説明

光導波路、光伝送モジュールおよび電子機器

【課題】生産効率の高い光導波路を提供する。
【解決手段】本発明の光導波路10は、コア2へ光を入射させるための端面4aと、コア2から光を出射させるための端面4bとを備え、第1側面7a・第2側面7bは角度変化を有しており、互いに並進対称である。これにより、上記光導波路と同一形状が隣接する切断パターンにて光導波路材料を切断し、複数の光導波路10を効率良く得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光導波路、光伝送モジュールおよび電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機のLCD(Liquid Crystal Display)の高精細化に伴い、LCDとアプリケーションプロセッサとの間においてデータ伝送速度の高速化が要求されている。また、携帯電話機の薄型化および搭載機能の増加が進むにつれ、配線および接続部(コネクタ)の低背化および省スペース化が要求されている。このような背景から、大容量のデータ伝送を光配線で実現することが検討されており、光信号を用いて回路基板間のデータ伝送を行う光導波路の開発が進められている。
【0003】
一例として、特許文献1には、ヒンジに巻かれて使用されるフィルム状の光導波路が挙げられる。上記光導波路は、α角およびβ角の2箇所で折れ曲がっており、ヒンジ部に巻かれて使用される際に、光損失が大きくならない光導波路フィルムを提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−259009号公報(2006年9月28日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の光導波路フィルムには、生産効率が低いという問題点がある。
【0006】
すなわち、特許文献1では、折れ曲がった光導波路フィルム中に3つのコアパターンが含まれているが、この光導波路フィルムは、ポリイミド層等を積層することにより作製され、個々で作製される。すなわち、特許文献1では光導波路を大量生産することは考慮されていない。
【0007】
したがって、特許文献1の技術を用いて、複数の光導波路を効率良く製造することは困難であり、光導波路を製造する際のタクトタイムが長くなる為、生産効率が低い。
【0008】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、高い生産効率にて製造可能な光導波路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の光導波路は、上記課題を解決するために、
クラッドと、
上記クラッドに包囲され、かつ、上記クラッドよりも屈折率の高いコアとを有する光導波路において、
コアへ光を入射させるための入射端面と、コアから光を出射させるための出射端面とを備え、
当該光導波路の2つの側面は角度変化を有するように形成されており、
上記2つの側面は互いに並進対称である、または、上記側面の一部を除いた側面部分同士は互いに並進対称であることを特徴としている。
【0010】
上記の発明によれば、上記2つの側面、または、上記側面の一部を除いた側面部分同士は互いに並進対称であるため、光導波路の製造過程において、大型の光導波路材料から光導波路を切り出す際、上記光導波路と略同一形状が隣接する切断パターンにて光導波路材料を切断し、複数の光導波路を得ることができる。このため、高い生産効率にて光導波路を提供することができる。
【0011】
また、本発明の光導波路では、上記2つの側面は少なくとも2箇所以上において角度変化を有することが好ましい。
【0012】
当該形状であることにより、入射端面および出射端面の位置を設定する際の自由度を高めることができる。
【0013】
また、本発明の光導波路では、上記入射端面と上記側面とがなす角度のうち鋭角、および、上記出射端面と上記側面とがなす角度のうち鋭角が0°を超えて、90°未満であることが好ましい。
【0014】
上記のように、90°未満の角度を設けることにより、光導波路のバリエーションを増加させることができ、特に、2つの側面が少なくとも2箇所以上において角度変化を有する場合、クラッドが一定の幅であれば、クラッドの中間領域(入射端面および出射端面を含まない領域)の幅を広く設定することができる。このため、クラッドの角度変化を有する領域の強度を高いものとできる。
【0015】
また、本発明の光導波路では、角度変化を有する箇所の角度のうち内角が、0°を超えて、90°以下であることが好ましい。
【0016】
ヒンジを備える電子機器では、ヒンジを介して配置された2つの部材間でデータ伝送がなされる。本発明の光導波路では、上記角度設定がなされていることにより、光導波路を1箇所で大きく角度を有する形状(内角が90°以下)または、クランク型とすることができ、ヒンジを備えた電子機器に好適な光導波路を提供することができる。
【0017】
また、本発明の光導波路では、上記内角が、85°以上、90°以下であることが好ましい。
【0018】
上記角度設定により、角度変化を有する箇所の形状をより直角に近づけることができ、電子機器にさらに好適な光導波路を提供できる。
【0019】
また、本発明の光導波路では、
上記入射端面におけるコアと出射端面におけるコアとを含む面内において、
入射端面および出射端面のうち少なくとも一方の端面から垂直方向に0.1mm離間した位置におけるコア幅の中心点と、上記一方の端面におけるコア幅の中心点とを結ぶ直線と;
上記少なくとも一方の端面とがなす角度のうち一方が75°以上、105°以下であることが好ましい。
【0020】
上記角度のうち一方が上記の範囲であることにより、端面から光が入射する際、クラッドの上面に対して垂直な面に対する光の角度を垂直または垂直に近い角度とすることができ、好適に光を入射させることができる。その結果、光の損失をより生じ難くし、結合効率を高めることが可能である。
【0021】
また、本発明の光導波路では、上記コアは曲線形状を含むことが好ましい。
【0022】
これにより、一方の端面から入射した光が、他方の端面から出射するまで、コアにおいて光の損失を生じ難く、光学結合損失を小さくすることができる。
【0023】
また、本発明の光導波路では、
上記クラッドにおける入射端面を含む領域での2つの側面の中線、および、上記クラッドにおける出射端面を含む領域での2つの側面の中線のうち少なくとも一方を少なくとも1回通過するように、上記コアが形成されていることが好ましい。
【0024】
これにより、少なくとも入射端面または出射端面を含む領域で、上記クラッド幅の中心を通ってコアが形成されることとなり、コアは広い範囲にて形成されることとなる。その結果、曲線形状のコアの最大曲率を小さく設定することが可能となる。
【0025】
また、本発明の光導波路では、上記コアの曲線形状の最大曲率が0.25mm−1以下であることが好ましい。
【0026】
これにより、コアが緩やかな形状を有することとなり、コアにおいて伝送される光の損失をより生じ難くし、光学結合損失を小さくすることができる。
【0027】
また、本発明の光導波路では、
上記クラッドにおける、上記入射端面を含む領域の幅が、上記入射端面を含む領域に対して角度変化を有する領域の幅よりも大きく、
上記クラッドにおける、上記出射端面を含む領域の幅が、上記出射端面を含む領域に対して角度変化を有する領域の幅よりも大きいことが好ましい。
【0028】
これにより、入射端面または出射端面を含む領域に対して角度変化を有する中間領域において、曲率が小さくなるようにコアを形成することができ、コアにおいて伝送される光の損失をより生じ難くし、光学結合損失を小さくすることができる。
【0029】
また、本発明の光導波路では、
上記入射端面および出射端面を含む面において、
上記コアの一部が、上記2つの側面の中線に沿って直線形状に形成されていることが好ましい。
【0030】
上記構成によれば、直線形状以外のコア部分はそのままの形状にて、直線形状の長さを調整することにより、光導波路の形状変更を容易に行えるというメリットがある。
【0031】
また、本発明の光導波路では、
上記クラッドにおける、上記入射端面を含む領域に対して角度変化を有する領域、および、上記出射端面を含む領域に対して角度変化を有する領域の少なくとも一方において、上記コアが変曲点を有することが好ましい。
【0032】
当該形状によれば、コアを、変曲点を中心として緩やかな形状とすることができ、コアにおける光の損失をより生じ難くできる。
【0033】
また、本発明の光導波路では、
上記側面の一部を除いた側面部分同士が互いに並進対称であり、
上記側面の一部は、凹形状または凸形状であることが好ましい。
【0034】
このような光導波路によれば、光導波路を光伝送モジュール等に組み込む際に、凹形状または凸形状を目印として使用でき、組立ての精度を向上させることができる。
【0035】
また、本発明の光導波路では、入射端面および出射端面に、光をコアへ入射させるまたはコアから光を射出させる反射面が形成されていることが好ましい。
【0036】
これにより、光導波路に垂直な方向から光を入射させることが可能となり、薄型化された光伝送モジュールの部品として好適に使用可能な光導波路を提供することができる。
【0037】
また、本発明の光導波路では、上記クラッドに電気配線が積層されていることが好ましい。
【0038】
これにより、電気配線とクラッドとが密接した状態で光導波路を構成することができる。また、電気信号によるデータ伝送が可能であることにより、電気によりデータ伝送方式を採用していた電子機器等に搭載容易な光導波路を提供することが可能である。
【0039】
また、本発明の光伝送モジュールは、上記光導波路と、上記入射端面に光を入射して情報を送信する光送信部と、上記出射端面から出射される光を受光して情報を受信する光受信部とを備えるものである。
【0040】
また、本発明の電子機器は、上記光伝送モジュールを備えるものである。
【0041】
また、本発明の電子機器は、情報入力部、情報表示部およびヒンジを備え、上記情報入力部および情報表示部がヒンジに沿って回動可能な折り畳み式構造であり、上記クラッドにおける上記入射端面を含む領域に対して角度変化を有する領域が、ヒンジ上に配置されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0042】
本発明の光導波路は、以上のように、
コアへ光を入射させるための入射端面と、コアから光を出射させるための出射端面とを備え、
当該光導波路の2つの側面は角度変化を有するように形成されており、
上記2つの側面は互いに並進対称である、または、上記側面の一部を除いた側面部分同士は互いに並進対称であるものである。
【0043】
このように2つの側面が互いに並進対称である、または、上記側面の一部を除いた側面部分同士は互いに並進対称であるため、光導波路の製造過程において、大型の光導波路材料から光導波路を切り出す際、上記光導波路と略同一形状が隣接する切断パターンにて光導波路材料を切断し、複数の光導波路を得ることができる。このため、生産効率の高い光導波路を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本実施の形態に係る光導波路に係る図であり、(a)は光導波路を示す側面図、(b)は光導波路の変形例を示す側面図、(c)は光導波路を示す平面図、(d)は光導波路を形成する前の光導波路材料を示す平面図である。
【図2】本発明に係る光導波路の変形例を示す平面図である。
【図3】本実施の形態に係る光導波路を示す図であり、(a)は光導波路を示す斜視図、(b)は光導波路の変形例を示す斜視図、(c)は光導波路を示す平面図、(d)は光導波路を形成する前の光導波路材料を示す平面図である。
【図4】本実施の形態に係る光導波路を示す図であり、(a)は光導波路を示す平面図、(b)は光導波路を形成する前の光導波路材料を示す平面図である。
【図5】本実施の形態に係る光導波路を示す図であり、(a)は光導波路を示す平面図、(b)は光導波路を形成する前の光導波路材料を示す平面図である。
【図6】本実施の形態に係る光導波路を示す図であり、(a)・(b)は光導波路を示す平面図、(c)は光導波路を形成する前の光導波路材料を示す平面図である。
【図7】本実施の形態に係る光導波路を示す図であり、(a)・(b)は光導波路を示す平面図、(c)は光導波路を形成する前の光導波路材料を示す平面図である。
【図8】本実施の形態に係る光導波路を示す図であり、(a)・(b)は光導波路を示す平面図、(c)は光導波路を形成する前の光導波路材料を示す平面図である。
【図9】本発明に係る光導波路の変形例を示す平面図である。
【図10】(a)は、ヒンジを備えた携帯電話機器を示す平面図であり、(b)・(c)は、ヒンジに沿って光導波路が配置された状態を示す平面図である。
【図11】本実施の形態に係る光導波路を示す図であり、(a)は光導波路を示す平面図、(b)は光導波路を示す斜視図、(c)は光導波路を示す側面図である。
【図12】本実施の形態に係る光導波路において、角度A3を変更した場合の結合効率を測定した結果を示すグラフである。
【図13】本実施の形態に係る光導波路を示す平面図である。
【図14】本実施の形態の変形例に係る光導波路をクラッドの表面に向かって示す平面図である。
【図15】(a)は、本実施の形態に係る光伝送モジュールを示すブロック図であり、(b)は、データラインの詳細構造を示すブロック図である。
【図16】本実施の形態に係る光導波路と、CPU側基板および発光素子を示す側面図である。
【図17】本発明に係る光導波路を示す平面図である。
【図18】(a)〜(c)は、本実施の形態に係る携帯電話機器を示す平面図である。
【図19】(a)は、本実施の形態に係る携帯電話機器を示す平面図であり、(b)・(c)は、上記携帯電話機器の製造過程を示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
<光導波路>
本発明の一実施形態について図1に基づいて説明すれば、以下の通りである。まず、本発明に係る光導波路について説明する。図1(a)は、光導波路10を示す側面図であり、光導波路10は、クラッド1およびコア2を含んでいる。これを換言すると、コア2はクラッド1に包囲されているといえる。
【0046】
光導波路10は端面(入射端面)4aおよび端面(出射端面)4bを有しており、端面4a・4bではコア2が露出しているが、端面4a・4bにおけるコア2は、所定のコーティング剤によって覆われていてもよい。なお、同一部材を繰り返し示す場合、後者の部材名を省略する。すなわち、「端面4a・4b」は、「端面4aおよび端面4b」と同義である。他の部材についても同様である。
【0047】
クラッド1およびコア2は、透光性を有する材料によって構成されていると共に、コア2の屈折率は、クラッド1の屈折率よりも高い。これにより、端面4aまたは4bにおいてコア2に入射した光は、コア2の内部で全反射を繰り返すことによって光伝送方向に伝送される。
【0048】
クラッド1およびコア2を構成する材料としては、ガラスまたはプラスチックなどを用いることが可能である。しかしながら、十分な可撓性を有する光導波路10を構成するためには、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系、またはシリコーン系等の樹脂材料を使用することが好ましい。具体的な樹脂としては、ポリイミドフィルムなどが挙げられる。
【0049】
クラッド1の長さは特に限定されるものではなく、光導波路10が組み込まれる製品の設計に依存する。すなわち、光を入射または出射させる距離に依存して、端面4a・4bの位置が変更され、クラッド1の長さが決定される。コア2の長さも同様に決定される。
【0050】
クラッド1の幅は大きいほどクラッド1の強度が向上するが、クラッド1の幅が大きくなると光導波路10を小型化することが困難となる。クラッド1の強度は材料の種類に依存するため、一義的に規定することは困難である。しかしながら、光導波路10を小型化すると共に、最低限の強度を備える観点から、クラッド1の幅は、0.3mm以上、5.0mm以下であることが好ましく、0.5mm以上、3.0mm以下であることがさらに好ましい。
【0051】
コア2を介して光が伝送されるため、コア2は細長い形状となっている。コア2の断面形状は特に限定されるものではなく、例えば、正方形、長方形、円形、楕円形などの形状とすることができる。
【0052】
図1(b)に光導波路10の変形例である光導波路10aを示す。図1(b)は光導波路10aを示す側面図である。光導波路10aでは、光導波路10と異なり、基板3にクラッド1が設けられており、コア2はクラッド1に包囲されている。
【0053】
基板3は電気配線を備えており、基板3とクラッド1とが積層されている。これにより、電気によるデータ伝送を併用した光導波路を提供することが可能となる。そして、基板3が積層されていることにより、電気配線とクラッド1とが密接した状態で光導波路10を構成することができる。また、電気信号によるデータ伝送が可能であることにより、電気によりデータ伝送方式を採用していた電子機器に搭載容易な光導波路を提供することが可能である。基板3を構成する材料としては、公知の基板材料を用いることが可能であり、例えば、ガラスエポキシ、ポリイミドなどを挙げることができる。
【0054】
図1(c)は、図1(a)のA−A’面においてクラッド1の方向に向かって光導波路10を示す平面図である。A−A’面は、クラッド1の表面(上面)と一致している。ここで、クラッド1の表面(上面)とは、コア2を通過する光の光伝送方向に水平なクラッド1の面をいう。図1(c)に示すように、クラッド1は、第1領域5a、第2領域5bおよび中間領域6に分類される。第1領域5aは端面4aを含んでおり、第2領域5bは端面4bを含んでいる。また、第1領域5aと第2領域5bとの間には中間領域6が位置している。
【0055】
ここで、クラッド1の表面(上面)に向かって観察されるクラッド1の形状において、端面4aの2つの端点を端点P1・P2とし、端面4bの2つの端点を端点P3・P4とする。また、クラッド1の表面に向かって観察されるクラッド1の形状において、第1領域5aと中間領域6との境界に位置する2つの点を第1中間点Q1・Q2とし、第2領域5bと中間領域6との境界に位置する2つの点を第2中間点Q3・Q4とする。
【0056】
さらに、コア2に沿った方向において、第1領域5aの一方の端点である端点P1と、第2領域5bの一方の端点P3とが繋がれた形状を第1側面(側面)7aとする。第1側面7aは、端点P1、第1中間点Q1、第2中間点Q3および端点P3を通る形状である。一方、コア2に沿った方向において、第1領域5aの他方の端点である端点P2と、第2領域5bの他方の端点P4とが繋がれた形状を第2側面(側面)7bとする。第2側面7bは、端点P2、第1中間点Q2、第2中間点Q4および端点P4を通る形状である。
【0057】
なお、上記第1中間点Q1・Q2、第2中間点Q3・Q4は、第1側面7a・第2側面7bにおける角度変化が生じている点であり、第1側面7a・第2側面7bが直線で構成されている場合、頂点であり、図4(a)のように、第1側面7a・第2側面7bが曲線形状で構成されている場合、当該曲線形状において曲率が最も大きな点である。また、第1側面7aを第2側面7bへ並進させると、第1中間点Q1は第1中間点Q2と一致し、第2中間点Q3は第2中間点Q4と一致する。
【0058】
第1側面7aは、(1)端点P1から第1中間点Q1までの直線形状、(2)第1中間点Q1から第2中間点Q3までの直線形状、および、(3)第2中間点Q3から端点P3までの直線形状を有している。上記(1)〜(3)の形状は、それぞれ直線形状でなく、曲線形状であってもよい。特に、第1中間点Q1から第2中間点Q3までにおける第1側面7aの中間領域6における形状は、曲率を有することが好ましい。これにより、第1中間点Q1および第2中間点Q3における第1側面7aの形状を滑らかなものとでき、第1中間点Q1および第2中間点Q3の箇所から裂け目などが生じ難くなる。第2側面7bの形状についても、第1側面7aと同様である。
【0059】
第1側面7aは、(1)第1領域5aから中間領域6へ角度変化を有すると共に、第2領域5bから中間領域6へ角度変化を有しており、かつ、(2)第1側面7aおよび第2側面7bは互いに並進対称である。
【0060】
ここで角度変化を有するとは、直線でなければよいとの意味である。また、角度変化には、2つの線分が角度変化を有する状態(折れ曲がった状態)に限らず、2つの線分の交点付近が緩やかに湾曲した状態(折れ曲がり部分にR(カーブ半径)が含まれる状態)も含まれる。
【0061】
例えば、「第1中間点Q1を通る線分が第1中間点Q1において角度変化を有する」とは、「第1領域5aから中間領域6へ角度変化を有すると共に、第2領域5bから中間領域6へ角度変化を有する」といえる。(i)端点P1と第1中間点Q1とを結ぶ線分と、(ii)第1中間点Q1と第2中間点Q3とを結ぶ線分とは角度を有して接しており、角度変化を有している。すなわち、第1側面7aは、第1領域5aから中間領域6へ角度変化を有している。
【0062】
また、第1中間点Q1と第2中間点Q3とを結ぶ線分と、第2中間点Q3と端点P3とを結ぶ線分とは角度を有して接しており、角度変化を有している。すなわち、第1側面7aは、中間領域6から第2領域5bへ角度変化を有している。
【0063】
なお、第1側面7aと同様に第2側面7bは、第1領域5aから中間領域6へ角度変化を有し、中間領域6から第2領域5bへ角度変化を有している。すなわち、第1側面7aおよび第2側面7bは直線形状となることはない。第1側面7aおよび第2側面7bが上記のように角度変化を有することによって、第1領域5aから中間領域6、第2領域5bにかけて自由度の高い形状を選択することができる。
【0064】
さらに、第1側面7aおよび第2側面7bは互いに並進対称である。「並進対称」であるとは、第1側面7aおよび第2側面7bの一方を所定の直線方向に沿って回転させずに移動させる(並進させる)と、他方の形状と一致、または実質的に一致することを意味する。すなわち、並進対称は、回転対称でもなく、鏡像対称(面対称)でもない。
【0065】
上記「実質的に一致する」とは、一方の側面が他方の側面に完全に一致する必要はないことを意味し、一方の側面の一部に対して、他方の側面の一部が傾きを有していてもよい(角度変化を有していてもよい)。また、第1側面7aおよび第2側面7bの一部を除いた側面部分が、互いに並進対称であってもよい。これらの変形例については、図4〜図8を用いて後述する。
【0066】
光導波路10と同一の形状11が互いに隣接する状態を図1(d)に示す。図1(d)は、クラッド1の表面に向かって光導波路材料12を示す平面図である。光導波路10は、光導波路材料12を形状11のように切断することによって形成される。
【0067】
光導波路材料12から切り出される形状11は、上述のように光導波路10と同一形状である。光導波路10では、第1側面7aおよび第2側面7bが互いに並進対称であり、第1領域5aが端面4aを、第2領域5bが端面4bを含む。これにより、光導波路10と同一形状である形状11同士が、側面となる箇所に相当する線分を介して互いに隣接することができる。また、形状11同士は端面となる箇所に相当する線分を介して互いに隣接することもできる。図1(d)では、好ましい形態として、側面となる位置に相当する線分および端面となる位置に相当する線分を介して、形状11同士が隣接している。
【0068】
形状11同士は好ましい形態として、端面となる箇所が揃った配置となっている。複数の光導波路10が形状11の配置に基づき切り出されることによって、大型の光導波路材料12から光導波路10を切り出す際、同一形状の光導波路10を効率良く切り出すことができる。この切り出し方法によれば、ある光導波路の第1側面と、隣接する光導波路の第2側面となる部分が隣接する。また、各光導波路の第1領域に含まれる端面となる箇所は同一平面を形成し、各光導波路の第2領域に含まれる端面となる部分も同一平面を形成する。
【0069】
これにより、端面同士が隣接し、側面同士も隣接するようにNつの光導波路を切り出す際には、端面に関して(N−1)回のカット、側面に関して(N−1)回のカットの非常に少ないカットにて効率良く光導波路10の切り出しが可能である。すなわち、生産効率の高い光導波路を提供することができる。また、複数の光導波路を切り出す際、光導波路間には光導波路材料12が残らず、光導波路材料12を効率良く使用できるという効果もある。
【0070】
なお、特許文献1には、本発明のような光導波路材料のカット方法は開示されていない。光導波路材料のカットに関して、例えば、金型によって光導波路を打ち抜くように切り出してもよく、刃物によって光導波路材料をスライスして光導波路を切り出してもよい。
【0071】
好ましい形態として、光導波路10は、端面4aと端面4bとを含む面内において2箇所に角度を有している。当該形状であることにより、端面4a・4bの位置を設定する際の自由度を高めることができる。なお、本発明に係る光導波路は、光導波路の2つの側面が角度変化を有するように形成されており、上記2つの側面は互いに並進対称であればよく、角度変化を有する箇所数は1箇所であってもよい。このような光導波路の変形例を図2に示す。図2は、本発明に係る光導波路10bを示す平面図である。
【0072】
図2に示すように、光導波路10bは1箇所が折れ曲がっており、第1側面7aおよび第2側面7bが角度変化を有しており、互いに並進対称となっている点は、光導波路10と同様である。光導波路10bの第1側面7aおよび第2側面7bが並進対称であるため、図1(d)と同様の切り出し方法を用いて、生産効率の高い光導波路を提供することができる。
【0073】
本発明のさらなる実施形態について、図3〜図18に基づき説明すれば以下の通りである。なお、説明の便宜上、図1、2で用いた部材と同一の機能を有する部材には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。
【0074】
光導波路20は、実施の形態1に係る光導波路10と同様に同一または略同一形状の光導波路20を生産効率良く作製することができるものであるが、さらに、コアの配置およびその他の好ましい形態に着目してなされた発明である。
【0075】
すなわち、近年、折り畳み式の携帯電話機器が広く使用されているが、携帯電話機器の小型化に伴い、特許文献1に記載のようなヒンジに巻き付ける方式の光導波路ではコアの曲率が大きくなり、光結合損失が大きくなってしまう。そこで、発明者らは、光結合損失を抑制可能な光導波路を提供することを目的として、光導波路20を創作した。なお、光導波路20は、好ましい形態として様々な特徴点を含むものである。以下、本実施の形態に係る光導波路20について説明する。
【0076】
図3(a)は、光導波路20を示す側面図であり、図3(b)は、光導波路20の変形例である光導波路20aを示す側面図である。光導波路20aは、光導波路20と異なり、基板3を有している。図3(c)は、光導波路20のクラッド1の表面に向かって表した平面図である。図3(a)では、光導波路10と異なり、好ましい形態として端面4a・4bに反射面8a・8bが形成されている。反射面8a・8bは、光をコア2へ入射させるまたはコア2から光を出射させるものであり、反射層と換言できる。反射面8a・8bによって、入射光または出射を反射させて光の入射または出射を好適に行うことができる。反射面8a・8bによる光の入射または出射については電子機器に関する説明にて後述する。
【0077】
図3(c)に示すように、本実施の形態に係る光導波路20では、クラッド1の表面に向かって観察されるクラッド1の形状において、第1領域5aは、2つの端点P1・P2と、2つの第1中間点Q1・Q2とがそれぞれ繋がれた形状を有している。また、第2領域5bは、2つの端点P3・P4と、2つの第2中間点Q3・Q4とがそれぞれ繋がれた形状を有し、中間領域6は、第1中間点Q1・Q2と第2中間点Q3・Q4とがそれぞれ繋がれた形状を有している。光導波路20では、第1中間点Q1・Q2でクラッド1の角度が変化しており、第2中間点Q3・Q4でもクラッド1の角度が変化しており、角度変化を有する箇所は2箇所となっている。なお、角度変化を有する箇所は2箇所以上であってもよく、そのような例については後述する(図9)。
【0078】
また、2つの端点P1・P2間の中点P5と、2つの第1中間点Q1・Q2間の中点Q5とを結ぶ直線と、2つの第1中間点Q1・Q2を結ぶ直線とがなす角度のうち鋭角A1が0°を超えて、90°未満である。鋭角A1、鋭角A1aおよび鋭角A1bは同じ角度であるため、鋭角A1について換言すると、端面4aと第1側面7aとがなす角度のうち鋭角A1a、および、端面4bと第2側面7bとがなす角度のうち鋭角A1bが0°を超えて、90°未満であるということができる。上記の角度設定、すなわち90°未満の角度を設けることにより、第1領域5aおよび第2領域5bに対して、中間領域6を傾斜させることができる。これにより、中間領域6の幅をより広げることができ、図10を用いて後述するように、中間領域6の強度を高いものとできる。
【0079】
さらに、光導波路20では、2つの端点P1・P2間の中点P5と、2つの第1中間点Q1・Q2間の中点Q5とを結ぶ直線と;2つの第1中間点Q1・Q2間の中点Q5と、2つの第2中間点Q3・Q4間の中点Q6とを結ぶ直線とがなす角度が角度A2となっている。上記角度A2は、コアが角度変化を有する箇所の角度のうち内角である。
【0080】
この角度A2は、0°を超えて、90°以下であることが好ましく、85°以上、90°以下であることがさらに好ましい。光導波路20では、角度A2は90°と、特に好ましい値となっている。鋭角A1の角度設定に加えて、上記のように角度A2を角度設定することにより、光導波路をクランク型(角度変化が90°以下)とすることができ、ヒンジを備えた電子機器に好適な光導波路を提供することができる。
【0081】
なお、光導波路20は好ましい形態として、端面4aと端面4bとを含む面内において、クラッド1の2箇所に角度変化を有している。当該構成であるため、光導波路20の形状を形成し易く、製造効率に優れている。
【0082】
なお、光導波路20と同一の形状11aが互いに隣接する状態を図3(d)に示す。図3(d)は、クラッドの表面に向かって光導波路材料12を示す平面図である。光導波路10と同様に、光導波路20と同一形状の形状11aは互いに隣接でき、光導波路材料12から、端面に関してN−1のカット、側面に関してN−1のカットにて、非常に少ないカットにて効率良く光導波路10の切り出しが可能である。
【0083】
ここで、第1領域5aは、第1領域5aにおける2つの端点P1・P2と、2つの第1中間点Q1・Q2とが直線で繋がれた形状を有している。また、第2領域5bは、第2領域5bにおける2つの端点P3・P4と、2つの第2中間点Q3・Q4とが直線で繋がれた形状を有している。光導波路20が上記直線形状を有することにより、光導波路20の製造工程において、光導波路材料12から光導波路30を切り出す形状が簡素化され、切り出し工程が容易となる。上記「光導波路20が上記直線形状を有する」状態は、「第1側面7aおよび第2側面7bが、少なくとも一部に平面形状を有している」状態であるということができる。
【0084】
図4(a)は、図3(a)の光導波路20の変形例である光導波路20bを示す平面図である。第1側面7aは、第1中間点Q1および第2中間点Q3において曲率を有しており、第2側面7bは、第1中間点Q2および第2中間点Q4において曲率を有している。換言すると、第1側面7aおよび第2側面7bは、直線同士が曲線を介して繋がった形状を有している。光導波路20bと同一の形状11bが互いに隣接する状態を図4(b)に示す。図4(b)に示すように、光導波路材料12を形状11bのようにカットすることによって、光導波路20を効率良く製造することが可能である。
【0085】
図5(a)は、図4(a)の光導波路20bのさらなる変形例である光導波路20cを示す平面図である。光導波路20の第1側面7aは、第1中間点Q1および第2中間点Q3において曲線形状を有していないが、第2側面7bは、第1中間点Q2および第2中間点Q4において曲線形状を有している。このため、第1側面7aおよび第2側面7bは、4つの中間点の部分(直角部分および曲線部分)を除いた部分同士が互いに並進対称となっている。
【0086】
このように、側面の一部が並進対称でない場合であっても、側面の一部を除いた側面部分同士が互いに並進対称であれば、図5(b)に示すように光導波路材料12を、形状11cおよび形状11cと曲線部分の箇所が異なる形状にカットすることによって、光導波路を効率良く製造することができる。すなわち、第1中間点Q1・第2中間点Q3または第1中間点Q2・第2中間点Q4が曲線形状となった光導波路を効率良く製造することが可能である。なお、曲線形状の形成は、任意に変更可能である。
【0087】
図6(a)は、図3(a)の光導波路20のさらなる変形例である光導波路20dを示す平面図である。光導波路20dでは、第1側面7a・第2側面7bの一部に凹部(凹形状)7cが形成されている。このため、第1側面7aおよび第2側面7bは、凹部7cおよび凹部7cに対応する直線形状を除いた部分同士が互いに並進対称となっている。
【0088】
一方、図6(b)は、光導波路20dとは異なり、第1側面7aおよび第2側面7bに凹部7cではなく、凸部(凸形状)7dが形成されている。このため、第1側面7aおよび第2側面7bは、凸部7dおよび凸部7dに対応する直線形状を除いた部分同士が互いに並進対称となっている。このような光導波路によれば、光導波路を光伝送モジュール等に組み込む際に、凹部7cまたは凸部7dを目印として使用でき、組立ての精度を向上させることができる。
【0089】
図6(c)に示すように光導波路材料12をカットすることにより、凹部7cまたは凸部7dを有する光導波路を効率良く製造することが可能である。なお、カットの形状を変更し、凹部7cおよび凸部7dの両方が形成された光導波路を形成することも可能である。
【0090】
図7(a)は、図3(a)の光導波路20のさらなる変形例である光導波路20fを示す平面図である。光導波路20fでは、第2側面7bの一部は、第1側面7aの一部に対して傾きを有している。すなわち、光導波路20と比較して、第2側面7bは、第1中間点Q2から端点P2にかけて外側に角度A4傾いており、第2中間点Q4から端点P4にかけて内側に角度A4傾いている。
【0091】
このため、第1側面7aを第2側面7bに並進させると、(1)第1中間点Q1と第2中間点Q3とを結ぶ直線と、(2)第1中間点Q2と第2中間点Q4とを結ぶ直線とは一致し、上記傾きのある箇所については、角度A4のずれが生じる。
【0092】
このように傾きがある場合、第1側面7aと第2側面7bの形状は完全に一致しないものの、光導波路を効率良く製造できることに変わりはなく、このような場合も第1側面7aおよび第2側面7bが互いに並進対称であるといえる。
【0093】
角度A4の範囲について、例えば、光導波路の幅と長さ(第1中間点Q1〜端点P1)との比を1:5以上に設定する場合、角度A4を10°より大きくとると実質的に端面の幅を確保できなくなるため、10°以下に設定することが望ましい。このため、傾き角である角度A4の好ましい範囲は、0°を超えて、10°以下である。
【0094】
図8(a)は、図7(a)の光導波路20fのさらなる変形例である光導波路20gを示す平面図である。第1側面7aは、第1中間点Q1から端点P1にかけて外側に角度A6傾いており、第2中間点Q3から端点P3にかけて外側に角度A6傾いている。さらに、第2側面7bは、第1中間点Q2から端点P2にかけて外側に角度A5傾いており、第2中間点Q4から端点P4にかけて外側に角度A5傾いている。
【0095】
このため、第2側面7bを第1側面7aに並進させると、(1)第1中間点Q1と第2中間点Q3とを結ぶ直線と、(2)第1中間点Q2と第2中間点Q4とを結ぶ直線とは一致し、上記傾きのある箇所については、角度A5+角度A6のずれが生じる。
【0096】
一方、図8(c)の光導波路材料12から、光導波路20gと共に、図8(b)に示す光導波路20g’がカットされるが、角度A5+A6の範囲について、例えば、光導波路の幅と長さ(第1中間点Q1〜端点P1)との比を1:5以上に設定する場合、角度A5+A6を10°より大きくとると実質的に端面の幅を確保できなくなることにより、光導波路20g’の端面4a・4bの幅が狭くなり過ぎ、光導波路の設計が困難となる。したがって、傾き角である角度A5+角度A6は、0°以上、10°以下であることが好ましい。
【0097】
クラッドの変形例として、図9に光導波路20hを示す。光導波路20hは、入射端面と出射端面とを含む面内において、4箇所に角度変化を有するクラッド1’を有している。光導波路20hでは、第1側面7a・第2側面7bが互いに並進対称であり、図1(d)と同様の切り出し方法を用いて、生産効率の高い光導波路を提供することができる点は光導波路20と同様である。
【0098】
図10を用いて光導波路10と比較した場合の光導波路20の優位点を説明する。図10(a)は、ヒンジ103を備えた携帯電話機器100を示す平面図である。携帯電話機器100は、情報表示部101および情報入力部102を備えている。また、情報入力部102には、各種のボタンが配置されている。一方、情報表示部101には、ディスプレイが備えられており、ヒンジ103に沿って配置された中間領域の光導波路を介して、情報入力部102からの情報が情報表示部101に表示される構成となっている。
【0099】
図10(b)・(c)は、ヒンジ103に沿って光導波路が配置された状態を示す平面図である。図10(b)に示すように、光導波路10のクラッドの表面(上面)に向かって観察される中間領域が、ヒンジ103の領域内に配置されている。すなわち、クラッドにおける入射端面を含む領域(第1領域)に対して角度変化を有する領域(中間領域)が、ヒンジ上に配置されている。光導波路10では、第1領域が長方形であり、中間領域が狭くなっている。図10(b)に示すように、端面と、小型のヒンジとが水平となる光導波路10の場合(中間領域が平行四辺形の場合)、中間領域6の幅が狭いため、中間領域6の強度を大きくすることができない。
【0100】
一方、図10(c)に示す光導波路20の場合、図3(c)のように、光導波路20は鋭角A1・角度A2を有するため、ヒンジ103に沿って広い中間領域を配置することができる。このように中間領域を広く設計できるため、中間領域の強度を高いものとでき、ヒンジを備える携帯電話機器100に好適な光導波路20を提供することができる。
【0101】
なお、光導波路20は、ヒンジを備える携帯電話機器はもちろん、他のヒンジを備える、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、ノートパソコン、電子辞書、ゲーム機器などの電子機器に広く用いることができる。なお、ヒンジを備えない電気機器に用いることももちろん可能である。
【0102】
次に、コア2についてより詳細に説明する。図3(c)のように光導波路20では、コア2は曲線形状を含んでいる。すなわち、コア2は少なくとも一部が曲線形状である。これにより、一方の端面から入射した光が、他方の端面から出射するまで、コア2において光の損失を生じ難く、光学結合損失を小さくすることができる。
【0103】
図11(a)は、図3(c)の反射面8a周辺の光導波路20を示す平面図である。また、図11(b)は光導波路20を示す斜視図である。本発明に係る光導波路では、クラッドの表面(上面)に水平な面におけるコアの形状において、第1領域の端面および第2領域の端面のうち少なくとも一方の端面から垂直方向に0.1mm離間したコア幅の中心点C1と、上記一方の端面におけるコア幅の中心点C2とを結ぶ直線と;一方の端面における2つの端点P1・P2を通過し、かつ、クラッド1の表面に対して垂直な面Sとがなす角度のうち一方が75°以上、105°以下であることが好ましい。なお、上記「クラッドの表面(上面)に水平な面におけるコアの形状において」とは、「入射端面におけるコア2と出射端面におけるコア2とを含む面内」と換言することができる。
【0104】
ここで、コア2の角度を定める基準に関して、「0.1mm」離間したコア幅を採用しているが、この「0.1mm」は一応の基準として用いたものであり、少なくとも上記基準に基づきコア2を設計することによって、好ましい光導波路を作製できる。
【0105】
具体的には、図11(a)・(b)に示すように、光導波路20では中心点C1と中心点C2とを結ぶ直線と;面Sとがなす角度A3は90°となっており、光導波路20は非常に好ましい形態となっている。
【0106】
角度A3が上記の範囲であることにより、端面から光が入射する際、面Sに対する光の角度を垂直または垂直に近い角度とすることができ、好適に光を入射させることができる。その結果、光の損失をより生じ難くし、結合効率を高めることが可能である。ここで、コア幅の中心点とは、コアの断面が正方形または長方形の場合は、2つの対角線の交点であり、コアの断面が円または楕円の場合は円または楕円の中心である。また、コア幅の中心点は、コアの断面における中心点と換言できる。なお、図11(c)は図11(a)・(b)の光導波路20に対応する側面図である。
【0107】
図12は、角度A3を変更した場合の結合効率を測定した結果を示すグラフである。図12に示すように、光が入射する角度A3が75°または105°の場合に、結合効率が約48%となっており、実用的に好ましい値が示されている。その後、角度A3を90°に近づけるにつれて結合効率が増加し、90°では最も好ましい値として100%の値が示されている。
【0108】
さらに、本発明に係る光導波路では、上記クラッドにおける入射端面を含む領域での2つの側面の中線、および、上記クラッドにおける出射端面を含む領域での2つの側面の中線のうち少なくとも一方を少なくとも1回通過するように、上記コアが形成されていることが好ましい。
【0109】
これを図3(c)で説明すると、上記2つの側面の中線とは、中点P5・Q5・Q6・P6を結ぶ直線である。すなわち、クラッド1の表面(上面)に向かって観察されるコア2が、(1)一方の端面における2つの端点の中点と、上記2つの第1中間点の中点とを結ぶ直線、および、(2)上記他方の端面における2つの端点の中点と、上記2つの第2中間点の中点とを結ぶ直線の少なくとも一方を少なくとも1回通過するように形成されていると換言できる。
【0110】
図3(c)に示すように、光導波路20では、コア2が(1)中点P5と中点Q5とを結ぶ直線を通過しており、(2)中点P6と中点Q6とを結ぶ直線を通過するように形成されている。これにより、コア2はより広い範囲にて形成されることとなり、コア2の曲線形状の最大曲率を小さく設定することが可能となる。なお、上述したように、角度A3は75°以上、105°以下であるため、コア2は第1領域5aおよび第2領域5bにおいてS字の形状を有している。
【0111】
コア2の曲線形状の最大曲率は0.25mm−1以下であることが好ましい。これにより、コア2が緩やかな形状を有することとなり、コア2において伝送される光の損失をより生じ難くし、光学結合損失を小さくすることができる。
【0112】
コア2の形状に関連して、クラッド1の幅について説明する。本発明では、コア2の曲率が小さいほどコア2における光の損失をより生じ難くできるため、コア2の曲率が小さくなるようコア2を形成することが好ましい。このため、上記クラッドにおける上記入射端面を含む領域の幅が、上記入射端面を含む領域に対して角度変化を有する領域の幅よりも大きく、上記クラッドにおける上記出射端面を含む領域の幅が、上記出射端面を含む領域に対して角度変化を有する領域の幅よりも大きいことが好ましい。図3(c)の光導波路20に基づき説明すると、第1領域5aの幅が中間領域6の幅よりも大きく、第2領域5bの幅が中間領域6の幅よりも大きいことが好ましい。
【0113】
ここで、第1領域5aの幅とは、中点P5と中点Q5とを結ぶ直線に対して垂直な方向における第1領域5aの距離を言い、第2領域5bの幅とは中点P6と中点Q6とを結ぶ直線に対して垂直な方向における第2領域5bの距離を言う。
【0114】
図13は、第1領域5aおよび第2領域5bの幅が、中間領域6の幅よりも小さい光導波路と、第1領域5aおよび第2領域5bの幅を広げた状態の光導波路とを示す平面図である。図13に示すように、コア2aよりもコア2bの曲率が小さいことが分かる。このように、第1領域5aおよび第2領域5bの幅を中間領域6の幅よりも広く形成することによって、コアの曲率を小さくし、コアにおける光の損失をより生じ難くできる。
【0115】
好ましい形態として、本発明に係る光導波路は、上記クラッドにおける、上記入射端面を含む領域に対して角度変化を有する領域、および、上記出射端面を含む領域に対して角度変化を有する領域の少なくとも一方において、上記コアが変曲点を有することが好ましい。
【0116】
図3(c)の光導波路20では、角度変化を有する箇所が2つであるため、上記入射端面を含む領域に対して角度変化を有する領域、および、上記出射端面を含む領域に対して角度変化を有する領域は、共に中間領域6となっており、中間領域6におけるコア2が、変曲点Q7を有している。
【0117】
当該形状によれば、コア2を、変曲点Q7を中心として緩やかな形状とすることができ、コア2における光の損失をより生じ難くできる。
【0118】
一方、中間領域6におけるコア2の一部は、上記第1側面7a・第2側面7bの中線に沿って、直線形状に形成されていてもよい。このようなコア2を形成するには、第1側面7a・第2側面7bの中線と一致する位置、または中線に対して平行な位置に変曲点Q7が配置される設計とし、変曲点Q7に配置されるクラッド1およびコア2を中線の方向に沿って伸ばすように構成することにより、直線形状を有する光導波路を容易に実現できる。このようにして、コア2の変曲点Q7の接線が、第1側面7a・第2側面7bの中線と一致するまたは中線と並行している光導波路を提供できる。
【0119】
上記光導波路の例を図14に示す。図14は、光導波路20の変形例である光導波路30をクラッド1の表面に向かって示す平面図である。光導波路30では中間領域6におけるコア2が、2つの第1中間点Q1・Q2間の中点Q5と、2つの第2中間点Q3・Q4間の中点Q6とを結ぶ直線の少なくとも一部に沿って、2つの第1中間点Q1・Q2間の中点Q5と、2つの第2中間点Q3・Q4間の中点Q6との間の中点Q8を通過するように形成されている。
【0120】
すなわち、光導波路30では、コア2が中点Q8を通る直線形状2Cを有している。当該構成によれば、直線形状2C以外のコア部分はそのままの形状にて、直線形状2Cの長さを調整することにより、光導波路30の形状変更を容易に行えるというメリットがある。
【0121】
<光伝送モジュール>
本発明に係る光導波路は、光伝送モジュールの部品として機能する。また、上記光モジュールは各種の電子機器に搭載される。まず、図15を用いて光伝送モジュールについて説明する。図15は、一例として、光導波路を備える光伝送モジュール200を示すブロック図である。
【0122】
図15(a)に示すように、光伝送モジュール200は、CPU(central processing unit)側基板210、データライン220およびLCD(central processing unit)側基板230を備えている。光伝送モジュール200では、データが、CPU211から光送信モジュール221に送信され、光送信モジュール221から光導波路222のコアを通じ、光受信モジュール223からLCD231へと送信される。LCD231は、カメラなどに変更してもよい。
【0123】
図15(b)にデータライン220の詳細構造を示す。光送信モジュール221は、送信ICである、I/F回路224およびドライバ225を備えており、ドライバ225は、光導波路222に光を入射させる発光素子(光送信部)226に接続されている。一方、光受信モジュール223は、光導波路222から出射される光を受光する受光素子(光受信部)232が受信ICである、アンプ228およびI/F回路229に接続されている。I/F回路229はさらにLCD231に接続されている。
【0124】
I/F回路224は、外部から高速のデータ信号を受信するための回路である。このI/F回路224は、光伝送モジュール200内に入力される電気信号の電気配線とドライバ225との間に設けられている。I/F回路224はIC(Integrated Circuit)で構成されていてもよい。
【0125】
ドライバ225は、I/F回路224を介して外部から光伝送モジュール200内に入力された電気信号に基づいて発光素子226の発光を制御する発光駆動部である。このドライバ225は、例えば、発光駆動用のICによって構成することができる。
【0126】
発光素子226は、ドライバ225による制御に基づいて発光するものである。この発光素子226は、例えば、VCSEL(Vertical Cavity-Surface Emitting Laser)などの発光素子によって構成することができる。この発光素子226から発せられた光は、光信号として光導波路222の端面(入射端面)に照射される。
【0127】
このように、光送信モジュール221は、当該光送信モジュール221に入力される電気信号を、該電気信号に応じた光信号に変換して、光導波路222に出力する。
【0128】
次に、受光素子227は、光導波路222のうち他方の端面(出射端面)から出射された光信号としての光を受光し、光電変換によって電気信号を出力するものである。この受光部31は、例えばPD(Photo-Diode)などの受光素子によって構成することができる。また、図示しないが、受光素子227には検出回路が備えられており、受光素子227が光信号を受信したか否かを判断する。検出回路はICにより構成されていてもよい。
【0129】
アンプ228は、受光素子227から出力された電気信号を所望の値に増幅して外部に出力するものである。アンプ228は、例えば増幅用のICによって構成することができる。
【0130】
I/F回路229は、アンプ228により増幅された電気信号を光伝送モジュール200の外部へ出力するための回路である。I/F回路229は、外部へ電気信号を伝送する電気配線と接続されており、アンプ228とこの電気配線との間に設けられる。I/F回路229はICにより構成されていてもよい。
【0131】
このように、光受信モジュール223は、光導波路222を通じて光送信モジュール221から出力される光信号を受信して、該光信号に応じた電気信号に変換した後、所望の信号値に増幅して外部に出力することができる。
【0132】
図16に、本発明に係る光導波路222に対して、発光素子226から光を出射する際の両部材の配置について説明する。図16は、端面に反射面8aが形成された光導波路222と、CPU側基板210および発光素子226とを示す側面図である。
【0133】
図16に示すように、本発明に係る光導波路222は反射面8aを備えるため、発光素子226から出射された光は、コア2に好適に入射することとなる。このため、CPU側基板210を光導波路222とを平行に配置することができ、光伝送モジュールに光導波路222を低背実装することが可能となる。
【0134】
近年、電子機器は小型化および薄型化が要求されているため、光導波路を低背実装することには大きな意義がある。一方、反射面8が存在せず、光導波路222の端面が90°の場合、コア2に垂直な方向から光を入射させる必要が生じる。反射面8が形成されていない光導波路を図17に示す。図17は、本発明に係る光導波路20dを示す平面図である。反射面8が存在しない場合、発光素子226から出射された光は端面4aにて進行方向が変更されることなく、コア2に入射する。また、端面4bから出射された光も進行方向が変更されることなく、受光素子227に出射される。このため、光送信モジュール221を端面4aに対して平行に配置し、光受信モジュール223を端面4bに対して平行に配置することとなる。その結果、光送信モジュール221および光受信モジュール223を光導波路10に低背実装することができない。
【0135】
<電子機器>
本発明に係る電子機器は、本発明に係る光伝送モジュールを備えるものであり、電子機器としては、携帯電話機器、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、ノートパソコン、電子辞書、ゲーム機器などを挙げることができる。また、電子機器の構造は特に限定されるものではない。図18および図19に電子機器の一例として、本発明に係る光伝送モジュールを備える携帯電話機器を示す。
【0136】
図18(a)〜(c)は、本発明に係る光伝送モジュール200を備える携帯電話機器(電子機器)300を示す平面図である。携帯電話機器300は、情報表示部101、情報入力部102およびヒンジ103を備えており、折り畳み式構造である。すなわち、図18(a)に示すように、折り畳まれた状態から、ヒンジ103に沿って情報表示部101および情報入力部102が回動可能である。回動可能であるとは、ヒンジの軸方向に沿って正負何れの方向にも回転可能であることを意味する。
【0137】
携帯電話機器300は、光導波路20と同一形状の光導波路222を備える光伝送モジュールを備えており、クラッドの表面に向かって観察される中間領域が、ヒンジ103の領域内に配置されている。これにより、ヒンジ103に沿った中間領域のクラッドの強度を大きくすることができ、光導波路222の断裂が生じ難い。その結果、携帯電話機器300は、故障頻度が非常に低い構造となっている。
【0138】
他の携帯電話機器の例を図19に示す。図19は携帯電話機器310を示しており、19(a)は携帯電話機器310を示す平面図であり、図19(b)・(c)は携帯電話機器310の製造過程を示す工程図である。図19(a)に示す携帯電話機器310は、バー構造(バータイプ)であり、ストレート構造(ストレートタイプ)とも称される。この構造の携帯電話機器は、折り畳み式構造の携帯電話機器とは異なり、折り畳まれる箇所を有しない。このバー構造には、携帯電話機器300のようにヒンジが存在しないが、バー構造の携帯電話機器に対しても本願発明に係る光伝送モジュール(光導波路)を好適に使用可能である。
【0139】
図19(b)は、情報表示部(LCD)101の下方に光伝送モジュールが接続された状態を示している。なお、情報表示部101は、フレーム104によって囲われている。通常、情報表示部101のドライバは、図19(b)のように情報表示部101の下方の中心、または情報の中心に設置されることが一般的である。図19(c)は図19(b)に示す情報表示部101等を情報表示部101の反対面から示す平面図である。
【0140】
本発明に係る光伝送モジュールでは光導波路222が2箇所の角度変化を有しており、図19(b)、(c)において、光導波路222を情報表示部101の横方向に沿って折り曲げ、光送信モジュール221を情報表示部101の裏面へ移動させる。次に、光導波路222の上にCPUが備えられた処理基板105を配置し、光導波路222が情報表示部101と処理基板105とに挟まれた構造となる。さらに、処理基板105の端部から伸びた光導波路222は処理基板105の端部にて折り曲げられ、処理基板105の表面に配置される。そして、光送信モジュール221が処理基板105に接続される。
【0141】
このように、本発明に係る光伝送モジュールは、角度変化を有する光導波路222を備えているため、光導波路222を好適に折り曲げることによって、携帯電話機器310に好適に設置できる。図19では本発明に係る光伝送モジュールを備えた携帯電話機器を例に説明したが、これに限定されず、上記光伝送モジュールをタブレット型の電子機器に備えることも可能である。
【0142】
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0143】
本発明に係る光導波路は、生産効率が高いため、光導波路を使用する電子機器分野において利用可能である。
【符号の説明】
【0144】
1 クラッド
2・2a・2b コア
2C 直線形状
3 基板
4a 端面(入射端面)
4b 端面(出射端面)
5a 第1領域
5b 第2領域
6 中間領域
7a 第1側面(側面)
7b 第2側面(側面)
7c 凹部(凹形状)
7d 凸部(凸形状)
8a・8b 反射面
10・10a・20・20a〜20h・30・222 光導波路
100・300・310 携帯電話機器
101 情報表示部
102 情報入力部
103 ヒンジ
200 光伝送モジュール
226 発光素子(光送信部)
232 受光素子(光受信部)
300 携帯電話機器
A1 鋭角
A2・A3・A3・A4・A5・A6 角度
C1・C2 中心点
P1〜P4 端点
P5・P6 中点
Q1・Q2 第1中間点
Q3・Q4 第2中間点
Q5・Q6 中点
Q7 変曲点
Q8 中点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラッドと、
上記クラッドに包囲され、かつ、上記クラッドよりも屈折率の高いコアとを有する光導波路において、
コアへ光を入射させるための入射端面と、コアから光を出射させるための出射端面とを備え、
当該光導波路の2つの側面は角度変化を有するように形成されており、
上記2つの側面は互いに並進対称である、または、上記側面の一部を除いた側面部分同士は互いに並進対称であることを特徴とする光導波路。
【請求項2】
上記2つの側面は少なくとも2箇所以上において角度変化を有することを特徴とする請求項1に記載の光導波路。
【請求項3】
上記入射端面と上記側面とがなす角度のうち鋭角、および、
上記出射端面と上記側面とがなす角度のうち鋭角が0°を超えて、90°未満であることを特徴とする請求項1または2に記載の光導波路。
【請求項4】
角度変化を有する箇所の角度のうち内角が、0°を超えて、90°以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の光導波路。
【請求項5】
上記内角が、85°以上、90°以下であることを特徴とする請求項4に記載の光導波路。
【請求項6】
上記入射端面におけるコアと出射端面におけるコアとを含む面内において、
上記入射端面および出射端面のうち少なくとも一方の端面から垂直方向に0.1mm離間した位置におけるコア幅の中心点と、上記一方の端面におけるコア幅の中心点とを結ぶ直線と;
上記少なくとも一方の端面とがなす角度のうち一方が75°以上、105°以下であることを特徴とする請求項1に記載の光導波路。
【請求項7】
上記コアは曲線形状を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の光導波路。
【請求項8】
上記クラッドにおける入射端面を含む領域での2つの側面の中線、および、上記クラッドにおける出射端面を含む領域での2つの側面の中線のうち少なくとも一方を少なくとも1回通過するように、上記コアが形成されていることを特徴とする請求項7に記載の光導波路。
【請求項9】
上記コアの曲線形状の最大曲率が0.25mm−1以下であることを特徴とする請求項7に記載の光導波路。
【請求項10】
上記クラッドにおける上記入射端面を含む領域の幅が、上記入射端面を含む領域に対して角度変化を有する領域の幅よりも大きく、
上記クラッドにおける上記出射端面を含む領域の幅が、上記出射端面を含む領域に対して角度変化を有する領域の幅よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の光導波路。
【請求項11】
上記入射端面および出射端面を含む面において、
上記コアの一部が、上記2つの側面の中線に沿って直線形状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の光導波路。
【請求項12】
上記クラッドにおける、上記入射端面を含む領域に対して角度変化を有する領域、および、上記出射端面を含む領域に対して角度変化を有する領域の少なくとも一方において、上記コアが変曲点を有することを特徴とする請求項2に記載の光導波路。
【請求項13】
上記側面の一部を除いた側面部分同士が互いに並進対称であり、
上記側面の一部は、凹形状または凸形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の光導波路。
【請求項14】
上記入射端面および出射端面に、光をコアへ入射させるまたはコアから光を出射させる反射面が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光導波路。
【請求項15】
上記クラッドに電気配線が積層されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光導波路。
【請求項16】
請求項1または2に記載の光導波路と、
上記入射端面に光を入射して情報を送信する光送信部と、
上記出射端面から出射される光を受光して情報を受信する光受信部とを備えることを特徴とする光伝送モジュール。
【請求項17】
請求項16に記載の光伝送モジュールを備えることを特徴とする電子機器。
【請求項18】
情報入力部、情報表示部およびヒンジを備え、
上記情報入力部および情報表示部がヒンジに沿って回動可能な折り畳み式構造であり、
上記クラッドにおける上記入射端面を含む領域に対して角度変化を有する領域が、ヒンジ上に配置されていることを特徴とする請求項17に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−50651(P2013−50651A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189624(P2011−189624)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】