光量調節装置および撮像装置
【課題】高湿状態時であっても、板部材と羽根部材の密着力を減少させ、羽根部材のスムーズな駆動を行うことができる撮像装置の光量調節装置とする。
【解決手段】開口部5aを有する地板5と、光軸方向において開口部5aと重複する位置を含む範囲を移動可能であり、開口部5aと重複することで開口部5aへの入射光量を制限する羽根部材1と、羽根部材1に隣接するとともに、羽根部材1が所定位置にある状態において、羽根部材1と光軸方向において重複する位置に切欠き部2aを形成した板部材2とを有している。
【解決手段】開口部5aを有する地板5と、光軸方向において開口部5aと重複する位置を含む範囲を移動可能であり、開口部5aと重複することで開口部5aへの入射光量を制限する羽根部材1と、羽根部材1に隣接するとともに、羽根部材1が所定位置にある状態において、羽根部材1と光軸方向において重複する位置に切欠き部2aを形成した板部材2とを有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラ等に具備される光量調節装置、およびこれを備えた撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、フィルムを使用せずに画像をメモリに取り込むことができるデジタルカメラが急速に普及している。このデジタルカメラの中には、被写体輝度によって絞り羽根を光線内に出し入れし、撮像素子に到達する光量を変化させる機能を有するものがある。この際、専用の電磁アクチュエータにより絞り羽根を駆動して光量調節を行うのが一般的である。また、CCDを内蔵するデジタルカメラやビデオカメラ等でよく用いられるように、絞り羽根の一部に入射光量を減少させる働きを有するNDフィルターが接着してあり、絞り羽根によって形成される絞り開口部が、ある大きさ以下になると、絞り開口部の中にNDフィルターが挿入されてくるような露出構造を用いる装置がある。
【0003】
上記絞り羽根は、シャッタユニットとして構成されていることが一般的であり、その代表的な構成を示すと、地板に対しシャッタ羽根が組み込まれ、その上に仕切り板を載せ、さらにその上に絞り羽根を載せ、シャッタカバーで蓋をする。シャッタ羽根及び絞り羽根を駆動するアクチュエータは地板に対してシャッタ羽根及び絞り羽根と光軸方向反対側に配置されている。
【0004】
このようなデジタルカメラ等の撮影装置を湿度の高い場所などの過酷な環境下で使用した場合、カメラ内部に結露が生じ、内部機能に不都合が生じる場合がある。この点に鑑み、従来、カメラボディ内に空気を出入りさせるための通気孔を設け、内部湿度が上昇するのを抑えたり、特許文献1に示すように、カメラボディ内の結露を検知するための結露検知手段を設けたりして、その対策を講じるようにしている。
【特許文献1】特開2000−171874号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、結露防止用の通気孔を空ける方法では、カメラの小型化が進んでいる状況では、通気孔を空けるスペースも限られていて効果的に配置できる割合が少なくなっている。また、コスト競争が激化しており、低コスト化が望まれている現状では結露検出センサを配置することは難しく、そのためのスペースを確保することも困難になっている。
【0006】
また、上記シャッタユニットとして構成した場合、結露が発生して絞り羽根と仕切り板が密着した場合、絞り羽根の駆動負荷が大きくなり、アクチュエータを大きくして駆動力を増加させたりする必要がある。しかしながら、絞り羽根のアクチュエータを大型にし、絞り羽根と仕切り板の密着力より大きい駆動力で動作させようとした場合には、やはり小型化の関係でスペースが限られている状況では構成できない。
【0007】
また、絞り羽根と仕切り板の密着をできるだけ防止するようにお互いが接触する位置に絞り羽根に半球上の突起を設ける方法がある。図15に半球状突起を設けた絞り羽根1’を示す。図15(a)が絞り羽根1’を表側から見た図、図15(b)が絞り羽根1’を裏側から見た図である。絞り羽根1’は開口部1a’とこれを覆うNDフィルター9を備えており、片面に半球状突起1b’が設けられている。この半球状突起1b’によって、絞り羽根1’と仕切り板2の接触面積を減らすようにしているので、高湿状態になったときでも、仕切り板2と絞り羽根1’の密着力をより減少させることができ、絞り羽根1’をスムーズに動作させることができる。しかしながら、この場合でも、絞り羽根が撓んだり、倒れたりして、完全に絞り羽根と仕切り板の密着を取り除くことは難しかった。また、小型化が進んでおり、この突起の分のスペースも削除したいという要求もある。
【0008】
(発明の目的)
本発明の目的は、高湿状態時であっても、板部材と羽根部材の密着力を減少させ、羽根部材のスムーズな駆動を行うことのできる撮像装置の光量調節装置、およびこれを備えた撮像装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の特徴の一つとしては、撮像装置に用いられる光量調節装置において、開口部を有する地板と、光軸方向において前記開口部と重複する位置を含む範囲を移動可能であり、前記開口部と重複することで前記開口部への入射光量を制限する羽根部材と、前記羽根部材に隣接するとともに、前記羽根部材が所定位置にある状態において、該羽根部材と光軸方向において重複する位置に切欠き部を形成した板部材と、を有することを特徴とするものである。
【0010】
同様に、本発明の特徴の別の一つとしては、上記の光量調節装置を備え、該光量調節装置によって撮像手段に到達する光量を制御することを特徴とする撮像装置とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、高湿状態時であっても、板部材と羽根部材の密着力を減少させ、羽根部材のスムーズな駆動を行うことができる撮像装置の光量調節装置、またはこれを備えた撮像装置を提供できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下の一実施例に示す通りである。
【実施例】
【0013】
図7〜図11は本発明の一実施例に係わる光量調節装置を具備する撮影装置であるところのデジタルカメラを示す図であり、詳しくは、図7はデジタルカメラのバリアをカメラ本体に対して開放した状態を示した外観斜視図を、図8はデジタルカメラのバリアをカメラ本体に対して閉成した状態を示した外観斜視図を、図9はデジタルカメラのバリアをカメラ本体に対して開放した状態を示したデジタルカメラの上面図を、図10はデジタルカメラのバリアをカメラ本体に対して閉成した状態を示したデジタルカメラの底面図を、図11はデジタルカメラの背面図を、それぞれ示している。
【0014】
本実施例に係わるデジタルカメラ15は、不使用時には、図8に示すように、撮影レンズ鏡筒10の前面をバリア18で覆っており、使用時は、図7に示すように、バリア18を横にスライドすることで撮影レンズ鏡筒10を開放する、スライドバリアタイプである。
【0015】
このデジタルカメラ15の正面には、被写体の構図を決めるファインダ14、測光および測距を行う測光・測距部13、赤目ランプ16、ストロボ部17、および、第1レンズ群10aを具備する撮影レンズ鏡筒10を有している(図7参照)。上面には、レリーズボタン11およびストロボ発光モードボタン12を有している(図7、図8参照)。側面には、外部入出力端子取付部19およびストラップ保持部20を有している(図9、図10等参照)。底面には、三脚取り付け部21および後述のメモリカードドライブ、バッテリー挿入部が内部に具備されているカードバッテリーカバー22を有している(図10参照)。背面には、操作ボタン24、LCDより成るディスプレイ25、ズームボタン23およびファインダ接眼部14aを有している(図11参照)。
上記操作ボタン24により、デジタルカメラの動作モード、例えば撮影モード、再生モード、動画撮影モード等の選択を行う。ディスプレイ25は、メモリ34(図12参照)に保存された画像データやメモリカードドライブから読み込んだ画像データを画面上に表示するとともに、複数の撮影データを縮小して画面表示したりすることもできる。
【0016】
図12は上記デジタルカメラ15の回路構成を示すブロック図であり、図7ないし図11と同じ部分は同一の符号をしてある。
【0017】
制御部はCPU40、ROM39、RAM41で構成されている。この制御部には、バス38を介して、レリーズボタン11、操作ボタン24、ディスプレイ25、バリア18の操作に連動してオンオフする電源スイッチ45、メモリ34、圧縮・伸張回路35、メモリカードドライブ36の各種構成要素が接続されている。バス38を介して制御部と接続される駆動回路37には、ズームモータ26aを駆動するズームモータ駆動部26、フォーカスモータ28aを駆動するフォーカスモータ駆動部28、シャッタ駆動部7、絞り駆動部6が接続されている。そして駆動回路37は、制御部からの信号に応じて、撮影レンズ鏡筒10、フォーカス部材27、シャッタ羽根3、絞り羽根1の駆動を行う。更に、駆動回路37には、測光部13a,測距部13b、CCDやCMOS等の光電変換機能を有する撮像デバイス42、ストロボ部17も接続されており、駆動回路37は制御部からの信号により各々の駆動を制御することになる。撮像デバイス42の出力段には、アナログ信号処理回路31、A/D変換部32およびデジタル信号をメモリ34へ出力するデジタル信号処理回路33が接続されている。ROM39には上述の各機能構成要素を制御するプログラムが記憶されており、RAM41には各制御プログラムに必要なデータが記憶されている。
【0018】
上記構成におけるデジタルカメラ15において、使用者がバリア18を図8の状態から図7の状態へスライドさせると、それに連動して電源スイッチ45がオフからオンに状態変化し、各回路へ電源が供給される。すると、CPU40はROM39から必要な制御プログラムを読み出して初期動作を開始する。つまり、撮影レンズ鏡筒10を所定の撮影可能領域に移動させ(図7の状態)、撮影スタンバイ状態になる。
【0019】
撮影を行うために使用者がレリーズボタン11を押すと、測光部13aにより被写体の明るさが検出され、その測光値に基づいて絞り値やシャッタスピード、またストロボ部17を発光させるかどうかの判定が行われる。また、あらかじめ操作ボタン24によって使用者がストロボ部17を強制的に発光させるか、発光させないかを選択することもできる。また同時に、測距部13bにより測距が行われ、被写体との距離を測定して焦点情報を算出し、この焦点情報に基づいて駆動回路37およびフォーカスモータ駆動部28を介して所定のフォーカス位置へフォーカス部材27を移動させる。次に、駆動回路37およびシャッタ駆動部7を介してシャッタ羽根3の開閉が行われ、所望の画像が撮像デバイス42に取り込まれる。
【0020】
撮像デバイス42には、露光制御値に基づいて入射した光の光量に応じた電荷が蓄積され、その電荷が画像信号となり、アナログ信号処理回路31へと出力される。アナログ信号処理回路31では、取り込まれた画像データにアナログ処理を施し、A/D変換部32に出力する。A/D変換部32では、取り込まれたアナログデータをデジタルデータに変換し、該デジタルデータをデジタル信号処理回路33に出力する。デジタル信号処理回路33ではデジタルデータの処理を行い、該デジタルデータはメモリ34に記憶されることになる。
【0021】
メモリ34に記憶されたデジタルデータ(画像データ)は、操作ボタン24の操作によって圧縮・伸張回路35によりJPEGやTIFF等の圧縮加工等を施され、次段のメモリカードドライブ36に記憶される。尚、メモリ34を持たないデジタルカメラの場合、デジタル信号処理回路33で処理された画像データは圧縮・伸張回路35に出力され、メモリカードドライブ36に記憶されることになる。
【0022】
また、メモリ34に記憶された画像データやメモリカードドライブ36に記憶されている画像データを圧縮・伸張回路35へ出力することにより、該圧縮・伸張回路35によって伸張処理され、その画像データがバス38を介してディスプレイ25ヘ出力され、その画像が表示されることになる。ディスプレイ25上の画像を見てその画像が不必要であると判断した場合、使用者が操作ボタン24の操作によってその画像データを消去することもできる。
【0023】
デジタルカメラ15の背面には図11に示したようにズームボタン23が配置(図11参照)されており、該ズームボタン23が操作されると、駆動回路37を介してズームモータ駆動部26およびズームモータ26aが制御され、撮影レンズ鏡筒10がレンズの光軸方向に移動する。また、ディスプレイ25上に表示されている記憶画像をズームボタン23の操作で拡大及び縮小、いわゆるデジタルズームを行うこともできる。
【0024】
ここで、上記デジタルカメラ15に備えられ、撮像デバイス42に到達する光量を調整するシャッタ羽根3や絞り羽根1を含む光量調節装置について、図1乃至図4を用いて説明する。
【0025】
地板5に対して、図1乃至図4に示すように、シャッタ羽根3、仕切り板2、絞り羽根1が組み込まれており、最終的にシャッタカバー4で保持されるようになっている。地板5の背面側には、絞り羽根1を駆動する絞り羽根駆動部6及びシャッタ羽根3を駆動するシャッタ羽根駆動部7が保持されている。
【0026】
地板5には中心付近に光線を通過させる開口部5aが設けられており、その前面にはシャッタ羽根3が組み込まれている。シャッタ羽根3は地板5に形成された凹状のスペース部5bにて作動可能に構成されており、その前面に仕切り板2が組み込まれる。仕切り板2は地板5上の平面部5cに設置されている。仕切り板2の略中心にはこのデジタルカメラ15の光学的絞りを決定する仕切り板開口部2bが形成されている。仕切り板開口部2bは地板開口部5aよりも小さい面積をもっている。仕切り板2の前面に絞り羽根1が組み込まれ、全体をシャッタカバー4により地板5から脱落しないように保持されている。絞り羽根1には仕切り板開口部2bより小さい、絞り開口部1aが形成されている。
【0027】
シャッタ羽根3は、シャッタ羽根駆動部7により仕切り板開口部2bを開閉(塞いだり、開放させたり)する。また、絞り羽根1は、絞り羽根駆動部6により仕切り板開口部2bに対して進退(仕切り板開口部2b上に入ったり、退避したり)する。仕切り板2には切欠き部2aが形成されており、地板5の平面部5c上に設置されるように設けられている。絞り羽根1と仕切り板2は、切欠き部2a、仕切り板開口部2bを除いて、対向する面が互いに平面で構成されており、図15のように対向する面の摩擦を減らすための凸部が形成されていないため、その厚みを薄くすることができる。
【0028】
図2および図3に、光量調節装置を正面から見た図を示す。
【0029】
図2は、絞り羽根1が仕切り板開口部2b上に移動し、絞り開口部1aが仕切り板開口部2bおよび地板開口部5a上に侵入している状態を示す図である。この状態では、仕切り板2に設けられている切欠き部2aが正面から見えるようになっており、絞り羽根1の絞り開口部1aは、切欠き部2aとは重ならずに仕切り板開口部2bと重なる位置にある。図3は、絞り羽根1が仕切り板開口部2b上から退避した状態を示す図である。この状態では、仕切り板2に設けられている切欠き部2aと絞り羽根1が重複するようになっており、絞り羽根1の絞り開口部1aは、仕切り板開口部2bとは重ならずに切欠き部2aと重なる位置にある。
【0030】
以上の構成において、図3に示すように絞り羽根1が仕切り板開口部2bおよび地板開口部5a上から退避した状態で、湿度の高い環境中に置かれるなどした場合、絞り羽根1と仕切り板2の間に結露が発生する可能性がある。しかし、仕切り板2に切欠き部2aを設けているため、仕切り板2と絞り羽根1が接触する面積を低減することができ、各々の結露による密着力を減少させることができる。よって、結露の生じやすい悪環境時にも、絞り羽根1を駆動させようとするときにスムーズに動作させることができる。また、本実施例では、図15のように絞り羽根と仕切り板との摩擦を軽減するために突起を設けた場合と異なり、絞り羽根1が仕切り板2によって面で支持されているため、絞り羽根1が撓んでしまうことはない。さらに、突起がない分だけ仕切り板2によって占められる厚みが少なくなり、光量調節装置全体の厚みを薄型化することができる。
【0031】
なお、この切欠き部2aは仕切り板2と絞り羽根1が接触する面積を低減するために設けられたものであって、仕切り板2の両側に配置される部材を連結するためにその内部を別の部材が通過したり、別の部材が挿入されたりするものではない。また、図2では絞り羽根1が切欠き部2aの一部にかかっているが、図3の状態では図2の状態に比較して、切欠き部2aと絞り羽根1の重なる面積が大きくなる。
【0032】
絞り羽根1は、デジタルカメラ15の電源が切られているとき、つまり光量調節装置への駆動信号が供給されていないときには、図3に示す位置にある。デジタルカメラ15が放置されるときは、電源が切られた状態のときが最も多いと考えられるため、このときの切欠き部2aと絞り羽根1の重なる面積を最も大きくして、絞り羽根1と仕切り板2の固着を防止しているのである。
【0033】
図5および図6に、この本発明の別の実施例に係わる光量調節装置を示す。この光量調節装置は、仕切り板2の代わりに仕切り板52を備えている点のみが図1乃至図4に示す光量調節装置とは異なっている。仕切り板52は切欠き部52aを複数有しており、絞り羽根1の絞り開口部1aが地板開口部5a上に挿入された状態では、絞り羽根1はいずれの切欠き部52a上にも位置しない。このように、仕切り板に形成される切欠き部の形状や大きさは図1乃至4に示すものに限定されるものではなく、無論図5、図6に示すものに限定されるものでもない。本発明の目的が達成されるものであれば、仕切り板に形成される切欠き部は自由な形状、大きさとすることができる。
【0034】
次に、上記光量調節ユニットを具備するデジタルカメラ15の電源オンから撮影終了までの一連の動作を、図13のフローチャートにより説明する。
【0035】
使用者がバリア18を操作してデジタルカメラ15の電源スイッチ45をオンにすると(#1)、CPU40はズームモータ駆動部26に指令を出し、沈胴位置にある撮影レンズ鏡筒10を繰り出す為にズームモータ26aをCW方向(時計回り)に回転させる(#2)。そして、撮影レンズ鏡筒10が図7に示す撮影位置まで繰り出したことを確認すると、ズームモータ26aの駆動を停止させる(#3)。
【0036】
次に、使用者によりレリーズボタン11がオンされると(#4)、測光部13aにより測光動作を行い、被写体の輝度情報を得るとともに、測距部13bにより被写体までの距離を算出する(#5)。そして、得られた輝度情報が既定の輝度より高輝度かどうかを判定し、高輝度の場合は(#6のYES)、絞り羽根1を光軸内に侵入させ(図2参照)、入射光量を変化させる(#7)。一方、得られた輝度情報が既定の輝度より低輝度の場合は(#6のNO)、絞り羽根1の動作は行わず、光軸より退避した状態(図3参照)にしておく。
【0037】
その後、フォーカスモータ駆動部28によりフォーカスモータ28aを駆動してフォーカス部材27を作動させ、上記被写体距離から得られる焦点情報に基づいて撮影レンズ鏡筒10を駆動して、被写体のピントが合う位置へ撮影レンズを移動させ(#8)、そこで画像の取り込みを開始する(#9)。次に、シャッタ羽根3を開状態から閉状態へ移動させ(#10)、入射光量を遮り、画像取り込みは終了となる(#11)。その後、絞り羽根1を光軸から退避させ(#12)、フォーカス部材27を初期位置に移動(#13)させて一連の動作を終了する。
【0038】
次に、使用者がデジタルカメラ15の電源スイッチ45をオフにした際の動作について、図14のフローチャートを用いて説明する。
【0039】
使用者がデジタルカメラ15の電源スイッチ45をオフにすると(#11)、まずシャッタ羽根3を閉位置に移動させる(#12)。そして、次に絞り羽根1を退避位置(図3参照)への移動を開始し、該絞り羽根1が所定の位置まで移動したことを確認すると(#13)、ズームモータ26aを反時計回り(CCW方向)に回転させ(#14)、撮影レンズ鏡筒10を所定の位置(図7の沈胴位置)に収納させる(#15)。これにより電源スイッチ45がオフされた際の動作を終了する。
【0040】
このように本実施例の光量調節装置は、地板5にシャッタ羽根3及び絞り羽根1が具備され、互いの羽根の間に仕切り板2を備えている。絞り羽根1が仕切り板開口部2bから退避した状態で、仕切り板2の絞り羽根1と重なる位置に切欠き部2aが設けてあるので、高湿状態になったときでも、仕切り板2と絞り羽根1の密着力を減少させることができる。別言すれば、絞り羽根1を駆動するためのアクチュエータ(即ち、絞り駆動部6や駆動回路37)のトルクを強くするために該アクチュエータを大型化したり、電力を上げたりすること無く、また特別に部品を追加することもない。よって、上記構成の光量調節ユニットを備えたデジタルカメラ15が悪環境下におかれ、結露等の状況になったとしても、スムーズに絞り羽根1を動作させることが可能となる。
【0041】
また、不使用時には、常に絞り羽根1を開放の状態にし、仕切り板2の切欠き部2bと絞り羽根1を重複させている。よって、高湿状態になったときでも、仕切り板2と絞り羽根1の密着力を減少させるようにしているので、絞り羽根1を駆動させる際に該絞り羽根1をスムーズに動作させることができる。
【0042】
また、仕切り板2の切欠き部2bは、シャッタ羽根3が開位置の状態のときにシャッタ位置と重複する位置に設けても構わない(シャッタ羽根3が閉位置のときは、シャッタ羽根3が仕切り板開口部2bと重複するため、シャッタ羽根3と仕切り板2との間に結露は生じにくい)。高湿状態になったときでも、仕切り板1とシャッタ羽根3の密着力を減少させ、シャッタ羽根3をスムーズに動作させることができる。
【0043】
(変形例)
上記実施例では、デジタルカメラに適用した例を示しているが、同様の光量調節ユニットを持つビデオカメラや銀塩フィルムを使用するアナログカメラ等でも同じ構成をとることで、結露中でもスムーズに絞り羽根を動作させることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施例に係わる光量調節装置を示す分解斜視図である。
【図2】図1の光量調節装置において絞り羽根を光路内に進入させた状態を示す正面図である。
【図3】図1の光量調節装置において絞り羽根を光路外に退避させた状態を示す正面図である。
【図4】図1の光量調節装置の断面図である。
【図5】本発明の別の実施例に係わる光量調節装置を示す分解斜視図である。
【図6】図5の光量調節装置において絞り羽根を光路内に進入させた状態を示す正面図である。
【図7】本発明の一実施例に係わるデジタルカメラにおいて電源オン状態を示す斜視図である。
【図8】本発明の一実施例に係わるデジタルカメラにおいて電源オフ状態を示す斜視図である。
【図9】本発明の一実施例に係わるデジタルカメラにおいて電源オン状態での上面図である。
【図10】本発明の一実施例に係わるデジタルカメラにおいて電源オフ状態での底面図である。
【図11】本発明の一実施例に係わるデジタルカメラの背面図である。
【図12】本発明の一実施例に係わるデジタルカメラの回路構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の一実施例に係わるデジタルカメラにおいて撮影時の動作を示すフローチャートである。
【図14】本発明の一実施例に係わるデジタルカメラにおいて電源がオフされた際の動作を示すフローチャートである。
【図15】仕切り板との接触面積を減らすための半球状突起を設けた絞り羽根を示す図である。
【符号の説明】
【0045】
1 絞り羽根
1a 絞り開口部
2,52 仕切り板
2a,52 切欠き部
2b,52b 仕切り板開口部
3 シャッタ羽根
4 シャッタカバー
5 地板
5a 地板開口部
5c 地板平面部
6 絞り羽根駆動部
7 シャッタ羽根駆動部
9 NDフィルター
10 撮影レンズ鏡筒
15 デジタルカメラ
37 駆動回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラ等に具備される光量調節装置、およびこれを備えた撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、フィルムを使用せずに画像をメモリに取り込むことができるデジタルカメラが急速に普及している。このデジタルカメラの中には、被写体輝度によって絞り羽根を光線内に出し入れし、撮像素子に到達する光量を変化させる機能を有するものがある。この際、専用の電磁アクチュエータにより絞り羽根を駆動して光量調節を行うのが一般的である。また、CCDを内蔵するデジタルカメラやビデオカメラ等でよく用いられるように、絞り羽根の一部に入射光量を減少させる働きを有するNDフィルターが接着してあり、絞り羽根によって形成される絞り開口部が、ある大きさ以下になると、絞り開口部の中にNDフィルターが挿入されてくるような露出構造を用いる装置がある。
【0003】
上記絞り羽根は、シャッタユニットとして構成されていることが一般的であり、その代表的な構成を示すと、地板に対しシャッタ羽根が組み込まれ、その上に仕切り板を載せ、さらにその上に絞り羽根を載せ、シャッタカバーで蓋をする。シャッタ羽根及び絞り羽根を駆動するアクチュエータは地板に対してシャッタ羽根及び絞り羽根と光軸方向反対側に配置されている。
【0004】
このようなデジタルカメラ等の撮影装置を湿度の高い場所などの過酷な環境下で使用した場合、カメラ内部に結露が生じ、内部機能に不都合が生じる場合がある。この点に鑑み、従来、カメラボディ内に空気を出入りさせるための通気孔を設け、内部湿度が上昇するのを抑えたり、特許文献1に示すように、カメラボディ内の結露を検知するための結露検知手段を設けたりして、その対策を講じるようにしている。
【特許文献1】特開2000−171874号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、結露防止用の通気孔を空ける方法では、カメラの小型化が進んでいる状況では、通気孔を空けるスペースも限られていて効果的に配置できる割合が少なくなっている。また、コスト競争が激化しており、低コスト化が望まれている現状では結露検出センサを配置することは難しく、そのためのスペースを確保することも困難になっている。
【0006】
また、上記シャッタユニットとして構成した場合、結露が発生して絞り羽根と仕切り板が密着した場合、絞り羽根の駆動負荷が大きくなり、アクチュエータを大きくして駆動力を増加させたりする必要がある。しかしながら、絞り羽根のアクチュエータを大型にし、絞り羽根と仕切り板の密着力より大きい駆動力で動作させようとした場合には、やはり小型化の関係でスペースが限られている状況では構成できない。
【0007】
また、絞り羽根と仕切り板の密着をできるだけ防止するようにお互いが接触する位置に絞り羽根に半球上の突起を設ける方法がある。図15に半球状突起を設けた絞り羽根1’を示す。図15(a)が絞り羽根1’を表側から見た図、図15(b)が絞り羽根1’を裏側から見た図である。絞り羽根1’は開口部1a’とこれを覆うNDフィルター9を備えており、片面に半球状突起1b’が設けられている。この半球状突起1b’によって、絞り羽根1’と仕切り板2の接触面積を減らすようにしているので、高湿状態になったときでも、仕切り板2と絞り羽根1’の密着力をより減少させることができ、絞り羽根1’をスムーズに動作させることができる。しかしながら、この場合でも、絞り羽根が撓んだり、倒れたりして、完全に絞り羽根と仕切り板の密着を取り除くことは難しかった。また、小型化が進んでおり、この突起の分のスペースも削除したいという要求もある。
【0008】
(発明の目的)
本発明の目的は、高湿状態時であっても、板部材と羽根部材の密着力を減少させ、羽根部材のスムーズな駆動を行うことのできる撮像装置の光量調節装置、およびこれを備えた撮像装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の特徴の一つとしては、撮像装置に用いられる光量調節装置において、開口部を有する地板と、光軸方向において前記開口部と重複する位置を含む範囲を移動可能であり、前記開口部と重複することで前記開口部への入射光量を制限する羽根部材と、前記羽根部材に隣接するとともに、前記羽根部材が所定位置にある状態において、該羽根部材と光軸方向において重複する位置に切欠き部を形成した板部材と、を有することを特徴とするものである。
【0010】
同様に、本発明の特徴の別の一つとしては、上記の光量調節装置を備え、該光量調節装置によって撮像手段に到達する光量を制御することを特徴とする撮像装置とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、高湿状態時であっても、板部材と羽根部材の密着力を減少させ、羽根部材のスムーズな駆動を行うことができる撮像装置の光量調節装置、またはこれを備えた撮像装置を提供できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下の一実施例に示す通りである。
【実施例】
【0013】
図7〜図11は本発明の一実施例に係わる光量調節装置を具備する撮影装置であるところのデジタルカメラを示す図であり、詳しくは、図7はデジタルカメラのバリアをカメラ本体に対して開放した状態を示した外観斜視図を、図8はデジタルカメラのバリアをカメラ本体に対して閉成した状態を示した外観斜視図を、図9はデジタルカメラのバリアをカメラ本体に対して開放した状態を示したデジタルカメラの上面図を、図10はデジタルカメラのバリアをカメラ本体に対して閉成した状態を示したデジタルカメラの底面図を、図11はデジタルカメラの背面図を、それぞれ示している。
【0014】
本実施例に係わるデジタルカメラ15は、不使用時には、図8に示すように、撮影レンズ鏡筒10の前面をバリア18で覆っており、使用時は、図7に示すように、バリア18を横にスライドすることで撮影レンズ鏡筒10を開放する、スライドバリアタイプである。
【0015】
このデジタルカメラ15の正面には、被写体の構図を決めるファインダ14、測光および測距を行う測光・測距部13、赤目ランプ16、ストロボ部17、および、第1レンズ群10aを具備する撮影レンズ鏡筒10を有している(図7参照)。上面には、レリーズボタン11およびストロボ発光モードボタン12を有している(図7、図8参照)。側面には、外部入出力端子取付部19およびストラップ保持部20を有している(図9、図10等参照)。底面には、三脚取り付け部21および後述のメモリカードドライブ、バッテリー挿入部が内部に具備されているカードバッテリーカバー22を有している(図10参照)。背面には、操作ボタン24、LCDより成るディスプレイ25、ズームボタン23およびファインダ接眼部14aを有している(図11参照)。
上記操作ボタン24により、デジタルカメラの動作モード、例えば撮影モード、再生モード、動画撮影モード等の選択を行う。ディスプレイ25は、メモリ34(図12参照)に保存された画像データやメモリカードドライブから読み込んだ画像データを画面上に表示するとともに、複数の撮影データを縮小して画面表示したりすることもできる。
【0016】
図12は上記デジタルカメラ15の回路構成を示すブロック図であり、図7ないし図11と同じ部分は同一の符号をしてある。
【0017】
制御部はCPU40、ROM39、RAM41で構成されている。この制御部には、バス38を介して、レリーズボタン11、操作ボタン24、ディスプレイ25、バリア18の操作に連動してオンオフする電源スイッチ45、メモリ34、圧縮・伸張回路35、メモリカードドライブ36の各種構成要素が接続されている。バス38を介して制御部と接続される駆動回路37には、ズームモータ26aを駆動するズームモータ駆動部26、フォーカスモータ28aを駆動するフォーカスモータ駆動部28、シャッタ駆動部7、絞り駆動部6が接続されている。そして駆動回路37は、制御部からの信号に応じて、撮影レンズ鏡筒10、フォーカス部材27、シャッタ羽根3、絞り羽根1の駆動を行う。更に、駆動回路37には、測光部13a,測距部13b、CCDやCMOS等の光電変換機能を有する撮像デバイス42、ストロボ部17も接続されており、駆動回路37は制御部からの信号により各々の駆動を制御することになる。撮像デバイス42の出力段には、アナログ信号処理回路31、A/D変換部32およびデジタル信号をメモリ34へ出力するデジタル信号処理回路33が接続されている。ROM39には上述の各機能構成要素を制御するプログラムが記憶されており、RAM41には各制御プログラムに必要なデータが記憶されている。
【0018】
上記構成におけるデジタルカメラ15において、使用者がバリア18を図8の状態から図7の状態へスライドさせると、それに連動して電源スイッチ45がオフからオンに状態変化し、各回路へ電源が供給される。すると、CPU40はROM39から必要な制御プログラムを読み出して初期動作を開始する。つまり、撮影レンズ鏡筒10を所定の撮影可能領域に移動させ(図7の状態)、撮影スタンバイ状態になる。
【0019】
撮影を行うために使用者がレリーズボタン11を押すと、測光部13aにより被写体の明るさが検出され、その測光値に基づいて絞り値やシャッタスピード、またストロボ部17を発光させるかどうかの判定が行われる。また、あらかじめ操作ボタン24によって使用者がストロボ部17を強制的に発光させるか、発光させないかを選択することもできる。また同時に、測距部13bにより測距が行われ、被写体との距離を測定して焦点情報を算出し、この焦点情報に基づいて駆動回路37およびフォーカスモータ駆動部28を介して所定のフォーカス位置へフォーカス部材27を移動させる。次に、駆動回路37およびシャッタ駆動部7を介してシャッタ羽根3の開閉が行われ、所望の画像が撮像デバイス42に取り込まれる。
【0020】
撮像デバイス42には、露光制御値に基づいて入射した光の光量に応じた電荷が蓄積され、その電荷が画像信号となり、アナログ信号処理回路31へと出力される。アナログ信号処理回路31では、取り込まれた画像データにアナログ処理を施し、A/D変換部32に出力する。A/D変換部32では、取り込まれたアナログデータをデジタルデータに変換し、該デジタルデータをデジタル信号処理回路33に出力する。デジタル信号処理回路33ではデジタルデータの処理を行い、該デジタルデータはメモリ34に記憶されることになる。
【0021】
メモリ34に記憶されたデジタルデータ(画像データ)は、操作ボタン24の操作によって圧縮・伸張回路35によりJPEGやTIFF等の圧縮加工等を施され、次段のメモリカードドライブ36に記憶される。尚、メモリ34を持たないデジタルカメラの場合、デジタル信号処理回路33で処理された画像データは圧縮・伸張回路35に出力され、メモリカードドライブ36に記憶されることになる。
【0022】
また、メモリ34に記憶された画像データやメモリカードドライブ36に記憶されている画像データを圧縮・伸張回路35へ出力することにより、該圧縮・伸張回路35によって伸張処理され、その画像データがバス38を介してディスプレイ25ヘ出力され、その画像が表示されることになる。ディスプレイ25上の画像を見てその画像が不必要であると判断した場合、使用者が操作ボタン24の操作によってその画像データを消去することもできる。
【0023】
デジタルカメラ15の背面には図11に示したようにズームボタン23が配置(図11参照)されており、該ズームボタン23が操作されると、駆動回路37を介してズームモータ駆動部26およびズームモータ26aが制御され、撮影レンズ鏡筒10がレンズの光軸方向に移動する。また、ディスプレイ25上に表示されている記憶画像をズームボタン23の操作で拡大及び縮小、いわゆるデジタルズームを行うこともできる。
【0024】
ここで、上記デジタルカメラ15に備えられ、撮像デバイス42に到達する光量を調整するシャッタ羽根3や絞り羽根1を含む光量調節装置について、図1乃至図4を用いて説明する。
【0025】
地板5に対して、図1乃至図4に示すように、シャッタ羽根3、仕切り板2、絞り羽根1が組み込まれており、最終的にシャッタカバー4で保持されるようになっている。地板5の背面側には、絞り羽根1を駆動する絞り羽根駆動部6及びシャッタ羽根3を駆動するシャッタ羽根駆動部7が保持されている。
【0026】
地板5には中心付近に光線を通過させる開口部5aが設けられており、その前面にはシャッタ羽根3が組み込まれている。シャッタ羽根3は地板5に形成された凹状のスペース部5bにて作動可能に構成されており、その前面に仕切り板2が組み込まれる。仕切り板2は地板5上の平面部5cに設置されている。仕切り板2の略中心にはこのデジタルカメラ15の光学的絞りを決定する仕切り板開口部2bが形成されている。仕切り板開口部2bは地板開口部5aよりも小さい面積をもっている。仕切り板2の前面に絞り羽根1が組み込まれ、全体をシャッタカバー4により地板5から脱落しないように保持されている。絞り羽根1には仕切り板開口部2bより小さい、絞り開口部1aが形成されている。
【0027】
シャッタ羽根3は、シャッタ羽根駆動部7により仕切り板開口部2bを開閉(塞いだり、開放させたり)する。また、絞り羽根1は、絞り羽根駆動部6により仕切り板開口部2bに対して進退(仕切り板開口部2b上に入ったり、退避したり)する。仕切り板2には切欠き部2aが形成されており、地板5の平面部5c上に設置されるように設けられている。絞り羽根1と仕切り板2は、切欠き部2a、仕切り板開口部2bを除いて、対向する面が互いに平面で構成されており、図15のように対向する面の摩擦を減らすための凸部が形成されていないため、その厚みを薄くすることができる。
【0028】
図2および図3に、光量調節装置を正面から見た図を示す。
【0029】
図2は、絞り羽根1が仕切り板開口部2b上に移動し、絞り開口部1aが仕切り板開口部2bおよび地板開口部5a上に侵入している状態を示す図である。この状態では、仕切り板2に設けられている切欠き部2aが正面から見えるようになっており、絞り羽根1の絞り開口部1aは、切欠き部2aとは重ならずに仕切り板開口部2bと重なる位置にある。図3は、絞り羽根1が仕切り板開口部2b上から退避した状態を示す図である。この状態では、仕切り板2に設けられている切欠き部2aと絞り羽根1が重複するようになっており、絞り羽根1の絞り開口部1aは、仕切り板開口部2bとは重ならずに切欠き部2aと重なる位置にある。
【0030】
以上の構成において、図3に示すように絞り羽根1が仕切り板開口部2bおよび地板開口部5a上から退避した状態で、湿度の高い環境中に置かれるなどした場合、絞り羽根1と仕切り板2の間に結露が発生する可能性がある。しかし、仕切り板2に切欠き部2aを設けているため、仕切り板2と絞り羽根1が接触する面積を低減することができ、各々の結露による密着力を減少させることができる。よって、結露の生じやすい悪環境時にも、絞り羽根1を駆動させようとするときにスムーズに動作させることができる。また、本実施例では、図15のように絞り羽根と仕切り板との摩擦を軽減するために突起を設けた場合と異なり、絞り羽根1が仕切り板2によって面で支持されているため、絞り羽根1が撓んでしまうことはない。さらに、突起がない分だけ仕切り板2によって占められる厚みが少なくなり、光量調節装置全体の厚みを薄型化することができる。
【0031】
なお、この切欠き部2aは仕切り板2と絞り羽根1が接触する面積を低減するために設けられたものであって、仕切り板2の両側に配置される部材を連結するためにその内部を別の部材が通過したり、別の部材が挿入されたりするものではない。また、図2では絞り羽根1が切欠き部2aの一部にかかっているが、図3の状態では図2の状態に比較して、切欠き部2aと絞り羽根1の重なる面積が大きくなる。
【0032】
絞り羽根1は、デジタルカメラ15の電源が切られているとき、つまり光量調節装置への駆動信号が供給されていないときには、図3に示す位置にある。デジタルカメラ15が放置されるときは、電源が切られた状態のときが最も多いと考えられるため、このときの切欠き部2aと絞り羽根1の重なる面積を最も大きくして、絞り羽根1と仕切り板2の固着を防止しているのである。
【0033】
図5および図6に、この本発明の別の実施例に係わる光量調節装置を示す。この光量調節装置は、仕切り板2の代わりに仕切り板52を備えている点のみが図1乃至図4に示す光量調節装置とは異なっている。仕切り板52は切欠き部52aを複数有しており、絞り羽根1の絞り開口部1aが地板開口部5a上に挿入された状態では、絞り羽根1はいずれの切欠き部52a上にも位置しない。このように、仕切り板に形成される切欠き部の形状や大きさは図1乃至4に示すものに限定されるものではなく、無論図5、図6に示すものに限定されるものでもない。本発明の目的が達成されるものであれば、仕切り板に形成される切欠き部は自由な形状、大きさとすることができる。
【0034】
次に、上記光量調節ユニットを具備するデジタルカメラ15の電源オンから撮影終了までの一連の動作を、図13のフローチャートにより説明する。
【0035】
使用者がバリア18を操作してデジタルカメラ15の電源スイッチ45をオンにすると(#1)、CPU40はズームモータ駆動部26に指令を出し、沈胴位置にある撮影レンズ鏡筒10を繰り出す為にズームモータ26aをCW方向(時計回り)に回転させる(#2)。そして、撮影レンズ鏡筒10が図7に示す撮影位置まで繰り出したことを確認すると、ズームモータ26aの駆動を停止させる(#3)。
【0036】
次に、使用者によりレリーズボタン11がオンされると(#4)、測光部13aにより測光動作を行い、被写体の輝度情報を得るとともに、測距部13bにより被写体までの距離を算出する(#5)。そして、得られた輝度情報が既定の輝度より高輝度かどうかを判定し、高輝度の場合は(#6のYES)、絞り羽根1を光軸内に侵入させ(図2参照)、入射光量を変化させる(#7)。一方、得られた輝度情報が既定の輝度より低輝度の場合は(#6のNO)、絞り羽根1の動作は行わず、光軸より退避した状態(図3参照)にしておく。
【0037】
その後、フォーカスモータ駆動部28によりフォーカスモータ28aを駆動してフォーカス部材27を作動させ、上記被写体距離から得られる焦点情報に基づいて撮影レンズ鏡筒10を駆動して、被写体のピントが合う位置へ撮影レンズを移動させ(#8)、そこで画像の取り込みを開始する(#9)。次に、シャッタ羽根3を開状態から閉状態へ移動させ(#10)、入射光量を遮り、画像取り込みは終了となる(#11)。その後、絞り羽根1を光軸から退避させ(#12)、フォーカス部材27を初期位置に移動(#13)させて一連の動作を終了する。
【0038】
次に、使用者がデジタルカメラ15の電源スイッチ45をオフにした際の動作について、図14のフローチャートを用いて説明する。
【0039】
使用者がデジタルカメラ15の電源スイッチ45をオフにすると(#11)、まずシャッタ羽根3を閉位置に移動させる(#12)。そして、次に絞り羽根1を退避位置(図3参照)への移動を開始し、該絞り羽根1が所定の位置まで移動したことを確認すると(#13)、ズームモータ26aを反時計回り(CCW方向)に回転させ(#14)、撮影レンズ鏡筒10を所定の位置(図7の沈胴位置)に収納させる(#15)。これにより電源スイッチ45がオフされた際の動作を終了する。
【0040】
このように本実施例の光量調節装置は、地板5にシャッタ羽根3及び絞り羽根1が具備され、互いの羽根の間に仕切り板2を備えている。絞り羽根1が仕切り板開口部2bから退避した状態で、仕切り板2の絞り羽根1と重なる位置に切欠き部2aが設けてあるので、高湿状態になったときでも、仕切り板2と絞り羽根1の密着力を減少させることができる。別言すれば、絞り羽根1を駆動するためのアクチュエータ(即ち、絞り駆動部6や駆動回路37)のトルクを強くするために該アクチュエータを大型化したり、電力を上げたりすること無く、また特別に部品を追加することもない。よって、上記構成の光量調節ユニットを備えたデジタルカメラ15が悪環境下におかれ、結露等の状況になったとしても、スムーズに絞り羽根1を動作させることが可能となる。
【0041】
また、不使用時には、常に絞り羽根1を開放の状態にし、仕切り板2の切欠き部2bと絞り羽根1を重複させている。よって、高湿状態になったときでも、仕切り板2と絞り羽根1の密着力を減少させるようにしているので、絞り羽根1を駆動させる際に該絞り羽根1をスムーズに動作させることができる。
【0042】
また、仕切り板2の切欠き部2bは、シャッタ羽根3が開位置の状態のときにシャッタ位置と重複する位置に設けても構わない(シャッタ羽根3が閉位置のときは、シャッタ羽根3が仕切り板開口部2bと重複するため、シャッタ羽根3と仕切り板2との間に結露は生じにくい)。高湿状態になったときでも、仕切り板1とシャッタ羽根3の密着力を減少させ、シャッタ羽根3をスムーズに動作させることができる。
【0043】
(変形例)
上記実施例では、デジタルカメラに適用した例を示しているが、同様の光量調節ユニットを持つビデオカメラや銀塩フィルムを使用するアナログカメラ等でも同じ構成をとることで、結露中でもスムーズに絞り羽根を動作させることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施例に係わる光量調節装置を示す分解斜視図である。
【図2】図1の光量調節装置において絞り羽根を光路内に進入させた状態を示す正面図である。
【図3】図1の光量調節装置において絞り羽根を光路外に退避させた状態を示す正面図である。
【図4】図1の光量調節装置の断面図である。
【図5】本発明の別の実施例に係わる光量調節装置を示す分解斜視図である。
【図6】図5の光量調節装置において絞り羽根を光路内に進入させた状態を示す正面図である。
【図7】本発明の一実施例に係わるデジタルカメラにおいて電源オン状態を示す斜視図である。
【図8】本発明の一実施例に係わるデジタルカメラにおいて電源オフ状態を示す斜視図である。
【図9】本発明の一実施例に係わるデジタルカメラにおいて電源オン状態での上面図である。
【図10】本発明の一実施例に係わるデジタルカメラにおいて電源オフ状態での底面図である。
【図11】本発明の一実施例に係わるデジタルカメラの背面図である。
【図12】本発明の一実施例に係わるデジタルカメラの回路構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の一実施例に係わるデジタルカメラにおいて撮影時の動作を示すフローチャートである。
【図14】本発明の一実施例に係わるデジタルカメラにおいて電源がオフされた際の動作を示すフローチャートである。
【図15】仕切り板との接触面積を減らすための半球状突起を設けた絞り羽根を示す図である。
【符号の説明】
【0045】
1 絞り羽根
1a 絞り開口部
2,52 仕切り板
2a,52 切欠き部
2b,52b 仕切り板開口部
3 シャッタ羽根
4 シャッタカバー
5 地板
5a 地板開口部
5c 地板平面部
6 絞り羽根駆動部
7 シャッタ羽根駆動部
9 NDフィルター
10 撮影レンズ鏡筒
15 デジタルカメラ
37 駆動回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する地板と、
光軸方向において前記開口部と重複する位置を含む範囲を移動可能であり、前記開口部と重複することで前記開口部への入射光量を制限する羽根部材と、
前記羽根部材に隣接するとともに、前記羽根部材が所定位置にある状態において、該羽根部材と光軸方向において重複する位置に切欠き部を形成した板部材と、
を有することを特徴とする撮像装置に用いられる光量調節装置。
【請求項2】
前記羽根部材の所定位置とは、前記羽根部材が前記開口部の入射光量を制限しない位置であることを特徴とする請求項1に記載の光量調節装置。
【請求項3】
前記羽根部材が前記開口部の入射光量を制限しない位置にある状態での前記羽根部材と前記切欠き部の重なり量は、前記羽根部材が前記開口部の入射光量を制限する位置にある状態での前記羽根部材と前記切欠き部の重なり量よりも、大きいことを特徴とする請求項2に記載の光量調節装置。
【請求項4】
前記羽根部材と前記切欠き部の重なり量は、前記羽根部材が前記開口部の入射光量を制限しない位置にある状態状態で最も大きくなることを特徴とする請求項2に記載の光量調節装置。
【請求項5】
前記羽根部材と前記切欠き部の重なり量は、前記光量調節装置への駆動信号が供給されていない状態で最も大きくなることを特徴とする請求項2に記載の光量調節装置。
【請求項6】
前記羽根部材は、前記開口部への入射光量を減少させる絞り羽根か、前記開口部への入射光を遮るシャッタ羽根の、少なくともいずれか一方であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光量調節装置。
【請求項7】
前記羽根部材は前記開口部への入射光量を減少させる絞り羽根であり、前記板部材は該絞り羽根と前記開口部への入射光を遮るシャッタ羽根の間に配置された仕切り板であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光量調節装置。
【請求項8】
前記羽根部材と前記板部材は、対向する面が互いに平面で構成されており、前記板部材は該平面の一部において前記切欠き部を備えていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の光量調節装置。
【請求項9】
開口部を有する地板と、
光軸方向において前記開口部と重複する位置を含む範囲を移動可能であり、前記開口部と重複することで前記開口部への入射光量を制限する羽根部材と、
前記羽根部材に隣接するとともに、前記羽根部材が所定位置にある状態において、該羽根部材と光軸方向において重複する位置に切欠き部を形成した板部材と、
を備えた光量調節装置を有し、
前記光量調節装置によって撮像手段に到達する光量を制御することを特徴とする撮像装置。
【請求項10】
前記羽根部材の所定位置とは、前記羽根部材が前記開口部の入射光量を制限しない位置であることを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記羽根部材が前記開口部の入射光量を制限しない位置にある状態での前記羽根部材と前記切欠き部の重なり量は、前記羽根部材が前記開口部の入射光量を制限する位置にある状態での前記羽根部材と前記切欠き部の重なり量よりも、大きいことを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記羽根部材と前記切欠き部の重なり量は、前記羽根部材が前記開口部の入射光量を制限しない位置にある状態状態で最も大きくなることを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記羽根部材と前記切欠き部の重なり量は、前記撮像装置の電源がオフされている状態で最も大きくなることを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記羽根部材は、前記開口部への入射光量を減少させる絞り羽根か、前記開口部への入射光を遮るシャッタ羽根の、少なくともいずれか一方であることを特徴とする請求項9乃至13のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項15】
前記羽根部材は前記開口部への入射光量を減少させる絞り羽根であり、前記板部材は該絞り羽根と前記開口部への入射光を遮るシャッタ羽根の間に配置された仕切り板であることを特徴とする請求項9乃至13のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項16】
前記羽根部材と前記板部材は、対向する面が互いに平面で構成されており、前記板部材は該平面の一部において前記切欠き部を備えていることを特徴とする請求項9乃至15のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項1】
開口部を有する地板と、
光軸方向において前記開口部と重複する位置を含む範囲を移動可能であり、前記開口部と重複することで前記開口部への入射光量を制限する羽根部材と、
前記羽根部材に隣接するとともに、前記羽根部材が所定位置にある状態において、該羽根部材と光軸方向において重複する位置に切欠き部を形成した板部材と、
を有することを特徴とする撮像装置に用いられる光量調節装置。
【請求項2】
前記羽根部材の所定位置とは、前記羽根部材が前記開口部の入射光量を制限しない位置であることを特徴とする請求項1に記載の光量調節装置。
【請求項3】
前記羽根部材が前記開口部の入射光量を制限しない位置にある状態での前記羽根部材と前記切欠き部の重なり量は、前記羽根部材が前記開口部の入射光量を制限する位置にある状態での前記羽根部材と前記切欠き部の重なり量よりも、大きいことを特徴とする請求項2に記載の光量調節装置。
【請求項4】
前記羽根部材と前記切欠き部の重なり量は、前記羽根部材が前記開口部の入射光量を制限しない位置にある状態状態で最も大きくなることを特徴とする請求項2に記載の光量調節装置。
【請求項5】
前記羽根部材と前記切欠き部の重なり量は、前記光量調節装置への駆動信号が供給されていない状態で最も大きくなることを特徴とする請求項2に記載の光量調節装置。
【請求項6】
前記羽根部材は、前記開口部への入射光量を減少させる絞り羽根か、前記開口部への入射光を遮るシャッタ羽根の、少なくともいずれか一方であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光量調節装置。
【請求項7】
前記羽根部材は前記開口部への入射光量を減少させる絞り羽根であり、前記板部材は該絞り羽根と前記開口部への入射光を遮るシャッタ羽根の間に配置された仕切り板であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光量調節装置。
【請求項8】
前記羽根部材と前記板部材は、対向する面が互いに平面で構成されており、前記板部材は該平面の一部において前記切欠き部を備えていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の光量調節装置。
【請求項9】
開口部を有する地板と、
光軸方向において前記開口部と重複する位置を含む範囲を移動可能であり、前記開口部と重複することで前記開口部への入射光量を制限する羽根部材と、
前記羽根部材に隣接するとともに、前記羽根部材が所定位置にある状態において、該羽根部材と光軸方向において重複する位置に切欠き部を形成した板部材と、
を備えた光量調節装置を有し、
前記光量調節装置によって撮像手段に到達する光量を制御することを特徴とする撮像装置。
【請求項10】
前記羽根部材の所定位置とは、前記羽根部材が前記開口部の入射光量を制限しない位置であることを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記羽根部材が前記開口部の入射光量を制限しない位置にある状態での前記羽根部材と前記切欠き部の重なり量は、前記羽根部材が前記開口部の入射光量を制限する位置にある状態での前記羽根部材と前記切欠き部の重なり量よりも、大きいことを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記羽根部材と前記切欠き部の重なり量は、前記羽根部材が前記開口部の入射光量を制限しない位置にある状態状態で最も大きくなることを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記羽根部材と前記切欠き部の重なり量は、前記撮像装置の電源がオフされている状態で最も大きくなることを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記羽根部材は、前記開口部への入射光量を減少させる絞り羽根か、前記開口部への入射光を遮るシャッタ羽根の、少なくともいずれか一方であることを特徴とする請求項9乃至13のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項15】
前記羽根部材は前記開口部への入射光量を減少させる絞り羽根であり、前記板部材は該絞り羽根と前記開口部への入射光を遮るシャッタ羽根の間に配置された仕切り板であることを特徴とする請求項9乃至13のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項16】
前記羽根部材と前記板部材は、対向する面が互いに平面で構成されており、前記板部材は該平面の一部において前記切欠き部を備えていることを特徴とする請求項9乃至15のいずれかに記載の撮像装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−65297(P2006−65297A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−186011(P2005−186011)
【出願日】平成17年6月27日(2005.6.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月27日(2005.6.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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