説明

内接歯車式ポンプ

【目的】容積効率を向上させることができる内接歯車式ポンプとすること。
【構成】ロータ収納室4にインナーロータ1とアウターロータ2とが配置された内接歯車式ポンプにおいて、インナーロータ1とアウターロータ2とは、偏心量eとし、インナーロータの歯底直径d及び歯数Nとしたとき、
e>d/〔2(N−2)〕
が満たされること。
インナーロータ1の中心P1と、アウターロータ2の中心P2とを結んだ線上付近に最深噛み合い部S1が位置すると共に、ロータ収納室4の中心P4は、アウターロータ2の中心P2とを同一中心とした状態から最深噛み合い部S1側に、吸入ポート41の終端側41tと吐出ポート42の始端側42fとの間のシールランド43付近のインナーロータ1の歯先とアウターロータ2の歯先との隙間であるチップクリアランスTcよりも小さい量オフセットされること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容積効率を向上させることができる内接歯車式ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インナーロータとアウターロータとから構成された内接歯車式ポンプが存在する。そして、インナーロータ及びアウターロータの歯形において、種々の研究,開発が行われ、ポンプ効率を向上させる発明がなされている。このような発明として、特許文献1及び特許文献2等が存在する。
【0003】
まず、特許文献1では、インナーロータの歯がアウターロータの歯を押し始める(或いは噛み合い始める)のが最深噛み合い部となっている。これによりアウターロータには、最深噛み合い部から、ロータの回転方向前側に力が加わる。すなわち、最大セル容積部になる搬送側に対して、略横の方向の力がアウターロータに加わる。
【0004】
特許文献2(WO 2008/111270)における、オイルポンプロータは、インナーロータの外歯形状(U1in,U2in)が、数学曲線によって構成された歯形形状(U’1,U’2)に対する、歯先円(A1)の半径(RA1)と歯溝円(A2)の半径(RA2)との間の距離を維持しつつ施された周方向への変形(U,U)と、径方向への変形(U1in,U2in)とにより形成されている。
【0005】
このインナーロータ10及びアウターロータ20の歯形形状に基づき、インナーロータの歯とアウターロータの歯が噛み合う領域が求められる。例えば特許文献2に開示された図10に示すようなオイルポンプの例では、歯溝側噛合点bと歯先側噛合点aの間の曲線が、インナーロータ10及びアウターロータ20が噛み合う領域となる。
【0006】
つまり、インナーロータ10が回転したとき、インナーロータ10の外歯11aにおいては歯溝側噛合点bでインナーロータ10とアウターロータ20とが噛み合い始める〔特許文献2における図10(a)参照〕。その後、噛合点は徐々に外歯11aの歯先側へとスライドしていき、最終的には歯先側噛合点aでインナーロータ10とアウターロータ20とが噛み合わなくなる〔特許文献2における図10(b)参照〕。
【0007】
このように、特許文献2では、インナーロータとアウターロータが噛み合い始めるのが最深噛み合い部よりロータの回転方向負の側となっており、噛み合わなくなるのが最深噛み合い部よりロータの回転方向正の側となっている。これによりアウターロータには最深噛み合い部から、ロータの回転方向前側に力が加わり、最大セル容積部になる搬送側に対して、略横の方向の力となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開昭55−148992号公報
【特許文献2】国際公開WO2008/111270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1については、トロコイドロータにおいて、インナーロータとアウターロータとが噛み合い始めるのは、最深噛み合い部となっている。これによりアウターロータには最深噛み合い部から、ロータの回転方向前側に力が加わり最大セル容積部になる搬送側に対して、インナーロータからアウターロータにかかる力が横の方向の力となる。それゆえに、搬送側のチップクリアランスが小さくなる方向の力とはならない。したがって、搬送側のチップクリアランスが小さくなることは無く、漏れが小さくなることはないので、容積効率は向上しない。
【0010】
特許文献2については、最深噛み合い部より回転方向負の位置でインナーロータとアウターロータが噛み合い始め、回転方向正の位置で噛み合いが終わる。
【0011】
噛み合い範囲が最深噛み合い部をゼロとして、回転方向負から回転方向正となっているので、インナーロータからアウターロータにかかる力の方向が最大セル容積部になる搬送側に対して、インナーロータからアウターロータにかかる力が横の方向の力となり、搬送側のチップクリアランスを小さくなる方向の力とはならない。したがって、搬送側のチップクリアランスが小さくなることは無く、漏れが小さくなることはないので、従って容積効率は向上しない。
【0012】
本発明の目的(解決しようとする技術的課題)は、内接歯車式ポンプにおいて、搬送側のチップクリアランスを小さくすることにより、吐出側から吸入側への漏れを小さくし、容積効率(理論吐出量に対して、実際に吐出された流量)を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
そこで、発明者は上記課題を解決すべく、鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の発明を、ロータ収納室にインナーロータとアウターロータとが配置された内接歯車式ポンプにおいて、前記インナーロータと前記アウターロータとは、偏心量eとし、前記インナーロータの歯底直径d及び歯数Nとしたとき、
e>d/〔2(N−2)〕
が満たされてなる内接歯車式ポンプとしたことにより、上記課題を解決した。
【0014】
請求項2の発明を、請求項1において、前記インナーロータの中心と、前記アウターロータの中心とを結んだ線上付近に最深噛み合い部が位置すると共に、前記ロータ収納室の中心は、前記アウターロータの中心とを同一中心とした状態から前記最深噛み合い部側に、吸入ポートの終端側と吐出ポートの始端側との間のシールランド付近のインナーロータの歯先とアウターロータの歯先との隙間であるチップクリアランスよりも小さい量オフセットされてなる内接歯車式ポンプとしたことにより、上記課題を解決した。
【0015】
請求項3の発明を、請求項1又は2において、前記インナーロータの歯形が複数の楕円や円もしくは高次曲線を組み合わせた曲線により創成されてなる内接歯車式ポンプとしたことにより、上記課題を解決した。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明では、インナーロータとアウターロータとは、偏心量eとし、前記インナーロータの歯底直径d及び歯数Nとしたとき、e>d/〔2(N−2)〕が満たされることにより、通常のトロコイド歯形によるインナーロータとアウターロータの歯数よりも多くの歯数を有することができ、ポンプ効率を向上させることができる。また、通常のトロコイド曲線で描かれたロータとサイズが同じなため、ハウジングのロータ収納室の大きさは変わらず、理論吐出量の大きいロータに容易に変更することができる。
【0017】
請求項2の発明では、ロータ収納室の中心位置をインナーロータとアウターロータによって構成される最深噛み合い部側にオフセット(位置を変更)したことにより、ポンプの作動において、アウターロータが最大セル容積側から最深噛み合い部側に揺動しても、アウターロータの回転中心の位置を、ロータ収納室の直径中心の位置に略一致させることができる。
【0018】
そして、アウターロータは、ロータ収納室とのラジアルクリアランスが外周(360°)に沿って均一となり、アウターロータの回転がスムーズに行われる。また、インナーロータとアウターロータとの噛み合い範囲が、最深噛み合い部より回転方向における負の範囲であることにより、搬送側の最大セル容積部におけるインナーロータとアウターロータとのチップクリアランスは小さくなり、最大セル容積部からの漏れを抑えることができ、容積効率を向上させることができる。
【0019】
請求項3の発明では、インナーロータの歯形が複数の楕円や円もしくは高次曲線を組み合わせた曲線により創成されることにより、繋ぎ部も滑らかに形成され、耐久性が向上し、ロータが噛み合うときの音も小さくでき、静粛性も良くなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明のオフセット後の正面図である。
【図2】(A)はロータ収納室がオフセットされる前の正面図、(B)はロータ収納室がオフセットされた正面図である。
【図3】(A)は図1の(ア)部拡大図、(B)は図1の(イ)部拡大図である。
【図4】(A)はポンプ作動状態におけるオフセットされたロータ収納室の中心とアウターロータの回転中心とが一致した状態の正面図、(B)は(A)の(ウ)部拡大図、(C)は(A)の(エ)部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本発明において、ポンプロータとは、内接歯車式ポンプのロータを構成するもので、具体的には、インナーロータ1とアウターロータ2とから構成されるものである(図1参照)。インナーロータ1は、外歯タイプの歯車であり、アウターロータ2は内歯タイプの歯車である。図1において、噛合開始から噛合終了の範囲内に記載された2点鎖線の矢印は、インナーロータ1からアウターロータ2にかかる力を示したものである。
【0022】
そして、ポンプロータは、トロコイド歯形ではなく、理論吐出量の増大を図ったいわゆる高容積歯形のことをいう。高容積歯形は、例えばインナーロータ1の歯形11が複数の楕円や円、もしくは高次曲線を組み合わせた曲線により創成される。
【0023】
本発明では、ポンプロータにおいて、インナーロータ1の回転中心をP1とし、アウターロータ2との回転中心をP2とし、その偏心量をeとする。また、インナーロータ1の歯底直径をdとし、インナーロータ1の歯数をNとする。そして、インナーロータ1及びアウターロータ2は、次の式を満たす構成とする。
【0024】
【数1】

【0025】
上式を満たす設定で描かれたロータは、以下で解説するようにインナーロータ1とアウターロータ2との噛み合いがアウターロータ2の中心P2と、インナーロータ1の中心P1とを結んだ線(以下基準線Lという)上の最深噛み合い部S1の位置をゼロとしたとき、回転方向における負の領域となる。
【0026】
インナーロータ1とアウターロータ2が噛み合う範囲が回転方向正の領域となる通常のトロコイド歯形によるインナーロータでは、次の式が適用される。
【0027】
【数2】

【0028】
そして、偏心量e,歯底直径dに具体的に実施可能な数値を当てはめ、歯数Nを本発明におけるインナーロータ1と、従来タイプのトロコイド歯形としたインナーロータとの歯数を比較する。
【0029】
【表1】

その結果から、本発明によるインナーロータ1はトロコイドタイプのインナーロータよりも歯数Nを多くすることができ、ひいてはポンプ効率を向上させることができる。
【0030】
インナーロータ1は、駆動ギアの役割をなし、アウターロータ2はインナーロータ1の駆動に伴って動く従動ギアとなる。駆動シャフト3は、インナーロータ1を回転させ、該インナーロータ1はアウターロータ2と噛み合ってインナーロータ1の回転に伴ってアウターロータ2が回転する。
【0031】
このとき、インナーロータ1とアウターロータ2との噛合開始の位置は、アウターロータ2の中心P2と、インナーロータ1の中心P1を結んだ基準線L上に位置する最深噛み合い部S1の回転方向後方側に存在する。最深噛み合い部S1とは、インナーロータ1の歯形11と、アウターロータ2の歯形21とが最も深く噛み合う箇所である。また、噛合終了の位置は、噛合開始の位置から回転方向後方で1歯分送れた位置となる(図1参照)。
【0032】
インナーロータ1と、アウターロータ2との噛合開始の位置と、噛合終了の位置とが共に回転方向における負の位置にあるので、インナーロータ1からアウターロータ2にかかる力は、最深噛み合い部S1側の位置に生じるものであり、且つ最大セル容積部S2から最深噛み合い部S1に向う方向の力となる。つまり、アウターロータ2には、図1で示されているように、上方側から下方側で且つ回転方向沿う力が作用する。
【0033】
これによって、搬送側において、アウターロータ2がインナーロータ1に押し付けられる状態になり、アウターロータ2が下方側に移動することにより、搬送側のチップクリアランスTcが減少し、下方側のラジアルクリアランスRcは、減少する。具体的にはラジアルクリアランスRcのクリアランス量drは、チップクリアランスTcのクリアランス量dtが減少した分だけ小さくなる。
【0034】
ここで、チップクリアランスTcとは、最大セル容積となるところの搬送側の吸入ポート41の終端側41tと吐出ポート42の始端側42fとの間の間仕切りであるシールランド43付近のインナーロータ1の(歯形11の)歯先とアウターロータ2の(歯形21の)歯先との隙間のことである〔図1,図3(A)参照〕。また、ラジアルクリアランスRcとは、アウターロータ2の外周とロータ収納室4の内周との隙間のことである。ラジアルクリアランスRcは、チップクリアランスTcより大きく設定される必要がある。
【0035】
以上、述べたように、アウターロータ2は、インナーロータ1から最深噛み合い部S1側に向け押圧されるため、アウターロータ2は、最深噛み合い部S1側に移動しようとする。
【0036】
チップクリアランスTcは、ラジアルクリアランスRcより小さく設定されているので、アウターロータ2が搬送側のチップクリアランスTcが詰まる方向に移動しても、アウターロータ2が通常(従来)の位置に設定された場合のアウターロータ2の中心と同心円で設定されているロータ収納室4にぶつかってしまうことはないが、詰まったチップクリアランスTc分、ロータ収納室4を最深噛み合い部S1側にオフセットすることにより、アウターロータ2の回転はより安定する方向になる。
【0037】
次に、ロータ収納室4のオフセットについて説明する。まず、ロータ収納室4のオフセットにおける移動量mは、ポンプの非動作時(停止時)において、アウターロータ2の回転中心P2と、ロータ収納室4の中心P4とが一致した状態を仮想的に設定する。図2(A)は、前述した仮想設定された状態で、且つインナーロータ1及びアウターロータ2は想像線にて示されている。ここで、ラジアルクリアランスRcのクリアランス量drは、チップクリアランスTcのクリアランス量dtよりも大きい。
【0038】
そして、図1,図2(B)及び図3は、ロータ収納室4がオフセットされた状態を示す。オフセットされる前のロータ収納室4の中心P4は、アウターロータ2の回転中心P2と同一の位置〔図2(A)参照〕であるが、ロータ収納室4がオフセットされたことにより、ポンプが動作していないときには、ロータ中心P4と回転中心P2は、異なる位置である〔図2(B),図3参照〕。
【0039】
インナーロータ1とアウターロータ2との噛み合い範囲が、回転方向における負の範囲であるために、アウターロータ2がチップクリアランスTcのクリアランス量dtを狭める(小さくする)方向に揺動する〔図3(A)参照〕。
【0040】
ここで、ロータ収納室4のオフセットにおける移動量mは、最大セル容積部S2から最深噛み合い部S1に向う方向、或いは、前記基準線Lにおいてアウターロータ2の回転中心P2からインナーロータ1の回転中心P1に向う方向で、且つチップクリアランスTcのクリアランス量dtよりも小さい量の範囲である。
【0041】
そして、ラジアルクリアランスRcのクリアランス量drは、チップクリアランスTcのクリアランス量dtよりも大きいので、ロータ収納室4のオフセットにおける移動量m,チップクリアランスTcのクリアランス量dt及びラジアルクリアランスRcのクリアランス量drとの関係は、以下の式となる。
【0042】
つまり、
【数3】

である。
【0043】
これによって、アウターロータ2の位置変移による揺動した分を吸収することができる。前記チップクリアランスTcを含め、その他全てのチップクリアランスは、通常約50μmに設定され、前記ラジアルクリアランスRcは通常約75μmに設定される。
【0044】
図4は、ロータ収納室4がオフセットされた状態で、ポンプ作動時において、アウターロータ2が回転したときに、アウターロータ2の回転中心P2がロータ収納室4の中心P4と一致する状態を示すものである。そして、チップクリアランスTcは、アウターロータ2の揺動により小さくなり〔図4(B)参照〕、ロータ収納室4の中心P4と、アウターロータ2の回転中心P2とが近づくことになり、中心P4と回転中心P2とは、その位置が略一致する状態となる〔図4(A)参照〕。
【0045】
つまり、ロータ収納室4の位置が最深噛み合い部S1側にオフセットされたことにより、インナーロータ1とアウターロータ2との噛み合い範囲が回転方向における負の範囲であるために、アウターロータ2が最深噛み合い部S1側に揺動した状態で、アウターロータ2の回転中心P2と、ロータ収納室4の中心P4とが略一致し、アウターロータ2はロータ収納室4とのラジアルクリアランスRcを全周に亘って均一にすることができ、アウターロータ2の回転が円滑に行われる(図4参照)。
【0046】
以上述べたように、本発明における内接歯車式ポンプは、ロータ収納室4にインナーロータ1とアウターロータ2とが配置された内接歯車式ポンプにおいて、前記インナーロータ1と前記アウターロータ2とは、それぞれの中心P1と中心P2との偏心量eとし、前記インナーロータ1の歯底直径d及び歯数Nとしたとき、e>d/〔2(N−2)〕
が満たされる構成を特徴としたものである。
【0047】
さらに、前述した構成において、前記インナーロータ1の中心P1と、前記アウターロータ2の中心P2とを結んだ線L上付近に最深噛み合い部S1が位置すると共に、前記ロータ収納室4の中心P4は、前記アウターロータ2の中心P2とを同一中心とした状態から前記最深噛み合い部S1側に、吸入ポート41の終端側41tと吐出ポート42の始端側42fとの間のシールランド43付近のインナーロータ1の歯先とアウターロータ2の歯先との隙間であるチップクリアランスTcよりも小さい量(移動量m)オフセットされる構成を特徴としたものである。さらに、前述した構成に加えて、前記インナーロータ1の歯形11が複数の楕円や円もしくは高次曲線を組み合わせた曲線により創成された構成をを特徴としたものである。
【0048】
そして、前述したした構成において、オフセットされない状態では、前記ロータ収納室4と前記アウターロータ2のラジアルクリアランスRcのクリアランス量drは、前記チップクリアランスTcのクリアランス量dtよりも大きく、且つオフセットにおける前記ロータ収納室4の移動量mは、前記チップクリアランスTcのクリアランス量dtよりも小さい範囲に設定されるものであって、前記チップクリアランスTcのクリアランス量dtと前記ラジアルクリアランスRcのクリアランス量drと、前記オフセットにおける移動量mとの関係は、m<dt<drが満たされる構成としてなることを特徴としたものである。
【符号の説明】
【0049】
1…インナーロータ、2…アウターロータ、4…ロータ収納室、41…吸入ポート、
42…吐出ポート、43…シールランド、L…基準線、S1…最深噛み合い部、
S2…最大セル容積部、Tc…チップクリアランス、Rc…ラジアルクリアランス、
P1…(インナーロータ1の)回転中心、
P2…(アウターロータ2の)回転中心。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータ収納室にインナーロータとアウターロータとが配置された内接歯車式ポンプにおいて、前記インナーロータと前記アウターロータとは、偏心量eとし、前記インナーロータの歯底直径d及び歯数Nとしたとき、
e>d/〔2(N−2)〕
が満たされてなることを特徴とする内接歯車式ポンプ。
【請求項2】
請求項1において、前記インナーロータの中心と、前記アウターロータの中心とを結んだ線上付近に最深噛み合い部が位置すると共に、前記ロータ収納室の中心は、前記アウターロータの中心とを同一中心とした状態から前記最深噛み合い部側に、吸入ポートの終端側と吐出ポートの始端側との間のシールランド付近のインナーロータの歯先とアウターロータの歯先との隙間であるチップクリアランスよりも小さい量オフセットされてなることを特徴とする内接歯車式ポンプ。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記インナーロータの歯形が複数の楕円や円もしくは高次曲線を組み合わせた曲線により創成されてなることを特徴とする内接歯車式ポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−100761(P2013−100761A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244511(P2011−244511)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000144810)株式会社山田製作所 (183)
【Fターム(参考)】