説明

内燃機関の排気浄化装置

【課題】DPF内でのPMの燃焼中に、排ガス流量を増加してDPFの熱を下流に流す手法と、吸気を絞ってPMの燃焼を抑える手法とを適切に選択することによって、DPFの過昇温を回避できる内燃機関の排気浄化装置を提供する。
【解決手段】DPF温度とPM堆積量とがそれぞれの所定値よりも大きくかつ無噴射運転状態であり(S40:YES)、かつエンジン回転数が所定値よりも大きい(S60:YES)場合は、吸気スロットルを全開(あるいはその近傍)、EGRバルブを全閉(あるいはその近傍)に設定する吸気制御1を実行する(S70)。またDPF温度とPM堆積量とがそれぞれの所定値よりも大きくかつ無噴射運転状態であり(S40:YES)、かつエンジン回転数が所定値よりも小さい(S60:NO)場合は、吸気スロットルを全閉(あるいはその近傍)、EGRバルブを全開(あるいはその近傍)に設定する吸気制御2を実行する(S80)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、環境保護意識の高まりのなかで内燃機関に対してすぐれた排気浄化性能が求められている。特にディーゼルエンジンにおいては、エンジンから排出される黒煙などのいわゆる排気微粒子(または粒子状物質、パティキュレートマター、PM)の除去がより一層の普及のために重要である。この目的のために排気管の途中にディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)が装備されることが多い。
【0003】
DPFがPMを捕集することにより排気中のPMは大部分が除去されるが、DPF内にPMが堆積し続ける一方では、DPFは目詰まりを起こしてしまうので、堆積されたPMを燃焼して除去することで、DPFを再生する必要がある。DPF内に堆積したPMを燃焼するためにシリンダ内でメイン噴射後に燃料を噴射するポスト噴射などの手法が用いられる。
【0004】
DPF再生時に温度が上がり過ぎると、DPFが溶損したり割れたりするなどの不具合が生じてしまう。例えば、DPFの再生中でDPFの温度が高く、かつDPFにおけるPMの堆積量が多い状況下で、エンジン内で燃料を噴射しない無噴射運転となると、吸気量が急速に低減するので、DPF内部の熱が排ガスによって下流に移動されなくなる。したがってDPF内部に熱がこもってしまうこととなり、DPFの過昇温の危険性が高くなる。無噴射運転の例としては、エンジンが通常の運転状態(非アイドル運転状態)からアイドル運転状態へ移行する間や、下り坂走行中でエンジンブレーキを使用している状態などがあげられる。
【0005】
例えば下記特許文献1では、このようなDPFの過昇温を回避するために、過昇温の危険がある状況のもとでは、吸気スロットルを開いてDPFに流入する排ガスの流量を増加してDPFを迅速に冷却する技術が回避されている。また特許文献2では、吸気スロットル弁を絞るとともに、排気を還流するEGR管のEGR弁を全開にして、新気量を減少させることによりDPF内でのPMの燃焼反応を抑えて、DPF過昇温を回避する技術が開示されている。
【0006】
図8にDPFの温度の時間推移の例が示されている。図8には吸気量の推移も示されている。破線が上記特許文献1、2の場合であり、実線が通常の吸気制御の場合である。通常の吸気制御とは、個々の装置ごとに定められた減速時における吸気スロットル弁やEGR弁の開度が用いられる場合である。特許文献1による制御を吸気制御1、特許文献2による制御を吸気制御2とする。
【0007】
図8では、時刻t1にDPF再生が開始され、時刻t2からの無噴射運転状態をはさんで時刻t3からアイドル運転状態へと切り替えられている。図8に示されているように、時刻t1のDPF再生開始後にDPF温度が上昇していく。また時刻t2以降に吸気量が減少している。図8はDPFにおけるPM堆積量が多い場合である。
【0008】
そのため実線で示された通常の制御においては、時刻t2以降にDPFに多く堆積したPMが一気に燃焼し、かつ吸気量の減少によってDPF内部の熱が下流に流れなくなる。それによって、DPFの温度が上昇を始めて結果的に昇温限界を超えている。昇温限界とは、それ以上温度があがるとDPFが溶損したり割れたりする温度を指している。
【0009】
一方で破線で示された吸気制御1、2では上で説明した効果があらわれてDPFの温度上昇が抑制されて、昇温限界を越えていない。さらに図8の応答からは、吸気制御1では吸気を増やしてDPF内の熱を下流に移行させることによって急速にDPFの冷却が行われることがわかる。また吸気制御2ではDPF内の燃焼を抑えることによって温度上昇が緩やかになることがわかる。
【0010】
【特許文献1】特開2003−27921号公報
【特許文献2】特開2002−188493号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1の手法は、エンジン回転数がある程度高い状態では有効であり、排ガスの流量を増加させることによって、DPF内部の温度が下流に移動してDPFの過昇温の危険性が低減される。しかしエンジン回転数が低い場合では特許文献1の手法は有効でなく、DPFの熱を下流に流すために十分なガス量ではないために、十分な冷却効果が得られず、過昇温を抑制できないとの知見を本発明者は得ている。
【0012】
また特許文献2の手法は、エンジン回転数が低い場合には有効で、酸欠状態を発生させることによってDPFの過昇温の危険性を低減できる。しかし本発明者の知見によると、エンジン回転数が高い場合に特許文献2の手法を用いると、吸気工程におけるシリンダ内の負圧が大きくなりすぎてシリンダ壁面からのオイル上がりが発生するとの不具合がある。
【0013】
このように特許文献1と特許文献2の手法には一長一短がある。両手法のうちから状況に応じて適切な手法を選択することができれば、両手法の長所を生かし、不具合を回避できるが、そのような技術は、上記特許文献1、2を含めて従来技術には提案されていない。
【0014】
そこで本発明が解決しようとする課題は、上記問題点に鑑み、DPF内でのPMの燃焼中に、排ガス流量を増加してDPFの熱を下流に流す手法と、吸気を絞ってPMの燃焼を抑える手法とを適切に選択することによって、DPFの過昇温を回避できる内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0015】
上記課題を達成するために、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置は、内燃機関の排気通路の途中に配置されて粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタと、前記パティキュレートフィルタの温度を取得する温度取得手段と、前記パティキュレートフィルタにおける粒子状物質の堆積量を推定する推定手段と、前記内燃機関に燃料を噴射する噴射手段と、吸気通路に配置された吸気絞り弁と、排気通路から吸気通路へ排気を還流する排気還流通路に配置された排気還流弁とを備え、前記吸気絞り弁と前記排気還流弁との開度において、前記吸気絞り弁の開度が全開を含み、前記排気還流弁の開度が全閉を含む所定の開度範囲を第1の開度範囲とし、前記吸気絞り弁の開度が全閉を含み、前記排気還流弁の開度が全開を含む所定の開度範囲を第2の開度範囲とし、前記温度取得手段によって取得された前記温度が第1の所定値よりも大きく、かつ前記推定手段によって推定された前記堆積量が第2の所定値よりも大きく、かつ前記噴射手段による燃料の噴射が行われていない場合に、前記第1の開度範囲と前記第2の開度範囲との中から前記吸気絞り弁と前記排気還流弁との開度を選択する制御手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0016】
これにより、パティキュレートフィルタの過昇温の危険がある場合に、吸気絞り弁が全開を含み排気還流弁が全閉を含む第1の開度範囲と、吸気絞り弁が全閉を含み排気還流弁が全開を含む第2の開度範囲とのなかから、制御手段によって開度を選択するので、従来技術のようにどちらか一方の開度範囲から選択する場合と比較して、より適切に開度の選択ができる。したがって第1の開度範囲から選択した場合にガス量が少なくて過昇温が抑制できないことや、第2の開度範囲から選択した場合にシリンダ内で負圧からオイル上がりが発生することが回避できる。よって不具合を招くことなくパティキュレートフィルタの過昇温が回避できる排気浄化装置が実現できる。
【0017】
また前記内燃機関の回転数を取得する回転数取得手段を備え、前記制御手段は、前記吸気絞り弁と前記排気還流弁との開度を、前記回転数取得手段によって取得された前記回転数が第3の所定値よりも大きい場合は前記第1の開度範囲の中から選択し、前記回転数取得手段によって取得された前記回転数が前記第3の所定値よりも小さい場合は前記第2の開度範囲の中から選択するとしてもよい。
【0018】
これにより、内燃機関の回転数が大きい場合にはガス流量を大きくすることによりパティキュレートフィルタの熱を下流に移動させて冷却し、内燃機関の回転数が小さい場合には吸気を絞って酸欠によってパティキュレートフィルタの温度上昇を抑制できる。よって、内燃機関の回転数が大きい場合にガス量が少なくて過昇温が抑制できないことが回避できる。さらに、内燃機関の回転数が小さい場合にシリンダ内で負圧からオイル上がりが発生することも回避できる。よって不具合を招くことなくパティキュレートフィルタの過昇温が回避できる排気浄化装置が実現できる。
【0019】
また前記内燃機関への吸気量を取得する吸気量取得手段を備え、前記制御手段は、前記吸気絞り弁と前記排気還流弁との開度を、前記吸気量取得手段によって取得された前記吸気量が第4の所定値よりも大きい場合は前記第1の開度範囲の中から選択し、前記吸気量取得手段によって取得された前記吸気量が前記第4の所定値よりも小さい場合は前記第2の開度範囲の中から選択するとしてもよい。
【0020】
これにより吸気量が大きい場合には、第1の開度範囲から開度を選択することによってさらに吸気量を増加させて、パティキュレートフィルタの熱を下流に移動させて冷却する。また吸気量が小さい場合には、第1の開度範囲から選択しても吸気量の増加には限界があるので、第2の開度範囲から選択して吸気を絞って燃焼を抑えてパティキュレートフィルタの昇温を抑制する。よって吸気量が少ない場合に第1の開度範囲を選択して過昇温が抑制できないことが回避でき、さらに、吸気量が大きい場合にシリンダ内で負圧からオイル上がりが発生することが回避できる。よって吸気量に応じて適切に開度を選択することによって、不具合を招くことなくパティキュレートフィルタの過昇温が回避できる排気浄化装置が実現できる。
【0021】
また前記内燃機関における吸気圧を取得する吸気圧取得手段を備え、前記制御手段は、前記吸気絞り弁と前記排気還流弁との開度を、前記吸気圧取得手段によって取得された前記吸気圧が第5の所定値よりも小さい場合は前記第1の開度範囲の中から選択し、前記吸気圧取得手段によって取得された前記吸気圧が前記第5の所定値よりも大きい場合は前記第2の開度範囲の中から選択するとしてもよい。
【0022】
これにより吸気圧が高い場合は第2の開度範囲から選択するので酸欠によって燃焼を抑えてパティキュレートフィルタの過昇温を回避でき、かつオイル上がりの危険性が抑制できる。また吸気圧が低い場合は第2の開度範囲から選択すると負圧によるオイル上がりの可能性があるので、第1の開度範囲から選択してガス流量を増加させてパティキュレートフィルタの熱を下流に移動させて冷却する。したがって吸気圧に応じて適切に開度を選択することによって、不具合を招くことなくパティキュレートフィルタの過昇温が回避できる排気浄化装置が実現できる。
【0023】
また前記制御手段が前記吸気絞り弁と前記排気還流弁との開度を前記第2の開度範囲の中から選択した場合に、前記内燃機関への吸気量を2g/sec以下となるように制御する吸気量制御手段を備えたとしてもよい。
【0024】
これにより、第2の開度範囲のなかから開度を選択する場合に吸気量制御手段によって吸気量を2g/sec以下と制御するので、酸欠による燃焼抑制の効果が顕著となりパティキュレートフィルタの過昇温の抑制性能が高められる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。まず図1は、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置1の実施例1の装置構成の概略図である。
【0026】
図1には、4気筒のディーゼルエンジン2(以下では単にエンジンと称する)に対して構成された排気浄化装置1の例が示されている。図1の内燃機関及び排気浄化装置1は主に、エンジン2、吸気管3、排気管4、排気還流管5からなる。
【0027】
吸気管3をとおってエンジン2に空気(新気、吸気)が供給される。吸気管3にはエアフロメータ31、吸気スロットル32が配置されている。エアフロメータ31は吸気量を計測する。ここでの吸気量は例えば単位時間当たりの質量流量とすればよい。また吸気スロットル32の開度が調節されることによってエンジン2に供給される吸気量が増減する。また吸気側マニホールドに設置された吸気圧センサ33によって吸気側マニホールド内の吸気圧力が計測される。
【0028】
エンジン2にはインジェクタ21、エンジン回転数センサ22が装備されている。インジェクタ21からの噴射によってシリンダ内に燃料が供給される。エンジン回転数センサ22によってエンジン2の(単位時間あたりの)回転数が計測される。エンジン回転数センサ22は、例えばエンジン2から連結されたクランクの回転角度を計測するクランク角センサとすればよい。そしてクランク角センサの検出値がECU7へ送られてエンジンの回転数が算出されるとすればよい。
【0029】
またエンジン2に接続された排気管4へ排気が排出される。排気管4にはA/Fセンサ41が配置されている。A/Fセンサ41によって、空燃比が計測される。
【0030】
排気還流管5(EGR管)は、排気管4から吸気管3への排気還流(Exhaust Gas Recirculation、EGR)をおこなう。EGR管5にはEGRバルブ51が装備されている。EGRバルブ51の開閉によって排気の還流量が調節される。
【0031】
また排気管4の途中にはDPF6が配置されている。DPF6は酸化触媒が担持されている、いわゆる酸化触媒付きDPF(C―DPF)とすればよい。DPF6は例えば代表的な構造として、いわゆるハニカム構造において入口側と出口側を交互に目詰めした構造とすればよい。エンジン2の運転中に排出される排気には粒子状物質(PM)が含まれ、このPMはDPF6の上記構造のDPF壁を排気が通過するときに、このDPF壁の内部あるいは表面に捕集される。DPF6に堆積したPMの堆積量が十分大きくなった度ごとに、堆積したPMを燃焼することによって除去し、DPF6を再生しなければならない。
【0032】
DPF6の再生のための方法として、例えばインジェクタ21からメイン噴射後のタイミングで燃料を噴射するポスト噴射をおこなう。DPF6の入口側と出口側とにはそれぞれ排気温度センサ61、62が配置されて、それぞれの位置における排気温度が計測される。またDPF6の入口側と出口側における排気圧の差である差圧(DPF差圧、DPF圧損)を計測する差圧センサ63も装備されている。
【0033】
上で述べたエアフロメータ31、吸気圧センサ33、エンジン回転数センサ22、A/Fセンサ41、排気温度センサ61、62、差圧センサ63の計測値は電子制御装置7(ECU)へ送られる。またECU7によりインジェクタ21によるエンジン2への燃料噴射のタイミングや噴射量、吸気スロットル32とEGRバルブ51との開度調節が制御される。ECU7は各種演算をおこなうCPUや各種情報の記憶を行うメモリ71を有する構造とすればよい。
【0034】
実施例1では、上記の装置構成のもとで、DPF6の過昇温の危険がある状況下での吸気制御をおこなう。ここでDPF6の過昇温の危険がある状況とは、DPF6の温度がPMの燃焼が発生する高温で、DPF6におけるPMの堆積量が大きく、上述の無噴射運転時のことである。
【0035】
図2に実施例1における吸気制御の処理手順のフローチャートが示されている。図2の手順がECU7によって順次処理されるとすればよい。なお図2の処理はDPF6の再生中におこなってもよく、再生中かどうかに関係なく実行してもよい。再生中かどうかに関係なく実行する場合には、DPF6の再生手段によらず高温によってPMが自然に燃焼している場合のDPF6の過昇温も回避できる。
【0036】
図2のフローではまず手順S10でDPF6の温度(DPF温度)を取得する。ここでDPF温度は、排気温度センサ61あるいは排気温度センサ62による計測値そのものとしてもよい。また排気温度センサ61、62の計測値の平均をDPF6の温度の推定値としてもよい。また排気温度センサ61、62の計測値からDPF6の内部温度を推定するモデルを予め求めておいて、それを用いて推定してもよい。
【0037】
次にS20でDPF差圧を求める。これは差圧センサ63によって計測すればよい。次にS30でDPF6におけるPMの堆積量を推定する。S30ではS20で求めたDPF差圧の値が用いられる。S30における推定方法の詳細は後述する。
【0038】
次にS40でDPF6が過昇温の危険がある状態であるかどうかが判断される。具体的には、DPF温度が所定値(第1の所定値)以上であり、かつPM堆積量が所定値(第2の所定値)以上であり、かつ無噴射運転であるかどうかが判断される。ここでDPF温度は、S10で求めたDPF温度が用いられる。PM堆積量は、S30で求めたPM堆積量が用いられる。また無噴射運転であるかどうかの判断は、ECU7からの指令によってインジェクタ21から燃料が噴射されるので、ECU7内の燃料噴射に関する情報を用いればよい。
【0039】
第1及び第2の所定値は、それらの値以上ならばDPF6の過昇温の可能性があるDPF温度、PM堆積量の値を予め求めておけばよい。S40が肯定判断(YES)ならばDPF6の過昇温の危険がある状態だと判断してS50へ進む。否定判断(NO)ならば、DPF6の過昇温の危険がある状態ではないと判断してS10へ戻り上述の手順を繰り返す。
【0040】
次にS50では、エンジン回転数が取得される。これはエンジン回転数センサ22を用いて取得すればよい。次にS60で、S50で求めたエンジン回転数が所定値(第3の所定値)以上であるかどうかが判断される。S60が肯定判断(YES)の場合はS70へ進み、否定判断(NO)の場合はS80へ進む。
【0041】
S70では吸気制御1が実行される。S80では吸気制御2が実行される。吸気制御1、2では吸気スロットル32、EGRバルブ51の開度が調節される。図9には吸気制御1、2によって調節される吸気スロットル32、EGRバルブ51の開度の範囲が示されている。
【0042】
図9に示されているとおり、吸気スロットル32の開度がA2%から全開(100%)までの範囲であり、かつEGRバルブ51の開度が全閉(0%)からB1%までの範囲である開度範囲を第1の開度範囲とする。また、吸気スロットル32の開度が全閉(0%)からA1%までの範囲であり、かつEGRバルブ51の開度がB2から全開(100%)%までの範囲である開度範囲を第2の開度範囲とする。第1の開度範囲、第2の開度範囲はともに両端を含むとすればよい。吸気制御1では第1の開度範囲のなかから任意に吸気スロットル32とEGRバルブ51との開度を選択する。吸気制御2では第2の開度範囲のなかから任意に吸気スロットル32とEGRバルブ51との開度を選択する。
【0043】
以下でS60、S70、S80の効果を説明する。上述のとおり、S70で実行される吸気制御1では、吸気スロットル32を開きEGRバルブ51を絞ることによって、DPF6に流入する排ガスの流量を増加させてDPF6内部の熱を下流に効果的に流してDPF6の過昇温を抑制する。この効果が得られるように上述のA2、B1の数値を予め定めておけばよい。
【0044】
またS80で実行される吸気制御2では、吸気スロットル32を絞りEGRバルブ51を開くことによって、新気量を減少させてDPF6内での酸素量を減らしてPMの燃焼反応を抑えることでDPF6の過昇温を抑制する。この効果が得られるように上述のA1、B2の数値を予め定めておけばよい。
【0045】
上述のとおりS60では、エンジン回転数によって吸気制御1、2のうちから一方を選択する。エンジン回転数が高い運転領域で吸気制御1を選択すれば、ガス量を相対的に多くしてDPF6の熱を下流に流す効果が得やすい。しかしエンジン回転数が低い運転領域ではガス量が低いために、吸気制御1を選択してもDPF6への排ガスの流量は十分には多くならず、DPF6の熱を排ガスによって下流に流す効果を得にくい。したがってエンジン回転数が高い運転領域で吸気制御1を選択することは望ましいが、エンジン回転数が低い運転領域では望ましくない。
【0046】
またエンジン回転数が高い運転領域で吸気制御2を選択すると、吸気工程でシリンダ内の負圧が大きくなってシリンダ壁面からのオイル上がりが発生してしまう。エンジン回転数が低い運転領域で吸気制御1を用いてもオイル上がりは発生しない。したがってエンジン回転数が高い運転領域で吸気制御2を選択することは望ましくない。さらに吸気制御1と吸気制御2とを比較すると、排気量を増やすことによって熱を下流に流す吸気制御1の方が迅速にDPF6を冷却する効果に関して優れている。
【0047】
以上を総合的に勘案することによって、S60では、エンジン回転数が第3の所定値以上ならば吸気制御1を選択することによって迅速にDPF6を冷却する。そして、エンジン回転数が第3の所定値未満ならば、吸気量不足から吸気制御1は適さないので吸気制御2を選択する。こうした選択によって、エンジン回転数が高い場合の吸気制御2によるオイル上がりも回避されている。S60での判断が適切となるように、第3の所定値の値を予め適切に設定しておけばよい。
【0048】
なお第1の開度範囲においては、通常の吸気制御における吸気スロットル32とEGRバルブ51との開度よりも、吸気スロットル32の開度が大きくEGRバルブ51の開度が小さいとすればよい。第2の開度範囲においては、通常の吸気制御における吸気スロットル32とEGRバルブ51との開度よりも、吸気スロットル32の開度が小さくEGRバルブ51の開度が大きいとすればよい。図9のようにA2、B2の値はA1、B1の値より大きく設定すればよい。A1、B1を0、A2、B2を100と設定してもよい。この場合、吸気制御1、2で選択される開度は全開と全閉のみなので上で述べた効果が顕著となる。以上が実施例1である。
【0049】
次に実施例2を説明する。実施例2では、実施例1におけるエンジン回転数に関する判断を吸気量に関する判断に置きかえる。以下で実施例1と異なる部分のみ説明する。実施例2では、実施例1における図2のフローチャートが、図3のフローチャートに変更される。
【0050】
図2から図3への変更点は、S50、S60の手順がS51、S61に置きかえられたことである。手順S51では吸気量が取得される。これはエアフロメータ31によって計測すればよい。次にS61で、S51で求めた吸気量が所定値(第4の所定値)以上であるかどうかが判断される。S61が肯定判断(YES)ならばS70へ進み、否定判断(NO)ならばS80へ進む。
【0051】
図4を用いて、実施例2におけるS61の処理の意味を説明する。図4では横軸がエンジン回転数、縦軸が吸気量を示している。2つの実線201、202はそれぞれ、吸気制御1、2を用いた際の、吸気量とエンジン回転数との特性を示している。実線201、202は個々の装置ごとに決まる特性である。
【0052】
吸気制御1を選択して、図8のように通常の運転(非アイドル運転)からアイドル運転に変更した場合、実線201上を図示右上から図示左下へ吸気量とエンジン回転数とは移動する。同様に吸気制御2を選択して、図8のように通常の運転(非アイドル運転)からアイドル運転に変更した場合、実線202上を図示右上から図示左下へ吸気量とエンジン回転数とは移動する。
【0053】
また破線200は、通常の吸気制御における吸気スロットル32及びEGRバルブ51の開度を用いた場合での吸気量とエンジン回転数との特性を示している。ここで通常の吸気制御とは、吸気スロットル32及びEGRバルブ51の開度を、通常個々の装置ごとに(自動車に搭載されている場合には自動車ごとに)通常設定されている減速時あるいは無噴射運転時の吸気スロットル32及びEGRバルブ51の開度に調節する制御を指すとする。通常の吸気制御のもとで、図8のように通常の運転(非アイドル運転)からアイドル運転に変更した場合、破線200上を図示右上から図示左下へ吸気量とエンジン回転数とは移動する。
【0054】
そして図4に示された吸気量G1は、G1以下の吸気量では吸気制御1が目指すより多い吸気量(及びそれによる多い排ガス量)によってDPF6の熱を下流へ流す効果が得られない吸気量である。そして図4に示されたようにG1からG2を決定する。G2を上述の第4の所定値とすればよい。
【0055】
図3のS61に従い、吸気量がG2よりも大きければ吸気制御1を選択し、G2よりも小さければ吸気制御2を選択する。これにより、破線200上を移動する際に、吸気量がG2よりも大きければ、吸気制御1に従って吸気スロットル32及びEGRバルブ51の開度が変更されて、吸気量が変化する(エンジン回転数は変化しない)ことによって、図4の矢印のように破線200上から実線201上へ移動する。
【0056】
同様に破線200上を移動する際に、吸気量がG2よりも小さければ、吸気制御2に従って吸気スロットル32及びEGRバルブ51の開度が変更されて、吸気量が変化する(エンジン回転数は変化しない)ことによって、図4の矢印のように破線200上から実線202上へ移動する。
【0057】
この移動によって、吸気量がG2より大きい場合には、吸気制御1へ移動する。これにより吸気量G1以上となって、吸気制御1によるDPF昇温抑制効果が達成できることとなる。また吸気量がG2より小さい場合には、吸気制御2へ移動する。これにより、吸気量がG2より小さい場合には、吸気制御1を実行しても吸気量がG1以上にはできないことを考慮して、吸気制御2によってDPF昇温抑制をおこなう。以上が実施例2の効果である。
【0058】
次に実施例3を説明する。実施例3では、実施例1におけるエンジン回転数に関する判断を吸気圧に関する判断に置きかえる。以下で実施例1と異なる部分のみ説明する。実施例3では、実施例1における図2のフローチャートが、図5のフローチャートに変更される。
【0059】
図2から図5への変更点は、S50、S60の手順がS52、S62に置きかえられたことである。手順S52では吸気圧が取得される。これは吸気圧センサ33によって計測すればよい。次にS62で、S52で求めた吸気圧が所定値(第5の所定値)以下であるかどうかが判断される。S62が肯定判断(YES)ならばS70へ進み、否定判断(NO)ならばS80へ進む。
【0060】
図6を用いて、実施例3におけるS62の処理の意味を説明する。図6では横軸がエンジン回転数、縦軸が吸気圧を示している。2つの実線211、212はそれぞれ、吸気制御1、2を用いた際の、吸気圧とエンジン回転数との特性を示している。実線211、212は個々の装置ごとに決まる特性である。
【0061】
吸気制御1を選択して、図8のように通常の運転(非アイドル運転)からアイドル運転に変更した場合、実線211上を吸気量とエンジン回転数との値は推移する。同様に吸気制御2を選択して、図8のように通常の運転(非アイドル運転)からアイドル運転に変更した場合、実線212上を吸気圧とエンジン回転数との値は推移する。
【0062】
また破線210は、通常の吸気制御(上述)のもとでの吸気圧とエンジン回転数との特性を示している。すなわち通常の吸気制御(上述)のもとで、図8のように通常の運転(非アイドル運転)からアイドル運転に変更した場合、破線210上を吸気圧とエンジン回転数との値は推移する。
【0063】
図6に示された吸気圧P2は、P2以下の吸気圧で吸気制御2をおこなうと上述のように負圧が大きくなってシリンダ内でオイル上がりが発生する吸気圧の値である。そして図6に示されたようにP2からP1を決定する。P1を上述の第5の所定値とすればよい。P0は大気圧とする。
【0064】
図5のS62に従い、吸気圧がP1よりも小さければ吸気制御1を選択し、P1よりも大きければ吸気制御2を選択する。これにより、破線210上を推移する際に、吸気圧がP1よりも小さければ、吸気制御1に従って吸気スロットル32及びEGRバルブ51の開度が変更されて、吸気量が変化する(エンジン回転数は変化しない)ことによって、図6の矢印のように破線210上から実線211上へ移動する。
【0065】
同様に破線210上を推移する際に、吸気圧がP1よりも大きければ、吸気制御2に従って吸気スロットル32及びEGRバルブ51の開度が変更されて、吸気量が変化する(エンジン回転数は変化しない)ことによって、図6の矢印のように破線210上から実線212上へ移動する。
【0066】
この移動によって、吸気圧がP1より小さい場合には、吸気制御1へ移動する。これにより吸気制御2を選択した場合に吸気圧がP2以下となってオイル上がりが発生することが回避される。
【0067】
また吸気圧がP1より大きい場合には、吸気制御2へ移動する。図6に示されているように、吸気圧がP1より大きい場合にはエンジン回転数が小さいので、吸気量も小さく吸気制御1によるDPF昇温抑制は達成困難である。したがって吸気圧がP1より大きい場合には、吸気制御2を実行して酸欠によるDPF6の昇温を抑制することとなる。以上が実施例3の効果である。
【0068】
なお図8におけるアイドル運転時の吸気制御2による吸気量の値を2g/sec以下となるようにECU7で制御してもよい。このように値を設定することによって、吸気制御2における酸欠の効果が顕著となって、DPF6の昇温抑制にとって好適となる。2g/sec以下の吸気量を達成するために、エアフロメータ31の値をフィードバックして、2g/sec以下の目標値に一致させるためのフィードバック制御をおこなってもよい。その場合、フィードバック制御則はECU7内にプログラムとして実装する。フィードバック制御によって、2g/sec以下の吸気量を精度よく達成できる。
【0069】
以下で上記S30でのPM堆積量推定の方法を説明する。PM堆積量とDPF圧損(差圧)との関係は、図7に示された関係となる(あるいは近似される)との知見が得られている。すなわち、内燃機関の運転が続いてDPF6へのPMの堆積が進行するに従って、PM堆積量とDPF圧損とを示す点は図7に示された初期点100から第1特性線110(特性線)上を図示右上へ移動し、さらに遷移点120に達すると以後は第2特性線130(特性線)上を図示右上へ移動する。
【0070】
第1特性線110はDPF6のフィルタ壁の壁内にPMが堆積する段階に対応し、第2特性線130はフィルタ壁の壁面上にPMが堆積する段階に対応する。フィルタ壁の壁内にPMが堆積する場合は壁面上に堆積する場合よりも排気ガスの流路を新たに狭める度合いが大きく、それにより圧損値を高めるので、第1特性線110は第2特性線130よりも図示のとおり傾きが大きい。なお傾きはDPF圧損の増分とPM堆積量の増分との比とする。
【0071】
図7に示された特性を予め求めておけば、DPF圧損値を得ることでDPF内のPMの堆積量が推定できる。こうして推定されたPM堆積量が再生を必要とするレベルに達した度に、DPFを再生すればよい。
【0072】
図7の点140に達したときにPM堆積量が過剰と判断されてDPF再生が開始されたとすると、図7の破線のようにその後のPM堆積量とDPF圧損は推移する。すなわちPM堆積量とDPF圧損の値は、まず直線150に沿って減少し、遷移点160後は直線170に沿って減少して初期点100へ戻る。
【0073】
直線150はフィルタ壁の壁内上に堆積したPMが燃焼している段階であり、したがって直線150は第1特性線110と傾きが等しい。また直線170はフィルタ壁の壁面に堆積したPMが燃焼している段階であり、したがって直線170は第2特性線130と傾きが等しい。以上のように図7に示された平行四辺形で表される(近似)特性によって、PM堆積時およびPM燃焼時のPM堆積量とDPF圧損との値は推移する。
【0074】
使用する装置構成に対して予め図7の特性線を求めておいてメモリ71に記憶しておく。記憶する際に、例えば初期点100、遷移点120の座標と特性線110、130の傾きのみを記憶するとしてもよい。S30では、図7の特性線と、S20で取得したDPF差圧の計測値とからPM堆積量を推定する。以上が手順S30の説明である。
【0075】
上の実施例において、A1及びB1は例えば3%、5%としてもよい。またA2、B2は例えば95%、97%としてもよい。こうした設定によって上述の効果が効果的に達成できる。S10の手順が温度取得手段を構成する。S30の手段が推定手段を構成する。S60、S61、S62、S70、S80の手順が制御手段を構成する。S50の手順が回転数取得手段を構成する。S51の手順が吸気量取得手段を構成する。S52の手順が吸気圧取得手段を構成する。ECU7が吸気量制御手段を構成する。また上記実施例では内燃機関としてディーゼルエンジンを用いたが、これはディーゼルエンジンでなくともよく、例えばリーンバーンガソリンエンジンでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の内燃機関の排気浄化装置の実施例の装置構成の概略図。
【図2】実施例1における吸気制御選択処理のフローチャート。
【図3】実施例2における吸気制御選択処理のフローチャート。
【図4】吸気量による吸気制御の選択を示す図。
【図5】実施例3における吸気制御選択処理のフローチャート。
【図6】吸気圧による吸気制御の選択を示す図。
【図7】DPF圧損とPM堆積量との関係を示す図。
【図8】DPF温度と吸気量との時間推移を示す図。
【図9】第1の開度範囲と第2の開度範囲とを示す図。
【符号の説明】
【0077】
1 排気浄化装置
2 ディーゼルエンジン(内燃機関)
3 吸気管(吸気通路)
4 排気管(排気通路)
5 排気還流管(EGR管、排気還流通路)
6 ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF、パティキュレートフィルタ)
7 電子制御装置(ECU)
21 インジェクタ(噴射手段)
22 エンジン回転数センサ
31 エアフロメータ
32 吸気スロットル(吸気絞り弁)
33 吸気圧センサ
51 EGRバルブ(排気還流弁)
61、62 排気温度センサ
63 差圧センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の排気通路の途中に配置されて粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタと、
前記パティキュレートフィルタの温度を取得する温度取得手段と、
前記パティキュレートフィルタにおける粒子状物質の堆積量を推定する推定手段と、
前記内燃機関に燃料を噴射する噴射手段と、
吸気通路に配置された吸気絞り弁と、
排気通路から吸気通路へ排気を還流する排気還流通路に配置された排気還流弁とを備え、
前記吸気絞り弁と前記排気還流弁との開度において、
前記吸気絞り弁の開度が全開を含み、前記排気還流弁の開度が全閉を含む所定の開度範囲を第1の開度範囲とし、
前記吸気絞り弁の開度が全閉を含み、前記排気還流弁の開度が全開を含む所定の開度範囲を第2の開度範囲とし、
前記温度取得手段によって取得された前記温度が第1の所定値よりも大きく、かつ前記推定手段によって推定された前記堆積量が第2の所定値よりも大きく、かつ前記噴射手段による燃料の噴射が行われていない場合に、前記第1の開度範囲と前記第2の開度範囲との中から前記吸気絞り弁と前記排気還流弁との開度を選択する制御手段をさらに備えた内燃機関の排気浄化装置。
【請求項2】
前記内燃機関の回転数を取得する回転数取得手段を備え、
前記制御手段は、前記吸気絞り弁と前記排気還流弁との開度を、前記回転数取得手段によって取得された前記回転数が第3の所定値よりも大きい場合は前記第1の開度範囲の中から選択し、前記回転数取得手段によって取得された前記回転数が前記第3の所定値よりも小さい場合は前記第2の開度範囲の中から選択する請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
【請求項3】
前記内燃機関への吸気量を取得する吸気量取得手段を備え、
前記制御手段は、前記吸気絞り弁と前記排気還流弁との開度を、前記吸気量取得手段によって取得された前記吸気量が第4の所定値よりも大きい場合は前記第1の開度範囲の中から選択し、前記吸気量取得手段によって取得された前記吸気量が前記第4の所定値よりも小さい場合は前記第2の開度範囲の中から選択する請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
【請求項4】
前記内燃機関における吸気圧を取得する吸気圧取得手段を備え、
前記制御手段は、前記吸気絞り弁と前記排気還流弁との開度を、前記吸気圧取得手段によって取得された前記吸気圧が第5の所定値よりも小さい場合は前記第1の開度範囲の中から選択し、前記吸気圧取得手段によって取得された前記吸気圧が前記第5の所定値よりも大きい場合は前記第2の開度範囲の中から選択する請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
【請求項5】
前記制御手段が前記吸気絞り弁と前記排気還流弁との開度を前記第2の開度範囲の中から選択した場合に、前記内燃機関への吸気量を2g/sec以下となるように制御する吸気量制御手段を備えた請求項1ないし4のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−167906(P2009−167906A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−6922(P2008−6922)
【出願日】平成20年1月16日(2008.1.16)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】