説明

内視鏡装置

【課題】撮影した観察対象の被写体を表示する色再現特性を改善して良好な画像を表示することができる内視鏡装置を提供する。
【解決手段】画像表示手段が表示する画像の色の補正値を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された色の補正値に基づいて画像表示手段が表示する画像の色を補正する画像補正手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、観察対象内部の撮像を行う内視鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
工業用内視鏡装置は、観察対象である水道管等の内部の傷や腐食等の観察や検査に使用される。工業用内視鏡装置を用いた検査の方法として、画像表示装置に表示される観察対象である被写体の色の変化によって観察対象の状態を把握することもあり、例えば、腐食箇所を正確な色で表示できることが必要となるため、観察結果として表示される画像の色バラツキが極力無い、すなわち、色再現特性が良いことが求められている。
【0003】
また、工業用内視鏡装置が撮影した画像を表示する画像表示装置は、小型・軽量であることから液晶を利用したカラー液晶表示装置(以下、「LCD:Liquid Crystal Display」という)が広く利用されており、工業用内視鏡の画像表示装置としてLCDを用いた工業用内視鏡システムにおいても、色再現特性が良いことが求められている。
しかし、LCDを製造するにあたっては、バックライトおよび液晶を別々に調整して組み合わせる方法がとられているため、LCDに内蔵されたバックライトの色温度や輝度のバラツキ、およびLCDの発色のバラツキが存在する。また、LCDには、色バランスのバラツキも存在する。
【0004】
このLCDのバラツキや、色バランスのバラツキを調整するため、特許文献1や特許文献2に示すような様々な液晶表示装置の調整方法が開示されている。
【特許文献1】特開平5−241512号公報
【特許文献2】特開2003−58127号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1や特許文献2に示すような様々な液晶表示装置の調整方法は、LCD単体において、バックライトやLCDのバラツキを低減することができ、LCDの使用者の趣向に沿った画像表示をすることができるが、工業用内視鏡装置に接続されたLCDを含む工業用内視鏡システムとしての色再現特性を改善するものではない。
また、工業用内視鏡装置においては、上述のLCDのバラツキ以外にも工業用内視鏡装置を構成する回路や、工業用内視鏡装置の撮像装置に使用されている、例えば、CCD(Charge Coupled Device)等の固体撮像素子のバラツキによっても色再現特性が変わるため、単体で調整されたLCDを接続した工業用内視鏡システムにおいても、その撮影した画像の色再現特性が許容範囲を超える場合があるという問題がある。
【0006】
また、工業用内視鏡システムを複数用いて同じ観察対象の被写体の観察をする場合は、それぞれの工業用内視鏡システム間の色再現特性の差によって、同じ被写体の色の変化を同等に評価することができないという問題がある。
【0007】
しかし、工業用内視鏡システムとしての色再現特性を改善するための方法として、工業用内視鏡装置の回路や固体撮像素子のバラツキを低減することは容易ではないため、比較的調整することが容易なLCDを調整することによって、工業用内視鏡システムとしての色再現特性を改善することが望まれている。
【0008】
本発明は、上記の課題認識に基づいてなされたものであり、内視鏡装置に画像表示手段を接続した内視鏡システムにおいて、撮影した観察対象の被写体を表示する色再現特性を改善して良好な画像を表示することができる内視鏡装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明の内視鏡装置は、交換可能な光学アダプタを介して被写体を撮像する撮像素子を具備する撮像手段と、前記撮像手段が撮像して得られた映像信号に基づいた画像を表示する画像表示手段とを具備した内視鏡装置において、前記画像表示手段が表示する画像の色の補正値を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された色の補正値に基づいて前記画像表示手段が表示する画像の色を補正する画像補正手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の前記記憶手段は、更に、前記画像表示手段が表示する表示の明るさの補正値を記憶し、前記画像補正手段は、前記記憶手段に記憶された明るさの補正値に基づいて前記画像表示手段が表示する表示の明るさを補正する、ことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の前記記憶手段は、前記画像表示手段が表示している画像の色を測定して得られた色毎の1または複数の測定結果に基づいて作成された色の補正値を記憶し、前記画像補正手段は、前記画像表示手段が表示する色毎に、前記記憶手段に記憶している色の補正値を選択し、前記選択した色の補正値に基づいて、前記画像表示手段が表示する画像の色毎に、前記画像表示手段が表示する画像の色を補正する、ことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の前記記憶手段は、前記画像表示手段が表示している表示の明るさを測定して得られた明るさの1または複数の測定結果に基づいて作成された明るさの補正値を記憶し、前記画像補正手段は、前記画像表示手段が表示する画像の明るさ毎に、前記記憶手段に記憶している明るさの補正値を選択し、前記選択した明るさの補正値に基づいて、前記画像表示手段が表示する画像の明るさ毎に、前記画像表示手段が表示する表示の明るさを補正する、ことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の前記記憶手段は、前記画像表示手段が表示している画像を複数の領域に分割して測定して得られた色毎の1または複数の測定結果から、前記光学アダプタの種類に基づいて作成された色の補正値を記憶し、前記画像補正手段は、前記光学アダプタの種類に基づいて、前記記憶手段に記憶している色の補正値を選択する、ことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の前記記憶手段は、前記画像表示手段が表示している画像を複数の領域に分割して測定して得られた明るさの1または複数の測定結果から、前記光学アダプタの種類に基づいて作成された明るさの補正値を記憶し、前記画像補正手段は、前記光学アダプタの種類に基づいて、前記記憶手段に記憶している明るさの補正値を選択する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、内視鏡装置に画像表示手段を接続した内視鏡システムの状態で画像表示手段の色再現特性を調整することによって、撮影した観察対象の被写体を表示する色再現特性を改善した良好な画像を表示することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態による工業用内視鏡システムの概略構成を示したブロック図である。図1において、工業用内視鏡システム1は、撮像ユニット10、内視鏡本体装置20、操作部30、から構成される。図1に示した工業用内視鏡システム1は、先端部に撮像ユニット10が内蔵された柔軟性のある細長いケーブル(以下、柔軟性のある細長いケーブルの部分を「内視鏡ケーブル」という)を、例えば、水道管等に挿入することによって、内視鏡ケーブルの先端部に内蔵された撮像ユニット10が、観察対象の内部にある被写体を撮影するシステムである。撮影された被写体の画像は、内視鏡本体装置20のLCDユニット240に表示される。また、内視鏡本体装置20の記録部250に記録される。工業用内視鏡システム1は、外部のマイク60、操作用パーソナルコンピュータ(PC)40と接続することができ、メモリカード50を脱着することができる。
【0017】
撮像ユニット10は、被写体の撮像手段であるCCD等の固体撮像素子を内蔵した撮影部である。撮像ユニット10は、撮影動作によって撮像素子が結像した被写体像を光電変換し、得られた被写体の画像信号を、内視鏡ケーブルを介して内視鏡本体装置20に出力する。また、撮像ユニット10には、脱着自在な光学アダプタ11が取り付けられる。
なお、本発明においては、撮像ユニット10から出力される画像信号の形式に関しては、規定しない。
【0018】
光学アダプタ11は、被写体を観察する目的に合わせて交換することによって、様々な撮影を行うことができるレンズ等から構成されるレンズアダプタである。この光学アダプタ11には、例えば、1つのレンズで構成された通常の光学アダプタ(図1において撮像ユニット10に取り付けられている光学アダプタ11、および後述する図5における標準光学アダプタ11−1)や、例えば、2つのレンズで構成され、被写体のステレオ撮影をすることができるステレオ光学アダプタ(後述する図5におけるステレオ光学アダプタ11−2)等がある。
なお、本発明においては、撮像ユニット10に装着する光学アダプタ11の種類や装着方法に関しては、規定しない。
【0019】
操作部30は、内視鏡ケーブルを観察対象内部に挿入する際に内視鏡ケーブルの方向の操作、撮像ユニット20による撮影動作の制御や、内視鏡本体装置20の制御をするために、工業用内視鏡システム1の操作者によって操作されるコントローラである。操作部30は、柔軟性のあるケーブルで内視鏡本体装置20に接続され、工業用内視鏡システム1の操作者が、内視鏡本体装置20から離れた場所にいても操作することができるようになっている。
なお、本発明においては、操作部30による操作方法に関しては、規定しない。
【0020】
内視鏡本体装置20は、内視鏡ケーブルを介して入力された画像信号を処理する装置である。内視鏡本体装置20は、内視鏡ユニット210、CCU(カメラコントロールユニット)220、内視鏡制御部230、LCDユニット240、記録部250、スピーカー260、から構成される。
【0021】
内視鏡ユニット210は、内視鏡ケーブルを制御する制御ユニットである。内視鏡ユニット210には、観察時に必要な照明光を内視鏡ケーブルを介して撮像ユニット10に供給する図示しない光源装置や、内視鏡ケーブルを観察対象内部に挿入する際に内視鏡ケーブルの方向を制御する図示しない湾曲制御装置を備えている。
また、内視鏡ユニット210は、撮像ユニット10から出力され、内視鏡ケーブルを介して送られてきた画像信号を、CCU220に伝える。
なお、本発明においては、内視鏡ユニット210の機能に関しては、規定しない。
【0022】
CCU220は、内視鏡ユニット210を介して入力された撮像ユニット10からの画像信号を、例えば、NTSC(National Television System Committee)コンポジット・ビデオ信号等の映像信号に変換して、内視鏡制御部230に出力する映像信号の変換ユニットである。
なお、本発明においては、内視鏡制御部230に出力する映像信号の形式に関しては、規定しない。
【0023】
LCDユニット240は、CCU220から出力され、内視鏡制御部230によって処理された映像信号や、内視鏡本体装置20の操作、制御等の情報を表示する表示装置である。LCDユニット240は、図示しないLCD表示ユニットとバックライトユニットを組み合わせて一体化されている。例えば、LCDユニット240は、ビデオ信号の画像を表示するテレビジョンモニターを使用することもできる。
なお、本発明においては、LCDユニット240に入力する映像信号の形式に関しては、規定しない。
【0024】
記録部250は、内視鏡制御部230によって処理された映像信号を記録する記録装置である。また、記録部250は、記録した映像信号と、撮影した日時や撮像ユニット10の位置、すなわち、内視鏡ケーブルを観察対象内部に挿入する際に操作部30によって操作された内視鏡ケーブルの方向の操作情報等の撮影情報を関連付けて記憶する。また、記録部250に記録されたデータは、内視鏡制御部230のUSBインターフェース235を介して、外部のPC40に出力することもできる。また、内視鏡制御部230のPCカードインターフェース236を介して、メモリカード50に記録することもできる。
なお、本発明においては、記録部250への記録方式に関しては、規定しない。
【0025】
内視鏡制御部230は、工業用内視鏡システム1全体の制御を行う制御部である。内視鏡制御部230は、CPU231、ROM232、RAM233、RS−232Cインターフェース234、USBインターフェース235、PCカードインターフェース236、映像信号処理部237、LCD調整部238、音声信号処理部239、から構成される。
【0026】
CPU231は、工業用内視鏡システム1全体、すなわち、内視鏡本体装置20および内視鏡制御部230内の各ブロックを制御することにより、観察対象の被写体を撮影し、撮影した被写体の画像を記録、表示するための全体を制御する中央処理装置である。また、ROM232には、工業用内視鏡システム1のプロクラムが格納されており、CPU231が、ROM232に格納された工業用内視鏡システム1のプログラムを実行することによって、工業用内視鏡システム1の目的に応じた処理を行う。また、RAM233は、CPU231がプログラムを実行する際のデータ等を一時記憶する作業領域として使用される。
なお、本発明においては、CPU231による処理方法に関しては、規定しない。
【0027】
RS−232Cインターフェース234は、接続されている操作部30、内視鏡ユニット210、CCU220と、CPU231との通信を行うインターフェースブロックである。CPU231からの制御指示内容等は、RS−232Cインターフェース234を介して接続されている各ブロックに送信される。また、接続されている各ブロックからの動作内容等の情報は、RS−232Cインターフェース234を介してCPU231に送信される。
なお、本発明においては、RS−232Cインターフェース234による通信方法に関しては、規定しない。
【0028】
例えば、工業用内視鏡システム1の操作者が操作部30を操作することによって、工業用内視鏡システム1による撮影を行う場合、まず、入力された工業用内視鏡システム1の操作内容(撮影指示)は、RS−232Cインターフェース234を介してCPU231に伝えられる。続いて、伝えられた操作内容(撮影指示)に応じて、観察時に必要な照明光の点灯指示が、CPU231からRS−232Cインターフェース234を介して内視鏡ユニット210に出され、内視鏡ユニット210は、照明光を点灯する。続いて、被写体像の取り込み指示が、CPU231からRS−232Cインターフェース234および内視鏡ユニット210を介して撮像ユニット10に出され、内視鏡ユニット210は、被写体の画像信号を出力する。また、被写体像の取り込み指示が出されたことを示す情報が、CPU231からRS−232Cインターフェース234を介してCCU220に出され、CCU220は、この情報に基づいて、撮像ユニット10からの画像信号を映像信号に変換する。このことによって、内視鏡制御部230は被写体の映像信号を取得し、取得した映像信号を処理することによって、工業用内視鏡システム1の操作者によって指示された撮影動作を行う。
【0029】
USBインターフェース235は、内視鏡制御部230と外部のPC40との通信を行うインターフェースブロックである。工業用内視鏡システム1の操作者によって入力された外部のPC40からの操作内容は、USBインターフェース235を介して内視鏡制御部230、より詳細にはCPU231に入力される。このことによって、操作部30と同様、またはより詳細な操作、例えば、LCDユニット240が表示している被写体像からその被写体の大きさの計測を行う画像処理等、を行うことができる。また、例えば、制御情報等の内視鏡制御部230内で使用される制御データや、工業用内視鏡システム1が撮影した被写体の画像データ等を、USBインターフェース235を介して外部のPC40と入出力することもできる。
また、記録部250に記録されたデータを、USBインターフェース235を介して外部のPC40に出力、または外部のPC40からのデータを、USBインターフェース235を介して記録部250に記録することもできる。このことによって、工業用内視鏡システム1による検査内容を外部のPC40と共有することができる。
なお、本発明においては、USBインターフェース235による通信方法に関しては、規定しない。
【0030】
PCカードインターフェース236は、工業用内視鏡システム1に自由に脱着することができるメモリカード50とのインターフェースブロックである。メモリカード50に記憶されているデータは、PCカードインターフェース236を介して内視鏡制御部230、より詳細にはCPU231に入力される。このことによって、メモリカード50に記憶されている制御情報等の内視鏡制御部230内で使用される制御データや、以前工業用内視鏡システム1によって撮影された被写体の画像データ等を内視鏡制御部230、すなわち工業用内視鏡システム1に入力することができる。また、内視鏡制御部230内で使用されている制御データ等の制御情報や、工業用内視鏡システム1が撮影した被写体の画像データ等をメモリカード50に記憶することもできる。
また、記録部250に記録されたデータを、PCカードインターフェース236を介してメモリカード50に記録、またはメモリカード50に記録されているデータを、PCカードインターフェース236を介して記録部250に記録することもできる。このことによって、工業用内視鏡システム1によって行われた検査内容を、メモリカード50を介して他の検査システムと共有することができる。
なお、本発明においては、PCカードインターフェース236によるメモリカード50の制御方法や、メモリカード50の種類に関しては、規定しない。
【0031】
映像信号処理部237は、LCDユニット240に表示する画像を処理する画像処理部である。映像信号処理部237は、CCU220から入力された映像信号に対して、LCDユニット240に表示するために必要な画像処理を行い、処理後の映像信号をLCD調整部238に出力する。また、CPU231から入力された、工業用内視鏡システム1のメニュー画面等の操作画面や、工業用内視鏡システム1の操作情報等の重ね合わせ画像(以下、「OSD(On−Screen Display)画像」という)をCCU220から入力された映像信号に合成し、LCDユニット240に表示するために必要な画像処理を行って、処理後の映像信号をLCD調整部238に出力することもできる。このことにより、工業用内視鏡システム1の操作者は、工業用内視鏡システム1による観察状況を把握することができる。
また、映像信号処理部237は、LCDユニット240に表示するために必要な画像処理を行った処理後の映像信号を画像データとして出力する。この出力された画像データは、記録部250に記録することもできる。また、USBインターフェース235を介して外部のPC40に出力することもできる。また、PCカードインターフェース236を介してメモリカード50に記録することもできる。
なお、本発明においては、映像信号処理部237による画像の処理方法に関しては、規定しない。
【0032】
LCD調整部238は、LCDユニット240に表示する画像を調整する画像調整部である。LCD調整部238は、USBインターフェース235、またはPCカードインターフェース236を介して入力された、LCDユニット240の表示画像を測定した測定結果に応じて映像信号処理部237から入力された映像信号を調整し、LCDユニット240に出力する。LCD調整部238によるLCDユニット240に出力する映像信号の調整方法に関する詳細な説明については後述する。
【0033】
音声信号処理部239は、音声データの信号処理を行う音声処理部である。音声信号処理部239は、マイク60によって集音された音声信号から音声データを作成するために必要な音声信号処理を行って、音声データを作成する。音声信号処理部239によって作成された音声データは、記録部250に記録する映像信号と関連付けて記録することができる。また、音声信号処理部239によって作成された音声データは、USBインターフェース235を介して、外部のPC40に出力することや、PCカードインターフェース236を介して、メモリカード50に記録することもできる。
また、音声信号処理部239は、音声データを出力するために必要な増幅処理等の処理を行って、その結果をスピーカー260に出力する。このことによって、スピーカー260から音声が出力される。また、音声信号処理部239は、映像信号と関連付けて記録部250に記録している音声データ、USBインターフェース235を介して外部のPC40から入力された音声データ、PCカードインターフェース236を介してメモリカード50から入力された音声データに必要な処理を行って、スピーカー260に出力することもできる。
なお、本発明においては、音声データの形式に関しては、規定しない。
【0034】
次に、本実施形態の工業用内視鏡システム1におけるLCDユニット240の調整方法について説明する。図2は、本実施形態によるLCDユニット240の調整に関する概略構成を示したブロック図である。図2において、LCDユニット240調整の構成は、基準チャート100、LCD測定器70、調整用パーソナルコンピュータ(PC)80、および図1に示した工業用内視鏡システム1から構成される。
【0035】
図2における、LCDユニット240の調整方法は、まず、調整される対象となるLCDユニット240を含む工業用内視鏡システム1の光学アダプタ11を装着した撮像ユニット10が、例えば、明るさと色の基準であるグレーチャートや、色の基準であるカラーチャート等の基準チャート100を撮影し、撮影した基準チャートの映像信号(以下、「基準映像信号」という)をLCDユニット240に表示する。続いて、LCDユニット240が表示している基準映像信号の画像をLCD測定器70で測定し、その測定結果を調整用PC80に転送する。続いて、調整用PC80は、LCD測定器70が測定した測定結果を処理して、工業用内視鏡システム1のLCD調整部238に出力する調整データを作成する。続いて、調整用PC80が作成した調整用データを、LCD調整部238に入力する。続いて、LCD調整部238は、入力された調整用データに基づいて、LCDユニット240に出力する画像データを補正して、LCDユニット240に表示する。LCD調整部238によるLCDユニット240に出力する画像データの補正方法に関する詳細な説明については後述する。
【0036】
上述の基準チャート100の撮影、LCDユニット240の表示画像の測定、調整用データの作成、調整用データに基づいた画像データの補正を、LCDユニット240に表示される画像に対して行う。このことによって、工業用内視鏡システム1の色再現特性を許容範囲内とすることができる。
【0037】
なお、図2には図示していないが、調整用PC80が作成した調整用データのLCD調整部238への入力は、図1で示したUSBインターフェース235を介してCPU231に調整用データを送り、CPU231がLCD調整部238に調整用データを転送することによって行われる。また、調整用PC80を工業用内視鏡システム1に接続せず、調整用PC80で作成した調整用データをメモリカード50に記録し、PCカードインターフェース236を介して作成した調整用データを工業用内視鏡システム1に入力することもできる。
なお、本発明においては、LCDユニット240に表示している画像の測定方法に関しては、規定しない。また、調整用PC80における調整用データの作成方法に関しても、規定しない。
【0038】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態のLCD調整部238によるLCDユニット240の色の調整方法について説明する。図3は、本実施形態によるLCD調整部238aの構成、およびLCDユニット240の調整に関する構成を示したブロック図である。図3において、LCD調整部238aは、A/Dコンバータ2381、EEPROM2382、RGB調整部2383a、バックライト調光制御部2384、R用ルックアップテーブル(LUT)2385、G用ルックアップテーブル(LUT)2386、B用ルックアップテーブル(LUT)2387、から構成される。また、調整対象であるLCDユニット240は、LCD表示ユニット2401、バックライトユニット2402を備えている。また、LCDユニット240が表示している画像を測定するLCD測定器70として、基準カメラ71を用いている。
【0039】
LCD表示ユニット2401は、LCD調整部238aから入力された画像データを表示する液晶パネルユニットである。
LCD表示ユニット2401は、例えば、2枚のガラス板の間に液晶分子を封入し、電圧を印加することによって、封入された液晶分子の方向を変えて画像を表示させる液晶パネルと、このLCD表示ユニット2401が表示する解像度に応じて貼られた赤(R)、緑(G)、青(B)の色に分けられたカラーフィルタと、LCD表示ユニット2401に入力された画像データに応じて液晶分子に印加する電圧を出力する液晶ドライバとから構成される。なお、液晶パネルに封入されている液晶分子自体では発光しないため、このLCD表示ユニット2401の背面に、後述するバックライトユニット2402を配置し、画像データに応じて液晶分子に印加する電圧を制御することによって、バックライトユニット2402の光の透過を制御する。すなわち、LCDユニット240に入力された画像データに応じて液晶パネルに貼られたカラーフィルタの色毎に、バックライトの光の透過を制御することによってカラー画像を表示する。
なお、本発明においては、LCDユニット240に入力された画像データを、液晶パネルに印加する電圧に変換する変換方法や、LCDユニット240の解像度に関しては、規定しない。
【0040】
バックライトユニット2402は、LCD表示ユニット2401の背面に配置され、LCD表示ユニット2401の表示面の全体に均一の光を照射する光拡散ユニットである。
バックライトユニット2402は、例えば、1または複数の発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)と、このLEDの光をLCD表示ユニット2401の表示画面全体に均一に拡散する導光板や拡散板からなる拡散ユニットとから構成される。
なお、本発明においては、発光部(LEDで構成する場合は、白色LEDが好ましい、また、蛍光管を用いることもできる)の形式や、発光部の光をLCD表示ユニット2401の表示面の全体に拡散する方法に関しては、規定しない。
【0041】
調整用PC80は、基準カメラ71で測定したLCDユニット240の画面の中心の範囲に対応する色の測定結果を処理して、LCDユニット240のRの色成分に対応したR用調整データ、Gの色成分に対応したG用調整データ、Bの色成分に対応したB用調整データ(以下、R用調整データ、G用調整データ、B用調整データをまとめて示すときには「RGB調整データ」という)を作成し、LCD調整部238aに入力する。
EEPROM2382は、調整用PC80から入力されたRGB調整データを記憶する。
【0042】
A/Dコンバータ2381は、映像信号処理部237から入力された、基準映像信号をアナログ・デジタル変換し、LCDユニット240に表示するR、G、B、の色成分毎の画像データを、それぞれ対応したルックアップテーブルに出力する。すなわち、基準映像信号のRに対応する画像データ(R画像データ)をR用LUT2385に、Gに対応する画像データ(G画像データ)をG用LUT2386に、Bに対応する画像データ(B画像データ)をB用LUT2387に、それぞれ出力する。
【0043】
RGB調整部2383aは、EEPROM2382に記憶されているRGB調整データから、LCDユニット240のそれぞれの色成分毎の調整データを読み出し、それぞれ対応したルックアップテーブルに記録する。すなわち、R用調整データをR用LUT2385に、G用調整データをG用LUT2386に、B用調整データをB用LUT2387に、それぞれ記録する。
【0044】
R用LUT2385は、A/Dコンバータ2381から入力されたR画像データを、記録されたR用調整データに従って補正し、補正した画像データをLCDユニット240に出力する。
図4は、R用LUT2385に記憶されているR用調整データの一例を示した図である。図4において、A/Dコンバータ2381からR画像データが入力されると、入力されたR画像データの値(入力値)に対応した出力値の値が補正後のR画像データの値(出力値)としてLCDユニット240に出力される。このことにより、LCDユニット240は、入力された補正後のR画像データの値に応じた画像を表示する
【0045】
G用LUT2386、B用LUT2387もR用LUT2385と同様であるが、それぞれ対応する色成分が異なる。すなわち、G用LUT2386にはG画像データを入力し、補正後のG画像データが出力される。また、B用LUT2387にはB画像データを入力し、補正後のB画像データが出力される。
このことにより、補正後のG画像データの値、補正後のB画像データの値に応じた画像をLCDユニット240が表示する。
【0046】
バックライト調光制御部2384は、LCDユニット240内のバックライトユニット2402の発光を調整する制御部である。このバックライト調光制御部2384に関する詳細な説明については後述する。
【0047】
上記に述べたとおり、本発明の第1の実施形態によれば、映像信号処理部237から入力された映像信号を、RGB調整データに従ってR、G、Bの色成分毎に補正することによってLCDユニット240に表示する画像の色、すなわち、色再現特性を調整することができる。
【0048】
また、RGB調整データの値を変更することにより、色再現特性以外にも映像信号のレベルを変換することもできる。例えば、映像信号のレベル、すなわち画像データの値が小さい場合には、RGB調整データの出力値を大きな値とすることによって、LCDユニット240に表示される画像のレベルを大きくし、映像信号のレベルが低いことにより観察が困難であった被写体の観察を行うことができる。また、例えば、映像信号のレベル、すなわち画像データの値が大きすぎるような場合には、RGB調整データの出力値を小さな値とすることによって、LCDユニット240に表示される画像のレベルを小さくし、映像信号のレベルが高いことにより観察が困難であった被写体の観察を行うことができる。
【0049】
次に、本発明の第1の実施形態のLCD調整部238によるLCDユニット240の明るさの調整方法について説明する。図5は、本実施形態によるLCD調整部238aの構成、およびLCDユニット240の調整に関する構成を示したブロック図である。図5においては、LCDユニット240が表示している画像を測定するLCD測定器70として、図3に示した基準カメラ71が、色彩輝度計72に変更されている。また、図5において、LCD調整部238a、調整対象であるLCDユニット240は、図3に示したLCDユニット240の色の調整方法と同様である。
【0050】
調整用PC80は、色彩輝度計72で測定したLCDユニット240の画面の中心の範囲に対応する明るさの測定結果を処理して、LCDユニット240のバックライトユニット2402に対応したバックライト調整データを作成し、LCD調整部238aに入力する。
EEPROM2382は、調整用PC80から入力されたバックライト調整データを記憶する。
【0051】
バックライト調光制御部2384は、EEPROM2382に記憶されているバックライト調整データからLCDユニット240のバックライトを調整するための調整データを読み出し、バックライトの調整値をバックライトユニット2402に出力する。
図6は、EEPROM2382に記憶されているバックライト調整データの一例を示した図である。図6は、EEPROM2382に記憶されたバックライトの調整値に応じて、バックライトユニット2402内のLEDに入力する信号のデューティー比(信号の“H”レベル幅と、“L”レベル幅の比)を変更する一例を示している。
バックライト調光制御部2384は、入力された図6に示すようなバックライト調整データに応じた信号をバックライトユニット2402に出力する。このことにより、バックライトユニット2402内のLEDの明るさを変更することができる。
【0052】
上記に述べたとおり、本発明の第1の実施形態によれば、バックライトユニット2402内の光源の色温度や色温度バラツキを、バックライト調整データに従って補正することによってLCDユニット240に表示する画像の明るさを調整することができる。
【0053】
<第2実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態のLCD調整部238によるLCDユニット240の色の調整方法について説明する。図7は、本実施形態によるLCD調整部238bの構成、およびLCDユニット240の調整に関する構成を示したブロック図である。図7において、LCD調整部238bは、A/Dコンバータ2381、EEPROM2382、LCD調整部238b、バックライト調光制御部2384、R用ルックアップテーブル(LUT)2385、G用ルックアップテーブル(LUT)2386、B用ルックアップテーブル(LUT)2387、から構成される。
【0054】
図7において、LCD調整部238bは、図3および図5に示したRGB調整部2383aが、RGB調整部2383bに変更されている。また、LCD調整部238bは、光学アダプタ11が変更される場合に対応している。
なお、LCD調整部238b内のA/Dコンバータ2381、EEPROM2382、バックライト調光制御部2384、R用ルックアップテーブル(LUT)2385、G用ルックアップテーブル(LUT)2386、B用ルックアップテーブル(LUT)2387は、図3および図5に示した第1実施形態のLCD調整部238aの対応するブロックと同じ動作を行う。また、調整対象であるLCDユニット240、画像を測定する基準カメラ71、基準カメラ71が撮影したLCDユニット240の測定結果を処理する調整用PC80の構成も図3および図5に示した構成と同様である。
【0055】
本第2の実施形態においては、ステレオ光学アダプタ11−2が装着された場合について説明する。ステレオ光学アダプタ11−2は、被写体のステレオ撮影をする、すなわち、1回の撮影において角度を変えて撮影することにより立体的な観察を行うことができる光学アダプタである。撮像ユニット10は、装着された光学アダプタが、光学アダプタ11−2であることを示す識別信号をLCD調整部238bに出力する。
図8は、ステレオ光学アダプタ11−2によって撮影された画像を表示したLCDユニット240の表示画面の一例を示した図である。図8において、工業用内視鏡システム1の撮像ユニット10にステレオ光学アダプタ11−2を装着することによって、LCDユニット240の表示画面は、被写体表示範囲1、被写体表示範囲2、遮光範囲に分割されて表示される。
【0056】
調整用PC80は、基準カメラ71で測定したLCDユニット240の画面の被写体表示範囲1と被写体表示範囲2との領域に対応する色の測定結果を処理して、LCDユニット240のRの色成分に対応したR用調整データ、Gの色成分に対応したG用調整データ、Bの色成分に対応したB用調整データを作成し、LCD調整部238bに入力する。
例えば、LCDユニット240の画面の被写体表示範囲1と被写体表示範囲2のそれぞれの画面の中心の範囲に対応する測定結果を抽出し、抽出した測定結果の平均値を求め、この平均値を処理して調整用データを作成する。
【0057】
LCD調整部238bは、EEPROM2382に記憶されているRGB調整データから、撮像ユニット10から入力された装着された光学アダプタの種類を示す識別信号に応じたLCDユニット240のそれぞれの色成分毎の調整データを読み出し、それぞれ対応したルックアップテーブルに記録する。
このことによって、装着された光学アダプタに対応したそれぞれの画像データに従った補正をすることができ、補正した画像データをLCDユニット240に出力することができる。
【0058】
上記に述べたとおり、本発明の第2の実施形態によれば、光学アダプタによって変更される被写体表示範囲に対応して、映像信号処理部237から入力された映像信号を、RGB調整データに従ってR、G、Bの色成分毎に補正することができる。このことによって、光学アダプタによって変更される被写体表示範囲に対応したLCDユニット240が表示する画像の色、すなわち、色再現特性を調整することができる。
【0059】
また、LCDユニット240の明るさの調整は、調整用PC80が、色彩輝度計72で測定したLCDユニット240の画面の被写体表示範囲1と被写体表示範囲2との領域に対応する明るさの測定結果を処理して、LCDユニット240のバックライトユニット2402に対応したバックライト調整データを作成することによって、第1の実施形態の明るさの調整と同様に、本第2の実施形態においてもLCDユニット240に表示する画像の明るさを調整することができる。
例えば、LCDユニット240の画面の被写体表示範囲1と被写体表示範囲2のそれぞれの画面の中心の範囲に対応する測定結果を抽出し、抽出した測定結果の平均値を求め、この平均値を処理して調整用データを作成する。
【0060】
また、撮像ユニット10に装着する光学アダプタの種類に応じて変更されるLCDユニット240の画面に対応して、調整用PC80が、LCD測定器70が測定した測定結果を用いる範囲を変更することによって、装着された光学アダプタに応じたLCDユニット240の画面の調整を行うことができる。例えば、標準光学アダプタ11−1が装着されている場合は、LCDユニット240の画面の中心の範囲に対応する測定結果を用いて調整データを作成することができる。また、例えば、広角タイプの光学アダプタの場合は、抽出する測定結果の範囲を、LCDユニット240の画面の中心から広い範囲とし、望遠タイプの光学アダプタの場合は、抽出する測定結果の範囲を、LCDユニット240の画面の中心の範囲の狭い範囲とすることによって、様々な光学アダプタに対応することがでいる。
【0061】
上記に述べたとおり、本発明を実施するための最良の形態によれば、工業用内視鏡システムで撮影した観察対象の被写体を表示する色再現特性や画像の明るさを改善して良好な画像を表示することができる。
このことによって、工業用内視鏡装置を用いた検査の信頼性を向上することができる。また、複数の工業用内視鏡システム間の色再現特性を同等にすることができるので、複数の工業用内視鏡システム間の色再現特性のバラツキを低減し、複数の工業用内視鏡システムによって観察された被検体の色の変化を同等に評価することができる。
【0062】
なお、本実施形態においては、LCDユニット240の色の調整を行うための各色用のルックアップテーブルを、R用LUT2385、G用LUT2386、B用LUT2387、として説明を行ったが、このR、G、Bによる調整に限定せず、様々な色識別のルックアップテーブルを用いて対応することができる。例えば、工業用内視鏡システム1に備えるLCDユニット240に入力する画像データの種類、例えば、Y、Cr、Cbというような輝度と色差信号や、YUV、その他に対応した調整をすることもきる。
【0063】
また、本実施形態においては、LEDに入力する信号のデューティー比、すなわち、LEDのピーク電流の大きさを変化させずに、ピーク電流となる時間の幅を変更するいわゆる、PWM制御によってLEDの明るさを変更する例について説明したが、バックライトユニット2402内の光源に応じた明るさの制御方法、およびEEPROM2382に記憶するバックライト調整データの内容に関しては、規定しない。例えば、LEDに供給する電流値の大きさによってLEDの明るさを制御することもできる。ただし、LEDに供給する電流値の大きさによってLEDの明るさを制御する場合は、バックライトユニット2402の色温度も変化するため、本実施形態のルックアップテーブルを用いた色の調整と併せて実施することによって実現することができる。
【0064】
また、本実施形態においては、LCD測定器70が測定した測定結果を用いる範囲は、被写体表示範囲毎に1つの領域であったが、この測定結果を用いる範囲の個数に関しては、規定しない。例えば、同じ被写体表示範囲の測定結果を複数の領域に分割し、また、分割した領域に重み付けをすることによって、その重み付けに対応した調整データを作成することもできる。
また、ステレオ光学アダプタ11−2が撮像ユニット10に装着された場合においては、2つの被写体表示範囲の測定結果の平均値を用いた例を説明したが、例えば、上記の重み付けの後に、更に2つの被写体表示範囲間での重み付け、例えば、被写体の正面を表示する被写体表示範囲の重み付けを上げる等の処理を行って調整データを作成することもできる。
【0065】
また、本実施形態においては、調整データを記憶するメモリは、EEPROM2382である例を説明したが、調整データを記憶するメモリに関しては限定しない。例えば、バッテリバックアップメモリ、フラッシュメモリなどの、いわゆる不揮発性メモリを使用することもできる。
また、EEPROM2382は、LCD調整部238aまたは、LCD調整部238bの中に備える例で説明したが、調整データを記憶するメモリを備える場所に関しては規定せず、工業用内視鏡システム1内の他のメモリと共有することもできる。例えば、ROM232をEEPROMで実現し、このEEPROM記録領域の内、工業用内視鏡システム1のプログラムを格納した余りの領域に調整データを記録することもできる。また、この場合、LCDユニット240の調整途中では、RAM233を用いてLCDユニット240の表示の調整を行い、確定された調整データをRAM233からEEPROMの余りの領域に記憶することもできる。
【0066】
以上、本発明の実施形態について、図面を参照して説明してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲においての種々の変更も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施形態による工業用内視鏡システムの概略構成を示したブロック図である。
【図2】本実施形態の工業用内視鏡システムに具備されたLCDユニットを調整する概略構成を示したブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態におけるLCDユニットの色の調整に関する構成を示したブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態におけるLCDユニットのR用調整データの一例を示した図である。
【図5】本発明の第1の実施形態におけるLCDユニットの明るさの調整に関する構成を示したブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施形態におけるLCDユニットのバックライト調整データの一例を示した図である。
【図7】本発明の第2の実施形態におけるLCDユニットの色の調整に関する構成を示したブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施形態においてステレオ光学アダプタを用いた場合のLCDユニットの表示画面の一例を示した図である。
【符号の説明】
【0068】
1・・・工業用内視鏡システム、10・・・撮像ユニット(撮像手段)、11・・・光学アダプタ、11−1・・・標準光学アダプタ、11−2・・・ステレオ光学アダプタ、20・・・内視鏡本体装置、210・・・内視鏡ユニット、220・・・CCU、230・・・内視鏡制御部、231・・・CPU、232・・・ROM、233・・・RAM、234・・・RS−232Cインターフェース、235・・・USBインターフェース、236・・・PCカードインターフェース、237・・・映像信号処理部、238,238a,238b・・・LCD調整部、2381・・・A/Dコンバータ、2382・・・EEPROM(記憶手段)、2383a,2383b・・・RGB調整部(画像補正手段)、2384・・・バックライト調光制御部(画像補正手段)、2385・・・R用LUT(画像補正手段)、2386・・・G用LUT(画像補正手段)、2387・・・B用LUT(画像補正手段)、239・・・音声信号処理部、240・・・LCDユニット(画像表示手段)、2401・・・LCD表示ユニット、2402・・・バックライトユニット、250・・・記録部、260・・・スピーカー、30・・・操作部、40・・・操作用PC、50・・・メモリカード、60・・・マイク、70・・・LCD測定器、71・・・基準カメラ、72・・・色彩輝度計、80・・・調整用PC、100・・・基準チャート、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交換可能な光学アダプタを介して被写体を撮像する撮像素子を具備する撮像手段と、前記撮像手段が撮像して得られた映像信号に基づいた画像を表示する画像表示手段とを具備した内視鏡装置において、
前記画像表示手段が表示する画像の色の補正値を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された色の補正値に基づいて前記画像表示手段が表示する画像の色を補正する画像補正手段と、
を備えることを特徴とする内視鏡装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、更に、
前記画像表示手段が表示する表示の明るさの補正値を記憶し、
前記画像補正手段は、
前記記憶手段に記憶された明るさの補正値に基づいて前記画像表示手段が表示する表示の明るさを補正する、
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、
前記画像表示手段が表示している画像の色を測定して得られた色毎の1または複数の測定結果に基づいて作成された色の補正値を記憶し、
前記画像補正手段は、
前記画像表示手段が表示する色毎に、前記記憶手段に記憶している色の補正値を選択し、前記選択した色の補正値に基づいて、前記画像表示手段が表示する画像の色毎に、前記画像表示手段が表示する画像の色を補正する、
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、
前記画像表示手段が表示している表示の明るさを測定して得られた明るさの1または複数の測定結果に基づいて作成された明るさの補正値を記憶し、
前記画像補正手段は、
前記画像表示手段が表示する画像の明るさ毎に、前記記憶手段に記憶している明るさの補正値を選択し、前記選択した明るさの補正値に基づいて、前記画像表示手段が表示する画像の明るさ毎に、前記画像表示手段が表示する表示の明るさを補正する、
ことを特徴とする請求項2に記載の内視鏡装置。
【請求項5】
前記記憶手段は、
前記画像表示手段が表示している画像を複数の領域に分割して測定して得られた色毎の1または複数の測定結果から、前記光学アダプタの種類に基づいて作成された色の補正値を記憶し、
前記画像補正手段は、
前記光学アダプタの種類に基づいて、前記記憶手段に記憶している色の補正値を選択する、
ことを特徴とする請求項3に記載の内視鏡装置。
【請求項6】
前記記憶手段は、
前記画像表示手段が表示している画像を複数の領域に分割して測定して得られた明るさの1または複数の測定結果から、前記光学アダプタの種類に基づいて作成された明るさの補正値を記憶し、
前記画像補正手段は、
前記光学アダプタの種類に基づいて、前記記憶手段に記憶している明るさの補正値を選択する、
ことを特徴とする請求項4に記載の内視鏡装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−145474(P2010−145474A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−319499(P2008−319499)
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】