説明

内部ギャラリとプロファイルされたピストンピンとを有する、リン酸塩処理されかつブッシングレスのピストン・コネクティングロッドアセンブリ

本発明は、ピストン/コネクティングロッド旋回点の摩耗を改良しかつピンボアの変形を減じるために内燃機関のためのコネクティングロッド及びピストンピンアセンブリに関する。これに関して、アセンブリは、ピンボアを有するピストンと、ピストンピンボアと整合されるように適合されたボアを有するコネクティングロッドと、個々のボアに係合することによってピンとコネクティングロッドとを結合するピストンピンとを有している。コネクティングロッドは、ボアと末端部との間の内部ギャラリを有している。ピストンピンは、中央部分よりも遠位端部においてより大きな直径を有する実質的に円形の横断面を有するプロファイルされた外周面を有している。コネクティングロッドボアとプロファイルされたピストンピンとの間の運動を容易にするために、ピン又は、コネクティングロッドの一方の端部が、2〜8μmの厚さを有するリン酸塩処理されたコーティングを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連する出願とのクロスリファレンス
本願は、“Piston and Connecting Rod Assembly having Phosphatized Bushingless Connecting Rod and Profiled Piston Pin”という名称の2003年6月26日に出願された米国特許連続番号第10/607174号明細書の一部継続出願である。
【0002】
発明の背景
1.発明の分野
本発明は、概して内燃機関のためのピストン及びコネクティングロッドアセンブリに関し、特に、ピストン/コネクティングロッド旋回点の摩耗を改良しかつピンボアの変形を減じるために、プロファイルされたピストンピンと共に使用するための、内部ギャラリ及びリン酸塩処理されたコーティングを有するブッシングレススモールエンドコネクティングロッドを有するこのようなアセンブリに関する。
【0003】
2.関連する技術の説明
関連技術において知られた内燃機関は概して、他の基本的コンポーネントの中で、1つ又は2つ以上のシリンダを有するエンジンブロックと、エンジンブロックに関連したシリンダヘッドと、各シリンダにおいて往復運動するように支持されたピストンとを有している。ピストンは概して、クラウンと、ピストンのボディの下半分を形成するようにクラウンから垂下したスカートとを有するボディを有している。スカートにはピンボアが形成されている。ピンボアは、コネクティングロッドの一端における同様のボアに対応している。ピストンをコネクティングロッドに取り付けるためにピンは対応するボアに貫通させられる。ピストンピンボアを有するコネクティングロッドの端部は一般的に“ピン端部”又は“スモールエンド”と呼ばれている。コネクティングロッドの他方の端部は特定の位置においてクランクシャフトに取り付けられている。コネクティングロッドのこの端部は一般的に“クランク端部”又は“ラージエンド”と呼ばれている。
【0004】
一般的に、ピストンを往復運動させるためにシリンダ内で燃料が燃焼させられる。ピストンはコネクティングロッドを駆動し、コネクティングロッドはクランクシャフトを駆動し、クランクシャフトをエンジンブロック内で回転させる。特に、シリンダ内の燃焼圧力はピストンを実質的に線形動作で下方へ駆動する。ピストンとコネクティングロッドとの間の移動に焦点をおくと、“上死点”という用語は、シリンダに対する往復行程の最も上側の点におけるピストンの位置を表し、ピストンが完全停止又はゼロ速度になる点である。これに対応して、“下死点”という用語は、シリンダに対する往復行程の最も下側の点におけるピストンの位置を表し、ピストンが完全停止又はゼロ速度になる点でもある。パワーストロークにおいて上死点から下死点へのピストンの移動の間、コネクティングロッドの角度は、一般的に“メジャースラスト側”と呼ばれるピストンの側に力成分を生ぜしめる。他方では、下死点から上死点への戻り運動の間、一般的に“マイナースラスト側”と呼ばれるピストンの側に力成分が生じる。燃料がシリンダ内で燃焼させられると、ピストンの往復するパワーストローク及び戻り運動がコネクティングロッドのスモールエンドを実質的に線形であるが僅かに回転運動で駆動する。これに対して、コネクティングロッドのラージエンドはクランクシャフトに取り付けられており、これは、コネクティングロッドのラージエンドを実質的に回転運動で駆動する。
【0005】
コネクティングロッドの組み合わされた線形及び回転運動は、ラージエンド及びスモールエンドの旋回点において高いレベルの応力を生ぜしめる。2つの旋回点の間において、スモールエンド旋回点は最も大きな応力を受け、上死点から下死点へさらにそこから戻るサイクルの間ピストンピン及びピストンスカートに対するコネクティングロッドの角運動を容易にするように適合されている。この旋回点に集中した、高負荷、温度、ガス圧、及び慣性力の組合せは、コネクティングロッドのスモールエンドが、強度、摩耗、熱応力、及び潤滑に関する高められた特性を保持することを要求する。
【0006】
この旋回点に生ぜしめられる応力は、ピストンピン、ピストンピンボア、及びコネクティングロッドのスモールエンドを変形させることがある。この変形の結果、ピンボアとコネクティングロッドスモールエンドとの間の旋回点は、スカッフィング及び摩耗し始める。この領域におけるスカッフィングは、旋回点の破壊及びエンジンの故障を生じる場合がある。
【0007】
この旋回点に加えられる高い負荷に耐えるために、及び摩擦を低減し、滑らかな角運動を促進するために、コネクティングロッドのスモールエンドのボアとピストンピンとの間に一般的に青銅ブッシングが使用される。ブッシングは、この旋回点において、摩擦を低減し、滑らかな角運動を促進し、これにより、変形を低減する。しかしながら、ブッシングはこの旋回点に重量を加え、製造及び組立てにおいて付加的な工程を要求し、これらはいずれも概して望ましくない。
【0008】
保護的及び/又は摩擦減衰コーティングを提供することによってアセンブリから青銅ブッシングを排除する試みが技術上行われてきた。例えば、1992年10月27日にYashchenko他に発行された米国特許第5158695号明細書は、慣用の青銅ブッシングの代わりに使用される、銅、亜鉛、すず、及びダイアモンド粉末から成る材料を開示している。しかしながら、’695特許に開示された材料は、コネクティングロッドではなくピストンピン及びピストンスカートに提供される。さらに、ブッシングが使用されない場合、概してディーゼルエンジン又はプロファイルされていないピストンピンとの使用に制限される。
【0009】
さらに、2003年5月6日にHeart他に発行された米国特許第6557457号明細書は、ブッシングレスピストン・コネクティングロッドアセンブリと、製造方法とを開示しており、この製造方法において、ピストンピンと、ピストンピンボアと、コネクティングロッドピンボアとの間の滑り面のうちの少なくとも1つが、リン酸塩処理されたコーティングを受け取る。しかしながら、Heartの’457特許は、プロファイルされていないピストンピンと使用するための、約8〜15μmの厚さを有する、リン酸塩処理されたコーティングを開示している。エンジンの初期運転(ブレークインピリオド)の間、厚さが8〜15μmのリン酸塩処理されたコーティングの一部は摩耗されることがある。この摩耗は、内燃機関の運転中の、この接触点における公差を増大する。さらに、摩耗されたコーティングは、エンジンの燃焼室内を循環し、損傷を生じる。
【0010】
さらに、摩耗されたコーティングは、許容された公差を超過する不規則な接触面積を生ぜしめることがあり、このことは、エンジン損傷をも生じる。この接触領域における許容された公差を増大することを回避するために、リン酸塩処理されたコーティングされるコンポーネント表面は、8〜15μmコーティング厚さをよりよく収容するようにホーニングされることができる。しかしながら、製造工程において別の工程を有することに加え、コンポーネントをホーニングすることは、コンポーネントの構造的な一体性を減じ、このことは最終的に早期故障につながるおそれがある。
【0011】
したがって、関連技術において知られたタイプのピストン及びコネクティングロッドは、概して意図された目的のために働いてきたが、これらのピストン及びコネクティングロッドは、内燃機関の重量を減じながら旋回点に関する滑らかな角運動を容易にすることに関する欠点を有する。その結果、概してピストンピンとコネクティングロッドのスモールエンドとの間の境界面を改良することが技術上現在必要とされている。特に、ピストン/コネクティングロッドアセンブリの強度及び許容できる製品寿命を維持しながら、重量及び流れ製造工程を減じることが現在必要とされている。したがって、依然として良好な摩擦及び摩耗特性を維持するこのアセンブリの前の世代よりも軽くかつ強い改良されたピストンピン及びコネクティングロッドアセンブリが技術上必要とされ続けている。
【0012】
発明の概要
本発明は、内燃機関において使用するためのブッシングレススモールエンドコネクティングロッドのための技術上の必要性を概して満たす、ピストンピン・コネクティングロッドアセンブリにおける関連技術における欠点を克服する。これに関して、本発明のピストンピン・コネクティングロッドアセンブリは、内燃機関のシリンダ内において往復運動するように適合されたピストンを有している。ピストンは、ピンボアを有するボディを有している。アセンブリはさらに、ピストンの往復運動をクランクシャフトの回転運動に変換するために、ピストンとクランクシャフトとを結合するように適合されたコネクティングロッドを有する。コネクティングロッドは、第1及び第2の端部を有しており、少なくとも一方の端部は、貫通したボアを有しておりかつ、ピストンのピンボアと整合するように適合されている。アセンブリは、ピストンの整合したピンボアと、コネクティングロッドの端部を貫通したボアとに受容されるように適合されたピンをも有している。ピンは、1対の遠位端部と、これらの遠位端部の間に形成された中央部分と、中央部分よりも遠位端部においてより大きな直径を備えた実質的に円形断面のプロファイルされた外周とを有している。コネクティングロッドの端部は、ピストンピンボアと整合されており、コネクティングロッドを貫通したボアと、プロファイルされたピストンピンの外周との間の相対的な角運動を容易にするように適合された、2〜8μmの厚さを有する、リン酸塩処理されたコーティングを有している。これにより、整合は、内燃機関のシリンダに対するピストンの往復運動を容易にする。
【0013】
択一的に、ピンが、2〜8μmの厚さを有するリン酸塩処理されたコーティングを有することができる。別の好適な実施形態において、コネクティングロッドは、コネクティングロッドの第1の端部と第2の端部との間に潤滑剤を方向付けるために第1の端部と第2の端部との間に延びた内部ギャラリを有している。
【0014】
したがって、本発明の1つの利点は、旋回点における焼付きを回避しかつ内燃機関の相対的なコンポーネントの寿命を長期化するために、ピストンピン及びスモールエンドコネクティングロッド旋回点の耐スカッフィング性を改良することである。
【0015】
本発明の別の利点は、コネクティングロッドのスモールエンドとピストンピンとの間の旋回点におけるブッシングの必要性を排除することによって内燃機関の重量を減じることである。
【0016】
本発明のさらに別の利点は、コネクティングロッドの旋回点における熱応力を減じるためにコネクティングロッドのラージエンドとスモールエンドとにおける潤滑を改良することである。
【0017】
本発明のさらに別の利点は、コネクティングロッドのスモールエンドのボアとピストンピンとの間の境界面におけるブッシングの必要性を排除することによって、ピストン・コネクティングロッドアセンブリを製造するコストを減じることである。
【0018】
本発明のさらに別の利点は、旋回点にブッシングを装着する必要性を排除することによってピストン・コネクティングロッドアセンブリを組み立てるコストを減じることである。
【0019】
本発明のさらに別の目的、特徴及び利点は、添付図面に関連した以下の詳細な説明を読了後、よりよく理解されるであろう。
【0020】
図面の簡単な説明
図1は、本発明による内燃機関アセンブリにおいて使用するためのピストン・コネクティングロッドアセンブリの断面環境図である。
【0021】
図2は、本発明によるピストン・コネクティングロッドアセンブリの1つの実施形態の分解図である。
【0022】
図3は、本発明のピストン・コネクティングロッドアセンブリにおいて使用されるプロファイルされたピストンピンの拡大断面図である。
【0023】
図4は、コネクティングロッドが段状の構成を有して示された、本発明のピストン・コネクティングロッドアセンブリ1つの実施形態の断面図である。
【0024】
図5は、コネクティングロッドが台形の構成を有して示された、本発明のピストン・コネクティングロッドアセンブリの別の実施形態の断面図である。
【0025】
図6は、プロファイルされたピストンピンがリン酸塩処理されたコーティングを有している、本発明によるピストン・コネクティングロッドアセンブリの別の実施形態の分解図である。
【0026】
図7は、リン酸塩処理されたコネクティングロッドが段状の構成を有して示されておりかつピストンピンボアがリン酸塩処理されたコーティングを有している、本発明のピストン・コネクティングロッドアセンブリの断面図である。
【0027】
図8は、リン酸塩処理されたコネクティングロッドが台形の構成を有して示されておりかつピストンピンボアがリン酸塩処理されたコーティングを有している、本発明のピストン・コネクティングロッドアセンブリの断面図である。
【0028】
発明の詳細な説明
本発明は、図1〜図8に、概して10及び110で示された、ピストン・コネクティングロッドアセンブリにおける関連する技術における欠点を克服する。全ての図面において同じ構造体を示すために同じ符号が使用されている。図1に示されたように、本発明は、概して12で示された、内燃機関において使用するために特に適合されている。この場合、本発明のアセンブリ10は、デュアルオーバヘッドカム配列を有する内燃機関12の1つのシリンダ14に関して説明されている。当業者は、エンジン12が、本発明が使用されることができる多くの内燃機関のうちの1つであることを認めるであろう。例えば、本発明は2ストローク又は4ストロークエンジンにおいて使用されることができる。シリンダは、直列、V字形、又はフラット、又は技術上一般的に知られたあらゆるその他の形式で配列されることができる。本発明は、シングル又はデュアルオーバヘッド又はアンダーマウンドカムを有する、気化式又は燃料噴射式内燃機関に関して使用されることもできる。
【0029】
図1を参照すると、内燃機関12は、1つ又は2つ以上のシリンダ14を有するエンジンブロック16と、エンジンブロック16に関連した、概して18で示されたシリンダヘッドとを有している。ロッカーパネル20は、技術上一般的に知られた形式でシリンダヘッド18に関連している。概して22で示されたピストンは、シリンダ14において往復運動するように支持されている。概して24で示されたコネクティングロッドは、後にさらに詳しく説明するように、ピストンピン26を介してピストン22に取り付けられている。クランクシャフト28はコネクティングロッド24に関連しており、オイルパン30はエンジンブロック16に関連している。それぞれ弁ステム34及び弁ばね36を有する、吸気弁32及び排気弁33は、シリンダヘッド18に支持されており、シリンダ14と吸気弁32及び排気弁33との間に流体の連通を提供するために、カム38を介して開閉させられる。内燃機関12は、シリンダ壁44によって画定された、ピストン22の上方における燃焼室42内において燃料に点火するためのスパークプラグ40をも有している。択一的に、又は付加的に、エンジン12は、霧化された燃料を燃焼室内に導入する手段として燃料インジェクタを有することができる。すなわち、本発明は、火花点火又は圧縮点火(ディーゼル)エンジンの両方に関して使用されることができる。当業者は、エンジン12が、技術上一般的に知られておりかつここでは詳細に説明されない多数のその他の慣用のコンポーネントも有することを認めるであろう。
【0030】
概して、ピストン22を往復運動させるために燃料がシリンダ14の燃焼室42内において燃焼させられる。ピストン22はコネクティングロッド24を駆動し、コネクティングロッドはクランクシャフト28を駆動し、クランクシャフトをエンジンブロック16内において回転させる。特に、シリンダ14内の燃焼圧力はピストン22を実質的に線形に下方へ、しかし僅かに回転運動で駆動する。これに対して、クランクシャフト28の運動は、コネクティングロッド24を実質的に回転運動で駆動する。
【0031】
図2に示されたように、ピストン22はボディ46を有しており、このボディ46は、ボディ46の上縁部に形成されたクラウン48と、クラウン48から垂下したスカート50とを有している。リングランド52は、クラウン48とスカート50との間においてボディ46の外周の周囲に延びている。リングランド52は、ピストンリング(図示されていないが、技術上概して知られている)を保持するように適合されている。ボディ46にはさらにピンボア54が形成されている。図示されたように、ピンボア54は実質的に円形の周囲を有している。しかしながら、当業者は、ピンボア54が様々な形状を有することができることを認めるであろう。例として、ピンボア54は実質的に楕円形の周囲を有することができる。ピンボア54は、後により詳しく説明するように、ピストンピン26を受容するように適合されている。当業者は、本発明の範囲において、ピストンが多くの種々異なる形状、寸法及びその他の構造的特徴を有することができることを認めるであろう。例として、ピストンは、燃焼プロセスを容易にしかつ燃焼プロセスから引き出されるパワー又は効率を高めるために、クラウン48におけるあらゆる数のリングランド52、又は突出部及び/又は凹所を有することができる。さらに、ピストン22は、ピストンスカート50に形成された凹所又は溝、又はピストンスカート50に塗装されたコーティングを有することができる。さらに、ピストン22は、研磨された又は面取りされたピンボア54を有することができる。ピンボア54はピンボア54とピストンピン26との間に潤滑剤を受容するためのサイドリリーフ(図6参照)を有することができる。
【0032】
図1〜3までを参照すると、ピストンピン26は、1対の遠位端部56及び58と、これらの遠位端部の間に形成された中央部分60とを有している。管状のピストンピンは、ほとんどの用途のための標準として採用されてきたが、ピストンピン26の中央領域の直径を減じることは、コネクティングロッド24における圧力の軽減を提供し、ピンボア54の強度の増大につながる。したがって、図3に示されたように、本発明のピストンピン26の好適な実施形態は、中央部分60よりも遠位端部56,58において大きな直径を有する、断面が実質的に円形の、プロファイルされた外周を有している。したがって、当業者は、ピストンピン26が、あらゆる数の製造工程を介してピンボア54及びコネクティングロッド24に対して組み立てられることができることを認めるであろう。
【0033】
上記のように、コネクティングロッド24は、ピストン22の往復運動をクランクシャフト28の回転運動に変換するためにピストン22とクランクシャフト28とを結合するように適合されている。これに関して、コネクティングロッド24は第1の端部62と第2の端部64とを有しており、これらの端部のうちの少なくとも一方が、貫通したボア66を有している。ボア66は内周を規定している。図示したように、ボア66の内周は実質的に円形である。しかしながら、当業者は、ボア66の内周が複数の他の形状を規定することもできることを認めるであろう。例として、ボア66の内周は実質的に楕円形であるか又はテーパしたプロフィルを有することができる。ボア66はピストンピンボア54と整合されるように適合されている。ボア66を有する端部62はさらに、この端部から垂下したボアハウジング68を有している。コネクティングロッド24の反対側の端部64はボルト70を介してクランクシャフト28に結合されている。コネクティングロッド24の端部62の標準的な形状が図2に示されているが、当業者は、減じられた重量及びボア66への改良された潤滑が、変更されたボアハウジング68を有するコネクティングロッド24を使用することによって達せられることができることを認めるであろう。
【0034】
例えば、図4及び図5に示されたように、同じ構造体を示すためにアルファベットが付加された同じ符号が使用されており、ボアハウジング68a及び68bはコネクティングロッド24の端部62に向かって内方へテーパすることができる。図4に示されたように、ボアハウジング68aは実質的に段状にテーパしているのに対して、図5に示されたボアハウジング68bは実質的に台形にテーパしている。しかしながら、当業者は、図4及び図5に示されたボアハウジング68a及び68bの択一的な形状は、例示的であり、排他的ではないと意図されていることを認めるであろう。したがって、全ての形状のボアハウジングを有するコネクティングロッド24は、本発明の範囲に含まれることが意図されている。
【0035】
コネクティングロッド24の組み合わされた線形及び回転運動は、ピストンピン26を介して、コネクティングロッド24とピストン22との間の旋回点に高いレベルの応力を提供する。この旋回点に集中した、高い負荷、温度、ガス圧、及び慣性力の組合せは、コネクティングロッド24と、ピストン22と、ピストンピン26との接触領域が、強度、熱応力及び潤滑に関する高められた特性を保持することを要求する。このような高められた特性がないと、ピストン22と、コネクティングロッド24と、ピストンピン26との間の旋回点は、スカッフィングを生じ、最終的に故障することがある。したがって、ピストン22と、コネクティングロッド24と、ピストンピン26との間の旋回点が、エンジン12の運転中に良好な耐摩擦及び摩耗性を維持しながら熱応力及び負荷疲労に耐性のままであることが重要である。
【0036】
これに関して、図1から図5までに示されたように、コネクティングロッド24はさらに、第1の端部62と反対側の端部64との間に延びた内部ギャラリ67を有している。内部ギャラリ67は、ボア66の内周に沿った第1のポート69と、反対側の端部64に沿った第2のポート71とを有している。内部ギャラリ67は、潤滑剤を第1の端部62と反対側の端部64との間において方向付けるように適合されている。特に、内部ギャラリ67は潤滑剤を、内燃機関12におけるコネクティングロッド24の線形及び回転運動の間にボア66の外周とコネクティングロッド24の反対側の端部64との間に潤滑剤を方向付ける。
【0037】
エンジン12の運転中に良好な耐摩擦及び摩耗性を維持しながら熱応力及び負荷疲労にさらに耐えるために、ボア66を有するコネクティングロッド24の端部62は、リン酸塩処理されたコーティング72を受容するように適合されている。好適な実施形態において、コーティング72は2〜8μmの厚さを有するリン酸マンガン溶液である。さらに、リン酸塩処理されたコーティング72は、ボア66の内周とピストンピン26との間に配置されるようにボア66の内周に提供されている。リン酸塩処理されたコーティング72は、コネクティングロッド24の端部62を貫通したボア66の内周にだけ結合されることができる。しかしながら、本発明のリン酸塩処理されたコーティング72は、好適には、コネクティングロッド24をリン酸マンガン溶液に浸漬することによってコネクティングロッド24に提供される。しかしながら、当業者は、リン酸塩処理されたコーティング72は、あらゆる公知の形式で提供されることができることを認めるであろう。例えば、リン酸塩処理されたコーティング72は、噴霧又はスワビングプロセスによって提供されることができる。さらに、当業者は、後でさらに詳しく説明されるようにコネクティングロッド24以外の本発明のコンポーネントもリン酸塩処理されたコーティング72を有することができることを認めるであろう。
【0038】
本発明のピストン・コネテクティングロッドアセンブリの択一的な実施形態が図6〜図8に110で概略的に示されており、これらの図面においては、同じ構造体を示すために、図1から図5までに示された発明の実施形態における符号に100を加えた同じ符号が使用されている。図6から図8までに示された本発明のアセンブリ110は、図1から図5までに示されたアセンブリ10のものと実質的に同じ構造を有しているので、ピストンの説明は、以下に説明されることを除いてここでは繰り返さない。図6に示されたアセンブリ110は、ピンボア154が形成されたボディ144を有するピストン122と共に使用するように適合されている。ピストン122のピンボア154は、第1のポート169を有する内周と、ピストンピン126とピンボア154の内周との間に潤滑剤を受容するために適合されたサイドリリーフチャネル174とを有している。図7及び図8に示されたように、ピストン122のピンボア154がリン酸塩処理されたコーティング172を受容するように適合されている。したがって、リン酸塩処理されたコーティング172は、ピンボア154の内周とピストンピン122との間に配置されるためにピンボア154の内周面に提供されている。
【0039】
引き続き図6から図8までを参照すると、本発明のアセンブリ110は、それぞれ第1及び第2の端部162及び164を有するコネクティングロッド124を有しており、これらの端部のうちの少なくとも1つは、貫通したボア166を有している。コネクティングロッドボア166は、ピストン122のピンボア154と整合させられるように、及びリン酸塩処理されたコーティング172を受容するように適合されている。
【0040】
択一的に図7及び図8に示されたように、同じ構造体を示すためにアルファベットが付加された同じ符号が使用されており、ボアハウジング168a及び168bはコネクティングロッド124のリン酸塩処理されたコーティングされた末端部162に向かって内方へテーパしていることができる。図7に示されているように、ボアハウジング168aは実質的に段状にテーパしているのに対し、図5に示されたボアハウジング168bは実質的に台形にテーパしている。しかしながら、当業者は、図7及び図8に示されたボアハウジング168a及び168bの形状が、例示的であり、排他的ではないことが意図されていることを認めるであろう。したがって、全ての形状のボアハウジングを有するコネクティングロッド124が、発明の範囲に含まれることが意図されている。
【0041】
図6に最もよく示されているように、アセンブリ110はさらに、ピストンピン126を有しており、このピストンピン126は、ピストン122における整合したピンボア154と、コネクティングロッド124の端部162を貫通したボア166とに受容されるように適合されている。図6に示されたピストンピン126は、実質的に、図1から図3までに示されたピストンピン26と類似であり、プロファイルされた外周を有している。しかしながら、図6に示されたピストンピン126はリン酸塩処理されたコーティング172を有している。ここで説明された他の実施形態の場合のように、リン酸塩処理されたコーティング172は好適にはリン酸マンガン溶液から形成される。したがって、図6から図8までのピストンピン126は、図6に示された実施形態に関して完全に示されているように、図1から図5までに示されたピストンピン26に関して開示されたピストン122及びコネクティングロッド124への取付けの択一的な実施形態及び/又は方法を有する。コネクティングロッド124のスモールエンド162とピストンピン126との間の公差を保つために、ボア154,166又はピストンピン126のいずれかは、2〜8μmの厚さを有するリン酸塩処理されたコーティングを受容することができる。さらに、当業者は、ボア154,166及びピストンピン126の両方がリン酸塩処理されたコーティングを受容することができ、この場合、リン酸塩処理されたコーティングの厚さの合計が2〜8μmの厚さを有することを認めるであろう。したがって、従来技術に開示されたコーティングとは異なり、2〜8μmの厚さを有するリン酸塩処理されたコーティングは、ピストンピンと、コネクティングロッドのスモールエンド及びピストンにおいて関連したピンボアとの間に工学公差を保つ。
【0042】
したがって、本発明は、関連技術の欠点を克服し、内燃機関12の運転中のコネクティングロッド24,124及びピストンピン26,126の耐スカッフィング性を改良し、これにより、“公差から外れた”条件を生ぜしめる過度の摩耗なしに内燃機関12の相対的なコンポーネントの寿命を延長する。さらに、本発明のピストン・コネクティングロッドアセンブリ10,110は、ピストンピン26,126と、コネクティングロッドのスモールエンドを貫通したボア66,166との間の境界面におけるブッシングの必要性を排除する。これにより、本発明は内燃機関12内の重量を減じ、ピストンピン・コネクティングロッドアセンブリ10,110を製造しかつ組み立てるコストを減じる。
【0043】
本発明は例示的に説明された。使用された用語は、限定ではなく説明のための用語であることが理解されるべきである。上記説明に照らして本発明の多くの変更及び修正が可能である。したがって、添付の請求項の範囲において、本発明は、特に説明された以外の形式で実施されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明による内燃機関アセンブリにおいて使用するためのピストン・コネクティングロッドアセンブリの断面環境図である。
【図2】本発明によるピストン・コネクティングロッドアセンブリの1つの実施形態の分解図である。
【図3】本発明のピストン・コネクティングロッドアセンブリにおいて使用されたプロファイルされたピストンピンの拡大断面図である。
【図4】コネクティングロッドが段状の構成を有して示された、本発明のピストン・コネクティングロッドアセンブリ1つの実施形態の断面図である。
【図5】コネクティングロッドが台形の構成を有して示された、本発明のピストン・コネクティングロッドアセンブリの別の実施形態の断面図である。
【図6】プロファイルされたピストンピンがリン酸塩処理されたコーティングを有する、本発明によるピストン・コネクティングロッドアセンブリの別の実施形態の分解図である。
【図7】リン酸塩処理されたコネクティングロッドが段状の構成を有して示されておりかつピストンピンボアがリン酸塩処理されたコーティングを有している、本発明のピストン・コネクティングロッドアセンブリの断面図である。
【図8】リン酸塩処理されたコネクティングロッドが台形の構成を有して示されておりかつピストンピンボアがリン酸塩処理されたコーティングを有している、本発明のピストン・コネクティングロッドアセンブリの断面図である。
【符号の説明】
【0045】
10,110 アセンブリ、 12 内燃機関、 14 シリンダ、 16 エンジンブロック、 18 シリンダヘッド、 20 ロッカーパネル、 22 ピストン、 24 コネクティングロッド、 26 ピストンピン、 28 クランクシャフト、 30 オイルパン、 32 吸気弁、 33 排気弁、 34 弁ステム、 36 弁ばね、 38 カム、 40 スパークプラグ、 42 燃焼室、 44 シリンダ壁、 46 ボディ、 48 クラウン、 50 スカート、 52 リングランド、 54 ピンボア、 56,58 遠位端部、 60 中央部分、 62,64 端部、 66 ボア、 67 内部ギャラリ、 68,68a,68b ボアハウジング、 70 ボルト、 71 第1のポート、 72 コーティング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関と共に使用するためのピストン・コネクティングロッドアセンブリにおいて、該アセンブリに、
内燃機関のシリンダ内において往復運動するように適合されたピストンが設けられており、該ピストンが、ピンボアが形成されたボディを有しており、
ピストンの往復運動をクランクシャフトの回転運動に変換するために前記ピストンとクランクシャフトとを結合するように適合されたコネクティングロッドが設けられており、該コネクティングロッドが、第1の端部と第2の端部とを有しており、該端部のうちの少なくとも1つがボアを有しており、該ボアが、前記端部を貫通しておりかつ、前記ピストンに設けられた前記ピンボアと整合させられるように適合されており、
前記ピストンに設けられた前記整合したピンボアと、前記コネクティングロッドの前記端部を貫通した前記ボアとに受容されるように適合されたピンが設けられており、該ピンが、1対の遠位端部と、遠位端部の間に形成された中央部分と、前記中央部分よりも前記遠位端部においてより大きな直径を備えた実質的に円形の断面を有するプロファイルされた外周とを有しており、
前記ピストンのピンボアと整合した前記コネクティングロッドの前記端部が、リン酸塩処理されたコーティングを有しており、該リン酸塩処理されたコーティングが、前記コネクティングロッドを貫通した前記ボアと前記プロファイルされたピストンピンの前記外周との間の相対的な角運動を容易にするように適合されておりこれにより内燃機関のシリンダに対する前記ピストンの往復運動を容易にし、前記リン酸塩処理されたコーティングが2〜8μmの厚さを有することを特徴とする、ピストン・コネクティングロッドアセンブリ。
【請求項2】
前記コネクティングロッドの前記端部を貫通した前記ボアが内周を規定しており、前記リン酸塩処理されたコーティングが、前記内周と前記ピンとの間に配置されるように前記内周に結合されている、請求項1記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記コネクティングロッドがさらに、潤滑剤を前記第1の端部と前記第2の端部との間に方向付けるために、前記第1の端部と前記第2の端部との間に並置された内部ギャラリを有している、請求項1記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記コネクティングロッドが、末端部と、該末端部から垂下したボアハウジングとを有しており、該ボアハウジングが前記末端部に向かって内方へテーパしている、請求項1記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記ピンが、前記プロファイルされた外周の周囲に配置されたリン酸塩処理されたコーティングを有する、請求項1記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記ピストンボディに設けられた前記ピンボアが内周を規定しており、該内周が、該内周と前記ピンとの間に配置されるリン酸塩処理されたコーティングを有する、請求項1記載のアセンブリ。
【請求項7】
内燃機関と共に使用するためのピストン・コネクティングロッドアセンブリにおいて、
内燃機関のシリンダ内において往復運動するように適合されたピストンが設けられており、該ピストンが、ピンボアが形成されたボディを有しており、
ピストンの往復運動をクランクシャフトの回転運動に変換するために前記ピストンとクランクシャフトとを結合するように適合されたコネクティングロッドが設けられており、該コネクティングロッドが、第1の端部と第2の端部とを有しており、該端部のうちの少なくとも1つがボアを有しており、該ボアが、前記端部を貫通しておりかつ、前記ピストンに設けられた前記ピンボアと整合させられるように適合されており、
前記ピストンに設けられた前記整合されたピンボアと、前記コネクティングロッドの前記端部を貫通した前記ボアとに受容されるように適合されたピンが設けられており、該ピンが、1対の遠位端部と、該遠位端部の間に形成された中央部分と、前記中央部分よりも前記遠位端部においてより大きな直径を備えた実質的に横断面が円形のプロファイルされた外周とを有しており、該プロファイルされた外周が、リン酸塩処理されたコーティングを有しており、該コーティングが、前記コネクティングロッドを貫通した前記ボアと前記プロファイルされたピストンピンの前記外周との間の相対的な角運動を容易にするように前記外周に結合されており、これにより、内燃機関のシリンダに対する前記ピストンの往復運動を容易にし、前記リン酸塩処理されたコーティングが2〜8μmの厚さを有することを特徴とする、ピストン・コネクティングロッドアセンブリ。
【請求項8】
前記コネクティングロッドの前記端部を貫通した前記ボアが、内周を規定しており、該内周に、リン酸塩処理されたコーティングが結合されており、該リン酸塩処理されたコーティングが、前記ボアの前記内周と前記プロファイルされたピストンピンの前記外周との間に配置されている、請求項7記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記コネクティングロッドがさらに、定置に前記第1の端部と第2の端部との間に位置しかつ、前記第1の端部と第2の端部との間に潤滑剤を方向付けるように適合された内部ギャラリを有している、請求項7記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記コネクティングロッドの前記端部が、末端部と、該末端部から垂下したボアハウジングとを有しており、該ボアハウジングが前記末端部に向かって内方にテーパしている、請求項7記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記ピストンピンボディの前記ピンボアが、内周を規定しており、該内周が、前記内周と前記ピンとの間に、リン酸塩化されたコーティングを有している、請求項7記載のアセンブリ。
【請求項12】
内燃機関と共に使用するためのピストン・コネクティングロッドアセンブリにおいて、
内燃機関のシリンダ内において往復運動するように適合されたピストンが設けられており、該ピストンが、ピンボアが形成されたボディを有しており、
ピストンの往復運動をクランクシャフトの回転運動に変換するために前記ピストンとクランクシャフトとを結合するように適合されたコネクティングロッドが設けられており、該コネクティングロッドが、第1の端部と第2の端部とを有しており、該端部のうちの少なくとも1つがボアを有しており、該ボアが、前記端部を貫通しておりかつ、前記ピストンに設けられた前記ピンボアと整合させられるように適合されており、前記コネクティングロッドが、潤滑剤を前記第1の端部と第2の端部との間に方向付けるために定置に前記第1の端部と第2の端部との間に位置した内部ギャラリを有しており、
前記ピストンに設けられた前記整合されたピンボアと、前記コネクティングロッドの前記端部を貫通した前記ボアとに受容されるように適合されたピンが設けられており、該ピンが、1対の遠位端部と、該遠位端部の間に形成された中央部分と、前記中央部分よりも前記遠位端部においてより大きな直径を備えた実質的に横断面が円形のプロファイルされた外周とを有しており、
前記ピストンピンボアと整合した前記コネクティングロッドの前記端部が、リン酸塩処理されたコーティングを有しており、該コーティングが、前記コネクティングロッドを貫通した前記ボアと前記プロファイルされたピストンピンの前記外周との間の相対的な角運動を容易にするように適合されておりこれにより内燃機関のシリンダに対する前記ピストンの往復運動を容易にすることを特徴とする、ピストン・コネクティングロッドアセンブリ。
【請求項13】
前記コネクティングロッドの前記端部を貫通した前記ボアが内周を規定しており、前記リン酸塩処理されたコーティングが、前記内周と前記ピンとの間に配置されるように前記内周に結合されており、前記リン酸塩処理されたコーティングが2〜8μmの厚さを有する、請求項12記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記コネクティングロッドが、末端部と、該末端部から垂下したボアハウジングとを有しており、前記ボアハウジングが前記末端部に向かって内方にテーパしている、請求項12記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記ピンが、前記プロファイルされた外周の周囲に配置されたリン酸塩処理されたコーティングを有している、請求項12記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記ピストンボディに設けられた前記ピンボアが、内周を規定しており、該内周が、該内周と前記ピンとの間に配置されるリン酸塩処理されたコーティングを有している、請求項12記載のアセンブリ。
【請求項17】
前記ピストンピンボアの前記ピンボアが、内周を有しており、該内周が、前記ピンと前記ピストンピンボアの前記内周との間に潤滑剤を受容するように適合されたサイドリリーフチャネルを有している、請求項12記載のアセンブリ。
【請求項18】
内燃機関と共に使用するためのピストン・コネクティングロッドアセンブリにおいて、該アセンブリに、
内燃機関のシリンダ内において往復運動するように適合されたピストンが設けられており、該ピストンが、ピンボアが形成されたボディを有しており、
ピストンの往復運動をクランクシャフトの回転運動に変換するために前記ピストンとクランクシャフトとを結合するように適合されたコネクティングロッドが設けられており、該コネクティングロッドが、第1の端部と第2の端部とを有しており、該端部のうちの少なくとも1つが、ボアを有しており、該ボアが、該端部を貫通しておりかつ、前記ピストンに設けられた前記ピンボアと整合されるように適合されており、前記コネクティングロッドが内部ギャラリを有しており、該内部ギャラリが、潤滑剤を前記第1の端部と第2の端部との間に方向付けるために前記第1の端部と第2の端部との間に定置に位置しており、
前記ピストンに設けられた前記整合したピンボアと、前記コネクティングロッドの前記端部を貫通した前記ボアとに受容されるように適合されたピンが設けられており、該ピンが、1対の遠位端部と、該遠位端部の間に形成された中央部分と、該中央部分よりも前記遠位端部においてより大きな直径を有する実質的に円形の横断面を有するプロファイルされた外周とを有しており、該プロファイルされた外周に、リン酸塩処理されたコーティングが結合されていることを特徴とする、ピストン・コネクティングロッドアセンブリ。
【請求項19】
前記プロファイルされた外周に結合された前記リン酸塩処理されたコーティングが、2〜8μmの厚さを有している、請求項18記載のアセンブリ。
【請求項20】
前記コネクティングロッドの前記端部を貫通した前記ボアが、内周を規定しており、該内周が、該内周と前記ピンとの間に配置されるように前記内周に結合されたリン酸塩処理されたコーティングを有している、請求項18記載のアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−512487(P2007−512487A)
【公表日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−540672(P2006−540672)
【出願日】平成16年11月19日(2004.11.19)
【国際出願番号】PCT/IB2004/004244
【国際公開番号】WO2005/050067
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(506139392)マーレ テクノロジー インコーポレイテッド (7)
【氏名又は名称原語表記】MAHLE Technology, Inc.
【住所又は居所原語表記】23030 Haggerty Road, Farmington, MI 48335, USA
【出願人】(390009069)マーレ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (39)
【氏名又は名称原語表記】MAHLE GmbH
【住所又は居所原語表記】Pragstrasse 26−46, D−70376 Stuttgart,Germany
【Fターム(参考)】