説明

光走査装置および画像形成装置

【課題】熱による光線の位置ズレ等の影響を低コストで抑制する光走査装置を提供する。
【解決手段】射出手段(光源100)から射出された光線を平行光線にするコリメータレンズと、主走査方向についての光線の光路を揃える合成ミラー102と、複数の光線を偏向反射して被走査面を走査するポリゴンミラー103と、ポリゴンミラーで偏向された光線の収差を補正するfθレンズ104とが設けられると共に、コリメータレンズと合成ミラーとの間および合成ミラーとポリゴンミラーとの間に、光線の光束を補正する補正用レンズ(L1、L2)がそれぞれ設けられ、合成ミラーから予め設計された位置において光線を一旦結像させて、予め設計された位置と像面位置とに光学的共役関係が成立するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光走査装置および画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、光走査装置は、例えば筐体部としてのハウジングと、レーザ光を出射させる発光素子を備えた光源と、この光源より出射されたレーザ光を略平行にするコリメータレンズと、略平行となったレーザ光を副走査方向において集光させるシリンダレンズと、集光したレーザ光を走査方向に偏向反射させるポリゴンミラーを備えた光偏向器と、走査光学系としてのレンズ、反射ミラー等から構成されている。
【0003】
そして、光源から出射されたレーザ光は、光偏向器のポリゴンミラーにより偏向反射され、レンズによって集光されて、プリンタ等の画像形成装置の感光体の表面に静電潜像の形成を行う。
【0004】
ところで、光偏向器のポリゴンミラーを回転駆動させるとモータ等から熱が発生し、この熱によって光偏向器の取付位置が変化するという現象を生じる。
【0005】
光偏向器は、光源から出射されたレーザ光をポリゴンミラーによって偏向反射しているので、光偏向器が発生した熱によりポリゴン近傍の反射ミラーが変化すると、感光体上でレーザ光の位置のズレが発生する。そのため画像の品質に影響を与えてしまう。
【0006】
このような熱による位置ズレ等を抑制する技術は種々提案されている。
【0007】
例えば、特開2004−287022号公報には、被走査面上で形成される複数の光線の各々のビームスポットの副走査方向の間隔を設定する設定手段と、それら複数の光線のいずれかの被走査面上のビームスポット位置を変更させる少なくとも1つの光路偏向手段と、少なくとも1つの光路偏向手段を複数の光線の少なくとも1つの光路上で着脱させる移動手段と、設定手段により設定されたビームスポット間隔に基づいて、少なくとも1つの光路偏向手段を少なくとも1つの光路上で移動手段により着脱させる制御手段とを備える光走査装置が開示されている。
【0008】
また、特許第3375196号公報には、複数の光源からの光にある特性を与える有限焦点レンズおよびシリンダレンズ、このレンズを通過された各光を1まとめにするミラーブロック、ひとまとめにされた光を偏向する偏向装置、偏向された光の結像位置での収差特性を整える第1ないし第3の結像レンズ、それぞれの結像レンズを通過された光をある位置で出射させる1枚または3枚のミラーなどにより構成され、各光源からは、レジストセンサにより検知されたずれの量に応じて補正されたタイミングにより画像データに対応した光が各感光体に照射されるようにした光走査装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−96506号公報
【特許文献2】特許第3375196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、熱による光線の位置ズレ等の影響を低コストで抑制することのできる光走査装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するため、請求項1の発明に係る光走査装置は、光線を射出する射出手段と、前記光線を被走査面上に結像させる光学系とを備え、前記光学系は、前記射出手段から前記被走査面に至る光路上に、前記射出手段から射出された光線を平行光線にするコリメータレンズ、主走査方向についての前記光線を合成してその光路を揃える合成ミラー、前記光線を偏向反射して前記被走査面を走査するポリゴンミラーおよび前記ポリゴンミラーで偏向された光線の収差を補正するfθレンズが順次設けられると共に、前記コリメータレンズと前記合成ミラーとの間および前記合成ミラーと前記ポリゴンミラーとの間に、前記光線の光束を補正する補正用レンズがそれぞれ設けられ、前記合成ミラーから予め設計された位置において前記光線を一旦結像させて、当該位置と像面位置とに光学的共役関係が成立するようにしたことを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明に係る光走査装置は、請求項1に記載の発明について、前記各補正用レンズは、前記主走査方向にのみ屈折力を有するシリンダレンズで構成されることを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明に係る画像形成装置は、請求項1または請求項2の何れかに記載の光走査装置と、前記被走査面を備え、前記光走査装置により当該被走査面が走査されて形成される静電潜像を保持する像保持手段と、該像保持手段に保持される前記静電潜像に基づいて画像形成を行う画像形成手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば以下の効果を奏することができる。
【0015】
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、熱による光線の位置ズレ等の影響を低コストで抑制する光走査装置を提供することができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、比較的安価なシリンダレンズを用いて、熱による光線の位置ズレ等の影響をより低コストで抑制する光走査装置を提供することができる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、熱による光線の位置ズレ等の影響を低コストで抑制する画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施の形態に係る光走査装置M1および比較対象としての光走査装置M10の概略構成を示す主走査方向光路図である。
【図2】比較対象としての光走査装置M10の概略構成を示す構成図である。
【図3】比較対象としての光走査装置M10における変位角度と回転時間との関係を示すグラフである。
【図4】比較対象としての光走査装置M10における色間差と回転時間との関係を示すグラフである。
【図5】実施の形態に係る光走査装置M1の概略構成を示す構成図である。
【図6】実施の形態に係る光走査装置M1の全体構成を示す構成図である。
【図7】色間差について比較対象と実施の形態に係る光走査装置M1とを比較する説明図である。
【図8】色間差と回転時間とについて、比較対象と実施の形態に係る光走査装置M1とを比較するグラフである。
【図9】実施の形態に係る光走査装置M1を用いた画像形成装置PR1の構成例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一例としての実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ここで、添付図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。なお、ここでの説明は本発明が実施される最良の形態であることから、本発明は当該形態に限定されるものではない。
【0020】
図1から図8を参照して、本発明についての実施の形態に係る光走査装置M1について説明する。
【0021】
図1は、主走査方向の光路図である。
【0022】
まず、本実施の形態に係る光走査装置M1の構成を説明する前に、比較対象としての光走査装置M10の構成について図1の(b)を参照して述べる。
【0023】
比較対象としての光走査装置M10は、レーザダイオード等の光源100と、この光源100から被走査面に至る光路上に設けられ光源100から射出された光線(レーザ光)を平行光線にするコリメータレンズ101と、主走査方向についての光線の光路を揃える合成ミラー102と、複数の光線を偏向反射して被走査面を走査するポリゴンミラー103と、ポリゴンミラー103で偏向された光線の収差を補正するfθレンズ104とから構成されている。
【0024】
なお、光源がYMCK(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)等の多色に対応して設けられる場合には、それぞれの色に対応した光学系が設けられる。
【0025】
図2では、YMCKの4色に対応する光源100Y、100M、100C、100K、コリメータレンズ101Y、101M、101C、101Kおよび合成ミラー102Y、102M、102C、102Kが設けられた場合の構成例を模式的に示している。なお、符号200は合成ミラー102Y、102M、102C、102Kからの光線をポリゴンミラー103に入射させるための反射ミラーである。また、符号201は副走査方向に光線を結像させるシリンダレンズである。
【0026】
ところで、このような構成の光走査装置M10では、ポリゴンミラー103を回転駆動させる際のモータ等の熱によって合成ミラー102の取付位置が変化(例えば、図2において、矢印A、Bで示すような方向に回転するなどの変化)するという現象を生じる。
【0027】
特に、ポリゴンミラー103に近い側の光学系ほど、ポリゴンミラー103が備えるモータからの発熱の影響を受け易い。即ち、図2に示す例によれば、ポリゴンミラー103から一番離れた合成ミラー102Kよりも、ポリゴンミラー103に一番近い合成ミラー102Yの方が取付位置の変化を生じ易い。
【0028】
なお、ポリゴンミラー103が備えるモータからの熱は、回転時間に応じて上昇する傾向にある。
【0029】
例えば、図3のグラフでは、ポリゴンミラー103が備えるモータの回転時間が増すに従って、合成ミラーの変位角度が大きくなっていく様子が示されるが、合成ミラー102Kの変位角度は−0.005度の近辺で頭打ちになるのに対して、合成ミラー102Yの変位角度は時間の経過と共に上昇していくことが分かる。
【0030】
また、図4のグラフには、画像形成を行った際のY(イエロー)とK(ブラック)との走査位置の色間差とポリゴンミラー103が備えるモータの回転時間との関係が示される。
【0031】
図4のグラフによれば、ポリゴンミラー103が備えるモータの回転時間が増すに従って、Y(イエロー)とK(ブラック)との色間差が大きくなっていることが分かる。
【0032】
即ち、このような色間差により、印刷用紙等の記録媒体に形成される画像において、色ズレを生じ、画像品質が劣化する虞がある。
【0033】
このような熱による位置ズレ等を抑制する技術は前述のように種々提案されている。
【0034】
例えば、前出の特開2004−287022号公報に開示の光走査装置は、被走査面上で形成される複数の光線の各々のビームスポットの副走査方向の間隔を設定する設定手段と、それら複数の光線のいずれかの被走査面上のビームスポット位置を変更させる少なくとも1つの光路偏向手段と、少なくとも1つの光路偏向手段を複数の光線の少なくとも1つの光路上で着脱させる移動手段と、設定手段により設定されたビームスポット間隔に基づいて、少なくとも1つの光路偏向手段を少なくとも1つの光路上で移動手段により着脱させる制御手段とを備えている。
【0035】
しかしながら、この光走査装置では、実装置において比較的高価なプリズムを用いる必要があり、また、光学系の固定具を金属製として精度を高めているため、コストが嵩むという問題があった。
【0036】
また、前出の特許第3375196号公報に開示の光走査装置は、複数の光源からの光に一種の特性を与える有限焦点レンズおよびシリンダレンズ、このレンズを通過された各光を1まとめにするミラーブロック、ひとまとめにされた光を偏向する偏向装置、偏向された光の結像位置での収差特性を整える第1ないし第3の結像レンズ、それぞれの結像レンズを通過された光を一種の位置で出射させる1枚または3枚のミラーなどにより構成され、各光源からは、レジストセンサにより検知されたずれの量に応じて補正されたタイミングにより画像データに対応した光が各感光体に照射されるようにしている。
【0037】
しかしながら、この光走査装置では、実装置において角度付けミラーが必要となるが、加工が難しく、やはりコストが嵩むという問題があった。
【0038】
これに対して、本発明者は、比較的低コストで熱による位置ズレ等を抑制し得る方策を鋭意研究した結果、本発明を完成するに到った。
【0039】
具体的には、本実施の形態に係る光走査装置M1は、図1の(a)に示すように、光線(レーザ光)を射出するレーザダイオード等の光源100(射出手段の一例)と、光線を感光体等の被走査面上に結像させる光学系とを備え、その光学系は、光源100側から順に、光源100から射出された光線を平行光線にするコリメータレンズ101と、主走査方向についての光線の光路を揃える合成ミラー102と、光線を偏向反射して被走査面を走査するポリゴンミラー103と、ポリゴンミラー103で偏向された光線の収差を補正するfθレンズ104とが設けられると共に、前記コリメータレンズ101と合成ミラー102との間および合成ミラー102とポリゴンミラー103との間に、前記光線の光束を補正する補正用レンズ(主走査方向にのみ屈折力を有するタンジェンシャルシリンダレンズL1、L2)がそれぞれ設けられ、合成ミラー102において前記光線を一旦結像させて、合成ミラー102と像面位置とに光学的共役関係(二つの内のどちらか一つの点から発した光が他の一つの点に結像する二つの点を共役点(conjugate point)、または光学的共役関係という)が成立するように構成されている。
【0040】
なお、光源がYMCK(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)等の多色に対応して設けられる場合には、それぞれの色に対応した光学系が設けられる。
【0041】
図5では、YMCKの4色に対応する光源100Y、100M、100C、100K、コリメータレンズ101Y、101M、101C、101K、合成ミラー102Y、102M、102C、102KおよびタンジェンシャルシリンダレンズL1Y、L1M、L1C、L1Kが設けられた場合の構成例を模式的に示している。
【0042】
なお、符号200は合成ミラー102Y、102M、102C、102Kからの光線をポリゴンミラー103に入射させるための反射ミラーである。また、符号201は光線を揃えるシリンダレンズである。
【0043】
図6に、本実施の形態に係る光走査装置M1の全体の構成例を示す。なお、符号300は、被走査面である。
【0044】
タンジェンシャルシリンダレンズL1(L1Y、L1M、L1C、L1K)としては、例えば凸平レンズ(特性:R=30、硝子材料BK7(n=1.51108、厚さt=5)が用いられる。
【0045】
また、タンジェンシャルシリンダレンズL2としては、例えば凸平レンズ(特性:R=81.5、硝子材料BK7(n=1.51108、厚さt=5)が用いられる。
【0046】
また、前述した共役関係については合成ミラー102Y,102M,102C,102Kの光線進行方向に沿った距離の中間位置と像面位置とに光学的共役関係が成立するように構成されている。
【0047】
ここで、図7および図8に、上述のような比較対象と本実施の形態に係る光走査装置M1との効果の比較を示す。
【0048】
図7は、用紙に画像形成した場合の横方向の色間差を比較したものである。なお、図7に示す例は、合成ミラー102Y、102M、102C、102Kの走査面内の0.1度の回転に関する感度の比較とも言える。
【0049】
図7に示すように、本実施の形態に係る光走査装置M1によれば、YMCKの横方向の色間差は、比較対象の約1/8となっており、光線の位置ズレ等の影響が有効に抑制されていることが分かる。
【0050】
また、図8のグラフは、色間差とポリゴンミラー103が備えるモータの回転時間との関係を示すものである。
【0051】
図8に示すように、本実施の形態に係る光走査装置M1によれば、モータの回転時間が35分経過した時点において、色間差は、比較対象の約1/9となっており、光線の位置ズレ等の影響が有効に抑制されていることが分かる。
【0052】
さらに、本実施の形態に係る光走査装置M1に適用される上述のようなタンジェンシャルシリンダレンズL1、L2は、上述のようなプリズムや角度付けミラーに比較して安価に調達され、本実施の形態に係る光走査装置M1によれば、熱による光線の位置ズレ等の影響が比較的低コストで抑制される。
【0053】
次に、図9を参照して、前記実施形態に係る光走査装置M1を用いた画像形成装置PR1の構成例について説明する。
【0054】
図9に示す画像形成装置PR1は、例えば電子写真方式によって各色成分トナー像が形成される複数の画像形成ユニット30(30Y、30M、30C、30K)と、各画像形成ユニット30によって形成された各色成分トナー像を順次転写(一次転写)して表面に保持させる中間転写ベルト40とを備える。
【0055】
さらに中間転写ベルト40上に転写された画像を記録媒体としての用紙P上に二次転写(一括転写)させる二次転写装置42と、二次転写装置42に供給される用紙Pを収容する図示しない用紙収容部と、二次転写装置42により用紙P上に転写された画像を用紙P上に定着させる図示しない定着装置とを備えている。
【0056】
各画像形成ユニット30は、感光体50(50Y、50M、50C、50K)の表面を帯電する帯電器32(32Y、32M、32C、32K)と、各色成分トナーが収容され感光体50上の静電潜像をトナー像として可視像化(トナー現像)する現像器34(34Y、34M、34C、34K)と、感光体50上の残留トナーを除去するクリーナとしてのドラムクリーナ36(36Y、36M、36C、36K)と、残留トナーが除去された感光体50の表面を除電する図示しない除電器とを備える。
【0057】
感光体50は、金属製の薄肉の円筒形ドラム表面に有機感光層が形成されており、帯電器32は、感光体50に対して放電を行うことで感光体50の表面を帯電させる。
【0058】
そして、画像信号に応じて光走査装置M1より射出された光線L(LY、LM、LC、LK)により、感光体50の表面に露光が行われ、帯電器32によって帯電された感光体50の表面電位を下げることで画像情報に応じた静電潜像が形成される。
【0059】
現像器34は、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーと、例えば磁性体を半導電性の物質でコートしてなるキャリアとを含む二成分現像剤を収容する。
【0060】
現像器34は、これらキャリアおよびトナーを攪拌し互いに摩擦させることでトナーを負極性に帯電させる。
【0061】
帯電されたトナーは、その後、現像スリーブ上を搬送され、現像スリーブに印加される現像バイアスにより感光体50表面の静電潜像をトナー現像する。
【0062】
次いで感光体50上のトナー像は中間転写ベルト40に静電吸引され、画像形成ユニット30Y〜30Kにおいて各々形成され、中間転写ベルト40に夫々順次静電吸引された各トナー像は、中間転写ベルト40上において重ねトナー像を形成する。
【0063】
一方、図示しない用紙収容部に収められた用紙Pは、図示しない用紙搬送経手段によって二次転写装置42まで搬送される。
【0064】
中間転写ベルト40上のトナー像は二次転写装置42へ搬送された用紙P上に転写される。
【0065】
用紙P上に転写されたトナー像は、用紙Pが図示しない定着器へ搬送され定着処理されることにより、用紙P上にカラートナー画像として定着される。
【0066】
ここで、画像形成装置PR1は、前記実施の形態に係る光走査装置M1を用いることにより、熱による光線の位置ズレ等の影響が比較的低コストで抑制され、ひいては画像形成装置PR1自体のコストの低廉化が図られると共に、画像品質が向上される。
【0067】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈すべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲内でのすべての変更が含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明による光走査装置および画像形成装置は、プリンタや複合機等に適用することができる。
【符号の説明】
【0069】
M1、M10 光走査装置
100 光源
101 コリメータレンズ
102 合成ミラー
103 ポリゴンミラー
104 fθレンズ
L 光ビーム
L1 タンジェンシャルシリンダレンズ
L2 タンジェンシャルシリンダレンズ
PR1 画像形成装置
30 画像形成ユニット
32 帯電器
34 現像器
36 ドラムクリーナ
40 中間転写ベルト
42 二次転写装置
50 感光体
P 用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光線を射出する射出手段と、
前記光線を被走査面上に結像させる光学系と、
を備え、
前記光学系は、
前記射出手段から前記被走査面に至る光路上に、前記射出手段から射出された光線を平行光線にするコリメータレンズ、主走査方向についての前記光線を合成してその光路を揃える合成ミラー、前記光線を偏向反射して前記被走査面を走査するポリゴンミラーおよび前記ポリゴンミラーで偏向された光線の収差を補正するfθレンズが順次設けられると共に、
前記コリメータレンズと前記合成ミラーとの間および前記合成ミラーと前記ポリゴンミラーとの間に、前記光線の光束を補正する補正用レンズがそれぞれ設けられ、
前記合成ミラーから予め設計された位置において前記光線を一旦結像させて、当該位置と像面位置とに光学的共役関係が成立するようにしたことを特徴とする光走査装置。
【請求項2】
前記各補正用レンズは、前記主走査方向にのみ屈折力を有するシリンダレンズで構成されることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2の何れかに記載の光走査装置と、
前記被走査面を備え、前記光走査装置により当該被走査面が走査されて形成される静電潜像を保持する像保持手段と、
該像保持手段に保持される前記静電潜像に基づいて画像形成を行う画像形成手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−118377(P2012−118377A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−269213(P2010−269213)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】