説明

入力装置

【課題】 消費電力を低減することができる入力装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 入力部2の下方に起動部3を入力部2と接合する。表面シート28が指F等によって押圧されると、その押圧力が入力装置1の内部に伝わり、上部電極31bと下部電極32bとが接触し、互いに導通する。導通したときに発生する押圧信号(割込信号)が、CPUに割り込みをかけて出力される。前記CPUは前記割込信号にもとづいて入力部2を起動させ、その後、入力部2のセンサ回路によって、指F等の座標位置の検出が行われる。このため、指F等が表面シート28を押圧しない状態のときは、入力部2は起動せず、前記センサ回路でのスキャン動作等が行なわれない。その結果、必要のないときに無駄に回路に電力が供給されず、消費電力を低減することが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作面上を押圧するなどの操作をしたときにその操作位置の平面座標を検出するための入力部を有する入力装置に係り、特に、消費電力を低減することができる入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば携帯電話などにおいて、メニュー選択などのカーソル移動操作や手書き入力のための入力装置として、あるいはパーソナルコンピューターのポインティングデバイスとして静電容量方式の平面型入力装置が用いられている。
【0003】
前記静電容量方式の平面型入力装置では、操作面が平面状のシートにより形成されており、前記シートの表面を指などで操作すると静電容量が変化する。この静電容量の変化を測定することにより、指などの操作面における座標位置を検出する。この原理によって、例えば画面上に表示されたカーソルを所望の方向へ移動させる座標データを入力することができる。
【0004】
下記特許文献1には、上記のような静電容量方式の平面型入力装置をたとえばテレビのリモコンに用いることが開示されている。
【0005】
下記特許文献2には、パーソナルコンピュータのポインティングデバイスとして使用され、薄型化された静電容量方式の平面型入力装置が開示されている。
【特許文献1】特開2002−123363号公報
【特許文献2】特開2003−99185号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1,2に記載の静電容量方式の平面型入力装置では、電源オン状態では、操作面上を操作しないときでも常に静電容量に変化があるか否かを前記平面型入力装置に接続されたセンサ回路でスキャンしているため、その分、消費電力が増す。
【0007】
特に、リモコンなどの遠隔装置は、電力供給に電池が使用され、電源をオン/オフするための電源スイッチが設けられていないのが通常である。このため、前記遠隔装置に前記平面型入力装置を搭載した場合には、全く使用しないときでも(全く操作面上を操作しないときでも)、前記平面型入力装置の静電容量に変化があるか否かをスキャンし続けるため、電池の電力消費量が大きくなるといった問題があった。
【0008】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、消費電力を低減することができる入力装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の入力装置は、表面に操作面を有する表面シートと、前記表面シートの下側に設けられ、前記操作面上での操作位置の平面座標を検出するための入力部とを有し、
前記入力部の前記表面シートと反対側には、前記操作面を操作したときに、操作されたことを検知する起動手段が設けられており、前記起動手段から出力される操作信号に基づき前記入力部が起動されることを特徴とするものである。
【0010】
本発明では、操作面上を操作しないときは入力部は起動せず、操作面上を操作したときに、起動手段から出力される操作信号に基づいて入力部を起動させるため、従来に比べて消費電力を低減できる。
【0011】
本発明では、前記起動手段及び前記入力部は制御手段に接続されており、前記制御手段では、前記起動手段から出力された押圧信号を受けて前記入力部に起動信号を出力することが好ましい。
【0012】
また本発明では、前記起動手段はスイッチ部を有して構成され、前記操作面が押圧されたときに、前記スイッチ部が入力状態となって押圧信号が出力され、前記押圧信号に基づき、前記入力部が起動される。
【0013】
上記により、簡単な構造で起動手段を構成できる。特に本発明では、例えば、どのスイッチ部が押圧されたかを検知する必要がなく、スイッチ部の入力状態を得られればよいので、スイッチ回路を簡易化することが可能である。
【0014】
本発明では、前記スイッチ部は、前記起動手段の複数箇所に設けられていることが好ましい。
【0015】
スイッチ部が複数箇所設けられていると、入力部の表面シート上のうちどの部分を押圧した場合にも、複数のスイッチ部のうちいずれかのスイッチ部が入力状態となり、押圧信号が出力され、入力部を容易に起動状態にすることができる。
【0016】
また本発明では、前記起動手段は、下面に上部電極を有する上側シートと、前記上側シートと分離して形成されるとともに、前記上側シートと所定間隔を有して対向し、上面に下部電極を有する下側シートとを有して構成され、高さ方向で対となる上部電極部と下部電極部とで前記スイッチ部が構成されることが好ましい。
【0017】
あるいは本発明では、前記起動手段は、可撓性を有する板材と検出基板とを有し、前記板材には先端に導電部材が形成された複数の突起部が設けられ、前記検出基板には対となって形成された電極が複数設けられ、1つの前記導電部材と1つの前記対となって形成された電極とがそれぞれ高さ方向にて対向して前記スイッチ部が構成されることが好ましい。
【0018】
上記の検出手段を用いることで、弱い押圧力でも、起動手段を確実に入力状態にでき、その結果、容易に入力部を起動させることができる。
【0019】
本発明では、前記入力部は静電容量式のセンサであることが好ましい。
また本発明では、前記入力装置は遠隔装置であっても、適切に消費電力を低減させることが可能である。
【発明の効果】
【0020】
本発明では、操作面上を操作しないときは入力部は起動せず、操作面上を操作したときに、起動手段から出力される押圧信号に基づいて入力部を起動させるため、従来に比べて消費電力を低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は本発明の入力装置が搭載される電子機器を示す斜視図、図2は本発明の第1の実施の形態の入力装置を示す、図1のI−I線での部分切断断面図、図3は、図2に示す入力装置を指等で押圧したときの状態を示す、図2と同様の部分切断断面図、図4は本発明の入力装置の動作を示すブロック図である。
【0022】
本発明の入力装置1は、図1に示すように、電源をオン/オフするための電源スイッチが本体には設けられていない電池等で駆動する電子機器100に搭載され、例えば電子機器100は、リモコンなどの遠隔装置である。
【0023】
電子機器100は、メニュー画面など、種々の画像を表示する表示部101と複数のボタン(押圧スイッチ)102と入力装置1とを有している。入力装置1上での操作により表示部101におけるメニュー選択などのカーソル移動操作が行われ、選択された情報が発信部104から外部の受信機器に発信される。
【0024】
図2に示すように、入力装置1は入力部2と起動部3とを有している。入力部2と起動部3は、入力部2の制御回路基板29の下面と起動部3を構成する上側シート31の上面を接着剤等の接合部材によって接合されており、起動部3がガラスエポキシ樹脂等から形成される基台5に接着剤等で接合されて、筐体4に固定されている。
【0025】
入力部2は、いわゆる静電容量方式の平面型入力部であり、具体的には静電容量方式のグライドポイント(登録商標)である。
【0026】
入力部2では、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂等の合成樹脂から形成されるフィルム基板21の上面に複数本のX電極22が形成され、フィルム基板21の下面に複数本のY電極24が形成され、X電極22とY電極24がマトリックス状(格子状)に配置されている。X電極22とY電極24はそれぞれ絶縁層26,27で覆われている。絶縁層26上には表面シート28が設けられており、表面シート28の表面が操作面である。
【0027】
図2に示すように、絶縁層27の下面側には制御回路基板29が設けられ、制御回路基板29にはフィルム基板21とは逆側の面(下面)に、CPUや検出された信号の出力を増幅させるアンプ等(図示しない)が実装されたセンサ回路が設けられている。
【0028】
入力部2では、フィルム基板21,絶縁層27および制御回路基板29にそれぞれスルーホール(図示せず)が形成され、X電極22とY電極24を電気的に導通させて、X電極22とY電極24で検出された静電容量にもとづく座標信号を前記センサ回路に送るようになっている。
【0029】
図6に示すように、検出された前記座標信号は、センサ回路50内に設けられた前記アンプで増幅され、A/D変換部でデジタル信号に変換され、CPU51に送られる。そして、前記座標信号はCPU51からドライバ52を介して発信部104に送られ、発信部104から外部の受信機器に発信される。
【0030】
図5に示すように、入力装置1の表面シート28の操作面上を指などの導電体Fで押圧すると、X電極22とY電極24において、X電極22からY電極24へ向かう電気力線の一部が操作者の指などに吸収され、それによってY電極24に吸収される電気力線が減って静電容量が変化するという現象が起こる。この静電容量の変化に応じて変化する電流出力値にもとづいて、指などの導電体Fを押し当てた座標位置が検出される。この検出動作は制御回路基板29の裏面に実装されたCPU51やセンサ回路50により実行される。
【0031】
図2に示すように、入力部2の表面シート28と反対側(下面側)には、起動部3が設けられている。
【0032】
起動部3は、上側シート31と下側シート32が対向して設けられ、上側シート31と下側シート32との間にシート状のスペーサ33が挿入されて、互いに接着固定されている。上側シート31と下側シート32はいずれもPET樹脂やポリイミド樹脂など可撓性を有する素材で形成され、スペーサ33は接着材で形成されている。ただし、各シート31,32とスペーサ33のすべてがPET樹脂などで形成され、互いに接着固定されたものでもよい。
【0033】
上側シート31と下側シート32の対向面には円形の、銅や銀などの金属材料で形成される上部電極31a,31b,31cが上側シート31に形成され、円形の、銅や銀などの金属材料で形成される下部電極32a,32b,32cが下側シート32に形成されている。スペーサ33には上部電極および下部電極の外径よりも大きな径を有する円形の貫通孔33a,33b,33cが形成されている。高さ方向(Z方向)にて互いに対向する上部電極と下部電極によって各スイッチ部S1,S2,S3が形成されている。なお、スイッチ部S1〜S3は、図2においては3箇所のみが示されているが、実際には電子機器100の入力装置1のX−Y平面上にわたって複数箇所設けられている。
【0034】
以下、本発明の特徴的部分について説明する。
入力装置1を構成する表面シート28の操作面上が指等によって押圧されていない状態では、図2に示すように、起動部3の上側電極31a,31b,31cと下側電極32a,32b,32bは所定の間隔を空けて対向した状態になっており、スイッチ信号(操作信号)が出力されていない。このとき、図6に示す入力部2に接続されたセンサ回路50は電池53から電力供給が無く起動していない状態である。すなわち、図2の状態では、センサ回路50は、入力部2のX電極22及びY電極24の座標信号をスキャンする動作を行っていない。
【0035】
図5に示すように、入力装置1の表面シート28の操作面上が指等の導電体Fによって下方向に押圧されると、その押圧力が入力装置1の内部に伝わり、入力部2の制御回路基板29が下方へ撓み変形する。すると、制御回路基板29と接合された、起動部3を構成する上側シート31も下方向へ撓み変形し、上側電極31bと下側電極32bとが接触し、互いに導通し、操作信号(押圧信号)が出力される。
【0036】
図6に示すように、起動部3から出力された押圧信号は、CPU51に割り込みをかけて出力される。CPU51はこの割込信号を受けて、入力部2を起動させるための起動信号を、センサ回路50へ送り、電池53から電力が供給されてセンサ回路50が起動される。
【0037】
このように、センサ回路50は、CPU51からの起動信号に基づいて起動し、X電極22及びY電極24から出力された座標信号をスキャンし、X電極22及びY電極24から出力された座標信号を検知する。
【0038】
検知された座標信号は、センサ回路50内に設けられたA/D変換部でデジタル信号に変換されるなどして、CPU51に送られる。そして、前記座標信号はCPU51からドライバ52を介して発信部104に送られ、発信部104から外部の受信機器に発信される。
【0039】
このように、本発明では、起動部3から出力された押圧信号に基づき、入力部2を起動させる。このため、前記押圧信号が出力されない場合には、入力部2は起動状態に移行しない。すなわち、図2のように、指等の導電体Fが表面シート28の操作面上を押圧しない状態のときは、入力部2は起動しておらず、センサ回路50でのスキャン動作等が行なわれないため、必要のないときに無駄に回路に電力が供給されず、電池53の消費電力を低減することが可能になる。
【0040】
また図6に示すように、CPU51で起動部3からの押圧信号に基づく入力部2の起動を管理することで回路設計を容易にすることができる。
【0041】
また、CPU51による上記管理により、例えば入力部2が起動状態になっていても、所定時間内に入力部2からの座標信号が検知されないときは、入力部2への電力供給を停止して、非起動状態に移行させることが容易にでき、さらには、起動部3からの出力値の大きさによって入力部2を起動させるか否かを制御することもできる。例えば、ある閾値以上の出力値が起動部3から得られないときは、誤作動と判断して入力部2を起動させず、ある閾値以上の出力値が得られて初めて入力部2を起動させるように制御することができる。
【0042】
また、起動部3のどのスイッチ部S1〜S3が押圧されても、入力部2が起動するが、このとき、どのスイッチ部S1〜S3が押圧されたかまで認識する必要はない。すなわち、起動部3から押圧信号が出力されれば十分なので、例えば各スイッチ部S1〜S3を直列的に接続しておくなど簡単な回路で構成することができる。
【0043】
あるいは、どのスイッチ部S1〜S3が押圧されたかまで認識して、ある所定のスイッチ部S1〜S3が押圧されたときに、CPU51で、ある所定の制御を行うようにすることもできる。例えば、表示部101にメニュー画面が表示されているときに、入力部2の操作で、メニュー画面に表示されたあるアイコン上にまでカーソルを移動させ、次に、スイッチ部S1〜S3が押圧されると押圧信号が出力され、CPU51では、前記アイコンを開くという命令信号が出力される。
【0044】
このような場合は、各スイッチ部S1〜S3を別々に配線したり、あるいは、切換スイッチ等を設けて、どのスイッチ部S1〜S3が押圧されたかを認識できるようにしておく必要がある。
【0045】
なお、表面シート28の操作面上には、スイッチ部S1〜S3の位置を知らせる表示を印刷等しておくことが好ましい。
【0046】
図2に示した起動部3は、いわゆるメンブレンスイッチである。このため、入力部2を小さな押圧力で押圧した場合でも、上部電極と下部電極とが確実に接触し、互いに導通する。その結果、容易に入力装置1を起動させることができる。
【0047】
図5は本発明の第1の実施の形態の他の変形例の起動部を示す分解斜視図である。なお、スペーサは省略しており、上側シート31に形成される上部電極31a,31b,31cおよび下側シート32に形成される下部電極32a,32b,32cは、XY平面において複数形成されるため、その配置の様子を両シートにおいて点線で示している。
【0048】
本変形例では、図2の場合と異なる部分は起動部3Aの構造のみであり、他の入力部2等は図2と同様である。
【0049】
起動部3Aは、上側シート31と下側シート32がPET樹脂やポリイミド樹脂などの可撓性を有する樹脂で形成されたフレキシブルシート33Aを介して連結されている。
【0050】
上側シート31に形成された複数の上部電極31a,31b,31cは導線によって直列に接続されており、銅や銀などの金属材料で形成された引出しパターン35に接続されている。引出しパターン35は、上側シート31と下側シート32の対向面側に露出して接触することがないように被覆されたものが好ましい。引出しパターン35は、フレキシブルシート33Aおよび下側シート32を介して起動部3Aの外部に引き出されている。下側シート32に形成された複数の下部電極にはそれぞれ抵抗体R1,R2,R3・・・が印刷されている。よって、上部電極と下部電極とが接触し、互いに導通すると、この導通によって出力される電圧が検出される。
【0051】
本変形例では、上側シート31と下側シート32、およびフレキシブルシート33Aが、いずれもPET樹脂やポリイミド樹脂などの可撓性を有する樹脂といった同一の素材で形成される。このため、起動部3Aは、まず同一の素材でフレキシブルシート33Aと連結した上側シート31と下側シート32を形成し、その後、図5に示すように、上側シート31と下側シート32が対向するようにフレキシブルシート33Aを折り曲げることによって形成される。その結果、起動部3Aを容易に形成することができる。
【0052】
図6は本発明の第2の実施の形態の入力装置を示す、図2と同様の部分断面図である。
本実施の形態では、第1の実施の形態と異なる部分は起動部3Bの構造のみであり、他の入力部2等は第1の実施の形態と同様である。起動部3Bは第1の実施の形態とは異なり、いわゆるメンブレンスイッチではない。
【0053】
起動部3Bは、PET樹脂などの合成樹脂でフィルム状に形成された板材301と検出基板302を有している。
【0054】
板材301の裏面には複数の突起303が設けられており、各突起303はUV硬化型樹脂などで印刷によって形成されている。なお、突起303は、図6においては3箇所のみが示されているが、実際には電子機器100の平面入力部103のX−Y平面上にわたって複数箇所設けられている。
【0055】
検出基板302の上面には各突起303に対向する位置に一対の電極304a,304bが互いに所定間隔離れた状態で形成されている。また板材301に形成された各突起303の先端には、例えばカーボンなどを含む導電部材305(電極)が形成されている。本実施の形態では、導電部材305と電極304a,304bとで1つのスイッチ部が構成されている。
【0056】
本実施の形態の入力装置1の動作は、第1の実施の形態の場合と同様であり、入力装置1が指等によって、たとえば押圧部分Pで押圧されると、その押圧力が入力装置1の内部に伝わり、入力部2の制御回路基板29が下方へ撓み変形する。すると、制御回路基板29と接合された、起動部3Bの板材301も下方へ撓み変形し、突起303Aの先端に設けられた導電部材305Aが導電部材305Aに対向する電極304a,304bの双方に接触し、互いに導通する。そして、この導通したときに前記スイッチ部から発生する押圧信号が、入力部2に設けられたCPU51に割り込みをかけて出力される。CPU51はこの割り込み信号にもとづいて入力部2を起動させる。
【0057】
このように、入力部2は、起動部3Bから出力された押圧信号に基づいて起動されるため、前記押圧信号が出力されない場合には、入力部2は起動状態に移行しない。すなわち、指等の導電体が表面シート28の操作面上を押圧しない状態のときは、入力部2は起動しておらず、センサ回路50でのスキャン動作等が行なわれないため、必要のないときに無駄に回路に電力が供給されず、消費電力を低減することが可能になる。
【0058】
また、本実施の形態では、起動部3Bは上記のような構造であるため、第1の実施の形態と同様に、入力部2を小さな押圧力で押圧した場合でも、突起の先端に設けられた導電部材がその導電部材に対向する1対の電極の双方に接触し、互いに導通する。その結果、容易に入力装置1を起動させることができる。
【0059】
本発明では、スイッチ部は、上記のように複数箇所ではなく、1箇所のみに設けられていてもよいが、上記のように複数箇所設けられていることが好ましい。スイッチ部が複数箇所設けられていると、入力部の表面シート上のうちどの部分を押圧した場合にも、複数のスイッチ部のうちいずれかのスイッチ部が入力状態となり、押圧信号が出力され、入力部を容易に起動状態にすることができる。
【0060】
なお、本発明では、図1のようなリモコン等の遠隔装置に入力装置1が搭載され、電池53等によって電力供給がなされるもので、電源をオン/オフするための電源スイッチが本体には設けられていないものとして説明したが、電池53等によって電力供給がなされるものであれば、前記電源スイッチが本体に設けられている遠隔装置にも本発明を適用することができる。
【0061】
また、遠隔装置だけでなく、例えば携帯電話やパーソナルコンピュータ等の電子機器にも本発明を適用することが可能である。
【0062】
なお、起動部3は、複数のスイッチ部を有して構成され、前記操作面が押圧されたときに、前記スイッチ部が入力状態となって押圧信号が出力されるもの以外の構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の入力装置が搭載される電子機器を示す斜視図、
【図2】本発明の第1の実施の形態の入力装置を示す、図1のI−I線での部分切断断面図、
【図3】図2に示す入力装置を指等で押圧したときの状態を示す、図2と同様の部分切断断面図、
【図4】本発明の入力装置の動作を示すブロック図、
【図5】本発明の第1の実施の形態の他の変形例の起動部を示す分解斜視図、
【図6】本発明の第2の実施の形態の入力装置を示す、図2と同様の部分断面図、
【符号の説明】
【0064】
1 入力装置
2 入力部
3,3A,3B 起動部
4 筐体
5 基台
21 フィルム基板
22 X電極
24 Y電極
26,27 絶縁層
28 表面シート
29 制御回路基板
31 上側シート
31a,31b,31c 上部電極
32 下側シート
32a,32b,32c 下部電極
33 スペーサ
33A フレキシブルシート
35 引き出しパターン
50 センサ回路
51 CPU
100 電子機器
101 表示部
103 平面入力部
301 板材
302 検出基板
303 突起
304a,304b 電極
305 導電部材
S1,S2,S3 スイッチ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に操作面を有する表面シートと、前記表面シートの下側に設けられ、前記操作面上での操作位置の平面座標を検出するための入力部とを有し、
前記入力部の前記表面シートと反対側には、前記操作面を操作したときに、操作されたことを検知する起動手段が設けられており、前記起動手段から出力される操作信号に基づき前記入力部が起動されることを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記起動手段及び前記入力部は制御手段に接続されており、前記制御手段では、前記起動手段から出力された操作信号を受けて前記入力部に起動信号を出力する請求項1記載の入力装置。
【請求項3】
前記起動手段はスイッチ部を有して構成され、前記操作面が押圧されたときに、前記スイッチ部が入力状態となって押圧信号が出力され、前記押圧信号に基づき、前記入力部が起動される請求項1または2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記スイッチ部は、前記起動手段の複数箇所に設けられている請求項3記載の入力装置。
【請求項5】
前記起動手段は、下面に上部電極を有する上側シートと、前記上側シートと分離して形成されるとともに、前記上側シートと所定間隔を有して対向し、上面に下部電極を有する下側シートとを有して構成され、高さ方向で対となる上部電極部と下部電極部とで前記スイッチ部が構成される請求項3または4記載の入力装置。
【請求項6】
前記起動手段は、可撓性を有する板材と検出基板とを有し、前記板材には先端に導電部材が形成された複数の突起部が設けられ、前記検出基板には対となって形成された電極が複数設けられ、1つの前記導電部材と1つの前記対となって形成された電極とがそれぞれ高さ方向にて対向して前記スイッチ部が構成される請求項3または4記載の入力装置。
【請求項7】
前記入力部は静電容量式のセンサである請求項1ないし6のいずれかに記載の入力装置。
【請求項8】
前記入力装置は遠隔装置である請求項1ないし7のいずれかに記載の入力装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−18546(P2006−18546A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−195158(P2004−195158)
【出願日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】