説明

内燃機関の制御装置

【課題】 内燃機関による発電を効率よく行うとともに、環境要因の変化や機関温度の上昇などがあっても良好な機関燃焼状態を維持することができる内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】 機関のシリンダ側壁に配置されたコイル9,10と、ピストン4に連結されたコンロッド5に装着された永久磁石7とによってリニア発電機が構成され、リニア発電機の発電指令値ECMDを変更することにより、ピストン4の移動速度が制御される。機関の圧縮行程では推定筒内圧Pburnが算出され、推定筒内圧Pburnが目標筒内圧Pobjと一致するように発電指令値ECMDが変更される(S12〜S21)。膨張行程では、ピストン速度Vpistが目標速度Vobjと一致するように発電指令値ECMDが変更される(S22〜S26)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の制御装置に関し、例えばシリーズ式ハイブリッド車両に適用可能な内燃機関の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発電機と、該発電機を駆動する内燃機関と、発電機により得られる電力によって駆動されるモータとを備えるシリーズ式ハイブリッド車両は、広く知られており、特許文献1には、シリーズ式ハイブリッド車両に搭載される発電用内燃機関の制御装置が示されている。この装置によれば、機関回転数が目標回転数と一致するようにスロットル弁開度が制御される。
【0003】
また特許文献2には、内燃機関のピストンに固定されたコネクティングロッドに永久磁石を装着するとともに、その永久磁石に対向する位置にコイルを配置し、ピストンの往復運動によって発電を行う構成、すなわちリニア発電機を含む内燃機関が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−40133号公報
【特許文献2】特開平6−288253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示された装置は、内燃機関を発電専用に使用するため、通常の車両駆動用の内燃機関に比べて、狭い運転領域において定点運転に近い運転を行うことができる。そのため、通常の車両駆動用の内燃機関に比べて比較的容易に良好な燃焼状態を維持することができる。また発電専用の内燃機関としては、特許文献2に示されるようにリニア発電機を含む構成を採用することにより、発電の効率を向上させることができる。
【0006】
しかしながら、外気温や大気圧などの環境要因の変化や長時間運転による機関温度の上昇によって、燃焼状態が変化する場合があるため、上記特許文献に示された技術を単純に組み合わせるのみでは、良好な燃焼状態を常に維持しつつ、高効率の発電を行うことは困難である。
【0007】
本発明はこの点に着目してなされたものであり、内燃機関による発電を効率よく行うとともに、環境要因の変化や機関温度の上昇などがあっても良好な機関燃焼状態を維持することができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、気筒内に燃焼室を形成し、往復運動を行うピストンを有する内燃機関の制御装置において、前記気筒の側壁に配置されたコイルと、前記ピストンに装着された磁石とを有する発電手段と、前記発電手段の発電量を変更することにより、前記ピストンの移動速度を制御する発電制御手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、前記機関の筒内圧を推定または検出する筒内圧取得手段と、前記筒内圧の目標値である目標筒内圧を算出する目標筒内圧算出手段とを備え、前記発電制御手段は、前記機関の圧縮行程において前記筒内圧取得手段により得られる筒内圧が前記目標筒内圧と一致するように前記発電手段を制御することを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置において、前記ピストンの移動速度を検出する速度検出手段と、前記移動速度の目標値である目標移動速度を算出する目標移動速度算出手段とを備え、前記発電制御手段は、前記機関の膨張行程において、検出される移動速度が目標移動速度と一致するように前記発電手段を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、ピストンに装着された磁石と、気筒側壁に配置されたコイルとによってリニア発電機が構成され、ピストンが往復運動することにより発電が行われるとともに、発電量を変更することにより、ピストンの移動速度が制御される。ピストンの往復運動を回転運動に変換することなく発電が行われるので、発電効率を高めることができる。またピストンの移動速度を変更することにより、燃焼時の筒内圧を所望の範囲に比較的容易に制御し、良好な燃焼状態を維持することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、推定または検出される筒内圧が目標筒内圧と一致するように発電制御が行われるので、燃焼状態を所望の状態に確実に維持することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、機関の膨張行程において、検出されるピストン移動速度が目標移動速度と一致するように発電量の制御が行われるので、膨張行程での適切なピストン移動速度及び筒内圧が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態にかかる内燃機関及びその制御装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示す機関の要部の構成を示す断面図である。
【図3】図2に示す機関の動作を説明するための図である。
【図4】筒内圧制御処理のフローチャートである。
【図5】推定筒内圧(Pburn)の算出を説明するためのタイムチャートである。
【図6】図4の処理を説明するためのタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる内燃機関とその制御装置の構成を示す図であり、内燃機関(以下単に「エンジン」という)100は、後述するリニア発電機を内蔵する発電専用のエンジンである。エンジン100の吸気通路32の途中にはスロットル弁33が配されている。また、スロットル弁33にはスロットル弁開度THを検出するスロットル弁開度センサ34が連結されており、その検出信号は電子制御ユニット(以下(ECU)という)21に供給される。スロットル弁33には、スロットル弁33を駆動するアクチュエータ42が接続されており、アクチュエータ42は、ECU21によりその作動が制御される。吸気通路32のスロットル弁33の上流側には、吸入空気量Gairを検出する吸入空気量センサ41が設けられており、その検出信号はECU21に供給される。
【0016】
燃料噴射弁36は吸気弁の少し上流側に設けられており、図示しない燃料ポンプに接続されていると共にECU21に電気的に接続されて当該ECU21からの信号により燃料噴射弁36の開弁時間及び開弁時期が制御される。
【0017】
エンジン100は、電磁駆動型の吸気弁11及び排気弁12と、点火プラグ13とを備えており、吸気弁11、排気弁12、及び点火プラグ13はECU21によりその作動が制御される。さらにエンジン100は排気を吸気通路32に還流する排気還流機構を備えている。
【0018】
スロットル弁33の下流には吸気圧PBAを検出する吸気圧センサ43及び吸気温TAを検出する吸気温センサ44が取付けられている。またエンジン100の本体には、エンジン冷却水温TWを検出するエンジン冷却水温センサ45が取り付けられている。これらのセンサの検出信号は、ECU21に供給される。
【0019】
ECU21には、ピストン位置PYを検出するピストン位置センサ20が接続されており、その検出信号が供給される。ピストン位置センサ20については、図2を参照して説明する。
【0020】
図2はエンジン100の要部の構成を示す図である。エンジン100は、燃焼室3を画成するシリンダヘッド1、シリンダ2、及びピストン4を備えており、ピストン4はコンロッド(コネクティングロッド)5と一体に構成されている。シリンダ2の下部には、コンロッド5を上方向に付勢するばね6が設けられている。ばね6の一端は、シリンダ側壁に固定されており、他端はコンロッド5の下端に固定されている。
【0021】
コンロッド5には、ケース8内に収容された永久磁石7が固定されている。シリンダ側壁には、界磁コイル9及び電力出力コイル10が設けられている。永久磁石7、界磁コイル9及び電力出力コイル10によってリニア発電機が構成される。界磁コイル9はECU21に接続されており、ECU21により界磁コイル9に供給する電流が制御される。また電力出力コイル10は、図示しない電源部に接続されており、電源部により整流及び電圧の安定化が行われる。
【0022】
シリンダヘッド1には、吸気弁11、排気弁12、及び点火プラグ13が設けられている。
コンロッド5には、位置検出用プレート20aが固定されている。シリンダ側壁の、位置検出用プレート20aと対応する位置には、プレート20aとの距離Dを検出する距離センサ20bが装着されており、位置検出用プレート20a及び距離センサ20bにより、ピストン4の位置を検出するピストン位置センサ20が構成される。距離センサ20bの検出信号は、ECU21に供給される。距離センサ20bは例えば磁界の強さを計測することにより、距離Dを検出する。ピストン4が上死点に位置するとき距離Dが最大値DMAXとなり、下死点に位置するとき距離Dが最小値DMINとなるので、ピストン位置PYは、下記式(1)で算出することができる。式(1)のLSTは、ピストン4のストロークである。ピストン4が下死点に位置するとき、ピストン位置PYは「0」をとり、ピストン4が上死点に位置するとき、ピストン位置PYはLSTをとる。
PY=LST×(D−DMIN)/(DMAX−DMIN) (1)
【0023】
ECU21は各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路、中央演算処理ユニット(以下「CPU」という)、CPUで実行される演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶回路、及び吸気弁11、排気弁12、点火プラグ13、界磁コイル9などに駆動信号を供給する出力回路を備えている。
【0024】
ECU21は、ピストン位置PYに応じて燃料噴射弁36、吸気弁11、排気弁12、及び点火プラグ13の駆動制御を行うことにより、ピストン4を往復運動させ、リニア発電機を行うとともに、リニア発電機の発電量制御を行う。
【0025】
図3は、エンジン100の動作を説明するための図であり、図3(a)〜(d)は、それぞれ吸気行程、圧縮行程、膨張行程、及び排気行程の終了時点における状態を示している。各行程における吸気弁11、点火プラグ13、排気弁12の動作は、ピストン位置PYに応じて通常の内燃機関と同様に駆動制御される。ピストン4の運動エネルギは膨張行程において与えられ、排気行程〜圧縮行程におけるピストン4の移動は、ばね6の作用によって行われる。
【0026】
図4は、本実施形態における筒内圧制御のフローチャートである。この処理は、所定時間毎にECU21のCPUで実行される。
ステップS10では、制御対象気筒の行程が吸気行程または排気行程であるか否かを判別し、その答が肯定(YES)であるときは、直ちに処理を終了する。ステップS10の答が否定(NO)であるときは、制御対象気筒の行程が圧縮行程または膨張行程のどちらであるかを判別する(ステップS11)。圧縮行程であるときは、ステップS12〜S17により、推定筒内圧Pburnを算出する。
【0027】
ステップS12では、気筒吸入ガス量Gcylを算出する。気筒吸入ガス量Gcylは、吸入空気量Gairと排気還流機構により還流される排気量Gegrの和として算出される。
【0028】
ステップS13では、吸気温TAを計測し、ステップS14では、下記式(2)におり圧縮筒内ガス温度Tcompを算出する。
Tcomp=Tcomp(k-1)×εκ (2)
ε=Vbdc/V (3)
【0029】
式(2)のεは、実効圧縮比であり、式(3)で与えられる。式(2)のκは、燃焼室内のガスの比熱比であり、所定値に設定される。式(3)のVbdcは、ピストン4が下死点に位置するときにシリンダ容積であり、Vは、検出されるピストン位置PYから算出されるシリンダ容積である。また式(2)のTcomp(k-1)は、圧縮筒内ガス温度の前回値であり、圧縮筒内ガス温度の初期値として、ステップS13で計測した吸気温TAが適用される。
【0030】
ステップS15では、下記式(4)により、燃焼ガス温度Tburnを算出する。
Tburn=Jtotal/R/Mtotal (4)
式(4)のJtotalは、1サイクルにおける発熱量であり、1サイクルにおける燃料噴射量Gfuelに応じて算出される。Rは気体定数である。Mtotalは、気筒吸入ガス量Gcylと燃料噴射量Gfuelの和である。
【0031】
ステップS16では、圧縮筒内ガス温度Tcomp及び燃焼ガス温度Tburnを下記式(5)に適用し、筒内温度Tflameを算出する。
Tflame=Tcomp+Tburn (5)
【0032】
ステップS17では、筒内温度Tflame及びシリンダ容積Vを下記式(6)に適用し、推定筒内圧Pburnを算出する。
Pburn=n×R×Tflame/V (6)
式(6)のnは、モル数で示される、気筒に吸入される混合気の物質量であり、スロットル弁開度、排気還流制御弁の開度、スロットル弁の前後圧、排気還流制御弁の前後圧、及び各弁温度より算出される。
【0033】
ステップS18では、エンジン運転状態(例えばエンジン回転数、燃料噴射量(要求トルク相当)、吸気温)に応じて目標筒内圧Pobjを算出し、次いで推定筒内圧Pburnが目標筒内圧Pobjより高いか否かを判別する(ステップS19)。この答が肯定(YES)であるときは、発電指示値ECMDを標準値ECMより大きい上側指示値ECHに設定し(界磁コイル9に供給する界磁電流を増加させ)、リニア発電機による発電量を増加させる(ステップS20)。これにより、ピストン4の移動速度が減少し、筒内圧が低下する方向に制御される。
【0034】
ステップS19の答が否定(NO)であって、推定筒内圧Pburnが目標筒内圧Pobj以下であるときは、発電指示値ECMDを標準値ECMより小さい下側指示値ECLに設定し(界磁コイル9に供給する界磁電流を減少させ)、リニア発電機による発電量を減少させる(ステップS21)。これにより、ピストン4の移動速度が増加し、筒内圧が増加する方向に制御される。
【0035】
制御対象気筒の行程が膨張行程であるときは、ステップS11からステップS22に進み、エンジン運転状態(例えばエンジン回転数、燃料噴射量(要求トルク相当))に応じてピストン4の目標速度Vobjを算出する。ステップS23では、ピストン位置PYに応じてピストン速度Vpistを算出し、ピストン速度Vpistが目標速度Vobjより高いか否かを判別する(ステップS24)。この答が肯定(YES)であるときは、発電指示値ECMDを標準値ECMより大きい上側指示値ECHに設定し、リニア発電機による発電量を増加させる(ステップS25)。これにより、ピストン4の移動速度は減少方向に制御される。
【0036】
ステップS24の答が否定(NO)であってピストン速度Vpistが目標速度Vobj以下であるときは、発電指示値ECMDを標準値ECMより小さい下側指示値ECLに設定し、リニア発電機による発電量を減少させる(ステップS26)。これにより、ピストン4の移動速度は増加方向に制御される。
【0037】
図5は、ピストン位置PY、実効圧縮比ε、筒内温度Tflame(及び圧縮筒内ガス温度Tcomp,燃焼ガス温度Tburn)、及び推定筒内圧Pburnの推移を示すタイムチャートである。図5(d)に示すPcompは、筒内ガスの圧縮・膨張による圧力成分を示す。
【0038】
図5に示す例では、ピストンが圧縮上死点に達する少し前に点火が行われ、燃焼ガス温度Tburnが増加し、筒内温度Tflameが増加する。その結果、推定筒内圧Pburnは、圧縮・膨張による圧力成分Pcompより高くなる。
【0039】
図6は、図4の処理を説明するためのタイムチャートである。この例では、時刻t1において推定筒内圧Pburnが目標筒内圧Pobjを超え、時刻t2において目標筒内圧Pobj以下となって例が示されており、時刻t1において発電指示値ECMDが増加し、時刻t2において発電指示値ECMDが減少する。この発電量の制御を行わないときには、図6(a)に破線で示すように筒内圧Pcylが変化し、上限値PHLMTを超えるような場合において、本実施形態の発電量制御を行うことにより、実線で示す圧力変化特性に変化し、筒内圧Pcylが上限値PHLMTを超えないように制御することができる。また本実施形態の発電量制御により、図6(d)に示すように、制御を行わない場合に比べて圧縮行程の期間が長くなる。
【0040】
以上のように本実施形態によれば、コンロッド5に固定された永久磁石7と、シリンダ側壁に設けられた界磁コイル9及び電力出力コイル10とによってリニア発電機が構成さ、ピストン4が往復運動することによりリニア発電機による発電が行われる。リニア発電機の発電指示値ECMDを変更することにより、ピストン4に作用する電磁力が変化し、ピストン4の移動速度が制御される。ピストン4の往復運動を回転運動に変換することなく発電が行われるので、発電効率を高めることができるとともに、ピストン4の移動速度を変更することにより、燃焼時の筒内圧を所望の範囲に比較的容易に制御し、良好な燃焼状態を維持することができる。
【0041】
また推定筒内圧Pburnが目標筒内圧Pobjと一致するように発電指示値が変更されるので、燃焼状態を所望の状態に確実に維持することができる。
また膨張行程においては、ピストン速度Vpistが目標速度Vobjと一致するように発電指示値ECMDの制御が行われるので、膨張行程での適切なピストン移動速度及び筒内圧が得られる。
【0042】
本実施形態では、永久磁石7、界磁コイル9、及び電力出力コイル10が発電手段に相当し、ピストン位置センサ20が速度検出手段の一部に相当し、ECU21が、発電制御手段、筒内圧取得手段、目標筒内圧算出手段、速度検出手段の一部、及び目標移動速度算出手段を構成する。
【0043】
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上述した実施形態では、推定筒内圧Pburnに応じてリニア発電機の発電量制御を行うようにしたが、筒内圧を検出する筒内圧センサを設け、検出される筒内圧に応じて発電量制御を行うようにしてもよい。また、上述した実施形態では、筒内圧に基づいて制御を行っているが、筒内圧、すなわち燃焼状態と相関のあるパラメータで代用してもよく、例えば筒内圧と相関のあるパラメータとして筒内温度を用いてもよい。
【0044】
また上述した実施形態では、本発明をガソリン火花点火機関に適用した例を示したが、本発明は、例えば圧縮着火内燃機関(ディーゼルエンジン)にも容易に適用することができる。
【符号の説明】
【0045】
4 ピストン
5 コンロッド
6 ばね
7 永久磁石(発電手段)
9 界磁コイル(発電手段)
10 電力出力コイル(発電手段)
20 ピストン位置センサ(速度検出手段)
21 電子制御ユニット(発電制御手段、筒内圧取得手段、目標筒内圧算出手段、速度検出手段、目標移動速度算出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気筒内に燃焼室を形成し、往復運動を行うピストンを有する内燃機関の制御装置において、
前記気筒の側壁に配置されたコイルと、前記ピストンに装着された磁石とを有する発電手段と、
前記発電手段の発電量を変更することにより、前記ピストンの移動速度を制御する発電制御手段とを備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項2】
前記機関の筒内圧を推定または検出する筒内圧取得手段と、
前記筒内圧の目標値である目標筒内圧を算出する目標筒内圧算出手段とを備え、
前記発電制御手段は、前記機関の圧縮行程において前記筒内圧取得手段により得られる筒内圧が前記目標筒内圧と一致するように前記発電手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項3】
前記ピストンの移動速度を検出する速度検出手段と、
前記移動速度の目標値である目標移動速度を算出する目標移動速度算出手段とを備え、
前記発電制御手段は、前記機関の膨張行程において、検出される移動速度が目標移動速度と一致するように前記発電手段を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−202621(P2011−202621A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−72147(P2010−72147)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】