説明

光量調節装置及びこの光量調節装置を用いた光学機器

【課題】本発明は、光量調整を行う際に、回折による解像度の劣化を低減しつつ、NDフィルタや絞り羽根が安定して動作し、しかも画質品位が高く、且つコンパクトな光量調整装置を提供することを目的とする。
【解決手段】露出開口を全開する開放位置から全閉する閉鎖位置に至る領域を二つに区画し、その第1の領域では5角形以上の多角形絞り開口を形成し、第2の領域では4角形絞り開口を形成し、絞り装置として用いる場合には第1の領域内で作動し、絞り兼用シャッタ装置として用いる場合には第1第2の領域内で作動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオカメラやスチルカメラなどの光学機器に搭載され被写体からの光量を絞り羽根と減光フィルタを使って制御する光量調整装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ビデオカメラやスチルカメラに搭載された光量調整装置(絞り装置)は、撮影レンズから入射する光の光量を絞り羽根を使ってF4〜F5.6まで絞り込んだ後に、減光フィルタを使ってF11〜F16まで減光させている。
この結果、この光量調整装置は、絞り羽根による過度な絞り込みを無くし、ピンホール現象で知られる小絞り回折による解像度の劣化を低減しつつ、絞り変化に対する急激な光量変化を抑えることで光量減光フィルタや絞り羽根が安定して動作することが知られている。
【0003】
例えば、その様な光量調整装置としては、特許文献1[特開2002−14384号公報]で開示されている。
その光量調整装置は、図10で示す様に、撮影レンズから入射する光の光量が高くなりはじめると、まず絞り羽根106、107が図示(a)の露出開口全開状態から図示(b)の状態に駆動され、絞り開口が絞り込まれる。
そして、図示(b)の位置に絞り羽根106、107が到達した状態で絞り羽根106、107は停止し、NDフィルタ104が図示(b)の状態から光路内に挿入され、光量に応じて図示(c)、(d)の状態を経てやがて図示(e)のように光路を完全に覆う。
更に、光量が高くなると、絞り羽根106、107が再び駆動されて、図示(f)の様に絞りを更に絞り込み光量調整を行うものである。
【0004】
尚、図示(d)の状態で、小絞り領域115が形成され、回折現象により解像度が劣化するが、光路の全断面積に占める小絞り領域115の比率を低くすることで、全体の解像度の劣化を抑えられることが出来、結果、回折による解像度の劣化を低減することが出来る。
【0005】
しかも、図示(b)の位置で絞り羽根106、107を停止させた状態でNDフィルタ104を光路内へ挿入することで、光量変化がNDフィルタの減光特性のみに対応することから、絞り羽根自体にNDフィルタを貼付け、絞り羽根の移動による絞り開口の絞り込みと連動させてNDフィルタを覆い被せる構造のものに比べ、絞り駆動手段の駆動角度に対する光量変化がなだらかに成り、ハンチング現象が抑制されることから安定した絞り動作を行うことが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−14384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1で開示する光量調整装置の様に、二枚の絞り羽根を使って絞り開口を形成する場合、図10で示す様に、その絞り開口が4角形絞りとなることから以下の二つの課題を持っている。
その一つ目の課題は、露出開口を絞り込むに連れ、背景部のボケ箇所にフレア現象により4角形絞りの開口形状が映し出され、この4角形絞りの開口形状が5角形以上の多角形絞り開口形状と比較してに画像品位が低いと評価される要因となっていること。
二つ目の課題は、この光量調整装置を絞り兼用シャッタ装置として使用する場合に、二枚の絞り羽根で形成する絞り開口を完全に閉鎖する必要が有る。
そして、その二枚の絞り羽根で露出開口を閉鎖するためには、少なくとも一方の絞り羽根で露出開口の半分を覆い被せ、他方の絞り羽根で露出開口の残りの半分を覆い被せる必要が有る。
そのために、露出開口全開状態で、それぞれの絞り羽根は露出開口の半分を覆い被せる幅に相当する分、その露出開口から退避させ空間を備える必要が有り、装置外形を小さくすることが出来ない。
【0008】
本発明は、光量調整を行う際に、回折による解像度の劣化を低減しつつ、NDフィルタや絞り羽根が安定して動作し、しかも画質品位が高く、且つコンパクトな光量調整装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題を解決するために、本願の請求項1の光量調整装置は、光軸を中心に露出開口を形成する地板と、前記地板上に移動可能に支持され、互いに前記光軸を中心に相反方向に移動する第1及び第2の遮光部材から成り、前記第1の遮光部材は、同一方向に変位する異なる相対的変位量をもつ第1の絞り羽根と、この第1の絞り羽根より相対的変位量が大きい第2の絞り羽根とで構成され、前記第2の遮光部材は、前記第1の遮光部材と相反方向に変位する異なる相対的変位量をもつ第3の絞り羽根と、この第3の絞り羽根より相対的変位量が小さい第4の絞り羽根とで構成され、前記露出開口を全開する開放位置から全閉する閉鎖位置に至る領域を二つに区画し、その第1の領域では前記第1乃至第4の絞り羽根で5角形以上の多角形絞り開口を形成し、第2の領域では相対的変位量が小さい前記第1及び第4の絞り羽根の移動方向先端部を前記第2及び第3の絞り羽根の移動方向後端部に重ね前記露出開口の開放側を覆い、相対的変位量が大きい互いに隣り合う前記第2及び第3の絞り羽根で4角形絞りを形成し、前記露出開口を順次絞り込む絞り部材と、前記第1、第2、第3、第4の絞り羽根を同時に駆動制御する絞り駆動手段と、前記絞り部材が前記多角形絞りの絞り開口を形成する前記第1の領域内の所定の絞り開口を少なくとも検出する絞り開口検出手段と、から成ることを特徴とするものである。
【0010】
本願の請求項2の光量調整装置は、光軸を中心に露出開口を形成する地板と、前記地板上に移動可能に支持され、互いに前記光軸を中心に相反方向に移動する第1及び第2の遮光部材から成り、前記第1の遮光部材は、同一方向に変位する異なる相対的変位量をもつ第1の絞り羽根と、この第1の絞り羽根より相対的変位量が大きい第2の絞り羽根とで構成され、前記第2の遮光部材は、前記第1の遮光部材と相反方向に変位する異なる相対的変位量をもつ第3の絞り羽根と、この第3の絞り羽根より相対的変位量が小さい第4の絞り羽根とで構成され、前記露出開口を全開する開放位置から全閉する閉鎖位置に至る領域を二つに区画し、その第1の領域では5角形以上の多角形絞り開口を形成し、第2の領域では4角形絞り開口を形成し、前記露出開口を順次絞り込む絞り部材と、前記第1、第2、第3、第4の絞り羽根を同時に駆動制御する絞り駆動手段と、前記絞り部材が前記多角形絞りの絞り開口を形成する前記第1の領域内の所定の絞り開口を少なくとも検出する絞り開口検出手段と、前記絞り部材によって形成された前記所定の絞り開口から退避した第1の位置とその絞り開口を全て覆う第2の位置との間を往復移動して前記所定絞り開口を通過する光量を増減させることが可能な減光フィルタと、前記絞り開口検出手段が検出する前記所定の絞り開口で前記減光フィルタを第1の位置から第2の位置に移動させるフィルタ駆動手段と、から成ることを特徴とするものである。
【0011】
本願の請求項3に記載の光量調整装置は、請求項1及び2に記載の光量調整装置を絞り装置又は絞り兼用シャッタ装置として用いることが出来、絞り装置として用いる場合には第1の領域内で作動され、絞り兼用シャッタ装置として用いる場合には第1第2の領域内で作動することを特徴とするものである。
【0012】
本願の請求項4に記載の光量調整装置は、請求項1及び2に記載の光量調節装置において、前記第1、第2、第3、第4の絞り羽根はこの順序で前記地板上に重ねられ、相対的変位量が大きい互いに隣り合う前記第2及び第3の絞り羽根で前記第2の領域内で4角形絞りを形成するとともに、相対的変位量が小さい前記第1及び第4の絞り羽根の移動方向先端部を前記第2及び第3の絞り羽根の移動方向後端部に重ね前記露出開口の開放側を覆うことを特徴とするものである。
【0013】
本願の請求項5に記載の光量調整装置は、請求項2に記載の光量調整装置において、前記減光フィルタが、単一濃度の単濃度フィルタ、複数の濃度領域を隣接する多段濃度フィルタ、濃度率が順次単調増減するグラディーションフィルタから成ることを特徴とするものである。
【0014】
本願の請求項6に記載の光学機器は、上記請求項1及び5の何れか1項に記載の光量調節装置を用いた光学機器であって、前記撮像面に配置され、前記光量調節装置を通った被写体光を光電変換して撮像信号を生成する撮像手段を具備することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本願の請求項1の光量調整装置では、異なる相対的変位量をもつ前記第1、第2、第3、第4の絞り羽根を使って、前記露出開口を全開する開放位置から全閉する閉鎖位置に至る領域を二つに区画し、その第1の領域では5角形以上の多角形絞り開口を形成し、第2の領域では4角形絞り開口を形成し、その前記多角形絞りの絞り開口を形成する第1の領域内を使って絞り制御を行うことで、フレア現象によって生ずる画像模様が多角形となり違和感が抑制され画質品位が向上すると共に、回折による解像度の劣化を低減しつつ、絞り羽根が安定して動作し、しかも4角形絞りの絞り開口を形成する第2の領域をシャッタの閉鎖動作に使うことで小型の光量調整装置を提供することが出来る。
【0016】
本願の請求項2の光量調整装置では、異なる相対的変位量をもつ前記第1、第2、第3、第4の絞り羽根を使って、前記露出開口を全開する開放位置から全閉する閉鎖位置に至る領域を二つに区画し、その第1の領域では5角形以上の多角形絞り開口を形成し、第2の領域では4角形絞り開口を形成し、その前記多角形絞りの絞り開口を形成する第1の領域内の所定の絞り開口を減光フィルタで覆い被せ光量を増減させることで、フレア現象によって生ずる画像模様が多角形となり違和感が抑制され画質品位が向上すると共に、回折による解像度の劣化を低減しつつ、減光フィルタや絞り羽根が安定して動作する光量調整装置を提供することが出来る。
【0017】
また本願の請求項3に記載の光量調整装置では、絞り装置として用いる場合には第1の領域内で作動されることによって、絞り作動範囲内では5角形以上の多角形絞り開口が維持され、画質品位の高い画像撮影が可能である。また絞り兼用シャッタ装置として用いる場合には第1第2の領域内で作動することによって、4角形絞り開口を形成する第2の領域を使って露出開口を閉鎖することが出来、シャッタ装置として兼用することが出来る。
【0018】
また本願の請求項4に記載の光量調整装置では、第1、第2、第3、第4の絞り羽根はこの順序で前記地板上に重ねられ、相対的変位量が大きい互いに隣り合う前記第2及び第3の絞り羽根で前記第2の領域内で4角形絞りを形成するとともに、相対的変位量が小さい前記第1及び第4の絞り羽根の移動方向先端部を前記第2及び第3の絞り羽根の移動方向後端部に重ね前記露出開口の開放側を覆うことによって、第1に、小絞り側の絞り開口を互いに隣り合う前記第2及び第3の絞り羽根で形成することで、羽根同士の隙間を最小限に抑えることが出来、斜めから入射光を遮蔽することで開口量を正確に制御可能。第2に、小絞り側の絞り開口を形成する相対的変位量が大きい前記第2及び第3の絞り羽根の移動方向後端部を相対的変位量が小さい前記第1及び第4の絞り羽根の移動方向先端部を重ね露出開口の開放側を覆うことで、小絞り時に前記露出開口の開放側で光漏れを起こすことが無く、前記第2及び第3の絞り羽根の小さくすることが出来、光量調節装置の小型化を図ることが可能。
【0019】
また本願の請求項5に記載の光量調整装置では、前記減光フィルタとして単一濃度の単濃度フィルタ、複数の濃度領域を隣接する多段濃度フィルタ、濃度率が順次単調増減するグラディーションフィルタのいずれのフィルタでも用いること出来、上記請求項2乃至4に対応した効果を呈することが可能である。
【0020】
更に本願の請求項6に記載の光学機器では、上記請求項1及び5の何れか1項に記載の光量調節装置を搭載することで、上記請求項1乃至4に対応した効果を呈する画像撮影が可能な小型な機器を提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の光量調整装置を搭載した光学機器の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の光量調整装置の構成を説明するための断面図。
【図3】本発明の光量調整装置の絞り全開状態図。
【図4】本発明の光量調整装置の中絞り動作途中の状態図。
【図5】本発明の光量調整装置の小絞り動作途中の状態図。
【図6】本発明の光量調整装置の絞り全閉状態図。
【図7】本発明の光量調整装置の絞りとフィルタ動作タイミング図。
【図8】本発明の光量調整装置の絞り開口状態図。
【図9】本発明の光量調整装置の減光フィルタの構成を説明する説明図。
【図10】従来の光量調整装置の動作説明図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図示に基づき詳細に説明する。
【0023】
[光学機器の構成]
まず、本発明の光量調整装置を搭載した光学機器の全体構成について説明する。図1はその光学機器の構成を示すブロック図をしめすものである。
【0024】
図1において、光学機器Qは、まず光軸Q1に沿って前部レンズ群Q2、ズームレンズ群Q3、補正用レンズ群Q4、フォーカスレンズQ5で撮像光学系レンズが構成される。
そしてズームレンズ群Q3が光軸Q1に沿って前後に移動することによって、変倍動作が行われ、フォーカスレンズQ5が前後に移動することによって、焦点調整動作が行われる。
【0025】
光軸Q1上には、絞り駆動手段である絞り駆動部Baにより制御される遮光部材Bb、Bcが配置される。また、遮光部材Bb、Bcの前方には、遮光フィルタ駆動手段である遮光フィルタ駆動部Caにより光路に出し入れされる減光フィルタであるNDフィルタCbが配置される。なお、NDフィルタCbと遮光部材Bb、Bcとは互いに独立して制御される。
【0026】
遮光部材Bb、Bcの位置は、絞り開口検出手段Bdにより検出され、光量制御部Q8に絞り位置信号として入力される。また、NDフィルタCbの位置は、NDフィルタ検出部Ccにより検出され、光量制御部Q8にNDフィルタ位置信号として入力される。
【0027】
撮像光学系レンズを通過した被写体像は撮像素子Q6上で結像される。撮像素子Q6からの信号は画像処理回路Q7において画像データに変換されメモリーQ9に記憶され、必要に応じて標準テレビジョン信号に変換され、図示しない外部の記録部やテレビジョンモニタ等に出力される。
【0028】
光量制御部Q8には、画像処理回路Q7から被写体の光量信号が入力される。光量制御部Q8は、撮像素子Q6に入射する光量が一定になるように、絞り検出部BdとNDフィルタ検出部Ccの出力を参照しながら、絞り駆動部Baと、NDフィルタ駆動部Caとに制御信号を出力する。
【0029】
[光量調整装置の構成]
次に、本発明の光量調整装置の全体構成について説明する。図2は、その光量調整装置の断面図を示す。
図中、Aは光量調整装置で、絞り装置Bと遮光フィルタ装置Cから構成され、上述の光学機器に搭載され、光学機器の光量を調整している。尚、絞り装置Bと遮光フィルタ装置Cは後述する絞り羽根と遮光フィルタを摺動する空間を中央部位に形成した状態で紙面上下から重ね合わされている。
【0030】
[絞り装置の構成]
絞り装置Bは、絞り基板B0と、絞り駆動手段である絞り駆動部Baと、遮光部材Bb、Bcと、絞り羽根支持プレートD1、D2とから成る。また絞り駆動部Baは、絞り駆動アームB1と、マグネットB2と、下コイル枠B3と、上コイル枠B4と、ヨークB5と、導電コイルB6と、導電端子B7と、絞り開口検出手段B8とから構成されている。
【0031】
絞り基板B0は、樹脂を成形加工したもので、絞り羽根支持プレートD1を載置する平面中央部位に露出開口B0cを形成すると共に、絞り駆動部Baの取付基準部材と成る上コイル枠B4を係合支持するコイル枠支持爪部B0aと、遮光フィルタ装置Cの遮光フィルタ基板C0と支持係合するフィルタ基板支持爪部B0bとを形成する。
尚、コイル枠支持爪部B0aとフィルタ基板支持爪部B0bは支持のために少なくとも二箇所以上形成されている。
【0032】
絞り駆動アームB1は、絞り基板B0同様に樹脂を成形加工したもので、中心部に回転軸B1aと、回転軸B1aの上部から径方向左右に伸びたアーム部に直立形成された駆動ピンB1b、B1c、B1d、B1eを形成する。
尚、回転軸B1aの上端部は曲面の頂部を摺動当接面とし、下端部は軸周面を摺動当接面としている。また、上端部の頂部が回転基準となる様に、後述するマグネットB2とヨークB5との位置関係から紙面上方に磁気的に付勢支持されている。
【0033】
マグネットB2は、ネオジ磁石を中空円柱形状に成形したNS2極の異方性マグネットで、その中空部に絞り駆動アームB1の回転軸B1aが図示の様に貫通した状態で接着剤により接着され、絞り駆動アームB1と一体化されマグネットロータを形成している。
【0034】
下コイル枠B3と上コイル枠B4は、同様に樹脂成形加工部品で、それぞれ絞り駆動アームB1に形成された回転軸B1aの端部を摺動可能に支持する軸受を形成し、下コイル枠B3の内部に上記マグネットロータを挿入し、その上から上コイル枠B4を被せ、マグネットロータを回転可能に保持すると共に、外周部に形成した凹溝に沿って導電コイルB6が巻回される。
【0035】
ヨークB5は、鉄系の軟磁性材で作られた円筒状の管で、マグネットB2の磁気回路を形成すると共に、外部と磁気シールドしている。
実施製品では上述した様に図示のものと多少異なり、ヨークB5の上下中央部位置が、マグネットB2の上下中央部位置に対し紙面上方になる様に、マグネットB2の寸法に対しヨークB5の寸法が決められ、図示の様なヨークB5の寸法にする樹脂性のリング(不図示)が嵌め込まれる。
【0036】
導電コイルB6は、駆動コイルと制動コイルから成り、それぞれ適宜巻回される。尚、駆動回路の構成によっては制動コイルは巻回しなくてもよい。
【0037】
導電端子B7は、導電コイルB6の駆動コイルに駆動電流を供給する駆動端子B7aと、制動コイルに発生した起電力を取り出すための制動端子B7bから成り、図示せぬフレキシブルプリント配線板を介し図1で示す光量制御部Q8に電気的に接続されている。
【0038】
絞り開口検出手段B8は、図示の様に下コイル枠B3とヨークB5との隙間に差し込まれ、マグネットB2とヨークB5間の磁気回路内に配設され、マグネットB2の回転に伴い変化する磁界の変化を捉えることが出来るホール素子から成り、その出力側は光量制御部Q8と電気的に接続されている。
実際に、絞り開口検出手段B8はマグネットB2の回転に伴いう磁界の変化を電圧(電流)の変化として光量制御部Q8に出力し、光量制御部Q8はその出力変化を捉え絞りの変化として捕らえている。この結果、光量制御部Q8は絞りが適正値に無い場合は、適正な絞りになる様に絞り駆動部Baを制御している。
【0039】
絞り羽根支持プレートD1、D2は、ステンレス鋼(SUS)の板材をプレス加工した平板で、遮蔽部材Bb、Bcに対峙する面上に、遮蔽部材Bb、Bcとの接触面積を低減させ摺動性を高めるための突起が少なくとも三個以上形成されている。
【0040】
次に、遮光部材Bb、Bcについて図3乃至図6に基づき詳述する。図3は絞り全開状態図、図4は中絞り動作状態図、図5は小絞り動作状態図、図6は絞り全閉状態図、図7は絞りとフィルタ動作タイミング図、図8は絞り開口状態図をそれぞれ示している。
【0041】
[遮光部材の絞り構成]
遮光部材Bb、Bcは、図3で示す様に4枚の絞り羽根から成り、光軸を中心に露出開口B0cを形成する絞り地板B0上に移動可能に支持され、互いに前記光軸を中心に相反方向に移動する。
まず遮光部材Bbは、同一方向に変位する異なる相対的変位量をもつ第1の絞り羽根S1と、この第1の絞り羽根S1より相対的変位量が大きい第2の絞り羽根S2とで構成されている。
次に遮光部材Bcは、遮光部材Bbと相反方向に変位する異なる相対的変位量をもつ第3の絞り羽根S3と、この第3の絞り羽根S3より相対的変位量が小さい第4の絞り羽根S4とで構成されている。
これら第1の絞り羽根S1乃至第4の絞り羽根S4は、それぞれ絞り駆動部Baの絞り駆動アームB1に形成された駆動ピンB1b、B1c、B1d、B1eと係合するスリットS1a乃至S4aを有し駆動連結され、それぞれ光軸を中心に露出開口B0cを形成する絞り地板B0上に移動可能に支持されている。
【0042】
[遮光部材の絞り開口形成]
この第1の絞り羽根S1乃至第4の絞り羽根S4は、絞り駆動手段である絞り駆動部Baの絞り駆動アームB1に形成された駆動ピンB1b、B1c、B1d、B1eにより同時にそれぞれ絞り地板B0に許容ガイドされる方向に駆動制御される。
また第1の絞り羽根S1乃至第4の絞り羽根S4は、この順序で絞り地板B0上に重ねられ、絞り駆動アームB1の駆動ピンB1b、B1c、B1d、B1eのアーム長に応じ異なる相対的変位量をもって、図3で示す絞り全開状態から、図4で示す中絞り動作途中の状態、図5で示す小絞り動作途中の状態を介し、図6で示す絞り全閉状態に移動可能である。
尚、絞りの開口形状から、絞り地板B0の露出開口B0cを全開する開放位置から全閉する閉鎖位置に至る領域を二つに区割することが出来、その第1の領域では第1、第2、第3、第4の絞り羽根S1乃至S4で5角形以上の多角形絞り開口を形成し、第2の領域では4角形絞り開口を形成し、前記露出開口B0cを順次絞り込む。
【0043】
つまり、第1の領域では相対的変位量の異なる第1、第2、第3、第4の絞り羽根S1乃至S4の全て使って絞り開口を形成させることで露出開口B0c内に5角形以上の多角形絞り開口を形成する。また第2の領域内では、相対的変位量が大きい互いに隣り合う第2の絞り羽根S2及び第3の絞り羽根S3により4角形絞り開口を形成させ、相対的変位量が小さい第1の絞り羽根S1及び第4の絞り羽根S4の移動方向先端部を第2の絞り羽根S2及び第3の絞り羽根S3の移動方向後端部に重ねることで、第2の絞り羽根S2及び第3の絞り羽根S3により遮蔽し得ない露出開口B0cの開放側(周辺部)を覆う様に補助羽根として用いている。
【0044】
この結果、小絞り側の絞り開口を互いに隣り合う第2の絞り羽根S2及び第3の絞り羽根S3で形成することで、羽根同士の隙間を最小限に抑えることが出来、斜めから入射光を遮蔽することで開口量を正確に制御可能にしている。
また、第2の領域で第1の絞り羽根S1及び第4の絞り羽根S4を補助羽根として用いることで、第2の絞り羽根S2及び第3の絞り羽根S3の露出開口B0cを覆う部分の幅寸法を小さくすることが出来、光量調節装置の小型化を図っている。
【0045】
図6及び図7で示す様に、光量調整装置を絞り装置として用いる場合には、この5角形以上の多角形絞り開口を形成する第1の領域内で、被写体からの光量に応じて絞りを絞ったり、広げたりすることで、フレア現象の発生を最低限に抑えると共に、フレア現象によって生ずる画像模様が多角形となり違和感が抑制され画質品位を向上することが出来る。
【0046】
また、光量調整装置を絞り兼用シャッタ装置として用いる場合には、まず第1の領域を使って適正な絞り開口を決定し、4角形絞り開口を形成する第2の領域を使って露出開口B0cを閉鎖するまでシャッタ時間で露光量を調整する。
【0047】
[遮光フィルタ装置の構成]
次に遮光フィルタ装置Cについて図2に基づき詳述する。遮光フィルタ装置Cは、遮光フィルタ基板C0と、遮光フィルタ駆動手段であるフィルタ駆動部Caと、遮光フィルタ部材Cbとから成る。またフィルタ駆動部Caは、フィルタ駆動アームC1と、マグネットC2と、下コイル枠C4と、上コイル枠C3と、ヨークC5と、導電コイルC6と、導電端子C7と、フィルタ位置検出手段C8とから構成されている。
【0048】
フィルタ基板C0は、樹脂を成形加工したもので、遮光フィルタCb1を載置する平面以外に、フィルタ駆動部Caの取付基準部材と成る下コイル枠C4を係合支持するコイル枠支持爪部C0aと、絞り装置Bの絞り基板B0と支持係合する絞り基板係合部C0bとを形成する。
尚、コイル枠支持爪部C0aと絞り基板係合部C0bは平衡に支持するために少なくとも二箇所以上形成されている。
【0049】
フィルタ駆動部Caの駆動アームC1は、フィルタ基板C0同様に樹脂を成形加工したもので、中心部に回転軸C1aと、回転軸C1aの下部から径方向左右に伸びたアーム部に直立形成された駆動ピンC1bを形成する。
尚、回転軸C1aの下端部は曲面の頂部を摺動当接面とし、上端部は軸周面を摺動当接面としている。また、下端部の頂部が回転基準となる様に、後述するマグネットC2とヨークC5との位置関係から紙面下方に磁気的に付勢支持されている。
【0050】
マグネットC2は、ネオジ磁石を中空円柱形状に成形したNS2極の異方性マグネットで、その中空部にフィルタ駆動アームC1の回転軸C1aが図示の様に貫通した状態で接着剤により接着され、フィルタ駆動アームC1と一体化されマグネットロータを形成している。
【0051】
上コイル枠C3と下コイル枠C4は、同様に樹脂成形加工部品で、それぞれフィルタ駆動アームC1に形成された回転軸C1aの端部を摺動可能に支持する軸受を形成し、上コイル枠C3の内部に上記マグネットロータを挿入し、その下側から下コイル枠C4を被せ、マグネットロータを回転可能に保持すると共に、外周部に形成した凹溝に沿って導電コイルC6が巻回される。
【0052】
ヨークC5は、鉄系の軟磁性材で作られた円筒状の管で、マグネットC2の磁気回路を形成すると共に、外部と磁気シールドしている。
実施製品では上述した様に図示のものと多少異なり、ヨークC5の上下中央部位置が、マグネットC2の上下中央部位置に対し紙面下方になる様に、マグネットC2の寸法に対しヨークC5の寸法が決められ、図示の様なヨークC5の寸法にする樹脂性のリング(不図示)が嵌め込まれる。
【0053】
導電コイルC6は、駆動コイルと制動コイルから成り、それぞれ適宜巻回される。尚、駆動回路の構成によっては制動コイルを巻回しなくてもよい。
【0054】
導電端子C7は、導電コイルC6の駆動コイルに駆動電流を供給する駆動端子C7aと、制動コイルに発生した起電力を取り出すための制動端子C7bから成り、図示せぬフレキシブルプリント配線板を介し図1で示す光量制御部Q8に電気的に接続されている。
【0055】
フィルタ開口検出手段C8は、図示の様に上コイル枠C3とヨークC5との隙間に差し込まれ、マグネットC2とヨークC5間の磁気回路内に配設され、マグネットC2の回転に伴い変化する磁界の変化を捉えることが出来るホール素子から成り、その出力側は光量制御部Q8と電気的に接続されている。
実際に、フィルタ開口検出手段B8はマグネットC2の回転に伴いう磁界の変化を電圧(電流)の変化として光量制御部Q8に出力し、光量制御部Q8はその出力変化を捉えフィルタ位置を捕らえている。
【0056】
[遮光フィルタ]
この光量制御部Q8は絞りが所定の絞り開口(F4又はF5.6)になったところで、絞り駆動部Baの作動を停止させた状態で、遮光フィルタCb1を絞り開口から退避した第1の位置とその絞り開口を全て覆う第2の位置との間を往復移動して前記所定絞り開口を通過する光量を増減させる。そして、フィルタ開口検出手段B8の出力を捕らえながら光量変化に応じ遮光フィルタCb1を絞りに覆い被せることで、絞り値(F11又はF16)に絞り込むように制御している。
【0057】
この減光フィルタCb1は、単一濃度の単濃度フィルタ、複数の濃度領域を隣接する多段濃度フィルタ、濃度率が順次単調増減するグラディーションフィルタを選択でき、遮光フィルタ部材Cbを構成するフィルタ羽根に接着剤を使って貼り付けられている。
【0058】
[絞り制御動作]
次に、光量調整装置を絞り装置として用いる場合について図3乃至図9に基づきその絞り制御の一連動作を説明する。
【0059】
[絞り全開状態]
まず図3で示す絞り全開状態について説明する。この絞り全開状態では、被写体からの光量が低く、絞り駆動部Baの絞り駆動アームB1に対しそれぞれ係合する第1の絞り羽根S1、第2の絞り羽根S2、第3の絞り羽根S3、第4の絞り羽根S4の全てが露出開口B0cから退避した退避位置に保持されている。
【0060】
[中絞り状態]
次に、図4で示す中絞り状態について説明する。この中絞り状態では、被写体からの光量が多少高くなり、多少光量を絞る必要がある場合で、絞り駆動アームB1が紙面時計方向に回転し、絞り駆動アームB1のアーム長に応じた相対的移動量だけ第1の絞り羽根S1、第2の絞り羽根S2、第3の絞り羽根S3、第4の絞り羽根S4のそれぞれが同期して露出開口B0c内に進入し、図示の様に10角形の絞り開口を形成し光量を絞り込む。尚、図示は10角形の絞り開口を図示しているが、4枚の絞り羽根の絞り形状と相対移動変化を調整することで、後述する4角形の絞り開口を形成するまでの間に、14角形、10角形、8角形、6角形と順次絞り開口を変化させることが出来、画像品位をカメラが得意とするそれぞれの光量に対するボカシ画像に変化させることが可能。
【0061】
[小絞り状態]
次に、図5で示す小絞り状態について説明する。この小絞り状態では、被写体からの光量が可也高くなり、これ以上絞り込むと回折現象が発生し、画質品位を下げる限界の絞り状態であり、図示で示す様に、相対的移動量の小さい第1の絞り羽根S1に対し相対的移動量の大きな第2の絞り羽根S2が先行し、他方、相対的移動量の小さい第4の絞り羽根S4に対し相対的移動量の大きい第3の絞り羽根S3が同様に先行移動することで、相対的移動量の大きな第2の絞り羽根S2と第3の絞り羽根S3によって露出開口B0c内に図示の様な4角形の絞り開口を形成し光量を絞り込む。この絞り開口の状態は、常時絞り駆動部Baの絞り開口検出手段B8で検出され、その情報は光量制御部Q8に伝えられる。
【0062】
[減光フィルタ絞り状態]
次に、図9で示す減光フィルタ絞り状態について説明する。この減光フィルタ絞り状態では、被写体からの光量が更に高くなり、光量を減光させる必要がある場合で、図5で示す絞り羽根による絞り込みが出来ない状態での減光方法で、図示で示す様に、図5で示す小絞り状態を絞り開口検出手段B8が検出し、絞り開口検出手段B8の出力データを監視する光量制御部Q8が捕らえ、絞り駆動部Baの絞り駆動アームB1をその位置に保持する様に制御し、図5で示す小絞り状態に保持する。その状態で、光量制御部Q8は内臓するCPUで適正に減光できる減光フィルタCb1の移動量を決定し、フィルタ駆動部Caのフィルタ駆動アームC1を適正位置に回動し、減光フィルタCb1の移動を制御する。
【0063】
以上の動作を被写体からの光量の変化に応じて第1の絞り羽根S1、第2の絞り羽根S2、第3の絞り羽根S3、第4の絞り羽根S4、減光フィルタCb1の移動位置を制御して光量調整を行う。
【0064】
[絞り兼用シャッタ動作]
次に光量調整装置を絞り兼用シャッタ装置として用いる場合について説明する。絞り動作は上記同様な制御がなされ、シャッタ機能として絞り開口を完全に閉鎖する必要が有る。従って、絞り兼用シャッタ装置としては、絞り制御を絞り開口が5角形以上の多角形で絞り込まれる第1の領域を使って制御され、所定のタイミングでシャッタを閉鎖する為に4角形で絞り開口を形成する第2の領域を利用している。この第1、第2の領域を使い分けることで、画質品位を決める絞り動作時は5角形以上の多角形で画質品位の高い第1領域を、画質品位にさほど関与しないシャッタ動作時は装置のコンパクト化のために形成させた4角形の第2領域を使うことで、画質品位が高く、しかも装置外形がコンパクトな装置とすることが出来る。
【0065】
尚、コンパクト化を重視しなければ、先に説明した様に第2の領域内で、相対的変位量が大きい互いに隣り合う第2の絞り羽根S2及び第3の絞り羽根S3により4角形絞り開口を形成させ、相対的変位量が小さい第1の絞り羽根S1及び第4の絞り羽根S4の移動方向先端部を第2の絞り羽根S2及び第3の絞り羽根S3の移動方向後端部に重ねることで、第2の絞り羽根S2及び第3の絞り羽根S3により遮蔽し得ない露出開口B0cの開放側(周辺部)を覆う様に補助羽根として用いる必要が無く、第1の絞り羽根S1と第4の絞り羽根S4を絞り開口形成に使うことで5角形以上の多角形で絞り込みを行うことも出来る。
【符号の説明】
【0066】
Q 光学機器
A 光量調整装置
B 絞り装置(絞り兼用シャッタ装置)
Bb、Bc 遮光部材
S1〜S4 絞り羽根
B0 絞り基板
B1 絞り駆動アーム
B2 マグネットロータ
B3 下コイル枠
B4 上コイル枠
B5 ヨーク
B6 導電コイル
B7 導電端子
B8 絞り開口検出手段
C 遮光フィルタ装置
Cb 遮光フィルタ部材
Cb1 遮光フィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸を中心に露出開口を形成する地板と、
前記地板上に移動可能に支持され、互いに前記光軸を中心に相反方向に移動する第1及び第2の遮光部材から成り、前記第1の遮光部材は、同一方向に変位する異なる相対的変位量をもつ第1の絞り羽根と、この第1の絞り羽根より相対的変位量が大きい第2の絞り羽根とで構成され、前記第2の遮光部材は、前記第1の遮光部材と相反方向に変位する異なる相対的変位量をもつ第3の絞り羽根と、この第3の絞り羽根より相対的変位量が小さい第4の絞り羽根とで構成され、前記露出開口を全開する開放位置から全閉する閉鎖位置に至る領域を二つに区画し、その第1の領域では前記第1乃至第4の絞り羽根で5角形以上の多角形絞り開口を形成し、第2の領域では相対的変位量が小さい前記第1及び第4の絞り羽根の移動方向先端部を前記第2及び第3の絞り羽根の移動方向後端部に重ね前記露出開口の開放側を覆い、相対的変位量が大きい互いに隣り合う前記第2及び第3の絞り羽根で4角形絞りを形成し、前記露出開口を順次絞り込む絞り部材と、
前記第1、第2、第3、第4の絞り羽根を同時に駆動制御する絞り駆動手段と、
前記絞り部材が形成する前記絞り開口を検出する絞り開口検出手段と、
から成ることを特徴とした光量調節装置。
【請求項2】
光軸を中心に露出開口を形成する地板と、
前記地板上に移動可能に支持され、互いに前記光軸を中心に相反方向に移動する第1及び第2の遮光部材から成り、前記第1の遮光部材は、同一方向に変位する異なる相対的変位量をもつ第1の絞り羽根と、この第1の絞り羽根より相対的変位量が大きい第2の絞り羽根とで構成され、前記第2の遮光部材は、前記第1の遮光部材と相反方向に変位する異なる相対的変位量をもつ第3の絞り羽根と、この第3の絞り羽根より相対的変位量が小さい第4の絞り羽根とで構成され、前記露出開口を全開する開放位置から全閉する閉鎖位置に至る領域を二つに区画し、その第1の領域では5角形以上の多角形絞り開口を形成し、第2の領域では前記第1及び第4の絞り羽根を補助羽根として前記第2及び第3の絞り羽根で4角形絞り開口を形成し、前記露出開口を順次絞り込む絞り部材と、
前記第1、第2、第3、第4の絞り羽根を同時に駆動制御する絞り駆動手段と、
前記絞り部材が前記多角形絞りの絞り開口を形成する前記第1の領域内の所定の絞り開口を少なくとも検出する絞り開口検出手段と、
前記絞り部材によって形成された前記所定の絞り開口から退避した第1の位置とその絞り開口を全て覆う第2の位置との間を往復移動して前記所定絞り開口を通過する光量を増減させることが可能な減光フィルタと、
前記絞り開口検出手段が検出する前記所定の絞り開口で前記減光フィルタを第1の位置から第2の位置に移動させるフィルタ駆動手段と、
から成ることを特徴とした光量調節装置。
【請求項3】
前記光量調整装置は絞り装置又は絞り兼用シャッタ装置として用いられ、
絞り装置として用いる場合には第1の領域内で作動され、
絞り兼用シャッタ装置として用いる場合には第1第2の領域内で作動する請求項1及び2に記載の光量調整装置。
【請求項4】
前記第1、第2、第3、第4の絞り羽根はこの順序で前記地板上に重ねられ、相対的変位量が大きい互いに隣り合う前記第2及び第3の絞り羽根で前記第2の領域内で4角形絞りを形成するとともに、相対的変位量が小さい前記第1及び第4の絞り羽根の移動方向先端部を前記第2及び第3の絞り羽根の移動方向後端部に重ね前記露出開口の開放側を覆うことを特徴とした請求項1及び2に記載の光量調節装置。
【請求項5】
前記減光フィルタは、単一濃度の単濃度フィルタ、複数の濃度領域を隣接する多段濃度フィルタ、濃度率が順次単調増減するグラディーションフィルタから成る請求項2に記載の光量調節装置。
【請求項6】
請求項1及び5の何れか1項に記載の光量調節装置を用いた光学機器であって、
前記撮像面に配置され、前記光量調節装置を通った被写体光を光電変換して撮像信号を生成する撮像手段を具備することを特徴とする光学機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−78556(P2012−78556A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−223606(P2010−223606)
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【出願人】(000231589)ニスカ株式会社 (568)
【Fターム(参考)】