説明

内燃機関の潤滑油劣化抑制装置

【課題】機能性部材における添加物の消費を抑制する。
【解決手段】機能部材30をヘッドカバー20の下面に配置すると共に、そのエンジンオイルに対する遮蔽状態を可変することが可能なバッフル板31を設ける。バッフル板31はバイメタルからなり、温度に応じて異なる位置に移動する。潤滑状態が境界潤滑域である場合に、機能部材30に接触する潤滑油の量が、潤滑状態が境界潤滑域以外である場合に比べて多くされる。潤滑状態が境界潤滑域以外である場合に、機能部材30から放出される摩擦緩和剤の量が抑制されるので、機能部材30における摩擦緩和剤の消費を抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の潤滑油と接触することで摩擦緩和剤を放出する機能性樹脂部材を備えた潤滑油劣化抑制装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、内燃機関の潤滑システム内で使用する化学フィルターを開示する。特許文献1の記載によれば、この化学フィルターは、潤滑システム内のオイルフィルターのハウジング内に配置されるか、またはそのオイルフィルターのバイパス部分に配置されている。この化学フィルターは、潤滑油と接触することで、イオン結合により結合したZnDDP(ジチオダイアルカリりん酸亜鉛)耐磨耗材等の潤滑剤添加物を、潤滑油中に徐々に添加していくことができる。
【0003】
特許文献2及び特許文献3は、ヘッドカバー内に炭酸カルシウム等の吸着材を設けたエンジンを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2008−540123号公報
【特許文献2】特開2008−239425号公報
【特許文献3】特開2008−121474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1における化学フィルターのような機能性部材における潤滑剤ないし摩擦緩和剤のような添加物は、その消費を抑制することが望ましい。特許文献2及び特許文献3は、吸着材の選択的使用については開示・示唆していない。
【0006】
そこで本発明は、機能性部材における添加物の消費を抑制できる新規な手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、
内燃機関で用いられている潤滑油の劣化を抑制するための潤滑油劣化抑制装置であって、
潤滑油と接触することで摩擦緩和剤を放出する機能性樹脂部材と、
潤滑状態が境界潤滑域である場合に、前記機能性樹脂部材に接触する潤滑油の量を、潤滑状態が境界潤滑域以外である場合に比べて多くする接触潤滑油量制御手段と、を有することを特徴とする潤滑油劣化抑制装置である。
【0008】
この態様では、接触潤滑油量制御手段が、潤滑状態が境界潤滑域である場合に、機能性樹脂部材に接触する潤滑油の量を、潤滑状態が境界潤滑域以外である場合に比べて多くする。潤滑状態が境界潤滑域以外である場合に、機能性樹脂部材から放出される摩擦緩和剤の量が抑制されるので、機能性樹脂部材における添加物の消費を抑制することができる。
【0009】
好適には、装置は潤滑油の潤滑状態が境界潤滑域であるかを判定する潤滑状態判定手段を更に備え、前記潤滑状態判定手段は、潤滑油の温度、及び前記内燃機関の回転数、のうち少なくとも一方に基づいて、潤滑状態が境界潤滑域であると判定する。接触潤滑油量制御手段は、潤滑状態判定手段の判定結果に基づいて動作することができる。この態様では、簡易な構成によって潤滑状態を適切に判定することができる。
【0010】
この場合において、好適には、前記潤滑状態判定手段は、前記内燃機関の回転数が所定回転数以下であること、及び潤滑油の温度が所定値以上であること、のうち少なくとも一方を条件として、潤滑状態が境界潤滑域であると判定する。この態様では、簡易な構成によって潤滑状態を適切に判定することができる。
【0011】
好適には、前記機能性樹脂部材が前記内燃機関のヘッドカバー内面に設けられている。この態様では、スラッジの発生しやすい部位に機能性樹脂部材を配置することによって、スラッジの発生を好適に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態に係るエンジンを概念的に示す正面図である。
【図2】境界潤滑域を示すグラフである。
【図3】第2実施形態に係るエンジンを概念的に示す正面図である。
【図4】第2実施形態に係るエンジンの要部を示す側面図である。
【図5】第3実施形態に係るエンジンを概念的に示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて詳述する。図1は、本発明の第1実施形態のエンジン10を概念的に示す。エンジン10は直列4気筒ディーゼルエンジンであるが、他の形式でもよい。エンジン10は、バルブ、カムシャフト等を収容するシリンダヘッドブロック12と、ピストン等を収容するシリンダブロック14と、クランク軸等を収容するクランクケース16と、オイルパン18と、これらの側面を覆いタイミングチェーンを収容するチェンケース19とを備えている。シリンダヘッドブロック12及びチェンケース19の上面の開口部を覆うように、ヘッドカバー20が設けられており、これらシリンダヘッドブロック12、チェンケース19とヘッドカバー20とによって、シリンダヘッド室21が区画形成される。
【0014】
オイルパン18内から不図示のオイルポンプによって吸引されたエンジンオイルは、エンジン10内に形成された油路を通じて圧送され、エンジン10内の各部、例えばカムシャフトジャーナル、クランクジャーナル及びピストンに供給されて、自重によりオイルパン18に戻る。
【0015】
ヘッドカバー20は燃焼室などからの熱が伝達されにくく、且つその外面が外気によって冷却されるので、ヘッドカバー20の内面には、結露を主要因とする凝縮水が生じやすい。このため、ヘッドカバー室21内には、ブローバイガス中に含まれているNOx、HCおよび水分の相互反応により、硝酸水HNO3などの酸性物質が生成しやすい。このような酸性物質を含む不要成分の生成を抑制するために、エンジン10の潤滑経路内、特にシリンダヘッド室21内には、機能性樹脂であるイオン交換樹脂を備えた機能部材30が配置されている。機能部材30は、ヘッドカバー20の内面に密着している。
【0016】
機能部材30における機能性樹脂部材は、[1]エンジンオイルから不要物質を吸着除去する機能と、[2]予め吸蔵されている摩擦緩和剤を放出する機能とを有する。
【0017】
[1]エンジンオイルから不要物質を吸着除去する機能は、例えばアニオン(陰イオン)性イオン交換樹脂によって実現することができ、そのような不要物質は、ブローバイガス中のNOxと水とにより生じ得る硝酸イオン(NO3-)、及び/又は、ブローバイガス中のSOxと水とにより生じ得る硫酸イオン(SO42-)を含む。なお、機能性樹脂部材はエンジン内で生成される他の酸性成分、例えば、ブローバイガスから生じ得る酢酸イオン(CH3COO-)、ギ酸イオン(HCOO-)、クロム酸イオン(CrO42-)を除去できるものであってもよく、その場合にはFFV(Flexible Fuel Vehicle、ガソリンや軽油といった従来の燃料にバイオ燃料などの代替燃料を任意の割合で混合できるいわゆる代替燃料車)において本発明を好適に実現することができる。
【0018】
[2]予め吸蔵されている摩擦緩和剤を放出する機能は、例えばカチオン(陽イオン)性イオン交換樹脂によって実現することができる。カチオン(陽イオン)性イオン交換樹脂は、例えば陽イオンであるCaイオン(Ca2+)などのエンジンオイル中の金属イオンを吸着し、代わりに摩擦緩和剤を放出することができる。なお、機能性樹脂部材は他の陽イオン、例えば、Al3+、Fe2+、Fe3+、Cr3+、Pb2+、Ni2+、Cu2+、Mg2+、Ti+を吸着するものであってもよい。機能性樹脂部材が放出する摩擦緩和剤は、例えばアルキルアミン、ZnDDP(ジチオダイアルカリりん酸亜鉛)、ZnDTP(ジアルキルジチオりん酸亜鉛)、アルキルジチオりん酸、及び/又はモリブデンジチオカルバメートを含むことができる。
【0019】
機能性樹脂としては、イオン交換樹脂を含む有機イオン交換体、無機イオン交換体、キレート樹脂及び合成吸着材を含む各種の樹脂材料から選択された反応体を用いることができる。イオン交換樹脂としては、例えば三菱化学製ダイヤイオン(商標)シリーズ、及び/又はローム・アンド・ハース社製アンバーライト(商標)シリーズの製品を用いることができる。無機イオン交換体としては、例えば東亞合成製IXEA(商標)シリーズの製品を用いることができる。合成吸着材としては、例えば三菱化学製ダイヤイオン(商標)シリーズの製品を用いることができる。任意の複数の材料を混合して用いることができる。アニオン性イオン交換樹脂を用いる場合には、一般に強塩基性のものが耐熱性が高いため特に好適であるが、耐熱性が十分なものであれば弱塩基性のものを用いてもよい。
【0020】
イオン交換樹脂は、ビーズ状、膜状を含む種々の形状を有し得る。イオン交換樹脂は、当該イオン交換樹脂を保持しつつ外部のオイルとの間の物質流通を許容する保持部材に保持されるのが好ましい。この場合に、機能部材30は、保持部材と、これに保持されるイオン交換樹脂とから構成される。保持部材としては、例えばパンチングメタルあるいは金属や樹脂のメッシュを函状に形成してなるケースを用いることができ、ケース内にイオン交換樹脂が収容される。保持部材は発泡体や繊維体などの多孔質材料であってもよい。
【0021】
また、イオン交換樹脂は、それ自体で或いは適宜のバインダ中に分散した形で、基材となる板やフィルムの上に積層されることができ、その場合にはイオン交換樹脂層が積層された基材を、部品に接着その他の方法で固定することができる。さらに、イオン交換樹脂はそれ自体で或いは適宜のバインダ中に分散した形で、部品に直接塗布されることができ、その場合にはイオン交換樹脂層自体が機能部材30となる。
【0022】
ヘッドカバー20内には、バイメタルからなるバッフル板31が片持ち状に固定されている。バッフル板31は、常温では図1中実線で示すように平坦且つ水平に延伸し、その際には機能部材30はその下面30aのみがシリンダブロック12側に露出される。他方、潤滑状態が境界潤滑域になると考えられる高温領域では、バッフル板31は図1中二点鎖線aで示すように上向きに湾曲し、これによって機能部材30の表面のうちの斜面部30bが、シリンダヘッドブロック12内のカムシャフト等から跳ね上がるエンジンオイルに向けて露出される。なおバッフル板31を変位させるための駆動手段として、バイメタルを渦巻状などの他の形態にしてもよく、またバイメタルに代えて他の形状記憶材料を用いてもよい。
【0023】
以上のとおり構成された第1実施形態では、エンジン10の油温が上昇すると、エンジンオイルに曝されたバッフル板31が変形し、潤滑状態が境界潤滑域になると考えられる高温領域では、バッフル板31は図1中二点鎖線aで示すように上向きに湾曲する。これによって機能部材30の表面のうちの斜面部30bが、シリンダヘッドブロック12内のカムシャフト等から跳ね上がるエンジンオイルに向けて露出される。すなわち、エンジンオイルに対する機能部材30の露出面積は、油温が高いほど大きくなる。
【0024】
図2に示されるように、一般に、潤滑油の粘度と速度との積を荷重で除した値が低い領域が、境界潤滑域であると考えられており、この領域において摩擦緩和剤を供給する必要性が高い。この点、本実施形態ではエンジンオイルの粘度が下がる高温時ほど機能部材30に接触する潤滑油の量が多くなるので、境界潤滑域における摩擦緩和剤の供給量は境界潤滑域以外である場合に比べて多くされることになる。
【0025】
以上のとおり、第1実施形態では、機能部材30をヘッドカバー20の下面に配置すると共に、そのエンジンオイルに対する遮蔽状態を可変することが可能なバッフル板31ないし遮蔽手段を設け、かつこのバッフル板31を温度に応じて異なる位置に移動させることによって、潤滑状態が境界潤滑域である場合に、機能部材30に接触する潤滑油の量が、潤滑状態が境界潤滑域以外である場合に比べて多くされる。したがって第1実施形態では、潤滑状態が境界潤滑域以外である場合に、機能部材30から放出される摩擦緩和剤の量が抑制されるので、機能部材30における添加物すなわち摩擦緩和剤の消費を抑制することができる。また、機能部材30がエンジンオイルに露出される機会が減少するので、機能部材30の劣化を遅延させることができる。
【0026】
また本実施形態では、機能部材30がエンジン10のヘッドカバー20の内面に設けられているので、スラッジの発生しやすい部位に機能部材30を配置することによって、スラッジの発生を好適に抑制することができる。
【0027】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態の装置は、潤滑油の潤滑状態が境界潤滑域であるかを判定する潤滑状態判定手段を更に備えており、また、潤滑状態が境界潤滑域であると判定されたときに、接触潤滑油量が制御される。
【0028】
図3において、ヘッドカバー20には、スペーサ131を介してロータリアクチュエータ132が固定されている。ロータリアクチュエータ132としてはステップモータを用いるのが好適である。ロータリアクチュエータ132の出力軸には、機能部材130が固定されている。機能部材130は円柱形であり、図4に示されるように、回転方向に180°の領域が、上記第1実施形態における機能部材30と同様の[1]エンジンオイルから不要物質を吸着除去する機能と[2]予め吸蔵されている摩擦緩和剤を放出する機能とを有する機能性樹脂部材130aで構成され、残余の180°の部分がそのような機能を有しないスペーサ130bによって構成されている。
【0029】
図3に示されるように、クランクケース16にはクランク角センサ133が設置され、オイルパン18には油温センサ134が設置されている。これらクランク角センサ133及び油温センサ134の出力は、電子制御ユニット(ECU)135の入力インターフェイスに接続されている。ECU135の出力インターフェイスにはロータリアクチュエータ132が接続されている。ECU135はCPU、ROM、RAM及び入出力インターフェイスを備えた周知のワンチップマイクロプロセッサとして構成されている。
【0030】
ECU135は、クランク角センサ133及び油温センサ134の出力に基づき、エンジン回転数が所定値以上である場合、及び油温が所定値以上である場合に、エンジンオイルの潤滑状態が境界潤滑域であると判定し、ロータリアクチュエータ132に対して制御出力を行い、機能部材130をそのスペーサ130bのみがエンジンオイルに向けて露出された平常状態から180°回転させて、機能性樹脂部材130aの全体をエンジンオイルに向けて露出させる。
【0031】
以上のとおり構成された第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に、潤滑状態が境界潤滑域である場合に、機能部材130に接触する潤滑油の量が、潤滑状態が境界潤滑域以外である場合に比べて多くされる。その結果、潤滑状態が境界潤滑域以外である場合に、機能部材130から放出される摩擦緩和剤の量が抑制されるので、機能部材130における添加物すなわち摩擦緩和剤の消費を抑制することができる。
【0032】
なお、機能性樹脂部材130aを露出させるための境界潤滑域判定条件として、エンジン回転数が所定値以上であること、及び油温が所定値以上であることのうちの一方のみを用いてもよく、また、エンジン回転数及び油温を入力変数とする2次元座標空間において、境界潤滑域に対応する領域に両入力変数値からなる座標点が属するかによって当該判定を行ってもよい。
【0033】
機能性樹脂部材130aの回転角度は無段階的または多段階的に変化させてもよく、また、180°の反転を繰返し行いながらエンジンオイルへの露出時間をデューティ的に制御することで摩擦緩和剤の時間あたり放出量を無段階的に変化させてもよい。機能性樹脂部材130aの回転方向は1方向でも2方向でもよい。
【0034】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態は、油圧経路中に設定油圧で開弁する圧力制御弁233を、機能性樹脂部材よりも上部に配置し、圧力制御弁233からの潤滑油が機能性樹脂部材に供給されるようにしたものである。
【0035】
図5において、ヘッドカバー20には、水平のバッフル板231が固定され、このバッフル板231の上面に、機能部材230が固定されている。機能部材230の材質は、上記第1実施形態における機能部材30と同様である。バッフル板231は、機能部材230をシリンダヘッドブロック12側からのエンジンオイルから遮蔽する。ヘッドカバー20には、VVTに油圧を供給する油路から分岐した分岐路232が固定され、分岐路232は圧力制御弁233を介してヘッドカバー内部と連通されている。分岐路232から連通するヘッドカバー20の開口部は、機能部材230の上部に配置されている。圧力制御弁233は機械式であって、分岐路232内の油圧が設定された基準圧力を上回った場合に開弁され、その基準圧力は、その油圧のときにエンジン210が必要とする量の摩擦緩和剤が機能部材230によって放出されるように設定される。
【0036】
以上のとおり構成された第3実施形態では、エンジンオイルが高温となり易い高回転時ほど、油圧の上昇によって圧力制御弁233を通過したエンジンオイルが機能部材230に供給される。したがって、潤滑状態が境界潤滑域以外である場合に、機能部材230から放出される摩擦緩和剤の量が抑制されるので、機能部材230における添加物すなわち摩擦緩和剤の消費を抑制することができる。
【0037】
なお、第3実施形態では機械式の圧力制御弁233を用いたが、電子制御式のオイルコントロールバルブを設けても良い。この場合には、エンジン回転数及び/又は油温の各検出値又は推定値に基づいて、高回転時及び/又は高油温時にオイルコントロールバルブを開かせるように制御することによって、潤滑状態が境界潤滑域にある場合にのみエンジンオイルを機能部材230に供給することができる。
【0038】
以上、本発明を上記実施形態に基づいて説明した。しかし、本発明は、それら実施形態に限定されず、他の実施形態を許容する。例えば、本発明は、上記実施形態や変形例の全体的な組み合わせまたは部分的な組み合わせを、矛盾しない範囲において許容する。本発明には、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が含まれるものである。
【符号の説明】
【0039】
10 エンジン
12 シリンダヘッドブロック
14 シリンダブロック
16 クランクケース
18 オイルパン
20 ヘッドカバー
21 シリンダヘッド室
30,130,230 機能部材
135 ECU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関で用いられている潤滑油の劣化を抑制するための潤滑油劣化抑制装置であって、
潤滑油と接触することで摩擦緩和剤を放出する機能性樹脂部材と、
潤滑状態が境界潤滑域である場合に、前記機能性樹脂部材に接触する潤滑油の量を、潤滑状態が境界潤滑域以外である場合に比べて多くする接触潤滑油量制御手段と、を有することを特徴とする潤滑油劣化抑制装置。
【請求項2】
請求項1に記載の潤滑油劣化抑制装置であって、
潤滑油の潤滑状態が境界潤滑域であるかを判定する潤滑状態判定手段を更に備え、
前記潤滑状態判定手段は、潤滑油の温度、及び前記内燃機関の回転数、のうち少なくとも一方に基づいて、潤滑状態が境界潤滑域であると判定することを特徴とする潤滑油劣化抑制装置。
【請求項3】
請求項2に記載の潤滑油劣化抑制装置であって、
前記潤滑状態判定手段は、潤滑油の温度が所定値以上であること、及び前記内燃機関の回転数が所定回転数以下であること、のうち少なくとも一方を条件として、潤滑状態が境界潤滑域であると判定することを特徴とする潤滑油劣化抑制装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の潤滑油劣化抑制装置であって、
前記機能性樹脂部材が前記内燃機関のヘッドカバー内面に設けられていることを特徴とする潤滑油劣化抑制装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−82692(P2012−82692A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−226924(P2010−226924)
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】