光記録再生装置
【課題】光ディスクのリード時のレーザノイズを低減する光源を得る。
【解決手段】電圧で減衰量を可変できる変調器をレーザの前に配置することにより,ライト時のパワーを落とすことなく,リード時のレーザノイズを低減できる。
【発明の効果】本発明によると,レーザノイズを簡便に低減する情報記録再生装置を提供できる。
【解決手段】電圧で減衰量を可変できる変調器をレーザの前に配置することにより,ライト時のパワーを落とすことなく,リード時のレーザノイズを低減できる。
【発明の効果】本発明によると,レーザノイズを簡便に低減する情報記録再生装置を提供できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,情報記録媒体に対する情報記録再生の際に光波形を駆動・制御する光CD−Rドライブ装置,CD−RWドライブ装置,DVD−Rドライブ装置,DVD−RWドライブ装置,DVD−RAMドライブ,Blu-Rayドライブ HD−DVDドライブ装置等の記録再生用光ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
記録用光ディスク装置全般では大容量化が進み,従来までの赤外レーザ(波長780nm)を用いたCDや赤色レーザ(波長650nm)を用いたDVD,さらに青色レーザ(405nm)を用いたBlu-Lay Disk(BD)やHigh Density (HD)-DVD の製品化が始まっている。このような光ディスクの再生装置や記録再生装置などの光ディスク装置において,光ディスクから得られる再生高周波信号(再生RF信号)には,光ディスクに照射される光を発生源とするいわゆるレーザノイズが含まれる。このレーザノイズは,CD(波長780nm),DVD(650nm)用のLDは波長が近いため使われる化合物半導体の材料も近く特性に大きな違いはなかった。しかしながら次世代DVDである青色レーザは現在のところGaNという特別な化合物半導体材料を用いているためLDの特性も従来とは異なる。
【0003】
たとえば,レーザのノイズ特性はRIN(Relative Intensity Noise)で表されるが,このRINの規定はBDの規格書によると−125dB/Hz以下と規定されている。この規定に関して,レーザノイズやアンプノイズなどシステムを構成するすべてのノイズを合わせたシステムノイズとレーザノイズの関係を図2に示す。現状BDは1倍速であるが,2倍速,4倍速と今後高速化が進むにつれて,システムノイズの低減が必要であり,システムノイズの主要ノイズであるレーザノイズの低減は高速化が進むにつれてさらに必要となる。
【0004】
現状では,光ディスク装置に対して書き込み動作を行なう際に,青色レーザ光を用いる場合には30mW以上の出力値が必要となる。逆に,Blu−ray では再生時はディスク表面でのパワーが0.35mW±0.1と規格書で決められている。これをみたすため,再生時の青色レーザ光のレーザ出力値は2mW以下と小さくする必要がある。しかしながら現状の青色レーザではこの出力パワーが大きく,かつノイズが小さいという2つを同じに達成することは,通常の使用法では難しい。
【0005】
そこで,精度の高い再生を行うために,再生RF信号からレーザノイズを除去する方式が提案されている。例えば,特許文献1(特開2002−183970)には,図3に示す第1の乗算器16−1において,再生RF信号rf(t)とLPF15からの出力信号であるAPCモニタ出力信号m(t)のDC成分とを乗算し,この乗算の結果の信号を演算器17に供給する。第2の乗算器16−2において,再生RF信号rf(t)とHPF18からの出力信号であるAPCモニタ出力信号m(t)のレーザノイズ成分とを乗算し,この乗算の結果の信号を演算器に供給する。演算器17において,乗算器16−1からの信号から乗算器16−2からの信号を減算し,レーザノイズの加法的ノイズ成分と変調ノイズ成分の両方を除去する。再生系を備えた光ディスク装置においては,良好な再生を行うことができるようにされる。
【0006】
なお、半導体基板にレーザ光を出射する光源部と前記レーザ光を変調する変調器部とを集積した半導体レーザ素子において、前記レーザ光の光出力を調整するアッテネータ部を前記光源部と同様の層構造で半導体基板に形成する点が特許文献2(特開2003−229636)に記載されている。
【0007】
【特許文献1】特開2002−183970
【0008】
【特許文献2】特開2003−229636
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら,レーザノイズを回路でキャンセルする方式では,従来の回路構成を大幅に変更しなければならない。システム設計の複雑化を招き,結局コストの点で問題となる。
そこで構成を極力変更せずにレーザをキャンセルする方式が望まれる。Blu-ray用レーザのRIN(Relative Intensity Noise)の特性を図4に示す。この図のように光出力が小さいときRINは大きく,光出力を大きくすると減少する傾向にある。光ディスク再生時,ディスク表面上の光出力および光ピックアップの光利用効率から,LD根元での光出力は2mW以下となり,現状のレーザでは,RINは-125dB/Hzより大きくなり再生信号が劣化する。図4に示すようにRINはパワー依存性を持ち,レーザパワーが大きいほど下がる傾向にある。これを用いて再生時のレーザノイズを低減する。LD出力からディスク面までの効率を25%と仮定する。膜面0.35mWのリードパワー時,LD出力は1.4mWでその時のRINは−125dB/Hzより大きくなる。
【0010】
ここで,レーザの出力の後にフィルタを配置し,再生時はそのフィルタにより透過率を下げることにより(ここでは50%),レーザ出力を大きくしながらディスク表面での再生パワーを0.35mWにすることによりノイズを低減し目標値である−125dB/Hzを達成する。一方記録時,消去時はフィルタの透過率を上げて対応することにより,記録時,消去時のパワー効率を落とさないようにする。記録時や消去時は,再生時と比べ大きな光出力となるためノイズは問題ない。
【0011】
しかしながら,可視光のフィルタとして例えば液晶アッテネータなど応答時間の遅いものを用いることはあらたな問題を生ずる。再生から記録への応答時間の概念を示す図を図5に示す。液晶アッテネータでは透過率の切り替え応答時間に現状では50ms程度かかってしまう。この応答時間は50msでは,ディスクが約1周することになる。記録から再生もしくは再生から記録への切り替え時にディスク1周する間ディスクに当たる光パワーが安定しないと,サーボが外れるなどの問題が生ずる。サーボが外れることは光ディスクでディスクの位置の検出が出来ない,レーザのスポットがぼけるなど根本的な問題であり,解決されないかぎり採用できる手段ではない。
本発明は以上の点を考慮し,レーザノイズを簡単に低減し、応答時間の問題を解決する情報記録再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため本発明では光通信で高速信号変調に用いられる変調器を用いる。光ファイバ通信システムにおいては,レーザダイオードの直接強度変調では比較的大きな波長チャーピングが伝送距離及び変調速度を制限する。チャーピングのある信号光が色分散(波長分散)を有する光ファイバを通過すると,通常は波形の歪みが生じる。
【0013】
この問題を避けるために,チャーピングを生じさせにくい外部光変調器を光通信では用いている。例えば,LiNbO3結晶を用いたMZ変調器や化合物半導体結晶を用いたMZ変調器が報告されている。またMZ変調器より低電力駆動が可能で小型化に適した外部光変調器として,電界吸収型光変調器(EA変調器)が提案されている。EA変調器は,印加電圧に応じてキャリア光を吸収することにより(図6参照),強度変調された信号光を生成する。例えば,化合物半導体結晶を用いたEA変調器が報告されている。
【0014】
この実用的なEA変調器は,半導体積層技術により半導体チップとして提供される。EA変調器は,キャリア光源として用いられるレーザダイオードとの一体化が容易である。従って,キャリア光源と変調器との間の結合損失の低減による高出力化や小型化が可能となる。例えば,DFB−LD(分布帰還型レーザダイオード)とEA変調器とをモノリシックに一体化したEA−DFBレーザ半導体チップが報告されている。
【0015】
一般的なEA−DFBレーザ半導体チップについて,図7を参照して説明する。図7は変調器とレーザを集積した構成を示す図であり,この半導体レーザ素子10の出力光は,隣接して配置された変調器部11に入射し,通常の状態では光変調器部2を透過するが,高周波の変調信号を印加することによって,レーザ光が信号の電圧変化によって透過・吸収を繰り返して高周波の光信号となる。
【0016】
今回光ディスクではレーザ自身で変調をおこなう。変調器にはDC電圧をかけてリード時とライト時に電圧を変えて用いる。リード時からライト時のパワー変更時の応答時間に関しても,変調器は40Gb/s(応答時間25ピコセカンド:ピコ10−12)まで実現されており(図8参照),現在の光ディスクの回転スピード限界が1万回転(周期10マイクロセカンド:マイクロ10−6)と比べて十分小さいため,光ディスクのレーザパワー対応に設計を変えれば問題ないと考える。
【0017】
本発明の記録再生装置および記録再生方式は,レーザノイズの大きいレーザを用いて,光ディスクシステムを構成することを可能にする。特にレーザノイズが大きいとされる波長405nmのレーザを用いる光ディスクストレージシステムに好適である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると,レーザノイズを簡便に低減する情報記録再生装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下,図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【実施例1】
【0020】
変調器を前に配置したレーザを用いた光ディスクシステム第1の実施例を図1を用いて説明する。再生時,雑音レベル(RIN)の値をシステムから要求される水準まで落とす。このとき,RINが所望の値になるレーザ出力パワーにする設定し,レーザの前に配置した変調器の減衰量を電圧で制御し,ディスク表面で規格値である0.35mWになるようにする。ちなみにBD規格書では2層ディスクへの対応も規格化されており,2層ディスクでのリードパワーは0.7mWとなっている。具体的説明すると,この半導体レーザ素子では,光源部の出力光は,隣接して配置された変調器11に入射し,記録時および消去時は,変調器部11を極力透過させるように変調器には電圧をかけずに用いる。
【0021】
これに対して,再生時は,変調器に電圧を印加することによって,レーザ光が変調器で吸収されて減衰する。その後光信号は図に示すように,ビームスプリッタ12を通じてレーザ光を光ディスクに照射する。一方,変調器から照射されるレーザ光は,ビームスプリッタ12を通じてフロントモニタ13(フォトディテクタ(受光素子))にも供給され,ここで電気信号に変換される。この受光素子からの出力信号は,レーザ光のパワー(光強度)を自動調整するために用いられるAPC用モニタ出力信号であり,ここで利得が調整された後,APCモニタ出力信号として用いられる。
【実施例2】
【0022】
第2の実施例を図9に示す。基本的に実施例1と同じことに関しては説明を省略する。実施例1との違いは,変調器とLDの集積した半導体チップを用いることである。変調器として電界吸収型光変調器をもちいる場合は,レーザを集積できることは本文中にも示した。この集積の効果についてはまず小型化に大きく貢献できる。光ディスクはPC用ではノートPCなどに用いられるスリムサイズドライブ開発が必要であるため,今後開発されるであろう,CD,DVD,BDの3つの互換ドライブでは小型化は必須となるであろう。また,変調器を個別に実装することに対して,光学的精度を必要とする実装部が集積化されることに作製が簡易になるメリットもある。
この場合のレーザノイズの効果は実施例1と同様であるため,明白である。
【実施例3】
【0023】
第3の実施例を図10,図11,図12を用いて説明する。高速APC(Auto Power Control)を実現する。変調器で実際にパワーをコントロールする。
APC(Auto Power Control)について簡単に説明する。従来の構成を図10に示す。APCは大きく2つにわかれ,光ディスクのリード時におこなわれるいわゆるリードパワーのAPCと,ライト時におこなわれるライトAPCがある。リードAPCは高周波重畳(BDでは400MHz)のかかった状態でリードパワーを常に0.35mWに保つためにおこなわれる。これに対してライトAPCはストラテジと呼ばれる光ディスク独特の波形で記録している最中にライトパワーを一定に保つ。
【0024】
これらのAPCは,図10のようにフロントモニタ13で光出力パワーをモニタしてLDドライバへフィードバックすることにより実現されている。リードAPCは常に一定のパワーをモニタする方式で問題ないが,ライトAPCはパワーをモニタすることにストラテジーを考慮しなければならず,広帯域が要求される。さらに,フロントモニタ13からフィードバックを早くおこなうため,図10の構成ではフィードバック回路19にも広帯域が要求される。アンプは広帯域化するとノイズが大きくなる傾向があり,レーザ駆動回路のノイズが増え,結局レーザノイズが増大することになってしまう。よって光ディスクの高速化が進むと従来のライトAPCは難しくなる。
【0025】
この問題は図11のように変調器を用いたレーザ低減方法でも,LDドライバにフィードバックすることで同様の問題となる。しかしながら図12で示すように,変調器でAPCをおこなえば,ライトAPCでのネックとなる高速化への対応でき,レーザノイズを増やすことなく実現が可能となる。本文中にも書いたが,変調器は40Gb/s(応答時間25ピコセカンド:ピコ10−12)まで実現されており,この応答速度はBD1倍速のウィンドウ幅が約15ns(ナノセカンド:10−9)を考えると,将来的にBDが回転限界(1万回転)まで高速化されると仮定したBD12倍速(ウィンドウ幅約1.2ns)への対応も可能となる。
【実施例4】
【0026】
第4の実施例を図13,図14,図15を用いて説明する。変調器として電界吸収型光変調器をもちいる場合は,図13に示すように変調器内の吸収量に応じてフォトカレントを発生する。このフォトカレントを観測することによりレーザのパワー変動を吸収量の変化として知ることができる。これを用いて,主に実施例3で述べたAPCに用いられるフロントモニタの代用とする。図14,図15に構成図を示す。図14では変調器のフォトカレント信号のフィードバック先をレーザ(駆動回路)にしており,図15ではフィードバック先を変調器の印加電圧としている。この構成により,変調器はレーザノイズ低減とフロントモニタの代用の2つの役割を兼用できる。
【実施例5】
【0027】
第5の実施例を図1,図16を用いて説明する。まず記録時を説明する。図16にあるように記録データ24を符号化回路23で符号化し,その符号化した信号をディスク上に書き込むためのストラテジーを形成する信号に記録パルス生成回路22で変換する。そして,記録パルス生成回路22の出力は,LDドライバ回路21に入力され,LD10を駆動させ,LDを発光する。このとき,変調部11は極力透過させるように変調器には電圧をかけずに用いる。その後光信号は図に示すように,ビームスプリッタ12を通じてレーザ光を光ディスクに照射する。この光により,媒体20に記録情報を書込む。一方,変調器から照射されるレーザ光は,ビームスプリッタ12を通じてフロントモニタ13(フォトディテクタ(受光素子))にも供給され,ここで電気信号に変換される。基本的に消去時も記録時と同様な動作となる。
【0028】
次に再生時では,変調器に電圧を印加することによって,レーザ光が変調器で吸収されて減衰する。このときの減衰量は,システム設計から計算された所望のレーザノイズ(RIN)値までおとすために事前に設定されたレーザパワーに対して,必要な減衰量となるための電位を変調器に印加することによって決まる。これによりディスク面でのレーザパワー規格値(BDでは一層で0.35mW)を満たしつつ,RIN値を落とすことができるシステムを構築できる。
以上,実施の形態に沿って本発明を説明したが,本発明はこれらに制限されるものではない。その他,種々の変更,改良,組み合わせが可能なことは自明であろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明による光ピックアップ構成図。
【図2】レーザノイズとシステムノイズの関係を示す図。
【図3】回路によるレーザノイズキャンセルをおこなう一例の構成図。
【図4】レーザノイズのパワー依存性を示す図。
【図5】再生パワーから記録パワーへ変更されたときの応答時間を示す図。
【図6】変調器の印加電圧による消光比の関係の一例を示す図。
【図7】光通信で用いられるレーザと変調器を集積した構成と与えられる信号を示した図。
【図8】変調器の周波数特性の一例を示す図。
【図9】本発明によるレーザと変調器を集積した構成と与えられる信号を示した図。
【図10】従来のレーザとフロントモニタの構成とAPCのためのフィードバックを示す図。
【図11】本発明によるレーザノイズ低減方法を用いて,フロントモニタからの信号によって,レーザにフィードバックする構成図。
【図12】第3の実施例である本発明によるレーザノイズ低減方法を用いて,フロントモニタからの信号によって変調器の減衰量を制御してレーザパワーを一定にする例。
【図13】電界吸収型変調器のフォトカレントと光吸収量の関係。
【図14】第4の実施例である電界吸収型変調器のフォトカレントをモニターしてレーザパワーのフィードバックに用いる一例。
【図15】第4の実施例である電界吸収型変調器のフォトカレントをモニターして変調器の印加電圧にフィードバックしてレーザパワーの制御に用いる一例。
【図16】第5の実施例である変調器をレーザの前に配置した光ディスク記録装置の一例。
【符号の説明】
【0030】
LD…レーザダイオード
10…レーザダイオード
11…変調器
12…ビームスプリッタ
13…フロントモニタ
14…RF信号モニタ
15…ローパスフィルタ
16…乗算器
17…演算器
18…ハイパスフィルタ
19…フィードバック回路
20…フォトカレントモニタ
21…LDドライバ回路
22…記録パルス生成回路
23…符号化回路
24…記録データ
25…記録媒体(光ディスク)。
【技術分野】
【0001】
本発明は,情報記録媒体に対する情報記録再生の際に光波形を駆動・制御する光CD−Rドライブ装置,CD−RWドライブ装置,DVD−Rドライブ装置,DVD−RWドライブ装置,DVD−RAMドライブ,Blu-Rayドライブ HD−DVDドライブ装置等の記録再生用光ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
記録用光ディスク装置全般では大容量化が進み,従来までの赤外レーザ(波長780nm)を用いたCDや赤色レーザ(波長650nm)を用いたDVD,さらに青色レーザ(405nm)を用いたBlu-Lay Disk(BD)やHigh Density (HD)-DVD の製品化が始まっている。このような光ディスクの再生装置や記録再生装置などの光ディスク装置において,光ディスクから得られる再生高周波信号(再生RF信号)には,光ディスクに照射される光を発生源とするいわゆるレーザノイズが含まれる。このレーザノイズは,CD(波長780nm),DVD(650nm)用のLDは波長が近いため使われる化合物半導体の材料も近く特性に大きな違いはなかった。しかしながら次世代DVDである青色レーザは現在のところGaNという特別な化合物半導体材料を用いているためLDの特性も従来とは異なる。
【0003】
たとえば,レーザのノイズ特性はRIN(Relative Intensity Noise)で表されるが,このRINの規定はBDの規格書によると−125dB/Hz以下と規定されている。この規定に関して,レーザノイズやアンプノイズなどシステムを構成するすべてのノイズを合わせたシステムノイズとレーザノイズの関係を図2に示す。現状BDは1倍速であるが,2倍速,4倍速と今後高速化が進むにつれて,システムノイズの低減が必要であり,システムノイズの主要ノイズであるレーザノイズの低減は高速化が進むにつれてさらに必要となる。
【0004】
現状では,光ディスク装置に対して書き込み動作を行なう際に,青色レーザ光を用いる場合には30mW以上の出力値が必要となる。逆に,Blu−ray では再生時はディスク表面でのパワーが0.35mW±0.1と規格書で決められている。これをみたすため,再生時の青色レーザ光のレーザ出力値は2mW以下と小さくする必要がある。しかしながら現状の青色レーザではこの出力パワーが大きく,かつノイズが小さいという2つを同じに達成することは,通常の使用法では難しい。
【0005】
そこで,精度の高い再生を行うために,再生RF信号からレーザノイズを除去する方式が提案されている。例えば,特許文献1(特開2002−183970)には,図3に示す第1の乗算器16−1において,再生RF信号rf(t)とLPF15からの出力信号であるAPCモニタ出力信号m(t)のDC成分とを乗算し,この乗算の結果の信号を演算器17に供給する。第2の乗算器16−2において,再生RF信号rf(t)とHPF18からの出力信号であるAPCモニタ出力信号m(t)のレーザノイズ成分とを乗算し,この乗算の結果の信号を演算器に供給する。演算器17において,乗算器16−1からの信号から乗算器16−2からの信号を減算し,レーザノイズの加法的ノイズ成分と変調ノイズ成分の両方を除去する。再生系を備えた光ディスク装置においては,良好な再生を行うことができるようにされる。
【0006】
なお、半導体基板にレーザ光を出射する光源部と前記レーザ光を変調する変調器部とを集積した半導体レーザ素子において、前記レーザ光の光出力を調整するアッテネータ部を前記光源部と同様の層構造で半導体基板に形成する点が特許文献2(特開2003−229636)に記載されている。
【0007】
【特許文献1】特開2002−183970
【0008】
【特許文献2】特開2003−229636
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら,レーザノイズを回路でキャンセルする方式では,従来の回路構成を大幅に変更しなければならない。システム設計の複雑化を招き,結局コストの点で問題となる。
そこで構成を極力変更せずにレーザをキャンセルする方式が望まれる。Blu-ray用レーザのRIN(Relative Intensity Noise)の特性を図4に示す。この図のように光出力が小さいときRINは大きく,光出力を大きくすると減少する傾向にある。光ディスク再生時,ディスク表面上の光出力および光ピックアップの光利用効率から,LD根元での光出力は2mW以下となり,現状のレーザでは,RINは-125dB/Hzより大きくなり再生信号が劣化する。図4に示すようにRINはパワー依存性を持ち,レーザパワーが大きいほど下がる傾向にある。これを用いて再生時のレーザノイズを低減する。LD出力からディスク面までの効率を25%と仮定する。膜面0.35mWのリードパワー時,LD出力は1.4mWでその時のRINは−125dB/Hzより大きくなる。
【0010】
ここで,レーザの出力の後にフィルタを配置し,再生時はそのフィルタにより透過率を下げることにより(ここでは50%),レーザ出力を大きくしながらディスク表面での再生パワーを0.35mWにすることによりノイズを低減し目標値である−125dB/Hzを達成する。一方記録時,消去時はフィルタの透過率を上げて対応することにより,記録時,消去時のパワー効率を落とさないようにする。記録時や消去時は,再生時と比べ大きな光出力となるためノイズは問題ない。
【0011】
しかしながら,可視光のフィルタとして例えば液晶アッテネータなど応答時間の遅いものを用いることはあらたな問題を生ずる。再生から記録への応答時間の概念を示す図を図5に示す。液晶アッテネータでは透過率の切り替え応答時間に現状では50ms程度かかってしまう。この応答時間は50msでは,ディスクが約1周することになる。記録から再生もしくは再生から記録への切り替え時にディスク1周する間ディスクに当たる光パワーが安定しないと,サーボが外れるなどの問題が生ずる。サーボが外れることは光ディスクでディスクの位置の検出が出来ない,レーザのスポットがぼけるなど根本的な問題であり,解決されないかぎり採用できる手段ではない。
本発明は以上の点を考慮し,レーザノイズを簡単に低減し、応答時間の問題を解決する情報記録再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため本発明では光通信で高速信号変調に用いられる変調器を用いる。光ファイバ通信システムにおいては,レーザダイオードの直接強度変調では比較的大きな波長チャーピングが伝送距離及び変調速度を制限する。チャーピングのある信号光が色分散(波長分散)を有する光ファイバを通過すると,通常は波形の歪みが生じる。
【0013】
この問題を避けるために,チャーピングを生じさせにくい外部光変調器を光通信では用いている。例えば,LiNbO3結晶を用いたMZ変調器や化合物半導体結晶を用いたMZ変調器が報告されている。またMZ変調器より低電力駆動が可能で小型化に適した外部光変調器として,電界吸収型光変調器(EA変調器)が提案されている。EA変調器は,印加電圧に応じてキャリア光を吸収することにより(図6参照),強度変調された信号光を生成する。例えば,化合物半導体結晶を用いたEA変調器が報告されている。
【0014】
この実用的なEA変調器は,半導体積層技術により半導体チップとして提供される。EA変調器は,キャリア光源として用いられるレーザダイオードとの一体化が容易である。従って,キャリア光源と変調器との間の結合損失の低減による高出力化や小型化が可能となる。例えば,DFB−LD(分布帰還型レーザダイオード)とEA変調器とをモノリシックに一体化したEA−DFBレーザ半導体チップが報告されている。
【0015】
一般的なEA−DFBレーザ半導体チップについて,図7を参照して説明する。図7は変調器とレーザを集積した構成を示す図であり,この半導体レーザ素子10の出力光は,隣接して配置された変調器部11に入射し,通常の状態では光変調器部2を透過するが,高周波の変調信号を印加することによって,レーザ光が信号の電圧変化によって透過・吸収を繰り返して高周波の光信号となる。
【0016】
今回光ディスクではレーザ自身で変調をおこなう。変調器にはDC電圧をかけてリード時とライト時に電圧を変えて用いる。リード時からライト時のパワー変更時の応答時間に関しても,変調器は40Gb/s(応答時間25ピコセカンド:ピコ10−12)まで実現されており(図8参照),現在の光ディスクの回転スピード限界が1万回転(周期10マイクロセカンド:マイクロ10−6)と比べて十分小さいため,光ディスクのレーザパワー対応に設計を変えれば問題ないと考える。
【0017】
本発明の記録再生装置および記録再生方式は,レーザノイズの大きいレーザを用いて,光ディスクシステムを構成することを可能にする。特にレーザノイズが大きいとされる波長405nmのレーザを用いる光ディスクストレージシステムに好適である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると,レーザノイズを簡便に低減する情報記録再生装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下,図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【実施例1】
【0020】
変調器を前に配置したレーザを用いた光ディスクシステム第1の実施例を図1を用いて説明する。再生時,雑音レベル(RIN)の値をシステムから要求される水準まで落とす。このとき,RINが所望の値になるレーザ出力パワーにする設定し,レーザの前に配置した変調器の減衰量を電圧で制御し,ディスク表面で規格値である0.35mWになるようにする。ちなみにBD規格書では2層ディスクへの対応も規格化されており,2層ディスクでのリードパワーは0.7mWとなっている。具体的説明すると,この半導体レーザ素子では,光源部の出力光は,隣接して配置された変調器11に入射し,記録時および消去時は,変調器部11を極力透過させるように変調器には電圧をかけずに用いる。
【0021】
これに対して,再生時は,変調器に電圧を印加することによって,レーザ光が変調器で吸収されて減衰する。その後光信号は図に示すように,ビームスプリッタ12を通じてレーザ光を光ディスクに照射する。一方,変調器から照射されるレーザ光は,ビームスプリッタ12を通じてフロントモニタ13(フォトディテクタ(受光素子))にも供給され,ここで電気信号に変換される。この受光素子からの出力信号は,レーザ光のパワー(光強度)を自動調整するために用いられるAPC用モニタ出力信号であり,ここで利得が調整された後,APCモニタ出力信号として用いられる。
【実施例2】
【0022】
第2の実施例を図9に示す。基本的に実施例1と同じことに関しては説明を省略する。実施例1との違いは,変調器とLDの集積した半導体チップを用いることである。変調器として電界吸収型光変調器をもちいる場合は,レーザを集積できることは本文中にも示した。この集積の効果についてはまず小型化に大きく貢献できる。光ディスクはPC用ではノートPCなどに用いられるスリムサイズドライブ開発が必要であるため,今後開発されるであろう,CD,DVD,BDの3つの互換ドライブでは小型化は必須となるであろう。また,変調器を個別に実装することに対して,光学的精度を必要とする実装部が集積化されることに作製が簡易になるメリットもある。
この場合のレーザノイズの効果は実施例1と同様であるため,明白である。
【実施例3】
【0023】
第3の実施例を図10,図11,図12を用いて説明する。高速APC(Auto Power Control)を実現する。変調器で実際にパワーをコントロールする。
APC(Auto Power Control)について簡単に説明する。従来の構成を図10に示す。APCは大きく2つにわかれ,光ディスクのリード時におこなわれるいわゆるリードパワーのAPCと,ライト時におこなわれるライトAPCがある。リードAPCは高周波重畳(BDでは400MHz)のかかった状態でリードパワーを常に0.35mWに保つためにおこなわれる。これに対してライトAPCはストラテジと呼ばれる光ディスク独特の波形で記録している最中にライトパワーを一定に保つ。
【0024】
これらのAPCは,図10のようにフロントモニタ13で光出力パワーをモニタしてLDドライバへフィードバックすることにより実現されている。リードAPCは常に一定のパワーをモニタする方式で問題ないが,ライトAPCはパワーをモニタすることにストラテジーを考慮しなければならず,広帯域が要求される。さらに,フロントモニタ13からフィードバックを早くおこなうため,図10の構成ではフィードバック回路19にも広帯域が要求される。アンプは広帯域化するとノイズが大きくなる傾向があり,レーザ駆動回路のノイズが増え,結局レーザノイズが増大することになってしまう。よって光ディスクの高速化が進むと従来のライトAPCは難しくなる。
【0025】
この問題は図11のように変調器を用いたレーザ低減方法でも,LDドライバにフィードバックすることで同様の問題となる。しかしながら図12で示すように,変調器でAPCをおこなえば,ライトAPCでのネックとなる高速化への対応でき,レーザノイズを増やすことなく実現が可能となる。本文中にも書いたが,変調器は40Gb/s(応答時間25ピコセカンド:ピコ10−12)まで実現されており,この応答速度はBD1倍速のウィンドウ幅が約15ns(ナノセカンド:10−9)を考えると,将来的にBDが回転限界(1万回転)まで高速化されると仮定したBD12倍速(ウィンドウ幅約1.2ns)への対応も可能となる。
【実施例4】
【0026】
第4の実施例を図13,図14,図15を用いて説明する。変調器として電界吸収型光変調器をもちいる場合は,図13に示すように変調器内の吸収量に応じてフォトカレントを発生する。このフォトカレントを観測することによりレーザのパワー変動を吸収量の変化として知ることができる。これを用いて,主に実施例3で述べたAPCに用いられるフロントモニタの代用とする。図14,図15に構成図を示す。図14では変調器のフォトカレント信号のフィードバック先をレーザ(駆動回路)にしており,図15ではフィードバック先を変調器の印加電圧としている。この構成により,変調器はレーザノイズ低減とフロントモニタの代用の2つの役割を兼用できる。
【実施例5】
【0027】
第5の実施例を図1,図16を用いて説明する。まず記録時を説明する。図16にあるように記録データ24を符号化回路23で符号化し,その符号化した信号をディスク上に書き込むためのストラテジーを形成する信号に記録パルス生成回路22で変換する。そして,記録パルス生成回路22の出力は,LDドライバ回路21に入力され,LD10を駆動させ,LDを発光する。このとき,変調部11は極力透過させるように変調器には電圧をかけずに用いる。その後光信号は図に示すように,ビームスプリッタ12を通じてレーザ光を光ディスクに照射する。この光により,媒体20に記録情報を書込む。一方,変調器から照射されるレーザ光は,ビームスプリッタ12を通じてフロントモニタ13(フォトディテクタ(受光素子))にも供給され,ここで電気信号に変換される。基本的に消去時も記録時と同様な動作となる。
【0028】
次に再生時では,変調器に電圧を印加することによって,レーザ光が変調器で吸収されて減衰する。このときの減衰量は,システム設計から計算された所望のレーザノイズ(RIN)値までおとすために事前に設定されたレーザパワーに対して,必要な減衰量となるための電位を変調器に印加することによって決まる。これによりディスク面でのレーザパワー規格値(BDでは一層で0.35mW)を満たしつつ,RIN値を落とすことができるシステムを構築できる。
以上,実施の形態に沿って本発明を説明したが,本発明はこれらに制限されるものではない。その他,種々の変更,改良,組み合わせが可能なことは自明であろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明による光ピックアップ構成図。
【図2】レーザノイズとシステムノイズの関係を示す図。
【図3】回路によるレーザノイズキャンセルをおこなう一例の構成図。
【図4】レーザノイズのパワー依存性を示す図。
【図5】再生パワーから記録パワーへ変更されたときの応答時間を示す図。
【図6】変調器の印加電圧による消光比の関係の一例を示す図。
【図7】光通信で用いられるレーザと変調器を集積した構成と与えられる信号を示した図。
【図8】変調器の周波数特性の一例を示す図。
【図9】本発明によるレーザと変調器を集積した構成と与えられる信号を示した図。
【図10】従来のレーザとフロントモニタの構成とAPCのためのフィードバックを示す図。
【図11】本発明によるレーザノイズ低減方法を用いて,フロントモニタからの信号によって,レーザにフィードバックする構成図。
【図12】第3の実施例である本発明によるレーザノイズ低減方法を用いて,フロントモニタからの信号によって変調器の減衰量を制御してレーザパワーを一定にする例。
【図13】電界吸収型変調器のフォトカレントと光吸収量の関係。
【図14】第4の実施例である電界吸収型変調器のフォトカレントをモニターしてレーザパワーのフィードバックに用いる一例。
【図15】第4の実施例である電界吸収型変調器のフォトカレントをモニターして変調器の印加電圧にフィードバックしてレーザパワーの制御に用いる一例。
【図16】第5の実施例である変調器をレーザの前に配置した光ディスク記録装置の一例。
【符号の説明】
【0030】
LD…レーザダイオード
10…レーザダイオード
11…変調器
12…ビームスプリッタ
13…フロントモニタ
14…RF信号モニタ
15…ローパスフィルタ
16…乗算器
17…演算器
18…ハイパスフィルタ
19…フィードバック回路
20…フォトカレントモニタ
21…LDドライバ回路
22…記録パルス生成回路
23…符号化回路
24…記録データ
25…記録媒体(光ディスク)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報記録媒体に光を照射するレーザと、
前記レーザから照射された光の前記情報記録媒体表面におけるパワーが、前記情報記録媒体に情報を記録するときと,前記情報記録媒体の情報を再生するときとで変化するように、前記レーザから照射された光の減衰量を印加される駆動電圧に応じて前記レーザからの入力光を吸収し、前記情報記録媒体への出力光を変化させる変調器とを有することを特徴とする情報記録再生装置。
【請求項2】
前記レーザと前記変調器が一つの基板上に一体化したことを特徴とする請求項1に記載の情報記録再生装置。
【請求項3】
前記レーザの波長は800nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の情報記録再生装置。
【請求項4】
前記変調器は,電界吸収型光変調器又はマッハツェンダ型光変調器のいずれか一であることを特徴とする請求項1に記載の情報記録再生装置。
【請求項5】
前記変調器からの出力光を受光するモニタと、
前記モニタでの受光量に応じて前記レーザのパワー又は前記変調器を調整するための調整手段とを有することを特徴とする請求項1記載の情報記録再生装置。
【請求項1】
情報記録媒体に光を照射するレーザと、
前記レーザから照射された光の前記情報記録媒体表面におけるパワーが、前記情報記録媒体に情報を記録するときと,前記情報記録媒体の情報を再生するときとで変化するように、前記レーザから照射された光の減衰量を印加される駆動電圧に応じて前記レーザからの入力光を吸収し、前記情報記録媒体への出力光を変化させる変調器とを有することを特徴とする情報記録再生装置。
【請求項2】
前記レーザと前記変調器が一つの基板上に一体化したことを特徴とする請求項1に記載の情報記録再生装置。
【請求項3】
前記レーザの波長は800nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の情報記録再生装置。
【請求項4】
前記変調器は,電界吸収型光変調器又はマッハツェンダ型光変調器のいずれか一であることを特徴とする請求項1に記載の情報記録再生装置。
【請求項5】
前記変調器からの出力光を受光するモニタと、
前記モニタでの受光量に応じて前記レーザのパワー又は前記変調器を調整するための調整手段とを有することを特徴とする請求項1記載の情報記録再生装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2006−155698(P2006−155698A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−341380(P2004−341380)
【出願日】平成16年11月26日(2004.11.26)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月26日(2004.11.26)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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