説明

光通信システム、光通信方法およびOLT

【課題】障害に強く、省電力性に優れたシステムを提供する。
【解決手段】OLTの各インタフェースおよび各ONUは、異なる波長で同じ信号を送信する複数の光送信器と、各光送信器の出力光信号を合波する手段とを備え、インタフェースは少なくとも2つの光送信器が同時に発光・変調可能な構成とし、PONに接続される複数のONUは複数の光送信器の中で同じ波長の1つの光送信器が発光・変調する構成とし、インタフェースは、配下の複数のONUに対してそれぞれ同一波長かつTDM方式で通信を行い、また所定のインタフェースが複数の光送信器を動作させ、所定のインタフェースがAWGを介して各光送信器の波長に対応するインタフェース配下の複数のONUとの下り通信を担うとともに、ONUがAWGを介して所定のインタフェースに接続される波長の光送信器に切り替え、所定のインタフェースが上り通信を担う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光アクセスネットワークで用いられる光通信システム、光通信方法、光通信システムを構成するOLTの高信頼化・省電力化に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高速なインターネット通信サービスを安価に提供するために、高速で低コストな光通信システムの普及が進んでいる。PON(Passive Optical Network) 方式は、1本の光ファイバを光スプリッタで複数分岐させる方式で、局側に配置される1台のOLT(Optical Line Terminal:光加入者線終端装置)で、各ユーザ側に配置される複数のONU(Optacal Network Unit :光加入者線ネットワーク装置)を効率良く収容することができる。
【0003】
現在、広く普及している技術としてEPON (Ethernet (登録商標) Passive Optical Network)システムがある。EPONシステムは、Ethernet技術をベースとしたPONシステムであり、その通信方式はIEEE802.3ah (IEEE: The Institute of Electrical and Electronics Engineers)に定められている。EPONでは、時分割多重(TDM: Time Division Multiplexing)技術を用い、全ONUの合計で上下1ギガビット/秒の通信が実現されている(非特許文献1)。今後、さらなる高速化を実現する光アクセス方式として、TDM技術に波長多重(WDM: Wavelength Division Multiplexing) 技術を組み合わせたWDM/TDM−PON方式の通信方式が検討されている。
【0004】
図1は、従来の光通信システムの構成例を示す。
図において、OLTは、複数のインタフェース(OSU)1〜nを備える。OLTのインタフェース1とONU11〜1xは、光ファイバと光スプリッタで構成されるPON1を介して接続される。同様に、OLTのインタフェースnとONUn1〜nxはPONnを介して接続される。各インタフェース1〜nは、下り光信号を出力する波長λd1〜λdxn の波長可変レーザ11、上り光信号を受光するPD(Photo Diode) 21、上下光信号分離用のWDMフィルタ31を備える。OLTは、各インタフェースの下り光信号をPON1〜PONnに振り分けるAWG(Array Waveguide Gratings)32、PON1〜nからの上り光信号を各インタフェースに振り分けるAWG33を備える。ONU11〜1x,…,ONUn1〜nxは、それぞれ波長λu1〜λunのいずれかを出力する固定波長レーザ41、上下光信号分離用のWDMフィルタ42、下り光信号を受光するPD43から構成される。
【0005】
本光通信システムの特徴は、OLTの各インタフェース1〜nがそれぞれ送信波長を選択することにより、PON1〜PONnのいずれかに信号を送り、その先に接続されるONUと通信を行う点であり、AWGが波長ルータの役割を担っている。下り信号用のAWG32の出力ポートはWDMフィルタ31を介してそれぞれのPON1〜PONnに接続されており、入力波長と入出力ポートの関係は、例えば図2のようになる。また、インタフェース1からPON1〜PONnの各ONUに対し割り当てる光信号の波長は、図3に示すようにAWGの波長周回性(FSR)を利用し、周回ごとの波長を各PONに収容されるONUに割り当てる(非特許文献2)。
【0006】
例えば、インタフェース1からPON1に接続されるONU11〜1xに送信する波長として、AWG32のFSRごとのλd1,λdn+1, …, λd(x-1)n+1 に設定することにより、AWG32の入力ポートIN1から入力した光信号は出力ポートOUT1からPON1に送出され、ONU11〜1xに到達する。同様に、インタフェース1からPONnに接続されるONUn1〜nxに送信する場合には、送信波長としてλdn,λd2n,…, λdxn に設定することにより、AWG32の入力ポートIN1から入力した光信号は出力ポートOUTnからPONnに送出され、ONUn1〜nxに到達する。また、インタフェースnからPONnに接続されるONUn1〜nxに送信する波長としてλd1,λdn+1, …, λd(x-1)n+1 を設定することにより、AWG32の入力ポートINnから入力した光信号は出力ポートOUTnからPONnに送出され、ONUn1〜nxに到達する。
【0007】
さらに、トラフィックが特定のインタフェースに偏らないように、複数のインタフェースと連携し、動的波長制御(DWA:Dynamic Wavelength Allocation)を行うことも可能になっている。
【0008】
上りの通信についても同様であり、ONUが送信波長を選択することで、OLTのAWG33を介して受信するインタフェースが選択される。
【0009】
OLTにはインタフェースが複数搭載されており、ONUに信号を送信するインタフェース、またONUから信号を受信するインタフェースは動的に変更可能である。したがって、あるレーザや、これに接続する上位の装置に障害が発生し、特定のインタフェースで正常に光信号が送受信できない場合でも、ONUの通信を継続することができる。すなわち、他のインタフェースが機能を補う高信頼な構成となっている。
【0010】
さらに、総トラフィックが少ないときには一部のインタフェースを休止させることで省電力化を図るという運用も可能である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】IEEE802.3ah standard(http://www.ieee802.org/3/efm/public/comments/ )
【非特許文献2】Yu-Li Hsueh, Wei-Tao Shaw, and Leonid G.Kazovsky, Stanford University Akira Agata and Shu Yamamoto, KDDI Reserch and Development Laboratories “SUCCESS PON DEMONSTRATOR: EXPERIMENTAL EXPOLORATION OF NEXT-GENARATION OPTICAL ACCESS NETWORK ”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従来の構成では、OLTのコントロール部(図1では図示せず)において、OLTに搭載されている複数のインタフェースのトラフィック状況をすべて把握し、同時に制御する必要があることから制御が複雑になっていた。また、DWAに応じた波長チューニングを実現するためには、高価な波長可変レーザ光源を用いる必要があった。特に、従来のDWAでは、フレーム単位で波長を切り替えるために非常に高頻度で波長を切り替える必要があり、波長切替速度が速い波長可変レーザが必要で、そのための制御回路も複雑になっていた。
【0013】
さらに、PONの通信に波長の設定・制御を考慮した新たなプロトコルが必要となり、EPONなどTDM−PONの回路をそのまま活用できない問題があった。
【0014】
本発明は、このような従来の課題を解決し、高価な波長可変レーザや複雑な制御を用いることなく、障害に強く、省電力性に優れた光通信システム、光通信方法およびOLTを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
第1の発明は、OLTの複数のインタフェースがAWGを介して複数のPONに接続され、各PONに接続される複数のONUとWDM/TDM方式で通信を行う光通信システムにおいて、OLTの各インタフェースおよび各ONUは、異なる波長で同じ信号を送信する複数の光送信器と、各光送信器から出力される光信号を合波する手段とを備え、インタフェースは少なくとも2つの光送信器が同時に発光・変調可能な構成とし、PONに接続される複数のONUはそれぞれ複数の光送信器の中で同じ波長の1つの光送信器が発光・変調する構成とし、インタフェースは、配下の複数のONUに対してそれぞれ同一波長かつTDM方式で通信を行い、また所定のインタフェースが複数の光送信器を動作させ、当該所定のインタフェースがAWGを介して各光送信器の波長に対応するインタフェース配下の複数のONUとの下り通信を担うとともに、当該ONUがAWGを介して当該所定のインタフェースに接続される波長の光送信器に切り替え、当該所定のインタフェースが上り通信を担う構成である。
【0016】
第1の発明の光通信システムにおいて、OLTは、各インタフェースにおける障害およびトラフィックを監視し、障害が発生したインタフェースまたはトラフィックが少ないインタフェース(以下、「休止対象インタフェース」という)を検出したときに、所定のインタフェースが複数の光送信器を動作させ、かつ休止対象インタフェースの配下の複数のONUが光送信器を切り替えるように制御し、所定のインタフェースが休止対象インタフェースの配下の複数のONUとの下り通信および上り通信を担う構成である。
【0017】
第1の発明の光通信システムにおいて、所定のインタフェースが複数の光送信器を動作させて複数のインタフェース配下のONUとの下り通信を担う処理と、各インタフェース配下のONUが光送信器の波長を切り替えて上り通信を担うインタフェースを切り替える処理を独立に行う構成である。
【0018】
第1の発明の光通信システムにおいて、ONUは、複数の光送信器および合波する手段に代えて送信波長が切り替わる波長可変光送信器を用いた構成である。
【0019】
第2の発明は、OLTの複数のインタフェースがAWGを介して複数のPONに接続され、各PONに接続される複数のONUとWDM/TDM方式で通信を行う光通信方法において、OLTの各インタフェースおよび各ONUは、異なる波長で同じ信号を送信する複数の光送信器と、各光送信器から出力される光信号を合波する手段とを備え、インタフェースは少なくとも2つの光送信器が同時に発光・変調可能な構成とし、PONに接続される複数のONUはそれぞれ複数の光送信器の中で同じ波長の1つの光送信器が発光・変調する構成とし、インタフェースは、配下の複数のONUに対してそれぞれ同一波長かつTDM方式で通信を行い、また所定のインタフェースが複数の光送信器を動作させ、当該所定のインタフェースがAWGを介して各光送信器の波長に対応するインタフェース配下の複数のONUとの下り通信を担うとともに、当該ONUがAWGを介して当該所定のインタフェースに接続される波長の光送信器に切り替え、当該所定のインタフェースが上り通信を担うことを特徴とする。
【0020】
第2の発明の光通信方法において、OLTは、各インタフェースにおける障害およびトラフィックを監視し、障害が発生したインタフェースまたはトラフィックが少ないインタフェース(以下、「休止対象インタフェース」という)を検出したときに、所定のインタフェースが複数の光送信器を動作させ、かつ休止対象インタフェースの配下の複数のONUが光送信器を切り替えるように制御し、所定のインタフェースが休止対象インタフェースの配下の複数のONUとの下り通信および上り通信を担うことを特徴とする。
【0021】
第2の発明の光通信方法において、所定のインタフェースが複数の光送信器を動作させて複数のインタフェース配下のONUとの下り通信を担う処理と、各インタフェース配下のONUが光送信器の波長を切り替えて上り通信を担うインタフェースを切り替える処理を独立に行うことを特徴とする。
【0022】
第3の発明は、OLTの複数のインタフェースがAWGを介して複数のPONに接続され、各PONに接続される複数のONUとWDM/TDM方式で通信を行う光通信システムのOLTにおいて、各インタフェースは、異なる波長で同じ信号を送信する複数の光送信器と、各光送信器から出力される光信号を合波する手段とを備え、インタフェースは少なくとも2つの光送信器が同時に発光・変調可能な構成とし、配下の複数のONUに対してそれぞれ同一波長かつTDM方式で通信を行い、また所定のインタフェースが複数の光送信器を動作させ、当該所定のインタフェースがAWGを介して各光送信器の波長に対応するインタフェース配下の複数のONUとの下り通信を担うとともに、当該ONUがAWGを介して当該所定のインタフェースに接続される波長の光送信器に切り替え、当該所定のインタフェースが上り通信を担う構成である。
【0023】
第3の発明の光通信システムのOLTにおいて、各インタフェースにおける障害およびトラフィックを監視し、障害が発生したインタフェースまたはトラフィックが少ないインタフェース(以下、「休止対象インタフェース」という)を検出したときに、所定のインタフェースが複数の光送信器を動作させ、かつ休止対象インタフェースの配下の複数のONUが光送信器を切り替えるように制御し、所定のインタフェースが休止対象インタフェースの配下の複数のONUとの下り通信および上り通信を担う構成である。
【0024】
第3の発明の光通信システムのOLTにおいて、所定のインタフェースが複数の光送信器を動作させて複数のインタフェース配下のONUとの下り通信を担う処理と、各インタフェース配下のONUが光送信器の波長を切り替えて上り通信を担うインタフェースを切り替える処理を独立に行う構成である。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、OLTのインタフェースが他のインタフェースを含む複数のPONの下り通信を担う際には、複数の波長の光送信器を動作させ、異なる波長で同一の下り光信号を送信する。これにより、当該インタフェースはAWGの機能により、他のインタフェース配下のONUを本来の配下のONUに加えてTDM制御により一括して扱うことができる。
【0026】
また、OLTのインタフェースが他のインタフェースを含む複数のPONの上り通信を担う際には、他のインタフェース配下のONUの光送信器を切り替えて、送信する上り光信号の波長を切り替える。これにより、当該インタフェースはAWGの機能により、他のインタフェース配下のONUを本来の配下のONUに加えてTDM制御により一括して扱うことができる。
【0027】
また、このような制御は、OLTが各インタフェースにおける障害およびトラフィックを監視し、障害が発生したインタフェースまたはトラフィックが少ないインタフェース(休止対象インタフェース)の配下のONUとの通信を特定のインタフェースが担う場合に有効である。これにより、休止対象インタフェースの配下のONUとの通信を特定のインタフェースが容易に引き継ぐことができ、PONシステムの高信頼化と省電力化を実現することがてのる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】従来の光通信システムの構成例を示す図である。
【図2】下り光信号の波長割り当てを示す図である。
【図3】インタフェース1からみた下り光信号の波長配置を示す図である。
【図4】本発明の光通信システムの第1の実施形態を示す図である。
【図5】下り光信号用のAWG32の波長割り当て例を示す図である。
【図6】上り光信号用のAWG33の波長割り当て例を示す図である。
【図7】各インタフェースの出力波長と下り通信用のAWG32の入出力ポートの配置例を示す図である。
【図8】各ONUの出力波長と上り通信用のAWG33の入出力ポートの配置例を示す図である。
【図9】インタフェース引き継ぎテーブルの例を示す図である。
【図10】インタフェース1からインタフェースnへのONU管理情報引き継ぎ例を示す図である。
【図11】通常の認証動作例を示す図である。
【図12】インタフェース間でONUの引き継ぎを伴う認証動作例を示す図である。
【図13】消費電力セーブのためのインタフェース間の引き継ぎ例を示す図である。
【図14】本発明の光通信システムの第2の実施形態を示す図である。
【図15】本発明の光通信システムの第3の実施形態を示す図である。
【図16】本発明の光通信システムの第4の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(第1の実施形態)
図4は、本発明の光通信システムの第1の実施形態を示す。
図において、OLTは、上位リンクに接続される複数のインタフェース(OSU)1〜nを備える。OLTのインタフェース1は、光ファイバと光スプリッタで構成されるPON1を介してONU11〜1xと接続される。以下同様に、OLTのインタフェースnは、PONnを介してONUn1〜nxと接続される。各インタフェース1〜nは、下り光信号を出力する波長λd1〜λdnの固定波長レーザ12−1〜12−n、各波長の下り光信号を合波するカプラ15、上り光信号を受光するPD(Photo Diode) 21、上下光信号分離用のWDMフィルタ31を備える。OLTは、さらに各インタフェース1〜nのカプラ15とWDMフィルタ31との間に、各インタフェース1〜nの下り光信号をPON1〜PONnに振り分ける下り通信用のAWG(Array Waveguide Gratings)32を接続し、各インタフェース1〜nのWDMフィルタ31とPD21との間に、PON1〜PONnからの上り光信号を各インタフェース1〜nに振り分ける上り通信用のAWG33を接続する。
【0030】
ONU11〜1x,…,ONUn1〜nxは、それぞれ波長λu1〜λunの固定波長レーザ41−1〜41−n、各波長の上り光信号を合波するカプラ44、上下光信号分離用のWDMフィルタ42、下り光信号を受光するPD43を備える。なお、各PONに接続される複数x個のONUは、同じ波長の1つの固定波長レーザが動作し、波長を切り替えるときには一斉に同一波長に切り替えられる構成である。
【0031】
ここで、各インタフェースがそれぞれPONと1対1で接続されるときは、各インタフェースは同じ波長の1つの固定波長レーザが動作し、それぞれ同じ波長で個別の下り光信号を送信する。また、1つのインタフェースが複数のPONの下り通信を担うときは、複数の固定波長レーザが同時に動作し、それぞれ異なる波長で同じ下り光信号を送信する。
【0032】
また、各インタフェースがそれぞれPONと1対1で接続されるときは、各PONにそれぞれ接続されるONUは、それぞれ同じ波長の1つの固定波長レーザが動作し、それぞれ同じ波長で上り光信号を送信する。また、1つのインタフェースが複数のPONの上り通信を担うためにPONに接続されるインタフェースを変更するときは、そのPONに接続されるONUは別波長の固定波長レーザに一斉に切り替え、その別波長で上り光信号を送信する。すなわち、本発明におけるONUは、複数の波長の固定波長レーザ41−1〜41−nを備えるものの同時に動作することはないので、波長λu1〜λunの波長可変レーザを用いてもよい。
【0033】
図5は、下り通信用のAWG32の波長割り当て例を示す。例えば、インタフェース1の波長λd1〜λdnの下り光信号は、AWG32の入力ポートIN1から出力ポートOUT1〜OUTnにそれぞれ分波され、各インタフェースのWDMフィルタ31を介してそれぞれPON1〜PONnに出力される。これにより、1つのインタフェースが複数のPONの下り通信を担うことができる。
【0034】
図6は、上り通信用のAWG33の波長割り当て例を示す。例えば、ONU11〜1xから出力される波長λu1〜λunの上り光信号は、PON1を介してOLTのインタフェース1に入力し、インタフェース1のWDMフィルタ31を介してAWG33の入力ポートIN1から出力ポートOUT1〜OUTnにそれぞれ分波し、各インタフェースのPD21に受光する。これにより、1つのインタフェースが複数のPONの上り通信を担うことができる。
【0035】
(下り通信の通常時、通常電力モード時の対応)
下り通信において、上位リンク障害または各インタフェース故障がない通常時、またトラフィックが多い場合に対応する通常電力モード時には、インタフェース1〜nはそれぞれ同じ波長の1つの固定波長レーザのみが動作し、他の固定波長レーザは動作を停止する。各インタフェースは、それぞれ対応するPONの下り通信を担う。例えば、各インタフェースの下り光信号の波長をλd1とすると、図5の波長割り当て例に従えば、インタフェース1がPON1の下り通信を賄い、以下同様にインタフェースnがPONnの下り通信を担う。すわわち、インタフェース1とPON1に収容されるONU11〜1xが下り通信を行う場合、インタフェース1の固定波長レーザ12−1から出力された波長λd1の下り光信号は、AWG32の入力ポートIN1から出力ポートOUT1に出力され、WDMフィルタ31を介してPON1に出力され、さらにPON1に収容されるONU11〜1xの各WDMフィルタ42を介してPD43に受光する。なお、各インタフェースと各PONに収容される複数のONUとの下り通信は、通常のTDM−PONのプロトコルに準じて行われる。
【0036】
(下り通信のOLT側障害時、省電力モード時の対応)
下り通信において、上位リンク障害または各インタフェース故障の場合、またトラフィックが少ない場合に対応する省電力モード時には、1つのインタフェースが複数の固定波長レーザを動作させ、対応するいくつかのインタフェースを停止/休止させる。1つのインタフェースで動作する複数の固定波長レーザは、複数の波長の搬送波を同じ下り信号で変調する構成とし、各波長対応に複数のPONの下り通信を担う。例えば、インタフェースnが故障し、インタフェース1がPON1,PONnの下り通信を担う場合には、インタフェース1の波長λd1,λdnの固定波長レーザ12−1,12−nを動作させ、波長λd1,λdnの下り光信号をAWG32を介してPON1,PONnに送信する。すなわち、インタフェース1は、波長λd1,λdnの下り光信号を用いてONU11〜1x,ONUn1〜nxとの下り通信を通常のTDM−PONのプロトコルに準じて行う。なお、上位リンク障害または各インタフェース故障の場合の波長設定は、PONの通信とは独立に、予め決められたテーブルに従って行う(詳しくは後述する)。
【0037】
(上り通信の通常時、通常電力モード時の対応)
上り通信において、OLT側に障害がない通常時、またOLT全体としてトラフィックが多い場合に対応する通常電力モード時には、各PONに収容される複数のONUはそれぞれ同じ波長の1つの固定波長レーザのみが動作し、他の固定波長レーザは動作を停止する。各インタフェースは、それぞれ対応するPONの上り通信を担う。例えば、各ONUの上り光信号の波長をλu1とすると、図6の波長割り当て例に従えば、インタフェース1がPON1の通信を賄い、以下同様にインタフェースnがPONnの通信を担う。すなわち、ONU11〜1xがインタフェース1と上り通信を行う場合、ONU11〜1xの固定波長レーザ41−1から出力された波長λu1の上り光信号は、WDMフィルタ42を介してPON1に出力され、さらにインタフェース1のWDMフィルタ31を介してAWG33の入力ポートIN1から出力ポートOUT1に出力され、PD21に受光する。なお、各インタフェースと各PONに収容される複数のONUとの上り通信は、通常のTDM−PONのプロトコルに準じて行われる。
【0038】
(上り通信のOLT側障害時、省電力モード時の対応)
上り通信において、上位リンク障害または各インタフェース故障の場合、またOLT全体としてトラフィックが少ない場合に対応する省電力モード時には、複数のPONに収容されるONUの上り通信をOLTの1つのインタフェースが担い、対応するいくつかのインタフェースを停止/休止させる。通常時と異なるインタフェースに接続されるONUは、そのインタフェースに対応する波長の固定波長レーザに切り替える。例えば、インタフェースnが故障し、インタフェース1がPON1,PONnの上り通信を担う場合には、インタフェースnに接続されていたPONnのONUn1〜nxは、波長λu1の固定波長レーザ41−1から波長λu2の固定波長レーザ41−2に切り替え、波長λu2の上り光信号をAWG33を介してインタフェース1のPD21に受光させる。すなわち、インタフェース1は、波長λu1,λd2の上り光信号を用いてONU11〜1x,ONUn1〜nxとの上り通信を通常のTDM−PONのプロトコルに準じて行う。なお、上位リンク障害または各インタフェース故障の場合の波長設定は、OLTの認証を受けられない場合は別の波長に切り替えて認証を試すアルゴリズムで対応する。
【0039】
(PON区間の特定方法)
各インタフェースおよびONUが送信する光信号の波長と、OLTのAWG32,33の入出力ポートに接続するPON1〜nは、図7および図8に示すように対応関係付けておけば、初期状態で全てのインタフェースおよびONUが特定の波長を用いれば、どのONUがどのPONに接続されたのか確認することができる。
【0040】
また、互いの出力波長を予め取り決めておくことで、ONUが接続されたときなどに、複数のインタフェースからの下り信号が特定のPON区間に不用意に入り込み、下り信号が衝突したり、ONUからの上り信号がインタフェース内で他のPONのONUの上り信号と衝突してしまうことを防ぐことができる。
【0041】
(上位通信障害)
OLT上位の装置やこれに接続するケーブルに障害が発生し正常な通信を行うことができなくなった場合、インタフェースは障害を検知することで、正常に通信を行える他のインタフェースに対し、配下のONUの情報を引き継ぎ、配下のONUに対し、波長の切り替え指示を行うことで通信を継続させることができる。
【0042】
例えば、インタフェース1の上位装置が故障し、通信が正常に行えなくなった場合、OLTは図9に示すインタフェース引き継ぎテーブルを参照し、引き継ぎ条件に適合したインタフェースn(条件によっては複数のインタフェースに引き継いでもよい)に対し、図10に示すようにPON1のONU11〜1xの管理情報を引き継がせて通信を開始する。該当ONUをインタフェースnにすべて引き継がせる場合、インタフェース1は配下のONU11〜1xに対し、出力波長をλu1からλunに切り替えを指示し、さらにONUからの指示確認を受けた後に通信停止告知を行い、必要に応じてONUからの通信停止告知確認を受けて通信を停止する。その後、インタフェースnは波長λd2の固定波長レーザ12−2を動作させてPON1のONU11〜1xとの下り通信を開始し、PON1のONU11〜1xは波長λunの固定波長レーザ12−nを動作させてインタフェースnとの上り通信を開始する。
【0043】
上記の状態では、インタフェースnは、波長λd1の固定波長レーザ12−1と波長λd2の固定波長レーザ12−2を同時に起動し、PON1とPONnの各ONUとの下り通信を行う。この時、インタフェースnが用いる下り光信号は波長に関わらず、同じ変調信号を同時出力されるため、インタフェースnは単純に配下のONUが追加されたと同じような状況で通信(TDM)を行うことができる。これによりインタフェースnはPON1とPONnのONUを別個のものとして扱う必要がなくなるため、インタフェースやONUの送受信系を単純化することができる。
【0044】
(障害系の上下通信のどちらかが正常)
また、インタフェースの上位側において上り通信のみに障害が発生した場合には、下り通信はそのまま継続させ、ONU側の出力波長を別のインタフェースにアクセスするよう切り替え指示を出す(上り通信のみを引き継がせる)ことで、該当インタフェースの残存機能を有効に使用することができる。
【0045】
また、インタフェースの上位側において下り通信のみに障害が発生した場合には、上りの通信はそのまま継続させ、下り通信のみ他のインタフェースに引き継がせることで、該当インタフェースの残存機能を有効に使用することができる。
【0046】
(認証方法)
ONUがPONに接続されインタフェースと通信を開始する際、上記のように予め取り決めた波長で通信を行う場合ならば、図11のように、インタフェース1とONU11との間では下り波長λd1、上り波長λu1の通信となる。しかし、インタフェースとONUが通信障害などにより初期波長で通信を行えない状態になった場合や、インタフェースがこれ以上ONUを受け入れられない場合も考えられる。
【0047】
これに対応するため、上記のような状態が発生または発生しそうな場合、図12に示すように、関係するインタフェースがそれぞれ対応する波長の認証信号を他のインタフェースの認証信号と衝突しないタイミングΔTg で出力し、複数のインタフェースから認証信号をPONへ送信することで、ONUは複数のインタフェースから認証信号を受け取り応答することができる。例えば、PON1に収容のONU11へ送信するインタフェース2の下り波長はλdnとし、インタフェース3の下り波長はλd(n-1)とし、以下同様にインタフェースnの下り波長はλd2とする。
【0048】
このとき認証信号内にインタフェースの障害状況や切り替え指示情報があれば、これに従いONUは波長の切り替えを行い、指定のインタフェースと通信を行うことができる。しかし、これらの情報がない場合、ONUは予め指定されている例えば波長λu1の上り光信号で応答をし、波長λu1の上り光信号を受けるインタフェース1からの応答を待つ。応答が一定時間ない場合、該当インタフェース1に通信障害があると判断し、次の認証用信号群が到着して一定の時間ΔTr が経過した後に、別の波長λu2に切り替え、別のインタフェース2に対してコンタクトを開始する。その際、ONUは使用した波長情報を付加してインタフェース側に送信することで、この信号を受信したインタフェース2は、図6の入力波長とAWG33の入出力ポートの関係から、PON1に収容されているONUから送られてきた信号であることを認識することができる。例えば、図4の構成で、インタフェース1 が故障し、ONU11との認証状態が切れてしまった場合、再認証のためONU11は波長λu2を用いてインタフェース2へコンタクトを開始するが、インタフェース2はONU11がどのPONに収容されているかを判断するため、応答信号の使用波長情報を参照し、上記のようにPON1に収容されているONU11であることを認識する。これにより、インタフェース2は、PON1のONU11に対する認証作業として、波長λdnの認証用信号をAWG32の入力ポートIN2から出力ポートOUT1に出力し、PON1を介してONU11に送信する。以下、インタフェース2とONU11との間で、波長λdnの認証用信号と、波長λu2の応答信号を用いて認証処理が行われる。
【0049】
また、インタフェースが認証前のONUに対して波長の切り替え指示を行い、担当インタフェースを変更することで認証前に波長切り替えが行えるため、認証後に改めて波長の切り替え作業を行うよりも、リンクを一旦切断して再認証するプロセスを省くことができる。
【0050】
(認証前の波長切り替え(トラフィック集中))
ONUがPONに接続した際に、始めに認証を行おうとするインタフェースが高負荷状態で該当ONUの認証が困難な場合、上記のインタフェース障害時の動作と同様に対応する。すなわち、インタフェースは認証信号の出力を停止する、もしくは出力してもONUの応答信号に対して反応しないことで、ONUの波長を切り替えさせ、引き受け可能な別のインタフェースに通信を引き継がせることもできる。
【0051】
(省電力動作)
1台以上のインタフェースの余剰帯域が、他の(引継ぎ可能な)インタフェースの使用している帯域を上回る状態となった場合、帯域に余裕のあるインタフェースへONUを引き継がせ、通信するONUがなくなったインタフェースは自ら休止/停止状態となり、消費電力を効率化することができる。
【0052】
図13は、消費電力セーブのためのインタフェース間の引き継ぎ例を示す。
インタフェース1とPON1のONU11との間で、波長λd1の下り光信号と、波長λu1の上り光信号を用いて通信が行われているときに、インタフェースnで受け入れ可能帯域が発生した場合を想定する。インタフェースnは、インタフェース1との間でONU情報の引継作業を行う。インタフェース1は、ONU11をインタフェースnに切り替えるために、まずONU11の出力波長をλu1からλunに切り替えるように指示し、ONU11との間で切り替え手順を実行する。その後、インタフェース1は休止状態になり、ONU11は出力波長をλu1からλunに切り替え、インタフェースnとの認証処理に入る。
【0053】
インタフェースnは、波長λd2の認証用信号を送信すると、OLTのAWG32、PON1を介してONU11に到達する。一方、ONU11は、波長λunの応答信号を送信すると、PON1、OLTのAWG33を介してインタフェースnに到達する。これらを繰り返して認証処理を行い、以下インタフェースnとONU11との間で、波長λd2の下り光信号と、波長λunの上り光信号を用いて通信が行われる。
【0054】
また、引き受けたインタフェースの使用帯域が増加し、高負荷状態となった場合、休止/停止状態のインタフェースを起動させ、引き継がれたONUに、元のインタフェースと通信を行うよう波長切り替え指示を行うことで、OLT全体の使用帯域に応じた効率的な電力調整が実現できる。
【0055】
ところで、本発明におけるOLTのインタフェースおよびONUの制御は、各インタフェースにおける障害およびトラフィックを監視するOLTの制御部(図4に図示せず)で行われる。OLTの制御部では、各インタフェースのトラフィック等のステータスを把握し、どのインタフェースが何台受け入れ可能かといった図9に記載の情報を管理する。また、各インタフェースのトラフィックが所定値以下になった場合は、OLTの制御部では、図9に記載の情報を参照して受け入れ可能なインタフェースを探し、これに適合するインタフェースがある場合は、省電力モードに切り替える制御を行う。
【0056】
また、各インタフェースのトラフィックを把握して制御を行う点は、従来技術のDWAでも同様である。しかし、従来技術のDWAの場合、フレーム単位で波長の切り替えを行う必要があるため、非常に高頻度で波長を切り替えて通信を行う必要があることから、波長切替速度が速いレーザが必要となり、高頻度で波長切り替えを行うための複雑な回路も必要となる。一方、本発明の構成では、波長の切り替えは、障害発生時、低消費電力モードに移行する場合など、限られた場合だけ行うこととするため、従来技術のDWAほどは、高価な部品を必要としない構成で対応可能となる。
【0057】
(第2の実施形態)
図14は、本発明の光通信システムの第2の実施形態を示す。
本実施形態は、OLTの各インタフェース1〜nにおいて、図4に示す第1の実施形態の下り光信号を出力する波長λd1〜λdnの固定波長レーザ12−1〜12−nに代えて、波長λd1〜λdnの光源13−1〜13−nと、波長λd1〜λdnの光搬送波をカプラ15で合波した後に下り信号で一括変調する変調器14を備えることを特徴とする。個々の固定波長レーザに対して制御を行う必要がないため、光送信制御を単純化することができる。
【0058】
(第3の実施形態)
図15は、本発明の光通信システムの第3の実施形態を示す。
本実施形態は、各ONUにおいて、図4に示す第1の実施形態の上り光信号を出力する波長λu1〜λunの固定波長レーザ41−1〜41−nに代えて、波長λu1〜λunの光源45−1〜45−nと、波長λu1〜λunの光搬送波をカプラ44で合波した後に上り信号で一括変調する変調器46を備えることを特徴とする。個々の固定波長レーザに対して制御を行う必要がないため、光送信制御を単純化することができる。
【0059】
(第4の実施形態)
以上示した第1〜第3の実施形態は、任意の1つのインタフェースが複数のPONの下り通信および上り通信を担う場合に対応する構成である。第4の実施形態は、1つまたは特定の少数のインタフェースが複数のPONの下り通信および上り通信を担う場合に対応する構成を示す。
【0060】
図16は、本発明の光通信システムの第4の実施形態を示す。ここでは、通信故障や省電力設定時にインタフェース1のみがPON1〜PONnの下り通信および上り通信を担う場合を想定する。
【0061】
図16において、インタフェース1は下り光信号を出力する波長λd1〜λdnの固定波長レーザ12−1〜12−nおよびカプラ15を備え、インタフェース2〜nはそれぞれ波長λd1の固定波長レーザ12−1を備える。その他のOLTの構成は、他の実施形態と同様である。
【0062】
PON1に接続されるONU11〜1xは、インタフェース1に送信する上り光信号を出力する波長λu1の固定波長レーザ41−1を備える。PONnに接続されるONUn1〜nxは、インタフェースnまたはインタフェース1に送信する上り光信号を出力する波長λu1,λu2の固定波長レーザ41−1,41−2およびカプラ44を備える。同様に、PON2に接続されるONU21〜2x(図示せず)は、インタフェース2またはインタフェース1に送信する上り光信号を出力する波長λu1,λunの固定波長レーザ41−1,41−nおよびカプラ44を備える。その他のONUの構成は、他の実施形態と同様である。
【0063】
これにより、インタフェース1は、PON1に加えて、必要に応じてPON2〜PONnの下り通信および上り通信を担うことができ、完全な予備系専用のインタフェースとしても、他のインタフェース2〜nの通信障害時やトラフィック集約(省電力設定)に対応することができる。一方、インタフェース2〜nは下り光信号を送信するレーザの数を最小1つにすることができ、PON2〜PONnに接続される各ONUも上り光信号を送信するレーザの数を2つにすることができる。
【0064】
なお、本実施形態は、第2の実施形態および第3の実施形態にも同様に適用することができる。また、ONUの2つの固定波長レーザは、1つの可変波長レーザに置き換えることも可能である。
【符号の説明】
【0065】
11 波長可変レーザ
12 固定波長レーザ
13 光源
14 変調器
15 カプラ
21 PD
31 WDMフィルタ
32 下り通信用のAWG
33 上り通信用のAWG
41 固定波長レーザ
42 WDMフィルタ
43 PD
44 カプラ
45 光源
46 変調器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
OLTの複数のインタフェースがAWGを介して複数のPONに接続され、各PONに接続される複数のONUとWDM/TDM方式で通信を行う光通信システムにおいて、
前記OLTの各インタフェースおよび前記各ONUは、異なる波長で同じ信号を送信する複数の光送信器と、各光送信器から出力される光信号を合波する手段とを備え、
前記インタフェースは少なくとも2つの光送信器が同時に発光・変調可能な構成とし、前記PONに接続される複数のONUはそれぞれ複数の光送信器の中で同じ波長の1つの光送信器が発光・変調する構成とし、
前記インタフェースは、配下の複数のONUに対してそれぞれ同一波長かつTDM方式で通信を行い、また所定のインタフェースが複数の光送信器を動作させ、当該所定のインタフェースが前記AWGを介して各光送信器の波長に対応するインタフェース配下の複数のONUとの下り通信を担うとともに、当該ONUが前記AWGを介して当該所定のインタフェースに接続される波長の光送信器に切り替え、当該所定のインタフェースが上り通信を担う構成である
ことを特徴とする光通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の光通信システムにおいて、
前記OLTは、前記各インタフェースにおける障害およびトラフィックを監視し、障害が発生したインタフェースまたはトラフィックが少ないインタフェース(以下、「休止対象インタフェース」という)を検出したときに、前記所定のインタフェースが複数の光送信器を動作させ、かつ休止対象インタフェースの配下の複数のONUが光送信器を切り替えるように制御し、前記所定のインタフェースが休止対象インタフェースの配下の複数のONUとの下り通信および上り通信を担う構成である
ことを特徴とする光通信システム。
【請求項3】
請求項1に記載の光通信システムにおいて、
前記所定のインタフェースが複数の光送信器を動作させて複数のインタフェース配下のONUとの下り通信を担う処理と、前記各インタフェース配下のONUが光送信器の波長を切り替えて上り通信を担うインタフェースを切り替える処理を独立に行う構成である
ことを特徴とする光通信システム。
【請求項4】
請求項1に記載の光通信システムにおいて、
前記ONUは、複数の光送信器および合波する手段に代えて送信波長が切り替わる波長可変光送信器を用いた構成である
ことを特徴とする光通信システム。
【請求項5】
OLTの複数のインタフェースがAWGを介して複数のPONに接続され、各PONに接続される複数のONUとWDM/TDM方式で通信を行う光通信方法において、
前記OLTの各インタフェースおよび前記各ONUは、異なる波長で同じ信号を送信する複数の光送信器と、各光送信器から出力される光信号を合波する手段とを備え、
前記インタフェースは少なくとも2つの光送信器が同時に発光・変調可能な構成とし、前記PONに接続される複数のONUはそれぞれ複数の光送信器の中で同じ波長の1つの光送信器が発光・変調する構成とし、
前記インタフェースは、配下の複数のONUに対してそれぞれ同一波長かつTDM方式で通信を行い、また所定のインタフェースが複数の光送信器を動作させ、当該所定のインタフェースが前記AWGを介して各光送信器の波長に対応するインタフェース配下の複数のONUとの下り通信を担うとともに、当該ONUが前記AWGを介して当該所定のインタフェースに接続される波長の光送信器に切り替え、当該所定のインタフェースが上り通信を担う
ことを特徴とする光通信方法。
【請求項6】
請求項5に記載の光通信方法において、
前記OLTは、前記各インタフェースにおける障害およびトラフィックを監視し、障害が発生したインタフェースまたはトラフィックが少ないインタフェース(以下、「休止対象インタフェース」という)を検出したときに、前記所定のインタフェースが複数の光送信器を動作させ、かつ休止対象インタフェースの配下の複数のONUが光送信器を切り替えるように制御し、前記所定のインタフェースが休止対象インタフェースの配下の複数のONUとの下り通信および上り通信を担う
ことを特徴とする光通信方法。
【請求項7】
請求項5に記載の光通信方法において、
前記所定のインタフェースが複数の光送信器を動作させて複数のインタフェース配下のONUとの下り通信を担う処理と、前記各インタフェース配下のONUが光送信器の波長を切り替えて上り通信を担うインタフェースを切り替える処理を独立に行う
ことを特徴とする光通信方法。
【請求項8】
OLTの複数のインタフェースがAWGを介して複数のPONに接続され、各PONに接続される複数のONUとWDM/TDM方式で通信を行う光通信システムのOLTにおいて、
前記各インタフェースは、異なる波長で同じ信号を送信する複数の光送信器と、各光送信器から出力される光信号を合波する手段とを備え、
前記インタフェースは少なくとも2つの光送信器が同時に発光・変調可能な構成とし、配下の複数のONUに対してそれぞれ同一波長かつTDM方式で通信を行い、また所定のインタフェースが複数の光送信器を動作させ、当該所定のインタフェースが前記AWGを介して各光送信器の波長に対応するインタフェース配下の複数のONUとの下り通信を担うとともに、当該ONUが前記AWGを介して当該所定のインタフェースに接続される波長の光送信器に切り替え、当該所定のインタフェースが上り通信を担う構成である
ことを特徴とする光通信システムのOLT。
【請求項9】
請求項8に記載の光通信システムのOLTにおいて、
前記各インタフェースにおける障害およびトラフィックを監視し、障害が発生したインタフェースまたはトラフィックが少ないインタフェース(以下、「休止対象インタフェース」という)を検出したときに、前記所定のインタフェースが複数の光送信器を動作させ、かつ休止対象インタフェースの配下の複数のONUが光送信器を切り替えるように制御し、前記所定のインタフェースが休止対象インタフェースの配下の複数のONUとの下り通信および上り通信を担う構成である
ことを特徴とする光通信システムのOLT。
【請求項10】
請求項8に記載の光通信システムのOLTにおいて、
前記所定のインタフェースが複数の光送信器を動作させて複数のインタフェース配下のONUとの下り通信を担う処理と、前記各インタフェース配下のONUが光送信器の波長を切り替えて上り通信を担うインタフェースを切り替える処理を独立に行う構成である
ことを特徴とする光通信システムのOLT。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−135280(P2011−135280A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−292417(P2009−292417)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】