入力装置および制御方法
【課題】入力した文字の修正を、ユーザに負担の少ない簡単な操作で、迅速に行うことができる入力装置を提供する。
【解決手段】入力装置10は、入力部11と、表示部12と、入力が第1の入力態様であるか第2の入力態様であるか判別する入力態様判別部13と、所定のキーに対する入力が第1の入力態様であると判別される場合には、その入力に応じて、そのキーに割り当てられた複数の文字を入力文字候補として順次遷移させて表示するように制御し、第2の入力態様であると判別される場合には、入力済みの文字列のうち、そのキーに割り当てられた文字に対応する文字を修正文字候補として検索し、検索された修正文字候補に対して、入力に応じて表示部12に表示されるカーソルの移動を制御する入力制御部16と、を備えている。
【解決手段】入力装置10は、入力部11と、表示部12と、入力が第1の入力態様であるか第2の入力態様であるか判別する入力態様判別部13と、所定のキーに対する入力が第1の入力態様であると判別される場合には、その入力に応じて、そのキーに割り当てられた複数の文字を入力文字候補として順次遷移させて表示するように制御し、第2の入力態様であると判別される場合には、入力済みの文字列のうち、そのキーに割り当てられた文字に対応する文字を修正文字候補として検索し、検索された修正文字候補に対して、入力に応じて表示部12に表示されるカーソルの移動を制御する入力制御部16と、を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置に関し、特に、文字入力用の入力装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話などの携帯端末においては、小型の端末に多種多様な機能が組み込まれるようになっている。特に、携帯端末を用いて電子メールを作成して送信することは、広く一般的に行われている。携帯端末で電子メールを作成する際には、端末本体に配置されたキーを押下したり、タッチパネルを押圧したりすることにより文字を入力して文章の作成を行う。このように、携帯端末を用いて文字を入力することは、電子メールを作成する際の他にも、例えばアドレス帳やスケジュール帳などに文字情報を入力する際などのように、非常に幅広く行われている。
【0003】
携帯電話の操作キーを用いて日本語の文字を入力する場合は、例えば図12(a)に示すような、各数字のキーに、各行の仮名を対応させたキーボードを用いることが一般的である。このようなキーボードのキーを押下して電子メールなどを構成する文字を入力する際、現在一般に用いられている電子メールの仮名文字入力方式には次のようなものがある。すなわち、「1」のキーに仮名文字「あ」「い」「う」「え」「お」の「あ行」を、「2」のキーに「か」「き」「く」「け」「こ」の「か行」を、「3」キーに「さ行」を、のように、それぞれの数字キーに仮名文字の「あ行」〜「わ行」の各行を対応させる。この方式では、ユーザによる各数字のキーの連続する押下を受け付けることにより、その押下の回数に応じて、対応する行の仮名を順送りに遷移させて一文字ずつ入力する。
【0004】
このような仮名の入力方式を用いて電子メールの文章を作成する場合には、端末にインストールされている日本語入力アプリケーションを用いて、その入力結果を、例えば図12(b)に示すような端末の画面に表示させながら入力操作を行うのが一般的である。図12(b)に表示した画面では、画面中段に、ユーザが現在入力中の文字の入力経過を分節単位で示す領域が表示され、上段には入力した文字の確定部分が表示されている。
【0005】
図12(b)に図示した時点では、ユーザは、図12(a)に示すキーボードのキーの中から「3(さ行)」のキーを1回押下して、さ行1番目の文字である「さ」を入力し、次に「2(か行)」のキーを3回連続で押下して、か行の仮名を「か」「き」「く」と順次遷移させて、か行3番目の文字である「く」を入力したところを示している。「さく」の仮名文字の入力に応じて、図12(b)の画面の下段には「さく」で始まる種々の言葉の選択候補が表示され、ユーザは、この中から候補を選択して確定させることができる。このような分節単位の入力操作を繰り返すことで、入力する仮名文字を適宜漢字に変換させて、文章を作成していくことができる。
【0006】
ところで、このような入力作業中には、ユーザは、図12(b)に示すような入力結果を表示する画面を常に注視して確認しながら入力操作を行っているとは限らない。すなわち、例えば、キーボードのキーの位置を確認するために、ユーザは表示画面から一旦視線を外すことがある。また、徒歩で移動中などユーザが他の動作をしながら入力操作を行っている場合には、ユーザは絶えず表示画面を注視して入力結果を確認できるわけではない。さらに、ユーザの指の操作ミスなども考慮すると、実際の入力操作においては、入力ミスを修正するための操作を行う必要性が絶えず発生し得る。
【0007】
従来の入力方法において、入力ミスをしてしまった場合、それを修正するには、ユーザは、自ら修正箇所までカーソルを移動させて、例えば、修正すべき箇所の文字を一旦削除して、そこに正しい文字を再度入力するというような操作を行う。
【0008】
例えば、「株式会社」という文字を入力する際に、ユーザがキー操作を誤って、図13(a)の表示画面の中段に示すように、「かぶしかかいしゃ」という仮名文字を入力してしまった後に、入力の誤りに気付いたとする。図示の例では、文字または文字列の入力後には、カーソルが「I」型になっている。なお、すでに入力済みの文字の上にカーソルを移動させると、当該カーソルは四角型になって反転表示または点滅するなどして文字の選択位置を示すようになる。よって、入力済みの文字を修正したい場合には、修正したい(「かいしゃ」の文字列の直前の)「か」の位置までカーソルを移動させるため、図12(a)のキーボード上段にある十字方向キーなどの左方向のキーを5回押下して、図13(b)に示すような状態にする。なお、(1)〜(5)までの数字は、左方向のキーをユーザが押下する回数を示している。携帯電話の文字入力機能では、文章の途中で文字を入力する場合、当該入力文字が「上書き」されるのではなく、入力文字が「挿入」される設定になっていることが多い。このような場合には、ユーザは、修正したい箇所までカーソルを移動させ、例えば図12(a)に示す「C」キーのようなクリアキーを押下して、カーソルが存在する箇所の文字「か」を一旦削除してから、図13(c)に示すように、正しい文字「き」を入力して修正操作を行う。あるいは、正しい文字を入力してから、誤って入力した文字を削除する。
【0009】
なお、英語圏においては、携帯電話の操作キーを用いて文字を入力する場合、例えば図16(a)に示すような、各数字のキーに、アルファベットを対応させたキーボードを用いることが一般的である。このようなキーボードのキーを押下して電子メールなどを構成する文字を入力する際、現在一般に用いられている電子メールのアルファベット入力方式には次のようなものがある。すなわち、「2」のキーに「A」「B」「C」を、また「3」キーに「D」「E」「F」を、のように、それぞれの数字キーにアルファベットの文字を対応させる。この方式では、ユーザによる各数字のキーの連続する押下を受け付けることにより、その押下の回数に応じて、対応するアルファベットを順送りに遷移させて一文字ずつ入力する。なお、この方式では、「A」「B」「C」「a」「b」「c」のように、大文字、小文字の順に遷移する。
【0010】
このようなアルファベットの入力方式を用いて電子メールの文章を作成する場合には、端末にインストールされている英語入力アプリケーションを用いて、その入力結果を、例えば図16(b)に示すような端末の画面に表示させながら入力操作を行うのが一般的である。
【0011】
図16(b)に図示した時点では、ユーザは、図16(a)に示すキーボードのキーの中から「9」のキーを3回押下して、3番目の文字である「Y」を入力し、次に「3」のキーを5回連続で押下して、アルファベットを「D」「E」「F」「d」「e」と順次遷移させて、5番目の文字である「e」を入力したところを示している。「Ye」の文字の入力に応じて、図16(b)の画面の下段には「Ye」で始まる種々の言葉の選択候補が表示され、ユーザは、この中から候補を選択して確定させることができる。このような文字単位の入力操作を繰り返すことで、英語の文章を作成していくことができる。
【0012】
この入力方式において、例えば、ユーザが「Yesterday」という文字を入力しようとする際に、キー操作を誤って、図17(a)の表示画面の中段に示すように、「Yepterday」という文字を入力してしまった後に、入力の誤りに気付いたとする。図示の例では、文字または文字列の入力後には、カーソルが「I」型になっている。なお、すでに入力済みの文字の上にカーソルを移動させると、当該カーソルは四角型になって反転表示または点滅するなどして文字の選択位置を示すようになる。よって、入力済みの文字を修正したい場合には、修正したい「p」の位置までカーソルを移動させるため、図16(a)のキーボード上段にある十字方向キーなどの左方向のキーを7回押下して、図17(b)に示すような状態にする。なお、(1)〜(7)までの数字は、左方向のキーをユーザが押下する回数を示している。携帯電話の文字入力機能では、文章の途中で文字を入力する場合、当該入力文字が「上書き」されるのではなく、入力文字が「挿入」される設定になっていることが多い。このような場合には、ユーザは、修正したい箇所までカーソルを移動させ、例えば図16(a)に示す「C」キーのようなクリアキーを押下して、カーソルが存在する箇所の文字「p」を一旦削除してから、図17(c)に示すように、正しい文字「s」を入力して修正操作を行う。あるいは、正しい文字を入力してから、誤って入力した文字を削除する。
【0013】
しかしながら、上述のような修正操作は、現在のカーソルの位置と、修正したい箇所の位置との間の距離が遠くなればなるほど、当該修正したい箇所までカーソルを移動させるキー操作を行う手間をユーザに課すことになる。
【0014】
このような問題に対処し得るものとして、例えば特許文献1に記載の入力装置では、修正したい文字をユーザが検索対象文字として検索欄に入力すれば、この欄に入力した文字または文字列が文章中から検索できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開平01−130260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、上記特許文献1に記載されているような技術では、修正したい文字がある場合に、ユーザは、当該修正したい文字列を、その都度検索欄に別途入力しなくてはならず、すなわち、誤りの文字列をわざわざもう一度入力しなくてはならないという負担がある。
【0017】
したがって、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、入力した文字の修正を、ユーザに負担の少ない簡単な操作で、迅速に行うことができる入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成する請求項1に係る入力装置の発明は、
入力を受け付ける入力部と、
前記入力部に対する入力結果を表示する表示部と、
前記入力部への入力が第1の入力態様であるか第2の入力態様であるかを判別する入力態様判別部と、
前記入力態様判別部により、前記入力部の所定のキーに対する入力が前記第1の入力態様であると判別される場合には、当該入力に応じて、当該キーに割り当てられた複数の文字を、入力文字候補として順次遷移させて前記表示部に表示するように制御し、前記入力態様判別部により、前記入力部の所定のキーに対する入力が前記第2の入力態様であると判別される場合には、前記表示部に表示された入力済みの文字列のうち当該キーに割り当てられた文字に対応する文字を修正文字候補として検索し、該検索された修正文字候補に対して、前記入力に応じて前記表示部に表示されるカーソルの移動を制御する入力制御部と、
を備えることを特徴とするものである。
【0019】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の入力装置において、
前記入力制御部は、前記第2の入力形態による入力に応じて、前記検索された修正文字候補を前記表示部にて認識可能に強調表示するとともに、前記第2の入力形態での複数回の入力に応じて当該強調表示された修正文字候補に順次カーソルを移動させるようにしたことを特徴とするものである。
【0020】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の入力装置において、
前記入力態様判別部は、
前記入力部の所定のキーに対する押下時間が所定の時間閾値以内の入力を第1の入力態様として判別し、
前記入力部の所定のキーに対する押下時間が前記所定の時間閾値を超える入力を第2の入力態様として判別することを特徴とするものである。
【0021】
請求項4に係る発明は、請求項1または2に記載の入力装置において、
前記入力態様判別部は、
前記入力部の所定のキーに対する押下時間が所定の時間閾値を超える入力を第1の入力態様として判別し、
前記入力部の所定のキーに対する押下時間が前記所定の時間閾値以内の入力を第2の入力態様として判別することを特徴とするものである。
【0022】
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の入力装置において、
前記入力制御部は、前記入力済みの文字列が確定される以前の仮名の文字列であり、前記入力部の所定のキーに対する入力が前記第2の入力態様であると前記入力態様判別部により判別される場合には、前記表示部に表示された前記入力済みの文字列のうち、前記所定のキーに割り当てられた仮名文字に対応する仮名文字を修正文字候補として検索することを特徴とするものである。
【0023】
請求項6に係る発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の入力装置において、
前記入力制御部は、前記入力済みの文字列が確定された後の漢字または仮名を含む文字列であり、前記入力部の所定のキーに対する入力が前記第2の入力態様であると前記入力態様判別部により判別される場合には、前記表示部に表示された前記入力済みの文字列のうち、前記所定のキーに割り当てられた仮名文字に対応する仮名文字を修正文字候補として検索することを特徴とするものである。
【0024】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の入力装置において、
各漢字とその読みを表す仮名文字との対応付けを記憶する記憶部をさらに備え、
前記入力制御部は、前記表示部に表示された前記入力済みの文字列のうち、前記所定のキーに割り当てられた仮名文字から始まる読み仮名を有する漢字を前記記憶部から修正文字候補としてさらに検索するとともに、前記記憶部に記憶された各漢字とその読みを表す仮名文字との対応付けに基づいて、前記第2の入力態様に基づく前記カーソルの移動先の修正文字候補を、該修正文字候補の読みを表す仮名文字に変換して前記表示部に編集可能に表示するよう制御することを特徴とするものである。
【0025】
請求項8に係る発明は、請求項6に記載の入力装置において、
前記入力済みの文字列の入力に用いた仮名の履歴を記憶する記憶部をさらに備え、
前記入力制御部は、前記表示部に表示された前記入力済みの文字列のうち、前記所定のキーに割り当てられた仮名文字から始まる読み仮名を有する漢字を前記記憶部から修正文字候補としてさらに検索するとともに、前記記憶部に記憶された前記入力済みの文字列の入力に用いた仮名の履歴に基づいて、前記第2の入力態様に基づく前記カーソルの移動先の修正文字候補を、前記確定する前の仮名文字に戻して前記表示部に編集可能に表示するよう制御することを特徴とするものである。
【0026】
請求項9に係る発明は、請求項6に記載の入力装置において、
前記入力済みの文字列の入力に用いた仮名の履歴とともに、前記入力済みの各文字列を確定した際の分節単位の履歴を記憶する記憶部をさらに備え、
前記入力制御部は、前記表示部に表示された前記入力済みの文字列のうち、前記所定のキーに割り当てられた仮名文字から始まる読み仮名を有する漢字を前記記憶部から修正文字候補としてさらに検索するとともに、前記第2の入力態様に基づく前記カーソルの移動先の修正文字候補を、前記入力済みの文字列の入力に用いた仮名の履歴および前記入力済みの各文字列を確定した際の分節単位の履歴に基づいて、当該分節単位で、前記確定する前の仮名文字に戻して前記表示部に編集可能に表示するよう制御することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、入力部への入力を第2の入力態様によって行うことで、入力済みの文字列のうち、当該第2の入力態様による入力に用いたキーに割り当てられた文字に対応する文字を修正文字候補として検索し、この検索された修正文字候補に対して、第2の入力態様による入力に応じて順次カーソルを移動させるようにしたので、入力文字の修正を、簡単かつ負担の少ない操作で迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る携帯電話の構成を示す外観正面図である。
【図2】図1に示す携帯端末の機能ブロック図である。
【図3】第1実施の形態の「短押し」および「長押し」を説明する概念図である。
【図4】第1実施の形態に係る携帯電話の動作を説明するフローチャートである。
【図5】第1実施の形態の修正操作を説明する表示画面の例を示す図である。
【図6】第2実施の形態の修正操作を説明する表示画面の例を示す図である。
【図7】第3実施の形態に係る携帯電話の動作を説明するフローチャートである。
【図8】第3実施の形態の修正操作を説明する表示画面の例を示す図である。
【図9】第4実施の形態の修正操作を説明する表示画面の例を示す図である。
【図10】第5実施の形態の修正操作を説明する表示画面の例を示す図である。
【図11】各実施の形態の「長押し」操作の変形例を説明する概念図である。
【図12】従来の携帯電話の日本語の入力部および表示部を示す概略図である。
【図13】従来の携帯電話による日本語の入力文字の修正操作を説明する表示画面の例を示す図である。
【図14】英語の場合の第1実施の形態に係る携帯電話の構成を示す外観正面図である。
【図15】英語の場合の第1実施の形態の修正操作を説明する表示画面の例を示す図である。
【図16】従来の携帯電話の英語の入力部および表示部を示す概略図である。
【図17】従来の携帯電話による英語の入力文字の修正操作を説明する表示画面の例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。なお、以下の各実施の形態においては、本発明の入力装置を備えた端末の一例として携帯電話を挙げて説明するが、本発明の入力装置の適用は携帯電話に限定されるものではなく、入力部および表示部を有する端末であれば、例えばPDA(Personal Digital Assistants)など、任意の端末に適用することが可能である。
【0030】
(第1実施の形態)
図1は、本発明の第1実施の形態に係る携帯電話10の構成を示す外観正面図である。この携帯電話10は、端末に配置した複数の機械的なキーなどによって構成される入力部11と、各種情報を表示する例えば液晶ディスプレイなどによって構成される表示部12とを備えている。本実施の形態では、携帯電話10は、折り畳み式の筐体を有する携帯電話として説明するが、入力部および表示部を備えるものであれば、折り畳み式の携帯電話に限定されるものではない。図1では、携帯電話10を用いて、新規の送信メールを作成するにあたり、文字を入力して文章を作成したところを表している。なお、携帯電話10は、他にもスピーカおよびマイクなど、一般的な携帯電話として必要な各機能部、およびインタフェースなどを備えているが、これらの詳細については説明を省略する。
【0031】
図2は、本実施の形態に係る携帯電話10の機能ブロック図である。携帯電話10は、前述の入力部11および表示部12を備えている他に、入力部11への入力のタイミング(押下時間の長短)によってその入力の態様を判別する入力態様判別部13と、日本語入力アプリケーションおよび仮名漢字変換の漢字変換候補ならびに各種設定など種々の情報を記憶する記憶部14と、図示しない基地局とデータの送受信を行う通信部15と、これら各機能ブロックをはじめとして携帯電話10全体を制御する制御部16と、をさらに備えている。
【0032】
ここで、上述の入力態様判別部13による、入力部11への入力の態様の判別について説明する。本実施の形態においては、入力部11への入力の態様を、入力態様判別部13によって「通常入力操作」と「修正操作」とに判別する。これらの判別にあたっては、図3に示すような時間閾値Tthを設定して記憶部14に予め記憶しておき、入力部11の所定のキーの押下操作が開始されてから時間閾値Tth以内にキーの押下が開放された場合には、その押下は「短押し」として判定し、キーの押下操作が開始されてから時間閾値Tth超えてもキーの押下が開放されない場合には、その押下は「長押し」として判定する。
【0033】
本実施の形態においては、上記の「短押し」を「通常入力操作」として、「長押し」を「修正操作」として、以下説明する。なお、本実施の形態では、ユーザによるキーの短押しを検知すると、通常入力操作として仮名文字の入力または遷移を行い、長押しを検知すると、修正操作として、表示部12に表示された当該キーに対応する仮名文字をハイライト表示(強調表示)して、その後さらなる長押しの検知により、そのハイライト表示した箇所までカーソルを移動させるように、制御部16により制御を行う。
【0034】
次に、図4のフローチャートを参照しながら、本実施の形態による携帯端末10の通常入力操作および修正操作を説明する。なお、本実施の形態では、文字列を入力している際に、その文字列を漢字に変換する前にユーザが入力ミスに気付いたため、漢字の変換候補を選択して漢字変換を確定させる前段階で修正を行いたい場合の動作について説明する。
【0035】
なお、本実施の形態では、携帯端末10は、ユーザが入力ミスをしてしまった場合、修正操作として、修正したい仮名文字の行のキーが長押しされる(例えば「て」の文字を修正したい場合は、「て」は「た」行の仮名なので「4(た行)」のキーを長押しする)ことで、ユーザ入力を受け付ける。これに応じて、制御部16は、当該長押しされたキーに割り当てられた行の仮名文字を、修正対象文字の候補として表示部12上でハイライト表示するように制御する。この修正対象文字候補のハイライト表示については、後でさらに説明する。
【0036】
先ず、入力部11がキーの押下を検知すると、入力態様判別部13は、当該検知された入力が短押しによる通常入力操作なのか、長押しによる修正操作なのかを判別する(ステップS11)。その結果、短押しによる通常入力操作と判別された場合には、通常の日本語入力のアプリケーションに基づく、従来式の仮名文字の入力(マルチタップ入力)処理が行われる(ステップS12)。
【0037】
上記従来式の仮名文字の入力処理とは、すなわち、押下したキーが、「あ」行、「か」行、「さ」行など各行のキーの最初の押下である場合には、制御部16は、当該押下を、それぞれ各行の最初の文字である「あ」、「か」、「さ」などの入力として処理し、その仮名文字を表示部12に表示する。また、各行の仮名文字がもともと表示部12に表示されていて、当該行のキーの先の入力に基づく連続する押下を入力部11が検知した場合には、制御部16は、各行の仮名文字を次の仮名文字に順次遷移させて表示部12に表示するように制御する。すなわち、もともと「あ」が表示されているところに「あ」行のキーが押下されれば、その表示は「い」に遷移し、もともと「い」が表示されているところに「あ」行のキーが押下されれば、その表示は「う」に遷移する。
【0038】
ステップS11にて、入力部11が検知した入力は長押しによる修正操作であると入力態様判別部13が判別した場合には、制御部16は、既に修正対象文字の候補をハイライト表示させたか否かをチェックする(ステップS13)。当該長押しによる入力が直前の長押しに続く長押しでない場合(つまり通常入力操作から修正操作に移行した場合)には、修正対象文字の候補のハイライト表示は存在しないためステップS14に移行する。ステップS14では、制御部16は、記憶部14を参照することで、表示部12に現在表示している、変換前の仮名文字の分節から、修正操作として入力されたキーの仮名の行に含まれる仮名文字(例えば「3(さ行)」のキーであれば「さ」「し」「す」「せ」「そ」)を検索し、当該検索された仮名文字を表示部12上でハイライト表示する。
【0039】
ステップS13にて、(長押しによる修正操作が2回目以降のため)修正文字候補をすでに検索してハイライト表示している場合には、当該修正操作によって、ハイライト表示された修正文字候補へとカーソルを移動させる(ステップS15)。このカーソルの移動は、最初は、修正操作を開始した時にカーソルが存在した位置から直前の修正文字候補へと移動させて、さらに修正操作が繰り返されるごとに、当初修正操作を開始した時にカーソルが存在した位置から順次遠ざかるように(つまり順次右から左に、下から上に)修正文字候補へとカーソルを移動させる。したがって、本実施の形態では、記憶部14および制御部16を含んで、入力制御部を構成している。
【0040】
図5は、本実施の形態に係る携帯電話10の動作を説明する図である。図5(a)〜(c)の各図は、携帯電話10の表示部12に表示される画面の一例を表している。図示のように、例えば「かぶしきかいしゃ」という仮名文字を入力しようとする際に、ユーザがキー操作を誤って、「かぶしかかいしゃ」と入力してしまった後で、漢字変換前に入力の誤りに気付いた場合は、「か」の文字を「き」の文字に修正すべきである。この場合、修正操作として入力部11への「2(か行)」のキーの長押しを検知することにより、制御部16は、図5(a)に示すように、か行の仮名文字を検索して表示部12上でハイライト表示する。次にもう一度「2(か行)」のキーの長押しを検知すると、カーソルを、最初の修正文字候補である、「かいしゃ」の「か」の字まで移動させ、点滅または反転表示などして修正候補の位置を明示する。さらにもう一度「2(か行)」のキーの長押しを検知することで、図5(b)に示すように「かいしゃ」の直前の「か」の字までカーソルを移動させる。次に「2(か行)」のキーの短押しによる通常の入力操作を検知することで、この場合はもともと「か」の文字が表示されているため、一度の短押しの検知により「き」の文字に修正(「か」から「き」に順次遷移)することができる。このようにすることで、図5(c)に示すように、ユーザはこの修正操作を完了することができる。
【0041】
したがって、図13にて説明したような従来の携帯端末と比べて、先ず、数少ないキー操作により所望の修正位置までカーソルを移動させることができる(図13の例では5回、本実施の形態では3回の押下操作)。さらに、修正したい文字をクリアキーなどで削除したりすることなく通常入力の続きを行うのみで直接修正することができる。したがって、全体として相当数の修正操作の手間を削減できる。また、ユーザは、同じキーを(押下の持続時間を変化させて)連続して押下操作するだけでカーソルの移動および修正の両方を行うことができ、修正に際してクリアキーを用いずに済む。このため、指を違うキーに移し変える必要もなく、文字修正を効率的に行うことができる。
【0042】
(英語の場合の第1実施の形態)
次に、上述した第1実施の形態について、英語入力の場合を、図を参照して説明する。
【0043】
図14は、英語の場合の第1実施の形態に係る携帯電話10の構成を示す外観正面図である。この携帯電話10は、端末に配置した複数の機械的なキーなどによって構成される入力部11と、各種情報を表示する例えば液晶ディスプレイなどによって構成される表示部12とを備えている。本実施の形態では、携帯電話10は、折り畳み式の筐体を有する携帯電話として説明するが、入力部および表示部を備えるものであれば、折り畳み式の携帯電話に限定されるものではない。図1では、携帯電話10を用いて、新規の送信メールを作成するにあたり、文字を入力して文章を作成したところを表している。なお、携帯電話10は、他にもスピーカおよびマイクなど、一般的な携帯電話として必要な各機能部、およびインタフェースなどを備えているが、これらの詳細については説明を省略する。
【0044】
図2は、本実施の形態に係る携帯電話10の機能ブロック図である。携帯電話10は、前述の入力部11および表示部12を備えている他に、入力部11への入力のタイミング(押下時間の長短)によってその入力の態様を判別する入力態様判別部13と、英語入力アプリケーションおよび英単語変換候補ならびに各種設定など種々の情報を記憶する記憶部14と、図示しない基地局とデータの送受信を行う通信部15と、これら各機能ブロックをはじめとして携帯電話10全体を制御する制御部16と、をさらに備えている。
【0045】
ここで、上述の入力態様判別部13による、入力部11への入力の態様の判別について説明する。本実施の形態においては、入力部11への入力の態様を、入力態様判別部13によって「通常入力操作」と「修正操作」とに判別する。これらの判別にあたっては、図3に示すような時間閾値Tthを設定して記憶部14に予め記憶しておき、入力部11の所定のキーの押下操作が開始されてから時間閾値Tth以内にキーの押下が開放された場合には、その押下は「短押し」として判定し、キーの押下操作が開始されてから時間閾値Tth超えてもキーの押下が開放されない場合には、その押下は「長押し」として判定する。
【0046】
本実施の形態においては、上記の「短押し」を「通常入力操作」として、「長押し」を「修正操作」として、以下説明する。なお、本実施の形態では、ユーザによるキーの短押しを検知すると、通常入力操作として文字の入力または遷移を行い、長押しを検知すると、修正操作として、表示部12に表示された当該キーに対応する文字をハイライト表示(強調表示)して、その後さらなる長押しの検知により、そのハイライト表示した箇所までカーソルを移動させるように、制御部16により制御を行う。
【0047】
なお、英語の場合の本実施の形態では、アルファベットの各文字を入力する場合に用いるキーを、英語入力アプリケーションに基づいて以下のように対応付けする。
文字A,B,Cの入力には数字「2」のキーを押下する(たとえば、文字Aの入力には数字「2」のキーを1回押下し、文字Bの入力には数字「2」のキーを2回連続して押下し、文字Cの入力には数字「2」のキーを3回連続して押下する。以下同様)。
D,E,Fの入力には「3」キーを押下する。
G,H,Iの入力には「4」キーを押下する。
J,K,Lの入力には「5」キーを押下する。
M,N,Oの入力には「6」キーを押下する。
P,Q,R,Sの入力には「7」キーを押下する。
T,U,Vの入力には「8」キーを押下する。
W,X,Y,Zの入力には「9」キーを押下する。
なお、小文字は大文字の遷移の後に表示される。例えば、数字「2」のキーを押下するごとに、その押下に応じて「A」「B」「C」「a」「b」「c」「A」「B」「C」…のように順次遷移する。
【0048】
次に、図4のフローチャートを参照しながら、本実施の形態による携帯端末10の通常入力操作および修正操作を説明する。
【0049】
なお、本実施の形態では、携帯端末10は、ユーザが入力ミスをしてしまった場合、修正操作として、修正したい文字に対応する数字キーが長押しされる(例えば文字「B」を修正したい場合は、文字「B」に対応するのは数字「2」のキーなので「2(A,B,C)」のキーを長押しする)ことでユーザの入力を受け付ける。これに応じて、制御部16は、当該長押しされた数字キーに割り当てられた文字を、修正対象文字の候補として表示部12上でハイライト表示するように制御する。この修正対象文字候補のハイライト表示については、後でさらに説明する。
【0050】
先ず、入力部11がキーの押下を検知すると、入力態様判別部13は、当該検知された入力が短押しによる通常入力操作なのか、長押しによる修正操作なのかを判別する(ステップS11)。その結果、短押しによる通常入力操作と判別された場合には、通常の英語入力のアプリケーションに基づく、従来式の文字の入力(マルチタップ入力)処理が行われる(ステップS12)。
【0051】
上記従来式の文字の入力処理とは、すなわち、押下した数字キーが、「2」、「3」、「4」など各数字キーの最初の押下である場合には、制御部16は、当該押下を、それぞれ各数字キーに割り当てられた最初の文字である「A」、「D」、「G」などの文字の入力として処理し、その文字を表示部12に表示する。また、各数字キーに割り当てられた文字がもともと表示部12に表示されていて、当該数字キーの先の入力に基づく連続する押下を入力部11が検知した場合には、制御部16は、各文字に対応する数字キーに割り当てられた文字を次の文字に順次遷移させて表示部12に表示するように制御する。すなわち、もともと文字「A」が表示されているところに数字キーの「2」が押下されれば、その表示を「B」に遷移し、もともと「B」が表示されているところに数字キーの「2」が押下されれば、その表示は「C」に遷移する。
【0052】
ステップS11にて、入力部11が検知した入力は長押しによる修正操作であると入力態様判別部13が判別した場合には、制御部16は、既に修正対象文字の候補をハイライト表示させたか否かをチェックする(ステップS13)。当該長押しによる入力が直前の長押しに続く長押しでない場合(つまり通常入力操作から修正操作に移行した場合)には、修正対象文字の候補のハイライト表示は存在しないためステップS14に移行する。ステップS14では、制御部16は、記憶部14を参照することで、表示部12に現在表示している文字から、修正操作として入力された数字キーに割り当てられている文字(例えば「3(D,E,F)」のキーであれば「D」「E」「F」)を検索し、当該検索された文字を表示部12上でハイライト表示する。
【0053】
ステップS13にて、(長押しによる修正操作が2回目以降のため)修正文字候補をすでに検索してハイライト表示している場合には、当該修正操作によって、ハイライト表示された修正文字候補へとカーソルを移動させる(ステップS15)。このカーソルの移動は、最初は、修正操作を開始した時にカーソルが存在した位置から直前の修正文字候補へと移動させて、さらに修正操作が繰り返されるごとに、当初修正操作を開始した時にカーソルが存在した位置から順次遠ざかるように(つまり順次右から左に、下から上に)修正文字候補へとカーソルを移動させる。したがって、本実施の形態では、記憶部14および制御部16を含んで、入力制御部を構成している。
【0054】
図15は、本実施の形態に係る携帯電話10の動作を説明する図である。図15(a)〜(c)の各図は、携帯電話10の表示部12に表示される画面の一例を表している。図示のように、例えば「Yesterday」という英単語を入力しようとする際に、ユーザがキー操作を誤って、「Yepterday」と入力してしまった後で、誤りに気付いた場合は、「p」の文字を「s」の文字に修正すべきである。この場合、修正操作として入力部11への「7(P,Q,R,S)」のキーの長押しを検知することにより、制御部16は、図15(a)に示すように、数字「7」のキーに対応する文字を検索して表示部12上でハイライト表示する。次にもう一度「7(P,Q,R,S)」のキーの長押しを検知すると、カーソルを、最初の修正文字候補である、「Yepterday」の「r」の文字まで移動させ、点滅または反転表示などして修正候補の位置を明示する。ここでさらにもう一度「7(P,Q,R,S)」のキーの長押しを検知することで、図15(b)に示すように「Yepterday」の「p」の文字までカーソルを移動させる。次に「7(P,Q,R,S)」のキーの短押しによる通常の入力操作を検知することで、この場合はもともと「p」の文字が表示されているため、3度の短押しの検知により「s」の文字に修正(「p」から「s」に順次遷移)することができる。このようにすることで、図15(c)に示すように、ユーザはこの修正操作を完了することができる。なお、図15(a)のハイライト表示は、「Yepterday」以外の文字、例えば「other」の「r」や、「kindness」の「s」に対して行ってもよい。
【0055】
したがって、図17にて説明したような従来の携帯端末と比べて、先ず、数少ないキー操作により所望の修正位置までカーソルを移動させることができる(図17の例では7回、本実施の形態では3回の押下操作)。さらに、修正したい文字をクリアキーなどで削除したりすることなく通常入力の続きを行うのみで直接修正することができる。したがって、全体として相当数の修正操作の手間を削減できる。また、ユーザは、同じキーを(押下の持続時間を変化させて)連続して押下操作するだけでカーソルの移動および修正の両方を行うことができ、修正に際してクリアキーを用いずに済む。このため、指を違うキーに移し変える必要もなく、文字修正を効率的に行うことができる。
【0056】
(第2実施の形態)
次に、本発明の第2実施の形態について説明する。上述した、日本語の場合の第1実施の形態では、文字の入力中に、漢字変換する前にユーザが入力ミスに気付き、漢字変換を確定させる前段階で修正を行う場合についての動作について説明した。以下説明する第2実施の形態では、例えばユーザが入力中には入力ミスに気付かずに、漢字変換候補を選択し確定してしまった後に入力ミスに気が付き、これを修正する場合の動作について説明する。なお、本実施の形態は、上述した第1実施の形態に係る携帯電話10と全く同じ構成で実施することができ、その一部機能ブロックの制御のみが若干異なるものである。したがって、第1実施の形態と同じ説明は省略する。
【0057】
本実施の形態に係る携帯電話10では、入力した文字列が確定された後に、上述した第1実施の形態と同様に、長押しによる修正操作が入力部11に入力されたと入力態様判別部13が判別した場合、制御部16は、当該入力に用いたキーの仮名の行に含まれる仮名文字を検索し、検索された仮名文字を表示部12上でハイライト表示する。したがって、ユーザは、修正したい漢字の文字列の前(または後)にある仮名を含む行のキーを、修正操作として長押しすることによって、簡単な操作で修正箇所の直近にカーソルを移動させることができる。
【0058】
図6は、本実施の形態に係る携帯電話10の動作を説明する図である。図6(a)〜(d)の各図は、携帯電話10の表示部12に表示される画面の一例を表している。ここでは、ユーザが、入力部11のキーを用いて、「株式会社〜で発売されている商品は素晴らしい効果があります。」という文章を入力しようと意図したものの、入力ミスをして、「こうか」を「けうか」と入力してしまい、図6(a)に示すように、「効果」ではなく「稀有か」という文字列に変換されたのを気付かずに確定処理をさせてしまった場合の修正動作について説明する。
【0059】
まず、この場合、文字列「稀有か」の直前の仮名文字「い」にカーソルを移動させるため、「い」が属する行である「1(あ行)」のキーを長押しする。この修正操作を検知して、制御部16は、図6(b)に示すように、表示部12上に表示されている「あ行」の仮名文字が全てハイライト表示する。
【0060】
次に、さらに「1(あ行)」のキーの連続した複数回の長押しを検知することによって、図6(c)に示すようにハイライト表示されている(「稀有か」の直前の)「い」の位置までカーソルを移動させる。この段階では、当該「い」の文字を修正するモードになっているため、ユーザが、このままで「1(あ行)」のキーの短押しの通常入力操作を行った場合には、「い」の文字が、「う」、「え」、「お」と順次遷移することになる。したがって、ここでは、「い」にカーソルを移動させたら、ユーザにより、例えば十字方向キーの「右」のキーなどの入力操作が行われるのを検出して、図6(d)に示すように、カーソルを移動させて、「い」の文字を遷移させるモードを解除する。この後は、通常入力操作に従って、「効果」の文字の入力後、「稀有か」の文字をクリアキーなどで削除するか、または逆に「稀有か」を削除してから「効果」の入力を受け付けるようにする。
【0061】
なお、入力ミスした文字列「稀有か」を直後から修正するために、「2(か行)」のキーを長押しする修正操作を行うことによって、「稀有か」の直後の仮名文字「が」にカーソルを移動させてから「稀有か」の文字列を修正してもよい。
【0062】
以上のように、第1実施の形態の修正動作を、文字確定後の修正動作にほぼそのまま適用することによって、入力文字を確定した後であっても、簡単かつ手順の少ない効率的な操作により、入力した文字列を迅速に修正することができる。
【0063】
(第3実施の形態)
次に、本発明の第3実施の形態について説明する。第3実施の形態では、上述した第2実施の形態と同様に、例えばユーザが入力中には入力ミスに気付かずに、漢字変換候補を選択し確定してしまった後に入力ミスに気付いた場合に、これをさらに簡単かつ効率的に修正する動作について説明する。なお、本実施の形態は、上述した第1および第2実施の形態に係る携帯電話10と全く同じ構成で実施することができ、その一部機能ブロックの制御のみが多少異なるものである。したがって、第1および第2実施の形態と同じ説明は省略する。
【0064】
本実施の形態に係る携帯電話10では、記憶部14に予め記憶されている日本語入力アプリケーションが備えている仮名漢字変換の機能を応用する。携帯端末10は、記憶部14に記憶されている日本語入力アプリケーションの機能を用いることで、日本語を入力するに際して、ある文字列を仮名文字で入力した後に、通常は幾つかの漢字変換選択候補の中から適切な変換候補を選択することによって、入力した仮名文字を漢字に変換する。本実施の形態では、この仮名文字から漢字に変換する機能を逆に利用して、修正操作によりカーソルが移動した先が漢字であった場合には、制御部16は、仮名漢字変換に用いる対応付けに基づいて、その漢字に対応する仮名を表示部12に表示するようにする。
【0065】
以下、図7のフローチャートを参照しながら、本実施の形態に係る携帯電話10による通常入力操作および修正操作による動作を説明するが、本図は図4のフローチャートに類似するものであるため、図4と同じ説明は省略する。
【0066】
本実施の形態では、入力した文字列が確定された後の場合において、ステップS31にて、入力態様判別部13が、長押しによる修正操作が入力部11に入力されたと判別した場合、制御部16は、当該入力に用いたキーに割り当てられた行に含まれる仮名文字、および当該入力に用いたキーに割り当てられた行に含まれる仮名文字から始まる読み仮名を有する漢字を検索し、検索された仮名文字および漢字を表示部12上でハイライト表示する(ステップS34)。その後さらに長押しによる修正操作が検知される場合(ステップS31のYes、ステップS33のYes)、制御部16は、ハイライト表示された修正文字候補へとカーソルを順次移動させ(ステップS35)、そのカーソルの移動先が漢字である場合には(ステップS36)、カーソルが漢字の上に移動した時点でその漢字に対応する読みの仮名文字を表示部12に表示する(ステップS37)。その後、携帯電話10は短押しによる通常入力操作を検知することにより、ユーザが入力ミスした仮名文字を正しい仮名文字に修正し、再び漢字に変換することができる。
【0067】
なお、長押しによる修正操作が複数回入力され、それに応じてカーソルを複数の修正文字候補について順次移動させる際には、現在カーソルが存在する位置の修正文字候補の漢字に対応する読みの仮名文字をすでに表示している場合には、当該表示を元の漢字に戻してから、次の修正文字候補へとカーソルを移動させるようにする。
【0068】
図8は、本実施の形態に係る携帯電話10の動作を説明する図である。図8(a)〜(f)の各図は、携帯電話10の表示部12に表示される画面の一例を表している。ここでは、ユーザが、入力部11のキーを用いて、「株式会社〜で発売されている商品は素晴らしい効果があります。」という文章を入力しようと意図したものの、入力ミスをして、「商品」の入力の際に「しょうひん」と入力するつもりが「しようひん」と誤って入力したため、図8(a)に示すように、「商品」ではなく「使用品」という文字列に変換されたのを気付かずに確定処理をさせてしまった場合の修正動作について説明する。
【0069】
まず、この場合、文字列「使用品」の最初の漢字「使」にカーソルを移動させるため、修正操作として、その読みである「し」が属する行である「3(さ行)」のキーの長押しを検知することにより、図8(b)に示すように、表示部12上に表示されている「さ行」で始まる読みの漢字および「さ行」の仮名文字を全てハイライト表示する。
【0070】
次に、さらに「3(さ行)」のキーの長押しを何度か検知することによって、図8(c)に示すように、ハイライト表示されている「使」の位置までカーソルを移動させる。記憶部14に記憶されている日本語入力アプリケーションの仮名漢字変換機能の仕様で、例えば「しよう」という読みに対して「使用」「仕様」「試用」「私用」などの変換が対応付けされている場合には、「使」の位置にカーソルが移動されると、図8(d)に示すように、「使」の字を含む「使用」という文字列に対して「しよう」という読み仮名を表示部12に表示する。
【0071】
その後、この「しよう」という文字列に対して、このまま続けて短押しによる通常入力操作を検知することにより、図8(e)に示すように、文字列を「しょう」に変更する。具体的には、ユーザが、十字方向キーなどで「よ」の位置にカーソルを合わせて、通常入力操作により「ょ」を入力するなどの態様が考えられる。そのようにして正しく入力された文字列「しょう」に対してもう一度仮名漢字変換を行い、図8(f)に示すように、正しく「商」と変換することができる。
【0072】
以上のように、予め記憶部14に記憶されている日本語入力アプリケーションの仮名漢字変換機能を応用することにより、入力文字を確定した後であっても、簡単かつ手順の少ない効率的な操作により、入力した文字列を迅速に修正することができる。
【0073】
(第4実施の形態)
次に、本発明の第4実施の形態について説明する。第4実施の形態では、上述した第3実施の形態と同様に、例えばユーザが入力中には入力ミスに気付かずに、漢字変換候補を選択し確定してしまった後に入力ミスに気付いた場合に、これをさらに簡単かつ効率的に修正する動作について説明する。なお、本実施の形態は、上述した第1〜第3実施の形態に係る携帯電話10と全く同じ構成で実施することができ、その一部機能ブロックの制御のみが多少異なるものである。したがって、第1〜第3実施の形態と同じ説明は省略する。
【0074】
本実施の形態は、ユーザが入力文字の確定後に入力ミスを発見し、長押しによる修正操作により、カーソルを修正文字候補の漢字の位置に移動させると、当該漢字の読み仮名が表示される点は上述した第3実施の形態と同様であるが、当該読み仮名は、予め記憶された仮名漢字変換に用いる対応付けに基づく漢字に対応する仮名ではなく、(入力ミスに気が付く前に)ユーザの通常入力操作により入力された文字の履歴に基づく仮名を用いる。
【0075】
本実施の形態に係る携帯電話10では、制御部16は、通常入力操作の際の文字入力に用いた仮名の履歴を記憶部14に保持するように制御する。例えば、「株式会社〜で発売されている商品は素晴らしい効果があります。」という文字列を入力して確定したのであれば、その文字の入力に用いた仮名として「かぶしきかいしゃ〜ではつばいされているしょうひんはすばらしいこうかがあります。」という履歴を、表示部12に表示されている文字と対応付けて記憶部14に記憶する。本実施の形態では、修正操作によりカーソルが移動した先が漢字であった場合には、上記のようにして記憶部14に記憶された仮名の履歴を参照することで、入力済みの仮名の履歴に基づいて、当該漢字に対応する読み仮名を表示部12に表示するようにする。
【0076】
なお、本実施の形態の動作は、図7のフローチャートにて説明した第3実施の形態の動作と全く同じ手順で行うことができるため、同じ説明は省略する。図7のステップS36〜ステップS37にて、カーソルが漢字の上に移動し、その漢字に対応する読みの仮名文字を表示する際に、制御部16は、記憶部14を参照して、記憶された入力済みの仮名の履歴から、カーソルが移動した先の漢字に対応する読み仮名を読み出して、その仮名文字を表示部12に表示するように制御する。
【0077】
図9は、本実施の形態に係る携帯電話10の動作を説明する図である。図9(a)〜(f)の各図は、携帯電話10の表示部12に表示される画面の一例を表している。ここでは、ユーザが、入力部11のキーを用いて、「株式会社〜で発売されている商品は素晴らしい効果があります。」という文章を入力しようと意図したものの、入力ミスをして、「株式」の入力の際に「かぶしき」と入力するつもりが「かぶさき」と誤って入力したため、図9(a)に示すように、「株式」ではなく「株先」という文字列に変換されたのを気付かずに確定処理をさせてしまった場合の修正動作について説明する。
【0078】
まず、この場合、文字列「株先会社」のうちの誤りの文字「先」にカーソルを移動させるため、ユーザにより、その読み「さき」の最初の文字「さ」が属する行である「3(さ行)」のキーが長押しされると、この修正操作を検知して、図9(b)に示すように、表示部12上に表示されている「さ行」で始まる読みの漢字および「さ行」の仮名文字を全てハイライト表示する。
【0079】
次に、さらに「3(さ行)」のキーの長押しを何度か検知することによって、図9(c)に示すように、ハイライト表示されている「先」の位置までカーソルを移動する。「先」の位置にカーソルを移動させたら、図9(d)に示すように、「先」の文字の読み仮名「さき」を表示部12に表示する。
【0080】
その後、この「さき」という文字列に対して、このまま続けて短押しによる通常入力操作を検知して、図9(e)に示すように、文字列を「しき」に修正する。このようにして正しく入力した文字列「しき」に対してもう一度仮名漢字変換を行うことにより、図9(f)に示すように、正しく「式」と変換する。
【0081】
以上のように、入力文字確定前の通常入力操作による仮名の入力の履歴を記憶部14に記憶して、この履歴を修正操作の際に利用することにより、入力文字を確定した後であっても、簡単かつ手順の少ない効率的な操作により、入力した文字列を迅速に修正することができる。
【0082】
(第5実施の形態)
次に、本発明の第5実施の形態について説明する。第5実施の形態では、上述した第4実施の形態と同様に、例えばユーザが入力中には入力ミスに気付かずに、漢字変換候補を選択し確定してしまった後に入力ミスに気付いた場合に、これをさらに簡単かつ効率的に修正する動作について説明する。なお、本実施の形態は、上述した第1〜第4実施の形態に係る携帯電話10と全く同じ構成で実施することができ、その一部機能ブロックの制御のみが多少異なるものである。したがって、第1〜第4実施の形態と同じ説明は省略する。
【0083】
本実施の形態は、ユーザが入力文字の確定後に入力ミスを発見し、長押しによる修正操作により、カーソルを修正文字候補の漢字の位置に移動させると当該漢字の読み仮名が表示される点は上述した第3および第4実施の形態と同様であるが、第4実施の形態で説明した(入力ミスに気が付く前に)ユーザの通常入力操作により入力された文字の履歴とともに、さらに、その通常入力操作により文字入力した際の分節の履歴も用いるようにする。
【0084】
本実施の形態に係る携帯電話10では、制御部16は、通常入力操作の際の文字入力に用いた仮名の履歴とともに、その入力の際の分節の履歴も記憶部14に保持するように制御する。例えば、「株式会社〜で発売されている商品は素晴らしい効果があります。」という文字列を入力して確定したのであれば、その文字の入力に用いた仮名として「かぶしきかいしゃ〜ではつばいされているしょうひんはすばらしいこうかがあります。」という履歴を、その通常入力操作の際に文字列を選択などして確定させた分節を単位として、記憶部14に記憶する。例えば、ユーザが入力した文字列を1つの単位として確定させた箇所を記号「/」で表せば、「かぶしき/かいしゃ/〜/で/はつばい/されている/しょうひん/は/すばらしい/こうか/があります。」などのようになる。
【0085】
このような分節単位の履歴を、表示部12に表示されている文字と対応付けて記憶部14に記憶する。本実施の形態では、修正操作によりカーソルが移動した先が漢字であった場合には、上記のようにして記憶部14に記憶された仮名の分節単位の履歴を参照することで、入力済みの分節単位の仮名の履歴に基づいて、当該漢字に対応する読み仮名を分節単位で表示部12に表示するようにする。
【0086】
なお、本実施の形態の動作は、図7のフローチャートにて説明した第3および第4実施の形態の動作と全く同じ手順で行うことができるため、同じ説明は省略する。図7のステップS36〜ステップS37にて、カーソルが漢字の上に移動し、その漢字に対応する読みの仮名文字を表示する際に、制御部16は、記憶部14を参照して、記憶された入力の仮名の、分節を単位とした履歴から、カーソルが移動した先の漢字に対応する読み仮名を読み出して、その仮名文字を表示部12に表示するように制御する。
【0087】
図10は、本実施の形態に係る携帯電話10の動作を説明する図である。図10(a)〜(f)の各図は、携帯電話10の表示部12に表示される画面の一例を表している。ここでは、ユーザが、入力部11のキーを用いて、「株式会社〜で発売されている商品は素晴らしい効果があります。」という文章を入力しようと意図したものの、入力ミスをして、「効果」の入力の際に「こうか」と入力するつもりが「けうか」と誤って入力したため、図10(a)に示すように、「効果」ではなく「稀有か」という文字列に変換されたのを気付かずに確定処理をさせてしまった場合の修正動作について説明する。
【0088】
まず、この場合、文字列「けうか」のうちの誤りの文字「稀」または「有」または「か」にカーソルを移動させるため、ユーザにより、その読みの文字「け」または「う」または「か」が属する行である「2(か行)」または「1(あ行)」のキーが長押しされると、この修正操作を検知して、表示部12上に表示されているそれぞれの行で始まる読みの漢字および仮名文字を全てハイライト表示する。本実施の形態に係る携帯電話10では、分節単位で修正文字候補を仮名に戻すことができるため、「こうか」と入力したかったが「けうか」という分節単位で入力してしまったということをユーザがわかっていれば、「けうか」のうちどの文字に対して修正操作を行っても良い。本例では、「2(か行)」キーを長押ししたものとして説明する。この修正操作を検知して、図10(b)に示すように、表示部12上に表示されている「か行」で始まる読みの漢字および「か行」の仮名文字を全てハイライト表示する。
【0089】
次に、さらに「2(か行)」のキーの長押しを何度か検知することによって、図10(c)に示すように、当該長押しの入力回数に応じて、ハイライト表示されている「稀」または「か」の位置までカーソルを移動させる。本例では、「か」の位置にカーソルを移動させることにより、図10(d)に示すように、「稀有か」を文節単位として、その文字の読み仮名「けうか」を表示部12に表示している。
【0090】
その後、この「けうか」という文字列に対して、このまま続けて短押しによる通常入力操作を検知して、図10(e)に示すように、文字列を「こうか」に修正する。このようにして正しく入力した文字列「こうか」に対してもう一度仮名漢字変換を行うことにより、図10(f)に示すように、正しく「効果」と変換する。
【0091】
以上のように、入力文字確定前の通常入力操作による仮名の入力の、分節を単位とする履歴を記憶部14に記憶して、この履歴を修正操作の際に利用することにより、入力文字を確定した後であっても、簡単かつ手順の少ない効率的な操作により、入力した文字列を一層迅速に修正することができる。
【0092】
なお、本発明は、上述した各実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、上記各実施の形態では、説明の便宜のため、1回目の長押しによる修正操作にて修正文字候補をハイライト表示させ、2回目以降の長押しによる修正操作に応じて、ハイライト表示している修正文字候補にカーソルを移動させたが、1回目の長押しによる修正操作によって、修正文字候補をハイライト表示させ、かつ、そのハイライト表示された修正文字候補の1つにカーソルを移動させるように設定することもできる。このようにすることで、修正操作に必要なキー操作の押下回数をさらに削減することができる。この場合には、図4のフローチャートにおいて、ステップS14からステップS15に移行し、図7においてはステップS34からステップS35に移行するようにする。
【0093】
また、上述した各実施の形態では、キーの入力に関して、「短押し」を「通常入力操作」とし、「長押し」を「修正操作」として説明したが、これらを逆に、すなわち、「長押し」を「通常入力操作」とし、「短押し」を「修正操作」とすることもできる。これらのどちらかを、ユーザの好みに応じて設定可能にするのが好適である。
【0094】
特に、「短押し」を「修正操作」とする場合には、「通常入力操作」の「長押し」と区別を付けなくてはならない。この場合には、図3に示す押下の開始から時間閾値Tthを超えて初めて「長押し」の「通常入力操作」と判別するため、ユーザがキーを押下していても、時間閾値Tthを超えるまでは入力結果を表示部12に表示せずに、時間閾値Tthを越えた時点で表示するようにして、「修正操作」から「通常入力操作」に移行するタイミングの区別を明確にユーザに示すようにするのが好適である。
【0095】
このように「長押し」を「通常入力操作」とする場合には、同じキーを連続して押下し続けることによって、ある行の仮名文字を(「な」「に」「ぬ」のように)順次遷移させる際に、その都度時間閾値Tthを超えるまでキーを押下(長押し)しては開放し、再び長押ししてから開放、という動作を繰り返さなくてはならず、手間がかかると同時に時間もかかる恐れがある。そこで、例えば図11(a)に示すように、キーを押下したままの状態が時間閾値Tthを超えて続くことで「長押し」と判定された後に、さらにキーを押下したままの状態が別の時間閾値を超えても続く場合は、順次、「長押し1」「長押し2」「長押し3」のように、キーの長押しの押下操作が複数回行われたものとする処理を行うようにすれば、1回ずつキーの押下を開放する手間はなくなる。さらに、図11(b)に示すように、連続する長押しの時間閾値の間隔を短くすることで、一旦「長押し」になった後は、さらにキーを押下したままにすることで、短時間で次々と仮名を順次遷移させることができる。
【0096】
このような処理を上述した各実施の形態と組み合わせると、ユーザによる操作が一層簡単で効率的となる。例えば、「長押し」を「修正操作」として設定する場合においても、修正を行う際にキーの「長押し」を何度も(押下した後に開放を)繰り返すのではなく、同じキーを長押ししたままにすることで、所望の修正箇所までカーソルを順次移動させ、修正したい位置にカーソルが来た時点でキーの押下を開放すればよい。
【0097】
さらに、上述した各実施の形態にかかる携帯電話10の入力部11は、機械的なキーまたはボタンを備えるキーボードとして説明したが、例えばタッチパネル上にキーの形状を表示させて、表示されたキーの部分に対応するタッチパネルを押圧することで入力を行うような形態の入力部を用いても、本発明を実施することができる。上述した、キーを長押ししたままにすることによって長押しが連続して複数回行われたものとする処理は、特にこのようなタッチパネルを用いた入力部を用いて入力を行う場合に有利である。
【0098】
なお、上述の「通常入力操作」と「修正操作」では、入力部11への入力の態様を入力態様判別部13が判別できさえすれば、その態様は必ずしも「長押し」および「短押し」のみに限定されるものではなく、様々な入力態様を想定することができる。例えば、図11にて説明したような時間閾値Tthを基準として、時間閾値Tth以内の短押しであれば、それは「通常入力操作」とし、時間閾値Tthを超えても長押したままの場合には、当該長押ししているキーに割り当てられている複数の仮名文字が順次遷移する(すなわちこの場合の長押しも通常入力操作とする)ように処理するようにしても良い。この場合の「修正操作」については、同じキーを「素早く2回短押し」するダブルクリックのような押下を「修正操作」モードに入るきっかけとし、この「素早く2回短押し」の後は、同じキーの「短押し」で「修正操作」を行うことができるようにする。
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置に関し、特に、文字入力用の入力装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話などの携帯端末においては、小型の端末に多種多様な機能が組み込まれるようになっている。特に、携帯端末を用いて電子メールを作成して送信することは、広く一般的に行われている。携帯端末で電子メールを作成する際には、端末本体に配置されたキーを押下したり、タッチパネルを押圧したりすることにより文字を入力して文章の作成を行う。このように、携帯端末を用いて文字を入力することは、電子メールを作成する際の他にも、例えばアドレス帳やスケジュール帳などに文字情報を入力する際などのように、非常に幅広く行われている。
【0003】
携帯電話の操作キーを用いて日本語の文字を入力する場合は、例えば図12(a)に示すような、各数字のキーに、各行の仮名を対応させたキーボードを用いることが一般的である。このようなキーボードのキーを押下して電子メールなどを構成する文字を入力する際、現在一般に用いられている電子メールの仮名文字入力方式には次のようなものがある。すなわち、「1」のキーに仮名文字「あ」「い」「う」「え」「お」の「あ行」を、「2」のキーに「か」「き」「く」「け」「こ」の「か行」を、「3」キーに「さ行」を、のように、それぞれの数字キーに仮名文字の「あ行」〜「わ行」の各行を対応させる。この方式では、ユーザによる各数字のキーの連続する押下を受け付けることにより、その押下の回数に応じて、対応する行の仮名を順送りに遷移させて一文字ずつ入力する。
【0004】
このような仮名の入力方式を用いて電子メールの文章を作成する場合には、端末にインストールされている日本語入力アプリケーションを用いて、その入力結果を、例えば図12(b)に示すような端末の画面に表示させながら入力操作を行うのが一般的である。図12(b)に表示した画面では、画面中段に、ユーザが現在入力中の文字の入力経過を分節単位で示す領域が表示され、上段には入力した文字の確定部分が表示されている。
【0005】
図12(b)に図示した時点では、ユーザは、図12(a)に示すキーボードのキーの中から「3(さ行)」のキーを1回押下して、さ行1番目の文字である「さ」を入力し、次に「2(か行)」のキーを3回連続で押下して、か行の仮名を「か」「き」「く」と順次遷移させて、か行3番目の文字である「く」を入力したところを示している。「さく」の仮名文字の入力に応じて、図12(b)の画面の下段には「さく」で始まる種々の言葉の選択候補が表示され、ユーザは、この中から候補を選択して確定させることができる。このような分節単位の入力操作を繰り返すことで、入力する仮名文字を適宜漢字に変換させて、文章を作成していくことができる。
【0006】
ところで、このような入力作業中には、ユーザは、図12(b)に示すような入力結果を表示する画面を常に注視して確認しながら入力操作を行っているとは限らない。すなわち、例えば、キーボードのキーの位置を確認するために、ユーザは表示画面から一旦視線を外すことがある。また、徒歩で移動中などユーザが他の動作をしながら入力操作を行っている場合には、ユーザは絶えず表示画面を注視して入力結果を確認できるわけではない。さらに、ユーザの指の操作ミスなども考慮すると、実際の入力操作においては、入力ミスを修正するための操作を行う必要性が絶えず発生し得る。
【0007】
従来の入力方法において、入力ミスをしてしまった場合、それを修正するには、ユーザは、自ら修正箇所までカーソルを移動させて、例えば、修正すべき箇所の文字を一旦削除して、そこに正しい文字を再度入力するというような操作を行う。
【0008】
例えば、「株式会社」という文字を入力する際に、ユーザがキー操作を誤って、図13(a)の表示画面の中段に示すように、「かぶしかかいしゃ」という仮名文字を入力してしまった後に、入力の誤りに気付いたとする。図示の例では、文字または文字列の入力後には、カーソルが「I」型になっている。なお、すでに入力済みの文字の上にカーソルを移動させると、当該カーソルは四角型になって反転表示または点滅するなどして文字の選択位置を示すようになる。よって、入力済みの文字を修正したい場合には、修正したい(「かいしゃ」の文字列の直前の)「か」の位置までカーソルを移動させるため、図12(a)のキーボード上段にある十字方向キーなどの左方向のキーを5回押下して、図13(b)に示すような状態にする。なお、(1)〜(5)までの数字は、左方向のキーをユーザが押下する回数を示している。携帯電話の文字入力機能では、文章の途中で文字を入力する場合、当該入力文字が「上書き」されるのではなく、入力文字が「挿入」される設定になっていることが多い。このような場合には、ユーザは、修正したい箇所までカーソルを移動させ、例えば図12(a)に示す「C」キーのようなクリアキーを押下して、カーソルが存在する箇所の文字「か」を一旦削除してから、図13(c)に示すように、正しい文字「き」を入力して修正操作を行う。あるいは、正しい文字を入力してから、誤って入力した文字を削除する。
【0009】
なお、英語圏においては、携帯電話の操作キーを用いて文字を入力する場合、例えば図16(a)に示すような、各数字のキーに、アルファベットを対応させたキーボードを用いることが一般的である。このようなキーボードのキーを押下して電子メールなどを構成する文字を入力する際、現在一般に用いられている電子メールのアルファベット入力方式には次のようなものがある。すなわち、「2」のキーに「A」「B」「C」を、また「3」キーに「D」「E」「F」を、のように、それぞれの数字キーにアルファベットの文字を対応させる。この方式では、ユーザによる各数字のキーの連続する押下を受け付けることにより、その押下の回数に応じて、対応するアルファベットを順送りに遷移させて一文字ずつ入力する。なお、この方式では、「A」「B」「C」「a」「b」「c」のように、大文字、小文字の順に遷移する。
【0010】
このようなアルファベットの入力方式を用いて電子メールの文章を作成する場合には、端末にインストールされている英語入力アプリケーションを用いて、その入力結果を、例えば図16(b)に示すような端末の画面に表示させながら入力操作を行うのが一般的である。
【0011】
図16(b)に図示した時点では、ユーザは、図16(a)に示すキーボードのキーの中から「9」のキーを3回押下して、3番目の文字である「Y」を入力し、次に「3」のキーを5回連続で押下して、アルファベットを「D」「E」「F」「d」「e」と順次遷移させて、5番目の文字である「e」を入力したところを示している。「Ye」の文字の入力に応じて、図16(b)の画面の下段には「Ye」で始まる種々の言葉の選択候補が表示され、ユーザは、この中から候補を選択して確定させることができる。このような文字単位の入力操作を繰り返すことで、英語の文章を作成していくことができる。
【0012】
この入力方式において、例えば、ユーザが「Yesterday」という文字を入力しようとする際に、キー操作を誤って、図17(a)の表示画面の中段に示すように、「Yepterday」という文字を入力してしまった後に、入力の誤りに気付いたとする。図示の例では、文字または文字列の入力後には、カーソルが「I」型になっている。なお、すでに入力済みの文字の上にカーソルを移動させると、当該カーソルは四角型になって反転表示または点滅するなどして文字の選択位置を示すようになる。よって、入力済みの文字を修正したい場合には、修正したい「p」の位置までカーソルを移動させるため、図16(a)のキーボード上段にある十字方向キーなどの左方向のキーを7回押下して、図17(b)に示すような状態にする。なお、(1)〜(7)までの数字は、左方向のキーをユーザが押下する回数を示している。携帯電話の文字入力機能では、文章の途中で文字を入力する場合、当該入力文字が「上書き」されるのではなく、入力文字が「挿入」される設定になっていることが多い。このような場合には、ユーザは、修正したい箇所までカーソルを移動させ、例えば図16(a)に示す「C」キーのようなクリアキーを押下して、カーソルが存在する箇所の文字「p」を一旦削除してから、図17(c)に示すように、正しい文字「s」を入力して修正操作を行う。あるいは、正しい文字を入力してから、誤って入力した文字を削除する。
【0013】
しかしながら、上述のような修正操作は、現在のカーソルの位置と、修正したい箇所の位置との間の距離が遠くなればなるほど、当該修正したい箇所までカーソルを移動させるキー操作を行う手間をユーザに課すことになる。
【0014】
このような問題に対処し得るものとして、例えば特許文献1に記載の入力装置では、修正したい文字をユーザが検索対象文字として検索欄に入力すれば、この欄に入力した文字または文字列が文章中から検索できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開平01−130260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、上記特許文献1に記載されているような技術では、修正したい文字がある場合に、ユーザは、当該修正したい文字列を、その都度検索欄に別途入力しなくてはならず、すなわち、誤りの文字列をわざわざもう一度入力しなくてはならないという負担がある。
【0017】
したがって、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、入力した文字の修正を、ユーザに負担の少ない簡単な操作で、迅速に行うことができる入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成する請求項1に係る入力装置の発明は、
入力を受け付ける入力部と、
前記入力部に対する入力結果を表示する表示部と、
前記入力部への入力が第1の入力態様であるか第2の入力態様であるかを判別する入力態様判別部と、
前記入力態様判別部により、前記入力部の所定のキーに対する入力が前記第1の入力態様であると判別される場合には、当該入力に応じて、当該キーに割り当てられた複数の文字を、入力文字候補として順次遷移させて前記表示部に表示するように制御し、前記入力態様判別部により、前記入力部の所定のキーに対する入力が前記第2の入力態様であると判別される場合には、前記表示部に表示された入力済みの文字列のうち当該キーに割り当てられた文字に対応する文字を修正文字候補として検索し、該検索された修正文字候補に対して、前記入力に応じて前記表示部に表示されるカーソルの移動を制御する入力制御部と、
を備えることを特徴とするものである。
【0019】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の入力装置において、
前記入力制御部は、前記第2の入力形態による入力に応じて、前記検索された修正文字候補を前記表示部にて認識可能に強調表示するとともに、前記第2の入力形態での複数回の入力に応じて当該強調表示された修正文字候補に順次カーソルを移動させるようにしたことを特徴とするものである。
【0020】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の入力装置において、
前記入力態様判別部は、
前記入力部の所定のキーに対する押下時間が所定の時間閾値以内の入力を第1の入力態様として判別し、
前記入力部の所定のキーに対する押下時間が前記所定の時間閾値を超える入力を第2の入力態様として判別することを特徴とするものである。
【0021】
請求項4に係る発明は、請求項1または2に記載の入力装置において、
前記入力態様判別部は、
前記入力部の所定のキーに対する押下時間が所定の時間閾値を超える入力を第1の入力態様として判別し、
前記入力部の所定のキーに対する押下時間が前記所定の時間閾値以内の入力を第2の入力態様として判別することを特徴とするものである。
【0022】
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の入力装置において、
前記入力制御部は、前記入力済みの文字列が確定される以前の仮名の文字列であり、前記入力部の所定のキーに対する入力が前記第2の入力態様であると前記入力態様判別部により判別される場合には、前記表示部に表示された前記入力済みの文字列のうち、前記所定のキーに割り当てられた仮名文字に対応する仮名文字を修正文字候補として検索することを特徴とするものである。
【0023】
請求項6に係る発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の入力装置において、
前記入力制御部は、前記入力済みの文字列が確定された後の漢字または仮名を含む文字列であり、前記入力部の所定のキーに対する入力が前記第2の入力態様であると前記入力態様判別部により判別される場合には、前記表示部に表示された前記入力済みの文字列のうち、前記所定のキーに割り当てられた仮名文字に対応する仮名文字を修正文字候補として検索することを特徴とするものである。
【0024】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の入力装置において、
各漢字とその読みを表す仮名文字との対応付けを記憶する記憶部をさらに備え、
前記入力制御部は、前記表示部に表示された前記入力済みの文字列のうち、前記所定のキーに割り当てられた仮名文字から始まる読み仮名を有する漢字を前記記憶部から修正文字候補としてさらに検索するとともに、前記記憶部に記憶された各漢字とその読みを表す仮名文字との対応付けに基づいて、前記第2の入力態様に基づく前記カーソルの移動先の修正文字候補を、該修正文字候補の読みを表す仮名文字に変換して前記表示部に編集可能に表示するよう制御することを特徴とするものである。
【0025】
請求項8に係る発明は、請求項6に記載の入力装置において、
前記入力済みの文字列の入力に用いた仮名の履歴を記憶する記憶部をさらに備え、
前記入力制御部は、前記表示部に表示された前記入力済みの文字列のうち、前記所定のキーに割り当てられた仮名文字から始まる読み仮名を有する漢字を前記記憶部から修正文字候補としてさらに検索するとともに、前記記憶部に記憶された前記入力済みの文字列の入力に用いた仮名の履歴に基づいて、前記第2の入力態様に基づく前記カーソルの移動先の修正文字候補を、前記確定する前の仮名文字に戻して前記表示部に編集可能に表示するよう制御することを特徴とするものである。
【0026】
請求項9に係る発明は、請求項6に記載の入力装置において、
前記入力済みの文字列の入力に用いた仮名の履歴とともに、前記入力済みの各文字列を確定した際の分節単位の履歴を記憶する記憶部をさらに備え、
前記入力制御部は、前記表示部に表示された前記入力済みの文字列のうち、前記所定のキーに割り当てられた仮名文字から始まる読み仮名を有する漢字を前記記憶部から修正文字候補としてさらに検索するとともに、前記第2の入力態様に基づく前記カーソルの移動先の修正文字候補を、前記入力済みの文字列の入力に用いた仮名の履歴および前記入力済みの各文字列を確定した際の分節単位の履歴に基づいて、当該分節単位で、前記確定する前の仮名文字に戻して前記表示部に編集可能に表示するよう制御することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、入力部への入力を第2の入力態様によって行うことで、入力済みの文字列のうち、当該第2の入力態様による入力に用いたキーに割り当てられた文字に対応する文字を修正文字候補として検索し、この検索された修正文字候補に対して、第2の入力態様による入力に応じて順次カーソルを移動させるようにしたので、入力文字の修正を、簡単かつ負担の少ない操作で迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る携帯電話の構成を示す外観正面図である。
【図2】図1に示す携帯端末の機能ブロック図である。
【図3】第1実施の形態の「短押し」および「長押し」を説明する概念図である。
【図4】第1実施の形態に係る携帯電話の動作を説明するフローチャートである。
【図5】第1実施の形態の修正操作を説明する表示画面の例を示す図である。
【図6】第2実施の形態の修正操作を説明する表示画面の例を示す図である。
【図7】第3実施の形態に係る携帯電話の動作を説明するフローチャートである。
【図8】第3実施の形態の修正操作を説明する表示画面の例を示す図である。
【図9】第4実施の形態の修正操作を説明する表示画面の例を示す図である。
【図10】第5実施の形態の修正操作を説明する表示画面の例を示す図である。
【図11】各実施の形態の「長押し」操作の変形例を説明する概念図である。
【図12】従来の携帯電話の日本語の入力部および表示部を示す概略図である。
【図13】従来の携帯電話による日本語の入力文字の修正操作を説明する表示画面の例を示す図である。
【図14】英語の場合の第1実施の形態に係る携帯電話の構成を示す外観正面図である。
【図15】英語の場合の第1実施の形態の修正操作を説明する表示画面の例を示す図である。
【図16】従来の携帯電話の英語の入力部および表示部を示す概略図である。
【図17】従来の携帯電話による英語の入力文字の修正操作を説明する表示画面の例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。なお、以下の各実施の形態においては、本発明の入力装置を備えた端末の一例として携帯電話を挙げて説明するが、本発明の入力装置の適用は携帯電話に限定されるものではなく、入力部および表示部を有する端末であれば、例えばPDA(Personal Digital Assistants)など、任意の端末に適用することが可能である。
【0030】
(第1実施の形態)
図1は、本発明の第1実施の形態に係る携帯電話10の構成を示す外観正面図である。この携帯電話10は、端末に配置した複数の機械的なキーなどによって構成される入力部11と、各種情報を表示する例えば液晶ディスプレイなどによって構成される表示部12とを備えている。本実施の形態では、携帯電話10は、折り畳み式の筐体を有する携帯電話として説明するが、入力部および表示部を備えるものであれば、折り畳み式の携帯電話に限定されるものではない。図1では、携帯電話10を用いて、新規の送信メールを作成するにあたり、文字を入力して文章を作成したところを表している。なお、携帯電話10は、他にもスピーカおよびマイクなど、一般的な携帯電話として必要な各機能部、およびインタフェースなどを備えているが、これらの詳細については説明を省略する。
【0031】
図2は、本実施の形態に係る携帯電話10の機能ブロック図である。携帯電話10は、前述の入力部11および表示部12を備えている他に、入力部11への入力のタイミング(押下時間の長短)によってその入力の態様を判別する入力態様判別部13と、日本語入力アプリケーションおよび仮名漢字変換の漢字変換候補ならびに各種設定など種々の情報を記憶する記憶部14と、図示しない基地局とデータの送受信を行う通信部15と、これら各機能ブロックをはじめとして携帯電話10全体を制御する制御部16と、をさらに備えている。
【0032】
ここで、上述の入力態様判別部13による、入力部11への入力の態様の判別について説明する。本実施の形態においては、入力部11への入力の態様を、入力態様判別部13によって「通常入力操作」と「修正操作」とに判別する。これらの判別にあたっては、図3に示すような時間閾値Tthを設定して記憶部14に予め記憶しておき、入力部11の所定のキーの押下操作が開始されてから時間閾値Tth以内にキーの押下が開放された場合には、その押下は「短押し」として判定し、キーの押下操作が開始されてから時間閾値Tth超えてもキーの押下が開放されない場合には、その押下は「長押し」として判定する。
【0033】
本実施の形態においては、上記の「短押し」を「通常入力操作」として、「長押し」を「修正操作」として、以下説明する。なお、本実施の形態では、ユーザによるキーの短押しを検知すると、通常入力操作として仮名文字の入力または遷移を行い、長押しを検知すると、修正操作として、表示部12に表示された当該キーに対応する仮名文字をハイライト表示(強調表示)して、その後さらなる長押しの検知により、そのハイライト表示した箇所までカーソルを移動させるように、制御部16により制御を行う。
【0034】
次に、図4のフローチャートを参照しながら、本実施の形態による携帯端末10の通常入力操作および修正操作を説明する。なお、本実施の形態では、文字列を入力している際に、その文字列を漢字に変換する前にユーザが入力ミスに気付いたため、漢字の変換候補を選択して漢字変換を確定させる前段階で修正を行いたい場合の動作について説明する。
【0035】
なお、本実施の形態では、携帯端末10は、ユーザが入力ミスをしてしまった場合、修正操作として、修正したい仮名文字の行のキーが長押しされる(例えば「て」の文字を修正したい場合は、「て」は「た」行の仮名なので「4(た行)」のキーを長押しする)ことで、ユーザ入力を受け付ける。これに応じて、制御部16は、当該長押しされたキーに割り当てられた行の仮名文字を、修正対象文字の候補として表示部12上でハイライト表示するように制御する。この修正対象文字候補のハイライト表示については、後でさらに説明する。
【0036】
先ず、入力部11がキーの押下を検知すると、入力態様判別部13は、当該検知された入力が短押しによる通常入力操作なのか、長押しによる修正操作なのかを判別する(ステップS11)。その結果、短押しによる通常入力操作と判別された場合には、通常の日本語入力のアプリケーションに基づく、従来式の仮名文字の入力(マルチタップ入力)処理が行われる(ステップS12)。
【0037】
上記従来式の仮名文字の入力処理とは、すなわち、押下したキーが、「あ」行、「か」行、「さ」行など各行のキーの最初の押下である場合には、制御部16は、当該押下を、それぞれ各行の最初の文字である「あ」、「か」、「さ」などの入力として処理し、その仮名文字を表示部12に表示する。また、各行の仮名文字がもともと表示部12に表示されていて、当該行のキーの先の入力に基づく連続する押下を入力部11が検知した場合には、制御部16は、各行の仮名文字を次の仮名文字に順次遷移させて表示部12に表示するように制御する。すなわち、もともと「あ」が表示されているところに「あ」行のキーが押下されれば、その表示は「い」に遷移し、もともと「い」が表示されているところに「あ」行のキーが押下されれば、その表示は「う」に遷移する。
【0038】
ステップS11にて、入力部11が検知した入力は長押しによる修正操作であると入力態様判別部13が判別した場合には、制御部16は、既に修正対象文字の候補をハイライト表示させたか否かをチェックする(ステップS13)。当該長押しによる入力が直前の長押しに続く長押しでない場合(つまり通常入力操作から修正操作に移行した場合)には、修正対象文字の候補のハイライト表示は存在しないためステップS14に移行する。ステップS14では、制御部16は、記憶部14を参照することで、表示部12に現在表示している、変換前の仮名文字の分節から、修正操作として入力されたキーの仮名の行に含まれる仮名文字(例えば「3(さ行)」のキーであれば「さ」「し」「す」「せ」「そ」)を検索し、当該検索された仮名文字を表示部12上でハイライト表示する。
【0039】
ステップS13にて、(長押しによる修正操作が2回目以降のため)修正文字候補をすでに検索してハイライト表示している場合には、当該修正操作によって、ハイライト表示された修正文字候補へとカーソルを移動させる(ステップS15)。このカーソルの移動は、最初は、修正操作を開始した時にカーソルが存在した位置から直前の修正文字候補へと移動させて、さらに修正操作が繰り返されるごとに、当初修正操作を開始した時にカーソルが存在した位置から順次遠ざかるように(つまり順次右から左に、下から上に)修正文字候補へとカーソルを移動させる。したがって、本実施の形態では、記憶部14および制御部16を含んで、入力制御部を構成している。
【0040】
図5は、本実施の形態に係る携帯電話10の動作を説明する図である。図5(a)〜(c)の各図は、携帯電話10の表示部12に表示される画面の一例を表している。図示のように、例えば「かぶしきかいしゃ」という仮名文字を入力しようとする際に、ユーザがキー操作を誤って、「かぶしかかいしゃ」と入力してしまった後で、漢字変換前に入力の誤りに気付いた場合は、「か」の文字を「き」の文字に修正すべきである。この場合、修正操作として入力部11への「2(か行)」のキーの長押しを検知することにより、制御部16は、図5(a)に示すように、か行の仮名文字を検索して表示部12上でハイライト表示する。次にもう一度「2(か行)」のキーの長押しを検知すると、カーソルを、最初の修正文字候補である、「かいしゃ」の「か」の字まで移動させ、点滅または反転表示などして修正候補の位置を明示する。さらにもう一度「2(か行)」のキーの長押しを検知することで、図5(b)に示すように「かいしゃ」の直前の「か」の字までカーソルを移動させる。次に「2(か行)」のキーの短押しによる通常の入力操作を検知することで、この場合はもともと「か」の文字が表示されているため、一度の短押しの検知により「き」の文字に修正(「か」から「き」に順次遷移)することができる。このようにすることで、図5(c)に示すように、ユーザはこの修正操作を完了することができる。
【0041】
したがって、図13にて説明したような従来の携帯端末と比べて、先ず、数少ないキー操作により所望の修正位置までカーソルを移動させることができる(図13の例では5回、本実施の形態では3回の押下操作)。さらに、修正したい文字をクリアキーなどで削除したりすることなく通常入力の続きを行うのみで直接修正することができる。したがって、全体として相当数の修正操作の手間を削減できる。また、ユーザは、同じキーを(押下の持続時間を変化させて)連続して押下操作するだけでカーソルの移動および修正の両方を行うことができ、修正に際してクリアキーを用いずに済む。このため、指を違うキーに移し変える必要もなく、文字修正を効率的に行うことができる。
【0042】
(英語の場合の第1実施の形態)
次に、上述した第1実施の形態について、英語入力の場合を、図を参照して説明する。
【0043】
図14は、英語の場合の第1実施の形態に係る携帯電話10の構成を示す外観正面図である。この携帯電話10は、端末に配置した複数の機械的なキーなどによって構成される入力部11と、各種情報を表示する例えば液晶ディスプレイなどによって構成される表示部12とを備えている。本実施の形態では、携帯電話10は、折り畳み式の筐体を有する携帯電話として説明するが、入力部および表示部を備えるものであれば、折り畳み式の携帯電話に限定されるものではない。図1では、携帯電話10を用いて、新規の送信メールを作成するにあたり、文字を入力して文章を作成したところを表している。なお、携帯電話10は、他にもスピーカおよびマイクなど、一般的な携帯電話として必要な各機能部、およびインタフェースなどを備えているが、これらの詳細については説明を省略する。
【0044】
図2は、本実施の形態に係る携帯電話10の機能ブロック図である。携帯電話10は、前述の入力部11および表示部12を備えている他に、入力部11への入力のタイミング(押下時間の長短)によってその入力の態様を判別する入力態様判別部13と、英語入力アプリケーションおよび英単語変換候補ならびに各種設定など種々の情報を記憶する記憶部14と、図示しない基地局とデータの送受信を行う通信部15と、これら各機能ブロックをはじめとして携帯電話10全体を制御する制御部16と、をさらに備えている。
【0045】
ここで、上述の入力態様判別部13による、入力部11への入力の態様の判別について説明する。本実施の形態においては、入力部11への入力の態様を、入力態様判別部13によって「通常入力操作」と「修正操作」とに判別する。これらの判別にあたっては、図3に示すような時間閾値Tthを設定して記憶部14に予め記憶しておき、入力部11の所定のキーの押下操作が開始されてから時間閾値Tth以内にキーの押下が開放された場合には、その押下は「短押し」として判定し、キーの押下操作が開始されてから時間閾値Tth超えてもキーの押下が開放されない場合には、その押下は「長押し」として判定する。
【0046】
本実施の形態においては、上記の「短押し」を「通常入力操作」として、「長押し」を「修正操作」として、以下説明する。なお、本実施の形態では、ユーザによるキーの短押しを検知すると、通常入力操作として文字の入力または遷移を行い、長押しを検知すると、修正操作として、表示部12に表示された当該キーに対応する文字をハイライト表示(強調表示)して、その後さらなる長押しの検知により、そのハイライト表示した箇所までカーソルを移動させるように、制御部16により制御を行う。
【0047】
なお、英語の場合の本実施の形態では、アルファベットの各文字を入力する場合に用いるキーを、英語入力アプリケーションに基づいて以下のように対応付けする。
文字A,B,Cの入力には数字「2」のキーを押下する(たとえば、文字Aの入力には数字「2」のキーを1回押下し、文字Bの入力には数字「2」のキーを2回連続して押下し、文字Cの入力には数字「2」のキーを3回連続して押下する。以下同様)。
D,E,Fの入力には「3」キーを押下する。
G,H,Iの入力には「4」キーを押下する。
J,K,Lの入力には「5」キーを押下する。
M,N,Oの入力には「6」キーを押下する。
P,Q,R,Sの入力には「7」キーを押下する。
T,U,Vの入力には「8」キーを押下する。
W,X,Y,Zの入力には「9」キーを押下する。
なお、小文字は大文字の遷移の後に表示される。例えば、数字「2」のキーを押下するごとに、その押下に応じて「A」「B」「C」「a」「b」「c」「A」「B」「C」…のように順次遷移する。
【0048】
次に、図4のフローチャートを参照しながら、本実施の形態による携帯端末10の通常入力操作および修正操作を説明する。
【0049】
なお、本実施の形態では、携帯端末10は、ユーザが入力ミスをしてしまった場合、修正操作として、修正したい文字に対応する数字キーが長押しされる(例えば文字「B」を修正したい場合は、文字「B」に対応するのは数字「2」のキーなので「2(A,B,C)」のキーを長押しする)ことでユーザの入力を受け付ける。これに応じて、制御部16は、当該長押しされた数字キーに割り当てられた文字を、修正対象文字の候補として表示部12上でハイライト表示するように制御する。この修正対象文字候補のハイライト表示については、後でさらに説明する。
【0050】
先ず、入力部11がキーの押下を検知すると、入力態様判別部13は、当該検知された入力が短押しによる通常入力操作なのか、長押しによる修正操作なのかを判別する(ステップS11)。その結果、短押しによる通常入力操作と判別された場合には、通常の英語入力のアプリケーションに基づく、従来式の文字の入力(マルチタップ入力)処理が行われる(ステップS12)。
【0051】
上記従来式の文字の入力処理とは、すなわち、押下した数字キーが、「2」、「3」、「4」など各数字キーの最初の押下である場合には、制御部16は、当該押下を、それぞれ各数字キーに割り当てられた最初の文字である「A」、「D」、「G」などの文字の入力として処理し、その文字を表示部12に表示する。また、各数字キーに割り当てられた文字がもともと表示部12に表示されていて、当該数字キーの先の入力に基づく連続する押下を入力部11が検知した場合には、制御部16は、各文字に対応する数字キーに割り当てられた文字を次の文字に順次遷移させて表示部12に表示するように制御する。すなわち、もともと文字「A」が表示されているところに数字キーの「2」が押下されれば、その表示を「B」に遷移し、もともと「B」が表示されているところに数字キーの「2」が押下されれば、その表示は「C」に遷移する。
【0052】
ステップS11にて、入力部11が検知した入力は長押しによる修正操作であると入力態様判別部13が判別した場合には、制御部16は、既に修正対象文字の候補をハイライト表示させたか否かをチェックする(ステップS13)。当該長押しによる入力が直前の長押しに続く長押しでない場合(つまり通常入力操作から修正操作に移行した場合)には、修正対象文字の候補のハイライト表示は存在しないためステップS14に移行する。ステップS14では、制御部16は、記憶部14を参照することで、表示部12に現在表示している文字から、修正操作として入力された数字キーに割り当てられている文字(例えば「3(D,E,F)」のキーであれば「D」「E」「F」)を検索し、当該検索された文字を表示部12上でハイライト表示する。
【0053】
ステップS13にて、(長押しによる修正操作が2回目以降のため)修正文字候補をすでに検索してハイライト表示している場合には、当該修正操作によって、ハイライト表示された修正文字候補へとカーソルを移動させる(ステップS15)。このカーソルの移動は、最初は、修正操作を開始した時にカーソルが存在した位置から直前の修正文字候補へと移動させて、さらに修正操作が繰り返されるごとに、当初修正操作を開始した時にカーソルが存在した位置から順次遠ざかるように(つまり順次右から左に、下から上に)修正文字候補へとカーソルを移動させる。したがって、本実施の形態では、記憶部14および制御部16を含んで、入力制御部を構成している。
【0054】
図15は、本実施の形態に係る携帯電話10の動作を説明する図である。図15(a)〜(c)の各図は、携帯電話10の表示部12に表示される画面の一例を表している。図示のように、例えば「Yesterday」という英単語を入力しようとする際に、ユーザがキー操作を誤って、「Yepterday」と入力してしまった後で、誤りに気付いた場合は、「p」の文字を「s」の文字に修正すべきである。この場合、修正操作として入力部11への「7(P,Q,R,S)」のキーの長押しを検知することにより、制御部16は、図15(a)に示すように、数字「7」のキーに対応する文字を検索して表示部12上でハイライト表示する。次にもう一度「7(P,Q,R,S)」のキーの長押しを検知すると、カーソルを、最初の修正文字候補である、「Yepterday」の「r」の文字まで移動させ、点滅または反転表示などして修正候補の位置を明示する。ここでさらにもう一度「7(P,Q,R,S)」のキーの長押しを検知することで、図15(b)に示すように「Yepterday」の「p」の文字までカーソルを移動させる。次に「7(P,Q,R,S)」のキーの短押しによる通常の入力操作を検知することで、この場合はもともと「p」の文字が表示されているため、3度の短押しの検知により「s」の文字に修正(「p」から「s」に順次遷移)することができる。このようにすることで、図15(c)に示すように、ユーザはこの修正操作を完了することができる。なお、図15(a)のハイライト表示は、「Yepterday」以外の文字、例えば「other」の「r」や、「kindness」の「s」に対して行ってもよい。
【0055】
したがって、図17にて説明したような従来の携帯端末と比べて、先ず、数少ないキー操作により所望の修正位置までカーソルを移動させることができる(図17の例では7回、本実施の形態では3回の押下操作)。さらに、修正したい文字をクリアキーなどで削除したりすることなく通常入力の続きを行うのみで直接修正することができる。したがって、全体として相当数の修正操作の手間を削減できる。また、ユーザは、同じキーを(押下の持続時間を変化させて)連続して押下操作するだけでカーソルの移動および修正の両方を行うことができ、修正に際してクリアキーを用いずに済む。このため、指を違うキーに移し変える必要もなく、文字修正を効率的に行うことができる。
【0056】
(第2実施の形態)
次に、本発明の第2実施の形態について説明する。上述した、日本語の場合の第1実施の形態では、文字の入力中に、漢字変換する前にユーザが入力ミスに気付き、漢字変換を確定させる前段階で修正を行う場合についての動作について説明した。以下説明する第2実施の形態では、例えばユーザが入力中には入力ミスに気付かずに、漢字変換候補を選択し確定してしまった後に入力ミスに気が付き、これを修正する場合の動作について説明する。なお、本実施の形態は、上述した第1実施の形態に係る携帯電話10と全く同じ構成で実施することができ、その一部機能ブロックの制御のみが若干異なるものである。したがって、第1実施の形態と同じ説明は省略する。
【0057】
本実施の形態に係る携帯電話10では、入力した文字列が確定された後に、上述した第1実施の形態と同様に、長押しによる修正操作が入力部11に入力されたと入力態様判別部13が判別した場合、制御部16は、当該入力に用いたキーの仮名の行に含まれる仮名文字を検索し、検索された仮名文字を表示部12上でハイライト表示する。したがって、ユーザは、修正したい漢字の文字列の前(または後)にある仮名を含む行のキーを、修正操作として長押しすることによって、簡単な操作で修正箇所の直近にカーソルを移動させることができる。
【0058】
図6は、本実施の形態に係る携帯電話10の動作を説明する図である。図6(a)〜(d)の各図は、携帯電話10の表示部12に表示される画面の一例を表している。ここでは、ユーザが、入力部11のキーを用いて、「株式会社〜で発売されている商品は素晴らしい効果があります。」という文章を入力しようと意図したものの、入力ミスをして、「こうか」を「けうか」と入力してしまい、図6(a)に示すように、「効果」ではなく「稀有か」という文字列に変換されたのを気付かずに確定処理をさせてしまった場合の修正動作について説明する。
【0059】
まず、この場合、文字列「稀有か」の直前の仮名文字「い」にカーソルを移動させるため、「い」が属する行である「1(あ行)」のキーを長押しする。この修正操作を検知して、制御部16は、図6(b)に示すように、表示部12上に表示されている「あ行」の仮名文字が全てハイライト表示する。
【0060】
次に、さらに「1(あ行)」のキーの連続した複数回の長押しを検知することによって、図6(c)に示すようにハイライト表示されている(「稀有か」の直前の)「い」の位置までカーソルを移動させる。この段階では、当該「い」の文字を修正するモードになっているため、ユーザが、このままで「1(あ行)」のキーの短押しの通常入力操作を行った場合には、「い」の文字が、「う」、「え」、「お」と順次遷移することになる。したがって、ここでは、「い」にカーソルを移動させたら、ユーザにより、例えば十字方向キーの「右」のキーなどの入力操作が行われるのを検出して、図6(d)に示すように、カーソルを移動させて、「い」の文字を遷移させるモードを解除する。この後は、通常入力操作に従って、「効果」の文字の入力後、「稀有か」の文字をクリアキーなどで削除するか、または逆に「稀有か」を削除してから「効果」の入力を受け付けるようにする。
【0061】
なお、入力ミスした文字列「稀有か」を直後から修正するために、「2(か行)」のキーを長押しする修正操作を行うことによって、「稀有か」の直後の仮名文字「が」にカーソルを移動させてから「稀有か」の文字列を修正してもよい。
【0062】
以上のように、第1実施の形態の修正動作を、文字確定後の修正動作にほぼそのまま適用することによって、入力文字を確定した後であっても、簡単かつ手順の少ない効率的な操作により、入力した文字列を迅速に修正することができる。
【0063】
(第3実施の形態)
次に、本発明の第3実施の形態について説明する。第3実施の形態では、上述した第2実施の形態と同様に、例えばユーザが入力中には入力ミスに気付かずに、漢字変換候補を選択し確定してしまった後に入力ミスに気付いた場合に、これをさらに簡単かつ効率的に修正する動作について説明する。なお、本実施の形態は、上述した第1および第2実施の形態に係る携帯電話10と全く同じ構成で実施することができ、その一部機能ブロックの制御のみが多少異なるものである。したがって、第1および第2実施の形態と同じ説明は省略する。
【0064】
本実施の形態に係る携帯電話10では、記憶部14に予め記憶されている日本語入力アプリケーションが備えている仮名漢字変換の機能を応用する。携帯端末10は、記憶部14に記憶されている日本語入力アプリケーションの機能を用いることで、日本語を入力するに際して、ある文字列を仮名文字で入力した後に、通常は幾つかの漢字変換選択候補の中から適切な変換候補を選択することによって、入力した仮名文字を漢字に変換する。本実施の形態では、この仮名文字から漢字に変換する機能を逆に利用して、修正操作によりカーソルが移動した先が漢字であった場合には、制御部16は、仮名漢字変換に用いる対応付けに基づいて、その漢字に対応する仮名を表示部12に表示するようにする。
【0065】
以下、図7のフローチャートを参照しながら、本実施の形態に係る携帯電話10による通常入力操作および修正操作による動作を説明するが、本図は図4のフローチャートに類似するものであるため、図4と同じ説明は省略する。
【0066】
本実施の形態では、入力した文字列が確定された後の場合において、ステップS31にて、入力態様判別部13が、長押しによる修正操作が入力部11に入力されたと判別した場合、制御部16は、当該入力に用いたキーに割り当てられた行に含まれる仮名文字、および当該入力に用いたキーに割り当てられた行に含まれる仮名文字から始まる読み仮名を有する漢字を検索し、検索された仮名文字および漢字を表示部12上でハイライト表示する(ステップS34)。その後さらに長押しによる修正操作が検知される場合(ステップS31のYes、ステップS33のYes)、制御部16は、ハイライト表示された修正文字候補へとカーソルを順次移動させ(ステップS35)、そのカーソルの移動先が漢字である場合には(ステップS36)、カーソルが漢字の上に移動した時点でその漢字に対応する読みの仮名文字を表示部12に表示する(ステップS37)。その後、携帯電話10は短押しによる通常入力操作を検知することにより、ユーザが入力ミスした仮名文字を正しい仮名文字に修正し、再び漢字に変換することができる。
【0067】
なお、長押しによる修正操作が複数回入力され、それに応じてカーソルを複数の修正文字候補について順次移動させる際には、現在カーソルが存在する位置の修正文字候補の漢字に対応する読みの仮名文字をすでに表示している場合には、当該表示を元の漢字に戻してから、次の修正文字候補へとカーソルを移動させるようにする。
【0068】
図8は、本実施の形態に係る携帯電話10の動作を説明する図である。図8(a)〜(f)の各図は、携帯電話10の表示部12に表示される画面の一例を表している。ここでは、ユーザが、入力部11のキーを用いて、「株式会社〜で発売されている商品は素晴らしい効果があります。」という文章を入力しようと意図したものの、入力ミスをして、「商品」の入力の際に「しょうひん」と入力するつもりが「しようひん」と誤って入力したため、図8(a)に示すように、「商品」ではなく「使用品」という文字列に変換されたのを気付かずに確定処理をさせてしまった場合の修正動作について説明する。
【0069】
まず、この場合、文字列「使用品」の最初の漢字「使」にカーソルを移動させるため、修正操作として、その読みである「し」が属する行である「3(さ行)」のキーの長押しを検知することにより、図8(b)に示すように、表示部12上に表示されている「さ行」で始まる読みの漢字および「さ行」の仮名文字を全てハイライト表示する。
【0070】
次に、さらに「3(さ行)」のキーの長押しを何度か検知することによって、図8(c)に示すように、ハイライト表示されている「使」の位置までカーソルを移動させる。記憶部14に記憶されている日本語入力アプリケーションの仮名漢字変換機能の仕様で、例えば「しよう」という読みに対して「使用」「仕様」「試用」「私用」などの変換が対応付けされている場合には、「使」の位置にカーソルが移動されると、図8(d)に示すように、「使」の字を含む「使用」という文字列に対して「しよう」という読み仮名を表示部12に表示する。
【0071】
その後、この「しよう」という文字列に対して、このまま続けて短押しによる通常入力操作を検知することにより、図8(e)に示すように、文字列を「しょう」に変更する。具体的には、ユーザが、十字方向キーなどで「よ」の位置にカーソルを合わせて、通常入力操作により「ょ」を入力するなどの態様が考えられる。そのようにして正しく入力された文字列「しょう」に対してもう一度仮名漢字変換を行い、図8(f)に示すように、正しく「商」と変換することができる。
【0072】
以上のように、予め記憶部14に記憶されている日本語入力アプリケーションの仮名漢字変換機能を応用することにより、入力文字を確定した後であっても、簡単かつ手順の少ない効率的な操作により、入力した文字列を迅速に修正することができる。
【0073】
(第4実施の形態)
次に、本発明の第4実施の形態について説明する。第4実施の形態では、上述した第3実施の形態と同様に、例えばユーザが入力中には入力ミスに気付かずに、漢字変換候補を選択し確定してしまった後に入力ミスに気付いた場合に、これをさらに簡単かつ効率的に修正する動作について説明する。なお、本実施の形態は、上述した第1〜第3実施の形態に係る携帯電話10と全く同じ構成で実施することができ、その一部機能ブロックの制御のみが多少異なるものである。したがって、第1〜第3実施の形態と同じ説明は省略する。
【0074】
本実施の形態は、ユーザが入力文字の確定後に入力ミスを発見し、長押しによる修正操作により、カーソルを修正文字候補の漢字の位置に移動させると、当該漢字の読み仮名が表示される点は上述した第3実施の形態と同様であるが、当該読み仮名は、予め記憶された仮名漢字変換に用いる対応付けに基づく漢字に対応する仮名ではなく、(入力ミスに気が付く前に)ユーザの通常入力操作により入力された文字の履歴に基づく仮名を用いる。
【0075】
本実施の形態に係る携帯電話10では、制御部16は、通常入力操作の際の文字入力に用いた仮名の履歴を記憶部14に保持するように制御する。例えば、「株式会社〜で発売されている商品は素晴らしい効果があります。」という文字列を入力して確定したのであれば、その文字の入力に用いた仮名として「かぶしきかいしゃ〜ではつばいされているしょうひんはすばらしいこうかがあります。」という履歴を、表示部12に表示されている文字と対応付けて記憶部14に記憶する。本実施の形態では、修正操作によりカーソルが移動した先が漢字であった場合には、上記のようにして記憶部14に記憶された仮名の履歴を参照することで、入力済みの仮名の履歴に基づいて、当該漢字に対応する読み仮名を表示部12に表示するようにする。
【0076】
なお、本実施の形態の動作は、図7のフローチャートにて説明した第3実施の形態の動作と全く同じ手順で行うことができるため、同じ説明は省略する。図7のステップS36〜ステップS37にて、カーソルが漢字の上に移動し、その漢字に対応する読みの仮名文字を表示する際に、制御部16は、記憶部14を参照して、記憶された入力済みの仮名の履歴から、カーソルが移動した先の漢字に対応する読み仮名を読み出して、その仮名文字を表示部12に表示するように制御する。
【0077】
図9は、本実施の形態に係る携帯電話10の動作を説明する図である。図9(a)〜(f)の各図は、携帯電話10の表示部12に表示される画面の一例を表している。ここでは、ユーザが、入力部11のキーを用いて、「株式会社〜で発売されている商品は素晴らしい効果があります。」という文章を入力しようと意図したものの、入力ミスをして、「株式」の入力の際に「かぶしき」と入力するつもりが「かぶさき」と誤って入力したため、図9(a)に示すように、「株式」ではなく「株先」という文字列に変換されたのを気付かずに確定処理をさせてしまった場合の修正動作について説明する。
【0078】
まず、この場合、文字列「株先会社」のうちの誤りの文字「先」にカーソルを移動させるため、ユーザにより、その読み「さき」の最初の文字「さ」が属する行である「3(さ行)」のキーが長押しされると、この修正操作を検知して、図9(b)に示すように、表示部12上に表示されている「さ行」で始まる読みの漢字および「さ行」の仮名文字を全てハイライト表示する。
【0079】
次に、さらに「3(さ行)」のキーの長押しを何度か検知することによって、図9(c)に示すように、ハイライト表示されている「先」の位置までカーソルを移動する。「先」の位置にカーソルを移動させたら、図9(d)に示すように、「先」の文字の読み仮名「さき」を表示部12に表示する。
【0080】
その後、この「さき」という文字列に対して、このまま続けて短押しによる通常入力操作を検知して、図9(e)に示すように、文字列を「しき」に修正する。このようにして正しく入力した文字列「しき」に対してもう一度仮名漢字変換を行うことにより、図9(f)に示すように、正しく「式」と変換する。
【0081】
以上のように、入力文字確定前の通常入力操作による仮名の入力の履歴を記憶部14に記憶して、この履歴を修正操作の際に利用することにより、入力文字を確定した後であっても、簡単かつ手順の少ない効率的な操作により、入力した文字列を迅速に修正することができる。
【0082】
(第5実施の形態)
次に、本発明の第5実施の形態について説明する。第5実施の形態では、上述した第4実施の形態と同様に、例えばユーザが入力中には入力ミスに気付かずに、漢字変換候補を選択し確定してしまった後に入力ミスに気付いた場合に、これをさらに簡単かつ効率的に修正する動作について説明する。なお、本実施の形態は、上述した第1〜第4実施の形態に係る携帯電話10と全く同じ構成で実施することができ、その一部機能ブロックの制御のみが多少異なるものである。したがって、第1〜第4実施の形態と同じ説明は省略する。
【0083】
本実施の形態は、ユーザが入力文字の確定後に入力ミスを発見し、長押しによる修正操作により、カーソルを修正文字候補の漢字の位置に移動させると当該漢字の読み仮名が表示される点は上述した第3および第4実施の形態と同様であるが、第4実施の形態で説明した(入力ミスに気が付く前に)ユーザの通常入力操作により入力された文字の履歴とともに、さらに、その通常入力操作により文字入力した際の分節の履歴も用いるようにする。
【0084】
本実施の形態に係る携帯電話10では、制御部16は、通常入力操作の際の文字入力に用いた仮名の履歴とともに、その入力の際の分節の履歴も記憶部14に保持するように制御する。例えば、「株式会社〜で発売されている商品は素晴らしい効果があります。」という文字列を入力して確定したのであれば、その文字の入力に用いた仮名として「かぶしきかいしゃ〜ではつばいされているしょうひんはすばらしいこうかがあります。」という履歴を、その通常入力操作の際に文字列を選択などして確定させた分節を単位として、記憶部14に記憶する。例えば、ユーザが入力した文字列を1つの単位として確定させた箇所を記号「/」で表せば、「かぶしき/かいしゃ/〜/で/はつばい/されている/しょうひん/は/すばらしい/こうか/があります。」などのようになる。
【0085】
このような分節単位の履歴を、表示部12に表示されている文字と対応付けて記憶部14に記憶する。本実施の形態では、修正操作によりカーソルが移動した先が漢字であった場合には、上記のようにして記憶部14に記憶された仮名の分節単位の履歴を参照することで、入力済みの分節単位の仮名の履歴に基づいて、当該漢字に対応する読み仮名を分節単位で表示部12に表示するようにする。
【0086】
なお、本実施の形態の動作は、図7のフローチャートにて説明した第3および第4実施の形態の動作と全く同じ手順で行うことができるため、同じ説明は省略する。図7のステップS36〜ステップS37にて、カーソルが漢字の上に移動し、その漢字に対応する読みの仮名文字を表示する際に、制御部16は、記憶部14を参照して、記憶された入力の仮名の、分節を単位とした履歴から、カーソルが移動した先の漢字に対応する読み仮名を読み出して、その仮名文字を表示部12に表示するように制御する。
【0087】
図10は、本実施の形態に係る携帯電話10の動作を説明する図である。図10(a)〜(f)の各図は、携帯電話10の表示部12に表示される画面の一例を表している。ここでは、ユーザが、入力部11のキーを用いて、「株式会社〜で発売されている商品は素晴らしい効果があります。」という文章を入力しようと意図したものの、入力ミスをして、「効果」の入力の際に「こうか」と入力するつもりが「けうか」と誤って入力したため、図10(a)に示すように、「効果」ではなく「稀有か」という文字列に変換されたのを気付かずに確定処理をさせてしまった場合の修正動作について説明する。
【0088】
まず、この場合、文字列「けうか」のうちの誤りの文字「稀」または「有」または「か」にカーソルを移動させるため、ユーザにより、その読みの文字「け」または「う」または「か」が属する行である「2(か行)」または「1(あ行)」のキーが長押しされると、この修正操作を検知して、表示部12上に表示されているそれぞれの行で始まる読みの漢字および仮名文字を全てハイライト表示する。本実施の形態に係る携帯電話10では、分節単位で修正文字候補を仮名に戻すことができるため、「こうか」と入力したかったが「けうか」という分節単位で入力してしまったということをユーザがわかっていれば、「けうか」のうちどの文字に対して修正操作を行っても良い。本例では、「2(か行)」キーを長押ししたものとして説明する。この修正操作を検知して、図10(b)に示すように、表示部12上に表示されている「か行」で始まる読みの漢字および「か行」の仮名文字を全てハイライト表示する。
【0089】
次に、さらに「2(か行)」のキーの長押しを何度か検知することによって、図10(c)に示すように、当該長押しの入力回数に応じて、ハイライト表示されている「稀」または「か」の位置までカーソルを移動させる。本例では、「か」の位置にカーソルを移動させることにより、図10(d)に示すように、「稀有か」を文節単位として、その文字の読み仮名「けうか」を表示部12に表示している。
【0090】
その後、この「けうか」という文字列に対して、このまま続けて短押しによる通常入力操作を検知して、図10(e)に示すように、文字列を「こうか」に修正する。このようにして正しく入力した文字列「こうか」に対してもう一度仮名漢字変換を行うことにより、図10(f)に示すように、正しく「効果」と変換する。
【0091】
以上のように、入力文字確定前の通常入力操作による仮名の入力の、分節を単位とする履歴を記憶部14に記憶して、この履歴を修正操作の際に利用することにより、入力文字を確定した後であっても、簡単かつ手順の少ない効率的な操作により、入力した文字列を一層迅速に修正することができる。
【0092】
なお、本発明は、上述した各実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、上記各実施の形態では、説明の便宜のため、1回目の長押しによる修正操作にて修正文字候補をハイライト表示させ、2回目以降の長押しによる修正操作に応じて、ハイライト表示している修正文字候補にカーソルを移動させたが、1回目の長押しによる修正操作によって、修正文字候補をハイライト表示させ、かつ、そのハイライト表示された修正文字候補の1つにカーソルを移動させるように設定することもできる。このようにすることで、修正操作に必要なキー操作の押下回数をさらに削減することができる。この場合には、図4のフローチャートにおいて、ステップS14からステップS15に移行し、図7においてはステップS34からステップS35に移行するようにする。
【0093】
また、上述した各実施の形態では、キーの入力に関して、「短押し」を「通常入力操作」とし、「長押し」を「修正操作」として説明したが、これらを逆に、すなわち、「長押し」を「通常入力操作」とし、「短押し」を「修正操作」とすることもできる。これらのどちらかを、ユーザの好みに応じて設定可能にするのが好適である。
【0094】
特に、「短押し」を「修正操作」とする場合には、「通常入力操作」の「長押し」と区別を付けなくてはならない。この場合には、図3に示す押下の開始から時間閾値Tthを超えて初めて「長押し」の「通常入力操作」と判別するため、ユーザがキーを押下していても、時間閾値Tthを超えるまでは入力結果を表示部12に表示せずに、時間閾値Tthを越えた時点で表示するようにして、「修正操作」から「通常入力操作」に移行するタイミングの区別を明確にユーザに示すようにするのが好適である。
【0095】
このように「長押し」を「通常入力操作」とする場合には、同じキーを連続して押下し続けることによって、ある行の仮名文字を(「な」「に」「ぬ」のように)順次遷移させる際に、その都度時間閾値Tthを超えるまでキーを押下(長押し)しては開放し、再び長押ししてから開放、という動作を繰り返さなくてはならず、手間がかかると同時に時間もかかる恐れがある。そこで、例えば図11(a)に示すように、キーを押下したままの状態が時間閾値Tthを超えて続くことで「長押し」と判定された後に、さらにキーを押下したままの状態が別の時間閾値を超えても続く場合は、順次、「長押し1」「長押し2」「長押し3」のように、キーの長押しの押下操作が複数回行われたものとする処理を行うようにすれば、1回ずつキーの押下を開放する手間はなくなる。さらに、図11(b)に示すように、連続する長押しの時間閾値の間隔を短くすることで、一旦「長押し」になった後は、さらにキーを押下したままにすることで、短時間で次々と仮名を順次遷移させることができる。
【0096】
このような処理を上述した各実施の形態と組み合わせると、ユーザによる操作が一層簡単で効率的となる。例えば、「長押し」を「修正操作」として設定する場合においても、修正を行う際にキーの「長押し」を何度も(押下した後に開放を)繰り返すのではなく、同じキーを長押ししたままにすることで、所望の修正箇所までカーソルを順次移動させ、修正したい位置にカーソルが来た時点でキーの押下を開放すればよい。
【0097】
さらに、上述した各実施の形態にかかる携帯電話10の入力部11は、機械的なキーまたはボタンを備えるキーボードとして説明したが、例えばタッチパネル上にキーの形状を表示させて、表示されたキーの部分に対応するタッチパネルを押圧することで入力を行うような形態の入力部を用いても、本発明を実施することができる。上述した、キーを長押ししたままにすることによって長押しが連続して複数回行われたものとする処理は、特にこのようなタッチパネルを用いた入力部を用いて入力を行う場合に有利である。
【0098】
なお、上述の「通常入力操作」と「修正操作」では、入力部11への入力の態様を入力態様判別部13が判別できさえすれば、その態様は必ずしも「長押し」および「短押し」のみに限定されるものではなく、様々な入力態様を想定することができる。例えば、図11にて説明したような時間閾値Tthを基準として、時間閾値Tth以内の短押しであれば、それは「通常入力操作」とし、時間閾値Tthを超えても長押したままの場合には、当該長押ししているキーに割り当てられている複数の仮名文字が順次遷移する(すなわちこの場合の長押しも通常入力操作とする)ように処理するようにしても良い。この場合の「修正操作」については、同じキーを「素早く2回短押し」するダブルクリックのような押下を「修正操作」モードに入るきっかけとし、この「素早く2回短押し」の後は、同じキーの「短押し」で「修正操作」を行うことができるようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置が、表示部に文字が表示されている状態で、所定のキーに対応する入力が所定の入力態様であると判別すると、前記表示部に表示されている文字のうち、前記所定のキーに割り当てられた文字に対応する文字にカーソルを移動する
ことを特徴とする制御方法。
【請求項2】
表示部と、
前記表示部に文字が表示されている状態で、所定のキーに対応する入力が所定の入力態様であると判別すると、前記表示部に表示された文字のうち、前記所定のキーに割り当てられた文字に対応する文字にカーソルを移動するように制御する制御部と、
を備えることを特徴とする入力装置。
【請求項1】
装置が、表示部に文字が表示されている状態で、所定のキーに対応する入力が所定の入力態様であると判別すると、前記表示部に表示されている文字のうち、前記所定のキーに割り当てられた文字に対応する文字にカーソルを移動する
ことを特徴とする制御方法。
【請求項2】
表示部と、
前記表示部に文字が表示されている状態で、所定のキーに対応する入力が所定の入力態様であると判別すると、前記表示部に表示された文字のうち、前記所定のキーに割り当てられた文字に対応する文字にカーソルを移動するように制御する制御部と、
を備えることを特徴とする入力装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−160197(P2012−160197A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−74971(P2012−74971)
【出願日】平成24年3月28日(2012.3.28)
【分割の表示】特願2009−529079(P2009−529079)の分割
【原出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月28日(2012.3.28)
【分割の表示】特願2009−529079(P2009−529079)の分割
【原出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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