説明

内燃機関の燃焼システム

【課題】内燃機関の燃焼室へ燃料および非燃焼流体(例えば水)を噴射する内燃機関において、熱損失低減を促進させて燃費向上を図る。
【解決手段】内燃機関の燃焼室10aへ燃料を直接噴射する燃料噴射弁20と、燃焼室10aへ水(非燃焼流体)を噴射する水噴射弁30(非燃焼流体噴射弁)と、を備え、水を、燃料噴射弁20から噴射された燃料噴霧に衝突させるように噴射させる。これによれば、燃料噴霧の貫徹力が低減され、燃料噴霧がシリンダ壁面10bに到達しにくくなる。そのため、シリンダ壁面10bから離れた位置で燃焼するようにでき、ひいては、シリンダ壁面10bから燃焼熱が奪われる量を低減して燃焼の熱損失を低減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の燃焼室へ燃料および非燃焼流体(例えば水)を噴射する、内燃機関の燃焼システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1〜3には、内燃機関の燃焼室へ、燃料とは別に水(非燃焼流体)を噴射させる技術が提案されている。これによれば、噴射した水が気化膨張してその膨張力がピストンへ付与されるので、排気の温度上昇に用いられる熱損失の一部が水の膨張エネルギとして利用されることとなり、燃費向上を図ることができる。
【0003】
しかしながら、この種の内燃機関は、水の気化膨張力が十分に大きいとは言えず、燃費向上効果が小さいことが普及のネックとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−175078号公報
【特許文献2】特開2009−138661号公報
【特許文献3】特開平8−144771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、内燃機関の燃焼室へ燃料および非燃焼流体を噴射する内燃機関において、熱損失低減を促進させて燃費向上を図った内燃機関の燃焼システム提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
【0007】
請求項1記載の発明では、内燃機関の燃焼室へ燃料を直接噴射する燃料噴射弁と、前記燃焼室へ非燃焼流体を噴射する非燃焼流体噴射弁と、を備え、前記非燃焼流体を、前記燃料噴射弁から噴射された燃料噴霧に衝突させるように噴射させることを特徴とする。
【0008】
ここで、上記発明に反して非燃焼流体を噴射しなければ、図2(a)(b)に例示するように、燃料噴射弁から噴射された燃料噴霧Jaf,Jbfはシリンダ壁面10bに到達し、主にシリンダ壁面10bの近傍で燃料噴霧が燃焼するようになる(図3(a)参照)。その結果、シリンダ壁面10bから燃焼熱が奪われる量が多くなり、燃焼の熱損失が多くなる。
【0009】
この点を鑑みた上記発明では、図2(c)(d)に例示するように、水等の非燃焼流体Jaw,Jbwを燃料噴霧Jaf,Jbfに衝突させるように噴射させるので、燃料噴霧の貫徹力が低減され、燃料噴霧がシリンダ壁面10bに到達しにくくなる。そのため、シリンダ壁面10bから離れた位置で燃焼するようにでき(図3(b)参照)、ひいては、シリンダ壁面10bから燃焼熱が奪われる量を低減して燃焼の熱損失を低減できる。
【0010】
なお、上記発明によれば、噴射した非燃焼流体が気化膨張してその膨張力がピストンへ付与されるので、排気の温度上昇に用いられる熱損失の一部が非燃焼流体の膨張エネルギとして利用されることとなり、燃費向上を図ることができる、といった排熱利用の効果も発揮される。
【0011】
請求項2記載の発明では、前記燃料噴霧の燃焼室壁面方向への速度を減衰させるように、前記非燃焼流体を前記燃料噴霧に衝突させることを特徴とする。
【0012】
これによれば、燃料噴霧の貫徹力のうち燃焼室壁面方向への貫徹力を効果的に低減できるので、燃料噴霧が燃焼室壁面(例えばシリンダ壁面10bまたはピストン頂面16)に到達しにくくなることを促進でき、燃焼の熱損失低減を促進できる。
【0013】
請求項3記載の発明では、前記非燃焼流体を前記燃料噴霧と対向するように噴射して衝突させることを特徴とする。
【0014】
これによれば、衝突による燃料噴霧の貫徹力低減を促進できるので、燃料噴霧がシリンダ壁面10bに到達しにくくなることを促進でき、燃焼の熱損失低減を促進できる。なお、上記「対向」とは、図8中に例示する如く燃料噴霧Jfに非燃焼流体(1)を正面衝突させることに限定されるものではなく、符号(2)(3)に示すように燃料噴霧Jfに対して斜めに衝突させる態様や、符号(4)に示すように直角に衝突させる態様も含む。
【0015】
請求項4記載の発明では、前記非燃焼流体噴射弁から噴射された非燃焼流体の噴霧の中心軸線Cbw(図2および図7参照)と、前記燃料噴霧の中心軸線Cbf(図2および図7参照)とが燃焼室内で交差するように、前記燃料噴射弁および前記非燃焼流体噴射弁を配置したことを特徴とする。
【0016】
これによれば、非燃焼流体の中心軸線Cbw(図2および図7参照)と燃料噴霧の中心軸線Cbf(図2および図7参照)とが燃焼室内で交差するように両噴射弁を配置するので、シリンダ壁面に向けて直進しようとする燃料噴霧が、非燃焼流体と衝突してシリンダ壁面から遠ざかる向きに進むよう偏向されることとなる。よって、燃料噴霧がシリンダ壁面に到達しにくくなることを促進できる。
【0017】
なお、このように偏向させる上記発明では、正面衝突させる発明に比べて貫徹力低減の効果は低くなるものの、燃料噴射弁および非燃焼流体噴射弁の配置レイアウトの自由度を向上できる。
【0018】
請求項5記載の発明では、前記非燃焼流体噴射弁から噴射された非燃焼流体の噴霧の中心軸線と、前記燃料噴霧の中心軸線とが一致するように、前記燃料噴射弁および前記非燃焼流体噴射弁を配置したことを特徴とする。
【0019】
これによれば、非燃焼流体の中心軸線Caw(図2および図7参照)と燃料噴霧の中心軸線Caf(図2および図7参照)とを一致させるので、非燃焼流体を燃料噴霧に正面衝突させることとなる。よって、燃料噴霧の貫徹力低減を促進でき、燃料噴霧がシリンダ壁面に到達しにくくなることを促進できる。
【0020】
請求項6記載の発明では、前記燃料の噴射終了以前に、前記非燃焼流体の噴射を開始させることを特徴とする。
【0021】
ここで、上記発明に反して燃料の噴射終了後に非燃焼流体の噴射を開始させても、シリンダ壁面に未だ到達していない燃料噴霧に対しては非燃焼流体を衝突させることができる。しかし、非燃焼流体と衝突することなくシリンダ壁面に到達する燃料噴霧も多く生じてしまう。これに対し上記発明では、燃料の噴射終了以前に非燃焼流体の噴射を開始させるので、非燃焼流体と衝突することなくシリンダ壁面に到達する燃料噴霧の量を少なくできる。
【0022】
請求項7記載の発明では、前記燃料噴射が燃焼室壁面に到達する前に、前記非燃焼流体の噴射を開始させることを特徴とする。
【0023】
これによれば、燃料噴霧が非燃焼流体と衝突することなくシリンダ壁面に到達してしまう、といった懸念を解消できる。
【0024】
請求項8記載の発明では、前記燃料の噴射開始以前に、前記非燃焼流体の噴射を開始させることを特徴とする。
【0025】
これによれば、非燃焼流体の噴射開始前に噴射された燃料が、非燃焼流体と衝突することなくシリンダ壁面に到達するおそれを低減できる。よって、シリンダ壁面から離れた位置で燃焼させることの確実性を向上できる。
【0026】
請求項9記載の発明では、前記燃料の噴射終了より後に前記非燃焼流体を噴射させることを禁止することを特徴とする。
【0027】
ここで、非燃焼流体を噴射させると、燃料噴霧との衝突による熱損失低減と、非燃焼流体の膨張エネルギによる排熱利用の効果が得られることは先述した通りであるが、その一方で、非燃焼流体の気化潜熱分だけ燃焼エネルギの熱損失となる。したがって、非燃焼流体の噴射量が過剰であると、燃料噴霧との衝突による効果および排熱利用の効果を、気化潜熱による熱損失のデメリットが上回ることが懸念される。この点を鑑みた上記発明では、燃料噴射終了後において、燃料噴霧と衝突しない非燃焼流体が噴射されることを回避できるので、上記懸念の解消を促進できる。
【0028】
請求項10記載の発明では、噴射された非燃焼流体の運動エネルギが、前記燃料噴霧の運動エネルギ以上となるよう、前記非燃焼流体を噴射させることを特徴とする。
【0029】
ここで、仮に、燃料の噴射期間中は非燃焼流体を噴射させるようにしていても、非燃焼流体の噴射圧力が低かったり、非燃焼流体の噴射率(単位時間当たりの噴射量)が低かったりすれば、燃料噴霧の貫徹力を十分に低減させることができず、その結果、非燃焼流体と衝突した燃料噴霧がシリンダ壁面に到達することが懸念される。換言すれば、燃料噴霧の運動エネルギに対して非燃焼流体の運動エネルギが低ければ、燃料噴霧がシリンダ壁面に到達するおそれが高くなる。
【0030】
この点を鑑みた上記発明では、非燃焼流体の運動エネルギが燃料噴霧の運動エネルギ以上となるようにするので、衝突した燃料噴霧がシリンダ壁面に到達するといった上記懸念を抑制できる。
【0031】
請求項11記載の発明では、前記非燃焼流体噴射弁へ供給される非燃焼流体の圧力、および非燃焼流体の噴射期間の少なくとも一方を可変制御することで、噴射された非燃焼流体の運動エネルギが目標値となるよう制御する制御手段を備えることを特徴とする。
【0032】
非燃焼流体の運動エネルギを目標値(例えば燃料噴霧の運動エネルギ)となるようにするには、非燃焼流体噴射弁の噴孔の面積を変更可能に構成すればよいが、このように構成することは非燃焼流体噴射弁の構造が複雑となり、現実的ではない。これに対し、非燃焼流体噴射弁へ供給される非燃焼流体の圧力は、非燃焼流体を圧送するポンプの吐出量を制御する等の手段により容易に変更できる。また、非燃焼流体の噴射期間は、非燃焼流体噴射弁の開弁期間を制御することで容易に変更できる。
【0033】
これらの点を鑑みた上記発明によれば、非燃焼流体の圧力噴射期間の少なくとも一方を可変制御することで非燃焼流体の運動エネルギを制御するので、非燃焼流体の運動エネルギを目標値にすることを容易に実現できる。ちなみに、前記制御手段は、燃料噴射弁へ供給される燃料の圧力および燃料の噴射時間に基づき、燃料噴霧の運動エネルギを推定すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる燃焼システム、及びそのシステムが適用される内燃機関の概略を示す図。
【図2】(a)(b)は、水噴射がない場合における燃料噴霧の形状および分布を示す図、(c)(d)は、第1実施形態において水噴射がある場合における燃料噴霧と水噴霧を示す図。
【図3】水噴射の有無による燃焼位置の違いを説明する図。
【図4】第1実施形態において、燃料噴射制御および水噴射制御の処理手順を示すフローチャート。
【図5】第1実施形態において、図4のサブルーチン処理を示すフローチャート。
【図6】本発明の第2実施形態において、図4のサブルーチン処理を示すフローチャート。
【図7】本発明の第3実施形態にかかる燃焼システムを示す図。
【図8】本発明の他の実施形態において、燃料噴霧と水噴霧の進行方向を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明にかかる「内燃機関の燃焼システム」を具体化した各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。
【0036】
(第1実施形態)
図1(b)は、本実施形態にかかる燃焼システム及びそのシステムが適用される内燃機関の概略を示す図であり、圧縮自着火式の内燃機関10(ディーゼルエンジン)に適用されることを想定している。なお、図中の符号13は吸気弁を示し、符号14は排気弁を示す。
【0037】
内燃機関10のシリンダヘッド11には燃料噴射弁20が取り付けられており、内燃機関10のシリンダブロック12には水噴射弁30(非燃焼流体噴射弁)が取り付けられている。図1(a)は、図1(b)を上方から見た場合における、両噴射弁20,30の位置関係を示す図である。
【0038】
燃料噴射弁20は、シリンダヘッド11の上方から軸方向(図1の上下方向)に挿入配置されており、燃焼室10aの中央に1本配置されている。そして、図示しない燃料タンクに貯蔵されている液体の燃料(例えば軽油)が、燃料ポンプ21によりコモンレール22へ圧送され、コモンレール22に蓄圧された高圧燃料が燃料噴射弁20へ供給される。なお、本実施形態では多気筒の内燃機関10を想定しており、各気筒に備えられた燃料噴射弁20へコモンレール22から高圧燃料が分配される。
【0039】
また、燃料噴射弁20は、噴孔20aを形成するボデーと、ボデー内部に収容されて噴孔20aを開閉する弁体20bと、弁体20bを開閉作動させる電動アクチュエータ20cと、を有して構成されている。電子制御装置(ECU40)から電動アクチュエータ20cへ通電オンの指令信号が出力されると、弁体20bが開弁作動して燃料が噴孔20aから燃焼室10aへ直接噴射される。一方、ECU40から通電オフの指令信号が出力されると、弁体20bが閉弁作動して燃料噴射が停止される。
【0040】
水噴射弁30は、シリンダブロック12の側方から径方向(図1の左右方向)に挿入配置されており、2本の水噴射弁30が対向するように配置されている。そして、図示しない水タンクに貯蔵されている水(非燃焼流体)が、水ポンプ31によりデリバリパイプ32へ圧送され、デリバリパイプ32に蓄圧された高圧水が水噴射弁30へ供給される。各気筒の水噴射弁30へデリバリパイプ32から高圧水が分配される。
【0041】
なお、水噴射弁30へ供給する水は加熱手段(図示せず)により加熱しておくことが望ましい。加熱手段の具体例としては、内燃機関10の排気と熱交換する熱交換器や電気ヒータ等が挙げられる。
【0042】
また、水噴射弁30は、噴孔30aを形成するボデーと、ボデー内部に収容されて噴孔30aを開閉する弁体30bと、弁体30bを開閉作動させる電動アクチュエータ30cと、を有して構成されている。ECU40から電動アクチュエータ30cへ通電オンの指令信号が出力されると、弁体30bが開弁作動して水が噴孔30aから燃焼室10aへ直接噴射される。一方、ECU40から通電オフの指令信号が出力されると、弁体30bが閉弁作動して水噴射が停止される。
【0043】
図2(a)(b)は、水噴射を実施しない場合における、燃料噴射弁20の噴孔20aから噴射された燃料噴霧Jaf,Jbfの形状および分布を示す。なお、(a)は(b)を上方から見た図である。噴孔20aは複数(図2の例では6個)形成されており、複数の燃料噴霧Jaf,Jbfはそれぞれ円錐形状であり、等間隔に配置される。図2(c)(d)は、燃料噴射と水噴射の両方を実施した場合において、水噴射弁30の噴孔30aから噴射された水噴霧Jaw,Jbwおよび燃料噴霧Jaf,Jbfの形状と分布を示す。
【0044】
水噴霧は、燃料噴霧をシリンダ壁面10bから遠ざけるように燃料噴霧に衝突する。より詳細には、燃料噴霧のシリンダ壁面10b方向への速度を減衰させるように衝突する。具体的には、符号Jafに示す燃料噴霧は水噴霧Jawと正面衝突する。換言すれば、燃料噴霧Jafの中心軸線Cafと水噴霧Jawの中心軸線Cafとが一致するように両噴射弁20,30は配置されている。また、符号Jbfに示す燃料噴霧はその側方から水噴霧Jbwが衝突する。換言すれば、燃料噴霧Jbfの中心軸線Cbfと水噴霧Jbwの中心軸線Cbfとが燃焼室10a内で交差するように両噴射弁20,30は配置されている。なお、図2および図3中の網点を付した部分は、燃料噴霧と水噴霧が衝突する位置を示す。
【0045】
ECU40は、CPUやメモリ等から構成されるマイクロコンピュータ、信号入出力回路等を有して構成されており、上述の如く両噴射弁20,30の作動を制御する。具体的には、弁体20b,30bを開弁作動させて噴射を開始させる時期(噴射開始時期ts)、及び開弁時間(噴射期間Tq)を制御する。なお、弁体20b,30bの開弁時間を制御することで、1回の開弁で噴射される量(噴射量Q)を制御する。これらの制御内容については、図4および図5を用いて後に詳述する。
【0046】
さらにECU40は、燃料ポンプ21および水ポンプ31の吐出量を制御することで、コモンレール22内の圧力(燃料の供給圧)およびデリバリパイプ32内の圧力(水の供給圧)を制御する。具体的には、これらのポンプ21,31に、内燃機関10の出力軸により駆動するプランジャポンプを採用した場合、かつ、プランジャに吸入する燃料または水の量を調量弁により制御する場合において、調量弁の作動をECU40が制御することで、ポンプ21,31の吐出量を制御して、燃料供給圧Pfおよび水供給圧Pwを制御(供給圧制御)する。
【0047】
ECU40には、内燃機関10の出力軸の回転速度NEや、アクセルペダル踏込量等の機関要求負荷等の信号が入力される。ECU40は、これらの検出信号に基づき、燃料噴射弁20等の作動を制御して内燃機関10の運転状態を制御する。
【0048】
図4は、ECU40が有するマイクロコンピュータによる燃料噴射制御および水噴射制御の処理手順を示すフローチャートであり、当該処理は、所定周期(例えば先述のCPUが行う演算周期又は所定のクランク角度毎)で繰り返し実行される。なお、この処理を実行している時のECU40は「制御手段」に相当する。
【0049】
先ず、図4に示すステップS10において、内燃機関10の要求負荷および機関回転速度NEを取得する。続くステップS20では、ステップS10で取得した要求負荷及びNEに基づき燃料噴射量Qf、および燃料供給圧Pfの目標値を算出する。
【0050】
例えば、要求負荷及びNEに対する最適な燃料噴射量および噴射開始時期tsfを予め試験により取得しておき、要求負荷及びNEと最適量との関係をマップ等に記憶させておく。そして、当該マップを参照して燃料噴射量Qfおよび噴射開始時期tsfを算出すればよい。なお、高負荷、高NEであるほど燃料噴射量Qfを増大させることが望ましい。
【0051】
ここで、弁体20bの開弁期間(噴射期間Tqf)と噴射量Qfとは相関性が高い。そのため、噴射量Qfに相当する噴射期間Tqfが噴射開始時期tsfから経過した時期を、噴射終了時期tefとする。
【0052】
燃料供給圧Pfについても噴射量Qfの算出と同様にして、マップを参照して算出すればよく、高負荷、高NEであるほど燃料供給圧Pfを高くすることが望ましい。そして、このように算出した燃料供給圧Pfの目標値に基づき、燃料ポンプ21の吐出量をECU40が制御する。
【0053】
続くステップS30では、ステップS20で算出した噴射量Qfが所定値Qth以上であるか否かを判定し、Qf≧Qthと判定されれば(S30:YES)、次のステップS40に進み、図5のサブルーチン処理に基づき算出した水噴射の条件を取得する。そして、次のステップS50において、取得した条件での水噴射となるよう、水噴射弁30の作動を制御する。なお、2つの水噴射弁30の作動は各々同じになるように制御する。さらにステップS50では、ステップS20で算出した燃料の噴射条件Qf,tsf,tefでの燃料噴射となるよう、燃料噴射弁20の作動を制御して燃料噴射させる。
【0054】
一方、Qf<Qthと判定されれば(S30:NO)、ステップS60に進み、ステップS20で算出した燃料の噴射条件Qf,tsf,tefでの燃料噴射となるよう、燃料噴射弁20の作動を制御して燃料噴射を実施し、水噴射は実施しない。
【0055】
図5(a)は、図4のステップS40のサブルーチン処理であり、先ずステップS41において、ステップS20で算出した燃料供給圧Pfの目標値に基づき、水供給圧Pwの目標値を算出する。図中の符号Mは、PfとPwとの関係を示すマップを示しており、予め試験を実施してPfに対するPwの最適値をマップMに記憶させておく。なお、Pfが高くなるほどPwも高くするように設定することが望ましい。なお、本実施形態では、水供給圧Pwが燃料供給圧Pfよりも常時低くなるように制御する。
【0056】
続くステップS42では、燃料噴射弁20から噴射された燃料噴霧の運動エネルギEfを、ステップS20で算出した噴射量Qfおよび燃料供給圧Pfに基づき算出する(Ef=Qf×Pf)。そして、水噴射弁30から噴射された水噴霧の運動エネルギEwの目標値を、燃料噴霧の運動エネルギEfと同じ値に設定する。
【0057】
続くステップS43では、ステップS41で算出した水供給圧PwとステップS42で算出した水噴霧の運動エネルギEwとに基づき、水の噴射量Qwの目標値を算出する。例えば、Ew=Qw×Pwを満たすQwを目標値として算出する。
【0058】
続くステップS44では、水供給圧Pwの目標値と水噴射量Qwの目標値とに基づき、水の噴射期間Tqwを算出する。つまり、噴孔30aの開口面積は一定の値であるため、水供給圧Pwおよび水噴射量Qwが決まれば、水噴射期間Tqwは一義的に決定される。
【0059】
続くステップS45では、燃料の噴射終了時期tefに基づき、水の噴射終了時期tewを算出する。具体的には、tewがtef以前となるように設定する。そして、次のステップS46では、水の噴射終了時期tewおよび水の噴射期間Tqwに基づき、水の噴射開始時期tswを算出する。具体的には、tewからTqwの分だけ前の時期をtswとして設定する。要するに、図5(a)の処理によれば、水噴霧の運動エネルギEwと燃料噴霧の運動エネルギEfとが同一となるように水を噴射することとなる。また、燃料の噴射終了より後に水を噴射させることが禁止される。
【0060】
図5(b)(c)は、図5(a)の処理を実施した場合における、両噴射弁20,30への噴射指令信号の出力を示すタイミングチャートであり、図5(b)(c)の例では、水噴射終了時期tewを燃料噴射終了時期tefと同時期に設定している。さらに図5(b)(c)の例では、Ew=Efとなるように水噴射開始時期tswを設定すると、水噴射開始時期tswが燃料噴射開始時期tsfの前になるよう、水供給圧Pwおよび水噴射弁30の開口面積が設定されている。
【0061】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
【0062】
(1)水噴霧Jaw,Jbwを燃料噴霧Jaf,Jbfに衝突させるように噴射させるので、燃料噴霧の貫徹力が低減され、燃料噴霧がシリンダ壁面10bに到達しにくくなる。そのため、シリンダ壁面10bから離れた位置で燃焼するようにでき(図3(b)参照)、ひいては、シリンダ壁面10bから燃焼熱が奪われる量を低減して燃焼の熱損失を低減できる。
【0063】
(2)燃料噴霧に水を衝突させるので、燃料噴霧が燃焼室10a内で拡散することを促進できる。よって、燃焼室10a内で局所リッチになることを抑制でき、理想的な燃焼状態に近づけることができる。
【0064】
(3)ここで、水噴射弁30を備えていない従来の燃焼システムにおいては、ピストン15の頂面を凹形状に形成するのが一般的であり、これにより、燃料噴霧が凹面に沿って流れて渦(タンブル流)を生じさせ、燃焼室10a内で局所リッチになることの抑制を図っている。これに対し、燃料噴霧に水を衝突させる本実施形態では、先述したように水の衝突により燃料噴霧を燃焼室10a内に拡散させるので、ピストン頂面を凹形状に形成することは不要である。この点を鑑みた本実施形態では、ピストン頂面16を凸形状に形成し、凹形状にすることを廃止している。
【0065】
(4)また、水噴射弁30をシリンダブロック12に配置する本実施形態では、ピストン頂面16が水噴射弁30に緩衝しないようにすべく、ピストン15の上死点位置が制限されてしまい、圧縮比を十分に高くできなくなることが懸念される。この点を鑑みた本実施形態では、ピストン頂面16を凸形状に形成するので、凹形状に形成した場合に比べて、ピストン上死点位置が制限されることによる圧縮比の低減を抑制できる。
【0066】
(5)水噴霧の運動エネルギEwと燃料噴霧の運動エネルギEfとを同じにするので、燃料噴霧をシリンダ壁面10bに到達させないようにするにあたり、水の噴射量を過不足無く噴射することができる。
【0067】
(6)燃焼室10a内に水を噴射するので、噴射した水が気化膨張してその膨張力がピストン15へ付与される。そのため、排気の温度上昇に用いられる熱損失の一部が水の膨張エネルギとして利用されることとなり、燃費を向上できる。
【0068】
(7)ここで、水噴射弁30を備えていない従来の燃料噴射弁20は、シリンダヘッド11の中央に配置されるのが一般的なレイアウトである。この点を鑑みた本実施形態では、燃料噴射弁20をシリンダヘッド11の中央に配置し、水噴射弁30をシリンダブロック12に配置するレイアウトで燃料噴霧に水を衝突させるので、従来の燃料噴射弁20の配置レイアウトを変更させることなく、水噴射弁30を追加するだけで済む。よって、従来の燃焼システムに対するレイアウト変更を少なくして本発明の燃焼システムを容易に実現できる。
【0069】
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、水噴霧の運動エネルギEwと燃料噴霧の運動エネルギEfとを同じにすることを、水噴射期間Tqwと燃料噴射期間Tqfとを同じにすることよりも優先させている。これに対し本実施形態では、Tqw=TqfとすることをEw=Efとすることよりも優先させている。
【0070】
図6(a)は、本実施形態による、図4のステップS40のサブルーチン処理であり、先ずステップS41において、ステップS20で算出した燃料供給圧Pfの目標値に基づき、水供給圧Pwの目標値を算出する。
【0071】
続くステップS47では、ステップS20で算出した燃料の噴射開始時期tsfおよび噴射終了時期tefに基づき、水の噴射開始時期tswおよび噴射終了時期tewを算出する。つまり、図6(b)(c)に示すように、両噴射開始時期tsf,tswが同じ、かつ、両噴射終了時期tef,tewが同じになるように設定する。つまり、燃料噴射期間Tqfと水噴射期間Tqwを一致させる。
【0072】
本実施形態によれば、上記第1実施形態による(1)〜(4)(6)(7)の効果が得られるとともに、以下の効果が得られるようになる。
【0073】
(8)本実施形態に反して燃料を噴射する前に水を噴射させると、燃料を噴射する前に水噴霧が燃料噴射弁20に付着することが懸念される。これに対し本実施形態では、両噴射開始時期tsf,tswを同じにするので、上記懸念を解消できる。
【0074】
(9)本実施形態に反して燃料の噴射終了の後に水を噴射させると、燃料への衝突に用いられない水を噴射させてしまい、その余剰噴射分の水にかかる潜熱の分だけ、熱損失が増大することが懸念される。これに対し本実施形態では、両噴射終了時期tef,tewを同じにするので、上記懸念を解消できる。
【0075】
(10)さらに本実施形態では、運動エネルギEw,Efを算出する処理、およびEw=Efとなるような水噴射期間Tqwを算出する処理を不要にできるので、ECU40の処理負荷を軽減できる。
【0076】
(第3実施形態)
上記第1実施形態では、燃料噴射弁20をシリンダヘッド11の中央に配置して燃焼室10aの上方から燃料を噴射させている。これに対し本実施形態では、図7に示すように、燃料噴射弁20をシリンダブロック12に配置して燃焼室10aの側方(径方向)から燃料を噴射させている。
【0077】
図7(c)(d)は、水噴射を実施しない場合における、燃料噴射弁20の噴孔20aから噴射された燃料噴霧Jaf,Jbfの形状および分布を示す。なお、(a)は(b)を上方から見た図である。噴孔20aは複数(図7の例では3個)形成されており、複数の燃料噴霧Jaf,Jbfはそれぞれ円錐形状であり、同一平面上に並んで位置する。図7(e)(f)は、燃料噴射と水噴射の両方を実施した場合において、水噴射弁30の噴孔30aから噴射された水噴霧Jaw,Jbwおよび燃料噴霧Jaf,Jbfの形状と分布を示す。
【0078】
符号Jafに示す燃料噴霧は水噴霧Jawと正面衝突する。換言すれば、燃料噴霧Jafの中心軸線と水噴霧Jawの中心軸線とが一致するように両噴射弁20,30は配置されている。また、符号Jbfに示す燃料噴霧はその側方から水噴霧Jbwが衝突する。換言すれば、燃料噴霧Jbfの中心軸線と水噴霧Jbwの中心軸線とが燃焼室10a内で交差するように両噴射弁20,30は配置されている。なお、図2および図3中の網点を付した部分は、燃料噴霧と水噴霧が衝突する位置を示す。
【0079】
本実施形態によれば、上記第1実施形態による(1)(2)(5)(6)の効果が得られるとともに、以下の効果が得られるようになる。
【0080】
(3’)先述したように、燃料噴霧に水を衝突させる本実施形態では、先述したように水の衝突により燃料噴霧を燃焼室10a内に拡散させるので、ピストン頂面を凹形状に形成することは不要である。この点を鑑みた本実施形態では、ピストン頂面16を平坦形状に形成し、凹形状にすることを廃止している。
【0081】
(4’)先述したように、水噴射弁30をシリンダブロック12に配置する本実施形態では、ピストン15の上死点位置が制限されてしまい圧縮比を十分に高くできなくなることが懸念される。この点を鑑みた本実施形態では、ピストン頂面16を平坦形状に形成するので、凹形状に形成した場合に比べて、ピストン上死点位置が制限されることによる圧縮比の低減を抑制できる。
【0082】
(7’)本実施形態では、燃料噴射弁20および水噴射弁30をともにシリンダブロック12に配置して、互いの噴射弁の噴孔20a,30aが対向するように配置する。そのため、燃料噴霧と水噴霧とが正面衝突することを促進できる。換言すれば、燃料噴霧の中心軸線と水噴霧の中心軸線とが交差する角度を小さくできる。よって、水を衝突させることによる燃料噴霧の貫徹力低減の効果を向上できる。
【0083】
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、以下のように変更して実施してもよい。また、各実施形態の特徴的構成をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
【0084】
・水噴射弁30の噴孔30aの開口面積を燃料噴射弁20の噴孔20aの開口面積よりも大きく設定するとともに、水供給圧Pwを燃料供給圧Pfよりも低い圧力に設定することが望ましい。これによれば、水噴射期間Tqwが燃料噴射期間Tqfよりも短くなることを回避し、かつ、水噴射弁30の噴孔30aの開口面積を大きくして噴孔30aの加工コスト低減を図りつつ、水噴霧の運動エネルギEwと燃料噴霧の運動エネルギEfとを略同一にすることを実現できる。
【0085】
・上記各実施形態では、噴孔20a,30aが複数形成された燃料噴射弁20および水噴射弁30を採用しているが、噴孔20a,30aが1つである燃料噴射弁20および水噴射弁30を採用してもよい。
【0086】
・上記各実施形態では、水噴射終了時期tewを燃料噴射終了時期tefと一致させているが、本発明の実施にあたり、これら両終了時期tew,tefをずらしてもよい。但し、tewをtefよりも過剰に遅らせることで燃料噴霧に衝突しない水が噴射されてしまうことは、回避させることが望ましい。また、tewをtefよりも過剰に早くすることで水噴霧に衝突しない燃料が噴射されてしまうことは、回避させることが望ましい。
【0087】
・上記第2実施形態では、水噴射開始時期tswを燃料噴射開始時期tsfと一致させているが、本発明の実施にあたり、これら両開始時期tsw,tsfをずらしてもよい。但し、tswをtsfよりも過剰に早くすることで燃料噴霧に衝突しない水が噴射されてしまうことは、回避させることが望ましい。また、tswをtsfよりも過剰に遅くすることで水噴霧に衝突しない燃料が噴射されてしまうことは、回避させることが望ましい。具体的には、tswをtef以前にする。または、燃料噴霧がシリンダ壁面10bに到達する前に水噴射を開始させる。例えば、燃料が噴孔20aからシリンダ壁面10bに到達するまでの所要時間を試験等により予め取得しておき、その所要時間がtsfから経過するよりも前に水噴射を開始させる。
・上記第1実施形態では、水噴霧の運動エネルギEwと燃料噴霧の運動エネルギEfとを略同一に設定しているが、EwがEfよりも大きくなるように設定して、燃料噴霧の貫徹力低減効果を増大させ、燃料噴霧がシリンダ壁面10bに到達しないようにする確実性向上を図ってもよい。
【0088】
・図8中の矢印は、燃料噴霧Jfの進行方向と水噴霧の進行方向との関係を示しており、本発明の実施にあたり、符号(1)に示すように燃料噴霧Jfの進行方向と180度異なる向きに水噴射させて正面衝突させる他にも、符号(2)(3)に示すように燃料噴霧Jfの進行方向に対して鈍角の向きに水噴射させて衝突させてもよいし、符号(4)に示すように直角の向きに水噴射させて衝突させてもよい。これら(1)〜(4)の如く、燃料噴霧Jfに対向して水噴射させれば、燃料噴霧Jfの貫徹力低減を促進できる。
【0089】
・さらに、符号(5)に示すように燃料噴霧Jfの進行方向に対して鋭角の向きに水噴射させて衝突させてもよい。(1)〜(4)の如く衝突させることは勿論のこと、(5)の如く衝突させた場合であっても、燃料噴霧Jfのシリンダ壁面10bに向かう速度成分を減衰できる。
【0090】
・図8の矢印を、噴霧進行方向と運動量を表すベクトルとし、噴霧進行方向をプラスの向きとした場合において、燃料噴霧のベクトルと水噴霧のベクトルの内積が、ゼロまたはマイナス(図8の右側に向かう向き)のベクトルになるよう、水噴射を燃料噴射に衝突させることが望ましい。これによれば、燃料噴霧Jfがシリンダ壁面10bから遠ざけるようにすることを促進できる。
【符号の説明】
【0091】
10…内燃機関、10a…燃焼室、20…燃料噴射弁、30…水噴射弁(非燃焼流体噴射弁)、Caf,Cbf…燃料噴霧の中心軸線、Caw,Cbw…非燃焼流体の噴霧の中心軸線、Ef…燃料噴霧の運動エネルギ、Ew…非燃焼流体の運動エネルギ、Jaf,Jbf…燃料噴霧、Jaw,Jbw…水噴霧。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の燃焼室へ燃料を直接噴射する燃料噴射弁と、
前記燃焼室へ非燃焼流体を噴射する非燃焼流体噴射弁と、
を備え、
前記非燃焼流体を、前記燃料噴射弁から噴射された燃料噴霧に衝突させるように噴射させることを特徴とする内燃機関の燃焼システム。
【請求項2】
前記燃料噴霧の燃焼室壁面方向への速度を減衰させるように、前記非燃焼流体を前記燃料噴霧に衝突させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃焼システム。
【請求項3】
前記非燃焼流体を前記燃料噴霧と対向するように噴射して衝突させることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の燃焼システム。
【請求項4】
前記非燃焼流体噴射弁から噴射された非燃焼流体の噴霧の中心軸線と、前記燃料噴霧の中心軸線とが燃焼室内で交差するように、前記燃料噴射弁および前記非燃焼流体噴射弁を配置したことを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の燃焼システム。
【請求項5】
前記非燃焼流体噴射弁から噴射された非燃焼流体の噴霧の中心軸線と、前記燃料噴霧の中心軸線とが一致するように、前記燃料噴射弁および前記非燃焼流体噴射弁を配置したことを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の燃焼システム。
【請求項6】
前記燃料の噴射終了以前に、前記非燃焼流体の噴射を開始させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の内燃機関の燃焼システム。
【請求項7】
前記燃料噴射が燃焼室壁面に到達する前に、前記非燃焼流体の噴射を開始させることを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の燃焼システム。
【請求項8】
前記燃料の噴射開始以前に、前記非燃焼流体の噴射を開始させることを特徴とする請求項6または7に記載の内燃機関の燃焼システム。
【請求項9】
前記燃料の噴射終了より後に前記非燃焼流体を噴射させることを禁止することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の内燃機関の燃焼システム。
【請求項10】
噴射された非燃焼流体の運動エネルギが、前記燃料噴霧の運動エネルギ以上となるよう、前記非燃焼流体を噴射させることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の内燃機関の燃焼システム。
【請求項11】
前記非燃焼流体噴射弁へ供給される非燃焼流体の圧力、および非燃焼流体の噴射期間の少なくとも一方を可変制御することで、噴射された非燃焼流体の運動エネルギが目標値となるよう制御する制御手段を備えることを特徴とする請求項10に記載の内燃機関の燃焼システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−241656(P2012−241656A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−114389(P2011−114389)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】