共役マスターディスクの製造方法と、その共役マスターディスクを用いた記録媒体の製造方法
【課題】本発明は、共役マスターディスクの製造方法に関するもので、生産性を高めることを目的とするものである。
【解決手段】そして、この目的を達成するために本発明は、先ず、透明回転テーブル14の一面側に、共役マスターディスク19と、ダミーディスク22を順に重ね、次に、これら透明回転テーブル14、共役マスターディスク19、ダミーディスク22の重合体の透明回転テーブル14外から、この重合体に向けて参照光29と、記録光30の一方を入射させるとともに、この重合体のダミーディスク22外から、この重合体に向けて参照光29と、記録光30の他方を入射させる。
【解決手段】そして、この目的を達成するために本発明は、先ず、透明回転テーブル14の一面側に、共役マスターディスク19と、ダミーディスク22を順に重ね、次に、これら透明回転テーブル14、共役マスターディスク19、ダミーディスク22の重合体の透明回転テーブル14外から、この重合体に向けて参照光29と、記録光30の一方を入射させるとともに、この重合体のダミーディスク22外から、この重合体に向けて参照光29と、記録光30の他方を入射させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共役マスターディスクの製造方法と、その共役マスターディスクを用いた記録媒体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、記録容量を大きくするために、下記特許文献1に示すごとく、多層記録された記録媒体が提案されている。
【0003】
すなわち、下記特許文献1に示すものでは、図18(c)のごとく、円板状の記録媒体1内の厚さ方向に、複数のホログラム層2を多層状態で設けているので、記録容量は極めて大きくなる。
【0004】
この特許文献1に示した従来例の特徴点は、記録媒体1内に、マイクロホログラム3が渦巻状に配置されたホログラム層2を、複数層設けているので、この記録媒体1への記録時でも、再生時でも、記録媒体1の片側から、そのマイクロホログラム3に向けて光を照射すれば良いという点である。
【0005】
すなわち、記録時には、記録媒体1の片側から、その記録部分のマイクロホログラム3に光を照射し、光学的な変質を起こさせ、マイクロホログラム3を消失させる部分と、光を照射せず、マイクロホログラム3を残存させる部分とを形成することで、デジタル的な記録を行うことができる。
【0006】
また、再生時にも、記録媒体1の片側から、マイクロホログラム3の消失部分と、マイクロホログラム3の残存部分に光を照射し、そこからの反射光を読み取れば、デジタル的な再生を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第7388695号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記従来例においては、下記の手順により記録媒体1を製造している。
【0009】
先ず、図15に示すように、マスターディスク4の一外面側から(例えば上面から)、このマスターディスク4に向けて参照光5を入射させるとともに、このマスターディスク4の他外面側から(例えば下面から)、このマスターディスク4に向けて記録光6を入射させ、マスターディスク4内にマイクロホログラム7を形成し、これによりマスターディスク4を完成させる。
【0010】
次に、図16に示すように、マスターディスク4に共役マスターディスク8を重合させ、その状態で図17(a)のごとく、共役マスターディスク8側から平行光9を入射させる。
【0011】
すると、図17(b)のごとく、マスターディスク4内のマイクロホログラム7からの反射光10が発生し、この反射光10と前記平行光9が共役マスターディスク8内で干渉することで、この共役マスターディスク8内にホログラム11が形成される。つまり、これにて共役マスターディスク8が完成する。
【0012】
その後、図18(a)に示すように、共役マスターディスク8に、まだブランクディスク状態の記録媒体1を重合させ、記録媒体1側から平行光12を入射させる。
【0013】
すると、図18(b)に示すように、ホログラム11からの反射光13が発生し、この反射光13と前記平行光12がブランクディスク状態の記録媒体1内で干渉することで、この記録媒体1内にマイクロホログラム3が形成される。つまり、記録媒体1が完成する。
【0014】
以上の製造方法において問題となるのは、共役マスターディスク8内の感光性記録材料のホログラム11の形成に利用される効率が低く、その結果として記録多重度が低くなり、結論として多層構造のマイクロホログラムディスクの共役ディスクが作れないということであった。
【0015】
共役マスターディスク8を構成する感光性記録材料の、ホログラム11の形成に利用される効率が低い理由は、このホログラム11を、図17の工程にて形成していたからである。
【0016】
すなわち、図17に示すように、マスターディスク4内のマイクロホログラム7からの反射光10と、前記平行光9とを、共役マスターディスク8内で干渉させることで、この共役マスターディスク8内にホログラム11を形成するようにした場合、反射光10の強度が前記平行光9の強度に比べて、著しく小さくなる。
【0017】
前記平行光9のうちホログラム11の形成に利用される光量は、反射光10と等光量の部分だけであって、それ以外の大部分の光量は、共役マスターディスク8内の感光性記録材料を無駄に感光させてしまう。
【0018】
つまり、共役マスターディスク8内の感光性記録材料のダイナミックレンジのごく一部しか、ホログラム11の形成に利用されず、他の多くの部分は無駄に感光してしまった状態となるので、ホログラム11の多重記録において、その多重度が著しく小さくなってしまう。
【0019】
多層構造のマイクロホログラム7を有するマスターディスク4を用いて共役マスターディスク8を製造するには、非常に多くのマイクロホログラム7に一対一に対応するホログラム11を多重に記録する必要があるが、上述したように無駄な感光部分が多く発生すると、限られた場所にしかホログラム11を形成することが出来なくなる。
【0020】
したがって、従来例では、多層構造のマイクロホログラム7を有するマスターディスク4を用いても、それに対応する状態の共役マスターディスク8を作成することが困難であり、このことにより多層構造のマイクロホログラム7を有するマイクロホログラムディスクの大量生産も困難となる。
【0021】
そこで、本発明は、多層構造を有するマイクロホログラムディスクの共役マスターディスクの作成を可能にして、多層構造を有するマイクロホログラムディスクの量産を可能にすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
そして、この目的を達成するために本発明は、先ず、透明回転テーブルの一面側に、共役マスターディスクと、ダミーディスクを順に重ね、次に、これら透明回転テーブル、共役マスターディスク、ダミーディスクの重合体の透明回転テーブル外から、この重合体に向けて参照光と、記録光の一方を入射させるとともに、この重合体のダミーディスク外から、この重合体に向けて参照光と、記録光の他方を入射させることで共役マスターディスクを製造し、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0023】
以上のように本発明は、先ず、透明回転テーブルの一面側に、共役マスターディスクと、ダミーディスクを順に重ね、次に、これら透明回転テーブル、共役マスターディスク、ダミーディスクの重合体の透明回転テーブル外から、この重合体に向けて参照光と、記録光の一方を入射させるとともに、この重合体のダミーディスク外から、この重合体に向けて参照光と、記録光の他方を入射させることで、共役マスターディスクを製造するものであるので、共役マスターディスクの感光性記録材料のダイナミックレンジを十分に活用することが可能になり、多層構造を有するマイクロホログラムディスクの共役マスターディスクの作成が可能となる。したがって、多層構造を有するマイクロホログラムディスクの量産を可能にする。
【0024】
すなわち、本発明によれば、共役マスターディスクの両側から、参照光と記録光を照射するので、参照光と記録光の光量比を最適に調整することが可能であり、共役マスターディスクの感光性記録材料を無駄に感光することがなくなり、感光性記録材料のダイナミックレンジを十分に活用することが可能になり、多くの記録多重度が要求される多層構造のマイクロホログラムを有するマイクロホログラムディスクの共役マスターディスクの作成が可能になる。また、本発明によれば、マスターディスクを作ることなく、共役マスターディスクを直接作るので、生産性も高くなる。
【0025】
したがって、多層構造を有するマイクロホログラムディスクの量産を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態にかかる共役マスターディスクの製造方法を示すブロック図
【図2】同要部構成図
【図3】同共役マスターディスクを示す図
【図4】同共役マスターディスクを用いた記録媒体の製造方法を示すブロック図
【図5】同要部構成図
【図6】同光の強度を示す図
【図7】同要部構成図
【図8】同要部構成図
【図9】同光の強度を示す図
【図10】同記録媒体を示す図
【図11】同記録媒体を示す図
【図12】同記録媒体を示す図
【図13】同記録媒体を示す図
【図14】同光の強度を示す図
【図15】従来の製造方法を示す図
【図16】同製造方法を示す図
【図17】同製造方法を示す図
【図18】同製造方法を示す図
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施形態を、添付図面を用いて説明する。
【0028】
(実施形態)
図1は本発明の一実施形態を示し、14は水平配置された円板状の透明回転テーブルで、その中心孔15には回転軸16が貫通されている。
【0029】
回転軸16と透明回転テーブル14は一体化されており、回転軸16をモータ(図示せず)で回転駆動すれば、透明回転テーブル14も回転駆動されるようになっている。
【0030】
また、透明回転テーブル14の上面の、内方と外方には、環状の突起17、18が設けられており、これらの突起17、18に支えられるように透明回転テーブル14上面には、共役マスターディスク19が配置されている。
【0031】
さらに、共役マスターディスク19の上面の、内方と外方には、環状の突起20、21が設けられており、これらの突起20、21上に支えられるように共役マスターディスク19上面には、ダミーディスク22が配置されている。
【0032】
これらの共役マスターディスク19とダミーディスク22も円板状であり、夫々の中心孔23、24には、下方より回転軸16が貫通されており、この回転軸16の上端部には、磁石よりなる蓋25が装着されている。
【0033】
つまり、回転軸16も磁性体で形成されているので、その上端部に、磁石よりなる蓋25を磁気的に吸着させているのである。そしてこれにより、透明回転テーブル14、共役マスターディスク19、ダミーディスク22はこの図1のごとく重合した状態で、一体的に回転するようになっている。
【0034】
なお、下から上に順に、透明回転テーブル14、共役マスターディスク19、ダミーディスク22を積層するために、透明回転テーブル14の径よりも、共役マスターディスク19の径を大きくしており、さらに共役マスターディスク19の径よりも、ダミーディスク22の径を大きくしている。
【0035】
つまり、このような積層工程においては、透明回転テーブル14、共役マスターディスク19、ダミーディスク22は、いずれもその外周の数箇所と、その近傍の下部を冶具(図示せず)で保持するようになっているので、このように下から上に順に積層するものにおいては、上方のものの径を下方のものの径よりも大きくしておく方が、生産性を高めるためには、好ましい。
【0036】
図1における、26は長コヒーレント光を出射する光源であり、図1(b)に示すように波長が409nmのレーザー光を出射する。
【0037】
この光源26から出射されたレーザー光はレンズ27で平行光に変換され、その後ハーフミラー28で分岐され、その一方は直進して参照光29となり、他方は反射して記録光30となる。
【0038】
参照光29は次にミラー31で反射し、上記透明回転テーブル14、共役マスターディスク19、ダミーディスク22の積層体の下側から、つまり透明回転テーブル14側から上方に進むこととなる。
【0039】
一方、記録光30は、レンズ32、33を介して直進後、ミラー34で反射し、次にパワー変調素子35を通過し、その後ミラー36で反射し、球面収差補正素子37、対物レンズ38を介して、上記透明回転テーブル14、共役マスターディスク19、ダミーディスク22の積層体の上側から、つまりダミーディスク22側から下方に進むこととなる。
【0040】
ただし、記録光30は図2のごとく、ダミーディスク22内で交点を結ぶように対物レンズ38で集光されるようになっており、またダミーディスク22内での交点の深さ位置に応じて、球面収差補正素子37によって球面収差の補正が行われており、記録光30は球面収差が無い状態で、交点を結ぶ。この交点がダミーディスク22内で水平方向に渦巻状に広がるように移動し、その後ダミーディスク22内の下層において再び内方から外方へと渦巻状に広がるように移動し、これが繰り返される。
【0041】
この点をさらに詳細に説明すると、上述したように透明回転テーブル14、共役マスターディスク19、ダミーディスク22の積層体は、回転軸16を介してモータにより回転駆動されている。
【0042】
そしてこの状態で、積層体の上面側のミラー36、球面収差補正素子37、対物レンズ38は一体で、外方に移動し、またこの移動と連動するように、積層体の下面側のミラー31も外方に移動する。
【0043】
その後、ミラー36、球面収差補正素子37、対物レンズ38の一体物は、図2に示すように内方に移動し、次に一段、ダミーディスク22側に接近し、その後は再び外方に移動し、以降はこれを最終段まで繰り返す。
【0044】
また、このミラー36、球面収差補正素子37、対物レンズ38の一体物の移動と連動するように、積層体の下面側のミラー31も、内方から外方への移動を繰り返す。
【0045】
ただし、ミラー31側の光は参照光29であるので、ミラー31を、透明回転テーブル14、共役マスターディスク19、ダミーディスク22の積層体側に接近させることは無い。
【0046】
以上の工程を実行すると、図2、図3に示すように、共役マスターディスク19内においては、透明回転テーブル14を通過した参照光29と、ダミーディスク22を通過した記録光30との干渉によるホログラム39が、多段に形成されることになる。
【0047】
つまり、以上の工程を実行するだけで、図16に示した従来のマスターディスク4を作ることなく、直接共役マスターディスク19を形成できるので、生産性の極めて高いものとなる。
【0048】
また、本実施形態のごとく作成した共役マスターディスク19は、参照光29と記録光30を直接的に干渉させるもので、これらの参照光29と記録光30のエネルギーレベルを自由に調整できるので、共役マスターディスク19の感光性記録材料を無駄に感光することがなくなり、感光性記録材料のダイナミックレンジを十分に活用することが可能になり、多くの記録多重度が要求される多層構造のマイクロホログラムを有するマイクロホログラムディスクの共役マスターディスク19の作成が可能になる。
【0049】
具体的には、共役マスターディスク19は、入射した光エネルギー量に応じて屈折率が変化する感光性記録材料を含む合成樹脂で形成されており、このようなディスク材料は、異なる体積ホログラムを多重に記録できることが知られている。その多重度は、ディスク内の感光性記録材料を如何に有効に利用できるかによって、大きく変化する。感光性材料を無駄に感光することなく、最も効率良くホログラム39を作成できるのは、参照光29と記録光30によってできる干渉縞のコントラストが最大になる時であり、それは、参照光29と記録光30のエネルギーレベルが等しい時である。
【0050】
一方、参照光29と記録光30のエネルギーバランスが大きく異なっていると、参照光29と記録光30によってできる干渉縞のコントラストが低くなり、感光性記録材料は直流的に無駄に感光する成分が多くなり、ホログラム記録の多重度が大幅に低くなってしまう。
【0051】
干渉縞のコントラストmは、次式で表現することができ、参照光29と記録光30のエネルギーレベルが等しい時に、最大値の1になる。
【0052】
m=2(Is・Ir)1/2/(Is+Ir)
Is:記録光強度、Ir:参照光強度
本実施形態においては、参照光29と記録光30のエネルギーレベルがほぼ等しくなるように調整することが可能であり、共役マスターディスク19の感光性記録材料を無駄に感光することがなくなり、多くの記録多重度が要求される多層構造のマイクロホログラムを有するマイクロホログラムディスクの共役マスターディスク19の作成が可能になる。
【0053】
なお、参照光29と記録光30のいずれか一方あるいは両方を連続光ではなく、パルス光にすることも可能であり、本実施例では、パワー変調素子35により、記録光30を高速でオン―オフしており、パルス光で記録することにより感光性記録材料の利用効率をさらに高めている。
【0054】
図17の共役マスターディスク8内のホログラム11は、この図17に示したように、共役マスターディスク8側から入射させた平行光9と、マイクロホログラム7からのその反射光10とを干渉させることで形成したものであり、この状態では反射光10のエネルギーレベルは平行光9の1/100程度と極めて低いので、干渉縞のコントラストは最大値の1/5程度になってしまい、感光性記録材料もその1/5程度しか有効に利用されず、記録できるホログラム11の多重度も1/5以下に低下してしまう。
【0055】
このため、性能の良い感光性記録材料を用いても、多くの記録多重度が要求される多層構造のマイクロホログラム7を有するマイクロホログラムディスクの共役マスターディスク8の作成は非常に困難になる。
【0056】
これに対して、本実施形態では、参照光29と記録光30のエネルギーレベルがほぼ等しくなるように調整することが可能であり、干渉縞のコントラストは、最大の1になり、感光性記録材料を無駄なく使用することができ、多くの記録多重度が要求される多層構造のマイクロホログラムを有するマイクロホログラムディスクの共役マスターディスク19の作成が可能になる。
【0057】
なお、図17の共役マスターディスク8は、ホログラム11の記録後に、感光性を無くす定着処理を行う。したがって、図18のごとく記録媒体1の製造のために、記録媒体1側から平行光12を入射させても、共役マスターディスク8内のホログラム11は劣化することはない。
【0058】
ただ、平行光12とホログラム11からの反射光13の光量がアンバランスであるという問題が残存する。この光量のアンバランスがあると、やはり感光性の記録材料の利用効率が著しく低くなり、作成されるホログラム11の反射効率が低くなってしまう。
【0059】
これに対して本実施形態では、図4〜図14において説明する記録媒体40の製造方法において、上記の平行光12とホログラム11からの反射光13の光量のアンバランスも解決している。
【0060】
なお、透明回転テーブル14の下面外周には、アドレスマーカー14aを設けており、このアドレスマーカー14aを利用して、透明回転テーブル14の回転制御を行うようになっている。
【0061】
図4〜図14は、図1〜図3の共役マスターディスク19を用いて記録媒体(図10の40)を製造する工程を説明するものである。
【0062】
なお、図1〜図3は上述のごとく、共役マスターディスク19を製造するための製造装置を示し、また図4〜図14は記録媒体(図10の40)を製造するための製造装置を示し、これらの両装置は別の製造装置ではあるが、基本的な構造は類似しているので、同じ部品には、同じ符号を付して、説明を簡略化する。
【0063】
図4においては、図1のダミーディスク22に代えてブランクディスク41を、図3の状態の共役マスターディスク19に重合させる。
【0064】
その後、これら透明回転テーブル14、共役マスターディスク19、ブランクディスク41の重合体の、透明回転テーブル14下側外から、この重合体に向けて参照光29を入射させるとともに、この重合体のブランクディスク41上側外から、この重合体に向けて記録光30を入射させることで、記録媒体(図10の40)を製造しようとしている。
【0065】
ただし、この記録媒体(図10の40)の製造装置においては、ブランクディスク41に向けて進む記録光30の光路中で、ミラー34、36間に1/4波長板42を介在させている。また、ミラー36とブランクディスク41間に、図1では存在していた球面収差補正素子37、対物レンズ38は存在しない。
【0066】
図4においては、先ず光源26から、図4(b)に示すように波長が407nmのレーザー光(長コヒーレント光)を出射する。
【0067】
この図4においては、光源26から出射されるレーザー光をS偏光としており、これがレンズ27で平行光に変換され、その後ハーフミラー28で分岐され、その一方は直進して参照光29となり、他方は反射して記録光30となる。
【0068】
参照光29は次にミラー31で反射し、上記透明回転テーブル14、共役マスターディスク19、ブランクディスク41の積層体の下側から、つまり透明回転テーブル14側から上方に進むこととなる。
【0069】
一方、記録光30は、レンズ32、33を介して直進後、ミラー34で反射し、次にパワー変調素子35、1/4波長板42を通過し、その後ミラー36で反射し、上記透明回転テーブル14、共役マスターディスク19、ブランクディスク41の積層体の上側から、つまりブランクディスク41側から下方に進むこととなる。
【0070】
この時、透明回転テーブル14、共役マスターディスク19、ブランクディスク41の積層体は、回転軸16を介してモータにより回転駆動されている。
【0071】
そしてこの状態で、積層体の上面側のミラー36は、外方に移動し、またこの移動と連動するように、積層体の下面側のミラー31も外方に移動する。
【0072】
図5は上述した参照光29の進行状態を示し、参照光29は、先ずは透明回転テーブル14、共役マスターディスク19を通過し、ブランクディスク41へと向かう。
【0073】
この時、ブランクディスク41の下面、つまり共役マスターディスク19側には、共役マスターディスク19側からブランクディスク41に向けて、1/4波長膜43、機能性膜44が順番に設けられている。
【0074】
機能性膜44は、右旋回反射、左旋回透過の機能を持つものである。
【0075】
したがって、上記透明回転テーブル14、共役マスターディスク19を通過し、ブランクディスク41へと向かう参照光29は、この図5に示すように機能性膜44によって反射されることになる。
【0076】
ただし、この反射により、参照光29は1/4波長膜43を往復で2度通過することで、S偏光平行光からP偏光平行光へと変更される。
【0077】
そしてこのP偏光平行光となった参照光29が、図7のごとく共役マスターディスク19内のホログラム39で反射し、再びそれがブランクディスク41へと進行することになる。
【0078】
この時、1/4波長膜43を通過することで、今度は左旋回となるので、機能性膜44を通過し、ブランクディスク41へと進行する。
【0079】
一方、記録光30は図8のごとく、1/4波長膜43を通過することで右旋回となって、ブランクディスク41内へと進行する。
【0080】
この結果、ブランクディスク41内においては、下方よりの左旋回の参照光29と、上方よりの右旋回の記録光30が干渉し、図10〜図12に示すごとく渦巻帯状のホログラム45が多段状態で形成される。
【0081】
つまり、ブランクディスク41内のホログラム45は、図10〜図12に示すごとく一本ずつ渦巻帯状で、この渦巻帯が所定間隔で多段状態に設けられているのである。
【0082】
また、ブランクディスク41内に形成されるホログラム45は、図8のごとく共役マスターディスク19内のホログラム39で反射収束された参照光29と記録光30が衝突状態で形成されるものである。このため、共役マスターディスク19内のホログラム39で反射収束された参照光29と記録光30の光量がほぼ等しくなるように調整することにより、感光性記録材料の利用効率が高くなり、反射効率が高いホログラム45を作ることができるのである。
【0083】
図10〜図12は、図4〜図9の工程で、ブランクディスク41を記録媒体40化したものであり、これらの図10〜図12に示すように記録媒体40内には、渦巻帯状のホログラム45が多段状態で形成されている。
【0084】
この記録媒体40への情報記録と、その後の再生は、記録再生装置(図示せず)で行うことになるが、記録時は、図13に示すように記録再生用のレンズ46で、例えば「デジタル信号の1」に相当する場所のホログラム45部分に記録再生光47(波長405nm)を収束し、その部分のホログラム45を消失させる。逆に「デジタル信号の0」に相当する部分のホログラム45部分には光を照射せず、これによりホログラム45を残す。
【0085】
その後、以上のごとく記録した情報を再生する時には、図14に示すごとく波長405nmの記録再生光47を図13のごとくレンズ46を介してホログラム45に照射し、そこからの反射光からデジタル信号の再生を行う。
【0086】
なお、再生時には、記録媒体40が連続的に高速回転しており、記録再生光47の照射時間が極めて短時間であり、また照射パワーも記録時に比較して、非常に低く、よってホログラム45が劣化することはない。
【0087】
また、以上図4〜図14を用いて説明した記録媒体(図10の40)の製造時において用いるブランクディスク41の下面には、つまり共役マスターディスク19側には、共役マスターディスク19側からブランクディスク41に向けて、1/4波長膜43、機能性膜44を設けている。
【0088】
すなわち、本実施形態では、ブランクディスク41を用いて、記録媒体(図10の40)を製造するに際し、図5で説明したように、参照光29を、機能性膜44によって反射させ、1/4波長膜43を往復で2度通過させ、S偏光平行光からP偏光平行光へと変更させる。そして、P偏光平行光となった参照光29を、図7のごとく共役マスターディスク19内のホログラム39で反射させ、再びブランクディスク41へと進行させ、1/4波長膜43、機能性膜44を通過させ、ブランクディスク41へと進行させるようにしている。
【0089】
このため、図1〜図3に示す共役マスターディスク19の製造時でも、この共役マスターディスク19とダミーディスク22間を通過する光の屈折率を、図4〜図14の記録媒体(図10の40)製造時の、共役マスターディスク19とブランクディスク41間の屈折率と合わせることを目的として、前記ダミーディスク22の共役マスターディスク19側に、ダミーの1/4波長膜43aと、ダミーの機能性膜44aを設けている。
【0090】
なお、本実施形態においては、図1の共役マスターディスク19製造時には光源26から波長が409nmのレーザー光を出射するようにしており、また図4の記録媒体40製造時には光源26から波長が407nmのレーザー光を出射するようにしており、さらに図13の記録再生時には光源(図示せず)から波長が405nmの記録再生光47を照射しているのは、記録再生状態を安定させるためである。
【0091】
つまり、図1の共役マスターディスク19製造時には、光源26から波長が409nmのレーザー光を出射させるようにしている。
【0092】
このため、この時は図2でも説明したように高エネルギーの参照光29と高エネルギーの記録光30とを直接的に干渉させることで、この干渉部において、常温(例えば20度)から約70度の温度上昇が生じており、この温度上昇で共役マスターディスク19は膨張した状態でホログラム39が形成される。
【0093】
ところが、図4の記録媒体40製造時には、共役マスターディスク19内で光の収束状態が発生しないので、この共役マスターディスク19は、例えば常温よりも10度程度しか温度上昇しない。
【0094】
このため、共役マスターディスク19のホログラム39部分は、図1の時よりも収縮した状態で、記録媒体40が形成されることになる。
【0095】
このため、その収縮度合いを考慮して、この図4では光源26から出射されるレーザー光の波長を407nmと、図1の時よりも若干短くし、これにより記録媒体40を形成している。
【0096】
ただし、この記録媒体40作成時には、この記録媒体40自身は、例えば常温よりも70度温度上昇し、この温度上昇した状態で記録媒体40は形成される。
【0097】
しかし、その後の図13に示す再生時には、記録媒体40への記録再生光47の照射時間が短く照射パワーも低く、よってこの記録媒体40は殆ど温度上昇しないので、記録媒体40のホログラム45部分は図4の時よりも収縮した状態となっている。
【0098】
このため、この再生時には、光源(図示せず)から、波長が405nmの記録再生光47を照射し、これにより、膨張、収縮状態の影響を受けることなく、記録再生が行えるようにしているのである。
【0099】
このため、本実施形態によれば、多層に記録、再生が可能な記録媒体40を用いた時の、記録再生状態を安定させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0100】
以上のように本発明は、先ず、透明回転テーブルの一面側に、共役マスターディスクと、ダミーディスクを順に重ね、次に、これら透明回転テーブル、共役マスターディスク、ダミーディスクの重合体の透明回転テーブル外から、この重合体に向けて参照光と、記録光の一方を入射させるとともに、この重合体のダミーディスク外から、この重合体に向けて参照光と、記録光の他方を入射させることで、共役マスターディスクを製造するものであるので、生産性を高めることができる。
【0101】
すなわち、本発明によれば、マスターディスクを作ることなく、共役マスターディスクを作るので、その点でも生産性が高くなるが、このように共役マスターディスクを直接的に作る場合、共役マスターディスクの両側から参照光と、記録光を照射するので、参照光と記録光の光量比を最適に調整することが可能であり、共役マスターディスクの感光性記録材料を無駄に感光することがなくなり、感光性記録材料のダイナミックレンジを十分に活用することが可能になり、多くの記録多重度が要求される多層構造のマイクロホログラムを有するマイクロホログラムディスクの共役マスターディスクの作成が可能になる。
【0102】
このため、記録媒体の生産に広く活用が期待される。
【符号の説明】
【0103】
14 透明回転テーブル
14a アドレスマーカー
15 中心孔
16 回転軸
17,18 突起
19 共役マスターディスク
20,21 突起
22 ダミーディスク
23,24 中心孔
25 蓋
26 光源
27,32,33,46 レンズ
28 ハーフミラー
29 参照光
30 記録光
31,34,36 ミラー
35 パワー変調素子
37 球面収差補正素子
38 対物レンズ
39,45 ホログラム
40 記録媒体
41 ブランクディスク
42 1/4波長板
43 1/4波長膜
43a ダミーの1/4波長膜
44 機能性膜
44a ダミーの機能性膜
47 記録再生光
【技術分野】
【0001】
本発明は、共役マスターディスクの製造方法と、その共役マスターディスクを用いた記録媒体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、記録容量を大きくするために、下記特許文献1に示すごとく、多層記録された記録媒体が提案されている。
【0003】
すなわち、下記特許文献1に示すものでは、図18(c)のごとく、円板状の記録媒体1内の厚さ方向に、複数のホログラム層2を多層状態で設けているので、記録容量は極めて大きくなる。
【0004】
この特許文献1に示した従来例の特徴点は、記録媒体1内に、マイクロホログラム3が渦巻状に配置されたホログラム層2を、複数層設けているので、この記録媒体1への記録時でも、再生時でも、記録媒体1の片側から、そのマイクロホログラム3に向けて光を照射すれば良いという点である。
【0005】
すなわち、記録時には、記録媒体1の片側から、その記録部分のマイクロホログラム3に光を照射し、光学的な変質を起こさせ、マイクロホログラム3を消失させる部分と、光を照射せず、マイクロホログラム3を残存させる部分とを形成することで、デジタル的な記録を行うことができる。
【0006】
また、再生時にも、記録媒体1の片側から、マイクロホログラム3の消失部分と、マイクロホログラム3の残存部分に光を照射し、そこからの反射光を読み取れば、デジタル的な再生を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第7388695号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記従来例においては、下記の手順により記録媒体1を製造している。
【0009】
先ず、図15に示すように、マスターディスク4の一外面側から(例えば上面から)、このマスターディスク4に向けて参照光5を入射させるとともに、このマスターディスク4の他外面側から(例えば下面から)、このマスターディスク4に向けて記録光6を入射させ、マスターディスク4内にマイクロホログラム7を形成し、これによりマスターディスク4を完成させる。
【0010】
次に、図16に示すように、マスターディスク4に共役マスターディスク8を重合させ、その状態で図17(a)のごとく、共役マスターディスク8側から平行光9を入射させる。
【0011】
すると、図17(b)のごとく、マスターディスク4内のマイクロホログラム7からの反射光10が発生し、この反射光10と前記平行光9が共役マスターディスク8内で干渉することで、この共役マスターディスク8内にホログラム11が形成される。つまり、これにて共役マスターディスク8が完成する。
【0012】
その後、図18(a)に示すように、共役マスターディスク8に、まだブランクディスク状態の記録媒体1を重合させ、記録媒体1側から平行光12を入射させる。
【0013】
すると、図18(b)に示すように、ホログラム11からの反射光13が発生し、この反射光13と前記平行光12がブランクディスク状態の記録媒体1内で干渉することで、この記録媒体1内にマイクロホログラム3が形成される。つまり、記録媒体1が完成する。
【0014】
以上の製造方法において問題となるのは、共役マスターディスク8内の感光性記録材料のホログラム11の形成に利用される効率が低く、その結果として記録多重度が低くなり、結論として多層構造のマイクロホログラムディスクの共役ディスクが作れないということであった。
【0015】
共役マスターディスク8を構成する感光性記録材料の、ホログラム11の形成に利用される効率が低い理由は、このホログラム11を、図17の工程にて形成していたからである。
【0016】
すなわち、図17に示すように、マスターディスク4内のマイクロホログラム7からの反射光10と、前記平行光9とを、共役マスターディスク8内で干渉させることで、この共役マスターディスク8内にホログラム11を形成するようにした場合、反射光10の強度が前記平行光9の強度に比べて、著しく小さくなる。
【0017】
前記平行光9のうちホログラム11の形成に利用される光量は、反射光10と等光量の部分だけであって、それ以外の大部分の光量は、共役マスターディスク8内の感光性記録材料を無駄に感光させてしまう。
【0018】
つまり、共役マスターディスク8内の感光性記録材料のダイナミックレンジのごく一部しか、ホログラム11の形成に利用されず、他の多くの部分は無駄に感光してしまった状態となるので、ホログラム11の多重記録において、その多重度が著しく小さくなってしまう。
【0019】
多層構造のマイクロホログラム7を有するマスターディスク4を用いて共役マスターディスク8を製造するには、非常に多くのマイクロホログラム7に一対一に対応するホログラム11を多重に記録する必要があるが、上述したように無駄な感光部分が多く発生すると、限られた場所にしかホログラム11を形成することが出来なくなる。
【0020】
したがって、従来例では、多層構造のマイクロホログラム7を有するマスターディスク4を用いても、それに対応する状態の共役マスターディスク8を作成することが困難であり、このことにより多層構造のマイクロホログラム7を有するマイクロホログラムディスクの大量生産も困難となる。
【0021】
そこで、本発明は、多層構造を有するマイクロホログラムディスクの共役マスターディスクの作成を可能にして、多層構造を有するマイクロホログラムディスクの量産を可能にすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
そして、この目的を達成するために本発明は、先ず、透明回転テーブルの一面側に、共役マスターディスクと、ダミーディスクを順に重ね、次に、これら透明回転テーブル、共役マスターディスク、ダミーディスクの重合体の透明回転テーブル外から、この重合体に向けて参照光と、記録光の一方を入射させるとともに、この重合体のダミーディスク外から、この重合体に向けて参照光と、記録光の他方を入射させることで共役マスターディスクを製造し、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0023】
以上のように本発明は、先ず、透明回転テーブルの一面側に、共役マスターディスクと、ダミーディスクを順に重ね、次に、これら透明回転テーブル、共役マスターディスク、ダミーディスクの重合体の透明回転テーブル外から、この重合体に向けて参照光と、記録光の一方を入射させるとともに、この重合体のダミーディスク外から、この重合体に向けて参照光と、記録光の他方を入射させることで、共役マスターディスクを製造するものであるので、共役マスターディスクの感光性記録材料のダイナミックレンジを十分に活用することが可能になり、多層構造を有するマイクロホログラムディスクの共役マスターディスクの作成が可能となる。したがって、多層構造を有するマイクロホログラムディスクの量産を可能にする。
【0024】
すなわち、本発明によれば、共役マスターディスクの両側から、参照光と記録光を照射するので、参照光と記録光の光量比を最適に調整することが可能であり、共役マスターディスクの感光性記録材料を無駄に感光することがなくなり、感光性記録材料のダイナミックレンジを十分に活用することが可能になり、多くの記録多重度が要求される多層構造のマイクロホログラムを有するマイクロホログラムディスクの共役マスターディスクの作成が可能になる。また、本発明によれば、マスターディスクを作ることなく、共役マスターディスクを直接作るので、生産性も高くなる。
【0025】
したがって、多層構造を有するマイクロホログラムディスクの量産を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態にかかる共役マスターディスクの製造方法を示すブロック図
【図2】同要部構成図
【図3】同共役マスターディスクを示す図
【図4】同共役マスターディスクを用いた記録媒体の製造方法を示すブロック図
【図5】同要部構成図
【図6】同光の強度を示す図
【図7】同要部構成図
【図8】同要部構成図
【図9】同光の強度を示す図
【図10】同記録媒体を示す図
【図11】同記録媒体を示す図
【図12】同記録媒体を示す図
【図13】同記録媒体を示す図
【図14】同光の強度を示す図
【図15】従来の製造方法を示す図
【図16】同製造方法を示す図
【図17】同製造方法を示す図
【図18】同製造方法を示す図
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施形態を、添付図面を用いて説明する。
【0028】
(実施形態)
図1は本発明の一実施形態を示し、14は水平配置された円板状の透明回転テーブルで、その中心孔15には回転軸16が貫通されている。
【0029】
回転軸16と透明回転テーブル14は一体化されており、回転軸16をモータ(図示せず)で回転駆動すれば、透明回転テーブル14も回転駆動されるようになっている。
【0030】
また、透明回転テーブル14の上面の、内方と外方には、環状の突起17、18が設けられており、これらの突起17、18に支えられるように透明回転テーブル14上面には、共役マスターディスク19が配置されている。
【0031】
さらに、共役マスターディスク19の上面の、内方と外方には、環状の突起20、21が設けられており、これらの突起20、21上に支えられるように共役マスターディスク19上面には、ダミーディスク22が配置されている。
【0032】
これらの共役マスターディスク19とダミーディスク22も円板状であり、夫々の中心孔23、24には、下方より回転軸16が貫通されており、この回転軸16の上端部には、磁石よりなる蓋25が装着されている。
【0033】
つまり、回転軸16も磁性体で形成されているので、その上端部に、磁石よりなる蓋25を磁気的に吸着させているのである。そしてこれにより、透明回転テーブル14、共役マスターディスク19、ダミーディスク22はこの図1のごとく重合した状態で、一体的に回転するようになっている。
【0034】
なお、下から上に順に、透明回転テーブル14、共役マスターディスク19、ダミーディスク22を積層するために、透明回転テーブル14の径よりも、共役マスターディスク19の径を大きくしており、さらに共役マスターディスク19の径よりも、ダミーディスク22の径を大きくしている。
【0035】
つまり、このような積層工程においては、透明回転テーブル14、共役マスターディスク19、ダミーディスク22は、いずれもその外周の数箇所と、その近傍の下部を冶具(図示せず)で保持するようになっているので、このように下から上に順に積層するものにおいては、上方のものの径を下方のものの径よりも大きくしておく方が、生産性を高めるためには、好ましい。
【0036】
図1における、26は長コヒーレント光を出射する光源であり、図1(b)に示すように波長が409nmのレーザー光を出射する。
【0037】
この光源26から出射されたレーザー光はレンズ27で平行光に変換され、その後ハーフミラー28で分岐され、その一方は直進して参照光29となり、他方は反射して記録光30となる。
【0038】
参照光29は次にミラー31で反射し、上記透明回転テーブル14、共役マスターディスク19、ダミーディスク22の積層体の下側から、つまり透明回転テーブル14側から上方に進むこととなる。
【0039】
一方、記録光30は、レンズ32、33を介して直進後、ミラー34で反射し、次にパワー変調素子35を通過し、その後ミラー36で反射し、球面収差補正素子37、対物レンズ38を介して、上記透明回転テーブル14、共役マスターディスク19、ダミーディスク22の積層体の上側から、つまりダミーディスク22側から下方に進むこととなる。
【0040】
ただし、記録光30は図2のごとく、ダミーディスク22内で交点を結ぶように対物レンズ38で集光されるようになっており、またダミーディスク22内での交点の深さ位置に応じて、球面収差補正素子37によって球面収差の補正が行われており、記録光30は球面収差が無い状態で、交点を結ぶ。この交点がダミーディスク22内で水平方向に渦巻状に広がるように移動し、その後ダミーディスク22内の下層において再び内方から外方へと渦巻状に広がるように移動し、これが繰り返される。
【0041】
この点をさらに詳細に説明すると、上述したように透明回転テーブル14、共役マスターディスク19、ダミーディスク22の積層体は、回転軸16を介してモータにより回転駆動されている。
【0042】
そしてこの状態で、積層体の上面側のミラー36、球面収差補正素子37、対物レンズ38は一体で、外方に移動し、またこの移動と連動するように、積層体の下面側のミラー31も外方に移動する。
【0043】
その後、ミラー36、球面収差補正素子37、対物レンズ38の一体物は、図2に示すように内方に移動し、次に一段、ダミーディスク22側に接近し、その後は再び外方に移動し、以降はこれを最終段まで繰り返す。
【0044】
また、このミラー36、球面収差補正素子37、対物レンズ38の一体物の移動と連動するように、積層体の下面側のミラー31も、内方から外方への移動を繰り返す。
【0045】
ただし、ミラー31側の光は参照光29であるので、ミラー31を、透明回転テーブル14、共役マスターディスク19、ダミーディスク22の積層体側に接近させることは無い。
【0046】
以上の工程を実行すると、図2、図3に示すように、共役マスターディスク19内においては、透明回転テーブル14を通過した参照光29と、ダミーディスク22を通過した記録光30との干渉によるホログラム39が、多段に形成されることになる。
【0047】
つまり、以上の工程を実行するだけで、図16に示した従来のマスターディスク4を作ることなく、直接共役マスターディスク19を形成できるので、生産性の極めて高いものとなる。
【0048】
また、本実施形態のごとく作成した共役マスターディスク19は、参照光29と記録光30を直接的に干渉させるもので、これらの参照光29と記録光30のエネルギーレベルを自由に調整できるので、共役マスターディスク19の感光性記録材料を無駄に感光することがなくなり、感光性記録材料のダイナミックレンジを十分に活用することが可能になり、多くの記録多重度が要求される多層構造のマイクロホログラムを有するマイクロホログラムディスクの共役マスターディスク19の作成が可能になる。
【0049】
具体的には、共役マスターディスク19は、入射した光エネルギー量に応じて屈折率が変化する感光性記録材料を含む合成樹脂で形成されており、このようなディスク材料は、異なる体積ホログラムを多重に記録できることが知られている。その多重度は、ディスク内の感光性記録材料を如何に有効に利用できるかによって、大きく変化する。感光性材料を無駄に感光することなく、最も効率良くホログラム39を作成できるのは、参照光29と記録光30によってできる干渉縞のコントラストが最大になる時であり、それは、参照光29と記録光30のエネルギーレベルが等しい時である。
【0050】
一方、参照光29と記録光30のエネルギーバランスが大きく異なっていると、参照光29と記録光30によってできる干渉縞のコントラストが低くなり、感光性記録材料は直流的に無駄に感光する成分が多くなり、ホログラム記録の多重度が大幅に低くなってしまう。
【0051】
干渉縞のコントラストmは、次式で表現することができ、参照光29と記録光30のエネルギーレベルが等しい時に、最大値の1になる。
【0052】
m=2(Is・Ir)1/2/(Is+Ir)
Is:記録光強度、Ir:参照光強度
本実施形態においては、参照光29と記録光30のエネルギーレベルがほぼ等しくなるように調整することが可能であり、共役マスターディスク19の感光性記録材料を無駄に感光することがなくなり、多くの記録多重度が要求される多層構造のマイクロホログラムを有するマイクロホログラムディスクの共役マスターディスク19の作成が可能になる。
【0053】
なお、参照光29と記録光30のいずれか一方あるいは両方を連続光ではなく、パルス光にすることも可能であり、本実施例では、パワー変調素子35により、記録光30を高速でオン―オフしており、パルス光で記録することにより感光性記録材料の利用効率をさらに高めている。
【0054】
図17の共役マスターディスク8内のホログラム11は、この図17に示したように、共役マスターディスク8側から入射させた平行光9と、マイクロホログラム7からのその反射光10とを干渉させることで形成したものであり、この状態では反射光10のエネルギーレベルは平行光9の1/100程度と極めて低いので、干渉縞のコントラストは最大値の1/5程度になってしまい、感光性記録材料もその1/5程度しか有効に利用されず、記録できるホログラム11の多重度も1/5以下に低下してしまう。
【0055】
このため、性能の良い感光性記録材料を用いても、多くの記録多重度が要求される多層構造のマイクロホログラム7を有するマイクロホログラムディスクの共役マスターディスク8の作成は非常に困難になる。
【0056】
これに対して、本実施形態では、参照光29と記録光30のエネルギーレベルがほぼ等しくなるように調整することが可能であり、干渉縞のコントラストは、最大の1になり、感光性記録材料を無駄なく使用することができ、多くの記録多重度が要求される多層構造のマイクロホログラムを有するマイクロホログラムディスクの共役マスターディスク19の作成が可能になる。
【0057】
なお、図17の共役マスターディスク8は、ホログラム11の記録後に、感光性を無くす定着処理を行う。したがって、図18のごとく記録媒体1の製造のために、記録媒体1側から平行光12を入射させても、共役マスターディスク8内のホログラム11は劣化することはない。
【0058】
ただ、平行光12とホログラム11からの反射光13の光量がアンバランスであるという問題が残存する。この光量のアンバランスがあると、やはり感光性の記録材料の利用効率が著しく低くなり、作成されるホログラム11の反射効率が低くなってしまう。
【0059】
これに対して本実施形態では、図4〜図14において説明する記録媒体40の製造方法において、上記の平行光12とホログラム11からの反射光13の光量のアンバランスも解決している。
【0060】
なお、透明回転テーブル14の下面外周には、アドレスマーカー14aを設けており、このアドレスマーカー14aを利用して、透明回転テーブル14の回転制御を行うようになっている。
【0061】
図4〜図14は、図1〜図3の共役マスターディスク19を用いて記録媒体(図10の40)を製造する工程を説明するものである。
【0062】
なお、図1〜図3は上述のごとく、共役マスターディスク19を製造するための製造装置を示し、また図4〜図14は記録媒体(図10の40)を製造するための製造装置を示し、これらの両装置は別の製造装置ではあるが、基本的な構造は類似しているので、同じ部品には、同じ符号を付して、説明を簡略化する。
【0063】
図4においては、図1のダミーディスク22に代えてブランクディスク41を、図3の状態の共役マスターディスク19に重合させる。
【0064】
その後、これら透明回転テーブル14、共役マスターディスク19、ブランクディスク41の重合体の、透明回転テーブル14下側外から、この重合体に向けて参照光29を入射させるとともに、この重合体のブランクディスク41上側外から、この重合体に向けて記録光30を入射させることで、記録媒体(図10の40)を製造しようとしている。
【0065】
ただし、この記録媒体(図10の40)の製造装置においては、ブランクディスク41に向けて進む記録光30の光路中で、ミラー34、36間に1/4波長板42を介在させている。また、ミラー36とブランクディスク41間に、図1では存在していた球面収差補正素子37、対物レンズ38は存在しない。
【0066】
図4においては、先ず光源26から、図4(b)に示すように波長が407nmのレーザー光(長コヒーレント光)を出射する。
【0067】
この図4においては、光源26から出射されるレーザー光をS偏光としており、これがレンズ27で平行光に変換され、その後ハーフミラー28で分岐され、その一方は直進して参照光29となり、他方は反射して記録光30となる。
【0068】
参照光29は次にミラー31で反射し、上記透明回転テーブル14、共役マスターディスク19、ブランクディスク41の積層体の下側から、つまり透明回転テーブル14側から上方に進むこととなる。
【0069】
一方、記録光30は、レンズ32、33を介して直進後、ミラー34で反射し、次にパワー変調素子35、1/4波長板42を通過し、その後ミラー36で反射し、上記透明回転テーブル14、共役マスターディスク19、ブランクディスク41の積層体の上側から、つまりブランクディスク41側から下方に進むこととなる。
【0070】
この時、透明回転テーブル14、共役マスターディスク19、ブランクディスク41の積層体は、回転軸16を介してモータにより回転駆動されている。
【0071】
そしてこの状態で、積層体の上面側のミラー36は、外方に移動し、またこの移動と連動するように、積層体の下面側のミラー31も外方に移動する。
【0072】
図5は上述した参照光29の進行状態を示し、参照光29は、先ずは透明回転テーブル14、共役マスターディスク19を通過し、ブランクディスク41へと向かう。
【0073】
この時、ブランクディスク41の下面、つまり共役マスターディスク19側には、共役マスターディスク19側からブランクディスク41に向けて、1/4波長膜43、機能性膜44が順番に設けられている。
【0074】
機能性膜44は、右旋回反射、左旋回透過の機能を持つものである。
【0075】
したがって、上記透明回転テーブル14、共役マスターディスク19を通過し、ブランクディスク41へと向かう参照光29は、この図5に示すように機能性膜44によって反射されることになる。
【0076】
ただし、この反射により、参照光29は1/4波長膜43を往復で2度通過することで、S偏光平行光からP偏光平行光へと変更される。
【0077】
そしてこのP偏光平行光となった参照光29が、図7のごとく共役マスターディスク19内のホログラム39で反射し、再びそれがブランクディスク41へと進行することになる。
【0078】
この時、1/4波長膜43を通過することで、今度は左旋回となるので、機能性膜44を通過し、ブランクディスク41へと進行する。
【0079】
一方、記録光30は図8のごとく、1/4波長膜43を通過することで右旋回となって、ブランクディスク41内へと進行する。
【0080】
この結果、ブランクディスク41内においては、下方よりの左旋回の参照光29と、上方よりの右旋回の記録光30が干渉し、図10〜図12に示すごとく渦巻帯状のホログラム45が多段状態で形成される。
【0081】
つまり、ブランクディスク41内のホログラム45は、図10〜図12に示すごとく一本ずつ渦巻帯状で、この渦巻帯が所定間隔で多段状態に設けられているのである。
【0082】
また、ブランクディスク41内に形成されるホログラム45は、図8のごとく共役マスターディスク19内のホログラム39で反射収束された参照光29と記録光30が衝突状態で形成されるものである。このため、共役マスターディスク19内のホログラム39で反射収束された参照光29と記録光30の光量がほぼ等しくなるように調整することにより、感光性記録材料の利用効率が高くなり、反射効率が高いホログラム45を作ることができるのである。
【0083】
図10〜図12は、図4〜図9の工程で、ブランクディスク41を記録媒体40化したものであり、これらの図10〜図12に示すように記録媒体40内には、渦巻帯状のホログラム45が多段状態で形成されている。
【0084】
この記録媒体40への情報記録と、その後の再生は、記録再生装置(図示せず)で行うことになるが、記録時は、図13に示すように記録再生用のレンズ46で、例えば「デジタル信号の1」に相当する場所のホログラム45部分に記録再生光47(波長405nm)を収束し、その部分のホログラム45を消失させる。逆に「デジタル信号の0」に相当する部分のホログラム45部分には光を照射せず、これによりホログラム45を残す。
【0085】
その後、以上のごとく記録した情報を再生する時には、図14に示すごとく波長405nmの記録再生光47を図13のごとくレンズ46を介してホログラム45に照射し、そこからの反射光からデジタル信号の再生を行う。
【0086】
なお、再生時には、記録媒体40が連続的に高速回転しており、記録再生光47の照射時間が極めて短時間であり、また照射パワーも記録時に比較して、非常に低く、よってホログラム45が劣化することはない。
【0087】
また、以上図4〜図14を用いて説明した記録媒体(図10の40)の製造時において用いるブランクディスク41の下面には、つまり共役マスターディスク19側には、共役マスターディスク19側からブランクディスク41に向けて、1/4波長膜43、機能性膜44を設けている。
【0088】
すなわち、本実施形態では、ブランクディスク41を用いて、記録媒体(図10の40)を製造するに際し、図5で説明したように、参照光29を、機能性膜44によって反射させ、1/4波長膜43を往復で2度通過させ、S偏光平行光からP偏光平行光へと変更させる。そして、P偏光平行光となった参照光29を、図7のごとく共役マスターディスク19内のホログラム39で反射させ、再びブランクディスク41へと進行させ、1/4波長膜43、機能性膜44を通過させ、ブランクディスク41へと進行させるようにしている。
【0089】
このため、図1〜図3に示す共役マスターディスク19の製造時でも、この共役マスターディスク19とダミーディスク22間を通過する光の屈折率を、図4〜図14の記録媒体(図10の40)製造時の、共役マスターディスク19とブランクディスク41間の屈折率と合わせることを目的として、前記ダミーディスク22の共役マスターディスク19側に、ダミーの1/4波長膜43aと、ダミーの機能性膜44aを設けている。
【0090】
なお、本実施形態においては、図1の共役マスターディスク19製造時には光源26から波長が409nmのレーザー光を出射するようにしており、また図4の記録媒体40製造時には光源26から波長が407nmのレーザー光を出射するようにしており、さらに図13の記録再生時には光源(図示せず)から波長が405nmの記録再生光47を照射しているのは、記録再生状態を安定させるためである。
【0091】
つまり、図1の共役マスターディスク19製造時には、光源26から波長が409nmのレーザー光を出射させるようにしている。
【0092】
このため、この時は図2でも説明したように高エネルギーの参照光29と高エネルギーの記録光30とを直接的に干渉させることで、この干渉部において、常温(例えば20度)から約70度の温度上昇が生じており、この温度上昇で共役マスターディスク19は膨張した状態でホログラム39が形成される。
【0093】
ところが、図4の記録媒体40製造時には、共役マスターディスク19内で光の収束状態が発生しないので、この共役マスターディスク19は、例えば常温よりも10度程度しか温度上昇しない。
【0094】
このため、共役マスターディスク19のホログラム39部分は、図1の時よりも収縮した状態で、記録媒体40が形成されることになる。
【0095】
このため、その収縮度合いを考慮して、この図4では光源26から出射されるレーザー光の波長を407nmと、図1の時よりも若干短くし、これにより記録媒体40を形成している。
【0096】
ただし、この記録媒体40作成時には、この記録媒体40自身は、例えば常温よりも70度温度上昇し、この温度上昇した状態で記録媒体40は形成される。
【0097】
しかし、その後の図13に示す再生時には、記録媒体40への記録再生光47の照射時間が短く照射パワーも低く、よってこの記録媒体40は殆ど温度上昇しないので、記録媒体40のホログラム45部分は図4の時よりも収縮した状態となっている。
【0098】
このため、この再生時には、光源(図示せず)から、波長が405nmの記録再生光47を照射し、これにより、膨張、収縮状態の影響を受けることなく、記録再生が行えるようにしているのである。
【0099】
このため、本実施形態によれば、多層に記録、再生が可能な記録媒体40を用いた時の、記録再生状態を安定させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0100】
以上のように本発明は、先ず、透明回転テーブルの一面側に、共役マスターディスクと、ダミーディスクを順に重ね、次に、これら透明回転テーブル、共役マスターディスク、ダミーディスクの重合体の透明回転テーブル外から、この重合体に向けて参照光と、記録光の一方を入射させるとともに、この重合体のダミーディスク外から、この重合体に向けて参照光と、記録光の他方を入射させることで、共役マスターディスクを製造するものであるので、生産性を高めることができる。
【0101】
すなわち、本発明によれば、マスターディスクを作ることなく、共役マスターディスクを作るので、その点でも生産性が高くなるが、このように共役マスターディスクを直接的に作る場合、共役マスターディスクの両側から参照光と、記録光を照射するので、参照光と記録光の光量比を最適に調整することが可能であり、共役マスターディスクの感光性記録材料を無駄に感光することがなくなり、感光性記録材料のダイナミックレンジを十分に活用することが可能になり、多くの記録多重度が要求される多層構造のマイクロホログラムを有するマイクロホログラムディスクの共役マスターディスクの作成が可能になる。
【0102】
このため、記録媒体の生産に広く活用が期待される。
【符号の説明】
【0103】
14 透明回転テーブル
14a アドレスマーカー
15 中心孔
16 回転軸
17,18 突起
19 共役マスターディスク
20,21 突起
22 ダミーディスク
23,24 中心孔
25 蓋
26 光源
27,32,33,46 レンズ
28 ハーフミラー
29 参照光
30 記録光
31,34,36 ミラー
35 パワー変調素子
37 球面収差補正素子
38 対物レンズ
39,45 ホログラム
40 記録媒体
41 ブランクディスク
42 1/4波長板
43 1/4波長膜
43a ダミーの1/4波長膜
44 機能性膜
44a ダミーの機能性膜
47 記録再生光
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先ず、透明回転テーブルの一面側に、共役マスターディスクと、ダミーディスクを順に重ね、次に、これら透明回転テーブル、共役マスターディスク、ダミーディスクの重合体の透明回転テーブル外から、この重合体に向けて参照光と、記録光の一方を入射させるとともに、この重合体のダミーディスク外から、この重合体に向けて参照光と、記録光の他方を入射させる共役マスターディスクの製造方法。
【請求項2】
水平に配置した透明回転テーブルの上面側に、共役マスターディスクと、ダミーディスクを順に重ねる請求項1に記載の共役マスターディスクの製造方法。
【請求項3】
一つの光源からの光をハーフミラーで分岐し、その一方を参照光、他方を記録光とする請求項1、または2に記載の共役マスターディスクの製造方法。
【請求項4】
透明回転テーブルから入射する参照光と、記録光の一方は平行光であり、ダミーディスク外から入射する参照光と、記録光の他方は、ダミーディスク内で焦点を結ぶ収束光である請求項1から3のいずれか一つに記載の共役マスターディスクの製造方法。
【請求項5】
光源とダミーディスク間に、パワー変調素子を介在させた請求項4に記載の共役マスターディスクの製造方法。
【請求項6】
透明回転テーブルの径よりも、共役マスターディスクの径を大きくした請求項1から5のいずれか一つに記載の共役マスターディスクの製造方法。
【請求項7】
共役マスターディスクの径よりも、ダミーディスクの径を大きくした請求項6に記載の共役マスターディスクの製造方法。
【請求項8】
ダミーディスクの共役マスターディスク側の面に、ダミーの機能性膜と、ダミーの波長膜を設けた請求項1から7のいずれか一つに記載の共役マスターディスクの製造方法。
【請求項9】
先ず、請求項1から7のいずれか一つに記載の共役マスターディスクの製造方法により共役マスターディスクを製造し、次にダミーディスクに代えてブランクディスクを共役マスターディスクに重合させ、その後これら透明回転テーブル、共役マスターディスク、ブランクディスクの重合体の透明回転テーブル外から、この重合体に向けて参照光と、記録光の一方を入射させるとともに、この重合体のブランクディスク外から、この重合体に向けて参照光と、記録光の他方を入射させる記録媒体の製造方法。
【請求項10】
先ず、請求項8に記載の共役マスターディスクの製造方法により共役マスターディスクを製造し、次に、共役マスターディスク側の面に、機能性膜と、波長膜を有するブランクディスクを、ダミーディスクに代えて共役マスターディスクに重合させ、その後これら透明回転テーブル、共役マスターディスク、ブランクディスクの重合体の透明回転テーブル外から、この重合体に向けて参照光を入射させるとともに、この重合体のブランクディスク外から、偏光板を介してこの重合体に向けて記録光を入射させる記録媒体の製造方法。
【請求項1】
先ず、透明回転テーブルの一面側に、共役マスターディスクと、ダミーディスクを順に重ね、次に、これら透明回転テーブル、共役マスターディスク、ダミーディスクの重合体の透明回転テーブル外から、この重合体に向けて参照光と、記録光の一方を入射させるとともに、この重合体のダミーディスク外から、この重合体に向けて参照光と、記録光の他方を入射させる共役マスターディスクの製造方法。
【請求項2】
水平に配置した透明回転テーブルの上面側に、共役マスターディスクと、ダミーディスクを順に重ねる請求項1に記載の共役マスターディスクの製造方法。
【請求項3】
一つの光源からの光をハーフミラーで分岐し、その一方を参照光、他方を記録光とする請求項1、または2に記載の共役マスターディスクの製造方法。
【請求項4】
透明回転テーブルから入射する参照光と、記録光の一方は平行光であり、ダミーディスク外から入射する参照光と、記録光の他方は、ダミーディスク内で焦点を結ぶ収束光である請求項1から3のいずれか一つに記載の共役マスターディスクの製造方法。
【請求項5】
光源とダミーディスク間に、パワー変調素子を介在させた請求項4に記載の共役マスターディスクの製造方法。
【請求項6】
透明回転テーブルの径よりも、共役マスターディスクの径を大きくした請求項1から5のいずれか一つに記載の共役マスターディスクの製造方法。
【請求項7】
共役マスターディスクの径よりも、ダミーディスクの径を大きくした請求項6に記載の共役マスターディスクの製造方法。
【請求項8】
ダミーディスクの共役マスターディスク側の面に、ダミーの機能性膜と、ダミーの波長膜を設けた請求項1から7のいずれか一つに記載の共役マスターディスクの製造方法。
【請求項9】
先ず、請求項1から7のいずれか一つに記載の共役マスターディスクの製造方法により共役マスターディスクを製造し、次にダミーディスクに代えてブランクディスクを共役マスターディスクに重合させ、その後これら透明回転テーブル、共役マスターディスク、ブランクディスクの重合体の透明回転テーブル外から、この重合体に向けて参照光と、記録光の一方を入射させるとともに、この重合体のブランクディスク外から、この重合体に向けて参照光と、記録光の他方を入射させる記録媒体の製造方法。
【請求項10】
先ず、請求項8に記載の共役マスターディスクの製造方法により共役マスターディスクを製造し、次に、共役マスターディスク側の面に、機能性膜と、波長膜を有するブランクディスクを、ダミーディスクに代えて共役マスターディスクに重合させ、その後これら透明回転テーブル、共役マスターディスク、ブランクディスクの重合体の透明回転テーブル外から、この重合体に向けて参照光を入射させるとともに、この重合体のブランクディスク外から、偏光板を介してこの重合体に向けて記録光を入射させる記録媒体の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−23048(P2011−23048A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−164760(P2009−164760)
【出願日】平成21年7月13日(2009.7.13)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月13日(2009.7.13)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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