説明

入力操作部品

【課題】各種電子機器の入力操作部に搭載され、ローラ状の操作部への操作で所定入力ができる入力操作部品に関し、回転操作時に歯切れのよい明快なクリック感触が非接触で付加された長寿命なものを提供する。
【解決手段】ローラ状の操作部21に、同じ二つのリング磁石31、32を互いに周方向で角度をずらして固着し、それらのリング磁石31、32が回転することにより発生する磁気変化を磁気検出素子71A、71Bで検出するものとすると共に、そのリング磁石31、32毎に同じ近接配置関係になるようにそれぞれ対応させて同じ磁極の固定磁石46、47を付設したことによって、リング磁石31と固定磁石46、リング磁石32と固定磁石47の二つの吸引反発状態が総和されて操作部21に付加され、それが回転時の歯切れのよい明快なクリック感触として感じられるものにできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種電子機器の入力操作部に搭載され、ローラ状の操作部への操作で所定入力ができる入力操作部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種電子機器の入力操作部に搭載される入力操作用の電子部品の中で、ローラ状の操作部を備えたものが多く使用されるようになってきた。
【0003】
そのような従来の入力操作部品について、図面を用いて以下に説明する。
【0004】
図12は従来の入力操作部品の正面断面図、図13は同分解斜視図、図14は同側面断面図である。
【0005】
同図において、1は、外形が略円柱形状に形成されたローラ状の操作部であり、その中央孔には中心軸部2が結合されている。そして、中心軸部2の両端部のそれぞれは、操作部1の円形側面部分から側方に突出しており、その各突出部分が取付部材3の側壁部に設けられた孔部に各々挿通されて回転可能に保持されている。なお、上記取付部材3は、2つの部材が結合されて枠状に形成されている。そして、上記保持部分から外方に突出した上記中心軸部2の各端部位置には、保持部材4を介して円筒状に形成されたリング磁石5(5A、5B)が操作部1と同軸で固定されている。
【0006】
そのリング磁石5A、5Bは同じものが用いられており、その着磁状態としては、所定の角度ピッチでN極とS極が交互に着磁されたものとなっている。そして、リング磁石5A、5Bどうしは、周方向で所定角度ずらされて保持部材4を介して中心軸部2に一体化されている。
【0007】
そして、6A、6Bは、磁気変化検出用の検出素子であり、側面視で上方開口コの字状に形成された基台7の側壁部内面にそれぞれ配されている。検出素子6Aは、中心軸部2の延長線上に位置を合わせてリング磁石5Aに所定間隔をあけて並べて配され、上記リング磁石5Aに対応している。検出素子6Bは、中心軸部2の延長線上に位置を合わせてリング磁石5Bに所定間隔をあけて並べて配され、上記リング磁石5Bに対応している。
【0008】
そして、上記枠状の取付部材3は、基台7に回動可能に保持されている。また基台7には、上記取付部材3の回動時に、上記取付部材3に設けられた突起で押されて作動する押圧スイッチ8を備えたフレキシブル配線板9が一体化されている。なお、上記フレキシブル配線板9は、基台7の側壁部内面まで延出された延出部分を有し、その延出部分に上述した検出素子6A、6Bが実装されていると共に、押圧スイッチ8および検出素子6A、6Bからの配線部を備えている。
【0009】
さらに、上記取付部材3には、板ばね材からなる弾性ばね部材10が固定されており、その弾性アーム先端は、断面正多角形に形成された中心軸2の略中央位置に弾接している。
【0010】
従来の入力操作部品は、以上のように構成され、続いてその動作について説明する。
【0011】
まず、操作部1の外周面に接線方向の力を加えて操作部1を回転操作すると、操作部1およびそれに結合した中心軸部2が回転する。これにより、その中心軸部2に一体化された両端のリング磁石5A、5Bも共回りし、その回転に応じて発生した磁気変化が、対応する検出素子6A、6Bで個々に検出される。このとき、上記リング磁石5A、5Bどうしは、所定角度ずらして中心軸部2に固定状態にされているため、検出素子6A、6Bからは、所定の位相差を持ったパルス信号が得られ、それにより回転方向や回転量が検出できる。
【0012】
また、それと同時に、取付部材3に固定された弾性ばね部材10の弾性アーム先端は、その操作部1の回転中つまり中心軸部2の回転中を含んで中心軸部2の断面正多角形状に形成された中央部分に弾接しているため、当該構成部位で所定のクリック感触が得られる。
【0013】
次に、操作部1を押し下げる操作をすると、操作部1を保持した取付部材3が基台7に対して回動して基台7に配された押圧スイッチ8が押圧され、そのスイッチ信号が得られるものに構成されているものであった。
【0014】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【特許文献1】特開2005−302654号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、上記従来の入力操作部品は、操作部1の回転状態は非接触で検出する仕様である反面、回転操作時のクリック感触を弾性ばね部材10の中心軸部2への弾接で得る構成としていたため、回転寿命回数が当該構成部位に支配されると共に、その中心軸部2の断面正多角形状に形成された中央部分が磨耗などすると得られるクリック感触も鈍いものになってしまうという課題があった。
【0016】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、操作部への回転操作時のクリック感触が非接触で生成され、しかもそのクリック感触としても歯切れのよい明快なものにできる構成とされた入力操作部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために本発明は、ローラ状に形成された操作部に同じ二つのリング磁石を上記操作部に同軸に固定し、操作部の回転に伴いそれらのリング磁石が回転することにより発生する磁気変化を磁気検出素子で検出して回転方向などが検出できるようにすると共に、そのリング磁石毎にそれぞれ対応させて同じ磁極の固定磁石を近接配置し、上記一対毎となるリング磁石と固定磁石との間で発生する吸引反発力どうしを総和させて上記操作部に付加させ、それがクリック感触として得られるものにするものである。
【0018】
これにより、ローラ状の操作部の回転状態が非接触で検出できると共に、上記の回転状態検出用に設けた二つのリング磁石を用いて、操作部の回転時におけるクリック感触が非接触で生成され、しかもそのクリック感触としても歯切れのよい明快なものが付加された長寿命な入力操作部品を得ることができる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように本発明によれば、ローラ状の操作部の回転方向などの検出用に配した二つのリング磁石を用いて回転操作時に歯切れのよい明快なクリック感触が非接触で付加された長寿命な入力操作部品を得ることができるという有利な効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図11を用いて説明する。
【0021】
(実施の形態)
図1は本発明の一実施の形態による入力操作部品の正面断面図、図2は同外観斜視図、図3は同上面図、図4は同分解斜視図、図5は同機構構成部位と配線基板構成部位との組み合わせ前の斜視図、図6は図5の状態を底面側からみた斜視図、図7は同機構構成部位の構成を説明するための斜視図、図8は図3のB−B線における側面断面図、図9は図3のC−C線における側面断面図、図10は図3のD−D線における側面断面図、図11は同操作部を回転操作した際の力の推移を示す図である。
【0022】
同図において、21は、ローラ状の略円柱形状に樹脂等から形成された操作部であり、その中心軸線の位置に形成された貫通孔21Aには、中心軸部22が嵌め込まれて操作部21と一体化されている。
【0023】
その中心軸部22は、左側軸部22Aと右側軸部22Bからなり、左側軸部22Aは貫通孔21Aの左側から圧入され、右側軸部22Bは貫通孔21Aの右側から圧入されており、それらの先端どうしは操作部21内で互いに係止状態になっている。
【0024】
そして、操作部21から突出した左側軸部22Aの突出部分には円筒状に形成された左側リング磁石31が固定され、また右側軸部22Bの突出部分には同じく円筒状に形成された右側リング磁石32が固定されている。このリング磁石31、32としては所定の均等角度ピッチでN極とS極が交互に着磁されている同じものを用いており、その固定状態としては互いに周方向で角度をずらして中心軸部22に同軸にそれぞれ固定されている。
【0025】
なお、操作部21内に圧入される各軸部22A、22Bにおいて、操作部21中央で互いに係合する先端側の係止部分を断面半円形状で軸線方向に平行な平坦面を有する形状にそれぞれ形成しておき、圧入固定時にその平坦面どうしで係止されて組み合わされるようにしておくと好ましい。さらには、それらの平坦面を径方向で段差を持つものとして形成しておき、それぞれで係止される段付きのものとするとよい。そして、上記構成のものであれば、上記圧入時に組み合わされる平坦面を基準として各軸部22A、22Bにリング磁石31、32を予め固定したものとすることも容易にできる上、それらを操作部21に圧入固定するのみで、各軸部22A、22Bの圧入量などに大きく左右されることなく各磁石31、32が所望の配置角度状態で操作部21に一体化されたものにできる。なお、上記の各軸部22A、22Bにリング磁石31、32が予め固定されたものとして構成するには、プラスチックマグネットをアウトサートして各軸部22A、22Bにリング磁石31、32を固定形成する、または、その逆でリング磁石31、32に樹脂をアウトサート成形して上記形態とすればよい。
【0026】
このようにして、中心軸部22の中央部に操作部21が、またその左右位置に左側リング磁石31、右側リング磁石32が固定されて回転部材が構成されている。
【0027】
そして、その回転部材の中心軸部22の両端部は、各々、小径の円柱状に形成されている。この両端部が、略長方形状に形成された取付部材41のそれぞれ対応する側壁上端に上方開口U字状に設けられた窪み41A内に載せられることにより、上記回転部材は、取付部材41で支持されつつ一体で回転可能に装着されている。
【0028】
45は、左側固定磁石46および右側固定磁石47が固定された板状体で、取付部材41に設けられたダボがカシメられることによって取付部材41に固定されている。固定磁石46、47の配置位置としては、上記回転部材の取付部材41への装着状態で、図9や図10に示すように、左側リング磁石31、右側リング磁石32に対して同じ近接配置関係になるようにして配している。そして、個々の固定磁石46、47の磁極は、同じ磁極のものとしている。
【0029】
ここで、板状体45を高透磁率材料からなるものとし、その上面に固定磁石46、47を配したものとしておけば、後述する下方位置に配される磁気検出素子71A、71Bへの個々の固定磁石46、47からの磁気の影響が低減できて好ましい。また、上記構成のものとするには、例えば板状体45に対しプラスチックマグネットをアウトサートして固定磁石46、47を固定形成するようにすれば安価に構成することができる。
【0030】
そして、上記取付部材41は、前方位置に軸状の回動支点部41Bを有し、その回動支点部41Bが、略枠状に形成された樹脂製の基台51前方に設けられた回動保持用溝51Bに係合され、そこを支点として取付部材41が基台51に対して後方側が下がる回動動作が可能なように組み合わせられている。
【0031】
そして、基台51の長手方向側の側部にそれぞれ設けられた覆い部51Aは、上記窪み41A内に配された中心軸部22の両端部上をそれぞれ覆っており、これにより中心軸部22の上方への抜け止めがなされている。さらに、上記基台51には、長手方向の外方側に突出するようにしてスイッチ押圧部材52A、52Bが装着されている。そのスイッチ押圧部材52A、52Bは、上記基台51の長手方向側の外方端部側が下がるように基台51に回動可能に装着されている。
【0032】
以上のように構成された入力操作部品の機構構成部位は、磁気検出素子71A、71Bや押圧スイッチ75、76、77と組み合わせて使用状態とされる。
【0033】
その磁気検出素子71A、71Bや押圧スイッチ75、76、77は、配線基板70上に備えられている。
【0034】
磁気検出素子71A、71Bは、その配線基板70上面において、左側リング磁石31、右側リング磁石32のそれぞれの下方位置に対応させて実装されている。
【0035】
また、押圧スイッチ75〜77は、配線基板70上に配された固定接点75A〜77Aと、それぞれに対応する可動接点(図示せず)が下面に配された絶縁シート80を配線基板70上に貼り合わせることにより構成されている。
【0036】
中央位置の押圧スイッチ75は、取付部材41が基台51に対して後方側が下がる回動動作をした際に、取付部材41の底面部で押圧される位置に配設され、押圧スイッチ76、77は、スイッチ押圧部材52A、52Bが回動した際に押圧される位置にそれぞれ配されている。
【0037】
90は、上記機構構成部位と上記配線基板構成部位との間に配されたゴムシートであり、防塵防滴性を向上させるなどの目的で配されている。そして、当該入力操作部品の機構構成部位はゴムシート90上に載せられ、図示しないねじなどで配線基板70に位置決めされて固定されている。その装着状態で、取付部材41の押圧スイッチ75位置に応じた底面部分およびスイッチ押圧部材52A、52Bの外方側先端はゴムシート90上に当接している。なお、ゴムシート90を除いた構成とされていてもよい。
【0038】
以上のように、当該構成のものにおいては磁気検出素子71A、71Bを機構構成部位の下方位置に配したものとしている。このため、機構構成部位の長手方向側の側方位置に押圧スイッチ76、77を有する構成にでき、従来のものよりもその操作形態が多様化されたものとすることができる。
【0039】
次に、本実施の形態による入力操作部品の動作について説明する。
【0040】
回転部材への非操作状態では、固定磁石46とリング磁石31、および固定磁石47とリング磁石32のそれぞれの吸引状態がつりあった状態で回転部材は停止している。ここに、リング磁石31、32は所定角度でずらした配置としているが、図8および図9にも示したように、上記停止状態で、リング磁石31、32において、その固定磁石46、47とは異なる磁極が共に吸引状態で、その吸引角度位置が、左右でその磁極の周方向の異なる端部角度位置で吸引されるように設定しており、それによって非操作状態での回転部材の安定した停止状態が維持されるようにしている。なお、上記状態になるようにリング磁石31、32の各磁極の角度設定ならびに固定磁石46、47の形状や高さ位置などを設定することは重要である。
【0041】
そして、操作部21の外周面に接線方向の力を加えて回転操作すると、回転部材が一体で回転し、左側リング磁石31、右側リング磁石32の回転に応じて磁気変化が発生し、それらが下方の磁気検出素子71A、71Bでそれぞれ検出されて各磁気検出素子71A、71Bから所定のパルス信号が得られる。なお、当該構成のものであれば、リング磁石31、32どうしの操作部21へのずらした固定角度に加えて磁気検出素子71A、71Bの配置位置もずらして配したものにできるため、必要とする所定の位相差を持つパルス信号が得られるものとして容易に構成することができ、操作部21の回転量や回転方向が精度よく検出可能なものにできる。なお、リング磁石31、32をずらすことなく配したものとし、磁気検出素子71A、71Bの配置位置のみをずらして配置するのみで必要な位相差出力が得られる構成としてもよい。
【0042】
そして、上記回転操作時においては、左側リング磁石31は左側固定磁石46に近接状態で、また右側リング磁石32は右側固定磁石47に近接状態で回転することとなり、互いの一対毎の磁石間で吸引反発力が発生する。その際の力の推移を図11に示す。
【0043】
図11は、図9や図10に矢印で示す方向に操作部21を回転させた時の力の推移を示しており、横軸に回転量、縦軸に吸引反発力をとったものである。同図中の点線は、左側の一対の磁石間における力の推移を、また、一点鎖線は、右側の一対の磁石間における力の推移を示している。
【0044】
このとき当該実施の形態によるものは、固定磁石46、47を同じ磁極とすると共に、それぞれを対応するリング磁石31、32に対して同じ近接位置で配し、さらに上記リング磁石31、32どうしは所定角度分だけ周方向にずらした配置としている。このため、一対毎の両者の力は、上記リング磁石31、32どうしの周方向にずらした角度分の差をもった状態で発生することとなる。そして、上記の二つの吸引反発力は上記操作部21、リング磁石31、32を含んで一体化された回転部材に総和して作用するようになって、結果として回転部材に対しては図11に実線で示した力が繰り返して付加されるようになる。
【0045】
そして、その回転部材に実際に作用する力は、図11の実線からも明らかなように、大きい力が作用する区間が繰り返して発生するものとなり、それがクリック感として感じられるものとなる。
【0046】
以上のように、当該構成のものでは、操作部21の停止状態を維持できる配置状態に設定された回転状態検出用のリング磁石31、32およびそれらのそれぞれに対応させて配した固定磁石46、47によって、回転部材の回転時に得られる二つの吸引反発力が総和されて回転部材に付加され、それがクリック感触として感じられるものとしている。その力は非接触で付加されるものであって従来のようにばねの弾接力などを用いるものではないので、引きずるような感触も少なく歯切れの良い明快なクリック感触が感じられるものにできる。
【0047】
次に、操作部21に対し下方への押圧力を加えると、回転部材を支持する取付部材41が基台51に対して後方側が下がる回動動作をし、これによりゴムシート90を介して押圧スイッチ75が押されてそのスイッチ信号が得られ、上記押圧力を除くと押圧スイッチ75が自己復元することにより取付部材41が逆方向に回動して元の位置に押し戻される。
【0048】
また、側方に配されたスイッチ押圧部材52A(52B)が押し下げられると、側方スイッチ押圧部材52A(52B)は外方側が下がるように基台51に対して回動して、ゴムシート90を介して押圧スイッチ76(77)が押されてそのスイッチ信号が得られ、上記押圧力を除くと押圧スイッチ76(77)が自己復元することによりスイッチ押圧部材52A(52B)が逆方向に回動して元の位置に押し戻される。
【0049】
本実施の形態による入力操作部品は、以上に説明したように、操作部21への回転操作時におけるクリック感触が、回転状態検出用に配したリング磁石31、32とそのそれぞれに対応させて配した固定磁石46、47との間で非接触で生成される二つの吸引反発力から得られるものとしたため、歯切れのよい明快な感触が得られて回転操作寿命的にも長寿命なものに実現することができる。
【0050】
なお、上記には押圧スイッチ75〜77を有するものを事例として説明したが、それらは必要に応じて備えさせればよい。
【0051】
なお、回転状態検出用に配したリング磁石31、32を上述したように所定角度でずらした配置関係として固定させた構成とすると、磁気検出素子71A、71Bの配置位置関係はさほどずらして配さずとも所定の位相差出力が得られるものにでき、省スペース化が図れて好ましい。これに対して、リング磁石31、32の角度をずらさずに固定したものとする場合には、回転操作時に所定の位相差出力が得られるようにするために、磁気検出素子71A、71Bの配置位置を上述したものよりずらして配置しなければならないが、当該構成であれば、回転時に得られるクリック感触としては最も大きくて歯切れのよい明快なクリック感触が非接触で得られるものに実現できる利点を持つので、いずれのものとするかは必要に応じて適宜決定すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明による入力操作部品は、回転操作時に歯切れのよい明快なクリック感触が非接触で付加された長寿命なものに実現できるという有利な効果を有し、各種電子機器の入力操作部を構成する際等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施の形態による入力操作部品の正面断面図
【図2】同外観斜視図
【図3】同上面図
【図4】同分解斜視図
【図5】同機構構成部位と配線基板構成部位との組み合わせ前の斜視図
【図6】図5の状態を底面側からみた斜視図
【図7】同機構構成部位の構成を説明するための斜視図
【図8】図3のB−B線における側面断面図
【図9】図3のC−C線における側面断面図
【図10】図3のD−D線における側面断面図
【図11】同操作部を回転操作した際の力の推移を示す図
【図12】従来の入力操作部品の正面断面図
【図13】同分解斜視図
【図14】同側面断面図
【符号の説明】
【0054】
21 操作部
21A 貫通孔
22 中心軸部
22A 左側軸部
22B 右側軸部
31 左側リング磁石
32 右側リング磁石
41 取付部材
41A 窪み
41B 回動支点部
45 板状体
46 左側固定磁石
47 右側固定磁石
51 基台
51A 覆い部
51B 回動保持用溝
52A、52B スイッチ押圧部材
70 配線基板
71A、71B 磁気検出素子
75、76、77 押圧スイッチ
75A〜77A 固定接点
80 絶縁シート
90 ゴムシート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能に支持されたローラ状の操作部と、S極とN極が所定の角度ピッチで交互に着磁された略円筒状で、上記操作部に同軸で固定された二つのリング磁石と、上記リング磁石それぞれに対応して配された磁気検出素子とを備えた入力操作部品であって、さらに上記リング磁石のそれぞれに応じて近接配置された固定磁石を有し、その二つの固定磁石は互いに同じ磁極のものとされ、上記操作部の回転時に、上記一対毎のリング磁石と固定磁石との間で発生する吸引反発力どうしが総和されて上記操作部のクリック感触が付加されるように構成された入力操作部品。
【請求項2】
固定磁石を高透磁率材料の板状体に固定させ、磁気検出素子が配置された方向への上記固定磁石からの磁気が上記板状体で遮断される位置関係になるように上記固定磁石付きの板状体を配した請求項1記載の入力操作部品。
【請求項3】
リング磁石付きの軸部が、操作部のそれぞれ左右から圧入固定されて、上記リング磁石と上記操作部が一体化された請求項1記載の入力操作部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−262721(P2008−262721A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−102433(P2007−102433)
【出願日】平成19年4月10日(2007.4.10)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】