説明

円すいころ軸受

【課題】軸受の組み付け性を損なうことなく、軸受内部に流入した潤滑剤の攪拌抵抗を低減することができるとともに、コスト低減を図ることができる円すいころ軸受を提供する。
【解決手段】円すいころ軸受10は、複数の円すいころ13を円周方向に等間隔に保持する保持器14を備えており、この保持器14は、円すいころ13の小径端側に配置される円環部14aと、該円環部14aから円すいころ13の大径端側に向けて伸びる複数の柱部14bと、を有する櫛形保持器とされている。そして、円周方向に互いに隣り合う各柱部14bの間に形成され、円すいころ13を転動可能に保持するポケット16の内径側の開口縁16aと、外径側の開口縁16bとが、円すいころ13の中心軸を径方向に挟んで位置しており、ポケット16の内径側の開口幅aおよび外径側の開口幅bが円すいころ13のころ径φdより狭くなっている(φd>a,φd>b)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円すいころ軸受に関し、例えば自動車の最終減速装置等に配置され、その装置内部の潤滑剤を利用して軸受内部の潤滑を行う円すいころ軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の円すいころ軸受としては、例えば、図7に示す円すいころ軸受100が知られている。この円すいころ軸受100は、内周面に円すい状の外輪軌道面101aが形成された外輪101と、外周面に円すい状の内輪軌道面102aが形成された内輪102と、外輪軌道面101aと内輪軌道面102aとの間に転動自在に配設された複数の円すいころ103と、円すいころ103を円周方向に等間隔に保持した保持器104と、を備える。
【0003】
内輪102には、内輪軌道面102aの大径端に隣接して設けられ円すいころ103の大径端面を案内する大鍔部105aが形成され、内輪軌道面102aの小径端に隣接して設けられ円すいころ103の軸方向移動を規制する小鍔部105bが形成されている。
【0004】
保持器104は、円すいころ103の小径端側に配置された小径端側円環部104aと、円すいころ103の大径端側に配置された大径端側円環部104bと、小径端側円環部104aと大径端側円環部104bとの間に円周方向に略等間隔で配置された複数の柱部104cと、を有している。柱部104cは、円すいころ103の中心軸に沿って伸び、この中心軸よりも外径側に位置している。そして、円周方向に互いに隣り合う各柱部104cの間には、円すいころ103を転動可能に保持するポケット106が形成されている。
【0005】
このような円すいころ軸受100では、円すいころ103および保持器104を内輪102と一体に保持することができるので、軸受の組み付け性に優れる。
【0006】
ところで、自動車の最終減速装置のように潤滑剤が豊富な環境で用いられる円すいころ軸受では、潤滑剤の攪拌抵抗が大きくなりやすいため、軸受トルクの増大を招く虞がある。
【0007】
このため、図7に示す円すいころ軸受100では、内輪102の小鍔部105bの軸方向外側の外周面に円筒面107を形成して、保持器104の小径端側円環部104aの先端部を内輪102側へ折り曲げ、その先端と円筒面107との間隙を調整して軸受内部への潤滑剤の流入量を減らし、これにより、軸受内部での潤滑の攪拌抵抗を低減して軸受トルクの増大を防止している(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
一方、スラスト型の円すいころ軸受において、円すいころの小径端側に配置される円環部と、この円環部から円すいころの大径端側に向けて伸びる複数の柱部と、で構成された所謂櫛形保持器を用いたものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。櫛形保持器は、潤滑剤の排出性能がよいため、軸受内部での潤滑剤の攪拌抵抗を低減して軸受トルクの増大を抑える効果がある。
【特許文献1】特開2005−069421号公報
【特許文献2】特開2002−310170号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献1では、内輪102の小鍔部105bの軸方向外側の外周面に円筒面107を加工する作業、および保持器104の小径端側円環部104aの先端と内輪102の円筒面107との間隙を調整する作業が必要になるため、軸受の製作コストが高くつく。
【0010】
一方、上記特許文献2では、保持器が櫛形であるため、軸方向の片側が開放されている。そのため、円すいころと保持器を内輪に組み込む場合に、保持器は円環部側への移動が自在となっており、円すいころおよび保持器を内輪と一体に保持することができず、軸受の組み付け性が低下し、また、保持器が抜け落ちるのを防止する支持輪を別途設ける必要があるため、部品点数が増えて軸受の製作コストが高くつく。
【0011】
本発明は、このような不都合を解消するためになされたものであり、その目的は、軸受の組み付け性を損なうことなく、軸受内部に流入した潤滑剤の攪拌抵抗を低減することができるとともに、コスト低減を図ることができる円すいころ軸受を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1)外輪と、内輪と、前記外輪と前記内輪との間に転動自在に配設された複数の円すいころと、該円すいころを円周方向に等間隔に保持した保持器と、を備え、
前記保持器は、前記円すいころの小径端側に配置された円環部と、該円環部から前記円すいころの大径端側に向けて伸びた複数の柱部と、を有し、円周方向に互いに隣り合う各柱部の間に前記円すいころを転動可能に保持するポケットを形成しており、前記ポケットの内径側の開口縁と、外径側の開口縁とが、前記円すいころの中心軸を径方向に挟んで位置しており、前記ポケットの内径側の開口幅および外径側の開口幅が前記円すいころのころ径より狭くなっていることを特徴とする円すいころ軸受。
(2)外輪と、内輪と、前記外輪と前記内輪との間に転動自在に配設された複数の円すいころと、該円すいころを円周方向に等間隔に保持した保持器と、を備え、前記保持器は、前記円すいころの小径端側に配置された円環部と、該円環部から前記円すいころの大径端側に向けて伸びた複数の柱部と、を有し、円周方向に互いに隣り合う各柱部の間に前記円すいころを転動可能に保持するポケットを形成しており、前記柱部が、前記ころのPCDの内径側に位置する第1の部位と、外径側に位置する第2の部位と、を有しており、前記ポケットの内径側の開口幅および外径側の開口幅が前記円すいころのころ径より狭くなっていることを特徴とする円すいころ軸受。
(3)前記柱部が、前記第1の部位と、前記第2の部位と、に分岐していることを特徴とする(2)に記載の円すいころ軸受。
(4)前記保持器が合成樹脂製であることを特徴とする(1)から(3)のいずれか一項に記載の円すいころ軸受。
【発明の効果】
【0013】
本発明の円すいころ軸受によれば、保持器が、円すいころの小径端側に配置される円環部と、円環部から円すいころの大径端側に向けて伸びる複数の柱部と、を有する所謂櫛形保持器であるため、軸受内部での潤滑剤の攪拌抵抗を低減することができ、軸受トルクの増大を抑えることができる。
【0014】
そして、ポケットの内径側の開口縁と、外径側の開口縁とが、円すいころの中心軸を径方向に挟んで位置しており、ポケットの内径側の開口幅および外径側の開口幅が円すいころのころ径より狭くなっているので、ポケット内に円すいころを保持することができ、また、保持器の抜け落ちを防止することができる。これにより、円すいころおよび保持器を内輪と一体に保持し、軸受の組み付け性を向上させることができる。また、柱部が、ころのPCDの内径側に位置する第1の部位と、外径側に位置する第2の部位と、を有しており、ポケットの内径側の開口幅および外径側の開口幅が円すいころのころ径より狭くなっているので、ポケット内に円すいころを保持することができ、また、保持器の抜け落ちを防止することができる。これにより、円すいころおよび保持器を内輪と一体に保持し、軸受の組み付け性を向上させることができる。
【0015】
そのため、従来のように内輪に加工を施したり保持器と内輪との間の隙間調整を行なったりする必要がなく、また、保持器の抜け落ちを防止する支持輪等も必要ないため、軸受の製作コストを低く押さえることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る円すいころ軸受の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
(第1実施形態)
図1は本発明に係る円すいころ軸受の第1実施形態を説明するための要部断面図、図2は図1のA−A線断面図である。また、図3は図1に示す円すいころ軸受の変形例を説明するための断面図である。
【0018】
図1に示すように、本実施形態の円すいころ軸受10は、内周面に円すい状の外輪軌道面11aを有する外輪11と、外周面に円すい状の内輪軌道面12aを有する内輪12と、外輪軌道面11aと内輪軌道面12aとの間に転動自在に配設される複数の円すいころ13と、円すいころ13を円周方向に等間隔に保持する保持器14と、を備えている。
【0019】
内輪12には、内輪軌道面12aの大径端に隣接して設けられ円すいころ13の大径端面を案内する大鍔部15aが形成され、内輪軌道面12aの小径端に隣接して設けられ円すいころ13の軸方向移動を規制する小鍔部15bが形成されている。
【0020】
保持器14は、合成樹脂を射出成形して形成されており、図1に示すように、円すいころ13の小径端側に配置される円環部14aと、円環部14aから円すいころ13の大径端側に向けて伸びる複数の柱部14bと、を有する櫛形保持器とされている。柱部14bは、円環部14aの円周方向に略等間隔で配置されており、円周方向に互いに隣り合う各柱部14bの間には円すいころ13を転動可能に保持するポケット16が形成されている(図2参照)。
【0021】
保持器14を形成する樹脂材料としては、46ナイロンや66ナイロンなどのポリアミド系樹脂、ポリブチレンテレフタラート、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミドイミド(PAI)、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルニトリル(PEN)、等を例示することができる。また、上記した樹脂に例えばガラス繊維や炭素繊維などの繊維状充填材を10〜50重量%適宜添加することにより、保持器の剛性および寸法精度を向上させることができる。
【0022】
柱部14bは、円すいころ13の中心軸に略沿って伸びており、図2に示すように、円周方向に互いに隣り合う各柱部14bの間に形成されるポケット16の内径側の開口縁16aと、外径側の開口縁16bとは、円すいころ13の中心軸を円すいころ軸受10の径方向に挟んで位置している。すなわち、内径側の開口縁16aは、円すいころ13の中心軸よりも内径側にあり、また、外径側の開口縁16bは、円すいころ13の中心軸よりも外径側にある。
【0023】
そして、保持器14のポケット16の内径側の開口幅aおよび外径側の開口幅bは、いずれも円すいころ13のころ径φdより狭くなっている(φd>a,φd>b)。ここでいうポケット16の開口幅a,bと円すいころ13のころ径φdとの関係は、ポケット16に収容された円すいころ13の中心軸の任意の箇所で該中心軸に垂直な断面をとったときの該断面に表れる各部の寸法で規定される。円すいころ13の外周面に対向するポケット16の面は、円すいころ13の外周面との間に僅かな隙間をおいて該外周面に添う円弧面とされている。
【0024】
内輪12、円すいころ13、および保持器14が互いに組み付けられた状態で、円すいころ13は、その外周面がポケット16の外径側の開口縁16bと干渉して、径方向外側への変位を規制される。これにより、円すいころ13のポケット16からの脱落が防止される。そして、保持器14は、ポケット16の内径側の開口縁16aが円すいころ13の外周面と干渉して、柱部14bの先端が円すいころ13の小径端側に接近する向きの軸方向の変位を規制される。これにより、保持器14の抜け落ちが防止される。尚、内輪12、円すいころ13、および保持器14の組み付けは、例えば、保持器14に円すいころ13を配置し、保持器14の弾性変形を利用して内輪12を組み込む方法や、内輪12に保持器14を配置し、保持器14の柱部14bの先端側から円すいころ13を組み込む方法などが挙げられる。
【0025】
以上説明したように、本実施形態の円すいころ軸受10によれば、保持器14が、円すいころ13の小径端側に配置される円環部14aと、円環部14aから円すいころ13の大径端側に向けて伸びる複数の柱部14bと、を有する所謂櫛形保持器とされているため、潤滑剤の排出性能が向上させて軸受内部での潤滑剤の攪拌抵抗を低減することができ、軸受トルクの増大を抑えることができる。
【0026】
そして、本実施形態の円すいころ軸受10によれば、ポケット16の内径側の開口縁16aと、外径側の開口縁16bとが、円すいころ13の中心軸を径方向に挟んで位置しており、ポケット16の内径側の開口幅aおよび外径側の開口幅bが、いずれも円すいころ13のころ径φdより狭くなっている(φd>a,φd>b)ので、ポケット16に挿入した円すいころ13をポケット16内で保持することができ、また、保持器14の抜け落ちを防止することができる。これにより、円すいころ13および保持器14を内輪12と一体に保持して、軸受の組み付け性を向上させることができる。
【0027】
そのため、従来のように内輪12に加工を施したり保持器14と内輪12との間の隙間調整を行なったりする必要がなく、また、保持器14の抜け落ちを防止する支持輪等も必要ないため、軸受の製作コストを低く押さえることができる。
【0028】
尚、上記実施形態では、円すいころ13の外周面に対向するポケット16の面を、円すいころ13の外周面に対応する円弧面としているが、これに限定されず、例えば、図3に示すように、複数の平面で構成するようにしてもよい。複数の平面で構成する場合に、ポケット16の内径側の開口縁16aおよび外径側の開口縁16bと円すいころ13の外周面との間の隙間は僅かなものとする。
【0029】
(第2実施形態)
図4は本発明に係る円すいころ軸受の第2実施形態を説明するための要部断面図、図5は図4に示す円すいころ軸受の保持器の部分拡大斜視図、図6は図5のB−B線断面図である。尚、上述した第1実施形態の円すいころ軸受10と共通する部材については、同一符号を付して説明を省略もしくは簡略する。
【0030】
図4および図5に示すように、本実施形態の円すいころ軸受20は、外輪11と、内輪12と、外輪11の外輪軌道面11aと内輪12の内輪軌道面12aとの間に転動自在に配設される複数の円すいころ13と、円すいころ13を円周方向に等間隔に保持する保持器24と、を備えている。
【0031】
保持器24は、合成樹脂を射出成形して形成されており、円すいころ13の小径端側に配置される円環部24aと、円環部24aから円すいころ13の大径端側に向けて伸びる複数の柱部24bと、を有する所謂櫛形保持器とされている。柱部24bは、円環部24aの円周方向に略等間隔で配置されており、円周方向に互いに隣り合う各柱部24bの間には円すいころ13を転動可能に保持するポケット26が形成されている。
【0032】
保持器24を形成する樹脂材料としては、46ナイロンや66ナイロンなどのポリアミド系樹脂、ポリブチレンテレフタラート、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミドイミド(PAI)、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルニトリル(PEN)、等を例示することができる。また、上記した樹脂に例えばガラス繊維や炭素繊維などの繊維状充填材を10〜50重量%適宜添加することにより、保持器の剛性および寸法精度を向上させることができる。
【0033】
柱部24bは、内輪12側に位置する第1の部位24b1と、外輪11側に位置する第2の部位24b2と、を有している。特に本実施形態では、第1の部位24b1と、第2の部位24b2と、は柱部24bの基端部で分岐しており、柱部24の肉抜きによる軽量化や、潤滑剤の排出性能の向上が図られている。
【0034】
そして、図6に示すように、保持器24のポケット26の内径側の開口幅a、および外径側の開口幅bは、いずれも円すいころ13のころ径φdより狭くなっている(φd>a,φd>b)。ここでいうポケット26の開口幅a,bと円すいころ13のころ径φdとの関係は、ポケット26に収容された円すいころ13の中心軸の任意の箇所で該中心軸に垂直な断面をとったときの該断面に表れる各部の寸法で規定している。円すいころ13の外周面に対向するポケット26の面は、円すいころ13の外周面との間に僅かな隙間をおいて該外周面に添う円弧面とされている。
【0035】
内輪12、円すいころ13、および保持器24が互いに組み付けられた状態で、円すいころ13は、外周面がポケット26の外径側の開口縁26bと干渉して、径方向外側への変位を規制される。それにより、円すいころ13のポケット26からの脱落が防止される。そして、保持器24は、ポケット26の内径側の開口縁26aが円すいころ13の周面と干渉して、柱部24bの先端が円すいころ13の小径端側に接近する向きの軸方向の変位を規制される。それにより、保持器24の抜け落ちが防止される。尚、内輪12、円すいころ13、および保持器24の組み付けは、例えば、保持器24に円すいころ13を配置し、保持器24の弾性変形を利用して内輪12を組み込む方法や、内輪12に保持器24を配置し、保持器24の柱部24bの先端側から円すいころ13を組み込む方法などが挙げられる。
【0036】
以上説明したように、本実施形態の円すいころ軸受20によれば、保持器24が、円すいころ13の小径端側に配置される円環部24aと、円環部24aから円すいころ13の大径端側に向けて伸びる複数の柱部24bと、を有する櫛形保持器とされているため、潤滑剤の排出性能が向上して軸受内部での潤滑剤の攪拌抵抗を低減することができ、軸受トルクの増大を抑えることができる。
【0037】
そして、本実施形態の円すいころ軸受20によれば、柱部24bが、内輪12側に位置する第1の部位24b1と、外輪11側に位置する第2の部位24b2と、を有しており、ポケット26の内径側の開口幅aおよび外径側の開口幅bが、いずれも円すいころ13のころ径φdより狭くなっている(φd>a,φd>b)ので、ポケット26に挿入した円すいころ13をポケット26内で保持することができ、保持器24の抜け落ちを防止することができる。これにより、円すいころ13および保持器24を内輪12と一体に保持して、軸受の組み付け性を向上させることができる。
【0038】
それにより、従来のように内輪12に加工を施したり保持器24と内輪12との間の隙間調整を行なったりする必要がなく、また、保持器24の抜け落ちを防止する支持輪等も必要ないため、軸受の製作コストを低く押さえることができる。
【0039】
なお、本発明の外輪、内輪、円すいころ、保持器、円環部、柱部、ポケット等の構成は、上記実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る円すいころ軸受の第1実施形態を説明するための要部断面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1に示す円すいころ軸受の変形例を説明するための断面図である。
【図4】本発明に係る円すいころ軸受の第2実施形態を説明するための要部断面図である。
【図5】図4に示す円すいころ軸受の保持器の部分拡大斜視図である。
【図6】図5のB−B線断面である。
【図7】従来の円すいころ軸受を説明するための要部断面図である。
【符号の説明】
【0041】
10 円すいころ軸受
11 外輪
11a 外輪軌道面
12 内輪
12a 内輪軌道面
13 円すいころ
14 保持器
14a 円環部
14b 柱部
16 ポケット
16a ポケットの内径側の開口縁
16b ポケットの外径側の開口縁
20 円すいころ軸受
24 保持器
24a 円環部
24b 柱部
24b1 柱部の第1の部位
24b2 柱部の第2の部位
26 ポケット
26a ポケットの内径側の開口縁
26b ポケットの外径側の開口縁
a ポケットの内径側の開口幅
b ポケットの外径側の開口幅
φd 円すいころの径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外輪と、内輪と、前記外輪と前記内輪との間に転動自在に配設された複数の円すいころと、該円すいころを円周方向に等間隔に保持した保持器と、を備え、
前記保持器は、前記円すいころの小径端側に配置された円環部と、該円環部から前記円すいころの大径端側に向けて伸びた複数の柱部と、を有し、円周方向に互いに隣り合う各柱部の間に前記円すいころを転動可能に保持するポケットを形成しており、
前記ポケットの内径側の開口縁と、外径側の開口縁とが、前記円すいころの中心軸を径方向に挟んで位置しており、
前記ポケットの内径側の開口幅および外径側の開口幅が前記円すいころのころ径より狭くなっていることを特徴とする円すいころ軸受。
【請求項2】
外輪と、内輪と、前記外輪と前記内輪との間に転動自在に配設された複数の円すいころと、該円すいころを円周方向に等間隔に保持した保持器と、を備え、
前記保持器は、前記円すいころの小径端側に配置された円環部と、該円環部から前記円すいころの大径端側に向けて伸びた複数の柱部と、を有し、円周方向に互いに隣り合う各柱部の間に前記円すいころを転動可能に保持するポケットを形成しており、
前記柱部が、前記ころのPCDの内径側に位置する第1の部位と、外径側に位置する第2の部位と、を有しており、
前記ポケットの内径側の開口幅および外径側の開口幅が前記円すいころのころ径より狭くなっていることを特徴とする円すいころ軸受。
【請求項3】
前記柱部が、前記第1の部位と、前記第2の部位と、に分岐していることを特徴とする請求項2に記載の円すいころ軸受。
【請求項4】
前記保持器が合成樹脂製であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の円すいころ軸受。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−191939(P2009−191939A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−33090(P2008−33090)
【出願日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】