説明

内燃機関の排気還流装置

【課題】内燃機関の排気還流装置において、EGRガスから凝縮水を分離して未燃燃料を回収し再利用する技術を提供する。
【解決手段】低圧EGR通路31と、低圧EGR通路31に配置され、低圧EGR通路31を流通する低圧EGRガスを冷却する冷却室41を含む冷却手段と、冷却手段で冷却された低圧EGRガスから凝縮した凝縮液体を貯留する分離槽42と、分離槽42に貯留された凝縮液体の内、凝縮水を排気通路7へ排出させる凝縮水排出通路43を含む機構と、分離槽42に貯留された凝縮液体の内、軽油を燃料タンク3へ回収する未燃燃料回収通路45を含む機構と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の排気還流装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の排気通路から排気の一部をEGRガスとして取り込み、内燃機関の吸気通路へ当該EGRガスを還流させるEGR通路に当該EGRガスを冷却するEGRクーラを設け、EGRクーラにてEGRガスから未燃燃料を分離し、分離された未燃燃料を排気通路へ排出する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−348873号公報
【特許文献2】特開2001−132555号公報
【特許文献3】特開2000−027715号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1記載の技術では、EGR通路に設けられたEGRクーラにて分離された未燃燃料は、排気通路へ排出され排気浄化装置へ供給される燃料の一部とされていた。しかしながら、EGRガス中には水分も多く含まれており、EGRクーラによって凝縮される未燃燃料には凝縮水が混合している。このため、未燃燃料を再利用するにしても、未燃燃料に凝縮水が混合したままでは再利用できる範囲が限られるものであった。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、内燃機関の排気還流装置において、EGRガスから凝縮水を分離して未燃燃料を回収し再利用する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明にあっては、以下の構成を採用する。すなわち、本発明は、
内燃機関の排気通路から排気の一部をEGRガスとして取り込み、前記内燃機関の吸気通路へ当該EGRガスを還流させるEGR通路と、
前記EGR通路に配置され、前記EGR通路を流通する前記EGRガスを冷却する冷却手段と、
前記冷却手段で冷却された前記EGRガスから凝縮した液体を貯留する貯留部と、
前記貯留部に貯留された液体の内、凝縮水を排出させる凝縮水排出機構と、
前記貯留部に貯留された液体の内、未燃燃料を回収する未燃燃料回収機構と、
を備えることを特徴とする内燃機関の排気還流装置である。
【0006】
EGR通路を流通するEGRガスには未燃燃料成分が含まれている。このため、EGRガスから未燃燃料だけを回収し再利用することが望まれる。
【0007】
そこで、本発明では、EGR通路を流通するEGRガスを冷却し、冷却されたEGRガスから凝縮した液体を貯留部に貯留する。そして、貯留部に貯留された液体の内、凝縮水を排出させると共に、貯留部に貯留された液体の内、未燃燃料を回収するようにした。
【0008】
本発明によると、EGRガスから凝縮水を分離して未燃燃料を回収でき、回収した未燃燃料を再利用することができる。
【0009】
前記EGRガスのHC濃度が所定濃度以上且つ前記EGRガスの流量が所定流量以上になる場合に、前記冷却手段により前記EGRガスの冷却を実施するとよい。
【0010】
ここで、EGRガスのHC濃度とは、EGRガスの未燃燃料成分の濃度であり、炭化水素濃度である。EGRガスのHC濃度の所定濃度とは、それ以上のHC濃度になると、EGRガスに含まれる未燃燃料成分が内燃機関の吸気系に還流して内燃機関の吸気系に対する弊害を生じさせる程に濃い濃度となる閾値のHC濃度である。また、EGRガスの流量の所定流量とは、それ以上の流量になると、EGRガスに含まれる未燃燃料成分が内燃機関の吸気系に還流して内燃機関の吸気系に対する弊害を生じさせる程に大流量となる閾値の流量である。
【0011】
本発明によると、EGRガスに含まれる未燃燃料成分が内燃機関の吸気系に対する弊害を生じさせるおそれがある場合に、EGRガスを冷却し、EGRガスから未燃燃料成分を凝縮させ、EGRガス中の未燃燃料成分を削減できる。したがって、EGRガスに含まれる未燃燃料成分が内燃機関の吸気系に還流することに起因する内燃機関の吸気系に対する弊害を抑制できる。また、EGRガスに含まれる未燃燃料成分が内燃機関の吸気系に対する弊害を生じさせるおそれがある場合は、EGRガスに含まれる未燃燃料成分が多量であるので、EGRガスから未燃燃料を効率良く凝縮させて回収できる。
【0012】
前記凝縮水排出機構によって前記貯留部に貯留された液体の内、凝縮水を排出させ、前記貯留部に残留する凝縮水量が所定量以下になると前記未燃燃料回収機構によって前記貯留部に貯留された液体の内、未燃燃料を回収する制御手段を備えるとよい。
【0013】
ここで、貯留部に残留する凝縮水量の所定量とは、それ以下の凝縮水量になると、未燃燃料回収機構によって貯留部に貯留された液体の内、未燃燃料を回収することが可能となる閾値の凝縮水量である。
【0014】
本発明によると、貯留部に貯留された液体の内、凝縮水を排出させた後に、貯留部に貯留された液体の内、未燃燃料を回収するので、未燃燃料から凝縮水を分離して未燃燃料だけを回収できる。
【0015】
前記未燃燃料回収機構は、前記貯留部に貯留された下層の凝縮水の層と上層の未燃燃料の層とに分離した液体の内、前記貯留部に貯留された下層の凝縮水量が所定量以下になると前記貯留部に貯留された上層の未燃燃料を回収可能となる未燃燃料回収通路を有するとよい。
【0016】
本発明によると、貯留部に残留する下層の凝縮水量が所定量以下になると、未燃燃料回収通路を用いて貯留部に貯留された上層の未燃燃料を回収できる。
【0017】
前記制御手段は、前記内燃機関が搭載された車両の車速が所定速度以下になる場合に、実施されるとよい。
【0018】
ここで、車両の車速の所定速度とは、それ以下の車速になると、貯留部に貯留された液体の内、凝縮水を排出可能となり、貯留部に貯留された液体の内、未燃燃料を回収可能となる閾値の車速であり、車両が停止状態である車速が0の状態も含まれる。
【0019】
本発明によると、貯留部に貯留された液体の内、凝縮水を排出できると共に、貯留部に貯留された液体の内、未燃燃料を回収できる。
【0020】
前記排気通路に配置されたタービン及び前記吸気通路に配置されたコンプレッサを有するターボチャージャを備え、前記EGR通路は、前記タービンより下流の前記排気通路から排気の一部を低圧EGRガスとして取り込み、前記コンプレッサより上流の前記吸気通
路へ当該低圧EGRガスを還流させる低圧EGR通路であるとよい。
【0021】
本発明によると、低圧EGRガスから凝縮水を分離して未燃燃料を回収でき、回収した未燃燃料を再利用することができる。
【0022】
前記低圧EGR通路との接続部位よりも上流の前記排気通路に配置され、前記排気通路を流通する排気を浄化する排気浄化装置を備えるとよい。
【0023】
本発明によると、排気浄化装置に対して供給された未燃燃料が排気浄化装置をすり抜けて低圧EGRガスに含まれる場合も、低圧EGRガスから凝縮水を分離して未燃燃料を回収でき、回収した未燃燃料を再利用することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によると、内燃機関の排気還流装置において、EGRガスから凝縮水を分離して未燃燃料を回収し再利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に本発明の具体的な実施例を説明する。
【0026】
<実施例1>
図1は、本実施例に係る内燃機関の排気還流装置を適用する内燃機関、及びその吸気系・排気系の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、ピストンと共に燃焼室を形成する気筒2を4つ有する水冷式の4ストロークサイクル・ディーゼルエンジンである。内燃機関1は、車両に搭載されている。各気筒2には、燃料タンク3から燃料供給通路4を介して燃料としての軽油が供給され、気筒2内へ軽油を適宜の量且つ適宜のタイミングで噴射する燃料噴射弁5が設けられている。内燃機関1には、吸気通路6及び排気通路7が接続されている。
【0027】
内燃機関1に接続された吸気通路6の途中には、排気のエネルギを駆動源として作動するターボチャージャ8のコンプレッサ8aが配置されている。コンプレッサ8aよりも上流の吸気通路6には、該吸気通路6内を流通する吸気の流量を調節する第1スロットル弁9が配置されている。この第1スロットル弁9は、電動アクチュエータにより開閉される。第1スロットル弁9よりも上流の吸気通路6には、該吸気通路6内を流通する新気の流量に応じた信号を出力するエアフローメータ10が配置されている。このエアフローメータ10により、内燃機関1に吸入される吸入空気量(新気量)が測定される。
【0028】
コンプレッサ8aよりも下流の吸気通路6には、吸気と外気とで熱交換を行うインタークーラ11が配置されている。インタークーラ11よりも下流の吸気通路6には、該吸気通路6内を流通する吸気の流量を調節する第2スロットル弁12が配置されている。この第2スロットル弁12は、電動アクチュエータにより開閉される。これら吸気通路6及びそれに配置された機器が内燃機関1に吸気を取り入れるための吸気系を構成している。
【0029】
一方、内燃機関1に接続された排気通路7の途中には、ターボチャージャ8のタービン8bが配置されている。タービン8bよりも上流の排気通路7には、排気通路7を流れる排気へ軽油を添加する燃料添加弁13が設けられている。
【0030】
タービン8bよりも下流の排気通路7には、排気浄化装置14が配置されている。排気浄化装置14は、酸化触媒と当該酸化触媒の後段に配置されたパティキュレートフィルタ(以下単にフィルタという)とを有して構成される。フィルタには吸蔵還元型NOx触媒(以下単にNOx触媒という)が担持されている。排気浄化装置14には、いわゆるNO
x還元制御、SOx被毒回復制御、及びPM酸化除去制御といったフィルタの性能を回復させる制御の際に燃料添加弁13から排気に軽油が添加されることで軽油が供給される。
【0031】
また、排気浄化装置14よりも下流の排気通路7には、該排気通路7内を流通する排気のHC濃度(炭化水素濃度)を検出するHC濃度センサ15が設けられている。これら排気通路7及びそれに配置された機器が内燃機関1から排気を排出させるための排気系を構成している。
【0032】
そして、内燃機関1には、排気通路7内を流通する排気の一部を高圧で吸気通路6へ還流(再循環)させる高圧EGR装置20が備えられている。本実施例では、高圧EGR装置20によって還流される排気を高圧EGRガスと称している。
【0033】
高圧EGR装置20は、高圧EGRガスが流通する高圧EGR通路21と、高圧EGR通路21を流通する高圧EGRガスの流量を調節する高圧EGR弁22と、を有する。
【0034】
高圧EGR通路21は、タービン8bよりも上流側の排気通路7と、第2スロットル弁12よりも下流側の吸気通路6とを接続している。この高圧EGR通路21を通って、排気が高圧EGRガスとして高圧で内燃機関1へ送り込まれる。
【0035】
高圧EGR弁22は、高圧EGR通路21に配置され、高圧EGR通路21の通路断面積を調整することにより、該高圧EGR通路21を流れる高圧EGRガスの流量を調節する。この高圧EGR弁22は、電動アクチュエータにより開閉される。なお、高圧EGRガス流量の調節は、高圧EGR弁22の開度の調整以外の方法によって行うこともできる。例えば、第2スロットル弁12の開度を調整することにより、高圧EGR通路21の上流と下流との差圧を変化させ、これにより高圧EGRガスの流量を調節することができる。
【0036】
一方、内燃機関1には、排気通路7内を流通する排気の一部を低圧で吸気通路6へ還流(再循環)させる低圧EGR装置30が備えられている。本実施例では、低圧EGR装置30によって還流される排気を低圧EGRガスと称している。
【0037】
低圧EGR装置30は、低圧EGRガスが流通する低圧EGR通路31と、低圧EGR通路31を流通する低圧EGRガスの流量を調節する低圧EGR弁32と、低圧EGRガスから凝縮される凝縮液体を処理する凝縮液体処理装置40と、を有する。
【0038】
低圧EGR通路31は、HC濃度センサ15よりも下流側の排気通路7と、コンプレッサ8aよりも上流且つ第1スロットル弁9よりも下流側の吸気通路6とを接続している。この低圧EGR通路31を通って、排気が低圧EGRガスとして低圧で内燃機関1へ送り込まれる。
【0039】
低圧EGR弁32は、凝縮液体処理装置40よりも下流の低圧EGR通路31に配置され、低圧EGR通路31の通路断面積を調整することにより、該低圧EGR通路31を流れる低圧EGRガスの流量を調節する。この低圧EGR弁32は、電動アクチュエータにより開閉される。なお、低圧EGRガス流量の調節は、低圧EGR弁32の開度の調整以外の方法によって行うこともできる。例えば、第1スロットル弁9の開度を調整することにより、或いは不図示の排気絞り弁の開度を調節することにより、低圧EGR通路31の上流と下流との差圧を変化させ、これにより低圧EGRガスの流量を調節することができる。
【0040】
凝縮液体処理装置40は、低圧EGR通路31の途中に配置される。凝縮液体処理装置
40は、低圧EGRガスを冷却する冷却室41と、冷却室41で低圧EGRガスが冷却されて凝縮する凝縮液体を貯留する分離槽42と、分離槽42に貯留された凝縮液体の内、凝縮水を排出するための凝縮水排出通路43と、凝縮水排出通路43を開閉する凝縮水排出弁44と、分離槽42に貯留された凝縮液体の内、未燃燃料としての軽油を回収するための未燃燃料回収通路45と、未燃燃料回収通路45を開閉する未燃燃料回収弁46と、を有する。
【0041】
冷却室41は、図2に示すように、低圧EGR通路31に介在した空間部である。冷却室41内には、流れる低圧EGRガスが衝突する冷却フィン47を複数(図示上は3つ)備えている。冷却フィン47は、冷却室41内の天面に固定され下方へ延びている。冷却フィン47内には、内燃機関1の機関冷却水が流通する。このため、冷却室41では、冷却室41内を通過する低圧EGRガスと、冷却フィン47内の機関冷却水とで熱交換をして、低圧EGRガスの温度を低下させ、低圧EGRガスから凝縮液体を凝縮させる。なお、冷却フィン47内に流通させる機関冷却水については、機関冷却水の流路上に配置された冷却水弁48を開弁することで冷却フィン47内に機関冷却水は流通でき、冷却水弁48を閉弁することで冷却フィン47内への機関冷却水の流通が阻止できる。この冷却水弁48は、電動アクチュエータにより開閉される。本実施例における冷却室41、冷却フィン47及び冷却水弁48が本発明の冷却手段に相当する。
【0042】
分離槽42は、図2に示すように、冷却室41の下部に設けられ、冷却室41に凝縮された凝縮液体を集めるため冷却室41よりも小型の槽である。ここで、冷却室41からの凝縮液体が分離槽42に流れ込むように、冷却室41の下面は分離槽42側が下方となった傾斜面になっている。分離槽42内には、浮遊分離板49が配置されている。浮遊分離板49は、水(比重約1)と燃料としての軽油(比重約0.85)の中間密度(例えば比重約0.9など)を有し、凝縮液体が疎通可能に設けられている。分離槽42内では、凝縮液体は下層の凝縮水の層と上層の未燃燃料としての軽油の層とに分離して貯留される。このため、浮遊分離板49は、下層の凝縮水の層と上層の軽油の層との間に常に位置して浮遊する。また、分離槽42内の下部には、図2に示すように、浮遊分離板49が下降してきたとき、すなわち下層の凝縮水量が所定量以下になるときに、浮遊分離板49に接触して浮遊分離板49を検出する浮遊分離板検出センサ50が設けられている。ここで、分離槽42に貯留される凝縮水量の所定量とは、それ以下の凝縮水量になると、分離槽42に貯留された凝縮液体の内、軽油を回収することが可能となる閾値の凝縮水量である。本実施例では、浮遊分離板検出センサ50は、分離槽42の4隅にそれぞれ設置される。本実施例における分離槽42が本発明の貯留部に相当する。
【0043】
凝縮水排出通路43は、図1に示すように分離槽42と低圧EGR通路31との接続部よりも下流の排気通路7とを接続している。凝縮水排出通路43は、図1及び図2に示すように分離槽42の下面に開口しており、当該開口から分離槽42に貯留された凝縮液体の内、下層の凝縮水を低圧EGR通路31との接続部よりも下流の排気通路7へ排出する。
【0044】
凝縮水排出弁44は、図2に示すように、凝縮水排出通路43に配置され、凝縮水排出弁44を開弁することで分離槽42に貯留された凝縮液体の内、下層の凝縮水は凝縮水排出通路43を流通でき、凝縮水排出弁44を閉弁することで凝縮水の凝縮水排出通路43の流通が阻止できる。この凝縮水排出弁44は、電動アクチュエータにより開閉される。本実施例における凝縮水排出通路43及び凝縮水排出弁44が本発明の凝縮水排出機構に相当する。
【0045】
未燃燃料回収通路45は、図1に示すように分離槽42と燃料タンク3とを接続している。未燃燃料回収通路45は、図1〜図3に示すように分離槽42の下方側面に開口して
おり、当該開口から分離槽42に貯留された凝縮液体の内、上層の軽油を燃料タンク3へ戻す。ここで、未燃燃料回収通路45における分離槽42の下方側面の開口位置は、分離槽42に貯留された凝縮液体の内、下層の凝縮水量が所定量以下になると、図3(b)に示すように浮遊分離板49よりも上方に位置し分離槽42に貯留された上層の軽油を回収可能となる位置である。このため、この開口位置は、分離槽42に貯留された凝縮液体の内、下層の凝縮水量が所定量よりも多量であると、図3(a)に示すように浮遊分離板49よりも下方に位置し分離槽に貯留された下層の凝縮水の層に浸る位置でもある。
【0046】
なお、本実施例では、未燃燃料回収通路45は、回収した軽油を燃料タンク3へ戻すようにしているが、これに限られず、例えば、回収した軽油は排気通路7の排気へ軽油を添加する燃料添加弁13に供給するようにしてもよく、いかなる用途にも再利用できるとよい。
【0047】
未燃燃料回収弁46は、図2に示すように、未燃燃料回収通路45に配置され、未燃燃料回収弁46を開弁することで分離槽42に貯留された凝縮液体の内、上層の軽油は未燃燃料回収通路45を流通でき、未燃燃料回収弁46を閉弁することで軽油の未燃燃料回収通路45の流通が阻止できる。この未燃燃料回収弁46は、電動アクチュエータにより開閉される。本実施例における未燃燃料回収通路45及び未燃燃料回収弁46が本発明の未燃燃料回収機構に相当する。
【0048】
以上述べたように構成された内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニットであるECU16が併設されている。ECU16は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態を制御するユニットである。
【0049】
ECU16には、エアフローメータ10、HC濃度センサ15、浮遊分離板検出センサ50、機関回転数を検出するクランクポジションセンサ17、及び車両の車速を検出する車速センサ18が電気配線を介して接続され、これら各種センサの出力信号がECU16に入力されるようになっている。
【0050】
一方、ECU16には、燃料噴射弁5、第1スロットル弁9、第2スロットル弁12、燃料添加弁13、高圧EGR弁22、低圧EGR弁32、凝縮水排出弁44、未燃燃料回収弁46、及び冷却水弁48の各アクチュエータが電気配線を介して接続されており、該ECU16によりこれらの機器が制御される。
【0051】
そして、本実施例では、内燃機関1の運転状態に応じて高圧EGR弁22を用い高圧EGRガス流量を制御すると共に低圧EGR弁32を用い低圧EGRガス流量を制御する。これにより、内燃機関1に吸入される吸気に高圧EGRガス及び低圧EGRガスが含まれた状態で内燃機関1を運転させる、いわゆるEGR運転を行い、吸気の酸素濃度を低下させて燃焼温度、燃焼速度を低下させて、燃焼時に発生するNOxを低減させる効果を発揮させている。
【0052】
ところで、低圧EGRガスは、フィルタの性能を回復させる制御などによって排気浄化装置14に燃料添加弁13から供給された軽油がすり抜け、未燃燃料成分として軽油を多量に含有している場合がある。低圧EGRガスに含有される軽油は、低圧EGR通路31を経て内燃機関1の吸気系に還流されると、コンプレッサ8a内で熱により炭化(コーキング)してコンプレッサ8aのスムーズな回転を阻害したり、低圧EGR弁32や第1、第2スロットル弁9,12の固着を生じさせたり、ターボインペラやインタークーラ11の腐食を生じさせたりして、内燃機関1の吸気系に対する弊害を生じさせるおそれがある。
【0053】
このため、低圧EGRガスから未燃燃料成分である軽油を取り除く必要がある。一般的に、低圧EGRガスから未燃燃料成分である軽油を取り除く方法としては、低圧EGRガスを冷却して低圧EGRガスから軽油を凝縮させる方法が採られる。しかしながら、低圧EGRガスを冷却して低圧EGRガスから凝縮させた凝縮液体には、軽油だけでなく、凝縮水も含有される。そのため、低圧EGRガスから回収した軽油に凝縮水が混合した凝縮液体のままでは再利用できる範囲が限られるものであった。
【0054】
そこで本実施例では、低圧EGR通路31の途中に凝縮液体処理装置40を配置するようにした。凝縮液体処理装置40は、低圧EGRガスから凝縮液体を凝縮すると共に、凝縮された凝縮液体の内、凝縮水を排出させ、且つ、凝縮液体の内、軽油を凝縮水と分離して回収する。
【0055】
ここではまず、凝縮液体処理装置40で低圧EGRガスを冷却し、低圧EGRガスから凝縮液体を凝縮する場合について説明する。
【0056】
低圧EGRガスに含有される軽油は、常に一定の量が含有されるのではなく、例えばフィルタの性能を回復させる制御などが実施されている場合に軽油の含有量が多量となり、そうでない場合には軽油の含有量は少量となる。
【0057】
そこで本実施例では、低圧EGRガスのHC濃度が所定濃度以上且つ低圧EGRガスの流量が所定流量以上になる場合に、冷却水弁48を開弁して冷却フィン47内に機関冷却水を流通させ、冷却室41内で低圧EGRガスの冷却を実施する。
【0058】
ここで、低圧EGRガスのHC濃度とは、低圧EGRガスに含有される未燃燃料成分である軽油の濃度である。低圧EGRガスのHC濃度の所定濃度とは、それ以上のHC濃度になると、低圧EGRガスに含有される軽油が内燃機関1の吸気系に還流して内燃機関1の吸気系に対する弊害を生じさせる程に濃い濃度となる閾値のHC濃度である。また、低圧EGRガスの流量の所定流量とは、それ以上の流量になると、低圧EGRガスに含有される軽油が内燃機関1の吸気系に還流して内燃機関1の吸気系に対する弊害を生じさせる程に大流量となる閾値の流量である。
【0059】
本実施例によると、低圧EGRガスに含有される未燃燃料成分である軽油が内燃機関1の吸気系に対する弊害を生じさせるおそれがある場合に、低圧EGRガスを冷却し、低圧EGRガスから軽油を含む凝縮液体を凝縮させ、低圧EGRガス中の軽油を削減できる。したがって、低圧EGRガスに含有される未燃燃料成分である軽油が内燃機関1の吸気系に還流することに起因する内燃機関1の吸気系に対する弊害を抑制できる。また、低圧EGRガスに含有される未燃燃料成分である軽油が内燃機関1の吸気系に対する弊害を生じさせるおそれがある場合は、低圧EGRガスに含有される軽油が多量であるので、低圧EGRガスから軽油を効率良く凝縮させて取り除くことができる。
【0060】
本実施例による低圧EGRガスの冷却を実施する制御ルーチンについて説明する。図4は、本実施例による低圧EGRガスの冷却を実施する制御ルーチンを示したフローチャートである。本ルーチンは、所定の時間毎に繰り返し実行される。
【0061】
ステップS101では、ECU16は、HC濃度センサ15から排気のHC濃度を検出する。低圧EGRガスは、HC濃度センサ15よりも下流の排気通路7からの排気の一部であるため、HC濃度センサ15で検出するHC濃度は低圧EGRガスのHC濃度であるともいえる。
【0062】
ステップS102では、ECU16は、低圧EGRガスの流量を算出する。具体的には
、クランクポジションセンサ17から読み取った内燃機関1の機関回転数NEと、燃料噴射弁5から筒内に供給される燃料噴射量Qと、を予め実験などにより求められたマップに取り込むことで低圧EGRガス流量を算出する。
【0063】
ステップS103では、ECU16は、低圧EGRガスのHC濃度が所定濃度以上且つ低圧EGRガスの流量が所定流量以上になるか否か判別する。
【0064】
ここでの判別には、ステップS101で検出したHC濃度と、ステップS102で算出した低圧EGRガス流量とを用いる。
【0065】
ステップS103において低圧EGRガスのHC濃度が所定濃度以上且つ低圧EGRガスの流量が所定流量以上であると肯定判定された(HC濃度≧所定濃度且つ低圧EGRガス流量≧所定流量)場合には、ステップS104へ移行する。ステップS103において低圧EGRガスのHC濃度が所定濃度よりも低濃度、或いは、低圧EGRガスの流量が所定流量よりも低流量であると否定判定された(HC濃度<所定濃度或いは低圧EGRガス流量<所定流量)場合には、ステップS105へ移行する。
【0066】
ステップS104では、ECU16は、冷却水弁48を開弁する。これにより、機関冷却水が冷却フィン47内に流れ込み、冷却室41で低圧EGRガスを冷却することができる。本ステップの処理の後、本ルーチンを一旦終了する。
【0067】
一方、ステップS105では、ECU16は、冷却水弁48を閉弁する。これにより、機関冷却水は冷却フィン47内に流れ込まなくなり、冷却室41内で低圧EGRガスを冷却することができなくなる。本ステップの処理の後、本ルーチンを一旦終了する。
【0068】
以上の制御ルーチンを実行することにより、低圧EGRガスのHC濃度が所定濃度以上且つ低圧EGRガスの流量が所定流量以上である場合に、低圧EGRガスの冷却を実施できる。そしてこの場合は、言い換えると低圧EGRガスに含有される未燃燃料成分である軽油が内燃機関1の吸気系に対する弊害を生じさせるおそれがある場合である。したがって、低圧EGRガスに含有される未燃燃料成分である軽油が内燃機関1の吸気系に対する弊害を生じさせるおそれがある場合に、低圧EGRガスの冷却を実施できる。
【0069】
なお、低圧EGRガスの冷却を実施する場合は、上記制御ルーチンだけに限られない。例えば排気浄化装置14に対してフィルタの性能を回復させる制御などが実施されている場合に、低圧EGRガスの冷却を実施するようにしてもよい。
【0070】
以上説明したようにして冷却された低圧EGRガスからは凝縮水と軽油が混合した凝縮液体が凝縮し、冷却フィン47などに付着した凝縮液体の液滴は冷却室41の下方の分離槽42に滴下され、また冷却室41の傾斜した下面を流れ、分離槽42に集められ貯留される。
【0071】
次に、凝縮液体処理装置40で、分離槽42に貯留された凝縮液体の内、凝縮水を排出させ、且つ、凝縮液体の内、軽油を凝縮水と分離して回収する場合について説明する。
【0072】
分離槽42に貯留される凝縮液体は、凝縮水と軽油からなる混合物であるが、分離槽42に貯留されてある程度の時間が経過するとそれらの比重差から凝縮水と軽油に分離する。このため、分離槽42内では、凝縮液体は下層の凝縮水の層と上層の未燃燃料としての軽油の層とに分離して貯留される。そして浮遊分離板49が、下層の凝縮水の層と上層の軽油の層との間に位置して浮遊している。
【0073】
本実施例では、先に分離槽42に貯留された凝縮液体の内、凝縮水を排出させ、分離槽42に残留する凝縮水量が所定量以下になると、次に分離槽42に貯留された液体の内、軽油を回収する。この制御を凝縮液体処理制御という。
【0074】
具体的な凝縮液体処理制御は、分離槽42内に凝縮液体が下層の凝縮水の層と上層の軽油の層とに分離して貯留されているときに、まず、凝縮水排出弁44を開弁し、図3(a)に示すように凝縮水排出通路43に分離槽42に貯留された凝縮液体の内、下層の凝縮水を流し、凝縮水を排気通路7へ排出させる。この間、分離槽42内では、下層の凝縮水が減少していき、浮遊分離板49も降下していく。そして、浮遊分離板49が浮遊分離板検出センサ50に接触して浮遊分離板検出センサ50が浮遊分離板49を検出し、分離槽42に残留する凝縮水量が所定量以下になる。すると、次に、凝縮水排出弁44を閉弁すると共に未燃燃料回収弁46を開弁し、図3(b)に示すように浮遊分離板49よりも上方に位置する開口を有する未燃燃料回収通路45に分離槽42に貯留された液体の内、上層の軽油を流し、軽油を燃料タンク3へ回収する。
【0075】
本実施例によると、分離槽42に貯留された液体の内、下層の凝縮水を排出させた後に、分離槽42に貯留された液体の内、上層の軽油を回収するので、軽油から凝縮水を分離して軽油だけを回収できる。
【0076】
ここで、車両が走行状態であると、分離槽42内の凝縮液体が振動してしまい、浮遊分離板49も振動する。このため、車両が走行状態であると、浮遊分離板検出センサ50が正確な浮遊分離板49の位置を検出できない場合がある。正確な浮遊分離板49の位置が検出できないと、凝縮液体処理制御時に未燃燃料回収通路45に凝縮水を流してしまい、燃料タンク3の軽油に凝縮水を混入させてしまうおそれもある。
【0077】
そこで本実施例では、車速センサ18が検出する車両の車速が0になる車両が停止状態の場合に、凝縮液体処理制御を実施する。
【0078】
車両が停止状態であると、分離槽42内の凝縮液体が振動せず、浮遊分離板49も振動しない。よって本実施例によると、車両が停止状態のときに凝縮液体処理制御を実施するので、浮遊分離板検出センサ50が正確な浮遊分離板49の位置を検出できる。したがって、凝縮液体処理制御時に未燃燃料回収通路45に凝縮水を誤って流してしまうことがなく、燃料タンク3の軽油に凝縮水を混入させてしまうことがない。
【0079】
なお、本実施例では、車両の車速が0になる車両が停止状態の場合に、凝縮液体処理制御を実施するとしたが、これに限られない。例えば、それ以下の車速であると分離槽42に貯留された液体の内、凝縮水を排出可能となり、軽油を回収可能となる閾値の所定速度以下の車速であれば、凝縮液体処理制御を実施するようにしてもよい。
【0080】
本実施例による凝縮液体処理制御を実施する制御ルーチンについて説明する。図5は、本実施例による凝縮液体処理制御を実施する制御ルーチンを示したフローチャートである。本ルーチンは、所定の時間毎に繰り返し実行される。本ルーチンを実行するECU16が本発明の制御手段に相当する。
【0081】
ステップS201では、ECU16は、車速センサ18から内燃機関1が搭載された車両の車速を検出する。
【0082】
ステップS202では、ECU16は、車速が0、すなわち車両が停止状態であるか否か判別する。
【0083】
ステップS202において車速が0であると肯定判定された(車速=0)場合には、ステップS203へ移行する。ステップS202において車速がではないと否定判定された(車速≠0)場合には、本ルーチンを一旦終了する。
【0084】
ステップS203では、ECU16は、浮遊分離板検出センサ50が浮遊分離板49を検出しているか否か判別する。
【0085】
ステップS203において浮遊分離板49が検出されないと否定判定された(浮遊分離板非検出)場合には、ステップS204へ移行する。ステップS203において浮遊分離板49が検出されたと肯定判定された(浮遊分離板検出)場合には、ステップS205へ移行する。
【0086】
ステップS204では、ECU16は、凝縮水排出弁44を開弁すると共に未燃燃料回収弁46を閉弁する。これにより、凝縮水排出通路43に分離槽42に貯留された凝縮液体の内、下層の凝縮水を流し、凝縮水を排気通路7へ排出させる。本ステップの処理の後、ステップS203へ戻る。
【0087】
一方、ステップS205では、ECU16は、凝縮水排出弁44を閉弁すると共に未燃燃料回収弁46を開弁する。これにより、未燃燃料回収通路45に分離槽42に貯留された液体の内、上層の軽油を流し、軽油を燃料タンク3へ回収する。
【0088】
ステップS206では、ECU16は、所定時間の経過を待つ。所定時間は、分離槽42に貯留された液体の内、上層の回収可能な全ての軽油が未燃燃料回収通路45に流れるために必要とされる最大時間に設定される。これにより、所定時間経過すると、分離槽42に貯留された液体の内、上層の回収可能な全ての軽油が未燃燃料回収通路45に流れ、分離槽42に貯留された液体の内、回収可能な上層の軽油はなくなる。
【0089】
ステップS207では、ECU16は、凝縮水排出弁44を閉弁すると共に未燃燃料回収弁46を閉弁する。これにより、分離槽42に凝縮水及び軽油の凝縮液体を再び貯留できるようにする。本ステップの処理の後、本ルーチンを一旦終了する。
【0090】
以上の制御ルーチンを実行することにより、凝縮液体処理制御が実行でき、分離槽42内の凝縮水を排出できると共に、分離槽42内の軽油を凝縮水と分離して回収できる。
【0091】
本発明に係る内燃機関の排気還流装置は、上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】実施例1に係る内燃機関、及びその吸気系・排気系の概略構成を示す図。
【図2】実施例1に係る凝縮液体処理装置の概略構成を示す図。
【図3】実施例1に係る凝縮液体処理装置の分離槽における作動状態を示す図であり、(a)は凝縮水を排出する際の状態を示し、(b)は軽油を回収する際の状態を示している。
【図4】実施例1に係る低圧EGRガスの冷却を実施する制御ルーチンを示したフローチャート。
【図5】実施例1に係る凝縮液体処理制御を実施する制御ルーチンを示したフローチャート。
【符号の説明】
【0093】
1 内燃機関
2 気筒
3 燃料タンク
4 燃料供給通路
5 燃料噴射弁
6 吸気通路
7 排気通路
8 ターボチャージャ
8a コンプレッサ
8b タービン
15 HC濃度センサ
17 クランクポジションセンサ
18 車速センサ
30 低圧EGR装置
31 低圧EGR通路
32 低圧EGR弁
40 凝縮液体処理装置
41 冷却室
42 分離槽
43 凝縮水排出通路
44 凝縮水排出弁
45 未燃燃料回収通路
46 未燃燃料回収弁
47 冷却フィン
48 冷却水弁
49 浮遊分離板
50 浮遊分離板検出センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の排気通路から排気の一部をEGRガスとして取り込み、前記内燃機関の吸気通路へ当該EGRガスを還流させるEGR通路と、
前記EGR通路に配置され、前記EGR通路を流通する前記EGRガスを冷却する冷却手段と、
前記冷却手段で冷却された前記EGRガスから凝縮した液体を貯留する貯留部と、
前記貯留部に貯留された液体の内、凝縮水を排出させる凝縮水排出機構と、
前記貯留部に貯留された液体の内、未燃燃料を回収する未燃燃料回収機構と、
を備えることを特徴とする内燃機関の排気還流装置。
【請求項2】
前記EGRガスのHC濃度が所定濃度以上且つ前記EGRガスの流量が所定流量以上になる場合に、前記冷却手段により前記EGRガスの冷却を実施することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気還流装置。
【請求項3】
前記凝縮水排出機構によって前記貯留部に貯留された液体の内、凝縮水を排出させ、前記貯留部に残留する凝縮水量が所定量以下になると前記未燃燃料回収機構によって前記貯留部に貯留された液体の内、未燃燃料を回収する制御手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の排気還流装置。
【請求項4】
前記未燃燃料回収機構は、前記貯留部に貯留された下層の凝縮水の層と上層の未燃燃料の層とに分離した液体の内、前記貯留部に貯留された下層の凝縮水量が所定量以下になると前記貯留部に貯留された上層の未燃燃料を回収可能となる未燃燃料回収通路を有することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の排気還流装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記内燃機関が搭載された車両の車速が所定速度以下になる場合に、実施されることを特徴とする請求項3又は4に記載の内燃機関の排気還流装置。
【請求項6】
前記排気通路に配置されたタービン及び前記吸気通路に配置されたコンプレッサを有するターボチャージャを備え、
前記EGR通路は、前記タービンより下流の前記排気通路から排気の一部を低圧EGRガスとして取り込み、前記コンプレッサより上流の前記吸気通路へ当該低圧EGRガスを還流させる低圧EGR通路であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の排気還流装置。
【請求項7】
前記低圧EGR通路との接続部位よりも上流の前記排気通路に配置され、前記排気通路を流通する排気を浄化する排気浄化装置を備えることを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の排気還流装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−150281(P2009−150281A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−327817(P2007−327817)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】