光情報記録装置、光情報記録方法、光情報記録再生装置および光情報記録再生方法
【課題】ホログラフィを利用したデジタル情報の記録において、ページ毎の透過率を一定にした上で記録密度を大きくすることの出来る符号化方法を提供する。
【解決手段】ホログラフィを利用した情報を記録再生するための光情報記録再生装置において、入力データに変調を施し、Nビット毎にコントロールビットを付加し、NRZI変調した後のデータのデジタルサムバリューが0となるように該コントロールビットを決定したデータに対してNRZI変調し、データを並べ替えることにより2次元データを生成する信号生成部と、前記2次元データをホログラムディスクに記録再生するピックアップと、前記ピックアップから再生した2次元データを補正し、2値化処理を施した2次元データをNRZI変調し、記録時に付加したコントロールビットを除去し、記録時に行った変調則に従い復調する信号処理部と、を具備。
【解決手段】ホログラフィを利用した情報を記録再生するための光情報記録再生装置において、入力データに変調を施し、Nビット毎にコントロールビットを付加し、NRZI変調した後のデータのデジタルサムバリューが0となるように該コントロールビットを決定したデータに対してNRZI変調し、データを並べ替えることにより2次元データを生成する信号生成部と、前記2次元データをホログラムディスクに記録再生するピックアップと、前記ピックアップから再生した2次元データを補正し、2値化処理を施した2次元データをNRZI変調し、記録時に付加したコントロールビットを除去し、記録時に行った変調則に従い復調する信号処理部と、を具備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホログラフィを用いて、光情報記録媒体に情報を記録する、および/または光情報記録媒体から情報を再生する、装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、青紫色半導体レーザを用いた、Blu−ray Disc(BD)規格やHigh Definition Digital Versatile Disc(HD DVD)規格などにより、民生用においても50GB程度の記録密度を持つ光ディスクの商品化が可能となっている。
【0003】
今後は、光ディスクでも100GB〜1TBというHDD(Hard Disc Drive)容量と同程度まで大容量化が実用化される。
【0004】
しかしながら、このような超高密度を光ディスクで実現するためには、今までの様な短波長化と対物レンズ高NA化による従来の高密度技術のトレンドとは異なった新しいストレージ技術が必要となる。
【0005】
次世代のストレージ技術に関する研究が行われる中、ホログラフィを利用してデジタル情報を記録するホログラム記録技術がある。
【0006】
ホログラム記録技術として、例えば特開2004−272268号公報(特許文献1)がある。本公報には、信号光束をレンズで光情報記録媒体に集光すると同時に、平行光束の参照光を照射して干渉させてホログラムの記録を行い、さらに参照光の光記録媒体への入射角度を変えながら異なるページデータを空間光変調器に表示して多重記録を行う、いわゆる角度多重記録方式が記載されている。さらに本公報には、信号光をレンズで集光してそのビームウエストに開口(空間フィルタ)を配することにより、隣接するホログラムの間隔を短くすることができ、従来の角度多重記録方式に比べて記録密度/容量を増大させる技術が記載されている。
【0007】
また、ホログラム記録技術として、例えばWO2004−102542号公報(特許文献2)がある。本公報には、1つの空間光変調器において内側の画素からの光を信号光、外側の輪帯状の画素からの光を参照光として、両光束を同じレンズで光記録媒体に集光し、レンズの焦点面付近で信号光と参照光を干渉させてホログラムを記録するシフト多重方式を用いた例が記述されている。
【0008】
以上のようなホログラム記録のための符号化方法として、例えば特開平9−197947号公報(特許文献3)がある。本公報には、最低一つの光波を二次元空間光変調器に通過させることによって記録する情報を決定するホログラム記録用二次元符号化方法において、二次元空間光変調器の隣接する4個もしくは4の倍数のピクセルを一組とし、各組を構成するピクセル数の4分の1が光を透過し、その4分の3は光を遮るようにすることを特徴とするホログラム記録用二次元符号化方法について記述されている。
【0009】
また、他の従来技術としては、例えば特開2005−190636号公報(特許文献4)がある。本公報には「ONピクセル数が異なる画素ブロックを混在させても、再生像強度のばらつきが生じないようにして、符号化率を向上させることができるホログラフィック記録方法、ホログラフィックメモリ再生方法、ホログラフィック記録装置及びホログラフィックメモリ再生装置を提供する」と記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−272268号公報
【特許文献2】WO2004−102542号公報
【特許文献3】特開平9−197947公報
【特許文献4】特開2005−190636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで特許文献1に特許文献3の符号化方法を適用した方法、若しくは特許文献2に特許文献3の符号化方法を適用した方法において、図12(a)のようなデータ列に対して図12(b)のような符号化を行うことで図12(c)の2次元データを得ている。この方法では2ビットの情報を記録するために4ビットの領域を消費することになり、記録密度を向上することが出来ない課題があった。しかし、単純に“1”で光を透過し“0”で光を遮るよな方法では、記録データによってはページ毎に光の透過率が異なることになる。この透過率の差異は、再生時にページ毎に再生画像輝度が異なることになり2値判定の基準値が同一の場合判定を誤る可能性がある。さらにホログラム記録メディアのダイナミックレンジの消費が一定でなくなることも大きな問題となる。
【0012】
また、特許文献4では、ONピクセル数が異なる画素ブロックを混在させた場合には、ページ毎に光の透過率が異なる可能性について考慮がなされていない。
【0013】
本発明の目的は、ページ毎の透過率を一定にするよう向上を図った上で記録密度を向上させることが可能な符号化方法を提示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の目的は、その一例として2次元データ配列を制御することで達成できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ホログラフィを利用したデジタル情報の記録において、ページ毎の透過率を一定にするよう向上を図った上で記録密度を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】光情報記録再生装置の実施例を表す概略図
【図2】光情報記録再生装置内のピックアップの実施例を表す概略図
【図3】光情報記録再生装置の動作フローの実施例を表すフローチャート
【図4】光情報記録再生装置のデータ記録時の詳細動作フローの実施例を表すフローチャート
【図5】光情報記録再生装置のデータ再生時の詳細動作フローの実施例を表すフローチャート
【図6】光情報記録再生装置の符号化方法の実施例を表す図
【図7】光情報記録再生装置のデータ記録時の詳細動作フローの実施例を表すフローチャート
【図8】光情報記録再生装置のデータ再生時の詳細動作フローの実施例を表すフローチャート
【図9】光情報記録再生装置の符号化方法の実施例を表す図
【図10】光情報記録再生装置のデータ記録時の詳細動作フローの実施例を表すフローチャート
【図11】光情報記録再生装置の変調方法の実施例を表す図
【図12】光情報記録再生装置の符号化方法の従来例を表す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0018】
図1はホログラフィを利用してデジタル情報を記録および/または再生する光情報記録再生装置の全体的な構成を示したものである。
【0019】
光情報記録再生装置10は、ピックアップ11、位相共役光学系12、ディスクCure光学系13、ディスク回転角度検出用光学系14ならびに回転モータ50を備えており、光情報記録媒体1は回転モータ50によって回転可能な構成となっている。
【0020】
ピックアップ11は、参照光と信号光を光情報記録媒体1に出射してホログラフィを利用してデジタル情報を記録する役割を果たす。
【0021】
この際、記録する情報信号はコントローラ89によって信号生成回路86を介してピックアップ11内の後述する空間光変調器に送り込まれ、信号光は該空間光変調器によって変調される。
【0022】
光情報記録媒体1に記録した情報を再生する場合は、ピックアップ11から出射された参照光の位相共役光を位相共役光学系12によって生成する。ここで位相共役光とは、入力光と同一の波面を保ちながら逆方向に進む光波のことである。該位相共役光によって再生される再生光をピックアップ11内の後述する光検出器によって検出し、信号処理回路85によって信号を再生する。
【0023】
光情報記録媒体1に照射する参照光と信号光の照射時間は、ピックアップ11内の後述するシャッタの開閉時間をコントローラ89によってシャッタ制御回路87を介して制御することで調整できる。
【0024】
ディスクCure光学系13は、光情報記録媒体1のプリキュアおよびポストキュアに用いる光ビームを生成する役割を果たす。ここでプリキュアとは、光情報記録媒体1内の所望の位置に情報を記録する際、該所望位置に参照光と信号光を照射する前に予め所定の光ビームを照射する前工程の事である。またポストキュアとは、光情報記録媒体1内の所望の位置に情報を記録した後、該所望の位置に追記不可能とするために所定の光ビームを照射する後工程の事である。
【0025】
ディスク回転角度検出用光学系14は、光情報記録媒体1の回転角度を検出するために用いられる。光情報記録媒体1を所定の回転角度に調整する場合は、ディスク回転角度検出用光学系14によって回転角度に応じた信号を検出し、検出された信号を用いてコントローラ89によってディスク回転モータ制御回路88を介して光情報記録媒体1の回転角度を制御する事が出来る。
【0026】
光源駆動回路82からは所定の光源駆動電流がピックアップ11、ディスクCure光学系13、ディスク回転角度検出用光学系14内の光源に供給され、各々の光源からは所定の光量で光ビームを発光することができる。
【0027】
また、ピックアップ11、位相共役光学系12、ディスクCure光学系13は、光情報記録媒体1の半径方向に位置をスライドできる機構が設けられており、アクセス制御回路81を介して位置制御がおこなわれる。
【0028】
ところでホログラフィを利用した記録技術は、超高密度な情報を記録可能な技術であるがゆえに、例えば光情報記録媒体1の傾きや位置ずれに対する許容誤差が極めて小さくなる傾向がある。それゆえピックアップ11内に、例えば光情報記録媒体1の傾きや位置ずれ等、許容誤差が小さいずれ要因のずれ量を検出する機構を設けて、サーボ信号生成回路83にてサーボ制御用の信号を生成し、サーボ制御回路84を介して該ずれ量を補正するためのサーボ機構を光情報記録再生装置10内に備えても良い。
【0029】
またピックアップ11、位相共役光学系12、ディスクCure光学系13、ディスク回転角度検出用光学系14は、いくつかの光学系構成または全ての光学系構成をひとつに纏めて簡素化しても構わない。
【0030】
図2は、光情報記録再生装置10におけるピックアップ11の光学系構成の一例を示したものである。
【0031】
光源301を出射した光ビームはコリメートレンズ302を透過し、シャッタ303に入射する。シャッタ303が開いている時は、光ビームはシャッタ303を通過した後、例えば2分の1波長板などで構成される光学素子304によってP偏光とS偏光の光量比が所望の比になるように偏光方向を制御された後、PBS(Polarization
Beam Splitter)プリズム305に入射する。
【0032】
PBSプリズム305を透過した光ビームは、ビームエキスパンダ309によって光ビーム経を拡大された後、位相マスク311、リレーレンズ310、PBSプリズム307を経由して空間光変調器308に入射する。
【0033】
空間光変調器308によって情報を付加された信号光ビームはPBSプリズム307を透過し、リレーレンズ312ならびに空間フィルタ313を伝播する。その後、信号光ビームは対物レンズ325によって光情報記録媒体1に集光する。
【0034】
一方、PBSプリズム305を反射した光ビームは参照光ビームとして働き、偏光方向変換素子324によって記録時または再生時に応じて所定の偏光方向に設定された後、ミラー314ならびにミラー315を経由してガルバノミラー316に入射する。ガルバノミラー316はアクチュエータ317によって角度を調整可能のため、レンズ319とレンズ320を通過した後に情報記録媒体1に入射する参照光ビームの入射角度を、所望の角度に設定することができる。
【0035】
このように信号光ビームと参照光ビームを光情報記録媒体1において、互いに重ね合うように入射させることで、記録媒体内には干渉縞パターンが形成され、このパターンを記録媒体に書き込むことで情報を記録する。またガルバノミラー316によって光情報記録媒体1に入射する参照光ビームの入射角度を変化させることができるため、角度多重による記録が可能である。
【0036】
記録した情報を再生する場合は、前述したように参照光ビームを光情報記録媒体1に入射し、光情報記録媒体1を透過した光ビームをガルバノミラー321にて反射させることで、その位相共役光を生成する。
【0037】
この位相共役光によって再生された再生光ビームは、対物レンズ325、リレーレンズ312ならびに空間フィルタ313を伝播する。その後、再生光ビームはPBSプリズム307を反射して光検出器318に入射し、記録した信号を再生することができる。
【0038】
なお、ピックアップ11の光学系構成は図2に限定されるものではない。
【0039】
図3は、光情報記録再生装置10における記録、再生の動作フローを示したものである。ここでは、特にホログラフィを利用した記録再生に関するフローを説明する。
【0040】
図3(a)は、光情報記録再生装置10に光情報記録媒体1を挿入した後、記録または再生の準備が完了するまでの動作フローを示し、図3(b)は準備完了状態から光情報記録媒体1に情報を記録するまでの動作フロー、図3(c)は準備完了状態から光情報記録媒体1に記録した情報を再生するまでの動作フローを示したものである。
【0041】
図3(a)に示すように媒体を挿入すると(S301)、光情報記録再生装置10は、例えば挿入された媒体がホログラフィを利用してデジタル情報を記録または再生する媒体であるかどうかディスク判別を行う(S302)。
【0042】
ディスク判別の結果、ホログラフィを利用してデジタル情報を記録または再生する光情報記録媒体であると判断されると、光情報記録再生装置10は光情報記録媒体に設けられたコントロールデータを読み出し、例えば光情報記録媒体に関する情報や、例えば記録や再生時における各種設定条件に関する情報を取得する(S303)。
【0043】
コントロールデータの読み出し後は、コントロールデータに応じた各種調整やピックアップ11に関わる学習処理を行い(S304)、光情報記録再生装置10は、記録または再生の準備が完了する(S305)。
【0044】
準備完了状態から情報を記録するまでの動作フローは図3(b)に示すように、まず記録するデータを受信して、該データに応じた情報をピックアップ11内の空間光変調器に送り込む(S306)。
【0045】
その後、光情報記録媒体に高品質の情報を記録できるように、必要に応じて各種学習処理を事前に行い(S307)、シーク動作(S308)ならびにアドレス再生(S309)を繰り返しながらピックアップ11ならびにディスクCure光学系13の位置を光情報記録媒体の所定の位置に配置する。
【0046】
その後、ディスクCure光学系13から出射する光ビームを用いて所定の領域をプリキュアし(S310)、ピックアップ11から出射する参照光と信号光を用いてデータを記録する(S311)。
【0047】
データを記録した後は、必要に応じてデータをベリファイし(S312)、ディスクCure光学系13から出射する光ビームを用いてポストキュアを行う(S313)。
【0048】
準備完了状態から記録された情報を再生するまでの動作フローは図3(c)に示すように、光情報記録媒体から高品質の情報を再生できるように、必要に応じて各種学習処理を事前に行う(S314)。その後、シーク動作(S315)ならびにアドレス再生(S316)を繰り返しながらピックアップ11ならびに位相共役光学系12の位置を光情報記録媒体の所定の位置に配置する。その後、ピックアップ11から参照光を出射し、光情報記録媒体に記録された情報を読み出す(S317)。
【0049】
ここで、本実施例の符号化方法について図4、図5、図6を用いて詳細に説明する。
【0050】
図4は図3(b)におけるS306の詳細動作フローを示し、図5は図3(c)におけるS317の詳細動作フローを示し、図6は処理の例を図示したものである。
【0051】
まず記録時の詳細動作について述べる。信号生成回路86が1ページ分の記録データを受信すると(S401)(図6(a))、データ列に変調テーブル等を用いることにより変調を加える(S402)。この変調はデータの“0”及び“1”の連続を防ぐことにより再生時のデータの検出を行い易くするため、さらに最終的に記録するパターンの空間周波数特性を制御するために行うものであるが、必ずしもこの変調を行う必要はない。次にこの変調後のデータをNビット毎のユニットに分割し、1ビットのコントロールビットをユニット毎に挿入する(S403)(図6(b))。コントロールビットとは以下に述べる方法により“0”か“1”を決定されるものである。まず、ある位置のコントロールビットが“0”と仮定し(S404)、次のコントロールビットまでのデータ列に、“0”なら値を変化させず“1”で値を反転させるNRZI(None Return to Zero Inverted)変調を行う(S405)。このNRZI変調データに対して、データ中に存在する1を+1、0を−1とみなした累積値であるDSV(Digital Sum Value)を次のコントロールビットまで算出する(S406)。なお、このDSVはページデータ毎の値を一定にするために、コントロールビット間のデータだけでなく、該コントロールビットまでの全NRZI変調後のデータに対する累積値であることが望ましい。次いで、コントロールビットを“1”と仮定した場合についても、S404、S405、S406と同様の処理を行う。ここでS406からS409で算出したDSVを比較し、DSVが0に近くなるようにS403で付加したコントロールビットを決定する(S410)(図6(c))。これらS404からS410の動作を繰り返すことにより(S411)、付加した全コントロールビットを決定する。このコントロールビットを決定したデータ列に対してNRZI変調を行い記録するデータ列を生成する(S412)(図6(d))。
【0052】
この後、図6(e)のように“0”を非透過、“1”を透過として(逆でもよい)、2次元データを構成する。コントロールビットを挿入したユニット毎にn(縦)×m(横)ピクセルの領域を設定し(601、602,603,604)、ビットを配置する。このユニット毎の配置をページデータ分繰返し1ページ分の2次元データを構成する(S413)。図6(f)の例ではユニット内のビット配置、及びページ内のユニット配置の方法として、データを左上から右に配置し右端に達した時点で一段下がって再び右へ進む方式で配置しているが、データの配置方法はこれに限定するものではない。また図6(g)にn=1として構成する例を示している。
【0053】
このように構成した2次元データに対して再生時に基準となるマーカーを付加し(S414)、空間光変調器308にデータを転送する(S415)。
【0054】
次に再生時の詳細動作について述べる。まず光検出器318から取得した画像データが信号処理回路85に転送される(S501)。画像のマーカーを基準に画像位置を検出し(S502)、画像の傾き・倍率・ディストーションなどの歪みを補正(S503)、この補正画像に対して2値化処理を行い(S504)、マーカーを除去する(S505)ことで2次元データを取得する(S506)。2値化処理は一般的に隣接ビットを比較することで判断する方法が一般的に用いられるが、これに限定するものではない。あとは記録時と逆の過程により2次元データを1次元データに並べ替えた後NRZI変調を行い(S507)、付加したコントロールビットを除去し(S508)、記録時に行った変調テーブルを使用し元のデータ列に復調することで元データを再生することが出来る(S509)(S510)。
【0055】
なお、説明したドライブ構成・動作は一例であり、上記で述べた角度多重方式だけでなくシフト多重方式のような異なる方式に対しても適応可能であり、説明した構成などに限定されるものではない。このことは以降の実施例に対しても同様である。
【0056】
以上の動作によりユニット単位では透過と非透過の比率が異なるかもしれないが、ページデータ全体として透過と非透過の比率が常に均等となる2次元データを生成できる。これにより、ページ毎の透過率を一定に保ち記録することが可能となる。なお、記録時には空間光変調器308で変調された信号光が対物レンズ325により記録媒体上に集光されることからフーリエ変換像が記録されることになり、例え生成した2次元データの透過率がユニット単位で異なっていても、記録媒体上では影響を受けない。
【実施例2】
【0057】
実施例1と相違するのは、S306における2次元データ生成方法、及びS317におけるデータ再生方法である。図7は図3(b)におけるS306の詳細動作フローを示し、図8は図3(c)におけるS317の詳細動作フローを示し、図9は処理の例を図示したものである。
【0058】
まず記録時の詳細動作について述べる。信号生成回路86が1ページ分の記録データを受信すると(S701)(図9(a))、データ列に変調テーブル等を用いることにより変調を加える(S702)。次にNビット毎のユニットに分割し、コントロールビットをユニット毎に挿入する(S703)(図9(b))。このコントロールビットはこの実施例では1ビットとしているが複数ビットでもよい。まず、ある位置のコントロールビットが“0”と仮定し(S704)、次のコントロールビットまでのDSVを算出する(S705)。なお、このDSVはコントロールビット間のデータだけでなく、該コントロールビットまでの全データに対する累積値であることが望ましい。次いで、コントロールビットを“1”と仮定した場合は(S706)、次のコントロールビットまでのデータ列に、“0”を“1”、“1”を“0”とする反転を行い(S707)、反転したデータに対して次のコントロールビットまでのDSVを算出する(S708)。このデータの反転にはテーブルを用いて数ビット分纏めて実施してもよい。ここでS705及びS708で算出したDSVを比較し、DSVが0に近くなるように付加したコントロールビットを決定する(S709)。これらS704からS709の動作を繰り返すことにより(S710)、S703で付加した全コントロールビットを決定する。このコントロールビットを付加したデータ列に対して、コントロールビットに従ってユニット毎にデータの反転を行い、記録するデータ列を生成する(S711)(図9(c))。
【0059】
この後、図9(d)のように“0”を非透過、“1”を透過として(逆でもよい)、2次元データを構成する。コントロールビットを挿入したユニット毎にn(縦)×m(横)ピクセルの領域を設定し(901、902,903,904)、ビットを配置する。このユニット毎の配置をページデータ分繰返し1ページの2次元データを構成する(S712)。図9(e)の例ではユニット内のビット配置、及びページ内のユニット配置の方法として、データを左上から右に配置し右端に達した時点で一段下がって再び右へ進む方式で配置しているが、データの配置方法はこれに限定するものではない。また図9(f)にn=1として構成する例を示している。
【0060】
このように構成した2次元データに対して再生時に基準となるマーカーを付加し(S713)、空間光変調器308にデータを転送する(S714)。
【0061】
次に再生時の詳細動作について述べる。まず光検出器318から取得した画像データが信号処理回路85に転送される(S801)。画像のマーカーを基準に画像位置を検出し(S802)、画像の傾き・倍率・ディストーションなどの歪みを補正(S803)、この補正画像に対して2値化処理を行い(S804)、マーカーを除去する(S805)ことで2次元データを取得する(S806)。2値化処理は一般的に隣接ビットを比較することで判断する方法が一般的に用いられるが、これに限定するものではない。あとは記録時と逆の過程により2次元データを1次元データに並べ替えた後、コントロールビットに従ってユニット単位でデータを反転し(S807)、付加したコントロールビットを除去し(S808)、記録時に行った変調テーブルを使用し元のデータ列に復調することで元データを再生することが出来る(S809)(S810)。
【0062】
以上の動作によりユニット単位では透過と非透過の比率が異なるかもしれないが、ページデータ全体として透過と非透過の比率が常に均等となる2次元データを生成できる。これにより、ページ毎の透過率を一定に保ち記録することが可能となる。なお、記録時には空間光変調器308で変調された信号光が対物レンズ325により記録媒体上に集光されることからフーリエ変換像が記録されることになり、例え生成した2次元データの透過率がユニット単位で異なっていても、記録媒体上では影響を受けない。
【0063】
また実施例1と異なり、NRZI変調などの処理を行わないため高速に記録することが可能となる。但し、データを反転するかどうかはコントロールビットを基に行うため、図9(e)に示すようなコントロールビット(905、906、907、908)の読み出しが重要となる。よって、上記で述べたようにコントロールビットを複数ビットで表現する、誤り訂正符号を付加する、読み出し誤りを起しにくいページ中央に配置するなどの方法が効果的である。
【実施例3】
【0064】
実施例1と相違するのは、S410におけるコントロールビット決定基準である。実施例1ではS406からS409で算出したDSVを比較し、DSVが0に近くなるようにS403で付加したコントロールビットを決定していたが(S410)、本実施例では予め設定した目標値に近くなるようにコントロールビットを決定する(S1010)。
【0065】
さらに、DSVをある方向にシフトし易くするために、あえてNRZI変調した後のデータの“0”と“1”の比率を不均等とするように、予めデータに変調を加えることも有用である。例えば、図10の変調処理S1002において図11(a)のような変調テーブルを用いて変調を施す。これは変調後のデータに“1”が偶数回出現することを特徴とし、これによりNRZI変調した時に“0”若しくは“1”の回数が異なることになる。このテーブルを用いることで“0”と“1”の比率を不均等に出来るが、変調方法はこのテーブルに限るものではなく“0”と“1”の比率を変えることが可能なものであれば限定しない。またこのテーブルでは2ビットから3ビットへの変調を行っているが、これも限定するものではない。
【0066】
なお、以上の方法は実施例2にも同様に適用可能である。但し、実施例2ではNRZI変調を行わないことから、変調処理S1002後のデータに“0”(“1”でもよい)が多く含まれるものにするのが有用である。例えば、図10の変調処理S1002において図11(b)のような変調テーブルを用いて変調を施す。このテーブルを用いることで“0”と“1”の比率を不均等に出来るが、変調方法はこのテーブルに限るものではなく“0”と“1”の比率を変えることが可能なものであれば限定しない。またこのテーブルでは2ビットから3ビットへの変調を行っているが、これも限定するものではない。
【0067】
以上の動作によりユニット単位では透過と非透過の比率が異なるかもしれないが、ページデータ全体として透過と非透過の比率が均等となるように向上した2次元データを生成できる。これにより、ページ毎の透過率を一定となるように向上し記録することが可能となる。なお、記録時には空間光変調器308で変調された信号光が対物レンズ325により記録媒体上に集光されることからフーリエ変換像が記録されることになり、例え生成した2次元データの透過率がユニット単位で異なっていても、記録媒体上では影響を受けにくくなる。
【0068】
また実施例1では“0”と“1”の比率が等しくなるために、1ページ当たりの空間変調器308での透過率を50%にしか設定できなかった。対して、本実施例の特徴は任意の透過率を設定できることにある。例えば“0”の割合が多くなるようにDSVの目標値を負の値に設定しコントロールビットを決定、その後“0”を非透過として2次元データを生成すれば透過率を小さくすることが可能となる。これにより媒体のダイナミックレンジの消費を抑えることが出来るため、多重度を上げることも可能となる。また、データ内容等によっては、“0”と“1”の比率が所定範囲内(例えば45%〜55%など)と設定することでも、本実施例の効果が得られ記録にかかる負荷も低減できる。このことは他の実施例についても同様である。
なお、その他の実施例としては、ホログラフィを利用して情報を記録する光情報記録装置であって、入力データに変調を施し、Nビット毎にコントロールビットを付加し、変調後のデータに対してNRZI変調した後のデータのデジタルサムバリューが所定範囲内となるように該コントロールビットを決定し、コントロールビットを決定したデータに対してNRZI変調し、データを並べ替えることにより2次元データを生成する信号生成部と、前記信号生成部が生成した2次元データをホログラムディスクに記録するピックアップと、を具備する、光情報記録装置も考え得る。
さらに、前記NRZI変調後のデータに“0”若しくは“1”の回数が異なるように定めた変調テーブルを用いて入力データに変調を施す、光情報記録装置も考え得る。
また、その他の実施例として、ホログラフィを利用して情報を記録再生するための光情報記録再生装置であって、入力データに変調を施し、Nビット毎にコントロールビットを付加し、変調後のデータに対してNRZI変調した後のデータのデジタルサムバリューが所定範囲内となるように該コントロールビットを決定し、コントロールビットを決定したデータに対してNRZI変調し、データを並べ替えることにより2次元データを生成する信号生成部と、前記信号生成部が生成した2次元データをホログラムディスクに記録し、ま
た前記ホログラムディスクから2次元データを再生するピックアップと、前記ピックアップから再生した2次元データの画像歪みを補正し、2値化処理を施した2次元データをNRZI変調し、記録時に付加したコントロールビットを除去し、記録時に行った変調則に従い復調する信号処理部と、を具備する、光情報記録再生装置も考え得る。
さらに、前記NRZI変調後のデータに“0”若しくは“1”の回数が異なるように定めた変調テーブルを用いて入力データに変調を施す、光情報記録再生装置も考え得る。
また、その他の実施例として、ホログラフィを利用して情報を記録する光情報記録方法であって、入力データに変調を施し、Nビット毎にコントロールビットを付加し、変調後のデータに対してNRZI変調した後のデータのデジタルサムバリューが所定範囲内となるように該コントロールビットを決定し、コントロールビットを決定したデータに対してNRZI変調し、データを並べ替えることにより2次元データを生成し、前記生成した2次元データをホログラムディスクに記録する、光情報記録方法も考え得る。
また、その他の実施例として、ホログラフィを利用して情報を記録する光情報記録装置であって、入力データに変調を施し、Nビット毎にコントロールビットを付加し、変調後のデータのデジタルサムバリューが所定範囲内となるように該コントロールビットを決定し、コントロールビットを決定したデータに対してコントロールビットに従ってデータを反転し、データを並べ替えることにより2次元データを生成する信号生成部と、前記信号生成部が生成した2次元データをホログラムディスクに記録するピックアップと、を具備する、光情報記録装置も考え得る。
さらに、前記変調後のデータに“0”若しくは“1”の回数が異なるように定めた変調テーブルを用いて入力データに変調を施す、光情報記録装置も考え得る。
また、その他の実施例として、ホログラフィを利用して情報を記録再生するための光情報記録再生装置であって、入力データに変調を施し、Nビット毎にコントロールビットを付加し、変調後のデータのデジタルサムバリューが所定範囲内となるように該コントロールビットを決定し、コントロールビットを決定したデータに対してコントロールビットに従ってデータを反転し、データを並べ替えることにより2次元データを生成する信号生成部と、前記信号生成部が生成した2次元データをホログラムディスクに記録し、また前記ホログラムディスクから2次元データを再生するピックアップと、前記ピックアップから再生した2次元データの画像歪みを補正し、2値化処理を施した2次元データをコントロールビットに従ってデータを反転し、記録時に付加したコントロールビットを除去し、記録時に行った変調則に従い復調する信号処理部と、を具備する、光情報記録再生装置も考え得る。
さらに、前記変調後のデータに“0”若しくは“1”の回数が異なるように定めた変調テーブルを用いて入力データに変調を施す、光情報記録再生装置も考え得る。
また、その他の実施例として、ホログラフィを利用して情報を記録する光情報記録方法であって、入力データに変調を施し、Nビット毎にコントロールビットを付加し、変調後のデータのデジタルサムバリューが所定範囲内となるように該コントロールビットを決定し、コントロールビットを決定したデータに対してコントロールビットに従ってデータを反転し、データを並べ替えることにより2次元データを生成し、前記生成した2次元データをホログラムディスクに記録する、光情報記録方法も考え得る。
【符号の説明】
【0069】
1・・・光情報記録媒体、10・・・光情報記録再生装置、11・・・ピックアップ、12・・・位相共役光学系、13・・・ディスクCure光学系、14・・・ディスク回転角度検出用光学系、50・・・回転モータ、81・・・アクセス制御回路、82・・・光源駆動回路、83・・・サーボ信号生成回路、84・・・サーボ制御回路、85・・・信号処理回路、86・・・信号生成回路、87・・・シャッタ制御回路、88・・・ディスク回転モータ制御回路、89・・・コントローラ、301・・・光源、302・・・コリメートレンズ、303・・・シャッタ、304・・・光学素子、305・・・偏光ビームスプリッタ、306・・・信号光、307・・・偏光ビームスプリッタ、308・・・空間光変調器、309・・・ビームエキスパンダ、310・・・リレーレンズ、311・・・フェーズ(位相)マスク、312・・・リレーレンズ、313・・・空間フィルタ、314・・・ミラー、315・・・ミラー、316・・・ミラー、317・・・アクチュエータ、318・・・光検出器、319・・・レンズ、320・・・レンズ、321・・・ミラー、322・・・アクチュエータ、323・・・参照光、324・・・偏光方向変換素子、325・・・対物レンズ
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホログラフィを用いて、光情報記録媒体に情報を記録する、および/または光情報記録媒体から情報を再生する、装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、青紫色半導体レーザを用いた、Blu−ray Disc(BD)規格やHigh Definition Digital Versatile Disc(HD DVD)規格などにより、民生用においても50GB程度の記録密度を持つ光ディスクの商品化が可能となっている。
【0003】
今後は、光ディスクでも100GB〜1TBというHDD(Hard Disc Drive)容量と同程度まで大容量化が実用化される。
【0004】
しかしながら、このような超高密度を光ディスクで実現するためには、今までの様な短波長化と対物レンズ高NA化による従来の高密度技術のトレンドとは異なった新しいストレージ技術が必要となる。
【0005】
次世代のストレージ技術に関する研究が行われる中、ホログラフィを利用してデジタル情報を記録するホログラム記録技術がある。
【0006】
ホログラム記録技術として、例えば特開2004−272268号公報(特許文献1)がある。本公報には、信号光束をレンズで光情報記録媒体に集光すると同時に、平行光束の参照光を照射して干渉させてホログラムの記録を行い、さらに参照光の光記録媒体への入射角度を変えながら異なるページデータを空間光変調器に表示して多重記録を行う、いわゆる角度多重記録方式が記載されている。さらに本公報には、信号光をレンズで集光してそのビームウエストに開口(空間フィルタ)を配することにより、隣接するホログラムの間隔を短くすることができ、従来の角度多重記録方式に比べて記録密度/容量を増大させる技術が記載されている。
【0007】
また、ホログラム記録技術として、例えばWO2004−102542号公報(特許文献2)がある。本公報には、1つの空間光変調器において内側の画素からの光を信号光、外側の輪帯状の画素からの光を参照光として、両光束を同じレンズで光記録媒体に集光し、レンズの焦点面付近で信号光と参照光を干渉させてホログラムを記録するシフト多重方式を用いた例が記述されている。
【0008】
以上のようなホログラム記録のための符号化方法として、例えば特開平9−197947号公報(特許文献3)がある。本公報には、最低一つの光波を二次元空間光変調器に通過させることによって記録する情報を決定するホログラム記録用二次元符号化方法において、二次元空間光変調器の隣接する4個もしくは4の倍数のピクセルを一組とし、各組を構成するピクセル数の4分の1が光を透過し、その4分の3は光を遮るようにすることを特徴とするホログラム記録用二次元符号化方法について記述されている。
【0009】
また、他の従来技術としては、例えば特開2005−190636号公報(特許文献4)がある。本公報には「ONピクセル数が異なる画素ブロックを混在させても、再生像強度のばらつきが生じないようにして、符号化率を向上させることができるホログラフィック記録方法、ホログラフィックメモリ再生方法、ホログラフィック記録装置及びホログラフィックメモリ再生装置を提供する」と記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−272268号公報
【特許文献2】WO2004−102542号公報
【特許文献3】特開平9−197947公報
【特許文献4】特開2005−190636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで特許文献1に特許文献3の符号化方法を適用した方法、若しくは特許文献2に特許文献3の符号化方法を適用した方法において、図12(a)のようなデータ列に対して図12(b)のような符号化を行うことで図12(c)の2次元データを得ている。この方法では2ビットの情報を記録するために4ビットの領域を消費することになり、記録密度を向上することが出来ない課題があった。しかし、単純に“1”で光を透過し“0”で光を遮るよな方法では、記録データによってはページ毎に光の透過率が異なることになる。この透過率の差異は、再生時にページ毎に再生画像輝度が異なることになり2値判定の基準値が同一の場合判定を誤る可能性がある。さらにホログラム記録メディアのダイナミックレンジの消費が一定でなくなることも大きな問題となる。
【0012】
また、特許文献4では、ONピクセル数が異なる画素ブロックを混在させた場合には、ページ毎に光の透過率が異なる可能性について考慮がなされていない。
【0013】
本発明の目的は、ページ毎の透過率を一定にするよう向上を図った上で記録密度を向上させることが可能な符号化方法を提示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の目的は、その一例として2次元データ配列を制御することで達成できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ホログラフィを利用したデジタル情報の記録において、ページ毎の透過率を一定にするよう向上を図った上で記録密度を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】光情報記録再生装置の実施例を表す概略図
【図2】光情報記録再生装置内のピックアップの実施例を表す概略図
【図3】光情報記録再生装置の動作フローの実施例を表すフローチャート
【図4】光情報記録再生装置のデータ記録時の詳細動作フローの実施例を表すフローチャート
【図5】光情報記録再生装置のデータ再生時の詳細動作フローの実施例を表すフローチャート
【図6】光情報記録再生装置の符号化方法の実施例を表す図
【図7】光情報記録再生装置のデータ記録時の詳細動作フローの実施例を表すフローチャート
【図8】光情報記録再生装置のデータ再生時の詳細動作フローの実施例を表すフローチャート
【図9】光情報記録再生装置の符号化方法の実施例を表す図
【図10】光情報記録再生装置のデータ記録時の詳細動作フローの実施例を表すフローチャート
【図11】光情報記録再生装置の変調方法の実施例を表す図
【図12】光情報記録再生装置の符号化方法の従来例を表す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0018】
図1はホログラフィを利用してデジタル情報を記録および/または再生する光情報記録再生装置の全体的な構成を示したものである。
【0019】
光情報記録再生装置10は、ピックアップ11、位相共役光学系12、ディスクCure光学系13、ディスク回転角度検出用光学系14ならびに回転モータ50を備えており、光情報記録媒体1は回転モータ50によって回転可能な構成となっている。
【0020】
ピックアップ11は、参照光と信号光を光情報記録媒体1に出射してホログラフィを利用してデジタル情報を記録する役割を果たす。
【0021】
この際、記録する情報信号はコントローラ89によって信号生成回路86を介してピックアップ11内の後述する空間光変調器に送り込まれ、信号光は該空間光変調器によって変調される。
【0022】
光情報記録媒体1に記録した情報を再生する場合は、ピックアップ11から出射された参照光の位相共役光を位相共役光学系12によって生成する。ここで位相共役光とは、入力光と同一の波面を保ちながら逆方向に進む光波のことである。該位相共役光によって再生される再生光をピックアップ11内の後述する光検出器によって検出し、信号処理回路85によって信号を再生する。
【0023】
光情報記録媒体1に照射する参照光と信号光の照射時間は、ピックアップ11内の後述するシャッタの開閉時間をコントローラ89によってシャッタ制御回路87を介して制御することで調整できる。
【0024】
ディスクCure光学系13は、光情報記録媒体1のプリキュアおよびポストキュアに用いる光ビームを生成する役割を果たす。ここでプリキュアとは、光情報記録媒体1内の所望の位置に情報を記録する際、該所望位置に参照光と信号光を照射する前に予め所定の光ビームを照射する前工程の事である。またポストキュアとは、光情報記録媒体1内の所望の位置に情報を記録した後、該所望の位置に追記不可能とするために所定の光ビームを照射する後工程の事である。
【0025】
ディスク回転角度検出用光学系14は、光情報記録媒体1の回転角度を検出するために用いられる。光情報記録媒体1を所定の回転角度に調整する場合は、ディスク回転角度検出用光学系14によって回転角度に応じた信号を検出し、検出された信号を用いてコントローラ89によってディスク回転モータ制御回路88を介して光情報記録媒体1の回転角度を制御する事が出来る。
【0026】
光源駆動回路82からは所定の光源駆動電流がピックアップ11、ディスクCure光学系13、ディスク回転角度検出用光学系14内の光源に供給され、各々の光源からは所定の光量で光ビームを発光することができる。
【0027】
また、ピックアップ11、位相共役光学系12、ディスクCure光学系13は、光情報記録媒体1の半径方向に位置をスライドできる機構が設けられており、アクセス制御回路81を介して位置制御がおこなわれる。
【0028】
ところでホログラフィを利用した記録技術は、超高密度な情報を記録可能な技術であるがゆえに、例えば光情報記録媒体1の傾きや位置ずれに対する許容誤差が極めて小さくなる傾向がある。それゆえピックアップ11内に、例えば光情報記録媒体1の傾きや位置ずれ等、許容誤差が小さいずれ要因のずれ量を検出する機構を設けて、サーボ信号生成回路83にてサーボ制御用の信号を生成し、サーボ制御回路84を介して該ずれ量を補正するためのサーボ機構を光情報記録再生装置10内に備えても良い。
【0029】
またピックアップ11、位相共役光学系12、ディスクCure光学系13、ディスク回転角度検出用光学系14は、いくつかの光学系構成または全ての光学系構成をひとつに纏めて簡素化しても構わない。
【0030】
図2は、光情報記録再生装置10におけるピックアップ11の光学系構成の一例を示したものである。
【0031】
光源301を出射した光ビームはコリメートレンズ302を透過し、シャッタ303に入射する。シャッタ303が開いている時は、光ビームはシャッタ303を通過した後、例えば2分の1波長板などで構成される光学素子304によってP偏光とS偏光の光量比が所望の比になるように偏光方向を制御された後、PBS(Polarization
Beam Splitter)プリズム305に入射する。
【0032】
PBSプリズム305を透過した光ビームは、ビームエキスパンダ309によって光ビーム経を拡大された後、位相マスク311、リレーレンズ310、PBSプリズム307を経由して空間光変調器308に入射する。
【0033】
空間光変調器308によって情報を付加された信号光ビームはPBSプリズム307を透過し、リレーレンズ312ならびに空間フィルタ313を伝播する。その後、信号光ビームは対物レンズ325によって光情報記録媒体1に集光する。
【0034】
一方、PBSプリズム305を反射した光ビームは参照光ビームとして働き、偏光方向変換素子324によって記録時または再生時に応じて所定の偏光方向に設定された後、ミラー314ならびにミラー315を経由してガルバノミラー316に入射する。ガルバノミラー316はアクチュエータ317によって角度を調整可能のため、レンズ319とレンズ320を通過した後に情報記録媒体1に入射する参照光ビームの入射角度を、所望の角度に設定することができる。
【0035】
このように信号光ビームと参照光ビームを光情報記録媒体1において、互いに重ね合うように入射させることで、記録媒体内には干渉縞パターンが形成され、このパターンを記録媒体に書き込むことで情報を記録する。またガルバノミラー316によって光情報記録媒体1に入射する参照光ビームの入射角度を変化させることができるため、角度多重による記録が可能である。
【0036】
記録した情報を再生する場合は、前述したように参照光ビームを光情報記録媒体1に入射し、光情報記録媒体1を透過した光ビームをガルバノミラー321にて反射させることで、その位相共役光を生成する。
【0037】
この位相共役光によって再生された再生光ビームは、対物レンズ325、リレーレンズ312ならびに空間フィルタ313を伝播する。その後、再生光ビームはPBSプリズム307を反射して光検出器318に入射し、記録した信号を再生することができる。
【0038】
なお、ピックアップ11の光学系構成は図2に限定されるものではない。
【0039】
図3は、光情報記録再生装置10における記録、再生の動作フローを示したものである。ここでは、特にホログラフィを利用した記録再生に関するフローを説明する。
【0040】
図3(a)は、光情報記録再生装置10に光情報記録媒体1を挿入した後、記録または再生の準備が完了するまでの動作フローを示し、図3(b)は準備完了状態から光情報記録媒体1に情報を記録するまでの動作フロー、図3(c)は準備完了状態から光情報記録媒体1に記録した情報を再生するまでの動作フローを示したものである。
【0041】
図3(a)に示すように媒体を挿入すると(S301)、光情報記録再生装置10は、例えば挿入された媒体がホログラフィを利用してデジタル情報を記録または再生する媒体であるかどうかディスク判別を行う(S302)。
【0042】
ディスク判別の結果、ホログラフィを利用してデジタル情報を記録または再生する光情報記録媒体であると判断されると、光情報記録再生装置10は光情報記録媒体に設けられたコントロールデータを読み出し、例えば光情報記録媒体に関する情報や、例えば記録や再生時における各種設定条件に関する情報を取得する(S303)。
【0043】
コントロールデータの読み出し後は、コントロールデータに応じた各種調整やピックアップ11に関わる学習処理を行い(S304)、光情報記録再生装置10は、記録または再生の準備が完了する(S305)。
【0044】
準備完了状態から情報を記録するまでの動作フローは図3(b)に示すように、まず記録するデータを受信して、該データに応じた情報をピックアップ11内の空間光変調器に送り込む(S306)。
【0045】
その後、光情報記録媒体に高品質の情報を記録できるように、必要に応じて各種学習処理を事前に行い(S307)、シーク動作(S308)ならびにアドレス再生(S309)を繰り返しながらピックアップ11ならびにディスクCure光学系13の位置を光情報記録媒体の所定の位置に配置する。
【0046】
その後、ディスクCure光学系13から出射する光ビームを用いて所定の領域をプリキュアし(S310)、ピックアップ11から出射する参照光と信号光を用いてデータを記録する(S311)。
【0047】
データを記録した後は、必要に応じてデータをベリファイし(S312)、ディスクCure光学系13から出射する光ビームを用いてポストキュアを行う(S313)。
【0048】
準備完了状態から記録された情報を再生するまでの動作フローは図3(c)に示すように、光情報記録媒体から高品質の情報を再生できるように、必要に応じて各種学習処理を事前に行う(S314)。その後、シーク動作(S315)ならびにアドレス再生(S316)を繰り返しながらピックアップ11ならびに位相共役光学系12の位置を光情報記録媒体の所定の位置に配置する。その後、ピックアップ11から参照光を出射し、光情報記録媒体に記録された情報を読み出す(S317)。
【0049】
ここで、本実施例の符号化方法について図4、図5、図6を用いて詳細に説明する。
【0050】
図4は図3(b)におけるS306の詳細動作フローを示し、図5は図3(c)におけるS317の詳細動作フローを示し、図6は処理の例を図示したものである。
【0051】
まず記録時の詳細動作について述べる。信号生成回路86が1ページ分の記録データを受信すると(S401)(図6(a))、データ列に変調テーブル等を用いることにより変調を加える(S402)。この変調はデータの“0”及び“1”の連続を防ぐことにより再生時のデータの検出を行い易くするため、さらに最終的に記録するパターンの空間周波数特性を制御するために行うものであるが、必ずしもこの変調を行う必要はない。次にこの変調後のデータをNビット毎のユニットに分割し、1ビットのコントロールビットをユニット毎に挿入する(S403)(図6(b))。コントロールビットとは以下に述べる方法により“0”か“1”を決定されるものである。まず、ある位置のコントロールビットが“0”と仮定し(S404)、次のコントロールビットまでのデータ列に、“0”なら値を変化させず“1”で値を反転させるNRZI(None Return to Zero Inverted)変調を行う(S405)。このNRZI変調データに対して、データ中に存在する1を+1、0を−1とみなした累積値であるDSV(Digital Sum Value)を次のコントロールビットまで算出する(S406)。なお、このDSVはページデータ毎の値を一定にするために、コントロールビット間のデータだけでなく、該コントロールビットまでの全NRZI変調後のデータに対する累積値であることが望ましい。次いで、コントロールビットを“1”と仮定した場合についても、S404、S405、S406と同様の処理を行う。ここでS406からS409で算出したDSVを比較し、DSVが0に近くなるようにS403で付加したコントロールビットを決定する(S410)(図6(c))。これらS404からS410の動作を繰り返すことにより(S411)、付加した全コントロールビットを決定する。このコントロールビットを決定したデータ列に対してNRZI変調を行い記録するデータ列を生成する(S412)(図6(d))。
【0052】
この後、図6(e)のように“0”を非透過、“1”を透過として(逆でもよい)、2次元データを構成する。コントロールビットを挿入したユニット毎にn(縦)×m(横)ピクセルの領域を設定し(601、602,603,604)、ビットを配置する。このユニット毎の配置をページデータ分繰返し1ページ分の2次元データを構成する(S413)。図6(f)の例ではユニット内のビット配置、及びページ内のユニット配置の方法として、データを左上から右に配置し右端に達した時点で一段下がって再び右へ進む方式で配置しているが、データの配置方法はこれに限定するものではない。また図6(g)にn=1として構成する例を示している。
【0053】
このように構成した2次元データに対して再生時に基準となるマーカーを付加し(S414)、空間光変調器308にデータを転送する(S415)。
【0054】
次に再生時の詳細動作について述べる。まず光検出器318から取得した画像データが信号処理回路85に転送される(S501)。画像のマーカーを基準に画像位置を検出し(S502)、画像の傾き・倍率・ディストーションなどの歪みを補正(S503)、この補正画像に対して2値化処理を行い(S504)、マーカーを除去する(S505)ことで2次元データを取得する(S506)。2値化処理は一般的に隣接ビットを比較することで判断する方法が一般的に用いられるが、これに限定するものではない。あとは記録時と逆の過程により2次元データを1次元データに並べ替えた後NRZI変調を行い(S507)、付加したコントロールビットを除去し(S508)、記録時に行った変調テーブルを使用し元のデータ列に復調することで元データを再生することが出来る(S509)(S510)。
【0055】
なお、説明したドライブ構成・動作は一例であり、上記で述べた角度多重方式だけでなくシフト多重方式のような異なる方式に対しても適応可能であり、説明した構成などに限定されるものではない。このことは以降の実施例に対しても同様である。
【0056】
以上の動作によりユニット単位では透過と非透過の比率が異なるかもしれないが、ページデータ全体として透過と非透過の比率が常に均等となる2次元データを生成できる。これにより、ページ毎の透過率を一定に保ち記録することが可能となる。なお、記録時には空間光変調器308で変調された信号光が対物レンズ325により記録媒体上に集光されることからフーリエ変換像が記録されることになり、例え生成した2次元データの透過率がユニット単位で異なっていても、記録媒体上では影響を受けない。
【実施例2】
【0057】
実施例1と相違するのは、S306における2次元データ生成方法、及びS317におけるデータ再生方法である。図7は図3(b)におけるS306の詳細動作フローを示し、図8は図3(c)におけるS317の詳細動作フローを示し、図9は処理の例を図示したものである。
【0058】
まず記録時の詳細動作について述べる。信号生成回路86が1ページ分の記録データを受信すると(S701)(図9(a))、データ列に変調テーブル等を用いることにより変調を加える(S702)。次にNビット毎のユニットに分割し、コントロールビットをユニット毎に挿入する(S703)(図9(b))。このコントロールビットはこの実施例では1ビットとしているが複数ビットでもよい。まず、ある位置のコントロールビットが“0”と仮定し(S704)、次のコントロールビットまでのDSVを算出する(S705)。なお、このDSVはコントロールビット間のデータだけでなく、該コントロールビットまでの全データに対する累積値であることが望ましい。次いで、コントロールビットを“1”と仮定した場合は(S706)、次のコントロールビットまでのデータ列に、“0”を“1”、“1”を“0”とする反転を行い(S707)、反転したデータに対して次のコントロールビットまでのDSVを算出する(S708)。このデータの反転にはテーブルを用いて数ビット分纏めて実施してもよい。ここでS705及びS708で算出したDSVを比較し、DSVが0に近くなるように付加したコントロールビットを決定する(S709)。これらS704からS709の動作を繰り返すことにより(S710)、S703で付加した全コントロールビットを決定する。このコントロールビットを付加したデータ列に対して、コントロールビットに従ってユニット毎にデータの反転を行い、記録するデータ列を生成する(S711)(図9(c))。
【0059】
この後、図9(d)のように“0”を非透過、“1”を透過として(逆でもよい)、2次元データを構成する。コントロールビットを挿入したユニット毎にn(縦)×m(横)ピクセルの領域を設定し(901、902,903,904)、ビットを配置する。このユニット毎の配置をページデータ分繰返し1ページの2次元データを構成する(S712)。図9(e)の例ではユニット内のビット配置、及びページ内のユニット配置の方法として、データを左上から右に配置し右端に達した時点で一段下がって再び右へ進む方式で配置しているが、データの配置方法はこれに限定するものではない。また図9(f)にn=1として構成する例を示している。
【0060】
このように構成した2次元データに対して再生時に基準となるマーカーを付加し(S713)、空間光変調器308にデータを転送する(S714)。
【0061】
次に再生時の詳細動作について述べる。まず光検出器318から取得した画像データが信号処理回路85に転送される(S801)。画像のマーカーを基準に画像位置を検出し(S802)、画像の傾き・倍率・ディストーションなどの歪みを補正(S803)、この補正画像に対して2値化処理を行い(S804)、マーカーを除去する(S805)ことで2次元データを取得する(S806)。2値化処理は一般的に隣接ビットを比較することで判断する方法が一般的に用いられるが、これに限定するものではない。あとは記録時と逆の過程により2次元データを1次元データに並べ替えた後、コントロールビットに従ってユニット単位でデータを反転し(S807)、付加したコントロールビットを除去し(S808)、記録時に行った変調テーブルを使用し元のデータ列に復調することで元データを再生することが出来る(S809)(S810)。
【0062】
以上の動作によりユニット単位では透過と非透過の比率が異なるかもしれないが、ページデータ全体として透過と非透過の比率が常に均等となる2次元データを生成できる。これにより、ページ毎の透過率を一定に保ち記録することが可能となる。なお、記録時には空間光変調器308で変調された信号光が対物レンズ325により記録媒体上に集光されることからフーリエ変換像が記録されることになり、例え生成した2次元データの透過率がユニット単位で異なっていても、記録媒体上では影響を受けない。
【0063】
また実施例1と異なり、NRZI変調などの処理を行わないため高速に記録することが可能となる。但し、データを反転するかどうかはコントロールビットを基に行うため、図9(e)に示すようなコントロールビット(905、906、907、908)の読み出しが重要となる。よって、上記で述べたようにコントロールビットを複数ビットで表現する、誤り訂正符号を付加する、読み出し誤りを起しにくいページ中央に配置するなどの方法が効果的である。
【実施例3】
【0064】
実施例1と相違するのは、S410におけるコントロールビット決定基準である。実施例1ではS406からS409で算出したDSVを比較し、DSVが0に近くなるようにS403で付加したコントロールビットを決定していたが(S410)、本実施例では予め設定した目標値に近くなるようにコントロールビットを決定する(S1010)。
【0065】
さらに、DSVをある方向にシフトし易くするために、あえてNRZI変調した後のデータの“0”と“1”の比率を不均等とするように、予めデータに変調を加えることも有用である。例えば、図10の変調処理S1002において図11(a)のような変調テーブルを用いて変調を施す。これは変調後のデータに“1”が偶数回出現することを特徴とし、これによりNRZI変調した時に“0”若しくは“1”の回数が異なることになる。このテーブルを用いることで“0”と“1”の比率を不均等に出来るが、変調方法はこのテーブルに限るものではなく“0”と“1”の比率を変えることが可能なものであれば限定しない。またこのテーブルでは2ビットから3ビットへの変調を行っているが、これも限定するものではない。
【0066】
なお、以上の方法は実施例2にも同様に適用可能である。但し、実施例2ではNRZI変調を行わないことから、変調処理S1002後のデータに“0”(“1”でもよい)が多く含まれるものにするのが有用である。例えば、図10の変調処理S1002において図11(b)のような変調テーブルを用いて変調を施す。このテーブルを用いることで“0”と“1”の比率を不均等に出来るが、変調方法はこのテーブルに限るものではなく“0”と“1”の比率を変えることが可能なものであれば限定しない。またこのテーブルでは2ビットから3ビットへの変調を行っているが、これも限定するものではない。
【0067】
以上の動作によりユニット単位では透過と非透過の比率が異なるかもしれないが、ページデータ全体として透過と非透過の比率が均等となるように向上した2次元データを生成できる。これにより、ページ毎の透過率を一定となるように向上し記録することが可能となる。なお、記録時には空間光変調器308で変調された信号光が対物レンズ325により記録媒体上に集光されることからフーリエ変換像が記録されることになり、例え生成した2次元データの透過率がユニット単位で異なっていても、記録媒体上では影響を受けにくくなる。
【0068】
また実施例1では“0”と“1”の比率が等しくなるために、1ページ当たりの空間変調器308での透過率を50%にしか設定できなかった。対して、本実施例の特徴は任意の透過率を設定できることにある。例えば“0”の割合が多くなるようにDSVの目標値を負の値に設定しコントロールビットを決定、その後“0”を非透過として2次元データを生成すれば透過率を小さくすることが可能となる。これにより媒体のダイナミックレンジの消費を抑えることが出来るため、多重度を上げることも可能となる。また、データ内容等によっては、“0”と“1”の比率が所定範囲内(例えば45%〜55%など)と設定することでも、本実施例の効果が得られ記録にかかる負荷も低減できる。このことは他の実施例についても同様である。
なお、その他の実施例としては、ホログラフィを利用して情報を記録する光情報記録装置であって、入力データに変調を施し、Nビット毎にコントロールビットを付加し、変調後のデータに対してNRZI変調した後のデータのデジタルサムバリューが所定範囲内となるように該コントロールビットを決定し、コントロールビットを決定したデータに対してNRZI変調し、データを並べ替えることにより2次元データを生成する信号生成部と、前記信号生成部が生成した2次元データをホログラムディスクに記録するピックアップと、を具備する、光情報記録装置も考え得る。
さらに、前記NRZI変調後のデータに“0”若しくは“1”の回数が異なるように定めた変調テーブルを用いて入力データに変調を施す、光情報記録装置も考え得る。
また、その他の実施例として、ホログラフィを利用して情報を記録再生するための光情報記録再生装置であって、入力データに変調を施し、Nビット毎にコントロールビットを付加し、変調後のデータに対してNRZI変調した後のデータのデジタルサムバリューが所定範囲内となるように該コントロールビットを決定し、コントロールビットを決定したデータに対してNRZI変調し、データを並べ替えることにより2次元データを生成する信号生成部と、前記信号生成部が生成した2次元データをホログラムディスクに記録し、ま
た前記ホログラムディスクから2次元データを再生するピックアップと、前記ピックアップから再生した2次元データの画像歪みを補正し、2値化処理を施した2次元データをNRZI変調し、記録時に付加したコントロールビットを除去し、記録時に行った変調則に従い復調する信号処理部と、を具備する、光情報記録再生装置も考え得る。
さらに、前記NRZI変調後のデータに“0”若しくは“1”の回数が異なるように定めた変調テーブルを用いて入力データに変調を施す、光情報記録再生装置も考え得る。
また、その他の実施例として、ホログラフィを利用して情報を記録する光情報記録方法であって、入力データに変調を施し、Nビット毎にコントロールビットを付加し、変調後のデータに対してNRZI変調した後のデータのデジタルサムバリューが所定範囲内となるように該コントロールビットを決定し、コントロールビットを決定したデータに対してNRZI変調し、データを並べ替えることにより2次元データを生成し、前記生成した2次元データをホログラムディスクに記録する、光情報記録方法も考え得る。
また、その他の実施例として、ホログラフィを利用して情報を記録する光情報記録装置であって、入力データに変調を施し、Nビット毎にコントロールビットを付加し、変調後のデータのデジタルサムバリューが所定範囲内となるように該コントロールビットを決定し、コントロールビットを決定したデータに対してコントロールビットに従ってデータを反転し、データを並べ替えることにより2次元データを生成する信号生成部と、前記信号生成部が生成した2次元データをホログラムディスクに記録するピックアップと、を具備する、光情報記録装置も考え得る。
さらに、前記変調後のデータに“0”若しくは“1”の回数が異なるように定めた変調テーブルを用いて入力データに変調を施す、光情報記録装置も考え得る。
また、その他の実施例として、ホログラフィを利用して情報を記録再生するための光情報記録再生装置であって、入力データに変調を施し、Nビット毎にコントロールビットを付加し、変調後のデータのデジタルサムバリューが所定範囲内となるように該コントロールビットを決定し、コントロールビットを決定したデータに対してコントロールビットに従ってデータを反転し、データを並べ替えることにより2次元データを生成する信号生成部と、前記信号生成部が生成した2次元データをホログラムディスクに記録し、また前記ホログラムディスクから2次元データを再生するピックアップと、前記ピックアップから再生した2次元データの画像歪みを補正し、2値化処理を施した2次元データをコントロールビットに従ってデータを反転し、記録時に付加したコントロールビットを除去し、記録時に行った変調則に従い復調する信号処理部と、を具備する、光情報記録再生装置も考え得る。
さらに、前記変調後のデータに“0”若しくは“1”の回数が異なるように定めた変調テーブルを用いて入力データに変調を施す、光情報記録再生装置も考え得る。
また、その他の実施例として、ホログラフィを利用して情報を記録する光情報記録方法であって、入力データに変調を施し、Nビット毎にコントロールビットを付加し、変調後のデータのデジタルサムバリューが所定範囲内となるように該コントロールビットを決定し、コントロールビットを決定したデータに対してコントロールビットに従ってデータを反転し、データを並べ替えることにより2次元データを生成し、前記生成した2次元データをホログラムディスクに記録する、光情報記録方法も考え得る。
【符号の説明】
【0069】
1・・・光情報記録媒体、10・・・光情報記録再生装置、11・・・ピックアップ、12・・・位相共役光学系、13・・・ディスクCure光学系、14・・・ディスク回転角度検出用光学系、50・・・回転モータ、81・・・アクセス制御回路、82・・・光源駆動回路、83・・・サーボ信号生成回路、84・・・サーボ制御回路、85・・・信号処理回路、86・・・信号生成回路、87・・・シャッタ制御回路、88・・・ディスク回転モータ制御回路、89・・・コントローラ、301・・・光源、302・・・コリメートレンズ、303・・・シャッタ、304・・・光学素子、305・・・偏光ビームスプリッタ、306・・・信号光、307・・・偏光ビームスプリッタ、308・・・空間光変調器、309・・・ビームエキスパンダ、310・・・リレーレンズ、311・・・フェーズ(位相)マスク、312・・・リレーレンズ、313・・・空間フィルタ、314・・・ミラー、315・・・ミラー、316・・・ミラー、317・・・アクチュエータ、318・・・光検出器、319・・・レンズ、320・・・レンズ、321・・・ミラー、322・・・アクチュエータ、323・・・参照光、324・・・偏光方向変換素子、325・・・対物レンズ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホログラフィを利用して情報を記録する光情報記録装置であって、
入力データに変調を施し、Nビット毎にコントロールビットを付加し、変調後のデータに対してNRZI変調した後のデータのデジタルサムバリューが所定範囲内となるように該コントロールビットを決定し、コントロールビットを決定したデータに対してNRZI変調し、データを並べ替えることにより2次元データを生成する信号生成部と、
前記信号生成部が生成した2次元データをホログラムディスクに記録するピックアップと、を具備する、光情報記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光情報記録装置であって、
前記NRZI変調後のデータに“0”若しくは“1”の回数が異なるように定めた変調テーブルを用いて入力データに変調を施す、光情報記録装置。
【請求項3】
ホログラフィを利用して情報を記録再生するための光情報記録再生装置であって、
入力データに変調を施し、Nビット毎にコントロールビットを付加し、変調後のデータに対してNRZI変調した後のデータのデジタルサムバリューが所定範囲内となるように該コントロールビットを決定し、コントロールビットを決定したデータに対してNRZI変調し、データを並べ替えることにより2次元データを生成する信号生成部と、
前記信号生成部が生成した2次元データをホログラムディスクに記録し、また前記ホログラムディスクから2次元データを再生するピックアップと、
前記ピックアップから再生した2次元データの画像歪みを補正し、2値化処理を施した2次元データをNRZI変調し、記録時に付加したコントロールビットを除去し、記録時に行った変調則に従い復調する信号処理部と、を具備する、光情報記録再生装置。
【請求項4】
請求項3に記載の光情報記録再生装置であって、
前記NRZI変調後のデータに“0”若しくは“1”の回数が異なるように定めた変調テーブルを用いて入力データに変調を施す、光情報記録再生装置。
【請求項5】
ホログラフィを利用して情報を記録する光情報記録方法であって、
入力データに変調を施し、
Nビット毎にコントロールビットを付加し、
変調後のデータに対してNRZI変調した後のデータのデジタルサムバリューが所定範囲内となるように該コントロールビットを決定し、
コントロールビットを決定したデータに対してNRZI変調し、
データを並べ替えることにより2次元データを生成し、
前記生成した2次元データをホログラムディスクに記録する、光情報記録方法。
【請求項6】
ホログラフィを利用して情報を記録する光情報記録装置であって、
入力データに変調を施し、Nビット毎にコントロールビットを付加し、変調後のデータのデジタルサムバリューが所定範囲内となるように該コントロールビットを決定し、コントロールビットを決定したデータに対してコントロールビットに従ってデータを反転し、データを並べ替えることにより2次元データを生成する信号生成部と、
前記信号生成部が生成した2次元データをホログラムディスクに記録するピックアップと、を具備する、光情報記録装置。
【請求項7】
請求項6に記載の光情報記録装置であって、
前記変調後のデータに“0”若しくは“1”の回数が異なるように定めた変調テーブルを用いて入力データに変調を施す、光情報記録装置。
【請求項8】
ホログラフィを利用して情報を記録再生するための光情報記録再生装置であって、
入力データに変調を施し、Nビット毎にコントロールビットを付加し、変調後のデータのデジタルサムバリューが所定範囲内となるように該コントロールビットを決定し、コントロールビットを決定したデータに対してコントロールビットに従ってデータを反転し、データを並べ替えることにより2次元データを生成する信号生成部と、
前記信号生成部が生成した2次元データをホログラムディスクに記録し、また前記ホログラムディスクから2次元データを再生するピックアップと、
前記ピックアップから再生した2次元データの画像歪みを補正し、2値化処理を施した2次元データをコントロールビットに従ってデータを反転し、記録時に付加したコントロールビットを除去し、記録時に行った変調則に従い復調する信号処理部と、を具備する、光情報記録再生装置。
【請求項9】
請求項8に記載の光情報記録装置であって、
前記変調後のデータに“0”若しくは“1”の回数が異なるように定めた変調テーブルを用いて入力データに変調を施す、光情報記録再生装置。
【請求項10】
ホログラフィを利用して情報を記録する光情報記録方法であって、
入力データに変調を施し、
Nビット毎にコントロールビットを付加し、
変調後のデータのデジタルサムバリューが所定範囲内となるように該コントロールビットを決定し、
コントロールビットを決定したデータに対してコントロールビットに従ってデータを反転し、
データを並べ替えることにより2次元データを生成し、
前記生成した2次元データをホログラムディスクに記録する、光情報記録方法。
【請求項1】
ホログラフィを利用して情報を記録する光情報記録装置であって、
入力データに変調を施し、Nビット毎にコントロールビットを付加し、変調後のデータに対してNRZI変調した後のデータのデジタルサムバリューが所定範囲内となるように該コントロールビットを決定し、コントロールビットを決定したデータに対してNRZI変調し、データを並べ替えることにより2次元データを生成する信号生成部と、
前記信号生成部が生成した2次元データをホログラムディスクに記録するピックアップと、を具備する、光情報記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光情報記録装置であって、
前記NRZI変調後のデータに“0”若しくは“1”の回数が異なるように定めた変調テーブルを用いて入力データに変調を施す、光情報記録装置。
【請求項3】
ホログラフィを利用して情報を記録再生するための光情報記録再生装置であって、
入力データに変調を施し、Nビット毎にコントロールビットを付加し、変調後のデータに対してNRZI変調した後のデータのデジタルサムバリューが所定範囲内となるように該コントロールビットを決定し、コントロールビットを決定したデータに対してNRZI変調し、データを並べ替えることにより2次元データを生成する信号生成部と、
前記信号生成部が生成した2次元データをホログラムディスクに記録し、また前記ホログラムディスクから2次元データを再生するピックアップと、
前記ピックアップから再生した2次元データの画像歪みを補正し、2値化処理を施した2次元データをNRZI変調し、記録時に付加したコントロールビットを除去し、記録時に行った変調則に従い復調する信号処理部と、を具備する、光情報記録再生装置。
【請求項4】
請求項3に記載の光情報記録再生装置であって、
前記NRZI変調後のデータに“0”若しくは“1”の回数が異なるように定めた変調テーブルを用いて入力データに変調を施す、光情報記録再生装置。
【請求項5】
ホログラフィを利用して情報を記録する光情報記録方法であって、
入力データに変調を施し、
Nビット毎にコントロールビットを付加し、
変調後のデータに対してNRZI変調した後のデータのデジタルサムバリューが所定範囲内となるように該コントロールビットを決定し、
コントロールビットを決定したデータに対してNRZI変調し、
データを並べ替えることにより2次元データを生成し、
前記生成した2次元データをホログラムディスクに記録する、光情報記録方法。
【請求項6】
ホログラフィを利用して情報を記録する光情報記録装置であって、
入力データに変調を施し、Nビット毎にコントロールビットを付加し、変調後のデータのデジタルサムバリューが所定範囲内となるように該コントロールビットを決定し、コントロールビットを決定したデータに対してコントロールビットに従ってデータを反転し、データを並べ替えることにより2次元データを生成する信号生成部と、
前記信号生成部が生成した2次元データをホログラムディスクに記録するピックアップと、を具備する、光情報記録装置。
【請求項7】
請求項6に記載の光情報記録装置であって、
前記変調後のデータに“0”若しくは“1”の回数が異なるように定めた変調テーブルを用いて入力データに変調を施す、光情報記録装置。
【請求項8】
ホログラフィを利用して情報を記録再生するための光情報記録再生装置であって、
入力データに変調を施し、Nビット毎にコントロールビットを付加し、変調後のデータのデジタルサムバリューが所定範囲内となるように該コントロールビットを決定し、コントロールビットを決定したデータに対してコントロールビットに従ってデータを反転し、データを並べ替えることにより2次元データを生成する信号生成部と、
前記信号生成部が生成した2次元データをホログラムディスクに記録し、また前記ホログラムディスクから2次元データを再生するピックアップと、
前記ピックアップから再生した2次元データの画像歪みを補正し、2値化処理を施した2次元データをコントロールビットに従ってデータを反転し、記録時に付加したコントロールビットを除去し、記録時に行った変調則に従い復調する信号処理部と、を具備する、光情報記録再生装置。
【請求項9】
請求項8に記載の光情報記録装置であって、
前記変調後のデータに“0”若しくは“1”の回数が異なるように定めた変調テーブルを用いて入力データに変調を施す、光情報記録再生装置。
【請求項10】
ホログラフィを利用して情報を記録する光情報記録方法であって、
入力データに変調を施し、
Nビット毎にコントロールビットを付加し、
変調後のデータのデジタルサムバリューが所定範囲内となるように該コントロールビットを決定し、
コントロールビットを決定したデータに対してコントロールビットに従ってデータを反転し、
データを並べ替えることにより2次元データを生成し、
前記生成した2次元データをホログラムディスクに記録する、光情報記録方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−178213(P2012−178213A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−64689(P2012−64689)
【出願日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【分割の表示】特願2008−131454(P2008−131454)の分割
【原出願日】平成20年5月20日(2008.5.20)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【分割の表示】特願2008−131454(P2008−131454)の分割
【原出願日】平成20年5月20日(2008.5.20)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]