞り押え部材
41 枠部
41a ピン
42 駆動ピン
43 ピン
44 ガイド孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学開口を備えた絞り環と、
回転軸と駆動軸と遮蔽部とを備えた絞り部材と、
前記駆動軸に結合して前記絞り部材を前記回転軸を中心に回転させるアクチュエータと、
前記アクチュエータを制御する制御手段と、を有し、
前記アクチュエータは弾性部材によって構成され、かつ円弧形状を有し、
前記制御手段は、前記アクチュエータの弦長を変化させ、
前記アクチュエータの弦長の変化によって、前記アクチュエータが結合された前記駆動軸の前記回転軸に対する相対的な位置変化により前記遮蔽部が変位し、
前記絞り部材が前記回転軸を中心に回転することによって、前記光学開口の一部が前記遮蔽部によって遮蔽されることで前記光学開口の開口径が変化することを特徴とする光学絞り装置。
【請求項2】
前記円弧形状の前記アクチュエータの一端は前記駆動軸に結合され、
前記アクチュエータの他端は前記絞り環に対して固定された部材に結合されていることを特徴とする請求項1に記載の光学絞り装置。
【請求項3】
前記絞り部材は、2つの部材からなる一対の絞り部材が配置されて構成され、
前記円弧形状の前記アクチュエータの両端は、それぞれの前記絞り部材の前記駆動軸に結合されていることを特徴とする請求項1に記載の光学絞り装置。
【請求項4】
円弧形状の前記アクチュエータの端部は、前記絞り部材の前記駆動軸に対して回転可能な状態で結合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学絞り装置。
【請求項5】
円弧形状の前記アクチュエータの端部は、前記絞り環に対して固定された部材に回転可能な状態で結合していることを特徴とする請求項2に記載の光学絞り装置。
【請求項6】
円弧形状の前記アクチュエータは、イオンを含有した高分子材料で構成され、
円弧の中心側の第1面と、前記第1面に対向する第2面とに一対の電極が形成され、
前記制御手段によって前記電極間に電圧を印加して高分子材料内のイオンを移動させ、弦長を変化させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学絞り装置。
【請求項7】
光学開口を備えた絞り環と、
回転軸と駆動軸と遮蔽部とを備えた絞り部材と、
前記駆動軸に結合して前記絞り部材を前記回転軸を中心に回転させるアクチュエータと、
前記アクチュエータを制御する制御手段と、を有し、
前記アクチュエータは弾性部材によって構成され、かつ前記光学開口に沿った形状を有し、
前記制御手段は、前記アクチュエータの前記光学開口に沿った形状における所定の2点間の距離を変化させ、
前記アクチュエータの前記光学開口に沿った形状における所定の2点間の距離の変化によって前記アクチュエータが結合された前記駆動軸の前記回転軸に対する相対的な位置変化により前記遮蔽部が変位し、
前記絞り部材が前記回転軸を中心に回転することによって、前記光学開口の一部が前記遮蔽部によって遮蔽されることで前記光学開口の開口径が変化することを特徴とする光学絞り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2007−127699(P2007−127699A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−318307(P2005−318307)
【出願日】平成17年11月1日(2005.11.1)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】