説明

光源を駆動する回路および方法

【課題】本発明は、発光ダイオード(LED)光源などの光源を駆動する回路および方法を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態では、電灯は、AC電圧を整流されたAC電圧に整流する整流器と、LED光源と、当該LED光源に直列に結合し、かつ所定の電流基準に従ってLED光源を通る電流を制御するスイッチとを備える。直列に結合したLED光源およびスイッチは、整流されたAC電圧を受け取る間、スイッチは線形に制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード(LED)光源などの光源を駆動する回路および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)は、一般照明などの多くの用途に使用することができる。LEDは、蛍光灯および白熱灯などの従来の光源に勝るいくつかの利点をもたらす。たとえば、LEDは、電力消費が極めて低い。金属フィラメントを加熱して大電流を発光させるのに十分に高い温度に変換する白熱電球などの従来の光源と異なり、LEDは、ほとんど熱を発生させず、エネルギーの一部分を利用して等価なルーメンの光を発生させる。たとえば、電球用途において、LED光源は、7ワット未満を消費し、約60ワットを消費する白熱光源と同じ量の輝度をもたらすことができる。
【0003】
さらに、LEDの動作寿命は、50,000時間を上回るまで延長することができ、白熱電球の平均寿命、たとえば5000時間、および蛍光灯の平均寿命、たとえば15,000時間よりも大幅に長い。さらに、LEDは、白熱灯または蛍光灯と異なり、水銀、または他のあらゆる有害な材料もしくは化学物質を含まず、紫外(UV)光を放射しない。LEDの使用は、大幅に環境を改善し、エネルギーを節約する。
【0004】
従来、AC/DCコンバータは、LEDに電力供給するのに、AC電圧の大部分をDC電圧に変換する。図1は、LEDアレイ108などの光源を駆動する典型的な駆動回路100を示す。駆動回路100は、AC電圧を整流されたAC電圧に整流するブリッジ整流器104と、ほぼ一定のDC電圧VINを供給するのに整流されたAC電圧をフィルタリングする、ブリッジ整流器104に結合する比較的大きいサイズの電解コンデンサCbulkとを含む。
【0005】
駆動回路100は、DC電圧VINをコンデンサ116にかかるDC電圧VOUTに変換し、LEDアレイ108に電力供給するスイッチング式DC/DCコンバータ122をさらに含む。コントローラ118は、動作中、入/切信号を生成し、スイッチ106を入および切に交互に完全に切り替え、LEDアレイ108用の電力を制御する。しかし、スイッチ106の入および切は、電磁干渉(EMI)ノイズを発生させ、EMIフィルタ130が電力線上のノイズを抑制する必要があるようにする。それに加えて、スイッチング式DC/DCコンバータ122は、通常、エネルギー貯蔵および/またはフィルタリング機能用のインダクタ112およびコンデンサ116などの素子を含む。そのような素子は、同様にサイズが比較的大きく、E12、E14、E17LED電球またはT-5およびT-8LED光管などの市販の照明器具内に配置しにくい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による実施形態は、発光ダイオード(LED)光源などの光源を駆動する回路および方法を提供する。一実施形態では、電灯は、AC電圧を整流されたAC電圧に整流する整流器と、LED光源と、LED光源に直列に結合し、所定の電流基準に従ってLED光源を通る電流を制御するスイッチとを含む。LED光源および直列に結合するスイッチは、整流されたAC電圧を受け取るが、スイッチは線形に制御される。
【0007】
請求する対象の実施形態の特徴および利点は、同様の番号が同様の部品を示す図面を参照して以下の詳細な説明を読み進めるとき、明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】光源を駆動する従来の駆動回路を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態による駆動回路を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態による整流されたAC電圧VRECの例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態による、システム電力効率と導通角(conduction angle)との間の関係を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態による、システム力率と導通角との間の関係を示す図である。
【図6】本発明の別の実施形態による、駆動回路を示す図である。
【図7】本発明の別の実施形態による、整流されたAC電圧VREC1および整流されたAC電圧VREC2の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで、本発明の実施形態を詳細まで参照する。本発明をこれらの実施形態と併せて説明するとき、本発明をこれらの実施形態に限定することを意図していないことが理解されよう。一方、本発明は、添付の特許請求の範囲により規定される、本発明の技術的思想および範囲内に含むことができる、代用形態、変更形態、および均等なものを保護することが意図される。
【0010】
さらに、本発明の以下の詳細な説明において、本発明の完全な理解をもたらすために、多くの具体的な詳細を説明する。しかし、本発明をこれらの具体的な詳細なしに実施することができることは、当業者により理解されよう。他の例では、よく知られた方法、手順、要素、および回路は、本発明の態様を不必要に覆い隠さないように詳細に説明しない。
【0011】
本発明による実施形態は、発光ダイオード(LED)光源などの1つまたは複数の光源を駆動する回路および方法を提供する。例として、本発明の実施形態による回路および方法は、限定しないが、E12、E14、E17電球またはT-5およびT-8管を含む照明器具内に使用することができる。一実施形態では、本回路は、AC/DC線形コンバータを含む。有利なことに、本発明の実施形態によるAC/DC線形コンバータは、比較的高い電力効率および比較的高い力率を達成することができる。一実施形態では、AC/DC線形コンバータは、たとえば6.0mm未満の厚さを有する、比較的薄いプリント回路基板(PCB)上に取り付けることができ、E12、E14、E17電球またはT-5およびT-8管などの照明器具内への装着をより容易にする。さらに、スイッチング式DC/DCコンバータと協働する従来のAC/DCコンバータと異なり、本発明の実施形態によるAC/DC線形コンバータは、電磁干渉(EMI)ノイズを発生させず、したがって、EMIフィルタを必要としない。それに加えて、従来のスイッチング式DC/DCコンバータ内のインダクタなどの大型の回路要素を省略することができる。したがって、本発明の実施形態による1つまたは複数の光源を駆動する回路および方法は、改善された効率および低減されたコストを達成する。
【0012】
図2は、本発明の一実施形態による駆動回路200を示す。図2の例では、駆動回路200は、AC電圧を受け取り、光源を通って流れる電流を制御するAC/DC線形コンバータ240を含む。例示的な目的で、図2内の光源は、複数のLED列を有するLEDアレイ210を含む。光源は、他のタイプの光源とすることができる。図2の例では、AC/DC線形コンバータ240は、AC電圧VACを整流されたAC電圧VRECに整流する整流器(たとえばブリッジ整流器204)と、LEDアレイ210に直列に結合し、所定の電流基準に従ってLEDアレイ210を通る電流を制御するスイッチQ1と、スイッチQ1を線形に制御する制御回路(たとえば演算増幅器206)と、光源を通って流れる電流を検知し、検知信号220を制御回路に供給する電流センサ(たとえば検知抵抗器RSET)とを含む。一実施形態では、スイッチQ1は、パワー金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)である。
【0013】
図3は、VACの周期0から2πの間の整流されたAC電圧VRECの例を示し、図2と併せて説明する。一実施形態では、整流されたAC電圧VRECは、周期的な電圧信号である。整流されたAC電圧VRECは、ピーク電圧VPを有する。LEDアレイ210の順方向電圧VOは、整流されたAC電圧VRECと交差する。LEDアレイ210は、LEDアレイ210にかかる電圧がLEDアレイ210の順方向電圧VOよりも大きいとき、その定格まで電流供給される。より具体的には、図3の例では、LEDアレイ210は、整流されたAC電圧VRECがLEDアレイ210の順方向電圧VOよりも大きいとき、その定格まで電流供給され、調整される。一実施形態では、検知抵抗器RSETにおける電圧降下は、比較的小さく、無視することができる。
【0014】
したがって、LEDアレイ210は、動作中、電源投入され、整流されたAC電圧VRECのレベルに応じて調整される。LEDアレイ210が電源投入されるとき、たとえば、整流されたAC電圧VRECがLEDアレイ210の順方向電圧VOよりも大きいとき、制御回路は、LEDアレイ210を通る電流を示す検知信号220を、所定の電流基準を示す基準信号ADJと比較することにより、スイッチQ1を線形に制御し、LEDアレイ210を通る電流が所定の電流基準に調整されるようにする。例として、演算増幅器206は、検知信号220を基準信号ADJと比較し、エラー信号を生成し、スイッチQ1を線形に制御する。電流センサ、たとえば検知抵抗器RSETは、LEDアレイ210に直列に結合し、検知信号220を供給する。
【0015】
図3の例では、整流されたAC電圧VRECは、半波正弦電圧信号である。しかし、整流されたAC電圧VRECは、図3の例に限定されない。整流されたAC電圧は、検知抵抗器RSETにおける電圧降下を無視することができれば、LEDアレイ210などの光源の順方向電圧VOが整流されたAC電圧と交差する限りは、他の周期的な信号とすることができる。したがって、整流されたAC電圧は、光源の順方向電圧VOよりも大きいピーク電圧VPを有し、光源の順方向電圧VO未満の谷電圧を有する。
【0016】
一実施形態では、LEDアレイ210を通って流れる電流IOは、次式により与えることができる。
IO=ADJ/RSET、 (1)
ここで、ADJは基準信号ADJの電圧レベルを示し、RSETは検知抵抗器RSETの抵抗値を示す。LEDアレイ210の順方向電圧VOは、次式により与えることができる。
VO=VPxSinθ (2)
ここで、VPは整流されたAC電圧VRECのピーク電圧を示し、θは整流されたAC電圧VRECがLEDアレイ210の順方向電圧VOにほぼ等しい導通角である。一実施形態では、「ほぼ等しい」は、導通角θにおいて、整流されたAC電圧VRECが、スイッチQ1および検知抵抗器RSETにおける電圧降下、ならびに実際の用途における回路要素の非理想性のために、順方向電圧VOとわずかに異なる可能性があることを意味する。
【0017】
したがって、周期0からπの間の平均投入電力Pinは、次式により与えることができる。
【0018】
【数1】

【0019】
周期0からπの間のLEDアレイ210の出力電力Poutは、次式により与えることができる。
【0020】
【数2】

【0021】
方程式(3)および(4)によれば、AC/DC線形コンバータ240の電力効率ηは、次式により計算することができる。
【0022】
【数3】

【0023】
それに加えて、たとえば周期0からπの間のスイッチQ1および検知抵抗器RSET上の全電力損Plossは、次式により得ることができる。
Ploss=Pin-Pout=[(1/η)-1] Pout (6)
方程式(5)によって、電力効率ηと導通角θとの間の関係を図4の例に示す。
【0024】
したがって、導通角θは、方程式(5)に基づき、所与の電力効率ηに応じて適宜得ることができる。整流されたAC電圧VRECのピーク電圧VPがわかるとき、順方向電圧VOは、方程式(2)により計算することができる。したがって、所定の出力電力、たとえばPout=5Wを有する電灯を設計するのに、LEDアレイ210を通って流れる電流IOは、方程式(4)により計算することができる。したがって、5Wの出力電力を発生させるのに必要なLEDの数は、LEDの定格電流がわかれば、計算することができる。
【0025】
例として、5ワットの出力電力Poutおよび80%の電力効率ηを有するLED灯を設計するのに、AC電源202が60Hz110V AC電圧VACを発生させ、整流されたAC電圧VRECのピーク電圧VPが155Vであれば、導通角θは、方程式(5)により約0.81(46.43度)である。方程式(2)によれば、順方向電圧VOは、155*sin(0.81)≒112Vにより与えることができる。方程式(4)によれば、電流IOは、約92mAである。LEDが3.2Vの順方向電圧を有するとすれば、LEDアレイ210の各LED列内のLEDの数は、112V/3.2V=35により与えることができる。LEDが20mAの定格電流を有するとき、LEDアレイ210は、5つのLED列を含むことができ、各LED列は、35個のLEDを含む。たとえばパワースイッチQ1および検知抵抗器RSET上の電力損Plossは、Ploss=Pin-Pout=[(1/η)-1] Pout=1.25Wである。
【0026】
さらに、システムの力率PFは、次式により計算することができる。
【0027】
【数4】

【0028】
ここで、Pinは方程式(3)により得ることができる平均投入電力を示し、Vrmsは入力電圧VRECの二乗平均を示し、IrmsはLEDアレイ210への入力電流の二乗平均を示す。VrmsおよびIrmsは、次式により与えることができる。
【0029】
【数5】

【0030】
したがって、力率PFは、次式により得ることができる。
【0031】
【数6】

【0032】
図5は、本発明の一実施形態による、力率PFと導通角θとの間の関係を示す。有利なことに、図4および図5に示すように、駆動回路は、適当な導通角θを選択することにより、比較的高い電力効率ηおよび比較的高い力率PFも達成することができる。たとえば、導通角θが0.81であるとき、電力効率ηは約80%となり、力率PFは約0.89となる。さらに、駆動回路は、インダクタ、パワースイッチ、および制御回路を含む可能性がある力率補正回路を追加することなく、比較的高い力率を達成することができる。
【0033】
一実施形態では、スイッチQ1および演算増幅器206は、コントローラを構成し、集積回路230内に集積することができる。さらに、整流器204、集積回路230、および検知抵抗器RSETは、プリント回路基板(PCB)上に取り付けることができる。図2に示すLEDアレイ210などの光源は、一実施形態では、別のPCB上に取り付けることができる。
【0034】
図6は、本発明の別の実施形態による、駆動回路600を示す。図2と同じ符号の素子は、同様の機能を有する。駆動回路600は、スイッチQ1を制御する制御回路をさらに含むAC/DC線形コンバータ640を含む。一実施形態では、整流されたAC電圧VRECを示す信号がDC電圧よりも大きいとき、LED光源210は、電源投入および調整され、整流されたAC電圧VRECを示す信号がDC電圧よりも小さいとき、LED光源210は、電源を切られる。
【0035】
より具体的には、整流されたAC電圧VRECを示す信号V1がDC電圧VDCよりも大きいとき、演算増幅器206の出力は、スイッチQ1を線形に制御する。一実施形態では、整流されたAC電圧VRECを示す信号V1がDC電圧VDCよりも小さいとき、演算増幅器206の出力は、低電圧に保持され、それにより、スイッチQ1を切る。図6の例では、AC/DC線形コンバータ640は、信号V1をDC電圧VDCと比較し、演算増幅器206に結合するスイッチQ3を制御する比較器610をさらに含む。信号V1は、整流されたAC電圧VRECに比例する。たとえば、駆動回路600は、整流されたAC電圧VRECを受け取り、信号V1を供給する、抵抗器R1およびR2を含む分圧器を含む。一実施形態では、DC電圧VDCは、整流されたAC電圧VRECの平均レベルに比例する。たとえば、駆動回路600は、抵抗器R3およびR4を含む分圧器を含む。平均化フィルタリングコンデンサC1は、抵抗器R4に並列に結合する。したがって、一実施形態では、DC電圧VDCは、整流されたAC電圧VRECの平均レベルに比例する。一実施形態では、電圧V1がDC電圧VDCよりも大きいとき、比較器610は、スイッチQ3を切り、演算増幅器206の出力がスイッチQ1を線形に制御するようにする。電圧V1がDC電圧VDCよりも小さいとき、比較器610は、スイッチQ3を入れ、演算増幅器206の出力をアースするようにし、したがって、スイッチQ1が切られる。有利なことに、駆動回路600は、入力AC電圧VACが揺動しても、LEDアレイ210を制御し、ほぼ一定の輝度にすることができる。
【0036】
図7は、周期0から2πの間の整流されたAC電圧VREC1および整流されたAC電圧VREC2の例を示し、図6と併せて説明する。一実施形態では、整流されたAC電圧VREC1および整流されたAC電圧VREC2は、半波正弦電圧信号などの周期的な電圧信号である。例として、入力AC電圧VACがVAC1からVAC2まで揺動するとき、整流されたAC電圧は、それに応じてVREC1からVREC2まで変化する。整流されたAC電圧VREC1はピーク電圧VP1を有し、整流されたAC電圧VREC2はピーク電圧VP2を有する。DC電圧VDCが、整流されたAC電圧VRECの平均レベルに比例するので、DC電圧もそれに応じてVDC1からVDC2まで変化する。有利なことに、図7の例に示すように、整流されたAC電圧がVREC1またはVREC2のいずれであるかにかかわらず、スイッチQ3は、0〜θ、(π-θ)〜(π+θ)、および(2π-θ)〜2πの間で入れられ、スイッチQ3は、θ〜(π-θ)および(π+θ)〜(2π-θ)の間で切られる。一実施形態では、スイッチQ3が入れられるとき、スイッチQ1は切られ、スイッチQ3が切られるとき、スイッチQ1は、基準信号ADJを検知信号220と比較することにより、LEDアレイ210を通る電流を調整するように線形に制御される。いいかえれば、入力AC電圧VACの揺動により、整流されたAC電圧VRECが変化しても、スイッチQ1は、依然として同じ導通角で伝導し、LEDアレイ210がほぼ一定の輝度を有するようにする。
【0037】
図6の例では、DC電圧VDCは、次式により与えることができる。
【0038】
【数7】

【0039】
ここで、R3は抵抗器R3の抵抗値を示し、R4は抵抗器R4の抵抗値を示す。例として、分圧器R3およびR4は、比較器610の非反転入力部において、2.0V DC電圧、たとえばVDC=2.0Vなどの集積回路設計にある程度適合するように選択される。整流されたAC電圧VRECのピーク電圧VPが155Vであるとすれば、比例的なR3およびR4の分圧器は、次式により得ることができる。
【0040】
【数8】

【0041】
整流されたAC電圧VRECがLEDアレイ210の順方向電圧VOよりも大きいとき、スイッチQ1が入れられることがわかれば、比較器610の反転入力部における電圧V1は、抵抗器R1およびR2を含む抵抗分圧器を適当に選択することにより、VRECの一部分となる。LEDアレイ210の順方向電圧VOが112Vで、整流されたAC電圧VRECのピーク電圧VPが155Vであるとすれば、比例的なR1およびR2の分圧器は、次式により得ることができる。
【0042】
【数9】

【0043】
AC電圧VACの変化があるとすればそれにより、整流されたAC電圧VRECのピーク電圧VPは、155Vから180Vまで変化する。方程式(11)によれば、DC電圧VDCは、以下の値まで変化する。
【0044】
【数10】

【0045】
方程式(2)によれば、
【0046】
【数11】

【0047】
したがって、整流されたAC電圧VRECのピーク電圧VPが155Vに等しいとき、同じ導通角である、θ≒0.81(46.43度)となる。整流されたAC電圧VRECが変化するときでも、同じ導通角θでスイッチQ1を入れることにより、その結果、LEDアレイ210の輝度は、ほぼ一定に維持される。
【0048】
図2を参照すれば、AC電圧VACの変化のために、整流されたAC電圧VRECのピーク電圧VPが155Vから180Vまで変化するとき、導通角θは、次式により約0.67(38.48度)となる。
VO=VPxSinθ⇒112V=180Vxsinθ⇒θ=0.67 (15)
したがって、図2の駆動回路200が使用されるとき、出力電力Poutは、次式により与えることができる。
【0049】
【数12】

【0050】
この式は、AC電圧VACの変化のために、整流されたAC電圧VRECのピーク電圧VPが155Vから180Vまで変化するとき、輝度が変化することを示す。さらに、電力損は、次式により得ることができる。
Ploss=Pin-Pout=[(1/η)-1] Pout=2.35ワット (17)
図6の駆動回路600を使用することにより、電力効率は、さらに向上する。たとえば、図6の駆動回路を使用することにより、整流電圧が、180Vのピーク電圧を有するVREC2であるとき、電力損は、以下の通りである。
【0051】
【数13】

【0052】
一実施形態では、スイッチQ1およびQ3、演算増幅器206、比較器610、ならびに抵抗器R1、R2、R3、およびR4は、コントローラを構成し、集積回路630内に集積することができる。別の実施形態では、抵抗器R1および/またはR3は、設計を柔軟にして集積回路の外部とすることができる。さらに、整流器204、フィルタリングコンデンサC1、検知抵抗器RSET、および集積回路630は、プリント回路基板(PCB)上に取り付けることができる。一実施形態では、図6に示すLEDアレイ210などの光源は、別のPCB上に取り付けることができる。
【0053】
したがって、本発明による実施形態は、発光ダイオード(LED)光源などの1つまたは複数の光源を駆動する回路および方法を提供する。有利なことに、駆動回路は、比較的高い電力効率および力率を達成するAC/DC線形コンバータを使用し、大型のインダクタ、コンデンサ、およびスイッチングデバイスを含むスイッチング式DC/DCコンバータを必要とする可能性がある従来の光源駆動回路と異なり、比較的小さいサイズで、低コストでもある。さらに、本発明の実施形態によるAC/DC線形コンバータは、電磁干渉(EMI)ノイズを発生させず、したがって、EMIフィルタを必要としない。本発明の実施形態による駆動回路は、比較的小さいサイズのために、限定しないが、E12、E14、E17電球またはT-5およびT-8管を含む照明器具内に使用することができる。
【0054】
上述の説明および図面は、本発明の実施形態を示すが、添付の特許請求の範囲に規定する本発明の原理の技術的思想および範囲から逸脱することなく、それらの中で様々な追加、変更、および代用を行うことができることが理解されよう。本発明は、形態、構造、構成、比率、材料、素子、および要素の多くの変更を伴って使用することができ、その他に、本発明の実施に際して、本発明の原理から逸脱することなく、特定の環境および動作要件に特に適合する発明を使用することができることを、当業者は理解するであろう。したがって、本開示の実施形態は、全ての点において、例示的であるが限定的でないものとみなすべきであり、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらと法的に均等なものにより示され、上述の説明には限定されない。
【符号の説明】
【0055】
100、200、600 駆動回路
104 ブリッジ整流器
106、Q1、Q3 スイッチ
108、210 LEDアレイ
112 インダクタ
116 コンデンサ
118 コントローラ
122 スイッチング式DC/DCコンバータ
130 EMIフィルタ
202 AC電源
204 整流器
206 演算増幅器
220 検知信号
230、630 集積回路
240、640 AC/DC線形コンバータ
610 比較器
ADJ 基準信号
C1 平均化フィルタリングコンデンサ
PF 力率
R1、R2、R3、R4 抵抗器
RSET 検知抵抗器
VO 順方向電圧
VP ピーク電圧
VP1 VREC1のピーク電圧
VP2 VREC2のピーク電圧
VREC、VREC1、VREC2 整流されたAC電圧
η 電力効率
θ 導通角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
AC電圧を整流されたAC電圧に整流する整流器と、
発光ダイオード(LED)光源とを備える電灯であって、前記LED光源の端子が前記整流されたAC電圧を受け取り、
前記電灯は、前記LED光源と直列に結合し、かつ所定の電流基準に従って前記LED光源を通る電流を制御するスイッチを備え、前記スイッチは線形に制御される、電灯。
【請求項2】
前記整流されたAC電圧を示す信号がDC電圧よりも大きいとき、前記LED光源は、電源投入および調整され、前記整流されたAC電圧を示す前記信号が前記DC電圧よりも小さいとき、前記LED光源は、電源を切られる、請求項1に記載の電灯。
【請求項3】
前記DC電圧は、前記LED光源の順方向電圧を示す、請求項2に記載の電灯。
【請求項4】
前記DC電圧は、前記整流されたAC電圧の平均レベルに比例する、請求項2に記載の電灯。
【請求項5】
前記整流されたAC電圧は、周期的な電圧信号を有する、請求項1に記載の電灯。
【請求項6】
前記整流されたAC電圧は、半波正弦電圧信号を有する、請求項1に記載の電灯。
【請求項7】
前記スイッチと結合し、かつ前記LED光源を通る前記電流を示す検知信号を、前記所定の電流基準を示す基準信号と比較することにより、前記スイッチを線形に制御する制御回路をさらに備える、請求項1に記載の電灯。
【請求項8】
前記LED光源と直列に結合し、かつ前記検知信号を供給する電流センサをさらに備える、請求項7に記載の電灯。
【請求項9】
前記制御回路は、前記検知信号を前記基準信号と比較しかつエラー信号を生成して前記スイッチを線形に制御する増幅器を備える、請求項7に記載の電灯。
【請求項10】
前記電灯の力率PFは、
【数1】

により得られ、ここで、θは、前記整流されたAC電圧が前記LED光源の順方向電圧にほぼ等しい、導通角を示す、請求項1に記載の電灯。
【請求項11】
前記LED光源は、直列に結合した複数のLEDをさらに有するLED列を備える、請求項1に記載の電灯。
【請求項12】
整流されたAC電圧を受け取る発光ダイオード(LED)光源への電力を制御するコントローラであって、
前記LED光源と直列に結合したスイッチと、
前記スイッチと結合し、かつ前記LED光源を通る電流を示す検知信号を、電流基準を示す基準信号と比較するとともに、制御信号を生成して前記スイッチを線形に制御する、制御回路と
を備え、
前記コントローラは、前記整流されたAC電圧を示す信号がDC電圧よりも大きいとき、前記LED光源に電源投入し、前記整流されたAC電圧を示す信号が前記DC電圧よりも小さいとき、前記LED光源の電源を切る、コントローラ。
【請求項13】
前記制御回路は、前記検知信号を前記基準信号と比較しかつエラー信号を生成して前記スイッチを線形に制御する増幅器を含む、請求項12に記載のコントローラ。
【請求項14】
前記DC電圧は、前記LED光源の順方向電圧を示す、請求項12に記載のコントローラ。
【請求項15】
前記DC電圧は、前記整流されたAC電圧の平均レベルに比例する、請求項12に記載のコントローラ。
【請求項16】
前記整流されたAC電圧を示す前記信号が前記DC電圧よりも大きいとき、前記制御回路は、前記スイッチを線形に制御し、前記整流されたAC電圧を示す前記信号が前記DC電圧よりも小さいとき、前記制御回路は、前記スイッチを切る、請求項12に記載のコントローラ。
【請求項17】
前記制御回路と結合したスイッチと、
前記整流されたAC電圧を示す前記信号を前記DC電圧と比較し、かつ制御信号を生成して前記スイッチを制御する比較器と、をさらに備える、請求項16に記載のコントローラ。
【請求項18】
前記整流されたAC電圧は、周期的な電圧信号を備える、請求項12に記載のコントローラ。
【請求項19】
前記整流されたAC電圧は、半波正弦電圧信号を備える、請求項12に記載のコントローラ。
【請求項20】
前記LED光源は、直列に結合した複数のLEDをさらに有するLED列を備える、請求項12に記載のコントローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−114440(P2012−114440A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−255136(P2011−255136)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(500521843)オーツー マイクロ, インコーポレーテッド (138)
【Fターム(参考)】