説明

内燃機関の制御装置

【課題】原料燃料を高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とに分離して使用する内燃機関の制御装置に関し、ノッキングの抑制と燃費悪化の抑制とを高い次元で両立する。
【解決手段】供給された原料燃料を高RON燃料と低RON燃料とに分離する分離器30を備え、内燃機関10の運転状態に応じて、内燃機関10に供給される高RON燃料と低RON燃料との割合を制御する内燃機関の制御装置において、ノッキングの発生を検知した場合に、高RON燃料の残量が所定の基準値よりも多いか否かを判定する(ステップ102)。高RON燃料の残量が所定の基準値よりも多い場合には、内燃機関10に供給される高RON燃料の割合を増量する(ステップ104〜112)。一方、高RON燃料の残量が所定の基準値よりも少ない場合には、点火時期を遅角する(ステップ114)。更には、吸入空気量を低減する(ステップ120)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、内燃機関の制御装置に係り、特に、原料燃料を高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とに分離して使用する内燃機関の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特表2004−522039号公報に開示されるように、機関の運転状態に応じてオクタン価(RON)の異なる燃料を使用する内燃機関の燃料供給装置が知られている。この燃料供給装置では、より具体的には、原料燃料タンク内のガソリンが、分離膜を備えた分離装置によって原料燃料よりオクタン価の高い高RON燃料と原料燃料よりオクタン価の低い低RON燃料とに分離される。そして、機関の運転状態に応じて燃料切替機構を制御することにより、高RON燃料と低RON燃料との供給割合を制御することとしている。このような燃料供給装置によれば、機関の運転状態に応じて燃料のオクタン価を変更することができるので、機関の燃焼状態の改善により、機関出力の増大と排気性状の改善との両方を達成することができる。
【0003】
【特許文献1】特表2004−522039号公報
【特許文献2】特開2001−50070号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ガソリンを燃料とする内燃機関においては、ノッキングを発生させずに安定したトルクを発生できるように、予め最適な点火時期が設定されている。しかしながら、燃焼性状や使用環境、或いは機関の経年変化等の種々の要因が相まって、ノッキングが発生する運転条件が出てきてしまう。また、上記従来の燃料供給装置のように、機関の運転状態に応じて、供給される燃料のオクタン価を変更することができる内燃機関の制御装置においては、通常の内燃機関に比して圧縮比が高く設定されている。このため、高オクタン価燃料の使用状況や低オクタン価燃料のオクタン価によっては、耐ノッキング性能が想定外に低下するおそれがある。
【0005】
ノッキングの発生を抑制する方法としては、点火時期の遅角制御が考えられる。しかしながら、遅角制御は、最適点火時期からの遅角量が増大するほど、サイクルの熱効率が低下する。このため、ノッキングが発生した場合に安易に点火時期を遅角すると、燃費悪化の問題が生じてしまう。このように、原料燃料を高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とに分離して使用する内燃機関の制御装置においては、ノッキングの抑制と燃費悪化の抑制とを両立するのが困難であった。
【0006】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、原料燃料を高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とに分離して使用する内燃機関において、ノッキングの抑制と燃費悪化の抑制とを高い次元で両立することのできる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の制御装置であって、
供給された原料燃料を、高オクタン価成分の含有率が原料燃料より多い高オクタン価燃料と、高オクタン価成分の含有率が原料燃料より少ない低オクタン価燃料とに分離する燃料分離手段と、
内燃機関の運転状態に応じて、前記内燃機関に供給される高オクタン価燃料と低オクタン価燃料との割合を制御する燃料供給手段と、
ノッキングの発生を検知した場合に、当該ノッキングを抑制するノッキング抑制手段と、を備え、
前記ノッキング抑制手段は、
高オクタン価燃料の残量を検知する残量検知手段と、
高オクタン価燃料の残量が所定の基準値よりも多い場合に、前記内燃機関に供給される高オクタン価燃料の割合を増量する高オクタン価燃料増量手段と、
を含むことを特徴とする。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、
前記ノッキング抑制手段は、
高オクタン価燃料の残量が所定の基準値よりも少ない場合に、前記内燃機関の点火時期を遅角する点火時期遅角手段を更に含むことを特徴とする。
【0009】
第3の発明は、第2の発明において、
前記点火時期遅角手段の実行時に警告を発する警告手段を更に備えることを特徴とする。
【0010】
第4の発明は、第2または第3の発明において、
前記ノッキング抑制手段は、前記点火遅角手段を実行してもノッキングを抑制できない場合に、前記内燃機関に吸入される空気量を低減する空気量低減手段を更に含むことを特徴とする。
【0011】
第5の発明は、第4の発明において、
前記空気量制限手段の実行時に警告を発する第2の警告手段を更に備えることを特徴とする。
【0012】
第6の発明は、第1の発明において、
前記ノッキング抑制手段は、
高オクタン価燃料の残量が増加する条件(以下、残量増加条件)が成立しているかを判定する判定手段と、
前記残量増加条件が成立している場合に、前記内燃機関に供給される高オクタン価燃料の割合を増量する第2の高オクタン価燃料増量手段と、
を更に含むことを特徴とする。
【0013】
第7の発明は、第6の発明において、
前記判定手段は、高オクタン価燃料の生成量と相関を有する値(以下、生成量相関値)が、消費量と相関を有する値(以下、消費量相関値)よりも大きい場合に、前記残量増加条件の成立を判定することを特徴とする。
【0014】
第8の発明は、第1の発明において、
前記ノッキング抑制手段は、
高オクタン価燃料の残量が所定の基準値よりも少ない場合に、前記内燃機関に吸入される空気量を低減する第2の空気量低減手段を更に含むことを特徴とする。
【0015】
第9の発明は、第8の発明において、
前記第2の空気量制限手段の実行時に警告を発する第3の警告手段を更に備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
第1の発明によれば、供給された原料燃料を高オクタン価成分の含有率が原料燃料より多い高オクタン価燃料(以下、「高RON燃料」と称する)と高オクタン価成分の含有率が原料燃料より少ない低オクタン価燃料(以下、「低RON燃料」と称する)とに分離し、内燃機関の運転状態に応じて、これらの燃料の供給割合を制御するシステムにおいて、高RON燃料の残量が所定の基準値より多い場合に、高RON燃料の増量制御が実行される。高RON燃料の割合を増量すると、燃費の悪化を抑制しつつノッキングを抑制することができる。このため、本発明によれば、高RON燃料の残量が所定の基準値以上を満たす限り、優先して高RON燃料の増量制御を行うことができるので、ノッキングの抑制と燃費の悪化の抑制を高い次元で両立することができる。
【0017】
第2の発明によれば、高RON燃料の残量が所定の基準値より少ない場合に、点火遅角制御が実行される。このため、本発明によれば、高RON燃料の残量が少量であるために、高RON燃料の増量によるノッキングの抑制を行うことができない状態においても、少なくともノッキングの発生を効果的に抑制することができる。
【0018】
第3の発明によれば、点火遅角制御の実行時に警告が発せられる。このため、本発明によれば、運転者に燃費の悪化の可能性を効果的に知らせることができるので、それに伴う退避行動により、燃費の悪化の抑制を期待できる。
【0019】
第4の発明によれば、点火遅角制御を実行してもノッキングを抑制できない場合に、内燃機関に吸入される空気量が低減される。このため、本発明によれば、強制的に出力を低減させることにより、ノッキングを確実に抑制することができる。
【0020】
第5の発明によれば、空気量の制限制御の実行時に警告が発せられる。このため、本発明によれば、運転者にノッキングに対する緊急措置が講じられたことを効果的に知らせることができるので、それに伴う退避行動を期待できる。
【0021】
第6の発明によれば、高RON燃料の残量が所定の基準値よりも少ない場合であっても、高RON燃料の残量が増加する条件(残量増加条件)が成立している場合には、高RON燃料の増量制御が行われる。残量増加条件が成立している場合には、高RON燃料がなくなるおそれはない。このため、本発明によれば、高RON燃料の増量制御を実行することにより、ノッキングの抑制と燃費悪化の抑制とを高い次元で両立することができる。
【0022】
第7の発明によれば、高RON燃料の生成量と相関を有する値(生成量相関値)が、消費量と相関を有する値(消費量相関値)よりも大きい場合に、残量増加条件の成立が判定される。このため、本発明によれば、高RON燃料の残量が増加する条件か否かを確実に判定することができる。
【0023】
第8の発明によれば、高RON燃料の残量が所定の基準値より少ない場合に、内燃機関に吸入される空気量が低減される。このため、本発明によれば、高RON燃料の残量が少量であるために、高RON燃料の増量によるノッキングの抑制を行うことができない状態においても、強制的に出力を低減させることにより、ノッキングの抑制と燃費悪化の抑制を行うことができる。
【0024】
第9の発明によれば、空気量の制限制御の実行時に警告が発せられる。このため、本発明によれば、運転者にノッキングに対する緊急措置が講じられたことを効果的に知らせることができるので、それに伴う退避行動を期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0026】
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
【0027】
図1は、本発明の一実施形態に係る内燃機関の制御装置及びその周辺の構造を説明するための図である。内燃機関10は燃料タンク12を備えている。燃料タンク12には、通常のガソリン(例えば、90RON)が給油されて貯留されている。以下、燃料タンク12に貯留されているガソリン燃料は、後述する分離燃料と区別するために「原料燃料」と称する。
【0028】
燃料タンク12には、原料燃料配管14の一端が接続されている。燃料タンク12内の原料燃料は、該燃料タンク12内に設けられた燃料ポンプ16によって、該原料燃料配管14に供給される。
【0029】
原料燃料配管14における燃料ポンプ16の下流には、流量制御弁18が配置されている。流量制御弁18は、原料燃料配管14を流れる原料燃料の流量を調整するためのものである。流量制御弁18の更に下流側には、熱交換器20が配置されている。熱交換器20は、原料燃料と後述する高RON燃料や低RON燃料との間で熱交換を行うためのものである。該熱交換器20を通過した原料燃料は、これらの分離燃料から熱を受けて加熱される。
【0030】
原料燃料配管14における熱交換器20の下流には、ヒートパイプ22が配置されている。ヒートパイプ22は、内燃機関10の排気通路24に介在するように構成されており、排気通路24を流れる排気ガスの熱を受けて、原料燃料を加熱することができるものである。
【0031】
原料燃料配管14におけるヒートパイプ22の下流側は、分離器30に接続されている。分離器30は、供給された原料燃料を高オクタン価成分の含有率が原料燃料より多い高RON燃料(例えば、103RON)と高オクタン価成分の含有率が原料燃料より少ない低RON燃料(例えば、88RON)とに分離するための装置である。
【0032】
分離器30は、耐圧容器からなるハウジング内を、アロマ分離膜301で2つの区画302と303とに区分した構成を有している。アロマ分離膜301は、原料燃料中の芳香族成分を選択的に透過させる性質を有している。芳香族成分量が増大すると、オクタン価(RON)が高くなる。このため、区画303側に透過した燃料は、芳香族成分の含有量が多い高RON燃料となり、区画302側に残った燃料は、芳香族成分の含有量が少ない低RON燃料となる。
【0033】
分離器30における区画302側には、低RON燃料配管32の一端が接続されている。低RON燃料配管32の途中には、上記熱交換器20が介在している。また、低RON燃料配管32の他端は、低RON燃料を貯留するための低RON燃料タンク34に接続されている。低RON燃料タンク34内の低RON燃料は、インジェクタ36を用いて、内燃機関10の筒内に噴射される。
【0034】
一方、分離器30における区画303側には、高RON燃料配管38の一端が接続されている。高RON燃料配管38の途中には、上記熱交換器20が介在している。また、高RON燃料配管38における熱交換器20の下流には、区画303内に負圧を発生させるためのイダクタ40が設けられている。高RON燃料配管38の他端は、高RON燃料を貯留するための高RON燃料タンク42に接続されている。高RON燃料タンク42内の高RON燃料は、インジェクタ44を用いて、内燃機関10のポートに噴射される。また、高RON燃料タンク42内には、貯留されている高RON燃料の残量を検知するための液面センサ52が設けられている。
【0035】
図1に示すように、本実施形態の制御装置はECU(Electronic Control Unit)50を備えている。ECU50の入力には、上述した液面センサ52に加え、ノッキングの発生を検知するノックセンサ54や、内燃機関10の運転状態を検出するための各種センサ(図示せず)が接続されている。また、ECU50の出力には、上述した流量制御弁18、イダクタ40、インジェクタ36,44などの各種アクチュエータが接続されている。
【0036】
[実施の形態1の動作]
(燃料供給動作について)
次に、図1を参照して、内燃機関10における燃料供給動作について説明する。内燃機関10では、原料燃料から高RON燃料と低RON燃料が生成される。より具体的には、燃料タンク12に貯留されている原料燃料は、燃料ポンプ16および流量制御弁18により所定の圧力まで昇圧された後、熱交換器20およびヒートパイプ22を通過する間に所定の温度まで加熱される。
【0037】
高温高圧となった原料燃料は、分離器30の区画302側へ送られる。アロマ分離膜301を挟んだ区画303側は、イダクタ40の作用により低い圧力に制御されている。ハウジング内における区画302側を高圧に保ち、区画303側を区画302側よりも低圧(好ましくは負圧)に保つと、原料燃料中の芳香族成分が、該アロマ分離膜301を区画302側から区画303側へ透過する。このため、区画302側の原料燃料中の芳香族成分がアロマ分離膜301を透過して区画303側へ浸出する。これにより、原料燃料(例えば、RON90)が高RON燃料(例えば、RON103)と低RON燃料(例えば、RON88)とに分離される。
【0038】
高RON燃料および低RON燃料は、それぞれ内燃機関10におけるインジェクタ36,44から噴射される。図2は、内燃機関10の運転条件と要求オクタン価との関係を説明するための図である。図2中の実線L1は、内燃機関10のロード線を示している。この図に示すとおり、内燃機関10の運転条件が当該ロード線に沿って変化すると、内燃機関10の要求オクタン価が変化する。このため、当該要求オクタン価が実現されるように、高RON燃料および低RON燃料の噴射量を決定することで、ノッキングを抑制するとともに、燃費悪化を抑制することができる。
【0039】
(本実施の形態1の特徴)
上述したとおり、内燃機関10においては、ノッキングを発生せずに安定したトルクを発生できるように、予め最適なオクタン価が設定されている。しかしながら、燃焼性状や使用環境、或いは機関の経年変化等の種々の要因が相まって、ノッキングが発生する運転条件が出てきてしまう。また、本実施の形態の内燃機関10のように、機関の運転状態に応じて燃料のオクタン価を変更することができるシステムにおいては、通常の内燃機関に比して圧縮比が高く設定されている。このため、高オクタン価燃料の使用状況や低オクタン価燃料のオクタン価によっては、耐ノッキング性能が想定外に低下するおそれがある。
【0040】
ここで、ノッキングの発生を抑制する方法としては、点火時期の遅角制御が考えられる。しかしながら、点火時期の遅角制御は、最適点火時期からの遅角量が増大するほど、サイクルの熱効率が低下する。このため、ノッキングが発生した場合に安易に点火時期を遅角すると、燃費悪化の問題が深刻となる。
【0041】
そこで、本実施の形態1のシステムでは、ノッキングが発生した場合に、高RON燃料の残量がある限り、高RON燃料の増量制御を点火遅角制御よりも優先して実行することとする。内燃機関10に供給される高RON燃料の比率を増加すると、耐ノック性能が向上する。また、点火遅角制御のように、燃費が悪化することもない。このため、ノッキングの抑制と燃費悪化の抑制を高次元で両立することができる。
【0042】
また、高RON燃料の残量が減少し、上記高RON燃料の増量制御を実行できない場合には、点火遅角制御を実行することとする。これにより、少なくとも、ノッキングの発生を抑制することができるので、内燃機関10がダメージを受ける事態を効果的に抑止することができる。また、本実施の形態では、点火遅角制御を実行すると同時に、運転者への警告を発することとする。これにより、運転者は、燃費が悪化している事態を把握することができるので、その後の退避行動を期待することができる。
【0043】
また、内燃機関10の経年変化や運転状態によっては、ノッキングの発生時に点火遅角制御を実行しても、ノッキングが完全に解消されない場合も想定される。そこで、このような場合には、強制的に内燃機関10に吸入される空気量を低減させることとする。これにより、強制的に出力を低下させることができるので、ノッキングを完全に抑制することが可能となる。尚、上述した空気量制限制御を行う場合においても、運転者に警告を発することとする。これにより、運転者は、ノッキングにより緊急措置がとられたことを把握することができるので、その後の退避行動を期待することができる。
【0044】
このように、内燃機関10にノッキングが発生した場合に、高RON燃料増量制御、点火遅角制御、空気量制限制御の順に優先順位をつけて制御を実行することにより、燃費の悪化を最大限に抑制しつつ、ノッキングを抑制することができる。
【0045】
[実施の形態1における具体的処理]
次に、図3を参照して、本実施の形態において実行する処理の具体的内容について説明する。図3は、ECU50が、内燃機関10の起動中に実行するルーチンのフローチャートである。
【0046】
図3に示すルーチンでは、先ず、内燃機関10にノッキングが発生しているか否かが判定される(ステップ100)。ここでは、具体的には、ノックセンサ54の検出信号に基づいて、ノッキングの発生有無及びその強度が判定される。その結果、ノッキングが発生していないと判定された場合には、本ルーチンにおけるノッキング抑制制御を実行する必要がないと判断されて、本ルーチンは速やかに終了される。
【0047】
一方、上記ステップ100において、ノッキングの発生が判定された場合には、ノッキング抑制制御を実行する必要があると判断されて、次のステップに移行し、高RON燃料の残量レベルが所定のLレベルか否かが判定される(ステップ102)。Lレベルは、高RON燃料の残量が、使用を抑制すべき程度に減っていることを意味している。ここでは、具体的には、高RON燃料タンク42に設けられた液面センサ52の検出信号に基づいて、高RON燃料の残量レベルが判定される。その結果、高RON燃料の残量レベルがLレベルではないと判定された場合には、高RON燃料の残量が十分にあると判断されて、次のステップに移行し、高RON燃料の増量制御が実行される(ステップ106)。ここでは、具体的には、上記ステップ100において検出されたノック強度に応じた最大値まで、高RON燃料の比率が増加される。
【0048】
次に、内燃機関10にノッキングが発生しているか否かが、再度判定される(ステップ106)。ここでは、具体的には、上記ステップ100と同様の処理が実行される。その結果、ノッキングが発生していると判定された場合には、高RON燃料の増量制御では、ノッキングを抑制することができないと判断されて、後述するステップ114において点火時期の遅角制御が実行される。
【0049】
一方、上記ステップ106において、ノッキングが発生していないと判定された場合には、高RON燃料の比率を低減する余地があると判断されて、次のステップに移行し、高RON燃料の比率が1ステップ低減される(ステップ108)。
【0050】
次に、内燃機関10にノッキングが発生しているか否かが、再度判定される(ステップ110)。その結果、ノッキングが発生していないと判定された場合には、高RON燃料の比率を低減する余地があると判断されて、再度上記ステップ108に移行し、高RON燃料の比率が1ステップ低減される。
【0051】
一方、上記ステップ110において、ノッキングが発生していると判定された場合には、高RON燃料の比率を低減し過ぎたと判断されて、次のステップに移行し、高RON比率が1ステップ増加される(ステップ112)。これにより、高RON燃料の増加比率が、ノッキングを抑制しうる最小の増加比率に設定される。
【0052】
図3に示すルーチンでは、上記ステップ102において、高RON燃料の残量レベルがLレベルにあると判定された場合には、高RON燃料の残量が、高RON燃料の増量制御を行うほど残されていないと判断されて、次のステップに移行し、点火時期の遅角制御が実行される(ステップ114)。ここでは、具体的には、上記ステップ100において検出されたノック強度に応じた遅角量が演算される。次に、運転者に警告が発せられる(ステップ116)。ここでは、具体的には、点火時期が遅角されたことを知らせる警告灯が点灯する。
【0053】
次に、内燃機関10にノッキングが発生しているか否かが、再度判定される(ステップ118)。ここでは、具体的には、上記ステップ100と同様の処理が実行される。その結果、ノッキングが発生していないと判定された場合には、本ルーチンは速やかに終了される。
【0054】
一方、上記ステップ118において、ノッキングが発生していると判定された場合には、点火時期の遅角制御ではノッキングを抑制することができないと判断されて、次のステップに移行し、空気量の低減制御が実行される(ステップ120)。ここでは、具体的には、内燃機関10のスロットルが絞られて、吸入空気量が低減される。次に、運転者に警告が発せられる(ステップ122)。ここでは、具体的には、吸入空気量が低減されたことを知らせる警告灯が点灯する。
【0055】
図3に示すルーチンでは、次に、上記ステップ116に移行し、内燃機関10にノッキングが発生しているか否かが、再度判定される。その結果、ノッキングが発生していると判定された場合には、上記ステップ120において更に空気量が低減される。一方、上記ステップ116において、ノッキングが発生していないと判定された場合には、本ルーチンは速やかに終了される。
【0056】
以上説明したとおり、本実施の形態1によれば、ノッキングが発生した場合に、高RON燃料の残量がある限り、高RON燃料の増量制御が点火遅角制御よりも優先して実行される。このため、ノッキングを抑制しつつ、燃費悪化を最大限に抑制することができる。
【0057】
ところで、上述した実施の形態1によれば、分離器30を用いて、原料燃料を高RON燃料と低RON燃料とに分離することとしているが、原料燃料を分離するシステムはこれに限られない。すなわち、原料燃料から高RON燃料を分離できるシステムであれば、他の公知のシステムを使用することとしてもよい。尚、この点は、後述する他の実施の形態でも同様である。
【0058】
また、上述した実施の形態1によれば、高RON燃料タンク42に設けられた液面センサの検出信号に基づいて、高RON燃料の残量レベルを判定することとしているが、高RON燃料の残量を取得する手段はこれに限られない。すなわち、高RON燃料の消費量および生成量の積算値に基づいて、高RON燃料タンク42内の残量を判定することとしてもよい。尚、この点は、後述する他の実施の形態でも同様である。
【0059】
また、上述した実施の形態1によれば、点火遅角制御および空気量低減制御を実行する場合に警告として警告灯を点灯することとしているが、警告の方法はこれに限られない。すなわち、運転者への通知が可能であれば、警告音等の他の公知の伝達手段を用いてもよい。尚、この点は、後述する他の実施の形態でも同様である。
【0060】
尚、上述した実施の形態1においては、高RON燃料が前記第1の発明における「高オクタン価燃料」に、低RON燃料が前記第1の発明における「低オクタン価燃料」に、分離器30が前記第1の発明における「燃料分離手段」に、液面センサ52が前記第1の発明における「残量検知手段」に、それぞれ相当している。また、ECU50が、上記ステップ104乃至112の処理を実行することにより、前記第1の発明における「高オクタン価燃料増量手段」が実現されている。
【0061】
また、上述した実施の形態1においては、ECU50が、上記ステップ114の処理を実行することにより、前記第2の発明における「点火時期遅角手段」が実現されている。
【0062】
また、上述した実施の形態1においては、ECU50が、上記ステップ116の処理を実行することにより、前記第3の発明における「警告手段」が実現されている。
【0063】
また、上述した実施の形態1においては、ECU50が、上記ステップ120の処理を実行することにより、前記第4の発明における「空気量低減手段」が実現されている。
【0064】
また、上述した実施の形態1においては、ECU50が、上記ステップ122の処理を実行することにより、前記第5の発明における「第2の警告手段」が実現されている。
【0065】
実施の形態2.
[実施の形態2の特徴]
次に、図4を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態のシステムは、図1に示すハードウェア構成を用いて、ECU50に後述する図4に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
【0066】
上述した実施の形態1では、ノッキングが発生した際に、高RON燃料の残量が十分にある場合には、高RON燃料の増量制御を点火遅角制御よりも優先して実行することとしている。これにより、ノッキングを抑制しつつ、燃費悪化を最大限に抑制することができる。
【0067】
ここで、高RON燃料は、内燃機関10にて消費される一方で、分離器30によって生成されている。このため、高RON燃料の生成量が該高RON燃料の消費量よりも多い条件が成立しているのであれば、高RON燃料の残量レベルがLレベルであっても、高RON燃料の増量制御を行うことができる。
【0068】
そこで、本実施の形態2では、高RON燃料の残量が増加する条件(以下、「残量増加条件」と称する)が成立している場合には、高RON燃料の残量レベルがLレベルであっても高RON燃料の増量制御を実行することにする。これにより、ノッキングが発生した場合に、高RON燃料の増量制御を実行する領域を拡大することができるので、ノッキングの抑制と燃費悪化の抑制を更に広範囲で実現することができる。
【0069】
[実施の形態2における具体的処理]
次に、図4を参照して、本実施の形態において実行する処理の具体的内容について説明する。図4は、ECU50が、内燃機関10の起動中に実行するルーチンのフローチャートである。
【0070】
図4に示すルーチンでは、先ず、内燃機関10にノッキングが発生しているか否かが判定される(ステップ200)。ここでは、具体的には、上記ステップ100と同様の処理が実行される。その結果、ノッキングが発生していないと判定された場合には、本ルーチンにおけるノッキング抑制制御を実行する必要がないと判断されて、本ルーチンは速やかに終了される。
【0071】
一方、上記ステップ200において、ノッキングの発生が判定された場合には、ノッキング抑制制御を実行する必要があると判断されて、次のステップに移行し、高RON燃料の残量レベルが所定のLレベルか否かが判定される(ステップ202)。ここでは、具体的には、上記ステップ102と同様の処理が実行される。その結果、高RON燃料の残量レベルがLレベルではないと判定された場合には、高RON燃料の残量が十分にあると判断されて、次のステップに移行し、高RON燃料の増量制御が実行される(ステップ204)。ここでは、具体的には、上記ステップ104乃至112と同様の処理が実行される。
【0072】
一方、上記ステップ202において、高RON燃料の残量レベルがLレベルにあると判定された場合には、高RON燃料の残量が少量であると判断されて、次のステップに移行し、高RON燃料の生成量の時間平均値dPhiaveが、該高RON燃料の消費量の時間平均値dQhiaveよりも大きいか否かが判定される(ステップ206)。ここでは、具体的には、dPhiaveは、流量制御弁18の開度および分離器30に導入される原料燃料の温度に基づいて演算される。また、dQhiaveは、インジェクタ44の噴射時間に基づいて演算される。その結果、dPhiave>dQhiaveの成立が認められた場合には、高RON燃料の残量増加条件が成立していると判断されて、上記ステップ204に移行し、高RON燃料の増量制御が実行される。
【0073】
一方、上記ステップ206において、dPhiave>dQhiaveの成立が認められない場合には、高RON燃料の残量増加条件が成立していないと判断されて、次のステップに移行し、点火時期の遅角制御が実行される(ステップ208)。ここでは、具体的には、上記ステップ114と同様の処理が実行される。
【0074】
以上説明したとおり、本実施の形態2によれば、ノッキングが発生した場合に、高RON燃料の残量増加条件が成立しているか否かが判断される。そして、残量増加条件が成立している場合には、高RON燃料の増量制御が点火遅角制御よりも優先して実行される。これにより、高RON燃料の残量が少量である場合においても、高RON燃料の増量制御を行うことができるので、ノッキングの抑制と燃費悪化の抑制とを両立できる範囲を効果的に拡大することができる。
【0075】
ところで、上述した実施の形態2によれば、高RON燃料の生成量の時間平均値dPhiave、および消費量の時間平均値dQhiaveに基づいて、当該高RON燃料の残量増加条件が成立しているか否かを判定することとしている。しかしながら、高RON燃料の残量増加条件の判定に使用される値は生成量および消費量の時間平均値に限られない。すなわち、高RON燃料の残量が増加するか否かを判定できるのであれば、他の残量相関値に基づいて判断することとしてもよい。
【0076】
また、上述した実施の形態2によれば、高RON燃料の残量増加条件が成立していない場合に、点火時期を遅角してノッキングを抑制することとしているが、ノッキングを抑制するための制御はこれに限られない。すなわち、点火遅角制御を実行してもノッキングが解消されない場合には、実施の形態1と同様に、吸入空気量を低減させる制御を実行することとしてもよい。また、上記点火時期制御や空気量低減制御を実行する場合に、上述した実施の形態1と同様に警告を発することとしてもよい。
【0077】
尚、上述した実施の形態2においては、高RON燃料が前記第1の発明における「高オクタン価燃料」に、低RON燃料が前記第1の発明における「低オクタン価燃料」に、分離器30が前記第1の発明における「燃料分離手段」に、液面センサ52が前記第1の発明における「残量検知手段」に、それぞれ相当している。また、ECU50が、上記ステップ204の処理を実行することにより、前記第1の発明における「高オクタン価燃料増量手段」が実現されている。
【0078】
また、上述した実施の形態2においては、ECU50が、上記ステップ204の処理を実行することにより、前記第6の発明における「第2の高オクタン価燃料増量手段」が実現されている。
【0079】
また、上述した実施の形態1においては、高RON燃料の生成量の時間平均値dPhiaveが前記第7の発明における「生成量相関値」に、高RON燃料の消費量の時間平均値dQhiaveが前記第7の発明における「消費量相関値」に、それぞれ相当している。また、ECU50が、上記ステップ206の処理を実行することにより、前記第7の発明における「判定手段」が実現されている。
【0080】
実施の形態3.
[実施の形態3の特徴]
次に、図5を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態のシステムは、図1に示すハードウェア構成を用いて、ECU50に後述する図5に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
【0081】
上述した実施の形態1では、ノッキングが発生した際に、高RON燃料の残量が十分にある場合には、高RON燃料の増量制御を点火遅角制御よりも優先して実行することとしている。これにより、ノッキングを抑制しつつ、燃費悪化を最大限に抑制することができる。また、上述した実施の形態1では、点火遅角制御を実行してもノッキングが解消されない場合には、更に吸入空気量の低減制御を実行することとしている。これにより、ノッキングの発生を確実に抑制することができる。
【0082】
ここで、運転者の運転状況によっては、燃費悪化の抑制を最も優先したい場合も想定される。しかしながら、実施の形態1において上述したとおり、ノッキングが発生した場合に点火時期の遅角制御を実行すると燃費が悪化してしまう。
【0083】
そこで、本実施の形態3では、ノッキングが発生し、高RON燃料の残量が不足している場合に、点火時期の遅角制御を実行せずに吸入空気量の低減制御を実行することとする。吸入空気量を低減すると、燃費悪化を抑制しつつノッキングを抑制することができる。このため、高RON燃料の増量制御を実行することができない状況であっても、ノッキングの抑制と燃費悪化の抑制とを両立させることができる。
【0084】
但し、空気量を低減すると出力が低下する。このため、本実施の形態3における制御は、運転者が出力よりも燃費を優先したい場合、例えば、運転者が出力よりも燃費を優先するモード等を選択している場合等に有効となる。
【0085】
[実施の形態2における具体的処理]
次に、図5を参照して、本実施の形態において実行する処理の具体的内容について説明する。図5は、ECU50が、内燃機関10の起動中に実行するルーチンのフローチャートである。
【0086】
図5に示すルーチンでは、先ず、内燃機関10にノッキングが発生しているか否かが判定される(ステップ300)。ここでは、具体的には、上記ステップ100と同様の処理が実行される。その結果、ノッキングが発生していないと判定された場合には、本ルーチンにおけるノッキング抑制制御を実行する必要がないと判断されて、本ルーチンは速やかに終了される。
【0087】
一方、上記ステップ300において、ノッキングの発生が判定された場合には、ノッキング抑制制御を実行する必要があると判断されて、次のステップに移行し、高RON燃料の残量レベルが所定のLレベルか否かが判定される(ステップ302)。ここでは、具体的には、上記ステップ102と同様の処理が実行される。その結果、高RON燃料の残量レベルがLレベルではないと判定された場合には、高RON燃料の残量が十分にあると判断されて、次のステップに移行し、高RON燃料の増量制御が実行される(ステップ304)。ここでは、具体的には、上記ステップ104乃至112と同様の処理が実行される。
【0088】
一方、上記ステップ302において、高RON燃料の残量レベルがLレベルにあると判定された場合には、高RON燃料の残量が少量であり、増量制御を実行することができないと判断されて、次のステップに移行し、吸入空気量の低減制御が実行される(ステップ306)。次に、運転者に警告が発せられる(ステップ308)。ここでは、具体的には、上記ステップ120および122と同様の処理が実行される。
【0089】
以上説明したとおり、本実施の形態3によれば、ノッキングが発生し、且つ、高RON燃料の残量制御を実行できない場合に、吸入空気量の低減制御が実行される。これにより、高RON燃料の増量制御を実行できない場合においても、ノッキングの抑制と燃費悪化の抑制とを両立することができる。
【0090】
尚、上述した実施の形態3においては、高RON燃料が前記第1の発明における「高オクタン価燃料」に、低RON燃料が前記第1の発明における「低オクタン価燃料」に、分離器30が前記第1の発明における「燃料分離手段」に、液面センサ52が前記第1の発明における「残量検知手段」に、それぞれ相当している。また、ECU50が、上記ステップ304の処理を実行することにより、前記第1の発明における「高オクタン価燃料増量手段」が実現されている。
【0091】
また、上述した実施の形態3においては、ECU50が、上記ステップ306の処理を実行することにより、前記第8の発明における「第2の空気量低減手段」が実現されている。
【0092】
また、上述した実施の形態3においては、ECU50が、上記ステップ308の処理を実行することにより、前記第8の発明における「第3の警告手段」が実現されている。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の実施の形態1に係る内燃機関の制御装置の構成を説明するための図である。
【図2】内燃機関10の運転条件と要求オクタン価との関係を説明するための図である。
【図3】本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態3において実行されるルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
【0094】
10 内燃機関
12 燃料タンク
14 原料燃料配管
16 燃料ポンプ
18 流量制御弁
20 熱交換器
22 ヒートパイプ
24 排気通路
30 分離器
301 アロマ分離膜
302,303 区画
32 低RON燃料配管
34 低RON燃料タンク
36 インジェクタ
38 高RON燃料配管
40 イダクタ
42 高RON燃料タンク
44 インジェクタ
50 ECU(Electronic Control Unit)
52 液面センサ
54 ノックセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給された原料燃料を、高オクタン価成分の含有率が原料燃料より多い高オクタン価燃料と、高オクタン価成分の含有率が原料燃料より少ない低オクタン価燃料とに分離する燃料分離手段と、
内燃機関の運転状態に応じて、前記内燃機関に供給される高オクタン価燃料と低オクタン価燃料との割合を制御する燃料供給手段と、
ノッキングの発生を検知した場合に、当該ノッキングを抑制するノッキング抑制手段と、を備え、
前記ノッキング抑制手段は、
高オクタン価燃料の残量を検知する残量検知手段と、
高オクタン価燃料の残量が所定の基準値よりも多い場合に、前記内燃機関に供給される高オクタン価燃料の割合を増量する高オクタン価燃料増量手段と、
を含むことを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項2】
前記ノッキング抑制手段は、
高オクタン価燃料の残量が所定の基準値よりも少ない場合に、前記内燃機関の点火時期を遅角する点火時期遅角手段を更に含むことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
【請求項3】
前記点火時期遅角手段の実行時に警告を発する警告手段を更に備えることを特徴とする請求項2記載の内燃機関の制御装置。
【請求項4】
前記ノッキング抑制手段は、前記点火遅角手段を実行してもノッキングを抑制できない場合に、前記内燃機関に吸入される空気量を低減する空気量低減手段を更に含むことを特徴とする請求項2または3記載の内燃機関の制御装置。
【請求項5】
前記空気量制限手段の実行時に警告を発する第2の警告手段を更に備えることを特徴とする請求項4記載の内燃機関の制御装置。
【請求項6】
前記ノッキング抑制手段は、
高オクタン価燃料の残量が増加する条件(以下、残量増加条件)が成立しているかを判定する判定手段と、
前記残量増加条件が成立している場合に、前記内燃機関に供給される高オクタン価燃料の割合を増量する第2の高オクタン価燃料増量手段と、
を更に含むことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
【請求項7】
前記判定手段は、高オクタン価燃料の生成量と相関を有する値(以下、生成量相関値)が、消費量と相関を有する値(以下、消費量相関値)よりも大きい場合に、前記残量増加条件の成立を判定することを特徴とする請求項6記載の内燃機関の制御装置。
【請求項8】
前記ノッキング抑制手段は、
高オクタン価燃料の残量が所定の基準値よりも少ない場合に、前記内燃機関に吸入される空気量を低減する第2の空気量低減手段を更に含むことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
【請求項9】
前記第2の空気量制限手段の実行時に警告を発する第3の警告手段を更に備えることを特徴とする請求項8記載の内燃機関の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−293600(P2009−293600A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−150869(P2008−150869)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】