光源装置、画像表示装置およびプロジェクタ
【課題】単一素子内または隣接素子間に輝度バラツキのあるLEDでありながら、その光量の不均一を解消することが可能な光源装置、画像表示装置およびプロジェクタ。
【解決手段】回転自在に軸支された光源基板の回転中心近傍で少なくとも半径方向に係る発光面を有する複数のLEDを配設した。また、前記光源基板を回転するモータ2と、前記モータ2の回転に伴って前記光源基板を強制空冷可能な強制空冷手段と、を備えた。また、前記強制空冷手段として配設されたファン32と前記光源基板を逆方向に回転させる逆回転手段を備えた。また、前記光源基板を軸支する固定部側から前記光源基板を含む回転部側の間に電源供給用のスリップリング8またはロータリートランスを備えた。
【解決手段】回転自在に軸支された光源基板の回転中心近傍で少なくとも半径方向に係る発光面を有する複数のLEDを配設した。また、前記光源基板を回転するモータ2と、前記モータ2の回転に伴って前記光源基板を強制空冷可能な強制空冷手段と、を備えた。また、前記強制空冷手段として配設されたファン32と前記光源基板を逆方向に回転させる逆回転手段を備えた。また、前記光源基板を軸支する固定部側から前記光源基板を含む回転部側の間に電源供給用のスリップリング8またはロータリートランスを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置、画像表示装置およびプロジェクタに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プロジェクタの小型化の要求が益々高まるなか、発光ダイオード(LED)の高出力化に伴い、このLED光源を使った光源装置、画像表示装置およびプロジェクタが検討されている。LEDは、小型化や構成要素の削減も可能であることから、次世代の表示素子として大きな可能性を秘めている。
【0003】
ところで、LED個々の素子のばらつきを個別に調整するためには、マトリクス型の駆動が必要とされていた。また、各LEDの電力が大きい、照明用途のLED駆動装置においては、大電力駆動用のLSI等は未だ作成されておらず、現実的にはコストの点で不利であるため、直列接続形式が用いられると考えられるが、直列接続形式では、個々のLEDの輝度バラツキを調整することが困難である。
【0004】
そこで、直列接続された複数の素子例えばLEDを定電流駆動するにあたり、個々のLED素子の輝度バラツキを個別に調整することができるようにした定電流駆動装置、この定電流駆動装置により駆動されるバックライト光源装置及びカラー液晶表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
一方、RGBフィールド順次式カラー表示のプロジェクタに用いられる光源の駆動は、大電流にて駆動するLEDを高速に点灯切り替えて用いる。また、LEDをパルス駆動にて利用しているので、定格電流値より大きな電流値にて駆動する。よって、R,G,B個々のLEDにおける順電圧Vfの差異はより大きくなり、負荷であるLEDを駆動するための駆動電圧値を大きく切り替えなければエネルギー利用効率が低下する。
【0006】
他方、LED電源回路にてLEDを駆動した場合、点灯LEDの切り替え直後の駆動状態は、その制御方式がフィードバック制御であることと、DC−DCコンバータの応答が遅延する影響にて、既定された定電流状態になるまでにディレイ時間が生じる。このディレイ期間でのLEDの発光量は、所定の定電流駆動の場合と異なる量となり、LED発光期間内での光量の不均一として現れる。特に、照明光源の光量が均一であることに基づいてパルス幅変調(PWM)制御にて階調表現している表示装置においてはふさわしくなかった。
【0007】
前記LED発光期間内での光量の不均一を解消するために、大電流にて駆動するLEDを高速に点灯切り替えしても、所定の発光量で安定してLEDを発光でき、かつ、エネルギー利用効率の高い駆動装置が必要とされていた。そこで、回転駆動装置を用い、複数のLEDを用いたロッド稼動型照明ユニットを用いた表示装置として、回動可能な保持具であるロッドホルダに取り付けられたL字型の光学面で構成された2つの角型の導光ロッド部材を、可動手段としてのモータで回転し、ドラム状に形成した光源基板の内周に配列した複数の発光体としてのLEDを、各導光ロッド部材に対し1つまたは2つ、前記導光ロッド部材の回転に併せて順次点灯するものが知られている。
【0008】
このように、複数のLEDを順次切り替えパルス発光させ、放射光を取込む導光ロッド部材との相対位置関係をLEDの発光切り替えに併せて選択しながら変移させることによって、実効的に高輝度のLEDが得られ、大光量の平行度の向上した光が導光ロッド部材から得られるようにした装置が考え出されている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2005−310996号公報(段落0011、図11)
【特許文献2】特開2004−311635号公報(段落0119〜0124、図19、図20)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、大電流により高輝度が得られるLEDに関し、非選別品等を積極的に採用できるようにすることでコストダウンを追及するものではなかった。すなわち、低品質のため単一素子内または隣接素子間に輝度バラツキのあるLEDでありながら、その光量の不均一を解消することが可能な光源装置、画像表示装置およびプロジェクタを提供する。また、大電流による高出力LEDに放熱対策を施し、かつ、低振動、静粛性も向上させることも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の光源装置は、回転自在に軸支された光源基板の回転中心近傍で少なくとも半径方向に係る発光面を有するLEDを複数配設したことを特徴とする。
本発明の光源装置によれば、半径方向に係る発光面が回転することにより円盤状に均一化されるので、輝度にバラツキのある低品質のLEDであっても、非選別のまま採用できるのでコストダウンが可能となる。
【0011】
また、本発明の光源装置は、前記光源基板を回転するモータと、前記モータの回転に伴って前記光源基板を強制空冷可能な強制空冷手段と、を備えることも好ましい。
本発明の光源装置によれば、モータにより光源基板が回転し、その回転に伴って強制空冷手段が光源基板を強制空冷する機構は、簡素かつ低コストでありながら、発熱するLEDを効率良く強制空冷することが可能である。
【0012】
また、本発明の光源装置は、前記強制空冷手段として配設されたファンと前記光源基板を逆方向に回転させる逆回転手段を備えることも好ましい。
また、本発明の光源装置によれば、ファンと光源基板を、例えば、遊星歯車等により構成された逆回転手段で逆方向に回転させれば、振動をある程度相殺するので、低振動かつ静粛にすることが可能である。
【0013】
また、本発明の光源装置は、前記光源基板を軸支する固定部側から前記光源基板を含む回転部側の間に電源供給用のスリップリングまたはロータリートランスを備えることも好ましい。
本発明の光源装置によれば、固定部から、その固定部に軸支された回転部の一部として回転するLEDまでの間をスリップリングまたはロータリートランスを介して電源供給可能であり、特にロータリートランスは非接触なので磨耗がないので、メンテナンスの必要がなく、長寿命である。
【0014】
また、本発明の光源装置によれば、少なくとも3原色を構成可能な発色数の前記LEDと、前記発色数に応じて独立制御可能な極数の前記スリップリングまたはロータリートランスを備え、前記光源基板の回転速度はRGBフィールド順次式カラー表示のフレーム周期に同期する速度以上であることも好ましい。
【0015】
また、本発明の光源装置によれば、異なる発色数の前記LEDにより、3原色を構成するLEDを独立制御可能な極数の前記スリップリングまたはロータリートランスから各LEDへ電源供給し、異なる発色のLEDごとに輝度制御すれば、RGBフィールド順次式カラー表示にも対応可能である。また、光源基板の回転速度がRGBフィールド順次式カラー表示のフレーム周期に同期する速度以上であることにより、発光ムラを目立たなくすることが可能である。
【0016】
また、本発明の光源装置は、前記強制空冷手段として、前記固定部にケーシングを施して通風経路を設け、前記ケーシングは光学部品を兼用することも好ましい。
本発明の光源装置によれば、光学部品であるテーパーロッド等が光源装置のケーシングに兼用できて好適であり、そのケーシングは強制空冷手段として有効な通風経路になるので、冷却効果が高められる。
【0017】
また、本発明の光源装置を画像表示装置に適用すると簡素、小型、軽量、省電力、低発熱の装置が提供できる。特にプロジェクタには好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明に係る光源装置E、あるいは、その光源装置Eを画像表示装置またはプロジェクタに適用した実施形態について説明する。なお、以下の図面においては、同一機能には同一符合を付して説明を省略している。
【0019】
図1は本発明の実施形態(以下、「本実施形態」ともいう)に係る光源装置Eを示す側面図である。図1に示すように、固定部6において、光源基板1が回転軸4により回転自在に軸支されている。回転軸4はモータ2により所定速度で回転駆動される。光源基板1には回転中心近傍から半径方向に亘って発光幅を有する正方形の薄板単位(角板状)の発光ダイオード(LED)が複数配設(図2、図9参照)されている。
【0020】
このLEDはつぎに説明する回路構成により給電される。すなわち、固定部6上のLED点灯回路10,10′(図4、図10、図11参照)から供給されるLED点灯電流が、固定部6に配設されたブラシ82に給電される。一方、このブラシ82に摺接するスリップリング8が回転部7に配設されている。回転部7において一体回転する光源基板1上にLEDが貼着されており、このLEDへはスリップリング8から線材81(図3)を介して給電されるように回路構成されている。
【0021】
つまり、固定部6上のLED点灯回路10,10′からLED点灯電流が、ブラシ82およびスリップリング8を介して回転部7上のLEDへ給電される。LEDの発熱対策である強制空冷手段3の一つとして、光源基板1の裏面に剣山状の放熱フィン31(図2参照)が配設されている。この光源装置Eにおける単体LEDの幅(単位幅)は、少なくとも半径方向に切れ目なく連続した角板状LEDの発光面が回転すると円盤状に均一化されて良好な光源になる。このことにより、輝度にバラツキのある低品質のLEDであっても、非選別のまま採用できるのでコストダウン可能となる。
【0022】
図2は本実施形態に係る光源装置における光源基板1の説明図であり、(a)正面図、(b)背面図である。図2(a)正面図に示すように、光源基板1の表面には角板状のLEDが、それぞれの対角線を回転中心近傍から半径方向に揃えて配設されている。本実施形態に用いる角板状のLEDは、大電流によって高輝度の出力する際、相当の発熱があるので冷却を要する。そのため、図2(b)背面図にも示す強制空冷手段3として、光源基板1の裏面に、放熱効率を高めた放熱フィン31(図1参照)が配設されている。
【0023】
この強制空冷手段3は、光源基板1を回転駆動するモータ2の回転に伴って光源基板1を強制空冷可能に構成されている。そして、光源基板1が回転すると共に一体回転する放熱フィン31に通風する。このように強制空冷することにより光源装置Eを規定温度以下に保持して、熱破壊を防止する。すなわち、モータ2により光源基板1が回転し、その回転に伴って強制空冷手段3が光源基板1を強制空冷する機構は簡素かつ低コストで発熱するLEDを効率良く強制空冷することが可能である。
【0024】
図3は本実施形態に係る光源装置Eの回転部7における要部を断裁した縦断面図である。
図4は本実施形態に係る光源装置Eにおけるスリップリング8の説明図である。図5は本実施形態に係る光源装置Eにおける要部の側面図である。図4〜図5に示すように、固定部6に配設されたブラシ82にはLED点灯回路10から供給されるLED点灯電流が給電され、スリップリング8に摺接している。
【0025】
このスリップリング8は回転部7を構成する回転軸4に配設されている。そして、図3〜図4に示すように、同じ回転部7の一部でありスリップリング8と一体に回転する光源基板1上のLEDに、スリップリング8から線材81を介してLED点灯電流が給電されるように配線接続されている。
【0026】
図6は本実施形態に係る光源装置Eにおける遊星歯車部5の拡大縦断面図であり、(a)縦断面図、(b)正面断面図である。図6に示すように、駆動軸41の一端からモータ2(図1、図5)の駆動力を受け、駆動軸41の他端に取付けられた光源基板1を直接に回転駆動する。この駆動軸41の中程には遊星歯車部5が係合している。
【0027】
遊星歯車部5の内部には、駆動軸41に平行な4本の遊星歯車軸61が駆動軸41から独立した固定部6に植設されている。この遊星歯車軸61にそれぞれ軸支された遊星歯車51を介して、その周囲に歯合するファン歯車52が、図6(b)に示すように、駆動軸41と逆方向に回転しファン32を時計回りに回転駆動する。ファン32は光源基板1に送風して強制空冷する強制空冷手段3を構成している。
【0028】
図7は本実施形態に係る光源装置Eにおける遊星歯車部5′を一部変形した拡大縦断面図であり、(a)縦断面図(b)正面断面図である。図7に示すように、駆動軸42の一端からモータ2(図1、図5)の駆動力を受け、駆動軸42の中程に直接取付けられたファン32を反時計回りに回転駆動する。
【0029】
駆動軸42の他端手前には遊星歯車部5′が係合している。この遊星歯車部5′の内部には、駆動軸42に平行な4本の遊星歯車軸61′が駆動軸41から独立した固定部6に植設されている。この遊星歯車軸61′にそれぞれ軸支された遊星歯車51′を介して、その周囲に歯合する光源基板歯車52′が、図7(b)に示すように、駆動軸42とは逆方向に回転する。光源基板歯車52′に延設された軸43の先端に光源基板1が取付けられており、時計回りに回転駆動する。
【0030】
図6、図7に示した遊星歯車部5、5′は逆回転手段5を構成し、強制空冷手段3として配設されたファン32と光源基板1を逆方向に回転させることにより、振動をある程度相殺するので、低振動の光源装置Eを提供できる。なお、ファン32と光源基板1の回転比率は適宜に設定可能であり、図6のものでは光源基板1を高速回転し、図7のものではファン32を高速回転することが可能である。
【0031】
図8は本実施形態に係る光源装置Eにおいて一部を断裁した縦断面図である。図8に示すように、光源装置Eの固定部6にケーシング90を施して通風経路を設け、このケーシング90は光学部品91を兼用して製品完成度を高めている。なお、ケーシング90には通風経路31,32,33を設けているので、ファン32の送風機能とあいまって、強制空冷手段3として有効に機能する。なお、光学部品91としてはテーパーロッド等が好適である。
【0032】
図9は本実施形態に係る光源装置Eにおいて光源基板1の正面にLEDを配置した説明図であり、(a)3個使い、(b)6個使いの場合を例示している。図9(a)に示す正方形の薄板単位(角板)で3個使いのLEDの配置は、図2(a)に示した角板4個使いのLEDの配置とは異なり、光源基板1の回転中心が半径方向に係る有効発光面の占有面積が均等ではないが、光源基板1を回転させることによって均一性を高めることが可能である。図9(b)に示す角板6個使いのLEDの配置も、同様に光源基板1の回転により均一性を高めることが可能である。
【0033】
図10は本実施形態に係る光源装置における3原色LEDと、それに対応するスリップリングの説明図である。図10に示すように、固定部6に配設されたブラシ82Gには、緑色発光させるための緑発光電流がLED点灯回路10′から供給される。この緑発光電流はブラシ82Gに摺接するスリップリング8Gを介して緑色を発光するLED−Gのアノードに給電され、LED−Gのカソードからスリップリング8Cを介して、ブラシ82Cを経由し、LED点灯回路10′へ戻るように回路構成されている。
【0034】
同様に、固定部6に配設されたブラシ82Bには、青色発光させるための青発光電流がLED点灯回路10′から供給される。この青発光電流はブラシ82Bに摺接するスリップリング8Bを介して青色を発光するLED−Bのアノードに給電され、LED−Bのカソードからスリップリング8Cを介して、ブラシ82Cを経由し、LED点灯回路10′へ戻るように回路構成されている。
【0035】
同様に、固定部6に配設されたブラシ82Rには、赤色発光させるための赤発光電流がLED点灯回路10′から供給される。この赤発光電流はブラシ82Rに摺接するスリップリング8Rを介して赤色を発光するLED−Rのアノードに給電され、LED−Rのカソードからスリップリング8Cを介して、ブラシ82Cを経由し、LED点灯回路10′へ戻るように回路構成されている。
【0036】
このように少なくとも3原色を構成可能な発色数のLED−G,B,Rと、発色数に応じて独立制御可能な極数のスリップリング8G,B,Rと、またはロータリートランスTを備え、光源基板1の回転速度はRGBフィールド順次式カラー表示のフレーム周期に同期する速度以上である光源装置Eであれば、異なる発色数の前記LEDにより、3原色を構成するLEDを独立制御可能な極数の前記スリップリング8またはロータリートランスTから各LEDへ電源供給し、異なる発色のLEDごとに輝度制御することにより、RGBフィールド順次式カラー表示にも対応可能である。また、光源基板1の回転速度はRGBフィールド順次式カラー表示のフレーム周期に同期する速度以上であることにより、発光ムラを目立たなくすることが可能である。
【0037】
図11は本実施形態に係る光源装置EにおけるロータリートランスTの説明図である。図11に示すように、光源基板1を軸支する固定部6側にLED点灯回路10からLED点灯電流が給電されるロータリートランスTの一次コイルT1が配設されている。一方、ロータリートランスTの二次コイルT2は一次コイルT1と非接触を保持して対峙するように回転部7の何れかに配設されている。
【0038】
このロータリートランスTは、固定部6側のLED点灯回路10からLED点灯電流を一次コイルT1から二次コイルT2へと非接触状態で伝送可能である。さらに、ロータリートランスTは、スリップリング8と異なり、非接触なので磨耗がなく、メンテナンスの必要がなく、長寿命である。
【0039】
そして、本発明の光源装置Eを液晶パネルのバックライト用光源として用いることにより、直視型の画像表示装置を構成できる。さらに、本発明の光源装置をプロジェクタに適用することもできる。
【0040】
図12は本発明に係る光源装置Eを液晶プロジェクタPに適用した実施形態の要部構成図である。図12に示す液晶プロジェクタPは、図8に示した光源装置Eを適用している。赤色光を出射する光源装置101から出射した赤色光が赤色用の液晶ライトバルブ111に入射して赤色画像が形成され、緑色光を出射する光源装置102から出射した緑色光が緑色用の液晶ライトバルブ112に入射して緑色画像が形成され、青色光を出射する光源装置103から出射した青色光が青色用の液晶ライトバルブ113に入射して青色画像が形成される。
【0041】
液晶プロジェクタPでは、前記赤色画像、緑色画像および青色画像を色合成プリズム120で合成して投写レンズ130でスクリーンに投写する。このとき、光源装置101,102,103からは光強度分布の均一な光が出射されるので、優れた画質の画像が得られる。この液晶プロジェクタPは、光源としてランプを用いた場合に必要となる色分離光学系が必要なくなるため、プロジェクタの小型化を実現できる。また、ライトバルブとしてデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を用いることもできる。なお、DMDは米国テキサスインスツルメンツ社の商標である。DMD適用の場合には、LED−R、LED−GおよびLED−Bを備えた図10の光源装置が特に好適である。
【0042】
なお、本発明の技術範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態(本実施形態)に係る光源装置を示す側面図である。
【図2】本実施形態に係る光源装置における光源基板の説明図であり(a)正面図、(b)背面図である。
【図3】本実施形態に係る光源装置の回転部における要部を断裁した縦断面図である。
【図4】本実施形態に係る光源装置におけるスリップリングの説明図である。
【図5】本実施形態に係る光源装置における要部の側面図である。
【図6】図6は本実施形態に係る光源装置における遊星歯車部の拡大縦断面図であり、(a)縦断面図(b)正面断面図である。
【図7】本実施形態に係る光源装置における遊星歯車部を一部変形した拡大縦断面図であり、(a)縦断面図(b)正面断面図である。
【図8】本実施形態に係る光源装置において一部を断裁した縦断面図である。
【図9】本実施形態に係る光源装置において光源基板の正面にLEDを配置した説明図であり、(a)3個使い(b)6個使いである。
【図10】本実施形態に係る光源装置における3原色LEDと、それに対応するスリップリングの説明図である。
【図11】本実施形態に係る光源装置におけるロータリートランスの説明図である。
【図12】本発明に係る光源装置を液晶プロジェクタに適用した実施形態の要部構成図である。
【符号の説明】
【0044】
1…光源基板,2…モータ,3…強制空冷手段,32…ファン,5…逆回転手段(遊星歯車),6…固定部,7…回転部,8…スリップリング,90…ケーシング,91…光学部品(テーパーロッド),E…光源装置,T…ロータリートランス,P…プロジェクタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置、画像表示装置およびプロジェクタに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プロジェクタの小型化の要求が益々高まるなか、発光ダイオード(LED)の高出力化に伴い、このLED光源を使った光源装置、画像表示装置およびプロジェクタが検討されている。LEDは、小型化や構成要素の削減も可能であることから、次世代の表示素子として大きな可能性を秘めている。
【0003】
ところで、LED個々の素子のばらつきを個別に調整するためには、マトリクス型の駆動が必要とされていた。また、各LEDの電力が大きい、照明用途のLED駆動装置においては、大電力駆動用のLSI等は未だ作成されておらず、現実的にはコストの点で不利であるため、直列接続形式が用いられると考えられるが、直列接続形式では、個々のLEDの輝度バラツキを調整することが困難である。
【0004】
そこで、直列接続された複数の素子例えばLEDを定電流駆動するにあたり、個々のLED素子の輝度バラツキを個別に調整することができるようにした定電流駆動装置、この定電流駆動装置により駆動されるバックライト光源装置及びカラー液晶表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
一方、RGBフィールド順次式カラー表示のプロジェクタに用いられる光源の駆動は、大電流にて駆動するLEDを高速に点灯切り替えて用いる。また、LEDをパルス駆動にて利用しているので、定格電流値より大きな電流値にて駆動する。よって、R,G,B個々のLEDにおける順電圧Vfの差異はより大きくなり、負荷であるLEDを駆動するための駆動電圧値を大きく切り替えなければエネルギー利用効率が低下する。
【0006】
他方、LED電源回路にてLEDを駆動した場合、点灯LEDの切り替え直後の駆動状態は、その制御方式がフィードバック制御であることと、DC−DCコンバータの応答が遅延する影響にて、既定された定電流状態になるまでにディレイ時間が生じる。このディレイ期間でのLEDの発光量は、所定の定電流駆動の場合と異なる量となり、LED発光期間内での光量の不均一として現れる。特に、照明光源の光量が均一であることに基づいてパルス幅変調(PWM)制御にて階調表現している表示装置においてはふさわしくなかった。
【0007】
前記LED発光期間内での光量の不均一を解消するために、大電流にて駆動するLEDを高速に点灯切り替えしても、所定の発光量で安定してLEDを発光でき、かつ、エネルギー利用効率の高い駆動装置が必要とされていた。そこで、回転駆動装置を用い、複数のLEDを用いたロッド稼動型照明ユニットを用いた表示装置として、回動可能な保持具であるロッドホルダに取り付けられたL字型の光学面で構成された2つの角型の導光ロッド部材を、可動手段としてのモータで回転し、ドラム状に形成した光源基板の内周に配列した複数の発光体としてのLEDを、各導光ロッド部材に対し1つまたは2つ、前記導光ロッド部材の回転に併せて順次点灯するものが知られている。
【0008】
このように、複数のLEDを順次切り替えパルス発光させ、放射光を取込む導光ロッド部材との相対位置関係をLEDの発光切り替えに併せて選択しながら変移させることによって、実効的に高輝度のLEDが得られ、大光量の平行度の向上した光が導光ロッド部材から得られるようにした装置が考え出されている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2005−310996号公報(段落0011、図11)
【特許文献2】特開2004−311635号公報(段落0119〜0124、図19、図20)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、大電流により高輝度が得られるLEDに関し、非選別品等を積極的に採用できるようにすることでコストダウンを追及するものではなかった。すなわち、低品質のため単一素子内または隣接素子間に輝度バラツキのあるLEDでありながら、その光量の不均一を解消することが可能な光源装置、画像表示装置およびプロジェクタを提供する。また、大電流による高出力LEDに放熱対策を施し、かつ、低振動、静粛性も向上させることも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の光源装置は、回転自在に軸支された光源基板の回転中心近傍で少なくとも半径方向に係る発光面を有するLEDを複数配設したことを特徴とする。
本発明の光源装置によれば、半径方向に係る発光面が回転することにより円盤状に均一化されるので、輝度にバラツキのある低品質のLEDであっても、非選別のまま採用できるのでコストダウンが可能となる。
【0011】
また、本発明の光源装置は、前記光源基板を回転するモータと、前記モータの回転に伴って前記光源基板を強制空冷可能な強制空冷手段と、を備えることも好ましい。
本発明の光源装置によれば、モータにより光源基板が回転し、その回転に伴って強制空冷手段が光源基板を強制空冷する機構は、簡素かつ低コストでありながら、発熱するLEDを効率良く強制空冷することが可能である。
【0012】
また、本発明の光源装置は、前記強制空冷手段として配設されたファンと前記光源基板を逆方向に回転させる逆回転手段を備えることも好ましい。
また、本発明の光源装置によれば、ファンと光源基板を、例えば、遊星歯車等により構成された逆回転手段で逆方向に回転させれば、振動をある程度相殺するので、低振動かつ静粛にすることが可能である。
【0013】
また、本発明の光源装置は、前記光源基板を軸支する固定部側から前記光源基板を含む回転部側の間に電源供給用のスリップリングまたはロータリートランスを備えることも好ましい。
本発明の光源装置によれば、固定部から、その固定部に軸支された回転部の一部として回転するLEDまでの間をスリップリングまたはロータリートランスを介して電源供給可能であり、特にロータリートランスは非接触なので磨耗がないので、メンテナンスの必要がなく、長寿命である。
【0014】
また、本発明の光源装置によれば、少なくとも3原色を構成可能な発色数の前記LEDと、前記発色数に応じて独立制御可能な極数の前記スリップリングまたはロータリートランスを備え、前記光源基板の回転速度はRGBフィールド順次式カラー表示のフレーム周期に同期する速度以上であることも好ましい。
【0015】
また、本発明の光源装置によれば、異なる発色数の前記LEDにより、3原色を構成するLEDを独立制御可能な極数の前記スリップリングまたはロータリートランスから各LEDへ電源供給し、異なる発色のLEDごとに輝度制御すれば、RGBフィールド順次式カラー表示にも対応可能である。また、光源基板の回転速度がRGBフィールド順次式カラー表示のフレーム周期に同期する速度以上であることにより、発光ムラを目立たなくすることが可能である。
【0016】
また、本発明の光源装置は、前記強制空冷手段として、前記固定部にケーシングを施して通風経路を設け、前記ケーシングは光学部品を兼用することも好ましい。
本発明の光源装置によれば、光学部品であるテーパーロッド等が光源装置のケーシングに兼用できて好適であり、そのケーシングは強制空冷手段として有効な通風経路になるので、冷却効果が高められる。
【0017】
また、本発明の光源装置を画像表示装置に適用すると簡素、小型、軽量、省電力、低発熱の装置が提供できる。特にプロジェクタには好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明に係る光源装置E、あるいは、その光源装置Eを画像表示装置またはプロジェクタに適用した実施形態について説明する。なお、以下の図面においては、同一機能には同一符合を付して説明を省略している。
【0019】
図1は本発明の実施形態(以下、「本実施形態」ともいう)に係る光源装置Eを示す側面図である。図1に示すように、固定部6において、光源基板1が回転軸4により回転自在に軸支されている。回転軸4はモータ2により所定速度で回転駆動される。光源基板1には回転中心近傍から半径方向に亘って発光幅を有する正方形の薄板単位(角板状)の発光ダイオード(LED)が複数配設(図2、図9参照)されている。
【0020】
このLEDはつぎに説明する回路構成により給電される。すなわち、固定部6上のLED点灯回路10,10′(図4、図10、図11参照)から供給されるLED点灯電流が、固定部6に配設されたブラシ82に給電される。一方、このブラシ82に摺接するスリップリング8が回転部7に配設されている。回転部7において一体回転する光源基板1上にLEDが貼着されており、このLEDへはスリップリング8から線材81(図3)を介して給電されるように回路構成されている。
【0021】
つまり、固定部6上のLED点灯回路10,10′からLED点灯電流が、ブラシ82およびスリップリング8を介して回転部7上のLEDへ給電される。LEDの発熱対策である強制空冷手段3の一つとして、光源基板1の裏面に剣山状の放熱フィン31(図2参照)が配設されている。この光源装置Eにおける単体LEDの幅(単位幅)は、少なくとも半径方向に切れ目なく連続した角板状LEDの発光面が回転すると円盤状に均一化されて良好な光源になる。このことにより、輝度にバラツキのある低品質のLEDであっても、非選別のまま採用できるのでコストダウン可能となる。
【0022】
図2は本実施形態に係る光源装置における光源基板1の説明図であり、(a)正面図、(b)背面図である。図2(a)正面図に示すように、光源基板1の表面には角板状のLEDが、それぞれの対角線を回転中心近傍から半径方向に揃えて配設されている。本実施形態に用いる角板状のLEDは、大電流によって高輝度の出力する際、相当の発熱があるので冷却を要する。そのため、図2(b)背面図にも示す強制空冷手段3として、光源基板1の裏面に、放熱効率を高めた放熱フィン31(図1参照)が配設されている。
【0023】
この強制空冷手段3は、光源基板1を回転駆動するモータ2の回転に伴って光源基板1を強制空冷可能に構成されている。そして、光源基板1が回転すると共に一体回転する放熱フィン31に通風する。このように強制空冷することにより光源装置Eを規定温度以下に保持して、熱破壊を防止する。すなわち、モータ2により光源基板1が回転し、その回転に伴って強制空冷手段3が光源基板1を強制空冷する機構は簡素かつ低コストで発熱するLEDを効率良く強制空冷することが可能である。
【0024】
図3は本実施形態に係る光源装置Eの回転部7における要部を断裁した縦断面図である。
図4は本実施形態に係る光源装置Eにおけるスリップリング8の説明図である。図5は本実施形態に係る光源装置Eにおける要部の側面図である。図4〜図5に示すように、固定部6に配設されたブラシ82にはLED点灯回路10から供給されるLED点灯電流が給電され、スリップリング8に摺接している。
【0025】
このスリップリング8は回転部7を構成する回転軸4に配設されている。そして、図3〜図4に示すように、同じ回転部7の一部でありスリップリング8と一体に回転する光源基板1上のLEDに、スリップリング8から線材81を介してLED点灯電流が給電されるように配線接続されている。
【0026】
図6は本実施形態に係る光源装置Eにおける遊星歯車部5の拡大縦断面図であり、(a)縦断面図、(b)正面断面図である。図6に示すように、駆動軸41の一端からモータ2(図1、図5)の駆動力を受け、駆動軸41の他端に取付けられた光源基板1を直接に回転駆動する。この駆動軸41の中程には遊星歯車部5が係合している。
【0027】
遊星歯車部5の内部には、駆動軸41に平行な4本の遊星歯車軸61が駆動軸41から独立した固定部6に植設されている。この遊星歯車軸61にそれぞれ軸支された遊星歯車51を介して、その周囲に歯合するファン歯車52が、図6(b)に示すように、駆動軸41と逆方向に回転しファン32を時計回りに回転駆動する。ファン32は光源基板1に送風して強制空冷する強制空冷手段3を構成している。
【0028】
図7は本実施形態に係る光源装置Eにおける遊星歯車部5′を一部変形した拡大縦断面図であり、(a)縦断面図(b)正面断面図である。図7に示すように、駆動軸42の一端からモータ2(図1、図5)の駆動力を受け、駆動軸42の中程に直接取付けられたファン32を反時計回りに回転駆動する。
【0029】
駆動軸42の他端手前には遊星歯車部5′が係合している。この遊星歯車部5′の内部には、駆動軸42に平行な4本の遊星歯車軸61′が駆動軸41から独立した固定部6に植設されている。この遊星歯車軸61′にそれぞれ軸支された遊星歯車51′を介して、その周囲に歯合する光源基板歯車52′が、図7(b)に示すように、駆動軸42とは逆方向に回転する。光源基板歯車52′に延設された軸43の先端に光源基板1が取付けられており、時計回りに回転駆動する。
【0030】
図6、図7に示した遊星歯車部5、5′は逆回転手段5を構成し、強制空冷手段3として配設されたファン32と光源基板1を逆方向に回転させることにより、振動をある程度相殺するので、低振動の光源装置Eを提供できる。なお、ファン32と光源基板1の回転比率は適宜に設定可能であり、図6のものでは光源基板1を高速回転し、図7のものではファン32を高速回転することが可能である。
【0031】
図8は本実施形態に係る光源装置Eにおいて一部を断裁した縦断面図である。図8に示すように、光源装置Eの固定部6にケーシング90を施して通風経路を設け、このケーシング90は光学部品91を兼用して製品完成度を高めている。なお、ケーシング90には通風経路31,32,33を設けているので、ファン32の送風機能とあいまって、強制空冷手段3として有効に機能する。なお、光学部品91としてはテーパーロッド等が好適である。
【0032】
図9は本実施形態に係る光源装置Eにおいて光源基板1の正面にLEDを配置した説明図であり、(a)3個使い、(b)6個使いの場合を例示している。図9(a)に示す正方形の薄板単位(角板)で3個使いのLEDの配置は、図2(a)に示した角板4個使いのLEDの配置とは異なり、光源基板1の回転中心が半径方向に係る有効発光面の占有面積が均等ではないが、光源基板1を回転させることによって均一性を高めることが可能である。図9(b)に示す角板6個使いのLEDの配置も、同様に光源基板1の回転により均一性を高めることが可能である。
【0033】
図10は本実施形態に係る光源装置における3原色LEDと、それに対応するスリップリングの説明図である。図10に示すように、固定部6に配設されたブラシ82Gには、緑色発光させるための緑発光電流がLED点灯回路10′から供給される。この緑発光電流はブラシ82Gに摺接するスリップリング8Gを介して緑色を発光するLED−Gのアノードに給電され、LED−Gのカソードからスリップリング8Cを介して、ブラシ82Cを経由し、LED点灯回路10′へ戻るように回路構成されている。
【0034】
同様に、固定部6に配設されたブラシ82Bには、青色発光させるための青発光電流がLED点灯回路10′から供給される。この青発光電流はブラシ82Bに摺接するスリップリング8Bを介して青色を発光するLED−Bのアノードに給電され、LED−Bのカソードからスリップリング8Cを介して、ブラシ82Cを経由し、LED点灯回路10′へ戻るように回路構成されている。
【0035】
同様に、固定部6に配設されたブラシ82Rには、赤色発光させるための赤発光電流がLED点灯回路10′から供給される。この赤発光電流はブラシ82Rに摺接するスリップリング8Rを介して赤色を発光するLED−Rのアノードに給電され、LED−Rのカソードからスリップリング8Cを介して、ブラシ82Cを経由し、LED点灯回路10′へ戻るように回路構成されている。
【0036】
このように少なくとも3原色を構成可能な発色数のLED−G,B,Rと、発色数に応じて独立制御可能な極数のスリップリング8G,B,Rと、またはロータリートランスTを備え、光源基板1の回転速度はRGBフィールド順次式カラー表示のフレーム周期に同期する速度以上である光源装置Eであれば、異なる発色数の前記LEDにより、3原色を構成するLEDを独立制御可能な極数の前記スリップリング8またはロータリートランスTから各LEDへ電源供給し、異なる発色のLEDごとに輝度制御することにより、RGBフィールド順次式カラー表示にも対応可能である。また、光源基板1の回転速度はRGBフィールド順次式カラー表示のフレーム周期に同期する速度以上であることにより、発光ムラを目立たなくすることが可能である。
【0037】
図11は本実施形態に係る光源装置EにおけるロータリートランスTの説明図である。図11に示すように、光源基板1を軸支する固定部6側にLED点灯回路10からLED点灯電流が給電されるロータリートランスTの一次コイルT1が配設されている。一方、ロータリートランスTの二次コイルT2は一次コイルT1と非接触を保持して対峙するように回転部7の何れかに配設されている。
【0038】
このロータリートランスTは、固定部6側のLED点灯回路10からLED点灯電流を一次コイルT1から二次コイルT2へと非接触状態で伝送可能である。さらに、ロータリートランスTは、スリップリング8と異なり、非接触なので磨耗がなく、メンテナンスの必要がなく、長寿命である。
【0039】
そして、本発明の光源装置Eを液晶パネルのバックライト用光源として用いることにより、直視型の画像表示装置を構成できる。さらに、本発明の光源装置をプロジェクタに適用することもできる。
【0040】
図12は本発明に係る光源装置Eを液晶プロジェクタPに適用した実施形態の要部構成図である。図12に示す液晶プロジェクタPは、図8に示した光源装置Eを適用している。赤色光を出射する光源装置101から出射した赤色光が赤色用の液晶ライトバルブ111に入射して赤色画像が形成され、緑色光を出射する光源装置102から出射した緑色光が緑色用の液晶ライトバルブ112に入射して緑色画像が形成され、青色光を出射する光源装置103から出射した青色光が青色用の液晶ライトバルブ113に入射して青色画像が形成される。
【0041】
液晶プロジェクタPでは、前記赤色画像、緑色画像および青色画像を色合成プリズム120で合成して投写レンズ130でスクリーンに投写する。このとき、光源装置101,102,103からは光強度分布の均一な光が出射されるので、優れた画質の画像が得られる。この液晶プロジェクタPは、光源としてランプを用いた場合に必要となる色分離光学系が必要なくなるため、プロジェクタの小型化を実現できる。また、ライトバルブとしてデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を用いることもできる。なお、DMDは米国テキサスインスツルメンツ社の商標である。DMD適用の場合には、LED−R、LED−GおよびLED−Bを備えた図10の光源装置が特に好適である。
【0042】
なお、本発明の技術範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態(本実施形態)に係る光源装置を示す側面図である。
【図2】本実施形態に係る光源装置における光源基板の説明図であり(a)正面図、(b)背面図である。
【図3】本実施形態に係る光源装置の回転部における要部を断裁した縦断面図である。
【図4】本実施形態に係る光源装置におけるスリップリングの説明図である。
【図5】本実施形態に係る光源装置における要部の側面図である。
【図6】図6は本実施形態に係る光源装置における遊星歯車部の拡大縦断面図であり、(a)縦断面図(b)正面断面図である。
【図7】本実施形態に係る光源装置における遊星歯車部を一部変形した拡大縦断面図であり、(a)縦断面図(b)正面断面図である。
【図8】本実施形態に係る光源装置において一部を断裁した縦断面図である。
【図9】本実施形態に係る光源装置において光源基板の正面にLEDを配置した説明図であり、(a)3個使い(b)6個使いである。
【図10】本実施形態に係る光源装置における3原色LEDと、それに対応するスリップリングの説明図である。
【図11】本実施形態に係る光源装置におけるロータリートランスの説明図である。
【図12】本発明に係る光源装置を液晶プロジェクタに適用した実施形態の要部構成図である。
【符号の説明】
【0044】
1…光源基板,2…モータ,3…強制空冷手段,32…ファン,5…逆回転手段(遊星歯車),6…固定部,7…回転部,8…スリップリング,90…ケーシング,91…光学部品(テーパーロッド),E…光源装置,T…ロータリートランス,P…プロジェクタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転自在に軸支された光源基板の回転中心近傍で少なくとも半径方向に係る発光面を有する複数のLEDを配設したことを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記光源基板を回転するモータと、
前記モータの回転に伴って前記光源基板を強制空冷可能な強制空冷手段と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記強制空冷手段として配設されたファンと前記光源基板を逆方向に回転させる逆回転手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記光源基板を軸支する固定部側から前記光源基板を含む回転部側の間に電源供給用のスリップリングまたはロータリートランスを備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の光源装置。
【請求項5】
少なくとも3原色を構成可能な発色数の前記LEDと、
前記発色数に応じて独立制御可能な極数の前記スリップリングまたは前記ロータリートランスを備え、
前記光源基板の回転速度はRGBフィールド順次式カラー表示のフレーム周期に同期する速度以上であることを特徴とする請求項4に記載の光源装置。
【請求項6】
前記強制空冷手段として、
前記固定部にケーシングを施して通風経路を設け、
前記ケーシングは光学部品を兼用したことを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれか1項に記載の光源装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載の光源装置を備えたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項8】
請求項7に記載の画像表示装置を備えたことを特徴とするプロジェクタ。
【請求項1】
回転自在に軸支された光源基板の回転中心近傍で少なくとも半径方向に係る発光面を有する複数のLEDを配設したことを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記光源基板を回転するモータと、
前記モータの回転に伴って前記光源基板を強制空冷可能な強制空冷手段と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記強制空冷手段として配設されたファンと前記光源基板を逆方向に回転させる逆回転手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記光源基板を軸支する固定部側から前記光源基板を含む回転部側の間に電源供給用のスリップリングまたはロータリートランスを備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の光源装置。
【請求項5】
少なくとも3原色を構成可能な発色数の前記LEDと、
前記発色数に応じて独立制御可能な極数の前記スリップリングまたは前記ロータリートランスを備え、
前記光源基板の回転速度はRGBフィールド順次式カラー表示のフレーム周期に同期する速度以上であることを特徴とする請求項4に記載の光源装置。
【請求項6】
前記強制空冷手段として、
前記固定部にケーシングを施して通風経路を設け、
前記ケーシングは光学部品を兼用したことを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれか1項に記載の光源装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載の光源装置を備えたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項8】
請求項7に記載の画像表示装置を備えたことを特徴とするプロジェクタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−177020(P2008−177020A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−9013(P2007−9013)
【出願日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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