説明

光記録媒体

【課題】 波長400nm〜500nmのレーザーで良好な記録および再生が可能な追記型光記録媒体を提供する。
【解決手段】 基板上に少なくとも記録層と反射層を有する光記録媒体において、記録層中に下記一般式(1)で示されるベンゾビスオキサ/チアゾール化合物を含有する光記録媒体。
【化1】


〔式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、Z1、Z2、Z3、Z4はそれぞれ明細書記載の置換基を示し、環A、環Bはそれぞれ独立にオキサゾール環、またはチアゾール環を表す。〕

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光記録媒体に関するものであり、特に青色レーザー光により記録・再生可能である化合物含有の追記型光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】基板上に反射層を有する光記録媒体としてコンパクトディスク(以下、CDと略す)規格に対応した追記可能なCD−R(CD−Recordable)が広く普及している。CD−Rの記録容量は0.65GB程度であるが、情報量の飛躍的増加に伴い、情報記録媒体に対する高密度化および大容量化への要求は高まっている。
【0003】記録および再生用レーザーの短波長化によりビームスポットを小さくすることができ、高密度な光記録が可能になる。最近では、光ディスクシステムに利用される短波長半導体レーザーの開発が進み、波長680nm、650nmおよび635nmの赤色半導体レーザーが実用化されている〔例えば、日経エレクトロニクス、No.592、p.65、1993年10月11日号〕。これらの半導体レーザーを用い、2時間以上の動画をデジタル記録したDVDが実用化されている。DVDは再生専用媒体であるため、この容量に対応する追記型光記録媒体(DVD−R)の開発も進んでいる。
【0004】さらに、超高密度の記録が可能となる波長400nm〜500nmの青色半導体レーザーの開発も急速に進んでおり〔例えば、日経エレクトロニクス、No.708、p.117、1998年1月26日号〕、それに対応した追記型光記録媒体の開発も行われている。
【0005】追記型光記録媒体の記録層にレーザー光を照射し、記録層に物理変化や化学変化を生じさせることでピットを形成させるとき、化合物の光学定数、分解挙動が良好なピットを形成させるための重要な要素となる。分解しづらいものは感度が低下し、分解が激しいかまたは変化しやすいものはピット間および半径方向への影響が大きくなり、信頼性のあるピット形成が困難になる。従来のCD−R媒体は、超高密度記録で用いられる青色半導体レーザー波長では、記録層の屈折率も低く、消衰係数も適度な値ではないため、反射率の低下、エラーレートの増大、ジッターの増大により、良好な記録・再生ができない。従って、記録層に用いる化合物には青色半導体レーザーに対する光学的性質、分解挙動の適切な化合物を選択する必要がある。。しかし、実際に提案されている有機色素化合物の例は、特開平4−74690号公報記載のシアニン化合物や、特開平7−304256号公報あるいは特開平7−304257号公報に記載のポルフィリン化合物など、ごく限られた例しかない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シアニン色素は一般に耐光性が低いために、媒体を長期保存した時に、時として再生が不可能となる場合がある。また、上記公報記載のポルフィリン化合物は、特開平7−304256号公報あるいは特開平7−304257号公報の実施例に記載されるように、単独で光記録媒体の記録層に使用した場合にはレーザー光による書き込みが不可能であることなど、記録層に用いる化合物としては充分に満足いく性能を有するとは言えない。さらに、該公報等における光記録媒体では、有機色素に配位する置換基を有する単分子あるいは高分子化合物を混合して使用することが必須であり、また、特開平7−304257号公報の実施例欄に記載されるサンプルディスクのように記録層が白濁する場合があるため、組成比を設定する必要があるなど、媒体製造が煩雑であり、生産性の構造に未だ余地が残されていた。そのため、超高密度の記録と長期保存安定性に優れた媒体を作製するのに適した光記録媒体用色素の開発が急務となっている。
【0007】本発明の目的は、波長400nm〜500nmの範囲から選択されるレーザー光で良好な記録および再生が可能な超高密度記録に適した化合物を記録層に有する光記録媒体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、基板上に少なくとも記録層および反射層を有する光記録媒体において、記録層中に一般式(1)
【0009】
【化2】


【0010】〔式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換または無置換のアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルケニル基、アルケニルオキシ基、アルキルチオ基、アラルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アラルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルケニルアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルケニルオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、複素環基を表し、環A、環Bはそれぞれ独立にオキサゾール環、またはチアゾール環を表し、Z1、Z2、Z3、Z4はそれぞれ独立に置換または無置換のアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アリール基を表す。あるいは、Z1とZ2、Z3とZ4は互いに連結して環を形成しても良い。〕で示されるベンゾビスオキサ/チアゾール化合物を含有する光記録媒体であり、特には、波長400nm〜500nmの範囲から選択されるレーザー光に対して記録および再生が可能である新規な光記録媒体に関するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の具体的構成について以下に説明する。
【0012】この光記録媒体は基板、記録層、反射層および保護層が順次積層している4層構造を有している。これを図1に示すように単板で用いてもよく、図2に示すようにDVDのように接着層で貼り合わせても良い。
【0013】基板の材質としては、基本的には記録光および再生光の波長で透明であればよい。例えば、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂等の高分子材料やガラス等の無機材料が利用される。これらの基板材料は射出成形法等により円盤状に基板に成形される。必要に応じて、基板表面に案内溝やピットを形成することもある。このような案内溝やピットは、基板の成形時に付与することが望ましいが、基板の上に紫外線硬化樹脂層を用いて付与することもできる。
【0014】本発明においては、基板上に記録層を設けるが、本発明の記録層は、一般式(1)で示されるベンゾビスオキサ/チアゾール化合物を含有するものである。
【0015】本発明の記録層に含有される一般式(1)で示されるベンゾビスオキサ/チアゾール化合物について、以下に具体例を詳細に述べる。
【0016】式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8で示される基としては、ポリカーボネート、アクリル、エポキシ、ポリオレフィン基板などへの塗布による加工性の良好な基を選択して用いることができる。
【0017】式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8で示される基として、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子またはシアノ基が挙げられる。
【0018】式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8で示される置換または無置換のアルキル基としては、直鎖または分岐または環状の無置換アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、アルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アルケニルオキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、ジアルキルアミノ基、アシルアミノ基、アルキルスルホンアミノ基、アルキルスルホン基、複素環基等の置換基群より選択した置換基で置換したアルキル基などが挙げられる。
【0019】置換または無置換の直鎖または分岐または環状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、3−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−エチルブチル基、1,2,2−トリメチルブチル基、1,1,2−トリメチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、2,4−ジメチルペンチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、2,5−ジメチルヘキシル基、2,5,5−トリメチルペンチル基、2,4−ジメチルヘキシル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、4−エチルオクチル基、4−エチル−4,5−メチルヘキシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、1,3,5,7−テトラエチルオクチル基、4−ブチルオクチル基、6,6−ジエチルオクチル基、n−トリデシル基、6−メチル−4−ブチルオクチル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、3,5−ジメチルヘプチル基、2,6−ジメチルヘプチル基、2,4−ジメチルヘプチル基、2,2,5,5−テトラメチルヘキシル基、1−シクロペンチル−2,2−ジメチルプロピル基、1−シクロヘキシル−2,2−ジメチルプロピル基などの炭素数1〜15の無置換アルキル基;
【0020】クロロメチル基、クロロエチル基、ブロモエチル基、ヨードエチル基、ジクロロメチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル基、ノナフルオロブチル基、パーフルオロデシル基等のハロゲン原子で置換した炭素数1〜10のアルキル基;
【0021】2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシメチル基、4−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル基、2−ヒドロキシ−3−エトキシプロピル基、3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルオキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシデカリル−2−オキシ基などのヒドロキシ基で置換した炭素数1〜10のアルキル基;
【0022】ヒドロキシメトキシメチル基、ヒドロキシエトキシエチル基、2−(2’−ヒドロキシ−1’−メチルエトキシ)−1−メチルエチル基、2−(3’−フルオロ−2’−ヒドロキシプロポキシ)エチル基、2−(3’−クロロ−2’−ヒドロキシプロポキシ)エチル基、ヒドロキシブトキシシクロヘキシルオキシ基などの炭素数2〜10のヒドロキシアルコキシアルキル基;
【0023】ヒドロキシメトキシメトキシメチル基、ヒドロキシエトキシエトキシエチル基、[2’−(2’−ヒドロキ−1’−メチルエトキシ)−1’−メチルエトキシ]エトキシエチル基、[2’−(2’−フルオロ−1’−ヒドロキシエトキシ)−1’−メチルエトキシ]エトキシエチル基、[2’−(2’−クロロ−1’−ヒドロキシエトキシ)−1’−メチルエトキシ]エトキシエチル基などの炭素数3〜10のヒドロキシアルコキシアルコキシアルキル基;
【0024】シアノメチル基、2−シアノエチル基、4−シアノエチル基、2−シアノ−3−メトキシプロピル基、2−シアノ−3−クロロプロピル基、2−シアノ−3−エトキシプロピル基、3−ブトキシ−2−シアノプロピル基、2−シアノ−3−シクロヘキシルプロピル基、2−シアノプロピル基、2−シアノブチル基などのシアノ基で置換した炭素数2〜10のアルキル基;
【0025】メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、プロポキシエチル基、ブトキシエチル基、n−ヘキシルオキシエチル基、4−メチルペントキシエチル基、1,3−ジメチルブトキシエチル基、2−エチルヘキシルオキシエチル基、n−オクチルオキシエチル基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシエチル基、2−メチル−1−iso−プロピルプロポキシエチル基、3−メチル−1−iso−プロピルブチルオキシエチル基、2−エトキシ−1−メチルエチル基、3−メトキシブチル基、3,3,3−トリフルオロプロポキシエチル基、3,3,3−トリクロロプロポキシエチル基などのアルコキシ基で置換した炭素数2〜15のアルキル基;
【0026】メトキシメトキシメチル基、メトキシエトキシエチル基、エトキシエトキシエチル基、プロポキシエトキシエチル基、ブトキシエトキシエチル基、シクロヘキシルオキシエトキシエチル基、デカリルオキシプロポキシエトキシ基、1,2−ジメチルプロポキシエトキシエチル基、3−メチル−1−iso−ブチルブトキシエトキシエチル基、2−メトキシ−1−メチルエトキシエチル基、2−ブトキシ−1−メチルエトキシエチル基、2−(2’−エトキシ−1’−メチルエトキシ)−1−メチルエチル基、3,3,3−トリフルオロプロポキシエトキシエチル基、3,3,3−トリクロロプロポキシエトキシエチル基などの炭素数3〜15のアルコキシアルコキシアルキル基;
【0027】メトキシメトキシメトキシメチル基、メトキシエトキシエトキシエチル基、エトキシエトキシエトキシエチル基、ブトキシエトキシエトキシエチル基、シクロヘキシルオキシ、プロポキシプロポキシプロポキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシエトキシエトキシエチル基、2,2,2−トリクロロエトキシエトキシエトキシエチル基などの炭素数4〜15のアルコキシアルコキシアルコキシアルキル基;
【0028】ホルミルメチル基、2−オキソブチル基、3−オキソブチル基、4−オキソブチル基、1,3−ジオキソ−2−シクロヘキシル基、2−オキソ−5−t−ブチル−1−シクロヘキシル基等のアシル基で置換した炭素数2〜10のアルキル基;
【0029】ホルミルオキシメチル基、アセトキシエチル基、プロピオニルオキシエチル基、ブタノイルオキシエチル基、バレリルオキシエチル基、2−エチルヘキサノイルオキシエチル基、3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシエチル基、3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシヘキシル基、3−フルオロブチリルオキシエチル基、3−クロロブチリルオキシエチル基などのアシルオキシ基で置換した炭素数2〜15のアルキル基;
【0030】ホルミルオキシメトキシメチル基、アセトキシエトキシエチル基、プロピオニルオキシエトキシエチル基、バレリルオキシエトキシエチル基、2−エチルヘキサノイルオキシエトキシエチル基、3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシブトキシエチル基、3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシエトキシエチル基、2−フルオロプロピオニルオキシエトキシエチル基、2−クロロプロピオニルオキシエトキシエチル基などのアシルオキシアルコキシ基で置換した炭素数3〜15のアルキル基;
【0031】アセトキシメトキシメトキシメチル基、アセトキシエトキシエトキシエチル基、プロピオニルオキシエトキシエトキシエチル基、バレリルオキシエトキシエトキシエチル基、2−エチルヘキサノイルオキシエトキシエトキシエチル基、3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシオキシエトキシエトキシエチル基、2−フルオロプロピオニルオキシエトキシエトキシエチル基、2−クロロプロピオニルオキシエトキシエトキシエチル基などのアシルオキシアルコキシアルコキシ基で置換した炭素数5〜15のアルキル基;
【0032】メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、ブトキシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルエチル基、エトキシカルボニルエチル基、ブトキシカルボニルエチル基、p−エチルシクロヘキシルオキシカルボニルシクロヘキシル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシカルボニルメチル基、2,2,3,3−テトラクロロプロポキシカルボニルメチル基などのアルコキシカルボニル基で置換した炭素数3〜15のアルキル基;
【0033】フェノキシカルボニルメチル基、フェノキシカルボニルエチル基、4−t−ブチルフェノキシカルボニルエチル基、ナフチルオキシカルボニルメチル基、ビフェニルオキシカルボニルエチル基などのアリールオキシカルボニル基で置換した炭素数8〜15のアルキル基;
【0034】ベンジルオキシカルボニルメチル基、ベンジルオキシカルボニルエチル基、フェネチルオキシカルボニルメチル基、4−シクロヘキシルオキシベンジルオキシカルボニルメチル基などの炭素数9〜15のアラルキルオキシカルボニル基;
【0035】ビニルオキシカルボニルメチル基、ビニルオキシカルボニルエチル基、アリルオキシカルボニルメチル基、オクテノキシカルボニルメチル基などのアルケニルオキシカルボニル基で置換した炭素数4〜10のアルキル基;
【0036】メトキシカルボニルオキシメチル基、メトキシカルボニルオキシエチル基、エトキシカルボニルオキシエチル基、ブトキシカルボニルオキシエチル基、2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニルオキシエチル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルオキシエチル基などのアルコキシカルボニルオキシ基で置換した炭素数3〜15のアルキル基;
【0037】メトキシメトキシカルボニルオキシメチル基、メトキシエトキシカルボニルオキシエチル基、エトキシエトキシカルボニルオキシエチル基、ブトキシエトキシカルボニルオキシエチル基、2,2,2−トリフルオロエトキシエトキシカルボニルオキシエチル基、2,2,2−トリクロロエトキシエトキシカルボニルオキシエチル基などのアルコキシアルコキシカルボニルオキシ基で置換した炭素数4〜15のアルキル基;
【0038】ジメチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、ジ−n−ブチルアミノメチル基、ジ−n−ヘキシルアミノメチル基、ジ−n−オクチルアミノメチル基、ジ−n−デシルアミノメチル基、N−イソアミル−N−メチルアミノメチル基、ピペリジノメチル基、ジ(メトキシメチル)アミノメチル基、ジ(メトキシエチル)アミノメチル基、ジ(エトキシメチル)アミノメチル基、ジ(エトキシエチル)アミノメチル基、ジ(プロポキシエチル)アミノメチル基、ジ(ブトキシエチル)アミノメチル基、ビス(2−シクロヘキシルオキシエチル)アミノメチル基;ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノエチル基、ジ−n−ブチルアミノエチル基、ジ−n−ヘキシルアミノエチル基、ジ−n−オクチルアミノエチル基、ジ−n−デシルアミノエチル基、N−イソアミル−N−メチルアミノエチル基、ピペリジノエチル基、ジ(メトキシメチル)アミノエチル基、ジ(メトキシエチル)アミノエチル基、ジ(エトキシメチル)アミノエチル基、ジ(エトキシエチル)アミノエチル基、ジ(プロポキシエチル)アミノエチル基、ジ(ブトキシエチル)アミノエチル基、ビス(2−シクロヘキシルオキシエチル)アミノエチル基;ジメチルアミノプロピル基、ジエチルアミノプロピル基、ジ−n−ブチルアミノプロピル基、ジ−n−ヘキシルアミノプロピル基、ジ−n−オクチルアミノプロピル基、ジ−n−デシルアミノプロピル基、N−イソアミル−N−メチルアミノプロピル基、ピペリジノプロピル基、ジ(メトキシメチル)アミノプロピル基、ジ(メトキシエチル)アミノプロピル基、ジ(エトキシメチル)アミノプロピル基、ジ(エトキシエチル)アミノプロピル基、ジ(プロポキシエチル)アミノプロピル基、ジ(ブトキシエチル)アミノプロピル基、ビス(2−シクロヘキシルオキシエチル)アミノプロピル基;ジメチルアミノブチル基、ジエチルアミノブチル基、ジ−n−ブチルアミノブチル基、ジ−n−ヘキシルアミノブチル基、ジ−n−オクチルアミノブチル基、ジ−n−デシルアミノブチル基、N−イソアミル−N−メチルアミノブチル基、ピペリジノブチル基、ジ(メトキシメチル)アミノブチル基、ジ(メトキシエチル)アミノブチル基、ジ(エトキシメチル)アミノブチル基、ジ(エトキシエチル)アミノブチル基、ジ(プロポキシエチル)アミノブチル基、ジ(ブトキシエチル)アミノブチル基、ビス(2−シクロヘキシルオキシエチル)アミノブチル基等のジアルキルアミノ基が置換した炭素数3〜20のアルキル基;
【0039】アセチルアミノメチル基、アセチルアミノエチル基、プロピオニルアミノエチル基、ブタノイルアミノエチル基、シクロヘキサンカルボニルアミノエチル基、p−メチルシクロヘキサンカルボニルアミノエチル基、スクシンイミノエチル基などのアシルアミノ基で置換した炭素数3〜10のアルキル基;
【0040】メチルスルホンアミノメチル基、メチルスルホンアミノエチル基、エチルスルホンアミノエチル基、プロピルスルホンアミノエチル基、オクチルスルホンアミノエチル基などのアルキルスルホンアミノ基で置換した炭素数2〜10のアルキル基;
【0041】メチルスルホンメチル基、エチルスルホンメチル基、ブチルスルホンメチル基、メチルスルホンエチル基、エチルスルホンエチル基、ブチルスルホンエチル基、2−エチルヘキシルスルホンエチル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルスルホンメチル基、2,2,3,3−テトラクロロプロピルスルホンメチル基などのアルキルスルホン基で置換した炭素数2〜10のアルキル基;
【0042】ピロリノメチル基、ピロリジノメチル基、ピラゾリジノメチル基、イミダゾリジノメチル基、オキサゾリル基、トリアゾリノメチル基、モルホリノメチル基、インドーリノメチル基、ベンズイミダゾリノメチル基、カルバゾリノメチル基などの複素環基で置換したアルキル基等が挙げられる。
【0043】式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8で示される置換または無置換のアラルキル基の例としては、前記に挙げたアルキル基と同様な置換基を有するアラルキル基であり、好ましくは、ベンジル基、ニトロベンジル基、シアノベンジル基、ヒドロキシベンジル基、メチルベンジル基、トリフルオロメチルベンジル基、ナフチルメチル基、ニトロナフチルメチル基、シアノナフチルメチル基、ヒドロキシナフチルメチル基、メチルナフチルメチル基、トリフルオロメチルナフチルメチル基、フルオレン−9−イルエチル基などの炭素数7〜15のアラルキル基等が挙げられる。
【0044】式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8で示される置換または無置換のアリール基の例としては、前記に挙げたアルキル基と同様な置換基を有するアリール基であり、好ましくは、フェニル基、ニトロフェニル基、シアノフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ナフチル基、ニトロナフチル基、シアノナフチル基、ヒドロキシナフチル基、メチルナフチル基、トリフルオロメチルナフチル基、メトキシカルボニルフェニル基、4−(5’−メチルベンゾキサゾール−2’−イル)フェニル基、ジブチルアミノカルボニルフェニル基などの炭素数6〜15のアリール基等が挙げられる。
【0045】式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8で示される置換または無置換のアルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、sec−ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、1−メチルペンチルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、3−メチルペンチルオキシ基、4−メチルペンチルオキシ基、1,1−ジメチルブトキシ基、1,2−ジメチルブトキシ基、1,3−ジメチルブトキシ基、2,3−ジメチルブトキシ基、1,1,2−トリメチルプロポキシ基、1,2,2−トリメチルプロポキシ基、1−エチルブトキシ基、2−エチルブトキシ基、1−エチル−2−メチルプロポキシ基、シクロヘキシルオキシ基、メチルシクロペンチルオキシ基、n−へプチルオキシ基、1−メチルヘキシルオキシ基、2−メチルヘキシルオキシ基、3−メチルヘキシルオキシ基、4−メチルヘキシルオキシ基、5−メチルヘキシルオキシ基、1,1−ジメチルペンチルオキシ基、1,2−ジメチルペンチルオキシ基、1,3−ジメチルペンチルオキシ基、1,4−ジメチルペンチルオキシ基、2,2−ジメチルペンチルオキシ基、2,3−ジメチルペンチルオキシ基、2,4−ジメチルペンチルオキシ基、3,3−ジメチルペンチルオキシ基、3,4−ジメチルペンチルオキシ基、1−エチルペンチルオキシ基、2−エチルペンチルオキシ基、3−エチルペンチルオキシ基、1,1,2−トリメチルブトキシ基、1,1,3−トリメチルブトキシ基、1,2,3−トリメチルブトキシ基、1,2,2−トリメチルブトキシ基、1,3,3−トリメチルブトキシ基、2,3,3−トリメチルブトキシ基、1−エチル−1−メチルブトキシ基、1−エチル−2−メチルブトキシ基、1−エチル−3−メチルブトキシ基、2−エチル−1−メチルブトキシ基、2−エチル−3−メチルブトキシ基、1−n−プロピルブトキシ基、1−イソプロピルブトキシ基、1−イソプロピル−2−メチルプロポキシ基、メチルシクロヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、1−メチルヘプチルオキシ基、2−メチルヘプチルオキシ基、3−メチルヘプチルオキシ基、4−メチルヘプチルオキシ基、5−メチルヘプチルオキシ基、6−メチルヘプチルオキシ基、1,1−ジメチルヘキシルオキシ基、1,2−ジメチルヘキシルオキシ基、1,3−ジメチルヘキシルオキシ基、1,4−ジメチルヘキシルオキシ基、1,5−ジメチルヘキシルオキシ基、2,2−ジメチルヘキシルオキシ基、2,3−ジメチルヘキシルオキシ基、2,4−ジメチルヘキシルオキシ基、2,5−ジメチルヘキシルオキシ基、3,3−ジメチルヘキシルオキシ基、3,4−ジメチルヘキシルオキシ基、3,5−ジメチルヘキシルオキシ基、4,4−ジメチルヘキシルオキシ基、4,5−ジメチルヘキシルオキシ基、1−エチルヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3−エチルヘキシルオキシ基、4−エチルヘキシルオキシ基、1−n−プロピルペンチルオキシ基、2−n−プロピルペンチルオキシ基、1−イソプロピルペンチルオキシ基、2−イソプロピルペンチルオキシ基、1−エチル−1−メチルペンチルオキシ基、1−エチル−2−メチルペンチルオキシ基、1−エチル−3−メチルペンチルオキシ基、1−エチル−4−メチルペンチルオキシ基、2−エチル−1−メチルペンチルオキシ基、2−エチル−2−メチルペンチルオキシ基、2−エチル−3−メチルペンチルオキシ基、2−エチル−4−メチルペンチルオキシ基、3−エチル−1−メチルペンチルオキシ基、3−エチル−2−メチルペンチルオキシ基、3−エチル−3−メチルペンチルオキシ基、3−エチル−4−メチルペンチルオキシ基、1,1,2−トリメチルペンチルオキシ基、1,1,3−トリメチルペンチルオキシ基、1,1,4−トリメチルペンチルオキシ基、1,2,2−トリメチルペンチルオキシ基、1,2,3−トリメチルペンチルオキシ基、1,2,4−トリメチルペンチルオキシ基、1,3,4−トリメチルペンチルオキシ基、2,2,3−トリメチルペンチルオキシ基、2,2,4−トリメチルペンチルオキシ基、2,3,4−トリメチルペンチルオキシ基、1,3,3−トリメチルペンチルオキシ基、2,3,3−トリメチルペンチルオキシ基、3,3,4−トリメチルペンチルオキシ基、1,4,4−トリメチルペンチルオキシ基、2,4,4−トリメチルペンチルオキシ基、3,4,4−トリメチルペンチルオキシ基、1−n−ブチルブトキシ基、1−イソブチルブトキシ基、1−sec−ブチルブトキシ基、1−tert−ブチルブトキシ基、2−tert−ブチルブトキシ基、1−n−プロピル−1−メチルブトキシ基、1−n−プロピル−2−メチルブトキシ基、1−n−プロピル−3−メチルブトキシ基、1−イソプロピル−1−メチルブトキシ基、1−イソプロピル−2−メチルブトキシ基、1−イソプロピル−3−メチルブトキシ基、1,1−ジエチルブトキシ基、1,2−ジエチルブトキシ基、1−エチル−1,2−ジメチルブトキシ基、1−エチル−1,3−ジメチルブトキシ基、1−エチル−2,3−ジメチルブトキシ基、2−エチル−1,1−ジメチルブトキシ基、2−エチル−1,2−ジメチルブトキシ基、2−エチル−1,3−ジメチルブトキシ基、2−エチル−2,3−ジメチルブトキシ基、1,2−ジメチルシクロヘキシルオキシ基、1,3−ジメチルシクロヘキシルオキシ基、1,4−ジメチルシクロヘキシルオキシ基、エチルシクロヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、1−アダマンチルオキシ基、n−ペンタデカニルオキシ基等の炭素数1〜15の直鎖、分岐又は環状の無置換アルコキシ基;
【0046】メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、n−プロポキシエトキシ基、イソプロポキシエトキシ基、n−ブトキシエトキシ基、イソブトキシエトキシ基、tert−ブトキシエトキシ基、sec−ブトキシエトキシ基、n−ペンチルオキシエトキシ基、イソペンチルオキシエトキシ基、tert−ペンチルオキシエトキシ基、secーペンチルオキシエトキシ基、シクロペンチルオキシエトキシ基、n−ヘキシルオキシエトキシ基、エチルシクロヘキシルオキシエトキシ基、n−ノニルオキシエトキシ基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシエトキシ基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシブトキシ基、n−デシルオキシエトキシ基、n−ウンデシルオキシエトキシ基、n−ドデシルオキシエトキシ基、3−メトキシプロポキシ基、3−エトキシプロポキシ基、3−(n−プロポキシ)プロポキシ基、2−イソプロポキシプロポキシ基、2−メトキシブトキシ基、2−エトキシブトキシ基、2−(n−プロポキシ)ブトキシ基、4−イソプロポキシブトキシ基、デカリルオキシエトキシ基、アダマンチルオキシエトキシ基等の、アルコキシ基で置換した炭素数2〜15のアルコキシ基;
【0047】メトキシメトキシメトキシ基、エトキシメトキシメトキシ基、プロポキシメトキシメトキシ基、ブトキシメトキシメトキシ基、メトキシエトキシメトキシ基、エトキシエトキシメトキシ基、プロポキシエトキシメトキシ基、ブトキシエトキシメトキシ基、メトキシプロポキシメトキシ基、エトキシプロポキシメトキシ基、プロポキシプロポキシメトキシ基、ブトキシプロポキシメトキシ基、メトキシブトキシメトキシ基、エトキシブトキシメトキシ基、プロポキシブトキシメトキシ基、ブトキシブトキシメトキシ基、メトキシメトキシエトキシ基、エトキシメトキシエトキシ基、プロポキシメトキシエトキシ基、ブトキシメトキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基、プロポキシエトキシエトキシ基、ブトキシエトキシエトキシ基、メトキシプロポキシエトキシ基、エトキシプロポキシエトキシ基、プロポキシプロポキシエトキシ基、ブトキシプロポキシエトキシ基、メトキシブトキシエトキシ基、エトキシブトキシエトキシ基、プロポキシブトキシエトキシ基、ブトキシブトキシエトキシ基、メトキシメトキシプロポキシ基、エトキシメトキシプロポキシ基、プロポキシメトキシプロポキシ基、ブトキシメトキシプロポキシ基、メトキシエトキシプロポキシ基、エトキシエトキシプロポキシ基、プロポキシエトキシプロポキシ基、ブトキシエトキシプロポキシ基、メトキシプロポキシプロポキシ基、エトキシプロポキシプロポキシ基、プロポキシプロポキシプロポキシ基、ブトキシプロポキシプロポキシ基、メトキシブトキシプロポキシ基、エトキシブトキシプロポキシ基、プロポキシブトキシプロポキシ基、ブトキシブトキシプロポキシ基、メトキシメトキシブトキシ基、エトキシメトキシブトキシ基、プロポキシメトキシブトキシ基、ブトキシメトキシブトキシ基、メトキシエトキシブトキシ基、エトキシエトキシブトキシ基、プロポキシシエトキシブトキシ基、ブトキシエトキシブトキシ碁、メトキシプロポキシブトキシ基、エトキシプロポキシブトキシ基、プロポキシプロポキシブトキシ基、ブトキシプロポキシブトキシ基、メトキシブトキシブトキシ基、エトキシブトキシブトキシ基、プロポキシブトキシブトキシ基、ブトキシブトキシブトキシ基、4−エチルシクロへキシルオキシエトキシエトキシ基、(2−エチル−1−へキシルオキシ)エトキシプロポキシ基、4−(3,5,5−トリメチルヘキシルオキシブトキシエトキシ基等の、アルコキシアルコキシ基で置換した直鎖、分岐または環状の炭素数3〜15のアルコキシ基;
【0048】メトキシカルボニルメトキシ基、エトキシカルボニルメトキシ基、n−プロポキシカルボニルメトキシ基、イソプロポキシカルボニルメトキシ基、4’−エチルシクロヘキシルオキシカルボニルメトキシ基等のアルコキシカルボニル基で置換した炭素数3〜10のアルコキシ基;
【0049】アセチルメトキシ基、エチルカルボニルメトキシ基、オクチルカルボニルメトキシ基等のアシル基で置換した炭素数3〜10のアルコキシ基;
【0050】アセチルオキシメチル基、アセチルオキシエチル基、アセチルオキシヘキシルオキシ基、ブタノイルオキシシクロヘキシルオキシ基などの炭素数3〜10のアシルオキシ基で置換したアルコキシ基;
【0051】2−ジメチルアミノメトキシ基、2−ジメチルアミノエトキシ基、2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エトキシ基、4−ジメチルアミノブトキシ基、1−ジメチルアミノプロパン−2−イルオキシ基、3−ジメチルアミノプロポキシ基、2−ジメチルアミノ−2−メチルプロポキシ基、2−ジエチルアミノエトキシ基、2−(2−ジエチルアミノエトキシ)エトキシ基、3−ジエチルアミノプロポキシ基、1−ジエチルアミノプロポキシ基、2−ジイソプロピルアミノエトキシ基、2−(ジ−n−ブチルアミノ)エトキシ基、2−ピペリジルエトキシ基、4−(ジ−n−ヘキシルアミノ)プロピル基等の、ジアルキルアミノ基で置換した炭素数3〜15のアルコキシ基;
【0052】ジメチルアミノメトキシメトキシ基、ジメチルアミノエトキシエトキシ基、ジメチルアミノエトキシプロポキシ基、ジエチルアミノエトキシプロポキシ基、4−(2’−ジイソブチルアミノプロポキシ)ブトキシオキシ基等の、ジアルキルアミノアルコキシ基で置換した炭素数4〜15のアルコキシ基;
【0053】2−メチルチオメトキシ基、2−メチルチオエトキシ基、2−エチルチオエトキシ基、2−n−プロピルチオエトキシ基、2−イソプロピルチオエトキシ基、2−n−ブチルチオエトキシ基、2−イソブチルチオエトキシ基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシヘキシルオキシ基等の、アルキルチオ基で置換した炭素数2〜15のアルコキシ基;等が挙げられ、好ましくは、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペントキシ基、iso−ペントキシ基、ネオペントキシ基、2−メチルブトキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ基、デカリル基などの炭素数1〜10のアルコキシ基が挙げられる。
【0054】式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8で示される置換または無置換のアラルキルオキシ基の例としては、前記に挙げたアルキル基と同様な置換基を有するアラルキルオキシ基であり、好ましくは、ベンジルオキシ基、ニトロベンジルオキシ基、シアノベンジルオキシ基、ヒドロキシベンジルオキシ基、メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメチルベンジルオキシ基、ナフチルメトキシ基、ニトロナフチルメトキシ基、シアノナフチルメトキシ基、ヒドロキシナフチルメトキシ基、メチルナフチルメトキシ基、トリフルオロメチルナフチルメトキシ基、フルオレン−9−イルエトキシ基などの炭素数7〜15のアラルキルオキシ基等が挙げられる。
【0055】式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8で示される置換または無置換のアリールオキシ基の例としては、前記に挙げたアルキル基と同様な置換基を有するアリールオキシ基であり、好ましくは、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、2−メトキシフェノキシ基、4−iso−プロピルフェノキシ基、ナフトキシ基などの炭素数6〜10のアリールオキシ基が挙げられる。
【0056】式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8で示される置換または無置換のアルケニル基の例としては、前記に挙げたアルキル基と同様な置換基を有するアルケニル基であり、好ましくは、ビニル基、プロペニル基、1−ブテニル基、iso−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、2−メチル−1−ブテニル基、3−メチル−1−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、2,2−ジシアノビニル基、2−シアノ−2−メチルカルボキシルビニル基、2−シアノ−2−メチルスルホンビニル基、スチリル基、4−フェニル−2ブテニル基などの炭素数2〜10のアルケニル基が挙げられる。
【0057】式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8で示される置換または無置換のアルケニルオキシ基の例としては、前記に挙げたアルキル基と同様な置換基を有するアルケニルオキシ基であり、好ましくは、ビニルオキシ基、プロペニルオキシ基、1−ブテニルオキシ基、iso−ブテニルオキシ基、1−ペンテニルオキシ基、2−ペンテニルオキシ基、2−メチル−1−ブテニルオキシ基、3−メチル−1−ブテニルオキシ基、2−メチル−2−ブテニルオキシ基、2,2−ジシアノビニルオキシ基、2−シアノ−2−メチルカルボキシルビニルオキシ基、2−シアノ−2−メチルスルホンビニルオキシ基、スチリルオキシ基、4−フェニル−2ブテニルオキシ基などの炭素数2〜10のアルケニルオキシ基が挙げられる。
【0058】式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8で示される置換または無置換のアルキルチオ基の例としては、前記に挙げたアルキル基と同様な置換基を有するアルキルチオ基であり、好ましくは、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、iso−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、iso−ペンチルチオ基、ネオペンチルチオ基、2−メチルブチルチオ基、メチルカルボキシルエチルチオ基、2−エチルヘキシル基、3,5,5−トリメチルヘキシルチオ基、デカリルチオ基などの炭素数1〜10のアルキルチオ基が挙げられる。
【0059】式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8で示される置換または無置換のアラルキルチオ基の例としては、前記に挙げたアルキル基と同様な置換基を有するアラルキルチオ基であり、好ましくは、ベンジルチオ基、ニトロベンジルチオ基、シアノベンジルチオ基、ヒドロキシベンジルチオ基、メチルベンジルチオ基、トリフルオロメチルベンジルチオ基、ナフチルメチルチオ基、ニトロナフチルメチルチオ基、シアノナフチルメチルチオ基、ヒドロキシナフチルメチルチオ基、メチルナフチルメチルチオ基、トリフルオロメチルナフチルメチルチオ基、フルオレン−9−イルエチルチオ基などの炭素数7〜15のアラルキルチオ基等が挙げられる。
【0060】式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8で示される置換または無置換のアリールチオ基の例としては前記に挙げたアルキル基と同様な置換基を有するアリールチオ基であり、好ましくは、フェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、2−メトキシフェニルチオ基、4−t−ブチルフェニルチオ基、ナフチルチオ基等の炭素数6〜10のアリールチオ基などが挙げられる。
【0061】式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8で示される置換または無置換のアルキルアミノ基の例としては、前記に挙げたアルキル基と同様な置換基を有するアルキルアミノ基であり、好ましくは、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、3,5,5−トリメチルヘキシルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基などの炭素数1〜10のモノアルキルアミノ基や、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、ブチルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ジ(アセチルオキシエチル)アミノ基、ジ(プロピオニルオキシエチル)アミノ基などの炭素数2〜10のジアルキルアミノ基が挙げられる。
【0062】式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8で示される置換または無置換のアラルキルアミノ基の例としては、前記に挙げたアルキル基と同様な置換基を有するアラルキルアミノ基であり、好ましくは、ベンジルアミノ基、フェネチルアミノ基、3−フェニルプロピルアミノ基、4−エチルベンジルアミノ基、4−イソプロピルベンジルアミノ基などの炭素数7〜10のモノアラルキルアミノ基や、ジベンジルアミノ基、ジフェネチルアミノ基、ビス(4−エチルベンジル)アミノ基、ビス(4−イソプロピルベンジル)アミノ基などの炭素数14〜20のジアラルキルアミノ基が挙げられる。
【0063】式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8で示される置換または無置換のアリールアミノ基の例としては、前記に挙げたアルキル基と同様な置換基を有するアリールアミノ基であり、好ましくは、アニリノ基、ナフチルアミノ基、トルイジノ基、キシリジノ基、エチルフェニルアミノ基、イソプロピルフェニルアミノ基、メトキシフェニルアミノ基、エトキシエチルアミノ基、クロロアニリノ基、アセチルアニリノ基、メトキシカルボニルアニリノ基、エトキシカルボニルアニリノ基、プロポキシカルボニルアニリノ基など、炭素数6〜10のモノアリールアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、N−フェニル−N−トリルアミノ基などの炭素数12〜14のジアリールアミノ基が挙げられる。
【0064】式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8で示される置換または無置換のアルケニルアミノ基の例としては、前記に挙げたアルキル基と同様な置換基を有するアルケニルアミノ基であり、好ましくは、アリルアミノ基、ブテニルアミノ基、ペンテニルアミノ基、ヘキセニルアミノ基、シクロヘキセニルアミノ基、オクタジエニルアミノ基、アダマンテニルアミノ基などの炭素数3〜10のモノアルケニルアミノ基、ジアリルアミノ基、ジブテニルアミノ基、ジペンテニルアミノ基、ジヘキセニルアミノ基などの炭素数6〜12のジアルケニルアミノ基が挙げられる。
【0065】式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8で示される置換または無置換のアシル基の例としては、前記に挙げたアルキル基と同様な置換基を有するアシル基であり、好ましくは、ホルミル基、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、iso−プロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、iso−ブチルカルボニル基、sec−ブチルカルボニル基、t−ブチルカルボニル基、n−ペンチルカルボニル基、iso−ペンチルカルボニル基、ネオペンチルカルボニル基、2−メチルブチルカルボニル基、フェナシル基、メチルフェナシル基、エチルフェナシル基、トリルカルボニル基、プロピルフェナシル基、4−t−ブチルフェナシル基、ニトロベンジルカルボニル基、3−ブトキシ−2−ナフトイル基、シンナモイル基などの炭素数1〜15のアシル基が挙げられる。
【0066】式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8で示される置換または無置換のアルコキシカルボニル基の例としては、前記に挙げたアルキル基と同様な置換基を有するアルコキシカルボニル基であり、好ましくはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、iso−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、iso−ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−ペントキシカルボニル基、iso−ペントキシカルボニル基、ネオペントキシカルボニル基、2−ペントキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基などの炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基が挙げられる。
【0067】式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8で示される置換または無置換のアラルキルオキシカルボニル基の例としては、前記に挙げたアルキル基と同様な置換基を有するアラルキルオキシカルボニル基であり、好ましくは、ベンジルオキシカルボニル基、ニトロベンジルオキシカルボニル基、シアノベンジルオキシカルボニル基、ヒドロキシベンジルオキシカルボニル基、メチルベンジルオキシカルボニル基、トリフルオロメチルベンジルオキシカルボニル基、ナフチルメトキシカルボニル基、ニトロナフチルメトキシカルボニル基、シアノナフチルメトキシカルボニル基、ヒドロキシナフチルメトキシカルボニル基、メチルナフチルメトキシカルボニル基、トリフルオロメチルナフチルメトキシカルボニル基、フルオレン−9−イルエトキシカルボニル基などの炭素数8〜15のアラルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。
【0068】式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8で示される置換または無置換のアリールオキシカルボニル基の例としては、前記に挙げたアリール基と同様な置換基を有するアリールオキシカルボニル基であり、好ましくは、フェノキシカルボニル基、2−メチルフェノキシカルボニル基、4−メチルフェノキシカルボニル基、4−t−ブチルフェノキシカルボニル基、2−メトキシフェノキシカルボニル基、4−iso−プロピルフェノキシカルボニル基、ナフトキシカルボニル基などの炭素数7〜11のアリールオキシカルボニル基が挙げられる。
【0069】式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8で示される置換または無置換のアルケニルオキシカルボニル基の例としては、前記に挙げたアルキル基と同様な置換基を有するアルケニルオキシカルボニル基であり、好ましくは、ビニルオキシカルボニル基、プロペニルオキシカルボニル基、1−ブテニルオキシカルボニル基、iso−ブテニルオキシカルボニル基、1−ペンテニルオキシカルボニル基、2−ペンテニルオキシカルボニル基、2−メチル−1−ブテニルオキシカルボニル基、3−メチル−1−ブテニルオキシカルボニル基、2−メチル−2−ブテニルオキシカルボニル基、2,2−ジシアノビニルオキシカルボニル基、2−シアノ−2−メチルカルボキシルビニルオキシカルボニル基、2−シアノ−2−メチルスルホンビニルオキシカルボニル基、スチリルオキシカルボニル基、4−フェニル−2ブテニルオキシカルボニル基などの炭素数3〜11のアルケニルオキシカルボニル基が挙げられる。
【0070】式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8で示される置換または無置換のアルキルアミノカルボニル基の例としては、前記に挙げたアルキル基と同様な置換基を有するアルキルアミノカルボニル基であり、好ましくはメチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ブチルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、ヘキシルアミノカルボニル基、ヘプチルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、ノニルアミノカルボニル基、3,5,5−トリメチルヘキシルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基等の炭素数2〜10のモノアルキルアミノカルボニル基;ジメチルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル基、ジプロピルアミノカルボニル基、ジブチルアミノカルボニル基、ジペンチルアミノカルボニル基、ジヘキシルアミノカルボニル基、ジヘプチルアミノカルボニル基、ジオクチルアミノカルボニル基、ピペリジノカルボニル基、モルホリノカルボニル基、4−メチルピペラジノカルボニル基、4−エチルピペラジノカルボニル基等の炭素数3〜20のジアルキルアミノカルボニル基が挙げられる。
【0071】式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8で示される置換または無置換の複素環基の例としては、前記に挙げたアルキル基と同様な置換基を有する複素環基であり、好ましくは、フラニル基、ピロリル基、3−ピロリノ基、ピロリジノ基、1,3−オキソラニル基、ピラゾリル基、2−ピラゾリニル基、ピラゾリジニル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、1,2,3−オキサジアゾリル基、1,2,3−トリアゾリル基、1,2,4−トリアゾリル基、1,3,4−チアジアゾリル基、4H−ピラニル基、ピリジニル基、ピペリジニル基、ジオキサニル基、モルホリニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピペラジニル基、トリアジニル基、ベンゾフラニル基、インドーリル基、チオナフセニル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾチアゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、クマリニル基、シンノリニル基、キノキサリニル基、ジベンゾフラニル基、カルバゾリル基、フェナントロニリル基、フェノチアジニル基、フラボニル基などの無置換複素環基;
【0072】ハロゲン原子、シアノ基;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、メトキシメチル基、エトキシエチル基、エトキシエチル基、トリフルオロメチル基等のアルキル基;ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基、キシリル基、メシル基、クロロフェニル基、メトキシフェニル基等のアリール基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、2−エチルヘキシル基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ基等のアルコキシ基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基などのアラルキル基;フェノキシ基、トリルオキシ基、ナフトキシ基、キシリルオキシ基、メシルオキシ基、クロロフェノキシ基、メトキシフェノキシ基等のアリールオキシ基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ブタジエニル基、ペンテニル基、オクテニル基等のアルケニル基;ビニルオキシ基、アリルオキシ基、ブテニルオキシ基、ブタジエニルオキシ基、ペンテニルオキシ基、オクテニルオキシ基等のアルケニルオキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、デシルチオ基、メトキシメチルチオ基、エトキシエチルチオ基、エトキシエチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基等のアルキルチオ基;ベンジルチオ基、フェネチルチオ基などのアラルキルチオ基;フェニルチオ基、トリルチオ基、ナフチルチオ基、キシリルチオ基、メシルチオ基、クロロフェニルチオ基、メトキシフェニルチオ基等のアリールチオ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基等のアシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基等のアラルキルオキシカルボニル基;フェノキシカルボニル基、トリルオキシカルボニル基、ナフトキシカルボニル基、キシリルオキシカルボニル基、メシルオキシカルボニル基、クロロフェノキシカルボニル基、メトキシフェノキシカルボニル基等のアリールオキシカルボニル基;ビニルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ブテニルオキシカルボニル基、ブタジエニルオキシカルボニル基、ペンテニルオキシカルボニル基、オクテニルオキシカルボニル基等のアルケニルオキシカルボニル基;メチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ブチルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、ヘキシルアミノカルボニル基、ヘプチルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、ノニルアミノカルボニル基、3,5,5−トリメチルヘキシルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基等の炭素数2〜10のモノアルキルアミノカルボニル基や、ジメチルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル基、ジプロピルアミノカルボニル基、ジブチルアミノカルボニル基、ジペンチルアミノカルボニル基、ジヘキシルアミノカルボニル基、ジヘプチルアミノカルボニル基、ジオクチルアミノカルボニル基、ピペリジノカルボニル基、モルホリノカルボニル基、4−メチルピペラジノカルボニル基、4−エチルピペラジノカルボニル基等の炭素数3〜19のジアルキルアミノカルボニル基等のアルキルアミノカルボニル基;フラニル基、ピロリル基、3−ピロリノ基、ピロリジノ基、1,3−オキソラニル基、ピラゾリル基、2−ピラゾリニル基、ピラゾリジニル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、1,2,3−オキサジアゾリル基、1,2,3−トリアゾリル基、1,2,4−トリアゾリル基、1,3,4−チアジアゾリル基、4H−ピラニル基、ピリジニル基、ピペリジニル基、ジオキサニル基、モルホリニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピペラジニル基、トリアジニル基、ベンゾフラニル基、インドーリル基、チオナフセニル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾチアゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、クマリニル基、シンノリニル基、キノキサリニル基、ジベンゾフラニル基、カルバゾリル基、フェナントロニリル基、フェノチアジニル基、フラボニル基等の複素環基;などの置換基により置換した複素環基が挙げられる。
【0073】式(1)中、環Aおよび環Bはそれぞれ独立して、オキサゾール環またはチアゾール環であり、具体的には、式(2)
【0074】
【化3】


【0075】または、式(3)
【0076】
【化4】


〔式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、Z1、Z2、Z3、Z4は、式(1)中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、Z1、Z2、Z3、Z4と同一の意を表し、X1、X2はそれぞれ独立して、酸素原子または硫黄原子を表す。〕で示される化合物である。
【0077】式(1)中、Z1、Z2、Z3、Z4で示される置換または無置換のアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アリール基としては、式(1)中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8で示されるアルキル基と同一のアルキル基;式(1)中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8で示されるアラルキル基と同一のアラルキル基;式(1)中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8で示されるアルケニル基と同一のアルケニル基;式(1)中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8で示されるアリール基と同一のアリール基;が挙げられる。
【0078】また、Z1とZ2、Z3とZ4は互いに連結して下記のような環を形成しても良い。
【0079】
【化5】


【0080】具体例としては、下記に示す炭素数4〜13の環が挙げられる。
【0081】
【化6】


【0082】また、式(1)中の構造に示されるアニリノ残基と、環Aまたは環Bとを両端に結合する−CH=CH−基は、trans形またはcis形のいずれの幾何異性を有していてもよい。
【0083】本発明の一般式(1)で示されるベンゾビスオキサ/チアゾール化合物の合成法としては、例えば、式(4)および/または式(5)
【0084】
【化7】


【0085】〔式中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、Z1、Z2、Z3、Z4は、式(1)中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、Z1、Z2、Z3、Z4と同一の意を表す。〕で示されるカルボン酸を1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン、あるいは1−メチル−2−ピロリドンなどのアミド系溶媒中で、塩化チオニルなどを作用させて酸塩化物を形成した後に、2,5−ジアミノヒドロキノンおよび/またはその塩酸塩や硫酸塩、2,5−ジアミノフェニレン−1,4−ジチオールおよび/またはその塩酸塩や硫酸塩、あるいは2,5−ジアミノフェニレン−4−ヒドロキシ−1−チオフェノールおよび/またはその塩酸塩や硫酸塩と反応することで、式(2)の化合物を容易に得ることができ、また、式(4)および/または式(5)のカルボン酸を1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン、あるいは1−メチル−2−ピロリドンなどのアミド系溶媒中で、塩化チオニルなどを作用させて酸塩化物を形成した後に、4,6−ジアミノレゾルシノールおよび/またはその塩酸塩や硫酸塩、4,6−ジアミノフェニレン−1,3−ジチオールおよび/またはその塩酸塩や硫酸塩、あるいは4,6−ジアミノフェニレン−3−ヒドロキシ−1−チオフェノールおよび/またはその塩酸塩や硫酸塩と反応することで、式(3)の化合物を容易に得ることができる。
【0086】また、式(4)で示されるカルボン酸を1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン、あるいは1−メチル−2−ピロリドンなどのアミド系溶媒中で、塩化チオニルなどを作用させて酸塩化物を形成した後に、2,5−ジアミノヒドロキノンおよび/またはその塩酸塩や硫酸塩、2,5−ジアミノフェニレン−1,4−ジチオールおよび/またはその塩酸塩や硫酸塩、あるいは2,5−ジアミノフェニレン−4−ヒドロキシ−1−チオフェノールおよび/またはその塩酸塩や硫酸塩と反応して式(6)
【0087】
【化8】


〔式中のR1、R2、R3、R4、Z1、Z2は、式(1)中のR1、R2、R3、R4、Z1、Z2と同一の意を示し、X1、X2は式(2)のX1、X2と同一の意を示す。〕で示されるアミノフェノールまたはアミノチオフェノールを生成するか、あるいは、4,6−ジアミノレゾルシノールおよび/またはその塩酸塩や硫酸塩、4,6−ジアミノフェニレン−1,3−ジチオールおよび/またはその塩酸塩や硫酸塩、あるいは4,6−ジアミノフェニレン−3−ヒドロキシ−1−チオフェノールおよび/またはその塩酸塩や硫酸塩と反応することで、式(7)
【0088】
【化9】


〔式中のR1、R2、R3、R4、Z1、Z2、Z3、Z4は、式(1)中のR1、R2、R3、R4、Z1、Z2、Z3、Z4と同一の意を示し、X1、X2は式(3)のX1、X2と同一の意を示す。〕で示されるアミノフェノールまたはアミノチオフェノールを生成した後に、式(5)で示されるカルボン酸を1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン、あるいは1−メチル−2−ピロリドンなどのアミド系溶媒中で塩化チオニルなどを作用させて得られた酸塩化物を反応させて、式(1)の化合物を得ることもできる。
【0089】ここで、式(3)の化合物について、式(8)および/または式(9)
【0090】
【化10】


〔式中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、Z1、Z2、Z3、Z4は、式(1)中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、Z1、Z2、Z3、Z4と同一の意を表す。〕で示されるアルデヒドをピペリジンなどの塩基化合物を触媒量用いて、エタノール、プロパノールなどのアルコール溶媒中で、式(10)
【0091】
【化11】


〔式中、X1、X2は、式(3)のX1、X2と同一の意を表す。〕で示される、キノン化合物と反応させることで容易に得ることができる。
【0092】一般式(1)で示されるベンゾビスオキサ/チアゾール化合物の具体例については、表1に記載する化合物(1−1)〜(1−132)のものが挙げられる。
【0093】
【表1】


【0094】
【表2】


【0095】
【表3】


【0096】
【表4】


【0097】
【表5】


【0098】
【表6】


【0099】
【表7】


【0100】
【表8】


【0101】
【表9】


【0102】
【表10】


【0103】
【表11】


【0104】
【表12】


【0105】
【表13】


【0106】
【表14】


【0107】
【表15】


【0108】
【表16】


【0109】
【表17】


【0110】
【表18】


【0111】
【表19】


【0112】
【表20】


【0113】
【表21】


【0114】
【表22】


【0115】
【表23】


【0116】
【表24】


【0117】
【表25】


【0118】
【表26】


【0119】
【表27】


【0120】
【表28】


【0121】
【表29】


【0122】また、記録特性などの改善のために、波長350nm〜550nmに吸収極大を持ち、400nm〜500nmでの屈折率が大きい前記以外の化合物と混合しても良い。具体的には、シアニン化合物、スクアリリウム系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、テトラピラポルフィラジン系化合物、インドフェノール系化合物、ピリリウム系化合物、チオピリリウム系化合物、アズレニウム系化合物、トリフェニルメタン系化合物、キサンテン系化合物、インダスレン系化合物、インジゴ系化合物、チオインジゴ系化合物、メロシアニン系化合物、チアジン系化合物、アクリジン系化合物、オキサジン系化合物、ジピロメテン系化合物などがあり、複数の化合物の混合であっても良い。これらの化合物の混合割合は、0.1〜30%程度である。
【0123】記録層を成膜する際に、必要に応じて前記の化合物に、クエンチャー、化合物熱分解促進剤、紫外線吸収剤、接着剤などを混合するか、あるいは、そのような効果を有する化合物を前期化合物の置換基として導入することも可能である。
【0124】クエンチャーの具体例としては、アセチルアセトナート系、ビスジチオ−α−ジケトン系やビスフェニルジチオール系などのビスジチオール系、チオカテコナール系、サリチルアルデヒドオキシム系、チオビスフェノレート系などの金属錯体が好ましい。また、アミン系も好適である。
【0125】化合物熱分解促進剤としては、熱減量分析(TG分析)などにより、化合物の熱分解の促進が確認できるのもであれば特に限定されず、例えば、金属系アンチノッキング剤、メタロセン化合物、アセチルアセトナト系金属錯体などの金属化合物が挙げられる。金属系アンチノッキング剤の例としては、四エチル鉛、その他の鉛系化合物、シマントレン[Mn(C55)(CO)3]などのMn系化合物、また、メタロセン化合物の例としては、鉄ビスシクロペンタジエニル錯体(フェロセン)をはじめ、Ti、V、Mn、Cr、Co、Ni、Mo、Ru、Rh、Zr、Lu、Ta、W、Os、Ir、Sc、Yなどのビスシクロペンタジエニル錯体がある。なかでもフェロセン、ルテノセン、オスモセン、ニッケロセン、チタノセンおよびそれらの誘導体は良好な熱分解促進効果がある。
【0126】その他、鉄系金属化合物として、メタロセンの他に、ギ酸鉄、シュウ酸鉄、ラウリル酸鉄、ナフテン酸鉄、ステアリン酸鉄、酢酸鉄などの有機酸鉄化合物、アセチルアセトナート鉄錯体、フェナントロリン鉄錯体、ビスピリジン鉄錯体、エチレンジアミン鉄錯体、エチレンジアミン四酢酸鉄錯体、ジエチレントリアミン鉄錯体、ジエチレングリコールジメチルエーテル鉄錯体、ジホスフィノ鉄錯体、ジメチルグリオキシマート鉄錯体などのキレート鉄錯体、カルボニル鉄錯体、シアノ鉄錯体、アンミン鉄錯体などの鉄錯体、塩化第一鉄、塩化第二鉄、臭化第一鉄、臭化第二鉄などのハロゲン化鉄、あるいは、硝酸鉄、硫酸鉄などの無機鉄塩類、さらには、酸化鉄などが挙げられる。ここで用いる熱分解促進剤は有機溶剤に可溶で、かつ、耐湿熱性及び耐光性の良好なものが望ましい。
【0127】上述した各種のクエンチャー及び化合物熱分解促進剤は、必要に応じて、1種類で用いても、他種類を混合して用いても良い。
【0128】さらに、必要に応じて、バインダー、レベリング剤、消泡剤などの添加物質を加えても良い。好ましいバインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ケトン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、ポリオレフィンなどが挙げられる。
【0129】記録層を基板の上に成膜する際に、基板の耐溶剤性や反射率、記録感度などを向上させるために、基板の上に無機物やポリマーからなる層を設けても良い。
【0130】ここで、記録層における一般式(1)で示される化合物の含有量は、30%以上、好ましくは60%以上である。尚、実質的に100%であることも好ましい。
【0131】記録層を設ける方法は、例えば、スピンコート法、スプレー法、キャスト法、浸漬法などの塗布法、スパッタ法、化学蒸着法、真空蒸着法などが挙げられるが、スピンコート法が簡便で好ましい。
【0132】スピンコート法などの塗布法を用いる場合には、一般式(1)で示される化合物を1〜40重量%、好ましくは3〜30重量%となるように溶媒に溶解あるいは分散させた塗布液を用いるが、この際、溶媒は基板にダメージを与えないものを選ぶことが好ましい。例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、オクタフルオロペンタノール、アリルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラフルオロプロパノールなどのアルコール系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサンなどの脂肪族または脂環式炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶媒、四塩化炭素、クロロホルム、テトラクロロエタン、ジブロモエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、アセトン、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、乳酸メチルなどのエステル系溶媒、水などが挙げられる。これらは単独で用いても良く、あるいは、複数混合しても良い。なお、必要に応じて、記録層の化合物を高分子薄膜などに分散して用いたりすることもできる。
【0133】また、基板にダメージを与えない溶媒を選択できない場合は、スパッタ法、化学蒸着法や真空蒸着法などが有効である。
【0134】記録層の膜厚は、30nm〜1000nmであるが、好ましくは50nm〜300nmである。記録層の膜厚を50nmより薄くすると、熱拡散が大きいため記録できないか、記録信号に歪が発生する上、信号振幅が小さくなる場合がある。また、膜厚が300nmより厚い場合は反射率が低下し、再生信号特性が悪化する場合がある。
【0135】次に記録層の上に、好ましくは50nm〜300nmの厚さの反射層を形成する。反射率を高めるためや密着性をよくするために、記録層と反射層の間に反射増幅層や接着層を設けることができる。反射層の材料としては、再生光の波長で反射率の十分高いもの、例えば、Au、Al、Ag、Cu、Ti、Cr、Ni、Pt、Ta、CrおよびPdの金属を単独あるいは合金にして用いることが可能である。この中でもAu、Al、Agは反射率が高く反射層の材料として適している。これ以外でも下記のものを含んでいても良い。例えば、Mg、Se、Hf、V、Nb、Ru、W、Mn、Re、Fe、Co、Rh、Ir、Zn、Cd、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Biなどの金属および半金属を挙げることができる。また、Auを主成分とするものは反射率の高い反射層が容易に得られるため好適である。ここで主成分というのは含有率が50%以上のものをいう。金属以外の材料で低屈折率薄膜と高屈折率薄膜を交互に積み重ねて多層膜を形成し、反射層として用いることも可能である。
【0136】反射層を形成する方法としては、例えば、スパッタ法、イオンプレーティング法、化学蒸着法、真空蒸着法などが挙げられる。また、基板の上や反射層の下に反射率の向上、記録特性の改善、密着性の向上などのために公知の無機系または有機系の中間層、接着層を設けることもできる。
【0137】さらに、反射層の上に形成する保護層の材料としては反射層を外力から保護するものであれば特に限定しない。有機物質としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂などを挙げることができる。また、無機物質としては、SiO2、SiO、Si34、MgF2、AlN、SnO2などが挙げられる。熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などは適当な溶媒に溶解して塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。紫外線硬化性樹脂はそのままもしくは適当な溶媒に溶解して塗布液を調製した後にこの塗布液を塗布し、紫外線を照射して硬化させることによって形成することができる。紫外線硬化性樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレートなどのアクリレート樹脂を用いることができる。これらの材料は単独であるいは混合して用いても良く、1層だけでなく多層膜にして用いても良い。
【0138】保護層の形成の方法としては、記録層と同様にスピンコート法やキャスト法などの塗布法やスパッタ法や化学蒸着法などの方法が用いられるが、この中でもスピンコート法が好ましい。
【0139】保護層の膜厚は、一般には0.1μm〜100μmの範囲であるが、本発明においては、3μm〜30μmであり、より好ましくは、5μm〜20μmである。
【0140】保護層の上にさらにレーベルなどの印刷を行うこともできる。
【0141】また、反射層面に保護シートまたは基板を貼り合わせる、あるいは反射層面相互を内側とし対向させ、光記録媒体2枚を貼り合わせるなどの手段を用いても良い。
【0142】基板鏡面側に、表面保護やごみ等の付着防止のために紫外線硬化性樹脂、無機系薄膜等を成膜しても良い。
【0143】ここで、本発明で言う波長400nm〜500nmのレーザーは、特に制限はないが、例えば、可視光領域の広範囲で波長選択のできる色素レーザーや波長445nmのヘリウムカドミウムレーザー、波長488nmのアルゴンレーザー、波長約410nmのGaN系半導体レーザー、波長約850〜860nmの赤外線レーザーの第2高調波である425〜430nmを発振する半導体レーザーなどが挙げられる。本発明では、これらから選択される1波長または複数波長において高密度記録および再生が可能となる。
【0144】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれによりなんら限定されるものではない。
【0145】実施例1一般式(1)で表される化合物のうち、ベンゾビスオキサゾール化合物(1−1)0.2gをジアセトンアルコール10mlに溶解し、化合物溶液を調製した。
【0146】ポリカーボネート樹脂製で連続した案内溝(トラックピッチ:0.7μm)を有する外径120mm、厚さ0.6mmの円盤状の基板上に、この化合物溶液を回転数2000rpmでスピンコートし、70℃で3時間乾燥して記録層を形成した。
【0147】この記録層の上に島津製作所製スパッタ装置を用いてAuをスパッタし、厚さ100nmの反射層を形成した。スパッタガスには、アルゴンガスを用いた。スパッタ条件は、スパッタパワー0.5A、スパッタガス圧1.0×10-3torrで行った。
【0148】さらに、反射層の上に、紫外線硬化樹脂SD−301(大日本インキ化学工業製)をスピンコートした後、前記基板と同様な案内溝のない基板をのせ、紫外線照射して基板を貼り合わせ、光記録媒体を作製した。
【0149】以上のようにして記録層が形成された光記録媒体について、以下のようにピットの書き込みを行った。
【0150】430nmの青色高調波変換レーザーヘッド(NA=0.65)を搭載したパルステック工業製光ディスク評価装置(DDU−1000)及びKENWOOD製EFMエンコーダーを用いて、最短ピットが0.4μmのEFM変調信号を、線速度5.6m/s、レーザーパワー10mWで記録した。記録後、同評価装置を用いてレーザー出力を0.5mWにして信号を再生した。なお、再生の際はイコライゼーション処理を施した。
【0151】反射率、エラーレート及びジッターを測定した結果、反射率50%、エラーレート7cps、ジッター9.0%であり、良好な値を示した。
【0152】また、この記録した媒体について、加速劣化試験(湿度85%RH、80℃で100時間)を行い、試験後の反射率、エラーレート及びジッターを測定した結果、初期値よりの反射率変化2%、エラーレート変化2cps、ジッター変化0.5%と変化は小さく、優れた耐久性を有することが確認された。
【0153】実施例2〜9記録層にベンゾビスオキサゾール化合物(1−2)〜(1−9)を用いること以外は実施例1と同様にして光記録媒体を作製し、ピットを書き込んで記録した後、信号再生を行った。いずれの場合も、反射率40%以上、エラーレート11cps以下、ジッター10%以下と良好な値を示した。
【0154】また、加速劣化試験後の反射率の変化は2%以下、エラーレートの変化は2cps以下、ジッターの変化は1%以下と小さく、優れた耐久性を有することが確認された。
【0155】実施例10実施例(1)で用いた化合物(1−1)0.2gの代わりに、化合物(1−28)0.1gおよび化合物(1−33)0.1gを用いた以外は実施例1と同様にして光記録媒体を作製し、ピットを書き込んで記録した後、信号再生を行った。その結果、反射率47%、エラーレート9cps、ジッター9.5%と良好な値を示した。
【0156】また、加速劣化試験後の反射率の変化は2%、エラーレートの変化は2cps、ジッターの変化は0.7%と小さく、優れた耐久性を有することが確認された。
【0157】表2に実施例1〜10における加速劣化試験前後の反射率、エラーレート及びジッター値を示した。
【0158】
【表30】


【0159】実施例11実施例(1)で用いた化合物(1−1)0.2gの代わりに、化合物(1−10)0.1g、化合物(1−24)0.05gおよび化合物(1−39)0.05gを用いた以外は実施例1と同様にして光記録媒体を作製し、ピットを書き込んで記録した後、信号再生を行った。その結果、反射率47%、エラーレート9cps、ジッター9.5%と良好な値を示した。
【0160】また、加速劣化試験後の反射率の変化は2%、エラーレートの変化は1cps、ジッターの変化は0.6%と小さく、優れた耐久性を有することが確認された。
【0161】実施例12実施例(1)で用いた化合物(1−1)0.2gの代わりに、化合物(1−3)0.1gおよび(1−8)0.1gを用いること以外は実施例1と同様にして光記録媒体を作製し、ピットを書き込んで記録した後、信号再生を行った。その結果、反射率45%、エラーレート10cps、ジッター9.7%と良好な値を示した。
【0162】また、加速劣化試験後の反射率の変化は2%、エラーレートの変化は2cps、ジッターの変化は0.8%と小さく、優れた耐久性を有することが確認された。
【0163】実施例13〜48記録層にベンゾビスオキサゾール化合物(1−10)〜(1−45)を用いること以外は実施例1と同様にして光記録媒体を作製し、ピットを書き込んで記録した後、信号再生を行った。その結果、反射率40%以上、エラーレート11cps以下、ジッター10%以下と良好な値を示した。
【0164】また実施例1と同様に加速劣化試験を行った結果、初期値よりの反射率変化2%以下、エラーレート変化2cps以下、ジッター変化1%以下と小さく、優れた耐久性を有することが確認された。
【0165】実施例49〜56記録層にベンゾビスチアゾール化合物(1−46)〜(1−53)を用いること以外は実施例1と同様にして光記録媒体を作製し、ピットを書き込んで記録した後、信号再生を行った。いずれの場合も、反射率40%以上、エラーレート11cps以下、ジッター10%以下と良好な値を示した。
【0166】また、加速劣化試験後の反射率の変化は2%以下、エラーレートの変化は2cps以下、ジッターの変化は1%以下と小さく、優れた耐久性を有することが確認された。
【0167】実施例57実施例(1)で用いた化合物(1−1)0.2gの代わりに、化合物(1−28)0.1gおよび化合物(1−46)0.1gを用いた以外は実施例1と同様にして光記録媒体を作製し、ピットを書き込んで記録した後、信号再生を行った。その結果、反射率47%、エラーレート8cps、ジッター9.4%と良好な値を示した。
【0168】また、加速劣化試験後の反射率の変化は1%、エラーレートの変化は2cps、ジッターの変化は0.4%と小さく、優れた耐久性を有することが確認された。
【0169】実施例58実施例(1)で用いた化合物(1−1)0.2gの代わりに、化合物(1−79)0.1gおよび化合物(1−88)0.1gを用いた以外は実施例1と同様にして光記録媒体を作製し、ピットを書き込んで記録した後、信号再生を行った。その結果、反射率47%、エラーレート9cps、ジッター9.4%と良好な値を示した。
【0170】また、加速劣化試験後の反射率の変化は2%、エラーレートの変化は2cps、ジッターの変化は0.7%と小さく、優れた耐久性を有することが確認された。
【0171】表3に実施例49〜58における加速劣化試験前後の反射率、エラーレート及びジッター値を示した。
【0172】
【表31】


【0173】実施例59〜96記録層にベンゾビスチアゾール化合物(1−54)〜(1−91)を用いること以外は実施例1と同様にして光記録媒体を作製し、ピットを書き込んで記録した後、信号再生を行った。いずれの場合も、反射率40%以上、エラーレート11cps以下、ジッター10%以下と良好な値を示した。
【0174】また、加速劣化試験後の反射率の変化は2%以下、エラーレートの変化は2cps以下、ジッターの変化は1%以下と小さく、優れた耐久性を有することが確認された。
【0175】実施例97〜127記録層にベンゾオキサチアゾール化合物(1−92)〜(1−122)を用いること以外は実施例1と同様にして光記録媒体を作製し、ピットを書き込んで記録した後、信号再生を行った。いずれの場合も、反射率40%以上、エラーレート11cps以下、ジッター10%以下と良好な値を示した。
【0176】また、加速劣化試験後の反射率の変化は2%以下、エラーレートの変化は2cps以下、ジッターの変化は1%以下と小さく、優れた耐久性を有することが確認された。
【0177】実施例128実施例(1)で用いた化合物(1−1)0.2gの代わりに、化合物(1−123)0.2gを用いること以外は実施例1と同様にして光記録媒体を作製し、ピットを書き込んで記録した後、信号再生を行った。その結果、反射率45%、エラーレート10cps、ジッター9.7%と良好な値を示した。
【0178】また、加速劣化試験後の反射率の変化は2%、エラーレートの変化は1cps、ジッターの変化は0.6%と小さく、優れた耐久性を有することが確認された。
【0179】実施例129〜137記録層にベンゾオキサチアゾール化合物(1−124)〜(1−132)を用いること以外は実施例1と同様にして光記録媒体を作製し、ピットを書き込んで記録した後、信号再生を行った。いずれの場合も、反射率40%以上、エラーレート11cps以下、ジッター10%以下と良好な値を示した。
【0180】また、加速劣化試験後の反射率の変化は2%以下、エラーレートの変化は2cps以下、ジッターの変化は1%以下と小さく、優れた耐久性を有することが確認された。
【0181】表4に実施例128〜137における加速劣化試験前後の反射率、エラーレート及びジッター値を示した。
【0182】
【表32】


【0183】実施例1〜137に記載されるように、本発明の光記録媒体は、いずれも高反射率を有し、記録特性および耐久性に優れている。
【0184】このことから、本発明で規定する構造のベンゾビスオキサ/チアゾール化合物を含有する記録層は、青色レーザーによる信号記録が可能であり、本発明の光記録媒体は青色レーザーを記録再生に用いる光記録媒体に用いることができる。
【0185】比較例1化合物(1−1)の代わりに、式(a)
【0186】
【化12】


を用いた以外は、実施例1と同様にして、光記録媒体を作製し、ピットの書き込みを行い、続いて加速劣化試験を行った。その結果、記録層が褪色して再生不能となり、この媒体は保存安定性に欠くことが判明した。
【0187】比較例2化合物(1−1)の代わりに、式(b)
【0188】
【化13】


を用いた以外は、実施例1と同様にして、光記録媒体を作製した。この媒体の記録層には、結晶析出が認められ、ピットの書き込みができず、記録不能であり、再生も不能であった。
【0189】
【発明の効果】本発明によれば、一般式(1)で示される化合物を記録層として用いることにより、高密度光記録媒体として非常に注目されている波長400nm〜500nmのレーザーで記録および再生が可能な追記型光記録媒体を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光記録媒体の層構成の一例を示す断面構造図である。
【図2】本発明に係る光記録媒体の層構成の一例を示す断面構造図である。
【符号の説明】
1:基板
2:記録層
3:反射層
4:保護層
5:接着層

【特許請求の範囲】
【請求項1】 基板上に少なくとも記録層および反射層を有する光記録媒体において、記録層中に一般式(1)で示されるベンゾビスオキサ/チアゾール化合物を含有する光記録媒体。
【化1】


〔式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換または無置換のアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルケニル基、アルケニルオキシ基、アルキルチオ基、アラルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アラルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルケニルアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルケニルオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、複素環基を表し、環A、環Bはそれぞれ独立にオキサゾール環、またはチアゾール環を表し、Z1、Z2、Z3、Z4はそれぞれ独立に置換または無置換のアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アリール基を表す。あるいは、Z1とZ2、Z3とZ4は互いに連結して環を形成しても良い。〕
【請求項2】 波長400nm〜500nmの範囲から選択されるレーザー光に対して記録および再生が可能である請求項1の光記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2000−158818(P2000−158818A)
【公開日】平成12年6月13日(2000.6.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−341725
【出願日】平成10年12月1日(1998.12.1)
【出願人】(000005887)三井化学株式会社 (2,318)
【出願人】(000179904)山本化成株式会社 (70)
【Fターム(参考)】