説明

光源ユニット

【課題】反射型LEDを利用した光源ユニットであって、広い面積を均一に高輝度に照射が可能な光源ユニットを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、内部に凹面状の反射面20を有する支持体60と、支持の反射面の上方中央部にリード70,80にて当該反射面に向けて発光するように支持された発光素子90とを備えた反射型LED2に対して、反射型LED2の出光面部分にフライアイレンズ5を設置した光源ユニット1を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反射型LEDを利用した光源ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、監視カメラには夜間撮像のためにカメラの監視方向を照射するために監視カメラと共に光源ユニットが装備されている場合が多い。このような光源ユニットには、低消費電力であるメリットが活かせるLEDが利用されている。そして、このような光源ユニットに利用されるLEDは、砲弾型LEDが一般的である。
【0003】
砲弾型LEDの場合、その照射角が広いために撮像方向に光を集めて照射するためにはコリメートレンズをLEDの光出射方向の前方に設置していた。ところが、砲弾型LEDの前方にコリメートレンズを設置した光源ユニットの場合、LEDチップからコリメートメンズまでの間に距離があり、その間に光がロスしてしまい、輝度の高い光の放射ができない問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−172579号公報
【特許文献2】特開2006−093435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、反射型LEDを利用した光源ユニットであって、高輝度で照射角も広く照射が可能な光源ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、内部に凹面状の反射面を有する支持体と、前記支持の前記反射面の上方中央部にリードにて当該反射面に向けて発光するように支持された発光素子とを備えた反射型LEDに対して、前記反射型LEDの出光面部分にフライアイレンズを設置した光源ユニットを特徴とする。
【0007】
上記光源ユニットは、前記反射型LEDとフライアイレンズをユニットケース内に収容したものとすることができる。
【0008】
また、上記光源ユニットは、前記ユニットケースに前記反射型LEDを複数組並列するように収容したものとすることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の光源ユニットによれば、反射型LEDとその出光面部分に配置されたフライアイレンズにて構成したので、本来高輝度発光ができる反射型LEDの高輝度な光をフライアイレンズにて出光面全体に均一な輝度で広がる光に変換して出光させることができ、出光方向の前方に広がりのある明るい光を照射できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施の形態の光源ユニットの斜視図。
【図2】上記実施の形態の光源ユニットの正面図。
【図3】上記実施の形態の光源ユニットの図2におけるA−A線断面図。
【図4】上記実施の形態の光源ユニットの分解斜視図。
【図5】上記実施の形態に利用する反射型LEDの斜視図。
【図6】上記実施の形態に利用する反射型LEDの断面図。
【図7】本発明の第2の実施の形態の光源ユニットの斜視図。
【図8】上記実施の形態の光源ユニットによる照射域の説明図。
【図9】比較例の反射型LEDの照射域の説明図。
【図10】従来の砲弾型LEDの照射域の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。
【0012】
(第1の実施の形態)
図1〜図4に示すように、本発明の第1の実施の形態の光源ユニット1は、反射型LED2を基板3に実装し、この反射型LED2と基板3をユニットケース4に下面開口部から収容し、ユニットケース4の上部開口面にフライアイレンズ5を嵌め込んで取り付けた構成である。フライアイレンズ5は一側面に1個の係爪51を持ち、反対側面に2個の係爪52を持っていて、ユニットケース4の一側面と反対側面に設けた係止め片41,42の穴それぞれに弾性的に圧入することで係止、固定されている。
【0013】
図3にて分かるように、反射型LED2とフライアイレンズ5との間にはある程度、例えば5mm程度のクリアランスが設けてあり、これによって反射型LED2の構造物の陰が出射光に陰となって表れないようにしてある。
【0014】
この光源ユニット1に利用される反射型LED2は、図5、図6に示す構造である。すなわち、上面部に放物凹面状の反射面20を有し、周囲の壁部30の一辺の上部中央に溝40が形成され、対向辺の上部3箇所に溝51,52,53が形成された直方体状の支持体60と、この支持体60の反射面20の上方を一方の壁面から他方の壁面まで横切り、当該支持体60の両方の壁側面及び底面に沿うように、狭幅の上片71a,71b、広幅の垂直片72a,72b、広幅の下片73a,73bがコの字状に形成されている素子マウント側リード70と、この素子マウント側リード70と対置され、同様に狭幅の上片81、広幅の垂直片82、広幅の下片83がコの字状に形成されているワイヤ接続側リード80と、素子マウント側リード70の上片71a,71bの中央接続部に形成された素子マウント部74に搭載された発光素子90とから構成されている。発光素子90にはワイヤ10の一端が接続され、ワイヤ10の他端はワイヤ接続側リード80の上片81の先端部に接続されている。
【0015】
素子マウント側リード70の幅狭の上片71a,71bは、支持体60の上面の中心線に沿い直線状に延びるストレートな形状である。そして、素子マウント側リード70の片側、狭幅の上片71aに連続している広幅の垂直片72aには、この上片71aに平行にして水平に伸びる副片75が形成してある。また副片75の先端は膨出部76としてある。
【0016】
他方、ワイヤ接続側リード80の上片81は、素子マウント側リード70の長手方向の中心線に平行な根本部分から先が斜めにして反射面2の上方中央部に向かって屈曲して延び、その先端部分が素子マウント側リード70の中心部の素子マウント部74に対して近接する位置に位置する形状にしてある。
【0017】
素子マウント側リード70の片側の狭幅の上片71aと副片75との折り曲げ基部が支持体60の一辺の上部中央位置の溝51と側方位置の溝52とのそれぞれに嵌合され、支持体60の溝51,52の外部で広幅の垂直片72aが支持体60の側面に沿い、かつ広幅の下片73aが支持体60の底面に接している。
【0018】
素子マウント側リード70の反対側の狭幅の上片71bの折り曲げ基部が支持体60の対向辺の上部中央位置の溝40に嵌合され、支持体60の溝40の外部で広幅の垂直片72bが支持体60の側面に沿い、かつ広幅の下片73bが支持体60の底面に接している。
【0019】
他方のワイヤ接続側リード80の屈曲した上片81の折り曲げ基部が支持体60の一辺の側方位置の溝53に嵌合され、支持体60の溝53の外部で広幅の垂直片82が支持体60の側面に沿い、かつ広幅の下片83が支持体60の底面に接している。
【0020】
支持体60の溝40,51〜53それぞれにおいて、1対のリード70,80それぞれの上片71a,71b,81の嵌合部分、また副片75の嵌合部分の上面側から支持体60の上縁面までの段差を塞ぐようにその段差部分に小さなUV硬化性樹脂を詰めて硬化させて堰止め11,121,122,123とし、同時にリード70,80それぞれの上片71a,71b,81と副片75の折り曲げ基部を固定している。そして、支持体60の凹部内に、例えば、特許第4001347号公報に記載されているカチオン重合型透明エポキシ樹脂のような透明エポキシ樹脂もしくは透明シリコン樹脂のような透明樹脂13を支持体60の上縁面に達する深さに充填して硬化させることで、1対のリード70,80の上片71a,71b,81と副片75の部分や発光素子90、ワイヤ10を透明樹脂13の中に埋没させた状態で固定している。
【0021】
図4に示すように、上記構成の反射型LED2は、基板3上に載置し、底部両側のリード70,80の下片73a,83それぞれを半田にてプラス端子31、マイナス端子32に接続して固定する。このマウント状態で、それらのプラス端子31、マイナス端子32に通電することで発光素子90に両リード70,80を通じて通電して発光させる。発光素子90からの光は、図6において矢印線で示すように大部分が下方に出て放物曲面の反射面20にて反射され、ほぼ平行光線となって支持体60の上面から出光する。このため、本実施の形態の反射型LED2は光の向きが揃い指向性が強い光(照射角が狭い光)、したがって光が当たるところでは輝度の高い光を得ることができる。尚、本発明に用いる反射型LED2は上記実施の形態のタイプに限定されるものではない。
【0022】
上記構成の光源ユニット1の照射特性について説明する。上記の反射型LED2の照射角の狭いほぼ平行光がフライアイレンズ5に入射すると、フライアイレンズ5の特性により碁盤の目状に分割された後、各々のレンズがいったん集光スポットを形成し、再び広がった光束が照射面に重畳的に投影されるようになり、光を効率良く照射面に導くと共に照射面での光強度を均一にすることができる。このため、フライアイレンズ5を用いない反射型LED単体の照射角よりも広い照射面を均一に照らすことができる。
【0023】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態の光源ユニットを図7を用いて説明する。本実施の形態の光源ユニット1Aは、ユニットケース4A内に複数個、ここでは4個の反射型LED2を基板3A上に実装したものを下面開口部から収容し、ユニットケース4Aの上面開口部に反射型LED2の4個分をカバーする面積のフライアイレンズ5Aを嵌め込んで固定して構成している。
【0024】
本実施の形態の光源ユニット1Aによれば、複数個の反射型LED2を用いているので、第1の実施の形態の反射型LED単体を用いる光源ユニット1に対して、より明るく、より広い範囲の照射が可能である。
【実施例】
【0025】
図8は本発明の1つの実施例の図7に示す構造の4個の反射型LEDを用いた光源ユニットによる照射特性を示している。照射領域PL1の全体がほぼ均一に広い面積に照射されている。図9は4個の反射型LEDのみでフライアイレンズを除去した光源ユニットの比較例による照射特性を示している。二重に描いた内側の照射領域PL21は高照度の領域を示し、外側の照射領域PL22は低照度の領域を示している。図10は、全電力消費量が図8の実施例の光源ユニットとほぼ同じである砲弾型LED10個を用いた従来例の光源ユニットの照射特性を示している。ここでも二重に描いた内側の照射領域PL31は比較的高照度の領域を示し、外側の照射領域PL32は低照度の領域を示している。
【0026】
図9に示したフライアイレンズを用いていない比較例の反射型LED4個による照射特性は、図10に示した従来例の砲弾型LED10個による照射特性よりも広い面積で高輝度に照射できている。これに対して、図8に示した本発明の実施例のフライアイレンズを採用した反射型LED4個の光源ユニットの照射特性は、中心部での輝度はフライアイレンズを用いない比較例の反射型LED4個の光源ユニットに比べれば低下しているが、照射対象のほぼ全体を照射できるまでに照射面積が拡大している。
【0027】
これにより、本発明の実施例の光源ユニットは、広い照射領域を明るく照射することができ、かつ照射面での光強度を均一にすることができることが確認できた。
【0028】
尚、本発明は第1、第2の実施の形態によって記載したが、反射型LEDは実施の形態のものに限定されるわけではなく、一般的な反射型LEDを使用することができ、また、フライアイレンズも特に図示のものに限定されるわけではなく、一般的な特性のものを採用することができる。
【0029】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0030】
1,1A 光源ユニット
2 反射型LED
3,3A 基板
4 ユニットケース
5,5A フライアイレンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に凹面状の反射面を有する支持体と、前記支持の前記反射面の上方中央部にリードにて当該反射面に向けて発光するように支持された発光素子とを備えた反射型LEDに対して、
前記反射型LEDの出光面部分にフライアイレンズを設置したことを特徴とする光源ユニット。
【請求項2】
前記反射型LEDとフライアイレンズをユニットケース内に収容して成る請求項1に記載の光源ユニット。
【請求項3】
前記ユニットケースに前記反射型LEDを複数組並列するように収容したことを特徴とする請求項2に記載の光源ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−119340(P2012−119340A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−75985(P2009−75985)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(591244292)株式会社 パールライティング (36)
【Fターム(参考)】