説明

光学識別要素の位置および配向検出

光学識別要素1は、試行的に光ビームを適用された際に、応答としてスペックルパターンを生成する、PUF(物理的クローン作製不能機能)として使用され得る。この特性は、光学識別要素またはその光学識別要素がアタッチされた対象物の識別、情報担体の認証、またはトランスアクション・キーの生成のために利用され得る。所与の試行に対して得られる応答は、光学識別要素、光ビーム源、およびスペックルパターンの検出器の相対位置に極めて敏感であるので、所与の試行に対して同一の応答を高い信頼性で得るためには、この相対位置は、高い精度で調整されなくてはならない。この目的のため、入射ビームを個別のビーム6、7に分割するアラインメント領域3を有するような、光学識別要素が提案される。これら個別のビームは、検出器8上で、アラインメント信号10a、10b、10c、10dとして検出され、上記の相対位置の調整およびモニタリングのために使用され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学識別要素、同光学識別要素を含むデバイス、および光学識別要素を位置決めする方法ならびに装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
セキュリティ目的のための「PUF」(physically unclonable functions;物理的クローン作製不能機能)の使用は、たとえば米国特許第6584214号より知られている。スマートカード、チップまたは記憶媒体といったデバイスにPUFを組み込むことにより、そのデバイスの「クローン」を作製することが極めて困難となる。「クローン」とは、モデルまたはデバイスの物理的な複製であって、そのデバイスの入力−出力挙動を高い信頼性で予測することのできるものを意味する。物理的な複製の困難性は、PUFの作製が制御されていない処理であること、およびPUFが高度に複雑なものであることにより生じている。PUFの複雑性のため、精確なモデリングは極めて困難である。すなわち、入力をわずかに変えるだけで、広範に亘る出力が結果としてもたらされる。このPUFの独自性および複雑性のため、PUFは、識別、認証またはキー生成の目的によく適している。
【0003】
光学PUFは、たとえば、ガラス球体、気泡またはその他の任意の散乱粒子を含む、エポキシ片からなるものとされ得る。エポキシに代えて、他の透明材料が用いられてもよい。以下の全体の説明において、PUFは識別要素と呼ばれるものとする。PUFを介してレーザーを光らせることにより、入射波面の特性とPUFの内部構造とに応じたスペックルパターンが生成される。照射源のシフトもしくは傾斜、または焦点の変更により、入射すなわち照射ビームは変化させられ得る。入力をわずかに変えるだけで、出力すなわちスペックルパターンは、多大な影響を受け得る。
【0004】
PUFを含むスマートカード等が「リーダー」に挿入されると、そのIDを確かめようとする試行がなされ得る。このため、所与の入力に対して同一の出力を繰返し得るには、プローブ用レーザービームの入射角は、予め決められた1つの入射角に対しある精度の範囲内に設定されなくてはならない。また、リーダー内におけるPUFの厳密な位置についても、ある特定の精度が求められる。PUFの実際の位置および配向が、予め決められた値とよりよく合致していればいるほど、変化したスペックルパターンによりPUFが誤って識別される確率がより少なくなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の1つの目的は、挿入先の光学システムに対する光学識別要素の相対的な位置および配向を測定する手段を有する、光学識別要素を提供することである。本発明のさらなる目的は、かかる光学識別要素の位置決めを行う方法および装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、上記の1つ目の目的は、請求項1に規定する光学識別要素によって達成される。
【0007】
また本発明によれば、上記のさらなる目的は、請求項10に規定する装置および請求項13に規定する方法のそれぞれによって達成される。
【0008】
本発明は、光学識別要素に対して試行を行うのに用いられる照射を、光学識別要素の位置および/または配向の測定のためにも利用できるかもしれないという、洞察に基づいている。ある光学識別要素の領域が信号を提供し、その信号が、何らかの形でその光学識別要素により変化させられる信号である一方、その領域の位置および/または配向すなわちその光学識別要素の位置および/または配向を検出する可能性を、高い信頼性で与えるような信号である場合には、かかる信号を、光学識別要素の位置決めに利用することができる。そこで、本発明では、PUFの位置および/または配向の検出を可能とするようなアラインメント領域を含む、光学識別要素を提供することを提案する。この検出は、入射する照射に対する、アラインメント領域の応答信号を用いて行われる。
【0009】
ここで、「光学識別要素の位置決め」との用語は、単に識別要素自体の位置および/または配向の調整のみを包含するものではなく、光学システムの他の部分(たとえば、リーダーまたは検出器等)に対する、識別要素の相対的な位置および/または配向の調整も包含するものである点に留意されたい。これはまた、識別要素の位置および/または配向に代えて、検出器の位置および/または配向を調整する形態も包含する。照射ビーム源に関しても、同じことがいえる。さらに、「位置決め」は、光学識別要素を担持するまたは含むデバイス(たとえばクレジットカード)の、位置および/または配向の調整も包含する。
【0010】
1つの実施形態では、照射ビームは、コヒーレント光のビームとされる。レーザーの照射により、干渉の発生を利用して、より複雑なスペックルパターンが生成される。ここで、「光」との用語は、可視光のみを意味するものではなく、赤外光や紫外光といった、スペクトルの近隣部分も含むものである点に留意されたい。
【0011】
本発明に係る光学識別要素の別の実施形態では、上記のアラインメント領域は、互いに対して角度を付けられた少なくとも3つの表面であって、上記の照射ビームに曝される表面を有する構造を含むものとされる。そのようなアラインメント領域が、単一の照射ビームにより照射されると、少なくとも3つの別個のビームすなわち分離ビームを生成し、それらのビームは、光学識別要素の位置および/または配向を検出するのに用いられる。
【0012】
光学識別要素の1つの好ましい実施形態では、上記のアラインメント領域は、保護手段により、物理的な変化に対して機械的に保護される。たとえば、機械的な摩耗は、アラインメント領域を変化させ、誤って解釈されるような信号を発生させるアラインメント領域としてしまうかもしれない。そのような保護は、スペックルパターンを発生させる光学識別要素自体の一部により提供されてもよい。アラインメント領域が光学識別要素のかかる一部の中に配されている場合には、アラインメント領域は、そのアラインメント領域を取り囲む光学識別要素の一部によって保護されるため、追加のカバー層は必要なくなる。光学識別要素が、スマートカード等のデバイスにアタッチされているか、かかるデバイスに一体化されている場合には、アラインメント領域は、デバイスまたは識別要素自体により物理的な変化に対して保護された状態で、識別要素とデバイスとの間の境界面上にあってもよい。
【0013】
光学識別要素のさらなる実施形態では、上記のアラインメント領域は、実質的にピラミッドの形状を有するものとされる。照射ビームが、ピラミッドの基底面に対して垂直にピラミッドの先端に指向させられると、側面が、4つのビームを生成する。これら4つのビームは、同数の信号を得るべく検出器上で検出でき、それらの信号から、位置および/または配向に関する情報を容易に導出することが可能となる。
【0014】
光学識別要素の別の実施形態では、上記のピラミッドは、フレネル状またはブレーズ化回折格子状のピラミッドとされる。光学的な目的上、この構造は、幾何学的な意味で完全なるピラミッド形状を有していなくてもよい。たとえば、フレネル状のピラミッドは、「通常の」ピラミッドと同一の信号を生成するが、「通常の」ピラミッドと比較すると実質的に平坦な形状である。ここで重要な点は、位置および/または配向に関する情報を抽出するのに利用可能な複数の信号が生成されるという点であり、アラインメント領域の実際の形状の重要性はより低い。
【0015】
有利な形態では、本発明に係る光学識別要素は、識別、認証および/またはキー生成の目的のために、デバイス内に埋め込まれるか、デバイスに固定的に付属させられ得る。かかるデバイスは、
− コピー防止されたコンテンツ用の記憶媒体、
− たとえばスマートカード、クレジットカードまたはIDカードといった、偽造防止の方策を必要とする記憶媒体、
− 唯一のものとして識別される必要のあるマイクロプロセッサその他のIC、
− ATM機のような端末
であってもよい。
【0016】
応用形態によれば、上記の光学識別要素は、デバイスを唯一のものとして識別するための固有識別要素であってもよいし、同じ光学識別要素の一群のうちの1つであってもよい。
【0017】
本発明に係る光学識別要素を位置決めする装置の1つの実施形態では、検出手段は、アラインメント信号を検出するために設けられた複数の検出領域、特に、各アラインメント信号に対し少なくとも1つずつの検出領域を含むものとされる。
【0018】
光学識別要素を位置決めする装置のさらなる実施形態では、上記の検出手段の各検出領域は、それぞれアラインメント信号の少なくとも1つの一部を検出するための、複数の検出サブ領域を含むものとされる。前述の実施形態の装置、特にこの実施形態の装置は、上記のアラインメント信号の検出、およびそれによる識別要素の位置決めに、よく適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明をより詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明に従う、光学識別要素1と、その識別要素1の位置決めを行う装置2との配置を示した断面図である。識別要素1とその識別要素1を包含するデバイス11との境界面である、識別要素1の底面には、ピラミッド状構造のアラインメント領域3が設けられている。この識別要素1が、たとえば情報担体11にアタッチまたは組み込まれている場合には、このアラインメント領域3は、識別要素1と上記の情報担体11とにより保護される。ビーム源12により発せられた光ビーム4は、ミラー5により、アラインメント領域3に指向させられる。このビームは、識別要素1に入射し、一部のみが散乱される。散乱されなかったビーム4の成分は、アラインメント領域3により反射され、4つのサブビームに分割される。図では、これらサブビームのうちの2つが、参照番号6および7で図示されている。これらの反射ビーム6、7の一部は、識別要素1内を伝播させられ、検出器8により検出される。この検出器8は、識別要素1を識別するスペックルパターンを検出するのにも用いられ得る。
【0021】
上記のビーム6、7により検出器8上に生成されるスポットに対応した、検出信号すなわちアラインメント信号は、処理手段13(たとえばマイクロプロセッサを含む手段)により、識別要素1の位置および/または配向に関する情報を導出するために用いられる。位置決め手段14は、この位置および/または配向に関する情報を利用して、たとえば圧電アクチュエータを用いることにより、識別要素1の位置および/または配向を調整する。
【0022】
図2は、識別要素1により生成される4つのサブブーム6、7(うち2つは図1には図示せず)からの信号を図示した、図1の配置の上面図である。この図は、検出器8上の像9に対応する。この像9は、スペックルパターン(図示せず)と、ピラミッド状構造のアラインメント領域3に由来する4つの明スポット10a、10b、10c、10dとを含む。明スポット10cはサブビーム6の像であり、明スポット10aはサブビーム7の像である。これら4つの明スポット10a−10dのサイズまたは位置は、識別要素1のシフトまたは回転により変化する。検出器8内すなわち像9内において、各々すべてのスポット10a−10dの周りに、4分割検出領域a、b、c、dを規定することが可能である。それにより、スポット10a−10dを、検出器の信号から抽出することができる。検出器領域の信号a1からd4、たとえば特定の検出器領域a、b、c、dに捉えられる光学パワーの総量に対応する信号から、以下の式を用いて、位置および/または配向に関する情報を導出することができる。
【数1】

【0023】
当然ながら、各式において、使用された検出器領域の合計を用いた除算を行うことにより、これらの信号を規格化してもよい。
【0024】
図3aから3dは、光学識別要素の異なる位置または配向を表す、種々の信号を示している。図3aでは、右側のスポットのサイズが大きくさせられ、左側のスポットのサイズが小さくさせられている。この状態は、x方向への横方向シフトに対応する(図2参照)。識別要素1が検出器8からz方向に離れすぎている場合には(図1参照)、そのことは、図3bに示したようなスポット間距離の増大を結果としてもたらす。光学識別要素1がx軸またはy軸周りに傾斜させられている場合には、対向する2つのスポットのみが、その傾きを示す対応方向にシフトさせられる。たとえば、図2のx軸周りの傾斜は、図3cに示すようなスポットのシフトをもたらす。z軸周りの傾斜は、図3dに示すような回転させられたスポット位置を、結果としてもたらす。
【0025】
上記で述べた実施形態は、本発明を説明するのに適したものとして選ばれたものである。本発明は、この実施形態、または添付の図面に示された詳細に限定されるものではない点に留意されたい。
【0026】
図1に示したピラミッドは、z方向に延設されていてもよいし、逆方向に延設されていてもよい(つまり、凸状でも凹状でもよい)。この構造は識別要素1の内部に配されていてもよいので、必ずしも識別要素1の表面上に位置している必要はない。アラインメント領域3は、異なる形状の領域であってもよく、たとえば四面体形状であってもよいし、四面ではなく五面以上の面を持つ「ピラミッド」形状であってもよい。アラインメント領域3は、対称的な形状を有していなくてもよいが、対称な信号からの方が、情報を導出しやすいかもしれない。重要な特徴は異なる複数の信号の生成であるので、「本来の」ピラミッド形状である必要はなく、フレネル形状であってもよいし、格子を含んでいてもよいし、他の任意の適切な形状を有していてもよい。アラインメント領域3は、識別要素1の異なる部分内または異なる部分上に配された、複数の異なる部分をさらに含んでいてもよい。
【0027】
図1に示した照射ビーム4および信号6、7の光路も、図示したのと異なるものであってもよい。照射4は、識別要素1に直接照射されてもよいし、1つのミラー5より多くのミラーにより方向転換させられてもよい。アラインメント信号6、7、10a、10b、10c、10dの方向転換を行うミラー5が設けられてもよい。照射4は、任意の方向から識別要素1に適用され得る。
【0028】
検出領域の数は、サブビームすなわちアラインメント信号の数に対応することが好ましいが、検出領域の明確な個数を規定することは必須ではない。また、検出領域をサブ領域に分割することも、必須ではない。
【0029】
本発明はまた、上記で説明したような、光が通過したときにスペックルパターンを生成するタイプの光学識別要素に限定されるものではない。たとえば、他の適切な構成として、識別情報を含むレリーフ構造を表面上に有する光学識別要素1を含む構成があり得る。この場合、アラインメント領域3も、同じ表面上に配され得る。
【0030】
本発明は、たとえばスマートカードのための、光学識別要素に改善を加えるものである。本発明は、読出装置に対する識別要素の相対的な位置および/または配向の調整を、事実上いかなる精度ででも行うことができるような識別要素を提供する。たとえば、所望であれば、識別要素の位置を10μmの範囲内で調整し、識別要素の配向を0.1mradの範囲内で調整することも可能である。さらに、本発明は、光学識別要素用の読出システム内に組込可能な、クローン作製不能な光学識別要素の位置決め方法および装置も提供するものである。
【0031】
以上、光学システム内における光学識別要素の相対位置を調整する装置に言及して、本発明を説明してきたが、他の応用例も可能であることは明らかである。たとえば、単に相対位置のモニタリングおよび確認を行う応用例も可能である。したがって、本発明の範囲は、上記で説明した実施形態に限定されるものではない。
【0032】
さらに、本明細書および特許請求の範囲内で使用される「含む」および「備える」との語は、記述した特徴、整数、工程または要素の存在を指定するものと捉えられるべきものであり、他の1つまたは複数の特徴、整数、工程、要素またはそれらの組合せの存在または追加を排除するものではない点に留意されたい。また、特許請求の範囲内において、ある要素に先行する「1つの」との語は、そのような要素が複数存在することを排除するものではない点にも留意されたい。加えて、いずれの参照符号も、各請求項の技術的範囲を限定するものではない。また、本発明は、ハードウェアおよびソフトウェアのいずれの手段によっても実装可能であり、いくつかの「手段」は、同一のハードウェア項目により担われていてもよい。さらに、本発明は、新規な特徴およびそれら特徴の組合せの、各々すべてに内在するものである。
【0033】
本発明は、以下のように要約することができる。光学識別要素1は、試行的に光ビームを適用された際に、応答としてスペックルパターンを生成する、PUF(物理的クローン作製不能機能)として使用され得る。この特性は、光学識別要素またはその光学識別要素がアタッチされた対象物の識別、情報担体の認証、またはトランスアクション・キーの生成のために利用され得る。所与の試行に対して得られる応答は、光学識別要素、光ビーム源、およびスペックルパターンの検出器の相対位置に極めて敏感であるので、所与の試行に対して同一の応答を高い信頼性で得るためには、この相対位置は、高い精度で調整されなくてはならない。この目的のため、入射ビームを個別のビーム6、7に分割するアラインメント領域3を有するような、光学識別要素が提案される。これら個別のビームは、検出器8上で、アラインメント信号10a、10b、10c、10dとして検出され、上記の相対位置の調整およびモニタリングのために使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に従う、光学識別要素と、その識別要素の位置決めを行う装置との配置を示した断面図
【図2】識別要素により生成される信号を図示した、図1の配置の上面図
【図3a】光学識別要素の1つの位置および配向を表す信号を示した図
【図3b】光学識別要素の別の1つの位置および配向を表す別の信号を示した図
【図3c】光学識別要素の別の1つの位置および配向を表す別の信号を示した図
【図3d】光学識別要素の別の1つの位置および配向を表す別の信号を示した図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射する照射ビームに応答して少なくとも3つの別個のビームを生成することのできる、予め決められた空間構造の少なくとも1つのアラインメント領域を含む光学識別要素であって、
前記別個のビームの配向が、光学システム内の参照位置および/または配向に対する、当該光学識別要素の相対的な位置および/または配向を示すことを特徴とする光学識別要素。
【請求項2】
前記照射ビームが、コヒーレント光のビームであることを特徴とする請求項1記載の光学識別要素。
【請求項3】
前記アラインメント領域が、互いに対して角度を付けられた少なくとも3つの表面であって、前記照射ビームに曝される表面を有する構造を含むことを特徴とする請求項1記載の光学識別要素。
【請求項4】
前記アラインメント領域が、保護手段により、物理的な変化に対して機械的に保護されていることを特徴とする請求項1記載の光学識別要素。
【請求項5】
前記アラインメント領域が、実質的にピラミッドの形状を有していることを特徴とする請求項1記載の光学識別要素。
【請求項6】
前記ピラミッドが、フレネル状またはブレーズ化回折格子状のピラミッドであることを特徴とする請求項5記載の光学識別要素。
【請求項7】
請求項1記載の光学識別要素を含むことを特徴とするデバイス。
【請求項8】
前記光学識別要素が、当該デバイスを唯一のものとして識別するものであることを特徴とする請求項7記載のデバイス。
【請求項9】
スマートカード、クレジットカード、IDカードまたはデータ担体であることを特徴とする請求項7記載のデバイス。
【請求項10】
入射する照射ビームに応答して少なくとも3つの別個のビームを生成することのできる、予め決められた空間構造の少なくとも1つのアラインメント領域を含む光学識別要素を、位置決めする装置であって、
前記別個のビームの配向が、当該装置内の参照位置および/または配向に対する、前記光学識別要素の相対的な位置および/または配向を示し、
当該装置が、
− 前記照射ビームを前記アラインメント領域に適用するための照射源と、
− 当該検出手段に入射した前記別個のビームが発生させるアラインメント信号を、検出する検出手段と、
− 前記アラインメント信号から、位置および/または配向に関する情報を導出する処理手段と、
− 当該装置内の前記参照位置および/または配向に対する、前記光学識別要素の前記位置および/または配向を調整する位置決め手段とを含むことを特徴とする装置。
【請求項11】
前記検出手段が、前記アラインメント信号を検出することのできる複数の検出領域、特に、各アラインメント信号に対し少なくとも1つずつの検出領域を含んでいることを特徴とする請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記検出手段の前記検出領域の各々が、それぞれ前記アラインメント信号の少なくとも1つの一部を検出するための、複数の検出サブ領域を含んでいることを特徴とする請求項11記載の装置。
【請求項13】
入射する照射ビームに応答して少なくとも3つの別個のビームを生成することのできる、予め決められた空間構造の少なくとも1つのアラインメント領域を含む光学識別要素を、位置決めする方法であって、
前記別個のビームの配向が、光学システム内の参照位置および/または配向に対する、前記光学識別要素の相対的な位置および/または配向を示し、
当該方法が、
− 前記照射ビームを前記アラインメント領域に適用する工程と、
− 検出手段に入射した前記別個のビームが発生させるアラインメント信号を、検出する工程と、
− 前記アラインメント信号から、位置および/または配向に関する情報を導出する工程と、
− 前記位置および/または配向に関する情報を用いて、前記参照位置および/または配向に対する、前記光学識別要素の前記位置および/または配向を調整する工程とを含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【公表番号】特表2008−511037(P2008−511037A)
【公表日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−529066(P2007−529066)
【出願日】平成17年8月15日(2005.8.15)
【国際出願番号】PCT/IB2005/052685
【国際公開番号】WO2006/021911
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】