説明

免震装置における耐火被覆構造

【課題】耐火性能を低下させることなく、耐火被覆材の覆いを簡単に外す構成とすることで、点検作業の効率化を図ることができる。
【解決手段】上部柱4Aと下部柱4Bとの間に鋼板とゴムシートを交互に積層させた積層ゴム2を配置させた免震装置において、積層ゴム2の側面周囲に上下方向に所定の間隔をもって配置される複数のリング部材11と、リング部材11同士を上下方向に連結する圧縮ばね部材12と、リング部材11の外周側で積層ゴム2の周囲を覆うようにして配置され、固定ボルトによってリング部材11に係止される変形性を有する耐火ブランケット5とを備え、最上部に位置するリング部材11を上部柱4Aに、および最下部に位置するリング部材11を下部柱4Bにそれぞれ当接させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上部構造物と下部構造物との間に積層ゴムを配置させた免震装置における耐火被覆構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、積層ゴムに代表される免震装置を建物の一般階の柱の途中に設置する構造中間階免震構造において、火災の発生により免震装置が消失することを避けるために免震装置部を耐火被覆構造とすることが必要とされている。
そして、積層ゴム等の免震装置にあっては、免震装置そのものに耐火性能がないため、免震装置の周囲を耐火被覆パネル等で覆って耐火被覆を施すことにより必要な耐火性能をもたせている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、四角柱の下端に固定されたすべり支承の周囲を囲う4枚の耐火ボード(耐火被覆パネル)と、この四角柱の下方に隣接する基礎フーチングの上端に固定された滑り板を被覆する耐火ブランケットとから構成され、耐火ボード同士の間および耐火ボードと四角柱との間に耐火ブランケットを詰めた状態で、各耐火ボードがそれぞれ四角柱の下端周部にボルトで固定された構造について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−57228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の免震装置の耐火被覆構造では、以下のような問題があった。
すなわち、特許文献1で開示されている耐火被覆パネルは柱下端にボルトによって固定され、且つ部材間に耐火ブランケットを詰めて隙間をなくした構成とされ、これにより積層ゴムなどの免震装置の周囲を隙間なく覆って必要な耐火性能を確保しつつ、地震時に建物に変位が生じる場合であってもその耐火性能が低下しない構造となっている。
一方で、免震装置の積層ゴムに損傷や錆の発生等の異常がないかどうかを定期的に、或いは地震が起きた後等に臨時的に目視点検を行うことが必要とされている。そのため、目視点検時には、柱に固定されている複数枚の耐火被覆パネルを取り外し、点検後に再度取り付けるといった手間のかかる作業が必要となり、点検作業の負担になっており、その点で改良の余地があった。
【0006】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、耐火性能を低下させることなく、耐火被覆材の覆いを簡単に外す構成とすることで、点検作業の効率化を図ることができる免震装置における耐火被覆構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る免震装置における耐火被覆構造では、上部構造物と下部構造物との間に鋼板とゴムシートを交互に積層させた積層ゴムを配置した免震装置における耐火被覆構造であって、積層ゴムの側面周囲に上下方向に所定の間隔をもって配置される複数の枠状支持部材と、枠状支持部材同士を上下方向に連結する圧縮ばね部材と、枠状支持部材の外周側で積層ゴムの周囲を覆うようにして配置され、固定部材によって枠状支持部材に係止される変形性を有する耐火被覆材とを備え、最上部に位置する枠状支持部材が上部構造物に、および最下部に位置する枠状支持部材が下部構造物にそれぞれ当接する構成としたことを特徴としている。
【0008】
本発明では、枠状支持部材によって支持される耐火被覆材によって積層ゴムの側面周囲が覆われているので、積層ゴムが火災の影響を受けない構造となっている。そして、上下に隣り合う枠状支持部材同士が圧縮ばね部材によって連結されていて互いに水平方向に移動可能であり、また耐火被覆材自体が変形性を有する部材から形成されていることから、地震によって構造物に外力が入力され、積層ゴムにせん断変形が生じたときに、枠状支持部材とともに耐火被覆材も積層ゴムの水平方向或いは上下方向の変位に追従して変形する。そして、地震の終了時で積層ゴムの変位がなくなると、耐火被覆材も枠状支持部材とともに元の状態に戻ることになる。
このとき、変位に伴って耐火被覆材に隙間が生じることもなく、また耐火被覆材やそれを支持する枠状支持部材が破損するといった不具合もないので、耐火被覆構造を長期的に維持することができる。
【0009】
また、積層ゴムの点検時には、耐火被覆材を枠状支持部材とともに圧縮ばね部材の付勢に抗して押し下げる、又は押し上げることにより、耐火被覆材が上下方向に縮み、耐火被覆材と上部構造物あるいは下部構造物との間に開口が設けられ、この開口において積層ゴムの目視等による点検作業を行うことができる。例えば、耐火被覆材を押し下げることで、積層ゴムの上部を点検することができる。そして、この開口部にスペーサを介在させれば、開口状態を維持した状態で点検作業を行うことも可能である。
このように、耐火被覆材と上下部構造物とが固定されていない構成であり、耐火被覆材を押し下げる、又は押し上げるといった簡単な作業により積層ゴムを覆う所定範囲から耐火被覆材を外すことができ、従来のようにボルト等の固定手段によって耐火被覆材を覆ったり、取り外したりする構造に比べて、着脱にかかる手間を少なくすることができる。
【0010】
また、本発明に係る免震装置における耐火被覆構造では、耐火被覆材は、その外側から固定部材を貫通させて枠状支持部材に固定されていることが好ましい。
本発明では、枠状支持部材や圧縮ばね部材を積層ゴムの周囲に組み立てた状態で、その枠状支持部材に対して耐火被覆材を配置し、その耐火被覆材の外側から例えばボルトやピンなどの固定部材により固定することができるため、耐火被覆材を交換も容易に行うことが可能である。
【0011】
また、本発明に係る免震装置における耐火被覆構造では、複数の枠状支持部材は、圧縮ばね部材を圧縮させた状態で上部構造物と下部構造物との間に介装されていることが好ましい。
本発明では、上部構造物と下部構造物との間に介装されている状態で、圧縮ばね部材が圧縮されて伸張する方向に付勢されているので、上部構造物の下面と下部構造物の上面とに対して枠状支持部材が押圧した状態となる。そのため、枠状支持部材に取り付けられる耐火被覆材との間の隙間が無くなり、耐火被覆としての機能を発揮することができる。
【0012】
また、本発明に係る免震装置における耐火被覆構造では、耐火被覆材は、上部構造物と下部構造物との間の間隔よりも長い寸法であることがより好ましい。
本発明では、枠状支持部材によって支持された耐火被覆材を上部構造物と下部構造物との間に配置させた状態で、耐火被覆材の上下端部を上部構造物と下部構造物に対してそれぞれオーバーラップさせることができ、上下部構造物と耐火被覆材との間で隙間を形成させないようにすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の免震装置における耐火被覆構造によれば、耐火被覆材が積層ゴムの変形に追従し、通常時および地震時のいずれの状態であっても積層ゴムの側面周囲が耐火被覆材で覆われているので耐火性能の低下を防ぐことができるうえ、積層ゴムの点検時には、耐火被覆材を枠状支持部材とともに圧縮ばね部材の付勢に抗して押し下げる、又は押し上げることにより、耐火被覆材の覆いを簡単に外すことができることから、積層ゴムの点検作業の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態による免震装置における耐火被覆構造を側方から見た断面図である。
【図2】図1に示す耐火被覆構造部の側断面図である。
【図3】図2に示す耐火被覆構造部の斜視図であって、耐火ブランケットを省略した図である。
【図4】分割した状態のリング部材の平面図である。
【図5】図2に示す耐火被覆材の固定状態の要部拡大断面図である。
【図6】地震時における免震装置の変位状態を示す図であって、図1に対応する図である。
【図7】(a)、(b)は積層ゴムの点検状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態による免震装置における耐火被覆構造について、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施の形態による免震装置における耐火被覆構造1は、積層ゴム2の側面周囲を覆うようにして支持部材10によって支持された耐火ブランケット5(耐火被覆材)を備えた免震装置に適用するものである。
【0016】
積層ゴム2は、上部柱4A(上部構造物)と下部柱4B(下部構造物)との間に鋼板とゴムシートとを交互に積層させて一体的に形成され、水平断面形状が円形をなし、この上下両端面それぞれに円盤状のフランジ板3A、3Bが設けられた構成となっている。
そして、フランジ板3A、3Bがそれぞれ上部柱4A、下部柱4Bに取り付けられている。フランジ板3A、3Bは、それぞれ積層ゴム2の外径寸法より大きな外径寸法をなし、外周側に沿って複数本のボルト(図示省略)によって柱に固定されている。
【0017】
図1乃至図3に示すように、耐火ブランケット5を内側から支持する保持部材10は、積層ゴム2の側面周囲に上下方向に所定の間隔をもって配置される複数のリング部材11、11、…(枠状支持部材)と、リング部材11、11同士を上下方向に連結する圧縮ばね部材12、12、…と、リング部材11の外周側に耐火ブランケット5を固定する固定ボルト13とを備えて概略構成されている。そして、最上部に位置するリング部材11(図1で符号111)が上部柱4Aの下面4aに、および最下部に位置するリング部材11(図1で符号112)が下部柱4Bの上面4bにそれぞれ当接している。
【0018】
図4に示すように、リング部材11は、耐火ブランケット5の内径寸法と略同径をなし、二分割された半円形リング11A、11Bからなり、各半円形リング11A、11Bの周方向両端面に径方向外側に張り出す係合リブ11aが設けられている。半円形リング11A、11Bの係合リブ11a、11a同士を合わせて、図示しないボルト等によって接合されている。
【0019】
図2および図3に示すように、リング部材11の上面及び下面には、圧縮ばね部材12を取り付けるためのばね係止部11bが設けられている。この圧縮ばね部材12は、圧縮コイルばねが用いられ、圧縮方向を上下方向に向けて、上下端がそれぞれリング部材11のばね係止部11bに例えば溶接等の接合手段により固定されている。
【0020】
また、図1に示すように、複数のリング部材11は、圧縮ばね部材12を圧縮させた状態で上部柱4Aと下部柱4Bとの間に介装されている。このとき、圧縮ばね部材12が圧縮されて伸張する方向に付勢されているので、上部柱4Aの下面4aと下部柱4Bの上面4bとに対してリング部材11が押圧した状態で当接している。そのため、リング部材11に取り付けられる耐火ブランケット5との間の隙間が無くなり、耐火被覆としての機能を発揮することができるようになっている。
【0021】
また、図5に示すように、リング部材11には、周方向に所定の間隔をもってリング部材11の半径方向に沿って貫通する雌ねじ孔11cが複数設けられている。この雌ねじ孔11cは、固定ボルト13を螺合させるためのものである。
【0022】
図1および図5に示すように、耐火ブランケット5は、リング部材11の外周側で積層ゴム2の周囲を覆うようにして配置され、固定ボルト13によってリング部材11に係止されている。この耐火ブランケット5は、変形追従性を有する材料からなり、積層ゴム2の外径寸法より大きな径寸法をなし、その内周側で保持部材10によって支持されている。また、耐火ブランケット5には、後述するリング部材11の雌ねじ孔11cの位置に対応する位置に厚さ方向に貫通する挿通孔5aが設けられている。
【0023】
ここで、耐火ブランケット5として、例えばセラミックファイバークロス、ロックウール、グラスウール等の材料からなり、所定の火災温度に対する耐熱性および遮断性を有し、内側に配置される積層ゴム2が火災から確実に保護できるものであって、鉄骨の梁材や柱材の耐火被覆に用いられる周知の部材を採用することができる。
【0024】
なお、耐火ブランケット5は、上部柱4Aと下部柱4Bとの間の間隔よりも長い寸法であり、これにより耐火ブランケット5の上下端部を上部柱4Aと下部柱4Bに対してそれぞれオーバーラップさせることができ、上下の柱4A、4Bと耐火ブランケット5との間で隙間を形成させないようになっている。
【0025】
次に、上述した耐火被覆構造1の作用について図面を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、耐火被覆構造1では、リング部材11によって支持される耐火ブランケット5によって積層ゴム2の側面周囲が覆われているので、積層ゴム2が火災の影響を受けない構造となっている。
【0026】
ここで、耐火被覆構造1は、二分割されている半円形リング11A、11B(図5)を積層ゴム2の周囲で組み合わせ、複数のリング部材11、11どうしを圧縮ばね部材12によって連結する。その後、リング部材11の周囲に耐火ブランケット5を巻き付けるようにして配置するとともに、その外側から固定ボルト13で固定することにより組み立てられる。
【0027】
このようにして組みたてられた耐火被覆構造1は、上下に隣り合うリング部材11、11同士が圧縮ばね部材12によって連結されていて互いに水平方向に移動可能であり、また耐火ブランケット5自体が変形性を有する部材から形成されていることから、図6に示すように地震によって構造物に外力が入力され、積層ゴム2にせん断変形が生じたときに、リング部材11とともに耐火ブランケット5も積層ゴム2の水平方向或いは上下方向の変位に追従して変形する。そして、地震の終了時で積層ゴム2の変位がなくなると、耐火ブランケット5もリング部材11とともに元の状態に戻ることになる。
このとき、変位に伴って耐火ブランケット5に隙間が生じることもなく、また耐火ブランケット5やそれを支持する保持部材10が破損するといった不具合もないので、耐火被覆構造1を長期的に維持することができる。
【0028】
また、図7(a)に示すように、積層ゴム2の点検時には、耐火ブランケット5をリング部材11とともに圧縮ばね部材12の付勢に抗して矢印Y1方向に押し下げたり、又は図7(b)に示すように矢印Y2方向に押し上げることにより、耐火ブランケット5がリング部材11、11同士の間で折り畳まれるようにして上下方向に縮み、耐火ブランケット5と上部構造物の柱4Aあるいは下部構造物の柱4Bとの間に開口Sが設けられ、この開口Sにおいて積層ゴム2の目視等による点検作業を行うことができる。
つまり、図7(a)に示すように、耐火ブランケット5を押し下げることで、積層ゴム2の上部2aを点検することができ、図7(b)に示すように、耐火ブランケット5を押し上げることで、積層ゴム2の下部2bを点検することができる。そして、開口Sにスペーサ6(図7に示す二点鎖線)を介在させることで、開口状態を維持した状態で点検作業を行うことができる。
【0029】
このように、耐火ブランケット5と上下部構造物(柱4A、4B)とが固定されていない構成であり、耐火ブランケット5を押し下げる、又は押し上げるといった簡単な作業により積層ゴム2を覆う所定範囲から耐火ブランケット5を外すことができ、従来のようにボルト等の固定手段によって耐火被覆材を覆ったり、取り外したりする構造に比べて、着脱にかかる手間を少なくすることができる。
さらに、耐火ブランケット5の厚みを変更したり、重ねる枚数を増減したりすることができ、これにより必要な耐火性能を確保することができる。
【0030】
また、リング部材11や圧縮ばね部材12を積層ゴム2の周囲に組み立てた状態で、そのリング部材11に対して耐火ブランケット5を配置し、その耐火ブランケット5の外側から固定ボルト13により固定することができるため、耐火ブランケット5を交換も容易に行うことが可能である。
【0031】
上述のように本実施の形態による免震装置における耐火被覆構造では、耐火ブランケット5が積層ゴム2の変形に追従し、通常時および地震時のいずれの状態であっても積層ゴム2の側面周囲が耐火ブランケット5で覆われているので耐火性能の低下を防ぐことができるうえ、積層ゴム2の点検時には、耐火ブランケット5をリング部材11とともに圧縮ばね部材12の付勢に抗して押し下げる、又は押し上げることにより、耐火ブランケット5の覆いを簡単に外すことができることから、積層ゴム2の点検作業の効率化を図ることができる。
【0032】
以上、本発明による免震装置における耐火被覆構造の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施の形態ではリング部材11に対して耐火ブランケット5の外側から固定ボルト13を締め付けているが、このような固定部材であることに限定されることはない。例えば、固定ボルト13に代えて、溶接ピン(ピン状部材)を耐火ブランケット5に突き刺して挿通させ、そのピン先端をリング部材11に当接させた後、スタッド溶接により固定することも可能である。この溶接ピンの場合には、リング部材11に雌ねじ孔11cや耐火ブランケット5に挿通孔5aを設ける必要がないうえ、ボルト締めの手間もなくなる利点がある。
【0033】
また、本実施の形態では円形断面の積層ゴム2に対応させて円形状のリング部材11(枠状支持部材)を採用しているが、枠状支持部材は円形であることに限定されることはなく、矩形の部材であってもかまわない。例えば、矩形断面の橋脚を適用対象とする場合には、矩形の積層ゴムが用いられ、これに合わせて枠状支持部材も矩形のものを適用してもよい。なお、積層ゴム2が円形の場合でも、矩形の枠状支持部材を用いてもかまわない。
さらに、リング部材11の形状(径寸法)、数量(段数)、分割数などの構成、および圧縮ばね部材12の数量、位置、長さ寸法などの構成については、積層ゴム2の高さ寸法、形状、耐火ブランケット5の厚さ、材質などの条件に応じて適宜設定することができる。
【符号の説明】
【0034】
1 耐火被覆構造
2 積層ゴム
3A、3B フランジ板
4A 上部柱(上部構造物)
4B 下部柱(下部構造物)
5 耐火ブランケット(耐火被覆材)
10 保持部材
11 リング部材(枠状支持部材)
12 圧縮ばね部材
13 固定ボルト(固定部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部構造物と下部構造物との間に鋼板とゴムシートを交互に積層させた積層ゴムを配置した免震装置における耐火被覆構造であって、
前記積層ゴムの側面周囲に上下方向に所定の間隔をもって配置される複数の枠状支持部材と、
該枠状支持部材同士を上下方向に連結する圧縮ばね部材と、
前記枠状支持部材の外周側で前記積層ゴムの周囲を覆うようにして配置され、固定部材によって前記枠状支持部材に係止される変形性を有する耐火被覆材と、
を備え、
最上部に位置する前記枠状支持部材が前記上部構造物に、および最下部に位置する前記枠状支持部材が前記下部構造物にそれぞれ当接する構成としたことを特徴とする免震装置における耐火被覆構造。
【請求項2】
前記耐火被覆材は、その外側から前記固定部材を貫通させて前記枠状支持部材に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の免震装置における耐火被覆構造。
【請求項3】
複数の前記枠状支持部材は、前記圧縮ばね部材を圧縮させた状態で前記上部構造物と下部構造物との間に介装されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の免震装置における耐火被覆構造。
【請求項4】
前記耐火被覆材は、前記上部構造物と下部構造物との間の間隔よりも長い寸法であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の免震装置における耐火被覆構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−226118(P2011−226118A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−95849(P2010−95849)
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【Fターム(参考)】