説明

内燃機関の排気コンバータ

転換すべき排気のための少なくとも1つの入口開口部(14)と、転換された気体のための少なくとも1つの出口開口部(15)とを備え、転換システム(11)を含むハウジング(13)を具備する内燃機関の排気コンバータ(10)において、前記転換システムが、繊維(30)より成る複数のパネル(12)を具備し、前記繊維は、触媒活性の金属(33)を担持する酸化物層(32)により被覆された金属コア(31)を具備し、前記複数のパネルは、互いに実質的に平行な縁部の一方を前記入口開口部に対面させ、他方を前記出口開口部に対面させるよう配置されており、かつ、金属スペーサ(41、41';51、51';62;70)によって間隔を置いて保持されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関のコンバータに関し、特に、内燃機関の排気を酸化するために用いることのできる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の排気には、一酸化炭素、未燃の炭化水素のような完全に酸化していない気体が含まれており、こうした気体は環境汚染源となる。現在、例えば、内燃機関の下流に設けられ上記未燃の気体を完全に酸化するためのコンバータなど、こうした排気の削減のためのシステムの採用が規則で求められている。
【0003】
【特許文献1】米国特許第5294411号明細書
【特許文献2】国際特許公開WO97/02092号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
米国特許第5294411号には、螺旋状に巻いたハニカム構造体を具備する排気処理装置が開示されている。前記構造体は、セラミック担体または金属担体上に触媒により活性化している連続表面を有している。排気は前記構造体が形成する互いに平行で、かつ流れ方向に平行な多数の通路内を直線状の経路に沿って流れる。この種の装置には、本質的に2つの問題がある。第1に、気体に接触する、螺旋を展開した状態に対応する全表面積がそれほど広くなく、装置の体積に対する触媒を塗布する幾何学的表面積の比率が有利ではない。第2に、通路の真っ直ぐな形状によって、構造体を流れるガスの流れは主として層流となり触媒を最適に活用できない。
【0005】
国際特許公開WO97/02092号に開示の排気処理装置は、穴あき金属板または金属網を、好ましくはアルミニウムまたはジルコニア製の多孔質セラミック層で被覆し、これを触媒前駆体の溶液または懸濁液に浸漬させて形成されている。しかしながら、この例でも、利用できる触媒表面はそれ程広くなく、従って、転換効率は限られたものとなってしまう。従って、本発明の目的は、上述の欠点のない排気用のコンバータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、転換すべき排気のための少なくとも1つの入口開口部と、転換された気体のための少なくとも1つの出口開口部とを備え、転換システムを含むハウジングを具備した内燃機関の排気コンバータにおいて、前記転換システムが、繊維より成る複数のパネルを具備し、前記繊維は、触媒活性の金属を担持する酸化物層により被覆された金属コアを具備し、前記複数のパネルは、互いに実質的に平行な縁部の一方を前記入口開口部に対面させ、他方を前記出口開口部に対面させるよう配置されており、かつ、金属スペーサによって間隔を置いて保持されていることを特徴としたコンバータによって達成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の金属製パネルは、触媒によって機能し、周知の穴あき金属板または金属網に比べて接触面積が格段に高くなっている。更に、複数のパネルと複数のスペーサとを備えた本発明の構成では、コンバータ内で乱流が発生して、気体は、入口から出口へ流動する間に、前記パネルを少なくとも部分的に通過する。この特徴により、気体の流れと触媒との接触が著しく改善され、本発明によるコンバータの転換効率、特に酸化効率が著しく改善される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明によるコンバータの利点および特徴は、添付図面を参照して以下に説明する限定的ではない幾つかの実施形態から当業者に明らかとなろう。
【0009】
図1は、複数のパネル12を具備した転換システム11を備えた本発明のコンバータ10の分解図である。コンバータ10は、周知のように、内燃機関からの処理すべき排気のための少なくとも1つの入口開口部14と、システム11により処理された気体のための出口開口部15とを有したハウジング13を具備している。パネルは、好ましくは、金属部材16(図1には不図示)によって囲繞されている。この金属部材は、適当な手段、例えば機械的にかしめる(crimping)こと、によりパネルの縁部に固定されたフレームを形成する。このフレームは、熱サイクル(該パネルを酸化し機能化するための熱処理、および、内燃機関下流での作動による熱サイクル)の間、パネル12を平坦に保持すると共に、パネル側縁における繊維の損失を防止する。コンバータ10は、出口15の周縁部にフランジ(図示せず)を備えていてもよい。
【0010】
本発明によれば、システム11は、金属製スペーサにより所望距離を以て離間配置された複数のパネル12を具備している。この距離が約1〜約4mmの範囲にあるとき、良好な結果が得られた。この距離が1mmより小さいと、パネルの充填が詰まりすぎて、圧力低下が高くなり過ぎる。他方、上記距離が大き過ぎると集成体のパネル12の数、および、ガス処理に関与する触媒面が減ってしまい、更に、パネル間の距離が大き過ぎると、気流中の乱流生成効果が低減し、少なくともシステム11を横断する気体の一部が、パネル12に設けられた触媒に接触することなく通過してしまう欠点がある。隣接するパネル間の距離の最適値は、約2mm〜3mmである。
【0011】
図2は、本発明のシステムで使用するパネル12の好ましい実施形態を示している。該パネルは、周囲を囲繞する金属部材16と、焼結により互いに接着して形成した金属繊維マットとを具備している。前記金属繊維は、鋼、好ましくは、鉄、クロームおよびアルミニウムに加え微量の他の成分を含む耐熱ステンレス(fecralloy(英国ジドコット所在のイギリス原子力公社により登録された商標))として知られる合金より成る。この合金は、内燃機関の触媒コンバータまたはフィルタのための使用のように、高温下で長期間の使用に特に適している。耐熱ステンレス(fecralloy)繊維により形成されたパネルは、ベルギー国ツベフェーゲム(Zevegem, Belgium)所在のN.V.ベカート社(N.V. Bekaert SA)からベキパー(Bekipor)との商標名で市販されており、これらのパネルは異なる形状に形成することができ、また、異なる使用に適合させることができる。
【0012】
図3は、パネル12を形成するために用いられる繊維の断面を示している(繊維の各部分は正しい比率では示されていない)。図面には、最も典型的な耐熱ステンレス(fecralloy)繊維のように、矩形断面の繊維が示されているが、繊維は他の断面形状、例えば円形断面を有していてもよいことは言うまでもない。繊維30は、酸化物層32により被覆された耐熱ステンレス(fecralloy)コア31を具備し、前記酸化物層に触媒33が担持されている。前記酸化物層は、概して化学組成物または物理的特性に関して異なった2または3層から成る多層構造を具備する。第1の酸化物層32'は、酸化雰囲気中において高温処理することによって、耐熱ステンレス(fecralloy)繊維の表面に成長、形成される。この処置によって形成される酸化物層は、処理時間および処理温度応じて、約0.5〜5μmの長さ、好ましくは3μmより短い長さの酸化アルミニウムのウィスカーを含む。ウィスカーを形成する酸化物は概して非常に密で均一である。次の工程は、第1の酸化物層の上に第2の酸化物層32''を形成することである。第2の酸化物層32''は、第1の酸化物層とは異なり、多孔質で高い比表面積を有する。この酸化物層は酸化アルミニウムまたは他の酸化物より成る。第2の酸化物層は、焼結してマット状にした金属繊維に酸化物の前駆体成分の溶液を噴霧したり、或いは、前記マットを同じ溶液中に浸漬し、次いで前駆体を熱分解することによって形成することができる。或いは、第2の酸化物層は、前駆体粒子の懸濁液中にマットを浸漬し、次いで焼成するようにしても得られる。必要に応じて、第2の酸化物層の上に第3の酸化物層32'''が形成される。この層もまた高い比表面積を有する。必要に応じて設けられる層32'''は、概してセリウムとジルコニウムの混合酸化物から成り(必要に応じてランタンを添加してもよい)、従って、触媒金属の焼結を制限する特性を有しており、これによって、長期間に亘る触媒金属の分散を確実にし、コンバータの効率および内燃機関からの未燃ガスを酸化するための酸素の貯蔵効率を高く維持する。
【0013】
外側の酸化物層(32''または32''')の多孔質構造によって、触媒金属を最適に担持し、触媒金属の分散を確実にし、かつ、触媒金属を繊維表面に良好に付着させる。繊維パネルを使用するために、触媒33を備えた酸化物層の機能化が必要である。触媒は、好ましくは、周期表の第8族から選択された1または複数の貴金属またはその化合物であり、好ましくは、プラチナを使用する。
【0014】
図4は、システム11の第1の最適な実施形態の部分分解図である。本実施形態において、システム11は、パネル12と金属板40とを交互に積み重ねたスタック(2枚のパネルと1枚の金属板のみを図示する。金属部材16は図示されていない)これらの金属板は、金属板の両面から突出する複数の膨出部41、41'、…を有している。これらの膨出部は、全て同じ高さに形成されており、その上に2枚のパネル12(金属板40の一方の側面に1枚)が置かれる複数の接触点を提供するようになっている。金属板40もまた高耐熱性金属、好ましくは、パネル12の繊維を製造するのに用いた同じ耐熱ステンレス(fecralloy)により形成される。前記金属板は、概して高温下での必要な機械的耐性と両立する限り薄く形成し、最適な厚さは、0.15〜0.45mmである。
【0015】
図5は、システム11の若干異なる実施形態を示す図4と同様の図である。本例では、(金属板40に類似する)金属板50は複数の膨出部51、51'、…に加え、複数の穴52、52'、…を有している。この構成により、気体がシステム11を横断して流通する際、気体の乱流が増強される。図5では、円形の穴が示されているが、必要に応じて他の形状としてもよい。金属板50を具備するシステム11では、好ましくは、複数の穴は金属板の表面積の50%より小さく、システム11が高温下で作動する際に金属板に構造的な問題を生じないようにする。
【0016】
より好ましくは、膨出部と穴とを同じ位置に設けるようにする。図6は、この実施形態の一例である。本例では、金属板60は複数の開口部61を有している。該開口部は、金属板を部分的に切断し、側縁に沿って金属板に連結された「ウイング部」62を形成し、該ウイング部を前記側縁に沿って折曲げることにより形成される。前記ウイング部の寸法および金属板の平面に対する折曲げ角度により金属板60の表面と隣接するパネル12との間の距離が定り、これらウイング部がスペーサを構成するようになる。図6には、矩形のウイング部(および開口部)が示されているが、他の適当な形状であってもよいことは言うまでもない。ウイング部を形成するための切断は、機械的な剪断加工やレーザ切断その他の公知の方法により行うことができる。
【0017】
上述した種のシステム11が、好ましくは、システムの入口側と出口側を除く全ての側面を包囲する金属製ケーシング内に挿入され、次いで、該ケーシングはハウジング13内に挿入される。断熱のために、好ましくは、金属ケーシングとハウジング13との間にセラミック繊維から成る板部材が配設される。
【0018】
図7は、本発明のシステム11の更に他の実施形態のために用いることのできるパネル12を示している。明瞭に示す目的で、この図は、このパネルの組立体を、スペーサの個数を減らして示している。この例では、スペーサ70は(金属板40、50、60とは異なり)、パネル12の幾何学的面積よりもはるかに小さな幾何学的面積を有し、また、隣接するパネルに対する接触点が湾曲し円滑となるようにロール状に巻かれた金属板である。スペーサ70は、金属テープ71に(例えばスポット溶接により)固定することにより正しい位置に保持されている。金属テープ71は、必要十分な機械的強度を備え、またスペーサ70を固定可能な面積を提供できる限り細く形成される。次いで、金属テープ71は、2つの金属部材16のような部材に(例えばスポット溶接により)固定することにより正しい位置に保持されている。前記金属部材16は、かしめることによりパネル12の(矢印で示す、コンバータ10内の気体の流れ方向に)平行な向きの2つの側縁に固定される。他の2つの金属部材16(一方はコンバータ10の入口14に対面し、他方は出口15に対面する)は、繊維の熱酸化処理の前にパネルに接合することができる。側縁に設けた2つの金属部材16は、酸化を防止して金属テープ71への良好な溶接特性を保証するために、製造の最終段階でパネル12に取付けることが好ましい。他のスペーサ70は、図示されていないが、パネル12の他方の側面に設けられている。スペーサは、好ましくは、転換システムの全てのパネルで同じ位置に配置される。これにより、複数のパネルを積層したときに、スペーサは、構造体全体の強度を高める一種の支柱を形成する。
【0019】
図8は、スペーサ70を用いた場合のシステム11の好ましい組立体の分解図である。明瞭に示す目的で、スペーサ70は図示されていない。この例では、システムの機械的安定性を確保するために、パネルに雷文形(Greek fret)の2つの側部保持部材80、80'を挿入することがよい。パネル12は、雷文形の部分を金属テープ71を支持する側縁の金属部材16に機械的にかしめることにより部材80、80'に固定することができる。パネルと保持部材から成る組立体は、次いで、金属ケーシング81内に挿入される。該金属ケーシングは、前記組立体において気体の流れに平行な4つの側面を包囲するが、入口および出口の側面は開いている。この構成では通路82が形成され、気体は該通路を通ってシステム11を迂回し未処理のまま出口15へ到達する。これを回避するために、通路82は高温耐熱性の接着剤(図示せず)により充填される。この接着剤は、通常、無機バインダに混合した金属粉(例えば鉄鋼粉)を含んでいる。適当な接着剤は、米国ニューヨーク州ブルックリン所在のコトロニクス社(Cotronics)から市販されているデュラコ954(Duraco954)である。上記組立体は、後面および前面に2つのフレーム83、83'を接合して完成する。これにより、内燃機関からの気体がシステム11を迂回する通路が確実に無くなる。フレーム83、83'は、接着することにより、パネル12の前側および後側の金属部材16、保持部材80、80'、および、必要に応じてはケーシング81に接合される。
【0020】
本発明によるコンバータは、金属繊維により製造されるパネルを具備することによって、特に、内燃機関のできるだけ近く、すなわち、コンバータが最高温度で作動して高い転換効率を得ることを確実にする位置に配置する構成(この技術分野では「C.C.(Close-Coupled)触媒またはC.C.C.として知られる)に特に適している。金属構造のために、本発明のコンバータは、内燃機関から流入する汚染物質を低減する近時のシステムで生じ得る急激な温度変化を許容する。特に、ディーゼルエンジンの場合、排気行程(排気弁は開いている)で燃料を気筒内に噴射する所謂「ポスト噴射」段階が重要で、燃料は気筒内では爆発せずにC.C.Cコンバータに未燃のままで到達し、コンバータの高温によって触媒酸化される。こうして、気体は高温となってC.C.Cから排出され、適正なフィルタ(この技術分野では「ディーゼルパーティキュレートフィルタまたはDPF」として知られる)に蓄えられている粒子を燃焼させることができる。これによって、DPFの再生が可能となる。DPFの一例が、本願と同一出願人によるイタリア国特許出願第MI2003A002211号に記載されている。
【0021】
本発明の転換システムの他の重要な利点は、同じ体積の(かつ、概ね同じ量の触媒金属を有し、本質的に同じ転換効率を有する)従来技術による炭化水素転換システムと比較して、担体重量が小さい点である。発明者等は本発明の異なる種類のコンバータを準備し、その重量および体積を測定することにより、システムの1cm3当りの重量が0.28gとなること、および、従来技術によるシステムでは、1cm3当りの重量が0.62gとなることを見出した。総重量が低いこと(それ自体すでに利点であるが)に加えて、熱慣性が低く、本発明のシステムは一層迅速に触媒が最適に作用する高温に達し、「コールドスタート」の問題が低減されるとの重要な利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明のコンバータの分解図である。
【図2】本発明で用いる金属繊維から成るパネルの斜視図である。
【図3】図1のパネルを形成する繊維の断面図である。
【図4】本発明の転換システムの詳細図である。
【図5】本発明の転換システムの詳細図である。
【図6】本発明の転換システムの詳細図である。
【図7】本発明の転換システムの詳細図である。
【図8】本発明による好ましい転換システムを示す図である。
【符号の説明】
【0023】
10 コンバータ
11 転換システム
12 パネル
13 ハウジング
14 入口開口部
15 出口開口部
16 金属部材
30 繊維
31 金属コア
32 酸化物層
32' 第1の層
32'' 第2の層
32''' 第3の層
33 触媒
41 金属スペーサ
41' 金属スペーサ
51 金属スペーサ
51' 金属スペーサ
62 金属スペーサ
70 金属スペーサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の排気コンバータ(10)において、
転換すべき排気のための少なくとも1つの入口開口部(14)と、転換された気体のための少なくとも1つの出口開口部(15)とを備え、転換システム(11)を含むハウジング(13)を具備し、
前記転換システムが、繊維(30)より成る複数のパネル(12)を具備し、前記繊維は、触媒活性の金属(33)を担持する酸化物層(32)により被覆された金属コア(31)を具備し、前記複数のパネルは、互いに実質的に平行な縁部の一方を前記入口開口部に対面させ、他方を前記出口開口部に対面させるよう配置されており、かつ、金属スペーサ(41、41';51、51';62;70)によって間隔を置いて保持されていることを特徴としたコンバータ。
【請求項2】
前記繊維(30)の前記コア(31)は、鉄、クロームおよびアルミニウムを含有する合金から形成され、酸化物から成る多層構造(32)により覆われており、前記多層構造は、前記合金に接触する酸化アルミニウムから成る第1の層(32')および第2の酸化物層(32'')を含み、また、セリウム、ジルコニウムおよび必要に応じてランタンの酸化物から成る第3の層(32''')を必要に応じて含む請求項1に記載のコンバータ。
【請求項3】
前記多層構造(32)は、周期表の第8族の貴金属、または、その化合物から選択された1または複数の触媒(33)により被覆されている請求項2に記載のコンバータ。
【請求項4】
前記触媒はプラチナである請求項3に記載のコンバータ。
【請求項5】
前記転換システム(11)は、金属部材(16)により囲繞された複数のパネル(12)から形成されている請求項1に記載のコンバータ。
【請求項6】
前記転換システム(11)の隣接する2枚のパネル(12)間の距離は1〜4mmである請求項1に記載のコンバータ。
【請求項7】
前記転換システム(11)の隣接する2枚のパネル(12)間の距離は2〜3mmである請求項1に記載のコンバータ。
【請求項8】
前記転換システム(11)は、パネル(12)と金属板(40)とを交互に積重ねて形成されており、前記金属板の両側面に複数の膨出部(41、41')が設けられている請求項1に記載のコンバータ。
【請求項9】
前記転換システム(11)は、パネル(12)と金属板(50)とを交互に積重ねて形成されており、前記金属板の両側面に複数の膨出部(51、51')が設けられ、かつ、転換すべき気体が該金属板の一方の側面から他方の側面へ流通可能とする複数の穴(52、52')が形成されている請求項1に記載のコンバータ。
【請求項10】
前記膨出部と穴は同じ位置に配置されており、金属板(60)を切断することにより形成され、これによって、少なくとも1つの側縁に沿って前記金属板に連結されたウイング部(62)が形成され、かつ、該ウイング部を前記側縁沿いに折曲げることにより前記穴(61)が開口するようにした請求項9に記載のコンバータ。
【請求項11】
前記転換システム(11)は、金属板より成るスペーサ(70)によって所定距離を置いて保持された複数のパネル(12)より成るスタックを具備し、前記金属板は前記パネルの幾何学的面積よりも小さな幾何学的面積を有し、かつ、隣接するパネルに対する接触点が湾曲し円滑となるようにロール状に巻かれている請求項5に記載のコンバータ。
【請求項12】
前記スペーサ(70)は金属テープ(71)に固定することにより正しい位置に保持され、前記金属テープは、前記パネルを囲繞する金属部材(16)のうち2つの金属部材に固定することによって正しい位置に保持されている請求項11に記載のコンバータ。
【請求項13】
前記2つの金属部材(16)は、前記パネルの側縁において、該コンバータ内を流通する気体の流れに平行な側縁に配置されている請求項12に記載のコンバータ。
【請求項14】
該コンバータ内を流通する気体の流れに平行な前記パネルの側縁は、雷文形(Greek fret)の2つの側部保持部材(80、80')により保持され、
前記パネル(12)と保持部材(80、80')とから成る組立体は金属ケーシング(81)内に挿入され、該金属ケーシングは、前記組立体において、該コンバータ内を流通する気体の流れに平行な4つの側面を包囲するが、入口および出口の側面は開いており、
前記保持部材(80、80')と前記ケーシング(81)との間の通路(82)が高温耐熱性の接着剤により充填され、
2つのフレーム(83、83')が、パネル(12)の前側および後側の金属部材(16)、前記保持部材(80、80')、および、必要に応じてケーシング(81)に接合される請求項13に記載のコンバータ。
【請求項15】
前記転換システム(11)はケーシング(81)内に挿入され、次いで、該コンバータ(10)の前記ハウジング(13)内に配置され、前記ケーシングと前記ハウジングとの間にセラミック製の板材が介挿される請求項1〜14の何れか1項に記載のコンバータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−511699(P2007−511699A)
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538973(P2006−538973)
【出願日】平成16年10月18日(2004.10.18)
【国際出願番号】PCT/IB2004/003398
【国際公開番号】WO2005/047664
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(500275854)サエス・ゲッタース・ソチエタ・ペル・アツィオニ (54)
【Fターム(参考)】